JP2010529642A - 半導体デバイスの応力のモデリング方法およびシステム - Google Patents

半導体デバイスの応力のモデリング方法およびシステム Download PDF

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Abstract

【課題】半導体デバイスの応力をモデリングする方法を提供する。
【解決手段】コンパクト・モデル内のモデル・パラメータの正確さを改善する計算方法は、応力モデルを、ベース・モデルを生成するデータセットに再フィッティングすることによって、独立に形成されたベース・モデルと応力モデルを矛盾が無いように適合させるための方法及びアルゴリズムを用いる(310、320)。再フィッティング・アルゴリズムは、応力モデルが寸法スケーリング・マクロから取得されるデータセットに適用されるので、ベース・モデルと応力モデルの間のあらゆる不一致を除去する。寸法スケーリング・マクロのデバイスに関する応力オフセットは、同じデバイスのモデル・パラメータの測定値にフィットするように計算される(340)。モデル・パラメータを寸法スケーリング・マクロからのデータセットにフィッティングするプロセスは、モデル・パラメータに関する定数、1次及び2次係数を計算し、これらが回路のシミュレーション及び最適化に用いられるモデル・パラメータ及びコンパクト・モデルの正確さを増すように用いられる(360)。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体デバイスの応力依存半導体デバイス・モデルのパラメータを決定する方法に関し、より具体的には、金属酸化物トランジスタ電界効果トランジスタ(MOSFET)のキャリア移動度及び閾値電圧を含む、レイアウト依存応力の影響を受けるデバイス・モデルのパラメータを決定する方法、及び、半導体デバイスの応力依存デバイス特性をモデリングするためのシステム、及び、応力の影響を受ける半導体回路をシミュレートするためのシステム、及び、応力の影響を受ける半導体回路の設計を最適化するためのシステムに関する。
半導体回路の挙動を予測できる信頼性のある回路シミュレーションの結果を提供するためには、半導体デバイスの正確なモデリングが必要である。多くの場合、回路シミュレーションは、個々の回路コンポーネントの駆動電流、複数の回路コンポーネント間の信号遅延、又は、チップの動作速度及び他のチップとの相互作用による回路の全体的な性能のような回路特性を予測するために、回路の設計段階中に用いられる。
応力は、半導体材料のバンド構造、及びその結果としてキャリアの移動度を変えることによって半導体デバイスの性能に影響を及ぼす。この効果は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)において顕著であり、その理由はMOSFETの相互コンダクタンスが本体(ボディ)内の少数キャリアの移動度の影響を受けるからである。例えば、シリコン基板上に形成されたp型MOSFETの正孔移動度は、チャネル方向の、即ち、ソース及びドレインを結ぶ線に沿った、一軸性圧縮応力の下で増加する。シリコン基板上に形成されたn型MOSFETの電子移動度は、チャネル方向の引張応力の下で増加する。少数キャリアの移動度の変化は、応力の型(タイプ)及び方向、並びに、半導体基板材料に依存する。
半導体デバイスに応力を付与する種々の方法が当技術分野で知られており、それには半導体基板内に形成される歪み層、半導体デバイス上に形成される応力ライナ、及び、シリコンゲルマニウム合金のような応力誘起材料を半導体構造体内、例えば、MOSFETのソース及びドレイン領域内に埋め込むことが含まれる。応力工学は、一般に、半導体デバイスの性能の実質的な改善をもたらしてきた。しかし、性能の改善の程度は、半導体デバイスに加えられる応力のレベル、例えば、MOSFETのチャネルに加えられる応力のレベルに依存する。
物理量として応力は、3次元テンソルとして半導体デバイス内のあらゆる点で定義され、従って半導体構造体内のテンソル場を形成する。応力は物理的構造体によって生成されるので、半導体デバイスの周りの物理的構造体内の配列の変化が、応力の変化をもたらす。従って、半導体デバイスの正確なモデリングには、半導体デバイスに対する応力の効果のモデリングが必要である。デバイス・モデリング及び回路シミュレーションを目的とする半導体デバイス内の応力をモデリングする方法は、特許文献1に記載されている。
応力は半導体デバイスの周りの多くの物理的構造体の影響を受けるので、応力モデリングは、関係する半導体デバイス構造体の周りの物理的構造体による応力の変化を考慮に入れる。最も重要なのは、応力生成基板層、応力ライナ、及び埋め込み応力生成材料のような応力生成構造体の型(タイプ)及び位置である。応力の伝播に影響を及ぼす他の物理的構造体の型及び位置もまた、半導体デバイスに加わる応力に影響を及ぼす。
図1を参照すると、MOSFETのチャネルが、ゲート2及び活性領域6の重なり領域内に配置される例示的な半導体のレイアウトが与えられる。ゲート2は、問題の応力がゲート2の真下のチャネルに加えられるので「犠牲ゲート」と呼ばれる。犠牲ゲート2に対応する物理的MOSFETのチャネル上の応力に影響を及ぼす物理構造体の典型には、犠牲ゲート2自体、別のゲート3、例えば、MOSFETのソース及びドレイン領域のような活性領域6の上に直接配置される金属コンタクト構造体を表すコンタクト・バー4、活性領域6、浅いトレンチ分離(8、8’)、及び、1つの型の応力ライナと別の型の応力ライナとの間の境界9が含まれる。図1において、境界9は、浅いトレンチ分離を、1つの型の応力ライナを有する第1の部分8、及び別の型のライナを有する別の部分8’に分割する。図1は幾つかの例示的な構造体の典型を示すが、犠牲ゲートの真下のチャネルに加わる応力は、一般に、他のオブジェクト、又は他の形状クラスに属するインスタンスによってレイアウト内に表わされる多くの他の型の物理構造体の影響を受ける可能性がある。
応力のモデリング中、物理構造体は、物理構造体を特徴付ける関連付けられた番号を有する所定の応力影響形状クラスに分類される。回路の設計段階中、物理構造体の各々は、オブジェクト又は形状クラス内のインスタンスによって表わされる。形状クラスの例には、設計レベル内で画定されるRX(凹部酸化物)と呼ばれる活性領域のクラス、設計レベル内で画定されるPC(ポリシリコン導電体)と呼ばれるゲート導電体のクラス、設計レベル内で画定されるMC(金属コンタクト)と呼ばれるコンタクト・バーのクラス、BP(ブロックp型注入)と呼ばれるレベル内で画定される1つの型の応力ライナと別の型の応力ライナとの間の境界のクラスなどを含む。スタッド・コンタクトもまた、形状クラスとして考慮される。通常、対応する物理構造体の種々異なる応力特性を反映するために、多くの型の形状クラスが上に挙げたものに加えて定義される。形状クラスの各々のインスタンスは、通常、物理半導体構造体を画定する設計レイアウト内の幾何学的形状を含む。例えば、ゲート導電体の形状クラスの一つのインスタンスは、図1のゲート導電体3である。
犠牲層2の真下のチャネルに加わる応力を計算するために、形状クラス内のインスタンスの幾何学的態様を特徴付ける形状寸法は、応力寄与の計算に用いられる。この計算は、各形状クラス内の各インスタンスに対して繰り返される。図1に示す幾つかの例示的な形状寸法は、活性領域のインスタンスに関する活性領域6の幅W、犠牲ゲート2の西端(地図を見るのと同じ様式でレイアウトを見るとき)から西に配置される第1のゲート3の壁までの距離PC−PCW、犠牲ゲート2の周りのコンタクト・バー4の寸法(MCEW、MCEL、MCWW、MCWL、MC2WW、MC2WL)、犠牲ゲート2からコンタクト・バー4までの距離(PC−MCE、PC−MCW、PC−MC2W)、犠牲ゲート2の端部と活性領域6の端部との間の距離(PC−RXE、PC−RXW)、異なる型の応力ライナの間の境界9の最も近い北端、南端、東端及び西端への距離(PC−BPN、PC−BPS、PC−BPE、PC−BPW)などを含む。本明細書において図1の使用は、例示的な目的のためだけである。典型的には、各々が複数の形状クラスのいずれか1つに属し、異なる形状寸法によって特徴づけられる、複数のインスタンスが、MOSFETのチャネルに加わる応力に寄与する。
上述のように、MOSFETのチャネルに加わる応力は、MOSFETの体積内で定義される3次元テンソル場である。(001)表面方向及び(110)チャネル配向を有する標準的なウェハにおいて、デバイスに影響を及ぼす応力の主成分は、縦応力及び横応力である。ここで縦応力は、電流の方向の応力と定義され、そして、横応力は、デバイスの幅方向で電流の方向に垂直な応力である。他の応力成分はレイアウトの変化に対してあまり敏感でないと予想されるので、第1の焦点は縦及び横の応力成分に合わせられる。MOSFET内の応力テンソル場の応力効果は3次元的でありかつ不均一であるが、チャネル応力ベクトルで解析的に近似することができる。これらの解析解は、縦及び横方向におけるチャネル内の平均応力を表す。
関連する重要な感受性(クリティカル感度)に基づいて、MOSFET内の完全な3次元応力テンソル場は、2つの成分ベクトルとして近似し、表すことができる。この2次元ベクトル近似において、チャネル応力は平均の縦及び横応力成分に分解される。これらの成分は、キャリアがチャネルを横切るときにキャリアに加わる応力の平均的効果を反映するように定められる。縦応力項は、自己応力項σselfと、コンタクト構造体応力項σCA、ゲート導電体構造体応力項σPC、浅いトレンチ分離応力の縦成分項σ RX、ライナ境界応力縦成分項σ DSL、及び埋め込み材料生成応力項σeSiGeのような、チャネル応力に対する隣接する構造体の影響を反映する項とに、さらに分解することができる。横応力項は、本体(ボディ)のコンタクト構造体応力項σBC(半導体オン・インシュレータ基板の場合)、浅いトレンチ分離応力の横成分項σ RX、及び、ライナ境界応力の横成分項σ DSLにさらに分解することができる。
σ=σself+σCA+σPC+σ RX+σ DSL+σeSiGe (B.1)
σ=σBC+σ RX+σ DSL (B.2)
個々の項はそれ自体の符号を有する、即ち、正又は負とすることができる。全体の縦応力σは、設計レイアウト内の分析されるゲートの左側及び右側からの寄与を含み、ここで左及び右は電流の方向に、即ち、物理MOSFET内のソース及びドレインを結ぶ方向において定められる。全体の横応力σは、設計レイアウト内の分析されるゲートの頂部及び底部からのライナ境界応力の横成分項を含み、ここで頂部及び底部は半導体基板表面の平面内で電流の方向に垂直に定められ、更に全体の横応力はあらゆる浅いトレンチ分離の横応力を含む。
σ=σ left+σ right (B.3)
σ=σ top+σ bottom (B.4)
このように計算されるチャネル応力は、コンパクト・モデルのパラメータを予測する際にコンパクト・モデルの正確さを改善するのに用いることができる。例えば、コンパクト・モデルのパラメータはMOSFETのチャネル内のキャリア移動度とすることができる。
図2を参照すると、上述の特許文献1に説明されたコンパクト・モデル内のモデル・パラメータを計算する従来技術の方法が示される。コンパクト・モデルは、ベース・モデルと応力モデルを含む。MOSFETのチャネル内のキャリア移動度のようなモデル・パラメータは、応力モデルを用い、それをモデル・パラメータの式に用いて応力を計算することによって計算される。
ベース・モデルは、長さスケーリング・マクロ、即ち、変化するゲート長L(ソースとドレインの間の距離)及び変化するゲート幅Wを有し、一方他の形状クラスのインスタンスはレイアウト内で一定に留まる、1組のトランジスタにより較正される。これは、コンパクト・モデルが応力効果の存在しない状態で較正される従来の方法である。応力モデルはレイアウト依存マクロ、即ち、同じゲート長Lを有し、一方他の形状クラスのインスタンスは変化する1組のトランジスタにより較正される。
コンパクト・モデルの構築中に必要な大量の時間及びリソースのために、ベース・モデル及び応力モデルは独立に組み立てられる。組み立てられたコンパクト・モデルは、例えば、長さスケーリング・マクロのモデル・パラメータを予測する際に、チャネル長のスケーリングに関して自己矛盾のない(首尾一貫した)ものでなければならない。しかし、チャネル長のスケーリングは、ベース・モデルが自己応力のような長さ依存に作られた応力によって導入されるチャネル長スケーリングの成分を意図せずに含むので、自己矛盾のないものにすることはできない。応力モデルが理論に基づくものであり、ベース・モデルとは独立に生成されるので、従来技術の方法は、応力モデルが構築されたのとは異なるゲート長を有するMOSFETデバイスに対する応力効果を過度に補償するか又は不十分に補償する傾向がある。
従来技術の応力モデルの正確さに関して、チャネル内のキャリア移動度は、式(B.5)によって与えられる縦及び横応力に応じた複合移動度によって近似される。
μ(σ)=μ(σ,σ)=μ×(c σσ+c σ+c +c σσ+c σ+c ) (B/5)
量σ、σ及びμ(σ,σ)は、レイアウト依存マクロ、即ち、半導体デバイスの各々のデバイス・パラメータの測定値からσ、σ及びμ(σ,σ)を計算するように設計された複数の半導体デバイスのレイアウト、を用いて構築された物理半導体デバイスからの測定データをフィッティングすることによって計算される。項μは、ベース・モデルの較正中に計算される。σ及びσのフィッティングはレイアウト依存マクロからのデータセットを用いて実行されるので、非名目(非ノミナル)のデバイス長に関する自己応力の補正は、従来技術によっては与えられない。換言すれば、計算された自己応力値は、レイアウト依存マクロ内に用いられ、通常は名目(ノミナル)デバイス長であるデバイス長に対してだけ較正される。
米国特許出願公開第11/193、711号明細書
従って、コンパクト・モデルにおける寸法(ディメンション)スケーリング・マクロから生成されるデータセットと矛盾しない正確な応力モデルを提供する方法に対する必要性が存在する。
また、モデル・パラメータに対する応力の影響をよりよく予測するための、寸法スケーリング・マクロ内のレイアウト変数の正確な定数、1次及び2次係数を有するモデル・パラメータを計算する方法に対する必要性が存在する。
さらに、正確な応力モデルと、寸法スケーリング・マクロからの測定データと矛盾せず、そして、寸法スケーリング・マクロ内のレイアウト変数の正確な定数、1次及び2次項係数を有する正確なモデル・パラメータとを用いて、半導体デバイスをモデリングするためのシステムに対する必要性が存在する。
さらに、正確な応力モデルと、寸法スケーリング・マクロからの測定データと矛盾せず、そして、寸法スケーリング・マクロ内のレイアウト変数の正確な定数、1次及び2次項係数を有する正確なモデル・パラメータとを用いて、半導体回路をシミュレートし、及び/又は、半導体回路を最適化するためのシステムに対する必要性が存在する。
本発明は、コンパクト・モデルのモデル・パラメータの正確さを改善する計算方法を提供することによって、上述の必要性に対処するシステム及び方法を提供する。具体的には、本発明は、独立に生成された一対のベース・モデルと応力モデルの間の矛盾を、ベース・モデルを生成するデータセット、例えば、寸法スケーリング・マクロからのデータセットに応力モデルを再フィッティングすることによって、解消する方法及びアルゴリズムを用いる。再フィッティングのアルゴリズムは、応力モデルが寸法スケーリング・マクロから取得されたデータセットに適用されるので、ベース・モデルと応力モデルの間のあらゆる不一致を解消する。寸法スケーリング・マクロのデバイスに対する応力オフセットは、同じデバイスに関するモデル・パラメータの測定値にフィットするように計算される。応力オフセット関数は、応力の変化をデバイス長の関数として与える。モデル・パラメータを寸法スケーリング・マクロからのデータセットにフィッティングするプロセスは、モデル・パラメータに関する定数、1次及び2次係数を計算し、これらを用いて、回路シミュレーション及び回路最適化に用いられるモデル・パラメータ及びコンパクト・モデルの正確さが高められる。
本発明の第1の態様により、応力が加えられる半導体デバイスをモデリングする方法が提供され、その方法は、
寸法スケーリング・マクロを生成し、そして寸法スケーリング・マクロからの第1のデータセットをフィッティングすることによってベース・モデルを導出するステップであって、第1のモデル半導体デバイスの少なくとも1つの固有寸法が寸法スケーリング・マクロ内で変化し、ベース・モデルは少なくとも1つのモデル・パラメータを計算する機能を有する、ステップと、
レイアウト依存マクロを生成し、そしてレイアウト依存マクロからの第2のデータセットをフィッティングすることによって原の応力モデルを導出するステップであって、種々の形状寸法を有する少なくとも1つの形状クラスのインスタンスがレイアウト依存マクロ内の第2のモデル半導体デバイスの周りに存在し、原の応力モデルは少なくとも1つのモデル・パラメータを計算する機能を有する、ステップと、
原の応力モデルを第1のデータセットに再フィッティングして寸法依存応力オフセット関数を計算するステップと、
寸法依存応力オフセット関数を再フィッティング応力モデルに組み込んで少なくとも1つのモデル・パラメータに関する計算値を与えるステップと
を含む。
この方法は、m’(L,G)=P(L,G)/Pf{σ(L,0)}の数式を有する変形乗数関数m’(L,G)を計算するステップをさらに含むことが好ましく、ここで、Lは半導体デバイスの少なくとも1つの固有寸法のセットであり、Gは形状パラメータのセットであり、P(L,G)はモデル・パラメータに関する寸法及びジオメトリ依存の式であり、σ(L,0)は、第1のモデル半導体デバイスに加わる応力に関する寸法依存の式であり、そして、Pf{σ(L,0)}は、G=0で見積られた再フィッティング応力モデルのモデル・パラメータに関する応力依存の式である。変形乗数関数、m’(L,G)の値は、再フィッティングに使用される少なくとも1つの固有寸法の全ての値に対して実質的に1.0である。
再フィッティング応力モデルには、縦応力成分及び横応力成分を用いることができ、ここで縦応力成分及び横成分の両方の方向は、半導体基板の表面を表す平面内にあり、互いに直交する。
少なくとも1つのモデル・パラメータに関する少なくとも1つの固有変数の定数、1次及び2次係数は、第1のデータセットの再フィッティングにより計算することができる。
本方法はさらに、
半導体デバイスのレイアウト依存構造部をレイアウト・データセットから抽出するステップと、
レイアウト依存構造部からの少なくとも1つの形状クラスのインスタンスを特徴付ける形状寸法を生成するステップと
を含むことができる。
半導体デバイス、第1のモデル半導体デバイス、及び第2のモデル半導体デバイスは、それぞれ、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、第1のモデルMOSFET、及び第2のモデルMOSFETとすることができる。再フィッティング応力モデルには、縦方向のチャネル応力である第1のスカラー、及び横方向のチャネル応力である第2のスカラーを用いることができ、ここでMOSFET内の3次元応力場の効果は、第1及び第2のスカラーによって近似される。少なくとも1つのモデル・パラメータは、MOSFETのキャリア移動度、MOSFETの閾値電圧、MOSFETのチャネル内の応力、MOSFETのチャネル内の歪み、MOSFETのオン電流、MOSFETのオフ電流、及びMOSFETの実効電流から成る群から選択される少なくとも1つの物理量を含むことができる。
第1のモデルMOSFETの少なくとも1つの固有寸法は、数学的な意味で、第1のモデル半導体デバイスの長さ及び幅を含むことができる。第1のデータセットの再フィッティングは、長さが変化する第1のモデルMOSFETに対して実行することができる。
本発明の第2の態様により、半導体デバイスをモデリングするためのシステムが提供される。半導体デバイスは少なくとも1つの応力生成成分又は少なくとも1つの応力伝達成分を有する。このシステムは、
寸法スケーリング・マクロからの第1のデータセットをベース・モデルにフィッティングするための第1のフィッティング手段であって、第1のモデル半導体デバイスの少なくとも1つの固有寸法が寸法スケーリング・マクロ内で変化し、ベース・モデルは少なくとも1つのモデル・パラメータを計算する機能を有する、第1のフィッティング手段と、
レイアウト依存マクロからの第2のデータセットを原の応力モデルにフィッティングするための第2のフィッティング手段であって、種々の形状寸法を有する少なくとも1つの形状クラスのインスタンスがレイアウト依存マクロ内の第2のモデル半導体デバイスの周りに存在し、原の応力モデルは少なくとも1つのモデル・パラメータを計算する機能を有する、第2のフィッティング手段と、
少なくとも1つのモデル・パラメータを第1のデータセットに再フィッティングして再フィッティング応力モデルを生成するための第3のフィッティング手段と
を備える。
本システムは、少なくとも1つのモデル・パラメータを第1のデータセットにフィッティングする際に、少なくとも1つの応力オフセットを計算するための計算手段をさらに備えることができる。
再フィッティング応力モデルには、縦方向のチャネル応力である第1のスカラー、及び横方向のチャネル応力である第2のスカラーを用いることができ、ここで、MOSFET内の3次元応力場の効果は第1及び第2のスカラーによって近似される。少なくとも1つのモデル・パラメータに関する少なくとも1つの固有変数の定数、1次及び2次係数は第1のデータセットの再フィッティングにより計算することができる。
例えば、半導体デバイス、第1のモデル半導体デバイス、及び第2のモデル半導体デバイスは、それぞれ、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、第1のモデルMOSFET、及び第2のモデルMOSFETとすることができる。少なくとも1つのモデル・パラメータは、MOSFETのキャリア移動度、MOSFETの閾値電圧、MOSFETのチャネル内の応力、MOSFETのチャネル内の歪み、MOSFETのオン電流、MOSFETのオフ電流、及びMOSFETの実効電流から成る群から選択される少なくとも1つの物理量を含むことができる。
本発明の第3の態様によると、半導体回路動作をシミュレートするためのシステムは、
半導体回路のレイアウト依存情報をレイアウト・データセットから抽出する抽出手段と、
レイアウト依存情報を受け取り、半導体回路内の半導体デバイスに関する少なくとも1つの応力依存モデル・パラメータ値を生成する、半導体回路の性能のモデリングに用いるためのコンパクト・モデルであって、少なくとも1つの応力依存モデル・パラメータ値は、原の応力モデルを寸法スケーリング・マクロからの第1のデータセットに再フィッティングすることによって生成される再フィッティング応力モデルから生成され、再フィッティング応力モデルは寸法依存応力オフセット関数に依存し、寸法依存応力オフセット関数は、応力をモデル・パラメータの測定値にフィッティングすることによって、レイアウト依存マクロからの第2のデータセットから生成される、コンパクト・モデルと
を含む。
本システムはさらに、m’(L,G)=P(L,G)/Pf{σ(L,0)}の数学形式を有する変形乗数関数m’(L,G)を計算する手段を備えることができる。ここで、Lは半導体デバイスの少なくとも1つの固有寸法のセットであり、Gは形状パラメータのセットであり、P(L,G)はモデル・パラメータに関する寸法及びジオメトリ依存の式であり、σ(L,0)は、第1のモデル半導体デバイスに加わる応力に関する寸法依存の式であり、そしてPf{σ(L,0)}は、再フィッティング応力モデルのモデル・パラメータに関する応力依存の式である。
半導体デバイスはMOSFETとすることができ、再フィッティング応力モデルには、縦方向のチャネル応力である第1のスカラー、及び横方向のチャネル応力である第2のスカラーを用いることができ、その際、MOSFET内の3次元応力場の効果は、第1及び第2のスカラーによって近似される。
半導体デバイスはMOSFETとすることができ、そして、少なくとも1つの応力依存モデル・パラメータは、MOSFETのキャリア移動度、MOSFETの閾値電圧、MOSFETのチャネル内の応力、MOSFETのチャネル内の歪み、MOSFETのオン電流、MOSFETのオフ電流、及びMOSFETの実効電流から成る群から選択される少なくとも1つの物理量を含むことができる。
再フィッティング応力モデルには、縦応力成分及び横応力成分を用いることができ、ここで、縦応力成分及び横応力成分の両方の方向は、半導体基板の表面を表す平面内にあり、互いに直交する。
再フィッティング応力モデルは、第1のデータセットの再フィッティングにより、少なくとも1つのモデル・パラメータに関する少なくとも1つの固有変数の定数、1次及び2次係数を与えることができる。
本発明の第4の態様により、半導体回路の設計を最適化するためのシステムが提供される。このシステムは、
半導体回路のレイアウト依存情報をレイアウト・データセットから抽出する抽出手段と、
レイアウト依存情報を受け取り、半導体回路をシミュレートするコンパクト・モデルであって、再フィッティング応力モデルは少なくとも1つの応力依存モデル・パラメータ値を生成し、再フィッティング応力モデルは、原の応力モデルを寸法スケーリング・マクロからの第1のデータセットにフィッティングすることによって生成され、寸法依存応力オフセット関数に依存し、そして、寸法依存応力オフセット関数は、応力をモデル・パラメータの測定値にフィッティングすることによって、レイアウト依存マクロからの第2のデータセットから生成される、コンパクト・モデルと、
半導体回路の性能目標が満たされるどうかを判断し、性能目標が満たされない場合、性能目標が満たされない原因の診断を生成するための回路性能評価手段と
を備える。
レイアウト・データセットは、性能目標が満たされない場合に、さらなるシミュレーションのために修正することができ、半導体回路の性能目標が達成されるか又はシミュレーションの結果がシミュレーションを停止するためのプリセット条件を満たすまで、もう一回りのシミュレーション手順が実行される。
再フィッティング応力モデルには、縦応力成分及び横応力成分を用いることができ、そして再フィッティング応力モデルは、第1のデータセットの再フィッティングにより計算することができる少なくとも1つのモデル・パラメータに関する少なくとも1つの固有変数の定数、1次及び2次係数を与えることができる。
半導体回路はMOSFETを含むことができ、少なくとも1つの応力依存モデル・パラメータ値は、MOSFETのキャリア移動度、MOSFETの閾値電圧、MOSFETのチャネル内の応力、MOSFETのチャネル内の歪み、MOSFETのオン電流、MOSFETのオフ電流、及びMOSFETの実効電流から成る群から選択される少なくとも1つの物理量を表すことができる。
半導体回路はMOSFETを含むことができ、再フィッティング応力モデルには、縦方向のチャネル応力である第1のスカラー、及び横方向のチャネル応力である第2のスカラーを用いることができ、ここでMOSFET内の3次元応力場の効果は第1及び第2のスカラーによって近似される。再フィッティング応力モデルは、第1のデータセットの再フィッティングにより、少なくとも1つのモデル・パラメータに関する少なくとも1つの固有変数の定数、1次及び2次係数を与えることができる。
犠牲ゲート2で表される物理ゲート構造体の真下に配置された物理チャネルに加わる応力に影響を及ぼす種々の形状クラスのインスタンスを示す例示的な半導体レイアウトである。 ベース・モデルと応力モデルが独立に構築される従来技術の方法を示す。 本発明によるモデル・パラメータ関数を計算するためのアルゴリズムを示す。 本発明による、モデル・パラメータ関数のドメイン内の寸法スケーリング・マクロ及びレイアウト依存マクロの一組のテスト・ポイントの略図を示す。 本発明による寸法スケーリング・マクロからのモデル・パラメータP(L,0)の測定値の例示的な分布を示す。 本発明による、再フィッティング応力モデルのパラメータ関数Pf(L,G)及び変形乗数関数m’(L,G)を計算するためのアルゴリズムを示す。 寸法依存応力オフセット関数の、計算された寸法依存応力オフセット値へのフィッティングを示す。 意図的にモデル・パラメータP(L,0)の測定値にフィットさせた再フィッティング応力モデルにおけるモデル・パラメータP(L,0)に関する応力依存式Pf{σ(L,0)×O(L)}のグラフを示す。 m’(L,G)=P(L,G)/Pf{σ(L,0)}の数学形式を有する変形乗数関数m’(L,G)の、(p+q)次元空間内でプロットされた等高線図の略図を示し、ここでpは寸法スケーリング・マクロからのデータセットに関する再フィッティング・パラメータの自由度であり、nはレイアウト依存マクロに関するテスト・ポイントの自由度である。 原の応力モデルのパラメータ関数を再フィッティングするのに用いられた少なくとも1つの固有寸法変数Lの射影L’の関数としての、他の固有寸法変数は名目値に設定した、変形乗数関数m’(L’,0)のプロットを示す。
上述のように、本発明は、金属酸化物トランジスタ電界効果トランジスタ(MOSFET)のキャリア移動度及び閾値電圧を含む、レイアウト依存応力の影響を受けるデバイスのモデル・パラメータを決定する方法、及び、半導体デバイスの応力依存デバイス特性をモデリングするためのシステム、及び、応力の影響を受ける半導体回路をシミュレートするためのシステム、及び、応力の影響を受ける半導体回路を最適化するためのシステムに関するものであり、これから添付の図面を用いて詳細に説明する。
応力依存モデル・パラメータPは、加えられた応力によって変化し、デバイス特性を特徴付ける、コンパクト・モデル内の任意のモデル・パラメータとすることができる。応力依存モデル・パラメータPは、半導体デバイスのレイアウト依存情報から、又は典型的にはネットリストの形式の半導体回路データから計算され、これらの情報はレイアウト・データセットから抽出手段により抽出することができる。応力依存モデル・パラメータPは、半導体デバイス又は半導体回路の性能に影響を及ぼし、そして加えられた応力の影響を受ける、任意の電気パラメータとすることができる。金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)において、応力依存モデル・パラメータPは、MOSFETのキャリア移動度、MOSFETの閾値電圧、MOSFETのチャネル内の応力、MOSFETのチャネル内の歪み、MOSFETのオン電流、MOSFETのオフ電流、又はMOSFETの実効電流などとすることができる。本発明は一つの応力モデル・パラメータを用いて説明するが、本発明を一組の複数の応力依存モデル・パラメータに適用することは、容易なことであり本明細書において明確に意図されている。
半導体デバイスのレイアウト依存構造部は、レイアウト・データセットから抽出手段によって抽出される。抽出手段の型(タイプ)及び動作は、当該技術分野において既知である。半導体デバイスに関する少なくとも1つの形状クラスのインスタンスを特徴付ける形状寸法は、抽出されたレイアウト依存構造部から生成される。数学的には、応力依存モデル・パラメータを計算するのに必要なレイアウト依存情報の各々の部分集合は、d次元ユークリッド空間R内で定義されるd次元ベクトルと考えることができ、ここでdは計算に用いられるスカラー又はデジタル変数の数を表す。例えば、図1の犠牲ゲート2に関連付けられる形状クラスのインスタンスの形状寸法の各々はスカラー変数である。別の実施例では、1つの型の応力ライナの存在又は欠如はデジタル変数であり、1又は0の割り当て値を有することができる。典型的なデバイス・レイアウト内には形状クラスの多くのインスタンスが存在するので、dの数は大きな数とすることができる。例えば、MOSFETのゲートが、応力依存モデル・パラメータが応力の計算を考慮する領域内で形状クラスの30のインスタンスを有する場合には、各々のインスタンスが通常は相対位置に関する2つのスカラー変数、及びインスタンスの実寸に関する2つのスカラー変数を導入するので、数dは120を超える可能性がある。
数dは複雑な半導体回路内では容易に天文学的数字になり得るが、形状クラスのインスタンスからの応力効果は通常は線形である。数学的には、複数のインスタンスによる応力効果の重ね合わせは、単純な加算又は減算によって達成される。従って、モデル・パラメータに対する応力効果をモデリングする際の変数の数は取扱い可能な数に減らすことができる。例えば、20の応力影響形状クラスがレイアウト・データセット内に存在する場合、4つのスカラー・パラメータが各インスタンスの構造部を完全に記述する場合、そして、各テスト・デバイスが非名目値を有する1つのスカラー・パラメータを有し、4つの非名目値がテスト・マクロ内のスカラー・パラメータをフィッティングするのに用いられる場合、テスト・マクロ内のテスト・デバイスの数を320の程度にすることができる。この場合、独立パラメータの数は80となる。コンパクト・モデルにおいて、同じ形状クラスの複数のインスタンスの応力効果は、複数のインスタンスの各々からの応力寄与を合計することによって計算される。従って、テスト・マクロにおいて、レイアウト・データセット内の変数の数は、最小化されて取扱い可能な数になる。
モデル・パラメータに関するコンパクト・モデルを生成するのに用いられるテスト・マクロのレイアウト変数又はレイアウト・データセットの集合は、2つのカテゴリに分類される。コンパクト・モデルの生成に用いられる第1のカテゴリ内のレイアウト変数、又は第1のカテゴリのレイアウト変数「L」は、半導体デバイスの少なくとも1つの固有寸法変数のセットを含む。典型的には、第1のカテゴリのレイアウト変数は、上記のように半導体デバイス内の内在応力、即ち、自己応力σselfに影響を及ぼす。本発明の説明のために、pは第1のカテゴリのレイアウト変数「L」内のスカラー及びデジタル・レイアウト変数の数を示す、即ち、Lはm次元ユークリッド空間Rにおけるp次元ベクトルである。例えば、MOSFETにおいて、第1のカテゴリはMOSFETの長さ及び/又は幅を含むことができ、その場合、数pは2又は1となる。
コンパクト・モデルの生成に用いられる第2のカテゴリ内のレイアウト変数、又は第2のカテゴリのレイアウト変数「G」は、形状パラメータのセット、即ち半導体デバイスの少なくとも1つの固有寸法のセット以外の形状クラスの他のインスタンスのレイアウトに対する応力の依存性と関連付けられるパラメータを含む。理想的には、第1のカテゴリに属さない全ての応力影響形状寸法が第2のカテゴリに属する。第2のカテゴリは、上述のように、σCA、σPC、σ RX、σ DSL、σeSiGe、σ RX、及びσ DSL のような項を通して、半導体デバイスに加わる応力に影響を及ぼす。本発明の説明のために、nは第2のカテゴリのレイアウト変数「G」内のスカラー及びデジタル・レイアウト変数の数を示す、即ち、Gはq次元ユークリッド空間Rにおけるq次元ベクトルである。一般に、応力依存モデル・パラメータPの真の値は、L及びGの関数、即ち、(p+q)次元ユークリッド空間Rp+q内の多様体(マニホールド)内で定義されるP(L,G)によって近似される。ユークリッド空間Rp+qの幾つかの部分をP(L,G)のドメインから除外することができる理由は、レイアウト変数の各々の値が多くの場合に無限になり得ず、そしてレイアウト変数値の幾つかの組合せが物理的に不可能となり得るからである。
本発明により、P(L,G)は、コンパクト・モデルの形成段階中に種々の関数によって連続的に近似される。図3を参照すると、ブロック310はコンパクト・モデル形成の第1段階を表す。ベース・モデルは、第1の関数形、即ちベース・モデルのパラメータ関数Pb(L,0)を、第1のカテゴリのレイアウト変数「L」のみを用いてベース・モデルをフィッティングすることによって形成し、一方、第2のカテゴリの変数は、本明細書で「寸法スケーリング・マクロ」と呼ばれる第1のテスト・マクロを用いて、基準値「0」に固定される。この寸法スケーリング・マクロ内において、全てのテスト構造体は、第2のカテゴリのレイアウト変数Gに対して同じ又は類似の値を有し、これは値0に固定される。レイアウト変数Lはユークリッド空間R内のベクトルである。レイアウト変数G及び第2のカテゴリのレイアウト値0は、ユークリッド空間R内のベクトルである。
図4を参照すると、寸法スケーリング・マクロ内で用いられるL及びGの組合せのセットを表すテスト・ポイントは、−2から2までの範囲のiの整数値を有するテスト・ポイントDi,0のセットによって例示される。テスト・ポイントのセットDi、0は、「寸法スケーリング・マクロ・テスト・ポイント」又はDSMTと呼ばれる。第1のカテゴリのレイアウト変数Lは、ユークリッド空間R内で定義されるp次元ベクトルであり、図4に用いた−2乃至2の整数は、第1のカテゴリのレイアウト変数Lの離散値を有するp次元ベクトルの計数を表す。寸法スケーリング・マクロ内のテスト・ポイントは、一度に一因子(one-factor-at-a-time)の方法、実験計画(design-of-experiments)(DOE)方法、又は他の統計的方法を用いて選択することができる。図4は(p+q)次元ユークリッド空間Rp+qの2次元平面内の略図であり、テスト・ポイントの実際の数はテスト・マクロ設計に依存するので、5つのポイントによるDSMTの表現は説明のためだけのものである。寸法スケーリング・マクロからのモデル・パラメータの測定値のデータセットを用いて、ベース・モデルは以下の式で与えられるベース・モデルのパラメータ関数Pb(L、0)を計算する。
Pb(L,0)=P×m(L,0) (D.1)
ベース・モデルのパラメータ関数Pb(L,0)は、m次元多様体のドメイン内で定義され、この多様体はレイアウト変数L及びGのドメインを表す(p+q)次元ユークリッド空間Rp+qの部分空間である、即ち、Gの値は、ベース・モデルのパラメータ関数Pb(L,0)のドメイン内において0に固定される。ここでG=0は基準応力レベルによって定義される。Pは定数であり、これは通常、ベクトルLの名目値及びベクトルGの名目値を有する、即ち、L=L及びG=0におけるモデル・パラメータの測定数値である。ベース・モデルのパラメータ乗数関数m(L,0)は、変数Gの0に設定された所与の値に対してLの関数として測定されたモデル・パラメータの値の変化を反映する無次元関数である。m(L,0)の値は、1.0、又は基準応力レベルを含む基準レイアウトに関するLにおける何らかの他の基準値にとられる。
図3を参照すると、ブロック320はコンパクト・モデル形成の第2段階を表す。応力モデルは、第2の関数形、即ち応力モデルのパラメータ関数Ps(L,G)を、本明細書では「レイアウト依存マクロ」と呼ばれる第2のテスト・マクロを用い、第2のカテゴリのレイアウト変数「G」のみを用いて応力モデルをフィッティングすることによって形成し、一方、第1のカテゴリの変数は基準値Lに固定される。この段階での応力モデルは、後に導入される再フィッティング応力モデルと対照させて、「原の(オリジナル)」応力モデルと呼ばれる。レイアウト依存マクロ内において、テスト構造体は、第1のカテゴリのレイアウト変数Lに関して、名目値Lに固定された同じ値を有することができる。レイアウト変数Gは、ユークリッド空間R内のベクトルである。第2のカテゴリのレイアウト変数のためのレイアウト変数L及びレイアウト変数の名目値Lは、ユークリッド空間R内のベクトルである。
図4を参照すると、レイアウト依存マクロ内で用いられるL及びGの組合せのセットを表すテスト・ポイントは、−2から2までの範囲のGのベクトル値を有するテスト・ポイントのセット、D0、Gによって示される。テスト・ポイントのセットD0、Gは、「レイアウト依存マクロ・テスト・ポイント」又はLDMTと呼ばれる。第2のカテゴリのレイアウト変数Gは、ユークリッド空間R内で定義されるn次元ベクトルであり、図4に用いた−2から2までのベクトルは、第2のカテゴリのレイアウト変数Gの離散値を有するn次元ベクトルの計数を表す。レイアウト依存マクロ内のテスト・ポイントは、一度に一因子(one-factor-at-a-time)の方法、実験計画(design-of-experiments)(DOE)方法、又は他の統計的方法を用いて選択することができる。レイアウト依存マクロからのモデル・パラメータの測定値のデータセットを用いて、応力モデルは、以下の式で与えられる応力モデルのパラメータ関数Ps(L,G)を計算する。
Ps(L,G)=P×m(L,G) (D.2)
応力モデルのパラメータ関数Ps(L,G)は、(p+q)次元の多様体のドメイン内で定義され、この多様体はレイアウト変数L及びGを表す(p+q)次元ユークリッド空間Rp+q内の部分集合であり、即ち、関数の変数はレイアウト変数L及びGの組合せとなる。Pは、ベース・モデルのパラメータ関数Pb(L,0)におけるのと同じ定数であり、これは通常、ベクトルLの名目値、即ちL、及び、ベクトルGの名目値、即ち0におけるモデル・パラメータの測定数値である。応力モデルのパラメータ乗数関数m(L,G)は、L及びGの関数として測定されたモデル・パラメータの値の変化を反映する無次元関数である。セット(集合)LDMTにおけるPの、L及びGの異なる値において測定された測定値の、名目値Pに対する比は、応力モデルのパラメータ乗数関数m(L,G)を生成するように関数にフィッティングされる。m(L,G)の値は(L,0)において1.0であり、L及びGの関数として変化する。
応力モデルのパラメータ乗数関数m(L,G)のフィッティングは、レイアウト依存マクロからのモデル・パラメータの測定値のデータセットに対して実行され、この段階では寸法スケーリング・マクロからのモデル・パラメータの測定値のデータセットに対しては実行されないことに注目されたい。
本発明によると、原の応力モデルのパラメータ関数Ps(L,G)のさらなる関数フィッティングが実行されて、コンパクト・モデルの正確さが改善される。応力モデルのパラメータ関数Ps(L,G)を「再フィッティング」するこのプロセスは、寸法スケーリング・マクロからのモデル・パラメータの測定値のデータセットを「再フィッティング」するのに必要な応力の変化を計算することによって実行される。換言すれば、再フィッティング・プロセスの媒体又はフィッティング・パラメータは、半導体デバイスに加わる計算された応力である。必須ではないが、縦応力成分及び横応力成分を用いることが好ましい。縦応力成分及び横成分の両方の方向は、半導体基板の表面を表す平面内にあり、互いに直交する。
例えば、モデリングする半導体デバイスは、MOSFETとすることができ、テスト・マクロ、即ち、寸法スケーリング・マクロ及びレイアウト依存マクロの両方はモデルMOSFETを含むことができる。この場合、第1のカテゴリのレイアウト変数は、モデリングするMOSFETの長さ及び/又は幅とすることができる。特に、長さはMOSFETのチャネルの長さを指し、幅はMOSFETのチャネルの幅を指す。レイアウト変数の第2のカテゴリにおいて、フィッティング・パラメータは、チャネル応力、又はMOSFETのチャネル内の応力ベクトル場のベクトル値の加重平均とすることができる。必須ではないが、再フィッティング・プロセスには、縦方向のチャネル応力である第1のスカラー、及び横方向のチャネル応力である第2のスカラーを用いることが好ましく、その結果MOSFET内の3次元応力ベクトル場の効果は第1及び第2のスカラーによって近似される。上述のように、モデル・パラメータは、MOSFETのキャリア移動度、MOSFETの閾値電圧、MOSFETのチャネル内の応力、MOSFETのチャネル内の歪み、MOSFETのオン電流、MOSFETのオフ電流、及びMOSFETの実効電流のうちの1つ又はサブセットとすることができる。或いは、モデル・パラメータはMOSFETの何れかの他の応力依存モデル・パラメータとすることができる。
図3のブロック330を参照すると、変形乗数関数m’(L,G)がm’(L’,0)=1.0となるように導入され、ここでL’は、第1のカテゴリのレイアウト変数の空間から、再フィッティング・プロセスに用いられるテスト・ポイントの間でのLの変化によって定義されるp次元部分空間へのLの射影である。Lの成分の各々の名目値が原のものに対応する座標系が仮定され、その結果ベクトルLの座標は、Lの全ての成分に対して0となる。Lの何れかの名目成分が∞に設定される場合、∞を0に変換する数学的変換、例えばy=1/xが用いられる。次元数pは、再フィッティング・プロセス中に用いられるデータセット内の第1のカテゴリのレイアウト変数における少なくとも1つの固有寸法変数の変化の自由度の数である。
再フィッティングに用いられるテスト・ポイントのセット内で、少なくとも1つの固有寸法変数Lは、第1のカテゴリのレイアウト変数であるが、再フィッティングに用いられるテスト・ポイントの間でのLの変化によって定義されるp次元の部分空間への射影L’と同じであり、その結果pの自由度を有する。任意のLに関する自由度がp−pとなる、少なくとも1つの固有寸法変数の他の成分は、再フィッティングに用いられるテスト・ポイントのセット内で一定に保たれる。換言すれば、再フィッティング・プロセス中に用いられるデータセット内のLの固定定数の数はpであり、ここでpとpの和はpに等しい。
例えば、半導体デバイスがMOSFETである場合、第1のカテゴリのレイアウト変数は、MOSFETの長さ及び/又は幅を含むことができ、少なくとも1つの固有寸法変数はMOSFETの長さとすることができる。第1のカテゴリのレイアウト変数Lは、一般に、長さ及び幅の両方の変化を含む。再フィッティング・プロセスには、変化する長さ及び固定幅を有するテスト・ポイントからのデータセットを用いることができる。再フィッティングに用いられるテスト・ポイントの間での第1のカテゴリのレイアウト変数の変化によって定義される部分空間は、長さによって定義される1次元空間である。幅は名目幅に固定される。再フィッティングに用いられるデータセットのドメイン内で、第1のカテゴリのレイアウト変数Lは、変化する長さ及び固定名目幅を有する。長さ変数の部分空間へのLの射影L’は、変化する長さ及び名目幅を有し、その結果、Lと同じになる。射影L’によって定義される部分空間の自由度は1となる。名目値を有する他の成分の寸法、即ち、幅変数の寸法は1である。
一般に、射影L’の寸法は、第1のカテゴリのレイアウト変数Lの寸法より小さくなる可能性があり、又は第1のカテゴリのレイアウト変数Lと同じ寸法を有する可能性がある。MOSFETの場合、長さのみを、再フィッティングに用いるデータセット内の変化によって定義される部分空間の寸法とすることができ、その場合、L及びL’は、一般には異なり、又は代替的に、長さ及び幅の両方を再フィッティングに用いるデータセット内の変化によって定義される部分空間の寸法とすることができ、その場合には、L及びL’は、一般に等しくなる。
本発明によると、再フィッティング応力モデルのパラメータ関数P(L,G)は、変形乗数関数m’(L,G)及び再フィッティング・ベース・モデルのパラメータ関数Pf{σ(L,0)}を用いて定義される。以下の関数関係が仮定される。
P(L,G)=Pf{σ(L,0)}×m’(L,G) (D.3)
換言すれば、モデル・パラメータPは、L及びGの関数として再フィッティング応力モデルのパラメータ関数P(L,G)によって近似される。再フィッティング応力モデルのパラメータ関数P(L,G)は、再フィッティング・ベース・モデルのパラメータ関数Pf{σ(L,0)}と変形乗数関数m’(L,G)の積である。再フィッティング・ベース・モデルのパラメータ関数Pf{σ(L,0)}は、第2のカテゴリのレイアウト変数を0に設定し、Lの関数である応力パラメータσ(L,0)を有する寸法スケーリング・マクロからのモデル・パラメータの測定値のデータセットを再フィッティングすることによって、応力モデルのパラメータ関数Ps(L,G)から導出される。
図5を参照すると、寸法スケーリング・マクロからのモデル・パラメータの測定値Pのデータセットが、寸法スケーリング・マクロにおける第1のカテゴリのレイアウト変数Lの値の関数としてプロットされている。射影L’の変化の寸法が、第1のカテゴリのレイアウト変数Lの変化の寸法より小さい場合、テスト・ポイントのサブセットのみを用いて、測定値Pを第1のカテゴリのレイアウト変数Lの射影L’にフィッティングする。テスト・ポイントのサブセットは、データセット内で変化する少なくとも1つの固有寸法変数以外の全ての他の固有寸法変数に対して、固定値、通常は名目値を有する。射影L’の変化の寸法が第1のカテゴリのレイアウト変数Lの変化の寸法と同じである場合には、寸法スケーリング・マクロから生成されたデータセットの全てを用いて、測定値Pを、この場合Lに等しい射影L’にフィッティングすることができる。
図4を参照すると、測定値Pを第1のカテゴリのレイアウト変数Lの射影L’にフィッティングするのに用いられるテスト・ポイントのサブセットは、交差集合(DSMT∩RSMFT)によって定義されるドメインを有し、ここで、RSMFT(再フィッティング応力モデルのフィッティング・テスト・ポイント)は、直接的又は間接的に応力モデルの再フィッティングに用いられる全てのテスト・ポイントのセット(集合)である。原の応力モデルのフィッティングに用いられる全てのテスト・ポイントのセットは、図4のセット(集合)LDMTによって表される。再フィッティング・プロセス中にだけ用いられ、原の応力モデルのフィッティング中には用いられないテスト・ポイントのセットは、差集合、RSMFT−LDMTによって与えられる。
図3のブロック340を参照すると、関数形P(L,G)=Pf{σ(L,0)}を用いて測定値Pをフィッティングするのに必要な応力値σが計算される。第1のカテゴリのレイアウト変数内の少なくとも1つの固有寸法変数の異なる値を有する、寸法スケーリング・マクロからのモデル・パラメータの測定値のデータセットは、寸法スケーリング・マクロからのデータをフィッティングするのに必要な応力を計算することによって再フィッティングされる。第1のカテゴリのレイアウト変数Lのテスト・ポイント値の射影L’は、少なくとも1つの固有寸法変数の異なる値を有し、以下の関係を満たす。
P(L’,0)=Pf{σ(L’,0)} (D.4)
以下の式で定義されるオフセットOが計算される。
σ(L’,0)=σ(L,0)×O (D.5)
式(D.4)及び(D.5)を組み合せて次式が得られる。
P(L’,0)=Pf{σ(L,0)×O} (D.6)
図6を参照すると、離散的な計算されたオフセット値Oを有する寸法スケーリング・マクロからのモデル・パラメータの測定値Pのデータセットの再フィッティングが示される。コンパクト・モデルに用いられる応力は3次元又は2次元ベクトルであるので、オフセット値Oの各々は3つ又は2つの値のセット、即ち、ベクトルとすることができる。
図3のブロック350を参照すると、変数(引数)L’を有する連続オフセット・ベクトル関数O(L’)が、計算されたオフセット値Oを連続関数にフィッティングすることによって定められる。この方法はグラフで図7に示される。O(L’)の値は、L’=L’における、即ち、L’の名目値における応力の全ての成分に対して1.0に等しいが、一般には、3つ又は2つの成分を有する連続的に変化するベクトルである。
図8を参照すると、名目応力値σ(L,0)と連続オフセット・ベクトル関数O(L)の積が、第1のカテゴリのレイアウト変数内の少なくとも1つの固有寸法変数が変化するサブセットL’に対する式(D.3)のσ(L,0)に代入されて次式が得られる。
P(L’,0)=Pf{σ(L0,,0)×O(L’)} (D.7)
図3を参照すると、実際の再フィッティング・プロセスには、再フィッティングに用いるモデル・パラメータの測定値に対するテスト条件として再フィッティング応力モデルのパラメータ・テスト・ポイント(RSMFT)が用いられる。再フィッティング応力モデルのパラメータ・テスト・ポイント(RSMFT)は、寸法スケーリング・マクロ・テスト・ポイント(DSMT)及びレイアウト・スケーリング・マクロ・テスト・ポイント(LSMT)の和集合(ユニオン)Uの部分集合である。再フィッティング応力モデルのパラメータ・テスト・ポイント(RSMFT)は、DSMT−LSMTで定義される差集合からの少なくとも1つのデータ・ポイントを含み、そしてLSMTの全てを含む。RSMFTは、和集合Uより小さい、即ち、(U−RSMFT)≠φである可能性があり、或いは和集合Uと同じ、即ち、(U−RSMFT)=φである可能性がある。再フィッティング・プロセス中に用いられるデータセット内の変化する第1のカテゴリのレイアウト変数内の少なくとも1つの固有寸法変数によって定義される部分空間は、集合RSMFT内でテスト・ポイントが占める部分空間に対応する。DSMT内のLの自由度の大きさはpである。交差集合(DSMT∩RSMFT)内のLの自由度の大きさはpである。差集合(RSMFT−DSMT)内のLの自由度の大きさはpである。pとpの和はpに等しい。和集合U内の自由度の大きさはp+qである。RSMFT内の自由度の大きさはp+qである。
例えば、半導体デバイスがMOSFETである場合、第1のカテゴリのレイアウト変数Lは、MOSFETの長さ及び幅を含むことができる。第1のカテゴリのレイアウト変数Lの値L’のサブセットは、長さの異なる値を含むことができ、一方、幅は、一定値、即ち、名目幅に固定される。この場合、再フィッティング応力モデルのパラメータ・テスト・ポイント(RSMFT)は、レイアウト依存マクロ内のテスト・ポイント、及び寸法スケーリング・マクロ内の名目幅を有するテスト・ポイントだけを含む、即ち、p<pとなる。寸法スケーリング・マクロ内に非名目幅を有するテスト・ポイントが存在する場合には、(U−RSMFT)≠φとなる。この場合、第1のカテゴリのレイアウト変数Lの値L’のサブセットは、寸法スケーリング・マクロ内の全ての変化を含み、即ちp=pとなり、DSMT内の全てのテスト・ポイントに対応する、即ち、(U−RSMFT)=φとなる。
再フィッティング応力モデルには、縦応力成分及び横応力成分を用いることが好ましく、ここで縦応力成分及び横応力成分の両方の方向は、半導体基板の表面を表す平面内にあり、互いに直交する。半導体デバイスがMOSFETである場合、縦応力成分は、チャネルの方向に沿った、即ち、ソースとドレインの間の電流の方向に沿った応力の成分とすることができる。横応力成分は、チャネルの平面、即ち、平面型MOSFET内又はフィンFET内のゲート誘電体によって画定される平面と平行な平面内の、縦応力成分に垂直な応力の成分とすることができる。或いは、横応力成分は、半導体基板の表面の平面内の、縦応力に垂直な方向に沿った応力の成分と定義することができる。
ベース・モデルのパラメータ関数P(L’,0)を再フィッティングする例示的な方法を本明細書で提示するが、ここで半導体デバイスはMOSFETであり、第1のカテゴリのレイアウト変数の射影L’はチャネルの長さLpolyである。式(D.6)のσ(L,0)×O(L’)に対応する量の一例は、σLscale(Lpoly)、即ち、チャネル長スケーリング・マクロ内のLpolyの関数としてチャネル応力を表すベクトル、として定義される。式(D.7)を参照すると、ベース・モデルのパラメータ関数P(L’,0)は、移動度関数μ(Lpoly)であり、これは応力依存関数μ{σ(Lpoly)}として定義される。上述の一般の方法とMOSFETに関する例示的な方法との間の対応は、以下のように要約することができる。
P(L’,0)→ μ(Lpoly) (D.8.a)
L’→ Lpoly (D.8.b)
σ(L,0)×O(L’)→ σLscale(Lpoly)=(σ Lscale(Lpoly)、σ Lscale(Lpoly)) (D.8.c)
Pf{σ(L,0)}→ μ (D.8.d)
Pf{σ(L,0)×O(L’)}→μ(σLscale(Lpoly)) (D.8.e)
例示的な方法における第1のカテゴリのレイアウト変数Lは、Lpoly及びWpoly、即ち、MOSFETチャネルの長さ及び幅である。上で定義された「再フィッティング・プロセスに用いられるテスト・ポイントの間でのLの変化によって定義されるp次元の部分空間」は、変数Lpolyよって定義される部分空間である。部分空間の次元数mは1である。第1のカテゴリのレイアウト変数の内の固定された変数はWpolyである。固定された変数の次元数pは1である。
射影L’を特徴付ける少なくとも1つの固有寸法変数の成分(又はL’の成分の逆数)の高次係数を、一般に、ベース・モデルのパラメータ関数Pf{σ(L,0)×O(L´)}を再フィッティングするのに用いることができるが、ここでは、寸法スケーリング・マクロからのデータセットの再フィッティングによる、少なくとも1つの固有変数の定数、1次及び2次係数の生成の一実施例を説明する。MOSFETが関わる例示的な方法において、1/Lpolyの定数、1次及び2次係数が、ベース・モデルの移動度関数μ(σLscale(Lpoly))を再フィッティングするのに用いられる。1/Lpolyは、再フィッティング・プロセスに用いられる固有寸法変数として用いられる。1/Lpolyの定数、1次及び2次係数は、この場合には移動度μに関して計算される。移動度μの測定値は、iが1から3までの3つの離散的指数を表す次式によりLpolyの逆数の二次多項式にフィッティングされる。
μ=μ×m (D.9.a)
Figure 2010529642
ここで、mは、名目値の移動度、Lpolyのi番目の値即ちLpoly、iに対してはμ、に対する変形乗数の値を表す。Tは、再フィッティングの前にベース・モデルから取得されたLpoly、iに対する未処理の補正されていない乗数を表す。c は変形乗数に対する縦応力の1次のピエゾ抵抗係数を表し、B、B及びBは、それぞれ、変形乗数に対するゼロ次、1次及び2次の補正に関するフィッティング・パラメータを表す。例示的な方法において、ゼロ次補正は、μ(T−c )であり、再フィッティングされた移動度関数に関する1/Lpolyの1次係数は、−μ であり、そして、再フィッティングされた移動度関数に関する1/Lpolyの2次係数は、−μ である。B、B及びBの値は、以下の式によって与えられる。
Figure 2010529642
ここで、
Figure 2010529642
図3のブロック360を参照すると、式(D.3)のPf{σ(L,0)}に対する関数形は、式(D.7)によって与えられるPf(L’,0)で近似される。再フィッティング応力モデルのパラメータ関数P(L、G)はここで、以下の式で与えられる確定形を有する。
P(L,G)=Pf{σ(L,0)×O(L’)}×m’(L,G) (D.11)
これは代替的に以下のように書くことができ、
P(L,G)=Pf{σ(L,0)}×m’(L,G) (D.12)
或いは、以下の形を有する変形乗数関数m’(L,G)の式として書くことができる。
m’(L,G)=P(L,G)/Pf{σ(L,0)} (D.13)
Lは、半導体デバイスの少なくとも1つの固有寸法のセットであり、Gは形状パラメータのセットであり、P(L,G)はモデル・パラメータPに対する寸法及びジオメトリ依存の式であり、σ(L,0)は第1のモデル半導体デバイスに加わる応力に関する寸法依存の式であり、そしてPf{σ(L,0)}は再フィッティング応力モデル内のモデル・パラメータに関する応力依存の式である。変形乗数関数m’(L,G)は再フィッティングに用いられる少なくとも1つの固有寸法の全ての値に対して、即ち、L’がLの射影と同じとき、1.0である。例示的な方法において、再フィッティングの固有寸法変数をLpoly又は1/Lpolyとすることができ、変形乗数は、他のレイアウト変数の値が名目値である場合、即ち、Wpolyが名目値を有し、形状パラメータGのセットが、例えば寸法スケーリング・マクロにおけるように、名目値を有する場合、Lpolyの全ての値に対して1.0と定義される。
図9を参照すると、変形乗数関数m’(L,G)の例示的な概略の等高線図が示される。横軸は、再フィッティング・プロセスに用いられる少なくとも1つの固有寸法変数、例えば、MOSFETの例示的な方法における1/Lpoly、の部分空間への、第1のカテゴリのレイアウト変数Lの射影L’によって定義される部分空間を表す。m’(L,G)の値は、上述の第2のカテゴリのレイアウト変数であるGの非名目値に対して、1.0とは異なるものとすることができる。また、射影L’がLと異なる場合、即ち、再フィッティング・パラメータとして用いられる少なくとも1つの固有寸法変数以外の何れかの他の固有寸法変数が非名目値を有する場合には、m’(L,G)の値は、1.0とは異なるものとすることができる。射影L’が第1のカテゴリのレイアウト変数Lと同じである場合には、m’(L,G)は1.0に等しくなる。
図10を参照すると、第1のカテゴリのレイアウト変数Lの射影L’によって定義される部分空間における変形乗数関数m’(L’,0)の、射影L’の関数としてのプロットが示される。再フィッティング・プロセス中に変化する少なくとも1つの固有寸法変数は横軸に沿って変化し、一方他の固有寸法変数はそれらの名目値に設定される。再フィッティング・プロセスに用いられるテスト・ポイントの間で変化する、第1のカテゴリのレイアウト変数のパラメータによって定義されるL’の限定されたドメイン内で、即ち、図4の交差集合(DSMT∩RSMFT)において、変形乗数関数m’(L,0)は1.0に規格化される。
応力モデルを寸法スケーリング・マクロからのデータセットに再フィッティングする本方法を用いて、半導体デバイスをモデリングするように設計されたシステムの性能を改善し、半導体回路の動作をシミュレートし、及び/又は半導体回路の設計を最適化することができる。これらのシステム内では、半導体デバイスは、少なくとも1つの応力生成成分又は少なくとも1つの応力伝達成分を有する、即ち、半導体デバイスの性能が応力の影響を受ける。
これは、上述の方法の実施中にデータセットをフィッティングする各段階のためのフィッティング手段を準備することによって達成される。特に、第1のフィッティング手段は、寸法スケーリング・マクロからの第1のデータセットをベース・モデルにフィッティングするのに用いられ、その際、図3のブロック310に示すように、第1のモデル半導体デバイスの少なくとも1つの固有寸法が変化する。第2のフィッティング手段は、レイアウト依存マクロからの第2のデータセットを原の応力モデルにフィッティングするのに用いられ、その際、図3のブロック320に示すように、種々の形状寸法を有する少なくとも1つの形状クラスのインスタンスが、レイアウト依存マクロ内の第2のモデル半導体デバイスの周りに存在する。第3のフィッティング手段は、図3のブロック330乃至360に付随するパラグラフで説明するように、少なくとも1つのモデル・パラメータを第1のデータセットに再フィッティングして再フィッティング応力モデルを生成するのに用いられる。ベース・モデル及び原の応力モデルの両方は、少なくとも1つの応力依存モデル・パラメータを計算する機能を有する。少なくとも1つのモデル・パラメータに対する少なくとも1つのモデル・パラメータ式は、ベース・モデル及び原の応力モデルから生成され、次いで再フィッティング中に修正されて、少なくとも1つの応力依存モデル・パラメータの計算において改善された正確さを有する再フィティング応力モデルを与える。
第1、第2、及び第3のフィッティング手段の各々は、自動化されたコンピュータ・プログラムとすることができる。少なくとも1つのモデル・パラメータを第1のデータセットにフィッティングするのに、少なくとも1つの応力オフセットを計算する計算手段をまた用いることができる。
半導体回路動作をシミュレートするためのシステムのために、抽出手段及びコンパクト・モデルが準備される。抽出手段は半導体回路のレイアウト依存情報をレイアウト・データセットから抽出する。抽出手段は自動化されたコンピュータ・プログラムとすることができる。コンパクト・モデルは、レイアウト依存情報を受け取り、半導体回路の性能をモデリングするのに用いるための、半導体回路内の半導体デバイスに関する少なくとも1つの応力依存モデル・パラメータ値を生成する。少なくとも1つの応力依存モデル・パラメータ値は、上述のように、原の応力モデルを寸法スケーリング・マクロからの第1のデータセットに再フィッティングすることによって生成される再フィッティング応力モデルから生成される。再フィッティング応力モデルは、寸法依存応力オフセット関数に依存し、そして寸法依存応力オフセット関数は、応力をモデル・パラメータの測定値にフィッティングすることによって、レイアウト依存マクロからの第2のデータセットから生成される。
本システムは、上述の変形乗数関数m’(L,G)を計算する手段をさらに備えることができる。
半導体回路の設計を最適化するためのシステムに関して、このシステムは、半導体回路の性能目標が満たされるかどうかを判断し、そして、性能目標が満たされない場合に性能目標が満たされない原因の診断を生成する、回路性能評価手段をさらに備えることができる。
レイアウトのデータセットは、性能目標が満たされない場合に、さらなるシミュレーションのために修正することができ、半導体回路の性能目標が達成されるか又はシミュレーションの結果がシミュレーションを停止するためのプリセット条件を満たすまで、もう一回りのシミュレーションが実行される。
本発明は特定の実施形態によって説明したが、前述の説明を考慮すれば、種々の代替物、修正物及び変形物が当業者に明らかとなる。従って、本発明は、本発明の範囲及び趣旨並びに添付の特許請求の範囲に入るそれら全ての代替物、修正物及び変形物を含むことが意図されている。
本発明は、半導体デバイス及びパッケージの自動設計自動化の分野において、より具体的には、超大規模集積(VLSI)及び超々大規模集積(ULSI)チップ及びマルチチップ・パッケージの設計及び製造において、産業上の利用可能性を有する。
2:犠牲ゲート
3:ゲート導体
4:コンタクト・バー
6:活性領域
8、8’:浅いトレンチ分離
9:境界

Claims (30)

  1. 応力を加えられた半導体デバイスをモデリングする方法であって、
    寸法スケーリング・マクロを生成し、前記寸法スケーリング・マクロからの第1のデータセットをフィッティングすることによってベース・モデルを導出するステップ(310)であって、第1のモデル半導体デバイスの少なくとも1つの固有寸法が前記寸法スケーリング・マクロ内で変化し、前記ベース・モデルは少なくとも1つのモデル・パラメータを計算する機能を有する、ステップと、
    レイアウト依存マクロを生成し、前記レイアウト依存マクロからの第2のデータセットをフィッティングすることによって原の応力モデルを導出するステップ(320)であって、種々の形状寸法を有する少なくとも1つの形状クラスのインスタンスが前記レイアウト依存マクロ内の第2のモデル半導体デバイスの周りに存在し、前記原の応力モデルは前記少なくとも1つのモデル・パラメータを計算する機能を有する(330、340)、ステップと、
    前記原の応力モデルを前記第1のデータセットに再フィッティングして寸法依存応力オフセット関数を計算するステップ(350、360)と、
    前記寸法依存応力オフセット関数を再フィッティング応力モデルに組み込んで前記少なくとも1つのモデル・パラメータの計算値を与えるステップと
    を含む方法。
  2. m’(L,G)=P(L,G)/Pf{σ(L,0)}の数学形を有する変形乗数関数m’(L,G)を計算するステップを更に含み、
    ここでLは前記半導体デバイスの少なくとも1つの固有寸法のセットであり、Gは形状パラメータのセットであり、P(L,G)はモデル・パラメータに関する寸法及びジオメトリ依存の式であり、σ(L,0)は前記第1のモデル半導体デバイスに加わる応力に関する寸法依存の式であり、Pf{σ(L,0)}はG=0において見積られる前記再フィッティング応力モデルにおける前記モデル・パラメータに関する応力依存の式である、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記変形乗数関数m’(L,G)の値は、前記再フィッティングに用いられる前記少なくとも1つの固有寸法の全ての値に対して1.0である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記再フィッティング応力モデルには、縦応力成分及び横応力成分が用いられ、
    前記縦応力成分及び前記横応力成分の両方の方向は、半導体基板の表面を表す平面内にあり、互いに直交する、
    請求項1に記載の方法。
  5. 前記第1のデータセットの前記再フィッティングにより、前記少なくとも1つのモデル・パラメータに関する少なくとも1つの固有変数の定数、1次及び2次係数を計算するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記半導体デバイスのレイアウト依存構造部をレイアウト・データセットから抽出するステップと、
    前記レイアウト依存構造部からの少なくとも1つの形状クラスのインスタンスを特徴付ける形状寸法を生成するステップと
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記半導体デバイス、前記第1のモデル半導体デバイス、及び前記第2のモデル半導体デバイスは、それぞれ、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、第1のモデルMOSFET、及び第2のモデルMOSFETである、請求項1に記載の方法。
  8. 前記再フィッティング応力モデルには、縦方向のチャネル応力である第1のスカラー、及び横方向のチャネル応力である第2のスカラーが用いられ、
    前記MOSFET内の3次元応力場の効果は前記第1及び第2のスカラーによって近似される、
    請求項7に記載の方法。
  9. 前記少なくとも1つのモデル・パラメータは、前記MOSFETのキャリア移動度、前記MOSFETの閾値電圧、前記MOSFETのチャネル内の応力、前記MOSFETのチャネル内の歪み、前記MOSFETのオン電流、前記MOSFETのオフ電流、及び前記MOSFETの実効電流から成る群から選択される少なくとも1つの物理量を含む、請求項7に記載の方法。
  10. 前記少なくとも1つのモデル・パラメータは前記MOSFETのキャリア移動度である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記第1のモデルMOSFETの前記少なくとも1つの固有寸法は、数学的意味において前記第1のモデル半導体デバイスの長さ及び幅を含む、請求項7に記載の方法。
  12. 前記第1のデータセットの前記再フィッティングは、長さが変化する前記第1のモデルMOSFETに対して実行される、請求項11に記載の方法。
  13. 少なくとも1つの応力生成成分又は少なくとも1つの応力伝達成分を有する半導体デバイスをモデリングするためのシステムであって、
    寸法スケーリング・マクロからの第1のデータセットをベース・モデルにフィッティングするための第1のフィッティング手段であって、第1のモデル半導体デバイスの少なくとも1つの固有寸法が前記寸法スケーリング・マクロ内で変化し、前記ベース・モデルは少なくとも1つのモデル・パラメータを計算する機能を有する、第1のフィッティング手段と、
    レイアウト依存マクロからの第1のデータセットを原の応力モデルにフィッティングするための第2のフィッティング手段であって、種々の形状寸法を有する少なくとも1つの形状クラスのインスタンスが前記レイアウト依存マクロ内の第2のモデル半導体デバイスの周りに存在し、前記原の応力モデルは前記少なくとも1つのモデル・パラメータを計算する機能を有する、第2のフィッティング手段と、
    前記少なくとも1つのモデル・パラメータを前記第1のデータセットに再フィッティングして再フィッティング応力モデルを生成する、第3のフィッティング手段と
    を備えるシステム。
  14. 前記少なくとも1つのモデル・パラメータを前記第1のデータセットに前記フィッティングするステップ中に、少なくとも1つの応力オフセットを計算する計算手段をさらに備える、請求項13に記載のシステム。
  15. 前記再フィッティング応力モデルには、縦方向のチャネル応力である第1のスカラー、及び横方向のチャネル応力である第2のスカラーが用いられ、
    前記MOSFET内の3次元応力場の効果は前記第1及び第2のスカラーによって近似される、
    請求項13に記載のシステム。
  16. 前記少なくとも1つのモデル・パラメータに関する少なくとも1つの固有変数の定数、1次及び2次係数が、前記第1のデータセットの前記再フィッティングにより計算される、請求項13に記載のシステム。
  17. 前記半導体デバイス、前記第1のモデル半導体デバイス、及び前記第2のモデル半導体デバイスは、それぞれ、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、第1のモデルMOSFET、及び第2のモデルMOSFETである、請求項13に記載のシステム。
  18. 前記少なくとも1つのモデル・パラメータは、前記MOSFETのキャリア移動度、前記MOSFETの閾値電圧、前記MOSFETのチャネル内の応力、前記MOSFETのチャネル内の歪み、前記MOSFETのオン電流、前記MOSFETのオフ電流、及び前記MOSFETの実効電流から成る群から選択される少なくとも1つの物理量を含む、請求項17に記載のシステム。
  19. 半導体回路動作をシミュレートするためのシステムであって、
    半導体回路のレイアウト依存情報をレイアウト・データセットから抽出する抽出手段と、
    前記レイアウト依存情報を受け取り、前記半導体回路の性能をモデリングするのに用いるための前記半導体回路内の半導体デバイスの少なくとも1つの応力依存モデル・パラメータ値を生成する、コンパクト・モデルと
    を備え、
    前記少なくとも1つの応力依存モデル・パラメータ値は、原の応力モデルを寸法スケーリング・マクロからの第1のデータセットに再フィッティングすることによって生成される再フィッティング応力モデルから生成され、
    前記再フィッティング応力モデルは寸法依存応力オフセット関数に依存し、
    前記寸法依存応力オフセット関数は、応力をレイアウト依存マクロからの第1のデータセットからのモデル・パラメータの測定値にフィッティングすることによって生成される、
    システム。
  20. m’(L,G)=P(L,G)/Pf{σ(L,0)}の数学形を有する変形乗数関数m’(L,G)を計算する手段を更に含み、
    ここでLは前記半導体デバイスの少なくとも1つの固有寸法のセットであり、Gは形状パラメータのセットであり、P(L,G)はモデル・パラメータに関する寸法及びジオメトリ依存の式であり、σ(L,0)は前記第1のモデル半導体デバイスに加わる応力に関する寸法依存の式であり、Pf{σ(L,0)}は再フィッティング応力モデルにおける前記モデル・パラメータに関する応力依存の式である、
    請求項19に記載のシステム。
  21. 前記半導体デバイスはMOSFETであり、前記再フィッティング応力モデルには、縦方向のチャネル応力である第1のスカラー、及び横方向のチャネル応力である第2のスカラーが用いられ、
    前記MOSFET内の3次元応力場の効果は前記第1及び第2のスカラーによって近似される、
    請求項19に記載のシステム。
  22. 前記半導体デバイスはMOSFETであり、
    前記少なくとも1つの応力依存モデル・パラメータは、前記MOSFETのキャリア移動度、前記MOSFETの閾値電圧、前記MOSFETのチャネル内の応力、前記MOSFETのチャネル内の歪み、前記MOSFETのオン電流、前記MOSFETのオフ電流、及び前記MOSFETの実効電流から成る群から選択される少なくとも1つの物理量を含む、
    請求項19に記載の方法。
  23. 前記再フィッティング応力モデルには、縦応力成分及び横応力成分が用いられ、
    前記縦応力成分及び前記横応力成分の両方の方向は、半導体基板の表面を表す平面内にあり、互いに直交する、
    請求項19に記載のシステム。
  24. 前記少なくとも1つのモデル・パラメータに関する少なくとも1つの固有変数の定数、1次及び2次係数が、前記第1のデータセットの前記再フィッティングにより計算される、請求項23に記載のシステム。
  25. 半導体回路の設計を最適化するためのシステムであって、
    前記半導体回路のレイアウト依存情報をレイアウト・データセットから抽出する抽出手段と、
    前記レイアウト依存情報を受け取り、前記半導体回路をシミュレートするためのコンパクト・モデルであって、再フィッティング応力モデルが少なくとも1つの応力依存モデル・パラメータ値を生成し、前記再フィッティング応力モデルは、原の応力モデルを寸法スケーリング・マクロからの第1のデータセットに再フィッティングすることによって生成され、寸法依存応力オフセット関数に依存し、前記寸法依存応力オフセット関数は、応力をレイアウト依存マクロからの第1のデータセットからのモデル・パラメータの測定値にフィッティングすることによって生成される、コンパクト・モデルと、
    前記半導体回路の性能目標が満たされるかどうかを判断し、性能目標が満たされない場合に、前記性能目標が満たされない原因の診断を生成する回路性能評価手段と
    を備えるシステム。
  26. 前記レイアウト・データセットは、前記性能目標が満たされない場合に、さらなるシミュレーションのために修正することができ、前記半導体回路の前記性能目標が達成されるか又はシミュレーションの結果がシミュレーションを停止するためのプリセット条件を満たすまで、もう1回りのシミュレーション手順が実行される、請求項25に記載のシステム。
  27. 前記再フィッティング応力モデルには、縦応力成分及び横応力成分が用いられ、前記再フィッティング応力モデルは、前記第1のデータセットの前記再フィッティングにより、前記少なくとも1つのモデル・パラメータに関する少なくとも1つの固有変数の定数、1次及び2次係数を与える、請求項25に記載のシステム。
  28. 前記半導体回路はMOSFETを含み、
    前記少なくとも1つの応力依存モデル・パラメータ値は、前記MOSFETのキャリア移動度、前記MOSFETの閾値電圧、前記MOSFETのチャネル内の応力、前記MOSFETのチャネル内の歪み、前記MOSFETのオン電流、前記MOSFETのオフ電流、及び前記MOSFETの実効電流から成る群から選択される少なくとも1つの物理量を表す、
    請求項25に記載のシステム。
  29. 前記半導体回路はMOSFETを含み、
    前記再フィッティング応力モデルには、縦方向のチャネル応力である第1のスカラー、及び横方向のチャネル応力である第2のスカラーが用いられ、
    前記MOSFET内の3次元応力場の効果は前記第1及び第2のスカラーによって近似される、
    請求項25に記載のシステム。
  30. 前記再フィッティング応力モデルは、前記少なくとも1つの応力依存モデル・パラメータに関する縦応力成分及び横応力成分の計算された定数、1次及び2次応力項係数を与える、
    請求項25に記載のシステム。
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