JP2010524055A - 天然物開発のための薬剤プラットフォーム技術 - Google Patents

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Abstract

本発明は、一連のインビトロ及びインシリコ手法を提供することにより、複数成分の生体内薬物動態及び薬理を予測するものである。この手法は、線形独立又は互いに相互作用する複数の未知数の解を求めるための数学的モデルを含む。本発明を応用することにより、複数の活性成分を含む植物薬剤(フィトメディスン)を、これらの成分を事前に同定、単離、及び精製することなく開発できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、米国特許第60/909,018号(出願日:2007年3月30日)の優先権の利益を主張するものである。この先行出願の全体内容と開示を参照することにより本出願に組み込むものとする。
本出願を通して各種引用文献を参照するが、これら刊行物の開示全体を参照することにより本出願に組み込むものとし、本発明に関連する従来技術をより完全に記載することとする。
天然物は、何千年もの間人類文明において使用されてきた。これら天然物の薬理効果は、歴史を通して記録されてきた。薬理学、臨床薬理学、生薬学及び分析化学の発達に伴い、天然物質中の活性成分が解明され始めた。良例としては、ヤナギの樹皮中にアセチルサリチル酸が発見されたことが挙げられる。最近、バイエル社は、アセチルサリチル酸の精製形態であるアスピリンの生誕100周年を祝した。
天然物の研究には2つの流れが存在する。現代薬学の出現以来、天然物質中の単独活性成分を単離及び精製することへの飽くことのない探求が続いてきた。実際に、癌、高血圧症及び片頭痛を治療するために開発されてきた薬剤の60%以上が、天然起源のもの又は天然物の模倣体である(非特許文献1)。コンビナトリアル技術は、構造を最適化する方法として成功を収めてはいるが、薬剤として承認されたデノボコンビナトリアル化合物で、2002年以前に同定されたものはない。これは、天然起源の有力な候補が限られてきたことが理由であり、何ら驚くことではない。
自然療法は、大抵1種以上の薬草から構成される。各薬草は多数の活性成分を有する。複合混合物に用いられる公知の薬理学モデルによる同定、精製、活性決定は、非常に重大な課題である。本研究分野の複雑性は、自然薬品開発において大きな障害となっている(非特許文献2)。非特許文献3は、総説において、漢方(traditional Chinese Medicine:TCM)の活性成分を同定することがTCMの開発において最も重大な課題であるという意見を述べた。活性成分は、製剤の主成分の活性代謝産物である可能性がある。例えば、ジンセノサイドは朝鮮人参(ginseng)の有効性に関与する主要成分である。しかしながら、これらのジンセノサイドの活性は低く、経口投与後のそれらの生物学的利用能は極めて低い。代謝産物であるプロトパナキサジオール及びプロトパナキサトリオールは、容易に吸収されるとともに薬理学的に活性である(非特許文献4)。TCM中の活性成分の薬物動態及び薬理学的性質を理解することは重要ではあるが、潜在的な薬物動態及び薬理学的相互作用間における複雑な相互関係を解決することについては何ら示唆されてこなかった。
天然物質における活性成分の研究は、薬学分野ではむしろ未発達なままである。この手法は、医薬開発における発見段階で停滞している。一般的な手法は、活性が誘導された抽出物を用いることにより、インビトロ(in vitro)活性を有する対象物を同定する方法である。本手法は、天然物の開発には非常に不適当である。かなり長い間、オタネニンジン(panax ginseng)は、活性成分が明確ではないために、高価な「がらくた」であると考えられてきた。これは、非特許文献4が、オタネニンジンの不活性型ジンセノサイドは、プロドラッグの如く作用し、腸内細菌叢によって代謝された時に生理的活性を有するアグリコンを放出することを報告するまで続いた。フラボノイド配糖体であるルチンは、イチョウやその他多数の薬草に存在し、インビトロでは強力な抗酸化剤として証明されてきた。しかしながら、ルチンの実際のインビボ(in vivo)活性を実証することは困難であり、これは単純に本物質が血流中では検出できないからである(非特許文献5)。センキュウ(Chuanxiong)の主成分であるz−リグスチリドは、この薬草の主要活性成分として証明されてきた。しかしながら、この成分の生物学的利用能は3%未満である(非特許文献6)。この活性を発揮するための作用部位に到達するリグスチリドが十分ではないことは一目瞭然である。これらの例は、薬草製剤中の活性を同定するために古典的な薬学的手法を用いた場合の欠点を明示している。ジンセノサイド等の天然のプロドラッグは見落とされ、ルチン等の活性は探求されることになる。薬学分野では、リグスチリド等の化合物は、経口投与の場合には「薬らしい(Drug-like)」特性に欠ける。薬らしい特性とは、基本的には、投与後に代謝されずに相当量吸収される能力を有するとともに、身体から排出される前に血流を介して作用部位に十分量が分布される物質の薬物動態学的特性である。薬らしい特性は、医薬開発にとっては新しいものであるため、天然物研究の主要素ではなかったことは驚くべきことではない。薬草抽出物の活性到達には順列があるため、複数成分の薬物動態学的プロファイルを正確に記述する複雑性については、実に手が出せないように見える。
最近、セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort)(非特許文献7)とイチョウ(非特許文献8及び9)等の天然物質に対して薬物動態及び薬理学的研究を実施することへの関心が高まっている。薬草薬剤の相互作用(非特許文献10乃至12)、薬物代謝酵素における薬草の効果(非特許文献13乃至17)、及び薬草の活性成分の薬物動態(非特許文献18乃至20)の分野における刊行物は十分に存在する。この薬物動態の分野における刊行物は、1種の成分に限定されたものである。インビボの薬草薬剤の相互作用をインビトロの方法を用いて予測しようとする研究も存在する(非特許文献2、21及び22)。これらの研究は部分的には成功を収めているものの、一般的には、その結果を確認するためにはインビボ研究が必要であるという結論に達している。
代替療法の利点は、病気の治療に必要な投与量が比較的少ないことであると度々主張されてきた(非特許文献2)。活性成分は、付加的、相乗的又は拮抗的のいずれかで作用する。関与する成分の数及びそれらそれぞれの薬らしい特性があまり理解されていない現状において、体内におけるこれらの込み入った相互作用を測定することは略不可能であるといえるだろう。
創薬のための製薬技術は、天然物の開発においては広範囲に用いられてこなかった。薬草薬剤の相互作用(非特許文献11、12及び22)及び活性成分の代謝(非特許文献23)を評価するために、インビトロにおけるミクロソーム又は肝細胞の研究が多数報告されている。しかしながら、生理学的薬物動態学及び/又は薬理学モデルを用いることにより身体における薬草抽出物の活性成分の経時変化を予測するという研究は存在せず、同様の手法を用いることにより応答の経時変化を定量化するという研究も存在しない。現在まで、創薬のためのコンピューターを用いた方法が、薬草抽出物の投与後に活性成分及びそれらの代謝産物の薬物動態学及び薬理学的相互作用を予測するのに応用されたことはない。
過去20年、天然物を標準化するための方法を記述した多数の特許が出願されている。最も高度なものとしては、パラセルシアン社(Paracelsian)のBioFit(登録商標)(非特許文献24)、CVテクノロジーズ社(CV technologies)のChemBioPrint(登録商標)(非特許文献25)及びファーマプリント社(PharmaPrint Inc)のPharmaPrint(登録商標)技術(非特許文献26及び27)である。最後に記載した2つは、薬理的に活性がある画分の濃縮に関与するバイオアッセイを利用し、1以上のマーカーが所望の活性によって標準化される。両方の条件が満たされると、バッチ処理が認められる。PharmaPrint(登録商標)は、これら抽出物の医薬品グレードを評価する。この技術は、セイヨウオトギリソウ(非特許文献26)等の標準化された薬草を生成するために用いられてきた。ChemBioPrint(登録商標)は、インビトロアッセイに加えてもう少し関与が見られ、インビボアッセイも標準化手法に組み込まれている。これら2つの標準化手法はどちらも、活性と推定標準化成分とを直接的に結び付けるものではない。したがって、標準化成分は、正しい量であるのかまた適切な比率であるかが分からない。また、同定されていない活性成分については情報がない。これら成分の幾らかは、インビトロでは不活性であるがインビボでは生物活性を有することがよく知られている(非特許文献4)。これは、これらの成分の幾らかは実質的には吸収されず、「薬らしい」特性に欠けるからである。パラセルシアン社(Paracelsian)のBioFit(登録商標)技術は、CaCo−2細胞を用いた吸収の評価を活性成分に実施したと主張した。しかしながら、CaCo−2は巨大分子の吸収を予測するには欠点を有しており、この理由は、これら分子がCaCo−2膜を通って透過できないためである。天然成分のかなりの割合は巨大分子の重量が占めている。これら分子(ポリサッカロイドや配糖体等)の吸収は、CaCo−2細胞を用いて推定することは困難である。
キネタナ社(Kinetana)のSimBioDAS(登録商標)技術(非特許文献28)は、CaCo−2技術が直面する課題を克服するように見える(非特許文献24)。この技術を用いることにより、インビトロで活性がある吸収可能な成分が測定される。しかしながら、この技術は2つの問題を有する:1.成分の薬物動態を推定せず、そして作用部位における濃度−時間プロファイルを提供しない。2.細胞膜は、セイヨウオトギリソウ等の特定の薬草抽出物を用いて培養されたときに破損を受け易い。
2008年1月、インドのアヴェスタジェン社(Avesthagen)が、複数構成成分の植物由来抽出物を標準化するための新技術MetaGridを公開するプレスリリースを出した。この技術は、分析手法を用いて分析された活性成分の整合保持時間に基づくものである。この技術は活性成分を標準化するのに有用である可能性がある一方、これらの所謂活性成分は、インビボ試験を目的とした積極的な試験を受けているものではない。言い換えると、この技術はこれら成分の「薬らしさ」特性の情報を提供するものではない。
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要するに、薬草物質の薬理的活性成分を十分に採掘するために利用可能な方法は存在しない。植物薬剤(フィトメディスン)の活性は、数多くの活性成分によって仲介されるものであり、各活性成分の構成は、西洋医学に使用されるものと比較して相対的に低量であるというのが定説となっている。さらに、各成分は、個別に与えられると、同様の生理学的効果を得るためにはかなりの高用量が必要となる。しかしながら、(実験によって直接的に実証されることはめったにないが、)これらの個別の成分は、一緒に摂取されると、それぞれが互いに相乗的に増強されることがあると考えられている。例えば、既知の薬草抽出物(例えば、エキナセア(Echinacea)又はイチョウ(Ginkgo biloba))では、数百の化学物質が存在する可能性があり、その内の数十は活性化合物であり、これらの一部が相乗的に互いに強く相互作用するか、又は相互抑制する可能性がある。しかしながら、既存技術は、これら成分の活性を集団として明らかにすることに成功していないため、厳重な品質管理を行うことができない。
本発明は、プラットフォーム技術を記載しており、このプラットフォーム技術は、上述したこれら相互作用の数学的に厳密な手法を、インビトロとインシリコ(in silico)のモデリング、及び処理過程のリバース・エンジニアリングを付与するデータ分析を組み合わせることにより定式化し、そして、最適組成を考案することにより、最も効果的な複数成分を含む製剤を作り出すことに基づく。本手法の利点は、成分を個別に調査する必要がないことである。この結果、活性成分の分離、単離及び精製が不必要となり、時間及び資源を節約できる。図1は、単独成分の濃度及び効果の経時変化を記載するために用いられるモデルを図示したものである。これと同じモデルが、本発明に記載される数学的方法を組み込んだ後、複数成分の経時変化を記載するために用いられることが可能である。
線形独立及び/又は互いに相互作用する複数の未知数の解を求めるための数学的モデルが、一連のインビトロとインシリコの手法に組み込まれ、複数の成分のインビボ薬物動態及び薬理を予測することが可能となる。本方法を応用することにより、複数の活性成分を含む植物薬剤(フィトメディスン)を、これら成分を事前に同定、単離及び精製することなく開発できる。
インビトロ技術は、人工胃及び腸液、腸内細菌叢、腸ミクロソーム、細胞膜、腸組織、肝細胞、血漿及び血液を用いた培養を含むがこれらに限定されない。インシリコ技術は、生理学的に拡張された薬物動態/薬理学的モデル、並びにlogP、logD、分布容積、及び腎排泄の予測を含む。
一実施形態では、本発明は、複数の成分を含む混合物中のインビボ薬物動態及び薬理を予測する方法を提供する。この方法は、消化管及び肝臓内の混合物中の個別及び相互作用成分の代謝速度を決定する工程と、血液又は血漿内の成分の分布を決定する工程と、成分の腎排出速度を決定する工程と、個別成分の有効性及び複数の成分間の相乗もしくは抑制作用を決定する工程とを備える。上述の決定は、混合物の薬物動態学及び薬理学的特性をインビボで予測するための数学的モデルを含む。
他の実施形態では、本明細書に記載の方法によって特定される複数の成分を含む組成物が提供され、この成分は、本明細書に記載の方法によって決定された望ましいインビボ薬物動態及び薬理学特性を有するものである。
経口投与後の成分の巡りを記載する概略図である。内部コンパートメントによる輸送は、矢印で示される如く、一次であると仮定している。 図2Aは、ミカエリス・メンテン反応速度式に基づく典型的な用量−応答の関係性を示す。図2Bは、同じ関係性を図式的に変換することにより、応答に対するlog用量を表現するものである。応答は、最大20−80%の範囲内におけるlog用量に関連して略直線である。 最適化手法の一般的なフローチャートを示し、手順を図示したものである。 ミカエリス・メンテン式の用量反応関係を示し、rは用量と関連付けた反応の線形変換である。rは反応/(1−反応)である。 15の仮説上の成分を含む25の混合物のログ用量反応関係である。各反応測定の誤差は±10%と仮定した。 予測される有効性(オープンバー)(open bar)対実際の(ハッチバー)(hatch bar)有効性を示す(1/EC50)。図6A:15の仮説上の化合物の相対的な有効性。化合物(2)、(9)、(10)、(12)及び(13)はあらかじめ活性である(10%のノイズよりも大きい)。図6B:化合物(16)(化合物4及び10)及び化合物(17)(化合物7及び8)は、個々の化合物を組み合わせるよりも高い活性を示した。化合物(18)及び(19)は、それぞれ化合物(1)及び(2)、(3)及び(4)の架空の対である。 (仮説上の標本)の各々の公式化に対する応答を示す。プロットの曲線は最下の曲線から順に、標本(25)、(15)、(14)、(10)、(9)、(18)、(20)、(7)、(24)、(22)、(6)、(5)、(3)、(23)、(11)、(2)、(17)、(12)、(13)、(19)、(4)、(1)、(21)、(16)、及び(8)を示す。 2次元データ集合に適用される主成分分析の概略図を示す。 PCAを合成データに適用した結果を示す。5(の変換変数)からの10の変数がデータ中の変数の80%を占める。このことは相関関係/依存性/相互作用、及びその情報がごく僅かしか全変数に広がっていないことを示す。 ピークX(*)の位置の詳細な分析を示す。 実施例における様々な用量依存性の関数の図を示す。元データ、モデル応答、及び両者の差が示されている。モデルフィッティングに用いられる位置は円で印を付けている。(a)元データ、(b)8項式モデル、(c)8項式の差、(d)6項式モデル、(e)6項式の差、(f)4項式モデル、及び(g)4項式の差の図が示されている 胃腸管に沿って成分、及びその成分の分解産物、及び/又は代謝産物が通過する様子を示す略図である。分解は化学的であり、代謝は十二指腸の膵臓の酵素又は結腸の腸内細菌叢から発生する。Xi、Zi、及びMiはそれぞれ基質、分解産物、及び代謝産物を示す。 成分及び腸細胞周辺の成分の代謝産物の輸送を示す略図である。腸細胞内部でも、成分及びその代謝産物の代謝が起こる。これらの種が移動する速度は、透過性によって測定され、透過性は吸収速度を推定するために利用可能である。Xi及びMiはそれぞれ基質及び代謝産物を表す。 事象が典型的な肝細胞に起こったことを示す。成分及び/又はその分解産物及び代謝産物の取り込みは、受動工程及び能動工程によって潜在的に管理される。肝細胞内部で全ての種は潜在的に結合又は代謝可能である。このような種の排出も受動工程及び/又は能動工程によって管理される。Xi、Mi、及びMeは基質を表し、代謝産物l、e及びhは、それぞれ胃腸管腔、腸細胞及び肝臓内で形成される代謝産物である。このような代謝産物は胃腸管腔及び腸細胞に由来する。 血液中のコンパートメントの分布を示す略図である。一般的に、血漿中の遊離濃度Xiは測定対象である。 混合物(1)が50の単位で経口投与された後の、15の化合物の濃度対時間のプロファイルを示す。化合物(2)、(9)(10)、(12)及び(13)は目立つように描かれている。化合物(2)の濃度は低すぎて示されていないことに留意されたい。 混合物(1)が50の単位で経口投与された後の、複合効果対時間のプロファイルを示す。この反応には主に成分(2)、(9)、(10)、(12)、及び(13)が寄与している。 50成分の系を示し、各成分は線形応答を備え、2つの対は付加的相互作用を備える。ミカエリス・メンテン形式が全体的な相互作用と±5%のノイズを制限するために、上述の曲線は、各混合物中に0−1単位で無作為に分布した成分を含む混合物に対する典型的な全体応答データであることを意味する。 1.0用量点からの150の混合物と全体応答を示し、50成分のそれぞれから線形応答を仮定する。 残差と乗算対の項それぞれとの間の相関関係のプロットを示す。相関性が高い程、より暗色である。 疑似成分51−54として4対の項を追加することにより生成される新規且つ向上した推定値を示す。 同じ系を繰り返し、今度は3つの用量点(1.0、0.3、及び0.1)を用いることによって得られた推定値は、第1推定値においてより密接した正確なフィットを提供することを示す。 同じ4つの疑似成分を用いて、単独の用量点の場合よりもフィットが良好な第2推定値を得る。 表9に記載された系に対する0時間時点における腸と身体コンパートメントそれぞれの4と0単位用量の時間曲線を示す。 身体時間曲線量のための濃度曲線下面積(AUC:Area Under Curve)を示す。このデータは表9で提供されたものである。効果的な吸収及び排出の範囲が広範囲に及ぶことに注目されたい(変化が略2桁である)。 各化合物のAUCによって同じ一連の150の混合物が計られる(AUC値を各成分に対する身体の暴露であるとする)。 上述したプロットからは劇的に変化した残差を示す。これらプロットそれぞれの暗色は、プロットにおいて最も相関性が有るポイントとして計られる。そして、個別のポイントの外観は、これら図のそれぞれにおいてのみ比較が可能であり、これら図の間で比較することはできない。このプロットにおける最も強い相関性は、実際には上述したプロットにおけるものよりも弱い。 4つの疑似成分を追加した第2推定値を示す。これは、第1推定値と殆ど相違しない。疑似成分は、それらを構成する成分が有意に存在しないため、応答が非常に小さい。 薬物動態パラメータの第2集合によってもたらされた時間曲線を示す。 上述したプロットの量に対応するAUCを示す。 第1推定値が、この時点でどのようにして2つの重要な成分と2つの適度な成分を明らかにしたのかを示す。 再度、4つの疑似成分を追加しても、相乗作用の項は大部分が抑制されるため、系内の影響は殆ど無いことを示す。 レッド・クローバー(Trifolium pratense)の抽出物から得られた代表的な紫外線(UV)と質量分光学(MS)クロマトグラムを示す。ゲニステインとダイゼインの前駆体は抽出物中の主要成分であることは明らかである。
本発明は、a.混合物(薬草抽出物の混合物が挙げられるがこれに限定されない)から活性成分の集団を同定し、b.活性又は不活性となり、互いに相互作用して観測可能な効果を生成する成分の集団を同定し、c.活性成分の薬物動態及び薬理学的特性を推定し、d.インビボで作用部位における活性構成成分の濃縮時間プロファイルを推定し、e.全体応答時間プロファイルを推定し、f.最適投与量を算出することにより所望の応答プロファイルを提供するという工程を記載する。
(単独成分の薬物動態)
成分の薬物動態を理解することは、本発明の概念を明らかにするために重要である。薬物動態は、身体における化合物の吸収、分布、代謝及び排泄を取り扱う研究分野である。基本的には、薬物動態は、身体における化合物の経時変化を数学的に記載したものである。薬物動態という名称は、1952年にディートリッヒ氏(Dietrich)が作り出したものである。本分野は、ゲルハルト・レビー(Gerhard Levy)教授、ミロ・ギルバルディ(Milo Gilbaldi)教授、レスリー・ベネット(Leslie Benet)教授が私達の時代の他の著名な薬物動態学者とともに、輝かしい調査を実行した後、医薬開発の重要な部門となった。私達の現在の理解とは異なり、これら研究者はまた、強力な化学物質は、十分量が作用部位に吸収及び送達されない限り効果がなく薬剤中に用いることができないことを当時の製薬科学者に納得させる必要があった。構成成分は、十分量作用部位に送達される必要があるだけでなく、十分な臨床反応が測定可能となる前に、十分な期間作用部位に保持される必要がある。この基本概念は、化学物質を薬剤開発に用いるためには、十分な有効性を有するとともに十分な「薬らしさ」特性を有する必要があるという理解を導くことになる。薬らしい特性は、薬物動態学的特性によって定量化される。有効性は、化学物質固有の活性の程度を示し、例えば酵素(コリンエステラーゼ等)を50%抑制可能な濃度である。
従来、薬物動態のパラメータ、例えばクリアランス、半減期及び分布容積等は、インビボで測定される。最近20年で、様々なインビトロ及びインシリコの方法が文献上で報告されている。これらの手法は、常に改善されており、これらの予測能力は、年月を重ねるにつれて改善している(非特許文献29)。最近では、リード物質の薬物動態及び薬理学的特性を推定可能な商用プログラムも存在する(http://www.simulations-plus.com/products/gastro_plus.html)。
本発明の1つの目的は、天然物を開発することであり、これら天然物の殆どが経口投与であるため、本発明では経口投与後の化合物の薬物動態を詳細に記載する。本概念は静脈投与又は非静脈投与する成分にも容易に拡張可能であることに留意されたい。
(吸収)
化合物は、経口摂取された後、体循環に吸収される前に多くの事象が生じる可能性がある(図1)。化合物は、溶液として摂取されない場合、腸細胞に入る前に溶解される必要がある。化合物は、吸収される前に、胃腸管腔内の過酷な環境を生き延びなければならない。胃内の強酸、膵臓と腸細胞で生成される酵素、及び腸内細菌は、化合物を分解又は代謝する能力がある。例としては、センキュウのz−リグスチリド、オタネニンジンのジンセノサイド、及びマンネンタケ(Ganoderma lucidum)のポリサッカロイドが挙げられる。時には分解産物又は代謝産物は活性を示すため、身体の全体応答は、分解産物又は代謝産物の応答を含む可能性がある。成分は、インビトロ活性を有しているが、吸収されず且つ作用部位に到達不可能であるために身体内の実際の活性種ではないという事例もある。代わりに、分解産物又は代謝産物が活性であり、これらが「活性」成分のインビボ活性に関与する種であることもある。良例としては、オタネニンジンのジンセノサイドが挙げられる。アグリコンに結合したオリゴ糖が結腸細菌によって段階的に開裂されることにより、主要代謝産物20S−プロトパナキサジオール 20−O−ベータ−D−グルコピラノシド及び20S−プロトパナキサトリオールが形成される(非特許文献4)。アグリコンは朝鮮人参の活性部分であり、ジンセノサイドはプロドラッグのように作用する。
成分の腸細胞への透過速度と量は、溶解性、pKa、親油性、分配係数等の物理化学的特性に依存する。成分は、腸細胞中において、成分を代謝産物へと転換可能な代謝酵素にさらされる。この場合もやはり、これらの代謝産物は活性を示す可能性がある。z−リグスチリド、グリセルレチン酸等は、腸での代謝における良例である。
成分は、吸収された後、血液によって腸間膜循環に運ばれ、門脈を通って肝臓に流れ出る。その後、この成分は、多量の肝臓代謝酵素に直面し、より極性代謝物に代謝される可能性がある。
吸収過程中において化学又は代謝分解を経た成分の損失は、初回通過効果と呼ばれている。成分の生物学的利用能Fは、下式(数1:(1))によって決定される。
Figure 2010524055
Fgは、腸を生き延びる割合であり、Flは、肝臓を完全に通過する割合である。Fgは、下記に示す方程式(数2:(2))を用いて推定される。
Figure 2010524055
Fdは、胃腸管腔で分解される用量の割合である。Fmlは、腸管腔内の酵素によって代謝される割合である。Fnaは、吸収されない割合であり、Fm,intは、腸細胞によって代謝される割合である。
(分布)
初回通過を受けて残った成分は、血液によって上大静脈を通って心臓へと運ばれる。成分は、肺循環を通って送り出された後、血液循環を通って全身の残りの部分へと運ばれる。本工程中、成分は、肺、心臓、脳、腎臓、脂肪組織、赤血球、及び筋肉等の様々な器官や組織へと分布される。成分は、細胞膜、血漿及び細胞内タンパク質に結合することも可能である。成分が身体に分布する程度は、その物理化学的特性に依存する。成分の分布程度を示す薬物動態パラメータは、分布容積(V)と称される。
(排出)
成分は、身体に循環され分布される一方、血液、肝臓、腎臓、及び肺内で、酵素によって化学的に分解されたり代謝されたりする。成分とその分解産物は、胆汁中に分泌される及び/又は腎臓を通って排泄されることがある。胆汁を通って排出された成分又はその分解産物は、腸で再度吸収されることもある。最後に記載した過程は、腸肝循環と称される。
血漿又は血液中の成分の経時変化は、薬物動態モデルを用いて記載できる。成分を記載するために用いられる薬物動態パラメータは、吸収F、分布容積V、及び全身クリアランスClである。Clは、身体の全ての排出過程を含む用語である。この用語は、以下の方程式(数3:(3))で示される。
Figure 2010524055
Clは肝クリアランス、Clは腎クリアランス、Clotherは他の器官による排出である。
(単独成分の薬物動態)
成分は、体内の様々な部分に分布される一方、受容体を含む各種細胞成分と反応することにより一連の生化学的反応を誘発することもある。これらの反応は測定可能な臨床反応へと変換されてもよい。例えば、ギンコライドBは、血小板活性化因子受容体拮抗薬として証明されており、カロチノイドアスタキサンチンと組み合わせて用いて、喘息の治療に使用される可能性がある(非特許文献30)。
典型的な反応には、用量−又は濃度−応答の関係がある。この種の関係は、大抵ミカエリス・メンテン反応速度式を用いて記載される(図2)。その他にも濃度−応答関係は存在するが、本発明の重要な課題は、この種の関係を数学的に記載可能とすることである。
(複数成分の薬物動態)
成分の混合物(例えば天然物質によるもの等)を経口投与すると、成分は、単独成分の場合と同様に、吸収、分布及び排出等の薬物動態学的作用を受けることになる。混合物に伴う複雑性は、投与された成分同士が、様々な段階で相互作用する可能性があることにある。例えば、成分は他の成分の吸収を向上させることがある。ルチンは天然物質の生物学的利用能を増大させるとして証明されてきた。成分は他の成分の存在によって安定化されることもある。例えば、z−リグスチリドは、アルコールのセンキュウ抽出物中では安定である一方、純粋化合物自体は不安定である。酵素量に応じた相互作用は、文献上で十分に立証されている。例えば、セイヨウオトギリソウに含まれるハイパーフォリンは、P450アイソザイム、特にCYP3A4を誘発するとして証明されてきた。この誘発は、多数の重要な薬草−薬剤相互作用を導いてきた(非特許文献22)。成分は輸送機能の変動に関与することがあり、これら輸送体の基質である他の成分の透過性を変化させることになる。したがって、成分の吸収速度と排出速度は、有意に変動する可能性がある。
成分は、血漿タンパク質結合部位と競合する可能性がある。この競合は、Vを変動させる可能性があり、影響を受けた成分の分布と排出を変動させることとなる。また、成分は、能動的過程が関与する腎排泄と競合する可能性もある。
薬物動態学的相互作用に加えて、成分及びそれらの分解産物は、受容体量に応じて相互作用する可能性があり、これにより他の成分の有効性を変動することになる。
(複数成分の製品開発への試み)
複数成分の製品開発は、特に従来の手法が用いられた場合には非常に複雑であることは明らかである。全ての活性物質を混合物から単離し、それら物質を個別に研究し、その後で活性成分の組み合わせを再度研究することを想像してみて頂きたい。この方法が、新規の薬剤又は栄養補助食品を開発するための好適な方法ではないことは当然である(非特許文献2)。明らかな質問ではあるが、「より単純な方法は存在するのだろうか?」。より正確に言えば、「個別成分とそれらの相互作用の薬物動態及び薬理は、混合物状態を変えることなく、評価及び定量化することはできるのだろうか?」。
本発明は、混合物中の個別成分の薬物動態及び薬理パラメータを得る詳細な方法を記載する。図3は、最適化手法のフローチャートであり、本手法中に実施される工程を図示したものである。これらの例は本発明の理論的側面を強調したものである。シミュレーションを通じて、混合物中の活性成分は、各成分の精製(天然物調査への障壁となっていた過程)をせずに、正確に同定されることが実証される。さらに、本明細書に記載される方法は、薬草であるレッド・クローバー(Trifolium pratense)を開発するのに用いられる。レッド・クローバーは、植物性エストロゲンを豊富に含み、閉経後骨粗しょう症の治療に用いられるものである。
一実施形態では、本発明は、複数の成分を含む混合物のインビボ薬物動態及び薬理を予測する方法を提供する。本方法は、a)消化管及び肝臓内の混合物中の個別及び相互作用成分の代謝速度を決定する工程と、b)血液又は血漿内の成分の分布を決定する工程と、c)成分の腎排出速度を決定する工程と、d)個別成分の有効性及び複数の成分間の相乗もしくは抑制作用を決定する工程とを備える。上述の決定は、混合物の薬物動態及び薬理学的特性をインビボで予測するための数学的モデルを含む。
一実施形態では、代謝速度は、分解速度と吸収速度を含む。代謝速度vについては、ミカエリス・メンテン反応速度式又はその他形式の飽和反応速度式を用いることが可能である。例えば、ミカエリス・メンテン反応速度式は、下式(数4)に示される
Figure 2010524055
式中、Vmaxは、最大代謝速度であり、Cは基質濃度であり、EC50は、最大速度の50%が生じる時の濃度である。
一実施形態では、分解速度(dc/dt)は、一般的には一次であると仮定される。これは、分解率が濃度に依存することを意味する(下式(数5))。
Figure 2010524055
式中、cは時間tの時の濃度であり、Cは時間0の時の濃度であり、Kは一次分解速度定数である。この速度方程式は、積分して下式(数6)へと変換することが可能である。
Figure 2010524055
基質の半減期は、最初の濃度の50%が消失するまでの時間として決定される。上記の方程式より、半減期t1/2は下式(数7)として定義される。
Figure 2010524055
一実施形態では、図1に示される矢印は、分解を示す一次過程である。
その他の実施形態では、本発明の方法は、上述した工程(a)乃至(d)に係る成分の活性代謝産物用のパラメータを決定する工程をさらに備える。数学的モデルの出力結果によって、混合物及びそれらの活性代謝産物の薬物動態及び薬理学的特性をインビボで予測する。一般的には、薬物動態及び薬理学的特性は、成分及びそれらの活性代謝産物のための濃度−時間プロファイル及び応答−時間プロファイルを含む。
一実施形態では、本発明の方法は、線形独立又は互いに相互作用する複数の未知数の解を求めることが可能である数学的モデルを含む。例えば、このモデルは、重み付け線形関数(weighted linear function)のモデル、及び単独成分の用量における付加高次多項式(added higher-order polynomial)の項と対の用量における生成物の項を備える同様のモデルを含む。他の実施形態では、本発明の数学的モデルは、本明細書に記載の方程式(数2(7)、数20(13)及び/又は数21(14))を含む。
一実施形態では、消化管内の代謝速度を決定する工程は、インビトロアッセイを含む。例えば、このようなアッセイは、人工胃又は腸液、腸内細菌叢、腸ミクロソーム、又は培養細胞もしくは腸組織(例えば、Caco−2細胞又はMDCK細胞)による透過性研究を用いたアッセイを含む。
一実施形態では、肝臓内の代謝速度を決定する工程は、新たに収集した肝細胞、低温保存肝細胞、肝ミクロソーム、肝サイトゾル、又はS−9画分を用いるアッセイを含む。
一実施形態では、血液又は血漿中の分布の決定は、血漿タンパク質との結合、血中タンパク質との結合、pKa、logP、logD、及び成分分布容積を決定する工程を含む。
一実施形態では、腎排出の決定は、成分の化学構造に基づく。
一実施形態では、有効性の決定は、受容体結合アッセイ、酵素アッセイ、生化学的応答アッセイ、及び単離細胞又は器官を用いたアッセイを含む。
他の実施形態では、本発明は、本明細書に記載の方法によって特定される複数の成分を構成する組成物も提供する。成分は、本明細書に記載の方法によって決定された望ましいインビボ薬物動態及び薬理学的特性を有する。例えば、組成物はレッド・クローバー(Trifolium pratense)を含んでもよい。一実施形態では、レッド・クローバーは本明細書に記載の方法によって決定される量のフォルモノネチン、ビオカニンA及びそれらのグルコシドを含む。
<実施例1>
<混合物の反応に対する各成分の寄与度を推定するためのモデル開発手法>
この実施例の目的は、数学的モデルが混合物中の個々の成分活性を表現及び定量化するために開発される際の基礎となる数学的な枠組みを確立することである。発生する数学的な問題は以下のとおりに公式化可能である。異なる原料に由来する同一の生薬製剤(例えば、朝鮮人参)の標本は数多くあり、各原料は活性成分の量に関して異なる組成をしていると仮定する。標本は、1からMまでの指数「i」によって標識化されるものとする。さらに、各標本は1からNまでの指数「j」によって標識化されたN個の活性成分を含むと仮定する。1からjを超えてNまでの合計c(i,j)が全標本(iによって表示される)に対して1となるように(又は、全ての成分が各標本の合計量になる場合は100%)、各成分の濃度が決定され、c(i,j)と表示される。各標本の生理学的な効果(活性)が、利用可能な実験データによって決定されるA(i)であることは周知のこととする。一般的に、活性Aは濃度(i,j)の推測的な未知の非線形関数であるとする。これは実施例によっては実験を介して確立可能であり、この実験によって関数A対個別の成分濃度又は総投与量のいずれかが実験的に測定可能である。他に注目すべき唯一のことは、シミュレーションが行われる際、特定の型の非線形関係は実験データのフィットを獲得するためのものであると仮定されなければならないということである。直近の問題は、制限された大きさの利用可能なデータ集合を用いて、関数A(c(i,j))の作成を決定することである。関数Aの作成は一意的なものではないが、個別の濃度に対するAの依存度を表す際に用いられる基本的な関数の選択次第であることに留意されたい。上記の目的のために用いられる様々な関数が存在し、例えば、多項式関数、指数関数、三角関数などが挙げられる。Aは個別の濃度の線形結合であるが、これが飽和効果又は成分間の相互作用(抑制的及び相乗的の双方)のいずれかの可能性をすぐに排除するものであると単純に仮定することができる。
したがって、さらにより道理にかなった手法は、Aがc(i,j)の一連の多項式として表されることを予想することで、この多項式にはcの線形関数をはじめとして、双線形結合、cの二次関数、三線結合、cの三次関数などがある。この場合、最初にやるべきことは、利用可能なデータ量と一致する展開式中の多項式の最高次数を決定することである。一方で、活性は高濃度でシグモイド依存性、したがって指数級数と一致する飽和効果を示すことが一般的に予想される。このような飽和効果は、他の計算の前に適切な相殺補正を含むことによって、ミカエリス・メンテン式又は他の極限で容易に処理される。ひとたび関数A(c(i,j))が発見されると、全ての個別濃度の複数の次元空間(一般的にはN次元)における極大値を見つけ出し、医薬物を抽出するための最適な公式を提案することが必要である。さらに、各成分の個々の薬物動態が胃腸系及び肝臓や腎臓などの排泄臓器を通過することで知られている場合、この過程の結果に生じる代謝産物は、NからN’=N+K(図1)までの複数次元のシミュレーション空間を効果的に拡大する成分(例えば、Kの新しい代謝産物であることもある)の空間に加えられる。この様態が各薬効成分に対する量的に周知の代謝反応であれば、この様態は原則的に概念的な複雑さを問題に加えるものではない。したがって、この様態を本明細書においてさらに論じることはない。エラーバーを活性値上に置くことによって複雑さの層がさらに加えられることもある。なぜなら、エラーバーは異なる可能性のある純度の多様な実験アッセイからもたらされるためである。最終的に複雑な状態は各個別成分の薬物動態的な特性を含む。言い換えれば、各成分化合物は投与の後に異なる経時変化c(i,j;t)を示す。ここで疑問が湧き上がる。すなわち、成分が活性化する器官に運ばれる最適な投与量に達するためには、成分の組み合わせをどのように構成すればいいのだろうか。
しかしながら、重要なことは活性成分の部分集合を決定することであり(これは、例えば、主成分分析を用いて行なわれる)、第2に非線形のデータフィッティング法によって行なわれる活性成分間の相互作用の特性を決定することである。
十分な数の線形独立した混合物に対する用量反応曲線が利用可能である場合、モデルは広大に分布した成分に対する反応を示すために生成可能である。
<実施例2>
<混合物中の個々の成分の活性を示すためのモデル構築>
この実施例の目的は、実施例1に記載された手法を用いて、混合物中の個々の成分活性を示すためのモデルを構築することである。このモデルは、事前に決定された活性を有する、仮説上の混合物の個々の成分活性を推定するために用いられる。
用量反応関係の生理学的な現実性とは、低用量では反応が投与量に比例するということである。しかしながら、反応は大量投与されると限界に達する。この実施例において、ミカエリス・メンテン式は下式(数8:(4))のとおりに表される。
Figure 2010524055
Rは反応、Rmaxは最大限の反応、Cは投与量又は濃度で、及び、EC50はRmaxの50%を導き出すCであり、上記ミカエリス・メンテン式は、この型の用量反応作用をモデル化するために用いられる(図2)。数学的なモデル化を容易にするために、Rは下式(数9:(5))を用いて線形化される(図4)。
Figure 2010524055
Figure 2010524055
初期モデルとして、基準用量に近い投与量に関しては、反応は投与量に比例すると考えられる。これは重み付けされた線形関数と同等である。
Figure 2010524055
最小限のN線形独立の混合物は、系が確実に線形的に可解するために必要とされる。より多くの標本からのデータを利用して、系は過剰に決定され、最適な解は最小二乗法を用いて獲得される。
生理学的反応の第一モデルがひとたび生成されると、このモデルは実験データと比較可能となる。特に、残差、つまり、モデルとデータの差が調べられる。この段階において、モデルによって説明されなかった傾向が確認される。モデルの改良は、単一化合物の投与量における高次多項式の項、及び対に投与した生成物における項を加えることによってなされる。残差と上記付加的な項の関数との相関関係の程度が計算される。ピアソンの相関係数は考えられうる付加項及び残差の各々の間で計算される。モデルによっては説明されなかったデータ中の傾向は強い相関関係を生み出し、上記のような項がモデルに加えられるべきであるということを示す。実際には、多くの項はほとんど又は全く相関関係を有していないということが予想される。このような項をモデルから除外することによって、ゼロに近い加重値をデータ中のノイズにフィットさせるという問題が回避される。究極的には、モデルは下式(数12:(7))の形式を取る。
Figure 2010524055
第一の総和は上式(数12:(7))のように線形に寄与するだけで、第二の総和は単一成分の非線形挙動を加え、第三の総和は2つの成分(ペアワイズ)の相互作用をモデルに加えるものである。この式は考えられるすべての二乗項及び対項が加えられる一方で、そのごくわずかしか重要でなく、ほとんどは無視されるか又は削除され、あるいは、それぞれの加重値はゼロとみなされる。応用される場合、高次の多項式成分及び非多項式成分も同様に用いられる。
モデルは項をモデルに加える過程を通して改善されるため、残差は減少するとともに順序づけられなくなる。究極的には、データを適切に記載するようなモデルが獲得される。モデルが開発されると、このモデルを用いて標本データに対する位置を与えるのが好ましい。この標本データはモデル中の加重値の不確定要素を減少させるか、又はデータ中の任意の興味深い傾向をよりよく研究するために役立つ。
この実施例において、所定の活性及び相互作用を有する15の成分を含む仮説上の混合物を調査する(図6)。化合物(2)、(9)、(10)、(12)及び(13)は活性的であり、化合物(4)及び(10)(仮想化合物16)、化合物(7)及び(8)(仮想化合物17)は相乗作用的である。簡略化するために、関連する有効性は0から1までの一連の値に属するとみなし、0は活性がまったくないことを示し、そして1は最大限の有効性を示している。
25の混合物を無作為に発生させ、その相対量が表1に記載される。各混合物に関して完全な用量反応曲線が生成される(図5)。この反応は表2に記載される。
上記のような手法を構築するモデルを用いて、各成分の個々の有効性を推定した(図6)。この値は事前に決定された値と比較された。確立されたモデルは5つの活性成分を正しく識別することができるとともに(図6A)、このモデルは互いに相互作用する対の成分を識別することも可能であった(図6B)。
このシミュレーションは、活性成分及びその相互作用種が精製された成分を用いることなく識別可能であり、これによって所望の情報を獲得することができるということを示す。この手法は複雑な混合物の研究にかかる時間を大幅に短縮する。
この方法は、異なる特徴を有するさらに複雑な混合物における活性成分及びその相互作用種を識別するために用いられることもできる。この方法は混合物中の個々の成分の代謝率及び浸透性を予測するためにも利用可能である。飽和過程は、ミカエリス・メンテン式型の関係又はそれに関する修正形式のいずれかを用いて記載可能である。本発明において、この手法は同様に個々の成分の薬物動態パラメータを生成するために用いられる。
Figure 2010524055
Figure 2010524055
<実施例3 活性成分及び相互作用種を識別する詳細な手法>
この実施例の目的は、混合物中の全ての活性成分及び相互作用成分を調べるために、一つの手法の概略を述べることである。薬草を抽出する際、以前は同定されなかった隠れた未知の要素が存在していることがある。成分が定量分析又は定性分析に対して透過性を有する場合、このようなことが起こる。例えば、紫外線検出器が個々の成分を識別するために用いられる場合、紫外線吸光度をほとんど持っていない成分がある。実験の過程でモデルを開発及び改良するという観点から見れば、このような点によって問題が解決し難いものになる。
この問題を以下に記載された異なる角度から考察した。1)全ての周知の変数を明らかにしても、組成物のさらなる実証的研究の正当な根拠となる活性を適正に記載することは難しいということが推測される。2)未知の要素が存在し、それらの独自性に関する明確な知識がなくとも、それらを1つの集団としてひとまとめに扱うことは可能であると仮定できる。
隠された活性成分の存在に関する基準を取り入れることは可能で、その基準によって、一定の実験データの範囲内で分析結果のノイズ以上の変動性(例えば、15%)がさらなる活性成分の存在を示す。
さらに、複数の異なる型の活性が同時に評価されるとともに、活性関数:A(C,C)がスカラーの代わりに複数次元空間内のベクトルになるように、現在のモデル化の方法論を単純に拡大化することが可能である。上記の概要と同じ手順を用いて特定の活性のために最適化することが可能である。
以下に例示されているのは、典型的な合成データ集合を用いて、身近な数学的問題を解決することができる適切な数学的手法である(表3及び表4に図示)。まず、非線形モデルを用いるデータフィットの問題点に対処したことを記載する。この場合、成分の数は、実験的に識別された実際の数か、又は主成分分析手法又は任意の他の次元縮小方法を用いて活性成分のみの数に減少したかのいずれかである。
<手法1 非線形回帰分析を用いた曲線の当てはめ(フィッティング)>
ここで、例えば、漢方薬の仮説上の標本の組成物を表す15の成分が任意に選択された。要約すれば、1+N+(N*(N+1))/2=121;N=15であり、これらは当てはめの手順によって決定されるパラメータの数、及び実験から得られる200のデータ点を表す。表3は25の仮説上の標本の用量反応値を示し、この標本の活性は8つの異なる用量値で測定されている。
主な課題は、非線形回帰分析を用いて、以下の公式を最小化する感度係数を見つけ出すことである。
Minαβ{□(F(α,β;c)−R)};i=1,2,...,200,(8)
表3及び表4は、研究された25の異なる標本を有する混合物中の15の成分に関する合成データを示す。
Figure 2010524055
Figure 2010524055
表4は25の仮説上の各標本に関する濃度情報の要約であり、標本の各々は15の独立した成分を含む。図7は、同一の基本成分を含む化合物の異なる組み合わせに関する用量−活性依存度の略図である。各曲線は異なる活量係数を表す。これらの活量係数の選択が化合物の全体活性にどのように影響するのか、及びもっとも有効な組み合わせを表すために上部曲線がどのように選択されるのかを図は示している。
研究用に利用可能なデータは、(混合)化合物の投与量であり、それに対応する反応である。実際には、この投与量は不正確に知られてしまう傾向にあり、その反応は(希望としては無視できるほど小さな)測定不確実性に陥りがちである。
推奨される方法は、複数の濃度で同じ混合物が投与される初期の手法を一般化したものである。データは異なる濃度で別々に取り扱われ、その後のフォローアップ工程で組み合わされる。各濃度を別の用量として取り扱うことによって、この工程は簡略化される。正確さにおいて好ましい効果を生む場合もある。
各成分の投与量が直接的に線形に寄与する以外にも、考案されたモデルは擬似化合物の成分をさらに含む。このうちの1つの関数により、成分間の相乗的相互作用を考察することも可能であり、別の関数によって拮抗的相互作用を考察することが可能である。付加的に投与された擬似化合物は、投与された他の2つの化合物の生成物として構成される。擬似化合物が親の化合物に干渉するのを防ぐために、擬似化合物は直交多項式を用いて構成される。高次の擬似化合物は必要に応じて他の擬似化合物で構成されてもよい。
擬似化合物の第2の型は、膨大な量の用量−反応データを必要としない多くの化合物と連動する必要がある。この場合、クラスター分析技術は類似した型の投薬を用いて複数の化合物を識別する。図7において、異なる化合物の用量反応曲線が非常に類似している複数の領域が見られたことを留意されたい。類似した型の投薬はほぼ相互に線形で、大きな集合体に多く見られ、個々の成分の値を正確に求めるために多くの用量反応を必要とする。このようなクラスター分析技術の要素を合成要素又は代表要素のいずれかと置き換えると、擬似化合物がクラスターを表すとみなされる。クラスターが重要であると証明される場合、個々の要素の寄与を適切に解明するために、別の用量反応の組み合わせを獲得する必要がある。
純粋な線形系において擬似化合物が生み出す効果について議論された。反応のベクトルR、及び最大投与量は、簡単な行列方程式R=Sを導き、未知のベクトルSは各化合物に対する感度である。各化合物(及び擬似化合物)に由来する用量−感度の生成物又は活性を加えることによって、観察反応がもたらされる。感度、特に擬似化合物の感度は正でも負でもいずれでもよい。
本質的な問題のひとつは劣決定系を解くことである。一般的に、この問題の解決は困難であるが、しかしながら、多くの項を無視してもよいと仮定することによって達成される。上記の値をゼロとして取り扱うことによって、この問題は過剰決定系へと簡略化される。この縮小された系はその後解かれる。ブートストラッピングによって、解の不確実性が推定可能である。実際の任意のデータ集合の反応で予想されるノイズの程度とは、正確な解決策が得られる前に系が劇的なほど過剰に決定される地点まで縮小されなければならない程度のことをいう。この縮小によって結果的に僅かに過剰決定されるだけの方程式系がもたらされる場合、データ中に存在するノイズは結果に対して大きな不確実性を招くこととなる。したがって、利用可能なデータ点の数は解決される未知の要素の数よりも著しく多くなければならない。残念ながら、この数は最初の段階では分からない。
用量−反応の対が増えるにつれて、反応中のノイズの影響は減少する。このことは、数学的にいえば、多くの反復測定の平均値を求めること、より正確な値を得ることに等しい。シミュレートされたデータ集合で、もっとも強い活性が常にかつ正確に獲得される。しかしながら、大きな成分に関連する任意のエラーは残りのデータの「質を落とす」。なぜなら、その残差が他の低活性成分に割り当てられるためで、この低活性成分に対してはエラーのほとんどが寄与していることが示されている。
第一段階は観察反応と用量の(線形)相関関係を算出することである。相関関係が弱い(又は全くない)成分は不活性であるとされる。実際に、シミュレートされたデータ上では、この仮説は実証された。強活性成分及び数個の弱活性成分又は非活性成分の両方で強い相関関係があるという傾向にある。少数の系の成分が反応との強い相関関係によって関連性があると識別されると、その成分のみを有する簡素な系は解決される。過剰決定系は正しい解決法を持ってはいないが、しかしながら、|S−R|の残差を最小化する一方で(最小二乗法)、過剰決定系を最適に解決するその解決法が得られることもある。
結果の不確実性を推定するために、ブートストラッピング工程が用いられる。10万の用量−反応の集合は、観察された対集合の中から対を選択する(復元を用いて)ことによって構成される。構成された各集合はその後解かれ、この解の分布の統計がその後、観察された対集合の解の推定値としてみなされる。導かれた解が観察されたデータから引かれて、残差が得られる。残差に対する相関関係を算出することで、縮小された系では解明されない顕著な活性を有する別の成分が明らかになることもある。縮小された系で解明される他の成分は、不十分な活性しか有していないことが明らかである。縮小された系に含まれる成分の集合は調整されて、新しい解が得られる。反復することによって、データを記載する感度の終集合が得られる。
<手法2 主成分分析>
部分集合選択の主成分分析(PCA)はデータ集合の特徴を保持することによって、データ集合の次元縮小のために用いられる。このデータ集合はほとんどが分散している。標本の結果は図8に示される。
研究された合成データ集合(図9)において、元の15変数のうち変換した10の変数がデータ中の変動の80%に及んでいることを留意されたい。このことは、相関関係/依存関係/相互作用及びその情報が全変数にはごく僅かしか広がっていないことを示唆している。表5は、PCA法を表3及び表4における合成データ集合に適用した結果を示す。表5によれば、第一列の線形係数□(i=1,...,15)の次に対の係数□ijの15列が続き、i=1,...,15であるとともにj=1,...,15であり、15×16行列をもたらす。強調された係数は、データ集合全体にわたる応答関数に関するPCAによって保持された係数である。
この実施例で議論されたデータ集合はPCA法を用いて以下の応答関数によって適切に表すことが可能であり、4つの係数のみを含むパラメータ空間が実質的に減少している。4つの係数とは、すなわち、相互作用のための2つの係数(成分x13及びx15に関する相乗作用、及び成分x及びx15に関する拮抗作用)と同様に、線形効果のための2つの係数(成分x及びx12)である。残った変数は有意でないので無視しても構わない。表5から強調された係数のみを取り出すと、対応する応答関数が下式(数13)のように構成される。
Figure 2010524055
Figure 2010524055
回帰分析における部分選択集合に関する一般的な解説がなされている。多くの変数を有する所定のデータ集合のモデル選択は困難を伴う。(多くの可能な相互作用を伴う)多くの予測因子がある場合、優良なモデルを見つけるのは困難である。どの主たる作用が含まれるべきなのかという問題が生じる。さらに、関連した質問はどの相互作用が含まれるかというものである。モデルの選択はこの課題を単純化しようとすることである。これは統計上の「未解決な」問題である。「最良のモデル」を獲得するための魔法の手順というものは存在しない。データマイニングがモデル選択のために使用可能である。このためには、2つのモデルを比較するための基準又は標準、及び検索方法が必要である。予測因子の数が制限されているため、考えられる全てのモデルを検索することができる。
考えられうる基準が調査される。Rは常にモデルの大きさとともに増えるため、優れた基準とは言えない。そのため、最適な結果が最大のモデルを取り出すことによって得られるということをRが誤って示してしまう(調整されたRを用いるのが好ましい。なぜなら、それは大きなモデルに不利益をもたらすためである)。マロウのC(コリン・マロウにちなんで名づけられた)は段階的回帰で停止規則として主に用いられる。マロウのCは赤池の情報量基準に類似しており、モデルに影響を与える効果の数にRほどは依存していない。リグレッサーKの全体集合からのP個のリグレッサーの部分集合に関して下式(数14:(9))のように定義される。
Figure 2010524055
Figure 2010524055
<モデルフィッティング:他の可能性>
複数の線形回帰では十分ではないこともある。最適化を用いて優れたフィッティング関数を得ることによって、結果として補間後に非凹関数がもたらされる。凹関数は最大反応を容易に見つけるために必要なこともある。
Figure 2010524055
Figure 2010524055
<部分集合選択:結果>
選択された変数(成分)は、x、x12、x13、x15、x1012として選択される。結果として生じるモデルは、下式(数18:(11))のとおりである。
Figure 2010524055
フィットしたモデルは下式(数19:(12))のとおりである。
Figure 2010524055
最後の項は相乗効果を表し、最後から2番目の項は抑制を表す。線形回帰の結果、0.9の調整されたRが与えられる。
<最大反応を見つける>
考えられる補間された凹関数は下式(数20:(13))以下のように考察される。
Figure 2010524055
大域的最適化は考えられる(又は興味のある)全ての濃度範囲で最大の反応を見つけ出すために用いられる。
Figure 2010524055
2つの変数を除いて他の全ての変数は固定され、反応のグラフを分析した。
どの成分が有意に(25%基準)相互作用するのかを決定するために、活性に関して推定値が測定値と比較された。測定値が非常に異なる場合(25%以上)、これは相互作用があることを示している。線形係数を近似値として用いる完全な非線形係数に対する一次摂動が用いられた。
数18(11)における応答関数は、一般的にこれまでと同じデータ集合に対する非線形関数(数19:(12))の最適化に基づいている。このことによって、0.9の相関係数を有する最良のフィットとして、数19(12)が得られる。上記したように、魔法のような統計的方法など存在せず、したがって可能な限り多くの方法を試すとともに最良の結果(すなわち、データ集合を有する最高相関)を提供する方法を選択することが必要である。ここで、複数の線形回帰を用いる関数(数19:(12))のPCA及び最適化が完全な一致を生み出すものではないことは明らかだが、しかしながら、このPCA及び最適化はx12及びx15の項を確実に識別する。他の方法ではx1012が相互作用項であるとされる一方で、PCAによると、x1315が相互作用項であるとしている。異なる統計的方法が相違する結果をもたらす場合、いずれかの結果に対する実証的証拠がなければ、両方の結果を保持しなければならない。
結論として、上記実施例から、統計的手段及びPCAを用いて活性成分を識別することは可能であるということがわかる。複数の線形回帰を用いて活性モデルを作り出すことも可能である。最適化された薬物に対する反応は、化合物の所定の活性を利用して見分けることが可能である。N個の成分を有する一意的な解に必要な最小の測定結果は、
1 + N + N2/2 (15)
である。
したがって、測定結果の数は部分集合選択によって減らすことが可能である。
化合物の最適な組成を発見するために、数20(13)及び数21(14)が一般的な場合に用いられる。とりわけ、2つの構成成分が単離され、相対的な濃度が最適化されていない、考えられうるもっとも単純な実施例に関しては、以下の実施例が考察される。活性関数は下式(数22:(16))に従って2つの成分x及びyに依存していると仮定する。
Figure 2010524055
最後の項は2つの構成成分の相乗作用を示す。混合物全体が成分x及びyしか含まないので、x+y=1の条件が成り立つ。活性関数は下式(数23:(17))に変換される。
Figure 2010524055
これはただ1つの変数、すなわちxの効率的な関数である。活性はxに関連して最小化され、下式(数24:(18))を得る。
Figure 2010524055
結果として、最適化された公式は、x=0.43及び、y=0.57である。この実施例は図10に示される。
同じ手法が多くの構成成分の組み合わせに適用可能であるが、多次元解析を必要とする。
図11において、3次元図が示されている。この図は、全体応答に影響を与える2つの構成成分に関する用量依存性の実施例を伴うとともに(左手側のパネル)、各々の場合でどのようにして残差がでるか(右手側のパネル)を示している。
<実施例4 図1において概要を説明した薬物動態学モデル/薬理学モデルに関して消化管内で動的データを生成するためのインビトロ技術の使用>
モデルについてのさらに詳細な説明が図12に掲示される。分解、代謝、及び吸収の動力学は、a.人工的な胃液及び腸液、b.腸内細菌叢、c.腸ミクロソーム、及び、d.Caco−2細胞膜又はMDCK細胞膜又は腸組織を用いて測定される。
人工的な胃液及び腸液の安定性:成分の混合物は人工的な胃液及び腸液を用いて培養される。人工的な胃液及び腸液を準備する標準的な手順はアメリカ薬局方に記載されている。分解の動態学とは、混合物中の個々の成分の安定性を測定することである。実施例1に記載の手法と同様の手法を用いて(rが数8(4)及び数9(5)の分解速度定数によって置き換えられるという修正を加えて)、他の成分によって安定性又は分解を変化させるという観点から、個々の成分の安定性及び潜在的な相互作用が識別可能となる。
腸内細菌叢による代謝:腸内細菌叢による薬草混合物の代謝を調べるための標準的な手順は十分に確立されている(非特許文献31、32、33及び4)。ジンセノサイドは、オタネニンジン、アメリカ人参などを含む様々な朝鮮人参の活性成分として知られている。興味深いことに、これらの成分は薬理学的活性がほとんどない。腸内細菌酵素による配糖体の段階的除去によって生成されるアグリコンは活性を有する。アグリコンは類似するジンセノサイドよりもはるかに生物学的利用能が高い。個々の成分の代謝速度及び腸内細菌叢による成分間の潜在的な相互作用は、実施例1に記載の手法を用いて定量化される。
透過性:Caco−2、MDCK細胞、ラットの腸及びPAMPAは、腸の透過性を測定するために広く用いられている。Caco−2細胞層は傍細胞輸送を介して吸収される化学物質を予測するための優良なモデルではないが、問題解決の糸口となり得る透過性を推定するために用いられる一般的なモデルである。内々の独自の工程を用いて培養されたMDCK細胞はさらに優れた推定値を提供する。しかしながら、細胞の培養は剤形、天然抽出物、又は製剤の透過性を研究するのにふさわしくないことが往々にしてある。このような万全な準備が常に保証されるわけではないということは経験を通じて明らかである。PAMPAは天然物質の吸収を推定するのに用いられていない。このモデルが天然物の調査に適用できるのか否か明らかではない。ラットの腸組織は広範囲にわたって合成物質及び天然物質の吸収を研究するために用いられている(非特許文献34)。一般的に、このモデルを用いて推定される生物学的利用能は、ラット及びヒトのそれに相当する(非特許文献35乃至37)。これらの方法及び実施例1に記載の手法を用いて、個々の成分の透過性及びこの成分が混合物中の他の成分の透過性に与える影響を測定することができる。
腸ミクロソーム:透過性の成分が腸ミクロソームを用いた培養に選択される。このような成分は胃腸管腔内の分解生成物、腸内細菌叢で形成される代謝産物、又は腸内酵素である。これは非吸収性の成分がこのような酵素に近づく手段を持たないためである(図13)。
混合物中の個々の成分の代謝速度は、実施例1で概要が説明された手法を用いて推定可能である。相互作用成分も同様に同定可能である。代謝速度、酵素誘導、又は酵素阻害は、図1のモデルと同一の薬物動態モデルを用いて測定及び計量可能である。
これらの研究から生じるデータは、混合物を口径投与後の消化管の安定、代謝、及び吸収速度を記載するための全パラメータを提供する(図1、12、及び13のパラメータ)。潜在的な相互作用も吸収の際及び代謝の段階で識別可能である。
<実施例5 薬物動態モデルにおける肝臓コンパートメントの肝代謝データを生成する>
ヒトの凍結肝細胞を用いて生成した代謝データは、ヒトの肝臓ミクロソームよりも効果的にヒトの肝クリアランスを予測するということが、近年、明らかにされている(非特許文献38及び39)。肝細胞を用いる利点は、細胞膜が細胞への成分を摂取することの説明がつくということにある(図14)。
腸から吸収される成分及びその代謝産物のみが研究される。これらの物質は腸ミクロソームから濃縮される。吸収性の成分は透過性研究の後に装置の基礎コンパートメントから集められる。
実施例1に記載の手法を用いて混合物中の成分の代謝速度を求める。濃度−効果の関係を利用する代わりに、代謝速度が効果の代わりとして用いられる。このような研究から収集されたデータによっても、成分と成分、及び成分と代謝の相互作用が可能となる。
肝クリアランスは公の方法を用いて予測可能である(非特許文献40及び39)。このようなデータはプロファイルを予測するための薬物動態モデル及び薬理学モデルに組み込まれる。
<実施例6 血漿タンパク結合及び分布量の推定>
全ての吸収性の成分及び代謝物は循環系に存在すると予想される。理論上、経口投与後に混合物から発生する成分の数は、吸収種の数より少なくとも一桁多い。しかしながら、これらの成分の多くは少量存在するだけで、正確に測定するのは困難である。このような少量の成分は混合物の薬物動態及び薬理学にとって有意な因子ではない。しかしながら、上記成分が重要な寄与因子を有する際、それらを検出するために数学的分析が用いられる。そのような因子を追跡する理由がない場合は、不活性成分として取り扱う。
この実施例において、混合物中の成分の血漿タンパク質結合はヒト血漿を用いて測定される。平行透析のような方法が血漿中の化学物質の結合を測定するために一般的に用いられている。血液中の成分の分布図が図15に示されている。成分間の潜在的な相互作用は実施例1で概要を説明した手法を用いて評価される。唯一の違いは、潜在的な相互作用を記載するために結合方程式が用いられることである。
血漿中の成分の遊離画分はこれらのインビトロ研究から得られる。データは以下の2つの方法で用いられる。1.遊離画分は血液コンパートメント内の薬物動態/薬理学モデルに挿入される。2.分布量は成分の血漿タンパク質結合及びLog P値を用いて予測可能である(非特許文献41)。再度、このパラメータは、薬物動態/薬理学モデルに挿入される。
<実施例7 成分及びその代謝産物の腎排泄速度の予測>
成分及びその代謝産物の腎排泄速度は公の方法を用いて予測可能である(非特許文献29)。再度、実施例1に記載の手法を用いて成分間の潜在的な相互作用が予測可能である。唯一の違いは、濃度効果の関係が排泄速度定数に置き換えられることである。
<実施例8 経口投与後の混合物中の成分の経時的な濃度及び効果を記載するための、生理学的に基づいた薬物動態モデル及び薬理学モデルの使用>
この生理学的に基づいた薬物動態モデル及び薬理学モデルは、図1、及び図12乃至15に図示されている。このモデルのパラメータは実施例4乃至7で概要を説明した研究によって生成可能である。潜在的な薬物動態的な相互作用はこのデータを用いて予測可能である。適切な薬理学モデルが実施例1で概要を説明したような複数の成分活性を測定するために選択される場合、これらの成分による複合応答は記載可能である。本実施例には、薬物動態モデル及び薬理学モデル(図1)の理論的な側面が記載されている。
部分的な溶解、通過、及び吸収(SDTA)モデルは、胃、十二指腸、空腸、及び回腸における溶解及び通過の流れ、及び、十二指腸、空腸、及び回腸における吸収を説明する。胃腸管は3つのコンパートメント、すなわち、胃、小腸、及び結腸に分けられる。ヒトの小腸は7つの下部コンパートメントによって記載可能であり、薬物は一次型式で1つの下部コンパートメントから次の下部コンパートメントへ移動する(Yu et al, 1996)。SDTAモデルは以下の2つの仮定を含む。第1の仮定は、胃からの吸収は小腸からの吸収と比較して有意ではないということである。第2の仮定は、小腸を通って移動する薬物が一連の部分を通過する工程とみなすことが可能であるということであり、各部分は線形伝達動力学を用いて単一の下部コンパートメントによって次から次に記載される。さらに全てのコンパートメントは異なる量及び流速を有しても構わないが、同じ滞留時間であっても構わない。
以下の方程式において、下付き文字iは全体的な粒子の大きさ−量の分布を構成する粒径群について言及する。任意の粒径群内では、全ての粒子は同じ大きさであり、その大きさは溶解又は沈殿が始まっても変化しない。その代わりに、溶解又は沈殿は粒子の数を変化させることによって起こる。したがって、即効型の剤形で投与した分解不可能な薬物に関しては、胃腸管における溶解、吸収、及び通過は以下のように表現される。
胃は下式(数25:(19)及び数26:(20))のとおりに表現される。
Figure 2010524055
Figure 2010524055
小腸は下式(数27:(21)及び数28:(22))のとおりに表現される。
Figure 2010524055
Figure 2010524055
結腸は下式(数29:(23)及び数30:(24))のとおりに表現される。
Figure 2010524055
Figure 2010524055
Figure 2010524055
薬物吸収の全体速度は下式(数32:(25))のように計算可能である。
Figure 2010524055
が時間tにおいて吸収された薬物の量であり、Peffは腸管膜の薬物に対する効果的な透過性であり、Rは小腸の半径であり、M=ΣMn L, n=1,2, ...,7であり、Peff(colon)は結腸膜の薬物に対する効果的な透過性であり、Rcolonは結腸の半径である。薬物吸収率は下式(数33:(26))のように計算可能である。
Figure 2010524055
数32(25)及び数33(26)を用いて吸収された投与量の割合及び薬物吸収速度は推定可能であり、これらは結果的に従来の薬物動態的コンパートメントモデルに関連付けることができる。
吸収は溶解速度及び透過速度によって制限可能であるが、この場合、透過速度とは腸管膜全体の薬物の流れについて言及するものである。溶解の供給速度及び透過の摂取速度が、胃腸管内の薬物の濃度を決定する。しかしながら、胃腸管内の濃度は同様に薬物の溶解度によっても制限される。供給速度が摂取速度をはるかに上回れば、胃腸液中の薬物濃度は溶解度の限界に近づく。数学的には、溶解速度は下式(数34:(27))のとおりに表される。
Figure 2010524055
Dは拡散係数であり、hは拡散層の厚み、dは固形薬物の密度、Csは溶解度、及びVは量である。したがって、粒子の大きさ(r)又は溶解度によっては、溶解が進まないことがある。
このモデルはヒトの腸を通って化合物の通過、溶解、及び吸収をシミュレートするとともに、門脈への流れ、吸収される総画分、及び(体内の薬物動態パラメータが利用可能な際は)血漿中の濃度時間曲線を計算する。腸管輸送は連続したコンパートメントとしてモデル化され、このコンパートメントはインビボの変動性を前提とした十分に正確な小腸通過時間分布を再現することが明らかになっている(非特許文献42)。溶解の動力学はインビトロの溶解度曲線から補間されるか、ノイエス・ホイットニーの方程式を用いてシミュレートされるかのいずれかであり、粒子の大きさ、ヘンダーソン・ハッセルバルヒ式を用いてpHを調節した溶解度、及び局所的な飽和状態を説明するものである。局所的な吸収速度は溶解した薬物の濃度に比例する。すなわち、頂端膜は吸収に対する律速バリアであると仮定され、吸収された薬物は体内のコンパートメントと十分に且つ急激に混合されることにより、沈んだ状態で維持される。頂端膜はさらに、受動輸送又は線形領域内での輸送に対する律速バリアでもあると仮定される。吸収速度係数は、Caco−2細胞又はMDCK細胞、又は腸組織、小腸の解剖学的特性、及び様々な薬物に適合した単一のパラメータによって決定された相関係数を用いて、インビトロ実験によって決定される。相関係数の主たる目的は、インビトロの単分子層の平面と比較して、インビボ吸収に利用可能な増加した表面領域を説明することである。しかし、補正(値)に対する現象論的成分も存在し、これは、MDCK単分子層及びCaco−2単分子層に必要な補正の実質的な差によって実証されている。吸収された流れは、分布及びクリアランスのために、図1に記載の生理学的モデルを用いて中心の体内コンパートメントに入る(非特許文献29及び43)。
仮想上の消化管モデルの主たる目的は、インビトロ実験から集めた透過性に関する局所的な情報を、薬物吸収の全体的な量及び経時に関する予測へと変換することである。消化管は実際には半透過性の壁部をした可撓性を有する管である。食料及び水は消化管を通り、一方で栄養分及び流動体は門脈系に吸収される。
消化管の通過速度は緩慢であり、小腸の通過時間は平均で3時間、胃腸管全体で約24時間である。このように、消化管腔での流動体の動きは非常に層流であるとともに半径方向にほとんど交じり合っていないと仮定される。壁部で吸収する円筒状の層流モデルの特徴は熱交換と関連付けて研究されており、この特徴は胃腸管吸収にも適用されている(Amidon et al 1980 and Elliot, 1979)。管形状の変形、流動体輸送の蠕動特性、個々の動きなどを考慮すると、この手法の最たる問題は、流動体の流れ及び薬物輸送に関する正確な詳細が生理学的な状況を反映しない傾向にあるということである。例えば、縦分散に加えて完全に半径方向に混合したさらに単純なモデルは、消化管輸送の特性を反映するのみで連動しやすい。もっとも一般的なモデル、コンパートメント吸収及び通過モデルは、実際には僅かな数の縦方向のコンパートメントを用いることで間接的にのみ分散を含む。
消化管における輸送用の一次元移流拡散モデルは下式(数35:(28))のとおりである。
Figure 2010524055
xが消化管に沿った位置であり、c(x,t)は特定の場所及び時間における物質の濃度であるとともに消化管の断面全域で均一と仮定し、vは消化管を通過する輸送速度、Dは分散定数、及び、Fは吸収、代謝などの非輸送型の特徴を獲得する関数である。
有限差分を用いるための移流項の離散化は下式(数36:(29))のとおりに示される。
Figure 2010524055
上記式(数36:(29))は、数値拡散と呼ばれる離散化方程式の拡散成分が存在することを示しており、この数値拡散は一般的には頭痛の種とされている。コンパートメント吸収及び通過モデルは、数値拡散を用いて基本的な系の拡散特性をモデル化すること、及び、離散化の大きさδを適切に調節してインビボで観察される分散を獲得することによって、数値拡散を活用する。
上記に含まれる関数F(C)は、吸収、代謝、及び他の特徴を獲得するために選択される。もっとも単純でもっとも重要な因子である受動的吸収は、下式(数37:(30))により得られる。
Figure 2010524055
上記の式は下式(数38:(31))を利用する。
Figure 2010524055
effは効果的な透過、Rは消化管の半径、及び、λは表面対体積の補正因子であり、この補正因子を選択することにより、実際の消化管の壁の縞状構造と細胞単層の比較的平らな表面との表面面積の差が予想される。
門脈Jへの薬物の流れ、及び吸収率Faは、下式(数39:(32))(数40:(33))のように算出される。
Figure 2010524055
Figure 2010524055
能動輸送は下式(数41:(34))で表される濃度依存透過性を用いてPeffを置き換えることによってモデル化が可能である。
Figure 2010524055
透過Pmaxの最大速度及び効果的な結合定数Kは、インビトロ実験から推定されるとともに、潜在的に従属領域であることもある。
代謝は、親及び代謝産物の濃度を別々に突き止めること、及び親を代謝産物へ変換する局所モデル中に項を含むことによってモデル化される。このモデル化は任意の数の代謝産物に拡大適用可能であるが、現在のモデルは単一の代謝産物を用いて記載されている。変換項は下式(数42:(35))で表される。
Figure 2010524055
max及びKは従属領域であり、各成分(親及び代謝産物)は同一の輸送力学及び吸収力学に従う。
溶解は固相から溶解相への変換を考慮することによって同様にモデル化が可能である。溶解は固形粒子から溶解した種の分散によって制限される。溶解して無限媒質になる均一球形粒子の場合、拡散方程式は以下のヒクソン−クロウェルの立方根の法則で解くことが可能である。
Figure 2010524055
κは立方根の溶解定数である。流れの入力値が元々の溶解していない物質の量に基づいているため、固形形状が溶解する入力値の項は下式(数44:(37))のとおりである。
Figure 2010524055
溶解していない粒子の濃度であるCは輸送を通してのみ変化し、溶解時間Tは下式(数45:(38))のように定義される。
Figure 2010524055
dは粒子の直径であり、ρは粒子の密度、Cは溶解度、Dは拡散定数、及びhは攪拌されていない層の効果的な深さである。この入力値はtがTより大きい際にゼロに設定される。
コンパートメントの数、総通過時間、内腔の表面対体積率2/R、及び胃内容物排出速度は、比較的、薬物からは独立しているが、検討中の種には依存している(表4)
Figure 2010524055
コンパートメントの数は分散を示しており、小腸に沿って材料を輸送する間は縦方向の混合の程度を考慮する。通過時間は物質が小腸内に留まる平均時間である。胃内容物排出時間とは、胃の内容物の半分が幽門弁を通って十二指腸へ入るまでの所要時間のことである。胃内容物排出が非常に変化しやすい一方で、重ね合わせの原理によって、胃内容物排出の動力学が吸収率に大きな影響を与えることはない。しかしながら、胃内容物排出は薬物力学に詳細にまで影響を与えており、Cmax及びTmaxのような薬物動態パラメータを変化させる。
計算体系は一般的に慎重に設計及び実行されることによってのみ有効となる一方で、現在の計算体系に適用可能な複数の特異的な試験がある。このような試験は、数値積分法が十分な精度を有するようにするとともに、特定の過失残差が生じないようにする。
系に入る薬物の各分子は移動しなければならない。つまり、これらの分子は排出され、体内の部分に分布されるか、又は代謝産物に変換されなければならない。物質収支は往々にして実験薬物動態において用いられ、本明細書に記載と同様の値を有する。
単に受動拡散及び高溶解度を示し、局所的な透過性を示さない薬物の特異的な場合に関して、Fについての連立方程式は下式(数46:(39))のようにして正確に解かれる。
Figure 2010524055
は各コンパートメント間の輸送定数で、Nはコンパートメントの数である。
薬物動態モデル内では、体は複数のコンパートメントで表現される。各コンパートメントが容積を有し、そのパラメータは表7に記載されている。
特に興味深いのは、「組織コンパートメント」で、このコンパートメントはモデルでは他に説明されない組織を表すものである。このコンパートメントの化合物の濃度が生理学的効果の強度を決定する。この様子は隣接する「応答」ボックスとの縞模様の結合部によって示される。
コンパートメント間の物質の移動は矢印を用いて示される。初回投与量は胃に入るが、一方で、結腸、肝臓、及び腎臓は系から除外される可能性のある部位である。コンパートメント間の化合物の移動は、コンパートメント間の流動体の流量、及び、発生元のコンパートメント内の化合物の濃度に比例するとともに、元々のコンパートメントの容積には反比例する。
モデルは「物質収支」手法を用いる。この手法は1つのコンパートメントに入る物質の量と別のコンパートメントにも入る物質の量との間の等式を備える。
様々なコンパートメント内での化合物の初期分布を考慮すると、モデルは、様々な時間刻みを有する四次のルンゲ・クッタ法のアルゴリズムを用いて時間内に統合される。
組織コンパートメントは、胃腸管内部を除くコンパートメントの合計が70キロの人間の分布体積と等しくなるような大きさにする。
実施例2に記載の15の化合物の混合物を用いて、薬物動態パラメータの表を生成し、詳細を表5に記載する。薬物動態モデルに特有のパラメータが表6及び7に記載される。これらのデータは公のデータから引用されたものである(非特許文献44乃至46)。
上記実施例は統合されたインシリコ方法及びインビトロ方法の概要を説明するものであり、このような方法は、天然物質の活性種及び相互作用種と類似した、混合物からの活性種及び相互作用種を同定するために用いられる。生理学的に基づいた薬物動態モデル及び薬理学モデルを用いて、15の化合物の各々の濃度経時変化が推定される(図16)。複合応答の経時変化も同様に計算される(図17)。図17のようなデータがひとたび生成されると、所望の応答を得るための最適用量が再構成可能である。この用量は構成成分プロファイルからなり、構成成分プロファイルは新しい生成物及び/又は新しい剤形の開発に必要不可欠である。
Figure 2010524055
Figure 2010524055
Figure 2010524055
<実施例9 薬らしい特性の効果的な成分に対する寄与度を示す統合的な実施例>
この実施例の目的は、50の成分を含むシミュレートされた混合物中の活性構成成分を推定する手段を提供することである。表8は、系中の50の各成分のインビトロ応答を示す。さらに、成分(3、23)及び(20、50)の2対には、それぞれ0.800、1.00の活性を有する相乗相互作用がある。±5%が無作為にデータに加えられると、各混合物の全体応答は全体の相互作用に対するミカエリス・メンテン型の制限を示す。図18は、各混合物中で0から1までの単位で無作為に分布された成分を有する混合物に関する典型的な全体応答を示す。
上記成分のために無作為に生成された薬物動態パラメータを用いて、本実施例はさらに治療上関連のある構成成分プロファイルの測定における薬らしい特性の重要性を図示している。
Figure 2010524055
1.0の用量点(図18)からの150の混合物及び全体応答を用いて、50成分推定応答(xと±1標準偏差エラーバー)それぞれから線形応答を推測する。これらは一般的に実際の応答(o)と同水準に見えるが、大きな差異が存在することもある(図19)。
実施例3に記載の手法を用いて、残差と乗算対(multiplicative pair)の項のそれぞれとの間の相関関係をプロットする。高い相関性は暗色で示され、特に著しい箇所は(20,50)対であり、入力活性値における相互作用対のうちの1つである(図20)。
疑似成分として4対の項51−54を追加すると、新しく且つ向上した推定値が生成されることになる。特に注目に値することは、51と54が活性である一方、52と53は活性ではないことである。一般的に、成分は活性として分類されてもよく不活性として分類されてもよい(図21)。
同じ系を繰り返し、今度は3つの用量点(1.0、0.3、及び0.1)からのデータを用いると、第1推定値においてより密接した正確なフィットが得られる(図22)。
この残差相関プロットは、単独の用量点の場合と非常に類似しており、簡潔化のため省略する。同じ4つの疑似成分を用いると、単独の用量点の場合よりもフィットが良好な第2推定値が得られる。同様の観測結果が、4つの疑似成分を用いた場合にも得られる。成分51と54は相互作用を示し、成分52と53は不活性であることが分かる(図23)。本実施例は、各成分の活性とそれらの相互作用は、本発明に記載の手法を用いて正確に予測可能であることを明らかに示している。
本研究の第2部では、一次速度式を備える2つのコンパートメントの薬物動態系をシミュレーションに用いた。第1コンパートメントは全ての50成分に対して0.4容積を有する腸管である。腸管コンパートメントでは、第1コンパートメントからの直接的な排出と第2コンパートメントへの吸収が存在し、各コンパートメントは異なるクリアランスを有する。第2コンパートメントは身体を示し、このコンパートメント用の各成分は、系とは異なる容積とクリアランスを有する。これらは全て、身体コンパートメントにおける半減期と時間量曲線下面積とともに、表9に記載されている。容積と速度定数は、適切な間隔で均一分布された疑似乱数値を用いて生成され、全てのその他の数値はこれらから算出される(表9)。
Figure 2010524055
生成された薬物動態学的データを用い、50成分のそれぞれに対して4単位の経口投与を行い、濃度時間曲線の群を得た(図24)。
身体時間曲線における濃度曲線下面積(AUC:Area Under Curve)は、暴露の指標であり、吸収と排出の正味の結果である。このデータは、表9に記載される。特筆すべき点は、AUC値の範囲が2桁まで及ぶことである(図25)。
各成分に対する身体の暴露であるAUC値を使用して、各成分のAUCによって同じ一連の150混合物を計ることが可能である。これは、成分の活性が多様な薬物動態学的特性によって調節される場合におけるインビトロとインビボ実験との間の相違に対応する。上述の事例は、各成分が同じ特性を有している事例と同一である。上述した系において適度な活性成分であったものが、この時点では、有益な薬物動態学的特性を有するために圧倒的に最も活性が高いことに留意されたい。系に残存する活性が少ない場合には、同様に3用量を用いた推定値は、非常に良いものとなる(図26)。
薬物動態パラメータを組み込んだ後の残差は、上述のプロットからは劇的に変化したものとなる(図20に対する図27)。これらプロットそれぞれの暗色部分は、プロットにおいて最も相関性が有るポイントとして計られる。そして、個別のポイントの外観は、これら図のそれぞれにおいてのみ比較が可能であり、これら図の間で比較することはできない。このプロットにおける最も強い相関性は、実際には上述のプロットにおけるものよりも弱い。
4つの疑似成分を追加した第2推定値は、第1推定値と殆ど相違しない。そして、疑似成分は、それらを構成する成分が有意に存在しないため、応答が非常に小さい(図28)。
薬物動態パラメータが異なる集合を備える第2薬物動態系を検討したが、値は同じ範囲から選択した。この系から得られる結果を表10に示す。
Figure 2010524055
薬物動態パラメータの第2の集合は、図29に示す如く濃度時間曲線を提供する。上述したプロットにおける濃度に対応するAUCは、図30に記載される。第1推定値は、この時点で、2つの重要な成分と2つの適度な成分を明らかにする(図31)。この場合もやはり、4つの疑似成分を追加すると、相乗作用の項は、相乗作用成分の有意ではない重複暴露に起因して大部分が抑制されるため、系内の影響が殆どない(図32)。
これらの3つの実施例では、各成分と疑似成分に起因する応答は、混合物の組成、用量全体応答曲線、及び混合用量全体応答データ集合の情報から正常な状態に戻る。これらの値は、これらシミュレーションにおいて事前に知られている。この一方で、他のデータから推定値を生成することは、これら値の妥当な推定値が実験データ(活性推定値が利用不可能であるもの)から得られることを示唆している。3つの事例間の大きな相違点は、インビボとインビトロ活性の間の相違を強調する役目を有することである。
これらの実施例は、潜在的な相互作用の重要な一側面も明らかにする。インビトロ相互作用は、インビボ相互作用が生じることを必ずしも暗示するものではない。本実施例では、成分51と54がインビトロでは相互作用の対であるが、インビボでは相互作用は生じない。したがって、潜在的な相互作用がインビトロで発見された時には、薬物動態学的相違を考慮にいれることが重要である。相互作用種間における濃度プロファイルの重複が有意ではない時、つまり、これら潜在的な相互作用成分の薬物動態学的特性が非常に異なる時には、相互作用の可能性は、最小限となる可能性があることを意味している。
<実施例10 本発明の応用>
本実施例の目的は、本発明の用途の幾つかを明らかに示すことである。構成成分は、多くの生化学過程に関与する複数の活性を含む可能性があることは周知である。条件に応じて、最適な複合応答が決定される前に多くの活性試験方法を採用することが可能である。他方では、本発明は、インビトロモデルが利用可能である場合には、有効性と毒性を推定するために用いることが可能である。活性成分と毒性成分のどちらも同定可能である。この情報を用いて、最適な構成成分プロファイルを設計可能となる。
最適な構成成分プロファイルを得た後、これら構成成分の所望の量が、以下の方法のうち1つ又は組み合わせによって得られる:a.原材料の適切な群を混合する;b.関心のある構成成分を抽出する専用の方法を開発する;c.成長条件を設定することにより所望の構成成分を生じさせる;d.温室等の制御環境下で一連の成長条件を開発する;e.所望の構成成分を生成させるために種を遺伝的に組み換える;f.構成成分一覧に準じて、関心のある物質を精製し混合する。
製品の設計としては、最適応答が達成可能な、これらの物質を最適な方法で輸送する製剤が調製可能となる。
本手法を用いた製品の設計は、同定された全ての活性構成成分を含むこととなり、それらの相互作用成分が明らかにされており、製品品質は、単独成分の薬剤と同様の品質を有する(ただし、複数成分を含む)。
この方法で製品を開発することの利点は、天然物の治癒的価値を事前に知ることができ、また、潜在的な毒性を事前に同定できる可能性があることである。
この種類の製品は、薬剤開発プログラムに容易に適応されることにより、前臨床と臨床試験に進むリード物質の1つとして扱われる可能性がある。実施例1乃至8で概説したものと同様の手法を用いて、毒性の原因、及び毒性の低下に関与する成分を試験することが可能である。
<実施例11 骨粗しょう症治療のためのレッド・クローバーの開発>
本実施例の目的は、本発明を用いて、閉経後骨粗しょう症治療のために評判の良い薬草を開発することである。市場においてよく研究されているその他薬草と同様に、レッド・クローバー(Trifolium pratense)の臨床効果は、殆どが曖昧である(非特許文献47及び48)。表11は、全体的な植物性エストロゲンの用量が商用製品の間では殆ど同じであることを示す(非特許文献49)。しかしながら、個別成分の量は2〜12倍の範囲のいずれの間でも変動可能である。これら製品の性能が一貫していないことは驚くべきことではない。他の植物性エストロゲン(クメスタン(coumestan)等)は少量であり、薬剤の全体的な有効性に対するそれらの寄与は知られていない。興味深いことに、主要活性成分であるゲニステインとダイゼインは、レッド・クローバー中に少量存在する。しかしながら、これらの前駆体であるバイオチャニンAとフォルモノネチン、及びそれらの配糖体はより多量に存在する。ここで疑問は、1.これら構成成分はどのようにして一緒に機能するのか?2.どこで代謝変換が生じるのか?3.薬物動態学的及び薬理学的に成分間に相互作用があるのか?4.レッド・クローバーの全体的な有効性に寄与する可能性がある他の代謝産物は存在するのか?5.本発明を用いて推定可能な構成成分の最適なプロファイルは何か?6.レッド・クローバーの性能を向上させる方法は存在するのか?
Figure 2010524055
植物性エストロゲンを多く含有するレッド・クローバーと大豆には、様々な研究が実施されている。最も高い注目を集める単独成分は、ゲニステインである。ゲニステインを54mg/日、1年間経口投与すると、ホルモン補充療法と同じ位の効果があるとして証明されている(非特許文献50)。しかしながら、何故、より確証的な研究が公開されていないのかは分かっていない。
5つの植物性エストロゲン、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシタイン、フォルモノネチン、バイオチャニンA及びプロメチンにおけるインビトロの透過性研究は、CaCo−2細胞単分子層又はCaCo−2細胞溶解物を用いて実施されている(非特許文献51)。これらの成分は、急速に輸送され代謝されることで知られている。しかしながら、これら種のうち、これらの潜在的な相互作用に関する情報は存在しない。これら5種に対してグルクロニドと硫酸抱合に用いるミカエリス・メンテン式のパラメータが測定された。
レッド・クローバーでは、最も豊富な植物性エストロゲンは、フォルモノネチン、バイオチャニンA、及びこれら植物性エストロゲンの配糖体である(図33)。最も活性が高い成分は、それぞれ、ゲニステインとダイゼイン、フォルモノネチンとバイオチャニンAの代謝産物である(非特許文献49)。フォルモノネチンとバイオチャニンAからダイゼインとゲニステインへのそれぞれの変換は、腸内細菌叢を介した結腸中で生じる(非特許文献52)。ダイゼインの代謝産物であるエクオル(結腸の微生物叢中で形成される)は、最も有効性が高いことが発見されている(非特許文献52及び53)。ゲニステインとダイゼインはレッド・クローバー抽出物中には少量存在し、通常10%未満である(表11)。
ゲニステインとダイゼインの配糖体の代謝は、ヒトの腸組織と肝組織を用いて測定される(非特許文献54)。ゲニステインとダイゼインのこれら2つの前駆体の代謝速度は、個別に測定された。
ゲニステイン、ダイゼイン、フォルモノネチン、バイオチャニンA及びプロメチンの初回通過代謝と腸肝循環は、かん流ラットの腸モデル、並びに、ラットの肝臓、十二指腸、空腸、回腸、及び結腸から準備されたミクロソームを用いて評価された(非特許文献55)。腸に沿った代謝と吸収の速度が明確となった。さらに、肝臓代謝と腸肝循環の有意性も報告された。この場合もやはり、混合物を研究する試みは存在していなかった。
バイオチャニンAの薬物動態研究がラット(非特許文献56)で、そしてレッド・クローバーがヒト(非特許文献57)で実施された。血漿植物性エストロゲンとそれらの代謝産物が報告されている。これらのデータは重要なものではあるが、血漿中の活性部分の遊離濃度は推定されておらず、そして作用部位における活性部分の濃度も推定されていない。これら種のうちで有意な相乗作用があるかどうかを推定することは困難である。
主要な大豆イソフラボンは、ゲニステイン、ダイゼイン及びグリシタイン(非特許文献58)である。レッド・クローバーは、植物性エストロゲンを多く含むため、更年期障害を治療する潜在性に優れている(非特許文献47)。植物性エストロゲンは、エストラジオールとは違い、エストロゲン受容体α(ERα)よりもエストロゲン受容体β(ERβ)に対して高い結合親和性を示し、標的遺伝子を選択的にERβに転写するために必要なコレギュレーターを採用する(非特許文献59)。組織特異的であるこれら受容体に対する異なる親和性は、これらの植物性エストロゲンの特異性を説明する可能性がある(非特許文献60乃至63)。ERβに対する親和性は、更年期における骨粗しょう症への植物性エストロゲンの有益な効果、及び胸部やその他器官への発癌性毒性の欠如を説明できる可能性がある。ゲニステインは、ERβに対して最も高い親和性を有することが判明されてきた。これが、本化合物が何故最も研究されており、また臨床試験でも用いられているかの理由である(非特許文献50)。最近の研究では、ダイゼインが、ゲニステインと比較して、インビトロの骨芽細胞の形成において有効性がより高いことが証明されている(非特許文献64及び非特許文献65)。これらの最近の結果は、レッド・クローバー中の1以上の成分がこのエストロゲン様作用に関与することを明確に示している。活性成分を個別に研究することなく活性成分を同定するためには、革新的な手法が必要とされている。
レッド・クローバー中には植物性エストロゲンが多く含まれるにもかかわらず、大豆におけるゲニステインとダイゼインの割合はより高い。レッド・クローバーが好ましい理由は、それぞれ、ゲニステインとダイゼインの前駆体、バイオチャニンAとフォルモノネチンを多く含むからである。ゲニステインとダイゼインのアグリコンの生物学的利用能は5%未満である。これは主に、高い腸初回通過及び/又は肝代謝によるものである。推定上、腸内細菌叢の酵素によって結腸内で放出されたアグリコンは、アグリコンの生物学的利用能を向上させることになる。この理由は、結腸からの吸収は部分的に初回通過代謝を回避するからである(非特許文献66)。
これら前駆体からそれぞれのアグリコンへの変換は、腸内細菌叢による代謝に依存する。腸内細菌叢量の変動は、個体間でかなり存在する。バイオチャニンAとフォルモノネチンからそれらの各アグリコンへの変換は、かなり矛盾したものであると仮定されている。この変動性は、臨床的に一貫性のない結果が観察されることに対する有意な一因となりうる。
植物性エストロゲン代謝における腸内細菌叢の重要性は、最近証明されてきた(非特許文献67及び68)。未成熟腸内細菌叢は、大豆中のイソフラボンの生物学的利用能に影響を及ぼすことが示されてきた(非特許文献68)。フルクトオリゴ糖(FOS)はビフィズス菌の成長を刺激し、イソフラボン複合体を開裂することにより、対応するアグリコンと代謝産物を生じさせることとなる(非特許文献67)。本研究は、イソフラボンの生物学的利用能が増加したことを示す。これは、イソフラボンの配糖体からそれらの各アグリコン(容易に吸収される)への代謝に関与するβグルコシダーゼ活性の増大に起因するものである。健康的な腸内細菌叢は、レッド・クローバー中のイソフラボンの吸収を促進するだけでなく、イソフラボンの血中濃度の被験者間の変動を減少させる。レッド・クローバーの機能を最適化するためには、プレバイオティクスが含まれる必要がある。
文献中の情報の主部は、本発明の一部の正当性を立証するのに用いられることが可能である。これは、本発明で得られた最適な構成成分プロファイルの推定の正確性を立証するために役立つことになる。
公表された研究から、使用されるインビトロ手段は、本発明で提案したものに類似していることは明らかである。必要なことは、個別の植物性エストロゲンの様々な組成物を含むレッド・クローバー抽出物の群を用いた同様の研究を繰り返すことである。これらの研究から得られる結果は、個別成分の代謝情報と活性プロファイル、及びそれらの潜在的な相互作用を提供することになる。
腸内細菌叢による代謝は、レッド・クローバーの臨床活性の決定において最も重要な要因であるように思われる。しかしながら、オリゴ糖やβ-グルカン等のプレバイオティクス及びプロバイオティクスが、活性部分生成の一貫性を向上させるために重要である。
本発明の概念を用いて、骨粗しょう症の治療のために最適なレッド・クローバーの構成成分プロファイルを得ることは大いに実現可能である。フォルモノネチン、バイオチャニンA、及びそれらの配糖体は、標準化を実施する標的となる。また、全体的なフォルモノネチン(アグリコン+配糖体)の量が全体的なバイオチャニンA(アグリコン+配糖体)よりも多いとうことも予測される。プレバイオティクス又はプロバイオティクスを組み入れることにより、有益な腸内細菌叢の成長が促進され、これは、この新規のレッド・クローバー抽出物の活性を高めるために必要である。この新規のレッド・クローバー生成物の1日の投与量は、1日あたりの全体的な植物エストロゲンが50−100mgの範囲となるようにする。

Claims (15)

  1. 複数の成分を含む混合物のインビボ薬物動態及び薬理を予測する方法であって、
    a)消化管及び肝臓内の前記混合物中の個別及び相互作用成分の代謝速度を決定する工程と、
    b)血液又は血漿内の前記成分の分布を決定する工程と、
    c)前記成分の腎排出速度を決定する工程と、
    d)個別成分の有効性及び前記複数の成分間の相乗もしくは抑制作用を決定する工程とを備え、
    上述の決定が、前記混合物の前記薬物動態及び薬理学的特性をインビボで予測するための数学的モデルを含むことを特徴とする方法。
  2. 工程(a)乃至(d)に係る前記成分の活性代謝産物用のパラメータを決定する工程をさらに備え、
    前記数学的モデルの出力結果によって、前記混合物及びそれらの活性代謝産物の薬物動態及び薬理学的特性をインビボで予測することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記薬物動態及び薬理学的特性が、前記成分及びそれらの活性代謝産物用の濃度−時間プロファイル及び応答−時間プロファイルを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記数学的モデルが、線形独立又は互いに相互作用する複数の未知数の解を求めることが可能であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の方法。
  5. 前記数学的モデルが、下記の数1で示される式を含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の方法。
    Figure 2010524055
  6. 前記数学的モデルが、下記の数2で示される式を含み、
    下記の数2は、前記混合物の最適化組成を予測することにより、出来る限り有効性を最大限化することが可能であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の方法。
    Figure 2010524055
  7. 前記代謝速度が、分解速度と吸収速度を含むことを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項に記載の方法。
  8. 前記消化管内の代謝速度の決定が、人工胃及び腸液、腸内細菌叢、腸ミクロソーム、又は培養細胞もしくは腸組織による透過性研究を用いるアッセイを含むことを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項に記載の方法。
  9. 前記肝臓内の代謝速度の決定が、新たに収集した肝細胞、低温保存肝細胞、肝ミクロソーム、肝サイトゾル、又はS−9画分を用いるアッセイを含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項に記載の方法。
  10. 前記血液又は血漿中の分布の決定が、血漿タンパク質との結合、血中タンパク質との結合、pKa、logP、logD、及び成分分布容積を決定する工程を備えることを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項に記載の方法。
  11. 前記腎排出の決定が、成分の化学構造に基づくことを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項に記載の方法。
  12. 前記有効性の決定が、受容体結合アッセイ、酵素アッセイ、生化学的応答アッセイ、及び単離細胞又は臓器を用いたアッセイを含むことを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項に記載の方法。
  13. 請求項1乃至12いずれか1項に記載の方法によって特定される複数の成分を含む組成物であって、
    前記成分が、請求項1乃至12いずれか1項に記載の方法によって決定された望ましいインビボ薬物動態及び薬理学的特性を有することを特徴とする組成物。
  14. レッド・クローバー(Trifolium pratense)を含む請求項13項に記載の組成物。
  15. 前記レッド・クローバーが、請求項1乃至12いずれか1項に記載の方法によって決定される量のホルモノネチン、ビオカニンA及びそれらのグルコシドを含むことを特徴とする請求項14項に記載の組成物。
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