JP2010527829A - 軌道車両の台車コンポーネントのエラー監視装置およびエラー監視方法 - Google Patents

軌道車両の台車コンポーネントのエラー監視装置およびエラー監視方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、軌道車両の台車コンポーネントのエラー監視装置(2)に関する。この装置は、評価装置(32)とともに動作する少なくとも1つの加速度センサ(28、28′、28″)を有し、前記加速度センサ(28、28′、28″)の少なくとも1つは軌道車両の台車に、加速度センサの検知方向(30、30′、30″)が、軌道車両の縦軸(z方向)に対して平行な成分を少なくとも1つ有するように配置されている。本発明で、前記加速度センサ(28、28′、28″)は、重力加速度に相応する信号成分を含む測定信号、または重力加速度に相応する信号を表す測定信号を送出するように構成されており、前記評価装置(32)は前記加速度センサ(28、28′、28″)の機能を検査するルーチンを有し、該ルーチンは、加速度センサ(28、28′、28″)から送出された測定信号が重力加速度に相応する信号成分を含まない場合、または重力加速度に相応する信号を表さない場合にエラー信号を出力し、そうでない場合にはエラー信号を抑圧する。

Description

本発明は、請求項1および15による軌道車両の台車コンポーネントのエラー監視装置およびエラー監視方法から出発する。
軌道車両交通では台車の監視システムがますます重要になっている。一方でこの監視システムは安全性の理由から標準で、またはガイドラインで要求される。例として欧州全域の高速列車に対してTSI(echnische Spezifikation fuer die Interoperabilitaet - Amtsblatt der Europaeischen Gemeinschaft)の側から要求される以下のシステムが挙げられる:
・脱線検知用のオンボードシステム、
・熱軸箱検知ないし軸受摩耗識別用のオンボードシステム、
・不安定性検知ないし減衰器故障検知用のオンボードシステム、
他方で台車監視システムは、損傷した構成部材、危険状態ないしその他のエラーを診断し、早期発見のために使用され、これにより状態に基づいた早期の保守が達成される。ここでの目的は、停止状態時間の小さいこと、構成部材の効率的な利用、およびコストの節約である。
例えばICEでは不安定運転を識別するためのシステムが使用され、新しい自動走行モータでは脱線検知用システムが使用されている。これらのシステムでは共通して、システムが自立的に機能するよう構成されている。各システムは固有のセンサを使用する。
不安定性識別のために通例は1つまたは複数のセンサがボギー台車フレームに取り付けられる。センサは所定の周波数領域で横加速度(走行方向xに対して横)を測定し、限界値を越えると警報を発生する。
DE101 45 433 C2とEP 1 317 369には、軌道車両のコンポーネントのエラー監視方法および装置が記載されており、これらも同様に加速度値の測定に基づくものである。このコンポーネントは、構台に固定されたローリング減衰コンソールに取り付けられている。加速度センサの検知方向は走行方向に対して平行である。
脱線検知の方法および装置に対する例は、DE 199 53 677に記載されている。ここではベアリングシャフトに配置された加速度センサの測定信号が直接評価される。測定された加速度値は2回積分され、限界値と比較される。単純な加速度センサは、軌道車両の縦軸方向(z方向)に検知方向を有する。しかし刊行物によれば、走行方向(x方向)、走行方向に対して横方向(y方向)、および上下方向(z方向)に同時に検知方向を有する加速度センサも使用することができる。このような加速度センサはいわゆるマルチセンサであり、実際には少なくとも2つ、ここでは3つの加速度センサからなり、それぞれが1つの検知方向を測定する。
安全に重要なこの監視装置で問題なのは、安全性レベルに応じて非常に高い故障信頼性ないし故障認識を保証すべきである加速度センサの機能能力を確実なものにすることである。図8には、軌道車両の台車コンポーネントのエラー監視装置の構造および機能が概略的に示されている。この装置は、
・固定部を備え、増幅および適合電子回路が組み込まれた加速度センサと、
・加速度センサ用の給電装置を備える信号処理および評価電子回路と、
・加速度センサの信号を評価電子回路に信号伝送する伝送線路と、
・加速度センサに電流供給する伝送線路とを有する。
図8に示された測定シーケンスの多数のコンポーネントの機能性は動作時に、テスト機能または回路により検査することができる。例えば伝送線路の断線を、オフセット電圧(中間電圧)を給電するか、または加速度センサに定電流を供給することによって検知することができる。断線はオフセット電圧ないし定電流の変化によって検知することができる。
これに対して問題なのは加速度センサ自体の検査である。加速度センサが機能しており、仕様どおりの測定信号を送出することを確定するためには、加速度センサに所定の加速度信号を印加しなければならない。そのために加速度センサを取り外し、較正試験台(シェーカ)に取り付けなければならない。このことには大きなコストがかかり、しかも加速度センサは軌道車両のアクセスの悪い取付け空間にしばしば配置されている。さらに取り外しおよび再取付けの際のセンサの損傷ならびに間違った取付けが排除されない。
別の可能性は自己検査装置を有するセンサである。この場合、センサ素子は付加的に集積された装置により励起される。センサが期待された信号を送出しない場合、センサは不完全である。このような自己検査装置は、例えば自動車のエアバッグセンサに使用される。しかしこのような自己検査装置は任意のセンサ形式ないし任意のセンサ構造に対して使用可能ではなく、センサの価格を上昇させる。
取り外したセンサでのセンサ検査ないし自己検査装置を回避するために、加速度センサを冗長的に設け、センサの故障または誤機能を、2つのセンサ信号を妥当性について比較することによって検出することができる。このこともとりわけ技術コストの上昇を引起し、コストがアップする。
DE 199 53 677
本発明の課題は、軌道車両の台車コンポーネントをエラー監視するための装置ならび鬼方法を改善し、簡単な構造であっても使用される加速度センサの機能を安価に監視できるようにすることである。
この課題は請求項1の特徴部分によって解決される。
本発明の装置では、加速度センサが、重力加速度gに相応する信号成分を含む測定信号、または重力加速度gに相応する信号を表す測定信号を送出するように構成される。さらに評価装置は加速度センサの機能を検査するルーチンを有する。このルーチンは、加速度センサから送出された測定信号が重力加速度gに相応する信号成分を含まない場合、または重力加速度gに相応する信号を表さない場合にエラー信号を出力し、そうでない場合にはエラー信号を抑圧する。
本発明の方法によれば、測定信号が重力加速度gに相応する信号成分を含むか、または重力加速度gに相応する信号を表す少なくとも1つの加速度センサが使用される。この加速度センサは、軌道車両の台車に次のように配置される。すなわち加速度センサの検知方向が、重力加速度gが作用する軌道車両の縦軸(z方向)に対して平行な成分を有するように配置される。結局のところ、加速度センサの機能は次のように検査される。すなわち、加速度センサから送出された測定信号が重力加速度gに相応する信号成分を含まない場合、または重力加速度gに相応する信号を表さない場合にエラー信号が出力され、そうでない場合にはエラー信号が抑圧されるようにして検査される。
条件「重力加速度gに相応する信号成分がない」ないし「重力加速度gに相応する信号がない」は、重力加速度から由来する信号成分ないし信号は存在するが、それらの絶対値または値が、重力加速度gに基づいて予期される絶対値または値ではない、すなわち重力加速度に対して測定された値が実際の値に対して過度に大きいかまたは過度に小さい場合を含む。なぜならこのような測定偏差は、加速度センサのエラーを意味するからである。
従来技術と比較して、本発明の装置に対して検査のために付加的なハードウエアまたは加速度センサの付加的な構造は必要ない。検査すべき加速度センサは、所定の測定過程の枠内で自分の機能性についての情報を自分で送出する。監視される加速度センサに課せられる要求は、この加速度センサに常に作用する重力加速度gを、軌道車両の走行中に含む測定信号を形成するか、または軌道車両が静止している場合には重力加速度gを表す測定信号を形成することと、重力加速度gよりも小さい応答閾値を有することである。
したがって重力加速度gに相応する信号ないし重力加速度gに相応する信号成分は、加速度センサに対する較正信号および検査信号を形成する。本発明は、測定領域が重力加速度gのオーダにある加速度センサにとくに適する。不安定性検出を行う場合、測定は0.8gの応答閾値で、−2gから+2gの領域で行う。較正信号および検査信号が測定信号に対して一桁、偏差する場合であっても、加速度センサの基本的検査は可能である。従来技術の手段に対してこのことは格別の節約を意味する。
従属請求項に記載された手段により、独立請求項に記載された発明の有利な別の構成および改良形が得られる。
とくに有利には装置は、加速度センサから送出された測定信号から、重力加速度gに相応する信号成分を取り出すフィルタ手段を有する。
改善形態によれば評価装置は、検査ルーチンが一度、または時間間隔をおいて複数回、または恒久的に実行されるように構成されている。
とくに有利には加速度センサは、圧電加速度センサ、圧電抵抗加速度センサ、または容量性加速度センサである。
有利な手段によれば、軌道車両の台車コンポーネントの種々のエラー監視機能、例えば冒頭に述べた不安定性識別機能および脱線検知機能のために共通のセンサ系が使用される。加速度センサは本発明の構成に依存して、軌道車両の縦軸方向(z方向)、走行方向に対して横方向(y方向)、または走行方向(x方向)の加速度を検出する。ここでは有利には2つの変形実施例が設けられている。
a)少なくとも1つの加速度センサが、軌道車両のボギー台車フレームまたはボギー台車の車軸のホイールセットベアリングに次のように配置されている。すなわち、加速度センサの検知方向が走行方向(x方向)の成分、または走行方向に対して直角の成分(y方向)および同時に軌道車両の縦軸(z方向)に対して平行な成分を有するように配置される。
または、
b)車軸のホイールセットベアリングに複数の加速度センサを設け、それらの1つの加速度センサを車軸のホイールセットベアリングの一方に、その加速度センサの検知方向が走行方向に対して平行であるように配置し、別の1つの加速度センサを車軸のホイールセットベアリングの他方に、その加速度センサの検知方向が軌道車両の縦軸に対して平行であるように配置する。
変形実施例a)では、加速度センサの検知方向が斜めに配向されているため、z方向の加速度値が横加速度または縦加速度(y方向およびx方向)の加速度値とベクトル的に加算される。測定された加速度値は、z方向およびy方向ないしz方向の個別の加速度とベクトル的に加算されている。すでにこの値は、台車が不安定な走行状態を有する傾向があるか、または脱線しているかに対する尺度を形成する。選択的な監視は、測定された加速度値を周波数固有に判定することによって付加的に行うことができる。種々異なる空間軸での振動は種々異なる周波数帯域で発生する。特性が不安定な場合には、横方向と長手方向に、縦方向よりも傾向として低い周波数が発生する。脱線の場合には、縦軸における比較的高い周波数成分により監視基準が形成される。種々の周波数帯域を所期のように評価することによって、車両状態の不安定性および脱線を選択的に監視することができる。
前記方向(x、y、z方向)の成分は、相応の面の検知方向の角度が0°以上、90°以下の間にあれば常に存在する。とくに有利には検知方向の角度は10°から80°の領域にある。
これによりただ1つの加速度センサによって相互に直角のそれぞれ2つの検知方向(z方向とy方向、ないしz方向とx方向)を検出することができる。これによりボギー台車または車軸の1つの加速度センサだけを用い、横加速度または長手加速度を監視することによって不安定性に関する予測を行い、縦軸方向の加速度を監視することにより同時に脱線に関する予測を行うことができる。
ボギー台車にただ1つの加速度センサを設けることにより、加速度センサの製造、取付け、および配線コストが最小になる。
変形実施例b)によれば、ボギー台車の1つの車軸の各ホイールセットベアリングに1つの加速度センサが配属される。ここでは1つの車軸の両側に配属された2つの加速度センサの検知方向が相互に直角である。すなわち走行方向(x方向)と縦軸方向(z方向)である。これにより加速度センサの加速度を評価することによって同様に、脱線検知と不安定性識別を実行することができる。加速度センサはホイールセットベアリングに配属されているから同時にベアリングシャフトの監視も行うことができる。なぜならホイールセットベアリング領域における過剰の振動はこの領域の故障を示唆するからである。
ボギー台車の他方の車軸には同じ構成が、有利には検知方向に関して入れ替えた構成が実現される。このようにしてボギー台車の車軸について対角で見ると同じ検知方向が得られる。これにより各ボギー台車にそれぞれ同じ検知方向を備える2つの加速度センサが存在し、それぞれの検知方向に対して冗長性が得られる。
前記の監視機能、すなわち不安定性識別と脱線検知の他に、本発明の装置を用い、適切な評価方法と相応の評価電子回路によって、別の監視機能および別の診断機能を実現することができる。センサ系をボギー台車フレームに配置する構成では、フレームに直接取り付けられたコンポーネント、例えばコントロールアーム、ガイドブッシュ、ないしフレーム自体を監視することができる。
とりわけ加速度センサをホイールセットベアリングないしホイールセットベアリングハウジングに直接取り付ける場合、付加的な監視機能および診断機能が考えられる。これは例えば摩耗箇所の識別、ベアリング損傷の識別、またはホイールセットシャフトの損傷の識別、およびホイール自体の損傷の識別である。
変形実施例a)でとくに有利には、加速度センサの検知方向が一つの平面内でボギー台車の車軸と直角であり、縦軸(z方向)と走行方向に対して平行に配置された軸(x方向)を基準にして90°の角度を有する。成分はそれぞれ同じ大きさであるから、有利には同値の信号がボギー台車ないしホイールセットベアリングの長手方向振動および上下方向振動に対して得られる。択一的に0°から90°の間の角度領域で任意の角度が可能である。
択一的に加速度センサの検知方向は一つの平面内で走行方向に対して直角であり、縦軸(z方向)ならびに走行方向に対して直角の軸(y方向)を基準にして45°の角度を有する。この場合、同値の信号がボギー台車ないしホイールセットベアリングの横方向振動と上下方向振動に対して得られる。
変形実施例a)でとくに有利には、1つの車軸の2つのホイールセットベアリングのそれぞれ1つに1つの加速度センサが配置される。この加速度センサの検知方向が一つの平面内で車軸に対して直角であり、縦軸ならびに走行方向に対して平行な軸を基準にして45°の角度を有していれば、この加速度センサの測定信号から脱線傾向と台車の安定性特性について同様の予測を行うことができる。例えばこのような2つの加速度センサがボギー台車の垂直回転軸に対して対角に配置されれば、付加的に冗長的測定が得られる。このことは監視装置の安全性を高める。
有利にはこの変形実施例で、加速度センサはパルス発生器と組み合わされる。電子監視ユニットに対して信号を送出し、付加的に滑り防止のために車軸回転数を検出する集積センサを使用すれば、センサ組み込みおよび配線のためのコストがさらに低減される。
製造コスト、取付けコスト、ならびに配線に関するコストを最小にするため、変形実施例b)の改善形態によれば、一つの車軸の各ホイールセットベアリングには一つの加速度センサだけが設けられる。この加速度センサは有利には、ボギー台車の車軸のホイールセットベアリングに配置されており、走行方向で見て加速度センサの検知方向は各車両側で交互である。したがってボギー台車の垂直回転軸を基準にして、同じ検知方向を備える加速度センサが対角に配置されている。これによって有利な冗長性が得られ、このことは監視装置の故障安全性を高める。
有利にはこの変形実施例でも少なくとも1つの加速度センサがパルス発生器と組み合わされる。このことはすでに上に述べた利点をもたらす。付加的に、ホイールセットベアリング内の目下のベアリング温度を測定する温度センサをコンビネーションセンサに組み込むことができる。このようなコンビネーションセンサの構造についてはDE 10 2005 010 118を参照されたい。
軌道車両の滑り防止システムおよび/またはブレーキ制御システムにおける、台車コンポーネントをエラー監視するための装置の電子評価ユニットについても、同様にDE 10 2005 010 118に記載されている。
上記の手段により、加速度センサの取付けコストが低くなる。加速度センサのいくつかは、軌道車両の縦軸(z方向)に対して平行な成分を備える検知方向を有する。この場合、請求項1の特徴との組合せで、有利には加速度センサの数が少なく、加速度センサの特別の配置構成に基づく評価回路を備えた、軌道車両の台車コンポーネントのエラー監視を行う装置が得られる。この加速度センサは、センサ形式を所期のように選択し、専用の評価ソフトウエアを設けることにより簡単に監視される。ここでは加速度センサを検査のために取り外さなければならないこともなく、付加的ハードウエアを設ける必要もない。全体として、軌道車両の台車コンポーネントのエラー監視を行う装置が安価かつ簡単に得られる。
詳細は以下の実施例の説明から明らかとなる。
以下に、本発明の実施例を図面に基づき詳しく説明する。
本発明の第1実施例による、軌道車両の台車コンポーネントのエラー監視を行う装置の一部を備えるボギー台車の概略的平面図である。 図1のボギー台車の概略的正面図である。 本発明の別の実施例による、軌道車両の台車コンポーネントのエラー監視を行う装置の一部を備えるボギー台車の概略的平面図である。 図3のボギー台車の概略的側面図である。 本発明の別の実施例による、軌道車両の台車コンポーネントのエラー監視を行う装置の一部を備えるボギー台車の概略的平面図である。 図5のボギー台車の概略的側面図である。 図5と図6の実施例による軌道車両の台車コンポーネントのエラー監視を行う装置の概略的回路図である。 軌道車両の台車コンポーネントのエラー監視を行う装置の機能を概略的に示す図である。
図1には、本発明の第1実施例による、軌道車両の台車コンポーネントのエラー監視を行う装置2の一部を備えるボギー台車の概略的平面図が示されている。
ボギー台車1は、図示しない構体を基準にして垂直回転軸36を中心に回転可能に配置されており、ボギー台車フレーム4を有する。ボギー台車フレームは、本発明にとっては二次的であるので同様に図示しないサスペンションシステムによって軌道車両の構体に支持されている。
ボギー台車フレーム4は他方では4つのホイールセットベアリングハウジング6,8,10,12の一次サスペンション上に支持されている。ホイールセットベアリングハウジングには車軸22,24を支承するためのホイールセットベアリング14,16,18,20がそれぞれ1つ収容されており、車軸の端部は2つの車輪26を支持する。全部で2つの車軸22,24が1つのボギー台車1に備わっている。ボギー台車1とそのコンポーネント4〜20を監視するために、エラー監視を行う装置2が設けられている。それらのうち図1と図2では振動検出器28だけが示されている。
振動検出器28はボギー台車のボギー台車フレーム4に、矢印30により示すその検知方向が、縦軸(z方向)に対して平行な成分および軌道車両の走行方向(x方向)の成分または走行方向に対して直角(y方向)の成分を有するように配置されている。有利には加速度センサとして構成された振動検出器28の検知方向30は、軌道車両の走行方向(y方向)に対して直角の成分と、縦軸(z方向)に対して平行な成分を同時に有する。このことは図2から分かる。
振動検出器28の検知方向30が斜めに配向されていることにより、z方向の加速度値がy方向(横加速度)の加速度値とベクトル的に加算されるその結果は、ボギー台車の脱線傾向(z方向の成分)に対する尺度、および/または過剰の横揺れのような車両不安定状態(y方向の成分)に対する尺度を形成する。
さらに各車軸22,24には回転数測定のために公知のパルス発生器34が配属されている。このパルス発生器は、有利にはホイールセットベアリングハウジング6,8に配置されるか、または固有のハウジングによりフランジ留めされる。
図1と図2の実施例によれば振動検出器28の検知方向30は一つの平面内で走行方向(x方向)に対して直角であり、縦軸(z方向)および走行方向に対して平行な軸(y方向)を基準にして有利には45°の角度を有する。コンポーネントはこの軸の方向でそれぞれ同じ大きさであるから、有利には同値の信号がボギー台車1の横方向振動および上下方向振動に対して得られる。
択一的に振動検出器28の検知方向30は一つの平面内でボギー台車の車軸22,24に対して直角であり、縦軸(z方向)ならびに走行方向(x方向)を基準にして45°の角度を有する。この場合、同値の信号がボギー台車1の長手方向振動と上下方向振動に対して得られる。
図3と図4の実施例によれば、一つの車軸22,24の2つのホイールセットベアリング16と20、ないし14と18のそれぞれ1つのホイールセットベアリング16、18に振動検出器28′が配置されている。2つの振動検出器28′の検知方向30′が同じに配向されており、一つの平面内でボギー台車1の車軸22,24に対して直角であり、縦軸(z方向)ならびに走行方向に対して平行な軸(x方向)を基準にして有利には45°の角度を有していれば、振動検出器28′の測定信号から脱線傾向と台車の安定性特性について同値の予測を行うことができる。とくに有利には図3に示すように、車軸22,24に配属された2つの振動検出器28′は、台車1の垂直回転軸36に対して対角に配置されているこの実施形態で振動検出器28′は付加的に、車輪速度測定のためのパルス発生器34と統合されており、1つの集積コンビネーションセンサ38を形成している。
図5と図6の実施形態では、ボギー台車1の各ホイールセットベアリング14〜20に1つの振動検出器28″が配属されている。ここで振動検出器28″はそれぞれの車軸24,22のホイールセットベアリング16ないし18に、振動検出器の検知方向30″が走行方向(x方向)に対して平行であるように配置されており、他方の振動検出器28″はそれぞれの車軸22,24の他方のホイールセットベアリング14ないし20に、その検知方向30″が軌道車両の縦軸(z方向)に対して平行であるように配置されている。相応にして、ボギー台車1のそれぞれの車軸22,24に配属された2つの振動検出器28″の検知方向30″はそれぞれ相互に直角であり、走行方向(x方向)と縦軸方向(z方向)を指す。したがって有利には同じ検知方向30″を有する振動検出器28″が、ボギー台車1の回転軸36に対して対角に配置されている。
有利にはこの変形実施例でも少なくとも1つの振動検出器28″がパルス発生器34と組み合わされ、コンビネーションセンサ38を形成する。このことはすでに上に述べた利点をもたらす。付加的に、それぞれのホイールセットベアリング14〜20内の目下のベアリング温度を測定する温度センサ39をコンビネーションセンサ38に組み込むことができる。
すべての実施形態で有利には、1つの検知方向30,30′、30″でだけ作用する同形式の振動検出器28,28′、28″を使用する。
図7は、装置2の評価電子回路32を示す。この装置2は、2つのボギー台車42、44を有する旅客用機関車の車輪と、速度200km/h用のレールとの間で最適のスリップを調整するための滑り防止システムの滑り防止電子回路40に組み込まれている。評価電子回路32はセンサ線路46を介して、ホイールセットベアリングにあるそれぞれのコンビネーションセンサ38と信号伝送するように接続されている。旅客用機関車には有利にはホイールセットベアリングごとに、車輪速度(パルス発生器)、ホイールベアリング温度(温度発生器)、およびそれぞれの検知方向30″での車輪加速度(加速度センサ)を測定するためのコンビネーションセンサ38が設けられている。これらセンサ38の測定信号は、中央評価電子回路32に読み込まれ、そこで評価される。全体としてコンビネーションセンサ38によって以下の監視機能を実現することができる。
・回転監視(回転しない車輪の識別)、
・熱検知および熱軸箱検知(ホイールセットベアリングの温度監視)、
・振動測定によるベアリング損傷識別、
・台車の不安定な動作ないし減衰器の故障の識別、
・脱線検知、
・摩耗箇所および非真円車輪の検知。
さらに故障した構成部材を早期に識別するための付加的診断機能が可能である。線路損傷に関して軌道区間を診断することも考えられる。入出力装置48を介してデータの書き込み、読み出し、または表示を行うことができる。
上記実施形態に記載された加速度センサ28、28′、28″の検知方向30、30′、30″は、軌道車両の縦軸(z方向)に対して平行な少なくとも1つの成分を有する。この縦軸(z方向)には重力加速度gが作用する。これらの加速度センサ28、28′、28″は、重力加速度gに相応する信号成分を含む測定信号、または重力加速度gに相応する信号を表す測定信号を送出するように構成されている。さらに評価電子回路32は加速度センサ28、28′、28″の機能検査のためのルーチンを有する。このルーチンは、それぞれの加速度センサ28、28′、28″から送出される測定信号が重力加速度gに相応する信号成分を含んでいないか、または重力加速度gに相応する信号でない場合にエラー信号を出力する。これに対して、そうでない場合にはエラー信号は抑圧される。
したがって前記の適用例では、測定信号が重力加速度gに相応する信号成分を含むか、または重力加速度gに相応する信号を表す加速度センサが使用される。圧電加速度センサ、圧電抵抗加速度センサ、または容量性加速度センサがこの条件を満たす。これらの加速度センサ28、28′、28″は記述のように、軌道車両の台車に次のように配置される。すなわち加速度センサの検知方向30、30′、30″が、重力加速度gが作用する軌道車両の縦軸(z方向)に対して平行な成分を少なくとも1つ有するように配置される。
最後に、加速度センサ28、28′、28″の機能は次のように検査される。すなわち、それぞれの加速度センサ28、28′、28″から送出された測定信号が重力加速度gに相応する信号成分を含まない場合、または重力加速度gに相応する信号を表さない場合にエラー信号が出力され、そうでない場合にはエラー信号が抑圧されるようにして検査される。この場合、テストルーチンを一度だけ、または時間的間隔をおいて複数回、または恒久的に実行することができる。
検査すべき加速度センサ28、28′、28″は、所定の測定過程の枠内で自分の機能性についての情報を自分で送出する。監視される加速度センサ28、28′、28″に課せられる要求は、この加速度センサに常に作用する静的な重力加速度gを、軌道車両の走行中に含む測定信号を形成するか、または軌道車両が静止している場合には重力加速度gを表す測定信号を形成することと、重力加速度gよりも小さい応答閾値を有することである。
とくに有利には装置2は、加速度センサ28、28′、28″から送出された測定信号から、重力加速度gに相応する信号成分を取り出すフィルタ手段を有する。
1 ボギー台車
2 装置
4 ボギー台車フレーム
6 ホイールセットベアリングハウジング
8 ホイールセットベアリングハウジング
10 ホイールセットベアリングハウジング
12 ホイールセットベアリングハウジング
14 ホイールセットベアリング
16 ホイールセットベアリング
18 ホイールセットベアリング
20 ホイールセットベアリング
22 車軸
24 車軸
26 車輪
28、28′、28″ 振動検出器
30、30′、30″ 検知方向
32 評価電子回路
34 パルス発生器
36 回転軸
38 コンビネーションセンサ
39 温度センサ
40 滑り防止電子回路
42 ボギー台車
44 ボギー台車
46 センサ線路
48 入出力装置

Claims (15)

  1. 軌道車両の台車コンポーネントのエラー監視装置(2)であって、
    評価装置(32)とともに動作する少なくとも1つの加速度センサ(28、28′、28″)を有し、
    前記加速度センサ(28、28′、28″)の少なくとも1つは軌道車両の台車に、加速度センサの検知方向(30、30′、30″)が、軌道車両の縦軸(z方向)に対して平行な成分を少なくとも1つ有するように配置されている形式の装置において、
    前記加速度センサ(28、28′、28″)は、重力加速度(g)に相応する信号成分を含む測定信号、または重力加速度(g)に相応する信号を表す測定信号を送出するように構成されており、
    前記評価装置(32)は前記加速度センサ(28、28′、28″)の機能を検査するルーチンを有し、
    該ルーチンは、加速度センサ(28、28′、28″)から送出された測定信号が重力加速度(g)に相応する信号成分を含まない場合、または重力加速度(g)に相応する信号を表さない場合にエラー信号を出力し、そうでない場合にはエラー信号を抑圧する、ことを特徴とする装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    加速度センサ(28、28′、28″)から送出される測定信号は、軌道車両が静止している場合には重力加速度(g)に相応する信号を表し、軌道車両が走行している場合には、重力加速度に相応する信号成分を含む、ことを特徴とする装置。
  3. 請求項2記載の装置において、
    加速度センサ(28、28′、28″)から送出された測定信号から、重力加速度(g)に相応する信号成分を取り出すフィルタ手段が設けられている、ことを特徴とする装置。
  4. 請求項1から3までのいずれか一項記載の装置において、
    前記評価装置(32)は、検査ルーチンが一度、または時間間隔をおいて複数回、または恒久的に実行されるように構成されている、ことを特徴とする装置。
  5. 請求項1から4までのいずれか一項記載の装置において、
    前記加速度センサ(28、28′、28″)は、圧電加速度センサ、圧電抵抗加速度センサ、または容量性加速度センサである、ことを特徴とする装置。
  6. 請求項1から5までのいずれか一項記載の装置において、
    a)少なくとも1つの加速度センサ(28、28′)は、軌道車両のボギー台車フレーム(4)またはボギー台車(1)の車軸(22,24)のホイールセットベアリング(14〜20)に配置されており、
    前記加速度センサの検知方向(30、30′)は、走行方向(x方向)の成分または走行方向に対して直角の成分(y方向)と、同時に軌道車両の縦軸(z方向)に対して平行な成分を有するか、または
    b)車軸(22,24)のホイールセットベアリング(14〜20)に配属された加速度センサ(30″)が設けられており、
    当該加速度センサの1つ(30″)は、車軸(24,22)の一方のホイールセットベアリング(16ないし18)の1つに、その検知方向(30″)が走行方向(x方向)に対して平行であるように配置されており、
    当該加速度センサの別の1つ(30″)は、車軸(22,24)の他方のホイールセットベアリング(14ないし20)の1つに、その検知方向(30″)が軌道車両の縦軸(z方向)に対して平行であるように配置されている、ことを特徴とする装置。
  7. 請求項6記載の装置において、
    ただ1つの加速度センサ(28)がボギー台車(1)のボギー台車フレーム(4)に配置されている、ことを特徴とする装置。
  8. 請求項7記載の装置において、
    加速度センサ(28)の検知方向(30)は一つの平面内でボギー台車(1)の車軸(22,24)に対して直角であり、縦軸(z方向)ならびに走行方向に対して平行に配置された軸(x方向)を基準にして45°の角度を有する、ことを特徴とする装置。
  9. 請求項7記載の装置において、
    加速度センサ(28)の検知方向(30)は一つの平面内で走行方向(x方向)に対して直角であり、縦軸(z方向)ならびに走行方向に対して直角の軸(y方向)を基準にして45°の角度を有する、ことを特徴とする装置。
  10. 請求項6記載の装置において、
    ボギー台車(1)の一つの車軸(22,24)のホイールセットベアリング(14〜20)のそれぞれ1つ(16,18)にだけ加速度センサ(28′)が配置されている、ことを特徴とする装置。
  11. 請求項10記載の装置において、
    振動検出器(28′)の検知方向(30′)は一つの平面内で車軸(22,24)に対して直角であり、縦軸(z方向)ならびに走行方向に対して平行に配置された軸(x方向)を基準にして45°の角度を有する、ことを特徴とする装置。
  12. 請求項6記載の装置において、
    一つの車軸(22,24)の各ホイールセットベアリング(14〜20)に1つの加速度センサ(30″)が設けられている、ことを特徴とする装置。
  13. 請求項7記載の装置において、
    加速度センサ(30″)はボギー台車(1)の車軸(22,24)のホイールセットベアリング(14〜20)に、走行方向(X方向)で見て振動検出器(30″)の検知方向(30″)が車両の両側で異なるように配置されている、ことを特徴とする装置。
  14. 請求項1から13までのいずれか一項記載の装置において、
    少なくとも1つの加速度センサ(28、28′、28″)は、目下の車輪速度を測定するための少なくとも1つの速度センサ(34)とともに、および/またはホイールセットベアリング(14〜20)の目下の温度を測定するための温度センサ(39)とともに1つのコンビネーションセンサ(38)に集積されている、ことを特徴とする装置。
  15. 軌道車両の台車コンポーネントのエラー監視方法であって、以下のステップを有する:
    ・測定信号が重力加速度に相応する信号成分を含むか、または重力加速度に相応する信号を表す少なくとも1つの加速度センサ(28、28′、28″)を使用するステップ、
    ・前記加速度センサ(28、28′、28″)を軌道車両の台車に、加速度センサの検知方向(30、30′、30″)が、軌道車両の縦軸(z方向)に対して平行な成分を有するように配置するステップ、
    ・加速度センサ(28、28′、28″)の機能を、加速度センサ(28、28′、28″)から送出された測定信号が重力加速度に相応する信号成分を含まない場合、または重力加速度に相応する信号を表さない場合にエラー信号が出力され、そうでない場合にはエラー信号が抑圧されるようにして検査するステップ、
    を有する監視方法。
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