JP2010530349A - ガラスパネルを曲げ、強化する方法および装置 - Google Patents

ガラスパネルを曲げ、強化する方法および装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、ガラスパネルを曲げるための方法および装置に関する。加熱された平坦なガラスパネル(G)は、炉(1)から真っ直ぐな状態にある曲げコンベアー(4)上に供給される。曲げコンベアー(4)およびガラスパネルは、ガラスパネルが曲げコンベアー(4)に沿って移動する間に所望の曲率に湾曲される。曲げられたガラスパネルは、平坦なガラスパネルが直線状の曲げコンベアー(4)上に収容されると同時にまたはそれより前に予め所望の湾曲形状に湾曲されている曲げコンベアー(4)の延長部として存在する強化コンベアー(5)上に曲げコンベアー(4)から送られる。

Description

本発明は、ガラスパネルを曲げ、強化する(tempering)方法に関し、この方法は、
曲げおよび強化用の加熱炉内でガラスパネルを加熱する工程と、
この炉から平坦なガラスパネルを直線状の曲げコンベアーに供給する工程と、
ガラスパネルを曲げコンベアーに沿って移動させながら、曲げコンベアーとガラスパネルを所望の曲率に湾曲させる工程とを含む。
また本発明は、ガラスパネルを曲げ、強化する装置に関し、この装置は、
曲げ温度にガラスパネルを加熱するための加熱炉と、
水平に配置されたコンベアーロールを含むガラスパネルを曲げるための曲げコンベアーと、
ガラスパネルの所望の曲率に合致する湾曲形状に曲げコンベアーを湾曲させる手段および曲げられたガラスパネルを冷却して強化するための手段とを含む。
上記のような方法および装置は、例えば本願出願人の特許公報EP−1597208(B1)などから知られている。この既に知られている装置では、曲げおよび強化工程が1つの同じコンベアーで行われるので、装置の生産能力が制限されてしまう。
一方、特許公報FI−101697号は、曲げコンベアーと冷却コンベアーが互いの延長部として別個に存在する方法および装置を開示している。この公知の装置では、曲げコンベアーがガラスパネルを受ける際に予め湾曲した状態にある。これは、ガラスが強制的にある一点で曲げられるという理由から不利である。最終製品の品質に関し、ガラスは曲げ幅全体に亘って同時に曲げられる方が有利である。
本発明の目的は、上記従来技術に関連する生産能力および品質に関する問題点を除去し、高品質の強化曲げガラスを高効率で生産することができる方法および装置を提供することである。
この目的は、添付の請求項1に記載の方法で達成される。またこの目的は、添付の請求項7に記載の装置で達成される。本発明の好ましい態様は、従属請求項に記載されている。
本発明の一態様を添付の図面を参照し、以下に詳述する。
種々の作業系列中の本発明の装置の略式側面図。 種々の作業系列中の本発明の装置の略式側面図。 種々の作業系列中の本発明の装置の略式側面図。 所望の曲率半径に湾曲した曲げコンベアーおよび強化コンベアーをより具体的に示し、ガラスパネルの所望の最終湾曲形状以上に湾曲された曲げコンベアー4または少なくともその上流端部分の湾曲を示す。 曲げコンベアー4の曲率半径R1と比較して小さい曲率半径R3に強化コンベアー5が湾曲されるような構成の曲げコンベアーおよび強化コンベアーを具体的に示す。 ガラスパネルが炉から出て、曲げコンベアーに移動し、曲げコンベアーを通過し、強化コンベアーへと移動する際のガラスパネルの移動速度の変化を示す図。 強化コンベアーを湾曲させるために使用されるアクチュエーターを具体的に示す。
本発明の装置は、ガラスパネルGを曲げ温度まで加熱するための加熱炉1を含む。炉のコンベアー2からガラスパネルが中間のコンベアー3によって曲げコンベアー4へと搬送され、この曲げコンベアー4は、水平方向に延びた搬送ローラーとその上に位置するプレスローラーを含む。搬送ローラーとプレスローラーの間の隙間は、ガラスパネルの厚さにほぼ一致する。曲げコンベアー4の直後の延長部として強化コンベアー5が存在し、この強化コンベアーもまた水平方向に延びた搬送ローラーと、この搬送ローラーからガラスパネルの厚さにほぼ一致する距離だけ離れて位置するプレスローラーとから構成されている。強化コンベアー5は、その全長に亘ってコンベアーの曲線の外形に沿った上方および下方強化空気エンクロージャー7および8によって覆われている。曲げコンベアー4もまたその下流端部部分に沿って強化空気エンクロージャー7、8を有する。参照番号6は、垂直線を表し、この線に沿って曲げコンベアー4と強化コンベアー5を互いに切り離すことができる。強化コンベアー5は、通常、曲げコンベアー4よりわずかに長い。曲げコンベアー4および強化コンベアー5は、両方ともドライブが設けられたプレスローラーを有し、搬送ローラーと同じ周速度で回転し、その結果プレスローラーは、搬送ローラーとしても機能する。
図4、5および7には、搬送ローラーとプレスローラー用のベアリングと勘合しているコンベアー4、5の両側に沿ったリンク胴体9のみを示している。これらリンク胴体9は、互いにリンク機構(図示せず)によって連結されており、このリンク機構は、コンベアーが湾曲されるのと同程度にリンク胴体を互いに対して旋回させる。このようなリンク機構は、例えば本願出願人によるEP−1385795号(B1)に詳述されている。図4は、パワーユニット10およびレバーシステム11を示しており、これらによって曲げコンベアー4の曲率半径が調整される。パワーユニット10は、サーボモーターであってもよく、そのクラッチによってボールスクリュー10aを作動させ、この作動スクリューは、レバーシステム11を押しおよび/または旋回させ、レバーシステム11上にリンク胴体によって形成されたブリッジが構成される。リンク胴体9の旋回動作を制御するリンク機構(図示せず)に存在する隙間によってコンベアー4の上流端部分が下流端部分の曲率半径より僅かに小さい曲率半径を有することになる。
上記に加えて、曲げコンベアー4の全体または少なくともその上流端部分がガラスにとって望ましい曲率半径R1より僅かに小さい曲率半径R2に湾曲されるのが好ましい。これは、端部部分が平らになるのを防ぐ役割を果たし、最終的に強化されたガラスにその全体に亘って所望の曲率半径R1がもたらされる。
一方、図5は、どのようにして強化コンベアー5をその中心軸CLが変化するのと同時に垂直および水平方向(hおよびw)に操作することができるかを例示している。この場合、強化コンベアー5の曲率は、コンベアー4、5間の切点6aが静止したままであっても曲げコンベアーに関係なく変えることができる。所望の曲率半径R1の変化に応じて、強化コンベアー5の曲率の調整は、曲げコンベアーとは別個に行われる。プロセスが進行している間に行われる強化コンベアー5の曲率を調整中に強化コンベアーの端部は、コンベアー4、5と共通の切点6aから切断されない。曲率の調整中またはその直後にコンベアー5の切点6aは、例えば光電セルによって所定の位置に設定される。従って、曲率の調整中または直後に行われることは、これらコンベアーの端部のための補間位置設定である。搬送方向において、コンベアー4、5の端部は、互いに機械的に分離され、これにより強化コンベアー5の曲率の調整が可能になり、必要に応じていつでも強化コンベアー5を曲げコンベアー4から切り離すことができる。曲げコンベアー4の下流端は、終始、静止したままである。矢印15で示しているのは、ローラー14を上下させる(垂直移動h)ためのパワーユニットである。さらにローラー14は、コンベアー5を支持する揺動フレーム13がローラー上で支持されている間に回転するのと同時に水平方向に移動することができる(ローラー間の相対距離を維持しながら)。揺動フレーム13は、コンベアー5のリンク胴体9の連接軸を介して延びたアーチの中間点と一致する旋回軸を有する。
図7は、強化コンベアー5のための湾曲機構を示し、この機構は、ボールスクリュー12aを含み、このスクリューは、中間に位置するアーム12bを介してリンク胴体9によって形成されたブリッジおよび同時にその上に位置するコンベアー全体を湾曲させる。アーム12bは、コンベアー5とその端部から僅かに離れた位置で係合している。第2のサーボモーターSM2がヘリンボンギアー16によってコンベアー5をその外方の両端で係合するボールスクリュー17を作動させる。サーボモーターSM1およびSM2は、互いに一致しており(位置的に同期される)、これによりコンベアー5の種々の部分が同程度に湾曲される。このためにサーボモーターに例えば制御を意図したギアーボックスを設けることもできる。実際には湾曲は、1つのアクチュエーターのみで行われるが、2つのアクチュエーターを使用してリンクの摩耗により隙間が原因で生じるコンベアーの湾曲形状が不正確になるのを防ぐことも可能である。特に中央部分および端部部分に沿った湾曲を同じに保持することができる。
本発明による方法は、上述の装置を用いて以下のように実施される。ガラスパネルGは、炉1内で曲げおよび強化に適した温度に加熱される。平坦なガラスパネルGは、炉1から曲げコンベアー4にこれが直線状になっている間に搬送される(図1)。強化コンベアー5は、平坦なガラスパネルが直線状の曲げコンベアー4に受け取られると同時またはそれより早くに所望の湾曲形状に予め湾曲されている。ガラスパネルが炉から出る際の速度は、700mm/sであり(図6)、ガラスパネルが曲げコンベアー4へと移動すると同時に速度は、1秒間で400mm/sにまで減速する。炉から出る際のガラスパネルの速度は、例えば550mm/sまで下げることができ、300mm/s未満まで減速を進めることができる。曲げコンベアー4の所望の曲率半径R1への湾曲は、ガラスパネルの後端部が曲げコンベアー4に完全に到達する前に開始される。曲げコンベアー4の湾曲は、かなり速く、通常1−2秒で行われる。この期間でも充分にガラスパネルの先行縁部が曲げコンベアー4の下流端に位置する強化エアーエンクロージャー7、8に沿った位置に到達することができる。強化ブラストは、連続的に実施され、曲げられたガラスパネルの速度は、図6に示すようにある程度まで加速される。速度増加率は、10−40%である。その後の段階での減速率は、通常、少なくとも30%、好ましくは40%超である。
曲げ工程が行われている間、コンベアー4または少なくともその上流端部がガラスパネルの所望の最終的な曲率半径R1以上に湾曲されるのが好ましい。このことは図4から確認でき、ここでは曲げコンベアー4または少なくともその上流端部がガラスパネルの所望の最終曲率半径R1より小さい曲率半径R2で湾曲されている。このように過剰に湾曲させることによって、ガラスパネルの端部が平らになるのを軽減または防ぎ、これによりガラスパネルは、可能な限り正確に所望の曲率半径R1を両端に亘って得ることができる。R2は、数パーセント、場合によっては5−10パーセント、R1より小さい。必要に応じて、コンベアー4の上流端部分を個別に湾曲するようにしてもよい。しかしながら、通常リンク機構の隙間でコンベアー4の上流端部分を充分に過剰に湾曲させることができる。これに加えて、曲げコンベアー4全体をガラスパネルの所望の最終曲率を僅かに越えて、その静止した下流端から湾曲させることができる。
図5は、強化コンベアー5がどのようにして所望の曲率半径R1より僅かに小さいまたは大きい曲率半径R3にプロセス中に湾曲させることができるかをより判りやすくするために誇張して示している。半径R3より小さいまたは大きい強化コンベアー5の湾曲は、コンベアー4、5間の切点が静止している間にまず第一に上述の自由な動き(h、wおよび角度α)および上述の補間位置設定によって可能になる。強化工程中の強化コンベアー5の湾曲は、ガラスパネルの曲率半径R1に変化を生じさせない程度に僅かなものであり、それでもガラスパネルが坂であっても滑らずに上方に進むことができるようにしっかりとガラスパネルをクランプすることができる。従って、強化されたガラスパネルをガラスパネルを受け取る好適なマニピュレーターへと垂直に真っ直ぐ上方へと排出することができる。しかしながら、必要に応じて、強化コンベアー5を曲げコンベアー4から切り離すことができ、これによって強化コンベアー5を全体的に旋回させてその排出端部と中央部分の垂直方向の落差を減少させることができる(図3参照)。従って、ガラスパネルをこれを垂直方向に移動させることなく、水平面に対して小さい角度で強化コンベアー5から排出することができる。
本装置が同じ所望の曲率半径R1で曲げられ、強化されたガラスパネルを連続的に製造するために使用される場合は常に、強化コンベアー5の曲率は、本工程中にほんの僅かに曲率を増加させる以外、常に同じに保持される。それ以外に強化コンベアー5の曲率を変える必要がある場合は、所望の曲率半径R1が変わるときである。
本発明による方法および装置は、2方向に湾曲されたガラスパネルの製造に特に適している。この場合、ローラーも例えば本願出願人による特許公報EP−1597208号(B1)に記載されているように反らせられる。

Claims (10)

  1. ガラスパネルを曲げ、強化するために加熱炉(1)内でガラスパネルを加熱する工程と、
    この炉(1)から平坦なガラスパネル(G)を直線状の曲げコンベアー(4)に供給する工程と、
    ガラスパネルが曲げコンベアー(4)に沿って移動する間に曲げコンベアー(4)とガラスパネルを所望の曲率に湾曲させる工程とを含むガラスパネルを曲げ、強化する方法において、
    平坦なガラスパネルが直線状の曲げコンベアー(4)上に収容されると同時にまたはそれより前に予め所望の湾曲形状に湾曲されている曲げコンベアー(4)の延長部として存在する強化コンベアー(5)上に曲げコンベアー(4)から曲げられたガラスパネルが送られることを特徴とする方法。
  2. 曲げ工程中、曲げコンベアー(4)または少なくともその上流端部がガラスパネルの所望の最終曲率以上に湾曲され、この所望の最終曲率がガラスパネルの所望の最終曲率である曲率半径(R1)より小さい曲率半径(R2)であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. ガラスパネルが強化コンベアー上でその曲率を変えずに、それでもガラスパネルが上下強化コンベアーローラー間でしっかりとクランプされる程度に強化コンベアー(5)が強化工程中にガラスパネルの所望の曲率半径(R1)より僅かに小さい曲率半径に湾曲されることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 曲げコンベアー(4)および/または強化コンベアー(5)を湾曲させる工程中、コンベアー(4、5)間の切点(6a)が静止した状態にあることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の方法。
  5. 強化コンベアー(5)が曲げコンベアー(4)から切り離され、強化コンベアーの曲率を変えることなく強化コンベアーの排出端部と中央部分との間の落差を減少させることができるように強化コンベアーを全体的に旋回させることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の方法。
  6. ガラスパネルが曲げコンベアー(4)上に送られる間、その際のガラスパネルの速度がガラスパネルが炉から出る際の速度の少なくとも30%減速され、ガラスパネルの速度は、曲げコンベアーから強化コンベアー上に送られる際に加速されることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の方法。
  7. ガラスパネルを曲げ温度にまで加熱するための加熱炉(1)と、
    水平に配置されたコンベアーローラーを含むガラスパネルを曲げるための曲げコンベアー(4)と、
    ガラスパネルの所望の曲率に合致する湾曲形状に曲げコンベアーを湾曲させる手段(9、10)および曲げられたガラスパネルを冷却して強化するための手段(5、7、8)とを含むガラスパネルを曲げ、強化する装置において、
    曲げコンベアー(4)が真っ直ぐな状態にある間に平坦なガラスパネルを受けるように構成され、この曲げコンベアーの後に容易に湾曲させることが可能な強化コンベアー(5)が位置し、この強化コンベアーは、曲げコンベアー(4)が真っ直ぐな状態にあっても既に所望の湾曲形状に湾曲された状態にあることを特徴とする装置。
  8. 曲げコンベアー(4)または少なくともその上流端部分が曲げコンベアー(4)に存在するガラスパネルの所望の曲率半径(R1)より小さい曲率半径に湾曲されるようになっていることを特徴とする請求項7記載の装置。
  9. 強化コンベアー(5)がその中心軸の角度が変化すると同時に垂直および水平方向に操作可能であり、その間コンベアー(4、5)の切点(6a)は、静止した状態にあることを特徴とする請求項7または8記載の装置。
  10. 強化コンベアー(5)を曲げコンベアー(4)から切り離すことが可能であり、強化コンベアーの曲率を変えることなく強化コンベアーの排出端部と中央部分との間の落差を減少させることができるように強化コンベアーが全体的に旋回可能であることを特徴とする請求項7記載の装置。
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