JP2010527918A - テアニンを精製する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、優勢な陽イオンを有し、不純物を含む水溶液からテアニンを精製するための方法を提供する。本方法は、優勢な陽イオンと同じ陽イオンタイプの陽イオン交換樹脂が充填されたカラムに、カラム容量の2〜20%の量で水溶液を導入するステップと、次いでpHが2.5〜8.5の水性の移動相をカラムに導入し、これにより不純物を多く含むゾーンを溶出させ、続いてテアニンを多く含むゾーンを溶出させるステップと、次いでテアニンを多く含むゾーンの少なくとも1画分を回収するステップとを含む。

Description

本発明は、アミノ酸テアニンを精製するための方法に関する。
ヒトの体の精神的および肉体的な面を強化することができる飲食品に、ますます人気が集まっている。特に、精神的な機敏性が一層高められた状態を作り出すような製品が、特に商品として価値がある。
テアニンは、植物界でも、茶の木(カメリアシネンシス)に特異的に見られるアミノ酸である。テアニンは、ヒトの体および心に多くの有益な効果をもたらすことが判明した。例えば、テアニンは、哺乳動物の脳のα波を刺激し、リラックスしていて、しかも機敏な精神状態を個人が得られることが報告されている。このような生理的効果は、特定の投与レベルにおいて特に明白である。例えば、国際特許出願第PCT/EP2005/012464号(UnileverPLCら)は、特定レベルのテアニンおよびカフェインを含む消費可能な組成物について記載しており、この組成物を消費した個人の集中度、精神的集中および/または機敏性が著しく改善されたことを示している。
茶には比較的テアニンが豊富に含まれているが、実際のところ、テアニンは、茶の木の原料中に、抽出可能な茶の固形物として約2重量%しか含まれていない。したがって、テアニン濃度の高い製品への増加する要求を満たすため、合成テアニン(例えばTaiyo Kagaku製のSuntheanine(商標))が開発された。
しかし、現代の消費者は、現代の健康なライフスタイルの一部を形成する自然健康飲料に特に興味を持っている。中でも抗酸化剤が自然に含有されているという点からも、茶は、この姿勢によくマッチしている。したがって、合成化合物の添加なしに、自然発生のテアニンを濃縮するための方法を提供する必要がある。
この要求を満たすための試みとして、膜濾過を使用して茶抽出物にテアニンを凝縮させる方法が開発された。例えば、国際特許出願第PCT/EP2005/010376号は、茶の木の原料に冷水抽出を実施するステップ、次いでこの抽出物をナノ濾過するステップを含む、テアニンを豊富に含む茶抽出物を提供する方法を開示している。この方法により、テアニンを多く含む茶の固形物を有する透過水が生成される。
しかし、このような透過水にも有意な量の不純物が含まれている恐れがあることが判明した。特に、糖類およびアミノ酸などの不純物は、テアニンと物理化学的な類似性があるため、透過水から取り出すのが困難であることがわかった。さらに、ある不純物が存在することによって、透過水の従来の乾燥法(例えばスプレー乾燥)が特に問題となる。
米国特許出願第2005/0084544号(Procter & Gamble Co. Inc.)として公開された米国特許出願は、茶抽出物を、ポリフェノール物質を吸着する物質と接触させる方法を記載している。この方法により、ポリフェノールを実質的に含まない、テアニンが豊富な抽出物が生成される。しかし、この場合にも、除去用のさらなる濾過ステップが必要な多くの不純物が、抽出物に依然として含まれている。
米国特許第5922380号(Ito En Ltd.)は、茶抽出物を、カリウムイオンとイオン結合した陽イオン交換樹脂と接触させる方法を開示している。この方法の目的は、茶抽出物から二価の金属イオンを取り出しながらも、茶の味わいを提供する他の成分を保持することである。したがってこの方法は、唯一の分離メカニズムが陽イオン交換であるという条件下で、樹脂を充填したカラムに抽出物を流すことを含む。したがって、米国特許第5922380号の方法は、結果として、多価金属イオン以外のいかなる不純物からもテアニンを分離していない。
国際特許出願第PCT/EP2005/012464号 国際特許出願第PCT/EP2005/010376号 米国特許出願第2005/0084544号 米国特許第5922380号
「Compendium of Analytical Nomenclature: Definitive Rules 1997」、IUPAC、第3版、9章
したがって、発明者らは、いくらかの中性および/または陰イオン性不純物を含めた不純物を含有する混合物からテアニンを精製するシンプルな方法を提供する必要があることを認識した。発明者らはまた、合成化学物質および/または有機溶剤の使用を必要としないような方法を提供する必要があることを認識した。
定義
不純物
本明細書で使用する場合、「不純物」という用語は、テアニンまたは水以外の物質を指す。
優勢な陽イオン
溶液中の優勢な陽イオンとは、溶液中の他のいかなる陽イオンよりも高いモル濃度で溶液中に存在する陽イオンである。
不純物を多く含むゾーン
不純物を多く含むゾーンとは、この工程の開始時点での不純物の濃度(ゾーン内の総固形物のパーセントとして表される)が、水溶液中の不純物の濃度(水溶液中の総固形物のパーセントとして表される)を超えるクロマトグラフィーのゾーンである。
テアニンを多く含むゾーン
テアニンを多く含むゾーンとは、この工程の開始時点でのテアニンの濃度(ゾーン内の総固形物のパーセントとして表される)が、水溶液中のテアニンの濃度(水溶液中の総固形物のパーセントとして表される)を超えるクロマトグラフィーのゾーンである。
茶抽出物
本明細書で使用する場合、「茶抽出物」という用語は、カメリアシネンシス中国種および/またはカメリアシネンシスアッサム種の葉および/または茎からの乾燥材料を指す。葉および/または茎には、いわゆる「発酵」ステップを施してもよく、このステップにおいて、葉および/または茎は、「紅茶」製造の初期段階の間に放出されるある内因性酵素により酸化する。この酸化は、オキシダーゼ、ラッカーゼおよびペルオキシダーゼなどの外因性酵素の作用にさえも助けられる。あるいは、葉は、部分的に発酵させても(「ウーロン」茶)、実質的に発酵しないまま(「緑茶」)でもよい。
クロマトグラフィー用語
「移動相」、「カラム」、「カラム容量」、「溶出する」および「ゾーン」という用語は、「Compendium of Analytical Nomenclature: Definitive Rules 1997」、IUPAC、第3版、9章で定義されているような標準的なクロマトグラフィー用語である。
本発明は、
a.優勢な陽イオンと同じ陽イオンタイプの陽イオン交換樹脂が充填されたカラムに、カラム容量(Vc)の2〜20%の量(Va)で水溶液を導入するステップと、次いで
b.pHが2.5〜8.5の水性移動相を、前記カラムに導入し、これにより不純物を多く含むゾーンを溶出させ、続いてテアニンを多く含むゾーンを溶出させるステップと、次いで
c.テアニンを多く含むゾーンの少なくとも1画分を回収するステップと、次いで
d.テアニンを多く含むゾーンの少なくとも1画分を任意選択で濃縮および/または乾燥させるステップと
を含む、優勢な陽イオンを有し、不純物を含む水溶液からテアニンを精製するための方法を提供する。
主要な分離メカニズムがイオン排除のメカニズムであるので、テアニンと不純物を実質的に異なるゾーンへ分離する結果となることが、明記したこの方法を運用することによって確実となる。
テアニン精製の元となる水溶液は、不純物を含有する。この不純物は、陽イオン、陰イオン、中性分子またはこれらの混合物を含み得る。不純物は通常、糖類、アミノ酸またはこれらの混合物を含むことになる。糖類は、単糖、二糖、寡糖類、多糖類またはこれらの混合物であってよい。不純物は、追加としてまたはこれらの代わりに、ポリフェノール、カフェインまたはこれらの混合物を含み得る。
テアニンは、天然由来が好ましい。最も好ましいテアニン源は、茶である。したがって好ましい実施形態において、水溶液は、茶の水性抽出物である。茶抽出物が紅茶抽出物であることが特に好ましい。茶の水性抽出物は、茶葉の水による抽出で直接得ることができる。あるいは、茶の水性抽出物に対し、抽出の後に1つまたは複数の精製および/または濃縮のステップを施すこともできる。例えば、参照により本明細書に組み込まれるPCT/EP2005/010376号の方法を用いて、茶抽出物をナノ濾過してもよい。
水溶液は、1つまたは複数の陽イオンを含有することになる。ほとんどの場合 (特に水溶液が茶の水性抽出物の場合)、優勢な陽イオンは、カリウム(K+)である。
水溶液は、多価陽イオンを実質的に含まないことが好ましい。多価陽イオンは、樹脂から排除するのが困難なので、カラムが詰まる元となり、樹脂の寿命を縮める結果となる。したがって水溶液は、溶液中に、80重量%を超える、より好ましくは90%を超える、最も好ましくは95〜99.99%の一価陽イオンを含むことが好ましい。
水溶液は、比較的少量でカラムに導入するので、分離の効率を最高に高めるため、さらにステップc後にこの画分を乾燥する場合、排除する水の量を最小限に抑えるため、溶液は固形物含有率が高い方が好ましい。したがって、水溶液は、総固形物含有率が溶液の重量に対して少なくとも2%、より好ましくは少なくとも5%、最も好ましくは少なくとも10%であることが好ましい。しかし、固形物含有率は、高いと試料が粘稠になりすぎ、および/または分離の間に生成される不溶性材料に伴う問題も生じ得るので、あまり高すぎてもよくない。したがって固形物含有率は、溶液の重量に対して50%未満、より好ましくは40%未満、最も好ましくは30%未満が好ましい。
テアニンの収率を最高にするため、総固形物は、テアニンを、固形物の少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも2%、より好ましくは少なくとも4%、最も好ましくは少なくとも6%の量で含むことが好ましい。通常、総固形物は、固形物の80重量%未満のテアニンを含むことになる。この方法は、総固形物が、総固形物の60重量%未満またはさらに40%未満のテアニンを含むような水溶液からテアニンを精製する場合に特に適している。
イオン排除が確実に分離メカニズムとなるよう、テアニンは、そのpI付近のpHで溶出する。したがって、水溶液のpHは、2.5から8.5の範囲、より好ましくは3.5から7.5の範囲、より好ましくは4から7の範囲、および最も好ましくは5から6であることが好ましい。移動相が緩衝されていない場合には、溶液のpHがこれらの範囲内にあることが特に重要である。
水溶液は、カラム容量(Vc)の2〜20%の量(Va)でカラムへ導入する。これにより、水溶液がカラムに占める割合が確実に低くなり、したがって溶出される際にテアニンと不純物の分離が可能となる。しかし、この量は、この方法の効率が落ちるので、少なすぎてもいけない。好ましくは、Vaは、Vcの3〜15%、より好ましくは5〜10%である。
カラムには、優勢な陽イオンと同じ陽イオンタイプの陽イオン交換樹脂を充填する。通常これは、樹脂がカリウム(K+)の形態であることを意味することになる。
適切な樹脂は、陽イオン交換用の官能基を有するもの、例えばスルホン酸基(-S03M)、リン酸基(-PO(OM)2)、またはカルボキシル基(-COOM)(式中、Mは、優勢な陽イオンである。)を含む。スルホン酸基を有する樹脂、例えば、スルホン化したポリスチレン系樹脂などは、特に好ましい。このような樹脂は、スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー樹脂を含む。適切な市販の樹脂として、UBK530、UBK535、UBK550およびUBK555(製造元:Mitsubishi Kagaku Co.)を含めたDiaion(商標)UBKシリーズが挙げられる。
水溶液をカラムへ導入した後、次いで水性移動相を導入することによって溶液を溶出する。テアニンを不純物から分離するためには、移動相が水溶液と異なる組成物を有することが必要である。特に移動相は、実質的にテアニンを含んでいない方がよい。移動相は、好ましくは移動相の0.01重量%未満、より好ましくは0.001%未満、最適には0.0001%未満のテアニンを含むべきである。
テアニンが中性の状態であるための水性の移動相のpHは、2.5〜8.5である。移動相のpHは、好ましくは3.5〜7.5、より好ましくは4〜7、最も好ましくは5〜6である。水溶液が、強酸性または強塩基性(例えば、2.5〜8.5の範囲外のpH)である場合には、移動相を緩衝液で処理する必要もあり得る。この場合、移動相は、緩衝塩を含むことになる。例えば移動相は、リン酸塩緩衝剤を含み得る。
しかし、いずれの化学添加剤の使用も回避するのが好ましい。したがって、好ましい実施形態において移動相は、実質的に純水である。例えば移動相は、総固形物1000ppm未満、より好ましくは500ppm未満、最も好ましくは1ppb〜100ppmを含み得る。特に好ましい実施形態において、移動相は、脱イオン水である。
移動相が、多価陽イオンを実質的に含まないことも好ましい。多価陽イオンは、樹脂から除去するのが困難なので、カラムが詰まる元となり、樹脂の寿命を縮める結果となる。したがって、移動相は、移動相中に、陽イオンの80重量%を超える、より好ましくは90%を超える、最も好ましくは95〜99.99%の一価陽イオンを含むことが好ましい。
分離を妨害する恐れのある気泡がカラム内に生成するのを避けるため、カラム導入前に移動相を脱気することが好ましい。超音波処理または窒素など水に不溶のガスを用いてのスパージングを含めた、任意の既知の脱気手段を使用し得る。
移動相がカラム内を下っていくにつれて、異なるサイズの他の分子および/または充填物が、樹脂から排除される一方、中性のテアニンは、速度が遅れ、および/または樹脂に弱く吸着させられる。その結果、不純物を多く含むゾーンが、テアニンを多く含むゾーン以前に形成される。
比較的に濃縮されたゾーンの粘度が流速に及ぼす影響を軽減するために、ゾーンは高温で溶出するのが好ましい。通常温度は、45から90℃、より好ましくは55から80℃の範囲となる。
高温を用いることにより、微生物によるカラムの汚染のリスクも減少する。
この方法の次のステップは、テアニンを多く含むゾーンの少なくとも1画分を回収することを含む。通常これは、カラムから出る溶出液の画分を収集し、有意な量のテアニンを含む画分を保持することにより達成することになる。複数の画分が採取された場合には、これらを貯蔵する。
不純物を多く含むゾーンの画分は、通常は廃棄される。しかし、ゾーンがポリフェノールなどの価値のある不純物を多く含む場合には、この方法は、不純物を多く含むゾーンの少なくとも1画分を回収する追加のステップを含み得る。
ステップcで回収した、テアニンを多く含むゾーンの少なくとも1画分は、さらなる処理なしで直接使用することもできる。例えばこれを食料品または飲料製品に直接加えることもできる。分離の効率が高いことから、使用および/または乾燥前に、例えば膜濾過ステップを用いてさらに画分を精製する必要は一般的に特にない。
好ましい実施形態において、テアニンを多く含むゾーンの少なくとも1画分を、濃縮および/または乾燥させる。これにより、この画分の安定した長時間の保存が可能となる。通常画分は、水分20重量%未満、より好ましくは10%未満、最適には1〜7%まで乾燥させることになる。
(実施例)
(実施例1)
この実施例は、茶の濃縮水性抽出物からテアニンを精製することを実証している。
茶の水性抽出物の調製:
粉砕して混合した紅茶のファニングス(BMF)を水で抽出した。生成した抽出物を遠心分離し、ナノフィルターにかけ、乾燥することによって、テアニン6重量%、モノ-糖類およびジ-糖類16重量%、灰分15重量%、ポリフェノール6重量%、テアニン以外のアミノ酸6重量%、およびカフェイン4重量%を含む茶抽出物を得た。
次いでこの茶抽出物を水に再溶解し、5μmフィルターを介して濾過し、総固形物含有率が20重量%およびpHが4.85の茶の水性抽出物を得た。
カラムの準備:
樹脂は、K+形態のDiaion(商標)UBK550を使用した。この樹脂は、粒度分布の狭い、平均直径220μmの、ビーズ形状でのスルホン化ポリスチレン系ポリマーである。
カラムには、脱気した脱イオン水を半分充填した。次いで樹脂を加え、カラムを介して熱水を30分間再循環させることにより、樹脂の高さを調整した。
次いでカラムを充填した。これは、任意のサンプリングまたはデータ記録なしで、毎時4Vcの流速を用いて2回の溶出を実施することにより達成した。その結果、樹脂の膨張および収縮により、圧縮が起った。これに続いて生成物を注入し、次いで水を注入した。このような2回の溶出の後で、カラム内のピストンを調整することによって、樹脂の高さをカラム先端部の高さに調整した。
充填したカラムは、高さ113cm、直径1.5cmであった。したがってカラム容量(Vc)は、200mlであった。カラムには、水冷却筒が装着され、60℃の温度が維持されている。
抽出物の分離:
茶抽出物は、9ml(0.05Vc)の量でカラムへ注入した。次いで移動相(脱気した脱イオン水)を、カラムを介して毎分5ml(毎時1.5Vc)の速度で、ポンプで注入した。カラムからの産出物をフラクションコレクターへ供給し、新しい画分を毎分(溶出した生成物の0.025Vc当たり等しい量)採取した。各画分の総固形物(Bellingham & Stanley RFM3000屈折計を用いて、Brixスケールにより)およびテアニン含有率(高速液体クロマトグラフィーを用いて)を分析した。結果を表1に示す。
Figure 2010527918
表1のデータから明らかなように、大部分の不純物は、カラム容量の最初の60%において溶出される一方、テアニンは、この時点でやっと溶出が始まる。したがってこの時点から後に採取された画分(画分14から先)は、カラムに注入された茶の水性抽出物(乾燥物に対してテアニン含有率6重量%)と比較して、テアニンを多く含んでいる。

Claims (12)

  1. a.優勢な陽イオンと同じ陽イオンタイプの陽イオン交換樹脂が充填されたカラムに、カラム容量(Vc)の2〜20%の量(Va)で水溶液を導入するステップと、次いで
    b.pHが2.5〜8.5の水性移動相を、前記カラムに導入し、これにより不純物を多く含むゾーンを溶出させ、続いてテアニンを多く含むゾーンを溶出させるステップと、次いで
    c.テアニンを多く含むゾーンの少なくとも1画分を回収するステップと
    を含む、優勢な陽イオンを有し、不純物を含む水溶液からテアニンを精製するための方法。
  2. 水溶液が、溶液の重量に対して少なくとも2%、好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%の総固形物含有率を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 総固形物が、固形物の少なくとも1重量%の量でテアニンを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 不純物が、糖類、アミノ酸またはこれらの混合物を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 移動相のpHが、4〜7である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. Vaが、Vcの3〜15%である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 移動相が、脱イオン水である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 優勢な陽イオンが、カリウム(K+)である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 水溶液が茶の水性茶抽出物である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. d.テアニンを多く含むゾーンの少なくとも1画分を濃縮および/または乾燥させる追加のステップ
    を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 少なくとも1画分が、ステップcとdの間において膜濾過を行う対象とならない、請求項10に記載の方法。
  12. 樹脂が、スルホン化ポリスチレン系樹脂である、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
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