JP2004505620A - 動静脈特性の操作 - Google Patents
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Abstract
内皮細胞の動脈−静脈特性を操作するための方法および組成体が提供される。前記方法は、内皮細胞がリモデリングし動脈性内皮細胞を形成する様な動脈分子プログラムを静脈片の内皮細胞内に導入することを含む。動脈分子プログラムは、静脈からの動脈発生および/または分化に関連している各種遺伝子をコードするポリヌクレオチドを1またはそれ以上含むことができる。この遺伝子を含む発現ベクターは、細胞内へのこの分子プログラム導入に利用できる。閉鎖血管を持つ患者を治療する方法も提供される。
Description
【0001】
発明の分野
本発明は内皮細胞の動静脈特性を操作するための方法および組成体に関する。さらに詳しくは、本発明は適当なヌクレオチドを静脈内皮細胞内に移入することにより、静脈に動脈形態を導入する方法に関する。さらに発明は閉塞血管を有する患者を治療する方法に関する。
【0002】
発明の背景
血管の閉塞は血管の下流器官への血液の供給能力を低下させるが、それはその器官およびその宿主の長期の健康に打撃を与える。このような閉塞性障害は一般には動脈硬化と呼ばれている。動脈硬化の特別な形態であるアテロームは、主に大動脈および冠動脈に影響する。
【0003】
閉塞血管をある種の移植体と交換することは、閉塞血管病に関する外科治療の主流である。このタイプの方法の一般例は、冠動脈バイパス移植(CABG)である。この方法は閉塞冠動脈を原因とする不良な心臓血液還流を緩和することを目的とするものであり、ヒトに於ける血管交換法の代表的なものである。CABG法では外科医は閉塞した冠動脈断片を除いて移植体と交換する。
【0004】
血管交換法での移植体の選択は、宿主免疫系による拒絶、血管の大きさおよび回収および取扱易さを含む多くの要素に影響される。CABG法では自己血管、特には伏在静脈が交換血管としてよく使用される。伏在静脈は脚の内側にそって上向する血管であり、比較的回収が容易であり、冠動脈に関し好適な断面積を有している。さらに自己血管であるので組織拒絶の心配がない。これら利点を顧慮すれば、閉塞した冠動脈部分を自己伏状静脈で交換することがCABG法の一般的外科技術となることは驚くべきことではない。
【0005】
これら利点もあるものの大きな欠点も残っている。例えば最近の推定では、CABG法を必要とする患者の30%もが移植に適した静脈を持っていないことが示されている。(Baurssa、Curr.Opin.Cardiol.9:685〜691(1994)参照)。さらに静脈バイパス移植の約50%が、移植後10年でもはや開通性を有していない、即ち構造的に未変性でない。(Edwards等、Surg.Gynecol & Obstet.122:37〜42(1996)参照)。移植体の開通性の消失は重大な帰結を有する:少なくとも追加の手術が必要となり、最悪の場合には心臓損傷および死に至ることもあるだろう。このようなバイパス移植の限界および多くの利点を考慮し、血管移植体の開通性を改善することへの関心は高い。
【0006】
動脈片の替わりに静脈片を使用することは、移植体の貫通性の消失に関係しているだろう。動脈は、静脈にはない様々な構造上の特徴を有している。例えば静脈は一般には比較的少数の血管平滑筋細胞に取り囲まれている単層の内皮細胞から出来ているのに対し、動脈の内皮細胞は弾性ラメラと血管平滑筋細胞が交互に存在する環状体に取り囲まれている。これら構造の違いによって動脈は静脈に比べ様々な生理学的条件に適応することができる。例えば動脈は一般的には静脈に比べ(0〜8mmHg)高い血流力学応力(70〜105mmHg)下に存在している。
【0007】
これら構造上の特徴から、動脈を移植体として使用することが試みられている。さらに乳房内動脈(IMA)移植体は移植後も長期にわたり比較的高い割合で未変性の状態を保つ。(Bamer等、J.Thorac.Cardiovasc.Surg.90:668〜75(1985)参照)。このようなことから、動脈の使用は静脈移植体の使用に比べ優れていると思われる。残念なことに、動脈は回収が難しいことが多い。IMAおよびその他動脈、例えば胃大網動脈および膵動脈のような動脈の調製には様々な技術上の困難が伴い、これら結果を交換移植体としては不適なものにしている。
【0008】
閉塞動脈部分の交換に理想的な移植体は、回収が容易であるというような静脈の利点に上記構造上の特徴の様な動脈の利点を組み合わせた血管であろう。
【0009】
胚発生時、内皮細胞管は静脈と動脈の両方に分化する能力を有している。内皮管は動脈と静脈を区別する構造上の特徴が発達する前に、動脈または静脈のいずれかとしての特異的特性を獲得する。様々な遺伝子および遺伝子産物を含む分子プログラがこれら血管の特性を、動脈または静脈組織として制御している。しかし静脈を単に動脈の血流力学条件の下に置換しただけでは静脈から動脈への形質転換は誘導されない。
【0010】
発明の概要
本発明は静脈内に動脈の形態を誘導する方法を提供する。方法は静脈断片内にある内皮細胞の動脈−静脈特性を動脈組織内の内皮細胞のそれに近いものに変化させることを含む。動脈特性により細胞および周辺組織は内皮細胞リモデリングをおこし、静脈は動脈の形態を発達させ、それにより血管交換移植体として利用できる能力を向上させることができる。
【0011】
好適実施態様では、方法は内皮細胞内に適当なポリヌクレオチドを移入することで血管組織内の内皮細胞の動脈−静脈特性を変化させることを含む。ポリヌクレオチドは、細胞が動脈関連内皮細胞に似るように細胞の内皮細胞リモデリングを誘導できる単独または複数の遺伝子をコードしている。この方法での使用に適した好ましい遺伝子としては、動脈および静脈に異なる特性を発達させることができるよう機能する遺伝子、例えばエンドジリンおよびアクチビン受容体類似キナーゼ1(Alk−1)、ならびに動脈および静脈で異なって発現される、例えばepprin−B2、Eph B4、エラスチンおよびCD34が挙げられる。これら遺伝子は個別またはいずれかの組み合わせで使用することができる。適当なポリヌクレオチドを導入することで、血管組織の内皮細胞はリモデリングし、それらの構造を動脈の構造に変換することができる。
【0012】
さらに、本発明はまたアテロームを示している患者の様な閉塞血管を持つ患者を治療する方法も提供する。好適実施態様では、方法は自己の伏在静脈の様な静脈片を回収すること、適当なポリヌクレオチドをこの静脈片の内皮細胞内に移入して静脈片の動脈−静脈特性を変化させること、冠動脈といった血管の閉塞部分を取り出すこと、および閉塞片にかわって変化した動脈−静脈特性を有する上記の片を移植することを含む。
【0013】
発明の好適実施態様の詳細な説明
発明の様々な好適実施態様の以下の説明は本発明の実施例を提供する。ここに論じる実施態様は単に例示を目的としたものであり、いずれの形においても発明の範囲を制限するものではない。むしろこれら好適実施態様の記載は当業者による本発明実施を可能にする。
【0014】
実施態様の一つでは、本発明は内皮細胞の動脈−静脈特性を操作するための方法および組成体を提供する。動脈−静脈特性の操作は、細胞が動脈に関係する内皮細胞になるように細胞のリモデリングを誘導できる1またはそれ以上のポリヌクレオチドまたはその産物を移入することで達成される。ポリヌクレオチドは以下の分類の一方または両方に属する遺伝子をコードしている。
【0015】
1)内皮細胞が別の動脈または静脈特性を発達するようにする機能を持つ遺伝子;および
【0016】
2)動脈および静脈の内皮細胞内で異なって発現している遺伝子。
【0017】
動脈−静脈特性の発達は、胚性内皮管をこれらタイプの血管のいずれかに発生させる経路の一段階である。さらに発明者は上記ポリヌクレオチドを各種内皮細胞に挿入することで、細胞を動脈内皮細胞にリモデリングできることを発見した。動脈特性の発達は、動脈構造の特徴の出現により測定される。
【0018】
使用可能な遺伝子の第一分類には、胚発生中に、内皮細胞を動脈または静脈の様な別の特性に発生させる機能を持つ遺伝子が含まれる。発生中、静脈リモデリングと内皮細胞の成熟が最終的な血管系を作り出す。組織化された血管網を形成するには、血液を効率的に運搬し、組織を形成する大および小血管の階層性が確立されなければならない。成熟した階層化血管系の形成は2段階で行われる。第一段階には、内皮細胞の分化、急速な増殖および管形成が含まれる。このプロセスは相互接続された、均一な大きさを持つ内皮管の網目構造の形成をもたらす。第二段階では、血管リモデリングと内皮細胞の成熟が起こる。内皮管は動脈または静脈として区別され、分化成長、アポトーシスおよび内皮管の成長により組織化された網目構造が形成される。このリモデリングのプロセスが標的組織または腫瘍に血液を効率的に供給し、老廃物を除く明確な血管網目構造を誘導する。エンドグリンおよびアクチビン受容体類似キナーゼ1(Alk1)は第一段階の内皮分化および急速増殖と第二段階の内皮成熟および血管リモデリングの切り替えに機能する。(一般的にはFerrara N and Alitalo、K.Nat.Med.5:1359〜64(1999)、Folkman J.,and D’Amore P.A., Cell 87:1153〜1155(1996)、Gale N.W., and Yancopoulos G.D.,Genes Dev 13(9):1055〜66(1999)参照) Alk−1およびエンドグリン機能を誘導することは、動脈と静脈とを区別するのに必要な成熟と分子プログラムを加速するのだろう。これら遺伝子の機能の攪乱は、発生期の内皮ネットワークが高度に組織化された網目構造を形成するのを阻止するだろう。即ち、これら遺伝子の機能を遮断することは、癌の成長および糖尿病性網膜症にとって重要なプロセスである病的な血管新生を阻止するだろう。例えばLi.D.Y.,等、Science 284:1534〜1537(1999)およびUmess、L.D.,等、Nature Genetics 26:328〜331(2000)を参照。この第一分類に属する遺伝子の例としては、エンドグリンおよびアクチビン受容体類似キナーゼ1(Alk−1)が挙げられる。
【0019】
エンドグリンは内皮細胞表面に発現された形質転換成長因子−β(TGG−β)結合タンパク質である。TGF−βシグナル伝達は血管発生の第一段階である、脈管形成に必要とされる。脈管形成では、相互連絡した均一な大きさを持つ内皮管より形成される一次毛細血管網が形作られる。エンドグリンを欠くマウスは、平滑筋発生の不良と内皮リモデリングの停止を特徴とする血管発生の欠損により幼児期に死亡する。即ちエンドグリンは一次内皮網目構造が成熟した循環系にリモデリングする血管発生の第二段階、血管形成に必須である。一般にLi、D.Y 等、Science 284:1534〜1537(1999)参照。
【0020】
エンドグリンをコードするcDNAが報告されている。(Gougos、A and Letarte、M.,J.Biol.Chem.265(15):8361〜8364(1990))。その配列はここに配列番号1として添付されている。
【0021】
Alk−1遺伝子は増殖因子のTGF−βスーパーファミリーのセリン/スレオニンキナーゼ受容体をコードしている(ten、Dijke、P等、Science 264(5155);101〜4(1994);ten、Dijke,P等、Oncogene 10:2879〜87(1993);Attisano,L & Wrana、J.L.,Cytokines and Growth Factor Reviews 7(4):327〜339(1996))。Alk−1によりコードされた受容体は内皮細胞に強く発現されている(Roslen,B.A.,等、Dev.Dyn.209(4):418−30(1997))。またAlk−1の機能消失突然変異は動静脈奇形を特徴とするヒトの血管形成異常の原因である(Guttmacher、A.E.,等、E.Engl.J.Med.333(14):918〜924(1995);Johnson,D.W.等、Nat.Genet.13(2);189〜95(1996))。さらに、Alk−1を欠くマウスでは動脈と静脈の間で解剖学的、分子的および機能的な差が無くなっている。結論として、Alk−1は動脈および静脈の血管床の胚発生の成功に必要とされる(上記)。
【0022】
Alk−1をコードするcDNAが報告されている(ten Dijke、P.P.,等、Oncogene8(10):2879〜2887(1993))。ここに配列番号2として添付されている。
【0023】
動脈分子プログラムに使用可能な遺伝子の第二分類としては、動脈および静脈の内皮細胞で異なって発現される遺伝子が挙げられる。ここに使用される場合、用語“異なって発現される”とは、静脈内皮細胞に比べた動脈内皮細胞での遺伝子発現の相対度を表す。この第二分類に属する遺伝子の例としてはEphrin−B2、EphB4、エラスチンおよびCD34が挙げられる。例えばUrness,L.D.,等、Nature Genetics 26:328〜331(2000)を参照。
【0024】
ephrin−B2遺伝子は動脈と静脈間の構造差または機能差が出現する前に発現される動脈特異的分子マーカーをコードしている(Adams、R.H.,等、Gened Dev.13:3 295〜306(1999)、Wang, H.U.,等、Cell 93(5):741〜53(1996))。またaphrin−B2遺伝子またはephrin−B2受容体に関する遺伝子、EphB4を欠くマウスは異なる動脈および静脈ドメインを発生させるが、これらマウスは欠陥のある内皮細胞リモデリングを示す(上記;Gerely、S.S.,等、Mol Cell 4:403〜14(1999))。即ちephrin−B2およびEphB4は重要な動脈マーカーであるが、それらは内皮管が動脈および静脈になるかの特異性を制御してはいない。さらにAlk−1遺伝子を欠くマウスは、完璧な内皮網目構造が存在するにもかかわらずこれらマーカーを正常レベルに発現できない。(Urness、L.D.,等、Nature Genetics 26:328〜331(2000))。
【0025】
ephrin−B2をコードするcDNAが報告されている。(Bennett、B.D.,等、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.92(6):1866〜1870(1995))。その配列は配列番号3としてここに添付されている。
【0026】
EphB4をコードするcDNAは配列番号4としてここに添付されている。
【0027】
エラスチンは動脈の細胞外マトリックスの主要成分である。エラスチンは構造的ならびに発生学的役割の両方を有している。動脈発生では、エラスチンは平滑筋の増殖を制御し、動脈構造を安定化する。さらに、エラスチンを欠くマウスは、内皮下細胞の増殖と平滑筋の再構築の結果生ずる閉塞性動脈疾患のために死亡する(Li,D.Y.,等、Nature 393:276〜280(1998)参照)。
【0028】
エラスチンのcDNAが報告されている(Faszio,M.J.,等、J.Invest.Dermatol.91(5)458〜464(1998)。
【0029】
CD34遺伝子は初期血管ならびに各種造血細胞に発現される細胞表面糖タンパク質をコードしている(Wood、H.B.,等、Blood 90(6):2300〜2311(1977)参照)。
【0030】
CD34をコードするcDNAが報告されている(NCBI Annotation Project、Direct Submission、7−16−2001)。この配列は配列番号6としてここに添付されている。
【0031】
好ましくは静脈の特性を有する内皮細胞内へのポリヌクレオチドの移入は、上記遺伝子の1つまたはそれ以上を含む発現ベクターを移入することで達成される。本発明において有益である好適発現ベクターとしては、真核生物、プラスミドおよびウイルスベクター、ならびにその組換え体が挙げられる。有益なウイルスベクターの例としては、アデノウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、ポックスウイルスおよびアデノ関連ウイルスベクターの様な組換え体ウイルスベクターが挙げられる。また好ましい、発現ベクターは内皮細胞内へのポリヌクレオチドの導入にも適している。
【0032】
内皮細胞内へのポリヌクレオチドの移入は、in vivoまたはex vivoでも起こる。好ましくは、移入は患者より集められた血管片に対しex vivoで行われる。ウイルスベクターが使用される場合は、通常の形質導入技術を使って血管内皮細胞内にポリヌクレオチドをex vivoに移入することができる。好適な導入技術の例としてはKibbe、M.R.,等、J.Vasc.Surt.34(1):156〜65(2001)およびMoawad、J.,等、Ann.Vasc.Sirg.15(3):367〜73(2001)記載の技術が挙げられる。導入は充分な数のベクター粒子を使用して実施され、ポリヌクレオチドの適切な移入を保証するものでなければならない。また導入は内皮細胞の生存能、およびベクターによる導入を助ける培養条件の下に実施されなければならない。好ましいベクター粒子数および伏在静脈片の動脈静脈特性を変化させるための誘導期間の長さは、約1×108ないし1×1012ウイルス粒子で15ないし45分間である。特に好ましくは、約1×1010ないし1×1012ウイルス粒子が静脈片に約30分間曝される。最も好ましくは、約1×1011ウイルス粒子が静脈片の内皮細胞に30分間曝される。
【0033】
遺伝子はプラスミドまたはその他同様の構築体に封入され、続いてベクター内に取り込まれる。通常の分子生物学的技術を使用し、本発明での使用に好適な構築体を作ることができる。
【0034】
好ましいウイルスベクターとしては組換え体レトロウイルスおよびアデノ関連ウイルスベクターが挙げられる。組換え体レトロウイルスベクターは遺伝子移入によく使用され、このようなベクターの構築方法は当分野既知である(Hodgson、Bio/Technology 13:222−225(1995);Miyanohara、等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:6538−6542(1988);Rosenberg、等、New Engl.J.Med.323:570−578(1990))。好ましくは複製および形質転する能力が傷害されているレトロウイルスベクターが使用される。
【0035】
組換え体アデノ関連ウイルス(AAV)ベクターを産生する方法は当分野既知である。簡単に述べると、好適産生細胞株に、プラスミドにコードすることが可能な関心の遺伝子を含むAVVベクターをトランスフェクションする。次に、典型的にはアデノウイルスまたはヘルペスウイルスの様なヘルパーウイルスに由来するAAVヘルパー機能(即ちAAVrepおよびcap遺伝子の産物)およびアクセサリー機能が産生細胞内に発現される。これらの因子が集まると、関心の遺伝子が野生型のAAVゲノムの場合にはそれは複製されパッケージングされ、組換え体ビリオンを形成する。内皮細胞の様な細胞に得られたAAVビリオンを感染させると、関心の遺伝子は細胞内に侵入し、そして発現される。細胞はrepおよびcap遺伝子、ならびにヘルパーウイルスアクセサリー機能遺伝子を欠いているため、rAAVは複製欠損である;即ち、それらはそれ以上複製し、それらのゲノムをパッケージングすることができない。同様に、repおよびcap遺伝子の供給源がない場合には、感染細胞中に野生型AAVは形成できない。rAAVビリオン産生に関する詳細な議論につては、HIGH−EFFICIENCY WILD−TYPE−FREE AAV HELPER FUNCTIONSに関するColosiの米国特許第6,001,650号を参照せよ。
【0036】
関心の遺伝子をコードするポリヌクレオチドは発現ベクター内に挿入でき、通常の組換え体技術、例えば”Molecular Cloning、A Laboratory Manual”(2d ed):pp.E.5(Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor、N.Y.1989)の中のSambrook、Fritsh & Maniatisらが記載する技術を用いる細胞トランスフェクションに使用できる。あるいは、発現ベクターはDavidson等、Nature Gen.3:219−223(1993)およびLemarchand、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89(14):6482−6486(1992)に記載の技術の様な相同的組換え技術を用いて調製することができる。
【0037】
本発明の発現ベクターはさらにプロモーターの様な制御要素、ならびに抗生物質耐性遺伝子の様な選択マーカーを含むことができる。さらに発現ベクターは、精製および/または的を絞った作業を容易にするために使用できるある種の結合作用物質と関心のタンパク質との結合を可能にするタグを含むことができる。様々な種類のこのようなタグが当業者公知である。例としてはF2受容体およびヘキソ−ヒスチジンタグが挙げられる。
【0038】
ウイルスベクターがin vivoにて細胞内に取り込まれ、そして組み込まれ、挿入された構築体を含むウイルスDNAを偶発的に発現することは良く分かっている(Nabel、米国特許第5,328,470号;Yoshimura等、J.Biol.Chem.268(5):2300〜2303(1993);Crystal,AM.J.Med.92(6A):445〜525(1992);Lemarchand等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89(14):6482〜6486(1992))。
【0039】
あるいは非ウイルス的方法を用いてポリヌクレオチドを内皮細胞内に投入することができる。本質的には後期発現を目的とする細胞内へのDNA導入に好適な方法が利用できる。例えばリン酸カルシウム共沈法(Graham等、Virol.52:456〜467(1997))、細胞内へのDNA直接マイクロインジェクション(Capecchi、Cell 22:479〜488(1980))、リポゾーム介在遺伝子移入(Mannino等、BioTechniques 6:682−690(1988)、脂質介在トランスフェクション(Feigner等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7413−7417(1987))、カテーテルを使い標的部位に配置されたDNAコーティングステントを使った運搬、および高粘度微量発射体を利用した核酸運搬(Klein等、Nature 327:70〜73(1987))が利用できる。
【0040】
当業者は、ウイルスを用いた、または非ウイルス的方法を用い内皮細胞内に導入された各種遺伝子がプロモーターおよびエンハンサーの様な制御要素に作動可能に連結され、これにより適当な遺伝子発現の元遺伝子発現を誘導または抑制できることを容易に理解するだろう。ポリアデニル化部位のような終止シグナルも含めることができる。関心の遺伝子の制御発現を可能にする誘導性プロモーターといった制御要素も利用できる。例えばエクダイソン誘導性プロモーターを利用して遺伝子発現を制御できる(例えばStratagenes;Complete ControlTM inducible Mammalian Expression System Instruction Manual−http://www.stratagene.com/manuals/index.shtmからオンラインで入手可能、を参照)。哺乳動物細胞で機能する好適誘導性プロモーターのその他の例としては、テトラサイクリンおよびその誘導体であるRU486、ならびにラパマイシンとその誘導体により誘導される誘導性プロモーターがあげられる(例えばGrossen&Brujard、Proc.Natl.Acad.Sci,USA 89:5547〜5551(1992);Wang等、Gene Therapy、4:432〜441(1997);およびRiviera等、Nature Medicine 2:1028〜1032(1996)参照)。
【0041】
内皮細胞の動脈−静脈特性の操作はまた、上記遺伝子の1またはそれ以上の産物を内皮細胞内に導入することでも達成できる。遺伝子産物は当業者既知の標準的な組換え体技術を利用して作られる(一般的にSambrook等、(上記)を参照)。組換えにより作られた遺伝子産物はアフィニティークロマトグラフィー、分子篩、濾過、沈殿およびその他好適技術のような一般的な精製系を利用し精製される。遺伝子産物はマイクロインジェクションおよびタンパク質形質導入といった技術を用い内皮細胞内に導入できる(例えばSchwarze等、Science 285:1569〜1572(1999)参照)。
【0042】
本発明はまた、内皮細胞リモデリングを誘導できる遺伝子をコードする外来性に供給されたポリヌクレオチドを含む内皮細胞を有する静脈片または血管移植体のような血管を含む組成体も提供する。遺伝子は本発明の方法の説明にあるいずれの上記遺伝子でもよい。即ち遺伝子はエンドグリン、Alk−1、ephrin−B2、EphB4、エラスチンおよび/またはCD34を含むことができる。本発明の組成体は、アテローム性動脈硬化をおこした冠動脈の様な閉塞を含む動脈片を交換する移植体として有益である。
【0043】
実施態様の一つでは、本発明の組成体は自己静脈の断片、即ち移植体を最終的に受け取る患者自身の静脈片を含む。自己組織の使用は組織拒絶に関する危惧を排する。
【0044】
いずれの好適静脈も静脈片に利用できる。静脈の選択は回収の容易さ、静脈の片除去許容能、および閉塞血管の能力に対するその血管の相対能力といった様々な要素に依存するだろう。好適な静脈としては脚の伏在静脈が挙げられる。特に好適な静脈片としては、内側または長い伏在静脈の片が挙げられる。これら好適静脈の片は、当業者既知の外科技術により容易に回収できる。
【0045】
重要なことは、静脈片はポリヌクレオチドおよび遺伝子を内皮細胞内に導入できる様な内皮細胞層(内皮)を含まなければならないことである。ポリヌクレオチドは上記遺伝子のいずれかの組み合わせをコードできる。またポリヌクレオチドは、上記いずれかの好適技術に従い、静脈片の内皮細胞内に導入される。
【0046】
あるいは組成体は内皮細胞を含む工学血管を含むことができる。
【0047】
工学血管とは組織工学的方法で作られた血管である。この血管分類には内皮細胞の様な天然細胞と組み合わされた合成材料、ならびに平滑筋および内皮細胞といった天然材料から作られた培養血管が含まれる。この世な結果、ならびにその製造に関する技術の例は、Huynh、T.,等、Nature Biotechnology、17:1083〜1086(1999);Niklason、L.E.,等、Science 284:489〜493(1999);L’Heureux等、FASEB J.12:47〜56(1998);およびCampbell、J.H等、Cir.Pres.85:1173〜1178(1999)に見ることができる。
【0048】
本発明の発現ベクターは天然静脈片に関する上記方法と同様の方法にて工学血管の内皮細胞内に導入することができる。
【0049】
本発明はまた閉塞血管を持つ患者を治療する方法も提供する。治療法はいずれの動物にも実施可能であるが、特にヒトの治療に好適である。方法は特にアテローム性動脈硬化を起こしている冠動脈の様な閉塞動脈の治療に好適である。
【0050】
上記のように、閉塞動脈に代わって血管移植体を外科的に移植することは、閉塞血管を持つ患者を治療する一般的外科的技術である。本発明の方法は遮断された血管分画の機能の様なバイパス移植必要例に関するガイドラインの様な当分野既知のガイドラインに従い実施できる。
【0051】
好適実施態様では、治療法は内皮細胞を含む移植体を提供すること、内皮細胞リモデリングを誘導可能な遺伝子をコードするポリヌクレオチドを内皮細胞内に移入して内皮細胞の動脈−静脈特性を変化させること、取り除いた閉塞片に代わって動脈−静脈特性を変化させた内皮細胞を持つ移植体を移植することを含んで成る。内皮細胞の動脈−静脈特性は、移植する前にex vivoにて、または移植後にin vivoにて変化させることができる。
【0052】
移植対は上記の様な静脈片または工学血管を含むことができる。移植体が静脈片を含む場合、この片は好ましくは自己静脈片、特に好ましくは患者の伏在静脈の片を含む。また移植体が静脈片を含む場合には、方法はさらに患者の静脈から静脈片を回収することを含む。回収は当分野一般的な技術により達成できる。
【0053】
適当なポリヌクレオチドを内皮細胞内に移入することで、内皮細胞の動脈−静脈特異性を変化させることは、上記本発明の方法により達成できる。
【0054】
患者の血管の閉塞部分を取り出し、取り出された閉塞部分に代わって移植体を移植することは共に当分野既知の一般的技術により達成できる。
【0055】
実施例
本発明は、ex vivo環境に於いて静脈断片内の内皮細胞の動脈−静脈特性を変えるために実施できる。この好適な方法は、閉塞血管を患う患者より回収された静脈の断片の処理に特に好適である。処理された静脈断片は、閉塞血管の閉塞部分を交換するための移植体として使用することができる。
【0056】
この方法を実施する場合、一般的外科的方法に従って患者伏在静脈断片が回収される。この断片は好適な長さ、即ちその断片が閉塞血管の閉塞部分の交換体として機能できる充分な長さを持つ断片に分断される。
【0057】
静脈断片はAlk−1、エンドグリン、ephrin−B2、Eph−B4、エラスチンおよびCD34をコードする1またはそれ以上の遺伝子を持つアデノウイルスベクターで受動的に形質導入される。形質導入は約1×1011アデノウイルスベクター粒子を使って、標準的技術を用い30分間実施される。好適形質導入技術の例はKibbe、M.R等、J.Vasc.Surg.34(1):156〜65(2001)およびMoawad、J等、Ann.Vasc.Surg.15(3):367〜73(2001)に記載されている。
【0058】
閉塞血管の閉塞部分は通常の外科技術を用い取り除かれる。最後に形質導入された静脈断片が閉塞部分に代わる移植体として挿入される。従って、冠動脈が閉塞された血管である場合には、形質導入静脈片は閉塞部分に代わって冠循環内に移植される。必要であれば、閉塞血管の閉塞部分の位置に応じて、末梢循環内に移植することができる。
【0059】
ここに引用または参照されるすべての参考資料は、ここの定義または記載と矛盾する範囲を除き、そのすべてがここに取り込まれている。
【0060】
上記開示は発明の実施に関し発明者が提言する最善の様態である。しかし本発明による複数の変形が関連分野の通常の技量を持つ者に想像できることは明らかである。従って、前記開示は本発明を当業者に実施可能にすることを目的するものであり、上記変形を含むものと解釈すべきである。本発明自体は、添付特許請求の範囲の精神および範囲によってのみ制限されるものである。
発明の分野
本発明は内皮細胞の動静脈特性を操作するための方法および組成体に関する。さらに詳しくは、本発明は適当なヌクレオチドを静脈内皮細胞内に移入することにより、静脈に動脈形態を導入する方法に関する。さらに発明は閉塞血管を有する患者を治療する方法に関する。
【0002】
発明の背景
血管の閉塞は血管の下流器官への血液の供給能力を低下させるが、それはその器官およびその宿主の長期の健康に打撃を与える。このような閉塞性障害は一般には動脈硬化と呼ばれている。動脈硬化の特別な形態であるアテロームは、主に大動脈および冠動脈に影響する。
【0003】
閉塞血管をある種の移植体と交換することは、閉塞血管病に関する外科治療の主流である。このタイプの方法の一般例は、冠動脈バイパス移植(CABG)である。この方法は閉塞冠動脈を原因とする不良な心臓血液還流を緩和することを目的とするものであり、ヒトに於ける血管交換法の代表的なものである。CABG法では外科医は閉塞した冠動脈断片を除いて移植体と交換する。
【0004】
血管交換法での移植体の選択は、宿主免疫系による拒絶、血管の大きさおよび回収および取扱易さを含む多くの要素に影響される。CABG法では自己血管、特には伏在静脈が交換血管としてよく使用される。伏在静脈は脚の内側にそって上向する血管であり、比較的回収が容易であり、冠動脈に関し好適な断面積を有している。さらに自己血管であるので組織拒絶の心配がない。これら利点を顧慮すれば、閉塞した冠動脈部分を自己伏状静脈で交換することがCABG法の一般的外科技術となることは驚くべきことではない。
【0005】
これら利点もあるものの大きな欠点も残っている。例えば最近の推定では、CABG法を必要とする患者の30%もが移植に適した静脈を持っていないことが示されている。(Baurssa、Curr.Opin.Cardiol.9:685〜691(1994)参照)。さらに静脈バイパス移植の約50%が、移植後10年でもはや開通性を有していない、即ち構造的に未変性でない。(Edwards等、Surg.Gynecol & Obstet.122:37〜42(1996)参照)。移植体の開通性の消失は重大な帰結を有する:少なくとも追加の手術が必要となり、最悪の場合には心臓損傷および死に至ることもあるだろう。このようなバイパス移植の限界および多くの利点を考慮し、血管移植体の開通性を改善することへの関心は高い。
【0006】
動脈片の替わりに静脈片を使用することは、移植体の貫通性の消失に関係しているだろう。動脈は、静脈にはない様々な構造上の特徴を有している。例えば静脈は一般には比較的少数の血管平滑筋細胞に取り囲まれている単層の内皮細胞から出来ているのに対し、動脈の内皮細胞は弾性ラメラと血管平滑筋細胞が交互に存在する環状体に取り囲まれている。これら構造の違いによって動脈は静脈に比べ様々な生理学的条件に適応することができる。例えば動脈は一般的には静脈に比べ(0〜8mmHg)高い血流力学応力(70〜105mmHg)下に存在している。
【0007】
これら構造上の特徴から、動脈を移植体として使用することが試みられている。さらに乳房内動脈(IMA)移植体は移植後も長期にわたり比較的高い割合で未変性の状態を保つ。(Bamer等、J.Thorac.Cardiovasc.Surg.90:668〜75(1985)参照)。このようなことから、動脈の使用は静脈移植体の使用に比べ優れていると思われる。残念なことに、動脈は回収が難しいことが多い。IMAおよびその他動脈、例えば胃大網動脈および膵動脈のような動脈の調製には様々な技術上の困難が伴い、これら結果を交換移植体としては不適なものにしている。
【0008】
閉塞動脈部分の交換に理想的な移植体は、回収が容易であるというような静脈の利点に上記構造上の特徴の様な動脈の利点を組み合わせた血管であろう。
【0009】
胚発生時、内皮細胞管は静脈と動脈の両方に分化する能力を有している。内皮管は動脈と静脈を区別する構造上の特徴が発達する前に、動脈または静脈のいずれかとしての特異的特性を獲得する。様々な遺伝子および遺伝子産物を含む分子プログラがこれら血管の特性を、動脈または静脈組織として制御している。しかし静脈を単に動脈の血流力学条件の下に置換しただけでは静脈から動脈への形質転換は誘導されない。
【0010】
発明の概要
本発明は静脈内に動脈の形態を誘導する方法を提供する。方法は静脈断片内にある内皮細胞の動脈−静脈特性を動脈組織内の内皮細胞のそれに近いものに変化させることを含む。動脈特性により細胞および周辺組織は内皮細胞リモデリングをおこし、静脈は動脈の形態を発達させ、それにより血管交換移植体として利用できる能力を向上させることができる。
【0011】
好適実施態様では、方法は内皮細胞内に適当なポリヌクレオチドを移入することで血管組織内の内皮細胞の動脈−静脈特性を変化させることを含む。ポリヌクレオチドは、細胞が動脈関連内皮細胞に似るように細胞の内皮細胞リモデリングを誘導できる単独または複数の遺伝子をコードしている。この方法での使用に適した好ましい遺伝子としては、動脈および静脈に異なる特性を発達させることができるよう機能する遺伝子、例えばエンドジリンおよびアクチビン受容体類似キナーゼ1(Alk−1)、ならびに動脈および静脈で異なって発現される、例えばepprin−B2、Eph B4、エラスチンおよびCD34が挙げられる。これら遺伝子は個別またはいずれかの組み合わせで使用することができる。適当なポリヌクレオチドを導入することで、血管組織の内皮細胞はリモデリングし、それらの構造を動脈の構造に変換することができる。
【0012】
さらに、本発明はまたアテロームを示している患者の様な閉塞血管を持つ患者を治療する方法も提供する。好適実施態様では、方法は自己の伏在静脈の様な静脈片を回収すること、適当なポリヌクレオチドをこの静脈片の内皮細胞内に移入して静脈片の動脈−静脈特性を変化させること、冠動脈といった血管の閉塞部分を取り出すこと、および閉塞片にかわって変化した動脈−静脈特性を有する上記の片を移植することを含む。
【0013】
発明の好適実施態様の詳細な説明
発明の様々な好適実施態様の以下の説明は本発明の実施例を提供する。ここに論じる実施態様は単に例示を目的としたものであり、いずれの形においても発明の範囲を制限するものではない。むしろこれら好適実施態様の記載は当業者による本発明実施を可能にする。
【0014】
実施態様の一つでは、本発明は内皮細胞の動脈−静脈特性を操作するための方法および組成体を提供する。動脈−静脈特性の操作は、細胞が動脈に関係する内皮細胞になるように細胞のリモデリングを誘導できる1またはそれ以上のポリヌクレオチドまたはその産物を移入することで達成される。ポリヌクレオチドは以下の分類の一方または両方に属する遺伝子をコードしている。
【0015】
1)内皮細胞が別の動脈または静脈特性を発達するようにする機能を持つ遺伝子;および
【0016】
2)動脈および静脈の内皮細胞内で異なって発現している遺伝子。
【0017】
動脈−静脈特性の発達は、胚性内皮管をこれらタイプの血管のいずれかに発生させる経路の一段階である。さらに発明者は上記ポリヌクレオチドを各種内皮細胞に挿入することで、細胞を動脈内皮細胞にリモデリングできることを発見した。動脈特性の発達は、動脈構造の特徴の出現により測定される。
【0018】
使用可能な遺伝子の第一分類には、胚発生中に、内皮細胞を動脈または静脈の様な別の特性に発生させる機能を持つ遺伝子が含まれる。発生中、静脈リモデリングと内皮細胞の成熟が最終的な血管系を作り出す。組織化された血管網を形成するには、血液を効率的に運搬し、組織を形成する大および小血管の階層性が確立されなければならない。成熟した階層化血管系の形成は2段階で行われる。第一段階には、内皮細胞の分化、急速な増殖および管形成が含まれる。このプロセスは相互接続された、均一な大きさを持つ内皮管の網目構造の形成をもたらす。第二段階では、血管リモデリングと内皮細胞の成熟が起こる。内皮管は動脈または静脈として区別され、分化成長、アポトーシスおよび内皮管の成長により組織化された網目構造が形成される。このリモデリングのプロセスが標的組織または腫瘍に血液を効率的に供給し、老廃物を除く明確な血管網目構造を誘導する。エンドグリンおよびアクチビン受容体類似キナーゼ1(Alk1)は第一段階の内皮分化および急速増殖と第二段階の内皮成熟および血管リモデリングの切り替えに機能する。(一般的にはFerrara N and Alitalo、K.Nat.Med.5:1359〜64(1999)、Folkman J.,and D’Amore P.A., Cell 87:1153〜1155(1996)、Gale N.W., and Yancopoulos G.D.,Genes Dev 13(9):1055〜66(1999)参照) Alk−1およびエンドグリン機能を誘導することは、動脈と静脈とを区別するのに必要な成熟と分子プログラムを加速するのだろう。これら遺伝子の機能の攪乱は、発生期の内皮ネットワークが高度に組織化された網目構造を形成するのを阻止するだろう。即ち、これら遺伝子の機能を遮断することは、癌の成長および糖尿病性網膜症にとって重要なプロセスである病的な血管新生を阻止するだろう。例えばLi.D.Y.,等、Science 284:1534〜1537(1999)およびUmess、L.D.,等、Nature Genetics 26:328〜331(2000)を参照。この第一分類に属する遺伝子の例としては、エンドグリンおよびアクチビン受容体類似キナーゼ1(Alk−1)が挙げられる。
【0019】
エンドグリンは内皮細胞表面に発現された形質転換成長因子−β(TGG−β)結合タンパク質である。TGF−βシグナル伝達は血管発生の第一段階である、脈管形成に必要とされる。脈管形成では、相互連絡した均一な大きさを持つ内皮管より形成される一次毛細血管網が形作られる。エンドグリンを欠くマウスは、平滑筋発生の不良と内皮リモデリングの停止を特徴とする血管発生の欠損により幼児期に死亡する。即ちエンドグリンは一次内皮網目構造が成熟した循環系にリモデリングする血管発生の第二段階、血管形成に必須である。一般にLi、D.Y 等、Science 284:1534〜1537(1999)参照。
【0020】
エンドグリンをコードするcDNAが報告されている。(Gougos、A and Letarte、M.,J.Biol.Chem.265(15):8361〜8364(1990))。その配列はここに配列番号1として添付されている。
【0021】
Alk−1遺伝子は増殖因子のTGF−βスーパーファミリーのセリン/スレオニンキナーゼ受容体をコードしている(ten、Dijke、P等、Science 264(5155);101〜4(1994);ten、Dijke,P等、Oncogene 10:2879〜87(1993);Attisano,L & Wrana、J.L.,Cytokines and Growth Factor Reviews 7(4):327〜339(1996))。Alk−1によりコードされた受容体は内皮細胞に強く発現されている(Roslen,B.A.,等、Dev.Dyn.209(4):418−30(1997))。またAlk−1の機能消失突然変異は動静脈奇形を特徴とするヒトの血管形成異常の原因である(Guttmacher、A.E.,等、E.Engl.J.Med.333(14):918〜924(1995);Johnson,D.W.等、Nat.Genet.13(2);189〜95(1996))。さらに、Alk−1を欠くマウスでは動脈と静脈の間で解剖学的、分子的および機能的な差が無くなっている。結論として、Alk−1は動脈および静脈の血管床の胚発生の成功に必要とされる(上記)。
【0022】
Alk−1をコードするcDNAが報告されている(ten Dijke、P.P.,等、Oncogene8(10):2879〜2887(1993))。ここに配列番号2として添付されている。
【0023】
動脈分子プログラムに使用可能な遺伝子の第二分類としては、動脈および静脈の内皮細胞で異なって発現される遺伝子が挙げられる。ここに使用される場合、用語“異なって発現される”とは、静脈内皮細胞に比べた動脈内皮細胞での遺伝子発現の相対度を表す。この第二分類に属する遺伝子の例としてはEphrin−B2、EphB4、エラスチンおよびCD34が挙げられる。例えばUrness,L.D.,等、Nature Genetics 26:328〜331(2000)を参照。
【0024】
ephrin−B2遺伝子は動脈と静脈間の構造差または機能差が出現する前に発現される動脈特異的分子マーカーをコードしている(Adams、R.H.,等、Gened Dev.13:3 295〜306(1999)、Wang, H.U.,等、Cell 93(5):741〜53(1996))。またaphrin−B2遺伝子またはephrin−B2受容体に関する遺伝子、EphB4を欠くマウスは異なる動脈および静脈ドメインを発生させるが、これらマウスは欠陥のある内皮細胞リモデリングを示す(上記;Gerely、S.S.,等、Mol Cell 4:403〜14(1999))。即ちephrin−B2およびEphB4は重要な動脈マーカーであるが、それらは内皮管が動脈および静脈になるかの特異性を制御してはいない。さらにAlk−1遺伝子を欠くマウスは、完璧な内皮網目構造が存在するにもかかわらずこれらマーカーを正常レベルに発現できない。(Urness、L.D.,等、Nature Genetics 26:328〜331(2000))。
【0025】
ephrin−B2をコードするcDNAが報告されている。(Bennett、B.D.,等、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.92(6):1866〜1870(1995))。その配列は配列番号3としてここに添付されている。
【0026】
EphB4をコードするcDNAは配列番号4としてここに添付されている。
【0027】
エラスチンは動脈の細胞外マトリックスの主要成分である。エラスチンは構造的ならびに発生学的役割の両方を有している。動脈発生では、エラスチンは平滑筋の増殖を制御し、動脈構造を安定化する。さらに、エラスチンを欠くマウスは、内皮下細胞の増殖と平滑筋の再構築の結果生ずる閉塞性動脈疾患のために死亡する(Li,D.Y.,等、Nature 393:276〜280(1998)参照)。
【0028】
エラスチンのcDNAが報告されている(Faszio,M.J.,等、J.Invest.Dermatol.91(5)458〜464(1998)。
【0029】
CD34遺伝子は初期血管ならびに各種造血細胞に発現される細胞表面糖タンパク質をコードしている(Wood、H.B.,等、Blood 90(6):2300〜2311(1977)参照)。
【0030】
CD34をコードするcDNAが報告されている(NCBI Annotation Project、Direct Submission、7−16−2001)。この配列は配列番号6としてここに添付されている。
【0031】
好ましくは静脈の特性を有する内皮細胞内へのポリヌクレオチドの移入は、上記遺伝子の1つまたはそれ以上を含む発現ベクターを移入することで達成される。本発明において有益である好適発現ベクターとしては、真核生物、プラスミドおよびウイルスベクター、ならびにその組換え体が挙げられる。有益なウイルスベクターの例としては、アデノウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、ポックスウイルスおよびアデノ関連ウイルスベクターの様な組換え体ウイルスベクターが挙げられる。また好ましい、発現ベクターは内皮細胞内へのポリヌクレオチドの導入にも適している。
【0032】
内皮細胞内へのポリヌクレオチドの移入は、in vivoまたはex vivoでも起こる。好ましくは、移入は患者より集められた血管片に対しex vivoで行われる。ウイルスベクターが使用される場合は、通常の形質導入技術を使って血管内皮細胞内にポリヌクレオチドをex vivoに移入することができる。好適な導入技術の例としてはKibbe、M.R.,等、J.Vasc.Surt.34(1):156〜65(2001)およびMoawad、J.,等、Ann.Vasc.Sirg.15(3):367〜73(2001)記載の技術が挙げられる。導入は充分な数のベクター粒子を使用して実施され、ポリヌクレオチドの適切な移入を保証するものでなければならない。また導入は内皮細胞の生存能、およびベクターによる導入を助ける培養条件の下に実施されなければならない。好ましいベクター粒子数および伏在静脈片の動脈静脈特性を変化させるための誘導期間の長さは、約1×108ないし1×1012ウイルス粒子で15ないし45分間である。特に好ましくは、約1×1010ないし1×1012ウイルス粒子が静脈片に約30分間曝される。最も好ましくは、約1×1011ウイルス粒子が静脈片の内皮細胞に30分間曝される。
【0033】
遺伝子はプラスミドまたはその他同様の構築体に封入され、続いてベクター内に取り込まれる。通常の分子生物学的技術を使用し、本発明での使用に好適な構築体を作ることができる。
【0034】
好ましいウイルスベクターとしては組換え体レトロウイルスおよびアデノ関連ウイルスベクターが挙げられる。組換え体レトロウイルスベクターは遺伝子移入によく使用され、このようなベクターの構築方法は当分野既知である(Hodgson、Bio/Technology 13:222−225(1995);Miyanohara、等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:6538−6542(1988);Rosenberg、等、New Engl.J.Med.323:570−578(1990))。好ましくは複製および形質転する能力が傷害されているレトロウイルスベクターが使用される。
【0035】
組換え体アデノ関連ウイルス(AAV)ベクターを産生する方法は当分野既知である。簡単に述べると、好適産生細胞株に、プラスミドにコードすることが可能な関心の遺伝子を含むAVVベクターをトランスフェクションする。次に、典型的にはアデノウイルスまたはヘルペスウイルスの様なヘルパーウイルスに由来するAAVヘルパー機能(即ちAAVrepおよびcap遺伝子の産物)およびアクセサリー機能が産生細胞内に発現される。これらの因子が集まると、関心の遺伝子が野生型のAAVゲノムの場合にはそれは複製されパッケージングされ、組換え体ビリオンを形成する。内皮細胞の様な細胞に得られたAAVビリオンを感染させると、関心の遺伝子は細胞内に侵入し、そして発現される。細胞はrepおよびcap遺伝子、ならびにヘルパーウイルスアクセサリー機能遺伝子を欠いているため、rAAVは複製欠損である;即ち、それらはそれ以上複製し、それらのゲノムをパッケージングすることができない。同様に、repおよびcap遺伝子の供給源がない場合には、感染細胞中に野生型AAVは形成できない。rAAVビリオン産生に関する詳細な議論につては、HIGH−EFFICIENCY WILD−TYPE−FREE AAV HELPER FUNCTIONSに関するColosiの米国特許第6,001,650号を参照せよ。
【0036】
関心の遺伝子をコードするポリヌクレオチドは発現ベクター内に挿入でき、通常の組換え体技術、例えば”Molecular Cloning、A Laboratory Manual”(2d ed):pp.E.5(Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor、N.Y.1989)の中のSambrook、Fritsh & Maniatisらが記載する技術を用いる細胞トランスフェクションに使用できる。あるいは、発現ベクターはDavidson等、Nature Gen.3:219−223(1993)およびLemarchand、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89(14):6482−6486(1992)に記載の技術の様な相同的組換え技術を用いて調製することができる。
【0037】
本発明の発現ベクターはさらにプロモーターの様な制御要素、ならびに抗生物質耐性遺伝子の様な選択マーカーを含むことができる。さらに発現ベクターは、精製および/または的を絞った作業を容易にするために使用できるある種の結合作用物質と関心のタンパク質との結合を可能にするタグを含むことができる。様々な種類のこのようなタグが当業者公知である。例としてはF2受容体およびヘキソ−ヒスチジンタグが挙げられる。
【0038】
ウイルスベクターがin vivoにて細胞内に取り込まれ、そして組み込まれ、挿入された構築体を含むウイルスDNAを偶発的に発現することは良く分かっている(Nabel、米国特許第5,328,470号;Yoshimura等、J.Biol.Chem.268(5):2300〜2303(1993);Crystal,AM.J.Med.92(6A):445〜525(1992);Lemarchand等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89(14):6482〜6486(1992))。
【0039】
あるいは非ウイルス的方法を用いてポリヌクレオチドを内皮細胞内に投入することができる。本質的には後期発現を目的とする細胞内へのDNA導入に好適な方法が利用できる。例えばリン酸カルシウム共沈法(Graham等、Virol.52:456〜467(1997))、細胞内へのDNA直接マイクロインジェクション(Capecchi、Cell 22:479〜488(1980))、リポゾーム介在遺伝子移入(Mannino等、BioTechniques 6:682−690(1988)、脂質介在トランスフェクション(Feigner等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7413−7417(1987))、カテーテルを使い標的部位に配置されたDNAコーティングステントを使った運搬、および高粘度微量発射体を利用した核酸運搬(Klein等、Nature 327:70〜73(1987))が利用できる。
【0040】
当業者は、ウイルスを用いた、または非ウイルス的方法を用い内皮細胞内に導入された各種遺伝子がプロモーターおよびエンハンサーの様な制御要素に作動可能に連結され、これにより適当な遺伝子発現の元遺伝子発現を誘導または抑制できることを容易に理解するだろう。ポリアデニル化部位のような終止シグナルも含めることができる。関心の遺伝子の制御発現を可能にする誘導性プロモーターといった制御要素も利用できる。例えばエクダイソン誘導性プロモーターを利用して遺伝子発現を制御できる(例えばStratagenes;Complete ControlTM inducible Mammalian Expression System Instruction Manual−http://www.stratagene.com/manuals/index.shtmからオンラインで入手可能、を参照)。哺乳動物細胞で機能する好適誘導性プロモーターのその他の例としては、テトラサイクリンおよびその誘導体であるRU486、ならびにラパマイシンとその誘導体により誘導される誘導性プロモーターがあげられる(例えばGrossen&Brujard、Proc.Natl.Acad.Sci,USA 89:5547〜5551(1992);Wang等、Gene Therapy、4:432〜441(1997);およびRiviera等、Nature Medicine 2:1028〜1032(1996)参照)。
【0041】
内皮細胞の動脈−静脈特性の操作はまた、上記遺伝子の1またはそれ以上の産物を内皮細胞内に導入することでも達成できる。遺伝子産物は当業者既知の標準的な組換え体技術を利用して作られる(一般的にSambrook等、(上記)を参照)。組換えにより作られた遺伝子産物はアフィニティークロマトグラフィー、分子篩、濾過、沈殿およびその他好適技術のような一般的な精製系を利用し精製される。遺伝子産物はマイクロインジェクションおよびタンパク質形質導入といった技術を用い内皮細胞内に導入できる(例えばSchwarze等、Science 285:1569〜1572(1999)参照)。
【0042】
本発明はまた、内皮細胞リモデリングを誘導できる遺伝子をコードする外来性に供給されたポリヌクレオチドを含む内皮細胞を有する静脈片または血管移植体のような血管を含む組成体も提供する。遺伝子は本発明の方法の説明にあるいずれの上記遺伝子でもよい。即ち遺伝子はエンドグリン、Alk−1、ephrin−B2、EphB4、エラスチンおよび/またはCD34を含むことができる。本発明の組成体は、アテローム性動脈硬化をおこした冠動脈の様な閉塞を含む動脈片を交換する移植体として有益である。
【0043】
実施態様の一つでは、本発明の組成体は自己静脈の断片、即ち移植体を最終的に受け取る患者自身の静脈片を含む。自己組織の使用は組織拒絶に関する危惧を排する。
【0044】
いずれの好適静脈も静脈片に利用できる。静脈の選択は回収の容易さ、静脈の片除去許容能、および閉塞血管の能力に対するその血管の相対能力といった様々な要素に依存するだろう。好適な静脈としては脚の伏在静脈が挙げられる。特に好適な静脈片としては、内側または長い伏在静脈の片が挙げられる。これら好適静脈の片は、当業者既知の外科技術により容易に回収できる。
【0045】
重要なことは、静脈片はポリヌクレオチドおよび遺伝子を内皮細胞内に導入できる様な内皮細胞層(内皮)を含まなければならないことである。ポリヌクレオチドは上記遺伝子のいずれかの組み合わせをコードできる。またポリヌクレオチドは、上記いずれかの好適技術に従い、静脈片の内皮細胞内に導入される。
【0046】
あるいは組成体は内皮細胞を含む工学血管を含むことができる。
【0047】
工学血管とは組織工学的方法で作られた血管である。この血管分類には内皮細胞の様な天然細胞と組み合わされた合成材料、ならびに平滑筋および内皮細胞といった天然材料から作られた培養血管が含まれる。この世な結果、ならびにその製造に関する技術の例は、Huynh、T.,等、Nature Biotechnology、17:1083〜1086(1999);Niklason、L.E.,等、Science 284:489〜493(1999);L’Heureux等、FASEB J.12:47〜56(1998);およびCampbell、J.H等、Cir.Pres.85:1173〜1178(1999)に見ることができる。
【0048】
本発明の発現ベクターは天然静脈片に関する上記方法と同様の方法にて工学血管の内皮細胞内に導入することができる。
【0049】
本発明はまた閉塞血管を持つ患者を治療する方法も提供する。治療法はいずれの動物にも実施可能であるが、特にヒトの治療に好適である。方法は特にアテローム性動脈硬化を起こしている冠動脈の様な閉塞動脈の治療に好適である。
【0050】
上記のように、閉塞動脈に代わって血管移植体を外科的に移植することは、閉塞血管を持つ患者を治療する一般的外科的技術である。本発明の方法は遮断された血管分画の機能の様なバイパス移植必要例に関するガイドラインの様な当分野既知のガイドラインに従い実施できる。
【0051】
好適実施態様では、治療法は内皮細胞を含む移植体を提供すること、内皮細胞リモデリングを誘導可能な遺伝子をコードするポリヌクレオチドを内皮細胞内に移入して内皮細胞の動脈−静脈特性を変化させること、取り除いた閉塞片に代わって動脈−静脈特性を変化させた内皮細胞を持つ移植体を移植することを含んで成る。内皮細胞の動脈−静脈特性は、移植する前にex vivoにて、または移植後にin vivoにて変化させることができる。
【0052】
移植対は上記の様な静脈片または工学血管を含むことができる。移植体が静脈片を含む場合、この片は好ましくは自己静脈片、特に好ましくは患者の伏在静脈の片を含む。また移植体が静脈片を含む場合には、方法はさらに患者の静脈から静脈片を回収することを含む。回収は当分野一般的な技術により達成できる。
【0053】
適当なポリヌクレオチドを内皮細胞内に移入することで、内皮細胞の動脈−静脈特異性を変化させることは、上記本発明の方法により達成できる。
【0054】
患者の血管の閉塞部分を取り出し、取り出された閉塞部分に代わって移植体を移植することは共に当分野既知の一般的技術により達成できる。
【0055】
実施例
本発明は、ex vivo環境に於いて静脈断片内の内皮細胞の動脈−静脈特性を変えるために実施できる。この好適な方法は、閉塞血管を患う患者より回収された静脈の断片の処理に特に好適である。処理された静脈断片は、閉塞血管の閉塞部分を交換するための移植体として使用することができる。
【0056】
この方法を実施する場合、一般的外科的方法に従って患者伏在静脈断片が回収される。この断片は好適な長さ、即ちその断片が閉塞血管の閉塞部分の交換体として機能できる充分な長さを持つ断片に分断される。
【0057】
静脈断片はAlk−1、エンドグリン、ephrin−B2、Eph−B4、エラスチンおよびCD34をコードする1またはそれ以上の遺伝子を持つアデノウイルスベクターで受動的に形質導入される。形質導入は約1×1011アデノウイルスベクター粒子を使って、標準的技術を用い30分間実施される。好適形質導入技術の例はKibbe、M.R等、J.Vasc.Surg.34(1):156〜65(2001)およびMoawad、J等、Ann.Vasc.Surg.15(3):367〜73(2001)に記載されている。
【0058】
閉塞血管の閉塞部分は通常の外科技術を用い取り除かれる。最後に形質導入された静脈断片が閉塞部分に代わる移植体として挿入される。従って、冠動脈が閉塞された血管である場合には、形質導入静脈片は閉塞部分に代わって冠循環内に移植される。必要であれば、閉塞血管の閉塞部分の位置に応じて、末梢循環内に移植することができる。
【0059】
ここに引用または参照されるすべての参考資料は、ここの定義または記載と矛盾する範囲を除き、そのすべてがここに取り込まれている。
【0060】
上記開示は発明の実施に関し発明者が提言する最善の様態である。しかし本発明による複数の変形が関連分野の通常の技量を持つ者に想像できることは明らかである。従って、前記開示は本発明を当業者に実施可能にすることを目的するものであり、上記変形を含むものと解釈すべきである。本発明自体は、添付特許請求の範囲の精神および範囲によってのみ制限されるものである。
Claims (23)
- 静脈に動脈の形態を誘導する方法であって:
内皮細胞内にポリヌクレオチドを移入するのに充分な時間、内皮細胞リモデリングを誘導できる遺伝子をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドに前記静脈内の内皮細胞を接触させることを含んでなる方法。 - 前記静脈が哺乳動物の静脈である、請求項1記載の方法。
- 前記静脈がヒトの静脈である、請求項1記載の方法。
- 前記静脈が伏在静脈である、請求項3記載の方法。
- 遺伝子がエンドグリン、Alk−1またはその両方をコードしている、請求項1記載の方法。
- 遺伝子がephrin−B2、EphB4、エラスチンおよびCD34の1またはそれ以上をコードしている、請求項1記載の方法。
- ポリヌクレオチドが細胞内にポリヌクレオチドを導入するのに適合した発現ベクター内に含まれている、請求項1記載の方法。
- 発現ベクターがウイルスベクターである、請求項7記載の方法。
- ウイルスベクターがアデノウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、ポックスベクターまたはアデノ関連ウイルスベクターである、請求項8記載の方法。
- 閉塞血管を持つ患者を治療する方法であって:
内皮細胞を含む移植体を提供すること;
内皮細胞内にポリヌクレオチドを移入するのに充分な時間、内皮細胞リモデリングを誘導できる遺伝子をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドに移植体の内皮細胞を接触させること;
前記閉塞血管部分を取り除くこと;および
前記閉塞血管の取り除いた部分の代わりに移植体を移植すること、を含んでなる方法。 - 移植体を提供することが前記患者から静脈片を回収することを含む、請求項10記載の方法。
- 静脈が前記患者の伏在静脈である、請求項11記載の方法。
- 遺伝子がエンドグリン、Alk−1またはその両方をコードしている、請求項10記載の方法。
- 遺伝子がephrin−B2、EphB4、エラスチンおよびCD34の1またはそれ以上をコードしている、請求項10記載の方法。
- ポリヌクレオチドが細胞内にポリヌクレオチドを導入するのに適合した発現ベクター内に含まれている、請求項10記載の方法。
- 発現ベクターがウイルスベクターである、請求項15記載の方法。
- ウイルスベクターがアデノウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、ポックスベクターまたはアデノ関連ウイルスベクターである、請求項16記載の方法。
- 内皮細胞に外来性に供給された内皮細胞リモデリングを誘導できる遺伝子をコードするポリヌクレオチドを含んでいる内皮細胞を含んでなる血管。
- 結果が哺乳動物の静脈片である、請求項18記載の血管。
- 血管がヒトの静脈片である、請求項19記載の血管。
- 血管が伏在静脈片である、請求項20記載の血管。
- 遺伝子がエンドグリン、Alk−1またはその両方をコードしている、請求項18記載の血管。
- 遺伝子がephrin−B2、EphB4、エラスチンおよびCD34の1またはそれ以上をコードしている、請求項18記載の血管。
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