JP2010525079A - ビタミンd療法のための方法および化合物 - Google Patents

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Abstract

1,25−ジヒドロキシビタミンD2を含有してなる方法および組成物が開示される。ヒト患者の血清中副甲状腺ホルモンを低下させるか、あるいは低下した該ホルモンを維持する方法であって、前記患者に、血清中副甲状腺ホルモン濃度を低下させるか、あるいは低下した該ホルモン濃度を維持するのに有効な量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を投与することを含む方法が開示される。剤形および投与計画も開示される。

Description

関連出願の相互参照
米国特許法第119条第(e)項により2007年4月25日出願の米国特許仮出願第60/913853号の利益をこれによって請求する。
本開示は、一般に、ビタミンD療法のための方法および化合物に関する。より詳細には、本開示は、1,25−ジヒドロキシビタミンD2を含有する組成物、および疾患の治療および予防におけるその投与方法に関する。
二次性副甲状腺機能亢進症は、主としてビタミンD欠乏症のため発症する障害である。それは、異常に高められた血中副甲状腺ホルモン(PTH)濃度によって特徴付けられ、早期の発見および治療が欠如すると、副甲状腺過形成および一連の代謝性骨疾患が付随するようになる。それは、慢性腎臓病(CDK)の広く知られた合併症であり、CKDが進行するにつれて発生率が上昇する。二次性副甲状腺機能亢進症は、健康な腎臓を有する個体でも、十分なビタミンDの供給を妨げる環境、文化または食事因子によって発症する場合がある。
二次性副甲状腺機能亢進症およびCKDでのその発生に関して、25−ヒドロキシビタミンD3および25−ヒドロキシビタミンD2からビタミンDホルモン類(まとめて「1,25−ジヒドロキシビタミンD」)を合成するための主な部位である、隣接ネフロンの進行性細胞喪失が存在する。さらに、機能しているネフロンの喪失は、Dホルモンを産生するための反応を触媒する酵素である腎臓の25−ヒドロキシビタミンD−1α−ヒドロキシラーゼの活性を低下させる過剰なリンの保持につながる。これら2つの事象は、ビタミンDの供給が十分であるのに中度から重度のCKDを有する患者において普通に見出される1,25−ジヒドロキシビタミンDの低い血清中濃度を説明する。
血清中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度の低下は、直接および間接的機構によって、増大した、そして最終的には過剰なPTH分泌を引き起こす。生じる副甲状腺機能亢進症は、著しく増大した骨代謝回転、およびその続発症である腎性骨ジストロフィーにつながり、該ジストロフィーには、嚢胞性線維性骨炎、骨軟化症、骨粗鬆症、骨外性石灰化、および関連障害、例えば、骨痛、関節周囲炎症およびMockerberg硬化症などのその他各種疾患を含めることができる。血清中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度の低下は、また、筋力低下、および骨格変形を伴う発育遅滞(最も多くは小児患者で認められる)を引き起こす場合がある。
「ビタミンD」は、広くは、ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンD4などと呼ばれる有機物質を指し、時には、カルシウムおよびリンの恒常性に影響を及ぼすそれらの代謝産物およびホルモン性形態を指すのに大まかに使用される用語である。「ビタミンD欠乏症」は、広くは、直ぐ上で定義したビタミンDの低下したまたは低い血中濃度を指す用語である。
ビタミンDの最も広く認められる形態は、ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)およびビタミンD3(コレカルシフェロール)である。ビタミンD2は、植物中でエルゴステロールから日光曝露中に産生され、ヒトの食餌中には限られた量で存在する。ビタミンD3は、ヒトの皮膚内で7−デヒドロコレステロールから日光への曝露中に作り出され、また、ヒトの食餌中では、主として酪農製品(牛乳およびバター)、特定の魚および魚油、および卵黄中に、ビタミンD2に比べてより大きな量で見出される。ヒトが使用するためのビタミンDサプリメントは、ビタミンD2またはビタミンD3のいずれかからなる。
ビタミンD2およびビタミンD3は、両方とも、肝臓中に存在する1種または複数の酵素によって代謝されてプロホルモンになる。必要とされる酵素は、CYP27A1、CYP2R1、CYP3A4、CYP2J3およびことによるとその他をも含む、ミトコンドリアおよびミクロソームのシトクロムP450(CYP)アイソフォームである。これらの酵素は、ビタミンD2を代謝して、25−ヒドロキシビタミンD2および24(S)−ヒドロキシビタミンD2として知られる2種のプロホルモンに変え、ビタミンD3を代謝して25−ヒドロキシビタミンD3として知られるプロホルモンに変える。2種の25−ヒドロキシル化プロホルモンは、血液中でより重要であり、集合的に「25−ヒドロキシビタミンD」と呼ばれる。ビタミンD2およびビタミンD3は、同一(または類似の)酵素を含む腸細胞などの特定の上皮細胞中で代謝されて、それらのそれぞれの肝臓外プロホルモンになり得るが、肝外でのプロホルモン産生は、血中25−ヒドロキシビタミンD濃度へ多分ほとんど寄与しない。
ビタミンDプロホルモンの肝内および肝外産生の速度は、厳重には調節されておらず、それらの速度は、主として前駆体(ビタミンD2およびビタミンD3)の細胞内濃度と共に変動する。どちらかの前駆体のより高い濃度は、プロホルモンの産生を高め、一方、より低い濃度は、産生を低下させる。プロホルモンの肝内産生は、過剰な血中ホルモン濃度の防止に明らかに向けられてはいるが十分には判明していない機構を介して、高濃度の25−ヒドロキシビタミンDによって阻害される。
ビタミンDプロホルモンは、さらに、CYP27B1(または25−ヒドロキシビタミンD3−1α−ヒドロキシラーゼ)として知られる近位腎尿細管中に存在する酵素によって腎臓中で代謝されて強力なホルモンになる。プロホルモン25−ヒドロキシビタミンD2および24(S)−ヒドロキシビタミンD2は、代謝されて1α,25−ジヒドロキシビタミンD2および1α,24(S)−ジヒドロキシビタミンD2として知られるホルモンになる。同様に、25−ヒドロキシビタミンD3は、代謝されて1α,25−ジヒドロキシビタミンD3(またはカルシトリオール)として知られるホルモンになる。これらのホルモンは、腎臓によって全身送達のために血液中に放出される。血液中で1α,24(S)−ジヒドロキシビタミンD2に比べてはるかにより重要であるのが通常である2種の1α,25−ヒドロキシル化ホルモンは、集合的に「1,25−ジヒドロキシビタミンD」と呼ばれる。ビタミンDプロホルモンは、CYP27B1または類似の酵素を含む角化細胞、肺上皮細胞、腸細胞、免疫系の細胞(例えば、マクロファージ)および特定のその他の細胞中で代謝されて腎臓外ホルモンになるが、このような腎外でのホルモン産生は、進行性CKDにおいて正常な血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度を維持する能力がない。
血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度は、PTHを含むフィードバック機構によって精密に調節される。腎臓の1α−ヒドロキシラーゼ(またはCYP27B1)は、PTHによって刺激され、1,25−ジヒドロキシビタミンDによって阻害される。血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度が降下すると、副甲状腺は、細胞内ビタミンD受容体(VDR)を介してこの変化を感知して、PTHを分泌する。分泌されたPTHは、腎臓のCYP27B1の発現を刺激し、それによって、ビタミンDホルモンの産生を増大させる。血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度が再び上昇するにつれて、副甲状腺は、さらなるPTHの分泌を減衰させる。血中PTH濃度が降下するにつれて、ビタミンDホルモンの腎臓での産生が減少する。血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度の上昇は、また、CYP27B1によるさらなるビタミンDホルモンの産生を直接的に阻害する。
サルコイドーシスなどのいくつかの障害において、またはビタミンDホルモン補充療法でのボーラス投与の結果として発生し得るような、血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度が過剰に高くなる状況で、PTHの分泌は異常に抑制され得る。PTH分泌の過剰抑制は、カルシウム恒常性の撹乱を引き起こす、または悪化させる場合がある。副甲状腺および腎CYP27B1は、血中ビタミンDホルモン濃度の変化に鋭敏であり、その結果、血清中1,25−ジヒドロキシビタミンDは、任意の24時間中に20%未満で上下させて厳重に制御される。ビタミンDホルモンの腎臓での産生と対照的に、腎臓外での産生は、精密なフィードバック制御下にない。
1,25−ジヒドロキシビタミンDおよび基質25−ヒドロキシビタミンDプロホルモンの血中濃度、ならびにそれらの調節は、また、1α−ヒドロキシビタミンD2および19−ノル−1,25−ジヒドロキシビタミンD2などのビタミンDホルモン類似体によって影響される場合がある。
ビタミンDホルモンは、ヒトの健康において、細胞内VDRによって仲介される重要な役割を有する。特に、ビタミンDホルモンは、食餌性カルシウムの腸吸収および腎臓によるカルシウムの再吸収を制御することによって血中カルシウム濃度を調節する。ビタミンDホルモンは、また、細胞の分化および増殖の調節、および正常な骨形成および骨代謝に関与する。さらに、ビタミンDホルモンは、筋骨格、免疫およびレニン−アンジオテンシン系を正常に機能させるのに必要とされる。ビタミンDホルモンに関するその他多くの役割は、ほとんどあらゆるヒト組織中で報告されている細胞内VDRの存在に基づいて仮定され、説明されている。例えば、ビタミンDは、細胞分化および癌において、免疫系の調節(状況に応じて免疫増強または免疫抑制効果)およびアテローム性動脈硬化症において役割を演じると仮定されている。ビタミンD欠乏症は、多くの一般的な癌、多発性硬化症、リウマチ様関節炎、高血圧、心血管性心疾患、およびI型糖尿病のリスクを高める。
特定組織に対するビタミンDホルモンの作用は、それらのホルモンがそれらの組織中の細胞内VDRに結合(または占有)する程度によって左右される。VDRへの結合は、ホルモンの細胞内濃度が上昇するにつれて増加し、細胞内濃度が降下するにつれて減少する。すべての細胞中で、ビタミンDホルモンの細胞内濃度は、血中ホルモン濃度の変化に直接的に比例して変化する。上記で考察したように、CYP27B1(または類似の酵素)を含む細胞中で、ビタミンDホルモンの細胞内濃度も、血中および/または細胞内プロホルモン濃度の変化に直接的に比例して変化する。
ビタミンD2、ビタミンD3およびそれらのプロホルモン性形態は、VDRに対して、ビタミンDホルモンのそれに比べて少なくとも100分の1より低いと見積もられる親和性を有し、受容体を効果的に活性化しない。結果として、生理学的濃度のこれらのホルモン前駆体は、ビタミンDホルモンへの事前の代謝がなければ、あったとしてもわずかな生物学的作用しか発揮しない。しかし、超生理学的濃度のこれらのホルモン前駆体、特に通常に比べて10〜1,000倍高い範囲のプロホルモンは、VDRを十分に占拠し、ビタミンDホルモンに似た作用を発揮する。
ビタミンD2およびビタミンD3の血中濃度は、日光曝露および栄養非補給食から継続的で十分なビタミンDの供給が与えられるなら、ヒトの血液中に安定な濃度で存在するのが通常である。栄養非補給食は、ビタミンDで補強された食品を含むものでさえビタミンD含有量が低いので、食事後に生じる血中ビタミンD濃度の増加は、あってもわずかである。ヒトの食餌のビタミンD含有量は、そのように低いので、国立保健研究所(NIH)は、「天然食品供給源から十分なビタミンDを得ることは困難である場合がある」と警告している[NIH、食餌サプリメント局(Office of Dietary Supplements)、食餌サプリメントデータ表(Dietary Supplement Fact Sheet);ビタミンD(2005)]。ヒトのビタミンD供給のほとんどすべては、強化食品、日光曝露または食餌サプリメントに由来し、最後の供給源がますます重要になりつつある。皮膚内の7−デヒドロコレステロールは、UV照射によってプレ−ビタミンD3に変えられ、そのプレビタミンは、皮膚内で数日にわたって熱転化を受けてビタミンD3となった後に血液中に循環するので、血中ビタミンD濃度は、上昇するにしても徐々にしか上昇しない。
健康な個体では、血中ビタミンDホルモン濃度も、一般には1日を通して一定なままであるが、日光曝露の季節的変化またはビタミンD摂取量の継続的変化に応答して長期にわたって相当に変化する場合がある。健康な個体の間で、ビタミンDホルモンの通常濃度に関して著しい差異が普通に観察され、若干の個体は、ほぼ20pg/mL程度の低い、他の者はほぼ70pg/mL程度の高い安定した濃度を有する。この広い通常範囲のため、医療専門家は、血清中総1,25−ジヒドロキシビタミンDに関する実験室での孤立的測定値を解釈する上での困難性を有し;25pg/mLの値は、ある個体にとっては正常値に、あるいは別の個体では相対的欠乏症に相当する可能性がある。
一時的に低い血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度は、副甲状腺を刺激して、PTHを短時間分泌させるが、正常な血中ビタミンDホルモン濃度に戻ると終了する。対照的に、慢性的に低い血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度は、副甲状腺を絶えず刺激してPTHを分泌させ、二次性副甲状腺機能亢進症として知られる障害をもたらす。慢性的に低いホルモン濃度は、また、腸でのカルシウム吸収を低下させ、血中カルシウム濃度の低下(低カルシウム血症)に至らしめ、このことがさらにPTH分泌を刺激する。絶えず刺激される副甲状腺は、ますます過形成となり、ついにはビタミンDホルモンによる調節に対する抵抗性を発現する。早期の発見および治療がないと、二次性副甲状腺機能亢進症は、累進的に重症度を増し、骨粗鬆症および腎性骨ジストロフィーを含む弱体化していく代謝性骨疾患を引き起こす。
慢性的に低い血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度は、CKDにおいて普通に発生する事態である、必要とされるビタミンDホルモンの供給量を産生するための腎CYP27B1の不足が存在する場合に発生する。腎CYP27B1の活性は、機能するネフロンの減少により糸球体濾過値(GFR)がほぼ60mL/分/1.73m2未満に降下すると減退する。末期腎疾患(ESRD)において、腎臓が完全に衰え、生存のために血液透析が必要とされる場合、腎CYP27B1は、まったく存在しないようになることが多い。任意の残存CYP27B1は、食事性リンの不十分な腎排泄によって引き起こされる高い血清中リン(高リン血症)によって大きく阻害される。
慢性的に低い血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度は、また、ビタミンDプロホルモンの欠乏のため発生する。なぜなら、腎でのホルモン産生は、必要とされる前駆体がないと進行できないからである。プロホルモンの産生は、しばしば「ビタミンD不足」、「ビタミンD欠乏症」または「低ビタミンD症」などの用語で説明される状態である、コレカルシフェロールおよびエルゴカルシフェロールが供給不足である場合に著しく低下する。したがって、血中25−ヒドロキシビタミンD濃度の測定は、ヘルスケアー専門家の間で是認されたビタミンDの状態を監視するための方法になっている。最近の研究は、大部分のCKD患者が低い血中25−ヒドロキシビタミンD濃度を有すること、およびビタミンD不足および欠乏症の有病率はCKDが進行するにつれて増大することを報告している。
結果として、慢性的に低い血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度を最も発生し易い個体は、CKDを有する者である。ほとんどのCKD患者は、典型的には、低下した腎CYP27B1濃度をおよび25−ヒドロキシビタミンDプロホルモンの不足を有する。驚くべきことではないが、ほとんどのCKD患者は、二次性副甲状腺機能亢進症を発症する。残念ながら、CKDにおける二次性副甲状腺機能亢進症の早期の発見および治療は、まれであり、ましてや予防は稀有である。
米国腎臓財団(The National Kidney Foundation)(NKF)は、最近、Kidney Disease Outcomes Quality Initiative(K/DOQI)の慢性腎臓病における骨代謝および骨疾患の臨床実践ガイドライン(Clinical Practice Guidelines for Bone Metabolism and Disease in Chronic Kidney Disease)を発表することによって、二次性副甲状腺機能亢進症の早期の発見および治療に対する必要性に関する医療界の注意に焦点をあわせている(Am.J.Kidney Dis.42:S1〜S202、2003)。K/DOQIガイドラインは、二次性副甲状腺機能亢進症の主な病因を慢性的に低い血中1,25−ジヒドロキシビタミン濃度と認め、CKDのステージ3〜5において、ステージに特異的なPTH目標範囲に比較して高められた血中PTH濃度について規則的にスクリーニングを行うことを推奨した。CKDのステージ3は、35〜70pg/mLの全分子PTH(iPTH)目標範囲を有する中程度に低下した腎臓機能(30〜59mL/分/1.73m2のGFR)と定義され;ステージ4は、70〜110pg/mLのiPTH目標範囲を有する激しく低下した腎臓機能(15〜29mL/分/1.73m2のGFR)と定義され;ステージ5は、150〜300pg/mLのiPTH目標範囲を有する腎不全(15mL/分/1.73m2未満のGFRまたは透析)と定義される。スクリーニングによりiPTH値がCKDのステージ3および4に対して目標とされる範囲を超えていることが明らかになった場合に、ガイドラインは、ビタミンD不足または欠乏症の可能性を発見するために、血清中総25−ヒドロキシビタミンDの追跡評価を推奨した。30ng/mL未満の25−ヒドロキシビタミンDが観察された場合、推奨される介入は、経口で投与されるエルゴカルシフェロールを使用するビタミンD充足療法であった。30ng/mLを超える25−ヒドロキシビタミンDが観察されたなら、推奨される介入は、既知の経口または静脈内ビタミンDホルモンもしくは類似体を使用する、ビタミンDホルモン補充療法であった。ガイドラインは、ビタミンDホルモン補充製品のための包装挿入物中の食品医薬品庁により要求された警告書と一致して、ビタミンD充足およびビタミンDホルモン補充療法の同時適用を推奨しなかった。
NKFのK/DOQIガイドラインは、ビタミンDの十分量を≧30ng/mLの血清中25−ヒドロキシビタミンD濃度と規定した。16〜30ng/mLの血清中25−ヒドロキシビタミンDと規定された「ビタミンD不足」を有する患者に対して推奨されるビタミンD充足療法は、1カ月につき50,000IUの経口ビタミンD2を6カ月間と規定し、毎月1回の投与、または1日につきほぼ1,600IUの分割投与のどちらかで与えられた。「ビタミンD欠乏症」を有する患者のための推奨される充足療法は、より集中的であり、5〜15ng/mLの血清中25−ヒドロキシビタミンDとして規定される「軽度」の欠乏症の場合、ガイドラインは、1週につき50,000IUの経口ビタミンD2を4週間、続いて、1カ月につき50,000IUをさらに5カ月間を推奨し;5ng/mL未満の血清中25−ヒドロキシビタミンDとして規定される「重症」欠乏症の場合、ガイドラインは、50,000IU/週の経口ビタミンD2を12週間、続いて、50,000IU/月をさらに3カ月間を推奨した。1週につき50,000IUの投与量は、1日につき7,000IUにほぼ相当する。
ビタミンDの代謝および機能に関するほとんどの概念は、実験モデルとしてのラットおよび/またはニワトリを用いて展開されてきた。ビタミンDの代謝を研究することは、哺乳動物における通常条件下でのビタミンD代謝物の通常の循環濃度に関するデータの不足によって妨げられる。最近のほとんどの研究は、ビタミンDの状態または異常な生理学的状態の指標としての25−ヒドロキシビタミンDおよび1,25−ジヒドロキシビタミンDの分析に焦点を合わせている。
ビタミンDの発見後まもなく、ビタミンD2およびD3は、ほとんどの哺乳動物において類似の生物学的活性を有することは明らかであると思われた。高感度分析技術の発見および高比活性3H標識化ビタミンD種の利用可能性によって促進されたより最近の研究は、哺乳動物におけるビタミンD2とD3との代謝の相違は、ことによると広いことを指摘している。最も注目に値するのは、ブタ(Biochem J.204:185〜189)、ウシ(J Nutr 113:2595〜2600)、およびヒト(Gene Regulation,Structure−Function Analysis and Clinical Application、Walter de Gruyter.Berlin、pp765〜766)によるビタミンD2に対する明らかな差別、ならびにラットによるビタミンD2の明らかな優先である(Biochem J 204:185〜189、J Bone Miner Res 5(Supplement2):S265)。
ビタミンDおよびその代謝産物は、ビタミンD結合タンパク質(DBP)に結び付けられて脊椎動物の血中に運ばれる。Bairdらは、タンパク質への結合が、ステロイドの溶解性を高めること、およびステロイドの代謝クリアランス速度が、それらステロイドの特定の血漿中タンパク質への結合に一部依存することを明らかにした(Recent Prog Horm Res.25:611〜664)。
HayおよびWatsonは、63種の脊椎動物種におけるDBPの25−ヒドロキシビタミンD2および25−ヒドロキシビタミンD3に対する親和性を研究した(Comp Biochem Physiol 56B:375〜380)。彼らは、研究した種の多くが、25−ヒドロキシビタミンD3の方を選んで、25−ヒドロキシビタミンD2を差別することを見出した(Biochem J 204:185〜189)。しかし、ラットにおいて、差別は、ビタミンD3に対してであり、ビタミンD2を選ぶ。ラットのDBPは、25−ヒドロキシビタミンD2および25−ヒドロキシビタミンD3に対して等しい親和性を有するが、ビタミンD3に比較してビタミンD2に対してより低い親和性を有することが知られている(Steroids 37:581〜592)。Reddyらは、ビタミンD2に対する親和性が低いほど、肝臓内25−ヒドロキシル化に対して増強された利用可能性をもたらすことを示唆した(Calci Tissue Int 36:524)。それ故、DBPの存在下で、等量のビタミンD2またはビタミンD3の基質をラットの肝臓中に灌流する場合、25−ヒドロキシビタミンD3に比較してより多くの25−ヒドロキシビタミンD2が作られた。Reddyらによって行われた実験で、灌流媒体から結合タンパク質を除去すると、等量の25−ヒドロキシビタミンD2と25−ヒドロキシビタミンD3とが合成された。集合的に、これらのデータは、異なる形態のビタミンDに対する差別が、おそらく、親化合物および/またはそれらの1種もしくは複数の代謝産物に対するDBPの親和性の相違に由来する可能性があることを示唆している。差別の機構にかかわらず、これらの相違は、種に対して、それらの環境中で利用可能な最も豊富なビタミンD代謝産物の最も効率的な利用を提供するために存在すると思われる。
ビタミンD2の代謝経路の完全な解明に関する重大な疑問は、未回答のままであり、かつビタミンD2とD3の代謝に関する種差は、今なお、事実上調べられていない。薬理学的介入としてのビタミンDの導入は、それらの代謝、組織動態、作用機構、および潜在的治療用途に関するまったく異なる一連の論争をもたらしてきた。
ビタミンD受容体は、人体のいたるところに広範な種類の細胞中に存在し、ビタミンDホルモンは、PTH系に対するその「古典的」効果を超えて、細胞増殖、免疫系および心血管系に対する多様な「非古典的」生物学的効果を有するという報告が存在している。25−ヒドロキシビタミンD2は、副甲状腺細胞に対してPTHを抑制する上での直接的効果を有することも報告されている(Kidney International、70(4):654〜659、August 2006)。ビタミンD2は、ビタミンD3の3分の1未満の効力であり、ビタミンD3に比較してより短い作用持続時間を示し;50,000IUのエルゴカルシフェロールまたはコレカルシフェロールを健康なヒト男性へ投与すると、投与されたビタミンの血清中濃度が同様に上昇し、同等の吸収を示すが、25−ヒドロキシビタミンD2濃度が早期に降下し、14日目の時点でベースラインと同じであるのに対して、25−ヒドロキシビタミンD3濃度は、14日目の時点で最高点に達するという1つの報告が存在している(J.Clin.Endocrinol.Metab.、89(11):5387〜5391(2004))。
したがって、25−ヒドロキシビタミンD化合物および1,25−ジヒドロキシビタミンD化合物のPTH抑制に対する相対的寄与、1,25−ジヒドロキシビタミンD2および1,25−ジヒドロキシビタミンD3のインビボでの相対的効力、およびこれら各ホルモンの非古典的な生物学的効果の範囲は、明瞭には解明されていない。理想的には、低い毒性でもってPTH濃度、免疫状態および/または心血管の健康状態に対して有益な効果を提供する、代わりのビタミンD療法がなお必要とされている。
一態様において、本開示は、ある量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を投与することによって、患者における血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度を高めるか、あるいは維持する方法を提供する。上記で言及したように、北方地域に居住することを含む多くの条件が、1,25−ジヒドロキシビタミンD欠乏症につながることがある。治療を必要とするそれら患者の1,25−ジヒドロキシビタミンD2での治療は、1,25−ジヒドロキシビタミンDに関する患者の正常な経歴の範囲内に高められ、あるいは維持された血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度を提供することができる。このような投与は、そのすべてがビタミンD化合物での治療を受ける場合のリスクとして認識されている、高カルシウム血症、高リン血症、または血漿中全分子副甲状腺ホルモン(PTH)の過剰抑制のリスクを実質的に高めないで、実施することができる。さらに、血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度を、投与の間、スパイク状およびトラフ状濃度パターンを排除して、患者の歴史的生理学的範囲に維持することができる。別の態様において、本開示は、1,25−ジヒドロキシビタミンD欠乏症の1つまたは複数の症状、例えば、ビタミンDの非古典的効果に関する欠乏症の症状を軽減するように、ある量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を投与する方法を提供する。
さらに別の態様において、本開示は、患者に本明細書中の開示により有効量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を投与することによって、ヒト患者において同時に次の効果、すなわち、血漿中全分子副甲状腺ホルモン濃度を低下させるか、または維持すること;血清中カルシウム濃度を高める、あるいは維持すること;血清中リン濃度を維持すること;血清中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度を高めること;および血清中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度を維持することの1つまたは複数を有する方法を提供する。多くの疾患は、1種を超えるホルモンおよびミネラルの異常な濃度となって現れる。CKDにおいて、例えば、患者は、1,25−ジヒドロキシビタミンDの減少、PTHの増加、および血清中リンの増加を経験する可能性がある。本開示による治療は、これらの各種ホルモンおよびミネラル濃度の同時の平準化および/または維持を提供することができる。
本明細書中の開示は、患者に本明細書中の開示により有効量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を投与して、疾患を患うヒト患者における血清中副甲状腺ホルモン(PTH)濃度を低下させること(または低く維持すること)によって、慢性腎臓病に続発する副甲状腺機能亢進症を治療および/または予防する方法を提供する。該方法は、このような患者で発症することのある腎性骨ジストロフィーを改善または予防できる。
一態様において、ヒト患者における血清中副甲状腺ホルモンを低下させるか、あるいは低下した該ホルモンを維持する方法は、血清中副甲状腺ホルモン濃度を低下させるか、あるいは低下した該ホルモンを維持するために、本明細書中の開示により1,25−ジヒドロキシビタミンD2の治療上有効な量、好ましくは、血清中PTH濃度を少なくとも15%、20%、25%、または30%低下させる量、あるいは血清中PTH濃度をCKDステージに関する目標範囲(例えば、ステージ3では35〜70pg/mL(3.85〜7.7ピコモル/Lに相当)、ステージ4では70〜110pg/mL(7.7〜12.1ピコモル/Lに相当)、およびステージ5では150〜300pg/mL(16.5〜33.0ピコモル/Lに相当)である)(K/DOQIガイドラインN0.1に定義されている)まで低下させるのに必要な量を前記患者に投与することを含む。
別の態様において、該方法は、慢性腎臓病(ステージ3、4または5)に続発する副甲状腺機能亢進症を患う患者に、血清中PTH濃度を低下させるために本明細書中の開示により有効量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を投与することを含む。二次性副甲状腺機能亢進症およびその他の療法の場合、1,25−ジヒドロキシビタミンD2は、例えば、1週につき1μg〜約100μgの量で投与されることが考えられる。
本明細書中の開示は、また、血清中(または血漿中)PTHを低下させる活性を有し、単位剤形中に有効量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2および医薬として許容し得る賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。
本明細書中に記載の治療方法は、1,25−ジヒドロキシビタミンD3、1α−ヒドロキシビタミンD3、19−ノル−1,25−ジヒドロキシビタミンD2、およびその他の活性ビタミンD類似体を用いる通常のビタミンD補充療法に対する代替法である。
実施形態において、該方法は、安全性および他のビタミンD2化合物に付随する患者の生存上の利益を有するが、加えて、既知の合成代替物に比べて1,25−ジヒドロキシビタミンD3の古典的および非古典的機能をより完全に取って代わることができる活性ビタミンD化合物を提供することによって特徴付けられる。かくして、該方法は、ビタミンDの不足または欠乏症に付随する二次性副甲状腺機能亢進症、およびその他の状態に対する療法に関して久しく感じられていた必要性に焦点をあてる。
方法および組成物は、キロミクロンを介するリンパ系中への吸収よりも血流中への吸収を直接的に促進することによって含有される1,25−ジヒドロキシビタミンD2の生物学的利用能を有意に増大させること;上部小腸の腸細胞中での異化を低減することによって含有される1,25−ジヒドロキシビタミンD2の生物学的利用能を有意に増大させること;十二指腸上での含有される1,25−ジヒドロキシビタミンD2の望ましくない初回通過効果を有意に低下させること;血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度の有害な超生理学的急増の発生を有意に回避すること;血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度の最適濃度未満への低下を有意に予防すること;血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度を最適濃度まで有意に戻すこと;血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度をこのような最適濃度に有意に維持すること;ビタミンD代謝の混乱、ならびに関連するPTH、カルシウムおよびリンの恒常性の異常を有意に低減すること;およびビタミンDホルモン補充に付随する高カルシウム尿症、高カルシウム血症、高リン血症、およびビタミンDの毒性を含む深刻な副作用の危険を有意に低減することなどの1種または複数の利点と関連していると思われる。
別の態様において、本発明は、慢性腎臓病(ステージ3、4または5)を患うヒトにおける血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度を、慢性治療(例えば、少なくとも30日、または2、3、4、5もしくは6カ月、または一生を通した継続療法)により、25−ヒドロキシビタミンDおよび1,25−ジヒドロキシビタミンD3の漸進的減少を回避すると同時に、もとに戻しかつ維持するのに有効な方法を提供する。典型的な実施形態では、慢性腎臓病を有し、1,25−ジヒドロキシビタミンDの不足または欠乏症を患うヒトの治療が考えられる。
本明細書に記載の方法は、また、限定はされないが、活性型ビタミンDの投与に応答する骨量減少性障害;活性型ビタミンDの投与に応答する免疫応答障害;高血圧;細菌感染症;心血管疾患;吸収不良障害;癌、および1,25−ジヒドロキシビタミンDの不足および欠乏症を含む、ヒトにおける状態の治療または予防で有用であることを意図している。期待される有益な効果には、障害の改善が含まれる。
要約すれば、本開示の各種態様は、低い血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度、高められたPTH濃度、高められた血清中リン濃度、および低い血清中カルシウム濃度に関連するする状態を予防および/または治療するための治療方法を提供することができる。該方法は、血清中カルシウム、血清中リン、および血清中1,25−ジヒドロキシビタミンD2の正常化されたまたは目標とする濃度を維持すると同時に、高められた血中副甲状腺ホルモン濃度を低下させるのに、および/または低められた血中PTH濃度を維持するのに適している。本明細書中に記載の方法は、また、骨の低い代謝回転速度、すなわち動的骨疾患を回避または予防すると同時に、PTH濃度を低下させるまたは維持するために、必要とする対象にある量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を投与することによって、PTHの過剰抑制のリスクを軽減することを含む。
さらなる態様および利点も、当業者にとっては、以下の詳細な説明を検討することから明らかであろう。方法および組成物は、各種形態での実施形態が可能であるが、以下の説明には、具体的実施形態を含める。その開示は、例示であり、本発明を本明細書に記載の具体的実施形態に限定することを意図しないと理解されたい。
本発明の理解をさらに容易にするために、ここに12の図面を添付する。
実施例3により、対照、カルシトリオール、および1,25−ジヒドロキシビタミンD2で治療したアデニン誘発腎不全を有するラットにおいて測定されたiPTH濃度を示す図である。 図2は、実施例3により、カルシトリオールで治療した動物について測定された血清中カルシウム濃度を示す図である。 図3は、実施例3により、1,25−ジヒドロキシビタミンD2で治療した動物について測定された血清中カルシウム濃度を示す図である。 図4は、実施例3により、カルシトリオールで治療した動物について測定された血清中リン濃度を示す図である。 図5は、実施例3により、1,25−ジヒドロキシビタミンD2で治療した動物について測定された血清中リン濃度を示す図である。 図6は、実施例3により、カルシトリオールで治療した動物についての生存データを示す図である。 図7は、実施例3により、1,25−ジヒドロキシビタミンD2で治療した動物についての生存データを示す図である。 実施例3により、対照、カルシトリオール、および1,25−ジヒドロキシビタミンD2で治療したアデニン誘発腎不全を有するラットにおける相対的腎内FN1誘導を示す図である。 実施例4により、ヒト腸ミクロソームと共にインキュベートした後に残存している%カルシトールおよび%1,25−ジヒドロキシビタミンD2を示す図である。 図10は、実施例5により、カルシトリオールおよび1,25−ジヒドロキシビタミンD2と共にインキュベートした後に測定されるC2BBel細胞中でのアルカリホスファターゼの活性を示す図である。 図11は、実施例5により、カルシトリオールおよび1,25−ジヒドロキシビタミンD2と共にインキュベートした後に測定されるC2BBel細胞中でのCYP24の活性を示す図である。 実施例6により、カルシトリオール、1,25−ジヒドロキシビタミンD2、およびビタミンD類似体と共にインキュベートした後の、Caco−2−細胞中での腸アルカリホスファターゼ(IAP)活性を示す図である。
1,25−ジヒドロキシビタミンD2は、慢性腎臓病(CKD)を治療するための現在の療法に優るいくつかの重要な潜在的利点を有する。1,25−ジヒドロキシビタミンD2は、19−ノル−1,25−ジヒドロキシビタミンD2を包含するD2類似体の部類に属する。
しかし、19−ノル−1,25−ジヒドロキシビタミンD2は、1,25−ジヒドロキシビタミンD2および1,25−ジヒドロキシビタミンD3と比較して、ビタミンD受容体との改変された相互作用、それによる異なる遺伝子発現を生じさせると考えられる重要なA環の修正を有する。19−ノル−1,25−ジヒドロキシビタミンD2での慢性治療は、1,25−ジヒドロキシビタミンD3濃度の低下につながる。また、19−ノル−1,25−ジヒドロキシビタミンD2での治療期間(24〜48時間)の後に、組織は、該化合物の活性に対して特異的に敏感になる。例えば、19−ノル−1,25−ジヒドロキシビタミンD2の低カルシウム血症活性は、腸および骨の感受性低下に帰せられており、該低下は、これら組織の代謝活性の変化による。
19−ノル−1,25−ジヒドロキシビタミンD2は、インビボでの骨吸収を促進する上でのその効力が、1,25−ジヒドロキシビタミンD3に比べほぼ10分の1未満である。しかし、骨代謝のマーカーを調べるインビトロ研究は、培養での19−ノル−1,25−ジヒドロキシビタミンD2および1,25−ジヒドロキシビタミンD3のVDR発現、細胞増殖の抑制、オステオカルシンおよびアルカリホスファターゼの活性調節に対する効果は、見分けがつかないことを示す。しかし、逆に、Caco−2細胞を使用する研究において、19−ノル−1,25−ジヒドロキシビタミンD2は、カルシウム輸送に対して有意な影響を示さなかったが、一方、1,25−ジヒドロキシビタミンD3は、カルシウム輸送を934%刺激した。また、19−ノル−1,25−ジヒドロキシビタミンD2は、転写レベルでCYP3A9遺伝子の差別的調節を示す。
なんらかの特定の理論によって拘束されることを意図するものではないが、VDRのレベルで、VDRが特定遺伝子の転写調節に対して作用する能力の変化を生じさせる、19−ノル−1,25−ジヒドロキシビタミンD2との若干の明白な相互作用が存在すると考えられる。したがって、19−ノル−1,25−ジヒドロキシビタミンD2は、1,25−ジヒドロキシビタミンD3のすべての機能を完全に取って代わることができないと考えられる。
循環している主要なビタミンD代謝産物のすべては、DBPおよび/またはアルブミンあるいはリポタンパク質に結合する。通常、ビタミンD代謝産物によるDBP占有率は、ほぼ2%である。いくつかの研究は、24,25−ジヒドロキシビタミンD3、1,24,25−トリヒドロキシビタミンD3、および1,25−ジヒドロキシビタミンD3などの、25−ヒドロキシビタミンD3の代謝産物が、対応するD2の代謝産物に比べて、DBPに対してより高い親和性を有することを発見したが、ヒトのDBPに関するより最近の研究は、D2の代謝産物が、ビタミンD3の代謝産物のそれに比べて、DBPに対して同等またはわずかに低い親和性を有することを指摘している。したがって、DBPへの結合に関して、1,25−ジヒドロキシビタミンD2と1,25−ジヒドロキシビタミンD3との間に有意な差異は存在しないと考えられる。
対照的に、19−ノル−1,25−ジヒドロキシビタミンD2は、DBPに対して、1,25−ジヒドロキシビタミンD3に比べてより低い(3分の1)親和性を有する。この後者の観察は、19−ノル−1,25−ジヒドロキシビタミンD2の短縮された半減期(慢性腎不全を有する患者での15時間、およびステージ4のCKDを有する患者での20時間に比較して、健康な患者では4〜6時間)を説明できる。短い半減期は、CYP24の誘導が通常のビタミンDホルモンおよびプロホルモンの貯蔵を涸渇させるにつれて、ホルモンのスパイクに「ビタミンD欠乏症」の期間が続く可能性があるので、長期間にわたって患者にとって有害であると考えられる。さらに、後で説明するような維持放出性送達系が望ましい。
19−ノル−1,25−ジヒドロキシビタミンD2、1,25−ジヒドロキシビタミンD3および1,25−ジヒドロキシビタミンD2は、すべて、CYP24を誘導するので、これらの薬剤のいずれかでの慢性治療は、25−ヒドロキシビタミンD3および1,25−ジヒドロキシビタミンD3の漸進的減少を生じさせる。したがって、補充療法に使用されるビタミンDホルモンが、長期にわたってビタミンD3ホルモンの古典的および非古典的機能のすべてを取って代わることができることが重要である。ビタミンD2は、ビタミンD3の栄養代替物として使用されている。1,25−ジヒドロキシビタミンD2は、安全性および患者の生存上の利益に基づいて、1,25−ジヒドロキシビタミンD3に優る利点を有すると考えられる。さらに、1,25−ジヒドロキシビタミンD2は、1,25−ジヒドロキシビタミンD3の古典的および非古典的機能を完全に取って代わることができるので、19−ノル−1,25−ジヒドロキシビタミンD2およびその他のビタミンDホルモン類似体に優る利点を有すると考えられる。
上記で説明したように、19−ノル−ジヒドロキシビタミンD2による差別的遺伝子調節、および腸および腎臓などの特定組織中でのこの化合物に対する獲得抵抗性は、25−ヒドロキシビタミンD3および1,25−ジヒドロキシビタミンD3の治療で誘導されるCYP24の激減と一緒になって、特定のビタミンD依存性機能のためのビタミンD欠乏症の長期治療に優る正味の効果を有する可能性がある。例えば、破骨細胞の機能を刺激する上での19−ノル−ジヒドロキシビタミンD2の低下した効力は、破骨細胞機能の調節が、骨の再建にとって決定的に重要なので、長期の療法にわたって重要な考慮すべき事柄である可能性がある。骨再建動力学の変化は、結局、骨の構造的完全性を変える可能性がある。したがって、1,25−ジヒドロキシビタミンD2は、高められた相対的な患者の生存上の利益を伴って、1,25−ジヒドロキシビタミンD3に対するそのより密接な生化学的および生理学的同等性に基づいて、長期ホルモン補充療法に対して相当の利益を有すると考えられる。
一実施形態において、本明細書に記載の方法および組成物による1,25−ジヒドロキシビタミンD2の投与は、高められた安全性を伴って、1,25−ジヒドロキシビタミンD3に対して生理学的同等性を示す。別の実施形態において、例えば、血清中カルシウム(Ca)濃度を、当技術分野で周知の技術によって比較して安全性を評価することができる。別の例として、無機リン(Pi)濃度を、当技術分野で周知の技術によって比較して安全性を評価することができる。血漿中全分子副甲状腺ホルモン(iPTH)濃度を、当技術分野で周知の技術によって比較して安全性を評価することができる。
上記で説明したように、1,25−ジヒドロキシビタミンD3は、PTH系に対するその「古典的」効果を超える、細胞増殖、免疫系および心血管系に対する効果などの多様な「非古典的」な生物学的効果を有する。本明細書に記載の方法および組成物による1,25−ジヒドロキシビタミンD2の投与は、好ましくは、1種または複数の類似の効果を有する。
一実施形態において、本明細書に記載するような1,25−ジヒドロキシビタミンD2の投与は、レニン−アンジオテンシン系に対して、1,25−ジヒドロキシビタミンD3によって典型的に示される1種または複数の非古典的効果に寄与する。例えば、実施形態の一類型において、本明細書中に記載するような1,25−ジヒドロキシビタミンD2の投与は、レニン−アンジオテンシン系の負の内分泌調節を提供する。
別の実施形態において、本明細書に記載するような1,25−ジヒドロキシビタミンD2の投与は、骨に対して、1,25−ジヒドロキシビタミンD3によって典型的に示される1種または複数の非古典的効果、例えば、カルシウムおよびリンの恒常性に寄与する。1,25−ジヒドロキシビタミンD2投与の効果を、骨に対する直接的および間接的効果に関して比較できる。例えば、カルシウム流、オステオカルシン、酸性およびアルカリ性ホスファターゼ活性、ならびにインターロイキン−6(IL−6)の調節に対する効果を判定できる。動物モデルにおいて骨の無機化に対する効果を直接的に判定できる。
さらに別の実施形態において、本明細書に記載するような1,25−ジヒドロキシビタミンD2の投与は、免疫調節活性に対して、1,25−ジヒドロキシビタミンD3によって典型的に示される1種または複数の非古典的効果に寄与する。1,25−ジヒドロキシビタミンD3の免疫調節特性は、自己免疫疾患の種々のモデルで立証されている。例えば、1,25−ジヒドロキシビタミンD3は、樹状細胞のインビトロでの分化および成熟を阻害することが示されており、T細胞の低応答性の誘導をもたらし、ヒト末梢血リンパ球(PBL)の刺激をもたらし、成長促進性リンホカインインターロイキン−2を阻害し、かつマイトジェン活性化リンパ球の増殖を阻害することが示されている。
当業者は、前記のような効果を検出するための方法を決定することができる、さらに、遺伝子配列のマイクロチップ分析によって調整された遺伝子の比較も考えられる。
本明細書中で使用する場合、用語「ビタミンDの毒性」は、悪心、嘔吐、多尿症、高カルシウム尿症、高カルシウム血症および高リン血症の1つまたは複数を含む、過剰に高められた血中ビタミンD濃度で悪化する副作用を指すことを意味する。
「ビタミンD不足および欠乏症」は、一般に、30ng/mL未満の血清中25−ヒドロキシビタミンD濃度を有することと定義される(参照により本明細書に組み込まれる、米国腎臓財団のガイドライン、NKF、Am.J.Kidney Dis.42:S1〜S202(2003)を参照のこと)。
本明細書中で使用する場合、用語「高カルシウム血症」は、10.2mg/dLを超える補正後血清中カルシウム濃度を有する患者の状態を指す。ヒトの正常な補正後血清中カルシウム濃度は、約8.6〜10.2mg/dLである。
本明細書中で使用する場合、用語「高リン血症」は、4.6mg/dLを超える血清中リン濃度を有し、正常な腎機能またはステージ3〜4のCKDを有する患者の状態を指す。ステージ5のCKDを有する患者において、高リン血症は、該患者が5.5mg/dLを超える血清中濃度を有する場合に見出される。ヒトにおける血清中リンの正常値は、2.5〜4.5mg/dLである。
本明細書中で使用する場合、用語「血漿中iPTHの過剰抑制」は、15pg/mL未満の血漿中iPTH濃度を有し、正常な腎機能、またはステージ1〜3のCKDを有する患者の状態を指す。ステージ4のCKDを有する患者において、血漿中iPTHの過剰抑制は、該患者が、30pg/mL未満の血漿中iPTH濃度を有する場合に見出される。ステージ5のCKDを有する患者において、血漿中iPTHの過剰抑制は、該患者が、100pg/mL未満の血漿中iPTH濃度を有する場合に見出される。
本明細書中で使用する場合、用語「ビタミンDホルモン補充療法」は、患者に有効量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を、細胞内VDRを実質的に占拠できるビタミンDの他の代謝産物および類似体と任意選択で一緒に投与することを指す。好ましくは、活性ビタミンDの投与は、1,25−ジヒドロキシビタミンD2単独による。
本明細書中で使用する場合、1,25−ジヒドロキシビタミンD2の血清中または血中濃度に関して、用語「実質的に一定」は、好ましくは、制御放出性製剤の放出プロフィールが、好ましくは少なくとも30分、または4時間などから任意に選択される期間にわたって、それぞれ単位投与量の投与後にほぼ75pg/mLを超える血清中または血中総1,25−ジヒドロキシビタミンD2濃度の増加を含むべきではないことを意味する。
本明細書中で使用する場合、用語「制御放出(controlled release)」、「持続放出(sustained release)」、および「調節放出(modified release)」は、互換的に使用され、投与された1,25−ジヒドロキシビタミンD2の即放とは別な仕方での放出を指す。用語「制御放出」は、任意選択で遅延放出特性を含む。例えば、遅延放出型の制御放出性製剤は、即放性製剤に関するCmaxを超える時点のCmaxによって特徴付けられる。別の例として、維持放出型の制御放出性製剤は、血清中または血中総1,25−ジヒドロキシビタミンD2濃度が、長期間、例えば20〜40分、または1〜15時間、またはさらにより長く、投与前濃度を超えて維持されるか、あるいは高められるような速度での放出によって特徴付けられる。
「超生理学的」は、ビタミンDの管腔内、細胞内および血中濃度に関して、ビタミンDの供給が十分な対象、動物またはヒト患者においてビタミンDの栄養補給を少なくとも30日間絶った場合に、実験室測定によって任意の24時間の過程にわたって観察される一般的な安定濃度を著しく超える1,25−ジヒドロキシビタミンDの総濃度を指す。「有害な超生理学的急増」は、心血管の続発症の可能性を伴う、カルシウムおよびリンの代謝に対する局所的有害効果、ビタミンDの肝臓内25−ヒドロキシル化の阻害、ビタミンDと25−ヒドロキシビタミンDとの両方の異化増大、高カルシウム尿症、高カルシウム血症および/または高リン血症につながる過剰な腎臓外ホルモン産生などの有害効果を誘発する、局所または血清中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度を指す。
用語「治療上有効な量」は、患者の状態により左右され、所望の臨床効果を達成するのに、例えば、検査室試験値を正常範囲内またはその患者の状態に対して推奨される範囲内に維持するのに有効な量、あるいは疾患の臨床徴候または症状の発生または重症度を低減するのに有効な量である。いくつかの実施形態において、治療上有効な量は、血清中副甲状腺ホルモン(iPTH)濃度の治療なしのベースライン濃度からの少なくとも15%、20%、25%または30%の低下を達成するのに概して有効な量である。さらに他の実施形態において、治療上有効な量は、ステージ3では35〜70pg/mL(3.85〜7.7ピコモル/Lに相当)、ステージ4では70〜110pg/mL(7.7〜12.1ピコモル/Lに相当)、ステージ5では150〜300pg/mL(16.5〜33・0ピコモル/Lに相当)である、CKDステージに特異的なiPTHの目標範囲(K/DOQIガイドラインN0.1に定義される)に到達させるのに該して有効な量である。
本明細書中で使用する場合、用語「副甲状腺機能亢進症」は、原発性副甲状腺機能亢進症、二次性副甲状腺機能亢進症、および慢性腎臓病(ステージ3、4または5)に続く副甲状腺機能亢進症を指す。
本明細書中で使用する場合、用語「血清中1,25−ジヒドロキシビタミンDに関する患者の正常な経歴の生理学的範囲」は、腎臓が健康である間に得られた血清中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度の少なくとも1年にまたは2年に2回の記録に基づく、患者の1,25−ジヒドロキシビタミンDに関する平均血中濃度範囲を指す。
また、本明細書中で列挙される任意の数値は、低い方の数値から高い方の数値までのすべての値を含み、換言すれば、列挙された最低値から最高値の間の数値のすべての可能な組合せが、本出願中で明白に指定されていると考えるべきであることが、具体的に理解される。例えば、濃度範囲または有益な効果の範囲が1%〜50%と指定されているなら、2%〜40%、10%〜30%、または1%〜3%などの値は、本明細書中で明白に列挙されていると解釈される。これらは、具体的に解釈されるものの単なる例である。
医療界は、最近、ビタミンD3化合物を生物学的に対応するビタミンD2化合物と見分けることができないと考えていることに留意されたい。このことは、ヒトでの使用のために調製されるビタミンサプリメントにビタミンD2またはD3のいずれかを無差別的に包含させることから、およびビタミンD欠乏症によって引き起こされる骨疾患の治療においていずれかのビタミンを互換的に使用することから明らかである。奇妙にも、医療専門家は、単一のヒトでの研究からの確証が欠如しているにもかかわらず、2種のビタミンのホルモンとして活性な形態が同等であると考えている。(また、興味深いことに、ビタミンD4は、メルクインデックス(Merck Index、第11版(1989年)9932頁)中で疑わしい生物学的活性を有すると記載されていることが注目される)。本明細書中で説明するように、1,25−ジヒドロキシビタミンD2化合物は、医薬組成物中の活性化合物として有用である。該ホルモンは、任意の多様な周知の単離または合成法によって製造できる、例えば、米国特許第3880894号(1975年4月29日)を参照されたい。
1,25−ジヒドロキシビタミンD2ホルモンを、通常の製薬方法により加工処理して、患者に投与するための医薬を、例えば、非経口(例えば、皮下、静脈内、筋内およびデポ注射)、および経腸(例えば、経口)または局所適用などの非経口に適し、活性化合物と有害に反応しない、医薬として許容し得る有機または無機担体物質などの通常の賦形剤と混合して製造することができる。該ホルモンは、鼻腔内、直腸内および膣内などの鼻咽腔または粘膜吸収を含む替りの方式で投与することもできる。
医薬として許容し得る適切な担体には、限定はされないが、水、塩(緩衝剤)溶液、アルコール、アラビアゴム、ミネラルオイルおよび植物油、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、炭水化物(乳糖、アミロースまたはデンプンなど)、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、各種パラフィン、香油、脂肪酸のモノグリセリドおよびジグリセリド、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが含まれる。医薬製剤は、滅菌することができ、所望なら、補助剤、例えば、増量剤、滑沢剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、透過圧変更用塩類、緩衝剤、着色剤、着香剤および/または芳香活性化合物と混合できる。固体担体を使用するなら、1,25−ジヒドロキシビタミンD2の剤形は、例えば、錠剤、カプセル、粉末、坐剤、またはロゼンジでよい。液状担体を使用するなら、軟質ゼラチンカプセル、経皮パッチ、エアゾルスプレー、局所クリーム、シロップまたは液状の懸濁液、乳液または溶液が考えられる。
剤形中にアルコールが存在すると、1,25−ジヒドロキシビタミンD2のDBPに結合する能力を妨害する場合がある。したがって、アルコールを含まないか、あるいは実質的に含まない経口剤形が考えられる。
局所適用の場合、噴霧できない形態として、局所適用に適合性のある担体を含み、かつ好ましくは水を超える動的粘度を有する粘性のある半固体または固体の形態が採用される。適切な製剤には、限定はされないが、溶液、懸濁液、乳液、クリーム、軟膏、粉末、リニメント剤、膏薬、エアゾルなどが含まれ、それらは、所望であれば、滅菌され、あるいは補助薬、例えば保存剤などと混合される。
非経口適用の場合、特に適切なのは、注射可能な無菌溶液、好ましくは油性または水性溶液、および懸濁液、乳液、あるいはインプラント(坐剤を含む)である。アンプルは、便利な単位剤形である。また、1,25−ジヒドロキシビタミンD2を凍結乾燥し、貯蔵し、得られた凍結乾燥物を製品の調製で使用することができる。例えば、凍結乾燥物を、バイアル瓶中に貯蔵し、投与直前に注射液を再構成するのに使用できる。
経腸適用の場合、特に適切なのは、錠剤、糖衣錠、液体、ドロップ、坐剤、またはカプセルである。加糖ビヒクルを採用するシロップ、エレキシルなどを使用できる。例えば、軟質ゼラチン製剤において、カプセルの充填物は、医薬として許容し得るオイル、例えば、分別ココヤシ油中に溶解された1,25−ジヒドロキシビタミンD2を適切に含有し、かつ、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)またはビタミンEでよい酸化防止剤を含む。カプセルの殻は、ゼラチン、グリセリン、二酸化チタンおよび着色剤を適切に含むことができる。充填物は、カプセル全体の典型的には約58〜59質量%である。
適切なら、1,25−ジヒドロキシビタミンD2を、1種または複数の他の活性化合物、例えば、患者の骨質量または骨中ミネラル含有量の減少を低減させる能力によって特徴付けられる1種または複数の薬剤と組み合わせることができる。このような化合物としては、他のビタミンD化合物、複合エストロゲン、フッ化ナトリウム、ビスホスフォネート、コバラミン、百日咳毒素、またはホウ素を挙げることができる。剤形は、保存または安定用補助剤などの補助剤を含むこともできる。特に好ましいのは、経口およびIV剤形である。
剤形としては制御放出/維持放出性組成物が考えられる。一実施形態では、ある量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を制御放出性製剤に含め、治療を必要とするヒトに経口で投与される。例えば、遅延放出、維持放出、および遅延−維持放出性組成物が考えられる。
1,25−ジヒドロキシビタミンD2の制御放出性製剤は、有意に、キロミクロンを介するリンパ系中への吸収よりはむしろ血流中への直接的吸収を促進することによって、含まれる1,25−ジヒドロキシビタミンD2の生物学的利用能を高めること;上部小腸の腸細胞中での異化を低下させることによって、含まれる1,25−ジヒドロキシビタミンD2の生物学的利用能を高めること;含まれる1,25−ジヒドロキシビタミンD2の例えば十二指腸および/または空腸に対する望ましくない初回通過効果を減らすこと;血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度の有害な超生理学的急増の発現を回避すること;血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度を最適濃度(CKD患者では25pg/mL以上と規定されている)に戻す上での経口で投与された1,25−ジヒドロキシビタミンD2の有効性を高めること;血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度をこのような最適濃度で(例えば、少なくとも30日間)維持する上での経口で投与された1,25−ジヒドロキシビタミンD2の有効性を高めること;ビタミンD代謝の混乱および関連するPTH、カルシウムおよびリンの恒常性の異常を減らすこと;ならびに高カルシウム尿症、高カルシウム血症、高リン血症、およびビタミンDの毒性を含む、ビタミンDホルモン補充に付随する深刻な副作用のリスクを軽減することなどの、1つまたは複数の利益を有する。
同様に、ある量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を、ゆるやかな静脈内投与に適した等張性無菌製剤で提供できる。ゆるやかな静脈内投与は、有意に、キロミクロンを介するリンパ系中への吸収よりはむしろ血流中への直接的吸収を促進することによって、含まれる1,25−ジヒドロキシビタミンD2の生物学的利用能を高めること;上部小腸の腸細胞中での異化を低下させることによって、含まれる1,25−ジヒドロキシビタミンD2の生物学的利用能を高めること;含まれる1,25−ジヒドロキシビタミンD2の十二指腸および空腸に対する望ましくない初回通過効果を減らすこと;血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度の有害な超生理学的急増の発現を回避すること;血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度を最適濃度(CKD患者では25pg/mL以上と規定されている)に戻す上でのIV投与された1,25−ジヒドロキシビタミンD2の有効性を高めること;血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度をこのような最適濃度で(例えば、少なくとも30日間)維持する上での経口で投与された1,25−ジヒドロキシビタミンD2の有効性を高めること;ビタミンD代謝の混乱および関連するPTH、カルシウムおよびリンの恒常性の異常を減らすこと;ならびに高カルシウム尿症、高カルシウム血症、高リン血症、およびビタミンDの毒性を含む、ビタミンDホルモン補充に付随する深刻な副作用のリスクを軽減することなどの、1つまたは複数の利益を有することができる。
1,25−ジヒドロキシビタミンD2の経口投与に適した制御放出性形態の調製は、制御放出の多くの種々の原理により、および多くの種々の製剤技術により、実施することができる。例えば、溶出の調節、拡散の調節、およびイオン交換による制御放出が考えられる。非制限的例には、膜で包まれた貯蔵デバイス、生体内分解性ポリマー、マトリックスシステム、および透過圧システムが含まれる。リポソームを、ホルモンのための制御放出性担体として使用できる。温度および/またはpHを、放出のための引き金として使用できる(例えば、コーティングまたはマトリックスの温度に依存する溶解性、および/またはコーティングまたはマトリックスのpHに依存する溶解性)。
1つの具体的実施例として、1,25−ジヒドロキシビタミンD2を、制御放出のために、生分解性ポリマー、水溶性ポリマー、またはその両方の混合物、および任意選択の適切な界面活性剤からなるポリマーマトリックス中に包埋できる。この文脈で、包埋は、ポリマーのマトリックス中に微粒子を組み込むことを意味する。制御放出性製剤は、分散された微粒子または乳化された微小滴(例えば、周知の分散または乳化コーティング技術による)のカプセル化により得ることができる。
別の類型の製剤において、制御放出性剤形は、1,25−ジヒドロキシビタミンD2を拘束し、単純拡散および/またはゆるやかな崩壊によって4〜8時間またはそれ以上にわたる1,25−ジヒドロキシビタミンD2の緩慢で比較的一様の、好ましくは実質的に一定の放出を可能にするマトリックスを含む。
実施形態の1つの類型は、1,25−ジヒドロキシビタミンD2の制御放出性製剤を含む組成物、ならびにこのような製剤を投与して、ビタミンD化合物の十二指腸に対する望ましくない初回通過効果なしに;1,25−ジヒドロキシビタミンDの内腔内、細胞内および血中濃度の有害な超生理学的急増およびそれらの結果なしに;かつビタミンDの栄養補給に付随する深刻な副作用、すなわちビタミンDの毒性なしに;今まで得ることのできなかったレベルの有効性で1,25−ジヒドロキシビタミンDの不足および欠乏症を治療する方法を含む。
好ましい制御放出性組成物は、1,25−ジヒドロキシビタミンD2の濃度を25pg/mL以上に、または約25pg/mL〜約65pg/mLの範囲に維持するように設計され、1,25−ジヒドロキシビタミンD2の長期間にわたる制御された、好ましくは実質的に一定の放出をもたらすような方式で調製される。このような組成物を用いて実施される任意選択ではあるが好ましい方法は、体中1,25−ジヒドロキシビタミンD2の実質的に一定の濃度およびより維持された血中濃度を確実にする。1,25−ジヒドロキシビタミンD2の長期にわたる緩慢で一様な放出を提供することによって、血中、内腔内および細胞内ビタミンD濃度のスパイク、すなわち、有害な超生理学的濃度を、軽減または排除する。1,25−ジヒドロキシビタミンD2のゆるやかな増加、およびその後の維持された血中濃度は、血中1,25−ジヒドロキシビタミンD2を最適濃度に戻す上での卓越した有効性、および活性ビタミンDまたは類似体の今まで知られている経口製剤に比較して卓越した安全性という2つの予想しなかった利益を提供すると予想される。
1つの任意選択の態様において、制御放出性経口製剤は、また、胃液中での崩壊に効果的に抵抗し、さらに任意選択で、該製剤が小腸、およびより好ましくはヒトの小腸の回腸に到達するまで、含まれる1,25−ジヒドロキシビタミンD2の実質的(例えば、>50%)放出を回避する。
いったん回腸の内腔中に放出されると、1,25−ジヒドロキシビタミンD2は、血流中に吸収される。このような実施形態において、好ましくは、1,25−ジヒドロキシビタミンD2の主要部分が、十二指腸および空腸を越えた箇所で吸収される。小腸のこれらの近接部分は、ビタミンD化合物の高い内腔内濃度に応答することができ、進行中に、相当量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を異化することができる。回腸まで放出を遅延させることによって、医薬組成物は、隣接する腸に対する初回通過効果を実質的に排除し、かつ不必要な異化を低減できる。さらに、1,25−ジヒドロキシビタミンD2の経回腸吸収を、吸収された1,25−ジヒドロキシビタミンD2をキロミクロンを介して血清中ビタミンD結合タンパク質(DBP)に向けるように設計できる本明細書に記載の製剤を用いて増加させることができる。DBPに結合された1,25−ジヒドロキシビタミンD2は、肝内異化からより保護されると考えられる。血流中へのその吸収の前または後に投与された1,25−ジヒドロキシビタミンD2のかなりの異化は、その全身性生物学的利用能を有意に低下させる。初回通過効果の排除は、ビタミンDの毒性のリスクを軽減する。
したがって、本発明の一実施形態は、ある投与区間における1,25−ジヒドロキシビタミンDの最大血清中濃度(Cmax)が、ボーラスIV注射および/または同等の即放性経口剤形によって投与される同量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2と比較して低下するように、患者にある量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を投与する方法である。同様に、本発明は、患者に投与した場合に、ボーラスIV注射および/または同等の即放性経口剤形によって投与される同量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2よりも小さな1,25−ジヒドロキシビタミンDのCmaxをもたらす、ある量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を含有する制御放出性剤形を提供する。例えば、その低下は、好ましくは、少なくとも50%、60%、70%、または80%である。
本発明の別の実施形態は、ある投与区間における血清中1,25−ジヒドロキシビタミンD2濃度の最大変化が、ボーラスIV注射および/または同等の即放性経口剤形によって投与される同量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2と比較して縮小するように、患者にある量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を投与する方法である。同様に、本発明は、患者に投与した場合に、ボーラスIV注射および/または同等の即放性経口剤形によって投与される同量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2よりも小さな、ある投与区間における血清中1,25−ジヒドロキシビタミンD2濃度の最大変化をもたらす、ある量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を含有する制御放出性剤形を提供する。例えば、その縮小は、好ましくは、少なくとも50%、60%、70%、または80%である。
本発明のさらに別の実施態様は、1,25−ジヒドロキシビタミンD2の投与後24時間以内における血清中最大濃度の投与24時間後濃度に対する比率(Cmax24hr/C24hr)が、ボーラスIV注射および/または同等の即放性経口剤形によって投与される同量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2と比較して低下するように、患者にある量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を投与する方法である。同様に、本発明は、患者に投与した場合に、ボーラスIV注射および/または同等の即放性経口剤形によって投与される同量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2よりも小さな1,25−ジヒドロキシビタミンD2のCmax24hr/C24hrをもたらす、ある量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を含有する制御放出性経口剤形を提供する。例えば、その低下は、好ましくは、少なくとも50%、60%、70%、または80%である。
本発明のさらに別の実施形態は、1,25−ジヒドロキシビタミンD2の排除半減期(t1/2)が、ボーラスIV注射および/または同等の即放性経口剤形によって投与される同量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2と比較して増大するように、患者にある量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を投与する方法である。同様に、本発明は、患者に投与した場合に、ボーラスIV注射および/または同等の即放性経口剤形によって投与される同量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を超える1,25−ジヒドロキシビタミンD2のt1/2をもたらす、ある量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を含有する制御放出性剤形を提供する。例えば、その増大は、好ましくは、少なくとも25%、30%、40%、50%または60%である。
本発明のさらなる実施形態は、投与に続くある投与区間において血漿中1,25−ジヒドロキシビタミンD2濃度がその最大値に到達する時間(Tmax)が、ボーラスIV注射および/または同等の即放性経口剤形によって投与される同量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2と比較して増大するように、患者にある量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を投与する方法である。同様に、本発明は、患者に投与した場合に、ボーラスIV注射および/または同等の即放性経口剤形によって投与される同量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2のそれを超える1,25−ジヒドロキシビタミンD2によるTmaxをもたらす、ある量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を含有する制御放出性剤形を提供する。例えば、その増大は、好ましくは、少なくとも25%、30%、40%、50%または60%である。
本発明の一実施形態において、1,25−ヒドロキシビタミンD2の制御放出性経口製剤は、一般には以下の方法によって調製される。十分な量の1,25−ヒドロキシビタミンD2を最少容積の米国薬局方級無水エタノール(またはその他の適切な溶媒)に完全に溶解し、室温および通常体温の両方で固体または半固体であるマトリックス、あるいは室温および/または体温で半固体または液体の形態でよい溶媒集合体を形成するのに適切な量および種類の医薬級賦形剤と混合する。該マトリックスまたは溶媒集合体は、胃および上部小腸中での消化に対して、完全に、ほとんど完全に、実質的に、または部分的に抵抗性であり、下部小腸中で徐々に崩壊する。
適切な製剤において、該マトリックスまたは溶媒集合体は、1,25−ヒドロキシビタミンD2を拘束し、単純拡散および/またはゆっくりした崩壊によって、4〜8時間またはそれ以上にわたる下部小腸の内腔の内容物中への1,25−ヒドロキシビタミンD2の緩慢で比較的一様な、すなわち、実質的に一定の放出を可能にする。この好ましい製剤は、さらに任意選択で、pHが約7.0〜8.0の水性溶液に部分的に溶解する、または単に十分に緩慢に溶解して該製剤が十二指腸および空腸を通過する後まで1,25−ヒドロキシビタミンD2の有意な放出を遅延させる、腸溶性コーティングを有する。
上記で考察したように、1,25−ヒドロキシビタミンD2の制御放出を提供する手段は、活性成分の約4時間またはそれ以上の過程にわたる既知の制御放出性送達システムのいずれか、例えば、ワックス系マトリックスシステム、およびEudragit RS/RLシステム(ドイツ、Weiterstadt、Rohm Pharma、GmbHの)から選択できる。
ワックス系マトリックスシステムは、親油性マトリックスを提供する。ワックス系マトリックスシステムは、蜜蝋、白蝋、マッコウクジラワックスまたは類似の組成物を利用できる。活性ホルモンは、腸液中でゆっくり崩壊して活性成分を徐々に放出するワックス系結合剤中に分散される。1,25−ヒドロキシビタミンD2を含浸させたワックス系結合剤は、部分架橋軟質ゼラチンカプセル中に充填される。ワックス系マトリックスシステムは、活性成分を、体温で軟化し、腸液中でゆっくり崩壊して活性成分を徐々に放出するワックス系結合剤中に分散させる。該システムは、適切には、体温より高く、かつ軟質および/または硬質ゼラチンカプセルの殻を作り出すのに典型的に使用されるゼラチン製剤の、または腸溶性コーティングを作り出すのに使用されるその他の製剤の融解温度より好ましくは低い融点を達成するためのオイルを任意選択で添加した、ワックスの混合物を含む。
具体的には、1つの適切な実施形態において、マトリックス用に選択されるワックス類を融解し、完全に混合する。この時点で所望量の任意選択のオイルを添加し、続いて十分に混合する。次いで、ワックス状混合物をその融解点をわずかに超える温度まで徐冷する。エタノールに溶解した所望量の1,25−ジドロキシビタミンD2を、溶融マトリックス中に均一に分配し、該マトリックスを、軟質ゼラチンカプセル中に充填する。充填されたカプセルを、アセトアルデヒドなどのアルデヒドを含む溶液で適切な時間処理してゼラチンをカプセル殻中で部分的に架橋する。ゼラチン殻は、数週間の期間にわたって次第に架橋され、それによって、胃および上部腸の内容物への溶解に対してより抵抗性となる。適切に構成されると、このゼラチン殻は、経口で投与した後に、徐々に溶解し、それが回腸に到達する時点までに(完全に崩壊することなく)十分に多孔性になり、1,25−ヒドロキシビタミンD2がワックス系マトリックスから下部小腸の内容物中にゆっくり拡散することを可能にする。
貴重である可能性のあるその他脂質系マトリックスの例が、グリセリド、脂肪酸とアルコール、および脂肪酸エステルである。
したがって、特に好ましい制御放出性製剤の1つの類型は、該製剤を摂取する対象の消化管中でのビタミンDホルモンの制御放出のための固体または半固体のワックス状医薬製剤である。該製剤は、ワックス状制御放出性担体物質、類脂質性薬剤、ビタミンD化合物のための油性ビヒクル、およびビタミンDホルモン1,25−ジヒドロキシビタミンD2を含む。該製剤は、その中に組み込まれたビタミンD化合物の制御放出を提供する。該製剤は、崩壊剤を含まないか、あるいは本質的に含まない。
ワックス状制御放出性担体は、室温で固体または半固体、および体温で固体、半固体または液体、好ましくは体温で半固体または液体である製剤を提供する。使用するのに適した担体の例には、合成ワックス、微結晶ワックス、パラフィンワックス、カルナウバワックスおよび蜜蝋などのワックス;ポリエトキシル化ヒマシ油誘導体、水素化植物油、モノ−、ジ−またはトリベヘン酸グリセリル:ステアリルアルコール、セチルアルコールおよびポリエチレングリコールなどの長鎖アルコール;ならびにこれらの任意の混合物が含まれる。硬質パラフィンワックスなどの非消化性ワックス状物質が好ましい。
ワックス状担体は、好ましくは、任意の付加的な被覆または殻を除く製剤の総質量を基準にして、製剤の約5wt%を超える量で存在する。例えば、ワックス状担体は、製剤の5wt%超、製剤の10wt%超、製剤の15wt%超、製剤の20wt%超、および製剤の25wt%超を構成することができる。ワックス状担体は、好ましくは、50wt%未満、40wt%未満、35wt%未満、または30wt%未満の量で存在する。適切な範囲には、5wt%〜35wt%、15wt%〜35wt%、および20wt%〜30wt%が含まれる。例には、15wt%、16wt%、17wt%、18wt%、19wt%、20wt%、21wt%、22wt%、23wt%、24wt%、25wt%、26wt%、27wt%、28wt%、29wt%および30wt%が含まれる。
類脂質性物質は、被治療対象の消化管中での製剤からのビタミンD化合物の放出を提供する。いずれか特定の作用理論に拘束されることを意図するものではないが、類脂質性物質は、胃腸液中で油性ビヒクルのマイクロエマルジョンを創り出すこと;該製剤が胃の粘膜層と相互作用するように、例えば生体接着特性による長期胃内停留を提供すること;ならびにビタミンD化合物の吸収を増強することなどの1つまたは複数の好ましい機能を提供することができると思われる。しかし、作用機構にかかわらず、本発明は、いずれか特定の作用方式によって限定されるものではない。
類脂質性物質成分は、好ましくは、該分子またはイオンが、親水性部分と親油性部分の両方を含む両親媒性物質である。これらの成分は、親水性/親油性バランス学説(「HLB学説」)を基準にした数値によって規定することができる。HLB尺度は、0からほぼ20までに及ぶ数値尺度であり、数値が小さいほど、より親油性かつ疎水性の物質を意味し、数値が大きいほど、より親水性かつ疎油性の物質を意味する。化合物の水に対する、または油性物質に対する親和性は、実験的に測定され、HLB値を割り振られる。本明細書中で採用される疎水性担体のHLBは、好ましくは、約13〜約18の範囲である。
医薬として許容し得る各種の類脂質性物質を、製剤中に組み込むことができる。製剤中に存在する類脂質性物質の量は、好ましくは、少なくとも5wt%、少なくとも15wt%、少なくとも35wt%、少なくとも40wt%、または少なくとも45wt%である。適切な範囲には、約5wt%〜約60wt%、約20wt%〜約60wt%、および約40wt%〜約50wt%が含まれる。
一実施形態において、類脂質性物質は、7未満のHLBを有する親油性乳化剤であり、混合脂肪酸モノグリセリド;混合脂肪酸ジグリセリド、脂肪酸モノ−およびジグリセリドの混合物;親油性ポリグリセロールエステル;モノオレイン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、およびジパルミチン酸グリセリルを含むグリセロールエステル;脂肪酸のグリセリル−ラクトエステル;モノパルミチン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、およびモノオレイン酸プロピレングリコールを含むプロピレングリコールエステル;モノステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタンを含むソルビタンエステル;ステアリン酸、パルミチン酸、およびオレイン酸を含む脂肪酸およびそれらの石鹸;ならびにこれらの混合物;モノオレイン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、およびジパルミチン酸グリセリル;脂肪酸のグリセリル−ラクトエステル;モノパルミチン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、およびモノオレイン酸プロピレングリコールを含むプロピレングリコールエステル;モノステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタンを含むソルビタンエステル;ステアリン酸、パルミチン酸、およびオレイン酸をはじめとする脂肪酸およびそれらの石鹸;ならびにこれらの混合物からなる群から選択されるメンバーを含む。
好ましい類脂質性物質は、グリセリドおよびその誘導体から選択される。好ましいグリセリドは、中鎖または長鎖グリセリド、カプリロカプロイルマクロゴールグリセリド、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
好ましい中鎖グリセリドには、限定はされないが、中鎖モノグリセリド、中鎖ジグリセリド、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリド、モノラウリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、(カプリル酸/カプリン酸)グリセリド、モノカプリル酸グリセリル、モノジカプリル酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/リノール酸)グリセリド、およびトリ(カプリル酸/カプリン酸/コハク酸)グリセリドが含まれる。
低い融点を有するモノグリセリドは、製剤を製造するのに好ましく、腸中で簡単に溶ける。好ましいモノグリセリドには、限定はされないが、モノステアリン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノカプリル酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリルなどが含まれ、好ましくはモノステアリン酸グリセリル(GMS)である。GMSは、天然の乳化剤である。それは、油溶性であるが、水にわずかに溶ける。GMSは、3.8のHLB値を有する。別の好ましいモノグリセリドが、モノオレイン酸グリセリル(GMO)である。GMOも、天然の乳化剤であり、油溶性であるが、水にわずかに溶け、3.8のHLB値を有する。
別の実施形態において、グリセリドは、カプリロカプロイルマクロゴールグリセリド類から選択される吸収増強剤である。採用できるカプリロカプロイルマクロゴールグリセリドには、限定はされないが、ポリグリコール化グリセリドまたはPEG化グリセリドとしても知られる、ポリエチレングリコシル化グリセリドが含まれる。組成物中で採用できるPEG化グリセリドには、限定はされないが、モノグリセリドとジグリセリドとトリグリセリドとの混合物;ポリエチレングリコールのモノエステルおよびジエステル;ポリエチレングリコシル化アーモンド油グリセリド;ポリエチレングリコシル化コーン油グリセリド;ならびにポリエチレングリコシル化トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリドが含まれる。吸収増強剤は、好ましくは、13〜18、より好ましくは13〜15のHLB値を有する。
1つの好ましい吸収増強剤は、GELUCIREの商品名で知られており、米国ニュージャージー州ParamusのGattefosse Corporationから市販されている。GELUCIREは、グリセロールの脂肪酸エステルおよびポリグリコール化グリセリドとしても知られているPEGエステルのファミリーである周知の賦形剤である。GELUCIREは、持続放出性医薬組成物の調製を含む各種応用で使用される。GELUCIRE化合物は、両親媒性であり、融点、HLB、および各種溶媒への溶解度などの多様な物理的特性の求めに応じることのできる不活性で半固体のワックス状材料である。それらは、本質的に界面活性を有し、水性媒体中に分散または可溶化され、ミセル、顕微鏡的小球または小胞を形成する。それらは、それらの融点/HLB値によって識別される。融点は、摂氏で表現される。異なるグレードのGELUCIRE賦形剤の1つまたは混合物を選択して、融点および/またはHLB値に関して所望される特性を達成することができる。好ましいGELUCIRE組成物は、融点が44℃でHLBが14の半固体ワックス状材料であるGELUCIRE44/14である。
別の好ましいポリグリコール化グリセリド系吸収増強剤が、カプリロカプロイルマクロゴール−8−グリセリド(CAS No.85536−07−8および84963−88−2)である。これは、グリセロールおよびPEG400の中鎖脂肪酸(C8〜C10)とのモノ−、ジ−およびトリエステルの混合物であり、例えば、米国ニュージャージー州ParamusのGattefosse CorporationによってLABRASOLの商品名で上市されている。LABRASOLは、14のHLB値を有し、次の質量組成:C8〜C10モノグリセリドをほぼ4%;C8〜C10ジグリセリドをほぼ17%;C8〜C10トリグリセリドをほぼ6%;PEG400のC8〜C10モノエステルをほぼ14%;PEG400のC8〜C10ジエステルをほぼ36%;遊離PEG400をほぼ20%;遊離グリセロールをほぼ3%:を有する。
好ましくは、類脂質性物質には、7未満のHLBを有する親油性乳化剤、および13〜18のHLB値を好ましくは有する吸収増強剤の混合物が含まれる。親油性乳化剤は、約20wt%〜約50wt%、好ましくは約30wt%〜約40wt%の範囲の量で存在するのが好ましく、吸収増強剤は、約5〜約20wt%、好ましくは約8〜約15wt%の量で存在するのが好ましい。
低融点の多くの固体類脂質性組成物は、該組成物中に医薬として活性な成分を該活性成分のそれぞれの融点を約0℃〜約50℃上回る温度で組み込み、次いで溶融物(溶液および/または分散液)を動物性または植物性ゼラチンカプセル中に充填する手段を提供する。溶融物は、室温まで冷却するとカプセル内部で固化する。
油性成分は、ビタミンD化合物のためのビヒクル、好ましくは主要ビヒクルとして役立つ。任意の医薬として許容し得るオイルを使用できる。例には、動物性(例えば、魚)、植物性(例えば、ダイズ)、およびミネラルオイルが含まれる。オイルは、好ましくは使用されるビタミンD化合物を容易に溶解する。好ましい油性成分には、ミネラルオイル、特に流動パラフィンなどの非消化性オイル、およびスクアレンが含まれる。オイルビヒクルは、好ましくは、製剤の約10wt%〜約50wt%、より好ましくは約15wt%〜約45wt%、約20wt%〜約40wt%、または約15wt%〜約25wt%を構成する。1つの好ましい実施形態において、流動パラフィンは、次のパラメーター:約0.88〜0.89の比重;約64〜約70cSt(40℃)の動粘度;424の分子量;約59の%パラフィン系炭化水素;および−24℃の流動点の1つまたは複数によって特徴付けることができる。ビタミンD化合物の所望される放出速度を達成するために、ワックス状成分と油性成分との比率を最適化することができる。したがって、より重質のオイル成分を使用するなら、比較的少量のワックス状成分を使用することができ、より軽質のオイル成分を使用するなら、比較的多量のワックス状成分を使用できる。
もう1つの適切な制御放出性経口薬物送達システムが、Eudragit RL/RSシステムであり、そのシステムでは、活性成分1,25−ヒドロキシビタミンD2を、25/30メッシュの大きさを有する顆粒に形成する。次いで、該顆粒を、非水溶性ではあるが水がゆっくりと透過できる薄いポリマー性ラッカーで均一に被覆する。被覆された顆粒は、酸化防止剤、安定剤、結合剤、滑沢剤、加工助剤などの任意選択の添加物と混合することができる。該混合物を、圧縮して使用前には硬質かつ乾質であり、さらに被覆することができる錠剤とするか、あるいはカプセル中に流し込むことができる。錠剤またはカプセルが、飲み込まれ、水性腸液と接触した後に、薄いラッカーは、膨潤し始め、腸液の透過を徐々に可能にする。腸液は、ラッカーコーティングに徐々に透過するにつれて、含まれる1,25−ヒドロキシビタミンD2は、徐々に放出される。錠剤またはカプセルが小腸を通過する約4〜8時間の時点またはより後までに、1,25−ヒドロキシビタミンD2は、徐々にではあるが完全に放出される。したがって、摂取された錠剤は、1,25−ヒドロキシビタミンD2および任意のその他任意選択の活性成分の流れを放出する。
Eudragitシステムは、高透過性ラッカー(RL)および低透過性ラッカー(RS)から構成される。RSは、小さな比率のメタクリル酸トリメチルアンモニオエチルクロリドを含み、第四級アンモニウム基の中性エステル基に対するモル比が約1:40である、中性の膨潤性メタクリル酸エステルをベースにした非水溶性フィルム形成物である。RLもまた、小さな比率のメタクリル酸トリメチルアンモニオエチルクロリドを含み、第四級アンモニウム基の中性エステル基に対するモル比が約1:20である、中性のメタクリル酸エステルをベースにした非水溶性の膨潤性フィルム形成物である。被覆の透過性、したがって薬物放出のタイムコースは、被覆材料RSのRLに対する比率を変えることによって設定できる。Eudragit RL/RSシステムのさらなる詳細については、Rohm Tech、Inc.195 Canal Street、Maiden、マサチューセッツ州、02146から入手できる技術刊行物が参照される。また、参照により本明細書に組み込まれる、K.Lehmann、D.Dreher「流動床技術による錠剤および小粒子のアクリル樹脂でのコーティング(Coating of tablets and small particles with acrylic resins by fluid bed technology)」Int.J.Pharm.Tech.& Prod.Mfr.2(r)、31〜43(1981)を参照されたい。
不溶性ポリマーの他の例には、ポリビニルエステル、ポリビニルアセタール、ポリアクリル酸エステル、ブタジエンスチレンコポリマーなどが含まれる。
コーティングされた顆粒またはその他の製剤を、いったん、錠剤に形成するか、カプセル内に入れたら、該錠剤またはカプセルを、pH7.0〜8.0で溶解する腸溶性コーティング材料で任意にコーティングする。このようなpH依存性腸溶性材料の1つが、腸液に溶解するが、胃液に溶解しないEudragit L/Sである。胃液による溶解に対しては抵抗性であるが腸内エステラーゼの加水分解効果により容易に崩壊する酢酸フタル酸セルロース(CAP)などのその他の腸溶性コーティング材料を使用できる。
腸溶性コーティング材料および/または制御放出性材料の特定の選択は、1,25−ヒドロキシビタミンD2の実質的な放出を、例えば、製剤が回腸に到達するまで遅延させる。制御放出性の方法および材料(例えば、コーティング、マトリックス、またはその他の媒体)の特定の選択は、1,25−ヒドロキシビタミンD2の4〜8時間またはそれ以上にわたる実質的に一定の放出を提供する。
1つの好ましい部類の実施形態において、調節放出性製剤は、投与後最初の24時間以内にビタミンD化合物の少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、例えば約72%を放出する。
1,25−ジヒドロキシビタミンD2の本明細書に記載のような投与は、また、予定した投与量のビタミンDホルモンの患者への有効で予想可能な送達を可能にする。活性ビタミンD2ホルモンの一時的および定量的利用能は、肝臓中での活性化またはその他の代謝に依存しない。したがって、任意選択でまたは好ましくは上記の通り副作用を回避または軽減しながら、同等の効果を達成するのに、他のビタミンD2類似体に比較してより少ない投与量が可能であると考えられる。
本明細書に記載のように、経口および静脈内投与製剤および経路が好ましい。このような療法の適用は、間欠的基準、適切には1日1回から1週に6、5、4、3、2、または1回でよい。
実施形態において、該方法は、血中1,25−ジヒドロキシビタミンD2濃度を25pg/mL、30pg/mL、またはそれ以上に、例えば、25〜65pg/mLに上昇させ、また好ましくは、長期間、例えば少なくとも1カ月、少なくとも3カ月、少なくとも6カ月、またはそれ以上該濃度を維持するように、本明細書に記載の製剤を投与することを含むと考えられる。
経口または非経口投与のための1,25−ジヒドロキシビタミンD2の投与量は、一般に、1週につき約0.1μg〜100μg、好ましくは1週につき約0.7μg〜約70μgであり、該投与量は、1日当たり、または血液透析と同時に投与するために1週に3回などの他の周期的投与に分割することができる。典型的な実施形態において、1日につき約0.5μg〜約2μgに相当する非経口投与量が考えられ、一方、1日につき約0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10μgに相当する経口投与量が考えられる。
一般に、1,25−ジヒドロキシビタミンD2は、単位投与量につき医薬として許容し得る担体中に約0.1μg〜約10μg、例えば約1μg〜約4μgを含む単位剤形によって投与される。約2μg〜約10μg、または約3μg〜約5μgを含有する維持放出、または遅延、維持−放出性単位剤形も考えられる。
製剤は、当業者に周知の方法によって調製できる。典型的には、医薬として許容し得るワックス、類脂質性物質およびオイルを、必要なら溶融して流動性液体を準備し、それによって均一混合物を得るのをより容易にする。このようにして得られた液状担体に、無水エタノールなどのアルコールに例えば溶解されたビタミンD化合物を添加し、成分を混合して均一混合物を準備する。混合物を、冷却、貯蔵し、その後、充填ゼラチンカプセルなどの単位剤形に分割できる。
1つの好ましい方法では、オイルビヒクルの一部、固体ワックスおよび親油性乳化剤を比較的高い温度(例えば65℃)まで加熱、混合した後に吸収増強剤を添加し、続いて均一になるまでさらに混合し、次いで中間的に高められた温度(例えば、50℃〜55℃)まで冷却する。別の容器中で、酸化防止保存剤および残りのオイルビヒクルを、混合し、中間的に高められた温度(例えば50℃)まで加熱し、次いでワックス混合物と合わせ、均一溶液が得られるまで混合する。次に、ビタミンD化合物のアルコール溶液を、均一ワックス溶液と合わせ、均一溶液が得られるまで混合し、好ましくはカプセル中に充填し、次いで室温まで冷却する。別の好ましい方法では、オイルビヒクルの一部、固体ワックスおよび親油性乳化剤を55℃〜60℃の温度で加熱、混合した後、吸収増強剤を添加し、続いて均質になるまでさらに混合する。別の容器中で、酸化防止保存剤および残りのオイルビヒクルを、混合し、55℃〜60℃の温度まで加熱し、次いでワックス混合物と合わせ、均一溶液が得られるまで混合する。次に、ビタミンD化合物のアルコール溶液を、均一ワックス状溶液と合わせ、均一溶液が得られるまで混合し、好ましくはカプセル中に充填し、次いで室温まで冷却する。
製剤は、好ましくは、治療を必要とする患者に投与するのに先立ってカプセル中に充填される。このようなカプセルは、硬質または軟質でよいが、軟質カプセルが好ましい。標準的なカプセル充填機を使用し、製剤を溶融することおよび軟質カプセルの殻中に射出充填することなどによって、製剤をゼラチンカプセル中に充填することができる。
製剤ならびにその使用および製造方法は、特記しない限り、さらに後に記載されるさらなる任意選択の要素、特徴およびステップの1つまたは複数の任意の組合せを含む実施形態を包含すると考えられる。
したがって、実施形態の一類型において、製剤は、さらに、酸化防止剤などの保存剤を含む。ブチル化ヒドロキシルトルエン(BHT)が好ましい。
実施形態の別の類型において、ビタミンD化合物は、1種または複数の他の治療薬と組み合わせて投与される。
上記で説明したように、製剤は、好ましくはゼラチンカプセル中に充填されるが、製剤のままの形態、または腸溶性被覆などの1つまたは複数の表面被覆層を有する形態で投与することもできる。また、製剤を圧縮して錠剤とすることができると考えられ、このような場合には、1種または複数の錠剤圧縮用賦形剤を含めることができる。
本明細書に記載の組成物および方法において、好ましいステップ、好ましい成分、その好ましい組成範囲、およびこれらの好ましい組合せは、本明細書中で提供される種々の具体的実施例から選択できる。例えば、好ましい製剤は、治療上有効な量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2、約2wt%(例えば2.32wt%)のエタノール、約10wt%(例えば9.75wt%)のGELUCIRE44/14、約27wt%(例えば27.51wt%)の硬質パラフィン、約38wt%(例えば37.85wt%)のGMS、約22wt%(例えば22.43wt%)のミネラルオイル、および任意選択で少量の保存剤(例えば、0.02wt%のBHT)を含有する。この製剤の変形体は、約20%の硬質パラフィンおよび約29%のミネラルオイルを含有する。
さらに別の好ましいベースカプセルの充填物製剤の実施形態、および50μgの実施形態のための仕様を下表1に示す。
Figure 2010525079
本明細書に記載の投与量は、本明細書に記載の任意の治療方法に対して考えられる。具体的症例におけるホルモンの実際の好ましい量は、処方される個々の組成物、適用方式、および治療される個々の場所により異なることが認識される。投与量は、通常の考察を利用して、例えば、ホルモンおよび既知薬の特異的活性の通例的比較によって、例えば、適切な通常の薬理学的プロトコールによって決定することができる。
各個々の患者に対する具体的投与量は、広範な種類の因子、例えば、年齢、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与の時期および方式、排泄速度、併用される医薬、および療法が適用される個々の障害の重症度によって左右される場合がある。
ビタミンDの栄養補給を必要とする患者には、健康な対象、およびビタミンDの不足または欠乏症の危険がある対象、例えば、ステージ1、2、3、4または5の慢性腎臓病を有する対象;ビタミンD強化ミルクを飲まない乳児、子供および成人(例えば、乳糖不耐症の対象、牛乳アレルギーを有する対象、牛乳を摂取しないベジタリアン、および母乳栄養乳児);くる病を有する対象;黒い皮膚を有する対象(例えば、米国で、15〜49歳のアフリカ系アメリカ人女性の42%は、ビタミンD欠乏であるが、白人女性では4%である);高齢者(ビタミンDを合成する能力が低下し、また、より屋内に留まりそうな人);施設に収容された成人(屋内に留まりやすい人、アルツハイマー病または精神病を有する対象を含む);露出する皮膚のすべてを覆う対象(特定の宗教または文化のメンバーなど);日焼け止めを常用する対象(例えば、8の日光保護係数(Sun Protection Factor)(SPF)を有する日焼け止めを塗布すると、ビタミンDの産生が95%低下し、より大きなSPF値はビタミンDをさらに減少させる可能性がある);脂肪吸収不全症候群を有する対象(限定はされないが、嚢胞精線維症、胆汁鬱滞性肝疾患、その他の肝疾患、胆嚢疾患、膵臓酵素欠乏症、クローン病、炎症性腸疾患;スプルーまたはセリアック病、または胃および/または腸の部分または全部の外科的除去を含む);炎症性腸疾患を有する対象;クローン病を有する対象;小腸切除を受けた対象;歯肉疾患を有する対象;フェニトイン、フォスフェニトイン、フェノバルビタール、カルバマゼピンおよびリファンピンをはじめとするビタミンDの異化を増大させる薬物を摂取している対象;コレスチラミン、コレスチポール、オルリスタット、ミネラルオイル、および脂肪代替物をはじめとするビタミンDの吸収を低下させる医薬を摂取している対象;ケトコナゾールをはじめとするビタミンDの活性化を阻害する医薬を摂取している対象;コルチコステロイドをはじめとするカルシウム吸収を低下させる医薬を摂取している対象;肥満を有する対象(体脂肪貯蔵部に蓄えられたビタミンDは生物学的に利用されにくい);骨粗鬆症を有する対象;および/または閉経後女性が含まれる。ビタミンDの食事摂取基準(Dietary Reference Intakes)に関する医学研究所(Institute of Medicine)の報告によれば、食品摂取データは、若年および高齢女性の両方にとってのビタミンDの中位摂取量が現推奨量よりも低いことを示唆しており;データは、若年および高齢女性の50%超がビタミンDの推奨量を摂取していないことを示唆している。本発明の方法から任意選択で除外されるのは、腎性骨ジストロフィー(骨軟化症および嚢胞性線維性骨炎を含む)を患う対象の治療処置である。
他の態様において、本発明の組成物および方法は、ビタミンDに応答する疾患、すなわち、活性ビタミンDが疾患の開始または進行を予防するか、あるいは疾患の徴候または症状を減弱する疾患の予防または治療処置に有用である。このようなビタミンDに応答する疾患には、癌(例えば、乳房、肺、皮膚、黒色腫、結腸、結腸直腸、直腸、前立腺および骨の癌)が含まれる。1,25−ジヒドロキシビタミンD2は、いくつかの細胞に関してインビトロで細胞分化を誘導し、かつ/または細胞増殖を阻害することが観察されている。ビタミンDに応答する疾患には、また、自己免疫疾患、例えば、I型糖尿病、多発性硬化症、リウマチ様関節炎、多発性筋炎、皮膚筋炎、強皮症、線維症、グレーブス病、橋本病、急性または慢性の移植拒絶、急性または慢性の移植片対宿主病、炎症性腸疾患、クローン病、全身性紅斑性狼瘡、シェーグレン症候群、湿疹および乾癬、皮膚炎(アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎および/または慢性皮膚炎を含む)が含まれる。ビタミンDに応答する疾患には、また、他の炎症性疾患、例えば、喘息、慢性閉塞性肺疾患、多嚢胞性腎疾患、多嚢胞性卵巣症候群、膵炎、腎炎、肝炎、および/または感染症が含まれる。ビタミンDに応答する疾患には、高血圧および心血管疾患が含まれることも報告されている。したがって、本発明は、心血管疾患の危険があるまたは該疾患を患う対象、例えば、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、心筋梗塞、心筋虚血、脳虚血、脳卒中、鬱血性心不全、心筋症、肥満またはその他の体重障害、脂質障害(例えば、高脂血症、糖尿病付随性異脂肪血症および混合性異脂肪血症、低アルファリポタンパク血症、高グリセリド血症、高コレステロール血症および低HDL(高密度リポタンパク)を含む異脂肪血症)、代謝性障害(例えば、メタボリック症候群、II型糖尿病、I型糖尿病、高インスリン血症、耐糖能障害、インスリン抵抗性、神経障害、腎障害、網膜症、糖尿病性足部潰瘍および白内障を含む糖尿病性合併症)、および/または血栓症を有する対象の予防または治療処置を考えている。
1,25−ジヒドロキシビタミンD2またはその類似体の濃度調節から利益を得ることのできる疾患には、限定はされないが、(i)副甲状腺に関して−副甲状腺機能低下症、偽性副甲状腺機能低下症、二次性副甲状腺機能亢進症;(ii)膵臓に関して−糖尿病;(iii)甲状腺に関して−髄様癌;(iv)皮膚に関して−乾癬、創傷治癒;(v)肺に関して−サルコイドーシスおよび結核症;(vi)腎臓に関して−慢性腎臓病、低リン血症性VDRR、ビタミンD依存性くる病;(vii)骨に関して−抗痙攣治療、小孔性線維形成不全症、嚢胞性線維性骨炎、骨軟化症、骨粗鬆症、骨減少症、骨硬化症、腎性骨ジストロフィー、くる病;(viii)腸に関して−グルココルチコイド拮抗、特発性高カルシウム血症、吸収不良症候群、脂肪便、熱帯性スプルー;および(ix)自己免疫障害が含まれる。
本発明の実施形態において、1,25−ジヒドロキシビタミンD2またはその類似体の濃度調節から利益を得る疾患は、癌、皮膚科学的障害(例えば、乾癬)、副甲状腺障害(例えば、副甲状腺機能亢進症および二次性副甲状腺機能亢進症)、骨障害(例えば、骨粗鬆症)および自己免疫障害から選択される。
本明細書に記載の方法および組成物は、異常に高められた血中PTH濃度を治療するのに特に有用である。本発明は、該疾患を患う患者における血清中副甲状腺ホルモン濃度を低下させる(または低く維持する)ことによって、二次性副甲状腺機能亢進症などの副甲状腺機能亢進症を治療または予防する方法を提供する。該方法は、同時に、このような患者において発症することのある骨の代謝異常を改善できる。
二次性副甲状腺機能亢進症は、慢性腎臓病の普通の合併症であり、それ故、考えられる特定の患者群は、CKDを有する群である。ステージ3、4および/または5のCKDである患者は、本発明により治療することができる。二次性副甲状腺機能亢進症は、十分なビタミンDの供給を妨げる環境、文化または食餌因子のため、健康な腎臓を有する個体でも発症する場合がある。
本明細書に記載の方法は、また、限定はされないが、活性型ビタミンDの投与に応答する骨量減少性障害;活性型ビタミンDの投与に応答する免疫応答性障害;高血圧;細菌感染症;および心血管疾患を含む、ヒトの状態を治療または予防するのに使用されることを意図している。
以下の実施例では、例示のために提供され、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。
(実施例1)
低い血清中1,25−ジヒドロキシビタミンDを有する対象を治療するための1,25−ジヒドロキシビタミンD2
18〜85歳の成人50名が参加する研究において、低い血清中1,25−ジヒドロキシビタミンDを有する対象に対する治療として、1,25−ジヒドロキシビタミンD2を使用する。
対象は、20pg/mL未満の血清中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度を有し、8週のベースライン期間、および次いで経口で投与される1,25−ジヒドロキシビタミンD2での24週間の療法を完結する。
1,25−ジヒドロキシビタミンD2の初期投与量は、1.0μgであり、4週間後に0.5μg/日の増量での増加を可能とする。最大投与量を、5.0μg/日の1,25−ジヒドロキシビタミンD2に制限する。対象を、規則的間隔で、血清中iPTH、血清中カルシウムおよびリン、24時間および空腹時の尿中カルシウム、血清中の骨特異的マーカー、血漿中総1,25−ジヒドロキシビタミンD2、ならびに定型的な血液中化学物質および血液学についてモニターする。
24週の治療期間後に、1,25−ジヒドロキシビタミンD2で治療された対象は、約2.5〜4.5mg/dLの平均血清中リン濃度、約8.6〜10.2mg/dLの補正後平均血清中カルシウム濃度、約65pg/mL〜110pg/mLの平均血清中全分子副甲状腺ホルモン濃度、および約20pg/mL〜60pg/mLの平均血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度を示す。1,25−ジヒドロキシビタミンD2を投与中の血清中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度の試験は、患者の血清中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度が1,25−ジヒドロキシビタミンDに関する患者の正常な経歴の生理学的範囲内であることを示す。患者における骨特異的なマーカー、アルカリホスファターゼ、N−およびC−テロペプチド、およびオステオカルシンの血清中濃度は、これらのマーカーの平均的な通常濃度を示す。
(実施例2)
二次性副甲状腺機能亢進症を示す末期腎疾患(ESRD)患者での二重盲検試験
長期にわたる血液透析を受けている最大100名までのヒトESRD(末期腎疾患)患者を、多施設、二重盲検、プラセボ対照試験で研究した。選択された患者は、米国大陸内の2箇所の主要大都市区域に居住し、年齢は20〜75歳であり、二次性副甲状腺機能亢進症の病歴を有する。彼らは、少なくとも4カ月間、血液透析中であり、正常な(または正常に近い)血清中アルブミンを有し、かつコントロールされた血清中リン(経口リン酸カルシウム結合剤の使用によることが多い)を有する。
研究に入るに際して、各患者を、2つの治療群の1つに無作為に割り振る。これらの群の1つは、1,25−ジヒドロキシビタミンD2での12週間の療法課程を連続して2回受け入れ、残りの群は、1,25−ジヒドロキシビタミンD2での12週間の療法課程を1回、続いて間をおかず、12週間のプラセボ療法課程を1回受け入れる。各患者は、1,25−ジヒドロキシビタミンD2療法を開始するに先立って、いかなる1α,25−ジヒドロキシビタミンD3療法をも8週間中断する。この8週間の洗浄(または対照)期間、およびそれに続く12週×2回の治療期間中、患者を、週に1回、血清中のカルシウムおよびリンについてモニターする。血清中全分子PTHを、週に1回、または2週に1回モニターし、骨特異的血清中マーカー、血清中ビタミンD代謝産物、血清中アルブミン、血中化学物質、ヘモグロビンおよびヘマトクリットを、選択された間隔でモニターする。
研究中、患者は、1.24mMのカルシウム透析液を使用して定形的な血液透析(週に3回)を受け、リン酸カルシウム結合剤(炭酸カルシウムまたは酢酸カルシウムなど)を、血清中リン酸塩を3.5〜5.5mg/dLの範囲に維持して保持するのに十分な量で摂取する。患者が、治療期間中に持続性の軽症高カルシウム血症または軽症高リン血症を発症したら、彼らの1,25−ジヒドロキシビタミンD2投与量を減量する。患者が、著しい高カルシウム血症(補正後血清中総カルシウム濃度が10.2mg/dLを超える)または著しい高リン血症(血清中リン濃度が5.5mg/dLを超える)を発症したら、治療を直ちに中止する。このような患者は、血清中のカルシウムまたはリンが正常化されるまで週2回の間隔でモニターし、そして1,25−ジヒドロキシビタミンD2の投与を再開する。
8週間の洗浄期間中、平均血清中PTH濃度は、漸進的かつ有意に増大する。1,25−ジヒドロキシビタミンD2の投与を開始した後、平均血清中PTHは、治療前濃度の50%未満まで有意に低下する。血清中PTHのこの降下のため、若干の患者では、血清中PTHの過剰抑制を予防するために、彼らの1,25−ジヒドロキシビタミンD2投与量を減量する必要がある。血清中PTHの過剰抑制を示すこのような患者では、1,25−ヒドロキシビタミンD2の投与量を適切に減量することによって矯正される一過性の軽症高カルシウム血症が観察される。
最初の12週の治療期間の終末時点で、平均血清中PTHは、末期腎疾患患者にとって望ましい150pg/mL〜300pg/mLの範囲であり、カルシウムおよびリンの血清中濃度は正常または正常に近い。次の12週の治療期間(この期間中、1つの群では、1,25−ジヒドロキシビタミンD2治療を中断し、プラセボ療法で代替する)の終末時点で、プラセボ療法を受け入れている群での平均血清中PTH値は、著しく増大し、治療前濃度に達する。効力のある群での平均血清中PTHは、コントロールされたままであり、カルシウムおよびリンの血清中濃度は、正常または正常に近いままである。この研究は、1,25−ジヒドロキシビタミンD2が、血清中PTH濃度を低下させる上で効果的であり、現在使用されている療法に比べてより安全であることを立証できる。
(実施例3)
ラットへのカルシトリオールおよび1,25−ジヒドロキシビタミンD2の投与
スプラーグドーリーラットに、腎不全を誘導することが既に立証されている(Leviら、J.Amer.Soc.Neph.、17;107〜112)0.75%のアデニンを含有する食餌を与えた。4週間後、すべての動物に通常食を与えた。研究の全過程中、通常食を受け入れる対照群を、通常の対照動物として使用した。アデニン食処置の4週間後、動物に、カルシトリオールまたは1,25−ジヒドロキシビタミンD2を0.01、0.05、0.1、0.25および0.5mg/kgで、静脈内で週3回、2または8週間投与した。2および8週間後に、血清、血漿、腎臓および副甲状腺を採集した。血漿および血清中のそれぞれiPTHおよびFGF23を、市販のElisaキットを使用して測定した。血清中カルシウムは、ORTHO−CLINICAL VITROS 250ケミストリーシステムまたはo−クレゾールフタレインコンプレクソンをベースにしたアッセイを使用して測定した。血清中リンは、ORTHO−CLINICAL VITROS 250ケミストリーシステムまたはモリブデン酸アンモニウムをベースにしたアッセイを使用して測定した。フィブロネクチン1は、腎臓から単離されたcDNAからのリアルタイムPCRにより測定した。
図1は、アデニンで処置された動物において、1,25−ジヒドロキシビタミンD2、1,25−ジヒドロキシビタミンD3、またはビヒクルのいずれかを2週間投与された後に測定したiPTH濃度を示す。参考のため、研究中に通常食(アデニンなし)を給餌された動物についてのPTH値も示す。1,25−ジヒドロキシビタミンD2および1,25−ジヒドロキシビタミンD3の両方とも、用量依存的な挙動で血清中PTH濃度を抑制できる。示した投与量についての抑制の程度は2種の化合物間で有意に異なることはない。これらの結果は、これらの化合物が、PTHの発現を阻害する上でのそれらの効力に関して本質的に同等であることを示唆している。
図2は、カルシトリオールで治療された動物について測定した血清中カルシウム濃度を示し、図3は、1,25−ジヒドロキシビタミンD2で治療された動物について測定した血清中カルシウム濃度を示す。カルシトリオールで治療された動物は、0.10μg/kgを超える投与量でカルシウムの有意な上昇を示し、一方、1,25−ジヒドロキシビタミンD2で治療された動物は、0.05μg/kgを超える投与量で有意性を示した。0.10μg/kgのカルシトリオール投与量は、約13.6%のPTH阻害に相当し、一方、0.05μg/kgの1,25−ジヒドロキシビタミンD2投与量は約82.7%のPTH阻害に相当する。これらの発見は、1,25−ジヒドロキシビタミンD2が、同等の効力を有する投与量の1,25−ジヒドロキシビタミンD3と比べてカルシウム血症を引き起こす可能性が少ないと思われることを示している。
図4は、カルシトリオールで治療された動物について測定された血清中リン濃度を示し、図5は、1,25−ジヒドロキシビタミンD2で治療された動物について測定された血清中リン濃度を示す。カルシトリオールで治療された動物は、高い方の2水準の投与量で有意なリンの上昇を示し、一方、1,25−ジヒドロキシビタミンD2で治療された動物は、最高投与量でのみ有意性を示した。
図6は、前向き試験における、カルシトリオールで治療された動物についての生存データを示し、図7は、1,25−ジヒドロキシビタミンD2で治療された動物についての生存データを示す。
図8は、治療12日後の相対的な腎臓FN1誘導を示す。0.5mg/kgで観察される腎臓FN1発現の抑制程度は、カルシトリオールで治療された動物に比較して、1,25−ジヒドロキシビタミンD2で治療された動物で有意に大きかった。0.1mg/kgでは、2種の化合物間で抑制の相違が観察されなかった。
(実施例4)
ヒト腸内での化合物の安定性
等部の0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)、NADPH、G−6−P、およびG−6−Pデヒドロゲナーゼを混合してNADPH−生成系を調製し、NADPH、G−6−P、およびG−6−Pデヒドロゲナーゼの最終濃度を、0.8mM、8mM、および0.8U/mLとした。
1,25−ジヒドロキシビタミンD2およびカルシトリオールを、NADPH生成系に添加した。2種のビタミンD化合物の最終濃度は、それぞれ3.3mMとした。反応物を37℃で5分間プレインキュベートした後、ヒト腸ミクロソーム(22mg/mL)を添加して反応を開始した。60分間インキュベートした後、冷した100%アセトニトリルを添加して反応を終結した。検体のアリコートをHPLCに注射して化合物の残存%を測定した。
結果は、図9で示され、1,25−ジヒドロキシビタミンD2が、ヒト腸上皮中で代謝的に不安定であることを立証している。腸内での選択的な不安定性は、ビタミンD療法において利点であり、1,25−ジヒドロキシビタミンD2の軽減された毒性を説明する1つの因子である可能性がある。
(実施例5)
C2BBel細胞中でのアルカリホスファターゼおよびCYP24の活性
C2BBel細胞を、1mM、100nM、および10nMの1,25−ジヒドロキシビタミンD2およびカルシトリオールで処理した。細胞を37℃で8時間インキュベートした。次いで、該細胞を1mLのトリゾール(TRIzol)試薬中で溶解した。製造業者(INVITROGEN)の説明書通りに細胞溶解物から相分離によりRNAを分離した。cDNAを合成した後、リアルタイムPCRを使用してアルカリホスファターゼおよびCYP24を定量した。
測定されたアルカリホスファターゼおよびCYP24の活性は、それぞれ図10および図11に示され、1,25−ジヒドロキシビタミンD2は、IAP活性の強力な誘導因子ではないことを立証している。さらに、IAPおよびYP24応答の間の類似性は、これらの細胞での代謝の相違を示唆している。
(実施例6)
Caco−2細胞中での腸アルカリホスファターゼ(IAP)の誘導
図12は、カルシトリオール(一番上の線)、1,25−ジヒドロキシビタミンD2(すぐ下のデータ群および線)、19−ノル−1,25−ジヒドロキシビタミンD2(パリカルシトール、すぐ下のデータ群および線)、および米国特許第6380408号中で式IX(化合物1)として開示されている、(5Z,7E,16Z,23E)−(1S,3R)−25−ノル−25−t−ブチルスルホニル−9,10−セコ−5,7,10(19),16,23−コレスタペンタエン−1,3−ジオール(図中、1番下のデータ群および線)である活性ビタミンDホルモン類似体での治療に続く、Caco−2細胞中での腸アルカリホスファターゼ(IAP)活性(単位時間変化当たりのmRNA光学密度変化)を示す。該データは、1,25−ジヒドロキシビタミンD2が、19−ノル−1,25−ジヒドロキシビタミンD2およびもう1つのビタミン類似体と比較して、IAPに対して類似の効果を有することを示している。
これまでの説明は、明瞭な理解のためにのみ与えられ、本発明の範囲内での修正は、当業者にとって明らかである可能性があるので、その説明から不必要な限定を推測すべきではない。
本明細書中で引用されるすべての特許、刊行物および参考文献は、ここで参照により完全に組み込まれる。本開示と組み込まれる特許、刊行物および参考文献との間に矛盾が存在する場合には、本開示が、優先するものとする。
明細書の全体を通して、組成物が成分または材料を含むと記載される場合、特記しない限り、該組成物は、また、列挙した成分または材料の任意の組合せから本質的に構成され得るか、構成され得ると考えられる。
本明細書中で開示される方法、およびその個々のステップの実施は、手で、および/または機械および/または電子装置の助けを用いて実施できる。該方法は、特定の実施形態に関して説明されるが、当業者は、該方法と関連した行為を実施する他の方法を使用できることを容易に認識するであろう。例えば、各種ステップの順序は、特記しない限り、該方法の範囲または精神から逸脱しないで変更できる。さらに、個々のステップのいくつかを、組み合わせ、削除し、あるいは付加的ステップにさらに再分割できることを認識するであろう。

Claims (37)

  1. ヒト患者の血清中全分子副甲状腺ホルモンを安全に低下させるか、あるいは低下した該ホルモンを維持する方法であって、該患者に、血清中副甲状腺ホルモン濃度を低下させるか、あるいは低下した該ホルモン濃度を維持するのに有効な量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を投与することを含む方法。
  2. 1,25−ジヒドロキシビタミンD2の前記投与によって、同時に、
    (a)患者の血清中カルシウム濃度を高めることおよび/または維持すること;
    (b)患者の血清中リン濃度を維持すること;
    (c)患者の血清中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度を高めること;および
    (d)患者の血清中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度を維持すること
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 1,25−ジヒドロキシビタミンD2の前記投与によって、患者の血清中カルシウム濃度を約8.6〜10.2mg/dLの範囲に高めることおよび/または維持することを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 1,25−ジヒドロキシビタミンD2の前記投与によって、患者のリン濃度を2.5〜4.5mg/dLの範囲に維持することを含む、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 1,25−ジヒドロキシビタミンD2の前記投与によって、患者の血清中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度を患者の正常な経歴の生理学的範囲に高めることを含む、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 1,25−ジヒドロキシビタミンD2の前記投与によって、血清中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度を患者の正常な経歴の生理学的範囲に少なくとも30日間維持することを含む、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記有効量が、血清中全分子副甲状腺ホルモン濃度を少なくとも15%低下させるのに十分である、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 患者に、ある量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を投与することによって、ヒト患者の血中1,25−ジヒドロキシビタミンD濃度を安全に高めるか、あるいは維持する方法。
  9. ヒト患者における1,25−ジヒドロキシビタミンD欠乏症の1種または複数の症状を軽減する方法であって、該患者に、1,25−ジヒドロキシビタミンD欠乏症の1種または複数の症状を軽減するような量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2を投与することを含む方法。
  10. 1,25−ジヒドロキシビタミンD欠乏症の前記1種または複数の症状が、ビタミンDの非古典的効果に関する欠乏症の症状を包含する、請求項9に記載の方法。
  11. 患者への1,25−ジヒドロキシビタミンD2の前記投与が、患者におけるレニン−アンジオテンシン系の負の内分泌調節を提供する、請求項10に記載の方法。
  12. 患者が慢性腎臓病(CKD)と診断されている、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
  13. 患者が、慢性腎臓病に続発する副甲状腺機能亢進症(SHPT)と診断されている、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記CKDが、ステージ1またはステージ2のCKDである、請求項12または13に記載の方法。
  15. 前記CKDが、ステージ3、ステージ4、またはステージ5のCKDである、請求項12または13に記載の方法。
  16. 投与される1,25−ジヒドロキシビタミンD2の量が、血清中PTH濃度を、ステージ3のCKD患者では35〜70pg/mL、ステージ4のCKD患者では70〜110pg/mL、ステージ5のCKD患者では150〜300pg/mLに低下させるのに十分である、請求項15に記載の方法。
  17. 投与される1,25−ジヒドロキシビタミンD2の量が、1週につき0.1μg〜約100μgである、請求項1から16までのいずれか1項に記載の方法。
  18. 1,25−ジヒドロキシビタミンD2を少なくとも30日間投与することを含む、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
  19. 1,25−ジヒドロキシビタミンD2を少なくとも2カ月間投与することを含む、請求項18に記載の方法。
  20. 1,25−ジヒドロキシビタミンD2を少なくとも3カ月間投与することを含む、請求項18に記載の方法。
  21. 1,25−ジヒドロキシビタミンD2を少なくとも4カ月間投与することを含む、請求項18に記載の方法。
  22. 1,25−ジヒドロキシビタミンD2を少なくとも5カ月間投与することを含む、請求項18に記載の方法。
  23. 1,25−ジヒドロキシビタミンD2を少なくとも6カ月間投与することを含む、請求項18に記載の方法。
  24. 患者における25−ヒドロキシビタミンDおよび1,25−ジヒドロキシビタミンD3の漸進的減少を回避することをさらに含む、請求項18から23までのいずれか1項に記載の方法。
  25. 血清中(または血漿中)全分子副甲状腺ホルモンを低下させる活性を有する医薬組成物であって、有効量の1,25−ジヒドロキシビタミンD2および少なくとも1種の医薬として許容し得る賦形剤を含有する医薬組成物。
  26. 単位剤形である、請求項25に記載の組成物。
  27. 前記医薬として許容し得る少なくとも1種の賦形剤が、1,25−ジヒドロキシビタミンD2の制御放出を提供する、請求項25または26に記載の組成物。
  28. 前記医薬として許容し得る少なくとも1種の賦形剤が、1,25−ジヒドロキシビタミンD2の実質的に一定の放出を提供する、請求項27に記載の組成物。
  29. 前記医薬として許容し得る少なくとも1種の賦形剤が、1,25−ジヒドロキシビタミンD2の遅延放出を提供する、請求項27または28に記載の組成物。
  30. 前記医薬として許容し得る少なくとも1種の賦形剤が、患者の小腸への1,25−ジヒドロキシビタミンD2の遅延放出を提供する、請求項29に記載の組成物。
  31. 前記医薬として許容し得る少なくとも1種の賦形剤が、患者の回腸への1,25−ジヒドロキシビタミンD2の遅延放出を提供する、請求項29に記載の組成物。
  32. 経口製剤を構成する、請求項25から31までのいずれか1項に記載の組成物。
  33. 静脈内製剤を構成する、請求項25から31までのいずれか1項に記載の組成物。
  34. 単位剤形が、約0.1μg〜約10μgの1,25−ジヒドロキシビタミンD2を含有する、請求項26から33までのいずれか1項に記載の組成物。
  35. 単位剤形が、約1μg〜約4μgの1,25−ジヒドロキシビタミンD2を含有する、請求項34に記載の組成物。
  36. 約2μg〜約10μgの1,25−ジヒドロキシビタミンD2を含有する、請求項27から33までのいずれか1項に記載の組成物。
  37. 約3μg〜約5μgの1,25−ジヒドロキシビタミンD2を含有する、請求項36に記載の組成物。
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