JP2010531400A - 多通路トンネル - Google Patents

Abstract

多通路トンネルは、トンネルボーリングマシン（１）で施工される円形の断面を持ったトンネルであり、トンネル中央に配置されその全高に及ぶ壁（２）と、トンネル底部から少し上がった位置に敷設されたスラブ（３）とを具え、隣り合う独立した二本の通路と二つの小区分を持ったサービス通路を形成する。この二本の通路の側方内側とサービス通路の二つの小区分内側には、事故や火災時の区間的なアクセスに供するために、シャトルタイプの車輌（４）が組込まれている。
【選択図】図２

Description

［発明の概要］
この多通路トンネルは、トンネル・ボーリングマシンで掘削された、２本の線路を有する断面円形側壁（１）の鉄道トンネルであり、隣り合って配置された独立して隔離された各線路に１本ずつの２本の鉄道軌道（４）（５）と、サービス通路（６）を形成するための、トンネル中央の隔壁（２）と、トンネル底部より少し上がった位置に敷設されたスラブ（３）を有することを特徴とする。

隔壁(２)は、耐火性であり、列車のピストン効果に対して耐性があり、トンネル全長に亘って一定間隔で配置された防火ドア付きの大きな開口部（７）が設けられていて、一方の線路が不通になった際に一方の線路から他方の線路に列車を移行させることができるようになっている。

スラブ（３）には、両側に一定の距離を取って、ボックスタイプの防火装置（１０）で防護された開口部(８)が円形の側壁(１)の近傍に設置されており、トンネル内で事故や火災の場合に、人をサービス通路に安全に移動させられるようにしている。

サービス通路(６)には、シャトルタイプの非常用車輌（９）が配備されている。この車両は、スラブ(３)に吊られて運行され、トンネル内部での事故や火災に際して要員の区間的なアクセスが可能となり、人が安全に避難できるようになっている。

［技術分野］
本発明は、二本の線路を有する円形断面を持つ鉄道トンネルであって、完全に独立しながらも相互連結された通路を提供し、トンネル内での事故や火災に際して、区間的アクセスを容易にすると共に、人を安全に避難させうるトンネルの建設に関する。
［背景技術］

トンネルボーリングマシンを用いた鉄道トンネルの建設は、経済的理由および環境に関する理由により、漸増している解決策である。

この技術を用いて、ボーリングマシンで表土を掘り、トンネル表面周囲にプレキャストセグメントを配設して、円形のトンネル壁面を形成する。この後、トンネル底部を生めて、隣り合って配置された二本の通路を有する列車走行用プラットフォームを作る。

高速列車が走行する長いトンネルの場合には、列車のピストン効果と火災安全対策の必要性から、各通路に付き一本ずつ、二本の分離したトンネルを建設する必要が有り、この解決策は問題が多い。その結果、列車は一方の進路から他方の進路へと移行することができない。加えて、トンネル内での事故や火災に際して、区間的なアクセスと、人の避難用に、第三のトンネル及び／又は通路とシャフトの建設が必要となる。

ＥＰ１１９１１８６Ａ１の明細書は、中央に隔壁を有するトンネルに関するものであるが、これは道路交通用のトンネルである。また、この隔壁は一方の通路から他方の通路へ車輌の移動ができない。

ＮＬ１０１３５９５Ｃの明細書もまた、中央に隔壁を有するトンネルに関するものであるが、この隔壁は高さが連続的でなく、鉄道軌道が隔離されていない。

ＪＰ２００４２７０３４５の明細書もまた、中央に隔壁を有するトンネルに関するものであるが、この隔壁はトンネルの入口部分にあるだけで、鉄道軌道が隔離されていない。

図１は、トンネルの斜視図である。 図２は、トンネル本線部分の断面図である。 図３は、スラブに設置された開口部におけるトンネル断面図である。 図４は、トンネルの長手方向断面図である。 図５は、トンネルの平面図である。

［発明の詳細な説明］
トンネルボーリングマシンは、表土を掘削して、プレキャストセグメントを互いにクランプさせてトンネル表面周りに配設し、円形のトンネル側壁（１）を形成する。

このように形成されたトンネルの内部には、トンネル中央に全高に及んで、耐火性で、列車のピストン効果による圧力に耐える隔壁（２）と、トンネル底部から少し上がった位置にその全幅に亘るスラブ（３）を設けて、各ラインに付き一本づつ、独立して隔離された、隣り合う二本の鉄道軌道（４）（５）と、一又は二の小区分を有するサービス通路（６）を形成している。

隔壁（２）には、いずれかの線路が不通になった際に一方の線路から他方の線路に列車を移行させることができるように、防火ドア付きで、トンネル全長に亘って一定間隔で配置された大きな開口部（７）が設けられている。

スラブ（３）には、トンネル両側の円形の側壁（１）近傍に、一定の距離を取って、ボックスタイプの防火装置（１０）で防護された開口部（８）が設置されており、ここに、避難用ドアと内部階段を設けてトンネル内での事故や火災時に人が安全に避難できるようにしている。防火装置（１０）は、トンネルの円形の側壁（１）を通って延在させることもできる。

サービス通路（６）の内側には、シャトルタイプの非常用車輌（９）を配置して、スラブ（３）から吊って運行させて、トンネル内部での事故や火災に際して要員を局所的にアクセスさせると共に、人の安全な避難を可能とする。

以上のとおりに本発明の実施例を詳述したが、これらの実施例は本発明に係わる全ての実施例を説明するのではない。むしろ、明細書中で用いられている用語は、限定ではなく説明のための用語であり、本発明の趣旨とその範囲から逸脱することなく様々な変更を行いうると理解すべきである。

Claims (4)

1. トンネルボーリングマシンを用いて施工した円形断面の複線型鉄道トンネル（１）において、防火壁（７）を具えた大きな開口部をトンネル長さに沿って一定間隔で有しており、独立した二本の鉄道軌道（４）（５）を隣り合わせに形成するトンネル中央に配置されたトンネル全高に及ぶ壁（２）を設けたことを特徴とするトンネル。
2. 請求項１に記載のトンネルにおいて、トンネル（３）の底部から少し上がった位置にトンネル全幅に亘って敷設され、防火装置（８）で防護された開口部を円形の壁（１）近くで両側に一定の間隔でスラブを設けて、完全に隔離された鉄道軌道からアクセス可能なサービス通路（６）を形成したことを特徴とするトンネル。
3. 請求項１に記載のトンネルにおいて、鉄道軌道（４）（５）の内側で、円形の壁（１）近くを運行するシャトルタイプの車輌（９）を配備したことを特徴とするトンネル。
4. 請求項１又は２に記載のトンネルにおいて、２本の鉄道軌道（４）（５）の内側で、円形の壁（１）近く、及びサービス通路（６）の内側を運行するシャトルタイプの車輌（７）を配備したことを特徴とするトンネル。

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