JP2010536751A - EphB4に結合するヒト化抗体を利用する癌治療剤 - Google Patents

EphB4に結合するヒト化抗体を利用する癌治療剤 Download PDF

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Abstract

ある具体例において、本発明は、EphB4タンパク質に結合するヒト化抗体並びにそれらの抗体の治療目的のための利用を提供する。

Description

この出願は、2007年8月13日に出願された米国暫定出願番号第60/964,496号の優先権の利益を要求し、その全教示をそっくりそのまま資料として本明細書中に援用するものである。
血管形成(既存の血管系の内皮からの新しい血管の発生)は、宿主における固形腫瘍の成長、進行及び転移において極めて重要な過程である。生理的に正常な血管形成においては、周囲に間質成分を有する血管内皮の自己分泌、パラ分泌及びアンフィ分泌は、時間・空間的に厳密に調節されている。更に、血管新生促進性及び血管新生抑制性のサイトカイン及び成長因子のレベル及び活性のバランスが維持される。対照的に、活発な腫瘍成長に必要な病理的な血管形成は、持続的且つ永続的であり、正常な血管形成システムの調節異常を表している。固形腫瘍及び造血腫瘍の種類は、高レベルの異常な血管形成と特に関係している。
腫瘍の発達は、順次的及び相互関係を有する過程よりなり、それが、侵略的成長の潜在能力を有する自律的クローンの発生へと導くと、一般に、考えられている。これらの過程は、持続的成長及び無制限の自己再生を含む。腫瘍中の細胞集団は、一般に、成長シグナルの自己充足、成長抑制シグナルに対する減少した感度、及びアポトーシス耐性により特徴付けられる。異常型の成長を開始する遺伝学的又は細胞遺伝学的事象は、細胞を、アポトーシスを妨げることにより、延長された「可動(ready)」状態に維持する。
この出願は、とりわけ、EphB4の細胞外ドメインに結合する抗体例えば改変された抗体、又は当該結合性を有するそれらの断片を提供する。これらの改変された抗EphB4抗体又はそれらの抗原結合性断片は、所定の種例えばヒトにおいて、それらの未改変の親抗体と比べて免疫原性が低い。これらの抗体及び抗原結合性断片は、血管形成及び腫瘍成長を阻止するためにEphB4機能に影響を与える治療において有用である。
一具体例において、この出願は、EphB4の細胞外ドメインに結合する脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片(重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む)を提供し、ここに、各可変領域は、EphB4の細胞外ドメインに結合する非ヒト又は親抗体と比較して、フレーム領域内に2〜20アミノ酸の置換を有する。
一具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、EphB4の細胞外ドメインに結合する非ヒト又は親抗体からの一つ以上の相補性決定領域(CDR)を有する。一具体例において、1〜5の置換が、相補性決定領域(CDR)内に存在する。
一具体例において、一以上の置換は、脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片におけるT細胞エピトープの数を、非ヒト又は親抗体と比較して減少させる。一具体例において、一以上の置換は、脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片におけるB細胞エピトープの数を、非ヒト又は親抗体と比較して減少させる。一具体例において、一以上の置換は、非ヒト又は親抗体と比較して、一以上の調節性T細胞エピトープを、脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片に導入する。
一具体例において、脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片の重鎖可変領域は、EphB4の細胞外ドメインに結合する非ヒト又は親抗体と比較して、20以下のアミノ酸置換を有する。他の具体例において、脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片の重鎖可変領域は、EphB4の細胞外ドメインに結合する非ヒト又は親抗体と比較して、19以下、18以下、17以下、16以下、15以下、14以下、13以下、12以下、11以下、10以下、9以下、8以下、又は7以下のアミノ酸置換を有する。一具体例において、この重鎖可変領域は、非ヒト又は親抗体と比較して、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、又は少なくとも13のアミノ酸置換を有する。
一具体例において、脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片の軽鎖可変領域は、EphB4の細胞外ドメインと結合する非ヒト又は親抗体と比較して、20アミノ酸以下の置換を有する。他の具体例において、脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片の軽鎖可変領域は、19以下、18以下、17以下、16以下、15以下、14以下、13以下、12以下、11以下、10以下、9以下、8以下、又は7以下のアミノ酸置換を、EphB4の細胞外ドメインに結合する非ヒト又は親抗体と比較して有する。一具体例において、この軽鎖可変領域は、非ヒト又は親抗体と比較して、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、又は少なくとも13のアミノ酸置換を有する。
一具体例において、脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、EphB4の細胞外ドメインに、マウスモノクローナル抗体#131(ATCC寄託番号PTA−6214)と同じかそれより高い結合親和性で結合する。
一具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片における置換は、この抗体又はその抗原結合性断片のフレームワーク領域とヒトの生殖系列遺伝子配列(該フレームワーク領域と相同性を有する)との間での配列同等性の増大を生じる。
一具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、培養内皮細胞の管形成を阻害する。他の具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、イン・ビボでの組織の血管新生を阻害する。他の具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、マウスにおけるヒト腫瘍の異種移植片の成長を低減させる。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、動物の角膜に移植された組織の血管新生を阻害し又は動物に移植したマトリゲル組織プラグの血管新生を阻害する。一具体例において、脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、アポトーシスを促進する。
幾つかの具体例において、脱免疫化した抗体又はその抗原結合性断片のエフェクター機能は、変えられる。他の具体例においては、脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片のエフェクター機能は、増大される。他の具体例においては、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片のエフェクター機能は、減少される。幾つかの具体例においては、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、重鎖定常領域を含む。幾つかの具体例においては、Fc領域におけるN−グリコシル化が除かれる。幾つかの具体例においては、Fc領域は、N−グリコシル化認識配列内に突然変異を含み、それにより、この抗体又はポリペプチドのFc領域は、N−グリコシル化されない。幾つかの具体例において、このFc領域は、PEG化される。幾つかの具体例において、この重鎖定常領域は、次の残基を含むヒトの重鎖IgG2a定常領域である:330及び331位のセリン。幾つかの具体例において、重鎖定常領域は、次の変異を含むヒトの重鎖IgG4である:234位のバリン及び235位のアラニン。これらのアミノ酸位置は、Kabatの番号付けに基づいている。
一具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、EphB4の二量体化又は多量体化を阻害する。一具体例において、脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、EphrinB2刺激されたEphB4の自己リン酸化を阻害する。一具体例において、脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、EphB4キナーゼ活性を刺激する。
一具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、EphB4の第一のフィブロネクチン様ドメインに結合する。一具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、EphB4の第二のフィブロネクチン様ドメインに結合する。
一具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、細胞障害性薬剤に結合される。一具体例において、この細胞障害性薬剤は、放射性薬剤、植物、真菌又は細菌起源の分子例えばサポリン、生物学的タンパク質、ビンブラスチン、4−デスアセチルビンブラスチン、ビンクリスチン、レウロシジン(leurosidine)、及びビンデシンよりなる群から選択される。ある具体例において、この抗体又はその抗原結合性断片は、細胞障害性薬剤と、安定なリンカーを介して結合され、これは、細胞障害性薬剤を癌細胞内で放出する。
一具体例において、この抗体又はその抗原結合性断片の可変領域は、細胞外ドメインに結合する非ヒト又は親抗体と比較して、2〜20アミノ酸置換を有し、ここに、該非ヒト又は親抗体は又、脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片における一以上のCDRをも与える。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、ここに、各可変領域は、EphB4の細胞外ドメインに結合する非ヒト又は親抗体と比較して、2〜20アミノ酸置換を有し、そしてこの脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、該非ヒト又は親抗体からの一以上の相補性決定領域(CDR)を有する。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、ヒト患者において、該非ヒト又は親抗体よりも一層低免疫原性である。
一具体例において、この非ヒト又は親抗体は、マウスモノクローナル#47又はマウスモノクローナル#131である(それぞれ、ATCC寄託指示番号 及びPTA−6214)。更なる具体例において、重鎖可変領域における一以上の置換が、Kabatの番号付けシステムによる5、12、40、66、75及び83位よりなる群から選択されるアミノ酸位置で起きる。更なる具体例において、重鎖可変領域内の一以上の置換は、5位のバリン、12位のリジン、40位のアラニン、66位のアルギニン、75位のスレオニン、及び83位のアルギニンよりなる群から選択される(該位置は、Kabatの番号付けシステムに従うものである)。更なる具体例において、軽鎖可変領域における一以上の置換が、45、74及び100位(Kabatの番号付けシステムによる)よりなる群から選択されるアミノ酸位置でおきる。他の具体例において、軽鎖可変領域における一以上の置換は、45位のリジン、74位のスレオニン、及び100位のグルタミン(Kabatの番号付けシステムによる)よりなる群から選択される。
一具体例において、重鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、及びSEQ ID NO:13のアミノ酸1〜30よりなる群から選択されるFR1、b)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:10及びSEQ ID NO:13のアミノ酸36〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12及びSEQ ID NO:14のアミノ酸67〜98よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:1及びSEQ ID NO:10のアミノ酸113〜123よりなる群から選択されるFR4を含む。
一具体例において、軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:16のアミノ酸1〜23よりなる群から選択されるFR1、b)SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:18のアミノ酸35〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:17のアミノ酸57〜88よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:6及びSEQ ID NO:15のアミノ酸98〜107よりなる群から選択されるFR4を含む。
一具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片の重鎖可変領域は、SEQ ID NO:19を含むCDR1、SEQ ID NO:20を含むCDR2、及びSEQ ID NO:21を含むCDR3を含み、ここに、軽鎖は、SEQ ID NO:22を含むCDR1、SEQ ID NO:23を含むCDR2、及びSEQ ID NO:24を含むCDR3を含む。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、ヒト宿主において、マウスモノクローナル抗体#47より一層低免疫原性である。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、EphB4の細胞外ドメインに、EphB4の細胞外ドメインに結合するマウスモノクローナル抗体#47の結合親和性の少なくとも80%、少なくとも90%又は少なくとも100%の結合親和性で結合する。
更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、EphB4の、EphrinB2の細胞外部分への結合を阻害する。更なる具体例において、脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、EphB4の二量体化又は多量体化を阻害する。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、EphB4の、EphrinB2刺激された自己リン酸化を阻害する。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、EphB4キナーゼ活性を刺激する。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、EphB4の第一のフィブロネクチン様ドメインに結合する。更なる具体例においては、EphB4の第二のフィブロネクチン様ドメインに結合する。
更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、細胞障害性薬剤と結合される。更なる具体例において、この細胞障害性薬剤は、放射性薬剤、植物、真菌又は細菌起源の分子例えばサポリン、生物学的タンパク質、ビンブラスチン、4−デスアセチルビンブラスチン、ビンクリスチン、レウロシジン、及びビンデシンよりなる群から選択される。ある具体例においては、この抗体又はその抗原結合性断片は、安定なリンカーを介して細胞障害性薬剤と結合され、これは、細胞障害性薬剤を癌細胞内に放出する。
更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、培養内皮細胞による管形成を阻害する。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、イン・ビボでの組織の血管新生を阻害する。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、マウスにおけるヒトの腫瘍の異種移植片の成長を低減させる。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、動物の角膜に移植された組織の血管新生又は動物に移植されたマトリゲル組織プラグの血管新生を阻害する。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、アポトーシスを促進する。
幾つかの具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片のエフェクター機能は変更される。他の具体例においては、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片のエフェクター機能は増大される。他の具体例においては、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片のエフェクター機能は低減される。幾つかの具体例においては、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、重鎖定常領域を含む。幾つかの具体例においては、Fc領域におけるN−グリコシル化が除かれる。
更なる具体例において、この抗体又はその抗原結合性断片の重鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:4のアミノ酸1〜30よりなる群から選択されるFR1、b)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:5のアミノ酸36〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4及びSEQ ID NO:5のアミノ酸67〜98よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:1のアミノ酸113〜123よりなるFR4を含み;軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:6のアミノ酸1〜23よりなるFR1、b)SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7及びSEQ ID NO:9のアミノ酸35〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7及びSEQ ID NO:8のアミノ酸57〜88よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:6のアミノ酸98〜107よりなるFR4を含む。
更なる具体例において、この抗体又は抗原結合性断片の重鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:1;b)SEQ ID NO:2;c)SEQ ID NO:3、d)SEQ ID NO:4、及びe)SEQ ID NO:5よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
更なる具体例において、この抗体又は抗原結合性断片の軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:6;b)SEQ ID NO:7;c)SEQ ID NO:8、及びd)SEQ ID NO:9よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
更なる具体例において、この抗体又は抗原結合性断片の重鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:1;b)SEQ ID NO:2;c)SEQ ID NO:3、d)SEQ ID NO:4、及びe)SEQ ID NO:5よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含み;この抗体又は抗原結合性断片の軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:6;b)SEQ ID NO:7;c)SEQ ID NO:8、及びd)SEQ ID NO:9よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
更なる具体例において、この抗体又は抗原結合性断片の重鎖可変領域は、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:7及びb)SEQ ID NO:8よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
更なる具体例において、この重鎖可変領域は、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:7及びb)SEQ ID NO:8よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
更なる具体例において、この重鎖可変領域は、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、SEQ ID NO:8のアミノ酸配列を含む。
一具体例において、この抗体又は抗原結合性断片の重鎖可変領域は、SEQ ID NO:25を含むCDR1、SEQ ID NO:26を含むCDR2、及びSEQ ID NO:27を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域は、SEQ ID NO:28を含むCDR1、SEQ ID NO:29を含むCDR2及びSEQ ID NO:30を含むCDR3を含む。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、ヒト患者において、マウスモノクローナル抗体#131より一層低免疫原性である。
更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、EphB4の細胞外ドメインに、マウスモノクローナル抗体#131のEphB4の細胞外ドメインへの結合の結合親和性の少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも100%の結合親和性で結合する。
更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、EphB4の、EphrinB2の細胞外部分への結合を阻害する。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、EphB4の二量体化又は多量体化を阻害する。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、EphB4の、EphrinB2刺激された自己リン酸化を阻害する。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、EphB4キナーゼ活性を刺激する。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、EphB4の第一のフィブロネクチン様ドメインに結合する。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、EphB4の第二のフィブロネクチン様ドメインに結合する。
更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、細胞障害性薬剤と結合される。更なる具体例において、この細胞障害性薬剤は、放射線を放射する化合物、植物、真菌又は細菌起源の分子例えばサポリン、生物学的タンパク質、ビンブラスチン、4−デスアセチルビンブラスチン、ビンクリスチン、レウロシジン、及びビンデシンよりなる群から選択される。ある具体例において、この抗体又はその抗原結合性断片は、安定なリンカーを介して細胞障害性薬剤と結合され、これは、細胞障害性薬剤を癌細胞内に放出する。
更なる具体例において、この抗体又は抗原結合性断片は、培養内皮細胞による管形成を阻害する。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、イン・ビボでの組織の血管新生を阻害する。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、マウスにおけるヒトの腫瘍の異種移植片の成長を低減させる。更なる具体例において、この抗体又はその抗原結合性断片は、動物の角膜に移植された組織の血管新生又は動物に移植されたマトリゲル組織プラグの血管新生を阻害する。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、アポトーシスを促進する。
幾つかの具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片のエフェクター機能は、変えられる。他の具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片のエフェクター機能は、増大される。他の具体例においては、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片のエフェクター機能は、低減される。幾つかの具体例においては、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、重鎖定常領域を含む。幾つかの具体例において、Fc領域におけるN−グリコシル化は、除かれる。
更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片の重鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11及びSEQ ID NO:13のアミノ酸1〜30よりなる群から選択されるFR1、b)SEQ ID NO:10及びSEQ ID NO:13のアミノ酸36〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12及びSEQ ID NO:14のアミノ酸67〜98よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:10のアミノ酸113〜123よりなるFR4を含み、軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:16のアミノ酸1〜23よりなる群から選択されるFR1、b)SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:18のアミノ酸35〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:17のアミノ酸57〜88よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:15のアミノ酸98〜107よりなるFR4を含む。
更なる具体例において、この重鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:10;b)SEQ ID NO:11;c)SEQ ID NO:12、d)SEQ ID NO:13、及びe)SEQ ID NO:14よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
更なる具体例において、この軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:15;b)SEQ ID NO:16;c)SEQ ID NO:17、及びd)SEQ ID NO:18よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
更なる具体例において、この重鎖可変領域は、SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:17及びb)SEQ ID NO:18よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
更なる具体例において、この重鎖可変領域は、SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:17及びb)SEQ ID NO:18よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。更なる具体例において、この重鎖可変領域は、SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を含む。
一具体例において、この、EphB4の細胞外ドメインに親抗体又は非ヒト抗体と同じかそれ以上の親和性で結合する脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、次の特性の一つ以上を有する:a)各可変領域は、完全に、一つ以上のヒト抗体に由来する;b)各可変領域は、親又は非ヒト抗体と比べて減少した数のT細胞エピトープを有する;そしてc)各可変領域は、親又は非ヒト抗体と比べて減少した数のB細胞エピトープを有する。一具体例において、各可変領域は、一つ以上のヒト抗体からのセグメントの複合物である。一具体例において、ヒト抗体セグメントは、2〜35アミノ酸長である。一具体例において、ヒト抗体セグメントは、完全なCDR又は個別のフレームワーク領域を含まない。更なる具体例においては、次の残基の一つ以上が重鎖可変領域内に存在する:5位のバリン、12位のリジン、40位のアラニン、66位のアルギニン、75位のスレオニン、及び83位のアルギニン(該位置は、Kabatの番号付けシステムによる)。更なる具体例においては、次の残基の一つ以上が軽鎖可変領域内に存在する:45位のリジン、74位のスレオニン、及び100位のグルタミン(該位置は、Kabatの番号付けシステムによる)。
更なる具体例において、この重鎖可変領域は、SEQ ID NO:25を含むCDR1、SEQ ID NO:26を含むCDR2、及びSEQ ID NO:27を含むCDR3を含み;軽鎖可変領域は、SEQ ID NO:28を含むCDR1、SEQ ID NO:29を含むCDR2、及びSEQ ID NO:30を含むCDR3を含む。更なる具体例において、この重鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11及びSEQ ID NO:13のアミノ酸1〜30よりなる群から選択されるFR1、b)SEQ ID NO:10、及びSEQ ID NO:13のアミノ酸36〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12及びSEQ ID NO:14のアミノ酸67〜98よりなる群から選択されるFR3、及びSEQ ID NO:10のアミノ酸113〜123よりなるFR4を含み;軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:16のアミノ酸1〜23よりなる群から選択されるFR1、b)SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:18のアミノ酸35〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:17のアミノ酸57〜88よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:15のアミノ酸98〜107よりなるFR4を含む。
他の具体例において、重鎖可変領域は、SEQ ID NO:19を含むCDR1、SEQ ID NO:20を含むCDR2、及びSEQ ID NO:21を含むCDR3を含み;軽鎖は、SEQ ID NO:22を含むCDR1、SEQ ID NO:23を含むCDR2、及びSEQ ID NO:24を含むCDR3を含む。更なる具体例において、重鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:4のアミノ酸1〜30よりなる群から選択されるFR1、b)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:5のアミノ酸36〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4及びSEQ ID NO:5のアミノ酸67〜98よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:1のアミノ酸113〜123よりなるFR4を含み;軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:6のアミノ酸1〜23よりなるFR1、b)SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7及びSEQ ID NO:9のアミノ酸35〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7及びSEQ ID NO:8のアミノ酸57〜88よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:6のアミノ酸98〜107よりなるFR4を含む。
一具体例において、この、EphB4の細胞外ドメインに結合する脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、ATCC寄託番号PTA−614を有するハイブリドーマから得られた#131抗体よりも一層低免疫原性であって、ハイブリドーマから得られた抗体以上の親和性で結合する。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片の重鎖可変領域は、SEQ ID NO:25を含むCDR1、SEQ ID NO:26を含むCDR2、及びSEQ ID NO:27を含むCDR3を含み;軽鎖可変領域は、SEQ ID NO:28を含むCDR1、SEQ ID NO:29を含むCDR2、及びSEQ ID NO:30を含むCDR3を含む。更なる具体例において、この重鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11及びSEQ ID NO:13のアミノ酸1〜30よりなる群から選択されるFR1、b)SEQ ID NO:10及びSEQ ID NO:13のアミノ酸36〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12及びSEQ ID NO:14のアミノ酸67〜98よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:10のアミノ酸113〜123よりなるFR4を含み;軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:16のアミノ酸1〜23よりなる群から選択されるFR1、b)SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:18のアミノ酸35〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:17のアミノ酸57〜88よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:15のアミノ酸98〜107よりなるFR4を含む。
一具体例において、この、EphB4の細胞外ドメインに結合する脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、ATCC寄託番号 を有するハイブリドーマから得られた#47抗体よりも一層低免疫原性であって、ハイブリドーマから得られた抗体と同じかそれ以上の親和性で結合する。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片の重鎖可変領域は、SEQ ID NO:19を含むCDR1、SEQ ID NO:20を含むCDR2、及びSEQ ID NO:21を含むCDR3を含み;軽鎖は、SEQ ID NO:22を含むCDR1、SEQ ID NO:23を含むCDR2、及びSEQ ID NO:24を含むCDR3を含む。更なる具体例において、重鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:4のアミノ酸1〜30よりなる群から選択されるFR1、b)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:5のアミノ酸36〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4及びSEQ ID NO:5のアミノ酸67〜98よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:1のアミノ酸113〜123よりなるFR4を含み;軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:6のアミノ酸1〜23よりなるFR1、b)SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7及びSEQ ID NO:9のアミノ酸35〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7及びSEQ ID NO:8のアミノ酸57〜88よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:6のアミノ酸98〜107よりなるFR4を含む。
一具体例において、この、EphB4の細胞外ドメインに結合する脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、次の少なくとも一つを含む重鎖可変領域を有する:5位のバリン、12位のリジン、40位のアラニン、66位のアルギニン、75位のスレオニン、及び83位のアルギニン(該位置は、Kabatの番号付けシステムによる)。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、次の少なくとも一つを含む軽鎖可変領域を有する:45位のリジン、74位のスレオニン、及び100位のグルタミン(該位置は、Kabatの番号付けシステムによる)。
一具体例において、患者における腫瘍の成長速度を減じる方法を提供する。更なる具体例においては、この方法は、患者に、治療上有効な量の、ここに開示した脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片を投与することを含む。一具体例において、患者は、ヒト患者である。一具体例において、腫瘍は、匹敵する組織の非癌性細胞よりも高レベルのEphB4を発現する細胞を含む。
一具体例において、この出願は、アポトーシスを促進し、それにより、癌を患っている患者を治療する方法を提供する。更なる具体例において、この方法は、患者に、治療上有効な量の、ここに開示した脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片を投与することを含む。一具体例において、この患者は、ヒト患者である。一具体例において、癌は、匹敵する組織の非癌性細胞よりも高レベルのEphB4を発現する癌細胞を含む。この癌は、転移癌であってよい。更なる具体例において、この癌は、大腸癌、乳癌、中皮腫、前立腺癌、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫、卵巣癌、及び白血病よりなる群から選択される。一具体例において、この癌は、血管形成非依存性の癌であり、又は血管形成依存性の癌である。一具体例において、この抗体又は抗原結合性断片は、一種以上の更なる抗癌性化学療法剤と同時投与することができ、該化学療法剤は、抗体又は抗原結合性断片と相加的又は相乗的様式で癌細胞を阻害する。
ある具体例において、この開示は、癌を患っている患者を治療する方法であって、(a)患者において、EphB4及び/又はEphrinB2を発現する複数の癌細胞を有する腫瘍を同定すること;及び(b)その患者に、EphB4タンパク質の細胞外ドメインに結合する抗体又は抗原結合性断片を投与することを含む当該方法を提供する。
一具体例において、患者における血管形成を阻害する方法を提供する。更なる具体例において、この方法は、該方法を必要とする患者に、有効量のここに開示した抗体を投与することを含む。一具体例において、この患者は、ヒト患者である。更なる具体例において、この患者は、黄斑変性を有すると診断される。
一具体例において、一の方法は、細胞を、血管形成を阻害するのに充分な量の脱免疫化抗体又は抗原結合性断片と接触させることを含むことができる。
ある面において、この開示は、血管形成関連疾患を患っている患者を治療する方法であって、該患者に、EphB4タンパク質の細胞外ドメインに結合する脱免疫化抗体又は抗原結合性断片を投与することを含む当該方法を提供する。この抗体又は抗原結合性断片は、製薬上許容しうるキャリアと配合することができる。血管形成関連疾患又は望ましくない血管形成と関係する過程は、血管形成依存性の癌、良性腫瘍、炎症性疾患、慢性関節リウマチ及び乾癬、眼の血管形成性疾患、オスラー−ウェーバー症候群、心筋の血管形成、プラーク新血管新生、毛細血管拡張症、血友病関節、血管線維腫、傷の肉芽化、傷の治癒、毛細血管拡張性乾癬性硬皮症、化膿性肉芽腫、冠動脈側枝、虚血性肢血管形成、ルベオーシス、関節炎、糖尿病性新血管新生、骨折、脈管形成及び造血よりなる群から選択されうる。抗体又は抗原結合性断片は、該抗体又は抗原結合性断片と相加的又は相乗的様式で血管形成を阻害する少なくとも一種の更なる抗血管形成剤と同時投与することができる。
これらの治療方法の更なる具体例において、脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、全身投与される。更なる具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、局所投与される。
一具体例においては、ここに開示した脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片を含む医薬組成物を提供する。更なる具体例において、この組成物は又、任意の製薬上許容しうるキャリア又は賦形剤をも含むことができる。
一具体例において、ここに開示したこれらの抗体又はそれらの抗原結合性断片の、癌を治療するための医薬の製造における利用を与える。更なる具体例において、この癌は、大腸癌、乳癌、中皮腫、前立腺癌、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫、卵巣癌、及び白血病よりなる群から選択される。更なる具体例において、ここに開示したこの脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片の、血管形成を阻害するための医薬の製造における利用を与える。
一具体例において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、EphB4の活性を阻害することができる。抗体は、EphrinB2とEphB4との間の相互作用を阻害するようにデザインすることができる。アンタゴニスト抗体は、一般に、Eph及び/又はEphrinシグナリングに影響を及ぼすであろう。例えば、抗体は、EphB4のクラスター化又はリン酸化を阻害することができる。一具体例において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は又、EphB4の活性を増大させうる。アゴニスト抗体は、例えば、EphB4シグナリングをアップレギュレートすることができる。
ある面において、この開示は、細胞におけるEphrinB2/EphB4経路を介するシグナリングを阻害する方法を提供する。一の方法は、細胞を、有効量の、EphB4の細胞外ドメインに結合してEphB4の活性を阻害する抗体又は抗原結合性断片と接触させることを含む。
ある具体例において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体又は抗体断片、組換え抗体、ディアボディ、キメラ抗体又は抗体断片、ヒト化抗体又は抗体断片、完全にヒトの抗体又は抗体断片、CDRグラフトされた抗体又は抗体断片、一本鎖抗体、Fv、Fd、Fab、Fab'、又はF(ab')2及び合成の又は半合成の抗体であってよい。
ある具体例において、この脱免疫化抗体又は抗体断片は、EphB4タンパク質の細胞外ドメインに、少なくとも約1×10-3Mの、少なくとも約1×10-4Mの、少なくとも約1×10-5Mの、少なくとも約1×10-6Mの、少なくとも約1×10-7Mの、少なくとも約1×10-8Mの、少なくとも約1×10-9Mの、少なくとも約1×10-10Mの、少なくとも約1×10-11Mの、又は少なくとも約1×10-12Mの解離定数(KD)で結合する。
ある面において、ここに開示したこの脱免疫化抗体又は抗体断片は、更なる官能性部分例えば標識又は望ましい薬物速度論的特性を与える部分と共有結合(或は、安定に会合)することができる。典型的な標識は、蛍光検出法、陽電子放射断層撮影検出法及び核磁気共鳴検出法よりなる群から選択される方法による検出に適したものを含む。標識は、例えば、蛍光標識、放射性標識、及び特有の核磁気共鳴的特徴を有する標識よりなる群から選択することができる。ポリエチレングリコール(PEG)成分などの成分を、抗体又はその抗原結合性部分に付けて血清半減期を増大させることができる。
ある具体例において、この脱免疫化抗体又は抗体断片は、変化した定常領域を含み、その場合、該抗体又は抗原結合性断片は、天然のままの定常領域を有する抗EphB4抗体と比較して減少したエフェクター機能を示す。ある具体例において、減少したエフェクター機能は、次の群の一つ以上の特性を含む:天然定常領域を有する抗EphB4抗体と比較して、減少した抗体依存性T細胞媒介による細胞障害性(ADCC)、及び減少した補体依存性の細胞障害性(CDC)。
ある具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、変化した定常領域を含み、この場合、該抗体又は抗原結合性断片は、天然のままの定常領域を有する抗EphB4抗体と比較して、増大したエフェクター機能を示す。ある具体例において、増大したエフェクター機能は、次の群の少なくとも一つの特性を含む:天然定常領域を有する抗EphB4抗体と比較して、増大した抗体依存性T細胞媒介による細胞障害性(ADCC)及び増大した補体依存性の細胞障害性(CDC)。
ある具体例において、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、抗癌活性を有する。ある具体例において、この抗癌活性は、腫瘍の成長の阻害、癌細胞の増殖の阻害、癌細胞の移動の阻害、癌細胞の転移の阻害、血管形成の阻害、又は腫瘍細胞死を引き起こすことであってよい。
一具体例において、この出願は、この出願の抗体を含む、前立腺癌を検出するための診断用組成物を提供する。
一具体例において、この開示は、EphB4の細胞外部分に位置するエピトープに結合する脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片を提供する。この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、図1のEphB4配列のアミノ酸16〜198内に位置するエピトープに結合することができる。例えば、このエピトープは、EphrinB2に結合するEphB4の球状ドメイン(図1のアミノ酸29〜197)内に位置しうる。この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、EphB4の、EphrinB2の細胞外部分への結合を阻害することができる。この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、図1のEphB4配列のアミノ酸327〜427又は428〜537内に位置するエピトープに結合することができる。例えば、この脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片は、EphB4の第一のフィブロネクチン様ドメイン(図1のアミノ酸324〜429)又は第二のフィブロネクチン様ドメイン(図1のアミノ酸434〜526)に結合することができる。
他の具体例において、この抗体又は抗原結合性断片は、ヒトへの投与のために、臨床的に許容しうるものである。
他の具体例において、ここに開示したこの脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを提供する。他の具体例においては、ストリンジェントな条件下で、ここに開示したこの脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片をコードするポリヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチドを提供する。
他の具体例において、ここに開示したこの脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片をコードする少なくとも一つのヌクレオチド配列を含むベクターを提供する。
他の具体例において、ここに開示したこの脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片を発現するベクターを含む単離された細胞を提供する。
この出願は、前述の面及び具体例の任意の組合せを企図している。
EphB4の前駆体タンパク質のアミノ酸配列を示す図である。(Genbank受入れ番号 NP_004435及びSEQ ID NO:53) 親のマウスモノクローナル抗体と脱免疫化変異体の可変領域を比較するアミノ酸のアラインメントを示した図である。図2Aは、マウスモノクローナル抗体#47の重鎖可変領域(SEQ ID NO:49)を5つの脱免疫化変異体と並べて描いた図である。 親のマウスモノクローナル抗体と脱免疫化変異体の可変領域を比較するアミノ酸のアラインメントを示した図である。図2Bは、#47の軽鎖可変領域(SEQ ID NO:50)を4つの脱免疫化変異体と並べて描いた図である。 親のマウスモノクローナル抗体と脱免疫化変異体の可変領域を比較するアミノ酸のアラインメントを示した図である。図2Cは、マウスモノクローナル抗体#131の重鎖可変領域(SEQ ID NO:51)を5つの脱免疫化変異体と並べて描いた図である。 親のマウスモノクローナル抗体及と脱免疫化変異体の可変領域を比較するアミノ酸のアラインメントを示した図である。図2Dは、#131の軽鎖可変領域(SEQ ID NO:52)を4つの脱免疫化変異体と並べて描いた図である。陰影をつけた残基は、親のマウスモノクローナル抗体と異なるアミノ酸を示している。 キメラの#47抗体の結合を4つの脱免疫化した#47の変異型抗体と比較する、細胞外EphB4サンドイッチELISAの結果を描いた図である。数字は、可変領域の配列を示している。例えば「3/7」は、SEQ ID NO:3の重鎖可変領域とSEQ ID NO:7の軽鎖可変領域を有する抗体を示している。 ELISAにおいて50%結合に達したときの各抗体の濃度を示した図である。 キメラの#131抗体の結合を4つの脱免疫化した#131の変異型抗体と比較する、細胞外EphB4サンドイッチELISAの結果を描いた図である。 ELISAにおいて50%結合に達したときの各抗体の濃度を示した図である。 10mg/mlの抗体で処理したHT29細胞からの溶解物を載せたSDSゲルのウエスタンブロットを示した図である(レーン1:抗体処理なし、レーン2:マウスモノクローナル抗体#131、レーン3:キメラの#131、レーン4:典型的な脱免疫化した#131抗体、レーン5:マウスモノクローナル抗体#47、レーン6:キメラの#47、レーン7:典型的な脱免疫化した#47抗体、レーン8:KDaで示した分子量マーカー)。 イン・ビボでの扁平上皮細胞癌の異種移植片アッセイの結果を描いた図である。腫瘍の体積をY軸上にmm3で表示し、X軸は、治療開始後の日数に対応している。マウスモノクローナル抗体#47での処理を、典型的な脱免疫化抗体及び対照処理と比較している。 イン・ビボでの扁平上皮細胞癌の異種移植片アッセイの結果を描いた図である。腫瘍の体積をY軸上にmm3で表示し、X軸は、治療開始後の日数に対応している。マウスモノクローナル抗体#131での処理を、典型的な脱免疫化抗体及び対照処理と比較している。
1.定義
「患者」は、脊椎動物例えば哺乳動物、又はヒトを指す。本願の抗体及び抗原結合性断片は、主としてヒト患者の治療に関係するが、それらは又、他の哺乳動物患者例えばイヌ及びネコの治療のために、獣医学的目的のためにも用いることができる。
ここで用いる場合、用語「抗体」(免疫グロブリン)は、モノクローナル抗体(完全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、少なくとも2つの完全な抗体から形成される複特異性抗体(例えば、二特異性抗体)、ヒト抗体、ヒト化抗体、ラクダ化(camelised)抗体、キメラ抗体、一本鎖Fv(scFv)、一本鎖抗体、単一ドメイン抗体、ドメイン抗体、Fab断片、F(ab')2断片、所望の生物学的活性を示す抗体断片、ジスルフィド結合されたFv(sdFv)、細胞内抗体(intrabody)、及び上記の何れかのエピトープ結合性断片又は抗原結合性断片を包含するが、それらに限られない。抗体は、免疫グロブリン分子及びその免疫学的に活性な断片即ち抗原結合部位を含む分子を含む。免疫グロブリン分子は、何れの型(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA及びIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)又はサブクラスであってもよい。
用語「抗原結合性断片」は、抗原への結合を保持している抗体の任意の部分を指す。抗体の典型的な抗原結合性断片は、重鎖及び/又は軽鎖CDRであり、又は重鎖及び/又は軽鎖可変領域である。
用語「免疫原性」は、抗体又は抗原結合性断片の、レシピエントに投与されたときに免疫応答(液性又は細胞性)を誘出する能力を指し、例えば、HAMA応答を含む。HAMA応答は、患者のT細胞が投与された抗体に対して免疫応答を起こす場合に開始される。これらのT細胞は、次いで、B細胞を動員して、特異的な「抗−抗体」抗体を生成する。
用語「T細胞エピトープ」は、適度な効率でMHCクラスII分子に結合するか又はT細胞を、MHCクラスIIにおける提示により刺激することのできる特異的ペプチド配列を指す。
用語「B細胞エピトープ」は、B細胞により認識されるペプチド配列を指す。一般に、これらの配列は、溶媒接触可能である。
用語脱免疫化は、化合物の所定の種に対する免疫原性を減じる工程である。脱免疫化抗体は、所定の種において、対応する親又は非ヒト抗体よりも一層低い免疫原性を有する抗体である。
ここで用いる場合、用語Ephrin及びEphは、それぞれ、リガンド及びレセプターを指すために用いられる。それらは、様々な何れの動物(例えば、哺乳動物/非哺乳動物、脊椎動物/無脊椎動物、ヒトを含む)に由来するものでってもよい。この領域における命名法は、急速に変化し、ここで用いられる術語は、Eph Nomenclature Committeeによる仕事の結果として提案されたものであり、これは、world wide web 上で、以前に用いられていた名称と共に、eph-nomenclature.comにてアクセスすることができる。
II.概観
Ephファミリーレセプターは、Eph(赤血球タンパク質を産生するヒト肝細胞癌細胞株における発現につき命名されたレセプター)と関係するレセプタータンパク質−チロシンキナーゼのファミリーである。それらは、それらの細胞外ドメインの配列の関係及びそれらの、Ephrin−Aタンパク質又はEphrin−Bタンパク質に優先的に結合する能力に基いて、2つのサブグループに分割される。Ephrin−Aタンパク質と優先的に相互作用するレセプターは、EphAレセプターであり、Ephrin−Bタンパク質と優先的に相互作用するものがEphBレセプターである。
Ephレセプターは、リガンド結合用球状ドメイン、システインリッチ領域及びその後ろの一対のフィブロネクチンIII型反復よりなる細胞外ドメインを有している。細胞質ドメインは、2つの保存されたチロシン残基を含む膜近位領域;タンパク質チロシンキナーゼドメイン;不稔性α−モチーフ(SAM)及びPDZドメイン結合性モチーフよりなる。EphB4は、膜結合したリガンドEphrinB2に特異的である(Sakano,S.等、1996;Brambilla,R.等、1995)。EphrinB2は、膜貫通ドメイン及び5つの保存されたチロシン残基を有する細胞質領域及びPDZドメインを有するEphリガンドのクラスに属する。Ephレセプターは、クラスター化し、膜結合したephrinの結合により活性化され(Davis,S等、1994)、これは、これらのレセプターを発現する細胞とこれらのリガンドを発現する細胞との間での接触がEph活性化に必要とされることを示している。
リガンドの結合に際して、Ephレセプターは、二量体化して、膜近位チロシン残基を自己リン酸化して、完全な活性化を得る(Kalo等、1999,Binns KS、2000)。Ephレセプターを介する順方向シグナリングに加えて、逆方向シグナリングが、ephrinBを介して起こりうる。ephrinのEph嵌入は、保存された細胞内チロシンの迅速なリン酸化(Bruckner K、1997)及び幾らか遅いPDZ結合性タンパク質の動員(Palmer A 2002)を生じる。
EphB4前駆体タンパク質を図1に示す。図1のEphB4配列のアミノ酸16〜198は、EphrinB2に結合するEphB4の球状ドメイン(GD)に対応する。アミノ酸239〜321は、システインリッチなドメインに対応し、アミノ酸324〜429及び434〜526は、EphB4の第一のフィブロネクチン様ドメイン(FND1)及び第二のフィブロネクチン様ドメイン(FND2)にそれぞれ対応する。
幾つかの研究は、Eph/ephrinの高発現が、腫瘍成長、腫瘍原性、及び転移の増大した潜在能力と関連しうることを示した(Easty DJ、1999; Kiyokawa E、1994; Tang XX、1999; Vogt T、1998; Liu W、2002; Stephenson SA、2001; Steube KG 1999; Berclaz G、1996)。米国出願10/949,720号は、EphB4抗体がアポトーシスを引き起こし、血管形成を減じ、そして頭頸部癌異種移植片における腫瘍成長を阻害することを示している。
この開示は、癌並びに血管形成関連疾患及び望ましくない血管形成と関係する過程を治療するために利用することのできる脱免疫化抗体及び抗原結合性断片を提供する。
脱免疫化抗体及び抗原結合性断片は、EphB4機能をイン・ビトロ及びイン・ビボで阻害するために利用することができる。この開示は、EphB4とEphB2の相互作用を阻害することなどによってレセプターアンタゴニストとして作用する抗体を提供する。この開示は又、アゴニストとして作用してEphB4キナーゼ活性(典型的には、EphB4リン酸化状態を評価することにより評価する)を活性化する抗体及びそれらの抗原結合性部分をも提供する。驚くべきことに、かかる抗体は又、EphB4機能を、細胞ベースの及びイン・ビボでのアッセイにおいても阻害する。従って、かかる抗体及び抗原結合性断片は、EphB4機能をイン・ビトロ及びイン・ビボで阻害するために、及び癌又は望ましくない血管形成と関連する病気を治療するために利用することができる。如何なる特定の機構に限定されることも望まないが、EphB4キナーゼ活性を刺激する抗体が、EphB4の膜からの除去にも影響を与え、それ故、全体的なEphB4レベルが低下するということは予想される。
III.抗体
抗体は、脊椎動物において、B細胞として知られるリンパ球により、抗原による刺激に応答して生成されるタンパク質である。抗体(又は、免疫グロブリン(Ig))分子の基本構造単位は、集まって、大文字の「Y」の形状になる、4つのポリペプチド鎖よりなる。これらの4つの鎖の2つは、同じ軽(L)鎖であり、2つは、同じ重(H)鎖である。5つの異なる種類(イソ型)の重鎖があり、これらは、抗体を5つのクラス、即ち、IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMに分割する。更に、カッパー及びラムダと指名される軽鎖の2つの異なるイソ型がある。重鎖の各クラスは、軽鎖の何れかと組み合わせることができる。これらの重鎖及び軽鎖は、各々、抗原結合に関与する可変領域(それぞれ、VH及びVL)及び定常(C)領域を含む。抗原結合部位は、6つの超可変領域(又は、相補性決定領域(CDR))よりなる。重鎖からの3つのCDRと軽鎖からの3つのCDRは、それぞれ、各鎖上で、フレームワーク領域(FR1、FR2、FR3及びFR4)と呼ばれる比較的保存された逆平行ベータシート間に位置している。慣習により、VH及びVL鎖のコンポーネント部分の位置を示すために番号付けシステムが利用されてきた。Kabatの定義は、配列変動性に基き、Chothiaの定義は、構造的ループ領域の位置に基いている。
ある面において、本願は、EphB4に対する脱免疫化抗体及び抗原結合性断片を提供する。幾つかの具体例において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、EphB4の細胞外ドメインに結合する。抗体が、Fab、Fv、scFv、Fab'及びF(ab')2、モノクローナル及びポリクローナル抗体、操作された抗体(キメラ抗体、一本鎖抗体、CDRグラフトされた抗体、ヒト化抗体、完全にヒトの抗体、及び人為的に選択した抗体を含む)、及び合成の又は半合成の抗体(ファージディスプレー又は別の技術を利用して産生)であってよいということは理解される。
この出願の一具体例において、これらの抗体断片は、切り詰められた鎖(カルボキシル末端を切り詰められたもの)である。ある具体例において、これらの切り詰められた鎖は、一以上の免疫グロブリン活性(例えば、補体結合活性)を有する。切り詰められた鎖の例は、Fab断片(VL、VH、CL及びCH1ドメインよりなる);Fd断片(VH及びCH1ドメインよりなる);Fv断片(抗体の一本鎖のVL及びVHドメインよりなる);dab断片(VHドメインよりなる);単離されたCDR領域;(Fab')2断片、二価断片(ヒンジ領域でジスルフィド橋により結合された2つのFab断片を含む)を含むが、これらに限られない。これらの切り詰められた鎖は、慣用の生化学的技術例えば酵素開裂、又は組換えDNA技術(これらの各々は、当分野で公知)により製造することができる。これらのポリペプチド断片は、当分野で周知の方法によって、完全な抗体のタンパク質分解による開裂により、又は終止コドンを、位置指定突然変異誘発を利用してベクター中の所望の位置例えばFab断片を産生するためにCH1の後に又は(Fab')2断片を産生するためにヒンジ領域の後に挿入することにより製造することができる。一本鎖抗体は、VL及びVHをコードする領域を、VL及びVHタンパク質断片を繋ぐペプチドリンカーをコードするDNAと結合させることにより製造することができる。
この出願は又、抗EphB4抗体の断片をも提供し、それらは、完全な抗体の一部分例えば完全な抗体の抗原結合性領域又は可変領域を含むことができる。抗体断片の例には、Fab、Fab'、F(ab')2及びFv断片;ディアボディ;リニア抗体(Zapata等、Protein Eng. 1995; 8(10): 1057-1062);一本鎖抗体分子;及び複特異性抗体(抗体断片から形成される)が含まれる。
抗体のパパイン消化は、各々単一の抗原結合部位を有する「Fab」と呼ばれる二つの同じ抗原結合性断片、及び残りの「Fc」断片(この名前は、容易に結晶化(crystallize)する能力を反映している)を生成する。抗体のペプシン処理は、F(ab')2断片を産出し、これは、2つの抗原結合部位を有し、依然、抗原を架橋することができる。
「Fv」は、通常、完全な抗原認識部位と抗原結合部位を含む最小抗体断片を指す。この領域は、堅く非共有結合した一の重鎖可変領域と一の軽鎖可変領域の二量体よりなる。各可変領域の3つのCDRが相互作用してVH−VL二量体の表面上の抗原結合部位を規定するのは、この配置においてである。集合的に、これらのCDRは、抗原結合特異性を抗体に与える。しかしながら、たとえ単一可変領域(又は、抗原に特異的な3つのCDRを含むFvの半分)が抗原を認識して結合する能力を有しても、完全な結合部位よりも低い親和性であることはありそうなことである。
従って、ある具体例において、この出願に開示された抗体は、EphB4の細胞外ドメインを認識する1、2、3、4、5、6個以上のCDRを含むことができる。
このFab 断片は又、軽鎖の定常ドメイン及び重鎖の第一の定常ドメイン(CH1)をも含む。Fab'断片は、Fab 断片と、抗体ヒンジ領域からの少なくとも一のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端における幾つかの残基の追加だけ異なっている。Fab'−SHは、ここでは、定常ドメインのシステイン残基が遊離のチオール基を有するFab'の指示である。F(ab')2抗体断片は、元々、ヒンジシステインを有するFab'断片の対として生成された。抗体断片の他の化学カップリングも又、知られている。「一本鎖Fv」即ち「scFv」抗体断片は、抗体のVH及びVLドメインを含み、これらのドメインは、単一ポリペプチド鎖内に存在する。ある具体例において、Fvポリペプチドは、更に、ポリペプチドリンカーをVH及びVLドメイン間に含み、これは、scFvが抗原結合のための所望の構造を形成することを可能にする。scFvの総説としては、Pluckthun(The Pharmacology of Monoclonal Antiodies,vol.113,Rosenburg及びMoore編(Springer-Verlag: New York, 1994), p.269-315)を参照されたい。
SMIPは、標的結合領域及びエフェクタードメイン(CH2及びCH3ドメイン)含むように操作された一本鎖ペプチドの一つのクラスである。例えば、米国特許出願公開第2005/0238646号を参照されたい。この標的結合領域は、抗体(例えば、この出願の抗EphB4抗体)の可変領域又はCDRに由来しうる。或は、この標的結合領域は、EphB4に結合するタンパク質に由来する。
用語「ディアボディ」は、2つの抗原結合部位を有する小さい抗体断片を指し、これらの断片は、同じポリペプチド鎖(VH−VL)内の軽鎖可変領域(VL)に繋がれた重鎖可変領域(VH)を含む。同じ鎖上の2つのドメイン間での対合を与えるには短すぎるリンカーを利用することにより、これらのドメインは、他の鎖の相補的ドメインと対合することを強制されて2つの抗原結合部位が造られる。ディアボディは、例えば、EP404,097;WO93/11161;及びHollinger等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 90:6444-6448(1993)に一層完全に記載されている。
Fc領域を有する抗体の分子(又は病原体)への結合は、その分子(又は病原体)の処理又は除去を助成するということは周知である。これらの抗体のFc部分は、免疫エフェクター細胞により発現される特殊化されたレセプターにより認識される。これらのIgG1及びIgG3抗体のFc部分は、食細胞例えばマクロファージ及び好中球の表面に存在するFcレセプターによって認識され、それにより、これらの細胞は、これらのイソ型の抗体で被覆された分子又は病原体に結合して飲み込むことができる(Janeway等、Immunobiology 第5版、147頁、Garland Publishing (New York、2001))。
本願の抗EphB4抗体は、IgM、IgG、IgD、IgA及びIgEを含むすべての型の定常領域を有する抗体を含む(IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、IgG4を含む)。これらの抗体の軽鎖は、カッパー軽鎖又はラムダ軽鎖であってよい。
ある具体例において、一本鎖抗体、及びキメラの、ヒト化又は霊長類化した(CDRグラフト)抗体並びにキメラの又はCDRグラフトした一本鎖抗体(種々の種に由来する部分を含む)も又、抗体の抗原結合性断片として本開示に含まれる。これらの抗体の様々な部分を、慣用の技術によって、化学的に一緒に繋ぐことができ、又は遺伝子工学技術を利用して連続的タンパク質として製造することができる。例えば、キメラの又はヒト化された鎖をコードする核酸を発現させて連続的タンパク質を生成することができる。例えば、米国特許第4,816,567号及び6,331,415号;米国特許第4,816,397号;欧州特許第0,120,694号;WO86/01533;欧州特許第0,194,276B1;米国特許第5,225,539号;及び欧州特許第0,239,400B1号を参照されたい。Newman等、BioTechnology、10: 1455-1460(1992)(霊長類化抗体に関する)も参照されたい。例えば、Ladner等、米国特許第4,946,778号;及びBird等、Science、242: 423-426(1988)(一本鎖抗体に関する)を参照されたい。
ある面において、本願は、EphB4又はEphB4の一部分に対する結合特性を有する抗体及び抗原結合性断片を提供する。幾つかの面において、これらの抗体及び抗原結合性断片は、EphB4の特異的ドメインの少なくとも一つに結合する。例えば、抗体又は抗原結合性断片は、EphB4の少なくとも一つの細胞外ドメイン(例えば、球状ドメイン、システインリッチドメイン、及び第一のフィブロネクチン3型ドメイン、及び第二のフィブロネクチン3型ドメイン)に結合する。幾つかの面において、これらの免疫グロブリンは、EphB4に、少なくとも約1×10-6、1×10-7、1×10-8、1×10-9M以下の解離定数(KD)で結合することができる。ある具体例において、ここに開示した抗体及び抗原結合性断片は、EphB4に特異的であり、最小抗体は、Eph又はEphrinファミリーの他のメンバーに結合する。
ある具体例において、本願は、EphB4アンタゴニスト抗体を提供する。ここに記載のように、用語「アンタゴニスト抗体」は、EphB4の少なくとも一つの機能例えば結合活性(例えば、リガンド結合)及びシグナリング活性(例えば、EphB4のクラスター化又はリン酸化、細胞応答の刺激、例えば細胞移動又は細胞増殖の刺激)を阻害することのできる抗体を指す。例えば、アンタゴニスト抗体は、EphB4レセプターの天然のリガンド(例えば、EphrinB2又はその断片)との相互作用を阻害する(減じ又は防止する)ことができる。幾つかの具体例において、EphB4に向けられたアンタゴニスト抗体は、内皮細胞の移動、細胞増殖、血管形成、及び/又は腫瘍成長を含むEphB4により媒介される機能を阻害することができる。ある具体例において、このアンタゴニスト抗体は、EphB4の細胞外ドメインに結合する。
他の具体例において、抗体又は抗原結合性断片は、EphB4アゴニストである。幾つかの具体例において、抗体又は抗原結合性断片は、EphB4キナーゼ活性を、たとえEphrinB2と無関係にでも、活性化し又は増進する。幾つかの例において、かかる抗体は、EphB4を刺激するために利用することができる。しかしながら、出願人は、殆どの細胞ベースのアッセイ及びイン・ビボアッセイにおいて、かかる抗体は、驚いたことに、アンタゴニスト抗体のように振舞うことに着目した。かかる抗体は、フィブロネクチンIII型ドメインに、特に図1のアミノ酸327〜427の領域に結合することが明らかになった。幾つかの具体例において、EphB4のフィブロネクチンIII型ドメインに結合する抗体又は抗原結合性断片は、内皮細胞移動、細胞増殖、血管形成及び/又は腫瘍成長を含むEphB4により媒介される機能を阻害することができる。
ある具体例において、一本鎖抗体、及びキメラ抗体、ヒト化抗体又は霊長類化(CDRグラフト)抗体ならびにキメラの又はCDRグラフトされた一本鎖抗体(種々の種に由来する部分を含む)も又、この開示に、抗体の抗原結合性部分として含まれる。
加えて、キメラの、ヒト化された、霊長類化された又は一本鎖の抗体を含む抗体の、抗原結合性断片も又生成される。本発明の抗体の抗原結合性断片は、それらが由来した完全長の抗体の少なくとも一の結合機能及び/又は変調機能を保持している。ある抗原結合性断片は、EphB4の少なくとも一つの特徴的機能例えば結合活性、シグナリング活性及び/又は細胞応答の刺激を阻害する能力を保持している。例えば、一具体例において、EphB4抗体の抗原結合性断片は、EphB4の、一つ以上のそのリガンド(例えば、EphrinB2)との相互作用を阻害し及び/又は少なくとも一のレセプター媒介による機能例えば細胞移動、細胞増殖、血管形成及び/又は腫瘍成長を阻害することができる。
一面において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、マウス抗体である。一面において、重鎖及び軽鎖の可変領域は、各々、2〜20アミノ酸置換を含む。一面において、これらの置換は、少なくとも一のマウスアミノ酸の少なくとも一の対応するヒトアミノ酸による置き換えを含む。一面において、ヒトアミノ酸は、マウス可変領域と相同であるヒトの生殖系列遺伝子の同定に基いて選択される。一面において、相同性のヒト生殖系列遺伝子は、マウス可変領域の4つのフレームワーク領域の各々につき、独立に同定される。
用語「ヒト化抗体及び抗原結合性断片」は、ここで用いる場合、異なった起源の抗体の複数の部分でありその少なくとも一部分はヒト起源であるものを含む、抗体又は抗原結合性断片を指す。従って、一具体例は、EphB4(例えば、ヒトのEphB4)に対する結合特性を有する脱免疫化抗体を指し、該抗体は、非ヒト(例えば、ゲッ歯類)起源の抗原結合性領域及びヒト起源の抗体の少なくとも一部分(例えば、ヒトのフレームワーク領域、ヒトの定常領域又はこれらの部分)を含む。例えば、この脱免疫化抗体は、必要な特異性を有する非ヒト(例えば、マウス)起源の抗体に由来する部分及びヒト起源の抗体配列に由来する部分を含むことができ(例えば、キメラ抗体)、慣用の技術によって化学的に一緒に繋がれ(例えば、合成)又は遺伝子工学技術を利用して連続したポリペプチドとして製造される(例えば、キメラ抗体のタンパク質部分をコードするDNAを発現させて連続的なポリペプチド鎖を生成することができる)。
ある具体例において、これらのフレームワーク領域は、最も近いヒトの生殖系列のフレームワーク領域に由来する。ある具体例においては、この抗体又は抗原結合性断片は、最も近いヒトの生殖系列遺伝子に由来するFR1、FR2、FR3及びFR4領域を含む。ある具体例において、各フレームワーク領域は、独立に、特定のフレームワーク領域に最も近いヒト生殖系列遺伝子から選択される。ある具体例において、フレームワーク領域内で抗原結合親和性に影響を与える残基が、非ヒト抗体又は親抗体由来の対応する残基に取って代わる。
一面において、脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、非ヒト起源のCDR(例えば、非ヒト起源の抗体に由来する少なくとも一つのCDR)及びヒト起源例えば生殖系列抗体遺伝子起源の軽鎖及び/又は重鎖に由来するフレームワーク領域を含む少なくとも一の抗体鎖(例えば、フレームワーク変化を伴う又は伴わないCDRグラフトした抗体)を含む。一具体例において、この脱免疫化抗体は、マウスモノクローナル抗体とEphB4への結合について競争することができる。キメラの又はCDRグラフトされた一本鎖抗体も又、用語ヒト化抗体に包含される。
一面において、脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、非ヒト起源のCDR(例えば、非ヒト起源の抗体に由来する少なくとも一つのCDR)及び非ヒト起源のフレームワーク領域を含む一以上の抗体鎖を含む。一具体例において、この非ヒトフレームワーク領域は、対応するヒトフレームワーク領域に由来する少なくとも一つのアミノ酸で置換される。一具体例において、ヒトアミノ酸残基での非ヒト残基の置換は、ヒト患者における抗体の免疫原性を低減させる。
一具体例において、本発明は脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片を提供し、該抗体又は断片は、EphB4の細胞外ドメインに結合し、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、ここに、各可変領域は、EphB4の細胞外ドメインに結合する非ヒト又は親抗体と比較して2〜20のアミノ酸置換を有する。この可変領域は、3つのCDR領域を、4つのフレームワーク領域に散在させて含む。一面において、これらの置換は、フレームワーク領域内にある。
一具体例において、非ヒト又は親抗体は、ヒト生殖系列抗体遺伝子のデータベースと例えばV BASE由来の遺伝子と比較され、高度に相同性の個々のフレームワーク領域が同定される。この非ヒト又は親抗体の可変領域の構造モデルを、SwissPdb、WAM(Web Antibody Modelling)及びAbMなどのプログラムを利用するなどして生成することができる。例えば、CDR又は抗原との相互作用において役割を演じないか又は抗原結合親和性に寄与しないような残基は、ヒト生殖系列遺伝子からの対応する残基で置換することができる。
一具体例において、全フレームワークの代わりに、非ヒト又は親抗体の可変領域アミノ酸配列中の個々のフレームワーク領域は、ヒト抗体の集合における対応する配列と比較される。最高度の相同性を有するヒトのフレームワークを選択して、元の非ヒト又は親抗体のフレームワークを置き換える。この技術は、「フレームワークパッチング」として公知であり、米国特許出願第2005/0033028に詳細に記載されており、本明細書中に資料として援用する。
一具体例において、「フレームワークシャッフリング」として言及されるが、非ヒト又は親抗体に由来するCDR可変領域を有するコンビナトリアルライブラリーを個々のヒト生殖系列フレームワークのプールとフレームを合わせて融合する(Dall'Acqua等、Methods、36:43(2005))。これらのライブラリーを、次いで、スクリーニングして、EphB4の細胞外ドメインに、非ヒト又は親抗体以上の結合親和性で結合するヒト化抗体をコードするクローンを同定する。
一具体例において、非ヒト又は親抗体は、潜在的なT細胞エピトープを同定するために分析される。T細胞は、MCHクラスII結合モチーフを予測するペプチドスレッディングソフトウェアを利用して同定することができる。計算による結合予想アルゴリズムには、iTope(商標)、Tepitope、SYFPEITHI、及びMHCpredが含まれる。一具体例において、相同な、個々の、ヒトのフレームワーク領域は、潜在的T細胞エピトープについて並行して分析される。非ヒト又は親抗体の可変領域及びヒト生殖系列遺伝子の両方において同定されるエピトープは、無視することができる。非ヒト又は親抗体可変領域でのみ同定されたエピトープは、次いで、将来可能性のある(potential)置換のためにフラグ付けされる。
一具体例において、非ヒト又は親抗体は、潜在的(potential)B細胞エピトープを同定するために分析される。潜在的B細胞エピトープは、非ヒト又は親抗体フレームワーク領域内の、少なくとも部分的に溶媒接触可能であって、対応する相同なヒト抗体フレームワークの残基と異なる残基を同定することによって認識されうる。一具体例において、潜在的なB細胞エピトープは、溶媒接触可能な非ヒト又は親抗体フレームワーク残基を対応するヒトの残基で置き換えることにより除去される。
一具体例において、脱免疫化抗体に導入された置換は、アミノ酸の置換、欠失又は挿入を含む。一具体例において、各置換は、アミノ酸の、相同なヒトの生殖系列遺伝子からの又はヒトの可変領域のコンセンサス配列からの対応するアミノ酸による置き換えを生じる。一具体例において、非ヒト又は親の抗体又は抗原結合性断片は、2〜20アミノ酸を、相同なヒト生殖系列遺伝子からの又はヒト可変領域コンセンサス配列からの対応するアミノ酸で置換することによって脱免疫化される。一具体例において、これらの置換は、少なくとも一のT細胞又はB細胞エピトープを除去することができる。他の具体例において、これらの置換は、調節的T細胞エピトープを導入することができる。一具体例において、脱免疫化した非ヒト又は親の抗体又は抗原結合性断片は、ヒト患者に投与した場合に、非ヒト又は親の抗体又は抗原結合性断片よりも減少した免疫原性応答を示す。
一具体例において、脱免疫化した抗体又は抗原結合性断片の重鎖又は軽鎖の可変領域は、WO2006/08246に記載されたように、少なくとも一のヒト抗体に完全に由来する。一具体例において、可変領域は、少なくとも一のヒト抗体由来のアミノ酸配列のセグメントよりなる。一具体例において、ヒトのセグメントは、2アミノ酸長以上である。一具体例において、ヒトセグメントは、100アミノ酸長以下である。更なる具体例において、これらのヒトセグメントは、50アミノ酸長以下、40アミノ酸長以下、又は30アミノ酸長以下である。
一具体例において、各可変領域は、親又は非ヒト抗体と比較して、減少した数のT細胞エピトープを有する。一具体例において、各可変領域は、親又は非ヒト抗体と比較して、減少した数のB細胞エピトープを有する。
一面において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、マウスモノクローナル抗体#47のCDR領域を含む。マウスモノクローナル抗体#47は、US2005/0249736に記載されて特性表示されている(資料として、本明細書中に、そっくりそのまま援用する)。マウスモノクローナル抗体#47の重鎖のCDR領域は、SEQ ID NO:19(CDR1)、SEQ ID NO:20(CDR2)、及びSEQ ID NO:21(CDR3)と定義されている。マウスモノクローナル抗体#47の軽鎖のCDR領域は、SEQ ID NO:22(CDR1)、SEQ ID NO:23(CDR2)、及びSEQ ID NO:24(CDR3)と定義されている。一面において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、マウスモノクローナル抗体#47の少なくとも一のフレームワーク領域(FR1〜FR4)を含んでいる。
一面において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、ヒト患者において、マウスモノクローナル抗体#47よりも低免疫原性である(低減されたHAMA応答を誘出)。免疫原性を測定するためのアッセイは、当業者に周知である。免疫応答を測定する技術的に認められた方法を行なって、特定の患者において又は臨床試験においてHAMA応答をモニターすることができる。脱免疫化抗体を投与された患者は、免疫原性の評価を、該治療の施与の開始時及び施与期間中にわたって与えられうる。このHAMA応答は、例えば、この脱免疫化治療剤に対する抗体を、患者からの血清試料中で、表面プラズモン共鳴技術(商品名BIACORE)及び/又は固相ELISA分析を含む当業者に公知の方法を用いて検出することによって測定される。一方、T細胞活性化事象を測定するためにデザインされたイン・ビボアッセイは又、免疫原性をも表示する。例として、一のアッセイは、T細胞増殖アッセイである。このアッセイにおいて、世界でHLA−DRアレルの80%より多くを占めるドナー由来のPBMCを、抗体又は抗体断片に応答しての増殖につきスクリーニングする。
一面において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、EphB4の細胞外ドメインに、マウスモノクローナル抗体#47の結合親和性の少なくとも80%又は少なくとも90%の結合親和性で結合する。他の具体例において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、EphB4の細胞外ドメインに、マウスモノクローナル抗体#47の結合親和性の100%以上の結合親和性で結合する。
結合親和性の測定は、当業者には周知である。技術的に認められた方法には、酵素結合免疫溶媒アッセイ(ELISA)、放射免疫沈降(RIP)アッセイ、及びBIAcoreバイオセンサーアッセイが含まれる。実施例2は、一層詳細に、サンドイッチELISAを利用する結合親和性の測定を記載している。
他の面において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4又はSEQ ID NO:5として規定されたアミノ酸配列を含む重鎖及びSEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8又はSEQ ID NO:9として規定されたアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一具体例において、重鎖はSEQ ID NO:3であり、軽鎖はSEQ ID NO:7である。一具体例において、重鎖はSEQ ID NO:3であり、軽鎖はSEQ ID NO:8である。一具体例において、重鎖はSEQ ID NO:4であり、軽鎖はSEQ ID NO:7である。一具体例において、重鎖はSEQ ID NO:4であり、軽鎖はSEQ ID NO:8である。幾つかの具体例において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、EphB4の細胞外ドメインに結合する。幾つかの具体例において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、ヒト患者に対して、マウスモノクローナル抗体#47よりも一層低免疫原性である。
一面において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、マウスモノクローナル抗体#131のCDRを含む。マウスモノクローナル抗体#131は、US2005/0249736に記載されて特性表示されている(本明細書中に、資料として、そっくりそのまま援用する)。このマウスモノクローナル抗体#131の重鎖のCDR領域は、SEQ ID NO:25(CDR1)、SEQ ID NO:26(CDR2)、及びSEQ ID NO:27(CDR3)として定義される。マウスモノクローナル抗体#131の軽鎖のCDR領域は、SEQ ID NO:28(CDR1)、SEQ ID NO:29(CDR2)、及びSEQ ID NO:30(CDR3)として定義される。一面において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、マウスモノクローナル抗体#131の少なくとも一のフレームワーク領域(FR1〜FR4)を含む。
一面において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、EphB4の細胞外ドメインと、マウスモノクローナル抗体#131の結合親和性の少なくとも80%、又は少なくとも90%の結合親和性で結合する。他の具体例において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、EphB4の細胞外ドメインに、マウスモノクローナル抗体#131の100%以上の結合親和性で結合する。
一面において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、ヒト患者において、マウスモノクローナル抗体#131よりも一層低免疫原性である(低減されたHAMA応答を誘出)。
他の面において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13又はSEQ ID NO:14として規定されるアミノ酸配列を含む重鎖及びSEQ ID NO:15、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:17又はSEQ ID NO:18として規定されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一具体例において、重鎖はSEQ ID NO:13であり、軽鎖はSEQ ID NO:17である。一例において、重鎖はSEQ ID NO:13であり、軽鎖はSEQ ID NO:18である。一例において、重鎖はSEQ ID NO:14であり、軽鎖はSEQ ID NO:17である。一例において、重鎖はSEQ ID NO:14であり、軽鎖はSEQ ID NO:18である。幾つかの具体例において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、EphB4の細胞外ドメインに結合する。幾つかの具体例において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、マウスモノクローナル抗体#131よりもヒト患者に対して低免疫原性である。
幾つかの具体例において、これらの脱免疫化抗体は、培養内皮細胞による管形成を阻害する。阻害は、下記を含む当業者に公知の方法によって測定することができる。マトリゲル(60μlの10mg/ml;Collaborative Lab、Cat. No. 35423)を、氷冷した96ウェルプレートの各ウェル中に置く。このプレートを、室温に15分間おいてから、37℃で30分間インキュベートして、マトリゲルを重合させる。その間に、ヒトの臍静脈内皮細胞を、EGM−2(Clonetic、Cat. No. CC3162)中で、2×105細胞/mlの濃度で調製する。この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片を、2×所望濃度(5濃度レベル)で、同培地中で調製する。細胞(500μl)及び2×抗体(500μl)を混合して、この懸濁液200μlを、二重に、重合させたマトリゲル上に置く。24時間後に、各濃度につき、Bioquant Image Analysis システムを用いて、3枚ずつの写真を撮る。タンパク質添加の効果(IC50)を、形成された臍帯の長さ及び接合点の数を未処理対照と比較して測定することにより評価する。
幾つかの具体例において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、イン・ビボでの組織の血管新生を阻害する。阻害は、下記を含む当業者に公知の任意の方法によって測定することができる。イン・ビボでの血管形成は、マウスにおいて、皮下組織から、脱免疫化抗体又は抗原結合性断片を含むマトリゲルプラグ内への血管の成長としてアッセイすることができる。マトリゲルは、体温で急速に固体ゲルを形成し、これらの因子をトラップして、周囲の組織へのゆっくりとした放出を可能にして曝露を延長させする。液体形態のマトリゲル(8.13mg/ml、0.5ml)は、4℃で、Endothelial Cell Growth Supplement (ECGS)、脱免疫化抗体プラスECGS又はマトリゲルプラスビヒクル(0.25%BSAを含むPBS)と混合される。マトリゲル(0.5ml)を、雌のnu/nuマウス(6週齢)の胴皮下組織に腹膜中線に沿って注射する。6日目に、マウスを犠牲にし、プラグを回収して組織学のために処理する。典型的には、腹膜の裏打ちを保持することにより、上にある皮膚を除去してゲルを切り出し、PBS中の10%ホルマリン緩衝液中で固定してパラフィンに包埋する。3μmの切片を切り、H&E又はマッソン三色染色により染色して、光学顕微鏡下で検査する。
幾つかの具体例において、脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、ヒト腫瘍異種移植片のマウスにおける成長を低減させる。腫瘍成長の阻害は、当業者に公知の任意の方法(実施例に記載のものを含む)により測定することができる。
幾つかの具体例において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、動物の角膜に移植された組織の血管新生を阻害する。阻害は、Kenyon等、1996年(米国公開2005/0249736参照、資料として、本明細書中に援用する)に詳述されたマウス角膜マイクロポケットアッセイを含む当業者に公知の任意の方法によって測定することができる。
幾つかの具体例において、この脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、アポトーシスを促進する。アポトーシスは、イン・ビトロで、TUNEL染色及び細胞死検出ELISAプラスキット(Roche、Piscataway、NJ)を含む様々な方法を利用して、試験することができる。
ある面において、本願は、ハイブリドーマ細胞系統を提供し並びにこれらのハイブリドーマ細胞系統により産生されたモノクローナル抗体を提供する。これらの開示した細胞系統は、モノクローナル抗体の生産以外の用途を有する。例えば、これらの細胞系統は、他の細胞(ヒトのミエローマ、マウスミエローマ、ヒトとマウスの異種ミエローマ又はヒトのリンパ芽球細胞)と融合させて、更なるハイブリドーマを生成することができ、そうして、これらのモノクローナル抗体による遺伝子のトランスファーを与えることができる。加えて、これらの細胞系統は、抗EphB4免疫グロブリン鎖をコードする核酸の供給源として利用することができ、これらは、単離して発現させることができる(例えば、任意の適当な技術を利用して、他の細胞へのトランスファーに際して(例えば、Cabilly等、米国特許第4,816,567号;Winter、米国特許第5,225,539号参照))。例えば、再配置された抗EphB4軽鎖又は重鎖を含むクローンを単離することができ(例えば、PCRにより)又はcDNAライブラリーを、細胞系統から単離されたmRNAから調製して、抗EphB4免疫グロブリン鎖をコードするcDNAクローンを単離することができる。こうして、抗体又はそれらの部分の重鎖及び/又は軽鎖をコードする核酸を、組換えDNA技術に従って得て、特異的免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、又はそれらの変異体(例えば、ヒト化免疫グロブリン)の製造のために利用することができる(様々な宿主T細胞において又はイン・ビトロ翻訳系において)。例えば、ヒト化免疫グロブリン又は免疫グロブリン鎖などの変異体をコードするcDNA又はそれらの誘導体を含む核酸を、適当な原核生物又は真核生物ベクター(例えば、発現ベクター)中に配置して、適当な宿主T細胞に、適当な方法(例えば、トランスフォーメーション、トランスフェクション、エレクトロポレーション、感染)によって導入して、該核酸を一つ以上の発現制御用エレメント(例えば、ベクター中又はT細胞のゲノムに組み込まれたもの)に操作可能に結合することができる。生産のために、宿主のT細胞を、発現に適した条件(例えば、インデューサーの存在、適当な塩類、成長因子、抗生物質、栄養サプリメントなどを補った適当な培地)下に維持することができ、それにより、コードされたポリペプチドが産生される。所望であれば、コードされたタンパク質を回収し及び/又は単離することができる(例えば、宿主T細胞から又は培地から)。産生の方法がトランスジェニック動物のT細胞における発現を含むということは認められよう(例えば、WO92/03918,GenPharm International、1992年3月19日公開参照)。
本発明の抗体及び抗原結合性断片は、イン・ビボで、癌性細胞を直接殺し又は除去するために利用することができる。直接癌性細胞を殺すことは、抗体(適宜、細胞障害性薬物に融合したもの)をかかる治療を必要とする患者に投与することを含む。幾つかの具体例において、この癌は、EphB4を匹敵する組織の非癌性細胞よりも高レベルで発現する癌細胞を含む。これらの抗体は、癌細胞上のEphB4を認識するので、これらの抗体が結合する如何なる細胞も破壊される。これらの抗体が癌細胞を殺し又は除去するために単独で用いられる場合には、かかる殺し又は除去は、内因性の宿主免疫機能、例えばCDC及び/又はADCCを開始することにより達成することができる。抗体が細胞をこの仕方で殺すかどうかを測定するためのアッセイは、当業者の知識の範囲内にある。
従って、一具体例において、本開示の抗体は、様々な細胞障害性化合物を送達するために利用することができる。任意の細胞障害性化合物を本発明の抗体に融合させることができる。この融合は、化学的に又は遺伝学的に(例えば、単一の融合した分子としての発現により)達成することができる。この細胞障害性化合物は、生物学的分子例えばポリペプチドであってよく、又は小型の分子であってもよい。当業者は、小型分子については、化学的融合が用いられ、他方、生物学的化合物については、化学的又は遺伝学的融合が用いられうることを認識できる。
細胞障害性化合物の非制限的例には、治療用薬物、放射線を放射する化合物、植物、真菌又は細菌起源の分子、生物学的タンパク質、及びこれらの混合物が含まれる。これらの細胞障害性薬物は、細胞内で作用する細胞障害性薬物例えば近距離放射線の放射源(例えば、近距離、高エネルギーのα線源を含む)であってよい。酵素的に活性な毒素及びそれらの断片は、ジフテリア毒素A断片、ジフテリア毒素の非結合性活性断片、エキソトキシンA(緑膿菌由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、アルファ−サクリン、ある種のシナアブラギリタンパク質、ある種のナデシコタンパク質、ヨウシュヤマゴボウタンパク質(PAP、PAPII及びPAP−S)、モロジカ・チャランチア(Morodica charantia)インヒビター、クルシン、クロチン、サボンソウインヒビター、ゲロニン、ミトギリン、レストリクトシン、フェノマイシン及びエノマイシンにより例示される。これらのイムノトキシンの酵素的に活性なポリペプチドの調製手順は、WO84/03508及びWO85/03508に記載されている(これらを資料として、本明細書中に援用する)。ある細胞障害性部分は、アドリアマイシン、クロラムブシル、ダウノマイシン、メトトレキセート、ネオカルチノスタチン及び白金に由来する。
これらの抗体を細胞障害性薬剤と結合体化する手順は、以前に記載されており当業者の知識の範囲内にある。
ある具体例において、これらの抗体又は抗原結合性断片は、更に、検出されうる標識に結合される(例えば、該標識は、放射性同位元素、蛍光化合物、酵素又は酵素補因子であってよい)。活性部位は、放射性薬剤例えば放射性重金属例えば鉄キレート、ガドリニウム又はマグネシウムの放射性キレート、酸素、窒素、鉄、炭素又はガリウムの陽電子放射源、43K、52Fe、57Co、67Cu、67Ga、68Ca、123I、125I、131I、132I又は99Tcであってよい。かかる部位に結合した結合剤は、イメージング剤として利用することができ、哺乳動物例えばヒトにおける診断用途に有効な量で投与することができ、その後、該イメージング剤の局在性及び蓄積を検出する。このイメージング剤の局在性及び蓄積は、ラジオシンチグラフィー、核磁気共鳴イメージング、コンピューター断層撮影又は陽電子放射断層撮影により検出することができる。EphB4に向けられた抗体又は他の結合性ポリペプチドを利用するイムノシンチグラフィーを利用して、癌及び血管系を検出及び/又は診断することができる。例えば、99テクネチウム、111インジウム、125ヨウ素で標識したEphB4マーカーに対するモノクローナル抗体は、かかるイメージングのために効果的に利用することができる。当業者には明らかとなろうが、投与すべき放射性同位元素の量は、その放射性同位元素に依るものである。当業者は、容易に、投与すべきイメージング剤の量を、活性部位として用いられる所定の放射性核種の比放射能及びエネルギーに基いて処方することができる。典型的には、イメージング剤の一投与量当たり0.1〜100ミリキュリー、又は1〜10ミリキュリー、又は2〜5ミリキュリーを投与する。従って、開示した組成物は、放射性部位に結合されたターゲティング部位を含むイメージング剤として有用であり、0.1〜100ミリキュリーを含み、幾つかの具体例においては、1〜10ミリキュリーを、幾つかの具体例においては、2〜5ミリキュリーを、幾つかの具体例においては、1〜5ミリキュリーを含む。
この出願は、更に、脱免疫化抗EphB4抗体又はその断片をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを提供する。遺伝コードの縮重のために、様々な核酸配列が、各抗体のアミノ酸配列をコードする。この出願は、更に、ストリンジェントな又は一層ストリンジェントでないハイブリダイゼーション条件下で(例えば、ここで規定したような)、EphB4に結合する脱免疫化抗体をコードするポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドを提供する。
ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中でのフィルターに結合されたDNAへの約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の、0.2×SSC/0.1%SDSでの約50〜65℃での一回以上の洗浄、一層ストリンジェントな条件例えば6×SSC中でのフィルターに結合されたDNAへの約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の、0.1×SSC/0.2%SDSでの約60℃での一回以上の洗浄、又は任意の他の当業者に公知のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件(例えば、Ausubel, F.M.等編、1989 Current Protocols in Molecular Biology、第一巻、Green Publishing Associates, Inc.及びJohn and Sons, Inc., NY の6.3.1〜6.3.6頁及び2.10.3頁を参照されたい)を含むが、これらに限られない。
これらのポリヌクレオチドは、当分野で公知の任意の方法により、得ることができ、それらのヌクレオチド配列を決定することができる。例えば、もし抗体のヌクレオチド配列が既知であれば、その抗体をコードするポリヌクレオチドを、化学合成されたオリゴヌクレオチドから組み立てることができ(例えば、Kutmeier等、BioTechniques 17:242(1994)に記載されたように)、それは、簡単には、抗体をコードする配列の部分を含む重複するオリゴヌクレオチドの合成、それらのオリゴヌクレオチドのアニーリング及び連結、及びその後の該連結されたオリゴヌクレオチドのPCRによる増幅を含む。一具体例において、用いられるコドンは、ヒト又はマウスに典型的なものを含む (例えば、Nakamura, Y., Nucleic Acids Res. 28:292(2000)を参照されたい)。
抗体をコードするポリヌクレオチドは又、適当な起源からの核酸から生成することもできる。特定の抗体をコードする核酸を含むクローンが利用可能であれば(但し、該抗体分子の配列は公知)、その免疫グロブリンをコードする核酸は、化学合成することができ、又は適当な起源(例えば、その抗体を発現している任意の組織又は細胞例えば抗体を発現するように選択されたハイブリドーマ細胞からの抗体cDNAライブラリー、又はcDNAライブラリー、又は核酸、好ましくはポリA+RNA)から、配列の3’及び5’末端にハイブリダイズすることのできる合成プライマーを利用するPCR増幅により得ることができ、又は例えば、この抗体をコードするcDNAライブラリーからcDNAクローンを同定するための特定の遺伝子配列に特異的なオリゴヌクレオチドプローブを利用するクローニングにより得ることができる。PCRにより生成された増幅された核酸を、次いで、複製可能なクローニングベクター中に、当分野で周知の任意の技術を利用してクローン化することができる。
本願は又、ここに記載した抗体の重鎖及び軽鎖フレームワーク領域並びにCDRをコードするポリヌクレオチド配列並びにそれらの哺乳動物細胞における効率的発現のための発現ベクターをも提供する。
IV.変化したエフェクター機能を有する抗EphB4抗体
操作された若しくは変異した定常領域又はFc領域を有する抗体は、エフェクター機能例えば抗原依存性細胞障害性(ADCC)及び補体依存性細胞障害性(CDC)の変調において有用でありうる。かかる操作された若しくは変異した定常領域又はFc領域を有する抗体は、EphB4が正常組織で発現される場合に有用でありうる。例えば、これらの場合にエフェクター機能を有しない脱免疫化抗体及び抗原結合性断片は、所望の治療応答を誘出するが、正常組織にダメージを与えない。他の具体例において、抗体及び抗原結合性断片は、増大したエフェクター機能を伴って与えられ、それ故、直接的な殺細胞に有用でありうる。
従って、本開示のある面及び方法は、少なくとも一のアミノ酸の置換、挿入及び/又は欠失を含む、変化したエフェクター機能を有する抗EphB4抗体に関係する。ある具体例においては、かかる変異した抗EphB4抗体は、減少したエフェクター機能を示し又はエフェクター機能を示さない。
減少したエフェクター機能を有する抗EphB4抗体は、抗体のある領域のアミノ酸配列に他の型の変化を導入することによって製造することができる。かかるアミノ酸配列の変化は、Bluestone等により記載されたAla−Ala変異(WO94/28027及びWO98/47531参照;Xu等、2000 Cell Immunol 200; 16-26も参照されたい)を含むが、これに限定されない。従って、ある具体例においては、Ala−Ala変異を含む定常領域に変異を有する抗EphB4抗体を用いて、エフェクター機能を減じ又は完全に破壊することができる。これらの具体例によれば、抗EphB4抗体の定常領域は、234位のアラニンに対する突然変異又は235位のアラニンに対する突然変異を含む。加えて、この定常領域は、二重突然変異即ち234位のアラニンに対する突然変異と235位のアラニンに対する第二の突然変異を含むことができる。一具体例において、抗EphB4抗体は、IgG4フレームワークを含み、その場合、Ala−Ala変異は、234位におけるフェニルアラニンのアラニンへの変異及び/又は235位におけるロイシンのアラニンへの変異を示す。他の具体例において、抗抗EphB4抗体は、IgG1フレームワークを含み、その場合、Ala−Ala変異は、234位におけるロイシンのアラニンへの変異及び/又は235位におけるロイシンのアラニンへの変異を示す。抗抗EphB4抗体は、択一的に又は追加的に、CH2ドメインにおける点突然変異K322Aを含む他の変異を有しうる。定常領域に該変異を有する抗体は、更に、ブロッキング又は非ブロッキング抗体であってよい。
ヒンジ領域内の変化も又、エフェクター機能に影響を与える。例えば、ヒンジ領域の欠失は、Fcレセプターに対する親和性を減じうるし、補体活性化を減じうる(Klein等、1981 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78: 524-528)。それ故、本開示は又、ヒンジ領域に変化を有する抗体にも関係する。
特定の具体例において、抗EphB4抗体を、補体依存性細胞障害性(CDC)を増進又は阻害するように改変することができる。変調されたCDC活性は、一以上のアミノ酸の置換、挿入又は欠失を抗体のFc領域に導入することにより達成することができる(例えば、米国特許第6,194,551号参照)。択一的に又は追加的に、システイン残基をFc領域に導入することができ、それにより、この領域における鎖間ジスルフィド結合形成が可能となる。このように生成されたホモ二量体の抗体は、改善された又は低減されたインターナリゼーション能力及び/又は増大した若しくは減少した補体媒介による細胞死滅を有する。Caron等、J. Exp Med. 176:1191-1195(1992)及びShopes, B. J. Immunol. 148:2918-2922(1992)、WO99/51642、Duncan & Winter Nature 322: 738-40(1988); 米国特許第5,648,260号;米国特許第5,624,821号;及びWO94/29351を参照されたい。増進された抗腫瘍活性を有するホモ二量体の抗体は又、Wolff等、Cancer Research 53:2560-2565(1993)に記載されたヘテロ二官能性クロスリンカーを利用して製造することもできる。一方、二重のFc領域を有する抗体を、操作することができ、それにより、増進された補体溶解及びADCCキャパシティーを有することができる。Stevenson等、Anti-Cancer Drug Design 3:219-230(1988)を参照されたい。
抗体のエフェクター機能を変調する他の可能な手段は、グリコシル化の変化を含む。このトピックは、最近、ヒトIgGにおいて見出されたオリゴ糖類の提案された重要性をエフェクター機能の程度と共に要約したRajuにより総説された(Raju, TS. BioProcess International 2003年4月、44−53頁)。Wright及びMorrisonによれば、ヒトIgGオリゴ糖類の微小変異は、生物学的機能、例えばCDC及びADCC、様々なFcレセプターへの結合及びClqタンパク質への結合に影響を与えうる(Wright及びMorrison SL. TIBTECH 1977, 15: 26-32)。ということは、抗体のグリコシル化パターンが、産生細胞及び細胞培養条件に依って異なりうることは、充分に文献に記載されている(Raju, TS. BioProcess International 2003年4月、44−53頁)。かかる差異は、エフェクター機能及び薬物速度論の両方における変化へと導きうる(Israel等、Immunology、1996; 89(4):573-578; Newkirk等、P. Clin. Exp. 1996; 106(2):259-64)。エフェクター機能の差異は、IgGの、エフェクター細胞上のFcγレセプター(FcγR)に結合する能力と関係しうる。Shields等は、FcγRへの改善された結合を有するアミノ酸配列に変異を有するIgGが、最大100%増進されたADCCを示すことができることをヒトエフェクター細胞を用いて示している(Shields等、J Biol Chem. 2001 276(9):6591-604)。これらの変異体は、結合界面に見出されないアミノ酸の変化を含むが、糖成分の性質並びにその構造パターンの両者も又、観察された差異に寄与しうる。加えて、IgGのオリゴ糖成分におけるフコースの存否は、結合及びADCCを改善しうる(Shields等、J Biol Chem. 2002; 277(30):26733-40)。Asn297に結合したフコシル化炭水化物を欠くIgGは、Fcγレセプターに対する正常なレセプター結合を示した。対照的に、FcγRIIAレセプターへの結合は、50%改善され、特に、一層低い抗体濃度で増進されたADCCを伴った。
Shinkawa等による仕事は、ラットハイブリドーマで産生されたヒトIL−5レセプターに対する抗体は、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)で産生された抗体と比較して50%より高いADCCを示すことを示した(Shinkawa等、J Biol Chem. 2003 278(5):3466-73)。単糖類組成物及びオリゴ糖類プロファイリングは、ラットハイブリドーマで産生されたIgGは、CHOで産生されたタンパク質よりもフコースの含量が少ないことを示した。これらの著者は、IgG1のフコシル化の欠如がADCC活性の増進における臨界的役割を有すると結論を下した。
異なるアプローチがUmana等により行なわれ、キメラのIgG抗神経芽細胞腫抗体であるchCE7のグリコシル化パターンが変化された(Umana等、Nat Biotechnol. 1999年2月;17(2): 176-80)。テトラサイクリンを用いて、彼らは、ADCC活性に関与してきたオリゴ糖類を二分するグリコシルトランスフェラーゼ酵素(GnnII)の活性を調節した。親抗体のADCC活性は、バックグラウンドレベルより僅かに上であった。種々のテトラサイクリンレベルで生成されたchCE7のADCC活性の測定は、イン・ビトロADCC活性における最大chCE7に対するGnTIH発現の最適範囲を示した。この活性は、定常領域関連の、二分された複雑なオリゴ糖のレベルと相関した。新たに最適化された変異体は、かなりのADCC活性を示した。同様に、Wright及びMorrisonは、抗体をグリコシル化が不充分なCHO細胞系統に生成して(1994 J Exp Med 180: 1087-1096)、この細胞系統で産生された抗体が補体媒介の細胞溶解を行なえないことを示した。従って、既知のエフェクター機能に影響を与える変化は、グリコシル化パターンの改変又はグリコシル化残基の数の変化を含むので、本開示は、EphB4抗体に関係し、該抗体では、グリコシル化は、ADCC及びCDCを含むエフェクター機能を増進又は低減させるように変化される。変化されたグリコシル化は、グリコシル化残基の数の減少又は増大並びにグリコシル化残基のパターン又は局在性の変化を含む。
抗体のエフェクター機能を変えるための更に別のアプローチが存在する。例えば、抗体産生細胞は、突然変異高誘発性でありえ、それ故、全抗体分子中でランダムに変化したヌクレオチド及びポリペプチド残基を有する抗体を産生する(WO2005/011735参照)。突然変異高誘発性宿主細胞は、DNAミスマッチの修復が不充分な細胞を含む。この仕方で産生された抗体は、抗原性が一層低く及び/又は有益な薬物速度論的特性を有しうる。加えて、かかる抗体は、増進された又は低減されたエフェクター機能などの特性のために選択することができる。
エフェクター機能は、抗体の結合親和性によって変化しうるということは更に理解される。例えば、高い親和性を有する抗体は、補体系の活性化において、一層低い親和性を有する抗体と比較して一層効率的でありうる(Marzocchi-Machado等、1999 Immunol Invest 28: 89-101)。従って、抗体は、その抗原に対する結合親和性が減じるように変化されうる(例えば、抗体の可変領域を、少なくとも一つのアミノ酸残基の置換、付加又は欠失などの方法によって変化させることにより)。減じた結合親和性を有する抗EphB4抗体は、例えば、減じたADCC及び/又はCDCを含む低減したエフェクター機能を示しうる。
V.抗体の作成方法
このEphB4の細胞外ドメインに結合する脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、当業者に公知の多くの様々な方法により作成することができる。一具体例において、非ヒト抗EphB4抗体は、T又はB細胞エピトープの数を減じるように又は調節性T細胞エピトープを導入するように脱免疫化される。出発非ヒト又は親抗EphB4抗体を改変することができ;例えば、それは、キメラ抗体、ヒト化抗体又は霊長類化抗体の何れかの形態であってよい。一方、この出発非ヒト又は親抗EphB4抗体は、ヒト化工程又は霊長類化工程なしで脱免疫化される。
非ヒトEphB4抗体
抗EphB4抗体は、当業者に公知であり、例えば、米国特許第5,635,177号及び米国特許出願公開2006/0134118及び2005/0249736に記載された抗体を包含する。
新規な抗EphB4抗体を生成する方法も又、当業者に公知である。例えば、EphB4ポリペプチドに特異的に結合するモノクローナル抗体を生成する方法は、マウスに、検出可能な免疫応答を刺激するのに有効な量のEphB4ポリペプチドを含む免疫原性組成物を投与すること、抗体産生細胞(例えば、脾臓からの細胞)をマウスから得て該抗体産生細胞をミエローマ細胞と融合させて抗体産生ハイブリドーマを得ること、及びその抗体産生ハイブリドーマを試験してEphB4ポリペプチドに特異的に結合するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを同定することを含むことができる。一度得られたならば、ハイブリドーマを細胞培養で増殖させることができ、適宜、ハイブリドーマ由来細胞が、EphB4ポリペプチドに特異的に結合するモノクローナル抗体を産生する培養条件下で増殖させることができる。このモノクローナル抗体は、細胞培養物から精製することができる。
加えて、望ましい抗体を同定するために、抗体をスクリーニングするために用いられる技術は、得られる抗体の特性に影響を与えうる。様々な異なる技術を、抗体:抗原相互作用を試験して特に望ましい抗体を同定するために利用することができる。かかる技術は、ELISA、表面プラズモン共鳴結合アッセイ(例えば、Biacore結合アッセイ、Bia-core AB社、Uppsala、スウェーデン)、サンドイッチアッセイ(例えば、IGEN International, Inc.、Gaithersburg、メリーランド、の常磁性のビーズシステム)、ウエスタンブロット、免疫沈降アッセイ及び免疫組織化学を包含する。
必要な特異性の抗体を産生又は単離する他の適当な方法を利用することができ、例えば、組換え抗体をライブラリーから選択する方法又はヒト抗体の全レパートリーを産生することのできるトランスジェニック動物(例えば、マウス)の免疫化に依存する方法が含まれる。例えば、Jakobovits等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 90: 2551-2555(1993);Jakobovits等、Nature, 362: 255-258(1993); Lonberg等の米国特許第5,545,806号;Surani等、米国特許第5,545,807号参照。
抗体は、多くの方法において、操作することができる。それらは、一本鎖抗体(小型のモジュール式免疫製薬又はSMIPを含む)、Fab及びF(ab')2断片などとして作成されうる。抗体は、ヒト化することができ、キメラ化することができ、脱免疫化することができ、又は完全にヒトの抗体であってよい。多数の刊行物が、多くの種類の抗体及びかかる抗体を操作する方法を示している。例えば、米国特許第6,355,245号;6,180,370号;5,693,762号;6,407,213号;6,548,640号;5,565,332号;5,225,539号;6,103,889号;及び5,260,203号を参照されたい。
この出願は、EphB4レセプター又はその部分(Fv、Fab、Fab'及びF(ab')2断片を含むが、これらに限られない)に結合することのできる抗原結合性断片を提供する。かかる断片は、酵素的開裂又は組換え技術により製造することができる。例えば、パパイン又はペプシン開裂は、それぞれ、Fab'又はF(ab')2断片を生成することができる。抗体は又、少なくとも一つの終止コドンが天然の終止部位の上流に導入された抗体遺伝子を利用して、様々な切り詰めた形態で製造することもできる。例えば、F(ab')2重鎖部分をコードするキメラ遺伝子は、重鎖のCH1ドメイン及びヒンジ領域をコードするDNA配列を含むようにデザインすることができる。
キメラ抗体は、当分野で公知の組換えDNA技術によって製造することができる。例えば、マウス(又は、他の種の)モノクローナル抗体分子のFc定常領域をコードする遺伝子を、制限酵素で消化して、マウスFcをコードする領域を除去し、ヒトのFc定常領域をコードする遺伝子の同等部分で置換する(Robinson等、国際特許出願公開 PCT/US86/02269;Akira等、欧州特許出願第184,187号;Taniguchi, M.、欧州特許出願第171,496号;Morrison等、欧州特許出願第173,494号;Neuberger等、国際出願WO86/01533;Cabilly等、米国特許第4,816,567号;Cabilly等、欧州特許出願第125,023号;Better等(1988 Science 240:1041-1043);Liu等(1987) PNAS 84:3439-3443; Liu等、1987, J. Immunol. 139:3521-3526; Sun等(1985) Nature 314:446-449; 及び Shaw等、1988, J. Natl Cancer Inst. 80:1553-1559を参照されたい)。
抗体をヒト化させる方法は、当分野で記載されている。幾つかの具体例において、ヒト化抗体は、非ヒトCDRに加えて、ヒトでない起源から導入された少なくとも一のアミノ酸残基を有する。ヒト化は、本質的に、Winterとその共同研究者の方法(Jones等、Nature、321:522-525(1986); Riechmann等、Nature、332:323-327(1988); Verhoeyen等、Science、239:1534-1536(1988))に従って、超可変領域の配列を対応するヒト抗体の配列で置換することにより行なうことができる。従って、かかる「ヒト化」抗体は、キメラ抗体(米国特許第4,816,567号)であり、該抗体では、実質的に、完全なヒト可変領域より一層少数が非ヒト種からの対応する配列により置換されている。実際には、ヒト化抗体は、典型的には、ヒト抗体であり、そこでは、幾つかの超可変領域の残基とおそらく幾つかのフレームワーク領域の残基が、ゲッ歯類の抗体の類似部位からの残基により置換されている。
Queen等の米国特許第5,693,761号は、Winterの抗体のヒト化に対する改善を開示しており、それは、抗体結合力の喪失が、立体化学的又は他の化学的不適合性の故に、マウス抗体で見出される結合可能な配置へのCDRの折り畳みを邪魔する、ヒト化フレームワークにおける構造的モチーフの問題に帰するという前提に基いている。この問題を扱うために、Queenは、一次ペプチド配列において、ヒト化すべきマウス抗体のフレームワーク配列に非常に相同的であるヒトのフレームワーク配列の利用を教示している。従って、Queenの方法は、種間のフレームワーク配列の比較に集中する。典型的には、すべての利用可能なヒトの可変領域配列を、特定のマウス配列と比較して、対応するフレームワーク領域間での同一性パーセンテージを計算する。最高のパーセンテージを有するヒトの可変領域を選択して、そのフレームワーク配列をヒト化プロジェクトに提供する。Queenは又、ヒト化フレームワークにおいて、CDRを結合可能な配置に維持するのに臨界的であるマウスフレームワークからのある種のアミノ酸残基を保持することが重要であることも教示している。潜在的な臨界は、分子モデルから評価される。保持のための候補の残基は、典型的には、一次配列で、CDRと隣接しているか又は物理的に何れかのCDR残基の6オングストローム以内のものである。
他のアプローチにおいては、一度低活性のヒト化構造物が得られたならば、特定のフレームワークのアミノ酸残基の重要性は、単一残基のマウス配列への復帰変異により及びRiechmann等(1988)により記載されたように抗原結合をアッセイすることにより、実験的に測定される。フレームワーク配列中の重要なアミノ酸を同定するための他のアプローチ例は、Carter等の米国特許第5,821,337号及びAdair等の米国特許第5,859,205号に開示されている。これらの参考文献は、フレームワーク中の特異的なKabatの残基位置を開示しており、それは、ヒト化抗体において、結合活性を保持するために対応するマウスのアミノ酸による置換を必要としうる。
抗体をヒト化する他の方法は、「フレームワークシャッフリング」と呼ばれ、個々のヒトの生殖系列のフレームワークのプールにフレームを合わせて融合された非ヒトCDR可変領域を有するコンビナトリアルライブラリーの生成に依存している(Dall'Acqua等、Methods, 36:43(2005))。これらのライブラリーは、次いで、良好な結合を保持しているヒト化抗体をコードするクローンを同定するためにスクリーニングされる。
ヒト化抗体の作成において用いるべきヒト可変領域(軽鎖及び重鎖)の選択は、抗原性を低減させるために非常に重要である。いわゆる「ベストフィット」法によって、ゲッ歯類の抗体の可変領域の配列は、公知のヒトの可変ドメイン配列の完全なライブラリーに対してスクリーニングされる。ゲッ歯類の配列に最も近いヒトの配列は、その後、ヒト化抗体のためのヒトフレームワーク領域(フレームワーク領域)として受け入れられる(Sims等、J. Immunol., 151:2296(1993); Chothia等、J. Mol. Biol., 196:901(1987))。他の方法は、軽鎖又は重鎖可変領域の特別のサブグループのすべてのヒト抗体のコンセンサス配列に由来する特定のフレームワーク領域を利用する。同じフレームワークを、幾つかの異なるヒト化抗体に用いることができる(Carter等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 89:4285(1992); Presta等、J. Immunol., 151:2623(1993))。
ヒト可変領域内に代用するための非ヒト残基の選択は、様々な因子による影響を受けうる。これらの因子は、例えば、特定の位置におけるアミノ酸の稀なこと、CDR又は抗原との相互作用の蓋然性、及び軽鎖及び重鎖可変ドメイン界面の界面に参加する蓋然性を含む(例えば、米国特許第5,693,761号、6,632,927号、及び6,639055号参照)。これらの因子を分析する一つの方法は、非ヒト配列とヒト化配列の三次元モデルの利用によるものである。三次元の免疫グロブリンモデルは、一般に、利用可能であり、当業者になじみのものである。選択した候補の免疫グロブリン配列の可能な三次元的コンホメーション構造を説明して表示するコンピュータープログラムは、利用可能である。これらの表示の精査は、候補の免疫グロブリン配列の機能におけるそれらの残基のありそうな役割の分析、例えば、候補の免疫グロブリンの抗原に結合する能力に影響を与える残基の分析を可能にする。この方法において、非ヒト残基は、所望の抗体特性例えば標的抗原に対する増大した親和性を達成するために、ヒト可変領域の残基のために選択されて代用されうる。
脱免疫化
抗EphB4抗体又は抗原結合性断片を脱免疫化して、それに、所定の種に対する非免疫原性又は低免疫原性を与える。脱免疫化は、抗EphB4抗体に対する構造的変化により達成することができる。一具体例において、抗EphB4は、マウスモノクローナル抗体である。当業者に公知の任意の脱免疫化技術を利用することができる。例えば、抗体を脱免疫化するための一つの適当な技術は、WO00/34317(その開示をそっくりそのまま、本明細書中に援用する)に記載されている。要約すれば、その中に記載されている一般的方法における典型的プロトコールは、下記の工程を含む。
1.抗体又はその一部分のアミノ酸配列を決定すること;
2.抗体のアミノ酸配列中の潜在的なT細胞エピトープを、MHC分子に対するペプチド結合性の測定、ペプチド:HLA複合体の、治療用タンパク質を受ける種からのT細胞レセプターに対する結合性の測定、治療用タンパク質を受ける種のHLA分子を有するトランスジェニック動物を利用する抗体又はその部分の試験、又は治療用タンパク質を受ける種に由来する免疫系細胞により再構成されたかかるトランスジェニック動物の試験を含む、任意の方法によって同定すること;
3.改変された抗体を生成するための遺伝子工学又は他の方法により、抗体を変化させて、少なくとも一の潜在的なT細胞エピトープを除去し、試験のためにかかる改変された抗体を生成すること。
一具体例において、抗体又は抗原結合性断片の可変領域の配列を、MHCクラスII結合モチーフの存在について分析することができる。例えば、MHC結合モチーフのデータベースにより、例えば、worldwide web上で、sitewehil.wehi.edu.au.にて、「モチーフ」データベースを検索することにより、比較を行なうことができる。一方、MHCクラスII結合性ペプチドは、例えばAltuvia等(J. Mol. Biol. 249 244-250(1995))により考案されたようなコンピューター化スレッディング法を利用して、同定することができ、それにより、可変領域配列からの連続的な重複ペプチドが、それらのMHCクラスIIタンパク質に対する結合エネルギーについて試験される。コンピューターによる結合予想アルゴリズムには、iTope(商標)、Tepitope、SYFPEITHI及びMHCpredが含まれる。MHCクラスII結合性ペプチドの同定を助成するために、上首尾に与えられたペプチドに関連する配列の特徴例えば両親媒性及びロスバードモチーフ、及びカテプシンBの開裂部位及び他のプロセッシング酵素を検索することができる。
潜在的な(potential)第二の種(例えば、ヒト)のT細胞エピトープが同定されると、これらのエピトープは、その後、T細胞エピトープを除去するのに必要とされる少なくとも一のアミノ酸の変化により除去される。通常、これは、T細胞エピトープ内の少なくとも一のアミノ酸の変化を含む。これは、タンパク質の一次構造に関してエピトープに隣接するアミノ酸の変化又は一次構造では隣接しないが分子の二次構造において隣接するものを含むことができよう。目的とされる通常の変化は、アミノ酸の置換でもよいが、ある環境では、アミノ酸の付加又は欠失が適当であることもありうる。すべての変化は、組換えDNA技術により達成することができ、それで、最終的分子は、例えば充分に確立された方法によって組換え宿主からの発現により製造することができるが、タンパク質化学又は分子変化の任意の他の手段の利用も又、利用することができる。
実際には、潜在的なT細胞エピトープは、ヒトの生殖系列の可変領域のフレームワーク配列においても、MHC結合性モチーフのデータベースでの比較を行なえば、同定されうるということが認められている。ヒトは、一般に、それら自身の抗体に対して進行中の免疫応答をマウントしないので、ヒトは、これらのエピトープに対して寛容であり又はこれらの潜在的エピトープは、適当なプロセッシングを受けないので、ヒトのAPCにより提示されえない。それ故、かかる潜在的T細胞エピトープは、生殖系列可変領域配列において表され、実際、脱免疫化抗体において保持されうる。
治療用抗体配列から潜在的T細胞エピトープを除去する間に、更なるT細胞エピトープの創出を最少化するために、このT細胞エピトープの除去を、特定のアミノ酸の置換により達成することができ、これは、非ヒト又は親抗体(通常、マウス)のT細胞エピトープ内のアミノ酸の、ヒト生殖系列のアミノ酸に対応する位置のアミノ酸への変換を生じる。ヒトの生殖系列の配列は、Tomlinson, I.A.等(1992)J. Mol. Biol. 227:776-798; Cook, G.P.等(1995)Immunol. Today Vol. 16(5): 237-242; Chothia, D.等(1992)J. Mol. Bio. 227:799-817に記載されている。V BASEディレクトリーは、ヒト免疫グロブリン可変領域の配列の包括的総覧を与える(Tomlinson, I.A.等編、MRC Centre for Protein Engineering、Cambridge、英国)。
一つの方法においては、非ヒト又は親配列に相同なヒトの生殖系列の配列を同定する。一方、非ヒト又は親配列の各フレームワーク領域(FR1−FR4)に相同なヒトの生殖系列の配列を同定することができる。一つの方法においては、この非ヒト又は親配列と相同なヒトの生殖系列配列を、MHCクラスII結合特性について、並行して分析する。MHCクラスII結合プロファイルが非ヒト又は親配列とヒト生殖系列配列との間で異なる領域を同定することができる。非ヒト又は親配列のこれらの領域におけるアミノ酸を、対応するヒトアミノ酸への変換のために選択することができる。
一度同定されたT細胞エピトープが除去されれば、脱免疫化配列を再び分析して、新たなT細胞エピトープが造られていないことを確実にすることができ、もしそれらが造られていれば、そ(れら)のエピトープを上記のように欠失させることができ;又は、対応するヒト生殖系列アミノ酸への以前の変換は、すべてのT細胞エピトープが除去されるまで、非ヒト又は親アミノ酸の対応するヒトアミノ酸への変換によって変えられる。
コンピューターにより同定されたすべてのT細胞エピトープを除去する必要はない。当業者は、特定のエピトープの「強度」又は潜在的免疫原性の重要性を認めるであろう。様々なコンピューターを用いた方法が潜在的エピトープに対するスコアを生成する。当業者は、高いスコアのエピトープだけを除去する必要があることを認めるであろう。当業者は又、抗原結合に影響を与えうる、潜在的エピトープの除去と元の非ヒト可変領域の配列の維持との間におけるバランスがあることも認めるであろう。それ故、一つのストラテジーは、非ヒト又は親抗体への置換を順次的に導入し、次いで、抗原結合及び免疫原性について試験することである。
治療用抗体のCDRについて、少なくとも一つの潜在的T細胞エピトープが、該CDRと重複し又はその中に入り、それにより、それらのエピトープの除去が該CDR内の残基の変化を必要とすることは、一般的なことである。かかるエピトープに対するT細胞応答の誘導を排除するために、これらを除去することは、たとえその結果生成した抗体の結合親和性を低減させえて、それ故、CDRの任意の潜在的変化を、生じた抗原結合の任意の変化について試験することが必要となりうるとしても、望ましいことでありうる。
一具体例において、脱免疫化抗体の配列は、少なくとも一つのB細胞エピトープを除去するように変えられている。ヒトのB細胞エピトープの除去のためには、Padlanの「ベニアリング(veneering)」又は「リサーフェーシング(resurfacing)」法(Padlan E.A., MolecularImmunology 28 489-498(1991)及びEP−0519596)を利用することができる。非ヒト抗原結合部位をベニアリングするには2つの一般的工程がある。最初に、関心ある抗体分子の可変領域のフレームワーク領域を、利用可能なヒト可変領域データベースの対応するフレームワーク領域の配列と比較する。次いで、最も相同性のあるヒト可変領域を、残基ごとに、対応する非ヒトアミノ酸と比較する。ヒトの対応物と異なる非ヒトフレームワーク領域内のこれらの残基を、当分野で周知の組換え技術を利用して、ヒト部分に存在する残基により置き換える。残基の切り替えを、少なくとも部分的に露出した(溶媒接近可能な)部分を用いて行ない、この手当を、可変領域ドメインの三次構造に有意の効果を有しうるアミノ酸残基例えばプロリン、グリシン及び帯電アミノ酸の置き換えにおいて実施する。外側の残基の置換は、一般に、内側ドメインに対して、又はドメイン間の接触に対して、殆ど又は全く効果を有しない。(例えば、米国特許第6,797,492号参照)。
この仕方において、生成した「ベニアされた」非ヒト抗原結合部位は、非ヒトCDR残基、それらのCDRに実質的に隣接する残基、埋まっているか殆ど埋まっている(溶媒接近不能)と同定された残基、非共有結合性(例えば、静電的及び疎水性)の、重鎖ドメインと軽鎖ドメインとの間の接触に関与すると考えられる残基、及びCDRループの「標準」三次構造に影響を有すると考えられているフレームワーク領域の保存された構造領域からの残基を保持するようにデザインされる。これらのデザイン基準は、次いで、組換えヌクレオチド配列を調製するために利用され、該配列は、非ヒト抗原結合部位の重鎖と軽鎖の両方のCDRをヒトらしいフレームワーク領域内に結合させ、非ヒト抗体分子の抗原特異性を示す組換えヒト抗体を発現させるために哺乳動物細胞をトランスフェクトするのに利用することができる。
一具体例において、調節性T細胞エピトープが抗体又は抗原結合性断片に導入される。WO06/082406(資料として、本明細書中に援用する)は、可変領域が調節性T細胞エピトープ(CD4+CD25+T細胞を刺激して阻害性サイトカインの分泌を誘導し、それにより免疫原性を減少させる)を導入するように改変されている抗体を産生する方法を記載している(例えば、Prakken BJ等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:3284-3289(1997)を参照されたい)。
抗体又は抗原結合性断片の構築
一般に、ここに開示した抗体の構築は、遺伝子工学技術において利用される認められた操作を利用して達成される。例えば、DNAを単離する技術、DNAを発現させるためのベクターの作成及び選択、核酸の精製及び分析、組換えベクターDNAを作成する特殊な方法(例えば、PCR)、制限酵素によるDNAの開裂、DNAの連結、DNA(ベクターDNAを含む)の宿主細胞への、安定した又は一過性の手段による導入、DNAを発現する細胞を選択して維持するための宿主細胞の選択培地又は非選択培地での培養は、一般に、この分野で公知である。
かかる脱免疫化免疫グロブリンは、所望の脱免疫化された鎖をコードする遺伝子(例えば、cDNA)を調製するために合成及び/又は組換え核酸を利用して製造することができる。例えば、脱免疫化可変領域をコードする核酸(例えば、DNA)配列を、脱免疫化された鎖をコードするDNA配列例えば以前にヒト化された可変領域からのDNAテンプレートを変えるためのPCR突然変異誘発法を利用して構築することができる(例えば、Kamman, M.等、Nucl. Acids Res., 17:5404(1989); Sato, K.等、Cancer Research, 53:851-856(1993); Daugherty, B.L.等、Nucleic Acids Res., 19(9):2471-2476(1991);及びLewis, A.P.及びJ.S. Crowe, Gene, 101:297-302(1991)を参照されたい)。これらの又は他の適当な方法を用いて、変異体も又、容易に製造することができる。一具体例において、クローン化した可変領域を突然変異させることができ、所望の特異性を有する変異体をコードする配列を選択することができる(例えば、ファージライブラリーから;例えば、Krebber等、米国特許第5,514,548号;Hoogenboom等、WO93/06213(1993年4月1日発行)を参照されたい)。
幾つかの可能なベクター系を、クローン化した重鎖及び軽鎖遺伝子の哺乳動物細胞における発現のために利用することができる。一つのクラスのベクターは、所望の遺伝子配列の宿主細胞ゲノム中への組込みに依存する。安定に組み込まれたDNAを有する細胞を、薬物耐性遺伝子例えば大腸菌gpt(Mullingan, R.C.及びBerg, P.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 78:2072(1981))又はTn5 neo(Southern, P.J.及びBerg, P.、J. Mol. Appl. Genet., 1: 327(1982))を同時に導入することによって、選択することができる。この選択マーカー遺伝子は、発現させるべきDNA遺伝子配列に結合させるか、又は同じ細胞に同時トランスフェクションによって導入することができる(Wigler, M.等、Cell, 16:77(1979))。第二のクラスのベクターは、染色体外プラスミドに自律的に複製する能力を与えるDNAエレメントを利用する。これらのベクターは、動物ウィルス例えばウシパピローマウィルス(Sarver, N.等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 79:7147(1982))、ポリオーマウィルス(Deans, R.J.等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 81:1292(1984))、又はSV40ウィルス(Lusky, M.及びBotchan, M., Nature, 293:79(1981))由来でもよい。
免疫グロブリンcDNAは、抗体タンパク質をコードする成熟mRNAを表す配列のみからなるので、免疫グロブリンmRNAの合成のためには、遺伝子の転写及びRNAのプロセッシングを調節する更なる遺伝子発現用エレメントが必要とされる。これらのエレメントは、スプライスシグナル、転写プロモーター(誘導性プロモーターエンハンサーを含む)、及び終結シグナルを含むことができる。かかるエレメントを組み込んだcDNA発現ベクターは、Okayama, H.及びBerg, P., Mol. Cell Biol., 3:280(1983); Cepko, C.L.等、Cell, 37:1053(1984);及びKaufman, R.J., Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 82:689(1985)により記載されたものを含む。
この可変配列は、適宜、ヒト定常領域(例えば、ヒトIgG1又はカッパー定常領域)に融合させることができる。この組換え脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、発現のための適当な宿主細胞たとえばNS0又はCHO細胞にトランスフェクトして、完全な組換え抗体を産生することができる。
VI.診断応用
これらの抗体及び抗原結合性断片は、研究、診断及び治療応用を含む様々な応用において有用である。例えば、それらは、レセプター又はその部分を単離し及び/又は精製するために、及びレセプターの構造(例えば、コンホメーション)及び機能を研究するために利用することができる。
ある面において、開示した様々な抗体を利用して、例えば内皮細胞(例えば、様々な内皮細胞)又はEphB4レセプター遺伝子出トランスフェクトされた細胞におけるEphB4レセプターの発現を検出し又は測定することができる。従って、それらは又、診断又は研究目的のための、細胞のソーティング及びイメージングなどの応用(例えば、フローサイトメトリー、及び蛍光活性化セルソーティング)においても有用性を有する。
ある具体例において、これらの抗体又は抗原結合性断片は、診断目的のために、標識することができ又は標識しなくてもよい。典型的には、診断用アッセイは、抗体のEphB4への結合から生じた複合体の形成を検出することを必要とする。これらの抗体は、直接、標識することができる。放射性核種、蛍光剤、酵素、酵素基質、酵素補因子、酵素インヒビター及びリガンド(例えば、ビオチン、ハプテン)を含む様々な標識を用いることができる(但し、これらに限られない)。多くの適当な免疫アッセイが、当業者には知られている(例えば、米国特許第3,817,827号;3,850,752号;3,901,654号;及び4,098,876号を参照されたい)。非標識化の場合、これらの抗体を凝集アッセイなどのアッセイで利用することができる。非標識化抗体は又、他の(一種以上の)適当な、抗体の検出に利用することのできる試薬例えば第一の抗体と反応性の標識した抗体(例えば、第2抗体)(例えば、非標識免疫グロブリンに特異的な抗イディオタイプ抗体又は他の抗体)又は他の適当な試薬(例えば、標識したプロテインA)と組み合わせて使用することもできる。
一具体例において、これらの抗体及び抗体断片は、酵素免疫アッセイにおいて利用することができ、該アッセイでは、主題の抗体又は第2抗体が、酵素に結合される。EphB4タンパク質を含む生物学的試料を主題の抗体と合わせると、これらの抗体とEphB4タンパク質との間で結合が生じる。一具体例においては、EphB4タンパク質を発現する細胞(例えば、内皮細胞)を含む試料を主題の抗体と合わせ、それらの抗体と、該抗体により認識されるエピトープを含むEphB4タンパク質を有する細胞との間で結合が生じる。これらの結合された細胞を、未結合の試薬から分離することができ、これらの細胞に特異的に結合した抗体−酵素結合体の存在を、例えば試料を、酵素の作用を受けると発色するか他の検出可能な変化を生じる酵素基質と接触させることによって測定することができる。他の具体例において、主題の抗体は、未標識であってよく、該主題の抗体を認識する第二の標識された抗体を加えることができる。
ある面において、生物学的試料中のEphB4タンパク質の存在の検出における使用のためのキットも又、製造することができる。かかるキットは、EphB4タンパク質又は該レセプターの部分に結合する抗体、並びに、抗体とEphB4又はその部分との複合体の存在を検出するのに適した少なくとも一種の補助的試薬を含む。これらの開示した抗体組成物は、凍結乾燥形態で、単独で又は他のエピトープに特異的な更なる抗体と組み合わせて与えることができる。これらの抗体は、標識されていてもいなくてもよく、付属的成分(例えば、トリス等の緩衝剤、リン酸塩及び炭酸塩、安定剤、賦形剤、殺生物剤及び/又はウシ血清アルブミン等の不活性タンパク質)と共にキットに包含されうる。例えば、これらの抗体は、付属的成分を伴う凍結乾燥した混合物として与えることができ、又は付属的成分は、ユーザーが組み合わせるために、別々に与えることもできる。一般に、これらの付属的材料は、活性な抗体の量に基いて約5重量%未満で存在し、通常は、抗体濃度に対して少なくとも約0.001重量%の全量で存在する。このモノクローナル抗体に結合することのできる第2抗体を用いる場合には、かかる抗体は、例えば、別々のバイアル又は容器中のキットで与えることができる。この第2抗体は、存在する場合、典型的には標識され、上記の抗体配合物と類似の仕方で配合されうる。
同様に、この抗体又は抗原結合性断片は、細胞によるEphB4又は該レセプターの部分の発現を検出し及び/又は定量する方法において利用することができ、該方法においては、細胞又はその画分(例えば、膜画分)を含む組成物を、EphB4又は該レセプターの部分と結合する抗体と、該抗体との結合に適当な条件下で接触させ、抗体結合をモニターする。抗体の検出(抗体とEphB4又はその一部分との複合体の形成を示す)は、該レセプターの存在を示す。抗体の細胞への結合は、実施例に記載したような標準的方法により測定することができる。この方法を利用して、個体に由来する細胞におけるEphB4の発現を検出することができる。適宜、内皮細胞の表面におけるEphB4の定量的発現を、例えばフローサイトメトリーによって評価することができ、染色強度を、病気の罹病性、進行又は危険と相関させることができる。
この抗体又は抗原結合性断片は又、ある種の病気に対する哺乳動物の罹病性を検出する方法においても利用することができる。説明のために、この方法を利用して、細胞上に存在するEphB4の量及び/又は哺乳動物中のEphB4陽性細胞の数に基いて進行する病気に対する哺乳動物の罹病性を検出することができる。一具体例において、この出願は、哺乳動物の腫瘍に対する罹病性を検出する方法を与える。この具体例において、試験すべき試料を、EphB4又はその部分と、抗体の結合に適した条件下で結合する抗体と接触させる(該試料は、正常な個体においてEphB4を発現する細胞を含む)。この抗体の結合及び/又は結合量を検出し、これは、その個体の腫瘍に対する罹病性を示す(一層高レベルのレセプターは、その個体の腫瘍に対する増大した罹病性と相関する)。出願人及び他のグループは、EphB4の発現が、腫瘍の成長及び進行と相関することを見出した。これらの開示した抗体は又、個体における、EphB4発現の、血管形成関連疾患の進行との相関関係を更に解明するためにも利用することができる。
IIV.治療応用
ある具体例において、本願は、血管形成を阻害する方法及び血管形成関連疾患を治療する方法を提供する。幾つかの具体例において、この出願は、アポトーシスを促進する方法を提供する。他の具体例においては、本願は、腫瘍の成長を阻害し又は低減させる方法及び癌を患っている個体を治療する方法を提供する。これらの方法は、個体に、治療上有効な量の上記の脱免疫化抗体又は抗原結合性断片を投与することを含む。これらの方法は、特に、動物の、一層特にはヒトの治療及び予防処置を意図している。一具体例において、これらの方法で用いられる抗体又は抗原結合性断片は、ヒト患者に投与した場合に、マウスモノクローナル抗体#47よりも一層低免疫原性である。他の具体例においては、これらの方法で用いられる抗体又は抗原結合性断片は、ヒト患者に投与した場合に、マウスモノクローナル抗体#131よりも一層低免疫原性である。
本願は又、血管形成関連疾患の治療において有用な医薬組成物をも提供する。幾つかの具体例において、この医薬組成物は、ここに記載の抗体又は抗原結合性断片及び許容しうる製薬用キャリアを含む。
本願は、アポトーシスを促進する方法であって、細胞を有効量の脱免疫化抗体又は抗原結合性断片と接触させることを含む当該方法を提供する。幾つかの具体例において、これらの細胞は、内皮細胞である。
本願は、血管形成を阻害する方法であって、内皮細胞を、有効量の脱免疫化抗体又は抗原結合性断片と接触させることを含む当該方法を提供する。ある具体例において、該血管形成は、癌細胞により誘導される。この抗体又は抗原結合性断片は、内皮細胞と、イン・ビトロで、エキス・ビボで又はイン・ビボで接触することができる(例えば、患者において)。更に別の具体例においては、これらの抗体は、癌細胞の血管形成を、例えば少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、又は少なくとも90%阻害する。血管形成の阻害は、当分野で公知のイン・ビトロの細胞ベースのアッセイ例えば内皮細胞管形成アッセイにより、又は当分野で公知のイン・ビボでの動物モデルアッセイにより試験することができる。
ここに記載のように、血管形成関連疾患は、例えば固形腫瘍、血液の産生される腫瘍例えば白血病、及び腫瘍の転移を含む血管形成依存性の癌;良性腫瘍、例えば血管腫、聴神経腫、神経線維腫、トラコーマ、及び化膿性肉芽腫;炎症性疾患例えば免疫及び非免疫性炎症;慢性関節リウマチ及び乾癬;眼の血管形成性疾患例えば糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、黄斑変性、角膜移植片拒絶、血管新生緑内障、後水晶体繊維増殖症、ルベオーシス;オスラー−ウェーバー症候群;心筋の血管形成;プラーク新血管新生;末梢血管拡張症;血友病性関節;血管線維腫;及び傷のまわりの肉芽及び傷の治癒;末梢血管拡張性乾癬硬皮症、化膿性肉芽腫、冠状動脈側枝、虚血性肢における血管形成、角膜疾患、ルベオーシス、関節炎、糖尿病性新血管新生、骨折、脈管形成、造血を包含するが、これらに限られない。
開示した方法及び組成物が、任意の血管形成非依存性の癌(腫瘍)の治療にも有用であるということは理解される。ここで用いる場合、用語「血管形成非依存性の癌」は、腫瘍組織内で新血管新生が全く又は殆どない癌(腫瘍)を指す。
特に、開示した抗体治療剤は、大腸癌、乳癌、中皮腫、前立腺癌、膀胱癌、頭頸部の扁平上皮癌(HNSCC)、カポジ肉腫、卵巣癌、及び白血病を含む(但し、これらに限られない)癌(腫瘍)の治療又は予防に有用である。
本願は、患者における癌細胞の成長を阻害する方法であって、有効量の脱免疫化抗体又は抗原結合性断片をその患者に投与することを含む当該方法を提供する。この調整は、該患者の癌細胞の成長を、例えば少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、又は少なくとも90%低減させ又は防止させることができる。その結果、癌が固形腫瘍である場合には、この調整は、固形腫瘍のサイズを少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、又は少なくとも90%だけ減少させることができる。
この癌細胞の増殖の阻害は、細胞ベースのアッセイ例えばブロモデオキシウリジン(BRDU)の取込み(Hoshino等、Int. J. Cancer 38, 369 (1986); Campana等、J. Immunol. Meth. 107:79(1988)); [3H]-チミジンの取込み(Chen, J., Oncogene 13:1395-403(1996); Jeoung, J., J. Biol. Chem. 270:18367-73(1995);染料Alamar Blue (Biosource Internationalから入手可能)(Voytik-Harbin等、In Vitro Cell Dev Biol Anim 34:239-46(1998))によって測定することができる。癌細胞の足場非依存性の成長は、軟寒天におけるコロニー形成により、例えば軟寒天上に形成された癌細胞コロニー数を計数することにより評価される(実施例及びSambrook等、Molecular Cloning, Cold Spring Harbor、1989を参照されたい)。
患者における癌細胞の成長の阻害は、患者例えば動物モデル又はヒト患者における癌の成長をモニターすることにより評価することができる。一つの典型的なモニター方法は、腫瘍原性アッセイである。一例において、異種移植片は、既存の腫瘍又は腫瘍細胞系統からのヒト細胞を含む。腫瘍異種移植片アッセイは、当分野で公知であり、ここに記載されている(例えば、Ogawa等、Oncogene 19:6043-6052(2000)を参照されたい)。他の具体例において、腫瘍原性は、米国特許第5,698,413号に記載された中空ファイバーアッセイ(資料として、本明細書中に、そっくりそのまま援用する)を利用してモニターされる。
阻害のパーセンテージは、モジュレーター処理下での癌細胞増殖、足場非依存的成長、又は癌細胞の成長を、負の対照条件下でのもの(典型的には、モジュレーター処理なし)と比較することにより計算される。例えば、癌細胞又は癌細胞コロニー(コロニー形成アッセイ)の数、又はPRDU又は[3H]−チミジンの取込みがA(モジュレーター処理下)及びC(負の対照条件下)であれば、阻害パーセンテージは、(C−A)/C×100%となる。
かかる方法のある具体例において、少なくとも一種の抗体治療剤を一緒に(同時に)又は異なる時点に(順次的に)投与することができる。加えて、抗体治療剤は、癌を治療し又は血管形成を阻害するための他の種類の化合物と共に投与することができる。
ある具体例において、開示した主題の方法は、単独で用いることができる。一方、主題の方法は、増殖性疾患(例えば、腫瘍)の治療又は予防に向けられた他の慣用の抗癌治療用アプローチと組み合わせて用いることができる。例えば、かかる方法は、予防的な癌防止、外科手術後の癌の再発及び転移の防止において、並びに他の慣用の癌治療の補助薬として用いることができる。本願は、慣用の癌治療(例えば、化学療法、放射線療法、光療法、免疫療法、及び外科手術)の効力が、この抗体又は抗原結合性断片の利用によって増進されうることを認める。
慣用の化合物の広範なアレイが抗新生物活性を有することが示されてきた。これらの化合物は、固形腫瘍を萎縮させ、転移及び更なる成長を防止し、又は白血病若しくは骨髄の悪性腫瘍における悪性T細胞の数を減じるための化学療法における医薬として用いられてきた。化学療法は様々な種類の悪性腫瘍の治療において有効であるが、多くの抗新生物性化合物は、望ましくない副作用を含んでいる。2種以上の異なる治療剤を組み合わせた場合、それらの治療剤が相乗的に働いて、各治療剤の投薬量を減らすことを可能にし、それにより、一層高い投薬量での各化合物により生じる有害な副作用を減らすことができるということが示されている。他の例においては、一の治療剤に対して治療抵抗性である悪性腫瘍が2種以上の異なる治療剤の組合せ療法に応答しうる。
ここに開示した抗体又は抗原結合性断片を、他の慣用の抗新生物剤と組み合わせて、同時に又は順次的に投与した場合には、かかる抗体又は抗原結合性断片は、抗新生物剤の治療効果を増進させることができ又はかかる抗新生物剤に対する細胞の抵抗性を克服することができる。これは、抗新生物剤の投薬量の減少を可能にし、それにより、望ましくない副作用を低減し、又は耐性T細胞における抗新生物剤の効力を回復する。
組合せ抗腫瘍療法に用いることのできる医薬化合物は、次のものを包含する(単に、説明のため):アミノグルテチミド、アムサクリン、アナストロゾール、アスパラギナーゼ、bcg、ビカルタミド、ブレオマイシン、ブセレリン、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロドロネート、コルヒチン、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ジエンストロール、ジエチルスチルベストロール、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エクセメスタン、フィルグラスチム、フルダラビン、フルドロコルチゾン、フルオロウラシル、フルオキシムエステロン、フルタミド、ゲムシタビン、ゲニステイン、ゴセレリン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イフォスファミド、イマチニブ、インターフェロン、イリノテカン、イロノテカン、レトロゾール、リューコボリン、リュープロリド、レバミゾール、ロムスチン、メクロレタミン、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキセート、ミトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ニルタミド、ノコダゾール、オクトレオチド、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロネート、ペントスタチン、プリカマイシン、ポルフィマー、プロカルバジン、ラルチトレクスト、リツキシマブ、ストレプトゾシン、スラミン、タモキシフェン、テモゾロミド、テニポシド、テストステロン、チオグアニン、チオテパ、チタノセンジクロリド、トポテカン、トラスツヅマブ、トレチノイン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、及びビノレルビン。
これらの化学療法用抗腫瘍性化合物は、それらの作用機構によって、例えば次のグループに分類されうる:抗代謝/抗癌剤、例えばピリミジン類似体(5−フルオロウラシル、フロクスウリジン、カペシタビン、ゲムシタビン及びシタラビン)及びプリン類似体、フォレートアンタゴニスト及び関連インヒビター(メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン及び2−クロロデオキシアデノシン(クラドリビン));天然物例えばビンカアルカロイド(ビンブラスチン、ビンクリスチン、及びビノレルビン)、微小管ディスラプター例えばタキサン(パクリタキセル)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ノコダゾール、エポチロン及びナベルビン、エピジポドフィロトキシン(エトポシド、テニポシド)、DNA損傷剤(アクチノマイシン、アムサクリン、アントラサイクリン、ブレオマイシン、ブスルファン、カムプトテシン、カルボプラチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、シトキサン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、ヘキサメチルメラミンオキサリプラチン、イフォスファミド、メルファラン、メルクロレタミン、ミトマイシン、ミトキサントロン、ニトロソウレア、プリカマイシン、プロカルバジン、タキソール、タキソテレ、テニポシド、トリエチレンチオホスホルアミド及びエトポシド(VP16))を含む抗増殖/抗有糸分裂剤;抗生物質例えばダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、イダルビシン、アントラサイクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)及びミトマイシン;酵素(全身でL−アスパラギンを代謝して、自身でアスパラギンを合成する能力を有しない細胞で涸渇させるL−アスパラギナーゼ);抗血小板剤;抗増殖性/抗有糸分裂性アルキル化剤例えばナイトロジェンマスタード(メクロレタミン、シクロホスファミド及び類似体、メルファラン、クロラムブシル)、エチレンイミン及びメチルメラミン(ヘキサメチルメラミン及びチオテパ)、アルキルスルホネート−ブスルファン、ニトロソウレア(カルムスチン(BCNU)及び類似体、ストレプトゾシン)、トラゼン−ダカルバジニン(DTIC);抗増殖/抗有糸分裂性抗代謝剤例えば葉酸類似体(メトトレキセート);白金配位錯体(シスプラチン、カルボプラチン)、プロカルバジン、ヒドロキシウレア、ミトタン、アミノグルテチミド;ホルモン類似体(エストロゲン、タモキシフェン、ゴセレリン、ビカルタミド、ニルタミド)及びアロマターゼインヒビター(レトロゾール、アナストロゾール);抗凝固剤(ヘパリン、合成ヘパリン塩及び他のトロンビンインヒビター);フィブリン溶解剤(例えば、組織プラスミノーゲンアクチベーター、ストレプトキナーゼ及びウロキナーゼ)、アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン、クロピドグレル、アブシキシマブ;抗移動剤;抗分泌剤(ブレベルジン);免疫抑制剤(シクロスポリン、タクロリムス(FK−506)、シロリムス(ラパマイシン)、アザチオプリン、ミコフェノレートモフェチル);抗血管形成化合物(TNP−470、ゲニステイン)及び成長因子インヒビター(血管内皮成長因子(VEGF)インヒビター、繊維芽細胞成長因子(FGF)インヒビター);アンギオテンシンレセプターブロッカー;一酸化窒素ドナー;アンチセンスオリゴヌクレオチド;抗体(トランスツヅマブ);細胞周期インヒビター及び分化インデューサー(トレチノイン);mTORインヒビター、トポイソメラーゼインヒビター(ドキソルビシン(アドリアマイシン)、アムサクリン、カムプトテシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、エニポシド、エピルビシン、エトポシド、イダルビシン及びミトキサントロン、トポテカン、イリノテカン)、コルチコステロイド(コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、及びプレニゾロン);成長因子シグナル変換キナーゼインヒビター;ミトコンドリア機能障害インデューサー及びカスパーゼアクチベーター;及びクロマチンディスラプター。
ある具体例において、組合せ抗血管形成療法に用いることのできる医薬化合物は、(1)「血管形成分子」例えばbFGF(塩基性繊維芽細胞成長因子)放出のインヒビター;(2)血管形成分子の中和剤例えば抗βbFGF抗体;及び(3)血管形成刺激に対する内皮細胞応答のインヒビター(コラゲナーゼインヒビター、基底膜ターンオーバーインヒビター、血管新生阻害(angiostatic)ステロイド、真菌由来血管形成インヒビター、血小板因子4、トロンボスポンジン、関節炎薬物例えばD−ペニシラミン及びチオリンゴ酸金、ビタミンD3類似体、アルファ−インターフェロンなどを含む)を含む。血管形成の更なる勧められるインヒビターは、Blood等、Bioch. Biophys. Acta., 1032:89-118(1990), Moses等、Science、248:1408-1410(1990)、Ingber等、Lab. Invest.、59:44-51(1988),及び米国特許第5,092,885号、5,112,946号、5,192,744号、5,202,352号及び6573256号を参照されたい。加えて、血管形成を阻害するために利用することのできる広範な化合物例えばVEGF媒介の血管形成経路をブロックするペプチド又は薬剤、エンドスタチンタンパク質又は誘導体、アンギオスタチンのリジン結合性断片、メラニン又はメラニン促進化合物、プラスミノーゲン断片(例えば、プラスミノーゲンのクリングル1−3)、トロポインサブユニット、ビトロネクチンαvβ3のアンタゴニスト、サポシンBに由来するペプチド、抗生物質又は類似体(例えば、テトラサイクリン、又はネオマイシン)、ジエノゲスト含有組成物、ペプチドに結合されたMetAP−2阻害コアを含む化合物、化合物EM−138、カルコン及びその類似体、及びnaaladaseインヒビターがある。例えば、米国特許第6,395,718号、6,462,075号、6,465,431号、6,475,784号、6,482,802号、6,482,810号、6,500,431号、6,500,924号、6、518,298号、6,521,439号、6,525,019号、6,538,103号、6,544,758号、6,544,947号、6,548,477号、6,559,126号及び6,569,845号を参照されたい。
組合せ療法の性質に依り、EphB4脱免疫化抗体又は抗原結合性断片の投与は、他の療法を施与しつつ及び/又はその後に継続することができる。EphB4脱免疫化抗体又は抗原結合性断片の投与は、単一投与量で行なっても、多数の投与量で行なってもよい。幾つかの例において、EphB4脱免疫化抗体又は抗原結合性断片の投与は、慣用の療法の少なくとも数日前に開始され、他の例では、投与は、慣用の療法の施与の直前又は当該施与と同時に開始される。
VIII.投与及び配合の方法
ある具体例において、このEphB4脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、製薬上許容しうるキャリアと配合される。かかる抗体又は抗原結合性断片は、単独で投与することもできるし、医薬配合物(組成物)の成分として投与することもできる。この抗体又は抗原結合性断片は、ヒト用医薬又は獣医学用医薬における使用に便利な任意の方法で投与するために配合することができる。湿潤剤、乳化剤及び潤滑剤例えばラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウム並びに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味料、香味料及び香料、防腐剤及び抗酸化剤も又は、これらの組成物中に存在してよい。
このEphB4脱免疫化抗体又は抗原結合性断片の配合物は、経口/経鼻腔投与、局所投与、非経口投与、直腸投与、及び/又は膣内投与に適したものを含む。これらの配合物は、都合よく、単位投薬形態で与えることができ、製薬業分野で周知の任意の方法によって製造することができる。キャリア物質と合わせて単一投薬形態を生成することのできる活性成分の量は、治療される宿主、特定の投与方法に依って変化する。キャリア物質と合わせて単一投薬形態を生成することのできる活性成分の量は、一般に、治療効果を生じる化合物の量である。
ある具体例において、これらの配合物又は組成物を製造する方法は、他の種類の抗腫瘍性又は抗血管形成性の薬剤及びキャリア、並びに適宜一種以上の補助的成分を含む。一般に、これらの配合物は、液体キャリア又は微粉固体キャリア、又は両者を用いて製造することができ、その後、必要であれば、製品を形つくることができる。
経口投与のための配合物は、カプセル、カシェ剤、丸薬、錠剤、トローチ剤(香味付けしたベース(通常、スクロース及びアラビアゴム又はトラガカントゴム)を使用)、粉末、顆粒の形態であってよく又は、水性若しくは非水性液体中の溶液若しくは懸濁液として、又は水中油若しくは油中水液体乳濁液として、又はエリキシル若しくはシロップとして、又は香錠(ゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアラビアゴムなどの不活性なベースを使用)として及び/又は口内洗浄剤などとして、各々は、予め決めた量のEphB4脱免疫化抗体又は抗原結合性断片をを活性成分として含む。
経口投与のための固体投薬形態(カプセル、錠剤、丸薬、糖衣錠、粉末、顆粒など)において、一種以上のEphB4脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、一種以上の製薬上許容しうるキャリア例えばクエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウム、及び/又は次の何れかと混合することができる:(1)充填剤又は増量剤、例えば澱粉、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及び/又はケイ酸;(2)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及び/又はアラビアゴム;(3)湿潤剤、例えばグリセロール;(4)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ又はタピオカ澱粉、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム;(5)溶解遅延剤、例えばパラフィン;(6)吸収加速剤、例えば四級アンモニウム化合物;(7)湿潤剤、例えばセチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロール;(8)吸着剤、例えばカオリン及びベントナイトクレー;(9)潤滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物;及び(10)着色剤。カプセル、錠剤及び丸薬の場合、これらの医薬組成物は、緩衝剤をも含むことができる。類似の種類の固体組成物は又、ラクトース又は乳糖並びに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用する軟質及び硬質の充填されたゼラチンカプセルにおいて充填剤として用いることができる。
経口投与のための液体投薬形態は、製薬上許容しうる乳濁液、ミクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、及びエリキシルを含む。活性成分に加えて、これらの液体投薬形態は、一般に、当分野で用いられている不活性な希釈剤例えば水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ひまし油、及び胡麻油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタンの脂肪酸エステル、並びにこれらの混合物を含むことができる。不活性な希釈剤以外に、これらの経口用組成物は、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味料、香味料、着色剤、香料及び防腐剤などの補助剤をも含むことができる。
活性化合物に加えて、懸濁液は、懸濁化剤例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、及びソルビタンエステル、微晶質セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天、及びトラガカントゴム、並びにこれらの混合物を含むことができる。
特に、開示した方法は、皮膚に対して又は粘膜、例えば頸部及び膣の粘膜に対して局所的に投与することができる。これは、腫瘍への直接送達の最大の機会を、副作用を誘発する機会を最少にして提供する。これらの局所用配合物は又、皮膚又は角質層の透過性増進剤として有効であることが知られた一種以上の広範な薬剤を、更に含むことができる。これらの例は、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセタミド、ジメチルホルムアミド、プロピレングリコール、メチル又はイソプロピルアルコール、ジメチルスルホキシド、及びアゾンである。更なる薬剤を更に含有させて、化粧用に許容しうる配合物を作成することができる。これらの例は、脂肪、ワックス、油、染料、芳香剤、防腐剤、安定剤、及び界面活性剤である。当分野で公知の角質溶解剤を含有させることもできる。例は、サリチル酸及び硫黄である。
局所的又は経皮的な投与のための投薬形態は、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ、及び吸入剤を包含する。このEphB4脱免疫化抗体又は抗原結合性断片は、無菌条件下で、製薬上許容しうるキャリアと、及び必要とされうる任意の防腐剤、緩衝剤又は噴射剤と混合することができる。これらの軟膏、ペースト、クリーム及びゲルは、主題のポリペプチド剤に加えて、賦形剤例えば動物性及び植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、澱粉、トラガカントゴム、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク及び酸化亜鉛、又はこれらの混合物を含有することができる。
粉末及びスプレーは、主題のポリペプチド治療剤に加えて、賦形剤例えばラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、及びポリアミド粉末、又はこれらの物質の混合物を含むことができる。スプレーは、更に、慣用の噴射剤例えばクロロフルオロヒドロカーボン及び揮発性不飽和炭化水素例えばブタン及びプロパンを含むことができる。
非経口投与に適した医薬組成物は、一種以上のEphB4脱免疫化抗体及び抗原結合性断片を一種以上の製薬上許容しうる無菌の等張の水溶液又は非水性溶液、分散液、懸濁液又は乳濁液を、又は無菌の粉末(これは、使用直前に無菌の注射用溶液又は分散液を再構成することができ、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、意図するレシピエントの血液と等張の配合物を与える溶質又は懸濁化剤又は増粘剤を含有しうる)を含むことができる。開示した医薬組成物において用いることのできる適当な水性及び非水性のキャリアの例は、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、それらの適当な混合物、植物油例えばオリーブ油、及び注射可能な有機エステル例えばオレイン酸エチルを含む。適当な流動性は、例えば、被覆材料例えばレシチンの利用により、所望の粒度の維持(分散液の場合)により、及び界面活性剤の利用によって維持することができる。
これらの組成物は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤などの補助剤を含むこともできる。微生物の作用を防止することは、様々な抗細菌剤及び抗真菌剤例えばパラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを含有させることにより確実にすることができる。等張剤例えば糖類、塩化ナトリウムなどをこれらの組成物に含有させることも又、望ましいことでありうる。加えて、この注射可能な医薬形態の延長された吸収を、吸収を遅延させる薬剤例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを含有させることによりもたらすことができる。
蓄積注射形態は、一以上のEphB4脱免疫化抗体及び抗原結合性断片の、生物分解性ポリマー例えばポリラクチド−ポリグリコリド中のマイクロカプセル化マトリクスを形成することにより作成される。薬物のポリマーに対する比率、及び用いた特定のポリマーの性質によって、薬物放出の速度を制御することができる。他の生物分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が含まれる。蓄積注射用配合物は又、薬物を、身体組織に適合性のリポソーム又はミクロエマルジョン中に捕捉することにより製造することもできる。
膣内投与又は直腸投与のための配合物は、坐薬として与えることができ、これは、一種以上の開示した化合物を、一種以上の適当な非刺激性賦形剤又はキャリア(例えば、カカオバター、ポリエチレングリコール、坐薬用ワックス又はサリチル酸塩を含む)と混合することにより製造することができ、それは、室温では固体であるが体温では液体となり、それ故、直腸又は膣腔において融けて活性化合物を放出する。
使用に適した医薬組成物は、一種以上のEphB4脱免疫化抗体及び抗原結合性断片がそれらの意図する目的を達成するのに有効な量で含まれる組成物を包含する。一層特に、治療上有効な量は、病気の症状を阻止し、緩和し若しくは改善し又は治療される患者の生存を延長させるのに有効な抗体の量を意味する。治療上有効な量の決定は、特に、ここに与えた詳細な開示に照らして、当業者の能力で充分可能である。治療上有効な投薬量は、イン・ビトロ及びイン・ビボの方法を利用することにより決定することができる。
実施例1:脱免疫化抗体の生成
マウスモノクローナル抗体#47及び#131を、米国特許出願2005/0249736に記載されたように製造した。簡単には、抗EphB4モノクローナル抗体を、マウスにおいて、EphB4の細胞外ドメイン(ECD)に対して生成した。このEphB4のECDを、pGEX−4T−1中にクローン化して、GST融合したECD(GST−ECD)を生成した。GSTドメイン融合タンパク質として大腸菌BL21中で発現されたEphB4ECDを、アフィニティークロマトグラフィーにより精製して、GSTドメインをトロンビンにより開裂させた。モノクローナル抗体を、標準的プロトコールにより生成させて、ハイブリドーマ上清からプロテインAクロマトグラフィーにより精製した。この抗体の感度及び特異性を、EphB4で安定にトランスフェクトした293細胞の全細胞溶解物を用いるウエスタンブロットにより再確認した。これらの#47及び#131の配列は、配列表に与えてある。
これらのマウスの配列の構造モデルを、抗原結合親和性に関与するアミノ酸を同定するために、Swiss Pdb を利用して生成した。Kabat及びChothia CDRだけが同定された。
次いで、これらのマウスの配列を、MHCクラスII結合エピトープを同定するために、イン・シリコで分析した。並行して、最も近いヒト生殖系列の抗体遺伝子を、個々のマウスフレームワークについて同定した。潜在的エピトープを、マウス配列中に置換を生じさせることによって排除した。この置換された残基は、相同なヒトの生殖系列遺伝子から得れた。一連の変異体(通常、4又は5)が、様々な置換の抗原結合親和性に対する効果を試験するために生成された。
これらの変異体の可変領域は、重複するオリゴヌクレオチドから標準的方法を利用して合成された。これらの可変領域を、次いで、クローン化して、ヒトIgG1/カッパー抗体として発現させた。重鎖及び軽鎖変異体のすべての組合せ物を、#47及び#131について、独立に生成させた。これらの組合せ物を、一次的に、CHO−K1細胞にトランスフェクトして、それらの上清を採集して活性について試験した。
表1は、親及び脱免疫化可変領域についての SEQ ID NO を描いている。これらの脱免疫化抗体の重鎖(H)及び軽鎖(K)可変領域(V)についてのタンパク質及びヌクレオチドの配列を列記してある。マウスモノクローナル#47及び#131(m47、m131)抗体の可変領域並びに重鎖(H)及び軽鎖(K)の両者の個々のCDRのタンパク質配列も又、列記してある。図2A〜Dも又、マウスモノクローナル親抗体の可変領域の、脱免疫化変異体に対するアラインメントを描いている。
Figure 2010536751
実施例2:EphB4結合の特性決定
幾つかの脱免疫化抗体の結合親和性を、標準的なサンドイッチELISA結合アッセイを用いて測定した。簡単には、プレートを NeutrAvidin (2μg/ml)で被覆し、次いで、1μg/mlのビオチン標識した可溶性EphB4−HSA融合タンパク質を添加した。その後、連続希釈(1:3)した脱免疫化#131又は#47変異体を加えた(出発濃度1μg/ml)。検出を、ヤギ抗ヒトFc−HRP抗体を用いて行なった。これらのデータは、二重に行なったものを平均化した。図3及び4は、開示した脱免疫化抗体のサブセットについての見かけの結合親和性のグラフを示している。4つの脱免疫化#47変異体のうち、すべては、キメラ#47に対して類似の結合親和性を示しているが、一つの脱免疫化抗体(SEQ ID NO:3/SEQ ID NO:8)は、結合親和性における改善を示している。脱免疫化#131変異体も又、キメラ#131と比較した場合、類似の結合親和性を示している。
実施例3:EphB4の分解
HT29細胞を、10mg/mlの示したモノクローナル抗体(Mu−マウス;Ch−キメラ及びDeI−脱免疫化)で6時間処理した後、冷PBSで洗い、SDS−緩衝液中での直接的溶解を行なった。これらの細胞溶解物を、SDSゲル上で泳動させて、抗EphB4一次抗体を用いるウエスタンブロットを行なった(図5)。
実施例4:イン・ビボでの異種移植片アッセイ
これらの脱免疫化抗体のイン・ビボでの効果を特性決定するために、イン・ビボの腫瘍異種移植片アッセイを行なった。簡単には、細胞を増殖させ、トリプシン消化により集めて、無血清培地に再懸濁させた。扁平上皮細胞癌モデルに対してはSCC15細胞、大腸癌モデルに対してはH29細胞である、約2×106細胞を、10〜12週齢の雌のBalb/C胸腺欠損マウスの脇腹に注射した。腫瘍の成長を、週に3回測定して、体積を、0.52×a×b2(式中、a及びbは、触診できる腫瘍の最大長及び最小長である)として評価した。細胞移植後4日目に、腫瘍の体積を計算してサイズの一様性を確実にし、動物をランダムに3つのグループに分けた(グループ当たりのマウス数n=6)。各グループに、週3回、腹腔内注射により、10mg/kgの試験抗体又はビヒクル(無菌の正常塩溶液、pH7.4)を投与した。4週間後に、動物を犠牲にして、腫瘍及び正常器官を採取した。これらの腫瘍の一部を、パラフィン包埋及び組織学的分析のためにホルマリンで固定した。各グループの残りの腫瘍組織及び器官は、プールしてタンパク質抽出した。すべての手順は、我々の Animal Care and Use Committee により承認され、Animal Welfare Act の規定に従って行なわれた。
下記のデータ(表2及び3)は、イン・ビボの扁平上皮細胞癌異種移植片アッセイから集められたものである。腫瘍の体積は、mm3で表され、日数は、治療開始後の日数に対応している。親マウスモノクローナル抗体#47又は#131は、典型的脱免疫化抗体と比較される。対照用グループには、ビヒクルのみを投与した。結果のグラフは、図6a及び6bにある。
Figure 2010536751
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典型的脱免疫化#47抗体及び典型的脱免疫化#131抗体の両者は、マウスモノクローナル#47及び#131抗体と類似のレベルの腫瘍成長阻害を示した。これは、対照並びに異なるマウスモノクローナル抗EphB4抗体#85L(米国出願第2005/0249736号)と比較して明確である。
下記のデータ(表4)は、大腸癌異種移植片モデルから治療の14日目に集められたものである。上記と同様に、このマウスモノクローナル抗体又は脱免疫化変異体による治療効果が比較されている。加えて、IgG1の投与も、対照として利用されている。
Figure 2010536751
上記の結果から、開示された脱免疫化抗体が、少なくとも2つの癌異種移植片モデルにおける腫瘍成長の低減に有効であるということは明らかである。
配列の簡単な説明
SEQ ID NO:1〜5は、マウスモノクローナル抗体#47に由来する脱免疫化変異体の重鎖可変領域のアミノ酸配列に対応している。
SEQ ID NO:6〜9は、マウスモノクローナル抗体#47に由来する脱免疫化変異体の軽鎖可変領域のアミノ酸配列に対応している。
SEQ ID NO:10〜14は、マウスモノクローナル抗体#131に由来する脱免疫化変異体の重鎖可変領域のアミノ酸配列に対応している。
SEQ ID NO:15〜18は、マウスモノクローナル抗体#131に由来する脱免疫化変異体の軽鎖可変領域のアミノ酸配列に対応している。
SEQ ID NO:19〜21は、マウスモノクローナル抗体#47に由来する重鎖可変領域の脱免疫化CDRのアミノ酸配列に対応している。
SEQ ID NO:22〜24は、マウスモノクローナル抗体#47に由来する軽鎖可変領域のCDRのアミノ酸配列に対応している。
SEQ ID NO:25〜27は、マウスモノクローナル抗体#131に由来する重鎖可変領域のCDRのアミノ酸配列に対応している。
SEQ ID NO:28〜30は、マウスモノクローナル抗体#131に由来する軽鎖可変領域のCDRのアミノ酸配列に対応している。
SEQ ID NO:31〜35は、マウスモノクローナル抗体#47に由来する脱免疫化変異体の重鎖可変領域の核酸配列に対応している。
SEQ ID NO:36〜39は、マウスモノクローナル抗体#47に由来する脱免疫化変異体の軽鎖可変領域の核酸配列に対応している。
SEQ ID NO:40〜44は、マウスモノクローナル抗体#131に由来する脱免疫化変異体の重鎖可変領域の核酸配列に対応している。
SEQ ID NO:45〜48は、マウスモノクローナル抗体#131に由来する脱免疫化変異体の軽鎖可変領域の核酸配列に対応している。
SEQ ID NO:49〜52は、マウスモノクローナル抗体#47の重鎖及び軽鎖可変領域並びにマウスモノクローナル抗体#131の重鎖及び軽鎖可変領域にそれぞれ対応している。
SEQ ID NO:53は、ヒトのEphB4前駆体タンパク質に対応している。
Figure 2010536751

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参考文献の援用
本明細書中で言及したすべての刊行物及び特許を、個々の刊行物又は特許が特別に個別に資料として援用されるように指示されたように、資料として、そっくりそのまま、本明細書中に援用する。
主題の発明の特別の具体例を論じてきたが、上記の明細書は、例であって、制限するものではない。この発明の多くの変形が、当業者には、この明細書及び下記の請求の範囲を概観すれば、明らかとなろう。この発明の全範囲は、同等物の全範囲を伴う請求の範囲、及びかかる変形をも伴う明細書を参照して決定されるべきである。

Claims (127)

  1. EphB4の細胞外ドメインに結合する、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片であって、各可変領域が、フレームワーク領域内に、2〜20アミノ酸置換を有することを特徴とする当該脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  2. フレームワーク領域内の2〜20の置換が、EphB4の細胞外ドメインに結合する非ヒト又は親抗体と比較してのものである、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  3. マウスモノクローナル抗体#131、ATCC#PTA−6214と類似の又はそれ以上の結合親和性を有する、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  4. 前記の置換の少なくとも一つにより、脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片中のT細胞エピトープの数が非ヒト又は親抗体と比較して減少する、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  5. 前記の置換の少なくとも一つにより、脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片中のB細胞エピトープの数が非ヒト又は親抗体と比較して減少する、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  6. 前記の置換の少なくとも一つにより、調節性T細胞エピトープが、非ヒト又は親抗体と比較して、脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片中に導入される、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  7. これらの置換の少なくとも一つにより、この抗体又は抗原結合性断片のフレームワーク領域と、該フレームワーク領域に相同であるヒト生殖系列遺伝子配列との間の配列同一性が増大する、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  8. 1〜5アミノ酸置換が、相補性決定領域(CDR)内に存在する、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  9. 重鎖可変領域が、EphB4の細胞外ドメインに結合する非ヒト又は親抗体と比較して、最大で18アミノ酸置換を有する、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  10. 重鎖可変領域が、EphB4の細胞外ドメインに結合する非ヒト又は親抗体と比較して、最大で17アミノ酸置換を有する、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  11. 重鎖可変領域が、EphB4の細胞外ドメインに結合する非ヒト又は親抗体と比較して、少なくとも5アミノ酸置換を有する、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  12. 重鎖可変領域が、EphB4の細胞外ドメインに結合する非ヒト又は親抗体と比較して、少なくとも7アミノ酸置換を有する、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  13. 重鎖可変領域が、EphB4の細胞外ドメインに結合する非ヒト又は親抗体と比較して、少なくとも9アミノ酸置換を有する、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  14. 軽鎖可変領域が、EphB4の細胞外ドメインに結合する非ヒト又は親抗体と比較して、最大で18アミノ酸置換を有する、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  15. 軽鎖可変領域が、EphB4の細胞外ドメインに結合する非ヒト又は親抗体と比較して、最大で16アミノ酸置換を有する、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  16. 軽鎖可変領域が、EphB4の細胞外ドメインに結合する非ヒト又は親抗体と比較して、最大で14アミノ酸置換を有する、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  17. 軽鎖可変領域が、EphB4の細胞外ドメインに結合する非ヒト又は親抗体と比較して、少なくとも3アミノ酸置換を有する、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  18. 軽鎖可変領域が、EphB4の細胞外ドメインに結合する非ヒト又は親抗体と比較して、少なくとも5アミノ酸置換を有する、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  19. 軽鎖可変領域が、EphB4の細胞外ドメインに結合する非ヒト又は親抗体と比較して、少なくとも7アミノ酸置換を有する、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  20. 培養内皮細胞による管形成を阻害する、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  21. イン・ビボでの組織の血管新生を阻害する、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  22. ヒト腫瘍異種移植片のマウスにおける成長を低減させる、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  23. Fc領域を含む重鎖定常領域を含む、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  24. Fc領域が、変化したエフェクター機能を有する、請求項23に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  25. エフェクター機能が増大した、請求項24に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  26. エフェクター機能が低減した、請求項24に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  27. Fc領域におけるN−グリコシル化が除かれた、請求項25に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  28. 非ヒト又は親抗体に由来する少なくとも一つの相補性決定領域(CDR)を含む、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  29. 抗体又は抗原結合性断片が、ヒト患者において、非ヒト又は親抗体より一層低免疫原性である、請求項28に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  30. EphB4の二量体化又は多量体化を阻害する、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  31. EphrinB2刺激されたEphB4の自己リン酸化を阻害する、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  32. EphB4キナーゼ活性を刺激する、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  33. EphB4の第一のフィブロネクチン様ドメインに結合する、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  34. EphB4の第二のフィブロネクチン様ドメインに結合する、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  35. 細胞障害性薬剤と結合された(conjugated to)、請求項1に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  36. 細胞障害性薬剤が、放射性薬剤;植物、真菌又は細菌起源の分子;生物学的タンパク質;ビンブラスチン;4−デスアセチルビンブラスチン;ビンクリスチン;レウロシジン;及びビンデシンよりなる群から選択される、請求項35に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  37. 非ヒト又は親抗体が、マウスモノクローナル#47又はマウスモノクローナル#131である、請求項28に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  38. 重鎖可変領域における前記の置換の少なくとも一つが、Kabatの番号付けシステムによる5位、12位、40位、66位、75位、及び83位よりなる群から選択されるアミノ酸位置で起きる、請求項37に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  39. 前記の重鎖可変領域における置換の少なくとも一つが、5位のバリン、12位のリジン、40位のアラニン、66位のアルギニン、75位のスレオニン、及び83位のアルギニンよりなる群から選択される、請求項38に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  40. 軽鎖可変領域における前記の置換の少なくとも一つが、Kabatの番号付けシステムによる45位、74位及び100位よりなる群から選択されるアミノ酸位置で起きる、請求項37に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  41. 前記の軽鎖可変領域における置換の少なくとも一つが、45位のリジン、74位のスレオニン、及び100位のグルタミンよりなる群から選択される、請求項40に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  42. 重鎖可変領域が、a)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、及びSEQ ID NO:13のアミノ酸1〜30よりなる群から選択されるFR1、b)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:10及びSEQ ID NO:13のアミノ酸36〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12及びSEQ ID NO:14のアミノ酸67〜98よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:1及びSEQ ID NO:10のアミノ酸113〜123よりなる群から選択されるFR4を含む、請求項37に記載の抗体。
  43. 軽鎖可変領域が、a)SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:16のアミノ酸1〜23よりなる群から選択されるFR1、b)SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:18のアミノ酸35〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:17のアミノ酸57〜88よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:6及びSEQ ID NO:15のアミノ酸98〜107よりなる群から選択されるFR4を含む、請求項37に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  44. 重鎖可変領域が、SEQ ID NO:19を含むCDR1、SEQ ID NO:20を含むCDR2、及びSEQ ID NO:21を含むCDR3を含み、軽鎖は、SEQ ID NO:22を含むCDR1、SEQ ID NO:23を含むCDR2、及びSEQ ID NO:24を含むCDR3を含む、請求項37に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  45. ヒト患者において、マウスモノクローナル抗体#47よりも低免疫原性である、請求項44に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  46. EphB4の細胞外ドメインに、EphB4の細胞外ドメインに結合するマウスモノクローナル抗体#47の結合親和性の少なくとも80%の結合親和性で結合する、請求項44に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  47. EphB4の細胞外ドメインに、EphB4の細胞外ドメインに結合するマウスモノクローナル抗体#47の結合親和性の少なくとも90%の結合親和性で結合する、請求項44に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  48. EphB4の細胞外ドメインに、EphB4の細胞外ドメインに結合するマウスモノクローナル抗体#47の結合親和性の少なくとも100%の結合親和性で結合する、請求項44に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  49. EphB4の、EphrinB2の細胞外部分への結合を阻害する、請求項44に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  50. EphB4の二量体化又は多量体化を阻害する、請求項44に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  51. EphrinB2刺激されたEphB4の自己リン酸化を阻害する、請求項44に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  52. EphB4キナーゼ活性を刺激する、請求項44に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  53. EphB4の第一のフィブロネクチン様ドメインに結合する、請求項44に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  54. EphB4の第二のフィブロネクチン様ドメインに結合する、請求項44に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  55. 細胞障害性薬剤と結合されている、請求項44に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  56. 細胞障害性薬剤が、放射性薬剤;植物、真菌又は細菌起源の分子;生物学的タンパク質;ビンブラスチン;4−デスアセチルビンブラスチン;ビンクリスチン;レウロシジン;及びビンデシンよりなる群から選択される、請求項55に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  57. 培養内皮細胞による管形成を阻害する、請求項44に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  58. イン・ビボでの組織の血管新生を阻害する、請求項44に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  59. ヒト腫瘍異種移植片のマウスにおける成長を低減させる、請求項44に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  60. Fc領域を含む重鎖定常領域を含む、請求項44に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  61. Fc領域が、変化したエフェクター機能を有する、請求項60に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  62. エフェクター機能が増大した、請求項61に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  63. エフェクター機能が低減した、請求項61に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  64. Fc領域のN−グリコシル化が除かれた、請求項63に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  65. 重鎖可変領域が、a)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:4のアミノ酸1〜30よりなる群から選択されるFR1、b)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:5のアミノ酸36〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4及びSEQ ID NO:5のアミノ酸67〜98よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:1のアミノ酸113〜123よりなるFR4を含み;軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:6のアミノ酸1〜23よりなるFR1、b)SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7及びSEQ ID NO:9のアミノ酸35〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7及びSEQ ID NO:8のアミノ酸57〜88よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:6のアミノ酸98〜107よりなるFR4を含む、請求項44に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  66. 重鎖可変領域が、a)SEQ ID NO:1;b)SEQ ID NO:2;c)SEQ ID NO:3、d)SEQ ID NO:4、及びe)SEQ ID NO:5よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項44に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  67. 軽鎖可変領域が、a)SEQ ID NO:6;b)SEQ ID NO:7;c)SEQ ID NO:8、及びd)SEQ ID NO:9よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項44に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  68. 軽鎖可変領域が、a)SEQ ID NO:6;b)SEQ ID NO:7;c)SEQ ID NO:8、及びd)SEQ ID NO:9よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項66に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  69. 重鎖可変領域が、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:7及びb)SEQ ID NO:8よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項68に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  70. 重鎖可変領域が、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:7及びb)SEQ ID NO:8よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項68に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  71. 重鎖可変領域が、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、SEQ ID NO:8のアミノ酸配列を含む、請求項69に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  72. 重鎖可変領域が、SEQ ID NO:25を含むCDR1、SEQ ID NO:26を含むCDR2、及びSEQ ID NO:27を含むCDR3を含み、軽鎖可変領域は、SEQ ID NO:28を含むCDR1、SEQ ID NO:29を含むCDR2及びSEQ ID NO:30を含むCDR3を含む、請求項37に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  73. マウスモノクローナル抗体#131よりも低免疫原性である、請求項72に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  74. EphB4の細胞外ドメインに、マウスモノクローナル抗体#131のEphB4の細胞外ドメインへの結合の結合親和性の少なくとも80%の結合親和性で結合する、請求項72に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  75. EphB4の細胞外ドメインに、マウスモノクローナル抗体#131のEphB4の細胞外ドメインへの結合の結合親和性の少なくとも90%の結合親和性で結合する、請求項72に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  76. EphB4の細胞外ドメインに、マウスモノクローナル抗体#131のEphB4の細胞外ドメインへの結合の結合親和性の少なくとも100%の結合親和性で結合する、請求項72に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  77. EphB4の、EphrinB2の細胞外部分への結合を阻害する、請求項72に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  78. EphB4の二量体化又は多量体化を阻害する、請求項72に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  79. EphB4の、EphrinB2刺激された自己リン酸化を阻害する、請求項72に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  80. EphB4キナーゼ活性を刺激する、請求項72に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  81. EphB4の第一のフィブロネクチン様ドメインに結合する、請求項72に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  82. EphB4の第二のフィブロネクチン様ドメインに結合する、請求項72に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  83. 細胞障害性薬剤と結合される、請求項72に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  84. 細胞障害性薬剤が、放射性薬剤;植物、真菌又は細菌起源の分子;生物学的タンパク質;ビンブラスチン;4−デスアセチルビンブラスチン;ビンクリスチン;レウロシジン;及びビンデシンよりなる群から選択される、請求項83に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  85. 培養内皮細胞による管形成を阻害する、請求項72に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  86. イン・ビボでの組織の血管新生を阻害する、請求項72に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  87. ヒト腫瘍異種移植片のマウスにおける成長を低減させる、請求項72に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  88. Fc領域を含む重鎖定常領域を含む、請求項72に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  89. Fc領域が、変化したエフェクター機能を有する、請求項88に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  90. エフェクター機能が増大した、請求項89に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  91. エフェクター機能が低減した、請求項89に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  92. Fc領域におけるN−グリコシル化が除かれている、請求項91に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  93. 重鎖可変領域が、a)SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11及びSEQ ID NO:13のアミノ酸1〜30よりなる群から選択されるFR1、b)SEQ ID NO:10及びSEQ ID NO:13のアミノ酸36〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12及びSEQ ID NO:14のアミノ酸67〜98よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:10のアミノ酸113〜123よりなるFR4を含み、軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:16のアミノ酸1〜23よりなる群から選択されるFR1、b)SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:18のアミノ酸35〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:17のアミノ酸57〜88よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:15のアミノ酸98〜107よりなるFR4を含む、請求項72に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  94. 重鎖可変領域が、a)SEQ ID NO:10;b)SEQ ID NO:11;c)SEQ ID NO:12、d)SEQ ID NO:13、及びe)SEQ ID NO:14よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項72に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  95. 軽鎖可変領域が、a)SEQ ID NO:15;b)SEQ ID NO:16;c)SEQ ID NO:17、及びd)SEQ ID NO:18よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項72に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  96. 重鎖可変領域が、SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:17及びb)SEQ ID NO:18よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項94に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  97. 重鎖可変領域が、SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:17及びb)SEQ ID NO:18よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項94に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  98. 重鎖可変領域が、SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を含む、請求項97に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  99. EphB4の細胞外ドメインに結合する、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片であって、該抗体又は抗原結合性断片が、親又は非ヒト抗体以上の親和性で結合し、該抗体又はその抗原結合性断片は、次の特性の少なくとも一つを有する当該脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片:a)各可変領域は、完全に、一つ以上のヒト抗体に由来する;b)各可変領域は、親又は非ヒト抗体と比べて減少した数のT細胞エピトープを有する;そしてc)各可変領域は、親又は非ヒト抗体と比べて減少した数のB細胞エピトープを有する。
  100. 請求項99に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片であって、次の残基の一つ以上が重鎖可変領域内に存在する当該脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片:5位のバリン、12位のリジン、40位のアラニン、66位のアルギニン、75位のスレオニン、及び83位のアルギニン(該位置は、Kabatの番号付けシステムによる)。
  101. 請求項99に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片であって、次の残基の一つ以上が軽鎖可変領域内に存在する当該脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片:45位のリジン、74位のスレオニン、及び100位のグルタミン(該位置は、Kabatの番号付けシステムによる)。
  102. 請求項99に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片であって、重鎖可変領域が、SEQ ID NO:25を含むCDR1、SEQ ID NO:26を含むCDR2、及びSEQ ID NO:27を含むCDR3を含み;軽鎖可変領域は、SEQ ID NO:28を含むCDR1、SEQ ID NO:29を含むCDR2、及びSEQ ID NO:30を含むCDR3を含む当該脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  103. 請求項102に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片であって、重鎖可変領域が、a)SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11及びSEQ ID NO:13のアミノ酸1〜30よりなる群から選択されるFR1、b)SEQ ID NO:10、及びSEQ ID NO:13のアミノ酸36〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12及びSEQ ID NO:14のアミノ酸67〜98よりなる群から選択されるFR3、及びd)SEQ ID NO:10のアミノ酸113〜123よりなるFR4を含み;軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:16のアミノ酸1〜23よりなる群から選択されるFR1、b)SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:18のアミノ酸35〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:17のアミノ酸57〜88よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:15のアミノ酸98〜107よりなるFR4を含む当該脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  104. 請求項99に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片であって、重鎖可変領域が、SEQ ID NO:19を含むCDR1、SEQ ID NO:20を含むCDR2、及びSEQ ID NO:21を含むCDR3を含み;軽鎖は、SEQ ID NO:22を含むCDR1、SEQ ID NO:23を含むCDR2、及びSEQ ID NO:24を含むCDR3を含む当該脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  105. 請求項104に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片であって、重鎖可変領域が、a)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:4のアミノ酸1〜30よりなる群から選択されるFR1、b)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:5のアミノ酸36〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4及びSEQ ID NO:5のアミノ酸67〜98よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:1のアミノ酸113〜123よりなるFR4を含み;軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:6のアミノ酸1〜23よりなるFR1、b)SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7及びSEQ ID NO:9のアミノ酸35〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7及びSEQ ID NO:8のアミノ酸57〜88よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:6のアミノ酸98〜107よりなるFR4を含む当該脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  106. EphB4の細胞外ドメインに結合する脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片であって、ATCC寄託番号PTA−614を有するハイブリドーマから得られた#131抗体よりも一層低免疫原性であって、ハイブリドーマから得られた抗体以上の親和性で結合する当該脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  107. 請求項106に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片であって、重鎖可変領域が、SEQ ID NO:25を含むCDR1、SEQ ID NO:26を含むCDR2、及びSEQ ID NO:27を含むCDR3を含み;軽鎖可変領域は、SEQ ID NO:28を含むCDR1、SEQ ID NO:29を含むCDR2、及びSEQ ID NO:30を含むCDR3を含む当該脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  108. 請求項107に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片であって、重鎖可変領域が、a)SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11及びSEQ ID NO:13のアミノ酸1〜30よりなる群から選択されるFR1、b)SEQ ID NO:10及びSEQ ID NO:13のアミノ酸36〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12及びSEQ ID NO:14のアミノ酸67〜98よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:10のアミノ酸113〜123よりなるFR4を含み;軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:16のアミノ酸1〜23よりなる群から選択されるFR1、b)SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:18のアミノ酸35〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:17のアミノ酸57〜88よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:15のアミノ酸98〜107よりなるFR4を含む当該脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  109. EphB4の細胞外ドメインに結合する脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片であって、ATCC寄託番号__________を有するハイブリドーマから得られた#47抗体よりも一層低免疫原性であって、ハイブリドーマから得られた抗体と同じかそれ以上の親和性で結合する脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  110. 請求項109に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片であって、重鎖可変領域が、SEQ ID NO:19を含むCDR1、SEQ ID NO:20を含むCDR2、及びSEQ ID NO:21を含むCDR3を含み;軽鎖は、SEQ ID NO:22を含むCDR1、SEQ ID NO:23を含むCDR2、及びSEQ ID NO:24を含むCDR3を含む当該脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  111. 請求項110に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片であって、重鎖可変領域が、a)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:4のアミノ酸1〜30よりなる群から選択されるFR1、b)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:5のアミノ酸36〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4及びSEQ ID NO:5のアミノ酸67〜98よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:1のアミノ酸113〜123よりなるFR4を含み;軽鎖可変領域は、a)SEQ ID NO:6のアミノ酸1〜23よりなるFR1、b)SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7及びSEQ ID NO:9のアミノ酸35〜49よりなる群から選択されるFR2;c)SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7及びSEQ ID NO:8のアミノ酸57〜88よりなる群から選択されるFR3;及びd)SEQ ID NO:6のアミノ酸98〜107よりなるFR4を含む当該脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
  112. EphB4の細胞外ドメインに結合する、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片であって、重鎖可変領域が次の少なくとも一つを含む当該脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片:5位のバリン、12位のリジン、40位のアラニン、66位のアルギニン、75位のスレオニン、及び83位のアルギニン(該位置は、Kabatの番号付けシステムによる)。
  113. 請求項112に記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片であって、軽鎖可変領域が次の少なくとも一つを含む:45位のリジン、74位のスレオニン、及び100位のグルタミン(該位置は、Kabatの番号付けシステムによる)。
  114. 患者における腫瘍の成長速度を低減させる方法であって、患者に、治療上有効な量の、請求項1〜113の何れかに記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片を投与することを含む当該方法。
  115. 患者が、ヒト患者である、請求項114に記載の方法。
  116. 癌を患っている患者を治療する方法であって、患者に、治療上有効な量の、請求項1〜113の何れかに記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片を投与することを含む当該方法。
  117. 患者が、ヒト患者である、請求項116に記載の方法。
  118. 患者が、大腸癌、乳癌、中皮腫、前立腺癌、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫、卵巣癌、及び白血病よりなる群から選択される癌を有していると診断される、請求項116に記載の方法。
  119. 脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片を全身投与する、請求項116に記載の方法。
  120. 脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片を局所投与する、請求項116に記載の方法。
  121. 患者における血管形成を阻害する方法であって、該方法を必要とする患者に、請求項1〜113の何れかに記載の有効量の抗体を投与することを含む当該方法。
  122. 患者が、黄斑変性を有すると診断されている、請求項121に記載の方法。
  123. 患者が、ヒト患者である、請求項121に記載の方法。
  124. 請求項1〜113の何れかに記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片を含む医薬組成物。
  125. 請求項1〜113の何れかに記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片の、癌を治療するための医薬を製造するための利用。
  126. 癌が、大腸癌、乳癌、中皮腫、前立腺癌、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫、卵巣癌、及び白血病よりなる群から選択される、請求項125に記載の利用。
  127. 患者における血管形成を阻害するという利用のための、請求項1〜113の何れかに記載の脱免疫化抗体又はその抗原結合性断片。
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