JP2005067276A - 鉄道車両の異常検知装置 - Google Patents

鉄道車両の異常検知装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005067276A
JP2005067276A JP2003296632A JP2003296632A JP2005067276A JP 2005067276 A JP2005067276 A JP 2005067276A JP 2003296632 A JP2003296632 A JP 2003296632A JP 2003296632 A JP2003296632 A JP 2003296632A JP 2005067276 A JP2005067276 A JP 2005067276A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
abnormality
estimation
data
residual signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003296632A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4298433B2 (ja
Inventor
Kenjiro Aida
憲次郎 合田
Takaomi Nishigaito
貴臣 西垣戸
Motosane Hiraishi
元実 平石
Hiroshi Higaki
博 檜垣
Hideo Takai
英夫 高井
Katsuyuki Iwasaki
克行 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2003296632A priority Critical patent/JP4298433B2/ja
Publication of JP2005067276A publication Critical patent/JP2005067276A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4298433B2 publication Critical patent/JP4298433B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Train Traffic Observation, Control, And Security (AREA)

Abstract

【課題】 鉄道車両の走行中、走行状況変化に適応した推定を行い、誤検知が少なく、信頼性の高い異常検知を可能にする
【解決手段】 車両の走行中、車両状態データベース23を参照して、推定係数調整手段22を用いて、走行状況に応じて推定ゲイン及び車両モデルパラメータを調整することにより、推定手段21による推定精度を向上させる。これにより、誤検知を減少させ、異常検知の信頼性を向上できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は鉄道車両の異常を検知する装置に関し、特に鉄道車両の走行中の振動データを検出することにより、鉄道車両の異常検知を行う装置に関する。
従来の鉄道車両の異常検知装置として、ヨーダンパを使用している鉄道車両において、台車の左右方向の振動加速度と振動数、または、ヨー方向の振動加速度と振動数、あるいは左右方向とヨー方向の両方の振動加速度と振動数を測定することにより、高速走行中に生じたヨーダンパの異常(ヨーダンパ・フェール)を自動的に検知し、車両の異常動揺を検知する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
この特許文献1に記載の技術では、台車の左右方向の振動加速度にバンドパスフィルタをかけることによって、ヨーダンパフェールを検知している。つまり、ヨーダンパ正常時とヨーダンパフェール時の台車の左右方向の振動数が大きく異なるため、振動数によるヨーダンパフェールの検知が可能となるのである。バンドパスフィルタを使用するのは、振動加速度または振動数センサからのセンサ信号の異常に関係する周波数成分のみを抽出し検知しやすくするためであり、センサ信号が予め定めた閾値より大きい場合に異常と判定するようにしている。
また、従来の一般的な車両の異常動揺の推定方法として、カルマンフィルタによるモデル規範型推定方法を用いて、検知した情報と予め記録保持している異常状態の情報とを比較し、その差である残差信号が基準値を超えたことを監視することにより、推定対象の異常を検知する方法がある。この方法は航空機の姿勢異常、化学プラントのプロセスの異常検知手法として、広く知られているものである。
特開平6−72327号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、センサ信号の変化自体が小さい場合は、センサによって検知されない場合が多くなり、そのため、誤検知の可能性が高くなってしまう虞がある。すなわち、特許文献1に記載の異常検知方法では、すべてのヨーダンパがフェールして、大きな車両の振動、蛇行動が発生するような大きな台車挙動の変化に対しては対応可能であるが、1本のヨーダンパがフェールして、台車の挙動が少ししか変化しない場合、異常であることを見落とす可能性が高い。
これに対して、モデル規範型推定法を用いた車両の異常を検知するものでは、モデルと実システムの差である残差信号に注目し、モデルと実システムの差の変化を異常として検知するため、センサ信号の変化を拡大する機能を持っている。このため、小さな変化も確実にとらえて検出することができる。しかしながら、従来のモデル規範型推定法では、モデルを記述するモデルパラメータ及び想定される外乱は不変であるものとして一定の推定則で推定するものであった。鉄道車両では、車両の走行中、走行速度、走行位置が変化し、それにともない、車両のモデル及び想定される外乱も変化する。例えば、鉄道車両の車輪とレール間の力を表現するクリープ係数は、走行速度に反比例して変化する。また、走行中の外乱の一つで、レールから車輪を介して入力される軌道不整の大きさも、鉄道車両の走行速度、走行位置により変化する。このため、鉄道車両の車両状態の推定を行うのに、一定の推定則を用いる場合、モデル規範型推定法の推定係数が車両の走行状況に適応していないため、モデル化誤差、推定誤差が増加し、異常検知において、誤検知が増え、異常検知の信頼性が低下するという問題が生じていた。
本発明の目的は、車両の走行状況変化に適応し、高い推定精度で車両状態の推定を行うことにより、誤検知が少なく、信頼性の高い異常検知を可能にする鉄道車両の異常検知装置を提供することである。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の鉄道車両の異常検知装置は、車体もしくは台車もしくは軸箱支持装置に配置され、車両の振動データを検出する振動検出手段と、この振動データをもとに振動データの推定値を算出し、振動データと推定値の差である残差信号を算出する推定手段と、車両の走行速度を検出する速度検出手段と、車両の走行位置を算出する位置検出手段と、時間情報発生手段と、この車両の走行速度もしくは車両の走行位置もしくは時間情報に依存した車両状態データベースと、この車両状態データベースから算出される車両の状態に基づき前記推定手段に供給される推定ゲインを変更する推定係数調整手段と、前記推定手段の出力信号である残差信号から特定周波数帯の信号を抽出する信号抽出手段と、特定周波数帯の信号の所定時間ごとの平均値を算出する平均化処理手段と、この算出された平均値と予め設定された基準値を比較する基準値比較手段と、この基準値比較手段の比較結果をもとに車両もしくは軌道の異常を判定する異常判定手段を備えたことを特徴とする。
特に、本発明における上記の振動データの推定値の算出する方法としては、モデル規範型推定法が用いられ、この典型的な方法としてカルマンフィルタが用いられる。
また、本発明の鉄道車両の異常検知装置の好ましい形態は、異常判定手段で異常が発生したと判定された場合、音声もしくは表示により警報信号を発生する警報発生手段を備えている。
更に、本発明の鉄道車両の異常検知装置の好ましい形態は、異常判定手段で異常が発生したと判定された場合、残差信号もしくは振動データもしくは異常の発生を知らせるデータを記録する記録手段と、記録したデータを伝送するデータ伝送手段と、伝送されたデータを蓄積し、異常状態を分析するデータ分析手段を備えている。
そして、記録手段に予め残差信号もしくは振動データを記録し、データ分析手段により現在の残差信号もしくは振動データと予め記録した残差信号もしくは振動データを比較することにより、車両もしくは軌道の状態変化、経年変化を把握するように構成したことを特徴としている。
また、本発明の鉄道車両の異常検知装置の好ましい形態は、走行速度もしくは走行位置における残差信号の基準値が記録された基準値データベースと、これら走行速度もしくは走行位置に基づき基準値データベースに記録された基準値を変更する基準値調整手段を備えている。
また、本発明の鉄道車両の異常検知装置の好ましい形態は、複数の車両もしくは複数の編成の異常情報を比較する異常比較手段を備えている。
更に、本発明の鉄道車両の異常検知装置の好ましい形態は、走行速度もしくは走行位置もしくは時間情報により、車両モデルパラメータもしくはシステムノイズを変更するように車両状態データベースを構成している。
本発明の車両異常検知装置によれば、車両の走行中、車両状態データベースを用いて、パラメータ(車両モデルパラメータと推定ゲイン)を調整するようにしたので、走行状況に適応した異常検知が可能である。これにより、誤検知を低減させ、異常検知の信頼性を著しく向上させることができる。
また、本発明の鉄道車両の異常検知装置によれば、残差信号と振動データを両方併用することにより、より確実な異常検知ができるとともに、定量的な異常データの採取、評価が可能になる。
この結果、軌道、車両のメンテナンスのための保全情報を取得し、状態変化、経年変化を把握し、効率的なメンテナンスの策定が可能となる。これにより、メンテナンスコストを大幅に減らし、更に初期異常発生を検知し予防保全することができ、その結果、重大事故発生を事前に防止することができる。
以下、本発明の第1の実施の形態の例を図1に基づいて説明する。図1は本実施の第1の実施の形態による鉄道車両の異常検知装置のブロック構成図である。
図1に示されるように、本発明の鉄道車両の異常検知装置においては、鉄道車両1に配置され、鉄道車両の振動データを測定する振動検出手段11と、振動検出手段11で検知された振動データをもとに振動データの推定値を算出し、振動データと振動データの推定値の差である残差信号を算出する推定装置20と、推定装置20で算出された残差信号の後処理を行う後処理部30と、後処理された信号に基づいて異常発生を判定する異常判定装置40と、異常判定装置40からの信号を受けて警報信号を発生する警報発生手段50とから主に構成される。
図1からわかるように、鉄道車両1は、車体2、台車枠3、輪軸4により構成されている。輪軸4は軸箱支持装置5に回転可能な状態で支持されている。車体2と台車枠3の間は空気ばね6が設けられており、この空気ばね6により、車体2が台車枠3に弾性的に支持されている。車体2と台車枠3の間は、蛇行動を防止するヨーダンパ7、左右動揺を低減する左右動ダンパ8が接続されている。
振動検出手段11は、具体的には、車体2、台車枠3及び軸箱支持装置5のそれぞれに取り付けられている加速度センサ11a、11b、11cにより構成され、この加速度センサ11a、11b、11cにより車両に加えられる加速度が測定される。これらの加速度センサ11a、11b、11cは、車体2の前方方向に取り付けられているが、後方にも同様の加速度センサ11d、11e、11fが取り付けられている。
また、振動検出手段11としてジャイロセンサを用いて、取り付けた対象の角速度を測定するようにしてもよい。また、振動検出手段11として、加速度センサ11a〜11c、11d〜11fを用いる代わりに、速度センサまたは変位センサを用いて速度または変移を測定することもできる。なお、振動検出手段11は、異常の検知対象によっては、車体2、台車枠3、軸箱支持装置5のすべてに取り付ける必要はなく、車体2、台車枠3、軸箱支持装置5のいずれか一つ、もしくは二つを組み合わせて構成することも可能である。
また、図1では、振動検出手段11を1つの車両1の前後2箇所に配置することにより、測定した並進方向の振動データを並進方向と回転方向の振動データに換算するように構成しているが、各車両1の1箇所に、並進方向と回転方向が測定可能な振動検出手段11を配置して、車両1の並進方向と回転方向の振動データを直接測定するように構成してもよい。
推定装置20は、推定手段21、推定係数調整手段22、車両状態データベース23から構成されており、車両状態データベース23は、速度検出手段24と、位置検出手段25、時間情報発生手段26に接続されている。
速度検出手段24は、車軸に取り付けられ、走行速度に応じて周波数等が変化する速度発電機で構成されており、車両走行中の走行速度を検出する。
位置検出手段25は、例えばATC(Automatic Train Control)信号を用いて、現在車両の走行位置を算出するものである。また、速度検出手段24からの走行速度を積算して、現在の走行位置を算出し、予め蓄積されている軌道情報データを参照することにより、現在の走行区間を算出するように位置検出手段25を構成することもできる。更に、軌道から発せられるトランスポンダアンテナを用いて、走行位置を算出するように構成してもよい。
推定装置20は、後処理部30と接続され、後処理部30は、異常判定装置40に接続される。後処理部30は、推定装置20の推定手段21から供給される残差信号より特定周波数の信号のみを取り出す信号抽出手段31と、取り出した特定周波数の信号を平均化する平均化処理手段32から構成されている。
そして、後処理部30からの平均化処理された信号を受ける異常判定装置40は、不図示の基準値データベースに記録されている基準値と平均化処理手段32において平均化処理された残差信号を比較する基準値比較手段41と、基準値比較手段41の出力結果に基づいて異常か否かを判定する異常判定手段42から構成される。
異常判定装置40は、警報発生手段50に接続されると共に、記録手段51に接続されている。そして、警報発生手段50は記録手段51に接続され、記録手段51はデータ伝送装置52に接続され、データ伝送装置52はデータ分析装置53に接続されている。
次に、図1に示す本発明の第1の実施の形態の例の動作を説明する。
まず、車体2、台車枠3、軸箱取付装置5に取り付けられている振動検出手段11(すなわち、加速度センサ11a〜11f)からのセンサ信号が推定装置20の推定手段21に供給される。
また、推定装置20の車両状態データベース23には、速度検出手段24で検出される走行速度、位置検出手段25で検出される走行区間または走行位置情報、時間情報発生手段26からの部品時間情報が供給されている。ここで、時間情報とは現在の時刻の情報だけでなく、軌道を敷設してから何年経過しているか、車両・部品を製造してから何年経過しているかといった時間経過情報を含むものである。そして、車両状態データベース23は、これらの速度情報、位置情報、時間情報に基づいて、図2に後述するように当該車両の現在の車両モデルパラメータA及びCとシステムノイズパラメータvを算出し、データベースとして蓄積保存する。
車両状態データベース23からの上記各パラメータ(車両モデルパラメータA及びCとシステムノイズパラメータv)は推定係数調整手段22に供給され、ここで、推定手段21に供給される推定ゲインKが決定される。
推定装置20の推定手段21には、上述した振動検出手段11からのセンサ信号と、推定係数調整手段22からの推定ゲインKと、車両状態データベース23よりの車両モデルパラメータA及び車両モデルパラメータCが供給されており、これらの情報からセンサ信号の推定値が算出され、更にセンサ信号と推定値との差である残差信号が算出され後処理部30に出力される。
この推定装置20の推定手段21における推定方法としては、例えばモデル規範推定法が用いられる。この方法によれば、推定手段21の内部に推定対象(状態量)の内部モデルを持ち、入力されたセンサ信号とこの内部モデルを用いて、推定値を算出する。この算出に際しては、算出した推定値とセンサ信号の差が小さくなるように推定値の算出がなされる。
モデル規範型推定法の代表的な方法の1つにカルマンフィルタを用いる方法がある。
カルマンフィルタでは、数1に示す状態方程式で、推定対象のモデルを記述する。数1において、xは状態量であり、(dx/dt)は状態量xの1次微分値である。例えば、状態量xの成分の一部が変位である場合、(dx/dt)ではその部分は速度になる。数1において、uは入力値であり、Bは入力値を状態量xの次元に変換する行列である。例えばアクチュエータを備える車両では、アクチュエータ力が入力値uとなる。数1において、vはシステムノイズであり、例えばレールから車輪を介して入力される軌道不整、車両の走行中に車両に入力される空気力に加振等が、vとして考えられる。
カルマンフィルタでは、数2に示す出力方程式で、状態量xと観測値yの関係を記述している。数2において、yは観測値であり、観測値はセンサ等により検出される信号の値である。数2において、行列Cは、状態量xを観測値yに変換する行列である。行列Cはセンサ信号である観測値yと、システムの状態を記述する状態量xの間の関係を記述するものである。数2において、wは観測ノイズであり、この観測ノイズwとしては、例えばセンサ信号に付加されるセンサノイズがある。
また、カルマンフィルタでは、数3に示す式をもとに状態量xの推定値であるx及び観測値yの推定値であるyを推定する。数3は、状態量の推定値x及び観測値yの推定値yを含んだモデルを示す式である。この式において、状態量xと状態量xの推定値x差が最小になるように、観測値yと観測値yの推定値yの差に推定ゲインKをフィードバックするように構成している。これにより、精度の高い推定を行うことができる。ここで、推定ゲインKは、推定係数調整手段22において、リッカチ方程式と呼ばれる方程式を解いて得られる係数を用いて決定される。上述のように推定ゲインKの決定にあたり、車両状態データベース23に蓄積されている車両モデルパラメータA、C、及びシステムノイズvが必要とされる。
以上説明したように、推定装置20の推定手段21は、振動検出手段11から供給されるセンサ信号と、推定係数調整手段22からの推定ゲインKと、車両状態データベースから供給される車両モデルパラメータA、Cを用いて、センサ信号の推定値、すなわち観測値yの推定値yを算出し、センサ信号yと推定値yの差である残差信号を後処理部30の信号抽出手段31に出力する。
[数1]
(dx/dt)=A・x+B・u+v
[数2]
y=C・x+w
[数3]
(dx/dt)=A・x+K・(y−y)+B・u
ここで、車両状態データベース23について図2を用いて詳細に説明する。図2に示されるように車両状態データベース23は、車両データベース61とシステムノイズデータベース62から構成される。
車両データベース61には、予め定められた車両モデルパラメータが記録された車両基準データがある。この車両モデルパラメータとしては、サスペンション諸元、車輪−レール間のインターフェイスとして踏面勾配等がある。
また、車両データベース61には、メンテナンス情報、時間依存(経年変化)情報、速度依存情報が記録されている。メンテナンス情報として、車輪踏面の削正周期・記録、車輪のアンバランス調整記録、ダンパ等のサスペンションの検査、交換記録などが記録されている。時間依存(経年変化)情報として、過去の車輪の摩耗データあるいは摩耗予測データ、サスペンションゴム等の経年変化データなどが記録されている。速度依存情報として、たとえば車輪−レール間の力の特性を表現するクリープ係数と速度の関係などが記録されている。
そして、車両データベース61は、速度検出手段24からの走行速度情報、位置検出手段25からの位置情報、時間情報発生手段26から時間情報、すなわち、メンテナンス情報、時間依存(経年変化)情報、速度依存情報を参照して、車両基準データをもとに現在の車両モデルパラメータA及びCを決定する。例えば、車両データベース61は、走行速度情報をもとに、速度とクリープ係数関係を参照し、現在のクリープ係数を車両モデルパラメータA及びCとして出力する。
また、システムノイズデータベース62には、予め測定もしくはシミュレーション等により算出されたシステムノイズが記録されたシステムノイズ基準データがある。システムノイズとしては、例えば、検測車により、予め測定したある区間における軌道不整をPSD形式の情報として記録したものがある。また、システムノイズとして、予め走行試験により測定した空力加振力によるものもある。
このシステムノイズデータベース62に記録されているシステムノイズ基準データは、これらのシステムノイズを速度検出手段24からの走行速度情報、位置検出手段25からの位置情報、時間情報発生手段26からの時間情報に依存したデータとしてデータベース化したものである。このため、システムノイズデータベース62に記憶されている速度検出手段24からの走行速度情報、位置検出手段25からの位置情報から、現在の走行状況を把握することができる。現在の走行状況として、曲線、カント、トンネル区間、明かり区間、軌道区間、橋などの情報がある。
鉄道車両では、これらの走行状況が異なると、車両に加わる外力、外乱となるシステムノイズが異なってくる。例えば、曲線を走行中は、曲線の局率の効果、カントによる傾きの効果により、車両に作用する遠心力が、直線走行状態と異なる。また、例えば、トンネル区間を走行している状態では、トンネル壁面と車両間の圧力変動に起因する空力加振力が車両に加わるため、トンネル区間における車両に対する外乱力が、トンネルでない区間、すなわち明かり区間を走行中の状態と異なるようになる。また、長い路線では、走行する軌道区間により、軌道の整備状況、軌道の地盤の状態が異なるため、その結果、レールから車輪を介して入力される軌道の凸凹、すなわち軌道不整量が、走行する軌道区間により異なることになる。
システムノイズデータベース62は、現在の走行状況より、システムノイズ基準データを参照し、現在のシステムノイズvを決定する。例えば、走行位置情報より、現在走行中の区間を判定し、システムノイズ基準データに記述されたその区間における軌道PSDデータを、システムノイズvとして出力する。
車両状態データベース23からの現在の車両モデルパラメータA、車両モデルパラメータC及びシステムノイズvは、推定係数調整手段22に供給される。推定係数調整手段22は、供給された現在の車両モデルパラメータA、C及びシステムノイズvを用いて、リッカチ方程式と呼ばれる方程式を解いて得られる係数を用いて、数3における推定ゲインKを決定し、これを推定手段21に出力する。また、車両状態データベース23からは車両モデルパラメータA及びCが直接推定手段21に供給されている。ここで、推定ゲインKは、車両状態データベース23からの情報をもとに車両の走行中オンラインで算出するように構成してもよい。また、推定ゲインKに関しては、推定係数調整手段22内に、予め車両モデルパラメータA、車両モデルパラメータC及びシステムノイズvと推定ゲインKの関係を計算し、マップデータとして記録しておき、走行中、マップデータを参照して、推定ゲインKを算出するように構成することも可能である。
推定手段21は、推定係数調整手段22及び車両状態データベースから受け取った推定係数(推定ゲインKと車両モデルパラメータA及びC)を用いて、行列演算することにより状態量を推定し、センサ信号の推定値を算出するとともに、このセンサ信号とセンサ信号の推定値の差である残差信号を算出して後処理部30に出力する。
ここで、推定装置20を以上のように構成したので、推定装置20の出力信号である残差信号は走行状況に応じて変化する。例えば、推定装置20へ同じセンサ信号が入力された場合でも、推定装置20への他の入力である速度検出手段24からの走行速度、位置検出手段25からの走行位置、あるいは、時間情報発生手段26からの時間情報が走行状況により変化すれば、推定装置20の出力信号である残差信号は変化することになる。
推定装置20の推定手段21で算出された残差信号は後処理部30の信号抽出手段31に供給される。信号抽出手段31は、フィルタを用いて、入力された残差信号の特定の周波数のみを抽出した信号に変換するものであり、ここで用いられるフィルタとしては、例えば、バンドパスフィルタ、ローパスフィルター、ハイパスフィルタなどである。
この信号抽出手段31において、予め異常がない場合の残差信号と異常がある場合の残差信号の周波数分析をして、異常により残差信号が変化する周波数を把握するようにする。そして、信号抽出手段31を、その異常により残差信号が変化する周波数のみを抽出するように構成することにより、より確実に異常の検知をすることができる。
次に、信号抽出手段31で抽出された異常により残差信号が変化した周波数の信号は、平均化処理手段32に供給され、平均化処理手段32において、ある特定の時間の間の振動的なデータを絶対値化し、平均化処理が為される。平均化処理手段32は、例えば、RMSウィンドウを用いて、ある時間のRMS値を算出するように構成することで実現できる。
上述のように、後処理部30で処理された信号は、異常判定装置40の基準値比較手段41に入力される。基準値比較手段41は、異常判定の閾値を示す基準値が記録された基準値データベースを具備しており、基準値比較手段41において、この基準値データベースに記録されている基準値と残差信号の比較が行われる。
以下、基準値データベースの基準値を決定する方法について説明する。まず、予め試験走行により基準となる正常な状態での残差データを採取する。次に、異常が発生した状態での走行を行い、異常な状態での残差データを採取する。正常な状態・異常状態での残差データを比較し、正常・異常状態の違いを区別できる残差信号のレベルを基準値(閾値)として決定し、これをデータベース化して基準値データベースとする。
基準値比較手段41は、基準値データベースに記録されている上記基準値と入力された残差信号を比較し、残差信号が基準値を超えた場合は、なんらかの異常が発生したものとして、基準値を超えた残差信号のセンサの組み合わせを、異常判定手段42に送る。
異常判定手段42には、図3に示すような、想定した異常パターンと異常に対する残差信号が変化するセンサの組み合わせの関係が記述されたロジック表が記録されている。このロジック表は予め走行試験あるいはシミュレーション等を行うことにより作成されるものである。
図3に示すロジック表は、異常パターンの一例として、前台車と後台車のヨーダンパのフェール、及び前台車と後台車の左右動ダンパのフェールを記載している。ヨーダンパの油漏れ等により、ヨーダンパの減衰力が低下すると、臨界速度が低下して、蛇行動が発生する可能性が高くなる。
また、左右動ダンパのフェールにより、減衰力が低下すると、車両の左右振動が大きくなり、乗り心地が悪化する。図3のロジック表では、例えば、前台車のヨーダンパがフェールすると、前台車に設けられたセンサbの残差信号が変化することを示している(1)。一方、前台車の左右動ダンパがフェールすると、前台車に設けられたセンサaの残差信号及びセンサbの残差信号が変化することを示している(3)。また、後台車のヨーダンパがフェールすると、後台車に設けられたセンサeの残差信号が変化することを示すとともに(2)、後台車の左右動ダンパがフェールすると、後台車に設けられたセンサdの残差信号及びセンサeの残差信号が変化することを示している(4)。
そして、異常判定手段42は、実際に残差信号が変化したセンサの組み合わせとロジック表を比較し、センサの組み合わせが、異常パターンに一致するかどうかを確かめ、異常発生の判定を行う。すなわち、センサの組み合わせが、ロジック表に記載されている異常パターンに一致する場合は、その異常が発生したと判定し、警報発生手段50に異常発生情報を送る。
また、センサの組み合わせが、ロジック表に記載されている異常パターンに一致しない場合は、異常が発生していないと判定する。ここではロジック表には記載していないが、例えば、空気ばねパンク、軸ばねの異常、軸ダンパの異常、踏面勾配変化等の異常も考えられる。これらの異常時の残差信号が変化するセンサのパターンをロジック表に記載することにより、ヨーダンパフェール、左右動ダンパフェール同様に異常を検知することができる。
異常判定手段42からの異常発生信号を受けた警報発生手段50は、その異常発生情報に基づき、警報信号を発生させ、乗務員に異常が発生したことを知らせる。ここで、警報信号としては、警報音によるもの、あるいは、表示によるものが考えられるが、それ以外にもデータとして異常発生を記録するなど、乗務員に異常を報知する種々の手段を使用することが可能である。乗務員はこの警報信号に基づき、異常に対して的確な処理を行い、安全走行を保つことができる。また、警報信号に従い、自動的に駆動装置あるいはブレーキ装置に減速指令を出すように構成してもよい。
警報発生手段50から発生される警報信号は、適宜記録手段51に送られ、記録手段51は、この警報発生手段からの指令を受けて、必要に応じて、異常判定手段42からの異常発生を知らせる情報、基準値比較手段41からの残差信号、速度検出手段24からの走行速度、位置検出手段25からの走行位置情報及び時間情報発生手段26からの時間情報を記録する。
そして、この記録された各種データがデータ伝送手段52により、地上のデータ管理所が保有するデータ分析手段53に供給される。
このデータ伝送手段52からの伝送方法としては、車両の走行中、データを無線により伝送してもよいし、駅もしくは車庫に停車中、無線あるいは有線で記録したデータをデータ管理所に伝送してもよい。また、記録したデータを、テープ、ディスク等の記録媒体を用いて、地上のデータ管理所に郵送または自ら持ち込むことによりデータを伝送するようにしてもよい。
データ伝送手段52から異常データを受信したデータ分析手段53は、伝送された異常データを蓄積し、異常の要因、原因の分析を行う。また、データ分析手段53は、伝送された異常データと予め記録されたデータを比較することにより、軌道及び車両パラメータの経年変化を分析する。例えば、軌道の状態変化に関係する残差信号の変化を記録し、予め測定した残差信号と比較することにより、軌道狂いの成長・悪化等の軌道状態の経年変化を検知することができる。また、サスペンションの特性値、例えばダンパの減衰力を変化させる残差信号を記録し、予め測定した残差信号と比較することにより、ダンパ等のサスペンションの経年変化を評価することができる。また、人間が感じる車両の加速度、すなわち、乗り心地に関係する残差信号の変化を記録し、予め測定した残差信号と比較することにより、乗心地の悪化、経年変化を監視することができる。
次に、本発明の鉄道車両の異常検知装置の動作、処理の流れを図4のフロー図を用いて説明する。
まず、振動検出手段11において、車体2、台車枠3、軸箱支持装置5の振動データを測定し、センサ信号を出力する(ステップS1)。
また、速度検出手段24からの走行速度データ、位置検出手段25からの位置情報、時間情報発生手段26からの時間情報が、車両状態データベース23に供給され、ここで車両モデルパラメータA及び車両モデルパラメータC及びシステムノイズvが算出される(ステップS2)。
次に、推定係数調整手段22において、ステップS2で算出した車両モデルパラメータA及び車両モデルパラメータC及びシステムノイズvより推定ゲインKが算出され(ステップS3)、ここで算出された推定ゲインKと車両状態パラメータA及びCとが推定係数として推定手段21に供給される。
次に、ステップS1で得られたセンサ信号、ステップS2で得られた車両モデルパラメータA及びCと、ステップS3で得られる推定ゲインKのそれぞれが推定手段21に供給され、推定手段21は、このセンサ信号と、車両モデルパラメータA、C及び推定ゲインKを用いて、例えばカルマンフィルタによる推定を行い、推定値を算出する(ステップS4)。そして、更に算出した推定値に基づいて、推定値とセンサ信号の差である残差信号を算出する(ステップS5)。
続いて、信号抽出手段31において、バンドパスフィルタ等のフィルタを用いて、入力された残差信号の中から特定の周波数のみを抽出した信号を出力し(ステップS6)、平均化処理手段32に供給する。
そして、平均化処理手段32において、フィルタリングされた残差信号の平均化、絶対値化処理が行われ(ステップS7)、続いて、基準値比較手段41において、処理された残差信号と基準値とが比較され、残差信号が基準値を超過したか否かが判断される(ステップS8)。
ここで、残差信号と基準値との比較の例を図5と図6に示すグラフに基づいて説明する。図5は、推定係数調整手段22を用いないで推定した残差信号の時刻歴波形であり、図6は、本発明の推定係数調整手段22を用いて推定した残差信号の時刻歴波形である。図5及び図6の上のグラフは推定ゲインKと車両モデルパラメータA及び車両モデルパラメータCが走行状態にあっている状態Aにおける時刻歴波形、下のグラフは推定ゲインKと車両モデルパラメータA及び車両モデルパラメータCが走行状態にあっていない状態Bにおける時刻歴波形を示しており、それぞれのグラフにおいて、時間t1において異常が発生し、残差信号が変化していることを示している。
図5に示す推定係数調整手段22を用いない場合、状態Aでは推定手段21の推定係数が走行状況にあっているため推定精度が高く、正常時及び異常時の残差信号は安定している。このため、正常または異常を判定する基準値を設定することが可能である。一方、状態Bでは、推定係数が走行状況に適応していないため推定精度が悪く、また残差信号も振動的になるため、基準値を設定することが難しい状態となる。仮に、ここで、基準値を定めたとしても、残差信号の状態が安定しないため、誤検知の可能性が大きくなる。
一方、図6に示すように、推定係数調整手段22を用いる場合では、状態A、状態Bともに推定精度は高く、残差信号は安定しているため、基準値を定めることが容易となる。したがって、正常または異常を高い信頼性で検知可能となる。すなわち、上のグラフの状態Aと下のグラフの状態Bともに、この時刻歴波形において、基準値を超えた場合、異常が発生したと判定することができる。
基準値比較手段41は、残差信号が図6に示す基準値(図の点線)以下であれば、正常であると判断し(ステップS9)、残差信号が図6の基準値を超えた場合は、なんらかの異常が発生したと判定し、基準値を超えた残差信号のセンサの組み合わせを異常判定手段42に送る(ステップS10)。そして、異常判定手段42において、図3に示すロジック表を参照して、基準値を超えた残差信号のセンサの組み合わせと異常パターンが一致するかどうかを判定する(ステップS11)。
この判断ステップS11において、異常パターンに一致しないと判断された場合は、想定した異常は発生しておらず、正常であると判定される(ステップS12)。また、残差信号のセンサの組み合わせが図3に示すロジック表の異常パターンに一致した場合は、その異常パターンに相当する異常が発生したと判定され、警報発生手段50に異常発生情報が送られる(ステップS13)。例えば、図3のロジック表において、測定された残差信号変化のセンサの組み合わせが、センサbの場合は、前台車のヨーダンパに異常が発生したと判定される。また、測定された残差信号変化のセンサの組み合わせが、センサaとセンサbの場合は、前台車の左右動ダンパに異常が発生したと判定される。
以上説明した本発明の第1の実施の形態による鉄道車両の異常検知装置では、車両の走行中、車両状態データベースを用いて、推定係数(車両モデルパラメータもしくは推定ゲインからなるパラメータ)を調整するため、走行状況にあわせた異常検知が可能である。このため、誤検知を減少させ、異常検知の信頼性を向上させることができる。例えば、軌道不整は違う走行区間を走行している場合でも、車体状態データベース23を参照にして、システムノイズの一つである軌道不整の大きさを変化させ、推定係数を調整するため、軌道不整の異なる区間でも、同様の精度で推定でき、異常を確実に検知できる。また、例えば、振動特性が大幅に変わるトンネル内でも、位置情報により車両がトンネルに入ったことを検知し、システムノイズの大きさを調整することにより、トンネル走行に適応した推定が可能となり、明かり区間と同様の精度で推定、異常判定が可能となる。車輪と軌道間の力を記述するクリープ係数を走行速度に応じて、変化させるため、走行速度が変化しても、精度の高い推定を維持することができる。
更に、本発明の第1の実施の形態の例では、センサ信号でなく、残差信号を用いて異常を検知するため、センサ信号の小さい変化も検知可能である。そのため、例えば、ヨーダンパが1本フェールして、車両の状態が少ししか変わらない状況でもでも確実に検知することが可能となる。また、本例においては、図3に示すように、検知したい複数の異常パターンをロジック表に記述することにより、一つセンサシステムで多種の異常パターンを同時に検出可能となる。
なお、本発明の第1の実施形態の例では、基準値比較手段41の基準値は予め走行試験結果等をもとに決定された基準値データベースを参照して決定されるものとし、走行状況には依存しないものとした。
図7に、本発明の第2の実施の形態の例のブロック構成図を示す。上述のように図1のブロック構成図では、基準値データベースは基準値比較手段41に含まれるものとして取り扱ったが、図7の例では、予め計測もしくはシミュレーション等により算出した走行速度、走行位置に依存した基準値データが記録された基準値データベース82を備えている。そして、この基準値データベース82からの基準値と、速度検出手段24からの走行速度情報、及び位置検出手段25からの走行位置情報を基準値調整手段81に供給し、基準値調整手段81において、車両の走行中に、車両の走行位置と走行速度、基準値データベース82を参照して、走行状況に応じながら基準値を調整するようにする。
これにより、残差信号と基準値との比較動作をより正確に行うことが可能となり、より確実にセンサ信号の異常を検知することができる。
なお、本発明の第1及び第2の実施の形態の例では、振動検出手段11を配線でつなぎ、信号データを推定装置20に伝送するように構成しているが、振動検出手段11として、振動により発電し、電源を不要とすることもできる。また、無線により振動データを推定装置20に送信するような無線機能を持ち、電源レスなセンサチップを用いるようにしてもよい。これにより、振動検出手段11の電源、配線を省略することが可能となるとともに、振動検出手段11の配置の自由度を増大させることが可能となる。
次に、本発明の第3の実施形態の例を図8に示すシステム構成図に基づいて説明する。図8において、鉄道車両の異常検知装置90は図1に示される異常検知装置が編成中の各車両に搭載されている。この第3の実施形態においては、各異常検知装置90と異常比較手段92を伝送路91で接続し、各異常検知装置90からの異常情報を異常比較手段92に伝送するように構成している。これにより、車両の走行中、各異常検知装置90からの異常情報を比較することにより、編成のどの車両で異常が発生したかをより確実に判定し、信頼性を向上することができる。ここで、各車両の残差信号等の平均値をとり、これを基準値として、各車両の残差信号等の基準値からのずれの大きさを評価することにより、定量的に編成中の車両差による異常の差を評価することができる。また、伝送路91のかわりに、異常情報を無線によって送信するように構成してもよい。これにより、車両間の配線を省略することができる。
なお、図8に示す本発明の第3の実施形態の例では、編成に1つの異常比較手段92を備え、編成中の車両間の異常を比較するように構成したが、更に上位概念として、各編成間の異常を比較することにより、どの編成で異常が発生したかを判定するように構成することもできる。具体的には、図1のデータ分析手段53を用いて、各編成の記録手段51により記録された異常に関する情報を各編成間で比較することに、編成間の異常の比較が可能となる。この場合、複数の編成の特定の編成のみで異常が発生している場合は、その編成でなんらかの異常が発生したと判定する。一方、全編成で、ある異常が同じように発生した場合、軌道等の外部環境による異常が発生したものと判定できる。
次に、本発明の第4の実施形態を図9に示すシステム構成図に基づいて説明する。図9において、図1または図7に示す第1及び第2の実施形態と同一の機能を有する構成部分は同一符号を付している。図9に示す本発明の第4の実施形態と、図1に示す本発明の第1の実施形態との異なる点は、記録手段151が、警報発生手段50の情報を受けて、振動検出手段11からのセンサ信号を記録する点である。記録されたセンサ信号は他の記録データと同様にデータ伝送手段152に送られ、更に地上のデータ管理所に伝送される。そして、伝送されたデータは、データ分析手段153により分析される。
図9に示す本発明の第4の実施形態では、振動検出手段11からのセンサ信号も記録し、分析することにより、車両もしくは軌道の状態を定量的に評価することができる。このように、残差信号とセンサ信号を併用することにより、より確実な異常検知及び定量的な異常データの採取、評価が可能となる。例えば、予め記録されたある区間の軌道状態変化に関係するセンサ信号値と、現在記録された軌道状態変化に関係するセンサ信号を比較することにより、軌道狂いの成長、軌道状態の悪化を定量的に分析することが可能となる。この場合、車両状態データベースの軌道に関する情報は、時間に依存しないようにする必要がある。また、軌道を評価するために、本発明の鉄道車両の異常検知装置を編成中のすべての車両に搭載する必要はなく、1両のみに搭載するだけでよい。
また、本発明の第4の実施形態の例では、サスペンションの特性値、例えば、ダンパの減衰力を変化させるセンサ信号を記録し、予め測定したセンサ信号と比較することにより、ダンパ等のサスペンションの経年変化を評価することができる。この場合、車両状態データベースのサスペンションに関する情報は、時間に依存しないようにする必要がある。このように、サスペンションの特性を変化させるセンサ信号を監視する構成とすることにより、車両の走行中の在姿検査が可能となる。これにより、従来実施されているサスペンションを取り外し、ダンパテスタなどの専用機器による検査を少なくすることができ、メンテナンスの工数及び車両のメンテナンスコストを低減することが可能となる。
また、本発明の各実施形態の例では、人間が感じる車両の加速度、すなわち、乗り心地に関係する残差信号変化を捉え、残差信号変化が閾値より大きい場合に、加速度の変化をセンサ信号として記録し、予め測定したセンサ信号と比較することにより、乗り心地の悪化を確実に監視し、この情報を車両メンテナンスのためのデータとすることができる。
この場合、まず、乗り心地に関係する残差信号変化を捉えるため、通常見逃しやすいわずかな車両の状態変化による、わずかな乗り心地の変化を確実に捉えることができる。
更に、残差信号変化があった場合に、加速度のセンサ信号データとして記録するため、乗り心地の定量評価が可能となる。以上のように、乗り心地に関する状態監視をすることにより、そのときの車両の状態に合わせたメンテナンスを行うことができる。
以上説明したように、本発明の各実施形態では、軌道、車両のメンテナンスのための保全情報を取得し、状態変化、経年変化を把握することにより、効率的なメンテ策定が可能となる。その結果、メンテコストを大幅に減らし、更に初期異常発生を検知し、予防保全することにより、重大事故発生を事前に防止することができる。
本発明の第1の実施の形態の例を示す鉄道車両の異常検知装置のシステム構成図である。 本発明の実施の形態に用いられる車両状態データベースの詳細図である。 本発明の異常状態のセンサの組み合わせを示すロジック表である。 本発明の第1の実施形態の動作、信号処理の流れを示すフロー図である。 本発明の推定係数調整手段を用いない場合の残差信号の時刻歴波形である。 本発明の推定係数調整手段を用いる場合の残差信号の時刻歴波形である。 本発明の第2の実施の形態の例を示す鉄道車両の異常検知装置のシステム構成図である。 本発明の第3の実施の形態の例を示す鉄道車両の異常検知装置のシステム構成図である。 本発明の第4の実施の形態の例を示す鉄道車両の異常検知装置のシステム構成図である。
符号の説明
1…鉄道車両、2…車体、3…台車枠、4…輪軸、5…軸箱支持装置、6…空気ばね、7…ヨーダンパ、8…左右動ダンパ、11…振動検出手段、20…推定装置、21…推定手段、22…推定係数調整手段、23…車両状態データベース、24…速度検出手段、25…位置検出手段、26…時間情報発生手段、30…後処理部、31…信号抽出手段、32…平均化処理手段、40…異常判定装置、41…基準値比較手段、42…異常判定手段、50…警報発生手段、51、151…記録手段、52、152…データ伝送手段、53、153…データ分析手段、61…車両データベース、62…システムノイズデータベース、81…基準値調整手段、82…基準値データベース、90…異常検知装置、91…伝送路、92…異常比較手段

Claims (9)

  1. 車体もしくは台車もしくは軸箱支持装置に配置され、車両の振動データを検出する振動検出手段と、
    前記振動データをもとに、振動データの推定値を算出し、前記振動データと前記推定値の差である残差信号を算出する推定手段と、
    車両の走行速度を検出する速度検出手段と、
    車両の走行位置を算出する位置検出手段と、
    時間情報発生手段と、
    前記車両の走行速度もしくは前記車両の走行位置もしくは前記時間情報に依存した車両状態データベースと、
    前記車両状態データベースから算出される前記車両の状態に基づき前記推定手段の推定係数を変更する推定係数調整手段と、
    前記推定手段の出力信号である残差信号から特定周波数帯の信号を抽出する信号抽出手段と、
    前記特定周波数帯の信号の所定時間ごとの平均値を算出する平均化処理手段と、
    前記平均値と予め設定された基準値を比較する基準値比較手段と、
    前記基準値比較手段の比較結果をもとに車両もしくは軌道の異常を判定する異常判定手段を
    備えたことを特徴とする鉄道車両の異常検知装置。
  2. 請求項1に記載の鉄道車両の異常検知装置において、
    前記異常判定手段で異常が発生したと判定された場合、音声もしくは表示からなる警報信号を発生する警報発生手段を
    備えたことを特徴とする鉄道車両の異常検知装置。
  3. 請求項1または2に記載の鉄道車両の異常検知装置において、
    前記異常判定手段で異常が発生したと判定された場合、前記残差信号もしくは前記振動データもしくは異常の発生を知らせるデータを記録する記録手段と、
    前記記録したデータを伝送するデータ伝送手段と、
    前記伝送されたデータを蓄積し、異常状態を分析するデータ分析手段を
    備えたことを特徴とする鉄道車両の異常検知装置。
  4. 請求項3に記載の鉄道車両の異常検知装置において、
    予め残差信号もしくは振動データを記録し、前記データ分析手段により現在の残差信号もしくは振動データと前記予め記録した残差信号もしくは振動データを比較することにより、車両もしくは軌道の状態変化、経年変化を把握するように構成したことを特徴とする鉄道車両の異常検知装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の鉄道車両の異常検知装置において、
    前記走行速度もしくは前記走行位置における前記残差信号の基準値が記録された基準値データベースと、前記走行速度もしくは前記走行位置に基づき前記基準値を変更する基準値調整手段を
    備えたことを特徴とする鉄道車両の異常検知装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の鉄道車両の異常検知装置において、複数の車両もしくは複数の編成の異常情報を比較する異常比較手段を
    備えたことを特徴とする鉄道車両の異常検知装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の鉄道車両の異常検知装置において、
    モデル規範型推定法を用いて、前記振動データの推定値を算出するように前記推定手段を構成した特徴とする鉄道車両の異常検知装置。
  8. 請求項7に記載の鉄道車両の異常検知装置において、前記モデル規範型推定法はカルマンフィルタを用いる方法であることを特徴とする鉄道車両の異常検知装置。
  9. 請求項1〜9のいずれかに記載の鉄道車両の異常検知装置において、
    前記走行速度もしくは前記走行位置もしくは前記時間情報により、車両モデルパラメータもしくはシステムノイズを変更するように前記車両状態データベース
    を構成したことを特徴とする鉄道車両の異常検知装置。
JP2003296632A 2003-08-20 2003-08-20 鉄道車両の異常検知装置 Expired - Fee Related JP4298433B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003296632A JP4298433B2 (ja) 2003-08-20 2003-08-20 鉄道車両の異常検知装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003296632A JP4298433B2 (ja) 2003-08-20 2003-08-20 鉄道車両の異常検知装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005067276A true JP2005067276A (ja) 2005-03-17
JP4298433B2 JP4298433B2 (ja) 2009-07-22

Family

ID=34402744

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003296632A Expired - Fee Related JP4298433B2 (ja) 2003-08-20 2003-08-20 鉄道車両の異常検知装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4298433B2 (ja)

Cited By (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006281969A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Railway Technical Res Inst 輪重変動抑制装置
JP2006327551A (ja) * 2005-05-30 2006-12-07 Tmp:Kk 車両運行管理システム及びこれを用いた車両および軌道異常診断方法
JP2009033793A (ja) * 2007-07-24 2009-02-12 Hitachi Ltd 鉄道車両用振動制御装置
JP2009073418A (ja) * 2007-09-21 2009-04-09 Hitachi Ltd 鉄道車両用サスペンション装置
KR100921547B1 (ko) 2007-12-26 2009-10-12 한국철도기술연구원 철도차량용 대차의 피로도 감시장치 및 이를 이용한철도차량 보호방법
JP2010527828A (ja) * 2007-05-22 2010-08-19 クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア シーネンファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 軌道車両の台車コンポーネントのエラー監視装置
JP2011011715A (ja) * 2009-07-06 2011-01-20 Mitsubishi Electric Corp 異常原因特定装置、異常原因特定システム、および異常原因特定方法
JP2011051518A (ja) * 2009-09-03 2011-03-17 Railway Technical Res Inst 鉄道車両の状態監視システム
JP2012111319A (ja) * 2010-11-24 2012-06-14 Railway Technical Research Institute 軸ばね系の異常検出方法及び異常検出装置
JP2012118075A (ja) * 2010-11-30 2012-06-21 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 車輪径を調整する方法及び装置
WO2013018942A1 (ko) * 2011-08-02 2013-02-07 주식회사 나름 피로도 산출 방법 및 그 장치
JP2013100111A (ja) * 2013-03-07 2013-05-23 Mitsubishi Electric Corp 異常原因特定装置、異常原因特定システム、および異常原因特定方法
KR101381226B1 (ko) * 2012-12-28 2014-04-04 송영천 전동열차의 진동측정 시스템
WO2015050233A1 (ja) * 2013-10-04 2015-04-09 新日鐵住金株式会社 車体傾斜制御装置の異常検出方法
JP2015085704A (ja) * 2013-10-28 2015-05-07 株式会社エイクラ通信 情報通信システム
KR20150145125A (ko) * 2014-06-18 2015-12-29 케이티엠엔지니어링(주) 고속 전동 열차의 진동 분석에 의한 위험 예방 시스템
KR101590712B1 (ko) 2014-06-23 2016-02-02 현대로템 주식회사 운행기록을 이용한 철도차량과 선로 감시시스템 및 방법
WO2018106044A1 (ko) * 2016-12-08 2018-06-14 재단법인대구경북과학기술원 철도차량이상판별장치 및 철도차량 이상 판별 방법
JPWO2021014854A1 (ja) * 2019-07-25 2021-01-28
CN112469613A (zh) * 2018-05-16 2021-03-09 西门子交通奥地利有限责任公司 用于对车辆、车辆组件和行车道进行诊断和监控的方法和设备
CN112740010A (zh) * 2018-07-31 2021-04-30 日本制铁株式会社 检查系统、检查方法以及程序
KR102261779B1 (ko) * 2021-02-05 2021-06-07 주식회사 비피지능역학 열차의 대차불안정 상태 감지시스템 및 감지방법
WO2021161916A1 (ja) * 2020-02-10 2021-08-19 日立Astemo株式会社 作動状態診断装置
JP2022516776A (ja) * 2019-01-08 2022-03-02 タレス・カナダ・インク アクチュエータの対応する構成要素の劣化を検出、分離、及び推定するための方法及びシステム
WO2023275943A1 (ja) * 2021-06-28 2023-01-05 三菱電機株式会社 健全性評価装置、健全性評価方法、および、健全性評価プログラム

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3751249B1 (en) * 2018-02-09 2023-09-06 Hitachi, Ltd. Device and method for detecting abnormality in railroad vehicle
US11462058B2 (en) 2020-10-29 2022-10-04 Caterpillar Inc. Undercarriage wear prediction based on machine vibration data

Cited By (39)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006281969A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Railway Technical Res Inst 輪重変動抑制装置
JP2006327551A (ja) * 2005-05-30 2006-12-07 Tmp:Kk 車両運行管理システム及びこれを用いた車両および軌道異常診断方法
JP2010527828A (ja) * 2007-05-22 2010-08-19 クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア シーネンファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 軌道車両の台車コンポーネントのエラー監視装置
JP2009033793A (ja) * 2007-07-24 2009-02-12 Hitachi Ltd 鉄道車両用振動制御装置
JP2009073418A (ja) * 2007-09-21 2009-04-09 Hitachi Ltd 鉄道車両用サスペンション装置
KR100921547B1 (ko) 2007-12-26 2009-10-12 한국철도기술연구원 철도차량용 대차의 피로도 감시장치 및 이를 이용한철도차량 보호방법
JP2011011715A (ja) * 2009-07-06 2011-01-20 Mitsubishi Electric Corp 異常原因特定装置、異常原因特定システム、および異常原因特定方法
JP2011051518A (ja) * 2009-09-03 2011-03-17 Railway Technical Res Inst 鉄道車両の状態監視システム
JP2012111319A (ja) * 2010-11-24 2012-06-14 Railway Technical Research Institute 軸ばね系の異常検出方法及び異常検出装置
JP2012118075A (ja) * 2010-11-30 2012-06-21 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 車輪径を調整する方法及び装置
WO2013018942A1 (ko) * 2011-08-02 2013-02-07 주식회사 나름 피로도 산출 방법 및 그 장치
KR101381226B1 (ko) * 2012-12-28 2014-04-04 송영천 전동열차의 진동측정 시스템
JP2013100111A (ja) * 2013-03-07 2013-05-23 Mitsubishi Electric Corp 異常原因特定装置、異常原因特定システム、および異常原因特定方法
WO2015050233A1 (ja) * 2013-10-04 2015-04-09 新日鐵住金株式会社 車体傾斜制御装置の異常検出方法
CN105683023B (zh) * 2013-10-04 2017-10-27 新日铁住金株式会社 车体倾斜控制装置的异常检测方法
KR101784121B1 (ko) 2013-10-04 2017-10-10 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 차체 경사 제어 장치의 이상 검출 방법
CN105683023A (zh) * 2013-10-04 2016-06-15 新日铁住金株式会社 车体倾斜控制装置的异常检测方法
JP6065986B2 (ja) * 2013-10-04 2017-01-25 新日鐵住金株式会社 車体傾斜制御装置の異常検出方法
JP2015085704A (ja) * 2013-10-28 2015-05-07 株式会社エイクラ通信 情報通信システム
KR101635918B1 (ko) 2014-06-18 2016-07-08 케이티엠엔지니어링(주) 고속 전동 열차의 진동 분석에 의한 위험 예방 시스템
KR20150145125A (ko) * 2014-06-18 2015-12-29 케이티엠엔지니어링(주) 고속 전동 열차의 진동 분석에 의한 위험 예방 시스템
KR101590712B1 (ko) 2014-06-23 2016-02-02 현대로템 주식회사 운행기록을 이용한 철도차량과 선로 감시시스템 및 방법
WO2018106044A1 (ko) * 2016-12-08 2018-06-14 재단법인대구경북과학기술원 철도차량이상판별장치 및 철도차량 이상 판별 방법
JP2020500778A (ja) * 2016-12-08 2020-01-16 テグ キョンブク インスティトゥート オブ サイエンス アンド テクノロジー 鉄道車両異常判別装置及び鉄道車両異常判別方法
CN112469613A (zh) * 2018-05-16 2021-03-09 西门子交通奥地利有限责任公司 用于对车辆、车辆组件和行车道进行诊断和监控的方法和设备
EP3832284A4 (en) * 2018-07-31 2022-03-16 Nippon Steel Corporation INSPECTION SYSTEM, INSPECTION PROCESS AND PROGRAM
CN112740010A (zh) * 2018-07-31 2021-04-30 日本制铁株式会社 检查系统、检查方法以及程序
CN112740010B (zh) * 2018-07-31 2023-10-27 日本制铁株式会社 检查系统、检查方法以及存储介质
JP7389808B2 (ja) 2019-01-08 2023-11-30 タレス・カナダ・インク アクチュエータの対応する構成要素の劣化を検出、分離、及び推定するための方法及びシステム
US11828307B2 (en) 2019-01-08 2023-11-28 Thales Canada Inc. Method and system for detecting, isolating and estimating a degradation of a corresponding component of an actuator
JP2022516776A (ja) * 2019-01-08 2022-03-02 タレス・カナダ・インク アクチュエータの対応する構成要素の劣化を検出、分離、及び推定するための方法及びシステム
JP7099637B2 (ja) 2019-07-25 2022-07-12 日本製鉄株式会社 検査システム、検査方法、およびプログラム
JPWO2021014854A1 (ja) * 2019-07-25 2021-01-28
JPWO2021161916A1 (ja) * 2020-02-10 2021-08-19
EP4105098A4 (en) * 2020-02-10 2023-08-23 Hitachi Astemo, Ltd. OPERATING CONDITION DIAGNOSTIC DEVICE
WO2021161916A1 (ja) * 2020-02-10 2021-08-19 日立Astemo株式会社 作動状態診断装置
KR102261779B1 (ko) * 2021-02-05 2021-06-07 주식회사 비피지능역학 열차의 대차불안정 상태 감지시스템 및 감지방법
WO2023275943A1 (ja) * 2021-06-28 2023-01-05 三菱電機株式会社 健全性評価装置、健全性評価方法、および、健全性評価プログラム
JPWO2023275943A1 (ja) * 2021-06-28 2023-01-05

Also Published As

Publication number Publication date
JP4298433B2 (ja) 2009-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4298433B2 (ja) 鉄道車両の異常検知装置
JP5525404B2 (ja) 鉄道車両の状態監視装置及び状態監視方法、並びに鉄道車両
KR101736523B1 (ko) 적어도 하나의 휠 세트를 포함하는 철도 차량의 보기의 상태를 모니터링하는 방법
JP5382991B2 (ja) 軌道系交通システムの異常診断方法及び異常診断システム
CN109580259A (zh) 检测车辆悬架系统中的异常的系统和方法
JP5583006B2 (ja) 軌道車両の台車コンポーネントのエラー監視装置
JP4246919B2 (ja) 鉄道車両の脱線検知方法及び脱線検知装置
EP3219574B1 (en) Method and system for determining a vertical profile of a rail surface
JP4388532B2 (ja) 鉄道車両の異常検知装置
TWI449642B (zh) Vibration Suppression Device for Railway Vehicles
MXPA03008603A (es) Metodo y aparato para supervisar el desempeno de rueda/freno.
JP2006341659A (ja) 鉄道車両の異常検知方法
JP2023078964A (ja) 状態監視装置及び状態監視方法
JP4388594B2 (ja) 鉄道車両の異常検知装置
JP6838176B2 (ja) 鉄道車両の異常検出装置および方法
JP2019082444A (ja) 異常検出装置、異常検出方法、プログラム
KR101619790B1 (ko) 열차 차륜 찰상 검지 시스템 및 방법
KR102094105B1 (ko) 다수 개의 매개변수에 의한 철도 차량의 진단 시스템 및 그에 의한 철도 차량의 안전 진단 방법
JP6669600B2 (ja) 鉄道車両の状態監視システム
CN106052606B (zh) 一种基于尺度平均小波能量谱的轨道表面凹陷检测方法
JP6833434B2 (ja) 鉄道車両の異常検知方法
KR20190089583A (ko) 지상 차량 부품 탐지 시스템
KR20180110783A (ko) 다수 개의 매개변수에 의한 철도 차량의 진단 시스템 및 그에 의한 철도 차량의 안전 진단 방법
JP6935595B2 (ja) 軌条車両の異常検出装置
Alten et al. Detecting and classifying rail corrugation based on axle bearing vibration

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060317

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090302

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090414

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090415

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4298433

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120424

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120424

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130424

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130424

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140424

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees