JP2010528268A - 迅速なタンパク質標識および分析 - Google Patents
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Abstract
本発明は、細胞ライセート内またはタンパク質の混合物中のタンパク質、特に注目する特異的タンパク質を標識、分離および分析するための方法および組成物を提供する。当該タンパク質は、アミン反応性またはチオール反応性蛍光色素、またはそのタンパク質上に存在するアミン基と反応した際に蛍光性となるアミン反応性蛍光発生性試薬で標識される。標識する工程の後、この混合物内のタンパク質は、分離および分析することができる。さらなる実施形態では、タグ化タンパク質上に存在するタグに結合することができるタグ結合蛍光発生性試薬が加えられ、その注目するタンパク質が特異的に標識される。
Description
関連出願の相互参照
本願は、2007年5月18日出願の米国仮出願第60/938,973号の利益を主張する。この仮出願は、その全体を、本開示と不整合性がない程度まで参照により本願明細書に援用したものとする。
本願は、2007年5月18日出願の米国仮出願第60/938,973号の利益を主張する。この仮出願は、その全体を、本開示と不整合性がない程度まで参照により本願明細書に援用したものとする。
発明の背景
本発明は、タンパク質を標識すること、ならびに電気泳動およびクロマトグラフィによる方法を含めた分離技術を使用した、かかる標識されたタンパク質の分析に関する。
本発明は、タンパク質を標識すること、ならびに電気泳動およびクロマトグラフィによる方法を含めた分離技術を使用した、かかる標識されたタンパク質の分析に関する。
本発明は、タンパク質、特に細胞ライセート内またはタンパク質の混合物中の注目する特異的タンパク質を標識、分離および分析するための方法および組成物を提供する。1つの実施形態では、このタンパク質(1種または複数種)はアミン反応性またはチオール反応性の蛍光色素で標識される。別の実施形態では、このタンパク質(1種または複数種)は、当該タンパク質上に存在するアミン基に反応した際に蛍光性となるアミン反応性蛍光発生性試薬で標識される。標識する工程の後、この混合物内のタンパク質は分離して分析することができる。さらなる実施形態では、蛍光色素または蛍光発生性試薬であってよい第1の標識化合物は、当該混合物中のすべてのタンパク質を標識するために使用され、第2の標識化合物、つまりタグ化タンパク質に結合することができる蛍光発生性試薬は、注目するタンパク質を特異的に標識するために使用される。
標識後、かかる標識されたタンパク質および/またはタンパク質断片は、電気泳動手法、クロマトグラフィ手法、免疫ブロット法、質量分析、およびこれらの組合せが挙げられる(これらに限定されない)手法を使用して、分離、検出および分析を受ける。かかる方法は、タンパク質試料、例えば酸性タンパク質、塩基性タンパク質、精製したタンパク質またはライセートの試料を標識および分析するために使用することができる。この方法は、広い線形検出範囲を有して非常に高感度である。かかる方法は再現性がありかつ迅速であり、バックグラウンド染色および他の非特異的なアーチファクトが減少し、かつ電気泳動による泳動、クロマトグラフィによる溶出または試料タンパク質の分離に対して何らの視覚的に検出できる影響を及ぼさない。
1つの実施形態は、タンパク質標識および分析のための方法であって、タンパク質の混合物を、pH 8〜pH 10の間のpHを有する第1のバッファーと、アミン反応性蛍光発生性試薬と、アセトンシアノヒドリン、ニトリルまたはシアン化アルカリのいずれかとを含む組成物と混合することによって、第1の反応混合物を形成する工程を含む方法を提供する。この反応混合物は、第1の温度で第1のインキュベーション時間の間インキュベーションされ、次いで第2のバッファーと混合され、第2の反応混合物を形成する。この第2のバッファーは、pH 6〜pH 9の間のpHを有し、かつ任意に第1のバッファーより大きい緩衝能を有し、このためこの第2の反応混合物のpHはpH 6〜pH 9の間である。次いでこの第2の反応混合物は、第2のインキュベーション時間(これは、第1のインキュベーション時間と同じであってもよいし、異なっていてもよい)の間、第2の温度(これも、第1の温度と同じであってもよいし、異なっていてもよい)でインキュベーションされる。次いで蛍光標識されたタンパク質は、分離され、可視化される。この第1の反応混合物はまた、任意にアニオン性界面活性剤、糖類もしくは糖アルコール、またはアルキル化剤をも含む。この第2の反応混合物は、任意に1以上の還元剤をも含む。
さらなる実施形態では、タンパク質の混合物はさらに、タグ化されている注目するタンパク質を含み、第2のバッファーはさらに、このタグ化タンパク質上のタグに結合するタグ結合蛍光発生性試薬を含む。このアミン反応性蛍光発生性試薬は第1の発光波長を有し、タグ結合蛍光発生性試薬は第2の発光波長を有する。これらの発光波長は異なり、このためこれらの波長を比較分析することができる。
別の実施形態は、タンパク質標識および分析のための方法であって、タンパク質の混合物を、pH 8〜pH 10の間のpHを有する第1のバッファーと、アミン反応性蛍光色素またはタグ結合蛍光発生性試薬のいずれかとを含む第1の組成物と混合することによって第1の反応混合物を形成する工程を含む方法を提供する。この反応混合物は、第1の温度で第1のインキュベーション時間の間インキュベーションされ、次いで第2の組成物と混合され、第2の反応混合物を形成する。この第2の組成物は、pH 6〜pH 10の間のpHを有する第2のバッファーと、少なくとも1つの還元剤と、アミン反応性蛍光色素またはタグ結合蛍光発生性試薬のいずれかとを含む。第1の組成物がアミン反応性蛍光色素を含む場合、この第2の組成物はタグ結合蛍光発生性試薬を含み、第1の組成物がタグ結合蛍光発生性試薬を含む場合、この第2の組成物はアミン反応性蛍光色素を含む。次いでこの第2の反応混合物は、第2のインキュベーション時間(これは、第1のインキュベーション時間と同じであってもよいし、異なっていてもよい)の間、第2の温度(これも、第1の温度と同じであってもよいし、異なっていてもよい)でインキュベーションされる。次いで蛍光標識されたタンパク質は分離され、可視化される。このアミン反応性蛍光色素は第1の発光波長を有し、タグ結合蛍光発生性試薬は第2の発光波長を有する。これらの発光波長は異なり、このためこれらの波長を比較分析することができる。
他の実施形態は、タンパク質の混合物を含む試料を沈殿させ、次いで本願明細書に記載される標識溶液中でその試料を再構成する工程を含む。この沈殿工程は、最初の試料中に存在した邪魔する可能性がある化学成分または求められていない化学成分を取り除き得る。あるいは、またはこの沈殿工程に加えて、タンパク質またはタンパク質の混合物は、標識に対する何らかの還元剤の負の影響を排除するために、標識する前にアルキル化されてもよい。
別の実施形態は、タンパク質を蛍光標識するためのキットであって、a)pH 8〜pH 10の範囲のpHを有するバッファーと、アミン反応性蛍光発生性試薬またはアミン反応性蛍光色素のいずれかと、糖類または糖アルコールと、アニオン性界面活性剤とを有する第1の組成物と、b)pH 6〜pH 10の範囲のpHを有する第2のバッファーを含む第2の組成物とを含むキットを提供する。第1の組成物がアミン反応性蛍光発生性試薬を含むさらなる実施形態では、この第1の組成物はまた、アセトンシアノヒドリン、ニトリル、またはシアン化アルカリのいずれか、好ましくはマンデロニトリルなどのニトリルも含む。さらなる実施形態では、この第1の組成物はアミン反応性蛍光色素を含む。さらなる実施形態では、この第2の組成物はさらに、少なくとも4つのシステイン部分に結合するタグ結合蛍光発生性試薬と、少なくとも1つの還元剤とを含み、上記アミン反応性蛍光発生性試薬または蛍光色素は第1の発光波長を有し、上記タグ結合蛍光発生性色素は第2の発光波長を有し、かつこの第1の発光波長および第2の発光波長は異なる。
例示的な実施形態では、スラブゲル電気泳動を使用するタンパク質分析のための本願明細書に記載される方法および組成物によって、そのゲルを染色および撮像するためにゲルを取り扱う必要性、または電気泳動カセットを開く必要性なしに、迅速なリアルタイム分析が可能になる。
本発明の方法および組成物の特徴および利点は、本発明の方法、組成物、装置(device)および装置(apparatus)の原理が利用される例示となる実施形態を示す以下の詳細な説明、ならびに添付の図面を参照して、よりよく理解されるであろう。
定義
別段の定義がされない限り、本願明細書中で使用するすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が共通に理解するのと同じ意味を有する。一般に、本願明細書中で使用される名称は当該技術分野で周知であり、一般に用いられる。「上向き」および「下向き」、「頂部」および「底部」、「〜の上に」および「〜の下に」または「上側」または「下側」などの方向付けの用語は、装置の使用中における部分の方向付けを指す。ある用語が単数形で提示される場合、本発明者らはその用語の複数形も企図している。参照により援用される引用文献で使用される用語および定義において不一致が存在する場合、本願で使用される用語は、本願明細書で提示される定義を有するものとする。本開示全体で用いられる場合、以下の用語は、特に示されない限り、以下の意味を有すると理解されるものとする。
別段の定義がされない限り、本願明細書中で使用するすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が共通に理解するのと同じ意味を有する。一般に、本願明細書中で使用される名称は当該技術分野で周知であり、一般に用いられる。「上向き」および「下向き」、「頂部」および「底部」、「〜の上に」および「〜の下に」または「上側」または「下側」などの方向付けの用語は、装置の使用中における部分の方向付けを指す。ある用語が単数形で提示される場合、本発明者らはその用語の複数形も企図している。参照により援用される引用文献で使用される用語および定義において不一致が存在する場合、本願で使用される用語は、本願明細書で提示される定義を有するものとする。本開示全体で用いられる場合、以下の用語は、特に示されない限り、以下の意味を有すると理解されるものとする。
本願明細書で使用する場合の用語「常温」は、約20℃〜約25℃の範囲の温度を指す。本願明細書で使用する場合の用語「室温」は、約20℃〜約25℃の範囲の温度を指す。
用語「タンパク質(1種または複数種)」は、本願明細書で使用する場合、全長タンパク質、タンパク質断片、未変性の状態のタンパク質または変性されたタンパク質を含む。タンパク質の混合物は、全長タンパク質の混合物、タンパク質断片の混合物、または全長タンパク質およびタンパク質断片の混合物であってよい。タンパク質は酸性のものであってもよいし、塩基性のものであってもよく、細胞ライセート由来の混合物として精製することができる。
用語「ペプチド」は、本願明細書で使用する場合、2以上のアミノ酸を含む化合物を指す。これらのアミノ酸は一緒に連結しペプチド鎖を形成する。ペプチドの生物学的産生には20種の異なる天然に存在するアミノ酸が関係し、任意の数のそれらアミノ酸を任意の順序で連結して、ペプチド鎖を形成することができる。ペプチドの生物学的産生で用いられる天然に存在するアミノ酸はすべてL−配置を有する。合成ペプチドは、従来の合成方法を用いて、L−アミノ酸、D−アミノ酸またはこの2つの異なる配置のアミノ酸の種々の組み合わせを用いて調製することができる。一部のペプチド鎖は数個のアミノ酸単位のみを含む。例えば10個未満のアミノ酸単位を有する短いペプチド鎖は「オリゴペプチド」と呼ばれることがあり、この接頭辞「オリゴ」は「数個の」を表す。他のペプチド鎖は例えば、100個までまたはこれより多くの非常に多くのアミノ酸単位を含み、「ポリペプチド」と呼ばれる。ここで、接頭辞「ポリ」は「多くの」を表す。一定数のアミノ酸単位を含むさらなる他のペプチド鎖は、鎖中の単位の一定数を表す接頭辞を用いて呼ばれる。例えば、オクタペプチドでは、接頭辞「オクタ」は8を表す。慣例として、「ポリペプチド」は3以上のアミノ酸を含む任意のペプチド鎖と考えることができ、一方、「オリゴペプチド」は、通常は特定の種類の「短い」ポリペプチド鎖と考えられる。従って、本願明細書で使用する場合、「ポリペプチド」と言うときはいつも、オリゴペプチドも含むことを理解されたい。さらに、「ペプチド」と言うときはいつもポリペプチド、オリゴペプチドを含む。アミノ酸の各々異なる配置によって、異なるポリペプチド鎖が形成される。特定の限定を意図しない例では、このポリペプチドは40〜4000個のアミノ酸、50〜3000個のアミノ酸、または75〜2000個のアミノ酸を含む。
「蛍光性部分」の用語「フルオロフォア」は、本願明細書で使用する場合、本質的に蛍光性である化合物、化学基、または組成物を指す。フルオロフォアは、フルオロフォアの溶解性、スペクトル特性または物理的特性を変える置換基を含むことができる。多数のフルオロフォアは、当業者に公知であり、クマリン、シアニン、ベンゾフラン、キノリン、キナゾリノン、インドール、フラン、ベンズアゾール、ボラポリアザインダセンおよびキサンテン(フルオレセイン、ローダミンおよびロドールを含む)、ならびにRICHARD P. HAUGLAND、MOLECULAR PROBES HANDBOOK OF FLUORESCENT PROBES AND RESEARCH CHEMICALS(第9版、CD−ROM、2002年9月)に記載されている他のフルオロフォアが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本願明細書で使用する場合の用語「蛍光発生性」は、プロトン化または生物学的化合物もしくは金属イオンへの結合、または酵素による代謝の際に蛍光性となるかまたは蛍光の変化を呈する化合物、化学基、または組成物を指す。蛍光発生性化合物、基または組成物はまた、反応性基に共有結合で連結した際にも蛍光性となる。
用語「標識の均一性」は、本願明細書で使用する場合、当該タンパク質またはタンパク質断片上の利用可能な反応性部位の標識の程度(degree of labeling)を指す。
用語「反応性基」は、本願明細書で使用する場合、適切な反応条件下で別の化学基と反応して共有結合を形成することができる、すなわち共有結合形成反応性であり、かつ一般に別の物質の結合点を表す基を指す。反応性基には、一般に求核剤、求電子剤および光活性化可能な基が含まれる。反応性基の例としては、オレフィン、アセチレン、アルコール、フェノール、エーテル、オキシド、ハロゲン化物、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステル、アミド、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、アミン、ヒドラジン、ヒドラゾン、ヒドラジド、ジアゾ、ジアゾニウム、ニトロ、ニトリル、メルカプタン、スルフィド、ジスルフィド、スルホキシド、スルホン、スルホン酸、スルフィン酸、アセタール、ケタール、無水物、スルフェート、スルフェン酸、イソニトリル、アミジン、イミド、イミデート(imidate)、ニトロン、ヒドロキシルアミン、オキシム、ヒドロキサム酸、チオヒドロキサム酸、アレン、オルトエステル、スルファイト(sulfite)、エナミン、イナミン、尿素、プソイド尿素(pseudourea)、セミカルバジド、カルボジイミド、カルバメート、イミン、アジド、アゾ化合物、アゾキシ化合物、およびニトロソ化合物が挙げられるが、これらに限定されない。反応性官能基としては、バイオコンジュゲートを調製するために使用されるもの、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、マレイミドなども挙げられる。これらの官能基の各々を調製するための方法は、当該技術分野で周知であり、特定の目的のためにそれらを適用することまたは修正することは、当業者の能力の範囲内である(例えば、SandlerおよびKaro編、Organic Functional Group Preparations、Academic Press、San Diego、1989を参照)。
本願明細書で使用する場合の用語「検出可能な応答」とは、観察または計測のいずれかによって直接または間接的に検出可能なシグナルの発生または変化を指す。典型的には、検出可能な応答は、吸光度もしくは蛍光の波長分布パターンまたは強度の変化、あるいは光散乱、蛍光寿命、蛍光偏光、あるいはこれらのパラメータの組合せの変化をもたらす光学応答である。
本願明細書で使用する場合の用語「色素」とは、光を発して観察可能な検出可能なシグナルを生成する化合物を指す。
本願明細書中で使用する場合の用語「キット」とは、関連する構成成分、通常は1以上の化合物または組成物のパーケージ化されたセットを指す。
用語「標識」は、本願明細書中で使用する場合、標的または化合物に付けられて本発明の方法で使用したときに、(例えば、スペクトル特性、コンホメーションまたは活性に起因して)直接的にまたは間接的に検出可能な化学的部分またはタンパク質を指し、これにはレポーター分子、固体支持体および担体分子が含まれる。本願明細書で使用する場合、標識は総称してレポーター分子、固体支持体または担体分子を指す。この標識は、直接検出可能(フルオロフォア)であってもよいし、間接的に検出可能(ハプテンまたは酵素)であってもよい。かかる標識としては、放射線計測装置を用いて測定することができる放射活性標識;視覚的に観察することができるか、または分光光度計を用いて測定することができる色素(pigment)、色素(dye)または他の色原体;スピン標識分析器を用いて測定することができるスピン標識;および蛍光標識(フルオロフォア)が挙げられるが、これらに限定されない。これらの場合、出力シグナルは適切な分子付加体の励起によって生成され、そしてそれは、その色素が吸収する光を用いて励起することにより可視化することができるし、または例えば標準的な蛍光光度計または撮像システムを用いて測定することができる。この標識は、化学発光物質(この場合、出力シグナルはシグナル化合物の化学修飾により生成される)、金属含有物質、または酵素(この場合は、シグナルの酵素依存性二次生成(例えば無色の基質からの着色生成物の生成)が起こる)であってもよい。用語「標識」はまた、接合分子を基質とともに後に添加した場合に、接合分子が検出可能なシグナルを生成するために使用されるようにその接合分子に選択的に結合することができる「タグ」またはハプテンをも指す。例えば、タグとしてビオチンを使用し、次いでこのタグに結合するために西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)のアビジン接合体またはストレプトアビジン接合体を使用し、次いで発色基質(例えばテトラメチルベンジジン(TMB))または蛍光発生性基質(例えばAmplex Red試薬(モレキュラープローブ社(Molecular Probes,Inc.))を使用してHRPの存在を検出することができる。多数の標識が当業者には公知であり、粒子、フルオロフォア、ハプテン、酵素、およびそれらの発色基質、蛍光発生基質、化学発光基質ならびにRICHARD P. HAUGLAND、MOLECULAR PROBES HANDBOOK OF FLUORESCENT PROBES AND RESEARCH PRODUCTS(第10版,CD−ROM,2005年9月)(前出)に記載される他の標識が挙げられるが、これらに限定されない。
本願明細書で使用する場合、用語「迅速な標識」は、2時間未満で、より好ましくは1時間未満で完結することができる方法を使用してタンパク質を蛍光標識することを指す。ある実施形態では、本願明細書に記載されるタンパク質標識方法は、30分未満、好ましくは20分未満、さらにより好ましくは10分未満で完結する。ある実施形態では、本願明細書に記載されるタンパク質標識方法は、1〜5分未満で完結する。
概して、本発明の理解を容易にするために、全タンパク質標識および発現タグ標識が最初に詳細に説明され、次いでこれらの標識が使用される多くの変更された方法が説明され、次に例示となる使用方法が説明される。
タンパク質を標識するための方法
タンパク質分析のための方法および組成物であって、注目するタンパク質を含むタンパク質の混合物がアミン反応性蛍光色素もしくはチオール反応性蛍光色素と接触、または別の様式で混合され、これによりこのタンパク質を蛍光標識し、存在する全タンパク質の測定が可能となる方法および組成物が、本願明細書で開示される。加えて、この混合物は、注目するタンパク質に付けられたタグに結合する第2の蛍光性部分と接触、または別の様式で混合され、これにより注目するタンパク質の測定値が得られる。この第2の蛍光性部分は、注目するタンパク質に付けられたタグに結合する蛍光色素、または注目するタンパク質に付けられたタグに結合した後に蛍光性となる蛍光発生性試薬である。次いでかかる標識されたタンパク質は、電気泳動による方法、クロマトグラフィによる方法、またはこれらの組合せなどの手法を使用して分離される。この2つの蛍光性部分は、異なる発光特性を有し、これにより二重の蛍光測定が可能になる。この方法はさらに、2つの蛍光測定値を比較して、その混合物中に存在する他のタンパク質に対する注目するタンパク質の測定値を得る工程を含む。ある実施形態では、かかる方法は、タンパク質発現分析のために使用され、その2つの蛍光測定結果の比較から注目するタンパク質の発現のレベルの測定値が得られる。
タンパク質分析のための方法および組成物であって、注目するタンパク質を含むタンパク質の混合物がアミン反応性蛍光色素もしくはチオール反応性蛍光色素と接触、または別の様式で混合され、これによりこのタンパク質を蛍光標識し、存在する全タンパク質の測定が可能となる方法および組成物が、本願明細書で開示される。加えて、この混合物は、注目するタンパク質に付けられたタグに結合する第2の蛍光性部分と接触、または別の様式で混合され、これにより注目するタンパク質の測定値が得られる。この第2の蛍光性部分は、注目するタンパク質に付けられたタグに結合する蛍光色素、または注目するタンパク質に付けられたタグに結合した後に蛍光性となる蛍光発生性試薬である。次いでかかる標識されたタンパク質は、電気泳動による方法、クロマトグラフィによる方法、またはこれらの組合せなどの手法を使用して分離される。この2つの蛍光性部分は、異なる発光特性を有し、これにより二重の蛍光測定が可能になる。この方法はさらに、2つの蛍光測定値を比較して、その混合物中に存在する他のタンパク質に対する注目するタンパク質の測定値を得る工程を含む。ある実施形態では、かかる方法は、タンパク質発現分析のために使用され、その2つの蛍光測定結果の比較から注目するタンパク質の発現のレベルの測定値が得られる。
タンパク質分析のための方法であって、注目するタンパク質を含むタンパク質の混合物が、当該タンパク質上のアミン基またはチオール基と反応した後に蛍光性となるアミン反応性蛍光発生性試薬と接触、または別の様式で混合され、これにより当該タンパク質を蛍光標識して、存在する全タンパク質の測定が可能になる方法もまた、本願明細書に開示される。加えて、この混合物は、注目するタンパク質に付けられたタグに結合する第2の蛍光性部分と接触または別の様式で混合され、これにより注目するタンパク質の測定値が得られる。この第2の蛍光性部分は、注目するタンパク質に付けられたタグに結合する蛍光色素、または注目するタンパク質に付けられたタグに結合した後に蛍光性となる蛍光発生性試薬である。次いでかかる標識されたタンパク質は、電気泳動による方法、クロマトグラフィによる方法、またはこれらの組合せなどの手法を使用して分離される。この2つの蛍光性部分は異なる発光特性を有し、これにより二重の蛍光測定が可能になる。この方法はさらに、この2つの蛍光測定値を比較して、その混合物中に存在する他のタンパク質に対する注目するタンパク質の測定値を得る工程を含む。ある実施形態では、かかる方法は、タンパク質発現分析のために使用され、その2つの蛍光測定結果の比較から注目するタンパク質の発現のレベルの測定値が得られる。
かかる方法における2つの蛍光性部分は同じ励起源から生じる同じ励起波長で励起することができ、またはこの2つの蛍光性部分は異なる励起源から生じる異なる励起波長で励起することができる。加えて、この2つの蛍光性部分は異なる励起源から生じる同じ励起波長で励起することができ、またはこの2つの蛍光性部分は1つの励起源から生じる異なる励起波長で励起することができる。
タンパク質分析のための方法であって、タンパク質、タンパク質断片またはタンパク質の混合物が当該タンパク質、タンパク質断片またはタンパク質の混合物上のアミン基と反応した後に蛍光性となるアミン反応性蛍光発生性試薬と接触、または別の様式で混合される方法が、さらに本願明細書に開示される。次いでかかる標識されたタンパク質は、電気泳動による方法、クロマトグラフィによる方法、またはこれらの組合せを使用して分離される。かかるタンパク質分析方法で使用されるタンパク質を蛍光標識するための方法によって、変性条件下での分析のためのタンパク質を還元しつつも蛍光発生性試薬を使用する効率的なタンパク質の標識が可能になる。変性条件下での分析のために使用される手法としては、SDS−PAGE分析が挙げられるが、これに限定されない。
他の実施形態は、注目するタンパク質を含みうるタンパク質の混合物を含む試料を沈殿させ、次いで本願明細書に記載される標識溶液中でその試料を再構成する工程を含む。このさらなる沈殿工程は、最初の試料中に存在した邪魔する可能性がある化学成分または求められていない化学成分を取り除き得る。あるいは、またはこの沈殿工程に加えて、そのタンパク質またはタンパク質の混合物は、標識に対する何らかの還元剤の負の影響を排除するために、標識する前にジメチルアクリルアミド(DMA)などの当該技術分野で公知のアルキル化剤を使用してアルキル化されてもよい。
本願明細書に記載される方法を使用して標識されるタンパク質、タンパク質断片またはタンパク質の混合物は、改善された標識効率を有し、標識の均一性は70%〜100%とすることができる。ある実施形態では、標識の均一性は75%〜100%である。他の実施形態では、標識の均一性は80%〜100%である。他の実施形態では、標識の均一性は85%〜100%である。他の実施形態では、標識の均一性は90%〜100%である。ある実施形態では、標識の均一性は95%〜100%である。他の実施形態では、標識の均一性は98%より大きい。標識の均一性は、同一のタンパク質が標識されていない場合に得られるバンド幅に対して、かかる標識されたタンパク質がスラブゲル電気泳動を使用して分離された場合の、最小限のバンドの広がりの存在によって特徴付けられる。加えて、標識の均一性は、同一のタンパク質が標識されていない場合に得られるバンドの広がりに対して、かかる標識されたタンパク質がキャピラリー電気泳動を使用して分離された場合の、最小化されたバンドの広がりによって特徴付けられる。加えて、改善された標識の均一性は、あるタンパク質が標識されていない場合に得られる泳動に対する、その同一のタンパク質が標識された後のそのタンパク質の泳動に対する最小の影響によって特徴付けられる。
本願明細書に記載される標識方法のある実施形態では、標識されたタンパク質を未標識のタンパク質と比較した場合、バンド幅またはバンドの移動において視覚的に観察できる差異はない。ある実施形態では、ゲルの画像上のバンドを数値化し、数値として測定し、未標識のタンパク質について得られるバンドと比較した場合に、標識されたタンパク質のバンド幅またはバンドの移動の差異は±20%である。ある実施形態では、ゲルの画像上のバンドを数値化し、数値として測定し、未標識のタンパク質について得られるバンドと比較した場合に、標識されたタンパク質のバンド幅またはバンドの移動の差異は±10%である。ある実施形態では、ゲルの画像上のバンドを数値化し、数値として測定し、未標識のタンパク質について得られるバンドと比較した場合に、標識されたタンパク質のバンド幅またはバンドの移動の差異は±5%である。かかる実施形態では、分離されたタンパク質のバンドの厚さおよび見かけの分子量は蛍光発生性色素の存在によっては影響を受けない。
本願明細書に記載される標識および分析方法では、タンパク質またはタンパク質の混合物は分離の前に標識され、これによりあらゆる後標識または染色のプロセスの必要性が取り除かれる。その結果、かかる方法によって、試料中に存在するタンパク質発現および全タンパク質の迅速な分析が可能になる。例えば、本願明細書に記載される標識方法は、免疫ブロット法(すなわち、ウエスタンブロッティング/転写(トランスファー))と適合しており、感度の著しい(10倍もの)増加にもつながり得る。標識後の他の応用としては、質量分析を挙げることもできる。加えて、本願明細書に記載される方法によって、ゲルの乾燥なしに、ブロッティングなしに、および高価で複雑な設備なしに、タンパク質、タンパク質断片またはタンパク質の混合物のインゲル(in−gel)検出が可能になる。
全タンパク質標識についてのアミン反応性蛍光発生性試薬を使用するタンパク質分析
アミン反応性蛍光発生性試薬を使用する全タンパク質分析のための方法の1つの態様では、当該タンパク質、タンパク質断片またはタンパク質の混合物は、最初に、約pH 8〜約pH 10の間のpHを有する第1のバッファーと、アミン反応性蛍光発生性試薬と、シアン化アルカリと、任意にアニオン性界面活性剤とを含む組成物と混合される。任意に、このシアン化アルカリは、アセトンシアノヒドリンまたはニトリル(マンデロニトリルなど)などのより無毒な代替物で置き換えることができる。この最初の工程で使用される第1のバッファーは、一級または二級アミン部分を有するバッファー化合物または添加剤を含まない。しかしながら、本願明細書に記載される方法は、当該タンパク質試料の中にすでに存在している可能性がある低レベルのアミンは許容できる。次いでこの第1の反応混合物は、第1のインキュベーション温度で第1のインキュベーション時間インキュベーションされ、その後、第1のバッファーよりも大きい緩衝能を有する第2のバッファーと混合され、これにより約pH 6〜約pH 9の間のpHが維持される。第2のバッファーの添加後に還元剤が任意に加えられてもよく、そして得られた混合物は第2のインキュベーション温度で第2のインキュベーション時間インキュベーションされる。当該タンパク質、タンパク質断片またはタンパク質の混合物は蛍光標識されたことになり、電気泳動による方法、クロマトグラフィによる方法、またはこれらの組合せを使用して分離することができる。
アミン反応性蛍光発生性試薬を使用する全タンパク質分析のための方法の1つの態様では、当該タンパク質、タンパク質断片またはタンパク質の混合物は、最初に、約pH 8〜約pH 10の間のpHを有する第1のバッファーと、アミン反応性蛍光発生性試薬と、シアン化アルカリと、任意にアニオン性界面活性剤とを含む組成物と混合される。任意に、このシアン化アルカリは、アセトンシアノヒドリンまたはニトリル(マンデロニトリルなど)などのより無毒な代替物で置き換えることができる。この最初の工程で使用される第1のバッファーは、一級または二級アミン部分を有するバッファー化合物または添加剤を含まない。しかしながら、本願明細書に記載される方法は、当該タンパク質試料の中にすでに存在している可能性がある低レベルのアミンは許容できる。次いでこの第1の反応混合物は、第1のインキュベーション温度で第1のインキュベーション時間インキュベーションされ、その後、第1のバッファーよりも大きい緩衝能を有する第2のバッファーと混合され、これにより約pH 6〜約pH 9の間のpHが維持される。第2のバッファーの添加後に還元剤が任意に加えられてもよく、そして得られた混合物は第2のインキュベーション温度で第2のインキュベーション時間インキュベーションされる。当該タンパク質、タンパク質断片またはタンパク質の混合物は蛍光標識されたことになり、電気泳動による方法、クロマトグラフィによる方法、またはこれらの組合せを使用して分離することができる。
第2のバッファーの緩衝能は、第1のバッファーの緩衝能の1×〜20×の範囲にあるようにできる。ある実施形態では、当該第2のバッファーの緩衝能は第1のバッファーの緩衝能の少なくとも2×、少なくとも3×、少なくとも4×、少なくとも5×、少なくとも6×、少なくとも7×、少なくとも8×、少なくとも9×、少なくとも10×、少なくとも11×、少なくとも12×、少なくとも13×、少なくとも14×、少なくとも15×、少なくとも16×、少なくとも17×、少なくとも1×、少なくとも19×または少なくとも20×である。ある実施形態では、当該第2のバッファーの緩衝能は、第1のバッファーの緩衝能の2×〜20×の間、3×〜20×の間、4×〜20×の間、5×〜20×の間、6×〜20×の間、7×〜20×の間、8×〜20×の間、9×〜20×の間、10×〜20×の間、15×〜20×の間、および10×〜25×の間である。
図1は、本願明細書に記載されるアミン反応性蛍光発生性試薬を使用する全タンパク質標識および分析のための方法の概略図を示す。かかる方法は、変性剤を存在させずにタンパク質をその「未変性の」状態で標識することを含むか、または変性されたタンパク質が本願明細書に記載されるかかる方法を使用して標識される。加えて、この標識された未変性のタンパク質または標識された変性されたタンパク質は、それぞれNative PAGEまたはSDS PAGE電気泳動方法を使用する分離の前に、任意に還元されてもよい。
図2は、アミン反応性蛍光発生性試薬を使用するタンパク質標識および分析方法の実施形態の概略図を示す。かかる実施形態では、炭酸塩バッファー(pH 約9)中のATTO−TAG FQ(商標)(インビトロジェン社(Invitrogen Corp.)、カールスバッド(Carlsbad))、マンデロニトリルの混合物がタンパク質試料(0.1〜10mg/mLの濃度範囲)に加えられる。LDSおよびショ糖は、任意にこの混合物に加えられる。この反応混合物は室温(RT)で0〜30分間インキュベーションされ、次いでこの反応混合物のpHを約pH 6.5まで下げるためにビス−トリスバッファーが加えられる。この実施形態では、ビス−トリス(Bis−Tris)バッファーは上記炭酸塩バッファーの3倍の緩衝能を有する。タンパク質還元剤(1種または複数種)が任意に加えられ、次いでその反応混合物は70℃で0〜20分間加熱される。この混合物は電気泳動カセットに備えられる電気泳動ゲル中の試料ウェルにロードされ、次いで、この標識されたタンパク質は分離され蛍光撮像検出を使用して可視化される。
かかる標識方法は、タンパク質、タンパク質ラダーおよび/またはタンパク質スタンダードを標識するために使用することができる。例えば、1つの実施形態では、ウシ血清アルブミン(BSA)およびリゾチーム、およびBenchMark(商標)タンパク質ラダー(インビトロジェン、カールスバッド)およびMark12(商標)未着色スタンダード(インビトロジェン、カールスバッド)スタンダード/ラダーがアミン反応性蛍光発生性試薬で標識された。しかしながら、かかる方法を使用して任意のタンパク質、ラダーまたはスタンダードを標識することができる。
かかる標識方法は、細胞ライセートを標識するために使用することができる。図8は、本願明細書に記載される方法を使用してアミン蛍光発生性試薬で種々の時間、E.coliライセートを標識した後に得られたゲル画像を示す。他のライセート(ラット肝臓、HeLa細胞、および他の哺乳動物の細胞ライセートが挙げられるが、これらに限定されない)を、かかる方法を使用して標識することができる。図9は、ラット肝臓ライセートを標識した後に得られたゲル画像を示す。
かかる標識方法は、細胞タンパク質をその「未変性の」状態で標識するために使用することができる。図10は、変性剤(SDSまたはLDSなど)の非存在下でウシ血清アルブミン(BSA)、ミオグロビン、h−IgGおよびE.coliライセートを標識した後に得られたゲル画像を示す。あるいは、かかる標識方法は、細胞タンパク質をその「変性された」状態で標識するために使用することができる。図11は、変性剤(SDSまたはLDSなど)の存在下でウシ血清アルブミン(BSA)、ミオグロビン、h−IgGおよびE.coliライセートを標識した後に得られたゲル画像を示す。
本願明細書に記載されるアミン反応性蛍光発生性試薬を使用するタンパク質標識方法が、ゲル電気泳動で観察されたとおり、シャープなバンドをもたらすことが観察された。バンドのシャープさの効果は、種々の反応物質濃度および標識時間を使用して、本願明細書に記載される方法を使用してアミン反応性蛍光発生性試薬でウシ血清アルブミン(BSA)を標識することによって示された(図12)。これは、8〜10のpHの1種の標識バッファーのみを使用する標準的な標識方法を使用して観察されるバンドのシャープさとは対照的である。
本願明細書に記載される方法を使用してアミン反応性蛍光発生性試薬でタンパク質を標識することは、図13に示されるような分析としてのタンパク質消化について使用してもよく、この場合、標識されたBSAは分解され、得られた消化混合物が分析される。
アミン反応性蛍光色素を用いた蛍光発生性タグ結合試薬を使用するタンパク質発現分析
タンパク質分析(タンパク質発現分析を含む)のために、アミン反応性蛍光色素と組み合わせてタグ結合蛍光発生性試薬/色素を使用する方法の1つの態様では、タグ化された注目するタンパク質を含むタンパク質の混合物を、約pH 8〜約pH 10の間のpHを有する第1のバッファーとアミン反応性蛍光色素とを含む組成物と混合することによって第1の反応混合物が形成される。この最初の工程で使用される第1のバッファーは、一級または二級アミン部分を有するバッファー化合物または添加剤を含まない。しかしながら、本願明細書に記載される方法は、当該タンパク質試料の中にすでに存在している可能性がある低レベルのアミンは許容できる。次いでこの第1の反応混合物は、第1のインキュベーション温度で第1のインキュベーション時間インキュベーションされ、これによってアミン反応性蛍光色素を用いたタンパク質の混合物(タグ化された注目するタンパク質を含む)の標識が生じ、これによりタンパク質混合物中に存在する全タンパク質の測定値が得られる。この第1の反応混合物はさらに、約pH 7〜約pH 10の間のpHを有する第2のバッファー、注目するタンパク質に付けられたタグに結合する蛍光発生性試薬/色素、少なくとも1つの還元剤、および任意のアニオン性界面活性剤と混合され、これにより第2の反応混合物が形成される。次いでこの第2の反応混合物は、第2のインキュベーション温度で第2のインキュベーション時間インキュベーションされ、これにより蛍光発生性試薬/色素は、注目するタンパク質上のタグに結合した際に蛍光性となる。この標識方法は、当該タンパク質の混合物(タグ化された注目するタンパク質を含む)が(アミン蛍光色素に由来する)1つの蛍光性部分で標識され、かつ注目するタンパク質がまた(蛍光発生性試薬に由来する)第2の蛍光性部分でも標識されるということをもたらす。
タンパク質分析(タンパク質発現分析を含む)のために、アミン反応性蛍光色素と組み合わせてタグ結合蛍光発生性試薬/色素を使用する方法の1つの態様では、タグ化された注目するタンパク質を含むタンパク質の混合物を、約pH 8〜約pH 10の間のpHを有する第1のバッファーとアミン反応性蛍光色素とを含む組成物と混合することによって第1の反応混合物が形成される。この最初の工程で使用される第1のバッファーは、一級または二級アミン部分を有するバッファー化合物または添加剤を含まない。しかしながら、本願明細書に記載される方法は、当該タンパク質試料の中にすでに存在している可能性がある低レベルのアミンは許容できる。次いでこの第1の反応混合物は、第1のインキュベーション温度で第1のインキュベーション時間インキュベーションされ、これによってアミン反応性蛍光色素を用いたタンパク質の混合物(タグ化された注目するタンパク質を含む)の標識が生じ、これによりタンパク質混合物中に存在する全タンパク質の測定値が得られる。この第1の反応混合物はさらに、約pH 7〜約pH 10の間のpHを有する第2のバッファー、注目するタンパク質に付けられたタグに結合する蛍光発生性試薬/色素、少なくとも1つの還元剤、および任意のアニオン性界面活性剤と混合され、これにより第2の反応混合物が形成される。次いでこの第2の反応混合物は、第2のインキュベーション温度で第2のインキュベーション時間インキュベーションされ、これにより蛍光発生性試薬/色素は、注目するタンパク質上のタグに結合した際に蛍光性となる。この標識方法は、当該タンパク質の混合物(タグ化された注目するタンパク質を含む)が(アミン蛍光色素に由来する)1つの蛍光性部分で標識され、かつ注目するタンパク質がまた(蛍光発生性試薬に由来する)第2の蛍光性部分でも標識されるということをもたらす。
その結果、当該タンパク質混合物中の一群のタンパク質は、両方の蛍光性部分で蛍光標識された状態となり、他方でその混合物中の残りのタンパク質はアミン反応性蛍光色素のみで標識される。タンパク質混合物を標識することに加えて、かかるタンパク質分析方法はさらに、電気泳動による方法、クロマトグラフィによる方法、またはこれらの組合せを使用してこの蛍光標識されたタンパク質混合物を分離する工程、および蛍光撮像手法を使用して分離されたタンパク質の蛍光を可視化/測定する工程を含む。上記アミン反応性蛍光色素は、注目するタンパク質上のタグに結合した蛍光性部分とは異なるスペクトル発光特性を有し、それゆえ得られた蛍光測定値は、タンパク質混合物中に存在する全タンパク質に対する注目するタンパク質の測定値を得るために比較される。上記アミン反応性蛍光色素および上記タグに結合する蛍光発生性試薬は、同じ励起源によって励起されてもよいし、またはそれらは異なる励起源によって励起されてもよい。かかるタンパク質分析方法のある実施形態では、第1のバッファーは少なくとも1つの還元剤を含み、第2のバッファーは還元剤を含まず、他方、他の実施形態では、第1のバッファーおよび第2のバッファーの両方が少なくとも1つの還元剤を含む。ある実施形態では、かかるタンパク質分析方法はタンパク質発現分析のために使用され、その2つの蛍光性部分の蛍光測定値の比較によって注目するタンパク質のタンパク質発現のレベルの測定値が得られる。
図3は、かかるタンパク質標識および分析方法の1つの実施形態の概略図を示す。この実施形態では、炭酸水素塩バッファー(pH 9.5)中のDDAO−SE(商標)(インビトロジェン社、カールスバッド)の混合物が、同様にテトラシステイン部分を有するペプチドタグでタグ化された注目するタンパク質を含む細胞ライセートに加えられる。この反応混合物は室温(RT)で10分間反応に供され、次いでトリス(Tris)バッファー(pH 8.6)、FlAsH−EDT2(Lumio(商標)Green、インビトロジェン社、カリフォルニア州、カールスバッド)、グリセロール、SDSおよび少なくとも1つの還元剤を含むバッファーが加えられる。追跡用色素および/または標識されたタンパク質スタンダードが任意に加えられ、次いでこの混合物は電気泳動カセットに備えられる電気泳動ゲル中の試料ウェルにロードされ、そこで当該標識されたタンパク質は分離され、蛍光撮像検出を使用して可視化される。
タンパク質分析(タンパク質発現分析を含む)のためにアミン反応性蛍光色素と組み合わせてタグ結合蛍光発生性試薬/色素を使用する方法では、タグ化された注目するタンパク質を含むタンパク質の混合物を、約pH 8〜約pH 10の間のpHを有する第1のバッファーと、注目するタンパク質に付けられたタグに結合するタグ結合蛍光発生性試薬/色素と、少なくとも1つの還元剤と、任意のアニオン性界面活性剤とを含む組成物と混合することによって第1の反応混合物が形成される。この最初の工程で使用される第1のバッファーは、一級または二級アミン部分を有するバッファー化合物または添加剤を含まない。しかしながら、本願明細書に記載される方法は、当該タンパク質試料の中にすでに存在している可能性がある低レベルのアミンは許容できる。次いでこの第1の反応混合物は、第1のインキュベーション温度で第1のインキュベーション時間インキュベーションされ、これによってタグ化された注目するタンパク質の標識が生じ、これによりタンパク質混合物中に存在する注目するタンパク質の測定値が得られる。第1の反応混合物はさらに、約pH 8〜約pH 10の間のpHを有する第2のバッファー、およびアミン反応性蛍光色素と混合され、これにより第2の反応混合物が形成される。次いでこの第2の反応混合物は、第2のインキュベーション温度で第2のインキュベーション時間インキュベーションされ、これによりタンパク質の混合物(タグ化された注目するタンパク質を含む)の標識が生じ、これにより存在する全タンパク質の測定値が得られる。この標識方法は、当該タンパク質の混合物(タグ化された注目するタンパク質を含む)が(アミン蛍光色素に由来する)1つの蛍光性部分で標識され、かつ注目するタンパク質がまた(蛍光発生性試薬に由来する)第2の蛍光性部分でも標識されるということをもたらす。
その結果、当該タンパク質混合物中の一群のタンパク質は、両方の蛍光性部分で蛍光標識された状態となり、他方でその混合物中の残りのタンパク質はアミン反応性蛍光色素のみで標識される。タンパク質混合物を標識することに加えて、かかるタンパク質分析方法はさらに、電気泳動による方法、クロマトグラフィによる方法、またはこれらの組合せを使用してこの蛍光標識されたタンパク質混合物を分離する工程、および蛍光撮像手法を使用して分離されたタンパク質の蛍光を可視化/測定する工程を含む。上記アミン反応性蛍光色素は、注目するタンパク質上のタグに結合した蛍光性部分とは異なるスペクトル発光特性を有し、それゆえ得られた蛍光測定値は、タンパク質混合物中に存在する全タンパク質に対する注目するタンパク質の測定値を得るために比較される。上記アミン反応性蛍光色素および上記タグに結合する蛍光発生性試薬は、同じ励起源によって励起されてもよいし、またはそれらは異なる励起源によって励起されてもよい。かかるタンパク質分析方法のある実施形態では、第1のバッファーは少なくとも1つの還元剤を含み、第2のバッファーは還元剤を含まず、他方、他の実施形態では、第1のバッファーおよび第2のバッファーの両方が少なくとも1つの還元剤を含む。ある実施形態では、かかるタンパク質分析方法はタンパク質発現分析のために使用され、その2つの蛍光性部分の蛍光測定値の比較によって注目するタンパク質のタンパク質発現のレベルの測定値が得られる。
タンパク質分析(タンパク質発現分析を含む)のためにアミン反応性蛍光色素と組み合わせてタグ結合蛍光発生性試薬/色素を使用する方法の別の態様では、タグ化された注目するタンパク質を含むタンパク質の混合物を、約pH 7〜約pH 10の間のpHを有する第1のバッファーと、存在する注目するタンパク質に付けられたタグに結合するタグ結合蛍光発生性試薬/色素と、少なくとも1つの還元剤と、任意のアニオン性界面活性剤とを含む組成物と混合することによって第1の反応混合物が最初に形成される。次いでこの第1の反応混合物は、第1のインキュベーション温度で第1のインキュベーション時間インキュベーションされる。結合した際に、このタグ結合蛍光発生性試薬は蛍光性となり、これにより注目するタンパク質が蛍光標識される。次いでこの第1の混合物は、アミン反応性蛍光色素と混合され、第2のインキュベーション温度で第2のインキュベーション時間インキュベーションされ、これにより当該混合物中のすべてのタンパク質(注目するタンパク質を含む)が標識される。このアミン反応性色素は水溶液またはバッファー、非水系溶媒を含む水溶液、または非水系溶媒中にあってよい。この標識方法は、当該タンパク質の混合物(タグ化された注目するタンパク質を含む)が(アミン蛍光色素に由来する)1つの蛍光性部分で標識され、かつ注目するタンパク質がまた(蛍光発生性試薬に由来する)第2の蛍光性部分でも標識されるということをもたらす。
その結果、当該タンパク質混合物中の一群のタンパク質は、両方の蛍光色素で蛍光標識された状態となり、他方でその混合物中の残りのタンパク質はアミン反応性蛍光色素のみで標識される。次いでこの標識されたタンパク質を含む第2の反応混合物は、電気泳動による方法、クロマトグラフィによる方法、またはこれらの組合せを使用して分離される。当該タンパク質分析方法はさらに、当該分離されたタンパク質の蛍光を、蛍光撮像手法を使用して可視化する工程、およびその2つの蛍光性部分に由来する蛍光を比較する工程を含む。上記アミン反応性蛍光色素は、注目するタンパク質上のタグに結合した蛍光性部分とは異なるスペクトル発光特性を有し、それゆえ得られた蛍光測定値は、タンパク質混合物中に存在する全タンパク質に対する注目するタンパク質の測定値を得るために比較される。上記アミン反応性蛍光色素および上記タグに結合する蛍光発生性試薬は、同じ励起源によって励起されてもよいし、またはそれらは異なる励起源によって励起されてもよい。ある実施形態では、かかるタンパク質分析方法はタンパク質発現分析のために使用され、その2つの蛍光性部分の蛍光測定値の比較によって注目するタンパク質のタンパク質発現のレベルの測定値が得られる。かかるタンパク質分析方法のある実施形態では、第2のバッファーは、少なくとも1つの還元剤を含み、第1のバッファーは還元剤を含まず、他方、他の実施形態では、第1のバッファーおよび第2のバッファーの両方が少なくとも1つの還元剤を含む。ある実施形態では、かかるタンパク質分析方法は、分離工程の前に第2の反応混合物を、約pH 7〜約pH 10の間のpHを有する第2のバッファーと混合する工程を含むことができる。
図4は、かかるタンパク質標識および分析方法の概略図を示す。この図では、ローディングバッファーがタグ化された注目するタンパク質を含むライセートに加えられ、その合物は70℃で3分間インキュベーションされる。インキュベーション後、アミン反応性蛍光色素が加えられ、この混合物は、スラブゲル電気泳動に先立ってさらに室温で10分間インキュベーションされる。あるいは、ローディングバッファーを用いて再懸濁されたペレット化された細胞が70℃で3分間インキュベーションされ、次いでアミン反応性蛍光色素が加えられ、スラブゲル電気泳動に先立ってさらに室温で10分間インキュベーションされる。ある実施形態では、上記ローディングバッファーは、リン酸塩バッファー(pH 8.5)中のFlAsH−EDT2(Lumio(商標)Green、インビトロジェン社、カリフォルニア州、カールスバッド)、グリセロール、SDS、追跡用色素および少なくとも1つの還元剤の混合物であり、上記アミン反応性蛍光色素はBODIPY TR−X SEまたはBODIPY 650/665 SEである。
図17〜19は、かかる方法を使用して標識されたGFPテトラシステインタグを有するタンパク質を含むE.coliライセートについて得られたゲル画像を示す。図17は473nm励起および520nm発光を使用して得られた画像を示し、注目するタンパク質に対する、二ヒ素試薬、FlAsH−EDT2(Lumio(商標)Green、インビトロジェン社、カリフォルニア州、カールスバッド)を用いた標識の特異性を示す。図18は532nm励起および580nm発光を使用して得られた画像を示し、BODIPY TR−X SEを用いた全タンパク質標識を示す。図19は633nm励起および675nm発光を使用して得られた画像を示し、BODIPY 650/665 SEを用いた全タンパク質標識を示す。
図20〜22は、GFPテトラシステインタグを有するタンパク質を含むE.coliライセート、およびCFPテトラシステインタグを有するタンパク質を含む哺乳動物の細胞ライセートについて得られたゲル画像を示す。これらの各々は上記の方法を使用して標識されたものである。図20は、473nm励起および520nm発光を使用して得られた画像を示し、注目するタンパク質に対する、二ヒ素試薬、FlAsH−EDT2(Lumio(商標)Green、インビトロジェン社、カリフォルニア州、カールスバッド)を用いた標識の特異性を示す。図21は、532nm励起および580nm発光を使用して得られた画像を示し、BODIPY TR−X SEを用いた全タンパク質標識を示す。図22は、633nm励起および675nm発光を使用して得られた画像を示し、BODIPY 650/665 SEを用いた全タンパク質標識を示す。
アミン反応性蛍光発生性試薬を用いたタグ結合蛍光発生性試薬/色素を使用するタンパク質発現分析
タンパク質分析(タンパク質発現分析を含む)のためにアミン反応性蛍光発生性試薬と組み合わせてタグ結合蛍光発生性試薬/色素を使用する本願明細書に記載される方法の1つの態様では、タグ化された注目するタンパク質を含むタンパク質の混合物を、約pH 8〜約pH 10の間のpHを有する第1のバッファーと、アミン反応性蛍光発生性試薬と、シアン化アルカリ(またはアセトンシアノヒドリンまたはニトリル(マンデロニトリルなど)などのより毒性の低い代替物)と、任意のアニオン性界面活性剤とを含む組成物と混合することによって、第1の反応混合物が形成される。アセトンシアノヒドリンおよびニトリルはシアン化アルカリよりも好ましい場合がある。なぜなら、それらは著しく低い毒性を有するからである。この最初の工程で使用される第1のバッファーは、一級または二級アミン部分を有するバッファー化合物または添加剤を含まない。しかしながら、本願明細書に記載される方法は、当該タンパク質試料の中にすでに存在している可能性がある低レベルのアミンは許容できる。次いでこの第1の反応混合物は、第1のインキュベーション温度で第1のインキュベーション時間インキュベーションされ、その後、約pH 6〜約pH 9の間のpHを有する第2のバッファーを混合することによって第2の反応混合物が形成される。この第2のバッファーは第1のバッファーよりも大きい緩衝能を有し、これにより第2の反応混合物のpHが約pH 6〜約pH 9に維持される。この第2のバッファーはまた、タンパク質の混合物中に存在する注目するタンパク質に付けられたタグに結合する蛍光発生性試薬/色素、第1のバッファーで使用されるアニオン性界面活性剤と同じであってもよく異なっていてもよい任意のアニオン性界面活性剤、および少なくとも1つの還元剤を含む。この得られる混合物は、第2のインキュベーション温度で第2のインキュベーション時間インキュベーションされ、これにより蛍光発生性試薬は、注目するタンパク質上のタグに結合した際に蛍光性となる。この標識方法は、当該タンパク質の混合物(タグ化された注目するタンパク質を含む)が(アミン蛍光発生性試薬に由来する)1つの蛍光性部分で標識され、注目するタンパク質がまた(タグ結合蛍光発生性試薬に由来する)第2の蛍光性部分でも標識されるということをもたらす。
タンパク質分析(タンパク質発現分析を含む)のためにアミン反応性蛍光発生性試薬と組み合わせてタグ結合蛍光発生性試薬/色素を使用する本願明細書に記載される方法の1つの態様では、タグ化された注目するタンパク質を含むタンパク質の混合物を、約pH 8〜約pH 10の間のpHを有する第1のバッファーと、アミン反応性蛍光発生性試薬と、シアン化アルカリ(またはアセトンシアノヒドリンまたはニトリル(マンデロニトリルなど)などのより毒性の低い代替物)と、任意のアニオン性界面活性剤とを含む組成物と混合することによって、第1の反応混合物が形成される。アセトンシアノヒドリンおよびニトリルはシアン化アルカリよりも好ましい場合がある。なぜなら、それらは著しく低い毒性を有するからである。この最初の工程で使用される第1のバッファーは、一級または二級アミン部分を有するバッファー化合物または添加剤を含まない。しかしながら、本願明細書に記載される方法は、当該タンパク質試料の中にすでに存在している可能性がある低レベルのアミンは許容できる。次いでこの第1の反応混合物は、第1のインキュベーション温度で第1のインキュベーション時間インキュベーションされ、その後、約pH 6〜約pH 9の間のpHを有する第2のバッファーを混合することによって第2の反応混合物が形成される。この第2のバッファーは第1のバッファーよりも大きい緩衝能を有し、これにより第2の反応混合物のpHが約pH 6〜約pH 9に維持される。この第2のバッファーはまた、タンパク質の混合物中に存在する注目するタンパク質に付けられたタグに結合する蛍光発生性試薬/色素、第1のバッファーで使用されるアニオン性界面活性剤と同じであってもよく異なっていてもよい任意のアニオン性界面活性剤、および少なくとも1つの還元剤を含む。この得られる混合物は、第2のインキュベーション温度で第2のインキュベーション時間インキュベーションされ、これにより蛍光発生性試薬は、注目するタンパク質上のタグに結合した際に蛍光性となる。この標識方法は、当該タンパク質の混合物(タグ化された注目するタンパク質を含む)が(アミン蛍光発生性試薬に由来する)1つの蛍光性部分で標識され、注目するタンパク質がまた(タグ結合蛍光発生性試薬に由来する)第2の蛍光性部分でも標識されるということをもたらす。
その結果、当該タンパク質混合物中の一群のタンパク質は、2つの蛍光性部分で蛍光標識された状態となり、他方で当該混合物中の残りのタンパク質はアミン反応性蛍光試薬に由来する1つの蛍光性部分で標識される。タンパク質混合物を標識することに加えて、かかるタンパク質分析方法はさらに、電気泳動による方法、クロマトグラフィによる方法、またはこれらの組合せを使用してこの蛍光標識されたタンパク質混合物を分離する工程、および蛍光撮像手法を使用して分離されたタンパク質の蛍光を可視化/測定する工程を含む。上記アミン反応性蛍光発生性試薬から形成される蛍光性部分は、注目するタンパク質上のタグに結合した蛍光性部分とは異なるスペクトル発光特性を有し、それゆえ得られた蛍光測定値は、タンパク質混合物中に存在する全タンパク質に対する注目するタンパク質の測定値を得るために比較される。上記アミン反応性蛍光発生性試薬から形成される蛍光性部分およびタグに結合する蛍光発生性試薬は、同じ励起源によって励起されてもよいし、またはそれらは異なる励起源によって励起されてもよい。かかるタンパク質分析方法のある実施形態では、上記第1のバッファーは少なくとも1つの還元剤を含み、第2のバッファーは還元剤を含まず、他方、他の実施形態では、第1のバッファーおよび第2のバッファーの両方が少なくとも1つの還元剤を含む。ある実施形態では、かかるタンパク質分析方法はタンパク質発現分析のために使用され、その2つの蛍光性部分の蛍光測定値の比較によって注目するタンパク質のタンパク質発現のレベルの測定値が得られる。
あるいは、タンパク質分析(タンパク質発現分析を含む)のためにアミン反応性蛍光発生性試薬と組み合わせてタグ結合蛍光発生性色素を使用する本願明細書に記載される方法では、タグ化された注目するタンパク質を含むタンパク質の混合物を、約pH 8〜約pH 10のpHを有する第1のバッファーと、タグ結合蛍光発生性色素と、アミン反応性蛍光発生性試薬と、シアン化アルカリまたはアセトンシアノヒドリンまたはニトリルと、任意のアニオン性界面活性剤とを含む組成物と混合することによって、第1の反応混合物が形成される。この最初の工程で使用される第1のバッファーは、一級または二級アミン部分を有するバッファー化合物または添加剤を含まない。しかしながら、本願明細書に記載される方法は、当該タンパク質試料の中にすでに存在している可能性がある低レベルのアミンは許容できる。次いでこの第1の反応混合物は、第1のインキュベーション温度で第1のインキュベーション時間インキュベーションされ、その後、約pH 6〜約pH 9のpHを有する第2のバッファーと混合することによって第2の反応混合物が形成される。この第2のバッファーは第1のバッファーよりも大きい緩衝能を有し、これによりこの第2の反応混合物のpHが約pH 6〜約pH 9に維持される。この第2のバッファーは任意に少なくとも1つの還元剤を含み、またはこの還元剤(1種または複数種)は、この第2の反応混合物を形成した後に加えてもよい。次いでこの第2の混合物は、第2のインキュベーション温度で第2のインキュベーション時間インキュベーションされる。この標識方法では、当該タグ結合蛍光発生性試薬は、注目するタンパク質上のタグに結合した際に蛍光性となり、当該アミン反応性蛍光発生性試薬は、当該タンパク質上のアミン基と反応した際に蛍光性となる。この標識方法は、タンパク質の混合物(タグ化された注目するタンパク質を含む)がアミン反応性蛍光発生性試薬に由来する蛍光性部分で標識され、注目するタンパク質がまた当該タグ結合蛍光発生性試薬に由来する第2の蛍光性部分でも標識されるということをもたらす。
その結果、当該タンパク質混合物中の一群のタンパク質は、2つの蛍光性部分で蛍光標識された状態となり、他方でその混合物中の残りのタンパク質はアミン反応性蛍光色素に由来する1つの蛍光性部分で標識される。タンパク質混合物を標識することに加えて、かかるタンパク質分析方法はさらに、電気泳動による方法、クロマトグラフィによる方法、またはこれらの組合せを使用してこの蛍光標識されたタンパク質混合物を分離する工程、および蛍光撮像手法を使用して分離されたタンパク質の蛍光を可視化/測定する工程を含む。当該アミン反応性蛍光発生性試薬から形成される蛍光性部分は、注目するタンパク質上のタグに結合した蛍光性部分とは異なるスペクトル発光特性を有し、それゆえ得られた蛍光測定値は、タンパク質混合物中に存在する全タンパク質に対する注目するタンパク質の測定値を得るために比較される。当該アミン反応性蛍光発生性試薬から形成される蛍光性部分およびタグに結合する蛍光発生性試薬は、同じ励起源によって励起されてもよいし、またはそれらは異なる励起源によって励起されてもよい。かかるタンパク質分析方法のある実施形態では、第1のバッファーは少なくとも1つの還元剤を含み、第2のバッファーは還元剤を含まず、他方、他の実施形態では、第1のバッファーおよび第2のバッファーの両方が少なくとも1つの還元剤を含む。ある実施形態では、かかるタンパク質分析方法はタンパク質発現分析のために使用され、その2つの蛍光性部分の蛍光測定値の比較によって注目するタンパク質のタンパク質発現のレベルの測定値が得られる。
材料および方法
本願明細書に記載される標識および分析方法で使用される蛍光発生性試薬は、タンパク質、タンパク質断片またはタンパク質の混合物との反応前は非蛍光性であり、当該タンパク質、タンパク質断片またはタンパク質の混合物と反応した後にのみ蛍光標識を形成する。かかる反応としては、当該タンパク質に付けられたタグとの結合、または当該タンパク質上のアミン基との反応が挙げられるが、これらに限定されない。その結果、かかる試薬を使用するタンパク質標識方法は、より低いバックグラウンド蛍光を有することができ、タンパク質検出においてより高い感度を可能にし得る。さらに、かかる方法は、タンパク質を標識するために使用される非蛍光発生性色素について可能であるとおり、いかなる未反応の色素も除去するための徹底的な洗浄を必要としない場合がある。タンパク質を標識するために使用される多くの蛍光色素について、洗浄は、当該ゲル中、特に低分子量領域のバックグラウンド蛍光を減少させるために行われる。
本願明細書に記載される標識および分析方法で使用される蛍光発生性試薬は、タンパク質、タンパク質断片またはタンパク質の混合物との反応前は非蛍光性であり、当該タンパク質、タンパク質断片またはタンパク質の混合物と反応した後にのみ蛍光標識を形成する。かかる反応としては、当該タンパク質に付けられたタグとの結合、または当該タンパク質上のアミン基との反応が挙げられるが、これらに限定されない。その結果、かかる試薬を使用するタンパク質標識方法は、より低いバックグラウンド蛍光を有することができ、タンパク質検出においてより高い感度を可能にし得る。さらに、かかる方法は、タンパク質を標識するために使用される非蛍光発生性色素について可能であるとおり、いかなる未反応の色素も除去するための徹底的な洗浄を必要としない場合がある。タンパク質を標識するために使用される多くの蛍光色素について、洗浄は、当該ゲル中、特に低分子量領域のバックグラウンド蛍光を減少させるために行われる。
ある実施形態では、本願明細書に記載されるタンパク質標識方法の感度は、少なくとも0.2ngのタンパク質である。他の実施形態では、本願明細書に記載されるタンパク質標識方法の感度は、少なくとも0.1ngのタンパク質である。他の実施形態では、本願明細書に記載されるタンパク質標識方法の感度は、少なくとも0.05ngのタンパク質である。他の実施形態では、本願明細書に記載されるタンパク質標識方法の感度は、0.01ngのタンパク質〜0.2ngのタンパク質である。他の実施形態では、本願明細書に記載されるタンパク質標識方法の感度は、0.05ngのタンパク質〜0.2ngのタンパク質である。他の実施形態では、本願明細書に記載されるタンパク質標識方法の感度は、0.1ngのタンパク質〜0.2ngのタンパク質である。
本願明細書に記載されるタンパク質標識方法を使用して得られる検出の感度は図6および図7に示されており、ここでは種々の濃度の標識されたウシ血清アルブミン(BSA)およびリゾチームが電気泳動により分離され検出された。両方の図は、SimplyBlue(商標)SafeStainでの染色を使用して得られた画像と比較して、本願明細書に記載される方法を使用して得られた蛍光画像を示す。
本願明細書に記載されるタンパク質標識方法で使用される蛍光発生性試薬(アミン反応性蛍光発生性試薬およびタグ結合蛍光発生性試薬)の濃度は、50nM〜100mMの範囲にある。ある実施形態では、この濃度は、50nM〜50mMの範囲にある。他の実施形態では、この濃度は、50nM〜25mMの範囲にある。ある実施形態では、この濃度は、50nM〜10mMの範囲にある。ある実施形態では、この濃度は、50nM〜5mMの範囲にある。ある実施形態では、この濃度は、100nM〜10mMの範囲にある。ある実施形態では、この濃度は、100nM〜5mMの範囲にある。ある実施形態では、この濃度は、200nM〜5mMの範囲にある。ある実施形態では、この濃度は、50nM〜100μMの範囲にある。ある実施形態では、この濃度は、1μM〜100μMの範囲にある。ある実施形態では、かかる濃度は、100nM〜200mMの範囲の濃度を有する蛍光発生性試薬の原液の希釈により得られる。ある実施形態では、この原液の濃度は、100mMである。ある実施形態では、この原液の濃度は、50mMである。ある実施形態では、この原液の濃度は、20mMである。ある実施形態では、この原液の濃度は、10mMである。ある実施形態では、この原液の濃度は、1mMである。ある実施形態では、この原液の濃度は、500μMである。ある実施形態では、この原液の濃度は、10μM〜500μMである。ある実施形態では、この原液の濃度は、1μM〜100μMである。ある実施形態では、この原液の濃度は、10μMである。ある実施形態では、この原液の濃度は、100μM〜200μMである。
本願明細書に記載されるタンパク質標識方法で使用されるアミン反応性蛍光発生性試薬としては、アロイル−2−キノリン−カルボキシアルデヒド型試薬が挙げられるが、これらに限定されない。かかる試薬は、米国特許第5,459,272号および同第5,631,374号に記載されており、これらの各々を、参照によりその全体を本願明細書に援用したものとする。例としてのみ示すと、本願明細書に記載される全タンパク質分析方法で使用されるアロイル−2−キノリン−カルボキシアルデヒド試薬は、3−(4−カルボキシベンゾイル)キノリン−2−カルボキシアルデヒドまたは3−(2−フロイル)キノリン−2−カルボキシアルデヒド)である。ある実施形態では、このアミン反応性蛍光発生性試薬は3−(2−フロイル)キノリン−2−カルボキシアルデヒド)であり、他方、他の実施形態では、このアミン反応性蛍光発生性試薬は3−(4 カルボキシベンゾイル)−キノリン−2−カルボキシアルデヒドである。
本願明細書に記載される蛍光色素は、当該タンパク質上の官能基(アミン基またはチオール基が挙げられるが、これらに限定されない)への接合の結果として、直接的にまたは間接的に、当該試料に検出可能なシグナルをもたらすためのレポーター分子としての機能を果たす。これは、一般に当該試料の全タンパク質のサブセットの検出と組み合わせて、試料中の全タンパク質を検出する能力をもたらす。かかる例では、この全タンパク質標識は、当該試料中の全タンパク質のサブセットを標識する色素と区別して、検出可能である。
この検出可能な応答が蛍光応答である場合、それは、典型的には蛍光の変化、例えば強度、励起波長もしくは発光波長、蛍光の分布、蛍光寿命、蛍光偏光、またはこれらの組み合わせの変化である。
当該蛍光色素は、当業者に公知の任意のフルオロフォアであってよい。本願明細書に記載される全タンパク質標識に適切であり得る実に様々なフルオロフォアは、すでに当該技術分野で公知である(RICHARD P.HAUGLAND、MOLECULAR PROBES HANDBOOK OF FLUORESCENT PROBES AND RESEARCH PRODUCTS(2002))。本願明細書に記載される方法および組成物で使用される蛍光色素は、280nmより長波長側で吸収極大を示す任意の化学部分である。かかる化学部分としては、ピレン、スルホン化ピレン、スルホン化クマリン、スルホン化カルボシアニン、スルホン化キサンテン、アントラセン、ナフタレン、アクリジン、スチルベン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾインドール、オキサゾールまたはベンゾキサゾール、チアゾールまたはベンゾチアゾール、4−アミノ−7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール(NBD)、カルボシアニン、カルボスチリル、ポルフィリン、サリチレート、アントラニレート(anthranilate)、アズレン、ペリレン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、クロメン、ボラポリアザインダセン(borapolyazaindacene)、キサンテン、フルオレセイン、ロサミン(rosamine)、ローダミン、ローダミン、ベンゾフルオレセインまたはジベンゾフルオレセイン、セミナフトフルオレセイン、ナフトフルオレセイン、ビマン(bimane)、オキサジンまたはベンゾオキサジン、カルバジン(carbazine)、フェナレノン、クマリン、ベンゾフラン、ベンゾフェナレノン)およびこれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。本願明細書で使用する場合、オキサジンには、レゾルフィン、アミノオキサジノン、ジアミノオキサジン、およびそれらのベンゾ置換類似体が含まれる。
1つの態様では、上記蛍光色素は、1以上の芳香族環または複素芳香族環を含み、これは、ハロゲン、ニトロ、スルホ、シアノ、アルキル、ペルフルオロアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリールアルキル、アシル、アリールまたはヘテロアリール環系、ベンゾ、または当該技術分野で公知の発色団もしくはフルオロフォア上に典型的に存在する他の置換基を含めた(これらに限定されない)様々な置換基によって1回以上任意に置換されている。1つの態様では、このフルオロフォアは1以上のジュロリジン(julolidine)環を含むキサンテンである。
例示となる実施形態では、上記色素は、水素、ハロゲン、アミノ、置換アミノ、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アルコキシ、スルホ、反応性基、固体支持体および担体分子からなる群から選択される置換基によって独立に置換される。別の実施形態では、本発明のキサンテン色素は、キサンテンの中央環の炭素原子上で、キサンテン系色素で典型的に見出される置換基(フェニルおよび置換フェニル部分など)によって置換された化合物および置換されていない化合物の両方を含む。最も好ましい色素は、ローダミン、フルオレセイン、ボラポリアザインダセン、インドールおよびこれらの誘導体である。
ある実施形態では、上記全タンパク質標識および発現タグ標識(タグ結合蛍光発生性試薬)は化学的に反応性であり、少なくとも1つの反応性基によって置換されている。この反応性基は、タンパク質上のアミン基またはタンパク質上の発現タグなどのように、別の部分に対する結合部位として機能し、この場合、この反応性基は当該タンパク質上の適切な反応性または官能基と化学反応する。
例示となる実施形態では、全タンパク質標識および発現タグ標識は、アクリルアミド、カルボン酸の活性化エステル、カルボン酸エステル、アシルアジド、アシルニトリル、アルデヒド、ハロゲン化アルキル、無水物、アニリン、アミン、ハロゲン化アリール、アジド、アジリジン、ボロナート、ジアゾアルカン、ハロアセトアミド、ハロアルキル、ハロトリアジン、ヒドラジン、イミドエステル、イソシアネート、イソチオシアネート、マレイミド、ホスホロアミダイト、光活性化可能な基、反応性白金錯体、ハロゲン化シリル、ハロゲン化スルホニル、およびチオールから選択されるメンバーである反応性基をさらに含む。特定の実施形態では、この反応性基は、カルボン酸、カルボン酸のスクシンイミジルエステル、ヒドラジド、アミンおよびマレイミドからなる群から選択される。この反応性基は、標識上の任意の適切な部位に付けられてよい。典型的には、この反応性基と全タンパク質標識または発現タグ標識との間の接合反応によって、当該反応性基の1以上の原子が、この全タンパク質標識および発現タグ標識を当該タンパク質に付ける新しい結合に組み込まれるということが生じる。求電子性基および求核性基の反応で共有結合が得られる官能基および結合の選択された例が表1に示されている。
この全タンパク質標識または発現タグ標識を接合されるべきタンパク質に付けるために使用される反応性基は、典型的には、接合されるべき物質上の反応性基または官能基および所望の共有結合の種類または長さに依存して、選択される。有機物質または無機物質(生体分子または非生体分子)上に典型的に存在する官能基の種類としては、アミン、アミド、チオール、アルコール、フェノール、アルデヒド、ケトン、ホスフェート、イミダゾール、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、二置換アミン、ハロゲン化物、エポキシド、ハロゲン化シリル、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、プリン、ピリミジン、カルボン酸、オレフィン結合、またはこれらの基の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。タンパク質では、様々な部位が存在することがあり、その例としてはアミン、チオール、アルコールおよびフェノールが挙げられるが、これらに限定されない。
反応性基を含む全タンパク質標識は、配列非依存的蛍光色素または配列非依存的蛍光発生性色素とも呼ばれることがある。
典型的には、上記反応性基はアミン、チオール、アルコール、アルデヒドまたはケトンと反応するであろう。1つの実施形態では、この反応性基はアクリルアミド、カルボン酸の活性化エステル、アシルアジド、アシルニトリル、アルデヒド、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化シリル、無水物、アニリン、ハロゲン化アリール、アジド、アジリジン、ボロナート、ジアゾアルカン、ハロアセトアミド、ハロトリアジン、ヒドラジン(ヒドラジドを含む)、イミドエステル、イソシアネート、イソチオシアネート、マレイミド、ホスホロアミダイト、ハロゲン化スルホニル、またはチオール基である。
1つの態様では、当該化合物はアミン基と選択的に反応する少なくとも1つの反応性基を含む。このアミン反応性基は、スクシンイミジルエステル、ハロゲン化スルホニル、テトラフルオロフェニルエステルおよびイソチオシアネートからなる群から選択される。従って、1つの態様では、当該全タンパク質標識および発現タグ標識は、タンパク質中のアミン含有分子と共有結合を形成する。別の態様では、当該化合物は、チオール基と選択的に反応する少なくとも1つの反応性基を含む。このチオール反応性基は、マレイミド、ハロアルキルおよびハロアセトアミドからなる群から選択される。
上記反応性基が、カルボン酸のスクシンイミジルエステルなどのカルボン酸の活性化エステル、ハロゲン化スルホニル、テトラフルオロフェニルエステルまたはイソチオシアネートである場合、得られた化合物はタンパク質、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、またはハプテンの接合体を調製するのに特に有用である。上記反応性基がマレイミド、ハロアルキルまたはハロアセトアミドである場合、得られた化合物はチオール含有物質への接合に特に有用である。上記反応性基がヒドラジドである場合、得られた化合物は、過ヨウ素酸塩で酸化された糖質および糖タンパク質への接合に特に有用である。
例としてのみ示すと、本願明細書に記載されるタンパク質標識方法で使用されるアミン反応性蛍光色素としては、ピレン、スルホン化ピレン、スルホン化クマリン、スルホン化カルボシアニン、スルホン化キサンテン、アントラセン、ナフタレン、アクリジン、スチルベン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾインドール、オキサゾールまたはベンゾキサゾール、チアゾールまたはベンゾチアゾール、4−アミノ−7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール(NBD)、カルボシアニン、カルボスチリル、ポルフィリン、サリチレート、アントラニレート、アズレン、ペリレン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、クロメン、ボラポリアザインダセン、キサンテン、フルオレセイン、ロサミン、ローダミン、ローダミン、ベンゾフルオレセインまたはジベンゾフルオレセイン、セミナフトフルオレセイン、ナフトフルオレセイン、ビマン、オキサジンまたはベンゾオキサジン、カルバジン、フェナレノン、クマリン、ベンゾフラン、ベンゾフェナレノン)およびこれらの誘導体を含む色素が挙げられる。本願明細書で使用する場合、オキサジンには、レゾルフィン、アミノオキサジノン、ジアミノオキサジン、およびこれらのベンゾ置換類似体が含まれる。かかるアミン反応性色素としては、アシルアジド、カルボニルアジド、イソチオシアネート、イソシアネート、スクシンイミジルエステル、カルボン酸エステル、カルボン酸、スクシンイミジルエステル、スルホスクシンイミジルエステル、STPエステル、テトラフルオロフェニルエステル、塩化スルホニル、酸ハロゲン化物、アルデヒド、カルボキシアルデヒド、ジクロロトリアジン、NBD塩化物、またはNBDフッ化物から選択される反応性部分も挙げられる。
本願明細書に記載されるタンパク質標識方法で使用されるかかるアミン反応性蛍光色素としては、Alexa Fluor(登録商標)350、Alexa Fluor(登録商標)405、Alexa Fluor(登録商標)430、Alexa Fluor(登録商標)488、Alexa Fluor(登録商標)500、Alexa Fluor(登録商標)514、Alexa Fluor(登録商標)532、Alexa Fluor(登録商標)546、Alexa Fluor(登録商標)555、Alexa Fluor(登録商標)568、Alexa Fluor(登録商標)594、Alexa Fluor(登録商標)610−X、Alexa Fluor(登録商標)633、Alexa Fluor(登録商標)647、Alexa Fluor(登録商標)660、Alexa Fluor(登録商標)680、Alexa Fluor(登録商標)700、Alexa Fluor(登録商標)750、Alexa Fluor(登録商標)790、AMCA−X、BODIPY(登録商標)630/650、BODIPY(登録商標)650/665、BODIPY(登録商標)FL、BODIPY(登録商標)TMR、BODIPY(登録商標)TR、BODIPY(登録商標)TR−X、Cascade Blue(登録商標)、ジニトロフェニル、フルオレセイン、HEX、JOE、Marina Blue(登録商標)、Oregon Green(登録商標)488、Oregon Green(登録商標)514、Pacific Blue(商標)、Pacific Orange(商標)、Rhodamine Green(商標)、QSY(登録商標)7、QSY(登録商標)9、QSY(登録商標)21、QSY(登録商標)35、ROX、Rhodamine Red(商標)、TET、TAMRA、テトラメチルローダミン、FAM、Texas Red(登録商標)および7−ヒドロキシ−9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン)スクシンイミジルエステル(DDAO−SE)が挙げられるが、これらに限定されない。
本願明細書に記載されるタンパク質標識方法で使用されるアミン反応性蛍光色素の濃度は50nM〜100mMの範囲にある。ある実施形態では、この濃度は、50nM〜50mMの範囲にある。他の実施形態では、この濃度は、50nM〜25mMの範囲にある。ある実施形態では、この濃度は、50nM〜10mMの範囲にある。ある実施形態では、この濃度は、50nM〜5mMの範囲にある。ある実施形態では、この濃度は、100nM〜10mMの範囲にある。ある実施形態では、この濃度は、100nM〜5mMの範囲にある。ある実施形態では、この濃度は、200nM〜5mMの範囲にある。ある実施形態では、この濃度は、50nM〜100μMの範囲にある。ある実施形態では、この濃度は、1μM〜100μMの範囲にある。ある実施形態では、かかる濃度は、100nM〜200mMの範囲の濃度を有する上記蛍光発生性試薬の原液の希釈によって得られる。ある実施形態では、この原液の濃度は、100mMである。ある実施形態では、この原液の濃度は、50mMである。ある実施形態では、この原液の濃度は、20mMである。ある実施形態では、この原液の濃度は、10mMである。ある実施形態では、この原液の濃度は、1mMである。ある実施形態では、この原液の濃度は、500μMである。ある実施形態では、この原液の濃度は、10μM〜500μMである。ある実施形態では、この原液の濃度は、1μM〜100μMである。ある実施形態では、この原液の濃度は、10μMである。ある実施形態では、この原液の濃度は、100μM〜200μMである。
本願明細書に記載されるタンパク質標識方法で使用されるタンパク質に付けられたタグに結合する蛍光発生性試薬/色素は二ヒ素フルオロフォアであり、その例としてはフルオレセインの二ヒ素誘導体(例としてのみ示すと、FlAsH−EDT2(4’−5’−ビス(1,3,2−ジチオアルソラン−2−イル)フルオレセイン−(2,2−エタンジチオール)2)(Lumio(商標)Green、インビトロジェン社、カリフォルニア州、カールスバッド)など)、またはレゾルフィンの二ヒ素誘導体(例としてのみ示すと、ReAsh−EDT2(Lumio(商標)Red、インビトロジェン社、カリフォルニア州、カールスバッド)など)が挙げられ、またはこれらの代わりに酸化された誘導体(ChoXAsH−EDT2またはHoXAsH−EDT2など)であってもよい。加えて、この二ヒ素フルオロフォアは、本願明細書に記載されるモレキュラープローブ(Molecular Probes)(オレゴン州、ユージーン(Eugene))から市販されているAlexa Fluorシリーズ(例としてのみ示すと、Alexa Fluor(登録商標)350、Alexa Fluor(登録商標)430、Alexa Fluor(登録商標)488、Alexa Fluor(登録商標)532、Alexa Fluor(登録商標)546、Alexa Fluor(登録商標)568、Alexa Fluor(登録商標)594、Alexa Fluor(登録商標)663およびAlexa Fluor(登録商標)660など)が挙げられるがこれらに限定されない、他の公知のフルオロフォアの二ヒ素誘導体であってもよい。
この二ヒ素フルオロフォアは、少なくとも約1μM、2μM、3μM、4μM、5μM、10μM、15μM、20μM、30μM、40μM、50μM、100μMまたはこれより高い濃度、かつ約500μM、400μM、300μM、200μM、100μM、90μM、80μM、70μM、60μM、50μM、40μM、30μM、20μM、15μM、10μM、5μM、4μM、3μM、2μMまたは1μM以下の濃度で存在してよい。
かかる蛍光発生性色素が結合するタンパク質に付けられたタグは、テトラシステインペプチドモチーフ、cys−cys−Xn−cys−cys(配列番号1)(式中、各Xは任意の天然アミノ酸、非天然アミノ酸またはこれらの組み合わせであり、かつnは2〜100の整数である)である。ある実施形態では、nは2〜90の整数であり、他方、他の実施形態ではnは2〜80の整数である。ある実施形態では、nは2〜70の整数であり、他方、他の実施形態ではnは2〜60の整数である。ある実施形態では、nは2〜50の整数であり、他方、他の実施形態ではnは2〜40の整数である。ある実施形態では、nは2〜30の整数であり、他方、他の実施形態ではnは2〜20の整数である。ある実施形態では、nは2〜10の整数であり、他方、他の実施形態ではnは2〜5の整数である。かかるモチーフの天然アミノ酸としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、上記テトラシステインタグは、配列CCPGCC(配列番号2)を有する。他の実施形態では、テトラシステインモチーフを含む12アミノ酸のペプチドが使用され、その例としては、アミノ酸配列、AGGCCPGCCGGG(配列番号3)が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、当該タンパク質は単一のテトラシステインタグで標識されていてもよく、または当該タンパク質は複数のテトラシステインタグ(2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20のテトラシステインタグが挙げられるが、これらに限定されない)で標識されていてもよい。かかるタグは、当該タンパク質の一次アミノ酸配列内で互いから離れていてもよいし、またはコンカテマーとして一列に並んで直接多量体を形成してもよい。
ある実施形態では、このテトラシステインペプチドは、配列cys−cys−Xn−cys−X−cys−X(配列番号4)(式中、各Xは任意の天然アミノ酸、非天然アミノ酸またはこれらの組み合わせであり、nは2〜100の整数である)を有する。ある実施形態では、nは2〜90の整数であり、他方、他の実施形態ではnは2〜80の整数である。ある実施形態では、nは2〜70の整数であり、他方、他の実施形態ではnは2〜60の整数である。ある実施形態では、nは2〜50の整数であり、他方、他の実施形態ではnは2〜40の整数である。ある実施形態では、nは2〜30の整数であり、他方、他の実施形態ではnは2〜20の整数である。ある実施形態では、nは2〜10の整数であり、他方、他の実施形態ではnは2〜5の整数である。かかるモチーフの天然アミノ酸としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、このテトラシステインタグは配列CCGGKGNGGCGC(配列番号5)を有する。
このテトラシステインペプチドタグ(1種または複数種)は、標識することが所望されるタンパク質配列内のN末端、C末端、またはインフレーム(in frame)のいずれかで当該タンパク質に組み換え的に融合されてもよく、テトラシステイン融合組換えタンパク質を作製するための発現ベクターは、当業者に公知の手法を使用して容易に構築することができる。ある実施形態では、このテトラシステインタグ化タンパク質は、宿主細胞中(細菌性宿主細胞中、真菌性宿主細胞中、昆虫細胞中、植物細胞中、または哺乳動物細胞中が挙げられるが、これらに限定されない)で、組み換え的に発現される。かかる細菌性宿主細胞としては、任意の属のグラム陰性菌およびグラム陽性菌が挙げられるが、これらに限定されず、例としてのみ示すと、エシェリキア属(Escherichia)の菌種(例えば、大腸菌(E.coli))、クレブシエラ属(Klebsiella)の菌種、ストレプトマイセス属(Streptomyces)の菌種、ストレプトコッカス属(Streptococcus)の菌種、シゲラ属(Shigella)の菌種、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)の菌種、エルウィニア属(Erwinia)の菌種、クレブシエラ属(Klebsiella)の菌種、バチルス属(Bacillus)の菌種(例えば、バチルス・セレウス(B.cereus)、枯草菌(B.subtilis)およびバチルス・メガテリウム(B.megaterium))、セラチア属(Serratia)の菌種、シュードモナス属(Pseudomonas)の菌種(例えば、緑膿菌(P.aeruginosa)およびシュードモナス・シリンゲ(P.syringae))およびサルモネラ属(Salmonella)の菌種(例えば、チフス菌(S.typhi)およびネズミチフス菌(S.typhimurium))が挙げられる。適切な菌株および本発明に適した血清型としては、E.coli血清型K、B、C、およびWを挙げることができる。典型的な細菌性宿主はE.coli菌株K−12である。真菌性宿主細胞としては、例としてのみ示すと、酵母(Saccharomyces cerevisiae)細胞が挙げられ、他方、哺乳動物細胞としては、例としてのみ示すと、ヒト細胞が挙げられる。かかる実施形態では、注目するタンパク質を含むタンパク質試料は、宿主細胞のライセートであり、これは、本願明細書に記載される方法を使用する標識および分析に先立って、未精製であってもよく、部分的に精製されていてもよく、または実質的に精製されていてもよい。
注目するタンパク質を含むタンパク質試料が、翻訳(および、任意に、転写)が実施される無細胞抽出液、またはその部分的に精製されたかもしくは精製された分画である他の実施形態では、このテトラシステインタグ化タンパク質は、生体外で発現される。この抽出液が単一の無細胞抽出液中で共役した転写および翻訳を許容する実施形態(E.coliベースのExpresswayまたはExpressway Plusシステム(インビトロジェン社、カリフォルニア州、カールスバッド)など)では、当該試料は、転写および翻訳が一般的に行われる無細胞抽出液、またはその分画である。あるいは、Gateway(登録商標)テクノロジー(インビトロジェン社、カリフォルニア州、カールスバッド)は、注目する遺伝子をE.coli中で発現するために使用することができる汎用のクローニング技術である。
本願明細書に記載される二ヒ素色素を使用して標識されることになるタンパク質は、テトラシステインモチーフを有する任意のタンパク質であってよい。このテトラシステインタグ(1種または複数種)が融合または接合されているタンパク質は、天然に存在するかまたは天然に存在しないかのいずれかの、標識することが所望される任意のタンパク質であってよい。天然に存在するタンパク質は公知の生物機能を有していてもよくまたはいなくてもよく、発現されることが公知であるかまたはゲノム配列から予想されるに過ぎないものであってもよい。このタンパク質は、天然に存在するものである場合、完全なタンパク質であってもよく、またはその断片のみであってもよい。従って、このテトラシステインタグ化タンパク質は、動物タンパク質(ヒトタンパク質または非ヒト哺乳動物のタンパク質など)、真菌性タンパク質、細菌性タンパク質(真正細菌および古細菌のタンパク質を含む)、植物タンパク質、昆虫タンパク質またはウイルスタンパク質であってよい。
このテトラシステインタグに加えて、他のタンパク質配列を、標識することが所望されるタンパク質に組み換え的に付属させることが有用である場合がある。かかる付加的なタンパク質配列には、リンカーおよび/または短いタグ(エピトープタグが有用である)(FLAGタグ、またはmycタグなど)、または精製に有用な他の配列(ポリヒスチジン(例えば、6×his)タグなど)がある。
あるいは、上記テトラシステインタグ(1種または複数種)は、上記のとおりのごく一般的な(art−routine)接合化学を使用して、標識されるべきタンパク質に化学的に接合することができる。
本願明細書に記載される方法で使用されるインキュベーション温度は、室温、常温、または室温より上の温度、例えば例としてのみ示すと、少なくとも約26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、40℃,50℃、60℃、70℃、80℃などであってよく、90℃、95℃、96℃、97℃、98℃、99℃または100℃であってもよい。本願明細書に記載される方法で使用される第1のインキュベーション温度および第2のインキュベーション温度は、同じであってもよく異なっていてもよい。1つの実施形態では、この第1のインキュベーション温度は20℃〜80℃、より好ましくは25℃〜30℃、さらにより好ましくは常温または室温である。1つの実施形態では、この第2のインキュベーション温度は、20℃〜80℃、より好ましくは65℃〜75℃、さらにより好ましくはおよそ70℃である。別の実施形態では、この第2のインキュベーション温度は常温または室温である。
本願明細書に記載される方法で使用されるインキュベーション時間としては、少なくとも30秒間、少なくとも1分間、少なくとも2分間、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、15分間、20分間、30分間、40分間、50分間、少なくとも1時間、またはこれらのうちの任意の範囲が挙げられるが、これらに限定されない。本願明細書に記載される方法で使用される第1のインキュベーション時間および第2のインキュベーション時間は、同じであってもよく異なっていてもよい。1つの実施形態では、第1のインキュベーション時間は、0〜60分間、好ましくは5〜10分間、さらにより好ましくは室温で5〜10分間である。1つの実施形態では、第2のインキュベーション時間は、0〜20分間、より好ましくはおよそ10分間、さらにより好ましくはおよそ70℃でおよそ10分間である。
本願明細書に記載される方法の任意の試料還元工程は、室温、常温、または室温より上の温度、例えば少なくとも約26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃の温度、さらには90℃、95℃、96℃、97℃、98℃、99℃または100℃という高さの温度で実施することができる。かかる還元工程は、少なくとも30秒間、少なくとも1分間、少なくとも2分間、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、15分間、20分間、30分間、40分間、50分間、または少なくとも1時間進行し得る。
本願明細書に記載される方法のある実施形態では、並行反応で、または標識することが所望されるタンパク質から容易に分離可能である場合は、同じ反応に含めるかのいずれかによって、標識の有効性をモニターするために、対照タンパク質(1種または複数種)が標識されてもよい。
本願明細書に記載される方法のある実施形態では、標識された試料のタンパク質は、一連の蛍光分子量スタンダードと並行して有用に分離することができる。有用なことに、このスタンダードは、当該タンパク質を標識するために使用される少なくとも1つのフルオロフォアに、スペルトル的に適合している。かかるスペクトルの適合は、例えば、当該タンパク質試料を標識するために使用されたのと同じ二ヒ素フルオロフォアと並行して標識されたテトラシステインタグ化タンパク質スタンダードを使用することにより、または当該試料タンパク質を標識するために使用された二ヒ素フルオロフォアまたは他のフルオロフォアにスペルトル的に適合している蛍光性部分を有するスタンダードを使用することにより成し遂げることができる。ある実施形態では、本発明の実施において有用なタンパク質スタンダード(これは、ある態様ではタンパク質ラダーである)としては、組換えタンパク質、組換えタンパク質断片(1種または複数種)、ならびにこれらから誘導される融合タンパク質および多量体の組を含むスタンダードが挙げられる。本発明の実施において有用なスタンダードの例としては、タンパク質スタンダードのBenchmark(商標)ファミリー(インビトロジェン社、カリフォルニア州、カールスバッド)およびMark12(商標)未着色スタンダード(インビトロジェン、カールスバッド)が挙げられる。
本願明細書に記載される方法および組成物は、試料中に存在する蛍光標識されたタンパク質の量を定量するためにも使用することができる。ある実施形態では、本願明細書に記載される方法はさらに、上記二ヒ素フルオロフォアからの蛍光量を定量する工程を含む。ある実施形態では、本願明細書に記載される方法はさらに、上記アミン反応性蛍光色素からの蛍光量を定量する工程を含む。ある実施形態では、本願明細書に記載される方法はさらに、上記アミン反応性蛍光発生性試薬に由来する蛍光性部分からの蛍光量を定量する工程を含む。この定量は、そのタンパク質試料中に存在するタンパク質の分離なしに、あるいはそのタンパク質が電気泳動(PAGE、2D−PAGE、もしくはIEFなど)またはクロマトグラフィまたはこれらの組合せによって部分的にもしくは完全に分離された後に、行うことができる。
本願明細書に記載されるタンパク質標識方法で使用されるアニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルカルボン酸塩、アルキルエーテルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテルスルホン酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩またはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本願明細書に記載される方法のある実施形態では、このアニオン性界面活性剤はドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸リチウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウムまたはこれらの混合物である。ある実施形態では、このアニオン性界面活性剤はドデシル硫酸ナトリウムであり、他方、他の実施形態では、このアニオン性界面活性剤はドデシル硫酸リチウムである。
本願明細書に記載されるタンパク質標識方法で使用されるアニオン性界面活性剤の濃度は、0.1%(重量/体積)〜10%(重量/体積)の範囲にある。ある実施形態では、当該濃度は0.1%(重量/体積)〜5%(重量/体積)の範囲にある。他の実施形態では、当該濃度は0.5%(重量/体積)〜10%(重量/体積)の範囲にある。ある実施形態では、当該濃度は0.5%(重量/体積)〜5%(重量/体積)の範囲にある。ある実施形態では、当該濃度は1%(重量/体積)〜10%(重量/体積)の範囲にある。ある実施形態では、当該濃度は1%(重量/体積)〜5%(重量/体積)の範囲にある。ある実施形態では、かかる濃度は、1%(重量/体積)〜20%(重量/体積)の範囲の濃度を有する当該アニオン性界面活性剤の原液の希釈によって得られる。ある実施形態では、この原液の濃度は10%(重量/体積)である。ある実施形態では、この原液の濃度は5%(重量/体積)である。ある実施形態では、この原液の濃度は2%(重量/体積)である。
本願明細書に記載されるタンパク質標識方法で使用されるシアン化アルカリとしては、シアン化リチウム、シアン化カリウム、シアン化ナトリウム、シアン化ルビジウム、シアン化セシウム、またはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、このシアン化アルカリはシアン化カリウムであり、他方、他の実施形態では、このシアン化アルカリはシアン化ナトリウムである。ある実施形態では、このシアン化アルカリはシアン化リチウムであり、他方、他の実施形態では、このシアン化アルカリはシアン化セシウムである。シアン化アルカリ化合物の毒性効果に起因して、より毒性が低い代替物(アセトンシアノヒドリンまたはニトリルなど)が好ましい場合がある。例えば、シアン化ナトリウムのLD50値は6.44であり、他方、アセトンシアノヒドリンのLD50値は18.65であり、マンデロニトリルのLD50値は116である(これは、マンデロニトリルはシアン化ナトリウムのおよそ18倍毒性が低いことを意味する)。
本願明細書に記載されるタンパク質標識方法で使用されるシアン化アルカリ、アセトンシアノヒドリンまたはニトリルの濃度は50nM〜200mMの範囲にある。ある実施形態では、この濃度は、50nM〜100mMの範囲にある。他の実施形態では、この濃度は、50nM〜50mMの範囲にある。ある実施形態では、この濃度は、50nM〜25mMの範囲にある。ある実施形態では、この濃度は、50nM〜10mMの範囲にある。ある実施形態では、この濃度は、50nM〜5mMの範囲にある。ある実施形態では、この濃度は、100nM〜10mMの範囲にある。ある実施形態では、この濃度は、100nM〜5mMの範囲にある。ある実施形態では、この濃度は、200nM〜5mMの範囲にある。ある実施形態では、かかる濃度は、100nM〜200mMの範囲の濃度を有する上記蛍光発生性試薬の原液の希釈によって得られる。ある実施形態では、この原液の濃度は、100mMである。ある実施形態では、この原液の濃度は、50mMである。ある実施形態では、この原液の濃度は、20mMである。ある実施形態では、この原液の濃度は、10mMである。
本願明細書に記載される方法を使用して標識されたタンパク質またはタンパク質断片の濃度は0.01mg/mL〜200mg/mLの範囲にある。ある実施形態では、当該濃度は0.1mg/mL〜100mg/mLの範囲にある。他の実施形態では、当該濃度は0.1mg/mL〜50mg/mLの範囲にある。ある実施形態では、当該濃度は0.1mg/mL〜10mg/mLの範囲にある。ある実施形態では、当該濃度は0.2mg/mL〜100mg/mLの範囲にある。ある実施形態では、当該濃度は0.2mg/mL〜50mg/mLの範囲にある。ある実施形態では、当該濃度は0.2mg/mL〜10mg/mLの範囲にある。ある実施形態では、当該濃度は0.3mg/mL〜10mg/mLの範囲にある。ある実施形態では、当該濃度は0.4mg/mL〜10mg/mLの範囲にある。ある実施形態では、当該濃度は0.5mg/mL〜10mg/mLの範囲にある。
本願明細書に開示されるタンパク質またはタンパク質の混合物についての標識方法は、2時間未満で完結することができる迅速なタンパク質標識方法である。ある実施形態では、本願明細書に記載されるタンパク質標識方法は1時間未満で完結する。ある実施形態では、本願明細書に記載されるタンパク質標識方法は30分間未満で完結する。ある実施形態では、本願明細書に記載されるタンパク質標識方法は20分間未満で完結する。ある実施形態では、本願明細書に記載されるタンパク質標識方法は10分間未満で完結する。ある実施形態では、本願明細書に記載されるタンパク質標識方法は5分間未満で完結する。ある実施形態では、本願明細書に記載されるタンパク質標識方法は4分間未満で完結する。ある実施形態では、本願明細書に記載されるタンパク質標識方法は3分間未満で完結する。ある実施形態では、本願明細書に記載されるタンパク質標識方法は2分間未満で完結する。ある実施形態では、本願明細書に記載されるタンパク質標識方法は1分間未満で完結する。
第1のバッファー
本願明細書に記載されるタンパク質標識方法の第1の工程で使用されるバッファー(本願明細書において第1のバッファーとも呼ばれる)は、常温で約pH 8〜約pH 10のpHを有する。ある実施形態では、当該第1のバッファーは25℃で約pH 8〜約pH 10のpHを有する。加えて、この第1のバッファーは一級または二級アミン部分を有するバッファー化合物または添加剤を含まない。しかしながら、本願明細書に記載される方法は、当該タンパク質試料の中にすでに存在している可能性がある低レベルのアミンは許容できる。例としてのみ示すと、この第1のバッファーとしては、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、ホウ酸塩、ビス−トリスプロパン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(ビシン(Bicine))、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)またはこれらの組合せを挙げることができる。
本願明細書に記載されるタンパク質標識方法の第1の工程で使用されるバッファー(本願明細書において第1のバッファーとも呼ばれる)は、常温で約pH 8〜約pH 10のpHを有する。ある実施形態では、当該第1のバッファーは25℃で約pH 8〜約pH 10のpHを有する。加えて、この第1のバッファーは一級または二級アミン部分を有するバッファー化合物または添加剤を含まない。しかしながら、本願明細書に記載される方法は、当該タンパク質試料の中にすでに存在している可能性がある低レベルのアミンは許容できる。例としてのみ示すと、この第1のバッファーとしては、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、ホウ酸塩、ビス−トリスプロパン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(ビシン(Bicine))、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)またはこれらの組合せを挙げることができる。
本願明細書で開示される方法で使用される第1のバッファーの濃度は、約10mM〜約1Mである。ある実施形態では、当該濃度は約20mM〜約500mMであり、他の実施形態では、当該濃度は約50mM〜約300mMである。ある実施形態では、当該濃度は約10mM〜約500Mmである。ある実施形態では、当該濃度は約10mM〜約400mMである。ある実施形態では、当該濃度は約10mM〜約300mMである。ある実施形態では、当該濃度は約10mM〜約200mMである。ある実施形態では、当該濃度は約10mM〜約100mMである。ある実施形態では、当該濃度は約10mM〜約50mMである。
第2のバッファー
本願明細書に記載されるタンパク質標識方法の第2の工程で使用されるバッファー(本願明細書において第2のバッファーとも呼ばれる)は、常温で約pH 2〜約pH 8のpHを有し、かつ第1のバッファーよりも大きい緩衝能を有する。ある実施形態では、当該第2のバッファーは、25℃で約pH 2〜約pH 8のpHを有し、かつ第1のバッファーよりも大きい緩衝能を有する。
本願明細書に記載されるタンパク質標識方法の第2の工程で使用されるバッファー(本願明細書において第2のバッファーとも呼ばれる)は、常温で約pH 2〜約pH 8のpHを有し、かつ第1のバッファーよりも大きい緩衝能を有する。ある実施形態では、当該第2のバッファーは、25℃で約pH 2〜約pH 8のpHを有し、かつ第1のバッファーよりも大きい緩衝能を有する。
本願明細書で開示される方法で使用される第2のバッファーは任意の電気泳動バッファーであってよく、例としては双性イオンのバッファーが挙げられるが、これに限定されない。かかる方法で使用される第2のバッファーは、常温で約2〜約9のpKaを有する少なくとも1つの化合物を含む。ある実施形態では、当該第2のバッファーは常温で約3〜約8の間のpKaを有する化合物を含む。ある実施形態では、当該第2のバッファーは常温で約4〜約8の間のpKaを有する化合物を含む。ある実施形態では、当該第2のバッファーは常温で約5〜約8の間のpKaを有する化合物を含む。ある実施形態では、当該第2のバッファーは常温で約6〜約8の間のpKaを有する化合物を含む。ある実施形態では、当該第2のバッファーは常温で約7〜約8の間のpKaを有する化合物を含む。ある実施形態では、当該第2のバッファーは常温で約6〜約7の間のpKaを有する化合物を含む。ある実施形態では、かかる方法で使用される第2のバッファーは、25℃で約2〜約8のpKaを有する少なくとも1つの化合物を含む。ある実施形態では、当該第2のバッファーは25℃で約3〜約8の間のpKaを有する化合物を含む。ある実施形態では、当該第2のバッファーは25℃で約4〜約8の間のpKaを有する化合物を含む。ある実施形態では、当該第2のバッファーは25℃で約5〜約8の間のpKaを有する化合物を含む。ある実施形態では、当該第2のバッファーは25℃で約6〜約8の間のpKaを有する化合物を含む。ある実施形態では、当該第2のバッファーは25℃で約7〜約8の間のpKaを有する化合物を含む。ある実施形態では、当該第2のバッファーは25℃で約6〜約7の間のpKaを有する化合物を含む。
本願明細書で開示される方法で使用される第2のバッファーとしては、リン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、カコジル酸塩、N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)、2−(N−モルホリノ)−エタンスルホン酸(MES)、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、ピペラジン−N,N’−2−エタンスルホン酸(PIPES)、2−(N−モルホリノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(MOPSO)、N,N−ビス−(ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、3−(N−モルホリノ)−プロパンスルホン酸(MOPS)、N−トリス−(ヒドロキシメチル)−2−エタンスルホン酸(TES)、N−2−ヒドロキシエチル−ピペラジン−N−2−エタンスルホン酸(HEPES)、3−(N−トリス−(ヒドロキシメチル)メチルアミノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(TAPSO)、3−(N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]アミノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)(HEPPSO)、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、ビス[2−ヒドロキシエチル]イミノトリス[ヒドロキシメチル]メタン(ビストリス(BisTris))、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
ある実施形態では、第2のバッファーは、リン酸塩、グリシン、クエン酸、酢酸、2−(N−モルホリノ)−エタンスルホン酸(MES)、カコジル酸、炭酸、ビス[2−ヒドロキシエチル]イミノトリス[ヒドロキシメチル]メタン(ビストリス(BisTris))、ピペラジン−N,N’−2−エタンスルホン酸(PIPES)、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、イミダゾール、N,N−ビス−(ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、3−(N−モルホリノ)−プロパンスルホン酸(MOPS)、N−トリス−(ヒドロキシメチル)−2−エタンスルホン酸(TES)、N−2−ヒドロキシエチル−ピペラジン−N−2−エタンスルホン酸(HEPES)、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)(HEPPSO)およびトリエタノールアミンからなる群から選択することができる。ある実施形態では、この第2のバッファーはビス[2−ヒドロキシエチル]イミノトリス[ヒドロキシメチル]メタン(ビストリス)である。
ある実施形態では、この第2のバッファーは、第1のバッファー、蛍光発生性試薬、シアン化アルカリ(あるいはアセトンシアノヒドリンまたはニトリル(マンデロニトリルなど))、およびアニオン性界面活性剤を含む最初の反応混合物に加えられ、これにより最終混合物の(常温での)pHが約pH 5〜約pH 9に維持される。ある実施形態では、当該最終混合物は常温でpH 6〜8を有する。ある実施形態では、当該最終混合物は常温でpH 6〜7を有する。ある実施形態では、当該最終混合物は25℃でpH 5〜8を有する。ある実施形態では、当該最終混合物は25℃でpH 6〜8を有する。ある実施形態では、当該最終混合物は25℃でpH 6〜7を有する。
本願明細書で開示される方法で使用される第2のバッファーの濃度は、約10mM〜約1Mである。ある実施形態では、当該濃度は約20mM〜約500mMであり、他の実施形態では、当該濃度は約50mM〜約300mMである。ある実施形態では、当該濃度は約10mM〜約500Mmである。ある実施形態では、当該濃度は約10mM〜約400mMである。ある実施形態では、当該濃度は約10mM〜約300mMである。ある実施形態では、当該濃度は約10mM〜約200mMである。ある実施形態では、当該濃度は約10mM〜約100mMである。ある実施形態では、当該濃度は約10mM〜約50mMである。
分離方法
タンパク質を分析するために本願明細書に記載される方法で使用されるクロマトグラフィ手法としては、液体クロマトグラフィ、高性能液体クロマトグラフィ、環状クロマトグラフィ(annular chromatography)、サイズ排除クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、アフィニティクロマトグラフィおよびイムノアフィニティークロマトグラフィが挙げられるが、これらに限定されない。
タンパク質を分析するために本願明細書に記載される方法で使用されるクロマトグラフィ手法としては、液体クロマトグラフィ、高性能液体クロマトグラフィ、環状クロマトグラフィ(annular chromatography)、サイズ排除クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、アフィニティクロマトグラフィおよびイムノアフィニティークロマトグラフィが挙げられるが、これらに限定されない。
ある実施形態では、当該標識されたタンパク質または標識されたタンパク質の混合物は、電気泳動手法、クロマトグラフィ手法、またはこれらの組合せを使用して分離される前には、未反応の蛍光発生性試薬から精製されない。他の実施形態では、標識されたタンパク質または標識されたタンパク質の混合物は、電気泳動手法、クロマトグラフィ手法、またはこれらの組合せを使用して分離される前に、未反応の蛍光発生性試薬から精製される。他の実施形態は、タンパク質またはタンパク質の混合物を含む試料を沈殿させ、次いで本願明細書に記載される標識溶液中でその試料を再構成することを含む。あるいは、またはこの沈殿工程に加えて、そのタンパク質またはタンパク質の混合物は、標識に対する何らかの還元剤の負の影響を排除するために、標識する前にアルキル化されてもよい。
標識されたタンパク質を分析するために本願明細書に記載される方法で使用される電気泳動手法としては、キャピラリー電気泳動(CE)、キャピラリーゾーン電気泳動(CZE)、キャピラリーゲル電気泳動(CGE)、スラブゲル電気泳動、等電点ゲル電気泳動、等電点電気泳動および2D電気泳動手法が挙げられるが、これらに限定されない。当該タンパク質を分離するためのプロセスとしては、サイズによる分離、電荷による分離、またはサイズおよび電荷の組み合わせによる分離が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、当該蛍光標識されたタンパク質は、本願明細書に記載される使い捨てのカセット内に備えられるスラブゲルを使用して、電気泳動により分離される。
ゲル電気泳動によるサイズ分画については、当該標識されたタンパク質は、2−(N−モルホリノ)−エタンスルホン酸(MES)または3−(N−モルホリノ)−プロパンスルホン酸(MOPS)バッファーのいずれかで泳動させるスラブゲル中での電気泳動によって分離することができ、スラブゲルとしては、10% ビス−トリスゲル、4−12% ビス−トリスゲル、または12% ビス−トリスゲル(例としてのみ示すと、NuPAGE(登録商標)Novex(登録商標)ビス−トリスゲル(インビトロジェン社、カリフォルニア州、カールスバッド)などが挙げられる)が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、当該標識されたタンパク質は、トリス−アセテート(TA)ゲル(7%または3〜8% 濃度勾配トリス−アセテートゲル、例としてのみ示すと、NuPAGE(登録商標)Novex(登録商標)トリス アセテートゲル(インビトロジェン社、カリフォルニア州、カールスバッド)などが挙げられるが、これらに限定されない)で分離することができる。ある他の実施形態では、当該標識されたタンパク質は、トリス−グリシン(TG)ゲル(4% TGゲル、6% TGゲル、8% TGゲル、10% TGゲル、12% TGゲル、14% TGゲル、16% TGゲル、および18% TGゲルが挙げられるが、これらに限定されない)で分離することができる。ある他の実施形態では、当該標識されたタンパク質は、濃度勾配トリス−グリシン(TG)ゲル(4〜12%、4〜20%、8〜16%、10〜20%などの濃度勾配を有するTGゲル、例としてのみ示すと、インビトロジェン社(カリフォルニア州、カールスバッド)から入手できるTGゲルが挙げられるが、これらに限定されない)で分離することができる。さらなる実施形態では、当該標識されたタンパク質は、10% トリシンゲル、16% トリシンゲル、および10〜20%濃度勾配トリシンゲルなどのトリシンゲルで分離することができる。なおさらなる実施形態では、当該標識されたタンパク質は、標準的なLaemmliゲルで分離することができる。
本発明の方法のゲルベースの電気泳動の実施形態は、任意の適切な物理的形式のゲル中で、例えば標準的なサイズのスラブゲル中で、ミニゲルスラブゲル中で、ストリップ(strip)で、キャピラリー中のゲルで、マイクロタイタープレートとともに使用するように設計されたゲル中で、および他の高スループット応用例で実施することができる。
ある実施形態では、本願明細書に記載される方法に従って標識された96個までのタンパク質試料を、E−PAGE(商標)96ゲルシステム(インビトロジェン社、カリフォルニア州、カールスバッド)で同時に分離することができる。このE−PAGE(商標)96ゲルは、使い捨てのUVに対して透明なカセット内部にパッケージ化されたゲルマトリクスおよび電極を含む自蔵式のプレキャストゲルである。各E−PAGE(商標)96ゲルは、96個の試料レーンおよび8個のマーカーレーンをジグザグのウェル形式で含む。
等電点に基づく分離のために、当該標識されたタンパク質は、単独の分離工程として、または上記の方法、システムおよびゲルを使用するサイズ分画の準備の工程として(2D−PAGEの第1の工程として、が挙げられるが、これに限定されない)のいずれかで等電点電気泳動法(IEF)を使用して分離することができる。ある実施形態では、当該標識されたタンパク質は、溶液相等電点電気泳動法を使用して分離することができる。ある実施形態では、標識されたタンパク質は、インビトロジェン社(カリフォルニア州、カールスバッド)から入手できるZOOM(登録商標)IEF Fractionator、溶液相等電点電気泳動法装置を使用して分離することができる。かかる実施形態では、当該タンパク質は、本願明細書に記載される蛍光発生性試薬および方法を使用して、溶液相IEFを用いた分画の前後のいずれかで標識することができる。他の実施形態では、当該標識されたタンパク質は、スラブゲル中、チューブゲル中、または、固定化pH勾配(IPG)ストリップ中のいずれかでゲルベースの等電点電気泳動法を使用して分離することができる。
当該標識されたタンパク質の電気泳動による分離は、定電圧、パルス状電圧、定電流、パルス状電流、定電力またはパルス状電力を使用して成し遂げることができる。続いて、本願明細書で開示される方法で使用される電場(V/cm)は、一定またはパルス状であってよい。以下に提示される電場範囲を実現するために印加される電圧、印加される電流または印加される電力の大きさは、電気泳動装置(キャピラリーまたはスラブゲル)の寸法およびバッファーの電気伝導度に応じて変わるであろうということを理解されたい。例としてのみ示すと、印加される電圧は5V〜10,000Vの範囲であってよい。ある実施形態では、印加される電圧は5V〜2,000Vの範囲であってよく、ある実施形態では、印加される電圧は5V〜1,000V、5V〜500V、5V〜250V、または5V〜100Vの範囲であってよい。例としてのみ示すと、印加される電流は5mA〜400mAの範囲であってよく、ある実施形態では、印加される電流は5mA〜200mA、5mA〜100mA、5mA〜50mA、または5mA〜25mAの範囲であってよい。1つの実施形態では、印加される電流は60mAであってよい。例としてのみ示すと、印加される電力は5mA〜400mAの範囲であってよく、ある実施形態では、印加される電流は25mW〜400W、25mW〜100W、25mW〜50W、または25mW〜25Wの範囲であってよい。1つの実施形態では、印加される電流は4.5Wであってよい。加えて、印加される電圧(一定またはパルス状)の極性は正であってもよくまたは負であってもよく、印加される電流(一定またはパルス状)の極性は正であってもよくまたは負であってもよい。
ある実施形態では、印加される定電場の大きさは1V/cm〜100V/cmである。ある実施形態では、印加される定電場の大きさは1V/cm〜50V/cmである。ある実施形態では、印加される定電場の大きさは1V/cm〜25V/cmである。ある実施形態では、印加される定電場の大きさは1V/cm〜15V/cmである。ある実施形態では、印加される定電場の大きさは1V/cm〜10V/cmである。
このパルス状電場のプロファイルは、方形波、三角波または正弦波であってよく、かかるプロフィールは、対称的であってもよく非対称的であってもよい。パルス状電場は一定のベースライン電場に印加され、このベースライン電場の大きさは0V/cm〜100V/cmである。ある実施形態では、このベースライン電場の大きさは0V/cm〜50V/cmである。このベースライン電場の大きさは0V/cm〜25V/cmである。このベースライン電場の大きさは0V/cm〜10V/cmである。ある実施形態では、このベースライン電場に加えて印加されるパルス状電場の大きさは1V/cm〜100V/cmである。ある実施形態では、このベースライン電場に加えて印加されるパルス状電場の大きさは1V/cm〜50V/cmである。ある実施形態では、このベースライン電場に加えて印加されるパルス状電場の大きさは1V/cm〜25V/cmである。ある実施形態では、このベースライン電場に加えて印加されるパルス状電場の大きさは1V/cm〜10V/cmである。
対称的方形波であるパルス状電場については、ベースライン電場に加えてパルス状電場が印加される時間(ON)は、そのパルス状電場が印加されない時間(OFF)と同じである。ある実施形態では、このONおよびOFFの時間は、1ms〜60秒間である。非対称的な方形波のパルス状電場であるパルス状電場については、そのパルス状電場が印加されない時間(OFF)と同じではない、ベースライン電場に加えてパルス状電場が印加される時間(ON)を有する。ある実施形態では、このON時間は独立に1ms〜60秒間であり、このOFF時間は独立に1ms〜60秒間である。
対称的三角波であるパルス状電場については、印加される最大電場まで上がる電圧ランプ速度(V/s)は、印加されるベースライン電場まで下がる電圧ランプ速度(V/s)と同じである。ある実施形態では、上昇時の電圧ランプおよび下降時の電圧ランプは、10mV/s〜100V/sである。非対称的三角波であるパルス状電場については、印加される最大電場まで上がる電圧ランプ速度(V/s)は、印加されるベースライン電場まで下がる電圧ランプ速度(V/s)と同じではない。ある実施形態では、上昇時の電圧ランプは独立に10mV/s〜100V/sであり、下降時の電圧ランプは独立に10mV/s〜100V/sである。
対称的正弦波であるパルス状電場については、周期および周波数は一定であり、その正弦波の最小電場は印加されるベースライン電場と同じである。非対称的正弦波であるパルス状電場については、周期および周波数は変調され、その正弦波の最小電場は印加されるベースライン電場と同じである。
ある実施形態では、この電場は、E−Gel(登録商標)Powerbase(商標)(インビトロジェン カールスバッド)、E−Gel(登録商標)i−Base(商標)(インビトロジェン カールスバッド)およびE−Base(登録商標)(インビトロジェン カールスバッド)を使用して印加される。
ある実施形態では、標識されたタンパク質または標識されたタンパク質の混合物は、スラブゲル電気泳動の手法を使用して分離される。かかる実施形態では、本願明細書に記載される標識方法で使用される第1のバッファーは、糖類、糖アルコール、またはこれらの組合せをも含む。他の実施形態では、本願明細書に記載される標識方法で使用される第2のバッファーは、糖類、糖アルコール、またはこれらの組合せをも含む。あるいは、他の実施形態では、糖類、糖アルコール、またはこれらの組合せが最終反応混合物に加えられる。ある実施形態では、第1のバッファーに加えられる糖類はショ糖である。他の実施形態では、第1のバッファーに加えられる糖アルコールはグリセロールである。ある実施形態では、第2のバッファーに加えられる糖類はショ糖である。他の実施形態では、第2のバッファーに加えられる糖アルコールはグリセロールである。ある実施形態では、最終反応混合物に加えられる糖類はショ糖である。他の実施形態では、最終反応混合物に加えられる糖アルコールはグリセロールである。
本願明細書に記載されるタンパク質標識方法で使用される糖類または糖アルコールの濃度は、約1%(重量/体積)〜約30%(重量/体積)である。ある実施形態では、本願明細書に記載されるタンパク質標識方法で使用される糖類または糖アルコールの濃度は、約1%(重量/体積)〜約25%(重量/体積)である。ある実施形態では、当該濃度は約1%(重量/体積)〜約20%(重量/体積)であり、他の実施形態では、当該濃度は約1%(重量/体積)〜約15%(重量/体積)である。ある実施形態では、当該濃度は約1%(重量/体積)〜約10%(重量/体積)であり、他の実施形態では、当該濃度は約5%(重量/体積)〜約25%(重量/体積)である。他の実施形態では、当該濃度は約5%(重量/体積)〜約20%(重量/体積)である。
標識されたタンパク質またはタンパク質の混合物は、分離工程の前に還元剤で処理されてもよい。かかる還元剤としては、ジチオトレイトール(DTT)、2−メルカプトエタノール(β−メルカプトエタノールとしても公知)、亜硫酸水素ナトリウム、チオグリコール酸、メルカプトエタンスルホン酸、グルタチオンおよびトリアルキルホスフィン化合物またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。かかるトリアルキルホスフィン化合物としては、トリ−n−ブチルホスフィン(TBP)またはトリス[2−カルボキシエチル]ホスフィン(TCEP)が挙げられるが、これらに限定されない。還元剤、または還元剤の組み合わせは、第2のバッファーの添加に先立って上記第1のバッファーに加えられてもよく、あるいは還元剤、または還元剤の組み合わせは、上記第1のバッファーへの第2のバッファーの添加に先立って第2のバッファーに加えられてもよい。
本願明細書に記載される方法で使用される還元剤の濃度としては、少なくとも約10μM、少なくとも約100μM、少なくとも約1mM、少なくとも約2mM、少なくとも約2.5mM、少なくとも約3mM、少なくとも約3.75mM、少なくとも約4mM、少なくとも約5mM、少なくとも約10mM、少なくとも約15mM、少なくとも約20mM、少なくとも約25mM、少なくとも約30mM、少なくとも約35mM、少なくとも約40mM、少なくとも約45mM、少なくとも約50mM、少なくとも約55mM、少なくとも約60mM、少なくとも約65mM、少なくとも約70mM、少なくとも約75mM、少なくとも約80mM、少なくとも約85mM、少なくとも約90mM、少なくとも約95mM、少なくとも約100mM、少なくとも約200mM、少なくとも約350mM、または少なくとも約500mMが挙げられるが、これらに限定されない。本願明細書に記載される方法で使用される還元剤の濃度としては、10μM、100μM、1mM、2mM、2.5mM、3mM、3.75mM、4mM、5mM、10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mM、50mM、55mM、60mM、65mM、70mM、75mM、80mM、85mM、90mM、95mM、100mM、200mM、350mM、または500mMが挙げられるが、これらに限定されない。
ある実施形態では、本願明細書で開示される方法で使用される電気泳動ゲルは、アクリルアミド(例としてのみ示すと、約2.5%〜約30%、または約5%〜約20%の濃度のアクリルアミドが挙げられる)を含む。ある実施形態では、かかるポリアクリルアミド電気泳動ゲルは、1%〜10% 架橋剤(ビスアクリルアミドが挙げられるが、これに限定されない)を含む。ある実施形態では、本願明細書で開示される方法で使用される電気泳動ゲルは、アガロース(例としてのみ示すと、約0.1%〜約5%、または約0.5%〜約4%、または約1%〜約3%の濃度のアガロースが挙げられる)を含む。ある実施形態では、本願明細書で開示される方法で使用される電気泳動ゲルは、アクリルアミドおよびアガロースを含む(例としてのみ示すと、約2.5%〜約30% アクリルアミドおよび約0.1%〜約5% アガロース、または約5%〜約20% アクリルアミドおよび約0.2%〜約2.5% アガロースを含む電気泳動ゲルが挙げられる)。ある実施形態では、かかるポリアクリルアミド/アガロース電気泳動ゲルは1%〜10% 架橋剤(ビスアクリルアミドが挙げられるが、これに限定されない)を含む。
本願明細書で開示される方法のある実施形態では、上記電気泳動カセット中の電気泳動ゲルは濃度勾配ゲルである。本願明細書で開示される方法の他の実施形態では、電気泳動カセット中の電気泳動ゲルは高度に架橋されたゲルである。
ある実施形態では、本願明細書で開示される方法で使用される電気泳動カセットおよび電気泳動ゲルは、E−PAGE(商標)カセット/ゲル(インビトロジェン、カールスバッド)およびE−Gel(登録商標)カセット/ゲル(インビトロジェン カールスバッド)である。ある実施形態では、このE−PAGE(商標)(インビトロジェン、カールスバッド)カセット/ゲルは、横2列のウェルを有し、1つの横列のウェルはローディングウェルであり、他方の横列のウェルは回収ウェルである。他の実施形態では、E−Gel(登録商標)カセット/ゲル(インビトロジェン カールスバッド)は横2列のウェルを有していて、横2列のウェルを有し、1つの横列のウェルはローディングウェルであり、他方の横列のウェルは回収ウェルである。ある実施形態では、横2列のウェル(横1列のローディングウェルおよび横1列の回収ウェル)を備える0.8% E−Gel(登録商標)(インビトロジェン カールスバッド)カセット/ゲルが使用される。他の実施形態では、横2列のウェル(横1列のローディングウェルおよび横1列の回収ウェル)を有する2% E−Gel(登録商標)カセット/ゲル(インビトロジェン カールスバッド)が使用される。
本願明細書で開示される方法の電気泳動ゲルは、ゲルを形成する任意の物質を含むことができ、その例としては、合成ポリマー、天然ポリマーおよびこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。かかる合成ポリマーの例としては、直鎖状ポリアクリルアミド、架橋ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンおよびこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。かかる天然ポリマーの例としては、アガロース、カラゲナン、およびキトサンなどの多糖類が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、このゲルは、アガロース、ポリアクリルアミド、またはアガロースおよびポリアクリルアミドの組み合わせを含むことができる。ある実施形態では、このゲルはポリアクリルアミドゲルであり、他方、他の実施形態ではこのゲルはアガロースゲルである。さらに他の実施形態では、このゲルは、アクリルアミドおよびアガロースの両方を含む。ある実施形態では、このゲルは、架橋ポリアクリルアミドを含み、他方、他の実施形態ではこのゲルは、非架橋ポリアクリルアミド(本願明細書において直鎖状ポリアクリルアミドとも呼ばれる)を含む。
本願明細書に記載される方法で使用されるゲルは、変性ゲルであってよく、このゲルは、界面活性剤(1種または複数種)、カオトロピック剤(1種または複数種)またはこれらの組合せを含む。カオトロピック剤としては、トリフルオロ酢酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、尿素、塩化グアニジンおよびグアニジンイソチオシアネートが挙げられるが、これらに限定されない。変性界面活性剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)およびドデシル硫酸リチウム(LDS)が挙げられるが、これらに限定されない。本願明細書に記載される方法で使用される変性ゲルとしては、SDSポリアクリルアミドゲルおよびSDS直鎖状ポリアクリルアミドが挙げられるが、これらに限定されない。
加えて、本願明細書に記載される方法で使用されるゲルは、未変性のゲル(本願明細書において非変性ゲルとも呼ばれる)であってもよい。本願明細書で開示される方法で使用される未変性ゲルまたは非変性ゲルは、ゲル中またはランニングバッファー(1種または複数種)中に変性剤(例えば、タンパク質変性界面活性剤またはカオトロープなど)を伴わずに流される。いくつかの実施形態では、本願明細書に記載される方法で使用される電気泳動ゲルは濃度勾配ゲルである。
本願明細書に記載される方法で使用される電気泳動ゲルは、水平にまたは鉛直に泳動される。
本願明細書で開示される方法で使用される電気泳動ゲルは、分離ゲルの本体を含み、任意にスタッキングゲルを含む。この分離ゲルおよびスタッキングゲルは、ゲルを形成する同じ物質から構成されていてもよいし、またはこの分離ゲルおよびスタッキングゲルは、ゲルを形成する異なる物質から構成されていてもよい。この分離ゲルおよびスタッキングゲルのある実施形態は、ポリアクリルアミドゲルであり、このスタッキングゲルもまた直鎖状ポリアクリルアミドを含む。この分離ゲルおよびスタッキングゲルの他の実施形態は、分離ゲルも直鎖状ポリアクリルアミドを含むポリアクリルアミドゲルである。この分離ゲルおよびスタッキングゲルのある実施形態は、分離ゲルおよびスタッキングゲルの両方が直鎖状ポリアクリルアミドを含むポリアクリルアミドゲルである。本願明細書で開示される方法で使用される電気泳動ゲルは、直鎖状アクリルアミドがスタッキングゲル中にのみ存在し、分離ゲル中には存在しないスタッキングゲルおよび分離ゲルを含むことができる。ある実施形態では、かかるスタッキングゲルおよび分離ゲルはともにポリアクリルアミドを含むが、スタッキングゲルのみが直鎖状アクリルアミドを含む。
本願明細書で開示される方法で使用されるポリアクリルアミドゲルは、単量体のアクリルアミドおよびビスアクリルアミドの混合物である「アクリルアミド」の溶液を使用して作製される。このアクリルアミドおよびビスアクリルアミドの重合は、架橋ポリアクリルアミドゲルを生成するための重合開始剤、および必要に応じて触媒を使用する。本願明細書で開示される組成物、ゲルカセットおよび方法のポリアクリルアミドゲルを作製するための混合物で使用される単量体のビスアクリルアミドに対するアクリルアミドの比は、約15:1〜約50:1の範囲である。例としてのみ示すと、かかるポリアクリルアミドゲルにおける(単量体)アクリルアミド:ビスアクリルアミド比は、15:1、19:1、24:1、29:1、37.5:1、40:1、45:1および50:1であってよい。本願明細書で開示されるある実施形態では、タンパク質およびタンパク質複合体の分析のための(単量体)ビスアクリルアミドに対するアクリルアミドの比は、約19:1〜約45:1の範囲である。
本願明細書で開示される方法で使用される電気泳動ゲルのある実施形態では、上記スタッキングゲルは、上記のとおりのアクリルアミドおよびビスアクリルアミドの混合物を使用して作製されるポリアクリルアミドを含む。ある実施形態では、このスタッキングゲルは、分離ゲルを作製するために使用されるアクリルアミド濃度より低いアクリルアミド濃度を用いて作製される。例としてのみ示すと、スタッキングゲルは、約2%〜約8%、約2.5%〜約7.5% アクリルアミド、約3%〜約7% アクリルアミド、約3.5%〜約6.5% アクリルアミド、約4%〜約6% アクリルアミド、約4.5%〜約5.5% アクリルアミド、または約2.5%〜約6% アクリルアミドの範囲の(重量/体積)アクリルアミド濃度を有することができる。例としてのみ示すと、スタッキングゲルは、2%〜8%、2.5%〜7.5% アクリルアミド、3%〜7% アクリルアミド、3.5%〜6.5% アクリルアミド、4%〜6% アクリルアミド、4.5%〜5.5% アクリルアミド、または2.5%〜6% アクリルアミドの範囲の(重量/体積)アクリルアミド濃度を有することができる。
ある実施形態では、本願明細書で開示される方法で使用される電気泳動ゲルの分離ゲルおよびスタッキングゲルは(個々にまたは一緒に)直鎖状ポリアクリルアミドを含む。他の実施形態では、本願明細書で開示される方法で使用される電気泳動ゲルのポリアクリルアミド分離ゲルおよびポリアクリルアミドスタッキングゲルは(個々にまたは一緒に)、直鎖状ポリアクリルアミドを含む。かかるゲル中に含まれる直鎖状アクリルアミドの(重量/体積)濃度は、約0.005%〜約1%、0.005%〜約0.75%、0.005%〜約0.5%、0.005%〜約0.1%、0.01%〜約1%、0.01%〜約0.75%、0.01%〜約0.5%、0.01%〜約0.1%、0.02%〜約1%、0.02%〜約0.75%、0.02%〜約0.5%、0.02%〜約0.2%、または0.02%〜約0.1%の範囲であってよい。例示となる実施形態では、かかるゲル中に含まれる直鎖状アクリルアミドの(重量/体積)濃度は、0.005%〜1%、0.005%〜0.75%、0.005%〜0.5%、0.005%〜0.1%、0.01%〜1%、0.01%〜0.75%、0.01%〜0.5%、0.01%〜0.1%、0.02%〜1%、0.02%〜0.75%、0.02%〜0.5%、0.02%〜0.2%、または0.02%〜0.1%の範囲であってよい。
加えて、かかるゲル中に含まれる直鎖状アクリルアミドの分子量は、約1,000ダルトン〜約6,000,000ダルトン、約1,000ダルトン〜約5,000,000ダルトン、約1,000ダルトン〜約2,000,000ダルトン、約1,000ダルトン〜約1,000,000ダルトン、約1,000ダルトン〜約750,000ダルトン、約1,000ダルトン〜約500,000ダルトン、約1,000ダルトン〜約300,000ダルトン、約1,000ダルトン〜約200,000ダルトン、約1,000ダルトン〜約100,000ダルトン、約1,000ダルトン〜約50,000ダルトン、約1,000ダルトン〜約25,000ダルトン、または約1,000ダルトン〜約10,000ダルトンの範囲であってよい。加えて、かかるゲル中に含まれる直鎖状アクリルアミドの分子量は、1,000ダルトン〜6,000,000ダルトン、1,000ダルトン〜5,000,000ダルトン、1,000ダルトン〜2,000,000ダルトン、1,000ダルトン〜1,000,000ダルトン、1,000ダルトン〜750,000ダルトン、1,000ダルトン〜500,000ダルトン、1,000ダルトン〜300,000ダルトン、1,000ダルトン〜200,000ダルトン、1,000ダルトン〜100,000ダルトン、1,000ダルトン〜50,000ダルトン、1,000ダルトン〜25,000ダルトン、または1,000ダルトン〜10,000ダルトンの範囲であってよい。
いくつかの実施形態では、本願明細書に記載される方法で使用される電気泳動ゲルは、上記ポリマーの濃度がゲル全体にわたって、一般にはゲル本体の頂部の低濃度からそのゲル本体の底部の高濃度まで変化する濃度勾配ゲルである。かかる濃度勾配分離ゲル中のポリマーの濃度範囲は、その用途、および特に分離されるべきタンパク質のサイズに依存する。ある実施形態では、本願明細書で開示される方法の電気泳動ゲルは、(重量/体積)アクリルアミド濃度が約2%〜約30%、約2.5%〜25%、約3%〜約20%、約3%〜約8%、約4%〜約16%、約3%〜約12%、約4%〜約20%、または約5%〜約20%の範囲である濃度勾配を有する濃度勾配ポリアクリルアミドゲルであってよい。
本願明細書で開示される方法で使用される電気泳動ゲルは、スタッキングゲルポリマーの濃度が濃度勾配分離ゲルで使用されるポリマーの最低濃度以下である、濃度勾配分離ゲルおよびスタッキングゲルの両方を含むことができる。ある実施形態では、この電気泳動ゲルは、ポリアクリルアミド濃度勾配分離ゲルおよびポリアクリルアミドスタッキングゲルをともに含み、スタッキングゲル中のアクリルアミドの濃度は濃度勾配分離ゲルで使用されるアクリルアミドの最低濃度以下である。他の実施形態では、この電気泳動ゲルは、ポリアクリルアミド濃度勾配分離ゲルおよびポリアクリルアミドスタッキングゲルの両方を含み、スタッキングゲル中のアクリルアミドの濃度は、濃度勾配分離ゲル中で使用されるアクリルアミドの最低濃度以下であり、かつこのスタッキングゲルは約0.005%〜約1%、0.005%〜約0.75%、0.005%〜約0.5%、0.005%〜約0.1%、0.01%〜約1%、0.01%〜約0.75%、0.01%〜約0.5%、0.01%〜約0.1%、0.02%〜約1%、0.02%〜約0.75%、0.02%〜約0.5%、0.02%〜約0.2%または0.02%〜約0.1%(重量/体積)濃度の直鎖状ポリアクリルアミドを含む。他の実施形態では、この電気泳動ゲルは、ポリアクリルアミド濃度勾配分離ゲルおよびポリアクリルアミドスタッキングゲルの両方を含み、スタッキングゲル中のアクリルアミド濃度は、濃度勾配分離ゲル中で使用されるアクリルアミドの最低濃度以下であり、かつこのスタッキングゲルは、0.005%〜1%、0.005%〜0.75%、0.005%〜0.5%、0.005%〜0.1%、0.01%〜1%、0.01%〜0.75%、0.01%〜0.5%、0.01%〜0.1%、0.02%〜1%、0.02%〜0.75%、0.02%〜0.5%、0.02%〜0.2%または0.02%〜0.1%の(重量/体積)濃度の直鎖状ポリアクリルアミドを含む。別の実施形態では、本願明細書で開示される方法で使用される電気泳動ゲルは、4%〜16%のポリアクリルアミド濃度を含むスラブ濃度勾配ポリアクリルアミド分離ゲル、および3% ポリアクリルアミドおよび0.05%(重量/体積)の直鎖状ポリアクリルアミドの濃度を有するポリアクリルアミドスタッキングゲルを含むことができる。
本願明細書で開示される組成物、ゲルカセットおよび方法で使用される電気泳動ゲルの濃度勾配分離ゲルは、約0.005%〜約1%、0.005%〜約0.75%、0.005%〜約0.5%、0.005%〜約0.1%、0.01%〜約1%、0.01%〜約0.75%、0.01%〜約0.5%、0.01%〜約0.1%、0.02%〜約1%、0.02%〜約0.75%、0.02%〜約0.5%、0.02%〜約0.1%、または0.02%〜約0.1%の(重量/体積)濃度で存在する直鎖状アクリルアミドをも含むことができる。ある実施形態では、かかる濃度勾配分離ゲルは、0.005%〜1%、0.005%〜0.75%、0.005%〜0.5%、0.005%〜0.1%、0.01%〜1%、0.01%〜0.75%、0.01%〜0.5%、0.01%〜0.1%、0.02%〜1%、0.02%〜0.75%、0.02%〜0.5%、0.02%〜0.1%、または0.02%〜0.1%の(重量/体積)濃度で存在する直鎖状アクリルアミドを含む。ある実施形態では、かかる濃度勾配分離ゲルは、(重量/体積)アクリルアミド濃度が約2%〜約30%、約2.5%〜約25%、約3%〜約20%、約3%〜約8%、約4%〜約16%、約3%〜約12%、約4%〜約20%、または約5%〜約20%の範囲である濃度勾配を有するポリアクリルアミド濃度勾配分離ゲルである。ある実施形態では、かかる濃度勾配分離ゲルは、(重量/体積)アクリルアミド濃度が2%〜30%、2.5%〜25%、3%〜20%、3%〜8%、4%〜16%、3%〜12%、4%〜20%、または5%〜20%の範囲である濃度勾配を有するポリアクリルアミド濃度勾配分離ゲルである。
本願明細書で開示される方法で使用される電気泳動ゲルは、変性ゲルである分離ゲルおよびスタッキングゲルの両方を含むことができる。ある実施形態では、かかる変性作用を有する分離ゲルおよびスタッキングゲルは直鎖状ポリアクリルアミドを含み、他方、他の実施形態では、かかる変性作用を有する分離ゲルおよびスタッキングゲルはポリアクリルアミド分離ゲルおよびスタッキングゲルであり、このスタッキングゲルは直鎖状ポリアクリルアミドを含む。他の実施形態では、かかる変性作用を有する分離ゲルおよびスタッキングゲルは、直鎖状ポリアクリルアミドを含むポリアクリルアミド分離ゲルおよびスタッキングゲルである。他の実施形態では、本願明細書で開示される方法で使用される電気泳動ゲルは、スタッキングゲルを含まない変性ポリアクリルアミドゲルである。
本願明細書に記載される方法の分離工程で使用されるゲルは、任意の電気泳動バッファー(双性イオンバッファーが挙げられるが、これに限定されない)であってよいゲルバッファー(1種または複数種)を含む。ある実施形態では、当該ゲルバッファーは、常温でpH 5〜9を有する。ある実施形態では、当該ゲルバッファーは、常温でpH 6〜8.5を有する。ある実施形態では、当該ゲルバッファーは、常温でpH 6〜8を有する。ある実施形態では、当該ゲルバッファーは、常温でpH 6〜7を有する。ある実施形態では、当該ゲルバッファーは、常温でpH 7〜8を有する。ある実施形態では、当該ゲルバッファーは、25℃でpH 5〜9を有する。ある実施形態では、当該ゲルバッファーは、25℃でpH 6〜8.5を有する。ある実施形態では、当該ゲルバッファーは、25℃でpH 6〜8を有する。ある実施形態では、当該ゲルバッファーは、25℃でpH 7〜8を有する。ある実施形態では、当該ゲルバッファーは、25℃でpH 6〜7を有する。
ある実施形態では、本願明細書に記載される方法の分離工程で使用されるバッファー(1種または複数種)(ゲルバッファー(1種または複数種)を含む)は、常温で約5〜約8.5のpKaを有する化合物を含む。ある実施形態では、かかるバッファーは、常温で約6〜約8.5のpKaを有する化合物を含む。ある実施形態では、かかるバッファーは、常温で約6〜約8のpKaを有する化合物を含む。ある実施形態では、かかるバッファーは、常温で約6〜約7のpKaを有する化合物を含む。ある実施形態では、かかるバッファーは、常温で約7〜約8のpKaを有する化合物を含む。ある実施形態では、かかるバッファーは、25℃で約5〜約8.5のpKaを有する化合物を含む。ある実施形態では、かかるバッファーは、25℃で約6〜約8.5のpKaを有する化合物を含む。ある実施形態では、かかるバッファーは、25℃で約6〜約8のpKaを有する化合物を含む。ある実施形態では、かかるバッファーは、25℃で約6〜約7のpKaを有する化合物を含む。ある実施形態では、かかるバッファーは、25℃で約7〜約8のpKaを有する化合物を含む。
本願明細書に記載される方法の分離工程で使用されるバッファー(1種または複数種)(ゲルバッファー(1種または複数種)を含む)としては、コハク酸塩、クエン酸塩、ホウ酸塩、マレイン酸塩、カコジル酸塩、N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)、2−(N−モルホリノ)−エタンスルホン酸(MES)、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、ピペラジン−N,N’−2−エタンスルホン酸(PIPES)、2−(N−モルホリノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(MOPSO)、N,N−ビス−(ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、3−(N−モルホリノ)−プロパンスルホン酸(MOPS)、N−トリス−(ヒドロキシメチル)−2−エタンスルホン酸(TES)、N−2−ヒドロキシエチル−ピペラジン−N−2−エタンスルホン酸(HEPES)、3−(N−トリス−(ヒドロキシメチル)メチルアミノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(TAPSO)、3−(N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]アミノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)(HEPPSO)、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸(EPPS)、N−[トリス−(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン(トリシン(Tricine))、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(ビシン(Bicine))、(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸(TAPS)、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、トリス−(ヒドロキシメチル)アミノ−メタン(トリス)、トリス−アセテート−EDTA(TAE)、グリシン、ビス[2−ヒドロキシエチル]イミノトリス[ヒドロキシメチル]メタン(ビストリス)、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。加えて、かかるゲルバッファーとしては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を挙げることができる。
本願明細書に記載される方法で使用されるバッファー(1種または複数種)の濃度は、約10mM〜約1.5Mであってよい。ある実施形態では、当該濃度は約10mM〜約1Mであってよい。ある実施形態では、当該濃度は約20mM〜約500mMであってよく、他の実施形態では、当該濃度は約50mM〜約300mMである。ある実施形態では、当該濃度は約10mM〜約200mMであってよく、他の実施形態では、当該濃度は約10mM〜約500mMである。ある実施形態では、当該濃度は約50mM〜約200mMであってよく、他の実施形態では、当該濃度は約50mM〜約500mMである。ある実施形態では、当該濃度は約5mM〜約200mMであってよく、他の実施形態では、当該濃度は約5mMおよび約500mMである。ある実施形態では、当該濃度は約5mM〜約1Mであってよい。ある実施形態では、本願明細書に記載される方法で使用されるバッファー(1種または複数種)の濃度は、10mM〜1.5Mであってよい。ある実施形態では、当該濃度は10mM〜1Mであってよい。ある実施形態では、当該濃度は20mM〜500mMであってよく、および他の実施形態では、当該濃度は50mM〜300mMである。ある実施形態では、当該濃度は10mM〜200mMであってよく、他の実施形態では、当該濃度は10mM〜500mMである。ある実施形態では、当該濃度は50mM〜200mMであってよく、他の実施形態では、当該濃度は50mM〜500mMである。ある実施形態では、当該濃度は5mM〜200mMであってよく、他の実施形態では、当該濃度は5mM〜500mMである。ある実施形態では、当該濃度は5mM〜1Mであってよい。
可視化
標識されたタンパク質の分離は、その分離プロセスの間または分離後にモニターするまたは他の様式で可視化することができる。電気泳動手法またはクロマトグラフィ手法で使用するための当業者に公知の任意の検出システムが、本願明細書に記載される方法で使用することができる。例としてのみ示すと、レーザー誘導蛍光検出システム、撮像システム、CCDベースのシステム、吸光度ベースのシステム、PMTを利用するシステム、および質量分析ベースの検出が挙げられる。
標識されたタンパク質の分離は、その分離プロセスの間または分離後にモニターするまたは他の様式で可視化することができる。電気泳動手法またはクロマトグラフィ手法で使用するための当業者に公知の任意の検出システムが、本願明細書に記載される方法で使用することができる。例としてのみ示すと、レーザー誘導蛍光検出システム、撮像システム、CCDベースのシステム、吸光度ベースのシステム、PMTを利用するシステム、および質量分析ベースの検出が挙げられる。
電気泳動ゲルにおける試料バンドの可視化は、適切な波長(1種または複数)を有する光で電気泳動ゲルを照射して、色素、染料、または試料バンドと関連した他の指示薬の観察を可能にすることによって、成し遂げることができる。この電気泳動ゲルは、それ自体で可視化されてもよいし、またはそのゲルは電気泳動カセット内またはキャピラリー内にあってもよい。
可視化のために使用される光は、単色光であってもよいし、多色光であってもよい。例としてのみ示すと、多色光は白色光、UV光または赤外光であってよく、他方、単色光はレーザーまたは発光ダイオード(LED)を使用して、または白色光、UV光または赤外光などの光源の特異的スペクトルフィルタリング(spectral filtering)によって実現することができる。かかる単色光の所望の波長が使用される色素または染料の特異的スペクトルフィルタリング特性に依存することは理解されるであろう。そして当業者なら、かかる単色光を得る方法を知っているであろう。
可視化は、蛍光標識されたタンパク質の電気泳動による分離の間または分離の後に、電気泳動ゲルまたはゲルを含む電気泳動カセットが置かれる自立型の「ライトボックス」中で実施することができる。かかる「ライトボックス」では、電気泳動ゲルまたはゲルを含む電気泳動カセットが、電気泳動による分離の間置かれると、当該可視化が連続的または間欠的のいずれかで行われる。あるいは、そのゲルは分離後に可視化される。かかるライトボックスでは、電気泳動カセットを、上からまたは下から照射することができる。モニタリングは、CCDカメラもしくはビデオカメラを使用して、または使用者の直接観察によって成し遂げることができる。かかる可視化方法の他の実施形態では、モニタリング手段(CCDカメラまたはビデオカメラ、または直接観察による)および電場(1種または複数種)を印加するための手段が1つの装置に組み合わせられている電気泳動/モニタリング装置が使用される。加えて、他の実施形態では、電気泳動の間その電気泳動カセットを冷却するための手段が組み込まれている。かかる冷却は、冷却された気体(例として挙げれば、液体窒素)の流れ、ファンまたはペルチエ冷却器によって成し遂げることができる。
ある実施形態では、可視化は、Dark Reader(登録商標)(クレア・ケミカルズ(Clare Chemicals)、ドロレス(Dolores))またはSafe Imager(商標)(インビトロジェン、カールスバッド)を使用して成し遂げられる。ある実施形態では、可視化は、電気泳動ゲルを含む電気泳動カセットがDark Reader(登録商標)(クレア・ケミカルズ、ドロレス)に接続されてその上に置かれているE−Gel(登録商標)Powerbase(商標)(インビトロジェン カールスバッド)を使用して成し遂げられる。ある実施形態では、可視化は、E−PAGE(商標)またはE−Gel(登録商標)カセット(インビトロジェン カールスバッド)がDark Reader(登録商標)(クレア・ケミカルズ、ドロレス)に接続されてその上に置かれているE−Gel(登録商標)Powerbase(商標)(インビトロジェン カールスバッド)を使用して成し遂げられる。ある実施形態では、可視化は、電気泳動ゲルを含む電気泳動カセットがSafe Imager(商標)(インビトロジェン、カールスバッド)に接続されてその上に置かれているE−Gel(登録商標)Powerbase(商標)(インビトロジェン カールスバッド)を使用して成し遂げられる。ある実施形態では、可視化は、E−PAGE(商標)またはE−Gel(登録商標)カセット(インビトロジェン カールスバッド)がSafe Imager(商標)(インビトロジェン、カールスバッド)に接続されてその上に置かれているE−Gel(登録商標)Powerbase(商標)(インビトロジェン カールスバッド)を使用して成し遂げられる。
ある実施形態では可視化は、電気泳動ゲルを含む電気泳動カセットがDark Reader(登録商標)(クレア・ケミカルズ、ドロレス)に接続されてその上に置かれているE−Gel(登録商標)iBase(商標)(インビトロジェン カールスバッド)を使用して成し遂げられる。ある実施形態では、可視化は、E−PAGE(商標)またはE−Gel(登録商標)カセット(インビトロジェン カールスバッド)がDark Reader(登録商標)(クレア・ケミカルズ、ドロレス)に接続されてその上に置かれているE−Gel(登録商標)iBase(商標)(インビトロジェン カールスバッド)を使用して成し遂げられる。ある実施形態では、可視化は、電気泳動ゲルを含む電気泳動カセットがSafe Imager(商標)(インビトロジェン、カールスバッド)に接続されてその上に置かれているE−Gel(登録商標)iBase(商標)(インビトロジェン カールスバッド)を使用して成し遂げられる。ある実施形態では、可視化は、E−PAGE(商標)またはE−Gel(登録商標)カセット(インビトロジェン カールスバッド)がSafe Imager(商標)(インビトロジェン、カールスバッド)に接続されてその上に置かれているE−Gel(登録商標)iBase(商標)(インビトロジェン カールスバッド)を使用して成し遂げられる。
ある実施形態では、可視化は、電気泳動ゲルを含む電気泳動カセットが接続されているE−Base(登録商標)(インビトロジェン カールスバッド)を使用して成し遂げられかつ落射照明を使用して蛍光標識されたタンパク質がモニターされる。ある実施形態では、可視化は、E−PAGE(商標)またはE−Gel(登録商標)カセット(インビトロジェン カールスバッド)が接続されているE−Base(登録商標)(インビトロジェン カールスバッド)を使用して成し遂げられ、かつ落射照明を使用して蛍光標識されたタンパク質がモニターされる。上で提示されたかかる実施形態では、この落射照明は、本願明細書に提示される光源(白色光、所望の波長を得るための適切な光学フィルターを用いた白色光、青色光、レーザー、発光ダイオード(LED)および青色発光ダイオード(LED)が挙げられるが、これらに限定されない)を使用して成し遂げられ得る。
他の実施形態では、電気泳動を実行するための電力供給および可視化システムの両方を単一の統合されたユニットへと組み合わせるシステムを使用して可視化が成し遂げられる。例としてのみ示すと、ある実施形態では、可視化は、本願明細書に開示される可視化システムに統合されたE−Gel(登録商標)iBase(商標)を使用して成し遂げられる。
本願明細書で開示される方法で使用される電気泳動ゲルカセットの限定を意図しない例、およびかかるカセットを使用することができる装置の限定を意図しない例は、米国特許第5,582,702号、同第5,865,974号、および同第6,562,213号に開示されており、これらの各々を、参照によりその全体を本願明細書に援用したものとする。
ある例示となる実施形態では、本願明細書で開示される方法で使用される電気泳動カセットは、閉鎖型電気泳動カセットである。閉鎖型電気泳動ゲルカセットは少なくとも4つの壁を有し、これらの壁は密閉されてこれらの壁に囲まれた分離チャンバを形成し、そしてこの分離チャンバは、少なくとも2つのウェルが中に形成されている電気泳動ゲルマトリクスを含む。加えて、かかるカセットの少なくとも1つの壁は、このカセットの外部から分離チャンバ中に含まれる電気泳動ゲル中に形成されたウェルにアクセスするための、またはこのカセットの外部からカセット内部の空の分離チャンバへのアクセスのための一列の開いた部分(本願明細書において開口部とも呼ばれる)を有する。かかる閉鎖型カセットは、電気泳動分離を実行するために、およびある実施形態では、分離された試料バンドの可視化を可能にするために必要とされるすべての化合物をも含む。加えて、かかる閉鎖型カセットは使い捨てのものであってもよい。ある実施形態では、この電気泳動ゲルは、社外販売業者によって分離チャンバの中に置かれ、他方、他の実施形態では、この分離チャンバは、最終使用者がその電気泳動カセットを使用する前にその電気泳動ゲルを分離チャンバに置くまでは、電気泳動ゲルを含まない。
図14および図15は、本願明細書で開示される方法で使用される閉鎖型カセットの1つの実施形態を示す。図14は外面図であり、図15は図14のIV−−IVに沿った断面図として見られる。カセット10は、底面壁19、側壁12および14、および上面壁18を有する3次元的な分離チャンバを備え、これらの壁の各々は特定の厚さを有する。カセット10は壁12、14、16、および19によって取り囲まれているという点では、カセット10は実質的に閉鎖型であるが、それは本願明細書で開示されるであろうような開口部36をも備え、任意の排気孔(34および/または32)も備えることができる。壁の厚さは0.1〜10mmの範囲であってよく、ある実施形態ではこの厚さは1.5mmである。他の実施形態では、この厚さは9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2mmまたは1mmである。
カセット10の長さは50〜200mmの範囲であってよく、カセット10の幅は50〜150mmの範囲であってよく、カセット10の高さは1〜10mmの範囲であってよい。1つの実施形態では、カセット10の長さ、幅および高さは、それぞれ160ミリメートル(mm)、100mmおよび6mmである。別の実施形態では、カセット10の長さ、幅および高さは、それぞれ130mm、130mmおよび6mmである。別の実施形態では、カセット10の長さ、幅および高さは、それぞれ100mm、80mmおよび6mmである。別の実施形態では、カセット10の長さ、幅および高さは、それぞれ108mm、135mmおよび6.7mmである。
上記のとおり、カセット10は、任意に、電気泳動の間に電極23および21での電気化学反応によって発生する可能性がある気体状分子(例えば、酸素および/または水素)の逃散を可能にするための排気孔32および34を含んでもよい。ある実施形態では、排気孔は直径0.5〜2mmの範囲に及び、他方、他の実施形態では、この排気孔は直径0.5〜1mmの範囲に及ぶ。他の実施形態では、排気孔は直径1〜2mmの範囲に及び、1つの実施形態では、この排気孔は直径1mmである。
図15Aおよび図15Bの断面図に示されるとおり、当該分離チャンバは電気泳動ゲルマトリクス16を含み、このゲルマトリクスは本願明細書に記載される任意の適切な電気泳動ゲルマトリクスであってよい。この分離チャンバは、外部直流(DC)電力源に接続されたときに、電気泳動分離を実行するために必要とされる電場を提供する、21および23と参照番号が付された2つの導電性電極をも含む。図14および図15に図示された実施形態では、電極21はカソードであり、電極23はアノードであるが、しかしながら他の実施形態では、電極21はアノードであり、電極23はカソードである。
この分離チャンバは、任意に、20および22と参照番号が付されたイオン交換マトリクスを含んでいてよい。図15Aおよび図15Bに図示された実施形態では、電極21はカソードであり、電極23はアノードであり、マトリクス20はカチオン交換マトリクスであり、マトリクス22はアニオン交換マトリクスであるが、しかしながら他の実施形態では、電極21はアノードであり、電極23はカソードであり、マトリクス20はアニオン交換マトリクスであり、マトリクス22はカチオン交換マトリクスである。
この分離チャンバは任意に内部容積29および30をも備えていてよく、これらの内部容積は、互いに独立に、占有されていなくてもよく、電気泳動ゲルマトリクスに占有されていてもよく、またはバッファーに占有されていてもよい。占有されていない場合、内部容積29または30は、電気泳動の間に生成される気体が蓄積してよい容積として使用される。あるいは、上記のとおり、カートリッジ10は、任意に、容積29および/または30に蓄積した気体を排出するための少なくとも2つの排気孔32および34を含んでいてよい。カセット10が排気孔32および34を含む場合は、それらは電気泳動が始まる直前に開かれ、その試験が完結した後には汚染の可能性を実質的に減少させるために閉じられるということは分かるであろう。
加えて、カートリッジ10は、電極21を支持することができる傾斜台27を含んでいてよい。この傾斜台は、電極21と、電極21の上に存在するイオン交換マトリクス22の表面との連続的な接触を容易にし、これにより電極21の近傍で生成した気泡の放出が空の容積30に向けられる。ある実施形態では、傾斜台27は、カートリッジ10の一体化部分として形成され、底面壁19に対して約45°の角度で傾いている。
電気泳動ゲルマトリクス16に形成されるウェル38が、同様に図15Aおよび図15Bの断面図に示されている。かかるウェルは、開口部36の下に配置されている。図14に示される開口部36、および対応するウェル38は、電気泳動による分離を受けることになるタンパク質またはタンパク質断片の試料を導入するために使用される。しかしながら、本願明細書で開示される方法で使用される開口部およびウェルの構成は1つの横列に限定されず、本願明細書で論じられる種々の形式のアレイなどの他の構成を含んでよい。1つの実施形態では、カートリッジ10は複数の開口部および複数のウェルを含み、この複数の開口部および複数のウェルは1〜200個の開口部および1〜200個のウェルに及ぶ。別の実施形態では、この複数の開口部および複数のウェルは1〜100個の開口部および1〜100個のウェルに及ぶ。別の実施形態では、この複数の開口部および複数のウェルは1〜50個の開口部および1〜50個のウェルに及ぶ。ある実施形態では、カートリッジ10は96個の開口部および96個のウェルを含み、他方、ある実施形態では、カートリッジ10は48個の開口部および48個のウェルを含む。開口部36および37ならびにウェル38および39の寸法が本願明細書で論じられるが、しかしながら1つの実施形態では、ウェル38および39は幅0.5〜5mm、長さ1〜5mm、および深さ3〜5mmの寸法を有する。
このウェルは、当該電気泳動ゲルマトリクスがまだ液体状態にあるときに、電気泳動ゲルマトリクスの組立ての間にその分離チャンバ内の電気泳動ゲルマトリクスの中に「くし」を導入することによって、などの任意の適切な方法によって形成してもよい。この「くし」は突き出た歯を有し、この歯が上面壁18にある開口部を介して電気泳動ゲルマトリクスに突き出るように配置される。このウェルは、くしの外形のまわりでゲル状態へと上記マトリクスが固化するときに、電気泳動ゲルマトリクス中に形成される。このくしがその電気泳動ゲルマトリクスおよび開口部から外に引き出されると、そのウェルは、試料、バッファー、または水などの液体のローディングのために利用できる。このくしはローディング直前に取り除かれてよく、またはそのくしは、例えばローディングの5秒〜1日前、またはローディングの10秒〜12時間前、またはローディングの10秒〜30分間前などの範囲のローディング前のある時期に取り除かれてよい。あるいは、このくしは電気泳動ゲルマトリクスおよび開口部から外に引き出され、カセット(開口部および対応するウェルを含む)の頂部はテープで覆われ、これにより、得られたウェルは汚染の可能性から封鎖される。次いでこの封鎖用テープは、ローディング直前に取り除かれ、またはその封鎖用テープは、ローディングの5秒〜1日前、またはローディングの10秒〜12時間前などの範囲のローディング前のある時期に取り除かれてもよい。
ある実施形態では、この電気泳動カセットは、液体バッファーを含むカセット内の複数の領域に電極を有することができる。ある実施形態では、液体バッファーを含む領域は電気泳動ゲルと同じ平面にあり、他方、他の実施形態では、液体バッファーを含む領域は、電気泳動ゲルの平面の下または上に置かれる。他の実施形態では、この電極は、電場の印加を容易にするためのイオンを含むゲル(電気泳動ゲルなど)と直接接触しているが、液体バッファーについては不要である。他の実施形態では、この電極は、電場の印加を容易にするためのイオンを含むゲル(電気泳動ゲルなど)中に包埋されるが、液体バッファーについては不要である。他の実施形態では、この電極は、電場の印加を容易にするためのイオンを含むゲル(電気泳動ゲルなど)と間接的に接触しているが、液体バッファーについては不要であり、かかる間接的な接触は別のゲル物質を介したものであってもよいし、または単純な電気接点によるものであってもよい。
あるいは、本願明細書に記載される方法で使用される分離技術は、電気泳動のスラブゲルを使用する開放系であり、このスラブゲルはランニングバッファーの中に浸漬されておらず、カセット内に備えられない。かかる方法では、このスラブゲルは上面および下面を備え、この上面は液体とは接触しておらず、すなわちスラブゲルは電気泳動による分離を実行するために使用されるランニングバッファーに浸漬されていない。かかる方法では、例としてのみ示すと、このスラブゲルは、直接的または間接的いずれかで電極と接触して置かれ、当該試料の電気泳動による泳動を実行するために電場が印加される。間接的な接触は、上記電極がバッファータンク中に置かれ、そのバッファータンクはスラブゲルとそのタンクとの間にウィッキング(wicking)手段を有するウィッキング手法を使用して成し遂げることができるし、または間接的な接触は、電極とスラブゲルとの間に置かれたゲルマトリクスを使用して成し遂げることができる。加えて、かかる方法で使用されるスラブゲルは、上記電気泳動カセットについて本願明細書に開示されるローディングウェルおよび回収ウェルのアレイを含み、開口部は使用されないが、分離方法は上記電気泳動カセットについて本願明細書に開示される方法と同じである。
あるいは、本願明細書に記載される方法で使用される分離技術は、電気泳動のスラブゲルを使用する開放系であり、このスラブゲルはランニングバッファー中に浸漬され、カセット内には備えられない。
本願明細書で開示される方法で使用されるスラブゲルおよび電気泳動カセットは、1つだけの横列のウェルおよび開口部を有してもよく、またはかかるゲルおよびカセットはウェルおよび開口部の複数のアレイを有してもよい。ウェルおよび開口部のかかるアレイは、「r×c」アレイであるとして開示されることがあり、ここでrは横列の数であり、cは縦列の数である。かかるアレイの横列の数、r、および縦列の数、c、は互いに独立であり、それゆえ本願明細書で開示される方法で使用されるウェルおよび開口部のアレイは、対称的アレイ(このときr=c)となり得るし、または非対称的アレイ(このときr≠c)にもなり得る。ウェルおよび開口部のかかるアレイは、各々独立に少なくとも1の縦列、少なくとも2の縦列、少なくとも3の縦列、少なくとも4の縦列、少なくとも5の縦列、少なくとも6の縦列、少なくとも7の縦列、少なくとも8の縦列、少なくとも9の縦列、少なくとも10の縦列、少なくとも11の縦列、少なくとも12の縦列、少なくとも15の縦列、少なくとも20の縦列、少なくとも50の縦列、または少なくとも100の縦列と組み合わせた、少なくとも1の横列、少なくとも2の横列、少なくとも3の横列、少なくとも4の横列、少なくとも5の横列、少なくとも6の横列、少なくとも7の横列、少なくとも8の横列、少なくとも9の横列、少なくとも10の横列、少なくとも11の横列、少なくとも12の横列、少なくとも15の横列、少なくとも20の横列、少なくとも50の横列、または少なくとも100の横列を含むことができる。
本願明細書で開示される方法で使用されるウェルおよび開口部のアレイの限定を意図しない例としては、r×1アレイ、r×2アレイ、r×3アレイ、r×4アレイ、r×5アレイ、r×6アレイ、r×7アレイ、r×8アレイ、r×9アレイ、r×10アレイ、r×11アレイ、r×12、r×13アレイ、r×14アレイ、r×15アレイ、r×16アレイ、r×17アレイ、r×18アレイ、r×19アレイ、r×20アレイ、r×21アレイ、r×22アレイ、r×23アレイ、r×24アレイ、r×25、およびr×26アレイ(ここでrは2〜26の整数である)が挙げられるが、これらに限定されない。
本願明細書で開示される方法で使用されるウェルおよび開口部のアレイの他の限定を意図しない例としては、1×cアレイ、2×cアレイ、3×cアレイ、4×cアレイ、5×cアレイ、6×cアレイ、7×cアレイ、8×cアレイ、9×cアレイ、10×cアレイ、11×cアレイ、12×c、13×cアレイ、14×cアレイ、15×cアレイ、16×cアレイ、17×cアレイ、18×cアレイ、19×cアレイ、20×cアレイ、21×cアレイ、22×cアレイ、23×cアレイ、24×cアレイ、25×c、および26×cアレイ(ここで、cは2〜26の整数である)が挙げられるが、これらに限定されない。
本願明細書で開示される方法で使用されるウェルのアレイにおけるウェルおよび開口部の配置は、1つの横列のウェルおよび開口部であってよい。あるいは、本願明細書で開示される方法で使用されるウェルのアレイにおけるウェルおよび開口部の配置としては、図16に図示される配置が挙げられるが、これらに限定されない。かかる配置は、横列が交互のシグザグ形式で配置されている、図16E〜図16Fに示すような市松模様パターンであってよい。あるいは、ウェルおよび開口部の配置は、図14A−14Dに示すようなパターンであってもよい。かかるアレイパターンにおけるウェルおよび開口部の数は、2〜200、2〜150、2〜96、2〜48、2〜24、または2〜12であってよい。
ある実施形態では、ウェルおよび開口部のアレイの横列のウェル間の間隔および開口部間の間隔は等距離であり、1つのウェルの中心から次のウェルまで測定した場合、5mm〜10cmの範囲とすることができる。ある実施形態では、ウェルおよび開口部のアレイの縦列のウェル間の間隔および開口部間の間隔は等距離であり、1つのウェルの中心から次のウェルまで測定した場合、5mm〜10cmの範囲とすることができる。
ある実施形態では、ウェルおよび開口部のアレイの横列のウェル間の間隔および開口部間の間隔は、第1のウェルの中心から次のウェルまで測定した第1の間隔が5mm〜10cmの範囲にあり、かつ5mm〜10cmの範囲の増分量で、左から右へ線形的増分で増加することができる。あるいは、ある実施形態では、ウェルおよび開口部のアレイの横列のウェル間の間隔および開口部間の間隔は、1つのウェルの中心から次のウェルまで測定した場合、第1の間隔が5mm〜10cmの範囲にあり、かつ5mm〜10cmの範囲の増分量で、左から右へ線形的増分で減少することができる。
ある実施形態では、ウェルおよび開口部のアレイの横列のウェル間の間隔および開口部間の間隔は、第1のウェルの中心から次のウェルまで測定した第1の間隔が5mm〜10cmの範囲にあり、かつ5mm〜10cmの範囲の増分量で、左から右へ非線形的増分で増加することができる。あるいは、ある実施形態では、ウェルおよび開口部のアレイの横列のウェル間の間隔および開口部間の間隔は、第1のウェルの中心から次のウェルまで測定した第1の間隔が5mm〜10cmの範囲にあり、かつ5mm〜10cmの範囲の増分量で、左から右へ非線形的増分で減少することができる。
ある実施形態では、ウェルおよび開口部のアレイの縦列のウェル間の間隔および開口部間の間隔は、第1のウェルの中心から次のウェルまで測定した第1の間隔が5mm〜10cmの範囲にあり、かつ5mm〜10cmの範囲の増分量で、頂部から底部へ線形的増分で増加することができる。あるいは、ある実施形態では、ウェルおよび開口部のアレイの縦列のウェル間の間隔および開口部間の間隔は、第1のウェルの中心から次のウェルまで測定した第1の間隔が5mm〜10cmの範囲にあり、かつ5mm〜10cmの範囲の増分量で、頂部から底部へ線形的増分で減少することができる。
ある実施形態では、ウェルおよび開口部のアレイの縦列のウェル間の間隔および開口部間の間隔は、第1のウェルの中心から次のウェルまで測定した第1の間隔が5mm〜10cmの範囲にあり、かつ5mm〜10cmの範囲の増分量で、頂部から底部へ非線形的増分で増加することができる。あるいは、ある実施形態では、ウェルおよび開口部のアレイの縦列のウェル間の間隔および開口部間の間隔は、第1のウェルの中心から次のウェルまで測定した第1の間隔が5mm〜10cmの範囲にあり、かつ5mm〜10cmの範囲の増分量で、頂部から底部へ非線形的増分で減少することができる。
ウェルおよび開口部のアレイの各ウェルおよび開口部は、他とは独立に、円形、半円形、正方形、長方形、三角形、または卵形の形状をとることができる。異なる形状のウェルの寸法は以下のようにすることができる:
円形ウェル:直径2mm〜15mm、および深さ1mm〜6mm;
半円形ウェル:半径1mm〜7.5mm、および深さ1mm〜6mm;
正方形ウェル、長さおよび幅2mm〜15mm、および深さ1mm〜6mm;
長方形ウェル、長さ2mm〜15mm、幅2mm〜15mm、および深さ1mm〜6mm;
三角形ウェル、長さ2mm〜15mm、高さ2mm〜15mm、および深さ1mm〜6mm;
卵形ウェル、長さ2mm〜15mm、高さ2mm〜15mm、および深さ1mm〜6mm。
円形ウェル:直径2mm〜15mm、および深さ1mm〜6mm;
半円形ウェル:半径1mm〜7.5mm、および深さ1mm〜6mm;
正方形ウェル、長さおよび幅2mm〜15mm、および深さ1mm〜6mm;
長方形ウェル、長さ2mm〜15mm、幅2mm〜15mm、および深さ1mm〜6mm;
三角形ウェル、長さ2mm〜15mm、高さ2mm〜15mm、および深さ1mm〜6mm;
卵形ウェル、長さ2mm〜15mm、高さ2mm〜15mm、および深さ1mm〜6mm。
当該ウェルは円形または卵形の形状をとっていてよいが、本発明のウェルは電気泳動の方向に実質的に平坦な壁を有して正方形、長方形、半円形または三角形をとることが好ましい。なぜなら、電気泳動の方向に平坦でない壁は電気泳動の間の試料バンドの形状に悪影響を及ぼす可能性があり、これにより試料構成成分の分離の分解能に影響を及ぼす可能性があるからである。加えて、このウェルの深さは、その電気泳動ゲルの厚さ未満であるべきであり、このウェルの底部は、電気泳動カセットの壁によってではなく、電気泳動ゲルによって形成される。
ウェルのアレイの各ウェルは、他のウェルとは独立に、150nL〜14mLの範囲の容積を有することができる。ある実施形態では、各ウェルの容積は、他のウェルとは独立に5μL〜10mLの範囲であってよい。ある実施形態では、各ウェルの容積は、他のウェルとは独立に5μL〜1mLの範囲であってよい。ある実施形態では、各ウェルの容積は、他のウェルとは独立に5μL〜500μLの範囲であってよい。ある実施形態では、各ウェルの容積は、他のウェルとは独立に5μL〜200μlの範囲であってよい。ある実施形態では、各ウェルの容積は、他のウェルとは独立に5μL〜100μLの範囲であってよい。より大きい容積のウェル(500μL〜14mLの範囲の容積を有するウェルが挙げられるが、これらに限定されない)は、大きい試料体積からの注目する構成成分の分離、単離および回収のために使用することができる。
本願明細書に記載される方法で使用されるゲルカセットのポリマー成分は、可視光に対して透明な、紫外光に対して透明な、赤外光に対して透明な、または可視光および紫外光の両方に対して透明なポリマーで作製されていてよい。本願明細書に開示されるゲルカセットを作製するために使用されるポリマーの限定を意図しない例は、スチレンアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル系ポリマー、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタラート、グリコール変性ポリエチレンテレフタラート、ポリプロピレン、アセタールおよびこれらのコポリマーである。そのゲルカセットのポリマー構成成分は、成形技術、熱エンボス加工法、成型プロセス、熱成形法、ステレオリソグラフィー(光造形)プロセス、機械加工法およびフライス加工プロセスを使用して製作してよい。さらなるまたは別の実施形態では、かかる成形技術としては、射出成形および圧縮成形が挙げられる。
本願明細書に開示されるとおり、上記ゲルカセットは2つの電極、アノードおよびカソードをも含み、このときウェルおよび開口部のアレイは電極間に配置される。かかる電極は、試料の構成成分の電気泳動による泳動および分離を実行するために使用される電場を作り出すために使用される。上記電気泳動カセットの電極は、電気伝導性の金属材料または電気伝導性の非金属(白金、パラジウム、金、銅、鉛、アルミニウム、銀、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、グラファイト、または炭素が挙げられるが、これらに限定されない)であってよい。あるいは、上記電気泳動カセットの電極は、電気伝導性の金属または非金属(白金、パラジウム、金、銅、鉛、アルミニウム、銀、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、グラファイト、炭素またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない)でコーティングされている非伝導性材料を含むことができる。
上記電気泳動ゲルカセットの開口部のアレイは、開口部を通して、ローディング開口部の下に置かれた対応するローディングウェルの中へと試料をロードできる少なくとも1つの横列または縦列のローディング開口部を有する。
本願明細書で開示される方法で使用される電気泳動ゲルカセットはアノードと電気泳動ゲルとの間に置かれたカチオンイオン交換マトリクスを任意に有してもよく、カソードと電気泳動ゲルとの間に置かれたアニオンイオン交換マトリクスを有してもよい。当該ゲルカセットの中に組み込まれるカチオン交換材料の限定を意図しない例はCM−25−120 Sephadexであり、当該ゲルカセットの中に組み込まれるアニオン交換材料の限定を意図しない例はWA−30であり、これらはともに米国、セントルイスのシグマ社(Sigma Inc.)から市販されている。
本願明細書で開示される方法で使用される電気泳動ゲルカセットは、電気泳動ゲルがすでに上記分離チャンバの中に成型されており、ウェルが少なくとも1つのゲル用のくしによって任意に占有されていてもよい。このくし(1個または複数個)は取り除かれ、ローディングウェルおよび回収ウェルとして使用するために利用できるウェルが得られる。あるいは、本願明細書で開示される方法で使用される電気泳動ゲルカセットは、空であってもよく、電気泳動ゲルは、使用者によって適切なくしを使用して成型され、ローディングウェルおよび回収ウェルとして使用するために利用できるウェルのアレイが作製される。
組成物
別の態様では、本願明細書に記載される方法の実施に有用な組成物が本願明細書に提示される。1つの実施形態は、二ヒ素フルオロフォアと、アミン反応性蛍光色素と、還元剤とを含む組成物である。別の実施形態は、アミン反応性蛍光発生性試薬と、シアン化アルカリ(あるいはアセトンシアノヒドリンまたはニトリル(マンデロニトリルなど))と、還元剤とを含むpH 6〜pH 9のpHの組成物である。別の実施形態は、アミン反応性蛍光発生性試薬と、シアン化アルカリ(あるいはアセトンシアノヒドリンまたはマンデロニトリル)と、二ヒ素フルオロフォアと、還元剤とを含むpH 6〜pH 9のpHの組成物である。
別の態様では、本願明細書に記載される方法の実施に有用な組成物が本願明細書に提示される。1つの実施形態は、二ヒ素フルオロフォアと、アミン反応性蛍光色素と、還元剤とを含む組成物である。別の実施形態は、アミン反応性蛍光発生性試薬と、シアン化アルカリ(あるいはアセトンシアノヒドリンまたはニトリル(マンデロニトリルなど))と、還元剤とを含むpH 6〜pH 9のpHの組成物である。別の実施形態は、アミン反応性蛍光発生性試薬と、シアン化アルカリ(あるいはアセトンシアノヒドリンまたはマンデロニトリル)と、二ヒ素フルオロフォアと、還元剤とを含むpH 6〜pH 9のpHの組成物である。
別の態様は、pH 8〜pH 10の範囲のpHを有するバッファーと、タグ結合蛍光発生性色素と、アニオン性界面活性剤と、糖類または糖アルコールと、追跡用色素と、1以上の還元剤と、炭酸水素塩とを含む組成物である。
ある実施形態では、かかる組成物の還元剤(1種または複数種)は、トリアルキルホスフィン化合物、ジチオトレイトール(DTT)、2−メルカプトエタノール、亜硫酸水素ナトリウム、チオグリコール酸、メルカプトエタンスルホン酸またはグルタチオンから選択され、ここでこのトリアルキルホスフィン化合物はトリ−N−ブチルホスフィン(TBP)またはトリス[2−カルボキシエチル]ホスフィン(TCEP)である。
ある実施形態では、かかる組成物のタグ結合蛍光発生性色素は二ヒ素フルオロフォアである。ある実施形態では、かかる組成物のタグ結合蛍光発生性色素はフルオレセインの二ヒ素誘導体である。ある実施形態では、かかる組成物のタグ結合蛍光発生性色素は4’−5’−ビス(1,3,2−ジチオアルソラン−2−イル)フルオレセイン−(2,2−エタンジチオール)2である。ある実施形態では、かかる組成物のタグ結合蛍光発生性色素はレゾルフィンの二ヒ素誘導体である。ある実施形態では、かかる組成物のタグ結合蛍光発生性色素は4’−5’−ビス(1,3,2−ジチオアルソラン−2−イル)レゾルフィン−(2,2−エタンジチオール)2である。
ある実施形態では、かかる組成物のアニオン性界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルカルボン酸塩、アルキルエーテルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテルスルホン酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩またはアルキルエーテルカルボン酸塩である。ある実施形態では、かかる組成物のアニオン性界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸リチウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウムまたはステアリン酸ナトリウムである。ある実施形態では、かかる組成物のアニオン性界面活性剤はドデシル硫酸ナトリウムまたはドデシル硫酸リチウムである。
ある実施形態では、かかる組成物のアニオン性界面活性剤はショ糖であり、他の実施形態では、上記糖アルコールはグリセロールである。ある実施形態では、追跡用色素はブロモフェノールブルーである。ある実施形態では、かかる組成物のバッファーは、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、ホウ酸塩、ビス−トリスプロパン、およびビシンからなる群から選択される。ある実施形態では、かかる組成物はさらにタグ化タンパク質を含む。ある実施形態では、タグ化タンパク質はテトラシステイン含有ペプチドでタグ化されている。
ある実施形態では、かかる組成物はさらにアミン反応性蛍光色素を含む。ある実施形態では、かかる組成物のアミン反応性蛍光色素は、フルオレセイン部分、ローダミン部分、アクリジン部分、クマリン部分、インドール部分、イソインドール部分、インドリジン部分、キノリン部分、イソキノリン部分、クロメン部分、キサンテン部分、ナフタレン部分、ピレン部分、ビマン部分およびBODIPY部分からなる群から選択される蛍光性部分を有する。ある実施形態では、かかる組成物のアミン反応性蛍光色素はさらに、アシルアジド、カルボニルアジド、イソチオシアネート、イソシアネート、スクシンイミジルエステル、カルボン酸エステル、カルボン酸、スクシンイミジルエステル、スルホスクシンイミジルエステル、STPエステル、テトラフルオロフェニルエステル、塩化スルホニル、酸ハロゲン化物、アルデヒド、カルボキシアルデヒド、ジクロロトリアジン、NBD塩化物、またはNBDフッ化物からなる群から選択される反応性部分を含む。
1つの実施形態では、当該組成物は、pH 8〜pH 10の範囲のpHを有するリン酸塩バッファー、4’−5’−ビス(1,3,2−ジチオアルソラン−2−イル)フルオレセイン−(2,2−エタンジチオール)2、ドデシル硫酸ナトリウム、グリセロール、ブロモフェノールブルー、トリス[2−カルボキシエチル]ホスフィン(TCEP)、メルカプトエタンスルホン酸および炭酸水素塩を含む。
キット 別の態様では、タンパク質標識および分析のために使用されるキットが本願明細書で開示される。ある実施形態では、このキットは、本願明細書に記載されるアミン反応性蛍光発生性試薬と、本願明細書に記載されるシアン化アルカリ(あるいはアセトンシアノヒドリンまたはニトリル(マンデロニトリルなど))と、本願明細書に記載される第1のバッファーと、本願明細書に記載される第2のバッファーとを含む。このキットは、本願明細書に記載される還元剤、本願明細書に記載されるゲルカセット、本願明細書に記載されるアニオン性界面活性剤、アルキル化剤(ジメチルアクリルアミド(DMA)および当該技術分野で公知の他のアルキル化剤、またはこれらの組合せなど)を任意に含むことができる。さらに、このキットは、1以上の追跡用色素(ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールグリーン、Serva blue G250、またはPonceau Sなど、しかしフェノールレッドではない)を含んでいてもよい、代替の非蛍光性ゲルローディングバッファーを任意に含むことができる。
他の実施形態では、本願明細書に記載される二ヒ素フルオロフォアと、本願明細書に記載されるアミン反応性蛍光色素と、本願明細書に記載される第1のバッファーと、本願明細書に記載される第2のバッファーとを含むキットが本願明細書で開示される。このキットは、本願明細書に記載される還元剤、本願明細書に記載されるゲルカセット、本願明細書に記載されるアニオン性界面活性剤、アルキル化剤(DMA)および当該技術分野で公知の他のアルキル化剤、またはこれらの組合せなど)を任意に含むことができる。
ある実施形態は、
a)pH 8〜pH 10の範囲のpHを有するバッファーと、少なくとも4つのシステイン部分に結合する蛍光発生性色素と、少なくとも1つの還元剤と、アニオン性界面活性剤と、糖類または糖アルコールと、追跡用色素と、1以上の還元剤と、炭酸水素塩とを含む第1の組成物と、
b)アミン反応性蛍光色素を含む第2の組成物と
を含む、キットである。かかるキットのある実施形態では、このアミン反応性蛍光色素は、フルオレセイン部分、ローダミン部分、アクリジン部分、クマリン部分、インドール部分、イソインドール部分、インドリジン部分、キノリン部分、イソキノリン部分、クロメン部分、キサンテン部分、ナフタレン部分、ピレン部分、ビマン部分およびBODIPY部分からなる群から選択される蛍光性部分を含む。かかるキットの他の実施形態では、上記アミン反応性蛍光色素はさらに、アシルアジド、カルボニルアジド、イソチオシアネート、イソシアネート、スクシンイミジルエステル、カルボン酸エステル、カルボン酸、スクシンイミジルエステル、スルホスクシンイミジルエステル、STPエステル、テトラフルオロフェニルエステル、塩化スルホニル、酸ハロゲン化物、アルデヒド、カルボキシアルデヒド、ジクロロトリアジン、NBD塩化物、またはNBDフッ化物からなる群から選択される反応性部分を含む。かかるキットの他の実施形態では、アニオン性界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸リチウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウムまたはステアリン酸ナトリウムである。かかるキットの他の実施形態では、このアニオン性界面活性剤はドデシル硫酸ナトリウムまたはドデシル硫酸リチウムである。かかるキットの他の実施形態では、この還元剤は、トリアルキルホスフィン化合物、ジチオトレイトール(DTT)、2−メルカプトエタノール、亜硫酸水素ナトリウム、チオグリコール酸、メルカプトエタンスルホン酸、グルタチオンまたはこれらの組合せから選択される。かかるキットの他の実施形態では、このトリアルキルホスフィン化合物はトリ−N−ブチルホスフィン(TBP)またはトリス[2−カルボキシエチル]ホスフィン(TCEP)である。かかるキットの他の実施形態では、この少なくとも4つのシステイン部分に結合する蛍光発生性色素は二ヒ素フルオロフォアである。かかるキットの他の実施形態では、この二ヒ素フルオロフォアはフルオレセインの二ヒ素誘導体である。かかるキットの他の実施形態では、この二ヒ素フルオロフォアは4’−5’−ビス(1,3,2−ジチオアルソラン−2−イル)フルオレセイン−(2,2−エタンジチオール)2である。かかるキットの他の実施形態では、この二ヒ素フルオロフォアはレゾルフィンの二ヒ素誘導体である。かかるキットの他の実施形態では、この二ヒ素フルオロフォアは4’−5’−ビス(1,3,2−ジチオアルソラン−2−イル)レゾルフィン−(2,2−エタンジチオール)2である。かかるキットの他の実施形態では、上記糖類はショ糖である。かかるキットの他の実施形態では、糖アルコールはグリセロールである。かかるキットの他の実施形態では、上記追跡用色素はブロモフェノールブルーである。かかるキットの他の実施形態では、上記バッファーは、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、ホウ酸塩、ビス−トリスプロパン、およびビシンからなる群から選択される。
a)pH 8〜pH 10の範囲のpHを有するバッファーと、少なくとも4つのシステイン部分に結合する蛍光発生性色素と、少なくとも1つの還元剤と、アニオン性界面活性剤と、糖類または糖アルコールと、追跡用色素と、1以上の還元剤と、炭酸水素塩とを含む第1の組成物と、
b)アミン反応性蛍光色素を含む第2の組成物と
を含む、キットである。かかるキットのある実施形態では、このアミン反応性蛍光色素は、フルオレセイン部分、ローダミン部分、アクリジン部分、クマリン部分、インドール部分、イソインドール部分、インドリジン部分、キノリン部分、イソキノリン部分、クロメン部分、キサンテン部分、ナフタレン部分、ピレン部分、ビマン部分およびBODIPY部分からなる群から選択される蛍光性部分を含む。かかるキットの他の実施形態では、上記アミン反応性蛍光色素はさらに、アシルアジド、カルボニルアジド、イソチオシアネート、イソシアネート、スクシンイミジルエステル、カルボン酸エステル、カルボン酸、スクシンイミジルエステル、スルホスクシンイミジルエステル、STPエステル、テトラフルオロフェニルエステル、塩化スルホニル、酸ハロゲン化物、アルデヒド、カルボキシアルデヒド、ジクロロトリアジン、NBD塩化物、またはNBDフッ化物からなる群から選択される反応性部分を含む。かかるキットの他の実施形態では、アニオン性界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸リチウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウムまたはステアリン酸ナトリウムである。かかるキットの他の実施形態では、このアニオン性界面活性剤はドデシル硫酸ナトリウムまたはドデシル硫酸リチウムである。かかるキットの他の実施形態では、この還元剤は、トリアルキルホスフィン化合物、ジチオトレイトール(DTT)、2−メルカプトエタノール、亜硫酸水素ナトリウム、チオグリコール酸、メルカプトエタンスルホン酸、グルタチオンまたはこれらの組合せから選択される。かかるキットの他の実施形態では、このトリアルキルホスフィン化合物はトリ−N−ブチルホスフィン(TBP)またはトリス[2−カルボキシエチル]ホスフィン(TCEP)である。かかるキットの他の実施形態では、この少なくとも4つのシステイン部分に結合する蛍光発生性色素は二ヒ素フルオロフォアである。かかるキットの他の実施形態では、この二ヒ素フルオロフォアはフルオレセインの二ヒ素誘導体である。かかるキットの他の実施形態では、この二ヒ素フルオロフォアは4’−5’−ビス(1,3,2−ジチオアルソラン−2−イル)フルオレセイン−(2,2−エタンジチオール)2である。かかるキットの他の実施形態では、この二ヒ素フルオロフォアはレゾルフィンの二ヒ素誘導体である。かかるキットの他の実施形態では、この二ヒ素フルオロフォアは4’−5’−ビス(1,3,2−ジチオアルソラン−2−イル)レゾルフィン−(2,2−エタンジチオール)2である。かかるキットの他の実施形態では、上記糖類はショ糖である。かかるキットの他の実施形態では、糖アルコールはグリセロールである。かかるキットの他の実施形態では、上記追跡用色素はブロモフェノールブルーである。かかるキットの他の実施形態では、上記バッファーは、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、ホウ酸塩、ビス−トリスプロパン、およびビシンからなる群から選択される。
1つの実施形態では、このキットは、DMSO中の6% 重量/体積 LDS、30% 重量/体積 ショ糖、1M 炭酸塩バッファー(およそpH 9.2)、5× マンデロニトリル、およびATTO−TAG FQを含む第1の組成物と、無蛍光バッファー(4×)を含む第2の組成物とを含む。
本発明が本願明細書中上記に具体的に示され開示されたものに限定されないことは当業者なら分かるであろう。本発明は、以下の実施例を考慮することによりさらに明確になるであろう。以下の実施例は、純粋に本発明を例示することが意図されており、決してその範囲を限定することは意図されていない。以下の実施例は、本願明細書で開示される本発明を例証することが意図されているが、それを限定することは意図されていない。
特に示さない限り、以下の物質およびストック試薬を実施例1〜9で使用した。
1M 炭酸塩/炭酸水素塩バッファー、pH=9.2:
2.3mLの水中の1M 炭酸水素ナトリウム(ジェイティー・ベーカー(JT.Baker))
0.2mLの水中の1M 炭酸ナトリウム(フィッシャー(Fisher))
5× LDS/ショ糖:
水中の10% 重量/体積 LDS(シグマ)および50% 重量/体積 ショ糖(リサーチ・オーガニクス(Research Organics))
3× ビス−トリス:
水中の0.90 ビス−トリス(リサーチ・オーガニクス)、6N HCl(VWR)を使用してpHを6.5に調整した。
1× ビス−トリス/LDS/ショ糖(300mM ビス−トリス、2% LDS、および10% ショ糖):
3× ビス−トリスおよび5× LDS/ショ糖を適切な体積の超純水で希釈することによって調製した。
1× NuPAGE(登録商標)試料バッファー:
超純水を使用してNuPAGE(登録商標)LDS試料バッファー(4×)(インビトロジェン)を希釈することによって調製した。
20mM ATTO−TAG(商標)FQ(モレキュラープローブ、オレゴン州、ユージーン):
995μL メタノール(ジェイティー・ベーカー)を、5mgの固体材料を含むバイアルに。
水中の100mM シアン化ナトリウム(フルカ(Fluka))、アセトンシアノヒドリンまたはマンデロニトリル。
1M 炭酸塩/炭酸水素塩バッファー、pH=9.2:
2.3mLの水中の1M 炭酸水素ナトリウム(ジェイティー・ベーカー(JT.Baker))
0.2mLの水中の1M 炭酸ナトリウム(フィッシャー(Fisher))
5× LDS/ショ糖:
水中の10% 重量/体積 LDS(シグマ)および50% 重量/体積 ショ糖(リサーチ・オーガニクス(Research Organics))
3× ビス−トリス:
水中の0.90 ビス−トリス(リサーチ・オーガニクス)、6N HCl(VWR)を使用してpHを6.5に調整した。
1× ビス−トリス/LDS/ショ糖(300mM ビス−トリス、2% LDS、および10% ショ糖):
3× ビス−トリスおよび5× LDS/ショ糖を適切な体積の超純水で希釈することによって調製した。
1× NuPAGE(登録商標)試料バッファー:
超純水を使用してNuPAGE(登録商標)LDS試料バッファー(4×)(インビトロジェン)を希釈することによって調製した。
20mM ATTO−TAG(商標)FQ(モレキュラープローブ、オレゴン州、ユージーン):
995μL メタノール(ジェイティー・ベーカー)を、5mgの固体材料を含むバイアルに。
水中の100mM シアン化ナトリウム(フルカ(Fluka))、アセトンシアノヒドリンまたはマンデロニトリル。
実施例1〜9で使用した「10×」標識溶液は、下記の表1に従って調製した。
「10×」標識溶液の構成成分の濃度を下記の表2に列挙する。
実施例1〜9で使用した「1×」標識溶液を、上記10× 溶液の1〜10倍希釈によって調製した。この「1×」標識溶液の構成成分の濃度を下記の表3に列挙する。
実施例1〜9で使用したタンパク質ストック(1mg/mLまたは10mg/mLのいずれか)は、11mg/ml原液)として供給されたh−IgGの場合を除いて、固体物質(凍結乾燥したもの)を秤量し、次いで適切な体積の超純水を用いて溶解することによって調製した。実施例1〜9で使用したタンパク質は、ウシ血清アルブミン(BSA)、Fraction V(シグマ);ヒトIgG(h−IgG)(ピアース(Pierce));ニワトリ卵白由来のリゾチーム(シグマ)およびウマ心臓由来のミオグロビン(シグマ)であった。
実施例1:タンパク質スタンダードおよび精製したタンパク質の標識
アミン反応性蛍光発生性試薬を用いた、タンパク質スタンダードおよび他のタンパク質(ウシ血清アルブミン(BSA)およびリゾチームなど)の標識の1つの実施形態を図5に示す。最初に5μlの10×標識溶液を5μlの1mg/mL タンパク質原液または10mg/ml タンパク質ストックのいずれかに加え、そして室温で10分間インキュベーションすることによって、BSAおよびリゾチームを微小遠心管中で標識した。次いで、2μlの5× LDS/ショ糖、6μlの0.91M ビス−トリス(pH 6.5)および2μlのNuPAGE(登録商標)試料還元剤(10×)(または、非還元試料については超純水)を加え、0.125mg/mlまたは1.25mg/mlの濃度の各タンパク質を得て、次いでこの混合物を70℃で10分間インキュベーションした。インキュベーション後、1× NuPAGE(登録商標)試料バッファーまたは1× ビス−トリス/LDS/ショ糖のいずれかを使用してこの混合物をさらに希釈し、0.1mg/mlまたは1mg/mlのタンパク質濃度を得た。ゲル電気泳動を使用する電気泳動による分離のために、使用したタンパク質濃度は0.1mg/mlであり、それゆえ標識した試料をロードする前に、1× NuPAGE(登録商標)試料バッファーを用いて上記1mg/ml試料を10倍に希釈した。
アミン反応性蛍光発生性試薬を用いた、タンパク質スタンダードおよび他のタンパク質(ウシ血清アルブミン(BSA)およびリゾチームなど)の標識の1つの実施形態を図5に示す。最初に5μlの10×標識溶液を5μlの1mg/mL タンパク質原液または10mg/ml タンパク質ストックのいずれかに加え、そして室温で10分間インキュベーションすることによって、BSAおよびリゾチームを微小遠心管中で標識した。次いで、2μlの5× LDS/ショ糖、6μlの0.91M ビス−トリス(pH 6.5)および2μlのNuPAGE(登録商標)試料還元剤(10×)(または、非還元試料については超純水)を加え、0.125mg/mlまたは1.25mg/mlの濃度の各タンパク質を得て、次いでこの混合物を70℃で10分間インキュベーションした。インキュベーション後、1× NuPAGE(登録商標)試料バッファーまたは1× ビス−トリス/LDS/ショ糖のいずれかを使用してこの混合物をさらに希釈し、0.1mg/mlまたは1mg/mlのタンパク質濃度を得た。ゲル電気泳動を使用する電気泳動による分離のために、使用したタンパク質濃度は0.1mg/mlであり、それゆえ標識した試料をロードする前に、1× NuPAGE(登録商標)試料バッファーを用いて上記1mg/ml試料を10倍に希釈した。
5μlの上記10×標識溶液(上記5× LDS/ショ糖を同じ体積の超純水で置き換えた)を5μlのBenchMark(商標)タンパク質ラダー(インビトロジェン、カールスバッド)およびMark12(商標)未着色スタンダード(インビトロジェン、カールスバッド)に加え、室温で10分間インキュベーションすることによって、BenchMark(商標)タンパク質ラダー(インビトロジェン、カールスバッド)およびMark12(商標)未着色スタンダード(インビトロジェン、カールスバッド)の標識を行った。
電気泳動による分離は、最終試料(ゲル中で200ng タンパク質となるように2μlの0.1mg/ml調製物)をNuPAGE(登録商標)4−12% ビス−トリスゲル(インビトロジェン)の中にロードし、1× NuPAGE(登録商標)2−(N−モルホリノ)−エタンスルホン酸(MES)/SDSランニングバッファー(インビトロジェン)を使用して、XCell SureLock(商標)Mini−Cell(インビトロジェン)またはXCell4 SureLock(商標)Midi−Cell(インビトロジェン)のいずれかの中で200ボルトで電気泳動にかけることによって成し遂げ、供給された取扱説明書に従ってSimplyBlue(商標)SafeStain(インビトロジェン)を使用して染色した。標識したBenchMark(商標)タンパク質ラダー(インビトロジェン、カールスバッド)およびMark12(商標)未着色スタンダード(インビトロジェン、カールスバッド)は、さらなる希釈または還元剤の添加なしに直接ロードした。
蛍光標識したタンパク質スタンダード、標識したBSAおよび標識したリゾチームの電気泳動による分離を、図5Aに提供したゲル画像に示す。図5Bは、本願明細書に記載するアミン反応性蛍光発生性色素を使用する標識方法の有効性を示すためにSimplyBlue(商標)SafeStainで染色した後のものである。これらの標識した試料は、図5のゲル画像に提供した以下のゲルレーンに対応する。
実施例2:検出の感度
本願明細書に記載されるアミン反応性蛍光発生性試薬でのタンパク質の標識を使用して得られる検出の感度を、種々の濃度の標識したウシ血清アルブミン(BSA)およびリゾチームを検出することによって評価した。
本願明細書に記載されるアミン反応性蛍光発生性試薬でのタンパク質の標識を使用して得られる検出の感度を、種々の濃度の標識したウシ血清アルブミン(BSA)およびリゾチームを検出することによって評価した。
最初に5μlの上記10× 標識溶液を5μlの1mg/mLタンパク質原液に加え、室温で10分間インキュベーションすることによって、BSAおよびリゾチームを微小遠心管中で標識した。次いで、2μlの5× LDS/ショ糖、6μlの0.91M ビス−トリス(pH 6.5)および2μlのNuPAGE(登録商標)試料還元剤(10×)(または非還元試料については超純水)を加え、0.125mg/ml濃度の各タンパク質を得て、次いでこの混合物を70℃で10分間インキュベーションした。インキュベーション後、1× NuPAGE(登録商標)試料バッファーまたは1× ビス−トリス/LDS/ショ糖のいずれかを使用してこの混合物をさらに希釈し、0.1mg/ml(ゲル中で200ng タンパク質)を得た。次いで、1× ビス−トリス/LDS/ショ糖を用いてこの溶液をさらに希釈し、20ng タンパク質、5ng タンパク質、2ng タンパク質、0.5ng タンパク質および0.2ng タンパク質の溶液を得た。
電気泳動による分離は、2μlの上記連続希釈液をNuPAGE(登録商標)4−12% ビス−トリスゲル(インビトロジェン)の中にロードし、1× NuPAGE(登録商標)2−(N−モルホリノ)−エタンスルホン酸(MES)/SDSランニングバッファー(インビトロジェン)を使用して、XCell SureLock(商標)Mini−Cell(インビトロジェン)またはXCell4 SureLock(商標)Midi−Cell(インビトロジェン)のいずれかの中で200ボルトで電気泳動にかけることによって成し遂げ、供給された取扱説明書に従ってSimplyBlue(商標)SafeStain(インビトロジェン)を使用して染色した。
蛍光標識したタンパク質スタンダード、標識したBSAおよび標識したリゾチームの電気泳動による分離を、図6Aに提供したゲル画像に示す。図6Bは、本願明細書に記載するアミン反応性蛍光発生性色素を使用する標識方法の有効性を示すためにSimplyBlue(商標)SafeStainで染色した後のものである。SimplyBlue(商標)SafeStainはBSAに対しておよそ20ngの検出感度を有し、これは、この量またはより少ないタンパク質の量では(図6Bに示すように)ほとんどまたはまったく画像が生成されないであろうということを意味する。対照的に、本発明の標識方法は、これらのタンパク質レベルに対して示差的な画像を提供することができる(図6A)。これらの標識した試料は、図6のゲル画像に提供した以下のゲルレーンに対応する。
実施例3:検出の感度
本願明細書に記載される方法に係るアミン反応性蛍光発生性試薬で標識したタンパク質を測定するために異なる撮像機器を使用して得た検出の感度を、種々の濃度の標識したウシ血清アルブミン(BSA)を用いて評価した。
本願明細書に記載される方法に係るアミン反応性蛍光発生性試薬で標識したタンパク質を測定するために異なる撮像機器を使用して得た検出の感度を、種々の濃度の標識したウシ血清アルブミン(BSA)を用いて評価した。
最初に5μlの上記10×標識溶液を5μlの10mg/mL BSA原液に加え、室温で10分間インキュベーションすることによって、このBSAを微小遠心管中で標識した。次いで、2μlの5× LDS/ショ糖、6μlの0.91M ビス−トリス(pH 6.5)および2μlのNuPAGE(登録商標)試料還元剤(10×)を加え、1.25mg/ml濃度のBSAを得た。次いでこの混合物を、70℃で10分間インキュベーションした。インキュベーション後、1× NuPAGE(登録商標)試料バッファーまたは1× ビス−トリス/LDS/ショ糖のいずれかを使用してこの混合物をさらに希釈し、1mg/ml(ゲル中で2000ng タンパク質)を得た。次いで、1× ビス−トリス/LDS/ショ糖を用いてこの溶液をさらに希釈し、500ng BSA、200ng BSA、50ng BSA、20ng BSA、5ng BSA、2ng BSA、0.5ng BSA、0.2ng BSAおよび0.05ng BSAの溶液を得た。
電気泳動による分離は、2μlの上記連続希釈液をNuPAGE(登録商標)4−12% ビス−トリスゲル(インビトロジェン)の中にロードし、1× NuPAGE(登録商標)2−(N−モルホリノ)−エタンスルホン酸(MES)/SDSランニングバッファー(インビトロジェン)を使用して、XCell SureLock(商標)Mini−Cell(インビトロジェン)またはXCell4 SureLock(商標)Midi−Cell(インビトロジェン)のいずれかの中で200ボルトで電気泳動にかけることによって成し遂げ、供給された取扱説明書に従ってSimplyBlue(商標)SafeStain(インビトロジェン)を使用して染色した。
蛍光標識したBSAおよび標識済みスタンダード(SeeBlue(登録商標)Plus2タンパク質スタンダード(インビトロジェン、カールスバッド))の電気泳動による分離を、図7Aおよび7Bに提供したゲル画像に示す。図7Aは、477nm EPI光源、520〜640nmバンドパスフィルターおよび60秒の露光時間を用いて、富士フイルム(Fujifilm) LAS−1000を使用して得た標識したBSA(還元したもの)のゲル画像である。図7Bは、Kodak DC290デジタルカメラ(2.1 MP)および8秒の露光時間を用いて得たSafe Imager(約470nm光源)画像を使用して得た画像である。図7Cは、本願明細書に記載するアミン反応性蛍光発生性色素を使用する標識方法の有効性を示すためにSimplyBlue(商標)SafeStainで染色した後のものである。これらの標識した試料は、図7のゲル画像に提供した以下のゲルレーンに対応する。
実施例4:細胞ライセートの標識
本願明細書に記載される方法を使用するアミン蛍光発生性試薬での種々の時間における細胞ライセートの標識を、E.coliライセートを標識することによって実証した。
本願明細書に記載される方法を使用するアミン蛍光発生性試薬での種々の時間における細胞ライセートの標識を、E.coliライセートを標識することによって実証した。
最初に5μlの上記10×標識溶液を5μlのE.coliライセートに加え、室温で10分間、30分間および1時間インキュベーションすることによって、E.coliライセートを微小遠心管中で標識した。次いで、各試料について、2μlの5× LDS/ショ糖、6μlの0.91M ビス−トリス(pH 6.5)および2μlのNuPAGE(登録商標)試料還元剤(10×)を加え、この混合物を70℃で10分間インキュベーションした。インキュベーション後、1× NuPAGE(登録商標)試料バッファーまたは1× ビス−トリス/LDS/ショ糖のいずれかを使用してこの混合物を希釈し、得た。
当該電気泳動による分離は、2μlの上記標識したE.coliライセート(1レーンあたり10μg)をNuPAGE(登録商標)4−12% ビス−トリスゲル(インビトロジェン)の中にロードし、1× NuPAGE(登録商標)2−(N−モルホリノ)−エタンスルホン酸(MES)/SDSランニングバッファー(インビトロジェン)を使用して、XCell SureLock(商標)Mini−Cell(インビトロジェン)またはXCell4 SureLock(商標)Midi−Cell(インビトロジェン)のいずれかの中で200ボルトで電気泳動にかけることによって成し遂げ、供給された取扱説明書に従ってSimplyBlue(商標)SafeStain(インビトロジェン)を使用して染色した。
上記蛍光標識したE.coliライセートおよび標識済みスタンダード(SeeBlue(登録商標)Plus2 タンパク質スタンダード(インビトロジェン、カールスバッド))の電気泳動による分離を、図8Aに提示するゲル画像に示す。この画像は、477nm EPI光源、520〜640nm バンドパスフィルターおよび30秒の露光時間を用いて富士フイルム LAS−1000を使用して得た。図8Bは、当該標識方法の有効性を示すためにSimplyBlue(商標)SafeStainで染色した後のものである。これらの標識した試料は、図8のゲル画像に提供した以下のゲルレーンに対応する。
実施例5:細胞ライセートの標識
本願明細書に記載される方法を使用するアミン蛍光発生性試薬での細胞ライセートの標識を、ラット肝臓ライセートを標識することによって実証した。タンパク質リゾチームも比較として標識した。
本願明細書に記載される方法を使用するアミン蛍光発生性試薬での細胞ライセートの標識を、ラット肝臓ライセートを標識することによって実証した。タンパク質リゾチームも比較として標識した。
最初に5μlの上記10×標識溶液を5μlのラット肝臓ライセートに加え、室温で10分間インキュベーションすることにより、ラット肝臓ライセートを微小遠心管中で標識した。次いで、各試料について、2μlの5× LDS/ショ糖、6μlの0.91M ビス−トリス(pH 6.5)および2μlのNuPAGE(登録商標)試料還元剤(10×)を加え、この混合物を70℃で10分間インキュベーションした。インキュベーション後、1× NuPAGE(登録商標)試料バッファーまたは1× ビス−トリス/LDS/ショ糖のいずれかを使用してこの混合物を希釈し、得た。
最初に5μlの上記10×標識溶液を5μlの1mg/mL リゾチーム原液に加え、室温で10分間インキュベーションすることによって、リゾチームを微小遠心管中で標識した。次いで、2μlの5× LDS/ショ糖、6μlの0.91M ビス−トリス(pH 6.5)および2μlのNuPAGE(登録商標)試料還元剤(10×)を加え、0.125mg/ml 濃度のタンパク質を得て、次いでこの混合物を70℃で10分間インキュベーションした。インキュベーション後、1× NuPAGE(登録商標)試料バッファーまたは1× ビス−トリス/LDS/ショ糖のいずれかを使用してこの混合物をさらに希釈し、0.1mg/mlのタンパク質濃度を得た。
上記標識したライセート、リゾチームおよび標識済みタンパク質スタンダードの電気泳動による分離は、2μlの上記標識したラット肝臓ライセート(1レーンあたり20μg)および2μlの上記リゾチーム(1レーンあたり1μg)をNuPAGE(登録商標)4−12% ビス−トリスゲル(インビトロジェン)にロードし、1× NuPAGE(登録商標)2−(N−モルホリノ)−エタンスルホン酸(MES)/SDS ランニングバッファー(インビトロジェン)を使用してXCell SureLock(商標)Mini−Cell(インビトロジェン)またはXCell4 SureLock(商標)Midi−Cell(インビトロジェン)のいずれかの中で200ボルトで電気泳動にかけることによって成し遂げ、供給された取扱説明書に従ってSimplyBlue(商標)SafeStain(インビトロジェン)を使用して染色した。
図9は、本願明細書に記載される方法を使用する様々なタンパク質の標識を例証する。図9Aは、標識したリゾチーム(還元したもの、レーン1)およびSeeBlue Plus2(レーン2、SimplyBlue Safe Stainで染色したもの)のゲル画像であり、他方、図9BはSeeBlue Plus2(レーン1、SimplyBlue Safe Stainで染色したもの)および標識したラット肝臓ライセート(レーン3)のゲル画像であり、レーン2は空である。蛍光画像は、477nm EPI光源、520〜640nm バンドパスフィルターおよび30秒の露光時間を用いて、富士フイルム LAS−1000を使用して得た。
実施例6:未変性条件下での標識
図10は、本願明細書に記載される方法が未変性条件下でアミン反応性蛍光発生性試薬を用いてタンパク質を標識するために使用することができることを示す。ここでこのタンパク質は異なる分子量および反応性基(例えば、リジン残基)の数を有する。図10はまた、存在する標識したタンパク質の量に蛍光シグナルが比例すること、および還元プロセスを通して蛍光シグナル強度を維持するために本願明細書に記載される標識方法を使用することを例証する。標識したタンパク質はウシ血清アルブミン(BSA)、ミオグロビン、h−IgGおよびE.coliライセートであった。
図10は、本願明細書に記載される方法が未変性条件下でアミン反応性蛍光発生性試薬を用いてタンパク質を標識するために使用することができることを示す。ここでこのタンパク質は異なる分子量および反応性基(例えば、リジン残基)の数を有する。図10はまた、存在する標識したタンパク質の量に蛍光シグナルが比例すること、および還元プロセスを通して蛍光シグナル強度を維持するために本願明細書に記載される標識方法を使用することを例証する。標識したタンパク質はウシ血清アルブミン(BSA)、ミオグロビン、h−IgGおよびE.coliライセートであった。
このウシ血清アルブミン(BSA)、ミオグロビン、h−IgGおよびE.coliライセートの標識および電気泳動による分離は、上記の実施例に記載したとおりであった。
図10AはSimplyBlue(商標)SafeStainで染色した後のゲル画像であり、他方、図10Bは本願明細書に記載される方法を使用して標識したh−IgG、ミオグロビン、およびBSAのゲル画像である。標識した試料を以下のゲルレーンで分離した。
実施例7:様々な濃度の反応物質を用いた、変性条件下での標識
h−IgG、ミオグロビン、ウシ血清アルブミン(BSA)およびE.coliライセートを上記の実施例で記載したアミン反応性蛍光発生性試薬で標識することによって、変性条件下でのタンパク質標識および標識したタンパク質の蛍光強度に対する反応物質濃度の効果を得た。反応物質濃度の効果を実証するために、上記10×標識溶液または上記1×標識溶液のいずれかを使用してタンパク質を標識した。
h−IgG、ミオグロビン、ウシ血清アルブミン(BSA)およびE.coliライセートを上記の実施例で記載したアミン反応性蛍光発生性試薬で標識することによって、変性条件下でのタンパク質標識および標識したタンパク質の蛍光強度に対する反応物質濃度の効果を得た。反応物質濃度の効果を実証するために、上記10×標識溶液または上記1×標識溶液のいずれかを使用してタンパク質を標識した。
種々の標識条件の結果を図11のゲル画像に示す。ここでは、標識反応で存在したLDSおよびショ糖を用いてh−IgG、ミオグロビン、BSAおよびE.coliライセートを標識した。上側のゲル画像はSimplyBlue(商標)SafeStainで染色したゲルであり、他方、下側のゲル画像は蛍光標識したh−IgG、ミオグロビン(Myoglobi)、BSAおよびE.coliライセートのゲル画像である。加えて、標識していないタンパク質スタンダード(Mark12(商標)未着色スタンダード(インビトロジェン、カールスバッド))を上記標識したタンパク質と並べて電気泳動にかけた。標識した試料は、図11のゲル画像に提示した以下のゲルレーンに対応する。
実施例8:反応物質濃度および標識時間の影響としての標識したタンパク質のバンドのシャープさおよび蛍光強度
本願明細書に記載するアミン反応性蛍光発生性試薬を使用するタンパク質標識方法は、ゲル電気泳動で観察したとおり、シャープなバンドをもたらす。バンドのシャープさの効果は、種々の反応物質濃度および標識時間を使用して、本願明細書に記載する方法を使用してアミン反応性蛍光発生性試薬でウシ血清アルブミン(BSA)を標識することによって示された。加えて、このBSAの標識から、かかる標識方法では、標識したタンパク質の還元によって蛍光シグナルの減少が引き起こされないことが示された。上記の手順を使用してBSAを標識したが、反応物質濃度は、上記10×標識溶液または上記1×標識溶液のいずれかを使用することによって変え、標識時間を15分間または1時間のいずれかとした。次いで、標識した様々な濃度のBSAを、上記の実施例に記載したようにして分離した。図12は、バンドのシャープさは種々の反応条件によって影響を受けないことを示す。上側のゲル画像は、標識したBSAの蛍光画像であり、他方、下側の画像はSimplyBlue(商標)SafeStainで染色した後のそのゲルである。比較のために、未標識のタンパク質スタンダード(Mark12(商標)未着色スタンダード(インビトロジェン、カールスバッド))を含めた。この蛍光画像は、477nm EPI光源、520〜640nmバンドパスフィルターおよび1分間の露光時間を用いて、富士フイルムのLAS−1000を使用して得た。この標識した試料を以下のゲルレーンで分離した。
本願明細書に記載するアミン反応性蛍光発生性試薬を使用するタンパク質標識方法は、ゲル電気泳動で観察したとおり、シャープなバンドをもたらす。バンドのシャープさの効果は、種々の反応物質濃度および標識時間を使用して、本願明細書に記載する方法を使用してアミン反応性蛍光発生性試薬でウシ血清アルブミン(BSA)を標識することによって示された。加えて、このBSAの標識から、かかる標識方法では、標識したタンパク質の還元によって蛍光シグナルの減少が引き起こされないことが示された。上記の手順を使用してBSAを標識したが、反応物質濃度は、上記10×標識溶液または上記1×標識溶液のいずれかを使用することによって変え、標識時間を15分間または1時間のいずれかとした。次いで、標識した様々な濃度のBSAを、上記の実施例に記載したようにして分離した。図12は、バンドのシャープさは種々の反応条件によって影響を受けないことを示す。上側のゲル画像は、標識したBSAの蛍光画像であり、他方、下側の画像はSimplyBlue(商標)SafeStainで染色した後のそのゲルである。比較のために、未標識のタンパク質スタンダード(Mark12(商標)未着色スタンダード(インビトロジェン、カールスバッド))を含めた。この蛍光画像は、477nm EPI光源、520〜640nmバンドパスフィルターおよび1分間の露光時間を用いて、富士フイルムのLAS−1000を使用して得た。この標識した試料を以下のゲルレーンで分離した。
実施例9:タンパク質の標識および消化
本願明細書に記載される方法を使用するアミン反応性蛍光発生性試薬でのタンパク質の標識した後のこの標識したタンパク質の消化を、高い温度でウシ血清アルブミンを標識し、この標識した混合物を任意に還元し、次いでこの混合物を電気泳動により分離することによって実証した。上記の実施例で記載したようにして、BSAを室温および70℃で標識した。図13(パネル1)は、高い温度で標識すると、ゲルの下端の標識した小さいタンパク質断片がこの検出器を「過飽和」にし、それほど蛍光強度が強くない標識タンパク質の可視化を妨げることを示す。そのゲルの下端を取り除くこと(切り取ること)で、このゲル中の他の標識したタンパク質またはタンパク質断片の可視化が可能になる(図13(パネル2))。パネル2には、標識の際の、高温での当該タンパク質の消化に起因するタンパク質断片の存在が示されている。また図13(パネル3および4)は、低pHで可逆的にこの蛍光を消光すること、および高pHで完全な蛍光回復を成し遂げることができることも示す。それゆえ、アミン反応性蛍光発生性試薬について本願明細書に記載する標識方法を使用して得られる蛍光シグナルは、pH依存的である。蛍光画像は、477nm EPI光源、520〜640nmバンドパスフィルターおよび1分間の露光時間を用いて、富士フイルムのLAS−1000を使用して得た。このゲルのレーン1は、蛍光標識したタンパク質を含むSeeBlue Plus 2(インビトロジェン)着色済みスタンダードである。残りのゲルレーンは、下記に記載する試料のセットである。
本願明細書に記載される方法を使用するアミン反応性蛍光発生性試薬でのタンパク質の標識した後のこの標識したタンパク質の消化を、高い温度でウシ血清アルブミンを標識し、この標識した混合物を任意に還元し、次いでこの混合物を電気泳動により分離することによって実証した。上記の実施例で記載したようにして、BSAを室温および70℃で標識した。図13(パネル1)は、高い温度で標識すると、ゲルの下端の標識した小さいタンパク質断片がこの検出器を「過飽和」にし、それほど蛍光強度が強くない標識タンパク質の可視化を妨げることを示す。そのゲルの下端を取り除くこと(切り取ること)で、このゲル中の他の標識したタンパク質またはタンパク質断片の可視化が可能になる(図13(パネル2))。パネル2には、標識の際の、高温での当該タンパク質の消化に起因するタンパク質断片の存在が示されている。また図13(パネル3および4)は、低pHで可逆的にこの蛍光を消光すること、および高pHで完全な蛍光回復を成し遂げることができることも示す。それゆえ、アミン反応性蛍光発生性試薬について本願明細書に記載する標識方法を使用して得られる蛍光シグナルは、pH依存的である。蛍光画像は、477nm EPI光源、520〜640nmバンドパスフィルターおよび1分間の露光時間を用いて、富士フイルムのLAS−1000を使用して得た。このゲルのレーン1は、蛍光標識したタンパク質を含むSeeBlue Plus 2(インビトロジェン)着色済みスタンダードである。残りのゲルレーンは、下記に記載する試料のセットである。
実施例10:タンパク質発現分析:E.coliライセート
C末端でタグ化したテトラシステインタグ(TC)タグ化GFP(緑色蛍光タンパク質)プラスミド構築物でE.coliを形質転換した。この細胞を、ルリア−ベルターニ(Luria−Bertani)(LB)/抗生物質中で振盪しながら37℃で一晩、0.8〜1.0のOD600まで増殖させた。各試料を取り出し、残りを1mM IPTG(イソプロピル β−D−1−チオガラクトピラノシド)で誘導し、振盪しながら30分間インキュベーションした。この細胞をアリコートにわけ、4,000×gで10分間遠心分離にかけ、この培地を吸引し、このペレットを−20℃で保存した。
C末端でタグ化したテトラシステインタグ(TC)タグ化GFP(緑色蛍光タンパク質)プラスミド構築物でE.coliを形質転換した。この細胞を、ルリア−ベルターニ(Luria−Bertani)(LB)/抗生物質中で振盪しながら37℃で一晩、0.8〜1.0のOD600まで増殖させた。各試料を取り出し、残りを1mM IPTG(イソプロピル β−D−1−チオガラクトピラノシド)で誘導し、振盪しながら30分間インキュベーションした。この細胞をアリコートにわけ、4,000×gで10分間遠心分離にかけ、この培地を吸引し、このペレットを−20℃で保存した。
各実験について、ペレット化した細胞のアリコートを室温まで戻し、1% SDS中で再懸濁させてこの細胞を溶解させ、ボルテックスにかけ、70℃まで加熱し、再度ボルテックスにかけ、14,000×gで5分間遠心分離にかけて、この細胞破片をペレット化した。上清を実験用ライセートとして使用した。注目するタンパク質がPBSに可溶である場合、1× PBSも細胞ペレットを再懸濁させるために使用し、超音波を用いて細胞を溶解させた。
ペレット化した細胞の1本のチューブを室温まで戻し、100μlの1% SDS中で再懸濁させ、ボルテックスにかけ、70℃で10分間加熱し、再度ボルテックスにかけ、14,000×gで10分間遠心分離にかけた。ペレット化した細胞の第2のチューブを100μlの1× PBSの中で再懸濁させ、超音波処理し、14,000×gで10分間遠心分離にかけた。
(2× バッファーとして)4% SDS、20% グリセロール、120mM リン酸カリウムバッファー pH 8.5、0.4mg/mL ブロモフェノールブルー、50mM メルカプトエタンスルホン酸、2mM トリス[2−カルボキシエチル]ホスフィン(TCEP)、20μM 4’−5’−ビス(1,3,2−ジチオアルソラン−2−イル)フルオレセイン−(2,2−エタンジチオール)2(FlAsH)および333μM NaHCO3を含むローディングバッファー(FlAsHバッファーとも呼ぶ)を使用して、このTCタグ化タンパク質を標識した。各チューブについて、6μlのローディングバッファー(FlAsHバッファー)を4μlのライセートに加えた。対照試料を同様に調製した。しかしながら、全タンパク質染色がFlAsHに依存しないこと、およびこのTCタグ化タンパク質はこのFlAsH試薬の存在下でのみ検出されることを示すために、FlAsH試薬なしの(水で置き換えた)ローディングバッファーを使用した。各試料をボルテックスにかけ、素早く沈降させ、次いで70℃で3分間インキュベーションした。3分後、この試料を室温に置き、2μlのDMSO中のアミン反応性色素を全タンパク質測定のために加えた。いくつかの試料では、使用したアミン反応性色素はBODIPY TR−X SEであり、他方、他の試料ではアミン反応性色素はBODIPY 650/665 SEであった。BODIPY TR−X SEの最終濃度は125μMの原液から得た12.5μMであり、BODIPY 650/665 SEの最終濃度は10μMの原液から得た10μMであった。全タンパク質色素を含まない対照試料には2μlのDMSOを加えた。すべての試料をボルテックスにかけ、室温で10分間インキュベーションし、次いで各々10μlをNuPage 4−12% ビス−トリス SDS−PAGEゲルおよびNovex 4−20% トリス−グリシンゲル上にロードし、対応するゲル手順に従って電気泳動にかけた。このNuPageゲルは、3−(N−モルホリノ)−プロパンスルホン酸(MOPS)ランニングバッファー中で泳動させ、NovexゲルはNovexランニングバッファー中で泳動させた。両方とも、200Vで1時間泳動させた。
電気泳動が完結した後、これらのゲルをそれらのカセット中で、蛍光撮像装置(Fuji FLA3000)上に置き、473nm励起レーザーおよび520nm発光フィルターを用いて撮像し、FlAsHで標識したTCタグ化GFPタンパク質を検出した。次いで、どのアミン反応性タンパク質色素をその試料に加えたかに応じて、(BODIPY TR−Xの検出について)532nm励起レーザーおよび580nm発光フィルターまたは(BODIPY 650/665の検出について)633nm励起レーザーおよび675nm発光フィルターのいずれかを用いてこのカセットを撮像し、全タンパク質ライセートプロファイルを検出した。図17〜19は、得られたゲル画像を示す。下記のとおり、第1のチューブからの上清から得られた試料をレーン1〜12で使用し、第2のチューブからの上清から得られた試料をレーン13〜15(Novexゲルについて)または13〜17(NuPageゲルについて)で使用した。これらのゲルに、以下のように処理した試料をロードした。
473nm励起および520nm発光を用いて得た画像では(図17)、当該TCタグ化タンパク質GFPは、レーン5〜10で目に見えた。FlAsHローディングバッファーを用いなかったレーン(2〜4、11〜12および16〜17)では、このTCタグ化タンパク質は目に見えなかった。532nm励起および580nm発光を用いて得た画像では(図18)、BODIPY TR−X SEで標識したライセートからの全タンパク質プロファイルは目に見えた(レーン8〜12)。633nm励起および675nm発光を用いて得た画像では(図19)、BODIPY 650/665 SEで標識したライセートからの全タンパク質プロファイルは目に見えた(レーン13〜17)。全タンパク質プロファイルは、ローディングバッファー中にFlAsH試薬を含まないレーン(レーン11〜12および16〜17)でも同様に目に見えた。このことは、TCタグ化タンパク質のFlAsH標識とBODIPY SE色素を用いた全タンパク質標識との間の独立性を示す。
実施例11:タンパク質発現分析:哺乳動物細胞ライセートおよびタンパク質ラダー
実施例10に記載した手順およびローディングバッファーを、タンパク質ラダーおよび哺乳動物の細胞ライセートに対しても実施した。
実施例10に記載した手順およびローディングバッファーを、タンパク質ラダーおよび哺乳動物の細胞ライセートに対しても実施した。
C末端でタグ化したテトラシステインタグ(TC)タグ化GFP(緑色蛍光タンパク質)プラスミド構築物でE.coliを形質転換した。この細胞を、ルリア−ベルターニ(Luria−Bertani)(LB)/抗生物質中で振盪しながら37℃で一晩、0.8〜1.0のOD600まで増殖させた。各試料を取り出し、残りを1mM IPTG(イソプロピル β−D−1−チオガラクトピラノシド)で誘導し、振盪しながら30分間インキュベーションした。この細胞をアリコートにわけ、4,000×gで10分間遠心分離にかけ、この培地を吸引し、このペレットを−20℃で保存した。
C末端でタグ化したテトラシステインタグ(TC)タグ化CFP(シアン蛍光タンパク質)プラスミド構築物で哺乳動物細胞を形質転換した。この細胞を、ルリア−ベルターニ(Luria−Bertani)(LB)/抗生物質中で振盪しながら37℃で一晩、0.8〜1.0のOD600まで増殖させた。各試料を取り出し、残りを1mM IPTG(イソプロピル β−D−1−チオガラクトピラノシド)で誘導し、振盪しながら30分間インキュベーションした。この細胞をアリコートにわけ、4,000×gで10分間遠心分離にかけ、この培地を吸引し、このペレットを−20℃で保存した。
各実験について、ペレット化した細胞のアリコートを室温まで戻し、1% SDS中で再懸濁させてこの細胞を溶解させ、ボルテックスにかけ、70℃まで加熱し、再度ボルテックスにかけ、14,000×gで5分間遠心分離にかけて、この細胞破片をペレット化した。上清を実験用ライセートとして使用した。注目するタンパク質がPBSに可溶である場合、1× PBSも細胞ペレットを再懸濁させるために使用し、超音波を用いて細胞を溶解させた。
ペレット化したE.coli細胞の1本のチューブを室温まで戻し、100μlの1% SDS中に再懸濁させ、ボルテックスにかけ、70℃で10分間加熱し、再度ボルテックスにかけ、14,000×gで10分間遠心分離にかけた。ペレット化した哺乳動物細胞の第2のチューブを100μlの1× PBSの中に再懸濁させ、超音波処理し、14,000×gで10分間遠心分離にかけた。この哺乳動物の細胞中で発現したTCタグ化CFPは完全ではなく、むしろ分解していることが後で判明した。この哺乳動物の細胞を溶解させるために1% SDSを使用した場合でさえも、このTCタグ化CFPは検出されなかった。
(2× バッファーとして)4% SDS、20% グリセロール、120mM リン酸カリウムバッファー pH 8.5、0.4mg/mL ブロモフェノールブルー、50mM メルカプトエタンスルホン酸、2mM トリス[2−カルボキシエチル]ホスフィン(TCEP)、20μM 4’−5’−ビス(1,3,2−ジチオアルソラン−2−イル)フルオレセイン−(2,2−エタンジチオール)2(FlAsH)および333μM NaHCO3を含むローディングバッファー(FlAsHバッファーとも呼ぶ)を使用して、このTCタグ化タンパク質を標識した。各チューブについて、6μlのローディングバッファー(FlAsHバッファー)を4μlのライセート(E.coliおよび哺乳動物)に加えた。各試料をボルテックスにかけ、素早く沈降させ、次いで70℃で3分間インキュベーションした。3分後、この試料を室温に置き、2μlのDMSO中のアミン反応性色素を全タンパク質測定のために加えた。いくつかの試料では、使用したアミン反応性色素はBODIPY TR−X SEであり、他方、他の試料ではアミン反応性色素はBODIPY 650/665 SEであった。BODIPY TR−X SEの最終濃度は1.25mMの原液から得た125μMであり、BODIPY 650/665 SEの最終濃度は10μMの原液から得た10μMであった。一緒に混合したときには全タンパク質色素も機能することも判明した。
2μlのDMSO中のアミン反応性色素(BODIPY TR−X SE、BODIPY 650/665 SEまたは両方)をタンパク質ラダー溶液に加えることにより、アミン反応性蛍光色素でタンパク質ラダー BenchMark(商標)タンパク質ラダー(インビトロジェン、カールスバッド)およびMark12(商標)未着色スタンダード(インビトロジェン、カールスバッド)を標識した。
すべての試料をボルテックスにかけ、室温で10分間インキュベーションし、次いで各々10μlをNuPage 4−12% ビス−トリス SDS−PAGEゲルおよびNovex 4−20% トリス−グリシンゲル上にロードし、対応するゲル手順に従って電気泳動にかけた。このNuPageゲルは、3−(N−モルホリノ)−プロパンスルホン酸(MOPS)ランニングバッファー中で泳動させ、NovexゲルはNovexランニングバッファー中で泳動させた。両方とも、200Vで1時間泳動させた。
電気泳動が完結した後、これらのゲルをそれらのカセット中で、蛍光撮像装置(Fuji FLA3000)上に置き、473nm励起レーザーおよび520nm発光フィルターを用いて撮像し、FlAsHで標識したTCタグ化GFPタンパク質およびTCタグ化CFPタンパク質を検出した。次いで、どのアミン反応性タンパク質色素をその試料に加えたかに応じて、(BODIPY TR−Xの検出について)532nm励起レーザーおよび580nm発光フィルターまたは(BODIPY 650/665の検出について)633nm励起レーザーおよび675nm発光フィルターのいずれかを用いて、このカセットを撮像し、全タンパク質ライセートプロファイルを検出した。図20〜22は、得られたゲル画像を示す。標識したBenchMark(商標)タンパク質ラダー(インビトロジェン、カールスバッド)についての試料をレーン3〜5にロードし、E.coliの上清から得た試料をレーン6〜9で使用し、哺乳動物の細胞の上清から得た試料をレーン10〜12で使用し、標識したMark12(商標)未着色スタンダード(インビトロジェン、カールスバッド)についての試料をレーン13〜15で使用した。
図20〜22に示した画像は、TC様領域を有する、哺乳動物のライセート中に存在するタンパク質は当該FlAsHローディングバッファーを用いて検出でき、その相対的存在量は全タンパク質標識によって示されるということも示す。
上記の説明は本発明を例示するためだけのものであることを理解されたい。見出しは便宜上のものに過ぎず、見出しの下に含まれる開示をその見出しのみに限定することは意図されていない。当業者は、本発明から逸脱せずに種々の代替態様および修正態様を工夫することができる。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲に入るすべてのかかる代替態様、修正態様および変更態様を包含することが意図されている。
本発明を好ましい実施形態に関連して説明してきたが、それらが本発明をその実施形態に限定することは意図されていないということは理解されるであろう。逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって画定される本発明の範囲内に含まれ得る代替態様、修正態様、および均等物を網羅することが意図されている。
本願明細書中で言及したすべての刊行物、特許および特許出願は、参照により、あたかも各個別の刊行物、特許または特許出願が具体的かつ個別に本願明細書中に援用されると示されたのと同程度にその全体を援用したものとする。
Claims (128)
- タンパク質の混合物を蛍光標識する工程を含むタンパク質分析のための方法であって、該標識する工程が、
a)該タンパク質の混合物を、
i)pH 8〜pH 10の間のpHを有する第1のバッファーと、
ii)アミン反応性蛍光発生性試薬と、
iii)アセトンシアノヒドリン、ニトリル、またはシアン化アルカリと
を含む組成物と混合することによって第1の反応混合物を形成する工程と、
b)該第1の反応混合物を、第1の温度で第1のインキュベーション時間の間インキュベーションする工程と、
c)pH 6〜pH 9の間のpHを有する第2のバッファーを該第1の反応混合物と混合することによって、第2の反応混合物を形成する工程と、
d)第2の温度で第2のインキュベーション時間の間インキュベーションする工程と、
e)該蛍光標識されたタンパク質を分離し、可視化する工程と
を含む、方法。 - 前記組成物がアセトンシアノヒドリンまたはマンデロニトリルを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記組成物がシアン化アルカリを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記シアン化アルカリがシアン化ナトリウムまたはシアン化カリウムである、請求項3に記載の方法。
- 前記アミン反応性蛍光発生性試薬がアロイル−2−キノリン−カルボキシアルデヒド試薬である、請求項1に記載の方法。
- 前記アロイル−2−キノリン−カルボキシアルデヒド試薬が3−(4−カルボキシベンゾイル)キノリン−2−カルボキシアルデヒドまたは3−(2−フロイル)キノリン−2−カルボキシアルデヒド)である、請求項5に記載の方法。
- 前記アロイル−2−キノリン−カルボキシアルデヒド試薬が3−(2−フロイル)キノリン−2−カルボキシアルデヒド)である、請求項6に記載の方法。
- 前記組成物がさらにアニオン性界面活性剤を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記アニオン性界面活性剤が、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルカルボン酸塩、アルキルエーテルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテルスルホン酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩またはアルキルエーテルカルボン酸塩である、請求項8に記載の方法。
- 前記アニオン性界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸リチウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウムまたはステアリン酸ナトリウムである、請求項8に記載の方法。
- 前記アニオン性界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウムまたはドデシル硫酸リチウムである、請求項8に記載の方法。
- 前記第1のバッファーが、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、ホウ酸塩、ビス−トリスプロパン、およびビシンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記第2のバッファーが、リン酸塩、グリシン、クエン酸、酢酸、MES、カコジル酸、炭酸、ビス−トリス、PIPES、ACES、イミダゾール、BES、MOPS、AMPSO、TES、HEPES、HEPPSOおよびトリエタノールアミンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記第2のバッファーが前記第1のバッファーよりも大きい緩衝能を有し、これにより前記第2の反応混合物のpHをpH 6〜pH 9の間に維持する、請求項1に記載の方法。
- 前記組成物がさらに糖類または糖アルコールを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記糖類がショ糖である、請求項15に記載の方法。
- 前記糖アルコールがグリセロールである、請求項15に記載の方法。
- 前記第1のインキュベーション時間が1分間〜15分間の間である、請求項1に記載の方法。
- 前記第1のインキュベーション時間が5分間〜15分間の間である、請求項1に記載の方法。
- 前記第1のインキュベーション時間が10分間〜15分間の間である、請求項1に記載の方法。
- 前記第1のインキュベーション温度が室温または常温である、請求項1に記載の方法。
- 前記第1のインキュベーション温度が25℃〜70℃である、請求項1に記載の方法。
- 前記第2のインキュベーション時間が1分間〜15分間の間である、請求項1に記載の方法。
- 前記第2のインキュベーション時間が5分間〜15分間の間である、請求項1に記載の方法。
- 前記第2のインキュベーション時間が10分間〜15分間の間である、請求項1に記載の方法。
- 前記第2のインキュベーション温度が25℃〜80℃の間である、請求項1に記載の方法。
- 前記第2のインキュベーション温度が35℃〜80℃の間である、請求項1に記載の方法。
- 前記第2のインキュベーション温度が50℃〜80℃の間である、請求項1に記載の方法。
- 前記第2のインキュベーション温度が70℃である、請求項1に記載の方法。
- 前記第1のインキュベーション時間が5分間〜10分間の間であり、前記第2のインキュベーション時間がおよそ10分間である、請求項1に記載の方法。
- 還元剤を前記第2の反応混合物に加える工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
- トリアルキルホスフィン化合物、ジチオトレイトール(DTT)、2−メルカプトエタノール、亜硫酸水素ナトリウム、チオグリコール酸、メルカプトエタンスルホン酸、グルタチオンまたはこれらの組合せからなる群から選択される還元剤を前記第2の反応混合物に加える工程をさらに含む、請求項31に記載の方法。
- 前記トリアルキルホスフィン化合物がトリ−n−ブチルホスフィン(TBP)またはトリス[2−カルボキシエチル]ホスフィン(TCEP)である、請求項31に記載の方法。
- 前記組成物がアルキル化剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記蛍光標識されたタンパク質が電気泳動により分離される、請求項1に記載の方法。
- 前記蛍光標識されたタンパク質がスラブゲル電気泳動を使用して分離される、請求項35に記載の方法。
- 前記蛍光標識されたタンパク質がキャピラリーゲル電気泳動を使用して分離される、請求項35に記載の方法。
- 前記蛍光標識されたタンパク質がクロマトグラフィにより分離される、請求項1に記載の方法。
- 前記蛍光標識されたタンパク質を可視化する工程が撮像する工程を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記可視化する工程が前記蛍光標識されたタンパク質の前記分離の間に行われる、請求項1に記載の方法。
- 前記可視化する工程が前記蛍光標識されたタンパク質の前記分離後に行われる、請求項1に記載の方法。
- 前記蛍光標識されたタンパク質が、使い捨てのカセット内に備えられるスラブゲル上で分離される、請求項1に記載の方法。
- 前記可視化する工程が前記使い捨てのカセット内のスラブゲルを用いて行われる、請求項42に記載の方法。
- 可視化する工程が前記蛍光標識されたタンパク質の前記分離の間に行われる、請求項1に記載の方法。
- 可視化が前記蛍光標識されたタンパク質の前記分離後に行われる、請求項44に記載の方法。
- 前記方法が1時間未満で完結する、請求項1に記載の方法。
- 前記方法が30分間未満で完結する、請求項1に記載の方法。
- 前記方法が20分間未満で完結する、請求項1に記載の方法。
- 前記方法が10分間未満で完結する、請求項1に記載の方法。
- 前記タンパク質の混合物がタグ化タンパク質を含み、前記第2のバッファーがさらに前記タグ化タンパク質上のタグに結合するタグ結合蛍光発生性試薬を含み、前記アミン反応性蛍光発生性試薬が第1の発光波長を有し、前記タグ結合蛍光発生性色素が第2の発光波長を有し、かつ前記第1の発光波長および前記第2の発光波長が異なる、請求項1に記載の方法。
- 前記タグ結合蛍光発生性が二ヒ素フルオロフォアである、請求項50に記載の方法。
- 前記二ヒ素フルオロフォアがフルオレセインまたはレゾルフィンの二ヒ素誘導体である、請求項51に記載の方法。
- 前記二ヒ素フルオロフォアが4’−5’−ビス(1,3,2−ジチオアルソラン−2−イル)フルオレセイン−(2,2−エタンジチオール)2または4’−5’−ビス(1,3,2−ジチオアルソラン−2−イル)レゾルフィン−(2,2−エタンジチオール)2である、請求項52に記載の方法。
- さらに、前記第1の発光波長および前記第2の発光波長を比較する工程を含む、請求項50に記載の方法。
- 前記タグ化タンパク質上の前記タグが、少なくとも4つのシステイン部分を含むペプチドを含む、請求項50に記載の方法。
- 前記ペプチドがCys−Cys−Xn−Cys−Cys部分を含み、式中、各Xが独立に、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンまたはバリンから選択されるアミノ酸であり、かつnが2〜20の整数である、請求項50に記載の方法。
- 前記ペプチドがCys−Cys−Pro−Gly−Cys−Cysである、請求項50に記載の方法。
- 前記ペプチドがCys−Cys−Xn−Cys−Gly−Cys部分を含み、式中、各Xが独立に、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンまたはバリンから選択されるアミノ酸であり、かつnが2〜20の整数である、請求項50に記載の方法。
- 前記ペプチドがCys−Cys−Gly−Gly−Lys−Gly−Asn−gly−Gly−Cys−Gly−Cysである、請求項50に記載の方法。
- タグ化タンパク質を含むタンパク質の混合物を蛍光標識する工程を含むタンパク質分析のための方法であって、前記標識する工程が、
a)前記タンパク質の混合物を、
i)pH 8〜pH 10の間のpHを有する第1のバッファーと、
ii)アミン反応性蛍光色素、または前記タグ化タンパク質上のタグに結合するタグ結合蛍光発生性試薬と
を含む第1の組成物と混合することによって、第1の反応混合物を形成する工程と、
b)前記第1の反応混合物を、第1の温度で第1のインキュベーション時間の間インキュベーションする工程と、
c)第2の組成物を前記第1の反応混合物と混合することによって、第2の反応混合物を形成する工程であって、前記第2の組成物は、
i)pH 6〜pH 10の間のpHを有する第2のバッファーと、
ii)アミン反応性蛍光色素、またはタグ結合蛍光発生性試薬(ただし、前記第1の組成物がアミン反応性蛍光色素を含む場合、前記第2の組成物はタグ結合蛍光発生性試薬を含み、前記第1の組成物がタグ結合蛍光発生性試薬を含む場合、前記第2の組成物はアミン反応性蛍光色素を含む)と、
iii)少なくとも1つの還元剤と
を含む工程と、
d)前記第2の反応混合物を、第2の温度で第2のインキュベーション時間の間インキュベーションする工程と、
e)前記蛍光標識されたタンパク質を分離し、可視化する工程と
を含み、前記第1のバッファーは一級または二級アミンを含まず、前記アミン反応性蛍光色素は第1の発光波長を有し、前記タグ結合蛍光発生性色素は第2の発光波長を有し、かつ前記第1の発光波長および前記第2の発光波長は異なる、方法。 - さらに、前記第1の発光波長および前記第2の発光波長を比較する工程を含む、請求項60に記載の方法。
- 前記アミン反応性蛍光色素がフルオレセイン部分、ローダミン部分、アクリジン部分、クマリン部分、インドール部分、イソインドール部分、インドリジン部分、キノリン部分、イソキノリン部分、クロメン部分、キサンテン部分、ナフタレン部分、ピレン部分、ビマン部分およびBODIPY部分からなる群から選択される蛍光性部分を含む、請求項60に記載の方法。
- 前記アミン反応性蛍光色素がさらに、アシルアジド、カルボニルアジド、イソチオシアネート、イソシアネート、スクシンイミジルエステル、カルボン酸エステル、カルボン酸、スクシンイミジルエステル、スルホスクシンイミジルエステル、STPエステル、テトラフルオロフェニルエステル、塩化スルホニル、酸ハロゲン化物、アルデヒド、カルボキシアルデヒド、ジクロロトリアジン、NBD塩化物、またはNBDフッ化物からなる群から選択される反応性部分を含む、請求項60に記載の方法。
- 前記アミン反応性蛍光色素が、7−ヒドロキシ−9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン)スクシンイミジルエステル(DDAO−SE)、Bodipy TR−X−スクシンイミジルエステル、およびBodipy 650/665−スクシンイミジルエステルからなる群から選択される、請求項60に記載の方法。
- 前記第1のバッファーが、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、ホウ酸塩、ビス−トリスプロパン、およびビシンからなる群から選択される、請求項60に記載の方法。
- 前記第2のバッファーが、リン酸塩、グリシン、クエン酸、酢酸、MES、カコジル酸、炭酸、ビス−トリス、PIPES、ACES、イミダゾール、BES、AMPSO、MOPS、TES、HEPES、HEPPSOおよびトリエタノールアミンからなる群から選択される、請求項60に記載の方法。
- 前記第1の組成物がさらにアニオン性界面活性剤を含む、請求項60に記載の方法。
- 前記アニオン性界面活性剤が、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルカルボン酸塩、アルキルエーテルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテルスルホン酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩またはアルキルエーテルカルボン酸塩である、請求項67に記載の方法。
- 前記アニオン性界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸リチウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウムまたはステアリン酸ナトリウムである、請求項67に記載の方法。
- 前記アニオン性界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウムまたはドデシル硫酸リチウムである、請求項67に記載の方法。
- 前記第1の組成物がさらに、糖類または糖アルコールを含む、請求項60に記載の方法。
- 前記糖類がショ糖である、請求項71に記載の方法。
- 前記糖アルコールがグリセロールである、請求項71に記載の方法。
- 前記第1のインキュベーション時間が1分間〜15分間の間である、請求項60に記載の方法。
- 前記第1のインキュベーション時間が5分間〜15分間の間である、請求項60に記載の方法。
- 前記第1のインキュベーション時間が10分間〜15分間の間である、請求項60に記載の方法。
- 前記第1のインキュベーション温度が室温である、請求項60に記載の方法。
- 前記第1のインキュベーション温度が常温である、請求項60に記載の方法。
- 前記第1のインキュベーション温度が25℃〜70℃である、請求項60に記載の方法。
- 前記第2のインキュベーション時間が1分間〜15分間の間である、請求項60に記載の方法。
- 前記第2のインキュベーション時間が5分間〜15分間の間である、請求項60に記載の方法。
- 前記第2のインキュベーション時間が10分間〜15分間の間である、請求項60に記載の方法。
- 前記第2のインキュベーション温度が25℃〜80℃である、請求項60に記載の方法。
- 前記第2のインキュベーション温度が35℃〜80℃である、請求項60に記載の方法。
- 前記第2のインキュベーション温度が50℃〜80℃である、請求項60に記載の方法。
- 前記第2のインキュベーション温度が70℃である、請求項60に記載の方法。
- 前記第1のインキュベーション時間が5分間〜10分間の間であり、前記第2のインキュベーション時間がおよそ10分間である、請求項60に記載の方法。
- 前記還元剤が、トリアルキルホスフィン化合物、ジチオトレイトール(DTT)、2−メルカプトエタノール、亜硫酸水素ナトリウム、チオグリコール酸、メルカプトエタンスルホン酸、グルタチオンまたはこれらの組合せから選択される、請求項60に記載の方法。
- 前記タグ化タンパク質上の前記タグに結合する前記蛍光発生性色素が二ヒ素フルオロフォアである、請求項60に記載の方法。
- 前記二ヒ素フルオロフォアがフルオレセインまたはレゾルフィンの二ヒ素誘導体である、請求項89に記載の方法。
- 前記二ヒ素フルオロフォアが4’−5’−ビス(1,3,2−ジチオアルソラン−2−イル)フルオレセイン−(2,2−エタンジチオール)2または4’−5’−ビス(1,3,2−ジチオアルソラン−2−イル)レゾルフィン−(2,2−エタンジチオール)2である、請求項89に記載の方法。
- 前記タグ化タンパク質上の前記タグが、少なくとも4つのシステイン部分を含むペプチドを含む、請求項60に記載の方法。
- 前記ペプチドがCys−Cys−Xn−Cys−Cys部分を含み、式中、各Xが独立にアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンまたはバリンから選択されるアミノ酸であり、かつnが2〜20の整数である、請求項92に記載の方法。
- 前記ペプチドがCys−Cys−Pro−Gly−Cys−Cysである、請求項92に記載の方法。
- 前記ペプチドがCys−Cys−Xn−Cys−Gly−Cys部分を含み、式中、各Xが独立にアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンまたはバリンから選択されるアミノ酸であり、かつnが2〜20の整数である、請求項92に記載の方法。
- 前記ペプチドがCys−Cys−Gly−Gly−Lys−Gly−Asn−gly−Gly−Cys−Gly−Cysである、請求項92に記載の方法。
- タグ化タンパク質を含むタンパク質の混合物を蛍光標識するためのキットであって、
a)pH 8〜pH 10の範囲のpHを有するバッファーと、アミン反応性蛍光発生性試薬またはアミン反応性蛍光色素と、糖類または糖アルコールと、アニオン性界面活性剤とを含む第1の組成物と、
b)pH 6〜pH 10の範囲の第2のバッファーと、任意にタグ結合蛍光発生性試薬とを含む第2の組成物と
を含む、キット。 - 前記第1の組成物がアミン反応性蛍光発生性試薬を含み、さらにアセトンシアノヒドリン、ニトリルまたはシアン化アルカリのいずれかを含む、請求項97に記載のキット。
- 前記第1の組成物がアセトンシアノヒドリンまたはマンデロニトリルのいずれかを含む、請求項98に記載のキット。
- 前記組成物がシアン化アルカリを含む、請求項97に記載の方法。
- 前記シアン化アルカリがシアン化ナトリウムまたはシアン化カリウムである、請求項100に記載の方法。
- 前記アミン反応性蛍光発生性試薬がアロイル−2−キノリン−カルボキシアルデヒド試薬である、請求項97に記載のキット。
- 前記アロイル−2−キノリン−カルボキシアルデヒド試薬が、3−(4−カルボキシベンゾイル)キノリン−2−カルボキシアルデヒドまたは3−(2−フロイル)キノリン−2−カルボキシアルデヒド)である、請求項102に記載の方法。
- 前記アロイル−2−キノリン−カルボキシアルデヒド試薬が3−(2−フロイル)キノリン−2−カルボキシアルデヒド)である、請求項103に記載の方法。
- 前記第1の組成物が、フルオレセイン部分、ローダミン部分、アクリジン部分、クマリン部分、インドール部分、イソインドール部分、インドリジン部分、キノリン部分、イソキノリン部分、クロメン部分、キサンテン部分、ナフタレン部分、ピレン部分、ビマン部分およびBODIPY部分からなる群から選択される蛍光性部分を含むアミン反応性蛍光色素を含む、請求項97に記載のキット。
- 前記アミン反応性蛍光色素がさらに、アシルアジド、カルボニルアジド、イソチオシアネート、イソシアネート、スクシンイミジルエステル、カルボン酸エステル、カルボン酸、スクシンイミジルエステル、スルホスクシンイミジルエステル、STPエステル、テトラフルオロフェニルエステル、塩化スルホニル、酸ハロゲン化物、アルデヒド、カルボキシアルデヒド、ジクロロトリアジン、NBD塩化物、またはNBDフッ化物からなる群から選択される反応性部分を含む、請求項105に記載のキット。
- 前記第2の組成物がさらに、少なくとも4つのシステイン部分に結合するタグ結合蛍光発生性試薬、および少なくとも1つの還元剤を含み、前記アミン反応性蛍光発生性試薬または蛍光色素が第1の発光波長を有し、前記タグ結合蛍光発生性色素が第2の発光波長を有し、かつ前記第1の発光波長および前記第2の発光波長が異なる、請求項97に記載のキット。
- 前記タグ結合蛍光発生性試薬がフルオレセインまたはレゾルフィンの二ヒ素誘導体である、請求項107に記載のキット。
- 前記二ヒ素フルオロフォアが4’−5’−ビス(1,3,2−ジチオアルソラン−2−イル)フルオレセイン−(2,2−エタンジチオール)2または4’−5’−ビス(1,3,2−ジチオアルソラン−2−イル)レゾルフィン−(2,2−エタンジチオール)2である、請求項108に記載のキット。
- pH 8〜pH 10の範囲のpHを有するバッファーと、タグ結合蛍光発生性色素と、アニオン性界面活性剤と、糖類または糖アルコールと、追跡用色素と、1以上の還元剤と、炭酸水素塩とを含む組成物。
- 前記1以上の還元剤が、トリアルキルホスフィン化合物、ジチオトレイトール(DTT)、2−メルカプトエタノール、亜硫酸水素ナトリウム、チオグリコール酸、メルカプトエタンスルホン酸またはグルタチオンから選択される、請求項110に記載の組成物。
- 前記トリアルキルホスフィン化合物がトリ−N−ブチルホスフィン(TBP)またはトリス[2−カルボキシエチル]ホスフィン(TCEP)である、請求項111に記載の組成物。
- 前記タグ結合蛍光発生性色素が二ヒ素フルオロフォアである、請求項110に記載の組成物。
- 前記二ヒ素フルオロフォアがフルオレセインの二ヒ素誘導体である、請求項113に記載の組成物。
- 前記二ヒ素フルオロフォアが4’−5’−ビス(1,3,2−ジチオアルソラン−2−イル)フルオレセイン−(2,2−エタンジチオール)2である、請求項114に記載の組成物。
- 前記二ヒ素フルオロフォアがレゾルフィンの二ヒ素誘導体である、請求項114に記載の組成物。
- 前記二ヒ素フルオロフォアが4’−5’−ビス(1,3,2−ジチオアルソラン−2−イル)レゾルフィン−(2,2−エタンジチオール)2である、請求項116に記載の組成物。
- 前記アニオン性界面活性剤が、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルカルボン酸塩、アルキルエーテルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテルスルホン酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩またはアルキルエーテルカルボン酸塩である、請求項110に記載の組成物。
- 前記アニオン性界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸リチウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウムまたはステアリン酸ナトリウムである、請求項118に記載の組成物。
- 前記アニオン性界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウムまたはドデシル硫酸リチウムである、請求項118に記載の組成物。
- 前記糖類がショ糖である、請求項110に記載の組成物。
- 前記糖アルコールがグリセロールである、請求項110に記載の組成物。
- 前記追跡用色素がブロモフェノールブルーである、請求項110に記載の組成物。
- 前記バッファーが炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、ホウ酸塩、ビス−トリスプロパン、およびビシンからなる群から選択される、請求項110に記載の組成物。
- 前記組成物がさらにタグ化タンパク質を含む、請求項110に記載の組成物。
- 前記組成物がさらにアミン反応性蛍光色素を含む、請求項125に記載の組成物。
- 前記アミン反応性蛍光色素が、フルオレセイン部分、ローダミン部分、アクリジン部分、クマリン部分、インドール部分、イソインドール部分、インドリジン部分、キノリン部分、イソキノリン部分、クロメン部分、キサンテン部分、ナフタレン部分、ピレン部分、ビマン部分およびBODIPY部分からなる群から選択される蛍光性部分を含む、請求項126に記載の組成物。
- 前記アミン反応性蛍光色素がさらに、アシルアジド、カルボニルアジド、イソチオシアネート、イソシアネート、スクシンイミジルエステル、カルボン酸エステル、カルボン酸、スクシンイミジルエステル、スルホスクシンイミジルエステル、STPエステル、テトラフルオロフェニルエステル、塩化スルホニル、酸ハロゲン化物、アルデヒド、カルボキシアルデヒド、ジクロロトリアジン、NBD塩化物、またはNBDフッ化物からなる群から選択される反応性部分を含む、請求項127に記載の組成物。
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