JP2011011715A - 異常原因特定装置、異常原因特定システム、および異常原因特定方法 - Google Patents

異常原因特定装置、異常原因特定システム、および異常原因特定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】移動体で発生した異常を即座に検知し、異常原因を特定することが可能な異常原因特定装置、異常原因特定システム、および異常原因特定方法を得る。
【解決手段】列車に適用され、車両1に搭載される複数の機器から測定値10を入力として、機器にて発生した異常原因を特定する異常原因特定装置4であって、基準値20と測定値10とを照合し、機器毎に測定値10が正常であるか否かを判定する異常判定部12と、車両1毎に、測定値10が異常と判定された異常機器の車両1における取付位置の分布状態に応じて、異常発生原因が、機器固有の要因に起因するか他の要因に起因するかを特定し、異常原因を示す情報14として出力する異常原因特定部13と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、走行中の移動体、特に電車において測定された値に対して異常検知を実施し、その原因を特定する異常原因特定装置、異常原因特定システム、および異常原因特定方法に関するものである。
下記特許文献1に示される従来技術は、移動体内での処理負荷を軽減するために、異常を検出するための条件を地上側で解析および抽出し、無線を通じて移動体に当該条件を送信することにより、移動体での異常を検出するための条件を更新する。このように、従来技術は、抽出された条件に従って、移動体内部で処理を行い、異常検知を実施している。
特許第4177154号公報
しかしながら、上記特許文献1に示される従来技術は、予め地上側で抽出した条件に基づいて異常検知を実施しているため、抽出した条件以外の異常が発生した場合には、異常を検知することができないという問題があった。また、上記特許文献1に示される従来技術は、異常検知を実施するのみであり、検知された異常の原因を特定することができないと課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、移動体で発生した異常を即座に検知し、異常原因を特定することが可能な異常原因特定装置、異常原因特定システム、および異常原因特定方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、列車に適用され、車両に搭載される複数の機器からの動態値を入力として、前記機器にて発生した異常原因を特定する異常原因特定装置であって、所定の基準値と前記動態値とを照合し、前記機器毎に前記動態値が正常であるか否かを判定する異常判定部と、前記車両毎に、前記動態値が異常と判定された異常機器の車両における取付位置の分布状態に基づいて、異常発生原因が、前記機器固有の要因に起因するかまたは他の要因に起因するかを特定し、異常原因を示す情報として出力する異常原因特定部と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、走行時の移動体において複数のセンサで測定された値と基準値とを比較し、異常であると判定されたセンサの値と他のセンサの値とを用いて異常が測定された範囲を特定するようにしたので、移動体で発生した異常を即座に検知し、異常原因を特定することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる異常原因特定装置の構成を示す図である。 図2は、異常検知処理を説明するためのフローチャートである。 図3は、異常原因特定処理を説明するためのフローチャートである。 図4は、車軸部分に異常が発生していること示す図である。 図5は、特定区間のレールに異常が発生していること示す図である。 図6は、路線環境による異常が発生していること示す図である。 図7は、実施の形態2にかかる異常原因特定システムによる異常原因特定処理を説明するためのフローチャートである。 図8は、特有の列車で発生した異常の具体例を説明するための図である。 図9は、運転操作ミスなどで発生した異常の具体例を説明するための図である。 図10は、路線環境などで発生した異常の具体例を説明するための図である。 図11は、実施の形態3にかかる異常原因特定装置による異常原因特定処理を説明するためのフローチャートである。
以下に、本発明にかかる異常原因特定装置、異常原因特定システム、および異常原因特定方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、各実施の形態を組み合わせて同時に実施してもよい。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる異常原因特定装置の構成を示す図である。ここでは、移動体として電車を例にして説明する。図1(a)において、電車の各車両1には、センサ2と異常原因特定装置4とが設置されている。
図1(b)において、異常原因特定装置4は、主たる構成として、各車両1のセンサ2から送出された測定値(動態値)10を保存する記憶部11と、測定値10を用いて各センサ2が配設された車軸部分で異常が発生しているか否かを判定する異常判定部12と、異常が測定された範囲を特定する異常原因特定部13とを有して構成されている。測定値10は、車両が路線上にある際(走行時、駅等での停車時の両者を含む)の車両の状態を示す値である。
上述したセンサ2は、全ての車両1もしくは複数の車両1に配設され、車両1の一または複数の台車または機器に取り付けられており、図1(a)では車両1の全台車の左側および右側の車軸8箇所に分散して配設されている。そして、センサ2は、台車の振動を測定し、測定値10として異常原因特定装置4に送信する。センサ2が振動を測定する周期は、例えば、1秒単位や500ミリ秒単位とするが、当該周期に限定されるものではなく、これ以上の周囲あるいはこれ以下の周期でもよい。
センサ2から出力された測定値10は、例えば、列車内のネットワークを介して、記憶部11に保存される。測定値10の送信周期は、例えば、0秒単位や5秒単位とするが、当該送信周期に限定されるものではなく、センサ2の処理能力や移動体のネットワーク速度を考慮して決めてもよい。
記憶部11には、大容量の測定値10を蓄積可能なハードディスクなどを使用するとよい。また、測定値10を記憶部11に保存する際、列車内のネットワークを介して、同時刻における列車情報9を入手し、記憶部に保存を行う。ここでいう列車情報9とは、キロ程情報、速度、ノッチ情報、駅名、線区名、列車番号、架線電圧、時刻、空調機器の設定温度、戸閉装置のドア開閉指令情報などを指す。なお、記憶部11は、異常原因特定装置4内に1つ搭載されているが、複数の車両1に設置してもよい。
(異常検知動作)
次に、異常原因特定装置4の動作について説明する。図2は、異常検知処理を説明するためのフローチャートである。異常判定部12は、まず、記憶部11に保存された測定値10と、記憶部11に保存されているデータであって過去の測定値10から導出された基準値(第1の基準値)とを読込む。そして、読込んだ測定値10と第1の基準値とに基づいて、新たな基準値(第2の基準値)を算出する(ステップS10)。第2の基準値を導出する手法は、測定値10がどのように分布しているかを表わす平均値や標準偏差などを使用する。このように、第1の基準値を利用することにより、列車内における演算処理の負担を軽減することが可能である。
異常判定部12は、導出した第2の基準値を、第1の基準値に上書きすることにより常に最新の基準値(第3の基準値)20を得る(ステップS11)。その後、異常判定部12は、導出された基準値20と測定値10との比較を実施する(ステップS13)。
最後に、異常判定部12は、基準値20と測定値10とが略同様の値である場合(ステップS13,Yes)、測定値10が正常であると判定し(ステップS14)、測定データと基準値20が異なる場合(ステップS13,No)、測定値10が異常であると判定する(ステップS15)。
異常判定部12は、各センサ2で測定された個々の測定値10に対して、上述した処理を実施する。そして、車両1に設置された全てのセンサ2の測定値10が正常と判定された場合には、異常検知処理を終了とする。また、車両1に設置されたセンサ2の中に、1つでも測定値10が異常と判定されたものがある場合には、異常原因特定部13において異常原因特定処理を実施する。
次に、本実施の形態による異常原因特定処理について説明する。図3は、異常原因特定処理を説明するためのフローチャートであり、図4は、車軸部分に異常が発生していること示す図であり、図5は、特定区間のレールに異常が発生していること示す図であり、図6は、路線環境による異常が発生していること示す図である。
図3において、異常原因特定部13は、図2のステップS15で、測定値10が異常と判定されたセンサが存在する場合、その周囲のセンサ2に着目し、周囲のセンサ2の測定値10が正常であるとき(ステップS20,Yes)、測定値10が異常と判定されたセンサ2が取り付けられている車軸部に異常、故障、あるいは劣化があると判定する(ステップ21)。判定結果は、異常原因を示す情報14として、例えば、運転台の表示器に対して出力される。
以下、具体的に説明すると、図4において、車両1には、複数のセンサ2a〜2hが配設され、各センサ2a〜2hで測定された測定値10は、異常原因特定装置4に送信される。ここで、センサ2dで測定された測定値10が異常値を示した場合、異常原因特定部13は、周囲のセンサの測定値10が2a、2b、2c、2e、2f、2g、および2hの測定値10が異常値を示しているか否かを判別する。これらの測定値10が正常である場合、異常原因特定部13は、センサ2dが取り付けられている車軸部分に異常などが発生していると判定する。
また、ステップS20において、周囲のセンサ2の測定値10が正常ではない場合(ステップS20,No)、異常原因特定部13は、車両1における異常値を示すセンサ2の取付位置の分布状態を調べ、異常値が車両全体で発生している場合(ステップS22,Yes)、路線環境による異常と判定する(ステップS23)。路線環境による異常は、例えば、橋の上を走行中であった場合などが考えられる。
以下、具体的に説明すると、図6において、上述同様に、車両1には、複数のセンサ2a〜2hが配設されている。センサ2dで測定された測定値10が異常値を示しているだけでなく、周囲の2a、2b、2c、2e、2f、2g、および2hの測定値10の異常値を示している。この場合、異常原因特定部13は、路線環境による異常と判定する。
また、ステップS22において、異常値が車両1の全体で発生していない場合(ステップS22,No)、異常原因特定部13は、異常値が車両の片側のみで発生しているのかを調べる。異常値が車両1の片側のみで発生している場合(ステップS24,Yes)、異常原因特定部13は、特定区間のレールの異常と判定する(ステップS25)。特定区間のレールの異常は、例えば、レールに亀裂が発生している場合や、レールの一部が欠けている場合などが考えられる。
以下、具体的に説明すると、図5において、上述同様に、車両1には、センサ2a、2b、2c、および2dで測定された測定値10が異常値を示しているが、センサ2e、2f、2g、および2hで測定された測定値10は正常である。この場合、異常原因特定部13は、特定区間のレールの異常と判定する。
また、ステップS24において、異常値が車両1の片側のみで発生していない場合(ステップS24,No)、異常原因特定部13は、列車情報9を参照し、列車情報9に異常がある場合(ステップS26,Yes)、運転手による操作ミス、例えば、急激な力行やブレーキ操作などであると判定する(ステップS27)。また、列車情報9に異常がない場合(ステップS26,No)、上述したステップS23、ステップS25、またはステップS27以外の要因であると判定する(ステップS28)。
なお、実施の形態1では、車軸の振動について異常検知および異常原因の特定を実施する態様を一例として示したが、他の要素、例えば、温度を測定するセンサや、異音を検知するセンサなどを車軸に搭載して同様の分析を行う態様であってもよい。
以上に説明したように、本実施の形態にかかる異常原因特定装置4は、移動体である列車の各車両1に搭載されたセンサ2によって機器の振動を測定し、列車内で基準値20と測定値10とを比較を行うことにより異常を検知し、異常値が測定された範囲を特定するようにしたので、走行中に即座に異常原因を特定することが可能である。その結果、例えば、乗務員は、車両内で発生した異常なのか、あるいは路線環境やレールなどの外的要因による異常なのかを知ることができるため、異常原因に応じて冷静な対応をとることが可能である。
実施の形態2.
実施の形態1では、1つの列車内の複数のセンサ2を用いて異常検知および異常原因の特定を実施したが、実施の形態2では、複数の列車間の異常検知および異常原因の特定を行うことが可能である。
本実施の形態は、異常判定部12を有する車上装置7と、異常原因特定部13を有する地上装置30とによって、異常原因特定システムを構成し、異常判定部12にて検知された異常値は、異常原因特定部13に送信され、異常原因特定部13は、同一のキロ程を走行した列車(例えば、図8に示される列車A、B、C)の間にて、異常特定処理を実施する。なお、実施の形態1に示した記憶部11は、車上装置7が有するものとして、以下その説明を省略する。以下、実施の形態1と同様の部分については、同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。
図7は、実施の形態2にかかる異常原因特定システムによる異常原因特定処理を説明するためのフローチャートであり、図8は、特有の列車で発生した異常の具体例を説明するための図であり、図9は、運転操作ミスなどで発生した異常の具体例を説明するための図であり、図10は、路線環境などで発生した異常の具体例を説明するための図である。
異常判定部12は、センサ2で得られた測定値10に対し、実施の形態1における異常検知処理を実施し、検知された異常値は、地上装置30に送信され、異常原因特定部13は、検知された異常値に対し、同一のキロ程を走行した列車A、B、Cの間で、異常特定処理を実施する。すなわち、異常原因特定部13は、各列車(編成)のセンサ2の測定値をキロ程と対応付けて分析し、同一のキロ程において、各列車の各センサ2の測定値を比較して異常を判定する。
図7において、異常原因特定部13は、異常が測定されたセンサ2の箇所に着目し、異なる列車間(編成間)A、B、Cにおいて、同一のキロ程における同一位置のセンサ2の測定値が正常である場合(ステップS30,Yes)、異常が測定された列車(編成)特有の異常であると判定し(ステップS31)、図3のステップS20の工程に移行する(ステップS33)。
以下、具体的に説明すると、図8において、列車A、B、Cの各車両(1〜n号車)には、実施の形態1に示されたセンサ2が配設されている。ここで、列車Bの3号車(異常車両)において異常値が検出された場合、異常原因特定部13は、列車Aの3号車における測定値10と、列車Cの3号車における測定値10とが正常である場合(ステップS30,Yesに相当)、列車Bの特有の異常であると判定し、列車(編成)内のセンサ2の値の分析(ステップS20)に移行する。列車Bの特有の異常は、例えば、列車Bの3号車に配設されたセンサ2が取付られている機器の取付不良などが考えられる。
また、ステップS30において、同一位置のセンサ2の測定値が正常ではない場合(ステップS30,No)、異常原因特定部13は、複数列車に跨がる異常であると判定する。さらに、異常原因特定部13は、周囲の異常値の分布が一致しているかを判定する。周囲のセンサの判定が異なる列車間(編成間)で同一ではない場合(ステップS34,No)、異常原因特定部13は、運転操作ミスかその他の要因と判定する(ステップS35)。
以下、具体的に説明すると、図9において、例えば、列車Bおよび列車Cの3号車の測定値10が異常の場合において(ステップS30,Noに相当)、異常原因特定部13は、3号車の周囲の車両(例えば、2号車)の測定値10が正常であるか否かによって、異常原因を特定する。すなわち、列車Cの2号車の測定値10は正常であるが、列車Bの2号車の測定値10が異常であるとき(ステップS34,Noに相当)、異常原因特定部13は、列車Bの運転操作ミスかその他の要因と判定する。
また、ステップS34において、周囲のセンサの判定が、異なる列車間(編成間)で同一である場合(ステップS34,Yes)、異常原因特定部13は、路線環境やレールなどの外的要因による異常であると判定し(ステップS36)、図3のステップS22の工程に移行する(ステップS37)。
以下、具体的に説明すると、図10において、例えば、列車Bおよび列車Cの3号車の測定値10が異常の場合において(ステップS30,Noに相当)、異常原因特定部13は、3号車の周囲の車両(例えば、2号車)の測定値10が正常であるか否かによって、異常原因を特定する。すなわち、列車B、Cの2号車の測定値10が何れも正常(または異常)であるとき(ステップS34,Noに相当)、異常原因特定部13は、路線環境やレールなどの外的要因による異常であると判定する。
なお、上記説明では、3つの列車を用いて異常原因特定システムの動作を説明したが、列車の数はこれに限定されるものではない。また、ステップS34において、周囲のセンサの値として2号車の測定値10を用いているが、2号車以外の車両から得られた測定値10を用いることができるのは無論である。
以上に説明したように、本実施の形態にかかる異常原因特定システムは、同一のキロ程を走行した列車間で異常特定処理を実施するようにしたので、走行中の列車で発生した異常原因を即座に特定することが可能である。その結果、例えば、地上側の管理者は、異常が発生した列車特有の異常であるのか、路線環境やレールなどの外的要因による異常であるのかを知ることができるため、それらの異常原因の種類に応じた対応を即座にとることが可能である。
実施の形態3.
実施の形態1、2では、車軸の異常検知および原因特定を実施するようにしたが、実施の形態3では、車内に搭載されている冷房、暖房装置などの温度や戸閉装置の振動を測定し、上述同様の分析を行うことによって、これらの機器の異常検知および異常原因の特定を行うことが可能である。以下、実施の形態1、2と同様の部分については、同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。
図11は、実施の形態3にかかる異常原因特定装置による異常原因特定処理を説明するためのフローチャートである。以下、図1に示された異常原因特定装置4を用いて説明する。異常原因特定部13は、測定値10が異常と判定されたセンサ2が存在する場合、周囲のセンサ2に着目し、この周囲のセンサ2の測定値10が正常であるとき(ステップS40,Yes)、測定値10が異常と判定されたセンサ2が取り付けられている箇所の異常、故障、あるいは劣化があると判定する(ステップS41)。
以下、具体的に説明すると、例えば列車内の冷房装置に温度異常センサが設置されている場合において、一の冷房装置にかかる温度センサの測定値10が異常値を示したとき、異常原因特定部13は、周囲の温度センサ(他の冷房装置にかかる温度センサ)の測定値10が異常値を示しているか否かを判別する。これらの測定値10が正常である場合、異常原因特定部13は、一の冷房装置に異常などが発生していると判定する。
次に、ステップS40において、周囲のセンサ2の測定値10が正常ではない場合(ステップS40,No)、異常原因特定部13は、車両1における異常値の分布を調べ、異常値が車両全体で発生している場合(ステップS42,Yes)、指令伝搬装置の異常と判定する(ステップS43)。
次に、ステップS42において、異常値が車両全体で発生していない場合(ステップS42,No)、異常原因特定部13は、列車情報9を参照し、列車情報9に異常がある場合(ステップS44,Yes)、運転手による操作ミス、例えば、冷暖房装置の温度設定の間違いなどであると判定する(ステップS45)。また、列車情報9に異常がない場合(ステップS44,No)、上述したステップS41、ステップS43、またはステップS45以外の要因であると判定する(ステップS46)。
以上に説明したように、本実施の形態にかかる異常原因特定装置4は、様々な機器の測定値10に対して異常原因を特定するようにしたので、列車に搭載された冷房、暖房装置、および戸閉装置などの機器で異常が発生しているのか、これらの機器に指令を伝搬する装置で異常が発生しているのか、あるいは他の要因によるものなのかを特定することが可能である。その結果、列車の運用者は、迅速な復旧作業を行うことが可能である。
以上のように、本発明は、走行中の移動体で測定された測定値を用いて機器の異常を検出する異常原因特定装置、異常原因特定システム、および異常原因特定方法に適用可能であり、特に、走行中の移動体で発生した異常の原因を即座に特定することができる発明として有用である。
1 車両
2 センサ
4 異常原因特定装置
5 ネットワーク
7 車上装置
9 列車情報
10 測定値(動態値)
11 記憶部
12 異常判定部
13 異常原因特定部
14 異常原因を示す情報
20 基準値
30 地上装置
A,B,C 列車

Claims (10)

  1. 列車に適用され、車両に搭載される複数の機器からの動態値を入力として、前記機器にて発生した異常原因を特定する異常原因特定装置であって、
    所定の基準値と前記動態値とを照合し、前記機器毎に前記動態値が正常であるか否かを判定する異常判定部と、
    前記車両毎に、前記動態値が異常と判定された異常機器の車両における取付位置の分布状態に基づいて、異常発生原因が、前記機器固有の要因に起因するかまたは他の要因に起因するかを特定し、異常原因を示す情報として出力する異常原因特定部と、
    を備えたことを特徴とする異常原因特定装置。
  2. 前記異常原因特定部は、
    前記動態値が異常と判定された異常機器以外の機器が正常な動態値を示す場合、前記異常機器が異常発生原因であると特定することを特徴とする請求項1に記載の異常原因特定装置。
  3. 前記異常原因特定部は、
    前記動態値が異常と判定された異常機器以外の機器が異常な動態値を示す場合、前記機器以外の要因が異常発生原因であると特定することを特徴とする請求項1に記載の異常原因特定装置。
  4. 前記動態値は、
    台車に配設された車軸の振動を測定して得られた測定値と、前記台車に配設された車軸の温度を測定して得られた測定値と、前記台車に配設された車軸の音を測定して得られた測定値と、空調装置の吹き出し口の温度を測定して得られた測定値と、戸閉装置の開閉時における振動を測定して得られた測定値と、の少なくとも何れか一つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の異常原因特定装置。
  5. 列車に適用され、各車両内の機器から検出された動態値を管理する車上装置と、前記車上装置から送信された前記動態値を受信する地上装置とを備え、前記機器にて発生した異常の原因を特定する異常原因特定システムであって、
    前記車上装置は、
    所定の基準値と前記動態値とを照合し、前記機器毎に前記動態値が正常であるか否かを判定する異常判定部を有し、
    前記地上装置は、
    前記列車毎に、相対位置が同じ位置の車両同士の前記動態値を比較し、前記動態値が異常と判定された異常車両の分布状態に応じて、異常発生原因が、前記列車固有の要因に起因するか他の要因に起因するかを特定し、異常原因を示す情報として出力する異常原因特定部を有すること、
    を特徴とする異常原因特定システム。
  6. 前記異常原因特定部は、
    前記動態値が異常と判定された異常車両以外の列車内の車両が正常な動態値を示す場合、前記異常車両を含む列車が異常発生原因であると特定することを特徴とする請求項5に記載の異常原因特定システム。
  7. 前記異常原因特定部は、
    前記動態値が異常と判定された異常車両以外の列車内の車両が異常な動態値を示す場合、前記車両以外の要因が異常発生原因であると特定することを特徴とする請求項5に記載の異常原因特定システム。
  8. 前記動態値は、
    台車に配設された車軸の振動を測定して得られた値と、前記台車に配設された車軸の温度を測定して得られた値と、空調装置の吹き出し口の温度を測定して得られた値と、戸閉装置の開閉時における振動を測定して得られた値と、の何れか一つであることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1つに記載の異常原因特定システム。
  9. 列車に適用され、車両に搭載される複数の機器からの動態値を入力として、前記機器にて発生した異常原因を特定する異常原因特定方法であって、
    前記動態値と所定の基準値とを記憶する記憶ステップと、
    前記記憶ステップにて記憶された前記基準値と前記動態値とを照合し、前記機器毎に前記動態値が正常であるか否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップにて前記車両毎に、前記動態値が異常と判定された異常機器の車両における取付位置の分布状態に応じて、異常発生原因が、前記機器固有の要因に起因するか他の要因に起因するかを特定する特定ステップと、
    前記特定ステップにて特定された異常原因を示す情報として出力する出力ステップと、
    を含むこと特徴とする異常原因特定方法。
  10. 列車に適用され、各車両内の機器から検出された動態値を管理する車上装置と、前記車上装置から送信された前記動態値を受信する地上装置とを備え、前記機器にて発生した異常の原因を特定する異常原因特定システムに適用可能な異常原因特定方法であって、
    前記動態値と所定の基準値とを記憶する記憶ステップと、
    前記記憶ステップにて記憶された前記基準値と前記動態値とを照合し、前記車両毎に前記動態値が正常であるか否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップにて前記列車毎に、相対位置が同じ位置の車両同士の前記動態値を比較し、前記動態値が異常と判定された異常車両の分布状態に応じて、異常発生原因が、前記列車固有の要因に起因するか他の要因に起因するかを特定する特定ステップと、
    前記特定ステップにて特定された異常原因を示す情報として出力する出力ステップと、
    を含むこと特徴とする異常原因特定方法。
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