JP2015214201A - 鉄道車両の異常検知装置および鉄道車両の異常検知方法 - Google Patents

鉄道車両の異常検知装置および鉄道車両の異常検知方法 Download PDF

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岡田 信之
Nobuyuki Okada
信之 岡田
谷川 安彦
Yasuhiko Tanigawa
安彦 谷川
崇宏 笹内
Takahiro Sasauchi
崇宏 笹内
淳平 近藤
Jumpei Kondo
淳平 近藤
山田 幸一
Koichi Yamada
幸一 山田
正敏 平野
Masatoshi Hirano
正敏 平野
拓也 大庭
Takuya Oba
拓也 大庭
裕二 上村
Yuji Uemura
裕二 上村
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Abstract

【課題】車輪や台車の蛇行動を確実に検知できる鉄道車両の異常検知装置および鉄道車両の異常検知方法を提供する。
【解決手段】本発明の一態様は、鉄道車両1の異常検知装置において、鉄道車両1の振動加速度を測定するセンサ部14と、センサ部14で測定された振動加速度の信号をサンプリングするサンプリング部16と、異常の有無を判定する演算部18と、を有し、演算部18にて、車輪22の蛇行動における蛇行の周期である1軸蛇行動波長S1を算出し、算出した1軸蛇行動波長S1をもとに1軸蛇行動の監視周波数領域を設定し、振動加速度の信号から1軸蛇行動の監視周波数領域における空間周波数の成分を抽出して車輪22の蛇行動の有無を判定する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、鉄道車両の走行時の異常振動を検知する鉄道車両の異常検知装置および鉄道車両の異常検知方法に関するものである。
鉄道車両は、車輪や台車の蛇行動を抑制するため、車体と台車との間にヨーダンパを備えている。しかし、このヨーダンパの機能が低下した場合には、車輪や台車の蛇行動を抑制することができないので、車輪や台車の蛇行動を確実に検知することが必要になる。
ここで、特許文献1には、車体の左右振動加速度の測定結果において特定の周波数における振動の強さのピーク値をもとに、台車の蛇行動を検知することが開示されている。
特開平2011−51518号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、車体の左右振動加速度の測定結果が鉄道車両の走行時にレールから受ける振動等の影響を受けるため、特定の周波数における振動の強さのピーク値を正確に取得できないおそれがある。そのため、確実に台車の蛇行動を検知することができないおそれがある。
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、車輪や台車の蛇行動を確実に検知できる鉄道車両の異常検知装置および鉄道車両の異常検知方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一形態は、鉄道車両の振動を測定して異常を検知する鉄道車両の異常検知装置において、前記鉄道車両の特定部位に生じる振動加速度を測定するセンサ部と、前記センサ部で測定された振動加速度の信号を所定の条件でサンプリングするサンプリング部と、前記サンプリング部でサンプリングされた振動加速度の信号から抽出した特定の空間周波数成分に基づいて異常の有無を判定する演算部と、を有し、前記演算部は、車輪の蛇行動における蛇行の周期である1軸蛇行動波長を、当該1軸蛇行動波長をS1とし、踏面間隔の1/2倍の長さをbとし、車輪半径をrとし、等価踏面勾配をσとするときに、以下の数式1に基づいて算出し、
Figure 2015214201
算出した前記1軸蛇行動波長をもとに求めた前記車輪の蛇行動に起因する振動の空間周波数に対応した1軸蛇行動の監視周波数領域を設定し、前記振動加速度の信号から前記1軸蛇行動の監視周波数領域における空間周波数の成分を抽出して、前記車輪の蛇行動の有無を判定すること、を特徴とする。
この態様によれば、踏面間隔や車輪半径や等価踏面勾配から算出された1軸蛇行動波長をもとに1軸蛇行動の監視周波数領域を設定し、振動加速度の信号から1軸蛇行動の監視周波数領域における空間周波数の成分を抽出して、車輪の蛇行動の有無を判定する。これにより、車輪の蛇行動に起因する空間周波数の成分を、鉄道車両の走行時にレールから受ける振動等の影響を受けずに、抽出することができる。そのため、車輪の蛇行動を確実に検知できる。
上記の態様においては、前記演算部は、前記1軸蛇行動の監視周波数領域を、前記鉄道車両の積算走行時間または積算走行距離の経過による前記1軸蛇行動波長の変化によって想定される前記車輪の蛇行動に起因する振動の空間周波数の変動範囲の全てを含むように設定すること、が好ましい。
この態様によれば、鉄道車両の積算走行時間または積算走行距離に関わらず、車輪の蛇行動を確実に検知できる。
また、上記課題を解決するためになされた本発明の他の形態は、鉄道車両の振動を測定して異常を検知する鉄道車両の異常検知装置において、前記鉄道車両の特定部位に生じる振動加速度を測定するセンサ部と、前記センサ部で測定された振動加速度の信号を所定の条件でサンプリングするサンプリング部と、前記サンプリング部でサンプリングされた振動加速度の信号から抽出した特定の空間周波数成分に基づいて異常の有無を判定する演算部と、を有し、前記演算部は、台車の蛇行動における蛇行の周期である台車蛇行動波長を、当該台車蛇行動波長をS2とし、車輪の蛇行動における蛇行の周期である1軸蛇行動波長をS1とし、踏面間隔の1/2倍の長さをbとし、車輪半径をrとし、等価踏面勾配をσとし、軸距の1/2倍の距離をaとするときに、以下の数式1と数式2に基づいて算出し、
Figure 2015214201
Figure 2015214201
算出した前記台車蛇行動波長をもとに求めた前記台車の蛇行動に起因する振動の空間周波数に対応した台車蛇行動の監視周波数領域を設定し、前記振動加速度の信号から前記台車蛇行動の監視周波数領域における空間周波数の成分を抽出して、前記台車の蛇行動の有無を判定すること、を特徴とする。
この態様によれば、踏面間隔や車輪半径や等価踏面勾配や軸距から算出された台車蛇行動波長をもとに台車蛇行動の監視周波数領域を設定し、振動加速度の信号から台車蛇行動の監視周波数領域における空間周波数の成分を抽出して、台車の蛇行動の有無を判定する。これにより、台車の蛇行動に起因する空間周波数の成分を、鉄道車両の走行時にレールから受ける振動等の影響を受けずに、抽出することができる。そのため、台車の蛇行動を確実に検知できる。
上記の態様においては、前記演算部は、前記台車蛇行動の監視周波数領域を、前記鉄道車両の積算走行時間または積算走行距離の経過による前記台車蛇行動波長の変化によって想定される前記台車の蛇行動に起因する振動の空間周波数の変動範囲の全てを含むように設定すること、が好ましい。
この態様によれば、鉄道車両の積算走行時間または積算走行距離に関わらず、台車の蛇行動を確実に検知できる。
また、上記課題を解決するためになされた本発明の他の形態は、鉄道車両の振動を測定して異常を検知する鉄道車両の異常検知方法において、上記の態様のいずれか1つの鉄道車両の異常検知装置を使用すること、を特徴とする。
本発明に係る鉄道車両の異常検知装置および鉄道車両の異常検知方法によれば、車輪や台車の蛇行動を確実に検知できる。
異常検知装置の概略を示すブロック図である。 異常振動の要因と発生する振動の空間周波数との関係を示す図である。 1軸蛇行動波長を示す図である。 車輪の各部を示す図である。 演算部におけるデータ処理の流れを示す図である。 バンドパスフィルタ処理を行う前の振動加速度の信号の波形の評価結果を示す図である。 バンドパスフィルタ処理を行った後の振動加速度の信号の波形の評価結果を示す図である。 1軸蛇行動波長の例を示す図である。
〔鉄道車両の異常検知装置の構成〕
本発明の鉄道車両の異常検知方法の実施形態について、説明する。図1は、異常検知装置の概略を示すブロック図である。図1に示すように、鉄道車両1は、新幹線(登録商標)などの高速鉄道車両であり、車体10と台車12を有している。そして、車体10は、空気ばね(不図示)等を介して台車12に支持されている。また、鉄道車両1は、車輪22や台車12の蛇行動を抑制するため、車体10と台車12との間にヨーダンパ(不図示)を備えている。
また、鉄道車両1は、センサ部14と、サンプリング部16と、演算部18と、管理装置20を有している。
センサ部14は、台車12に取り付けられていて、左右方向(Y軸方向)で台車12に生じる振動加速度を測定する。このセンサ部14は、例えば、静電容量タイプの加速度センサを備えている。そして、センサ部14で測定された振動加速度の信号は、サンプリング部16に送られる。
サンプリング部16は、センサ部14で測定された振動加速度の信号を、所定の条件でサンプリングする。演算部18は、サンプリング部16でサンプリングされた振動加速度の信号を、演算処理して異常の有無を判定する。そして、演算部18は、管理装置20に判定結果を送る。管理装置20は、車両搭載機器を管理しており、サンプリング部16と演算部18に対し速度データ等を送る。
〔サンプリング部における等距離サンプリングの説明〕
センサ部14からサンプリング部16に振動加速度の信号が出力されると、サンプリング部16は、積算した走行距離が等距離サンプリング周期以上となったとき、すなわち、一定の距離毎にセンサ部14から振動加速度の信号のデータを収集する。そして、サンプリング部16は、収集されたデータを、等距離サンプリングデータとして演算部18に送る。
〔演算部におけるデータ処理の説明〕
そして、演算部18では、サンプリング部16から送られた等距離サンプリングデータに基づいてデータ処理を行い、異常の有無を判定する。
ここで、図2に示すように、演算部18は、予め、異常振動要因例として、1軸蛇行動と台車蛇行動について、センサ部14で測定された振動加速度の信号に対して監視する空間周波数の幅(監視周波数領域)を設定しておく。なお、各監視周波数領域において空間周波数の下限から上限までの幅を設定しているのは、車輪22の削正による車輪22の径の変化を考慮しているためである。
ここで、1軸蛇行動は、鉄道車両1の走行時に車輪22が蛇行動することである。また、台車蛇行動は、鉄道車両1の走行時に台車12が蛇行動することである。
そこで、1軸蛇行動の監視周波数領域を設定する方法について説明する。まず、演算部18は、車輪22の蛇行動(1軸蛇行動)における蛇行の周期である1軸蛇行動波長S1(図3参照)を、以下のような数式1に基づいて算出する。
Figure 2015214201
なお、bは踏面間隔の1/2倍の長さ[m]であり(図3、図4参照)、rは車輪半径[m]であり(図4参照)、σは等価踏面勾配である(図4参照)。また、等価踏面勾配σは、σ=tanθにより算出される(角度θは、輪軸(車輪22の軸)に対する踏面の傾きである)。
ここで、鉄道車両1が長期間走行して車輪22が削れると、車輪半径rや等価踏面勾配σは変化するので、1軸蛇行動波長S1は変化する。そこで、鉄道車両1の積算走行時間(積算走行距離)の経過により、1軸蛇行動波長S1は、図2に示すように、例えば、13.7[m]〜14.3[m]の範囲内で変化しうると想定する。そうすると、1軸蛇行動に起因する振動の空間周波数は、0.070(≒1/14.3)[1/m]〜0.073(≒1/13.7)[1/m]の範囲内で変動する。
そこで、演算部18は、1軸蛇行動の監視周波数領域(図2に示す空間周波数[1/m]の下限F21と上限F22の間の領域)を、1軸蛇行動に起因する振動の空間周波数に対応するように、すなわち、前記のように変動すると想定される1軸蛇行動に起因する振動の空間周波数の変動範囲の全てを含むように設定する。このようにして、演算部18は、1軸蛇行動の監視周波数領域を設定する。
次に、台車蛇行動の監視周波数領域の設定方法について説明する。まず、演算部18は、台車蛇行動における蛇行の周期である台車蛇行動波長S2を、前記の数式1と以下のような数式2に基づいて算出する。
Figure 2015214201
なお、aは軸距の1/2の距離[m]である。また、軸距とは、前後の輪軸(車輪22の軸)における輪軸中心間の距離である。
前記のように、鉄道車両1が長期間走行して車輪22が削れると、1軸蛇行動波長S1が変化するので、台車蛇行動波長S2も変化する。そこで、鉄道車両1の積算走行時間(積算走行距離)の経過により、台車蛇行動波長S2は、図2に示すように、例えば、26.6[m]〜27.7[m]の範囲内で変化しうると想定する。そうすると、台車蛇行動に起因する振動の空間周波数は、0.036(≒1/27.7)[1/m]〜0.038(≒1/26.6)[1/m]の範囲内で変動する。
そこで、演算部18は、台車蛇行動の監視周波数領域(図2に示す空間周波数[1/m]の下限F11と上限F12の間の領域)を、台車蛇行動に起因する振動の空間周波数に対応するように、すなわち、前記のように変動すると想定される台車蛇行動に起因する振動の空間周波数の変動範囲の全てを含むように設定する。このようにして、演算部18は、台車蛇行動の監視周波数領域を設定する。
図5は、演算部18におけるデータ処理の流れを示すブロック図である。まず、ステップS11では、演算部18は、一定の走行距離毎にセンサ部14から送られた等距離サンプリングデータを、サンプリング部16を介して収集する。
ステップS12では、演算部18は、収集した等距離サンプリングデータに対しバンドパスフィルタ処理を行って、1軸蛇行動の監視周波数領域や台車蛇行動の監視周波数領域に対応する特定の空間周波数成分を抽出する。このとき、バンドパスフィルタの通過領域は、1軸蛇行動の監視周波数領域や台車蛇行動の監視周波数領域を全て含むように設定されている。
例えば、前記のように、演算部18は、1軸蛇行動の監視周波数領域を0.070[1/m]〜0.073[1/m]に設定した場合には、1軸蛇行動に対応するバンドパスフィルタの通過領域を、0.070[1/m]〜0.073[1/m]を全て含むように設定する。そして、演算部18は、一定の走行距離毎にサンプリングされた振動加速度の信号に対して、前記のように通過領域を設定したバンドパスフィルタによる処理を行う。
これにより、演算部18は、一定の走行距離毎にサンプリングされた振動加速度の信号から、1軸蛇行動の監視周波数領域における1軸蛇行動に起因する振動の空間周波数の成分を抽出する。そして、演算部18は、後述するような手法(図5におけるステップS13〜ステップS22の手法)を用いて、車輪22の蛇行動の有無を判定する。
さらに、前記のように、演算部18は、台車蛇行動の監視周波数領域を0.036[1/m]〜0.038[1/m]に設定した場合には、台車蛇行動に対応するバンドパスフィルタの通過領域を、0.036[1/m]〜0.038[1/m]を全て含むように設定する。そして、演算部18は、一定の走行距離毎にサンプリングされた振動加速度の信号に対して、前記のように通過領域を設定したバンドパスフィルタによる処理を行う。
これにより、演算部18は、一定の走行距離毎にサンプリングされた振動加速度の信号から、台車蛇行動の監視周波数領域における台車蛇行動に起因する振動の空間周波数の成分を抽出する。そして、演算部18は、後述するような手法(図5におけるステップS13〜ステップS22の手法)を用いて、台車12の蛇行動の有無を判定する。
こうして、演算部18は、一定の走行距離毎にサンプリングされた振動加速度の信号から、上述のように設定した各監視周波数領域に対応する特定の空間周波数成分を、所定のバンドパスフィルタの通過領域を通して抽出する。このようにして、各バンドパスフィルタによって、空間周波数に対応する周波数成分を走行時にレールから受ける振動等から分離し、高周波成分が低周波成分に埋もれることを防止している。この結果、高周波成分等の振幅が小さい異常振動に対して、早期の検知ができる。
再び図5の説明に戻って、ステップS13では、抽出された周波数成分から振動ピークが検出される。ステップS14では、その振動ピークの絶対値が求められる。一方、ステップS15では、現時点での走行速度における振動ピーク絶対値平均が読み込まれる。ここで、振動ピーク絶対値平均とは、あらかじめ求めた正常時の振動ピークの絶対値の平均値である。そして、ステップS16では、ステップS14で求めた振動ピークの絶対値と、ステップS15で読み込んだ振動ピーク絶対値平均との比の値が算出される。
これにより、ステップS17では、算出された比の値から相対度数分布が作成される。次に、ステップS18では、予め作成された基準分布と、ステップS17で作成された相対度数分布との差が算出される。なお、基準分布は、車両が完成した直後の試験走行時を正常時とし、この正常時の複数回の試験走行によって予め求めた相対度数分布である。
そして、ステップS19では、ステップS18で算出された差に対して振動ピークの重み付けが行われる。続いて、ステップS20では、重み付けされた各振動ピークの差の絶対値が求められ、ステップS21では、その各絶対値が加算されて総和が求められる。その後、ステップS22では、ステップS21で求められた総和と、予め設定した異常検知しきい値とが判断される。
このように、演算部18は、異常振動要因毎にステップS12〜ステップS22の処理を行い、ステップS21で求められた総和が異常検知しきい値以上であるときに、異常であると判断する。なお、異常検知しきい値は、予め繰り返し行われた走行試験において、正常時にステップS21で求めた総和の最大値より僅かに大きい値として設定されている。
このようにして、演算部18が異常の有無を判断し、その判定結果が管理装置20に送られる。管理装置20は、異常と判断された判定結果を受け取ると、乗務員支援モニタ等を利用して運転士に異常を報知する。
ここで、図6と図7は、一定の走行距離毎にサンプリングされた振動加速度の信号に対して、バンドパスフィルタ処理(ステップS12)を行う前後の振動加速度の信号の波形の評価結果を示す図である。本評価において、バンドパスフィルタの通過領域は、前記の1軸蛇行動に起因する振動の空間周波数の範囲(0.070[1/m]〜0.073[1/m])を全て含むように設定されている。なお、図6はバンドパスフィルタ処理を行う前の振動加速度の信号の波形の評価結果を示し、図7はバンドパスフィルタ処理を行った後の振動加速度の信号の波形の評価結果を示している。
図6と図7に示すように、1軸蛇行動に起因する振動の振動加速度の信号における波形の特徴(図中、時間領域αに現れる波形の特徴)は、バンドパスフィルタ処理を行う前(図6)よりも、バンドパスフィルタ処理を行った後(図7)のほうが、顕著に表れている。このように、バンドパスフィルタ処理を行った後(図7)においては、1軸蛇行動に起因する振動の振動加速度の信号における波形は、鉄道車両1の走行時にレールから受ける振動等の波形から分離されている。そのため、演算部18は、車輪22の蛇行動の発生の有無を正確に検知することができる。
なお、図2に示す1軸蛇行動や台車蛇行動の監視周波数領域は、適宜変更可能である。例えば、鉄道車両1が長期間走行して車輪22が削れることにより、図8に示すように、1軸蛇行動波長S1が例えば9.2[m](経過値)〜14.1[m](初期値)の範囲内で変化する場合には、演算部18は、1軸蛇行動の監視周波数領域を、例えば0.067(≒1/15)[1/m]〜0.111(≒1/9)[1/m]に設定する。そして、このとき、演算部18は、1軸蛇行動に対応するバンドパスフィルタの通過領域を、0.067[1/m]〜0.111[1/m]を全て含むように設定する。
〔本実施例の作用効果〕
本実施例によれば、鉄道車両1の振動を測定して異常を検知する鉄道車両1の異常検知装置および鉄道車両1の異常検知方法において、鉄道車両1の台車12に生じる振動加速度を測定するセンサ部14と、センサ部14で測定された振動加速度の信号を所定の条件でサンプリングするサンプリング部16と、サンプリング部16でサンプリングされた振動加速度の信号から抽出した特定の空間周波数成分に基づいて異常の有無を判定する演算部18と、を有し、演算部18は、車輪22の蛇行動における蛇行の周期である1軸蛇行動波長S1を、踏面間隔の1/2倍の長さbと車輪半径rと等価踏面勾配σに基づいて算出し、算出した1軸蛇行動波長S1をもとに求めた車輪22の蛇行動に起因する振動の空間周波数に対応した1軸蛇行動の監視周波数領域を設定し、振動加速度の信号から1軸蛇行動の監視周波数領域における空間周波数の成分を抽出して、車輪22の蛇行動の有無を判定する。
このように、踏面間隔や車輪半径rや等価踏面勾配σから算出された1軸蛇行動波長S1をもとに1軸蛇行動の監視周波数領域が設定され、振動加速度の信号から1軸蛇行動の監視周波数領域における空間周波数の成分が抽出されて、車輪22の蛇行動の有無が判定される。これにより、車輪22の蛇行動に起因する空間周波数の成分は、鉄道車両1の走行時にレールから受ける振動等の影響を受けずに、抽出される。そのため、車輪22の蛇行動は確実に検知される。
また、演算部18は、1軸蛇行動の監視周波数領域を、鉄道車両1の積算走行時間または積算走行距離の経過による1軸蛇行動波長S1の変化によって想定される車輪22の蛇行動に起因する振動の空間周波数の変動範囲の全てを含むように設定する。これにより、鉄道車両1の積算走行時間または積算走行距離に関わらず、車輪22の蛇行動は確実に検知される。
また、本実施例によれば、鉄道車両1の振動を測定して異常を検知する鉄道車両1の異常検知装置および鉄道車両1の異常検知方法において、鉄道車両1の台車12に生じる振動加速度を測定するセンサ部14と、センサ部14で測定された振動加速度の信号を所定の条件でサンプリングするサンプリング部16と、サンプリング部16でサンプリングされた振動加速度の信号から抽出した特定の空間周波数成分に基づいて異常の有無を判定する演算部18と、を有し、演算部18は、台車12の蛇行動における蛇行の周期である台車蛇行動波長S2を、1軸蛇行動波長S1と踏面間隔の1/2倍の長さbと車輪半径rと等価踏面勾配σと、軸距の1/2倍の距離aに基づいて算出し、算出した台車蛇行動波長S2をもとに求めた台車12の蛇行動に起因する振動の空間周波数に対応した台車蛇行動の監視周波数領域を設定し、振動加速度の信号から台車蛇行動の監視周波数領域における空間周波数の成分を抽出して、台車12の蛇行動の有無を判定する。
このように、踏面間隔や車輪半径rや等価踏面勾配σや軸距から算出された台車蛇行動波長S2をもとに台車蛇行動の監視周波数領域は設定され、振動加速度の信号から台車蛇行動の監視周波数領域における空間周波数の成分が抽出されて、台車12の蛇行動の有無が判定される。これにより、台車12の蛇行動に起因する空間周波数の成分は、鉄道車両1の走行時にレールから受ける振動等の影響を受けずに、抽出される。そのため、台車12の蛇行動は確実に検知される。
また、演算部18は、台車蛇行動の監視周波数領域を、鉄道車両1の積算走行時間または積算走行距離の経過による台車蛇行動波長S2の変化によって想定される台車12の蛇行動に起因する振動の空間周波数の変動範囲の全てを含むように設定する。これにより、鉄道車両1の積算走行時間または積算走行距離に関わらず、台車12の蛇行動は確実に検知される。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
1 鉄道車両
10 車体
12 台車
14 センサ部
16 サンプリング部
18 演算部
20 管理装置
22 車輪
S1 1軸蛇行動波長
S2 台車蛇行動波長
b 踏面間隔の1/2倍の長さ
r 車輪半径
σ 等価踏面勾配
a 軸距の1/2倍の距離
θ 角度
α 時間領域
F11 空間周波数[1/m]の下限
F12 空間周波数[1/m]の上限
F21 空間周波数[1/m]の下限
F22 空間周波数[1/m]の上限

Claims (5)

  1. 鉄道車両の振動を測定して異常を検知する鉄道車両の異常検知装置において、
    前記鉄道車両の特定部位に生じる振動加速度を測定するセンサ部と、
    前記センサ部で測定された振動加速度の信号を所定の条件でサンプリングするサンプリング部と、
    前記サンプリング部でサンプリングされた振動加速度の信号から抽出した特定の空間周波数成分に基づいて異常の有無を判定する演算部と、を有し、
    前記演算部は、車輪の蛇行動における蛇行の周期である1軸蛇行動波長を、当該1軸蛇行動波長をS1とし、踏面間隔の1/2倍の長さをbとし、車輪半径をrとし、等価踏面勾配をσとするときに、以下の数式1に基づいて算出し、
    Figure 2015214201
    算出した前記1軸蛇行動波長をもとに求めた前記車輪の蛇行動に起因する振動の空間周波数に対応した1軸蛇行動の監視周波数領域を設定し、
    前記振動加速度の信号から前記1軸蛇行動の監視周波数領域における空間周波数の成分を抽出して、前記車輪の蛇行動の有無を判定すること、
    を特徴とする鉄道車両の異常検知装置。
  2. 請求項1の鉄道車両の異常検知装置において、
    前記演算部は、前記1軸蛇行動の監視周波数領域を、前記鉄道車両の積算走行時間または積算走行距離の経過による前記1軸蛇行動波長の変化によって想定される前記車輪の蛇行動に起因する振動の空間周波数の変動範囲の全てを含むように設定すること、
    を特徴とする鉄道車両の異常検知装置。
  3. 鉄道車両の振動を測定して異常を検知する鉄道車両の異常検知装置において、
    前記鉄道車両の特定部位に生じる振動加速度を測定するセンサ部と、
    前記センサ部で測定された振動加速度の信号を所定の条件でサンプリングするサンプリング部と、
    前記サンプリング部でサンプリングされた振動加速度の信号から抽出した特定の空間周波数成分に基づいて異常の有無を判定する演算部と、を有し、
    前記演算部は、台車の蛇行動における蛇行の周期である台車蛇行動波長を、当該台車蛇行動波長をS2とし、車輪の蛇行動における蛇行の周期である1軸蛇行動波長をS1とし、踏面間隔の1/2倍の長さをbとし、車輪半径をrとし、等価踏面勾配をσとし、軸距の1/2倍の距離をaとするときに、以下の数式1と数式2に基づいて算出し、
    Figure 2015214201
    Figure 2015214201
    算出した前記台車蛇行動波長をもとに求めた前記台車の蛇行動に起因する振動の空間周波数に対応した台車蛇行動の監視周波数領域を設定し、
    前記振動加速度の信号から前記台車蛇行動の監視周波数領域における空間周波数の成分を抽出して、前記台車の蛇行動の有無を判定すること、
    を特徴とする鉄道車両の異常検知装置。
  4. 請求項3の鉄道車両の異常検知装置において、
    前記演算部は、前記台車蛇行動の監視周波数領域を、前記鉄道車両の積算走行時間または積算走行距離の経過による前記台車蛇行動波長の変化によって想定される前記台車の蛇行動に起因する振動の空間周波数の変動範囲の全てを含むように設定すること、
    を特徴とする鉄道車両の異常検知装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つの鉄道車両の異常検知装置を使用することを特徴とする鉄道車両の異常検知方法。
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