JP4388532B2 - 鉄道車両の異常検知装置 - Google Patents

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本発明は、鉄道車両の異常検知装置に関し、詳しくは、鉄道車両の走行時の振動の状態から車体や台車等の異常発生を検知する鉄道車両の異常検知装置に関する。
高速走行する鉄道車両においては、車体や台車に異常が生じると走行が不安定になって高速走行を継続することが困難になるため、鉄道車両を減速又は停止させる必要がある。鉄道車両に異常が生じた場合には、走行中に車体や台車に固有の異常振動が発生するため、車体や台車等の振動を検出して異常を検知することが行われている。
従来の鉄道車両の異常検知装置として、列車を編成する複数の鉄道車両の特定部位の振動加速度をセンサでそれぞれ測定し、バンドパスフィルタで処理した後に正規化し、これをしきい値と比較することにより、鉄道車両に発生した異常を初期段階で検知できるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−90848号公報
上記特許文献1に記載された異常検知装置では、それまでの異常検知装置に比べて異常を早期に検知することはできるが、複数の車両の特定部位における各測定値に差がないときを最も正常な状態としているため、各車両における振動発生源とセンサ取付位置との間に介在するばね系の特性誤差やセンサの取付誤差が大きいときには、これらの誤差に起因する測定誤差も異常振動と判定してしまうおそれがあった。
そこで本発明は、鉄道車両の特定の部位の振動を測定し、測定した振動ピークの状態を、あらかじめ求めた正常時の振動ピークの状態と比較することにより、ばね系の特性誤差やセンサの取付誤差に関係なく、鉄道車両に発生した異常振動を早期にかつ確実に検知することができる鉄道車両の異常検知装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の鉄道車両の異常検知装置は、鉄道車両の振動を測定して異常を検知する鉄道車両の異常検知装置において、鉄道車両の特定部位の振動を測定するセンサと、該センサで測定した振動を一定走行距離毎にサンプリングするサンプリング手段と、該サンプリング手段でサンプリングした振動データから特定の周波数成分を抽出するバンドパスフィルタと、該バンドパスフィルタで抽出した振動ピークとあらかじめ設定した振幅しきい値とを比較して振動ピークが振幅しきい値を連続して超えた状態で走行した継続距離を算出する距離算出手段と、該距離算出手段で算出した前記継続距離とあらかじめ設定されている正常時に発生しうる振動ピークでの継続距離しきい値とを比較し、前記継続距離が前記継続距離しきい値を超えたときに異常と判定する演算手段とを備え、前記継続距離は、あらかじめ走行速度範囲を設定した速度域毎の継続距離と、走行速度に関係のない継続距離とがあり、速度域毎の継続距離は、その範囲内の走行速度で振動ピークが振幅しきい値を超えたときに走行距離が加算され、走行速度に関係のない継続距離は、全速度域において振動ピークが振幅しきい値を超えたときに走行距離が加算されることを特徴としている。
さらに、この構成の異常検知装置において、前記距離算出手段は、前記継続距離と、該継続距離とは別の低振動継続距離とを算出するものであって、前記振動ピークと前記振幅しきい値とを比較し、振動ピークが振幅しきい値を超えているときには前記継続距離に走行距離を加算するとともに前記低振動継続距離をリセットし、振動ピークが振幅しきい値を超えていないときには前記継続距離を保持するとともに前記低振動継続距離に走行距離を加算し、低振動継続距離があらかじめ設定したリセット距離を超えたときには前記継続距離をリセットすることを特徴としている。
さらに、前記振幅しきい値は、正常時に発生しうる振動ピークの範囲内で複数の値が設定されていること、前記振幅しきい値及び前記継続距離しきい値は、前記バンドパスフィルタで抽出した周波数成分毎に個々に設定されていること、前記振幅しきい値及び前記継続距離しきい値は、鉄道車両の走行速度に応じて設定されていること、前記振幅しきい値及び前記継続距離しきい値は、鉄道車両の進行方向に応じて設定されていること、前記振幅しきい値及び前記継続距離しきい値は、各鉄道車両毎に個々に設定されていること、前記正常時に発生しうる振動ピークは、車両完成時の状態で繰り返し試験走行を行い、この試験走行中に得られた振動ピークであることを特徴としている。
本発明の鉄道車両の異常検知装置によれば、鉄道車両の任意の位置に取り付けたセンサから得られる振動ピークをあらかじめ正常時に求めておき、この正常時の振動ピークを基準とし、同じセンサから走行時に得られた振動ピークの状態に基づいて異常の有無を判定するので、ばね系の特性誤差やセンサの取付誤差にはまったく影響されずに、車両に発生した異常振動を早期かつ確実に検知することができる。
図1乃至図8は本発明の鉄道車両の異常検知装置の形態例を示すもので、図1は異常検知装置の概略を示すブロック図である。まず、鉄道車両11は、車体12が前後の台車13.13に空気ばね等を介して支持されている。この鉄道車両11に設けられた異常検知装置は、台車13に取り付けられたセンサ14と、該センサ14で測定した振動を所定の条件でサンプリングする手段であるサンプリング部15と、該サンプリング部15でサンプリングした信号を演算処理して異常の有無を判定する手段である演算部16とを備えており、サンプリング部15及び演算部16には車両搭載機器を管理する管理装置17から速度データ等が送られ、演算部16から管理装置17には判定結果が送られる。センサ14は、台車13における上下方向、左右方向、前後方向、回転方向のいずれか少なくとも一つの振動を測定するもので、振動加速度を測定する場合には加速度センサが、振動角度を測定する場合にはジャイロセンサがそれぞれ用いられる。このセンサ14で測定した振動データは、サンプリング部15に送られる。
図2は、本形態例のサンプリング部15におけるデータサンプリングの一例を示すフローチャートである。まず、ステップS1で走行距離[m]及び走行時間[s]の初期化を行う。最初の走行距離及び走行時間の初期化は、通常、始発駅にて行われる。ステップS2では、管理装置17から受信した速度データに基づき、走行時間と走行速度[m/s]との積を走行距離に加算し、続いてステップS3で走行時間[s]の初期化を行った後、ステップS4で、前のステップS2で加算された走行距離を、あらかじめ設定された等距離サンプリング周期[m]、例えば4mと比較し、走行距離が等距離サンプリング周期未満(NO)の場合にはステップS2に戻り、再び走行距離を加算し、ステップ3で走行時間を初期化してステップS4に進む手順を繰り返す。
ステップS4で、前記ステップS2で加算された走行距離が等距離サンプリング周期以上と判断されたときには(YES)、ステップS5に進み、センサ14から振動データを収集して演算部16に送る。そして、ステップS6に進んで走行距離を初期化した後、ステップS2に戻って前記手順を順次繰り返す。
したがって、サンプリング部15は、積算した走行距離が等距離サンプリング周期以上となったとき、すなわち、一定の距離毎にセンサ14から振動データを収集し、等距離サンプリングデータとして演算部16に送る。演算部16では、得られた等距離サンプリングデータに基づいてデータ処理を行い、異常の有無を判定する。
演算部16は、特定の周波数成分を抽出するバンドパスフィルタと、該バンドパスフィルタで抽出した振動ピークとあらかじめ設定した振幅しきい値とを比較して振動ピークが振幅しきい値を連続して超えた状態で走行した継続距離を算出する手段である距離算出部と、該距離算出部で算出した前記継続距離とあらかじめ設定されている正常時に発生しうる振動ピークでの継続距離しきい値とを比較する手段である比較部とを備えている。
この演算部16では、最初に、車両完成時の状態で、この車両が営業運転で走行する区間で繰り返し試験走行を行い、この試験走行中に得られた前記等距離サンプリングデータに基づいて振幅しきい値及び継続距離しきい値[m]を設定するデータ処理を行う。データ処理では、図3に示すように、異常振動の要因によって発生する振動の空間周波数[1/m]の領域が異なり、車輪の回転に起因する振動は0.320〜0.460[1/m]、ピニオン軸の回転では、1次で0.920〜1.380[1/m]、2次で1.880〜2.660[1/m]、枕木間隔(0.6m)に起因する振動は1.380〜1.880[1/m]等の空間周波数域となることから、まず、採取した等距離サンプリングデータをバンドパスフィルタ(BPF)で処理し、空間周波数成分を所定の領域に分割する。なお、空間周波数に領域が発生するのは、主として車輪の削正による直径の変化によるものである。
次に、抽出した各空間周波数域毎の振動ピークの絶対値を求め、空間周波数域毎に絶対値の平均(振動ピーク絶対値平均)を求める。この振動ピーク絶対値平均は、例えば、100〜105[km/h]、105〜110[km/h]、110〜115[km/h]のように、5[km/h]刻みとした各走行速度域毎に算出する。そして、算出した各走行速度域における振動ピーク絶対値平均に基づいて振幅しきい値を設定する。この振幅しきい値は、例えば、振動ピーク絶対値平均を1.5倍、2倍、2.5倍・・・のように一定倍した値とする。
さらに、各振幅しきい値と振動ピークとを比較し、振動ピークが振幅しきい値を連続して超える距離(継続距離)及び振幅しきい値を超えない範囲で連続して走行する距離(低振動継続距離)をそれぞれ算出し、得られた継続距離の中の最大値を継続距離しきい値[m]に設定する。振幅しきい値及び継続距離しきい値は、各走行速度域、空間周波数域、車両進行方向毎にそれぞれ設定され、また、各車両11、各台車13におけるばね系の特性誤差やセンサ14の取付誤差等による影響を無くすために各振動測定位置毎に個々に設定される。
図4に、空間周波数域1.380〜1.880[1/m]において、振動ピーク絶対値平均(Ap)を1.5倍、2.0倍・・・11.0倍、13.0倍することによって設定した各振幅しきい値と、5[km/h]刻みで分割した各走行速度域及び全速度域とにそれぞれ対応する継続距離しきい値の一例を示す。なお、継続距離しきい値がゼロとなっている部分は、測定した振動ピークが、該当する速度域における振幅しきい値を超えた時点で異常と判定されることになる。
このようにして振幅しきい値及び継続距離しきい値を設定した後、営業運転等において演算部16が異常検知のためのデータ処理を図5に示す手順で行う。まず、ステップS11で、振動ピークが振幅しきい値を超えた状態で連続的に走行した距離である継続距離と、振動ピークが振幅しきい値を超えない状態で連続走行した距離である低振動継続距離とをリセットしてゼロにした後、ステップS12で振動ピークの取り込みを行う。振動ピークは、前述のしきい値の設定のときと同様に算出したデータであって、すなわち、センサ14で測定した振動を一定距離毎にサンプリング部15でサンプリングして等距離サンプリングデータとし、この等距離サンプリングデータを演算部16でバンドパスフィルタ処理してから絶対値としたデータである。
次に、ステップS13で、取り込んだ振動ピークと振動しきい値とを比較し、振動ピークが振幅しきい値を超えていると判断したときには(YES)、ステップS14に進んで低振動継続距離をリセットした後、ステップS15で継続距離に走行距離を加算する。このとき、継続距離は、各走行速度域に応じた継続距離及び全速度域における継続距離の双方に走行距離をそれぞれ加算する。続いてステップS16で加算後の継続距離と継続距離しきい値とを比較する。
ステップS16で継続距離が継続距離しきい値を超えたと判断しときは(YES)、ステップS17に進んで演算部16から管理装置17に異常振動発生の信号が送られる。ステップS16で継続距離が継続距離しきい値を超えていないと判断しときは(NO)、ステップS12に戻って次の等距離サンプリングデータを取り込む。
また、ステップS13で振動ピークが振幅しきい値を超えていないと判断したときには(NO)、ステップS18に進んで低振動継続距離に走行距離を加算し、続いてステップS19で走行距離を加算した後の低振動継続距離とリセット距離とを比較する。ステップS19で低振動継続距離がリセット距離を超えていないと判断したときには(NO)、ステップS12に戻って次の等距離サンプリングデータを取り込む。一方、ステップS19で低振動継続距離がリセット距離を超えたと判断しときは(YES)、ステップS20で継続距離をリセットした後、ステップS12に戻って等距離サンプリングデータの取り込みを行う。
図6は、演算部16が異常検知のためのデータ処理を行っているときの振動しきい値、振動ピーク絶対値、走行速度域に応じた継続距離(E1,E2)及び全速度域における継続距離(F)、低振動継続距離及びリセット距離(G)の関係を示している。まず、図6(A)において、走行速度がV1〜V2の速度域で振動ピーク絶対値が振動しきい値を超えた時点から両継続距離(E1,F)への走行距離の加算が始まる(T1)。振動ピーク絶対値が振動しきい値を下回ったときには(T2)、継続距離(E1,F)の値をそれぞれ保持するとともに、これとは別に設定された低振動継続距離への走行距離の加算が始まる。この状態で振動ピーク絶対値が振動しきい値を超えたら継続距離(E1,F)への走行距離の加算を再開するとともに低振動継続距離はリセットする(T3)。そして、振動ピーク絶対値が振動しきい値を下回った状態で走行し、低振動継続距離があらかじめ設定したリセット距離(G)、例えば4mを超えたら(T4〜T5)、両方の継続距離(E1,F)をリセットする。リセット後に振動ピーク絶対値が振動しきい値を超え始めたら(T6)、継続距離(E1,F)への走行距離の加算を再開する。
このとき、前記図4に示したように、各走行速度域において、振幅しきい値が複数設定されている場合には、各振幅しきい値のそれぞれにおける継続距離の加算を行う。例えば、走行速度域V1〜V2での振動ピーク絶対値平均をAp、取り込んだ振動ピークをa、振幅しきい値を1.5*Ap、2.0*Ap、2.5*Ap、3.0*Ap・・・としたときに、振動ピークaが2.5*Apと3.0*Apとの間にあるとき、すなわち、2.5*Ap<a<3.0*Apのときには、速度域V1〜V2における振幅しきい値1.5*Ap、2.0*Ap、2.5*Apの各々の継続距離(E1)と全速度域の継続距離(F)とに走行距離をそれぞれ加算する。
図6(A)の状態から、図6(B)に示すように走行速度域がV2〜V3に変化すると、V1〜V2の速度域に対応する継続距離(E1)は保持された状態となり、V2〜V3の速度域に対応する継続距離(E2)への走行距離の加算が始まる(T7)。一方、全速度域における継続距離(F)は、走行速度が変化してもそのまま連続して走行距離が加算されていく。この速度域においても、振動ピーク絶対値が振動しきい値を一定距離連続して下回ってリセット距離(G)を超えたときには、V2〜V3の速度域に対応する継続距離(E2)及び全速度域における継続距離(F)の双方がリセットされてゼロとなる(T8)。
さらに、図6(B)の状態から、図6(C)に示すように走行速度域が再びV1〜V2に変化すると、全速度域における継続距離(F)は、リセット後のゼロから走行距離を加算していく状態になるが、V1〜V2の速度域に対応する継続距離(E1)は、図6(A)の最終状態で保持した継続距離に走行距離を加算していく状態になる(T9)。
これにより、走行速度が変化しても、連続的に振動ピーク絶対値が振動しきい値を超えるような状態のときには、全速度域における継続距離(F)が継続距離しきい値を超えたときに異常と判定することになる。また、特定の速度域で振動ピーク絶対値が振動しきい値を超えるときには、その速度域での継続距離(E1,E2)を保持しておくことにより、該速度域での異常振動を確実に検知することができる。また、走行速度に依存する振動も確実に判別することができる。
なお、前述の継続距離しきい値の設定は、図5及び図6で示した手順と同様にして行い、ステップS15にて加算され、ステップS20でリセットされるまでの継続距離の最大値を各速度域、各振幅しきい値に応じてそれぞれ記憶しておき、ステップS16は行わず、最終的に記憶した継続距離の各最大値をそれぞれの継続距離しきい値とする。
図7は、ある速度域における正常時の振動ピーク絶対値平均の2乗に対して一定のゲイン(異常模擬ゲイン)を乗じた振動を与えたときの異常検知間隔を確認する実験を行った結果を示すものである。この図から明らかなように、3倍のゲインを与えたときには100m弱の走行距離で異常振動を検知することができ、大きなゲインを与えたときには数mの走行距離で異常振動を検知できることがわかる。
したがって、正常時に発生しうる振動ピークに対して振幅しきい値を複数設定するとともに、各速度域における振幅しきい値に応じて継続距離しきい値をそれぞれ設定しておくことにより、ポイント通過時や高速走行時のすれ違い等で正常時に発生しうる振動ピーク範囲内で比較的大きな振動が発生しても、そのときの走行距離が継続距離しきい値を超えない場合には異常と判定することはなく、車輪フラットのように正常時に発生しうる振動ピーク範囲内の小さな振動であっても連続的に発生する振動については、走行速度に関係なく継続距離しきい値を超えた時点で確実に異常振動と判定することができる。また、大きな異常振動については、振幅しきい値及び継続距離しきい値を適切に設定しておくことによって早期に検知することができる。さらに、図8に示す関係から、走行速度域と空間周波数域毎に振幅しきい値と継続距離しきい値とをそれぞれ設定することにより、時間に依存した異常振動も検知することが可能となる。
形態例に示すように、センサ14からの振動データをバンドパスフィルタで処理し、検知対象となる部分に特有の周波数成分を抽出してから異常の有無を判定することにより、高周波成分等の振幅が小さい異常振動も確実に検出することができる。また、車両完成時の状態で繰り返し試験走行を行い、この試験走行中に得られた振動ピークを正常時の状態とし、これを基準にして判定を行うので、各車両における振動発生源とセンサ取付位置との間に介在するばね系の特性誤差やセンサの取付誤差に関係なく、各測定部位毎に異常振動の発生を確実に検知することができる。また、異常振動の継続距離や基準分布との差に基づいて判定を行うので、しきい値を正常時に発生しうる振動の範囲内に設定することができ、小さな異常振動の発生も確実に検知することができる。
また、形態例において、演算部16が異常振動を検知したときには、演算部16から管理装置17に異常振動発生の信号が送られる。異常振動発生の信号を受信した管理装置17は、乗務員支援モニタ等を利用して乗務員に異常振動が発生したことを通報したり、必要に応じて自動的に列車を所定速度まで減速あるいは停止させたりする。
なお、形態例では、台車にセンサを取り付け、主として走り装置の異常振動を検知する例を挙げて説明したが、センサを車体に取り付けることによって車体の異常振動を検知することも可能であり、台車や車体の複数の位置にセンサをそれぞれ取り付けて車両各部の異常振動を検知することも可能である。
異常検知装置の概略を示すブロック図である。 データサンプリングの一例を示すフローチャートである。 異常振動の要因と発生する振動の空間周波数との関係を示す図である。 振幅しきい値と速度域とに対応する継続距離しきい値の一例を示す図である。 異常検知のためのデータ処理の一例を示すフローチャートである。 継続距離の算出手順を説明するための図である。 異常模擬ゲインを乗じた振動を与えたときの異常検知間隔を確認する実験を行った結果を示す図である。 走行速度と空間周波数とから時間周波数を求めた図である。
符号の説明
11…鉄道車両、12…車体、13…台車、14…センサ、15…サンプリング部、16…演算部、17…管理装置

Claims (8)

  1. 鉄道車両の振動を測定して異常を検知する鉄道車両の異常検知装置において、鉄道車両の特定部位の振動を測定するセンサと、該センサで測定した振動を一定走行距離毎にサンプリングするサンプリング手段と、該サンプリング手段でサンプリングした振動データから特定の周波数成分を抽出するバンドパスフィルタと、該バンドパスフィルタで抽出した振動ピークとあらかじめ設定した振幅しきい値とを比較して振動ピークが振幅しきい値を連続して超えた状態で走行した継続距離を算出する距離算出手段と、該距離算出手段で算出した前記継続距離とあらかじめ設定されている正常時に発生しうる振動ピークでの継続距離しきい値とを比較し、前記継続距離が前記継続距離しきい値を超えたときに異常と判定する演算手段とを備え、前記継続距離は、あらかじめ走行速度範囲を設定した速度域毎の継続距離と、走行速度に関係のない継続距離とがあり、速度域毎の継続距離は、その範囲内の走行速度で振動ピークが振幅しきい値を超えたときに走行距離が加算され、走行速度に関係のない継続距離は、全速度域において振動ピークが振幅しきい値を超えたときに走行距離が加算されることを特徴とする鉄道車両の異常検知装置。
  2. 前記距離算出手段は、前記継続距離と、該継続距離とは別の低振動継続距離とを算出するものであって、前記振動ピークと前記振幅しきい値とを比較し、振動ピークが振幅しきい値を超えているときには前記継続距離に走行距離を加算するとともに前記低振動継続距離をリセットし、振動ピークが振幅しきい値を超えていないときには前記継続距離を保持するとともに前記低振動継続距離に走行距離を加算し、低振動継続距離があらかじめ設定したリセット距離を超えたときには前記継続距離をリセットすることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両の異常検知装置。
  3. 前記振幅しきい値は、正常時に発生しうる振動ピークの範囲内で複数の値が設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の鉄道車両の異常検知装置。
  4. 前記振幅しきい値及び前記継続距離しきい値は、前記バンドパスフィルタで抽出した周波数成分毎に個々に設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の鉄道車両の異常検知装置。
  5. 前記振幅しきい値及び前記継続距離しきい値は、鉄道車両の走行速度に応じて設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の鉄道車両の異常検知装置。
  6. 前記振幅しきい値及び前記継続距離しきい値は、鉄道車両の進行方向に応じて設定されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の鉄道車両の異常検知装置。
  7. 前記振幅しきい値及び前記継続距離しきい値は、各鉄道車両毎に個々に設定されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の鉄道車両の異常検知装置。
  8. 前記正常時に発生しうる振動ピークは、車両完成時の状態で繰り返し試験走行を行い、この試験走行中に得られた振動ピークであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の鉄道車両の異常検知装置。
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