以下の詳細な説明において、本発明を十分理解するために、多数の特定の詳細を記述する。しかし、本発明はこれらの特定の詳細がなくても実施されてもよいことを当該分野の当事者は理解するであろう。本発明を不明瞭にしないように、他の例で、周知の方法、手順および成分は詳細に説明されていない。
一実施形態において、本発明は、特に、ヒト対象の(a)糖尿病、(b)耐糖能障害、(c)高インスリン血症、(d)インスリン耐性、(e)糖尿病性腎症、(f)糖尿病性神経症、(g)脂肪肝状態、(h)心血管疾患、(i)悪液質を治療する、抑制する、阻害する、その重症度を軽減する、その発症率を低減する、その病原を低減する、またはその発症を遅延する方法を提供し、式III
の化合物またはその異性体、医薬的に許容される塩、医薬生成物、水和物、N酸化物、もしくはそれらの任意の組み合わせを対象に投与するステップを含む。
ある実施形態において、本発明は、骨疾患および/または再吸収、筋消耗または筋消耗に伴う疾患、前立腺癌を治療するため、および/またはアンドロゲン依存性状態、および/または末期の腎疾患、虚弱、および/または骨粗しょう症のホルモン療法を提供するための式IIIの化合物または式IIIの化合物の使用を含む組成物を提供する。
一実施形態において、本発明は、本明細書に説明する式IIIの化合物またはその化合物を含む組成物を使用する治療方法を提供する。ある実施形態において、本発明は、化合物が選択的アンドロゲン受容体モジュレータ(SARM)である治療方法を提供する。ある実施形態において、本発明は、示される疾患、障害または状態の治療にSARMを使用する方法を提供し、そしてSARMを含む組成物の使用を含む。
一実施形態において、本発明は、本明細書に説明されるいずれかのSARMおよび任意に、他の治療薬またはSARMを含む組成物の投与を介して、特に、(a)糖尿病、(b)耐糖能障害、(c)高インスリン血症、(d)インスリン耐性、(e)糖尿病性腎症、(f)糖尿病性神経症、(g)脂肪肝状態、(h)心血管疾患、(i)悪液質を治療する、抑制する、阻害する、その重症度を軽減する、その発症率を低減する、その病原を低減する、またはその発症を遅延する方法を提供する。
一実施形態において、「治療する」または「治療」という用語は、予防ならびに疾患を緩和する治療を含む。「低減する」、「抑制する」および「阻害する」という用語は、別の実施形態において「緩和する」または「減少する」、もしくは別の実施形態において「遅延する」、もしくは別の実施形態において疾患、障害または状態の発症率、重症度または病原を低減するという一般的に理解される意味を有する。実施形態において、治療という用語は、疾患、障害または状態に伴う徴侯の進行の遅延、寛解の持続、発症率の低減または回復を意味する。一実施形態において、「治療する」、「低減する」、「抑制する」または「阻害する」という用語は、示される疾患、障害または状態に関連する罹病率、死亡率またはそれらの組み合わせの減少を意味する。一実施形態において、「進行」という用語は、範囲または重症度の増加、進展、成長または悪化を意味する。「再発」という用語は、別の実施形態において寛解後に疾患が戻るという意味である。一実施形態において、本発明の治療方法は、疾患の重症度、または別の実施形態において疾患に関連する徴侯を低減する、または別の実施形態において疾患中に発現するバイオマーカーを低減する。
一実施形態において、「治療する」という用語およびその含まれる側面は、示される疾患、障害または状態を伴う対象に、もしくは別の実施形態において示される疾患、障害または状態に罹患し易い対象に投与することを意味する。「罹患し易い」という用語は、特に、示される疾患の発症率、重症度等における傾向または統計的増加に関連する遺伝子プロファイルまたは家族間の関係を意味すると考えられる。ある実施形態において、「罹患し易い」という用語は、特に、示される疾患のリスクの増加に関連するライフスタイルを意味すると考えられる。ある実施形態において、「罹患し易い」という用語は、例えば、癌等の示される疾患に関連する、特に、バイオマーカーの存在を意味すると考えられる。癌に「罹患し易い」という用語は、示される癌の前癌性の前駆体の存在を含む可能性がある。
ある実施形態において、「病原を低減する」という用語は、特定の疾患、障害または状態に伴う組織の損傷または臓器の損傷を低減することを包含すると理解される。別の実施形態において、「病原を低減する」という用語は、問題の原因を伴う疾患、障害または状態の発症率または重症度を軽減することを包含すると理解される。別の実施形態において、「病原を低減する」という用語は、示される関連する疾患、障害または状態、もしくはそれらに関連する徴侯の数を減らすことを包含すると理解される。
「投与する」という用語は、別の実施形態において、対象を本発明の化合物と接触させることを意味する。投与は、生体外、つまり試験管内で、または生体内、つまりヒト等の生存生物の細胞または組織内で達成できる。一実施形態において、本発明は、本発明の化合物を対象に投与することを包含する。
一実施形態において、本発明は、式(I)
の構造により表わされる、SARM化合物またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝物、誘導体、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、N酸化物、水和物、もしくはそれらの任意の組み合わせの使用を提供し、
式中、
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PRまたはNRであり、
Zは、NO2、CN、COR、COOHまたはCONHRであり、
Yは、CF3、CH3、ホルミル、アルコキシ、H、I、Br、ClまたはSn(R)3であり、
Qは、アルキル、F、Cl、Br、I、N(R)2、CN、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2RまたはSR、
もしくは、Qは、結合するベンゼン環と共に、構造A、BまたはC
で表わされる縮合環系であり、
R1は、CH3、CF3、CH2CH3またはCF2CF3であり、
Tは、OH、OR、−NHCOCH3またはNHCORであり、
式中、Rは、C1−C4アルキル、アリール、フェニル、アルケニル、ヒドロキシル、C1−C4ハロアルキル、ハロゲンまたはハロアルケニルである。
一実施形態において、Qは、パラ位である。別の実施形態において、XはOであり、別の実施形態において、TはOHであり、別の実施形態において、R1はCH3であり、別の実施形態において、ZはNO2であり、別の実施形態において、ZはCNであり、別の実施形態において、Zはパラ位であり、別の実施形態においてYはCF3であり、別の実施形態において、Yはメタ位であり、別の実施形態において、Qはパラ位であり、別の実施形態において、Qはパラ位でのアルキル、ハロゲン、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2RまたはSRであるか、もしくは別の実施形態においては、それらの任意の組み合わせである。
一実施形態において、本発明は、式(I)
の構造により表わされる、SARM化合物またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝物、誘導体、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、N酸化物、水和物、もしくはそれらの任意の組み合わせの使用を提供し、
式中、
Xは、Oであり、
Zは、NO2、CN、COR、またはCONHRであり、
Yは、CF3、CH3、ホルミル、アルコキシ、H、I、Br、Cl、FまたはSn(R)3であり、
Qは、CNであり、
Tは、OH、OR、−NHCOCH3、NHCORまたはOC(O)Rであり、
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニル、ハロアルケニルまたはOHであり、
R1は、CH3、CH2F、CHF2、CF3、CH2CH3またはCF2CF3である。
一実施形態において、Qはパラ位である。別の実施形態において、XはOであり、別の実施形態において、TはOHであり、別の実施形態において、R1はCH3であり、別の実施形態において、ZはNO2であり、別の実施形態において、ZはCNであり、別の実施形態において、Zはパラ位であり、別の実施形態において、YはCF3であり、別の実施形態において、Yはメタ位であり、別の実施形態において、Qはパラ位であり、別の実施形態において、Qはパラ位でのアルキル、ハロゲン、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2RまたはSRであるか、もしくは別の実施形態においては、それらの任意の組み合わせである。
一実施形態において、本発明は、式(Ia)
の構造により表わされる、ラセミ体SARM化合物の使用を提供し、
式中、
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PRまたはNRであり、
Zは、NO2、CN、COR、COOHまたはCONHRであり、
Yは、CF3、CH3、ホルミル、アルコキシ、H、I、Br、ClまたはSn(R)3であり、
Qは、アルキル、F、Cl、Br、I、N(R)2、CN、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2RまたはSR、
もしくは、Qは、結合するベンゼン環と共に、構造A、BまたはC
で表わされる縮合環系であり、
R1は、CH3、CF3、CH2CH3またはCF2CF3であり、
Tは、OH、OR、−NHCOCH3またはNHCORであり、
式中、Rは、C1−C4アルキル、アリール、フェニル、アルケニル、ヒドロキシル、C1−C4ハロアルキル、ハロゲンまたはハロアルケニルである。
一実施形態において、Qはパラ位である。別の実施形態において、XはOである。別の実施形態において、Qはパラ位であり、XはOである。別の実施形態において、Qはパラ位でのアルキル、ハロゲン、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2RまたはSRであり、
式中、Rは、アリール、フェニル、ヒドロキシルC1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、ハロゲン、アルケニルまたはハロアルケニルである。
一実施形態において、本発明は、式(II)
の構造により表わされる、SARM化合物またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝物、誘導体、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、N酸化物、水和物、もしくはそれらの任意の組み合わせの使用を提供し、
式中、
Xは、O、CH2、NH、Se、PRまたはNRであり、
Zは、水素結合受容体、NO2、CN、COR、CONHRであり、
Yは、脂溶性基、I、CF3、アルキル、ホルミル、アルコキシ、Br、Cl、Sn(R)3であり、
Rは、アルキル、アリール、フェニル、アルケニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロゲンまたはOHであり、
Qは、CN、ハロゲン、アセトアミド−、トリフルオロアセトアミド−、アルキルアミン、エーテル、アルキル、Nスルホニル、Oスルホニル、アルキルスルホニル、カルボニルまたはケトンである。
一実施形態において、本発明は、式(II)
の構造により表わされる、SARM化合物またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝物、誘導体、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、N酸化物、水和物、もしくはそれらの任意の組み合わせの使用を提供し、
式中、
Xは、O、CH2、NH、Se、PRまたはNRであり、
Zは、水素結合受容体、NO2、CN、COR、CONHRであり、
Yは、脂溶性基、CF3、ホルミル、アルコキシ、H、I、Br、Cl、Sn(R)3であり、
Rは、アルキル、アリール、フェニル、アルケニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロゲンまたはOHであり、
Qは、アルキル、ハロゲン、N(R)2、CN、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2RまたはSR、CN、ハロゲン、アセトアミド−、トリフルオロアセトアミド−、アルキルアミン、エーテル、アルキル、Nスルホニル、Oスルホニル、アルキルスルホニル、カルボニルまたはケトンである。
一実施形態において、XはOであり、別の実施形態において、TはOHであり、別の実施形態において、R1はCH3,であり、別の実施形態において、ZはNO2であり、別の実施形態において、ZはCNであり、別の実施形態において、YはCF3であり、別の実施形態において、Qは、アルキル、F、Cl、Br、I、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2RまたはSR、CN、ハロゲン、アセトアミド−、トリフルオロアセトアミド−、アルキルアミン、エーテル、アルキル、Nスルホニル、Oスルホニル、アルキルスルホニル、カルボニルまたはケトンであるか、もしくは別の実施形態においては、それらの任意の組み合わせである。
別の実施形態において、本発明は、式(II)
の構造により表わされる、SARMの使用を提供し、
式中、
Xは、Oであり、
Zは、NO2、CN、CORまたはCONHRであり、
Yは、CF3、CH3、ホルミル、アルコキシ、H、I、Br、Cl、FまたはSn(R)3であり、
Rは、アルキル、アリール、フェニル、アルケニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロゲンまたはOHであり、
QはCNである。
一実施形態において、本発明は、式(III)
の構造により表わされる、化合物またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝物、誘導体、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、N酸化物、水和物、もしくはそれらの任意の組み合わせの使用を提供する。
別の実施形態において、本発明は、式(IV)
の構造により表わされる、SARM化合物またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝物、誘導体、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、N酸化物、水和物またはそれらの任意の組み合わせの使用を提供し、
式中、
XはOまたはNHであり、
Tは、OH、OR、NHCOCH3、NHCORまたはOC(O)Rであり、
Zは、水素、アルキル、NO2、CN、COOH、COR、NHCORまたはCONHRであり、
Yは、水素、アルキル、CF3、ホルミル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシアルキルまたはアルキルアルデヒドであり、
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハホアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、ハロアルケニル、アルケニルまたはOHであり、
R1は、CH3、CH2F、CHF2、CF3、CH2CH3またはCF2CF3であり、
Aは、
から選択される基であり、
式中、
R2、R3、R4、R5、R6は、独立して、H、ハロゲン、NO2、CN、NHCOR9、N(COR9)2、COR10、OR11、OSO2R12、SO2R13、NHSO2R12、SR14、イミド環、アルキル、またはハロゲン、CN、NH2、OH、アルコキシの少なくとも1つの置換基を伴う置換アルキルであるか、もしくはR2およびR3、R3およびR4、R4およびR5またはR5およびR6は、結合するいずれかの環原子と共に、縮合された5から7員脂肪族または芳香族環状炭素、もしくはN、O、Sから選択される1から3つのヘテロ原子を含む縮合された5から7員複素環式環を形成するか、もしくは構造A、BまたはC
で表わされ、
R7およびR8は、独立して、H、ハロゲン、アルキルまたはアルケニルであり、
R9およびR10は、独立して、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アミノアルキル、モノ−またはジアルキルアミノアルキル、アリール、N(R15)2または−OR16であり、
R11およびR14は、独立して、H、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アミノアルキル、モノ−またはジアルキルアミノアルキル、アリール、COR17であり、
R12およびR13は、独立して、アルキルまたはアルケニル、ハロアルキルまたはアリールであり、
R15およびR16は、独立して、H、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アミノアルキルまたはアリールであり、
R17は、アルキル、アルケニル、ハロアルキルまたはアリールである。
一実施形態において、本発明の本側面に従い、XはOであり、別の実施形態において、TはOHであり、別の実施形態において、R1はCH3であり、別の実施形態において、ZはNO2であるか、もしくは別の実施形態において、ZはCNであり、別の実施形態において、R2、R3、R5、R6は水素であり、R4はNHCOCF3であるか、もしくは別の実施形態において、R2、R3、R5、R6は水素であり、R4はCNであるか、もしくは別の実施形態において、R2、R3、R5、R6は水素であり、R4はFであるか、もしくは別の実施形態において、R2、R3、R5、R6は水素であり、別の実施形態において、Zはパラ位であり、別の実施形態において、Yはメタ位であるか、もしくは別の実施形態においては、それらの任意の組み合わせである。
一実施形態において、Xが結合またはCH2である式IIの化合物は、最小の拮抗薬活性を有するか、または拮抗薬活性がない作動薬である。別の実施形態において、化合物XVIIIおよびXIXは、最小の拮抗薬活性を有するか、または拮抗薬活性がない作動薬である。
本発明は、式(XX)
で表わされる化合物の使用に関し、
式中、
Xは、O、CH2、NH、Se、PRまたはNRであり、
R1は、CH3、CF3、CH2CH3またはCF2CF3であり、
Tは、OH、OR、NHCOCH3またはNHCORであり、
式中、Rは、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニル、ハロアルケニルまたはヒドロキシルであり、
Aは、構造
で表わされる5または6員飽和、不飽和または芳香族環状炭素または複素環式環であり、
Bは、構造
で表わされる5または6員飽和、不飽和または芳香族環状炭素または複素環式環であり、
式中、A1−A11は、それぞれ、C、CH、CH2、O、S、NまたはNHであり、
B1−B11は、それぞれC、CH、CH2、O、S、NまたはNHであり、
Zは、水素結合受容体、アルキル、H、NO2、CN、COOH、COR、NHCORまたはCONHRであり、Yは、脂溶性基、水素、アルキル、ホルミル、アルコキシ、ヒロドキシアルキル、アルキルアルデヒド、CF3、F、I、Br、Cl、CN、C(R)3またはSn(R)3であり、
Q1およびQ2は、互いに独立して、H、アルキル、ハロゲン、CN、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR、NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2RまたはSRであり、
式中、Rは、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニル、ハロアルケニルまたはヒドロキシルである。一実施形態において、アルキル基はCH3である。
置換基であるZおよびYは、これらの置換基を保有する5または6員環(以下「A環」という)のいずれの位置でもあり得る。同様に、置換基Qは、この置換基を保有する5または6員環(以下「B環」という)のいずれの位置でもあり得る。環員A1−A11またはB1−B11のいずれかがOまたはSの時、これらの環員は、不飽和であることを理解する。環員A1−A11またはB1−B11のいずれかがOまたはSの時、OまたはS原子と隣接環員との間の点線は、単結合を表すことをさらに理解する。
一実施形態において、A環は、あらゆるタイプの飽和または不飽和環状炭素を含む。一実施形態において、A環は、非置換の、または前述に説明されるいずれかの置換基で一置換、多置換されてもよい6員飽和環状炭素である。一実施形態において、A環は、非置換の、または前述に説明されるいずれかの置換基で一置換、多置換されてもよい5員飽和環状炭素である。別の実施形態において、A環は、非置換の、または前述に説明されるいずれかの置換基で一置換、多置換されてもよい1つ以上の二重結合を含む6員環状炭素である。別の実施形態において、A環は、非置換の、または前述に説明されるいずれかの置換基で一置換、多置換されてもよい1つ以上の二重結合を含む5員環状炭素である。
別の実施形態において、A環は、いかなるタイプの飽和、不飽和または芳香族複素環式環をも含む。別の実施形態において、A環は、非置換の、または前述に説明されるいずれかの置換基で一置換、多置換されてもよい6員飽和複素環式環である。別の実施形態において、A環は、非置換の、または前述に説明されるいずれかの置換基で一置換、多置換されてもよい5員飽和複素環式環である。別の実施形態において、A環は、非置換の、または前述に説明されるいずれかの置換基で一置換、多置換されてもよい1つ以上の二重結合を含む6員複素環式環である。別の実施形態において、A環は、非置換の、または前述に説明されるいずれかの置換基で一置換、多置換されてもよい1つ以上の二重結合を含む5員複素環式環である。別の実施形態において、A環は、非置換の、または前述に説明されるいずれかの置換基で一置換、多置換されてもよい6員ヘテロ芳香族環である。別の実施形態において、A環は、非置換の、または前述に説明されるいずれかの置換基で一置換、多置換されてもよい5員ヘテロ芳香族環である。
同様に、B環は、いかなるタイプの飽和または不飽和環状炭素をも含む。一実施形態において、B環は、非置換の、または前述に説明されるいずれかの置換基で一置換、多置換されてもよい6員飽和環状炭素である。一実施形態において、B環は、非置換の、または前述に説明されるいずれかの置換基で一置換、多置換されてもよい5員飽和環状炭素である。別の実施形態において、B環は、非置換の、または前述に説明されるいずれかの置換基で一置換、多置換されてもよい1つ以上の二重結合を含む6員環状炭素である。別の実施形態において、B環は、非置換の、または前述に説明されるいずれかの置換基で一置換、多置換されてもよい1つ以上の二重結合を含む5員環状炭素である。
別の実施形態において、B環は、いかなるタイプの飽和、不飽和または芳香族複素環式環をも含む。別の実施形態において、B環は、非置換の、または前述に説明されるいずれかの置換基で一置換、多置換されてもよい6員飽和複素環式環である。別の実施形態において、B環は、非置換の、または前述に説明されるいずれかの置換基で一置換、多置換されてもよい5員飽和複素環式環である。別の実施形態において、B環は、非置換の、または前述に説明されるいずれかの置換基で一置換、多置換されてもよい1つ以上の二重結合を含む6員複素環式環である。別の実施形態において、B環は、非置換の、または前述に説明されるいずれかの置換基で一置換、多置換されてもよい1つ以上の二重結合を含む5員複素環式環である。別の実施形態において、B環は、非置換の、または前述に説明されるいずれかの置換基で一置換、多置換されてもよい6員ヘテロ芳香族環である。別の実施形態において、B環は、非置換の、または前述に説明されるいずれかの置換基で一置換、多置換されてもよい5員ヘテロ芳香族環である。
適切なA環および/またはB環の非限定の例は、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサンおよびシクロヘキセン環等の環状炭素、およびピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピロール、ジヒドロピロール、テトラヒドロピロール、ピラジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピリミジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミドン、ピラゾール、ジヒドロピラゾール、テトラヒドロピラゾール、ピペリジン、ピペラジン、ピリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、モルホリン、チオモルホリン、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、チアゾール、イミダゾール、イソキサゾール等の複素環式環である。
「アルキル」基は、一実施形態において、直鎖、分枝鎖および環状アルキル基を含む、飽和脂肪族炭化水素を意味する。一実施形態において、アルキル基は、1から12個の炭素を有する。別の実施形態において、アルキル基は、1から17個の炭素を有する。別の実施形態において、アルキル基は1から6個の炭素を有する。別の実施形態において、アルキル基は、1から4個の炭素を有する。アルキル基は、非置換またはハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、チオおよびチオアルキルから選択される1つ以上の基で置換されてもよい。一実施形態において、アルキル基はCH3である。
「アルケニル」基は、別の実施形態において、1つ以上の二重結合を有する直鎖、分枝鎖および環状基を含む不飽和炭化水素を意味する。アルケニル基は、二重結合を1つ、二重結合を2つ、二重結合を3つ等有し得る。アルケニル基の例は、エテニル、プロペニル、ブテニル、シクロヘキセニル等である。アルケニル基は、非置換またはハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、チオおよびチオアルキルから選択される1つ以上の基で置換されてもよい。
「ハロアルキル」基は、上に定義されるアルキル基を意味するが、1つ以上のハロゲン原子、一実施形態においてF、別の実施形態においてCl、別の実施形態においてBr、別の実施形態においてIで置換される。
「アリール」基は、少なくとも1つの炭素環芳香族基または複素環芳香族基を有する芳香族基を意味するが、非置換またはハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシルまたはチオもしくはチオアルキルから選択される1つ以上の基で置換されてもよい。アリール環の非限定の例は、フェニル、ナフチル、ピラニル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、ピリジニル、フラニル、チオフェニル、チアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル等である。一実施形態において、アリール基は、1から12員環である。別の実施形態において、アリール基は、1から8員環である。別の実施形態において、アリール基は、1から4つの縮合環を含む。
「ヒドロキシル」基は、OH基を意味する。TがORの時、RはOHでないことを当該分野の当事者は理解する。
一実施形態において、「ハロゲン」という用語は、一実施形態においてF、別の実施形態においてCl、別の実施形態においてBr、別の実施形態においてIを意味する。
「アリールアルキル」基は、別の実施形態において、アリールに結合するアルキルを意味し、アルキルおよびアリールは、上の通り定義される。アリールアルキル基の例は、ベンジル基である。
一実施形態において、本発明は、本明細書で説明する化合物、その類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、水和物、N酸化物、プロドラッグ、多形、不純物または結晶、もしくはそれらの組み合わせの使用を提供する。
一実施形態において、「異性体」という用語は、光学異性体および類似体、構造異性体および類似体、立体構造異性体および類似体等を含むが、これらに限定されない。
一実施形態において、「異性体」という用語は、SARM化合物の光学異性体を包含することを意図する。本発明のSARMは、少なくとも1つのキラル中心を含むことを当該分野の当事者は理解するだろう。従って、本発明の方法で使用されるSARMは、光学的に活性またはラセミの形態で存在する、または単離される可能性がある。いくつかの化合物も多形を示す可能性がある。本発明は、あらゆるラセミ、光学的に活性、多形または立体異性の形態、もしくはその混合物を包囲し、その形態は、本明細書に説明するアンドロゲンに関連する状態の治療に役立つ性質を有することを理解する。一実施形態において、SARMは、純粋な(R)異性体である。別の実施形態において、SARMは、純粋な(S)異性体である。別の実施形態において、SARMは、(R)および(S)異性体の混合物である。別の実施形態において、SARMは、同量の(R)および(S)異性体を含むラセミ混合物である。光学的に活性な形態を調製する方法は当該分野で周知である(例えば、再結晶化技術によるラセミ形態の解析、光学的に活性な開始材料からの合成、キラル合成、またはキラル固定相を使用したクロマトグラフ分離法)。
本発明は、酸または塩基を用いて本発明の化合物の反応により生成され得る、本発明の化合物の「医薬的に許容される塩」を含む。
式IからXXのアミン類の好適な医薬的に許容される塩は、無機酸から、または有機酸から調製され得る。一実施形態において、アミン類の無機塩の例は、重硫酸塩、ホウ酸塩、臭化物、塩化物、ヘミ硫酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、2−ヒドロキシエチルスルホネート(ヒドロキシエタンスルホネート)、ヨウ素酸塩、イソチオネート、硝酸塩、過硫酸塩、リン酸塩、硫酸塩、スルファミン酸塩、スルファニル酸塩、スルホン酸塩(アルキルスルホネート、アリールスルホネート、ハロゲン置換アルキルスルホネート、ハロゲン置換アリールスルホネート)、スルホネートおよびチオシアネートである。
一実施形態において、アミン類の有機塩の例は、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香族脂肪族、複素環、カルボン酸およびスルホン酸クラスの有機酸から選択され、これらの例は、酢酸塩、アルギニン、アスパラギン酸塩、アスコルビン酸塩、アジピン酸塩、アントラニル酸塩、アルギン酸塩、カルボン酸アルカン、置換されたカルボン酸アルカン、アルギン酸塩、ベンゼンスルホネート、安息香酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、重炭酸塩、重酒石酸塩、カルボン酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホネート、シクロヘキシルスルファミン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、クラブラン酸塩、桂皮酸塩、ジカルボン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシルスルホネート、二塩化水素化物、デカン酸塩、エナント酸塩、エタンスルホネート、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩、ギ酸塩、フッ化物、ガラクツロナーゼグルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、グルカル酸塩、グルコヘプタン酸塩塩、グリセロリン酸塩塩、グルセプテート、グリコリルアルサニレート、グルタル酸塩、グルタミン酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、ヘキシルレゾルシネート、ヒドロキシベンゾエート、ヒドロキシナフトエート、ヒドロ弗素酸塩塩、乳酸塩塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩塩、マレイン酸塩、メチレンビス(β−オキシナフトエ酸塩)、マロン酸塩、マンデル酸塩塩、メシレート、メタンスルホネート、臭化メチル、硝メチル、メチルスルホネート、一カリウムマレイン、ムカート、モノカルボン酸塩、ミトレート、ナフタレンスルホネート、2−ナフタレンスルホネート、ニコチン酸塩、ナプシレート、N−メチルグルカミン、シュウ酸塩、オクタノン酸塩、オレエート、パモ酸塩、フェニル酢酸塩、ピクラート、フェニルベンゾエート、ピバル酸塩塩、プロピオン酸塩、フタレート、フェニル酢酸塩、ペクチネート、フェニルプロピオン酸塩、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、ポリガラクツロ酸塩、ピルビン酸塩、キナ酸塩、サルチル酸塩塩、コハク酸塩塩、ステアリン酸塩塩、スルファニル酸塩、塩基性酢酸塩、酒石酸塩、テオフィリン酢酸塩、p−トルエンスルホネート(トシレート)、トリフルオロ酢酸塩、テレフタレート、タンニン酸塩、テオクル酸塩、トリハロ酢酸塩、トリカルボン酸塩、ウンデカン酸塩塩および吉草酸塩である。
一実施形態において、カルボン酸またはフェノールの無機塩の例は、アンモニウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムを含むアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、バリウム、コリン、4級アンモニウムを含むアルカリ土金属から選択され得る。
別の実施形態において、カルボン酸またはフェノールの有機塩の例は、アルギニン、脂肪族有機アミン、脂環有機アミン、芳香族有機アミン、ベンザチン、t−ブチルアミン、ベネタミン(N−ベンジルフェネチルアミン)、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、ヒドラバミン、イミダゾール、リジン、メチルアミン、メグラミン、N−メチル−D−グルカミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ニコチンアミン、有機アミン、オルニチン、ピリジン、ピコリン、ピペラジンン、プロカイン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トロメタミンおよび尿素を含む有機アミンから選択され得る。
一実施形態において、塩類は、遊離塩基または遊離酸形態の成生物と、塩が不溶性となる溶媒または媒体、または真空中で除去される水等の溶媒中で、1つ以上の適切な酸または塩基の等価物とを反応させることにより、または凍結乾燥により、または既存の塩のイオンを別のイオンまたは適切なイオン交換樹脂に交換することにより等、従来の手段により形成され得る。
本発明は、また、本明細書で説明する化合物のアミノ置換基のN酸化物の使用を含む。
本発明は、本明細書で説明する化合物の誘導体の使用を提供する。一実施形態において、「誘導体」は、エーテル誘導体、酸誘導体、アミド誘導体、エステル誘導体等を含むが、これに限定されない。別の実施形態において、本発明は、本明細書で説明する化合物の水和物の使用をさらに含む。一実施形態において、「水和物」は、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物等を含む、これに限定されない。
本発明は、他の実施形態において、本明細書で説明する代謝物の使用を提供する。一実施形態において、「代謝物」は、代謝または代謝プロセスにより別の物質から生成されるあらゆる物質を意味する。
本発明は、他の実施形態において、本明細書で説明する通り、化合物の医薬生成物の使用を提供する。「医薬生成物」という用語は、他の実施形態において、本明細書に説明する通り、例えば、医薬的使用に適切な組成物(医薬組成物)を意味する。
本明細書に説明される化合物は、特に、米国特許出願第11/505,363号(特許文献1)および米国特許出願第11/505,499号(特許文献2)に説明されるものを含む、当該分野に周知のいかなる手段によっても調製され得、参照によりその全体が本明細書に記載されているものとみなす。
いくつかの実施形態において、本発明の方法で使用する化合物は、アンドロゲン受容体の非ステロイド系リガンドであり、組織選択的アンドロゲンおよび/またはタンパク同化活性を示し得る。これらの新しい薬剤は、性機能不全、性欲の低下、勃起機能不全、生殖機能不全、筋肉減少症、骨減少症、骨粗しょう症、認知および気分の変動、うつ、貧血、脱毛、肥満、良性前立腺過形成および/または前立腺癌等の男性のホルモンに関する様々な状態の治療に有意である。さらに、化合物は、経口テストステロン置換療法および是前立腺癌の治療に有用である。他の実施形態において、化合物は、性機能不全、性欲の低下、生殖機能不全、筋肉減少症、骨減少症、骨粗しょう症、認知および気分の変動、うつ、貧血、脱毛、肥満、子宮内膜症、不妊症、乳癌、子宮癌および卵巣癌を含む女性のホルモンに関する様々な状態の治療に有用である。他の実施形態において、SARMは、糖尿病II型、糖尿病I型、耐糖能障害、高インスリン血症、インスリン耐性、異常脂肪血症、高コレステロール血症、高血圧、肥満、脂肪肝状態、糖尿病性腎症、糖尿病性神経症、糖尿病性網膜症、心血管疾患、粥状動脈硬化、脳血管状態および脳卒中の治療、抑制、阻害または発症率の低減に有用である。
いくつかの実施形態において、本明細書に説明する化合物は、筋肉消耗疾患、骨に関する疾患および糖尿病に関する疾患を予防および治療するのに有用である。
いくつかの実施形態において、本明細書に説明する化合物は、単一または組成物として、生殖機能不全、筋肉減少症、勃起機能不全、性欲の欠損、骨粗しょう症および不妊症等の男性および女性の様々なホルモンに関する状態の治療に有用である。いくつかの実施形態において、本明細書に説明する化合物は、様々なプロセスに対して機能を刺激または促進または回複するのに役立ち、そして、特に、赤血球形成、骨形成、筋成長、グルコース摂取、インスリン分泌の促進および/または脂肪生成、血塊、インスリン耐性、粥状動脈硬化、破骨細胞活性等の予防を含む、本明細書に説明される状態の治療をもたらす。
一実施形態において、本発明の方法は、記述の化合物を使用し、受容体に接触または結合することにより記述される作用を媒介する。いくつかの実施形態において、受容体は核内受容体であるが、一実施形態においては、アンドロゲン受容体であり、別の実施形態においては、エストロゲン受容体であり、別の実施形態においては、プロゲステロン受容体であり、別の実施形態においては、グルココルチコイド受容体である。いくつかの実施形態において、大半の作用は、対象の体内で複数の受容対に結合する機能として、同時に起こり得る。いくつかの実施形態において、本明細書に説明される化合物の組織選択的作用は、異なる標的臓器に同時に作用を提供する。
いくつかの実施形態において、組織選択性は、本明細書の実施形態8に例示する通り、特定のプロモータの機能であり得る。
医薬組成物
いくつかの実施形態において、本発明は、記述される化合物を含有する組成物の投与を含む使用の方法を提供する。本明細書で使用される、「医薬組成物」とは、活性成分、つまり、SARM化合物、およびそれに伴う医薬的に許容される担体または希釈剤の「治療有効量」を意味する。本明細書で使用される通り、「治療有効量」とは、任意の状態および投与療法の治療的効果を提供する量を意味する。
本明細書で使用される、「投与する」という用語は、対象を本発明のSARM化合物と接触させることを意味する。本明細書で使用される、投与は、生体外、つまり、試験管内、または生体内、つまり、例えばヒト等の生存生物の細胞または組織内で達成され得る。一実施形態において、本発明は、本発明の化合物を対象に投与することを包含する。
SARM剤を含有する医薬組成物は、経口的、非経口的、血管内、側癌的、経粘膜的、経皮的、筋肉内、鼻腔内、静脈内、皮内、皮下、舌下、腹腔内、脳室内、脳内、膣内、吸引、直腸的、腫瘍内または組み換えウイルス/組成物が組織に送達される(例えば、針またはカテーテル)あらゆる手段等の当該分野に周知のあらゆる方法により、対象に投与され得る。代替的に、粘膜細胞への用途、皮膚または眼用途において、局所的投与が好まれ得る。
一実施形態において、医薬組成物は、経口的に投与され、従って、経口投与に適切な形態、つまり、固形または液体剤形に製剤化される。適切な固形経口剤形は、錠剤、カプセル、ピル、顆粒、ペレット、粉末等を含む。適切な液体経口剤形は、溶液、懸濁液、分散液、乳濁液、オイル等を含む。本発明の一実施形態において、SARM化合物は、カプセルに製剤化される。本実施形態に従い、本発明の組成物は、SARM活性化合物および不活性担体または希釈剤に加え、硬質ゼラチンカプセルを含む。
一実施形態において、微粒子化カプセルは、本発明のSARMを含有する粒子を含み、本明細書で使用される「微粒子化する」という用語は、粒子の大きさが100ミクロン未満、または別の実施形態においては50ミクロン未満、または別の実施形態においては35ミクロン未満、または別の実施形態においては15ミクロン未満、または別の実施形態においては10ミクロン未満、または別の実施形態においては5ミクロン未満の粒径を有する粒子を意味する。
さらに、別の実施形態において、医薬組成物は、液体剤形の静脈内、動脈内または筋肉内注射により投与される。適切な液体剤形は、溶液、懸濁液、分散液、乳濁液、オイル等を含む。一実施形態において、医薬組成物は、静脈内に投与され、よって静脈投与に適切な形態に製剤化される。別の実施形態において、医薬組成物は、動脈内に投与され、よって、動脈内投与に適切な形態に製剤化される。別の実施形態において、医薬組成物は、筋肉内に投与され、よって筋肉内投与に適切な形態に製剤化される。
さらに、別の実施形態において、医薬組成物は、身体表面に局所的に投与され、よって、局所的投与に適切な形態に製剤化される。適切な局所的製剤は、ゲル、軟膏、クリーム、ローション、ドロップ等を含む。局所的投与において、SARM剤または塩、エステル、N酸化物等、それらの生理的に寛容な誘導体が調製され、薬理学的担体を伴ってまたは伴わずに、生理的に許容される希釈剤に溶液、懸濁液または乳濁液として塗布される。
さらに、別の実施形態において、医薬組成物は、例えば、肛門坐剤または尿道坐剤等の座剤として投与される。さらに、別の実施形態において、医薬組成物は、ペレットの皮下埋め込みにより投与される。さらなる実施形態において、ペレットは、一定の期間にわたるSARM剤の制御放出を提供する。さらなる実施形態において、医薬組成物は膣内に投与される。
別の実施形態において、小胞、特に、リポゾームで活性化合物を送達することができる(Langer,Science249:1527-1533(1990);Treat et al.,in liposoms in the Therapy of Infectious Disease and Cancer, Lopez- Berestein and Fidler(eds.),Liss,New York,pp.353-365(1989)を参照のこと;Lopez-Berestein,同誌,pp.317-327;概して同誌を参照のこと)。
本明細書で使用される、「医薬的に許容される担体または希釈剤」は、当該分野の当事者に周知である。担体または希釈剤は、固形製剤には固形の担体または希釈剤、液体製剤には液体の担体または希釈剤、またはその混合物であり得る。
固形の担体/希釈剤は、ガム、澱粉(例えば、コーンスターチ、アルファ化澱粉)、糖類(例えば、乳糖、マンニトール、ショ糖、デキストロース)、セルロース系材料(例えば、微結晶性セルロース)、アクリル酸塩(例えば、ポリメチルアクリレート)、炭酸カルシウム、マグネシウム酸化物、タルクまたはその混合物を含むが、これに限定されない。
一実施形態において、本発明の組成物は、本発明のSARMまたはその任意の組み合わせ、および、それに伴う1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含むことができる。
適切な賦形剤および担体は、本発明の実施形態によると、固形または液体であり得、種類は、一般的に、使用される投与形態に基づき選択される。リポソームは、組成物を送達するためにも使用され得る。適切な固形の担体の例は、乳糖、ショ糖、ゼラチンおよび寒天を含む。経口投与形態は、適切な結合剤、潤滑剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、着香料、流動誘発剤および溶融剤を含み得る。液体投与形態は、例えば、適切な溶媒、防腐剤、乳化剤、懸濁剤、希釈剤、甘味料、増粘剤および溶融剤を含み得る。非経口および静脈投与形態は、選択される注入の形態または送達システムと適合させるための無機化合物および他の材料も含むべきである。もちろん、他の賦形剤も使用され得る。
液体製剤において、医薬的に許容される担体は、水性または非水性の溶液、懸濁液、乳濁液またはオイルであり得る。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびオレイン酸エチル等の注射可能な有機エステルである。水性担体は、水、アルコール性/水性溶液、シクロデキストリン、生理食塩水および緩衝媒体を含有する乳濁液または懸濁液を含む。オイルの例は、例えば、ピーナッツ油、大豆油、ミネラルオイル、オリーブオイル、ひまわり油および魚肝油等の鉱油性、動物性、植物性または合成起源のものである。
非経口ビヒクル(皮下、静脈内、動脈内または筋肉内注射)は、塩化ナトリウム液、リンゲル(Ringer's)デキストロース、デキストロースと塩化ナトリウム、乳酸化リンゲルおよび固定油を含む。静脈内ビヒクルは、液体および栄養補充物、リンゲルデキストロースに基づくもの等の電解質補充液等を含む。例は、界面活性剤および他の医薬的に許容される補助剤の添加を伴う、または伴わない、水およびオイル等の無菌溶液である。概して、水、生理食塩水、水性デキストロースおよび関連糖溶液、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール等のグリコールは、好ましい液体の担体であり、特に、注射液用に好ましい。オイルの例は、ピーナッツ油、大豆油、ミネラルオイル、オリーブオイル、ひまわり油および魚肝油等の鉱油、動物性、植物性または合成起源のものである。
さらに、組成物は、結合剤(例えば、アカシア、コーンスターチ、ゼラチン、カルボマー、エチルセルロース、グアーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン)、崩壊剤(例えば、コーンスターチ、じゃがいも澱粉、アルギン酸、二酸化ケイ素、クロスカメロースナトリウム、クロスポビドン、グアーガム、グルコール酸ナトリウム澱粉)、様々なpHおよびイオン強度の緩衝液(例えば、トリス−HCI、酢酸、リン酸)、表面への吸収を防ぐためのアルブミンまたはゼラチン等の添加剤、洗剤(例えば、Tween20、Tween80、Pluronic F68、胆汁酸塩)、プロテアーゼ阻害剤、界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、浸透増強剤、溶解剤(例えば、クレモホル、グリセロール、ポリエチレングリセロール、塩化ベンザルコニウム、ベンジルベンゾエート、シクロデキストリン、ソルビタンエステル、ステアリン酸)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、二亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール)、安定剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、増粘剤(例えば、カルボマー、コロイド二酸化ケイ素、エチルセルロース、グアーガム)、甘味料(例えば、アスパラテーム、クエン酸)、防腐剤(例えば、チメロサール、ベンジルアルコール、パラベン)着色剤、滑剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、流動補助剤(例えば、コロイド二酸化ケイ素)、可塑剤(例えば、ジエチルフタレート、トリエチルシトレート)、乳化剤(例えば、カルボマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム)、重合体被覆(例えば、ポロキサマーまたはポロキサミン)、被覆および膜形成剤(例えば、エチルセルロース、アクリル酸、ポリメチルアクリレート)をさらに含み得る。
一実施形態において、本明細書に提供される医薬組成物は、制御放出性組成物、つまり、投与後、SARM化合物が一定時間にわたり放出される組成物である。制御または持続放出性組成物は、脂肪親和性デポ剤(例えば、脂肪酸、ワックス、オイル)の製剤を含む。別の実施形態において、組成物は、即時放出性組成物、つまり、投与後、SARM化合物が即時に放出される組成物である。
別の実施形態において、制御放出性システムで医薬組成物を送達することができる。たとえば、薬剤は、静脈内注入、移植性浸透圧ポンプ、経皮パッチ、リポソームまたは他の投与方法を使用して投与され得る。一実施形態において、ポンプが使用され得る(Langer, supra; Sefton, CRC Crit. Ref. Biomed. Eng. 14:201 (1987)、Buchwald et al.,Surgery 88:507 (1980)、Saudek et al., N. Engl. J. Med. 321:574 (1989)を参照のこと)。別の実施形態において、重合体材料が使用され得る。さらに別の実施形態において、制御放出性システムは、治療標的、つまり、脳の近くに配置され得るため、全身用量の何分の一の量のみを必要とする(例えば、Goodson, in Medical Applications of Controlled Release, supra, vol. 2, pp. 115-138 (1984)を参照のこと。他の制御放出性システムは、Langer(Science 249:1527-1533(1990)により総説で説明されている。
組成物は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲル等の特定の重合体化合物の調製物中または上への、またはリポソーム、微小乳化剤、ミセル、単ラメラまたは多重ラメラ小胞、赤血球影またはスフェロプラスト上への活性材料の取り込みも含み得る。このような組成物は、物理状態、溶解性、安定性、生体内放出の速度および生体内クリアランスの速度に影響するだろう。
また、本発明は、重合体(例えば、ポロキサマーまたはポロキサミン)、および組織特異的受容体、リガンドもしくは抗原に対する抗体に結合される、または組織特異的受容体のリガンドに結合される化合物で、被覆される粒状組成物も包含する。
また、本発明は、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール共重合体、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンまたはポリプロリン等の水溶性重合体の共有結合により修飾される化合物を包含する。その修飾化合物は、対応する非修飾化合物より静脈内注入後の血液中で大幅に長い半減期を示すことが知られる(Abuchowski et al., 1981、Newmark et al., 1982、およびKatre et al., 1987)。このような修飾は、また、水性溶液中の化合物の溶解性を増大し、凝集を排除し、化合物の物理的および化学的安定性を強化し、そして化合物の免疫源性および反応性を大幅に低下させ得る。結果として、所望の生体内生物活性が、非修飾化合物を用いるより、より少ない頻度またはより少ない用量で、このような重合体−化合物付加体の投与によって達成される。
活性成分を含む医薬組成物の調製は、例えば、混合、顆粒化または錠剤形成のプロセスにより、当該分野で周知である。活性治療成分は、しばしば、医薬的に許容され、かつ活性成分と適合する賦形剤と混合される。経口投与において、SARM剤または塩、エステル、N酸化物等のその生理的に寛容される誘導体を、ビヒクル、安定剤または不活性希釈剤等、本目的に慣例的な添加剤と混合し、慣例的な方法で錠剤、硬質または軟質ゼラチンカプセル、溶液、アルコール性または油性溶液等の投与に適切な形態に変換させる。非経口投与において、SARM剤または塩、エステル、N酸化物等のその生理的に寛容される誘導体を、望まれる場合、例えば、溶解剤等の本目的に慣用かつ適切な物質と共に、溶液、懸濁液または乳濁液に変換させる。
活性成分は、中和された医薬的に許容される塩の形態で組成物に製剤化できる。医薬的に許容される塩は、例えば、塩酸またはリン酸等の無機酸、もしくは酢酸、シュウ酸、酒石酸等の有機酸と形成される、酸添加塩(ポリペプチドの遊離アミノ基または分子と形成される)を含む。遊離カルボキシル基から形成される塩は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、または水酸化鉄等の無機塩基、およびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインのような有機塩基からも誘導できる。
薬剤での使用において、式IからXXの化合物の塩は、医薬的に許容される塩であろう。他の塩は、しかしながら、本発明に従う化合物、もしくはそれらの医薬的に許容される塩の調製に役立ち得る。本発明の化合物の適切な医薬的に許容される塩は、例えば、本発明の化合物の溶液を塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸またはリン酸等の医薬的に許容される酸の溶液と混合することにより形成され得る、酸添加塩を含む。
一実施形態において、本発明は、本発明の化合物IからXXを含む医薬組成物を提供する。一実施形態において、このような組成物は、経口テストステロン置換療法に有用である。
一実施形態において、本発明は、2つ以上の本発明のIからXXの化合物、またはそれらの多形、異性体、水和物、N酸化物等を含む組成物を提供する。本発明は、SARMのみ、もしくはプロゲスチンあるいはエストロゲン、または別の実施形態において、化学療法化合物、骨形成あるいは筋性化合物、または本明細書で説明される用途に適切な他の薬剤との組み合わせを含む、組成物および医薬組成物に関する。一実施形態において、本発明の組成物は、適切な担体、希釈剤または塩を含む。
一実施形態において、本発明の方法は、様々な用量で本発明の式IからXXの化合物の投与を含み得る。一実施形態において、式IからXXの化合物は、1日、0.01から1mgの用量で投与される。一実施形態において、式IからXXの化合物は、1日、0.1から200mgの用量で投与される。一実施形態において、式IからXXの化合物は、1日、0.1から10mg、または別の実施形態において、1日、0.1から25mg、または別の実施形態において、1日、0.1から50mg、または別の実施形態において、1日、0.3から15mg、または別の実施形態において、1日、0.3から30mg、または別の実施形態において、1日、0.5から25mg、または別の実施形態において、1日、0.5から50mg、または別の実施形態において、1日、0.75から15mg、または別の実施形態において、1日、0.75から60mg、または別の実施形態において、1日、1から5mg、または別の実施形態において、1日、1から20mg、または別の実施形態において、1日、3から15mg、または別の実施形態において、1日、30から50mg、または別の実施形態において、1日、30から75mg、または別の実施形態において、1日、100から2000mgの用量で投与される。
一実施形態において、本発明の方法は、様々な用量で式IIIの化合物の投与を含み得る。一実施形態において、式IIIの化合物は、1mgの用量で投与される。別の実施形態において、式IIIの化合物は、0.01mg、0.03mg、0.1mg、0.3mg、0.75mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg90mg、95mgまたは100mgの用量で投与される。
一実施形態において、本発明の式IIIの化合物は、様々な用量で投与され得る。一実施形態において、式IIIの化合物は、1日、0.01から1mgの用量で投与される。一実施形態において、式IIIの化合物は、1日、0.1から200mgの用量で投与される。一実施形態において、式IIIの化合物は、0.1から10mg、または別の実施形態において、1日、0.1から25mg、または別の実施形態において、1日、0.1から50mg、または別の実施形態において、1日、0.3から15mg、または別の実施形態において、0.3から30mg、または別の実施形態において、1日、0.5から25mg、または別の実施形態において、1日、0.5から50mg、または別の実施形態において、1日、0.75から15mg、または別の実施形態において、1日、0.75から60mg、または別の実施形態において、1日1から5mg、または別の実施形態において、1日、1から20mg、または別の実施形態において、1日、3から15mg、または別の実施形態において、1日、30から50mg、または別の実施形態において、1日、30から75mg、または別の実施形態において、1日100から2000mgの用量で投与される。
一実施形態において、本発明の方法は、様々な用量で、式IIIの化合物の投与を含み得る。一実施形態において、式IIIの化合物は、1mgの用量で投与される。別の実施形態において、式IIIの化合物は、0.01mg、0.03mg、0.1mg、0.3mg、0.75mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mgまたは100mgの用量で投与される。
一実施形態において、本発明は、a)本明細書で説明する化合物の任意の実施形態、およびb)医薬的に許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物の投与を含む使用方法を提供し、それには、本明細書で説明される化合物の類似体、異性体、代謝物、誘導体、医薬的に許容される塩、N酸化物、水和物またはそれらのいかなる組み合わせをも含むと理解され、式IからXXの化合物を含み得る。
いくつかの実施形態において、本発明は、a)本明細書で説明される化合物の任意の実施形態(その類似体、異性体、代謝物、誘導体、医薬敵に許容される塩、N酸化物、水和物、もしくはそれらの任意の組み合わせを含む)、b)医薬的に許容される担体または希釈剤、c)流動補助剤、およびd)滑剤を含む、医薬組成物の使用方法を提供する。
別の実施形態において、本発明は、a)本明細書で説明される化合物の任意の実施形態(その類似体、異性体、代謝物、誘導体、医薬敵に許容される塩、医薬生成物、N酸化物、水和物、もしくはそれらの任意の組み合わせを含む)、b)乳糖一水和物、c)微結晶セルロース、d)ステアリン酸マグネシウム、およびe)コロイド二酸化ケイ素を含む、医薬組成物の使用方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、化合物がアンドロゲン受容体の非ステロイド系リガンドであり、生体外でタンパク同化活性を示す利点を提供するSARM化合物を含む組成物を使用する。本態様によると、このような化合物は、重大な副作用を伴わず、便利な投与形式を提供し、生産費用を削減し、経口的に生物が利用可能で、他の望ましくないステロイド受容体との著しい交差反応に欠け、長い生物学的半減期を有し得る。
哺乳類、特にヒトへの投与において、医師が、実際の用量および治療期間を決定するが、それは個人に最適であり、年齢、体重および特定個人の反応により変化する。
一実施形態において、投与組成物は、無菌溶液、または他の実施形態において、水性もしくは水性懸濁液または乳濁液であり得る。一実施形態において、組成物は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、例えば、オレイン酸エチル等の注射可能な有機エステル、またはシクロデキストリンを含み得る。別の実施形態において、組成物は、湿潤剤、乳化剤および/または分散剤も含み得る。別の実施形態において、組成物は、水または他の任意の無菌の注射可能媒体も含み得る。
一実施形態において、本発明は、本明細書で説明される任意の実施形態を含む、本発明の任意の方法で使用するための化合物および組成物を提供する。一実施形態において、SARMまたはそれを含む組成物の使用は、当該分野の当事者により理解される、対象において望ましい反応を阻害する、抑制する、強化するまたは刺激する有用性を有するだろう。別の実施形態において、組成物は、さらなる活性材料をさらに含み得、この活性は、SARM化合物が投与される特定の用途に有用である。
いくつかの実施形態において、組成物は、5aレクターゼ阻害剤、別のSARM、これに限定されないが、アナストロゾール(anastrazole)、エキセメスタンもしくはレトロゾール等のアロマターゼ阻害剤、GnRH作用薬または拮抗薬、ステロイド性もしくは非ステロイド性GRリガンド、もしくは非ステロイド性PRリガンド、ステロイド性もしくは非ステロイド性AR拮抗薬、17−アルドケトレダクターゼ阻害剤もしくは17b−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害剤をさらに含む。このような組成物は、いくつかの実施形態において、例えば、不妊症等のホルモン依存性状態、例えば、生殖腺癌または尿生殖癌等のホルモン応答性癌の異常増殖を治療するために使用され得る。
いくつかの実施形態において、組成物は、本明細書で説明するSARMだけでなく、特に、フィナステリド、デュタステリド、イゾンステリド等の5ARI、RU−58642、RU−56279、WS9761AおよびB、RU−59063、RU−58841、ベクスロステライド、LG−2293、L−245976、LG−121071、LG−121091、LG−121104、LGD−2226、LGD−2941、YM−92088、YM−175735、LGD−1331、BMS−357597、BMS−391197、S−40503、BMS−482404、EM−4283、EM−4977、BMS−564929、BMS−391197、BMS−434588、BMS−487745、BMS−501949、SA−766、YM−92088、YM−580、LG−123303、LG−123129、PMCol、YM−175735、BMS−591305、BMS−591309、BMS−665139、BMS−665539、CE−590、116BG33、154BG31、アラカリン(arcarine)、ACP−105等の別のSARM、タモキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、イドキシフェン、トレミフェン、オスペミフェン、ドロロキシフェン、ラロキシフェン、アルゾキシフェン、バゼドキシフェン、PPT(1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−4−プロピル−1H−ピラゾール)、DPN、ラソフォキシフェン、ピペンドキシフェン、EM−800、EM−652、ナフォキシジン、ジンドキシフェン、テスミリフェン、ミプロキシフェン、リン酸、RU 58、688、EM139、ICI164、384、ICI182、780、クロミフェン、MER−25、ジエチルスチルベストロール、クメステロール、ゲニステイン、GW5638、LY353581、ズクロミフェン、エンクロミフェン、酢酸デルマジノン、DPPE、(N,N−ジエチル−2−{4−(フェニルメチル)−フェノキシ}エタンアミン)、TSE−424、WAY−070、WAY?292、WAY−818、シクロコンムノール、プリナベルエル、ERB−041、WAY−397、WAY−244、ERB−196、WAY−169122、MF−101、ERb−002、ERB−037、ERB−017、BE−1060、BE−380、BE−381、WAY−358、[18F]FEDNP、LSN−500307、AA−102、Ban zhi lian、CT−101、CT−102、VG−101等のSERM、リュープロイド、ゴセレリン、トリプトレリン、アルファプロストール、ヒストレリン、デチレリクス、ガニレリクス、アンタイドイチュレリクス、セトロレリクス、ラモレリクス、ガニレリクス、アンタレリクス、テベレリクス、アバレリクス、オザレリクス、スフゴリクス、プラザレリクス、デガレリクス、NBI−56418、TAK−810、アシリン等のGnRH作用薬もしくは拮抗薬、FSH作用剤/拮抗薬、LH作用剤/拮抗薬、レトロターゼ、アナストラゾール、アナメスタン、ファドロゾール、ミナメスタン、エキセメスタン、プロメスタン、リアロゾール、NKS−01、ボロゾール、YM−511、フィンロゾール、4−ヒドロキシアンドロステンジオン、アミノグルテチミド、ログレチミド等のアロマターゼ阻害剤、ZK−216348、ZK−243149、ZK−243185、LGD−5552、ミフェプリストン、RPR−106541、ORG−34517、GW−215864X、セクスイシリン、CP−472555、CP−394531、A−222977、AL−438、A−216054、A−276575、CP−394531、CP−409069、UGR−07等のステロイド性または非ステロイド性グルココルチコイド受容対リガンド、ステロイド性または非ステロイド性プロゲステロン受容体リガンド、フルタミド、ヒドロキシフルタミド、ビカルタミド、ニルタミド、ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害剤等のステロイド性または非ステロイド性AR拮抗薬、ベザフィブレート、フェノフィブレート、ゲミフィブレート等のPPARαリガンド、ダルグリタゾン、ピログリタゾン、ロジグリタゾン、イサグリタゾン、リボブリタゾン、ネトグリタゾン等のPPARγ、ナベグリタザール、ファルグリタザール、テサグリタザオール、ラガグリタザオール、オキセグリタザオール、PN−2034、PPARδ等の二重作用PPARリガンド、17−ケトレザクターゼ阻害剤、3β−DHΔ4,6−イソメラーゼ阻害剤、p450ssc阻害剤、17,20−リアーゼ阻害剤、もしくはそれらの組み合わせを含む、別の治療化合物を含む。
いくつかの実施形態において、組成物は、Ghrelin受容体リガンドまたは成長ホルモン類似体および分泌促進物質、IGF−1類似体および分泌促進物質、ミオスタチン類似体、プロテアソーム阻害剤、アンドロゲン性/タンパク同化ステロイド、エンブレルメラノコルチン4受容体作動薬、インスリン、またはそれらの組み合わせをさらに含む。これらの組成物は、いくつかの実施形態において、サルコペニアまたは骨格筋状態を治療するために使用され得る。
いくつかの実施形態において、組成物は、本明細書で説明するSARMだけでなく、特に、Ghrelin受容体リガンドまたは成長ホルモン類似体、およびプラルモレリン、エキサモレリン、タビモレリン、カピモレリン、カプロモレリン、イパモレリン、EP−01572、EP−1572、JMV−1843等の分泌促進物質、テストステロン/オキサドドロン等のアンドロゲン性/タンパク同化ステロイド、ブレメラノチド等のメラノコルチン4受容体作動薬、ヒトGhrelin(CYT−009−GhrQb、L−692429、GHRP−6、SK&F−110679、U−75799E)等のGhrelinまたはその類似体、レプチン(メトレレプチン、ペグ化レプチン、LEP(116−130)、OB3、[D−Leu4]−OB3、rAAV−leptin、AAV−hOB、rAAVhOB等のレプチン受容体作動薬)、インスリン(短時間、中間、長時間作用製剤)、コルチゾールまたは副腎皮質ステロイド、もしくはそれらの組み合わせを含む、別の治療化合物を含む。
本発明は、いくつかの実施形態において、別々に投与される、類似したまたは代替の経路により投与される、投与経路に適するように製剤化される個々の薬剤を含む組成物の投与を意図する。本発明は、いくつかの実施形態において、同一の製剤形態で投与される個々の薬剤を含む組成物の投与を意図する。本発明は、いくつかの実施形態において、時間の経過において、様々な薬剤の投与の時差投与、同時投与を意図するが、これらの効果は、対象において相乗的である。
上のあらゆる手段、タイミング、経路またはそれらの組み合わせ、2つ以上の薬剤の投与は、本明細書で説明する「組み合わせで投与される」という用語により包囲されると考えられることを理解する。
一実施形態において、SARM化合物は、抗癌剤と併用して投与される。一実施形態において、抗癌剤は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、癌の診断、監視または治療に使用される。一実施形態において、モノクローナ抗体は、癌細胞上の特定の抗原に対して反応する。一実施形態において、モノクローナル抗体は、癌細胞受容体拮抗薬として作用する。一実施形態において、モノクローナル抗体は、患者の免疫反応を強化する。一実施形態において、モノクローナル抗体は、細胞成長因子に対して作用し、よって、癌細胞の成長を阻害する。一実施形態において、抗癌モノクローナル抗体は、抗癌薬物、ラジオアイソトープ、他の生物学的反応修飾物質、他毒素、またはそれらの組み合わせに接合または連結される。一実施形態において、抗癌モノクローナル抗体は、上述に説明されるSARM化合物に接合または連結される。
別の実施形態において、本発明は、本発明の化合物が、モノクローナル抗体(例えば、マウスまたはヒト化モノクローナル抗体)等の標的剤に結合する薬剤と組み合わされるか共有結合で結合するSARM化合物および組成物を含む。一実施形態において、標的剤に結合する薬剤は、細胞毒性剤である。後者の組み合わせは、高い特異性をもって細胞毒性剤の、例えば、癌細胞への導入を可能にし得る。よって、細胞毒性剤の活性形態(つまり、遊離型)は、抗体に標的とされる細胞でのみ存在することとなる。もちろん、本発明の化合物、癌に対して治療活性を有するモノクローナル抗体とも併用され得る。
一実施形態において、SARM化合物は、選択的チロシンキナーゼ阻害剤と併用して投与される。いくつかの実施形態において、選択的チロシンキナーゼ阻害剤は、受容体を促進する癌の触媒部位を阻害すことによって、腫瘍の成長を阻害する。一実施形態において、選択的チロシンキナーゼ阻害剤は、成長因子シグナル伝達を調節する。いくつかの実施形態において、選択的チロシンキナーゼ阻害剤は、EGFR(ERB B/HER)ファイミリーのメンバーを標的にする。一実施形態において、選択的チロシンキナーゼ阻害剤は、BCR−ABLチロシンキナーゼ阻害剤である。一実施形態において、選択的チロシンキナーゼ阻害剤は、表皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤である。一実施形態において、選択的チロシンキナーゼ阻害剤は、血管内皮成長因子チロシンキナーゼ阻害剤である。一実施形態において、選択的チロシンキナーゼ阻害剤は、血小板由来成長因子(PDGF)阻害剤である。
一実施形態において、SARM化合物は、癌ワクチンと併用して投与される。一実施形態において、癌ワクチンは、治療ワクチンであり、よって、先行癌を治療する。いくつかの実施形態において、癌ワクチンは、予防ワクチンであり、よって、癌の発達を防止する。一実施形態において、両方のタイプのワクチンは、癌の苦痛を軽減する可能性を有する。一実施形態において、処置または治療ワクチンは、癌患者に投与され、既に発達した癌に対して身体の防御機能を強化するように考案される。一実施形態において、治療ワクチンは、先行癌のさらなる成長を防ぐ、治療された癌の再発を防ぐ、または前の治療で死滅しなかった癌細胞を除去し得る。いくつかの実施形態において、防止または予防ワクチンは、健康な個人に投与され、疾患の高いリスクを示す個人の癌を標的にするように考案される。一実施形態において、癌ワクチンは抗原/アジュバントワクチンである。一実施形態において、癌ワクチンは、全細胞腫瘍ワクチンである。一実施形態において、癌ワクチンは、樹状細胞ワクチンである。一実施形態において、癌ワクチンは、ウイルスベクターおよび/またはDNAワクチンを含む。一実施形態において、癌ワクチンは、イディオタイプのワクチンである。
一実施形態において、SARM化合物は、抗癌化学治療薬と併用して投与される。一実施形態において、抗癌化学治療薬は、これに限定されないが、シクロホスファミド等のアルキル化剤である。一実施形態において、抗癌化学治療薬は、これに限定されないが、ドキソルビシン等の細胞毒性の抗生物質である。一実施形態において、抗癌化学治療薬は、これに限定されないが、メトトレキサート等の抗代謝剤である。一実施形態において、抗癌化学治療薬は、これに限定されないが、ビンデシン等のビンカアルカロイドである。いくつかの実施形態において、抗癌化学治療薬は、これに限定されないが、カルボプラチン等のプラチン化合物、およびデセタキセル等のタキサンを含む。一実施形態において、抗癌化学治療薬は、これに限定されないが、アナストラゾール、エキセメスタンまたはレトロゾール等のアロマターゼ阻害剤である。
一実施形態において、SARM化合物は、アリソールB酢酸等のBax活性モジュレータと併用して投与される。一実施形態において、SARM化合物は、ロサルタン等のアンジオテンシンII受容体遮断薬と併用して投与される。一実施形態において、SARM化合物は、セレン、緑茶カテキン、ノコギリヤシ、リコピン、ビタミンD、食物豆、ゲニステインまたはイソフラボンと併用して投与される。
一実施形態において、SARM化合物は、アルキル化剤、抗生物質、ホルモン性抗悪性腫瘍薬および抗代謝剤等の抗悪性腫瘍薬と併用して投与される。有用なアルキル化剤の例は、ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファン等のアルキルスルホン酸、ベンゾジゼパ、カルボコン、メツレデパ、ウレデパ等のアジリジン、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスフォラミド、トリエチレンチオホスホラミドおよびトリメチルオルメラミン等のエチレンイミンおよびメチルメラミン、クロラムブシル、クロマパジン(chlomaphazine)、シクロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニムスティン、トロホスファミドおよびウラシルマスタード等のナイトロジェンマスタード、カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、ダカルバジン、マンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトールおよびピポブロマン等のニトロソ尿素を含む。さらに多くの薬剤が、薬品化学および腫瘍学の分野の当事者に周知であろう。
いくつかの実施形態において、SARMとの併用に適切な他の薬剤は、アブリン、アウリントリカルボン酸、クロラムフェニコール、コリシンE3、シクロヘキシミド、ジフテリア毒素、エデインA、エメチン、エリスロマイシン、エチオニン、フッ化物、5?フルオロトリプトファン、フシジン酸、グアニル酸メチレンジホスホン酸およびグアニル酸イミドジホスホン酸、カナマイシン、カスガマイシン、キロマイシン、およびO?メチルトレオニン、モデクシン、ネオマイシン、ノルバリン、パクタマイシン、パロモマイシン、ピューロマイシン、リシン、α?サルシン、志賀毒素、ショードマイシン、スパルソマイシン、スペクチノマイシン、ストレプトマイシン、テトラサイクリン、チオストレプトン、およびトリメトプリム等のタンパク質合成阻害剤を含む。硫酸ジメチル等のアルキル化剤、マイトマイシンCおよび窒素及び硫黄マスタード、MNNGおよびNMSを含むDNA合成の阻害剤、アクリジン色素、アクチノマイシン、アドリアマイシン、アントラセン、ベンゾピレン、エチジウムブロマイド、2ヨウ化プロピジウム組合せ等の挿入剤、およびジスタマイシンおよびネトロプシン等の薬剤も、医薬組成物において、本発明の化合物と組み合わせることができる。アシクロビル、アデニン、β?1?D?アラビノシド、アメトプテリン、アミノプテリン、2?アミノプリン、アフィジコリン、8?アザグアニン、アザセリン、6?アザウラシル、2′?アジド?2′?デオキシヌクレオシド、5?ブロモデオキシシチジン、シトシン、β?1?D?アラビノシド、ジアゾオキシノルロイシン、ジデオキシヌクレオシド、5?フルオロデオキシシチジン、5?フルオロデオキシウリジン、5?フルオロウラシル、ヒドロキシウレアおよび6?メルカプトプリン等のDNA塩基類似体も、本発明の化合物と組み合わせて治療に使用できる。クーママイシン、ナリジクス酸、ノボビオシンおよびオキソリン酸等のトポイソメラーゼ阻害剤、コルセミド、コルヒチン、ビンブラスチンおよびビンクリスチンを含む細胞分裂阻害剤、アクチノマイシンD、αアマニチンおよび他の菌性アマトキシン、コルジセピン(3′?デオキシアデノシン)、ジクロロリボフラノシルベンズイミダゾール、リファンピシン、ストレプトバリシンおよびストレプトリジギン等のRNA合成阻害剤も、本発明の化合物と組み合わせて、医薬組成物を提供することができる。
一実施形態において、SARM化合物は、前立腺癌用のワクチン、アリソールB酢酸、アンジオテンシンII受容体遮断薬、または当該分野に周知の他の薬剤と併用して投与される。一実施形態において、SARM化合物は、前立腺(良性または悪性)肥大を低減するために、例えば、セレン、緑茶カテキン、ノコギリヤシ、リコピン、ビタミンD、食物豆、ゲニステインまたはイソフラボン食品等と併用して投与される。
一実施形態において、SARM化合物は、免疫調節剤と併用して投与される。一実施形態において、免疫調節剤は、免疫抑制剤である。一実施形態において、免疫抑制剤は、副腎皮質ステロイド、シクロスポリン、アザチオプリン、メトトレキサート、シクロホスファミド、タクロリムス−FK−506、抗胸腺細胞グロブリン、ミコフェノール酸モフェチル(mycophenylate moeftil)、もしくはそれらの組み合わせを含む。一実施形態において、副腎皮質ステロイドは、グルココルチコイドである。
一実施形態において、免疫調節剤は、免疫賦活剤である。一実施形態において、免疫賦活剤は、特異的な免疫賦活剤であり、よって、ワクチンまたはあらゆる抗原等、免疫反応中に抗原特異性をもたらす。一実施形態において、免疫賦活剤は、非特異性免疫賦活剤であり、よって、抗原特異性に関係なく作用して、他の抗原の免疫反応を増強するか、もしくは抗原特異性なしに免疫システムの抗原の成分を刺激する。一実施形態において、非特異性免疫賦活剤は、フロイント(Freund)完全アジュバントである。一実施形態において、非特異性免疫賦活剤は、フロイント不完全アジュバントである。一実施形態において、非特異性免疫賦活剤は、モンタニドISAアジュバントである。一実施形態において、非特異性免疫賦活剤は、Ribiアジュバントである。一実施形態において、非特異性免疫賦活剤は、ハンター(Hunter´s)TiterMaxである。一実施形態において、非特異性免疫賦活剤は、アルミニウム塩アジュバントである。一実施形態において、非特異性免疫賦活剤は、ニトロセルロース吸着タンパク質である。一実施形態において、非特異性免疫賦活剤は、は、Gerbuアジュバントである。
一実施形態において、SARM化合物は、骨粗しょう症、骨折等の骨疾患、障害または状態を治療する薬剤と併用して投与され、本発明は、本明細書で説明する単独または他の薬剤と組み合わせてSARMを投与することにより、これを治療する方法を含む。
一実施形態において、本発明は、癌の対象における骨折、骨の手術、骨の放射線治療、脊椎圧迫、新規骨転移、骨消失またはそれらの組み合わせ等、骨格関連事象(SRE)を発達するリスクの治療、防止、抑制または阻害もしくは低下を提供し、本明細書に説明する選択的アンドロゲン受容体モジュレータ(SARM)および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、水和物、N酸化物、またはそれらの任意の組み合わせを投与するステップを含む。本発明は、特に、アンドロゲン抑制療法(ADT)を受ける、または受けた前立腺癌の対象に式IIIの化合物でSREを治療することに関連する。
一実施形態において、本明細書で提供される方法を使用および/または本明細書で提供される組成物を利用して治療された骨格関連事象は、骨折であり、一実施形態においては、病的骨折、非外傷性骨折、椎体骨折、非椎体骨折、形態計測骨折、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、骨折は、単純、複合、横行、不全または粉砕骨折であり得る。一実施形態において、骨折は、身体のいずれかの骨であり得、一実施形態においては、いずれか1つ以上の骨の腕、手首、手、指、脚、足首、足、足指、腰、鎖骨またはそれらの組み合わせの骨折である。
別の実施形態において、本明細書で提供される方法および/または組成物は、病的骨折、脊椎圧迫、高カルシウム血症、骨に関連する痛みまたはそれらの組み合わせ等、骨格関連事象のリスクの治療、防止、抑制、阻害または低下に効果的である。
別の実施形態において、本明細書で提供される方法を使用および/または本明細書で提供される組成物を利用して治療されようとする骨格関連事象は、骨の手術および/または骨の放射性治療の必要性を含み、いくつかの実施形態においては、骨損傷または神経圧迫から生じる痛みの治療である。別の実施形態において、本明細書で提供される方法を使用および/または本明細書で提供される組成物を利用して治療されようとする骨格関連事象は、対象の脊椎圧迫、またはホルモン療法の変更を含む抗腫瘍剤治療の変更の必要性を含む。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法を使用および/または本明細書で提供される組成物を利用して治療されようとする骨格関連事象は、骨転移または骨損失を治療する、抑制する、防止する、その発生率を低減する、またはその進行または重症度を遅延することを含む。一実施形態において、骨損失は、骨粗しょう症、骨減少症、またはその組み合わせを含み得る。一実施形態において、骨格関連事象は、本明細書に挙げられる実施形態のいかなる組み合わせでもあり得る。
一実施形態において、本明細書で提供される方法および/または本明細書で提供される組成物の利用は、病巣の数、病巣の大きさまたはそれらの組み合わせにおいて等、骨の転位を低減するのに効果的である。本発明の態様および一実施形態によると、本明細書で、対象の骨への癌転移を防止または阻害する方法を提供し、トレミフェン、ラロキシフェン、タモキシフェン、または類似体、官能誘導体、もしくはそれらの組み合わせを含む組成物、もしくはその医薬的に許容される塩を対象に投与するステップを含む。一実施形態において、このような代謝物は、オスペミフェン、フィスペミフェン、またはそれらの組み合わせを含み得る。一実施形態において、癌は、前立腺癌である。
当該分野の当事者は、本明細書で提供される組成物を利用する、本明細書で提供される方法に従う抗腫瘍剤治療の変更は、特に、基礎疾患の重症度、基礎疾患の病因、患者の痛みの程度および患者の痛みの病因だけでなく、疾患の過程に応じて実施される、または調節あるいは変更され得ることを容易に認識するであろう。治療の変更は、一部の実施形態で、投与経路の変更(例えば、内腔的、腫瘍内、腔内、動脈内、腫瘍内等)、投与される組成物の形態(例えば、錠剤、エリキシル剤、懸濁剤等)、用量の変更等を含み得る。それぞれのこれらの変更は、当該分野ではよく認識されており、本明細書で提供される実施形態により包囲される。
一実施形態において、骨格関連事象は、癌治療の結果による。一実施形態において、骨格関連事象は、ホルモン除去療法の結果であり、別の実施形態においては、アンドロゲン除去療法(ADT)の結果である。
男性における成熟時の性ホルモンの自然な減退(アンドロゲンの直接的な減少だけでなく、アンドロゲンの末梢芳香族化に由来するエストロゲンレベルの低下)は、骨のもろさと関係するが、この作用は、アンドロゲン除去療法を受けた男性においてより明白である。
組み合わせて使用するような薬剤は、本明細書で説明されるSERM、ビオホスホネート(例えば、アレンドロネート、チルドロネート、クロドロネート、パミドロネート、エチドロネート、アレンドロンネート酸、ゾレドロネート、シマドロネート、ネリドロネート、ミノドロン酸、イバンドロネート、リセドロネート、ホモリセドロネート)、カルシニトン(例えば、サケ、エルカトニン、SUN−8577、TJN−135)、ビタミンDまたは誘導体(ZK−156979)、カルシトリオール、トピトリオール、ZK−150123、TEI−9647、BXL−628、Ro−26−9228、BAL−2299、Ro−65−2299、DP−035、エストロゲン、エストロゲン誘導体または結合型エストロゲン等のビタミンD受容体リガンドまたはその類似体、抗エストロゲン、プロゲスチン、合成エストロゲン/プロゲスチン、RANKリガンドmAb(例えば、デノスマブまたはAMG162(Amgen))、avβ3インテグリン受容体拮抗薬、破骨細胞空胞ATPase阻害剤、破骨細胞受容体に結合するVEGFの拮抗薬、カルシウム受容体拮抗薬、PTh(副甲状腺ホルモン)またはその類似体、PTHrP類似体(副甲状腺ホルモン関連ペプチド)、カテプシンK阻害薬(AAE581)、ラネニック酸ストロンチウム;チボロン、HCT−1026、PSK3471;ガリウムマルトレート、ニュートロピンAQ;プロスタグランジン、p38タンパク質キナーゼ阻害薬、骨形成タンパク質、BMP拮抗の阻害薬、HMG−CoAレダクターゼ阻害薬、ビタミンKまたは誘導体、再吸収抑制、イプリフラボン、フッ化塩、食事カルシウム補助剤、破骨細胞形成抑制因子、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。一実施形態において、本明細書に説明されるSARM、破骨細胞形成抑制因子および副甲状腺ホルモンの併用投与は、骨のいかなる疾患、障害または状態をも治療することを意図する。
一実施形態において、免疫調節剤は、抗炎症剤である。一実施形態において、抗炎症剤は、非ステロイド性抗炎症剤である。一実施形態において、非ステロイド性抗炎症剤は、cox−1阻害薬である。一実施形態において、非ステロイド性抗炎症剤は、シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬である。一実施形態において、非ステロイド性抗炎症剤は、cox−1およびシクロオキシゲナーゼ−2阻害薬である。いくつかの実施形態において、非ステロイド性抗炎症剤は、アスピリン、サルサラート、ジフルニサル、イブプロフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、フェナム酸、ケトプロフェン、ナブメトン、ピロキシカム、ナプロキセン、ジクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、エトドラク、ケトロラック、オキサプロジンまたはセレコキシブを含むがこれに限定されない。一実施形態において、抗炎症剤はステロイド性抗炎症剤である。一実施形態において、ステロイド性抗炎症剤は、副腎皮質ステロイドである。
一実施形態において、免疫調節剤は、抗リウマチ剤である。一実施形態において、抗リウマチ剤は、非ステロイド性抗炎症剤である。一実施形態において、抗リウマチ剤は、副腎皮質ステロイドである。一実施形態において、副腎皮質ステロイドは、プレドニソンまたはデキサメタゾンである。一実施形態において、抗リウマチ剤は、疾患修飾性抗リウマチ薬である。一実施形態において、疾患修飾性抗リウマチ薬は、遅効性抗リウマチ薬である。一実施形態において、疾患修飾性抗リウマチ薬は、抗マラリア薬である。一実施形態において、疾患修飾性抗リウマチ薬は、クロロキニーネ、ヒドロキシクロロキニーネ、メトトレキサート、スルファサラジン、シクロスポリン、アザチオプリン、シクロホスファミド、アザチオプリン、スルファサラジン、ペニシラミン、オーロチオグルコース、金チオリンゴ酸ナトリウム、またはオーラノフィンを含むが、これに限定されない。一実施形態において、抗リウマチ薬は、免疫抑制細胞毒性薬物である。一実施形態において、免疫抑制細胞毒性薬物は、メトトレキサート、シクロホスファミド、クロラムブシル、またはアザチオプリンを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、SARM化合物は、抗糖尿病薬と併用して投与される。一実施形態において、抗糖尿病薬は、スフホニル尿素である。一実施形態において、スルホニル尿素は、トルブタミド、アミドヘキサミド、トラザミド、クロルプロパミド、グリピジド、グリブリド、グリメピリド、またはグリクラジドを含むが、これに限定されない。一実施形態において、抗糖尿病薬は、メグリチニドである。一実施形態において、メグリチニドは、パラジンまたはナテグリニドを含むが、これに限定されない。一実施形態において、抗糖尿病薬は、ビグアナイドである。一実施形態において、ビグアナイドは、メトホルミンを含む、これに限定されない。一実施形態において、抗糖尿病薬は、チアゾリジンジオンである。一実施形態において、チアゾリジンジオンは、ロシグリタゾン、ピログリタゾン、またはトログリタゾンを含むが、これに限定されない。一実施形態において、抗糖尿病薬は、αグルコシダーゼ阻害剤である。一実施形態において、αグルコシダーゼ阻害剤は、ミグリトールまたはアカルボースを含むが、これに限定されない。一実施形態において、抗糖尿病薬は、PPARα/γリガンド、ジペプチドイルペプチダーゼ4(DPP−4)阻害剤、SGLT(ナトリウム依存性グルコース輸送体1)阻害剤、またはFBPase(フルクトース1,6−ビスホスファターゼ)阻害剤である。一実施形態において、抗糖尿病薬は、インスリンである。一実施形態において、インスリンは、速効型インスリンである。一実施形態において、インスリンは、短時間作用型インスリンである。一実施形態において、インスリンは、中間作用型インスリンである。一実施形態において、インスリンは、中間作用型および短時間作用型インスリンの混合物である。一実施形態において、インスリンは、長時間作用型インスリンである。一実施形態において、抗糖尿病薬は、2000年3月6日に出願された米国特許第09/519,079号に開示されるような脂肪酸結合タンパク質(aP2)の阻害剤、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、および国際特許第WO0168603号に開示されるようなジペプチジルペプチダーゼIV(DPP4)阻害剤であり、参照により本明細書に援用される。
一実施形態において、SARM化合物は、神経系を治療する薬剤と併用して投与される。一実施形態において、神経系を治療する薬剤は、自律神経系を治療する薬剤である。一実施形態において、自律神経系を治療する薬剤は、アドレナリン様作用薬である。一実施形態において、アドレナリン様作用薬は、βアドレナリン受容体作動薬、αアドレナリン受容体作動薬、またはそれらの組み合わせである。一実施形態において、アドレナリン様薬物は、カテコラミンである。一実施形態において、アドレナリン様作用薬は、イソプロテレノール、ノルエペネフリン、エピネフリン、アンフェタミン、エフェドリン、またはドーパミンンを含むが、これに限定されない。一実施形態において、アドレナリン様作用薬は、直接作用するアドレナリン様作用薬である。いくつかの実施形態において、直接作用するアドレナリン様薬物は、フェニレフリン、メタラミノール、またはメトキサミンを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、自律神経系を治療する薬剤は、アドレナリン受容体拮抗薬である。一実施形態において、アドレナリン受容体拮抗薬は、ハロアルキルアミン、イミダゾリン、またはキナゾリンである。一実施形態において、ハロアルキルアミンは、フェノキシベンザミンを含むが、これに限定されない。一実施形態において、イミダゾリンは、フェントラミンまたはトラゾリンを含むが、これに限定されない。一実施形態において、キナゾリンは、プラゾシン、ドキサゾシン、またはトリマゾシンを含むが、これに限定されない。一実施形態において、アドレナリン受容体拮抗薬は、合体したαおよびβ遮断活性を有する。一実施形態において、合体したαおよびβ遮断活性は、ラベタロール、カルベジロール、またはメドロキサロールである。
一実施形態において、自律神経系を治療する薬剤は、コリン様作用薬である。一実施形態において、コリン様作用薬は、直接作用する副交感神経作用薬である。一実施形態において、直接作用する副交感神経作用薬は、メタコリン、ピロカルピン、カルバコール、またはベタネコールを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、自律神経系を治療する薬剤は、コリンエステラーゼ阻害薬である。一実施形態において、コリンエステラーゼ阻害薬は、4級アンモニウム剤である。一実施形態において、4級アンモニウム剤は、エドロホニウムまたはアンベノニウムを含むが、これに限定されない。一実施形態において、コリンエステラーゼ阻害薬は、フィゾスチグミン、ピリドスチグミン、ネオスチグミン、またはリバスチグミン等のカルバメートである。一実施形態において、コリンエステラーゼ阻害薬は、オルガノリン酸エステル剤である。一実施形態において、阻害薬は、中枢神経系のアセチルコリンを標的とし、タクリン、ドネペジルまたガランタミン等である。
一実施形態において、自律神経系を治療する薬剤は、ムスカリン性遮断薬である。一実施形態において、ムスカリン性遮断薬は、アトロピンまたはスコポールアミン等のベラドンナアルカロイドである。
一実施形態において、自律神経系を治療する薬剤は、神経節遮断薬である。一実施形態において、神経節遮断薬は、ニコチン、トリメタファンまたはメカミラミンを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、神経系を治療する薬剤は、中枢神経系を治療する薬剤である。一実施形態において、中枢神経系を治療する薬剤は、局所麻酔薬である。一実施形態において、局所麻酔薬は、ベンゾカイン、クロロプロカイン、コカイン、プロカイン、ブピバカイン、レボブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、プリロカインまたはロピバカインを含むが、これに限定されない。一実施形態において、中枢神経系を治療する薬剤は、全身麻酔薬である。一実施形態において、全身麻酔薬は、デスフルラン、セボフルラン、イソフルラン、ハロラン、エンフルラン、メトキシフルラン、キセノン、プロポフォール、エトミデート、メトヘキシタール、ミダゾラム、ジアセパモール(diazepamor)、ケタミン、チオペントン/チオペンタール、またはリドカイン/プリロカインを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、中枢神経系を治療する薬剤は、鎮痛剤である。いくつかの実施形態において、鎮痛剤は、パラセパモールまたは非ステロイド性抗炎症剤を含むがこれに限定されない。いくつかの実施形態において、鎮痛剤は、モルヒネ、ペチジン、オキシコドン、ヒドロコドン、ジアルモヒネ、トラマドールあるいはブプレノルフィン等のオピエートまたはモルフィン作用薬を含む。いくつかの実施形態において、2つ以上の鎮痛剤の組み合わせが望ましい。
一実施形態において、中枢神経系を治療する薬剤は、筋弛緩薬または血管収縮薬である。一実施形態において、筋弛緩薬は、メタカルバモール、バクロフェン、カリソプロドール、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン、ダントロレン、メタキサロン、オルフェナドリン、亜硝酸アミル、パンクロニウム、チザニジン、クロニジンまたはガバペンチンを含むが、これに限定されない。一実施形態において、血管収縮薬は、抗ヒスタミン剤、アドレナリンジメチルアルギニン、カフェイン、カンナビス、カテコラミン、うっ血除去薬、プロイドエフェドリン、ノルエピネフリン、テトラヒドロゾリンまたはトロボキサンを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、中枢神経系を治療する薬剤は、制吐薬である。一実施形態において、制吐薬は、ドラセトロン、グラニセトロン、オンダンセトロン、またはトロピセトロン等の5−HT3受容体拮抗薬である。一実施形態において、制吐薬は、ドンペリドン、ドロペリドール、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロメタジン、またはメトクロプラミド等のドーパミン拮抗薬である。一実施形態において、制吐薬は、シクリジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドラミン、またはメクリジン等の抗ヒスタミン剤である。一実施形態において、制吐薬は、カンナビスまたはマリノール等のカンナビノイドである。
一実施形態において、中枢神経系を治療する薬剤は、鎮静剤である。一実施形態において、鎮静剤は、ミルタザピンまたはトラゾドン等の抗うつ剤である。一実施形態において、鎮静剤は、セコバルビタール、ペントバルビタールまたはアモバルビタール等のバルビツレートである。一実施形態において、鎮静剤は、ジアゼパム、クロナゼパム、アルプラゾラム、テマゼパム、クロルジアゼポキシド、フルニトラゼパム、ロラゼパム、またはクロラゼプ酸等のベンゾジアゼピンである。一実施形態において、鎮静剤は、ゾルピゼムまたはアルピゼム等のイミダゾピリジンである。一実施形態において、鎮静剤は、ザレプロン等のピラゾロピリミジンである。一実施形態において、鎮静剤は、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナートまたはドキシルアミン等の抗ヒスタミン剤である。一実施形態において、鎮静剤は、ジプラシドン、リスペリドン、クエチアピン、クロザピン、プロクロルペラジン、ペルフェナジン、ロキサピン、トリフルオペラジン、チオチキセン、ハロペリドール、またはフルフェナジン等の抗精神病薬である。一実施形態において、鎮静剤は、カノコソウ(valerian plant mandrake)またはカバ等のハーブ鎮静剤である。いくつかの実施形態において、鎮静剤は、エスゾピクロン、ラメルテオン、メタカロン、エトクロルビノール、抱水クロラール、メプロバメート、グルテチミド、メチプリロン、γヒドロキシブチレート、エチルアルコール、三塩化メチル、ゾピクロンまたはジエチルエーテルである。
一実施形態において、中枢神経系を治療する薬剤は、神経変性障害薬物である。一実施形態において、神経変性障害薬物は、タクリン、ドネペジル、ガランタミン、またはリバスチグミン等のアセチルコリンエステラーゼである。一実施形態において、神経変性障害薬物は、メマンチン等のNメチル−Dアスパラギン酸(NMDA)拮抗薬である。一実施形態において、神経変性障害薬物は、リルゾール等の運動神経への損傷を低減する。一実施形態において、神経変性障害薬物は、疾患の進行を生じる遺伝子を発現停止させる。一実施形態において、中枢神経系を治療する薬剤は、抗てんかん薬(AED)である。いくつかの実施形態において、抗てんかん薬は、ナトリウムチャネル遮断薬、GABA受容体作用薬、GABA再取り込み阻害剤、GABAトランスアミターゼ阻害剤、潜在的GABA作用機序を伴うAED、グルタメート遮断薬、または他の作用機序を伴うAEDを含む。いくつかの実施形態において、抗てんかん薬は、カルバマゼピン、ホスフェニトイン、オクスカルバゼピン、ラモトリジン、ゾニサミド、クロバザム、クロナゼパム、フェノバルビタール、プリミドン、チアガビン、ビガバトリン、ガバペンチン、バルプロ酸、フェルバマート、トピラマート、レベチラセタム、またはプレガバリンを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、中枢神経系を治療する薬剤は、抗中毒薬である。一実施形態において、抗中毒薬は、ジスルフィラム等の抗アルコール薬である。一実施形態において、抗中毒薬は、セロトニン再取り込み阻害剤、ドーパミン作用薬、またはオピオイド拮抗薬である。
一実施形態において、中枢神経系を治療する薬剤は、アルツハイマー病を治療する薬剤である。いくつかの実施形態において、アルツハイマー病を治療する薬剤は、コリンエステラーゼ阻害薬、γセクレターゼ、またはβ低下薬を含むが、これに限定されない。
一実施形態において、中枢神経系を治療する薬剤は、軽度の認知障害を治療する薬剤である。いくつかの実施形態において、軽度の認知障害を治療する薬剤は、AMPA制御因子を含むが、これに限定されない。
一実施形態において、中枢神経系を治療する薬剤は、パーキンソン病を治療する薬剤である。いくつかの実施形態において、パーキンソン病を治療する薬剤は、ドーパミン作用薬、アマンタジン、ベンズトロピン、ビペリデン、ブロモクリプチン、エンタカポン、カルビドパ/レボドパ、セレギリン/デプレニル、ジフェンヒドラミン、ペルゴリド、プロシクリジン、セレギリン、またはトリフェキシフェニジルを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、SARM化合物は、コリンエステラーゼ阻害薬、γセクレターゼ阻害剤、A−β低下薬等のアルツハイマー病を治療する薬剤、AMPA抑制因子等の軽度の認知障害(MCI)を治療する薬剤、またはドーパミン作用薬等のパーキンソン病を治療する薬剤、または例えば、デュロキセチン等のSSRI、SNRI等の大うつ病を治療する薬剤、またはPDE5阻害剤等の性機能障害を治療する薬剤と共に投与される。
一実施形態において、SARM化合物は、心血管系を治療する薬剤と併用して投与される。一実施形態において、心血管系を治療する薬剤は、うっ血性心不全を治療する。一実施形態において、うっ血性心不全を治療する薬剤は、ベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル、エナラプリル、ホシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、トランドラプリル、またはエナラプリラート等のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤である。一実施形態において、うっ血性心不全を治療する薬剤は、アセブトロール、アテノロール、塩酸ベタキソロール、フマル酸ビソプロロール、塩酸カルテオロール、カルベジロール、塩酸セリプロロール、塩酸エスモロール、塩酸ラベタロール、レボブノロール、酒石酸メトプロロール、メチプラノール、ナドロール、ネビボノール、塩酸オクスプレノロール、ピンドロール、塩酸プロプラノロール、塩酸ソタロール、またはマレイン酸チモロール等のβ遮断薬である。一実施形態において、うっ血性心不全を治療する薬剤は、ジゴキシンである。一実施形態において、うっ血性心不全を治療する薬剤は、チアニド系利尿薬、ループ利尿薬、カリウム保持性利尿薬、またはそれらの組み合わせ等の利尿薬である。いくつかの実施形態において、チアニド系利尿薬は、ベンドロフルアジド、ベンドロフルメチアジド、ベンズチアジド、クロロチアジド、クロルタリドン、シクロペンチアジド、Diucardin(登録商標)、ジウリル(登録商標)エンデュロン(登録商標)、Esidrix(登録商標)、HCTZ、ヒドロクロロチアジド、ヒドロジウリル(登録商標)、ヒドロフルメチアジド、ヒドロモクス(登録商標)、ハイグロトン(登録商標)、インダパミド、ロゾール(Lozol)(登録商標)、メチクロチアジド、メトラゾン、ミクロクス(登録商標)、ナクア(登録商標)、ナツリン(登録商標)、オレチック(Oretic)(登録商標)、ポリチアジド、キネサゾン、レニーズ(Renese)(登録商標)、トリクロルメチアド、キシパミド、またはZaroxolyn(登録商標)を含むが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、ループ利尿薬は、フロセミド/フルセミド、ブメタニド、またはトラセミドを含むが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、カリウム保持性利尿薬は、アミロライド、トリアムテレン、アルドステロン拮抗薬、またはスピロノラクトンを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、心血管系を治療する薬剤は、抗不整脈薬である。一実施形態において、抗不整脈薬は、ナトリウムチャネル遮断薬、βアドレナリン遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、または再分極を延長する薬剤である。一実施形態において、ナトリウムチャネル遮断薬は、キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド、リドカイン、トカイニド、メキシレチン、エンカイニド、またはフエカイニドを含むが、これに限定されない。一実施形態において、βアドレナリン遮断薬は、プロプラノール、アセブトロール、エスモロール、またはソタロールを含むが、これに限定されない。一実施形態において、再分極を延長する薬剤は、ソタロールまたはアミオダロンを含むが、これに限定されない。一実施形態において、カルシウムチャネル遮断薬は、ベラパミル、ジルチアゼム、ニフェジピンまたはメベフラジルを含むが、これに限定されない。一実施形態において、抗不整脈薬は、アデノシンまたはジゴキシンである。
一実施形態において、心血管系を治療する薬剤は、抗アンギナ薬である。一実施形態において、抗アンギナ薬は、抗血小板薬、アドレナリン受容体拮抗薬、カルシウムチャネル遮断薬、または血管拡張薬である。いくつかの実施形態において、アドレナリン受容体拮抗薬およびカルシウムチャネル遮断薬は、上述に説明する薬剤を含む。一実施形態において、抗血小板薬は、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、ADP阻害剤、ホスホジエステラーゼIII阻害剤、糖たんぱく質IIb/IIIa阻害剤、またはアデノシン再取り込み阻害剤である。一実施形態において、シクロオキシゲナーゼ阻害剤は、アセチルサリチル酸またはジピリジモールと組み合わせたアセチルサリチル酸を含むが、これに限定されない。一実施形態において、ADP阻害剤は、クロピドグレル、CS−747、またはチクロピジンを含むが、これに限定されない。一実施形態において、ホスホジエステラーゼIII阻害剤は、シロスタゾールを含むが、これに限定されない。一実施形態において、糖たんぱく質IIb/IIIa阻害剤は、アブシキシマブ、レオプロ、エプチフィバチド、インテグリリン、チロフィバン、またはアグラスタットを含むが、これに限定されない。一実施形態において、アデノシン再取り込み阻害剤は、ジピリジモールを含むが、これに限定されない。一実施形態において、血管拡張薬は、二硝酸イソソルビド、一硝酸イソソルビド、またはニトログリセリンを含むが、これに限定されない。一実施形態において、ジギタリスまたはウアバイン等の強心配糖体が、SARM化合物と組み合わせて使用され得る。
一実施形態において、心血管系を治療する薬剤は、血管作用剤または強心剤(Inotrope)である。一実施形態において、血管作用剤または強心剤は、ジゴキシン、ドーパミン、ドブタミン、ヒドラロジン、プラゾシン、カルベジロール、ニトロプルシド、ニトログリセリン、カプトプリル、リシノプリル、ニフェジピン、ジルチアゼム、ヒドロクロロチアジド、フロセミド、スピノラクトン、AT−1受容体拮抗薬(例えば、ロサルタン、イルベサルタン、バルサルタン)、ET受容体拮抗薬(例えば、シタクスセンタイ、アトラセンタン、および米国特許第5,612,359号および第6,043,265号に開示される化合物)、二重ET/AII拮抗薬(例えば、国際特許第WO00/01389号に開示される化合物)、中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤、バソペプシダーゼ阻害剤(二重NEP−ACE阻害剤)(例えば、オマパトリラトおよびゲモパトリラト)、または硝酸を含むが、これに限定されない。
一実施形態において、心血管系を治療する薬剤は、抗凝固剤である。一実施形態において、抗凝固剤は、クマリン誘導体または未分画のヘパリンである。一実施形態において、クマリン誘導体は、ワルファリンを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、心血管系を治療する薬剤は、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、アルテプラーゼ、アニストレプラーゼ、プロウロキナーゼ、レテプラーゼ、テネクテプラーゼ、ラノテプラーゼ、スタフィロキナーゼ、バンパイヤまたはアルフィメプラーゼ等の血栓溶解薬である。
一実施形態において、心血管系を治療する薬剤は、ナイアシン−ロバスタチン、コレスチポールHCl、フルバスタチンナトリウム、アトルバスタチンカルシウム、シンバスタチン、ゲムフィルロジル、ロバスタチン、プラバスタチンナトリウム、コレスチラミンライト、フェノフィブラート、コレセベラムHClまたはエゼチミブ等の高コレステロール血症剤である。
一実施形態において、SARM化合物は、消化器系を治療する薬剤と併用して投与される。一実施形態において、消化器(GI)系を治療する薬剤は、GI運動性を増強する。一実施形態において、GI運動性を増強する薬剤は、メトクロプラミド、シサプリド、テガセロッドまたはエリスロマイシン等の消化管運動改善薬である。一実施形態において、GI系を治療する薬剤は、GI運動性を低減する。一実施形態において、GI運動性を低下する薬剤は、モルヒネ、ジフェノキシレート、ロペラミド塩酸塩またはアヘン等のオピオイドである。
一実施形態において、GI系を治療する薬剤は、吸着剤またはバルク剤である。一実施形態において、吸着剤は、カオリンまたは他の水和アルミニウムケイ酸粘土である。一実施形態において、水和アルミニウムケイ酸粘土は、さらにペクチンと組み合わされる。一実施形態において、吸着剤またはバルク剤は、次サリチル酸ビスマス、メチルセルロース、サイリウム誘導体またはカルシウムポリカルボフィルを含む。
一実施形態において、GI系を治療する薬剤は、便軟化剤である。一実施形態において、便軟化剤は、ミネラルオイル、スルホコハク酸ドクサートジオクチルナトリウムまたはスルホコハク酸ジオクチルカリウムを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、GI系を治療する薬剤は、緩下剤である。一実施形態において、GI系を治療する薬剤は、上述に説明するバルク形態の緩下剤である。一実施形態において、緩下剤は、ラクツロース、ソルビトールまたはポリエチレングリコール等の浸透圧性緩下剤である。一実施形態において、緩下剤は、マグネシアミルク、クエン酸マグネシウム、リン酸ナトリウム、ドクサートカリウム、ソルビトール、ナトリウムリン酸−ビホスフェート(sodium phosphate-biphosphate)またはビジコール等の生理食塩水緩下剤である。
一実施形態において、GI系を治療する薬剤は、瀉下刺激薬である。一実施形態において、瀉下刺激薬は、カスカラ、アロエ、センナまたはダイオウ等のアントラキノン誘導体である。一実施形態において、瀉下刺激薬は、フェノールフタレイン、ひまし油またはビサコジルである。
一実施形態において、GI系を治療する薬剤は、催吐薬である。一実施形態において、催吐薬は、トコンまたはアポモルヒネである。一実施形態において、GI系を治療する薬剤は、抗ヒスタミン、抗コリン作用薬、ベンゾジアゼピン、カンナビノイド、ドーパミン拮抗薬、フェノチアジン誘導体またはオンダンセトロンあるいはグラニセトロン等の5−HT3拮抗薬等の抗嘔吐薬である。
一実施形態において、GI系を治療する薬剤は、制酸薬である。一実施形態において、制酸医薬調製物は、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウムまたは水酸化アルミニウム等の緩衝剤を含む。
一実施形態において、GI系を治療する薬剤は、H2受容体拮抗薬である。いくつかの実施形態において、H2受容体拮抗薬は、シメチジン、ラニチジン、ファモチジンまたはニジアザチジンである。
一実施形態において、GI系を治療する薬剤は、プロトンポンプ阻害剤である。いくつかの実施形態において、プロトンポンプ阻害剤は、オメプラゾール、ランソプラゾール、パントプラゾール、ベレプラゾールまたはエソメプラゾールである。
一実施形態において、GI系を治療する薬剤は、炎症を治療する薬剤である。一実施形態において、炎症を治療する薬剤は、5−アミノ−サリチル酸、副腎皮質ステロイド、メトロニダゾール、シプロフロキサシン、インフリキシマブ(infiximab)、ブデソニドまたは抗TNFα抗体である。
一実施形態において、SARM化合物は、いくつかの実施形態において、代謝症候群と呼ばれる、代謝疾患、障害または状態を治療する薬剤と併用して投与される。いくつかの実施形態において、このような薬剤は、特に、例えば、オルリスタット、セチリスタット等の膵ヒパーゼ阻害剤、シブトラミン等のセロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤、ビグアナイド(メトホルミン)等のインスリン感受性改善薬、またはPPAR作用薬、二重作用薬PPAR作用薬(マルグリタザール(muraglitazar)、テサグリタザール、ナベグリタザール)、PPARδ作用薬(GW−501516)、DPP−IV阻害剤(ビルダグリプチン、シタグリプチン)、αグルコシダーゼ阻害剤(アカルボース)、抗糖尿病合剤(ActoPlusMet、AvandaMet、メトホルミン/ピオグリタゾン、メトホルミン/ロシグリタゾン、グルコバンス等)、グルカゴン様ペプチド1類似体(エクセナチド、リラグルチド)、アミリン類似体(プラムリンチド)、スタチン系薬剤(アトルバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン)、コレステロール吸収阻害剤(エゼチミブ)、ニコチン酸誘導体(即時放出および制御放出ナイアシン、ニアシロ(niaslo)等)、抗脂質異常症固定合剤(シンバスタチン/エゼチミブ、ロバスタチン/ニコチン酸、アトロバスタチン/アムロジピン、アトロバスタチン/トルセトラピブ、シンバスタチン/ニコチン酸(ER))、ACE阻害剤(ラミプリル、カプトプリル、リシノプリル)、AT−II受容体拮抗薬(バルサルタン、テルミサルタン)、カンナビノイド受容体拮抗薬(リモナバン)、コレステリルエステル転送タンパク質またはCETP阻害剤(JTT−705、CETI−1)、β3アドレナリン作動薬、PPARaリガンド、もしくはそれらの組み合わせを含む。
一実施形態において、SARM化合物は、皮膚障害を治療する薬剤と併用して投与される。一実施形態において、皮膚障害を治療する薬剤は、ジプロピオン酸ベタメタゾン、クロベタゾール、ジフロラゾン、アムシノニド、デオキシメタソン、フルオシノニド、アクロメタゾン、デソニドトリアムシノロン、フルチカゾン、ハロベタゾール、メモタゾンまたはヒドロコルチソン等の副腎皮質ステロイドまたはグルココルチステロイドである。一実施形態において、皮膚障害を治療する薬剤は、イソトレチノイン、アシトレチン、トレチノイン、アダパレン、タザロテン、ベキサロテン、アリトレチノインまたはβカロチン等のレチノイドである。
一実施形態において、皮膚障害を治療する薬剤は、光化学治療薬である。一実施形態において、光化学治療薬は、オクソラレン等のPUVAまたはソラレンである。一実施形態において、皮膚障害を治療する薬剤は、ポルフィリン等の光力学剤である。
一実施形態において、皮膚障害を治療する薬剤は、ダプソン、サリドマイド、抗マラリア薬、抗菌剤または抗真菌剤である。一実施形態において、抗マラリア薬は、クロロキンまたはヒドロキシクロロキンである。
一実施形態において、皮膚障害を治療する薬剤は、抗生物質である。一実施形態において、抗生物質は、グリセオフルビン、ケトコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、テルビナフィンまたはヨウ化カリウムなどの全身抗生物質である。一実施形態において、抗生物質は、局所的な抗真菌剤である。いくつかの実施形態において、局所的な抗真菌剤は、シクロピロクス、クロトリマゾール、エコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、ナフチフィン、オキシコナゾール、テルビナフィンまたはトルナフテートを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、皮膚障害を治療する薬剤は、インターフェロンα等の抗ウイルス剤である。一実施形態において、皮膚障害を治療する薬剤は、ピレトリンまたはピレチロイド等の抗疥癬剤である。一実施形態において、皮膚障害を治療する薬剤は、ミコフェノール酸モフェチルまたは6−チオグアニン等の免疫抑制剤である。一実施形態において、皮膚障害を治療する薬剤は、タクロリムス、ピメクロリウムス、イミキモド、5−フルオロウラシルまたはメクロレタミン等の局所的な免疫抑制剤である。一実施形態において、皮膚障害を治療する薬剤は、ドキセピン等の抗ヒスタミンである。一実施形態において、皮膚障害を治療する薬剤は、ヒドロキノンまたはモノベンゾン等の色素沈着を治療するものである。一実施形態において、皮膚障害を治療する薬剤は、ベカプレミン、ネタネルセプト、デニロイキンジフトクスまたはボツリヌス毒素等のタンパク質または組み換えタンパク質である。一実施形態において、皮膚障害を治療する薬剤は、カプサイチン、アントラリン、ベンゾイルペルオキシドまたはカルシポトリエンである。
一実施形態において、皮膚障害を治療する薬剤は、角質溶解薬である。一実施形態において、皮膚障害を治療する薬剤は、硫化セレンである。一実施形態において、皮膚障害を治療する、または防止する薬剤は、日焼け止めである。一実施形態において、日焼け止めは、UVB、UVAまたはそれらの組み合わせを吸収する。
一実施形態において、皮膚障害を治療する薬剤は、上皮増殖因子(EGF)、形質転換増殖因子α(TGF−α)、血小板由来増殖因子(PDGF)、酸性線維芽増殖因子(α−FGF)および塩基性線維芽細胞増殖因子(β−FGF)を含む線維芽細胞増殖因子(FGF)、形質転換増殖因子β(TGF−β)およびインスリン様増殖因子(IGF−1およびIGF−2)等の増殖因子またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
一実施形態において、SARM化合物は、抗感染剤と併用して投与される。一実施形態において、抗感染剤は、抗生物質である。一実施形態において、抗生物質は、βラクタム抗生物質である。一実施形態において、βラクタム抗生物質は、ペニシリン、ベンザチンペニシリンン、ベンジルペニシリン、アモキシリン、プロカインペニシリン、ジクロキサシリン、アモキシリン、フルクロキサシリン、アンピシリン、メチシリン、アズロシリン、カルベニシリン、チカルシリン、ピペラシリン、フェノキシメチルペニシリン、共同アモキシクラブ、セファロスポリン、セファレキシン、セファロチン、セファゾリン、セファクロール、セフロキシム、セファマンドール、セフォテタン、セフォキシチン、セフトリアキソン、セフォタキシム、セフタジジム、セフェピム、セフピロム、イミペネム、メロペネム、エルタペネム、ファロペネム、モノバクタム、アズトレオナムまたはカルバペネムを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、抗生物質は、テトラサイクリン系抗生物質である。一実施形態において、テトラサイクリン系抗生物質は、テトタサイクリン、クロルテトラサイクリン、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、リメサイクリン、ミノサイクリンまたはオキシテトラサイクリンを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、抗生物質は、マクロライド系抗生物質である。一実施形態において、マクロライド系抗生物質は、エリスロマイシン、アジスロマイシン、オキシスロマイシン、ジリスロマイシン、クラリスロマイシン、ジョサマイシン、オレアンンドマイシン、キタサマイシン、スピラマイシン、タイロシン/タイロシン(tylosin/tylocine)、トロレアンドマイシン、カルボマイシン、セスロマイシンまたはテリスロマイシンを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、抗生物質は、アミノグリコシド系抗生物質である。一実施形態において、アミノクリコシド系抗生物質は、ゲンタマイシン、トブラマイシン、ファロペネム、イミペネム、カナマイシン、ネオマイシン、エルタペネム、アプラマイシン、硫酸パロモマイシン、ストレプトマイシンまたはアミカシンを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、抗生物質は、キノロン系抗生物質である。一実施形態において、キノロン系抗生物質は、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、ロメフロキサシン、エノキサシン、オフロキサシン、シプロフラキサシン、レボフルキサシン、スパルフロキサシン、ガチフロキサシン、モキシフロキサシン、トロバフロキサシンまたはアラトロフルキサシンを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、抗生物質は、環状ペプチド系抗生物質である。一実施形態において、環状ペプチド系抗生物質は、バノコマイシン、ストレプトグラミン、ミクロシンJ25、バクテリオシンAS−48、RTD−1またはポリミキシンを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、抗生物質は、リンコサミド系抗生物質である。一実施形態において、リンコサミド系抗生物質は、クリンダマイシンを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、抗生物質は、オキサゾリジノン系抗生物質である。一実施形態において、オキサゾリジノン系抗生物質は、リネゾリド、U−100592、DA−7867、AZD2563またはU−100766を含むが、これに限定されない。
一実施形態において、抗生物質は、スルファ系抗生物質である。一実施形態において、スルファ抗生物質は、スルフィソキサゾールを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、抗生物質は、消毒薬である。一実施形態において、消毒薬は、アルコール、クロルヘキシジン、クロリン、ヘキサクロロフェン、ヨードフォール、クロロキシレノール(PCMX)、4級アンモニウム化合物またはトリクロサンを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、抗生物質は、抗結核剤である。一実施形態において、抗結核剤は、エタンブトール、リファブチン、イソニアジド、リファンピシン、ピラジナミドまたはリファンピンを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、抗生物質は、抗真菌剤である。一実施形態において、抗真菌剤は、テルビナフィン、フルシトシン、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ラブコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、カスポファンギン、ミカファンギン、v−エチノキャンディン、アンホテリシンB、アンホテリシンB脂質複合体(ABLC)、アンホテリシンBコロイド系分散体(ABCD)、リポソームアンホテリシンb(l−Amb)、リポオソームニスタチンまたはグリセオフルビンを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、抗生物質は、抗原虫剤である。一実施形態において、抗原虫剤は、抗マラリア剤である。一実施形態において、抗マラリア剤は、クロロキン、メフロキン、プログアニル、ダプソン併用ピリメタミン、スルファドキシン併用ピリメタミン、キニーネまたはプリマキンを含むが、これに限定されない。一実施形態において、抗原虫剤は、抗アメーバ薬(amoebicide)である。一実施形態において、抗アメーバ薬は、メトロニダゾール、チニダゾールまたはフロン酸ジロキサニドを含むが、これに限定されない。一実施形態において、抗原虫剤は、抗ランブル鞭毛虫剤である。一実施形態において、抗ランブル鞭毛虫剤は、メトロニダゾール、チニダゾールまたはメパクリンを含むが、これに限定されない。一実施形態において、抗原虫剤は、殺レーシュマニア(leishmanicide)剤である。一実施形態において、殺レーシュマニアは、スチボグルコン酸ナトリウムを含むが、これに限定されない。一実施形態において、抗生物質は、駆虫剤である。
一実施形態において、抗生物質は、抗ウイルス剤である。一実施形態において、抗ウイルス剤は、アバカビル、アシクロビル、アマンタジン、ジダノシン、エムトリシタビン、エンフビルチド、エンテカビル、ラミブジン、ネビラピン、オセルタミビル、リバビリン、リマンタジン、スタブジン、バラシクロビル、ビダラビン、ザルシタビンまたはジドブジンを含むが、これに限定されない。一実施形態において、抗ウイルス剤は、ヌクレオチド類似体逆転写酵素阻害剤である。一実施形態において、ヌクレオチド類似体逆転写酵素阻害剤は、トテノホビル(totenofovir)またはアデホビルを含むが、これに限定されない。一実施形態において、抗ウイルス剤は、プロテアーゼ阻害剤である。一実施形態において、プロテアーゼ阻害剤は、サキナビル、リトナビル、インジナビル、ネフフィナビル、アンプレナビル、ロピナビル、ホサンプレナビルまたはチプラナビルを含むが、これに限定されない。一実施形態において、抗ウイルス剤は、エンフビルチド等の縮合阻害剤である。一実施形態において、抗ウイルス剤または抗レトロウイルス剤の併用が望ましい。一実施形態において、抗ウイルス剤または抗レトロウイルス剤もしくはそれらの組み合わせは、ヒドロキシ尿素、リスベラトール、グレープフルーツ、リトナビル、レフルノミドまたはそれらの組み合わせをさらに含む。
一実施形態において、SARM化合物は、肝臓を治療する薬剤と併用して投与される。一実施形態において、SARM化合物は、スタチンと併用して投与される。いくつかの実施形態において、スタチンは、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチンまたはロスバスタチンを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、SARM化合物は、胆汁酸封鎖剤と併用して投与される。いくつかの実施形態において、胆汁酸封鎖剤は、コレスチラミン、コレスチポールまたはコレセベラムを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、SARM化合物は、コレステロール吸収阻害剤と併用して投与される。いくつかの実施形態において、コレステロール吸収阻害剤は、エゼチミブを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、SARM化合物は、ニコチン酸薬剤と併用して投与される。いくつかの実施形態において、ニコチン酸薬剤は、ナイアシン、ナイアコール(niacor)またはslo−ナイアシンを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、SARM化合物は、フィブラートと併用して投与される。いくつかの実施形態において、フィブラートは、ゲムフィブロジルまたはフェノフィブラートを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、肝臓を治療する薬剤は、コルチゾン、コルチゾールまたはコルチコステロンである。いくつかの実施形態において、肝臓を治療する薬剤は、コルチシン、メトトレキサート、ウルソデオキシコール酸またはペニシラミンである。
一実施形態において、SARM化合物は、腎臓を治療する薬剤と併用して投与される。一実施形態において、腎臓を治療する薬剤は、利尿薬である。いくつかの実施形態において、利尿薬は、有機水銀化合物、エタクリン酸、フルセミド、フメタミド(humetanide)、ピメタミド、ムゾリミン、クロロチアジドおよびチアジド、フタルイミジン、クロルチアリドン、クロレキソロン、キナゾリノン、キネタソン、メトラゾンイレンゼンスルホナミド(ilenzenesulphonamide)、メトラゾンイレンゼンスルホナミドメフルシド、クロロベンザミド、クロパミドサリチルアミド、キシパミド、キサンチン、アミノフィリン、炭酸脱水酵素阻害剤、アセタゾラミドマンニトール、カリウム保持性化合物、アルドステロン拮抗薬、スピロノラクトンおよびカンレノ酸、プテリジン、ピラジン、カルボキサミド−トリアムテレンまたはアミロリドを含むが、これに限定されない。一実施形態において、腎臓を治療する薬剤は、ステロイドである。
一実施形態において、腎臓を治療する薬剤は、エリスロポエチンである。一実施形態において、エリスロポエチンは、自然発生源(例えば、尿中のエリスロポエチン、米国特許第3,865,801号を参照)により得られるか、または例えば、米国特許第5,441,868号、第5,547,933号、第5,618,698号および第5,621,080号に記載される組み換えにより生成されるタンパク質およびその類似体、ならびに欧州特許公開EP668351に記載される増加したグリコシル化および/またはアミノ酸配列の変化を伴うヒトエリスロポエチン類似体、およびPCT公開WO91/05867に記載される1から14のシアル酸基およびアミノ酸配列の変化を有する高グリコシル化類似体である。一実施形態において、エリスロポエチン様ポリペプチドが、SARM化合物と併用して投与される。いくつかの実施形態において、エリスロポエチン様ポリペプチドは、ダルベポエチン(Amgenから。アラネスプおよび新規エリスロポエシス(erthyropoiesis)刺激タンパク質(NESP)としても知られる)を含む。
一実施形態において、SARM化合物は、代謝疾患を治療する薬剤と共に投与される。いくつかの実施形態において、代謝十環を治療する薬剤は、ビタミン、コエンザイムQ10、グルコシターゼα、炭酸水素ナトリウム、ビスホスホネート、ビオチンアロプリノール、レボドパ、ジアゼパム、フェノバルビタール、ハロペリドール、葉酸、抗酸化剤、カチオンチャネルハプトグロビンまたはカルニチンの活性化剤を含むが、これに限定されない。
一実施形態において、代謝疾患を治療する薬剤は、オルリスタットまたはセチリスタット等の膵リパーゼ阻害剤、シブトラミン等のセロトニンまたはノルネピネフリン再取り込み阻害剤、ビグアナイド、PPAR作用薬等のインスリン感受性改善薬、マルグリタザール、テサグリタザールまたはナベグリタザール等の二重作用薬PPAR作用薬、GW−501516等のPPARδ作用薬、ビルダグリプチンまたはシタグリプチン等のDPP−IV阻害剤、アカルボース等のαグルコシダーゼ阻害剤、アクトプラスメット、アバンダメット、メトホルミン/ピオグリタゾン、メトホルミン/ロシグリタゾンまたはグルコバンス等の抗糖尿病合剤、エクセナチドまたはリラグルチド等のグルカゴン様ペプチド1類似体、プラムリンチド等のアミリン類似体、アトルバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチンまたはピタバスタチン等のスタチン系薬剤、エゼチミブ等のコレステロール吸収阻害剤、ナイアシンまたはニアシロ等のニコチン酸誘導体、シンバスタチン/エゼチミブ、ロバスタチン/ニコチン酸、アトロバスタチン/アムロジピンまたはアトロバスタチン/トルセトラピブ、シンバスタチン/ニコチン酸等の抗脂質異常症固定合剤、ラミプリル、カプトプリルまたはリシノプリル等のACE阻害剤、バルサルタンまたはテルミサルタン等のAT−II受容体拮抗薬、リモナバン等のカンナビノイド受容体拮抗薬、JTT−705、CETI−1等のコレステリルエステル転送タンパク質またはCETP阻害剤、またはβ3アドレナリン作動薬である。
一実施形態において、SARM化合物は、消耗疾患を治療する薬剤と共に投与される。いくつかの実施形態において、消耗疾患を治療する薬剤は、副腎皮質ステロイド、タンパク同化ステロイド、カンナビノイド、メトクロプラミド、シサプリド、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、シプロヘプタジン、硫酸ヒドラジン、ペントキシフィリン、サリドマイド、抗サイトカイン抗体、エイコサペンタエン酸、インドメタシン、イブプロフェン、メラトニン、インスリン、成長ホルモン、クレンブテロール、ブタ膵臓抽出物、IGF−1、IGF−1類似体および分泌促進物質、ミオスタチン類似体、プロテアソーム阻害剤、テストステロン、オキサドロロン、エンブレル、メラノコルチン4受容体作用薬、もしくはそれらの組み合わせを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、消耗疾患を治療する薬剤は、グレリン受容体リガンド、成長ホルモン類似体または分泌促進物質である。いくつかの実施形態において、グレリン受容体リガンド、成長ホルモン類似体、または分泌促進物質は、プロルモレリン、エキサモレリン、タビモレリン、カピモレリン、カプロモレリン、イパモレリン、EP−01572、EP−1572またはJMV−1843を含むが、これに限定されない。
一実施形態において、これに限定されないが、TRH、ジエチルスチルベストロール、テオフィリン、エンケファリン、Eシリーズプロスタグランジン、例えば、ゼラノール等の米国特許第3,239,345号に開示される化合物、および例えば、スルベノックス等の米国特許第4,411,890号に開示される化合物等、成長促進剤が消耗疾患を治療する薬剤として利用される。
別の実施形態において、消耗疾患を治療する薬剤は、GHRP−6、GHRP−1(米国特許第4,411,890号および出願WO89/07110およびWO89/07111に記載される通り)、GHRP−2(WO93/04081に記載される通り)、NN703(Novo Nordisk)、LY444711(Lilly)、MK−677(Merck)、CP424391(Pfizer)およびB−HT920等の成長ホルモン分泌促進物質、あるいは別の実施形態において、成長ホルモン放出因子およびその類似体、もしくはクロニジン等のαアドレナリン作動薬またはスマトリプタン等の5−HTD作用薬、もしくはフィゾスチグミンおよびピリドスチグミン等のソマトスタチンまたはその放出を阻害する薬剤を含み得る。いくつかの実施形態において、消耗疾患を治療する薬剤は、副甲状腺ホルモン、PTH(1−34)、またはMK−217(アレンドロネート)等のビスホネートを含み得る。別の実施形態において、消耗疾患を治療する薬剤は、エストロゲン、タモキシフェンまたはラロキシフェン等の選択的エストロゲン受容体モジュレータ、またはEdwards,J.P.et.al.,Bio.Med.Chem.Let.,9,1003-1008(1999)およびHamann,L.G.et.al.,J.Med.Chem.,42,210-212(1999)に開示される別のアンドロゲン受容体モジュレータをさらに含み得る。いくつかの実施形態において、消耗疾患を治療する薬剤は、レボノルゲストレル、酢酸メドキシプロゲステロン(MPA)等のプロゲステロン受容体作用薬(“PRA”)をさらに含み得る。いくつかの実施形態において、消耗疾患を治療する薬剤は、米国特許第5,179,080号に記載される栄養補助を含み得るが、別の実施形態において、乳清タンパク質またはカセイン、アミノ酸(ロイシン、分枝アミノ酸およびヒドロキシメチルブチレート等)、トリグリセリド、ビタミン類(例えば、A、B6、B12、葉酸、C、DおよびE)、ミネラル類(例えば、セレニウム、マグネシウム、亜鉛、クロミウム、カルシウムおよびカリウム)、カルニチン(camitine)、リポ酸、クレアチニン、B−ヒロキシ−B−メチルブチリエート(methylbutyriate)(Juven)およびコエンザイムQとの組み合わせである。一実施形態において、消耗疾患を治療する薬剤は、再吸収抑制剤、ビタミンD類似体、元素カルシウムおよびカルシウム補助剤、カテプシンK阻害剤、MMP阻害剤、ビトロネクチン受容体拮抗薬、Src SH2拮抗薬、空砲−H+−ATPase阻害剤、イプリフラボン、フッ化物、チボロン、プロスタノイド、17−βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害剤およびSrcキナーゼ阻害剤をさらに含み得る。
一実施形態において、SARM化合物は、内分泌系を治療する薬剤と共に投与される。いくつかの実施形態において、内分泌系を治療する薬剤は、放射性ヨード、抗甲状腺薬、甲状腺ホルモン補助、成長ホルモン、カベルゴリン、ブロモクリプチン、チロキシン、ゴナドトロピン、グルココルチコイド、グルココルチコイド類似体、コルチコトロピン、メチラポン、アミノグルテチミド、ミトタン、ケトコナゾール、ミフェプリストン、デキサメタゾンソマトスタチン類似体、ゴナドトロピン放出ホルモン類似体、ロイプロリド、ゴセレリン、抗利尿ホルモン、抗利尿ホルモン類似体、オキシトシン、カルシウム補助剤、ビタミンD、もしくはそれらの組み合わせを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、内分泌系を治療する薬剤は、5−αレラクターゼ阻害剤である。いくつかの実施形態において、5−αレラクターゼ阻害剤は、フィナステリド、デュタステリド、またはイゾンステリドを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、内分泌系を治療する薬剤は、SARM化合物である。いくつかの実施形態において、SARMは、RU−58642、RU−56279、WS9761AおよびB、RU−59063、RU−58841、ベクスロステリド(bexlosteride)、LG−2293、L−245976、LG−121071、LG−121091、LG−121104、LGD−2226、LGD−2941、YM−92088、YM−175735、LGD−1331、BMS−357597、BMS−391197、S−40503、BMS−482404、EM−4283、EM−4977、BMS−564929、BMS−391197、BMS−434588、BMS−487745、BMS−501949、SA−766、YM−92088、YM−580、LG−123303、LG−123129、PMCol、YM−175735、BMS−591305、BMS−591309、BMS−665139、BMS−665539、CE−590、116BG33、154BG31、アルカリン(arcarine)またはACP−105を含むが、これに限定されない。
一実施形態において、内分泌系を治療する薬剤は、SERM化合物である。いくつかの実施形態において、SERMは、タモキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、イドキシフェン、トレミフェン、オスペミフェン、ドロロキシフェン、ラロキシフェン、アルゾキシフェン、バゼドキシフェン、PPT(1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−4−プロピル−1H−ピラゾール)、DPN、ラソフォキシフェン、ピペンドキシフェン、EM−800、EM−652、ナフォキシジンン、ジンドキシフェン、テスミリフェン、リン酸ミプロキシフェン、RU58,688、EM139、ICI164,384、ICI182、780、クロミフェン、MER−25、ジエチルスチルベストロール、クメステロール、ゲニステイン、GW5638、LY353581、ズクロミフェン(zuclomiphene)、エンクロミフェン、酢酸デルマジノン、DPPE、(N,N−ジエチル−2−{4−(フェニルメチル)−フェノキシ}エタンアミン)、TSE−424、WAY−070、WAY?292、WAY−818、シクロコミュノール(cyclocommunol)、プリナベレエル、ERB−041、WAY−397、WAY−244、ERB−196、WAY−169122、MF−101、ERb−002、ERB−037、ERB−017、BE−1060、BE−380、BE−381、WAY−358、[18F]FEDNP、LSN−500307、AA−102、Ban zhi lian、CT−101、CT−102またはVG−101を含むが、これに限定されない。
一実施形態において、内分泌系を治療する薬剤は、ゴナドトロピン放出ホルモン作用薬または拮抗薬である。いくつかの実施形態において、ゴナドトロピン放出ホルモン作用薬または拮抗薬は、ロイプロイド、ゴセレリン、トリプトレリン、アルファプロストール、ヒストレリン、デトレリクス、ガニレリクス、アンタイドイツレリクス(iturelix)、セトロレリクス、ラモレリクス、ガニレリクス、アンタレリクス、テベレリクス、アバレリクス、オザレリクス、スフゴリクス、プラザリクス、デガレリクス、NBI−56418、TAK−810またはアシリンを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、内分泌系を治療する薬剤は、黄体ホルモン作用薬または拮抗薬である。いくつかの実施形態において、黄体ホルモン作用薬または拮抗薬は、レトロゾール、アナストラゾール、アタメスタン、ファドロゾール、ミナメスタン、エキセメスタン、プロメスタン、リアロゾール、NKS−01、ボロゾール、YM−511、フィンロゾール、4−ヒドロキシアンドロステンジオン、アミノグルテチミド(aminogluethimide)、またはログレチミドを含むが、これに限定されない。一実施形態において、内分泌系を治療する薬剤は、濾胞刺激ホルモン作用薬または拮抗薬である。一実施形態において、内分泌系を治療する薬剤は、黄体ホルモン放出ホルモン(LHRH)またはLHRH類似体である。
一実施形態において、内分泌系を治療する薬剤は、ステロイド性または非ステロイド性グルココルチコイド受容体リガンドである。いくつかの実施形態において、非ステロイド性グルココルチコイド受容体リガンドは、ZK−216348、ZK−243149、ZK−243185、LGD−5552、ミフェプリストン、RPR−106541、ORG−34517、GW−215864X、セスクイシリン、CP−472555、CP−394531、A−222977、AL−438、A−216054、A−276575、CP−394531、CP−409069またはUGR−07を含むが、これに限定されない。
一実施形態において、内分泌系を治療する薬剤は、ステロイド性または非ステロイド性プロゲステロン受容体リガンドである。一実施形態において、内分泌系を治療する薬剤は、ステロイド性または非ステロイド性アンドロゲン受容体拮抗薬である。いくつかの実施形態において、ステロイド性または非ステロイド性アンドロゲン受容体拮抗薬は、フルタミド、ヒドロキシフルタミド、ビカルタミド、ニルタミドまたはヒドロキシステロイドデヒロドゲナーゼ阻害剤を含むが、これに限定されない。
一実施形態において、内分泌系を治療する薬剤は、ペロキソーム増殖因子活性化受容体リガンドである。いくつかの実施形態において、ペロキソーム増殖因子活性化受容体リガンドは、ベザフィブレート、フェノフィブレート、ゲミフィブレート、ダルグリタゾン、ピログリタゾン、ロジグリタゾン、イサグリタゾン、リボブリタゾン、ネトグリタゾン、ナベグリタザール、ファルグリタザール、テサグリタザオール、ラガグリタザオール、オキセグリタザオールまたはPN−2034を含むが、これに限定されない。
一実施形態において、内分泌系を治療する薬剤は、ヒト成長ホルモンである。いくつかの実施形態において、ヒト成長ホルモンは、ソマトロピンまたは類似体を含むが、これに限定されない。
一実施形態において、内分泌系を治療する薬剤は、グレリンである。いくつかの実施形態において、グレリンは、ヒトグレリン、CYT−009−GhrQb、L−692429、GHRP−6、SK&F−110679またはU−75799Eを含むがこれに限定されない。
一実施形態,において、内分泌系を治療する薬剤は、レプチンである。いくつかの実施形態において、レプチンは、メトレレプチンまたはペグ化レプチンを含むが、これに限定されない。一実施形態において、内分泌系を治療する薬剤は、レプチン受容体作用薬である。いくつかの実施形態において、レプチン受容体作用薬は、LEP(116−130)、OB3、[D−Leu4]−OB3、rAAV−レプチン、AAV−hOBまたはrAAVhOBを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、SARM化合物は、アンドロゲン生合成経路に関与する酵素の阻害剤と共に投与される。いくつかの実施形態において、アンドロゲン生合成経路に関与する酵素の阻害剤は、17−ケトレダクターゼ阻害剤、3−DH4,6−イソメラーゼ阻害剤、3−DH4,5−イソメラーゼ阻害剤、17,20デスモラーゼ阻害剤、p450c17阻害剤、p450ssc阻害剤、または17,20−リアーゼ阻害剤を含むが、これに限定されない。
一実施形態において、SARM化合物は、骨粗しょう症を治療する薬剤と共に投与される。いくつかの実施形態において、骨粗しょう症は、アルコールおよび/または喫煙により誘発される。いくつかの実施形態において、骨粗しょう症を治療する薬剤は、SERMカルシトニン、ビタミンD、ビタミンD誘導体、ビタミンD受容体リガンド、ビタミンD受容体リガンド類似体、エストロゲン、エストロゲン誘導体、結合型エストロゲン、抗エストロゲン、プロゲスチン、合成エストロゲン、合成プロゲスチン、RANKリガンドノモクロナール抗体、インテグリン受容体拮抗薬、破骨細胞空砲ATPase阻害剤、VEGFの破骨細胞受容体への結合に対する拮抗薬、カルシウム受容体拮抗薬、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモン類似体、副甲状腺ホルモン関連ペプチド、カテプシンK阻害剤、ラネリック酸ストロンチウム、チボロン、HCT−1026、PSK3471、ガリウムマルトレート、ヌトロピン(nutropin)AQ、プロスタグランジン、p38タンパク質キナーゼ阻害剤、骨形成タンパク質(BMP)、BMP拮抗作用の阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、ビタミンK、ビタミンK誘導体、イプリフラボン、フッ化塩、食事カルシウム補助剤または破骨細胞形成抑制因子を含むが、これに限定されない。
一実施形態において、骨粗しょう症を治療する薬剤は、カルシトニンである。いくつかの実施形態において、カルシトニンは、サケ、エルカトニン、SUN−8577またはTJN−135を含むが、これに限定されない。
一実施形態において、骨粗しょう症を治療する薬剤は、ビタミンD受容体リガンドまたは類似体である。いくつかの実施形態において、ビタミンD受容体リガンドまたは類似体は、カルシトリオール、トピトリオールZK−150123、TEI−9647、BXL−628、Ro−26−9228、BAL−2299、Ro−65−2299またはDP−035を含むが、これに限定されない。
一実施形態において、SARM化合物は、薬物療法誘発性機能低下および/または骨減少および/または筋肉減少状態を治療する薬剤と共に投与される。いくつかの実施形態において、薬物療法誘発性機能低下および/または骨減少および/または筋肉減少状態を治療する薬剤は、オピオイド、麻薬、オピエート、オピオイド、メタドン、カディアン、D2ドーパミン受容体拮抗薬、ゾテピン、ハロペリドール、アミスルプリド、リスペリドン、抗てんかん薬、バルプロ酸、カルバマゼピン、オキシカルバマゼピン、化学治療薬、メトトレキサート、シクロホスファミド、イホスファミド、アドリアマイシン、ドキソルビシン、グルココルチコイド、シクロスポリン、L−チロキシン、SERM、AI、フルベストラント、ゴナドトロピン放出ホルモン剤、アンドロゲン欠乏剤、プロラクチネミア誘発剤、セロトニン系抗うつ剤、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、三環系抗うつ剤、降圧薬、メチルドーパ、レセルピン、クロニジン、ベラパミル、抗ドーパミン剤、制吐薬、メトクロプラミド、H2受容体拮抗薬、シメチジン、ラニチジン、エストロゲンまたはアンフェタミンを含むがこれに限定されない。
一実施形態において、SARM化合物は、ビタミンと共に投与される。いくつかの実施形態において、ビタミンは、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB、ビタミンC、もしくはそれらの組み合わせを含むが、それに限定されない。
一実施形態において、SARM化合物は、行動調節剤と共に投与される。いくつかの実施形態において、行動調節剤は、抗不安剤、抗精神病薬、抗うつ剤、β−2作動薬、抗コリン性気管支拡張剤、テオフィリン、アミノフィリン、ネドクロミルナトリウム、クロモグリク酸ナトリウム、ロイコトリエン受容体拮抗薬、副腎皮質ステロイド、去痰剤、粘液溶解薬、抗ヒスタミン剤、プソイドエフェドリン、メチルフェニデート、アンフェタミン、ブスピロン、ベンゾジアゼピン、デキストロアンフェタミン、三環系抗うつ剤、セロトニン再取り込み阻害剤、フェノチアジン、ベンズトロピン、ブプロピオン、プロパノール、リチウム、ベンラファキシン、ハロペリドール、ブスピロン、またはノイラミニダーゼ阻害剤を含むが、これに限定されない。
一実施形態において、行動調節剤は、ベンゾジアゼピンである。一実施形態において、ベンンゾジアゼピンは、アルプラゾラム、クロルジゼポキシド、ジアゼパム、フルラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、テマゼパムまたはトリアゾラムを含む。
一実施形態において、行動調節在は、フェノチアジンである。一実施形態において、フェノチアジンは、フルフェナジンン、ペルフェナジン、チオリダジン、またはトリフルオペラジンを含む。
一実施形態において、行動調節剤は、三環系抗うつ剤またはセロトニン再取り込み阻害剤である。一実施形態において、三環系抗うつ剤またはセロトニン再取り込み阻害剤は、フェノチアジン、プロトリプチリン、フルオキセチン、パロキセチン、またはセルトラリンを含む。
一実施形態において、SARM化合物は、結合組織を治療する薬剤と共に投与される。いくつかの実施形態において、結合組織を治療する薬剤は、抗マラリア薬、細胞毒性剤、ステロイド、副腎皮質ステロイド、ループス薬物、イムラン、シトキサン、抗リウマチ薬、副腎皮質ステロイド、ニフェジピン、アスピリン、コルヒチン、コルヒチン、カプトプリル、ペニシラミン、アザチオプリン、メトトレキサート、シクロホスファミド、プレドニソン、ニカルジピン、または非ステロイド性抗炎症剤を含むが、これに限定されない。
一実施形態において、SARM化合物は、眼疾患を治療する薬剤と共に投与される。いくつかの実施形態において、眼疾患を治療する薬剤は、ベタガン、ベチモール、チモプティック、ベトプティック、ベトプティック、オクプレス、オプティプラノロール、キサラタン、アルファガン、エイゾプト、トルソプト、コソプト(cospot)、ピロカール、ピラガン、プロピン、オプティクロム、アキュラー、リボスチン、アロミド、エマジン、パタノール、アルレックス、ポリプレド(poly-pred)、プレド−g(pred-g)、デキサシジン、エリスロマイシン、マキシトロール、トブラデックス、ブレファミド、FML、オクフェン、ボルタレン、プロフェナル、プレドフォルテ、エコノプレドプラス(econpred plus)、エフロン、フラレックス、インフラマーゼフォルテ、ベタジン、グラミシジン、プレドニゾロン、ベタキソゾール、フモルソール、プロパラカイン、ベトプティック、ヒラルチン(hylartin)、インフラマーゼマイルド、ロテマックス、フルルビプロフェン、クロラムフェニコール、メタゾラミド、チモロール、シロキサン、テラマイシン、シプロフロキサシン、ミオスタット(miostat)、トリアムシノロン、ミコナゾール、トブラマイシン、フィゾスチグミン(physostimine)、ゲンタマイシン、ピロカルピン、バシトラシン、ゴニオソル(goniosol)、ポリミキシン、オキシテトラサイクリン、ヴィロプティック、ベキソール、スプロフェン、セルビスク(celluvisc)、ポリトリム、イロチシン、シロキサン、オクフロックス(ocuflox)ブリンゾラミド、セファゾリン、トブレックス、ラタノプロスト、インドシカニン(indocycanine)、トリフルリジン、フェニレフリン、デメカリウム、ネオマイシン、トロピカミド、デキサメタゾン、ネプタザン、ジピベフリン、オクフロックス、ビダラビン、ドルゾラミン、オフロキサシン、エピネフリン、アシクロビル、炭酸脱水酵素阻害剤、抗ヒスタミンビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛、銅、アトロピンまたはガラマイシンを含むが、これに限定されない。
一実施形態において、SARM化合物は、遺伝子治療薬と共に投与される。いくつかの実施形態において、遺伝子治療薬は、アンチセンス剤または置換遺伝子を含むがこれに限定されない。
いくつかの実施形態において、本発明のあらゆる組成物は、本明細書に説明する、いかなる形態または実施形態の式IからXXの化合物をも含む。いくつかの実施形態において、本発明のいかなる組成物も、本明細書に説明する、いかなる形態または実施形態の式IからXXの化合物からも成る。いくつかの実施形態において、本発明のいかなる組成物も、本明細書に説明する、基本的に、いかなる形態または実施形態の式XXの化合物からも成る。いくつかの実施形態において、「含む」という用語は、式IからXXの化合物等、示される活性剤を含むだけでなく、製薬業界で知られる通り、他の活性剤および医薬的に許容される担体、賦形剤、軟化剤、安定剤等も含むことを意味する。いくつかの実施形態において、「基本的に〜から成る」という用語は、活性材料のみが、示される活性材料であるが、他の化合物も製剤を安定、保存等するために含まれ得るが、示される活性材料の治療効果に直接関与しない組成物を意味する。いくつかの実施形態において、「基本的に〜から成る」という用語は、活性材料の放出を促進する成分を意味し得る。いくつかの実施形態において、「含む(consisting)」という用語は、活性材料および医薬的に許容される担体または賦形剤を含む組成物を意味する。
一実施形態において、本発明は、混合した調製物を提供する。一実施形態において、「混合した調製」という用語は、特に、上述に定義される組み合わせパートナーが独立して、または区別される量の組み合わせパートナーと異なる固定の組み合わせの使用により、つまり、同時に、平行して、別々に、または順次、投与されることができるというような「キットの一部分」を定義する。いくつかの実施形態において、キット部分の一部分は、次に、たとえば、キット部分のあらゆる一部分の異なる時間点で、および同じまたは異なる時間間隔で、同時にまたは時間的に交互に投与されることができる。組み合わせパートナーの総容量の割合は、いくつかの実施形態において、混合調製物中で投与することができる。一実施形態において、混合調製物は、当該分野の当事者により容易に行われるように、例えば、治療される患者亜集団の必要、または異なる必要が、特定の疾患、疾患の重症度、年齢、性別または体重によるものであり得る一人の患者の必要に対処するために変更することができる。
本発明は、当該分野の当事者により理解されるように、本明細書で説明する通り、必要に応じた、あらゆる疾患、障害または状態のための組成物および組み合わせた治療を対象とすることを理解する。このような組成物および組み合わせた治療の特定の用途が、本発明の実施形態に表す特定の疾患、障害および状態のために前述に説明され、本明細書で説明するSARMを単独または組み合わせた治療の一部として投与する、あるいは本発明の組成物を使用することにより、患者のこのような疾患、障害および状態を治療する方法は、本発明のさらなる実施形態を表す。
選択的アンドロゲンモジュレータ化合物の生化学的活性
本発明のSARMは、いくつかの実施形態において、経口テストステロン置換治療において有用であり得る。別の実施形態において、適切に置換された化合物は、a)男性の避妊、b)例えば、疲労、うつ、性欲の低下、性機能不全、勃起機能不全、生殖機能低下、骨粗しょう症、脱毛、肥満、筋肉減少症、骨減少症、良性前立腺過形成、および気分および認知の変化等のADAMに関連する状態等、様々なホルモン関連状態の治療、c)性機能不全、性欲の低下、生殖機能低下、筋肉減少症、骨減少症、骨粗しょう症、認知および気分の変化、うつ、貧血、脱毛、肥満、子宮内膜症、乳癌、子宮癌および卵巣癌等のADIFと関連する状態の治療、d)慢性筋肉消耗の治療および/または防止、e)前立腺癌の治療、前立腺癌の画像化、前立腺癌の発症の低減、停止または後退を生じさせること、f)糖尿病タイプIの治療、g)糖尿病タイプIIの治療、h)糖尿病の発症の抑制または阻害もしくは軽減、i)耐糖能障害の治療、j)高インスリン血症の治療、k)インスリン耐性の治療、l)糖尿病性腎症の治療、m)糖尿病性神経症の治療、n)糖尿病性網膜症の治療、o)脂肪肝状態の治療、p)悪液質の治療、q)本明細書で説明される通り、「治療」という用語で包囲されるあらゆる実施形態を含む、経口アンドロゲン置換および/または他の臨床治療および/または診断領域に有用である。
いくつかの実施形態において、SARM化合物は、生体内選択的アンドロゲンおよびタンパク同化活性を有し、当該分野の当事者により理解されるように、それに従って、特定の用途に利用される。
一実施形態において、本発明は、a)筋消耗障害を有する対象を治療する方法、b)栄養不良を有する対象を治療する方法、c)対象の骨関連障害を治療する方法、d)対象の骨量を増加する方法、e)対象の脂質プロファイルを改善する方法、f)粥状動脈硬化およびその関連する疾患を治療する方法、g)対象の機敏さおよび動作を改善する方法、対象の機敏さおよび動作を改善する方法、h)低身長症に罹患する対象を治療する方法、i)月経困難症を有する対象を治療する方法、j)性交疼痛症を有する対象を治療する方法、k)精子形成不全不妊を有する対象を治療する方法を提供し、対象に、式IからXXの選択的アンドロゲン受容体モジュレータ(SARM)化合物および/または類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、水和物、N酸化物、プロドラッグ、多形、該SARM化合物の不純物または結晶、もしくはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書で説明するSARMおよび/またはそれを含む組成物は、認知の改善、うつの軽減または治療、あるいは他の神経保護効果が望まれる用途および疾患を治療するために使用され得る。
一実施形態において、「認知」とは、知ることの過程、特に、認識する、知る、考える、学ぶおよび判断する過程を意味する。認知は、心理学、言語学、コンピュータサイエンス、神経科学、数学、動物行動学および哲学の分野に関連する。一実施形態において、「気分」とは、気質または心理状態を意味する。本明細書で意図される通り、変化とは、認知および/または気分の積極的または否定的なあらゆる変化を意味する。
一実施形態において、「うつ」とは、個人の食べ方、眠り方、自分についての感じ方、および物についての考え方に影響を与える、身体、気分および思考に関与する病気を意味する。うつの徴侯および症状は、活動に対する興味の損失、食欲の減退または過食、感情表現の損失、空虚感、絶望感、非観、罪悪感または無力感、引きこもり、疲労、睡眠障害、集中、記億または決断が困難となること、不穏、過敏、頭痛、消化器疾患または慢性の痛みを含む。
一実施形態において、本発明の方法は、ヒトである対象に有用である。別の実施形態において、対象は、哺乳類である。別の実施形態において、対象は、動物である。別の実施形態において、対象は、無脊椎動物である。別の実施形態において、対象は、脊椎動物である。
一実施形態において、対象は、男性である。別の実施形態において、対象は、女性である。いくつかの実施形態において、本明細書に説明する方法は、男性または女性のいずれかを治療するのに有用であり得るが、本明細書に説明および例示する通り、女性が、特定の化合物の投与、特定の方法により有利に反応し得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に説明する方法は、男性または女性のいずれかを治療するのに有用であり得るが、本明細書に説明する通り、男性が、特定の化合物の投与により有利に反応し得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に説明されるSARMおよび/または組成物は、脱毛、禿髪、アンドロゲン性禿髪、円形脱毛、化学療法に続発した禿髪、放射治療に続発した禿髪、はん痕による禿髪またはストレスによる禿髪の用途または治療のために使用され得る。一実施形態において、「脱毛」または「禿髪」とは、男性型禿頭のとても一般的なタイプとして、はげを意味する。はげは、一般的に、頭皮の斑点的な脱毛から始まり、時には完全な禿頭に進展し、体毛さえも失う。脱毛は、男性および女性の両方に影響を及ぼす。
いくつかの実施形態において、本明細書に説明されるSARMおよび/またはそれを含む組成物は、貧血を有する対象に関連する疾患または状態の用途または治療に有用であり得る。一実施形態において、「貧血」とは、正常な数の赤血球未満または血中のヘモグロビンの正常量未満、血球容量の減少または平均赤血球容積の減少、または小体サイズの減少を有する状態を意味する。血液の酵素運搬容量は、貧血において減少する。いくつかの実施形態において、貧血の治療は、本明細書で、例えば、a)出血(出血(bleeding))、b)溶血(赤血球の過剰破壊)、c)赤血球の生成不足、およびd)正常なヘモグロビンの不足等の貧血を生じる基礎的因子を治療することを意味する。いくつかの実施形態において、本発明における貧血の治療は、再生不良性貧血、ベンゼン中毒、ファンコニ貧血、新生児溶血性疾患、遺伝性球状赤血球症、鉄欠乏性貧血、骨粗しょう症、悪性貧血、鎌状赤血球貧血、再生不良性貧血、溶血性貧血、鎌状赤血球貧血、腎性貧血、サラセミア、骨髄異形成症候群、および様々な骨髄疾患を含む、いかなる貧血の形態をも治療することを意味する。
いくつかの実施形態において、本明細書に説明されるSARMおよび/またはそれを含む組成物は、対象の性欲、または対象の勃起機能不全の問題に関連する用途および/または疾患および/または状態の治療に使用され得る。一実施形態において、「性欲」とは、性的衝動を意味し得る。
一実施形態において、「勃起」という用語は、直立または正立する能力を意味する。勃起組織は、非常に膨張可能で、それが含まれる多数の血管の拡張により堅くなる組織である。
本発明の別の実施形態において、方法は、SARM化合物をアンドロゲン受容体に結合し、アンドロゲン依存性状態の変化をもたらすのに有効な量で、患者のアンドロゲン受容体をSARM化合物および/または本発明の非ステロイド性作用薬および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、水和物、N酸化物またはそれらの任意の組み合わせと接触することを含む、患者(つまり、アンドロゲン依存性状態に罹患する者)のホルモン療法を提供する。
本発明の一実施形態において、方法は、対象のホルモン依存性状態の変化をもたらすのに有効な量で、本明細書で説明されるSARM化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、水和物、N酸化物またはそれらの任意の組み合わせを対象に投与することを含む、患者(つまり、アンドロゲン依存性状態に罹患する者)のホルモン置換治療を提供する。
本発明の方法を含む本明細書に説明される化合物および/または組成物を用いて治療され得るアンドロゲン依存性状態は、加齢、性機能低下、筋肉減少症、赤血球形成の減少、骨粗しょう症、および低アンドロゲン(例えば、テストステロン)またはエストロゲンレベルに依存するあらゆる他の状態と関連するこれらの状態を含む。
本明細書で説明される、および本発明の方法を含む化合物および/または組成物を用いて治療され得るアンドロゲン依存性状態は、当該分野の当事者に理解されるように、多毛、不妊症、多嚢胞性卵巣症候群、子宮内膜癌、乳癌、男性型禿頭、前立腺癌、精巣癌等を含むアンドロゲンまたはエストロゲンレベルの上昇により特徴付けされる状態を含み得る。このような状態に対して、対象は、当該分野の当事者に理解されるように、本明細書に説明されるSARMを単独で、もしくは別の治療薬と併用して投与され得る。
一実施形態において、本発明は、本明細書に説明されるSARM化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、水和物、N酸化物またはそれらの任意の組み合わせを対象に投与するステップを含む、対象の癌の治療、対象の癌の発症率または重症度または病原の低減、対象の癌の進行の遅延、寛解の持続、または発症の遅延のための方法を提供する。いくつかの実施形態において、このような癌は、前立腺、卵巣、乳房、子宮、精巣等の癌等、ホルモン依存、または男性または女性の生殖組織に関連する。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に説明されるSARM化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、水和物、N酸化物またはそれらの任意の組み合わせを対象に投与するステップを含む、対象の前癌性前駆体または病変の治療、対象の前癌性前駆体または病変の発症率の低減のための方法を提供する。いくつかの実施形態において、このような前癌性前駆体は、前立腺、卵巣、乳房、子宮、精巣等、ホルモン反応組織に見られるか、または男性または女性の生殖組織に関連する。いくつかの実施形態において、このような前癌性前駆体は、例えば、前立腺、子宮頸部等のあらゆる局所的な上皮内腫瘍を含む。いくつかの実施形態において、このような方法は、腫瘍または前腫瘍、男性または女性の生殖組織等の組織の異形成または過形成を治療するのに有用である。
一実施形態において、本発明は、良性前立腺過形成(BPH)を治療するための、化合物、組成物および/またはその使用方法を提供する。「BPH(良性前立腺過形成)」は、非悪性の前立腺の拡大であり、成人男性において、内部臓器に見られる非悪性増殖異常のうちで最も一般的なものであり、病的状態の主な原因である。BPHは、50歳以上の75%以上の男性に起こり、90年までに88%の有病率に達する。BPHは、しばしば、前立腺(尿道前立腺)を横切る尿道の一部分のゆっくりとした圧迫を生じる。これは、不完全な膀胱の排出および尿意切迫のため、患者に頻繁な排尿の衝動を体験させる。尿流量の障害は、所望するときに排尿開始が困難なだけでなく、尿閉塞および尿不全を導く溢流性尿失禁として知られるように、膀胱から尿を排出することができないため、尿流量の防止が困難であることを含む、排尿に対する制御の一般的な欠損をも導く可能性がある。
本発明の別の実施形態において、対象の良性前立腺過形成(BPH)を治療する方法は、対象にBPHを治療するのに有効な量の、本明細書に説明されるSARM化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、水和物、N酸化物またはそれらの任意の組み合わせを対象に投与するステップを含む。
本発明の別の実施形態において、本発明は、このような用語により包囲されるすべての実施形態を含む、対象の前立腺炎を治療するための方法を提供し、対象の前立腺炎を治療するのに有効な量の、本明細書に説明されるSARM化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、水和物、N酸化物またはそれらの任意の組み合わせを対象に投与するステップを含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、悪液質および/または対象の癌に関連する悪液質の治療、その重症度の低減、その発症率の低減、またはその病原の低減のために、本明細書に説明されるSARM化合物、またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝物、誘導体、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、N酸化物、水和物、またはそれらの任意の組み合わせの使用を提供する。別の実施形態において、癌は、副腎皮質癌、肛門癌、膀胱癌、脳腫瘍、脳幹神経膠腫、脳腫瘍、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫、上衣腫、髄芽腫、未分化神経外胚葉腫、松課体腫、視床下部神経膠腫、乳癌、カルチノイド腫瘍、癌腫、子宮頸癌、結腸癌、子宮体癌、食道癌、肝外胆管癌、ユーイングファミリーの腫瘍(Pnet)、頭蓋外胚細胞腫瘍、眼癌、眼球内黒色腫、胆嚢癌、胃癌、胚細胞腫瘍、性腺外、栄養膜腫瘍、頭頸部癌、下咽頭癌、島細胞癌、喉頭癌、白血病、急性リンパ芽球、白血病、口腔癌、肝癌、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、中枢神経系(原発性)、リンパ腫、皮膚T細胞、リンパ腫、ホジキン病、非ホジキン病、悪性中皮腫、メラノーマ、メルケル細胞癌、転移性扁平上皮癌、多発性骨髄腫、形質細胞腫瘍、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性障害、上咽頭癌、神経芽細胞腫、中咽頭癌、骨肉腫、卵巣上皮癌、卵巣胚細胞腫瘍、低悪性度卵巣腫瘍、膵癌、外分泌、膵癌、島細胞癌、副鼻腔および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、褐色細胞腫癌、下垂体癌、形質細胞腫瘍、前立腺癌、横紋筋肉腫、直腸癌、腎細胞癌、唾液腺癌、セザリー症候群、皮膚癌、皮膚T細胞リンパ腫、皮膚癌、カポシ肉腫、皮膚癌、メラノーマ、小腸癌、軟組織肉腫、軟組織肉腫、精巣癌、胸腺腫、悪性、甲状腺癌、尿道癌、子宮癌、肉腫、特殊な小児癌、膣癌、ウィルムス腫瘍、もしくはそれらの組み合わせを含む。
別の実施形態において、本発明は、肺癌(一実施形態においては、非小細胞肺癌)の治療、その重症度の低減、その発症率を低減、その発症の遅延のために、式IIIの化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、水和物、N酸化物、もしくはそれらの任意の組み合わせを含む本明細書に説明されるSARM化合物の使用を提供する。
別の実施形態において、本発明は、一実施形態において、対象の肺癌(一実施形態においては、非小細胞肺癌)の結果として生じる、悪液質または他の状態の治療、その重症度の低減、その発症率を低減、その発症の遅延のために、式IIIの化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、水和物、N酸化物、もしくはそれらの任意の組み合わせを含む本明細書に説明されるSARM化合物の使用を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、癌の治療、その重症度の低減、その発症率を低減、またはその病原の低減のために、式IIIの化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、水和物、N酸化物、もしくはそれらの任意の組み合わせを含む、本明細書に説明されるSARM化合物の使用を提供する。別の実施形態において、癌は、前立腺癌、乳癌(男性または女性、手術可能または手術不可能)等のアンドロゲンAR依存性腫瘍を含む。別の実施形態において、SARM化合物は、前立腺癌、膀胱癌、脳癌、結腸癌、子宮内膜癌、肝癌、肺癌、リンパ性癌、腎癌、骨肉腫癌、卵巣癌、膵癌、陰茎癌、皮膚癌、甲状腺癌および/またはホルモン依存性癌を治療するためのADTの補助である。
一実施形態において、本発明は、a)骨に関連する障害の治療、b)骨に関連する障害の防止、c)骨に関連する障害の抑制、d)骨に関連する障害の阻害、e)対象の骨の強度の増加、f)対象の骨量の増加、g)破骨細胞形成阻害の使用のために、本明細書に説明されるSARM化合物、またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝物、誘導体、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、N酸化物、水和物、もしくはそれらの任意の組み合わせの使用を提供する。
一実施形態において、本発明は、a)骨修復の加速、b)骨障害の治療、c)骨密度損失の治療、d)低骨ミネラル密度(BMD)の治療、e)減少した骨量の治療、f)代謝性骨疾患の治療、g)骨成長または再成長の促進、h)骨回複の促進、i)骨折修復の促進、j)骨再形成の促進、k)顔、腰または関節を含む骨再形成手術後の骨損傷の治療、l)骨の強度および機能の増強、m)皮質骨量の増加、n)骨梁結合性の増加のために、式Iの化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、水和物、N酸化物、もしくはそれらの任意の組み合わせを含む、本明細書に説明されるSARM化合物の使用を提供する。
一実施形態において、骨に関連する障害は、遺伝子的障害であるか、もしくは別の実施形態において、任意の疾患の治療計画の結果として誘発される。例えば、一実施形態において、本明細書に説明されるSARMは、骨への癌転移の結果として、あるいは別の実施形態において、例えば、対象の前立腺癌化に対応して与えられるアンドロゲン抑制治療結果として生じる骨に関連する障害に有用である。
一実施形態において、骨に関連する障害は、骨粗しょう症である、別の実施形態において、骨に関連する障害は、骨減少症である。別の実施形態において、骨に関連する障害は、骨吸収の増加である。別の実施形態において、骨に関連する障害は、骨折である。別の実施形態において、骨に関連する障害は、骨の虚弱である。
別の実施形態において、骨に関連する障害は、骨ミネラル密度(BMD)の損失である。別の実施形態において、骨に関連する障害は、骨粗しょう症、骨減少症、骨吸収の増加、骨折、骨の虚弱およびBMDの損失のあらゆる組み合わせである。各障害は、本発明の別の実施形態で表す。
「骨粗しょう症」とは、一実施形態においてカルシウムおよび骨タンパク質の欠乏により骨量の減少を伴う骨の薄化を意味する。別の実施形態において、骨粗しょう症は、全身の骨格の疾患であり、低骨量および骨組織の悪化により特徴付けられるが、結果として骨のせい弱性を増加し骨折しやすい。骨粗しょう症の患者において、骨の強度は、異常であり、一実施形態において、骨折のリスクを増加する結果となる。別の実施形態において、骨粗しょう症は、通常、骨に見られるカルシウムおよびタンパク質コラーゲンの両方を枯渇し、一実施形態において、異常な骨の質または骨密度の減少のいずれかを生じる。別の実施形態において、骨粗しょう症により影響を受ける骨は、通常は骨折しないであろう軽い転倒または損傷だけで骨折する。骨折は、一実施形態において、ひび(腰の骨折のように)または崩壊(脊椎の圧迫骨折のように)の形態のいずれかであり得る。骨折は、他の骨格部位でも生じるが、脊椎、腰および手首は、骨粗しょう症に誘発される骨折の一般的な部位である。無検査の骨粗しょう症は、別の実施形態において、姿勢、身体の異常、および運動性の低下の変化につながる。
一実施形態において、骨粗しょう症は、アンドロゲン欠乏から生じる。別の実施形態において、骨粗しょう症は、アンドロゲン欠乏に続く。別の実施形態において、骨粗しょう症は、原発性骨粗しょう症である。別の実施形態において、骨粗しょう症は、二次骨粗しょう症である。別の実施形態において、骨粗しょう症は、閉経後の骨粗しょう症である。別の実施形態において、骨粗しょう症は、若年性骨粗しょう症である。別の実施形態において、骨粗しょう症は、突発性骨粗しょう症である。別の実施形態において、骨粗しょう症は、老年性骨粗しょう症である。
別の実施形態において、原発性骨粗しょう症は、I型原発性骨粗しょう症である。別の実施形態において、原発性骨粗しょう症は、II型原発性骨粗しょう症である。各骨粗しょう症の型は、本発明の別の実施形態を表す。
本発明のこの態様によると、また一実施形態において、骨に関連する障害は、本明細書で説明されるSARM化合物、もしくはその組み合わせを用いて治療される。別の実施形態において、他の骨に刺激化合物が、本明細書で説明されるSARMまたはSARMの投与前、同時または後に対象に提供され得る。一実施形態において、このような骨刺激化合物は、自然または合成物質を含み得る。
一実施形態において、骨刺激化合物は、当該分野の当事者により理解されるように、骨形成タンパク質(BMP)、上皮成長因子、(EGF)、線維芽成長因子(FGF)、形質転換成長因子(TGF)、インスリン成長因子(IGF)、ソニック、インディアンおよびデザートヘッジホッグ等の血小板由来の成長因子(PDGF)ヘッジホッグタンパク質等の成長因子、卵胞刺激ホルモン、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモン関連ペプチド、アクチビン、インヒビン、フォリスタチン等のホルモン、frizzled、frzbまたはfrazzledタンパク質、コーディンおよびフェチュイン等のBMP結合タンパク質、IL−3、IL−7、GM−CSF等のサイトカイン、エオタキシン等のケモカイン、コラーゲン、オステオカルシン、オステオネクチン等を含み得る。
別の実施形態において、本発明の骨障害を治療するのに使用する組成物は、本明細書で説明される一つまたは複数のSARM、さらなる骨刺激化合物、または化合物および骨原性細胞を含み得る。一実施形態において、骨原性細胞は、幹細胞または前駆細胞であり得、骨芽細胞に分化するように誘発され得る。別の実施形態において、細胞は、骨芽細胞であり得る。別の実施形態において、骨刺激化合物をエンコードする核酸を対象に投与することができ、本発明の一部として考えられる。
一実施形態において、本発明の方法は、骨粗しょう症を治療するために、SARM化合物を投与するステップを含む。別の実施形態において、本発明の方法は、骨粗しょう症を治療するために、SERMと併用して、SARM化合物を投与するステップを含む。別の実施形態において、SERMは、タモキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、イドキシフェン、トレミフェン、オスペミフェン、ドロロキシフェン、ラロキシフェン、アルゾキシフェン、バゼドキシフェン、PPT(1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−4−プロピル−1H−ピラゾール)、DPN、ラソフェキシフェン、ピペドキシフェン、EM−800、EM−652、ナフォキシジン、ジンドキシフェン、テスミリフェン、ミプロキシフェン、リン酸、RU58,688、EM139、ICI164,384、ICI182,780、クロミフェン、MER−25、ジエチルスチルベストロール、クロメストロール、ゲニステイン、GW5638、LY353581、ズクロミフェン、エンクロミフェン、酢酸デルマジノン、DPPE、(N,N−ジエチル−2−{4−(フェニルメチル)−フェノキシ}エタンアミン)、TSE−424、WAY−070、WAY?292、WAY−818、シクロコミュノール(cyclocommunol)、プリナベルエル、ERB−041、WAY−397、WAY−244、ERB−196、WAY−169122、MF−101、ERb−002、ERB−037、ERB−017、BE−1060、BE−380、BE−381、WAY−358、[18F]FEDNP、LSN−500307、AA−102、ban zhi lian、CT−101、CT−102またはVG−101である。
別の実施形態において、本発明の方法は、骨粗しょう症を治療するために、アレンドロネート、チルドロネート、クロドロネート、パミドロネート、エチドロネート、アレンドロンネート酸、ゾレドロネート、シマドロネート、ネリドロネート、ミノドロン酸、イバンドロネート、リセドロネートまたはホモリセドロネート等のビスホスホネートと併用してSARM化合物を投与するステップを含む。
別の実施形態において、本発明の方法は、骨粗しょう症を治療するために、サケ、エルカトニン、SUN−8577またはTJN−135等のカルシトニンと併用してSARMを投与するステップを含む。
別の実施形態において、本発明の骨粗しょう症を治療する方法は、a)ビタミンDまたはZK−156979等の誘導体、b)ビタミンD受容体リガンドおよびカルシトリオール、トピトリオール、ZK−150123、TEI−9647、BXL−628、Ro−26−9228、BAL−2299、Ro−65−2299またはDP−035等の誘導体、c)エストロゲン、エストロゲン誘導体、または結合型エストロゲン、d)抗エストロゲン、プロゲスチン、または合成エストロゲン/プロゲスチン、e)旧名AMG162(Amgen)のデノスマブ等のRANKリガンドmAb、f)avβ3インテグリン受容体拮抗薬、g)破骨細胞空胞ATPase阻害剤、h)破骨細胞受容体に結合するVEGFの拮抗薬、i)カルシウム受容体拮抗薬、j)PTh(副甲状腺ホルモン)および類似体、PTHrP類似体(副甲状腺ホルモン関連ペプチド)、k)カテプシンK阻害剤(AAE581等)、l)ラネリックス酸ストロンチウム、m)チボロン、n)HCT−1026、PSK3471、o)ガリウムマルトレート、p)ヌトロピンAQ、q)プロスタグラジン(骨の)、r)p38タンパク質キナーゼ阻害剤:s)骨形成タンパク質、t)BMP拮抗作用の阻害剤、u)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、v)ビタミンKまたは誘導体、w)イプリフラボン、x)フッ化塩、y)食事カルシウム補助剤、およびz)オステオプロテジェリンと併用してSARM化合物を投与するステップを含む。
一実施形態において、本発明の方法は、ホルモン障害、破壊または不均衡により生じるまたは関連する疾患または障害を治療するのに有意である。
一実施形態において、ホルモン障害、破壊または不均衡は、ホルモンの過剰を含む。別の実施形態において、ホルモン障害、破壊または不均衡は、ホルモンの欠損を含む。一実施形態において、ホルモンは、ステロイドホルモンである。別の実施形態において、ホルモンは、エストロゲンである。別の実施形態において、ホルモンは、アンドロゲンである。別の実施形態において、ホルモンは、グルココルチコイドである。別の実施形態において、ホルモンは、副腎皮質ステロイドである。別の実施形態において、ホルモンは、黄体ホルモン(LH)である。別の実施形態において、ホルモンは、卵胞刺激ホルモン(FSH)である。別の実施形態において、ホルモンは、当該分野に知られる他の任意のホルモンである。別の実施形態において、ホルモン障害、破壊または不均衡は、閉経に関連する。別の実施形態において、ホルモン障害、破壊または不均衡は、男性更年期、男性更年期血管運動症状、男性更年期女性化乳房、筋肉の力および/または機能、骨の強度および/または機能、および憤怒に関連する。別の実施形態において、ホルモン欠損は、対象の疾患または障害の治療の副産物としての、特定の処置の結果である。たとえば、ホルモン欠損は、対象の前立腺癌の治療による、対象のアンドロゲン欠乏の結果である。各可能性は、本発明の別個の実施形態で表わす。
別の実施形態において、本発明は、筋肉減少症または悪液質の治療、および例えば、骨の疾患または障害等、それに関連する関連状態を対象とする。
一実施形態において、本発明は、1)筋肉消耗障害の治療、2)筋肉消耗障害の防止、3)筋肉消耗疾患による筋肉損失の治療、防止、抑制、阻害または低減、4)筋肉消耗障害による筋肉消耗の治療、防止、低減または抑制、および/または5)筋肉消耗障害による筋肉タンパク質異化の治療、防止、阻害、低減または抑制、および/または末期の腎疾患の治療、防止、阻害、低減または抑制、および/または6)虚弱の治療、防止、阻害、低減および抑制のために、本明細書に説明されるSARM化合物、またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝物、誘導体、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、N酸化物、水和物、もしくはそれらの任意の組み合わせの使用を提供する。
別の実施形態において、筋肉消耗障害または本明細書で説明されるあらゆる障害を有する対象を治療するためのSARM化合物の使用は、本明細書に説明する通り、SARM化合物を含む医薬的組成物を投与するステップを含む。別の実施形態において、投与ステップは、液体形態の該医薬組成物を該対象への静脈内または筋肉内注入する、該医薬組成物を含むペレットを該対象に皮下に移植する、液体または固形形態の該医薬組成物を該対象に経口的に投与する、または該医薬組成物を該対象の皮膚表面に局所的に塗布することを含む。
筋肉は、本質的に、力の源として機能する身体の組織である。身体には、a)骨格筋−四肢および身体の外部部位を動かすための筋肉、b)心筋−心臓筋、および平滑筋−動脈および腸の壁にある筋肉の3つのタイプの筋肉がある。
消耗状態または障害は、少なくとも、一つには、身体、臓器または組織塊の異常で進行性の欠損により特徴付けされる状態または障害として、本明細書で定義される。消耗状態は、例えば、癌または感染等の病変の結果として生じる可能性がある、または例えば、長期の床上安静、あるいは肢がギブス等により固定されることにより生じる可能性がある活動停止体調偏移等の生理的または代謝状態によるものであり得る等、病変の結果として生じる可能性がある。消耗状態は、年齢に関連する場合もある。消耗状態中に生じる体質量の損失は、全体重の損失、または組織タンパク質の減少による骨または筋肉量の損失等、臓器量の損失により特徴付けることができる。
一実施形態において、本明細書で互換的に使用される「筋肉消耗」または「筋性消耗」は、心筋動作を制御する骨格筋または随意筋、心臓を制御する心筋、および平滑筋を含む筋肉の、進行性の筋肉量損失、および/または進行性の衰弱または退化を意味する。一実施形態において、筋肉消耗状態または障害は、慢性の筋肉状態または疾患である。「慢性の筋肉消耗」は、本明細書において、慢性的な(つまり、長期間に渡り続く)進行性の筋肉量の損失および/または慢性的な進行性の筋肉の衰弱および退化として定義される。
筋肉消耗中に生じる筋肉量の損失は、筋肉タンパク質異化による筋肉タンパク質の分解または劣化により特徴付けることができる。タンパク質異化は、異常に高率のタンパク質劣化、異常に低率のタンパク質合成、または両方の組み合わせにより生じる。タンパク質異化または欠乏は、高度のタンパク質劣化または低度のタンパク質合成により生じるかどうかに関わらず、筋肉量の減少および筋肉消耗につながる。「異化」という用語は、特異的に、代謝のエネルギー燃焼の形態として、当該分野で一般的に周知の意味を有する。
筋肉消耗は、病変、疾患、状態または障害の結果として生じる可能性がある。一実施形態において、病変、病気、疾患または状態は、慢性である。別の実施形態において、病変、病気、疾患または状態は、遺伝性である。別の実施形態において、病変、病気、疾患または状態は、神経性である。別の実施形態において、病変、病気、疾患または状態は、感染性である。本明細書に説明する通り、本発明の化合物および組成物が投与される病変、疾患、状態または障害は、直接または間接的に筋肉量の消耗(つまり、損失)、すなわち、筋肉消耗障害を生じるものである。
一実施形態において、対象の筋肉消耗は、筋ジストロフィー、筋萎縮、X連鎖脊髄−延髄筋萎縮(SBMA)を有する対象の結果である。
いくつかの実施形態において、対象の筋肉損失または対象の筋肉消耗あるいは悪液質は、対象におけるタンパク質貯蓄の減少、強度および機能的能力の低下、虚弱、転倒、有酸素能力の低下、エネルギーの必要性の減少、死亡率の増加という結果をもたらし、本発明の方法は、本明細書で説明されるあらゆる実施形態のSARMおよび/または組成物の投与を介して、対象のこれらの状態を治療するのにも有用である。
いくつかの実施形態において、対象の筋肉損失または筋肉消耗あるいは悪液質は、食事タンパク質の必要性の増加、炎症(筋肉タンパク質、分解の促進)、運動単位の損失(加齢CNS)、筋肉タンパク質合成(食後)の減少、および/または内分泌(テストステロン、エストロゲン、成長ホルモン、インスリン耐性)の変化という結果をもたらし、本発明の方法は、本明細書で説明されるあらゆる実施形態のSARMおよび/または組成物の投与を介して、対象のこれらの状態を治療するのにも有用である。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書で説明されるように、任意の実施形態の化合物および/または組成物の投与を介して、筋肉減少症および/または悪液質の治療方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本明細書で説明される化合物および/または組成物を用いた治療は、筋肉タンパク質合成の増大、筋肉サイズおよび強度の増加、高齢者の機能状態の改善、高齢の虚弱な人々の独立の増加、インスリン感受性の増加を提供し得、いくつかの実施形態においては、それによって、このような投与は、悪液質および/または筋肉減少症または本明細書で説明される他の障害の治療という結果をもたらす。筋肉はグルコース代謝の主な部位であり、インスリン耐性が、インスリンに対する筋肉の低抗の大きな問題であり、これは筋肉細胞内の脂質の増加、総脂肪の増加、内臓脂肪の増加から生じ、本発明の化合物および/または組成物は、総脂肪を低下するのに有用であるため、インスリン耐性を増加および/または本明細書で説明される糖尿病のリスクを減少または治療する。
筋ジストロフィーは、動作を制御する骨格および随意筋の進行性の衰弱および退化により特徴付けされる遺伝性疾患である。心臓およびいくつかの他の不随意の筋肉も、ある種の筋ジストロフィーの影響を受ける。筋ジストロフィー(MD)の主な形態は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、筋強直性ジストロフィー、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー筋ジストロフィー、肢帯筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー、先天型筋ジストロフィー、眼球咽頭型筋ジストロフィー、遠位筋ジストロフィー、およびエメリー・ドライフス型筋ジストロフィーである。
筋ジストロフィーは、全ての年齢の人々が罹患する。いくつかの形態は、最初に幼児期に現れるが、他は、中年期またはそれ以降まで現れない。デュシェンヌ型MDは、最も一般的な形態で、典型的には子供が罹患する。筋強直性ジストロフィーは、成人において最も一般的な疾患である。
筋萎縮(MA)は、筋肉の消耗または縮小により特徴付けられ、筋肉量を低減する。例えば、ポリオ後MAは、ポリオ後症候群(PPS)の一部分として生じる筋肉消耗である。萎縮は、衰弱、筋肉疲労および痛みを含む。
別の種類のMAは、X連鎖脊髄−延髄筋萎縮(SBMA−ケネディ病として知られる)である。本疾患は、X染色体上のアンドロゲン受容体遺伝子の欠損から生じ、男性のみに影響を及ぼし、成人期に発症する。疾患の根本原因がアンドロゲン受容体変異であるため、アンドロゲン置換は、現在の治療方針ではない。アンドロゲン非感受性を克服し、もしかするとタンパク同化作用を提供するという期待とともに、外因性テストステロンプロピオネートが、アンドロゲンのレベルを押し上げるために与えられる調査試験がいくつかある。今もなお、補助のためのテストステロンの超生理学的レベルの使用は、制限および他の潜在的な重度の合併症があるだろう。
筋肉減少症は、高齢者および慢性的に病気の患者を冒す消耗性疾患であり、筋肉量および機能の損失により特徴付けられる。さらに、除脂肪体重量の増加は、特定の筋肉消耗障害において、罹病率および死亡率の減少と関連する。さらに、他の状況および状態が、筋肉消耗と関連し、その原因となる可能性がある。例えば、試験は、重度な慢性腰痛の症例において、傍脊椎筋肉の消耗があることを示す。
筋肉消耗および他の組織消耗も、高齢と関連する。高齢における一般的な衰退は、筋肉消耗によることと考えられる。身体が年を取るにつれて、骨格筋の割合の増加は、線維性組織により置換される。結果は、筋力、動作および持久力の著しい減少である。
病気または損傷による長期入院、あるいは例えば、肢が固定される時に生じる未使用体調偏移も、筋肉消耗または他の組織の消耗につながる。研究は、長期間入院している損傷、慢性の病気、やけど、心的外傷または癌に罹患する患者において、長期間持続する単方向の筋肉消耗および体質量の減少があることを示している。
中枢神経系(CNS)への損傷または破損も、筋肉消耗および他の消耗障害に関連する。CNSへの損傷または破損は、例えば、疾患、心的外傷または化学物質により生じる。例としては、中枢神経の損傷または破損、末梢神経の損傷または破損、および脊髄の損傷または破損が挙げられる。一実施形態において、CNS破損または損傷は、アルツハイマー病(AD)、憤怒(気分)、加齢および/または自己主張(気分)に関連する食欲不振を含む。
別の実施形態において、筋肉消耗または他の組織消耗は、アルコール依存症の結果によるものであり得、その実施形態に表される本発明の化合物および組成物を用いて治療され得る。
一実施形態において、本発明は、対象の消耗疾患、障害または状態を治療するために、本明細書に説明されるSARM化合物またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝物、誘導体、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、N酸化物、水和物またはそれらの任意の組み合わせの使用を提供する。
一実施形態において、治療される消耗疾患、障害または症状は、慢性の病気に伴う。
本発明は、いくつかの実施形態において、筋肉消耗、体重の減少、栄養失調、飢餓、または組織塊の損失によるあらゆる機能の消耗または損失に反映され得る、いかなる消耗障害の治療をも対象とする。
いくつかの実施形態において、悪液質、栄養失調、結核、らい病、糖尿病、腎疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、癌、末期の腎不全、筋肉減少症、気腫、骨軟化症、または心筋症等の消耗疾患または障害は、薬物、化合物または治療される状態に治療効果を提供するさらなる薬剤と共に、または伴わずに、本明細書で説明されるSARM化合物、同等物を含む組成物の投与を介して、本発明の方法により治療され得る。
いくつかの実施形態において、消耗は、遠テロウイルス、エプスタインバール(Epstein-barr virus)ウイルス、帯状疱疹、HIV、トリパノソーマ、インフルエンザ、コクサッキー、リケッチア、旋毛虫、住血吸虫、またはミコバクテリアへの感染が原因となり、本発明は、いくつかの実施形態において、その治療方法を提供する。
悪液質は、疾患による、あるいは病気の副作用による衰弱または体重の損失である。心性悪液質、つまり、心性および骨格筋の両方の筋肉タンパク質の消耗は、うっ血性心不全の特徴である。癌悪液質は、固形腫瘍および血液癌を有する患者に生じる症状であり、大量の脂肪組織および除脂肪体重の両方の欠乏を伴う体重減少の形で現われる。
悪液質は、後天性免疫不全症候群(AIDS)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)関連筋障害および/または筋肉衰弱/消耗にも見られ、AIDSの比較的一般的な臨床症状である。HIV関連筋障害または筋肉衰弱または消耗を伴う個人は、一般的には、著しい体重の減少、全身または近位筋衰弱、圧痛、および筋萎縮を経験する。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の感染に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、または低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、方法は、SARMを含む組成物、および免疫調節剤、抗感染剤、遺伝子治療薬、またはそれらの組み合わせを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、感染は、放線菌症、穴プラズマ症、炭疽、アスペルギルス症、菌血症、細菌性真菌症、バルトネラ感染症、ボツリヌフ中毒、ブルセラ症、バークホルデリア感染症、カンピロバクター感染症、カンジダ症、ネコ引っ掻き病、クラミジア感染症、コレラ、クロストリジウム感染症、コクシジオイデス症、交差感染、クリプトコッカス症、皮膚真菌症、ジフテリア、エーリキア症、大腸菌感染症、筋膜炎、壊死、フソバクテリウム感染症、ガス壊疽、グラム陰性細菌感染、グラム陽性細菌感染、ヒストプラスマ症、膿痂疹、クレブシエラ感染症、レジオネラ症、らい病、レプトスピラ症、リステリア感染症、ライム病、マズラ菌症、類鼻疽、マイコバクテリア感染症、マイコプラズマ感染症、真菌症、ノカルジア感染症、爪真菌症、疫病、肺炎球菌感染症、シュードモナス感染症、オウム病、Q熱、鼠咬熱、回帰熱、リウマチ熱、リケッチア感染症、ロッキー山紅斑熱、サルモネラ感染症、猩紅熱、ツツガムシ病、敗血症、性行為感染症、ブドウ球菌感染症、連鎖球菌感染症、破傷風、マダニ媒介疾患、結核、野兎病、腸チフス、チフス、シラミ媒介、ビブリオ感染症、イチゴ腫、エルシニア感染症、人畜共通感染症、接合菌症、後天性免疫不全症候群、アデノウイルス感染症、アルファウイルス感染症、アルボウイルス感染症、ボルナ病、ブニヤウイルス感染症、カリシウイルス感染症、水痘、コロナウイルス感染症、コクサッキーウイルス感染症、サイトメガロウイルス感染症、デング熱、DNAウイルス感染症、膿瘡、伝染、脳炎、アルボウイルス、エプスタインバーウイルス感染症、伝染性紅斑、ハンタウイルス感染症、出血熱、ウイルス性肝炎、ウイルス性ヒト単純ヘルペス(viral human herpes simplex)、帯状疱疹、耳帯状疱疹、ヘルペスウイルス感染症、伝染性単核球症、ヒト−ラッサ熱、麻疹、伝染性軟属腫、流行性耳下腺炎、パラミクソウイルス感染症、フルボトムス熱、ポリオーマウイルス感染症、狂犬病、呼吸器多核体ウイルス感染症、リフトバレー熱、RNAウイルス感染症、風疹、遅発型ウイルス感染症、天然痘、亜急性硬化性全脳炎、腫瘍ウイルス感染症、いぼ、ウエストナイル熱、ウイルス性疾患、黄熱、アメーバ症、アニサキス症、回虫症、バベシア症、ブラストシスチフホミニス感染症、虫咬傷、条虫感染症、シャーガス病、クリプトスポリジウム症、シクロスポラ症、嚢虫症、二核アメーバ症、裂頭条虫症、メジナ虫症、エキノコックス症、外寄生生物寄生、フィラリア症、ジアルジア症、せん虫症、鉤虫感染症、幼虫移行症、リーシュマニア症、シラミ寄生、ロア糸状虫症、マラリア、ダニ感染症、ハエ幼虫症、オンコセルカ症、原虫感染症、疥癬、住血吸虫症、皮膚病、寄生虫、糞線虫症、条虫症、トキソカラ症、トキソプラズマ症、旋毛虫症、トリコモナス感染症、トリパノソーマ症、トリパノソーマ症、アフリカまたは鞭虫感染症を含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の筋骨格系疾患に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、または低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗癌剤、免疫調節剤、抗糖尿病薬、中枢神経系を治療する薬剤、代謝疾患を治療する薬剤、消耗疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類、またはその組み合わせを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、筋骨格系疾患は、軟骨無形成症、後天性骨過形成症候群、先端異形成症、関節炎、関節拘縮症、関節症、神経原性滑液包炎、軟骨疾患、鎖骨頭蓋異形成症、内反足、コンパートメント症候群、頭蓋顔面異骨症、頭蓋骨癒合症、皮膚筋炎、デュプイトラン拘縮、低身長症、エリスファンクレフェルト症候群、内軟骨腫症、好酸球増多筋痛症候群、外骨腫、筋膜炎、疲労症候群、線維筋痛症、骨の線維性異形性、線維性骨異形成症、多骨性、扁平足、足変形、フライバーグ病、漏斗胸、ゴルデンハー症候群、痛風、外反母趾、股関節脱臼、骨増殖症、椎間板ヘルニア、歌舞伎メークアップ症候群(kabuki make-up syndrome)、クリッペルファイル症候群、ランガーギーディオン症候群、レッグペルテス病、脊柱前湾症、下顎顔面形成異常、蝋流骨症、ミトコンドリア筋症、筋けいれん、筋けい直、筋ジストロフィー、骨格筋異常、骨格筋疾患、筋炎、骨化性筋炎、筋細管ミオパチー、変形性骨炎、変形性関節症、骨軟骨炎、骨形成不全症、骨髄炎、骨壊死、大理石骨病、骨粗しょう症、ポーランド症候群、多発性軟骨炎、リウマチ性多発筋痛、多発性筋炎、横紋筋融解症、リウマチ性疾患、ラッセルシルバー症候群、ショイエルマン病、側弯症、シーバー病/骨端炎、脊髄疾患、変形性脊椎症、脊柱管狭窄、脊椎炎、強直性、脊椎すべり症、シュプレンゲル変形、滑膜炎、腱障害、テニス肘、腱しょう炎、致死性骨異形成症、またはティーツェ症候群を含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の消化器系疾患に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、または低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗癌剤、免疫調節剤、抗糖尿病薬、抗糖尿病剤、中枢神経系を治療する薬剤、胃腸管系を治療する薬剤、抗感染剤、代謝疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類、またはその組み合わせを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、胃腸管系疾患は、大腸腺腫症、アラジール症候群、肛門疾患、盲腸炎、バレット食道、胆道閉鎖、胆道疾患、カロリー病、セリアック病、胆管炎、胆嚢炎、胆石症、大腸炎、潰瘍性、クローン病、嚥下障害、十二指腸潰瘍、赤痢、腸炎、偽膜性、食道アカラシア、食道閉鎖、食道炎、膵外分泌不全、脂肪肝、便失禁、胃炎、胃炎、肥大性、胃腸炎、胃食道逆流症、胃不全麻痺、痔、肝静脈血栓症、肝炎、肝炎、慢性、ヘルニア、横隔膜、ヘルニア、裂孔、ヒルシュスプルング病、高血圧、門脈、炎症性腸疾患、腸疾患、腸腫瘍、腸神経細胞異形成、腸閉塞、過敏性腸症候群、乳糖不耐性、肝硬変、肝疾患、メッケル憩室、膵疾患、膵腫瘍、膵炎、消化性潰瘍、ポイツジェガース疾患、直腸炎、直腸疾患、短腸症候群、気管食道瘻、ウィップル病、またはゾリンジャーエリソン症候群を含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の顎口腔系疾患に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、または低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗癌剤、免疫調節剤、抗感染剤、消耗疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類、またはその組み合わせを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、顎口腔系疾患は、舌小帯短縮症、歯ぎしり、口腔灼熱症候群、口唇炎、ケルビズム、口唇裂、含歯性嚢胞、歯肉炎、舌炎、良性移動性舌炎、口唇ヘルペス、口腔底蜂窩織炎、巨舌、メルカーソンローゼンタール症候群、歯周病、ピエールロバン症候群、下顎前突症、唾液腺疾患、流涎症、口内炎、アフタ性、顎関節障害、顎関節症候群、または口内乾燥を含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の呼吸器疾患に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、または低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗癌剤、免疫調節剤、中枢神経系を治療する薬剤、心血管系を治療する薬剤、抗感染剤、消耗疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類、またはその組み合わせを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、呼吸器系疾患は、気道閉塞、無呼吸、石綿肺、喘息、無気肺、ベリリウム症、気管支疾患、気管支拡張症、細気管支炎、閉塞性細気管支炎性器質化肺炎、気管支炎、気管支肺異形成症、感冒、咳、膿胸、胸膜、喉頭蓋炎、喀血、高血圧、肺、過換気、カルタゲナー症候群、肺膿瘍、肺疾患、胎便吸引症候群、胸水、胸膜炎、肺炎、気胸、肺胞タンパク症、肺疾患、慢性閉塞、肺水腫、肺塞栓症、肺気腫、肺線維症、呼吸促迫症候群、新生児呼吸器過敏症、気道感染症、鼻硬腫、シミター症候群、重症急性呼吸器症候群、珪肺症、睡眠時無呼吸、中央喘鳴、気管狭窄、ウェゲナー肉芽腫症、または百日咳を含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の耳鼻咽喉疾患に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、または低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗癌剤、免疫調節剤、抗感染剤、消耗疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類、またはその組み合わせを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、耳鼻咽喉疾患は、真珠腫、中耳、クループ、聴覚消失、鼻出血、難聴、聴覚過敏症、内耳炎、咽頭炎、咽頭軟化症、咽頭狭窄、乳様突起炎、メニエール病、鼻閉、鼻茸、耳炎、耳鼻咽喉疾患、耳硬化症、咽頭炎、老人性難聴、咽後膿瘍、鼻炎、副鼻腔炎、耳鳴、扁桃炎、鼓膜穿孔、前庭神経炎、声帯麻痺、または音声障害を含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の神経系疾患に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、または低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗癌剤、免疫調節剤、中枢神経系を治療する薬剤、抗感染剤、代謝疾患を治療する薬剤、消耗疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類、またはその組み合わせを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、神経系疾患は、自律神経系疾患、中枢神経系疾患、脳神経疾患、脱髄性疾患、神経系奇形、神経症状、または神経筋疾患を含む。
いくつかの実施形態において、自律神経系疾患は、灼熱痛、または反射性交感神経系ジストロフィーを含む。
いくつかの実施形態において、中枢神経系疾患は、アルツハイマー病、くも膜炎、脳膿瘍、脳虚血、中枢神経系感染症、脳性麻痺、脳血管障害、皮質基底核神経節編変性(CBGD)、クロイツフェルトヤコブ病、ダンディウォーカー症候群、認知症、脳炎、脳脊髄炎、てんかん、てんかん誘発性機能低下および/または異化亢進状態、本態性振戦、フリードライヒ失調症、ゲルストマンストロイスラーシャインカー病、ハラーホルデンスパッツ症候群、ハンチントン病、水頭症、低酸素、不眠、虚血性発作、クールー病、ランドウクレフナー症候群、レビー小体症、マシャドジョセフ病、メージュ症候群、髄膜炎、細菌性髄膜炎、ウイルス、片頭痛障害、運動障害、多系統菱縮症、脊髄炎、オリーブ橋小脳菱縮症、パーキンソン病、パーキンソン病様疾患、灰白脊髄炎、ポリオ後症候群、プリオン病、偽脳腫瘍、シャイドレーガー症候群、攣縮、乳児性、脊髄疾患、核上性麻痺、脊髄空洞症、視床疾患、チック障害、トゥレット症候群、またはブドウ糖髄膜脳炎症候群を含む。いくつかの実施形態において、中枢神経系疾患は、嚢胞性線維症誘発性機能低下性状態である。
いくつかの実施形態において、脳神経疾患は、ベル麻痺、脳神経疾患、顔面片側菱縮、顔面部神経痛、舌咽神経疾患、メビウス症候群、または三叉神経痛を含む。
いくつかの実施形態において、中枢神経系疾患は、中枢神経系(CNS)の損傷または破損を含む。いくつかの実施形態において、CNSの損傷または破損は、筋肉消耗疾患を伴い得る。CNSの損傷または破損は、例えば、疾患、外傷または化学物質により生じる可能性がある。例としては、中枢神経損傷または破損、末梢神経損傷または破損、および脊髄損傷または破損がある。
脊髄損傷(SCI)を伴う患者を含む試験は、中枢神経伝達物質がSCI後に変化し、視床下部下垂体副腎系機能障害を引き起こすことを示しおり、その破損がテストステロンおよび他のホルモンレベルの著しい低下をもたらした。SCIまたは他の急性の病気あるいは外傷は、特徴的に、しばしば、栄養利用の妨げを伴う、除脂肪身体組織を損失する傾向にある状態となる低下したタンパク同化活性に関連する増大な異化を含む。除脂肪体重の損失の影響は、傷の拡大および治癒メカニズムの障害を含み、さらに問題を拡大する。動くことができないことと相まった乏しい栄養およびタンパク質のため、脊髄損傷を伴う患者は、床ずれのリスクが高い。
一実施形態において、広範な様々のCNSの損傷は、本発明の方法により治療され得る。CNS損傷は、一実施形態において、神経細胞の膜の破損、または別の実施形態において、神経の神経インパルス生成および伝播不能、または別の実施形態において、細胞の死滅を意味し得る。損傷は、CNSの正常機能に直接または間接的に影響する破損を含む。損傷は、構造的、物理的または機械的機能障害であり得、神経線維の粉砕、圧迫、または伸張の場合のように物理的インパクトにより引き起こされ得る。代替的に、細胞膜は、病気、化学不均衡、または無酸素(例えば、脳卒中)、動脈瘤または再灌流等の生理学的異常により破壊または低下され得る。CNS損傷は、例えば、網膜神経節細胞の破損、外傷性脳障害、脳卒中関連損傷、脳動脈瘤関連損傷、単麻痺、両麻痺、対麻痺、片麻痺および四肢を含む脊髄損傷、神経増殖障害または神経因性疼痛症候群を含むが、これに限定されない。
哺乳類の脊髄の損傷において、脊髄の神経間の接続が切断される。このような損傷は、損傷により影響される神経走行の神経インパルスの流れを阻止し、感覚および運動機能の両方の機能障害を引き起こす。脊髄の損傷は、脊髄の圧迫または他の挫傷、もしくは脊髄の粉砕または切断から生じ得る。脊髄の切断は、本明細書では「離断」とも呼ばれ、脊髄の完全な離断、あるいは不完全な離断であり得る。
いくつかの実施形態において、CNS損傷、または別の実施形態においては、脊髄の損傷に罹患する対象を治療する方法は、損傷部位の電気刺激を用いた対象の治療、および例えば、米国特許出願第20040214790A1号に記載される通り、プリンヌクレオシドまたはその類似体の投与を伴い得る。
いくつかの実施形態において、脱髄性疾患は、副腎白質ジストロフィー、アレキサンダー病、カナバン病、脱髄性疾患、びまん性硬化症、白質ジストロフィー−グロボイド細胞、白質ジストロフィー−異染性、多発性硬化症、または視神経脊髄炎を含む。
いくつかの実施形態において、神経系奇形は、アーノルドキリア奇形、シャルコーマリートゥース病、脳ヘルニア、遺伝性運動感覚性ニューロパシー、中隔視神経異形成症、潜在性二分脊椎または閉鎖不全を含む。
いくつかの実施形態において、神経症状は、失認、健忘症、失名詞症、失語症、失行症、腰痛、ブラウンセカール症候群、小脳失調、コレア、コミュニケーション障害、混乱、眩暈、失読症、ジストニア、顔面神経麻痺、束状化、歩行障害、神経性頭痛、片麻痺、記憶障害、精神遅滞、無言症、ミオクローヌス、頚部痛、非言語学習障害、嗅覚障害、痛み、麻痺、幻肢、顔貌失認、四肢麻痺、発作、けいれん、会話障害、共感覚遅発性ジスキネジア、味覚障害、斜頚、振戦、開口障害、意識不明、または回転性めまいを含む。
いくつかの実施形態において、神経筋疾患は、筋萎縮性側索硬化症、腕神経叢炎、腕神経叢神経症、球麻痺、手根管症候群、肘部管症候群、糖尿病性神経症、自律神経症、ギランバレー症候群、遺伝性感覚性自律神経性ニューロパシー、ミラー・フィッシャー症候群、運動神経疾患、筋萎縮症、脊髄性重症筋無力症、ミオパシー、構造的先天性神経圧迫症候群、神経痛、神経筋疾患、麻痺、家族性定期的末梢神経系疾患、POEMS症候群、多発ニューロパシー、多発神経根症、レフサム病、座骨神経痛、小児脊髄性筋萎縮症、全身硬直症候群、胸郭出口症候群、または尺骨神経圧迫症候群を含む。
一実施形態において、神経系疾患を伴う対象を治療する方法は、本明細書でいくつか説明する神経系疾患に罹患する対象により生じる対象の任意の二次的状態を治療することを包含する。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の眼疾患に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗癌剤、免疫調節剤、心血管系を治療する薬剤、抗感染剤、消耗疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類、またはその組み合わせを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、眼疾患は、急性帯状潜在性外側網膜症(acute zonal occult outer retinopathy)、アディー症候群、白皮症、眼性黒内障、一過性弱視、無虹彩症、瞳孔不同症、無眼球症、無水晶体、乱視、眼瞼炎、眼瞼下垂、眼瞼痙攣、盲目、白内障、霰粒腫、脈絡網膜炎、全脈絡膜萎縮、コロボーマ、色覚異常、結膜炎、角膜疾患、角膜ジストロフィー、角膜浮腫、角膜潰瘍、糖尿病性網膜症、複視、睫毛重生、ドライアイ症候群、デュアン眼球後退症候群、外反、眼瞼内反、内斜視、落屑症候群、外斜視、眼出血、癌腫瘍、眼けん疾患、浮遊物、汎線維症症候群(general fibrosis syndrome)、緑内障、脳回転状萎縮症、半盲、ヘルマンスキープドラック症候群症候群、麦粒腫、ホルネル症候群、遠視、前房出血、虹彩炎、カーンズセイヤー症候群、角膜炎、円錐角膜、涙器疾患(lacrimal apparatus diseases)、涙道閉塞、水晶体疾患、黄斑変性症、小眼球症、近視、眼振、病的眼球運動障害、動眼神経疾患、眼筋麻痺、眼球萎縮、視神経疾患、視神経炎、視神経症、眼窩蜂巣炎、うっ血乳頭、ピーターズ異常、老視、翼状片、瞳孔障害、屈折異常、網膜剥離、網膜症、網膜静脈閉塞症、網膜色素変性症、未熟児網膜症、網膜分離症、強膜炎、暗点、斜視、タイゲソン表層性点状角膜炎、トラコーマ、ぶどう膜炎、白点症候群、視覚障害、または硝子体障害を含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の泌尿器および/または男性生殖器疾患に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗癌剤、免疫調節剤、胃腸管系を治療する薬剤、抗感染剤、腎臓を治療する薬剤、代謝疾患を治療する薬剤、消耗疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類、またはそれらの組み合わせを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、泌尿器および/または男性生殖器疾患は、抗糸球体基底膜抗体病、亀頭炎、膀胱外反症、膀胱腫瘍、停留精巣、膀胱炎、間質性尿崩症、腎性精巣上体炎、フルニエ壊疽、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、血精液症、血尿、溶血性尿毒症症候群、水腎症、尿道下裂、インポテンス、不妊症、腎結石、腎不全、急性腎不全、慢性腎尿細管壊死、急性海綿腎、多嚢胞性異形性腎、腎炎、遺伝性ネフローゼ、ネフローゼ症候群、夜間多尿、乏尿、陰茎疾患、陰茎硬結、陰茎腫瘍、包茎、持続勃起症、前立腺疾患、良性前立腺過形成、前立腺腫瘍、タンパク尿、腎盂腎炎、ライター症候群、腎動脈閉塞症、精巣捻転、精巣疾患、尿道狭窄、尿道炎、尿閉、尿路感染症、排尿障害、泌尿器および男性生殖器疾患、泌尿器疾患、精索静脈瘤、膀胱尿管または尿道還流を含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の皮膚科学的障害に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗癌剤、免疫調節剤、皮膚科学的障害を治療する薬剤、抗感染剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類、またはそれらの組み合わせを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、皮膚科学的疾患は、ざ瘡、日光角化症、脱毛症、アンドロゲン脱毛症、円形脱毛症、癌化学療法に続発した脱毛症、放射治療に続発した脱毛症、瘢痕に誘発される脱毛症、ストレスに誘発される脱毛症、血管腫、足白癬、水原性そう痒症、アトピー性皮膚炎、禿頭、基底細胞癌、床ずれ、ベーチェット病、眼瞼炎、瘤腫(boil)、ボーエン病、類天疱瘡、口内炎、癰、蜂巣炎、塩素ざ瘡、手足の慢性皮膚炎、発汗障害、口唇ヘルペス、接触性皮膚炎、皮膚爬行症、フケ、皮膚炎、疱疹状皮膚炎、皮膚線維腫、おむつ皮膚炎、湿疹、表皮水疱症、丹毒、紅皮症、摩擦水疱、性器疣贅、汗腺炎、化膿性蕁麻疹、多汗症、魚鱗癬、膿痂疹、いんきん、カポジ肉腫、ケロイド、ケラトアカントーマ、毛孔性角化症、シラミ感染、扁平苔癬、慢性単純性苔癬、脂肪腫、リンパ節炎、悪性黒色腫、肝斑、汗疹、伝染性軟属腫、貨幣状湿疹、乳頭ページェット病、シラミ寄生症、天疱瘡、口囲皮膚炎、光アレルギー、光線過敏症、ばら色粃糠疹、毛孔性紅色粃糠疹、乾癬、レイノー病、白癬、酒さ、疥癬、強皮症、皮脂嚢胞、脂漏性角化症、脂漏性皮膚炎、帯状疱疹、皮膚癌、懸垂線維腫、くも状静脈、扁平上皮癌、うっ滞性皮膚炎、ダニ咬傷、須毛白癬、頭部白癬、体部白癬、股部白癬、足白癬、爪白癬、癜風、白癬、スナノミ症、白斑、または疣贅を含む。
一実施形態において、皮膚障害は、創傷または熱傷である。いくつかの実施形態において、創傷および/また潰瘍は、皮膚または粘膜表面からの突起として、もしくは臓器の梗塞の結果として発見される。創傷は、軟組織欠損または病変、もしくは根底にある状態の結果であり得る。一実施形態において、「創傷」という用語は、正常で完全な組織構造の破損を伴う身体損傷を表す。用語は、「びらん」、「損傷」、「壊死」および「潰瘍」という用語も包含する。一実施形態において、「びらん」という用語は、皮膚および粘膜のいかなる病変をも意味し、「潰瘍」という用語は、壊死組織の脱却により生成される臓器または組織の表面の局所欠損または掘削を意味する。損傷は、一般的に、いかなる組織の障害をも意味する。壊死は、感染、損傷、炎症または梗塞から生じる組織の死滅に関連する。これらの全ては、あらゆる治癒が開始する以前、または外科切開(予防治療)のような特異的な創傷が形成される以前の段階をも含む、治癒過程のあらゆる特定の段階でのあらゆる創傷を表す「創傷」という用語により包囲される。
本発明により予防および/または治療され得る創傷の例は、例えば、無菌外傷、挫傷、切り傷、裂傷、非貫通創(つまり、皮膚の破損はないが、下層構造に欠損がある創傷)、解放性外傷、貫通創、穿孔創、穿刺創、膿創、皮下創傷等である。びらんの例は、床ずれ、口内炎、クロムびらん(chrome sores)、口唇ヘルペス、褥瘡等である。潰瘍の例は、例えば、消化性潰瘍、一二指腸潰瘍、胃潰瘍、痛風潰瘍、糖尿病性潰瘍、高血圧性虚血性潰瘍、うっ血性潰瘍、下腿潰瘍(静脈性潰瘍)、舌下潰瘍、粘膜下潰瘍、症候性潰瘍、栄養性潰瘍、熱帯潰瘍、例えば、淋病(尿道炎、子宮頚管内膜炎および直腸炎)により生じる一般的な潰瘍である。本発明により効果的に治療される創傷またはびらんに関連する状態は、熱傷、炭疽、強縮、ガス壊疽、スカラティーナ(scalatina)、丹毒、鬚毛瘡、毛包炎、伝染性膿痂疹、あるいは水泡性インペチゴ等である。「創傷」及び「潰瘍」また、「創傷」および「びらん」の用語間の使用では、しばしばある重なりが見られ、さらに、これらの用語はしばしば無作為に使用される。従って上述の通り、本明細書においては、「創傷」という用語は、「潰瘍」、「損傷」、「びらん」、および「梗塞」という用語を包囲し、これらの用語は特に示されない限りは、無差別に使用される。
本発明により治療される創傷の種類は、I)外科性、外傷性、感染性、虚血性、熱性、化学性および水疱性創傷等の一般的創傷、II)例えば、摘出後損傷、特に腫瘍および膿瘍の治療に伴う歯内治療創傷、細菌、ウイルス、または自己免疫由来の潰瘍および損傷、力学性、化学性、熱性、感染性および苔癬様創傷、ヘルペス潰瘍、アフタ性口内炎、急性壊死性潰瘍性歯肉炎およびバーニングマウス症候群(burning mouth syndrome)が特異的な例である口腔内特異的損傷、III)例えば、腫瘍、熱傷(例えば化学性、熱性)、損傷(細菌性、ウイルス性、自己免疫性)、咬傷および外科切開等の皮膚上の損傷を含む。別の創傷分類方法は、I)外科切開、軽度の剥離、軽度の咬傷による小組織喪失、またはII)重大な組織損失がある。後者の群は虚血性潰瘍、褥瘡、瘻、断裂、重度の咬傷、熱性熱傷、およびドナー側損傷(軟組織および硬組織内)および梗塞を含む。
本発明の別の態様において、予防、および/または、治療する創傷は、非感染創、梗塞、挫傷、切創、裂創、非穿通創、開放性外傷、穿通創、穿孔創、穿刺創、膿創、皮下創傷から成る群より選択される。
断裂本発明の関連する他の重要な創傷は、虚血潰瘍、褥瘡、瘻、重度の咬傷、熱性熱傷、およびドナー側創傷のような創傷である。
一実施形態において、本明細書に説明するSARM化合物および/または組成物の使用は、タンパク同化剤として、理学療法/リハビリテーションの補助として創傷治癒に有用である。別の実施形態において、本明細書に説明する組成物は、前十字靱帯(ACL)または内側十字靱帯(MCL)損傷の治癒促進、もしくはACLまたはMCL後の回複の加速に有用である。別の実施形態において、本明細書に説明する組成物は、運動能力の増強に有用である。別の実施形態において、本明細書に説明する組成物は、熱傷の治療に有用である。別の実施形態において、本明細書に説明する組成物は、軟骨の再成長の刺激に有用である。別の実施形態において、本明細書に説明する組成物は、持続性の重症の病気、肺機能不全、人工呼吸依存、加齢、AIDS、心的外傷、外科手術、うっ血性心不全、心筋症、熱傷、癌、COPDに関連する異化の予防、治療または反転に有用である。別の実施形態において、本明細書に説明する組成物は、外傷によるタンパク質異化の予防または反転に有用である。別の実施形態において、本明細書に説明する組成物は、a)創傷治癒を促進するために外科手術で使用されるよう焼灼療法(レーザーまたは放射)の補助、b)創傷治癒を促進するための寒冷療法の補助、c)脱毛症、性腺機能低下症、筋肉消耗、骨減少症、骨粗しょう症、筋肉減少症、LDL上昇、TGまたは総コレステロール、HDL減少等の副作用を防ぐため化学療法の補助として有用である。別の実施形態において、本明細書に説明する組成物は、慢性の異化状態(昏睡、消耗状態、飢餓、摂食障害)、随伴性骨折および筋損傷、筋肉または骨の消耗が明らかな重症の病気および/または結合組織病および障害に有用である。
虚血性潰瘍および褥瘡は、通常非常に緩慢にしか治癒せず、そのような場合、改良された、より迅速な治癒は、言うまでもなく、患者に非常に重要である。さらに、治癒が改良され、より迅速に起こる場合、このような創傷に罹患する患者の治療に関する費用が大きく軽減される。
ドナー側損傷は、例えば移植に関連して、例えば、身体の一つの場所から別の場所への硬細胞の移動に関連して起こる創傷である。このような手術の結果おこる創傷は非常に苦痛で、よって、治癒の向上は非常に価値がある。
「皮膚」という用語は、皮膚の上皮層を、また、皮膚表面が少なからず損傷している場合には皮膚の真皮層を含む非常に広い意味において使用される。表皮角質層は別として、皮膚の上皮層は外(上皮)層で、皮膚の深層の結合組織層は真皮と呼ばれる。
いくつかの実施形態において、本発明は、前十字靱帯(ACL)または内側十字靱帯(MCL)損傷の治癒を促進する、もしくはACLまたはMCL外科手術後の回複の加速するための方法を提供する。
いくつかの実施形態において、熱傷は、テストステロンレベルの低下に関連し、性腺機能低下症は、創傷治癒の遅延に関連する。一実施形態において、本発明の方法は、創傷または熱傷に罹患する対象を治療するために提供される。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の内分泌疾患に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗癌剤、免疫調節剤、抗糖尿病薬、心血管系を治療する薬剤、胃腸管系を治療する薬剤、皮膚障害を治療する薬剤、中枢神経系を治療する薬剤、抗感染剤、肝臓を治療する薬剤、腎臓を治療する薬剤、代謝疾患を治療する薬剤、消耗疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類、またはそれらの組み合わせを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、内分泌疾患は、先端巨大症、アジソン病、副腎疾患、副腎過形成、先天性アンドロゲン不応症、先天性甲状腺機能低下症、クッシング症候群、尿崩症、真性糖尿病、1型真性糖尿病、2型真性糖尿病、糖尿病性ケトアシドーシス、トルコ鞍空洞症候群、内分泌系腫瘍、内分泌系疾患、巨人症、生殖腺障害、グレーブス病、半陰陽、高アルドステロン症、糖尿病性高血糖性高浸透圧性昏睡、下垂体機能亢進、高プロラクチン血症、甲状腺機能亢進症、性腺機能低下症、性腺機能低下症、下垂体機能低下症、甲状腺機能低下症、カルマン症候群、ネルソン症候群、上皮小体疾患、下垂体疾患、多内分泌疾患、自己免疫性思春期、遅延思春期、早熟症、腎性骨異栄養症、甲状腺疾患、甲状腺ホルモン不応症候群、甲状腺腫瘍、甲状腺結節、甲状腺炎、甲状腺炎、自己免疫性甲状腺炎、亜急性またはウルフラム症候群を含む。
一実施形態において、「性腺機能低下症」は、成長および性発育の遅延を伴う異常に低下した生殖腺の機能活性からおこる状態である。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の泌尿生殖器疾患および/または受精能に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗癌剤、免疫調節剤、抗感染剤、腎臓を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類、またはそれらの組み合わせを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、泌尿生殖器疾患および/または受精能疾患は、中絶、自発性付着骨盤、カンジダ症、外陰膣、産後うつ、糖尿病、妊娠、性交疼痛症、難産、子癇、子宮内膜症、胎児死亡、胎児発育遅延、胎膜、早期破水、生殖器疾患、女性生殖器腫瘍、女性奇胎、妊娠悪阻、不妊症、卵巣嚢胞、卵巣捻転、骨盤内炎症性疾患、胎盤障害、胎盤機能不全、多嚢胞性卵巣症候群、羊水過多、分娩後出血、妊娠合併症、子宮外妊娠、外陰部そう痒症、産褥障害、産褥感染症、卵管炎、栄養膜腫瘍、子宮頚部無力症、子宮内反症、子宮脱、膣疾患、外陰部疾患、外陰部硬化性苔癬を含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の血液および/またはリンパ管疾患に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗癌剤、免疫調節剤、抗糖尿病薬、心血管系を治療する薬剤、抗感染剤、肝臓を治療する薬剤、腎臓を治療する薬剤、代謝疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類、またはそれらの組み合わせを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、血液および/またはリンパ管疾患は、無フィブリノーゲン血症、貧血、再生不良性貧血、溶血性貧血、先天性非球形貧血、巨赤芽球性貧血、悪性貧血、鎌状赤血球貧血、好酸球性血管リンパ球増殖症、アンチトロンビンIII欠乏症、ベルナールスーリエ症候群、血液凝固障害、血小板異常、青色ゴム乳首様母斑症候群、チェディアック東症候群、クリオグロブリン血症、播種性血管内凝固、好酸球増加症、エルトハイムチェスター病、赤芽球症、胎児、エバンズ症候群、第V因子欠乏症、第VII因子欠乏症、第X因子欠乏症、第XI因子欠乏症、第XII因子欠乏症、ファンコニー貧血、巨大リンパ節過形成、血液疾患、異常ヘモグロビン症、ヘモグロビン尿、発作性、血友病a、血友病b、新生児出血性疾患、組織球増殖症、組織球増殖症、ランゲルハンス細胞、組織球増殖症、非ランゲルハンス細胞性組織球症、ヨブ症候群、白血球減少症、リンパ節炎、リンパ脈管筋腫症、リンパ浮腫、メトヘモグロビン血症、骨髄異形成症候群、骨髄線維症、骨髄化生、骨髄増殖性疾患、好中球減少、異常タンパク血症、血小板貯蔵プール欠乏症、真性多血症、タンパク質c欠乏症、タンパク質欠乏症、紫斑病、血小板減少性紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病、RH同種免疫、サルコイドーシス、サルコイドーシス、球状赤血球症、脾破裂、サラセミア、血小板無力症、血小板減少症、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、またはフォンウィルブランド病を含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の先天性遺伝または新生児疾患に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗癌剤、免疫調節剤、抗糖尿病薬、心血管系を治療する薬剤、胃腸管系を治療する薬剤、皮膚障害を治療する薬剤、中枢神経系を治療する薬剤、抗感染剤、肝臓を治療する薬剤、腎臓を治療する薬剤、代謝疾患を治療する薬剤、消耗疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類、またはそれらの組み合わせを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、先天性遺伝および新生児疾患は、アイカルディ症候群、羊膜索症候群、無脳症アンジェルマン症候群、毛細血管拡張性運動失調症、バナヤンゾナナ症候群(Bannayan-Zonana syndrome)、バルト症候群、基底細胞母斑症候群、ベックウィズ・ヴィーデマン症候群、ブルーム症候群、鰓弓耳腎症候群、ネコ眼症候群、脳性巨人症負荷症候群(cerebral gigantism-charge syndrome)、染色体16異常、染色体18異常、染色体20異常、染色体22異常、コステロ症候群、ネコ鳴き症候群、クラリーノ症候群、嚢胞性線維症、デ・ランゲ症候群、遠位側トリソミー10q、ダウン症候群、外胚葉異形成症、胎児性アルコール症候群、胎児疾患、胎児間輸血症候群、脆弱X症候群、フリーマン−シェルドン症候群、腹壁破裂、遺伝性疾患、先天的ヘルニア、臍、全前脳症、色素失調症、イーヴェマルク症候群、ヤコブセン症候群、黄疸、クライン、フェルター症候群、ラーセン症候群、ローレンスムーン症候群、脳回欠損、小頭症、モノソミー9p、爪膝蓋骨症候群、神経線維腫症、神経セロイドリポフスチン症、ヌーナン症候群、オチョア症候群(尿顔症候群、特異的な表情を伴う水腎症)、眼脳腎症候群、パリスターキリアン症候群(Pallister-killian syndrome)、プラダーウィリー症候群、プロテウス症候群、プルーンベリー症候群、レット症候群、ロビノウ症候群、ルビンシュタインテイビ症候群、裂脳症、内臓逆位、スミス、レムリオピッツ症候群、スミスマジェニス症候群(Smith-magenis syndrome)、スタージウェーバー症候群、梅毒、先天性裂毛症、トリプルX女性、トリソミー13(パトー症候群)、トリソミー、ターナー症候群、双子、結合、アッシャー症候群、ワールデンブルグ症候群、ウェルナー症候群またはウォルフ・ヒルシュホーン症候群を含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の結合組織病に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗癌剤、免疫調節剤、皮膚障害を治療する薬剤、抗感染剤、代謝疾患を治療する薬剤、消耗疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類、またはそれらの組み合わせを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、結合組織病は、強直性脊椎炎、エーラスダンロス症候群、ヘノッホシェーンライン紫斑病、川崎病、マルファン症候群、結節性多発動脈炎、多発性筋炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、関節リウマチ、強皮症、シェーグレン症候群、スチル病、全身性エリテマトーデス、高安病、またはウェゲナー肉芽腫症を含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の代謝疾患に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗糖尿病薬、胃腸管系を治療する薬剤、皮膚障害を治療する薬剤、中枢神経系を治療する薬剤、抗感染剤、肝臓を治療する薬剤、腎臓を治療する薬剤、代謝疾患を治療する薬剤、消耗疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類、またはそれらの組み合わせを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、代謝疾患は、酸塩基平衡異常、アシドーシス、アルカローシス、アルカプトン尿症、αマンノース症、先天性アミノ酸代謝異常、アミロイドーシス、鉄欠乏性貧血、アスコルビン酸欠乏症、ビタミン欠乏症、脚気、ビオチニダーゼ欠損症、糖タンパク質糖鎖不全症候群、カルニチン障害、シスチン症、シスチン尿症、脱水症、ファブリー病、脂肪酸酸化障害、フコシドーシス、ガラクトース血症、ゴーシェ病、ジルベール症候群、グルコースリン酸エステルデヒドロゲナーゼ欠損、グルタル酸血症、糖原病、ハートナップ病、ヘモクロマトーシス、ヘモジデリン沈着症、肝レンズ核変性症、ヒスチジン血症、ホモシスチン尿症、高ビリルビン血症、高カルシウム血症、高インスリン症、高カリウム血症、高脂血症、高シュウ酸尿症、ビタミンA過剰症、低カルシウム血症、低血糖、低カリウム血症、低ナトリウム血症、低ホスファターゼ血症、インスリン耐性、ヨウ素欠乏性、鉄過剰症、黄疸、慢性特発性、リー症候群、レッシュナイハン症候群、ロイシン代謝障害、リソソーム蓄積症、マグネシウム欠乏、メープルシロップ尿症、MELAS症候群、メンケス縮毛症候群、代謝疾患、代謝X症候群、先天性代謝異常、ミトコンドリア病、ムコリピドーシス、ムコ多糖症、ニーマン‐ピック病、肥満、オルニチンカルバモイル基転移酵素欠損症、骨軟化症、ペラグラ、ペルオキシソーム病、フェニルケトン尿症、ポルフィリン症、赤血球新生ポルフィリン症、早老症、偽ゴーシェ病、レフサム病、ライ症候群、くる病、サンドホフ病、飢餓、タンジール病、テイサックス病、テトラヒドロビオプテリン欠乏、トリメチルアミン尿、チロシン血症、尿素サイクル障害、水分電解質不均衡、ウェルニッケ脳症、ビタミンA欠乏症、ビタミンB12欠乏症、ビタミンB欠乏症、ウォルマン病、またはツェルウェガー症候群を含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の環境起源の疾患に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗癌剤、免疫調節剤、抗糖尿病薬、心血管系を治療する薬剤、胃腸管系を治療する薬剤、皮膚障害を治療する薬剤、中枢神経系を治療する薬剤、抗感染剤、肝臓を治療する薬剤、腎臓を治療する薬剤、代謝疾患を治療する薬剤、消耗疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類、またはそれらの組み合わせを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、環境起源の疾患は、気圧性外傷、刺咬傷、脳振盪、熱傷、脊髄中心症候群、頭蓋脳損傷、電気損傷、骨折、骨、凍傷、熱ストレス障害、動揺病、職業病、中毒、揺さぶられっ子症候群、肩の損傷、宇宙酔い、脊髄損傷、ダニ麻痺症、または創傷(貫通または非貫通)を含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の挙動メカニズムに関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、方法は、SARM化合物を含む組成物、および心血管系を治療する薬剤、中枢神経系を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類、またはそれらの組み合わせを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、挙動メカニズムは、攻撃性、死への姿勢、共依存、自傷行動、性行動、または社会的行動を含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の精神障害に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、方法は、SARM化合物を含む組成物、および中枢神経系を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類、またはそれらの組み合わせを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、精神障害は、アスペルガー症候群、注意欠陥多動性障害、自閉症性障害、双極性障害、境界性人格障害、カプグラ症候群、小児行動障害、戦闘障害、気分循環性障害、依存性人格障害、うつ病性障害、解離性障害、気分変調性障害、摂食障害、放火行動、心気症、衝動制御障害、クライネレヴィン症候群、精神障害、小児期に診断された精神障害、多重人格障害、ミュンヒハウゼン症候群、ミュンヒハウゼン症候群、自己愛性人格障害、ナルコレプシー、強迫性障害、性嗜好異常、恐怖症、精神病、下肢静止不能症候群、統合失調症、季節性感情障害、性障害および性別障害、性機能障害、心理学的、睡眠障害、身体表現性障害、ストレス障害、外傷後、物質関連障害、自殺行動、または抜毛癖を含む。
一実施形態において、「うつ」は、個人の食べ方、眠り方、自分についての感じ方、および物についての考え方に影響を与える、身体、気分および思考に関与する病気を意味する。うつの徴侯および症状は、活動に対する興味の損失、食欲の減退または過食、感情表現の損失、空虚感、絶望感、非観、罪悪感または無力感、引きこもり、疲労、睡眠障害、集中、記億または決断が困難となること、不穏、過敏、頭痛、消化器疾患または慢性の痛みを含む。
一実施形態において、「認知」は、知ることの過程、特に、認識する、知る、考える、学ぶおよび判断する過程を意味する。認知は、心理学、言語学、コンピュータサイエンス、神経科学、数学、動物行動学および哲学の分野に関連する。一実施形態において、「気分」とは、気質または心理状態を意味する。本明細書で意図される通り、変化とは、認知および/または気分の積極的または否定的なあらゆる変化を意味する。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の肝疾患に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗癌剤、免疫調節剤、胃腸管系を治療する薬剤、抗感染剤、肝臓を治療する薬剤、代謝疾患を治療する薬剤、消耗疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類、またはそれらの組み合わせを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、肝疾患は、肝癌、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎、慢性肝疾患、肝硬変、肝炎、ウイルス肝炎(A型肝炎、B型肝炎、慢性B型肝炎、C型肝炎、慢性C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、X型肝炎)、肝不全、黄疸、新生児黄疸、肝細胞腫、肝癌、肝膿瘍、アルコール性肝疾患、ヘモクロマトーシス、ウィルソン病、門脈圧亢進症、原発性硬化性胆管炎、サルコイドーシス、サナダムシ、多包虫症、肝蛭症、住血吸虫症、ゴーシェ病、ツェルウェガー症候群、アルコール依存、食中毒、肺炎球菌性肺炎、またはビブリオバルニフィカスを含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の腎疾患に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗癌剤、免疫調節剤、抗糖尿病薬、胃腸管系を治療する薬剤、抗感染剤、腎臓を治療する薬剤、代謝疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類、またはそれらの組み合わせを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、腎疾患は、先端巨大症、急性腎不全(ARF)アミロイドーシス、常染色体優性多発性嚢胞腎、腎結石、腎嚢胞、常染色体劣性多発性嚢胞腎、慢性腎不全(DRF)、慢性腎疾患、慢性腎臓病(CKD)、コフィンローリー症候群、肺性心、クリオグロブリン血症、糖尿病性腎症、脂質代謝異常、ゴーシェ病、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、溶血性尿毒症症候群、肝炎、腎癌、腎結石、白血病、リポタンパク質血症、ループス、多発性骨髄腫、腎炎、多発性腎嚢胞(polyartekidney cysts)、連鎖球菌感染後糸球体腎炎、糸球体腎炎、腎臓痛、子癇前症、腎結核、腎盂腎炎、腎尿細管性アシドーシス腎疾患、連鎖球菌毒素ショック症候群、血栓塞栓症、トキソプラズマ症、尿路感染症、尿毒症、膀胱尿管逆流、またはウィリアムズ症候群を含む。いくつかの実施形態において、治療される腎疾患は、代謝症候群を含む。
一実施形態において、腎疾患または障害は、急性であるか、別の実施形態においては、慢性である。一実施形態において、治療方法が有用であり得る腎疾患または障害の臨床適応は、尿円柱、測定されたGFR、または腎機能の他のマーカーを含む。
一実施形態において、腎疾患または障害は、慢性腎疾患(CKD)である。いくつかの実施形態において、CKD患者の治療は、進行した疾患(尿毒症)に罹患する者の治療を含み、筋肉消耗、反復した異化の刺激(慢性感染、透析)、食欲不振、または他の関連した状態の治療を含み得るが、これは疾患を治療するということ意味するものを含む。一実施形態において、本発明のSARM化合物は、対象の筋肉および物理的機能の増加に、また、いくつかの実施形態においては、対象の生活の質の向上、罹患率および/または死亡率の低下、インスリン耐性の向上および他の関連する状態に有用であり、よって、本明細書に説明する障害に冒される対象を治療する。いくつかの実施形態において、本発明の化合物/組成物は、特に、身体的機能の低下、日常活動を遂行する能力がない、筋力の低下、運動能力の低下、虚弱の増大および/または生活の質の低下をもたらすものを含む、対象の機能障害を治療または改善する。
一実施形態において、CKDは、対象に機能障害を生じやすくするため、慢性炎症性状態の存在、局所および全身炎症作用、脂肪の増加(例えば、内臓脂肪)、LBMの低下および/または脂肪組織のいかなる悪影響も引き起こし得る。いくつかの実施形態において、タンパク同化ホルモンの投与等の従来の治療は、レベルの低下を引き起こすタンパク同化ホルモンへの耐性および処置への耐性(例えば、尿毒性毒素による)の結果としてこのような対象において有効性を失うが、本発明の化合物/組成物は、いくつかの実施形態において、このようなシナリオにおいて有効であり得る。
一実施形態において、本発明の化合物IIIおよびそれを含む組成物は、特に、いくつかの実施形態においては、除脂肪体重(LBM)の増加、身体的機能の向上、生活の質の向上、脂肪の減少、身体的機能の向上、筋肉異化の低下、腎代謝症候群の改善または治療、インスリン耐性の発生リスクの減少および/または心疾患リスクの減少によって、第3および4CKDの改善に有用である。
一実施形態において、本発明のSARM化合物は、末期腎疾患(透析)患者の筋肉消耗および身体機能を向上する。いくつかの実施形態において、本発明の治療方法は、尿毒性悪液質および/またはそれに関連する合併症、疾患および/または状態の治療に有用である。
いくつかの実施形態において、上述のためのSARM化合物の投与は、1日、1または3mgの用量である。
一実施形態において、本発明の方法は、腎疾患または障害になりやすい対象において有用である。一実施形態において、対象に関して「腎疾患または障害になりやすい」という句は、「リスクのある対象」という句と同義語であり、対象が、合理的に、ネフロンユニット機能の進行性欠損と関連する腎機能の進行性欠損に罹患すると思われる場合、急性または慢性腎不全のリクス、または腎移植治療の必要性のリスクのある対象を含む。特定の対象がリスクを有するかどうかは、適切な医学分野または獣医学分野の当事者により日常的に行われ得る判断である。
一実施形態において、腎疾患の対象、特に、末期腎疾患(ESRD)の男性対象が、性腺機能低下に罹患するが、随伴的な中程度から重度のタンパク質−エネルギー栄養不足(PEM)を伴う者もおり、これは、より高用量のEPOの必要性、より低いQOLスコア、およびより高い死亡率をもたらす。多くは、疲労、食欲減退、筋力低下等を含む性腺機能低下に関連する他の症状を有する。いくつかの実施形態において、本発明の治療方法は、腎疾患または障害によって対象にもたらされる性腺機能低下に関連する症状の治療に有用である。別の実施形態において、女性のアンドロゲン欠乏(ADIF)、高齢男性(ADAM)のアンドロゲン欠乏によって対象にもたらされるのは、疲労、うつ、性欲減退、勃起機能障害、認知力の低下、気分の低下、アンドロゲン機能不全(男性または女性)、およびアンドロゲン欠乏(男性または女性)を含む。
一実施形態において、糖尿病性腎症は、早期、特に、糖尿病の臨床診断が行われる前に発達する糖尿病の合併症である。最も早い腎症の臨床的証拠は、尿中(微量アルブミン)の低いが異常なレベル(>30mg/日または20μg/分)のアルブミンの現れであり、その後、10から15年の期間に渡り発症するアルブミン尿(>300mg/24時間または200μg/分)が続く。I型糖尿病の患者において、糖尿病性腎症は、一般的に、患者が微量アルブミン症を発症する時までに、早い時期に明らかになる。一度明白な腎症が生じると、糸球体濾過率(GFR)は、数年かかり得る時間の経過中に低下し、糖尿病群に末期腎症(ESRD)を引き起こす。
高血圧症は、腎疾患の別の併存因子である。いくつかの実施形態において、本発明による腎症治療は、SARMおよび高血圧症を治療する薬剤との併用治療を含み得る。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の消耗疾患に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗癌剤、免疫調節剤、抗糖尿病薬、心血管系を治療する薬剤、胃腸管系を治療する薬剤、中枢神経系を治療する薬剤、代謝疾患を治療する薬剤、消耗疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類、またはそれらの組み合わせを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、消耗疾患は、筋肉損傷、床上安静、不動、神経損傷、神経疾患、糖尿病性神経症、食欲不振、神経性食欲不振症、悪液質に関連する食欲不振、加齢に関連する食欲不振、脊髄亜急性連合変性、糖尿病、関節リウマチ、運動神経疾患、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、手根管症候群、慢性感染症、結核、アジソン病、成熟SMA(adult sma)、肢筋萎縮症、背中腫瘍(back tumour)、皮膚筋炎、腰癌、封入体筋炎、色素失調症、肋間神経痛、若年性関節リウマチ、レッグ−カルヴェ−ペルテス病、筋萎縮症、多巣性運動ニューロパシー、ネフローゼ症候群、骨形成不全症、ポリオ後症候群、肋骨腫瘍、脊髄性筋萎縮症、反射性交感神経性ジストロフィー、またはテイサックス病を含む。
消耗状態または障害は、本明細書において、少なくとも、一つには、異常な進行性の身体、臓器または組織塊の損失により特徴付けされる状態または障害として定義される。消耗状態は、当該分野の当事者に理解されるように、例えば、癌等の病変の結果として生じる、もしくは例えば、長期安静による、または肢がギブス等で固定される時、または糖尿病患者に生じるような、例えば切断を含む多数の創傷の発生に伴い生じる未使用体調偏移等の生理学的または代謝状態による可能性がある。消耗状態は、年齢にも関連する。消耗状態中に生じる体重の損失は、全体重の損失、または組織タンパク質の減少による骨または筋肉塊の損失等の臓器重量の損失により特徴付けできる。
一実施形態において、「筋肉消耗」又は「筋性消耗」という用語は、進行性の筋肉の損失および/または動作を制御する骨格筋または随意筋、心臓を制御する心筋、および平滑筋を含む、進行性の筋肉の衰弱および減退を意味する。一実施形態において、筋肉消耗状態または障害は、慢性の筋肉消耗状態または障害である。「慢性筋肉消耗」とは、本明細書において、慢性(つまり、長期間に渡り持続する)の進行性筋肉量の損失および/または慢性の進行性の筋肉の衰弱および減退として定義される。
筋肉消耗中に生じる筋肉量の損失は、筋肉タンパク質異化による筋肉タンパク質の分解または劣化により特徴付けることができる。タンパク質異化は、異常に高率のタンパク質劣化、異常に低率のタンパク質合成、または両方の組み合わせにより生じる。高度のタンパク質劣化または低度のタンパク質合成により生じるかどうかに関わらず、タンパク質異化または欠乏は、筋肉量の減少および筋肉消耗につながる。「異化」という用語は、特異的に、代謝のエネルギー燃焼の形態として、当該分野で一般的に周知の意味を有する。
筋肉消耗は、例えば、末期腎不全等の本発明の方法を介して治療される障害を含む、病変、疾患、状態または障害の結果として生じる可能性がある。
いくつかの実施形態において、本発明は、スタチン誘発横紋筋融解症の予防方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、スタチン誘発横紋筋融解症、臓器不全もしくは機能不全の予防方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、スタチン誘発腎臓または肝臓不全または機能不全の予防方法を提供する。一実施形態において、本方法は、SARM化合物およびスタチンを含む組成物を対象に投与するステップを含む。
一実施形態において、消耗疾患は、悪液質または対象の付随意の体重損失である。別の実施形態において、本発明は、腎疾患に罹患する対象の筋肉消耗を治療する、予防する、阻害する、低減するまたは抑制する方法を提供する。一実施形態において、本発明は、腎疾患または障害に罹患する対象のタンパク質異化を治療する、予防する、阻害する、低減するまたは抑制する方法を提供する。
悪液質は、疾患により、または病気の副作用として生じる衰弱および体重の損失である。病気または損傷による長期入院、もしくは例えば、肢が固定される時に生じる未使用体調偏移も、筋肉消耗をもたらす可能性がある。研究は、長期間に渡り入院する、損傷、慢性の病気、熱傷、心的外傷または癌に罹患する患者において、結果として体重の減少を伴う、持続する一側性の筋肉消耗が存在することを示している。本明細書でさらに説明する、例えば脊髄損傷等の神経系損傷も寄与因子であり得る。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の消耗疾患または障害に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。別の実施形態において、消耗疾患および障害は、特に、a)後天性免疫不全症候群(AIDS)消耗、b)床上安静に関連する消耗、c)過食症および/または過食症に関連する消耗、c)悪液質、d)癌性悪液質、e)HIV消耗、f)悪液質の減少および長期の重症の病気、肺機能障害、人口呼吸器依存、加齢、AIDS、心的外傷、外科手術、うっ血性心不全、心筋症、熱傷、癌、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、過食症、神経性食欲不振、食欲不振、飢餓および/またはうつ等の摂食障害によるタンパク質の損失を含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の病弱な状態に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、病弱な状態は、ポリオ後症候群である。一実施形態において、方法は、SARM化合物を含む組成物、および免疫調節剤、抗糖尿病薬、心血管系を治療する薬剤、胃腸管系を治療する薬剤、中枢神経系を治療する薬剤、代謝疾患を治療する薬剤、消耗疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、ビタミン類、またはそれらの組み合わせを対象に投与するステップを含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の性機能低下状態に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、本発明は、対象の薬物療法誘発による性機能低下状態に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。いくつかの実施形態において、性腺機能低下は、女性および男性の両方における性腺からのホルモン分泌を変化させる治療により生じる。いくつかの実施形態において、性腺機能低下は、「原発性」または「中枢性」であり得る。原発性性腺機能低下において、卵巣または精巣自体が適切に機能しない。いくつかの実施形態において、性腺機能低下は、外科手術、放射、遺伝性および発達障害、肝臓および腎臓疾患、感染または特異的な自己免疫障害により誘発され得る。いくつかの実施形態において、閉経は、性腺機能低下の形態である。閉経は、いくつかの実施形態において、女性のエストロゲンレベルが低下するため、無月経、ほてり、膣乾燥、または易刺激を生じる。一実施形態において、本方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗癌剤、免疫調節剤、抗糖尿病薬、心血管系を治療する薬剤、胃腸管系を治療する薬剤、中枢神経系を治療する薬剤、代謝疾患を治療する薬剤、消耗疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、皮膚障害を治療する薬剤、ビタミン類、またはそれらの組み合わせを対象に投与するステップを含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の骨減少状態に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、本発明は、対象の薬物療法誘発による骨減少状態に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。いくつかの実施形態において、骨減少症は、骨量の軽度の薄化である。いくつかの実施形態において、骨減少症は、骨粗しょう症の前駆状態である。いくつかの実施形態において、骨減少症は、正常な若年成人の骨密度より1標準偏差(SD)から2.5SD低い骨密度として定義される。一実施形態において、本方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗癌剤、免疫調節剤、抗糖尿病薬、心血管系を治療する薬剤、胃腸管系を治療する薬剤、中枢神経系を治療する薬剤、代謝疾患を治療する薬剤、消耗疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、皮膚障害を治療する薬剤、抗感染剤、肝臓を治療する薬剤、腎臓を治療する薬剤、ビタミン類、またはそれらの組み合わせを対象に投与するステップを含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象の筋肉減少状態に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、本発明は、対象の薬物療法誘発による筋肉減少状態に関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。いくつかの実施形態において、筋肉減少症は、筋肉量の著しい損失である。一実施形態において、筋肉減少症の定義は、正常な若年成人の平均と比較して2標準偏差減より低い除脂肪体重であることである。いくつかの実施形態において、筋肉減少症は、遺伝因子、循環の変化、毛細管:筋繊維比の低下、運動神経の変化、除神経、運動終板の劣化、I型糖尿病の選択的神経再支配、筋肉破損を生じる炎症反応、運動不足、栄養不良、低食事タンパク質摂取、ビタミンDの欠乏、加齢に関連するビタミンDの減少、酸化ストレス、筋肉ミトコンドリア変異、特定の筋線維タイプの変化、筋肉タンパク質の減少、無力疾患(disabling disease)、脳卒中、アルツハイマー病、パーキンソン病、骨粗しょう症、粥状動脈硬化、真性糖尿病、高インスリン血症、腎不全、または性腺機能低下症により生じる。一実施形態において、本方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗癌剤、免疫調節剤、抗糖尿病薬、心血管系を治療する薬剤、胃腸管系を治療する薬剤、中枢神経系を治療する薬剤、代謝疾患を治療する薬剤、消耗疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、皮膚障害を治療する薬剤、抗感染剤、肝臓を治療する薬剤、腎臓を治療する薬剤、ビタミン類、またはそれらの組み合わせを対象に投与するステップを含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に説明するように、対象の疾患および/または障害の組み合わせに関連する症状を治療する、その発症率を低減する、その発症または進行を遅延する、もしくは低減するおよび/または抑止するための方法を提供する。一実施形態において、本方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗癌剤、免疫調節剤、抗糖尿病薬、心血管系を治療する薬剤、胃腸管系を治療する薬剤、中枢神経系を治療する薬剤、代謝疾患を治療する薬剤、消耗疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、皮膚障害を治療する薬剤、抗感染剤、肝臓を治療する薬剤、腎臓を治療する薬剤、ビタミン類、またはそれらの組み合わせを対象に投与するステップを含む。
本明細書に説明される本発明のいかなる方法も、記載する疾患、障害または状態を治療するために、本明細書に説明されるSARM化合物、もしくはそれを含む組成物を対象に投与することを包含することと理解するものとする。本明細書に説明される各および/または全ての本方法は、当該分野の当事者に理解されるように、本明細書に説明するさらなる治療薬の投与をさらに含み得る。
いくつかの実施形態において、本発明は、乳、精子または卵子等の生成を増強する方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、赤身肉または卵の生成を増強する方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、例えば、精子数の増加、精子形態の改善等、飼料または繁殖用家畜の生産性を向上する方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、例えば、産卵ニワトリ、乳牛等の家畜の生産寿命を拡大する、および/または例えば、免疫クリアランスの向上、丈夫な動物等の群れの健康を増強する方法を提供する。
一実施形態において、本方法は、SARM化合物を含む組成物、および抗癌剤、免疫調節剤、抗糖尿病薬、心血管系を治療する薬剤、胃腸管系を治療する薬剤、中枢神経系を治療する薬剤、代謝疾患を治療する薬剤、消耗疾患を治療する薬剤、遺伝子治療薬、内分泌系を治療する薬剤、皮膚障害を治療する薬剤、抗感染剤、肝臓を治療する薬剤、腎臓を治療する薬剤、ビタミン類、栄養添加物、ホルモン類、本明細書に説明する各および/または全て、もしくは本明細書に説明するいかなる他の治療薬、もしくはそれらの組み合わせを対象に投与するステップをも含む。
別の実施形態において、本発明は、対象の嚢胞性線維症およびその結果として誘発される性腺機能低下状態、てんかんおよびその結果として誘発される性機能低下および/または異化亢進状態、遺伝性血管浮腫、エリテマトーデスおよびその結果としてのBMDの低下、アルコールおよび喫煙により誘発される骨粗しょう症を治療する方法を提供し、本方法は、本明細書に説明されるSARMを対象に投与するステップを含む。
別の実施形態において、本発明は、対象のポリオおよびポリオ後症候群、および他の無力状態、スタチン誘発の横紋筋融解症、スタチン誘発の筋肉衰弱、スタチン誘発の臓器不全または機能不全を治療する方法を提供し、本方法は、当該分野の当事者に理解されるように、本明細書に説明されるSARMを、任意にスタチンと共に、および/または必要に応じてあらゆる治療薬と共に投与するステップを含む。
別の実施形態において、本発明は、オピオイド誘発のアンドロゲン欠乏(OPIAD)を治療する方法を提供し、本方法は、本明細書に説明するSARM、および任意に、オピエート、オピオイド、麻薬等、カディアン等の長時間作用のオピエート/オピオイド、持続放出モルヒネ、FDAにより承認された全てのオピエート/オピオイド/麻薬剤、ヘロイン中毒の治療に使用されるオピエート/オピオイド、悪性腫瘍の慢性の痛みに使用されるオピエート/オピオイド、非悪性の慢性の疼痛症候群に使用されるオピエート/オピオイドを対象に投与するステップを含む。
別の実施形態において、本発明は、神経系疾患、障害または状態を治療する方法を提供し、本方法は、本明細書に説明するSARM、および任意に、例えばゾテピン、ハロペリドール、アミスルプリド、リスペリドン、他のD2ドーパミン受容体拮抗薬等の抗精神薬、バルプロ酸、カルバマゼピン、オキシカルバマゼピン等の抗てんかん薬、もしくはそれらの組み合わせを対象に投与するステップを含む。
別の実施形態において、本発明は、ホルモン依存疾患、障害または状態を治療する方法を提供し、本方法は、本明細書に説明するSARM、および任意に、化学療法薬、および治療(メトトレキサート、シクロホスファミド、イホスファミド、アドリアマイシン、ドキソルビシン、グリココルチコイド、シクルスピロン、L−チロキシン、SERM、AI、フルベストラント、GnRH剤、ADT、ホルモン置換療法の停止、全脳照射、末梢部照射等)、プロラクチネミア誘発の薬物療法(5HT2受容体を通して作用するセトロニン作動抗うつ剤、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、三環系抗うつ剤、メチルドーパ、レセルピン、クロニジンおよびベラパミル等の抗降圧薬)、メトクロプラミド等の抗ドーパミン作動制吐薬、シメチジンおよびラニチジン等のH2受容体拮抗薬、エストロゲン、アンフェタミン、AR部分的拮抗薬(ケトコナゾール、スピロノラクトン、エプレレノン)を対象に投与するステップを含む。
別の実施形態において、本明細書に説明するSARMおよび組成物は、外科手術後の回復の促進または加速に有用である。
一実施形態において、本発明は、対象の体脂肪量を削減するために、本明細書に説明するSARM化合物の使用を提供する。別の実施形態において、本発明は、本明細書に説明するSARM化合物、もしくはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝物、誘導体、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、N酸化物、水和物、またはそれらの任意の組み合わせ、もしくはそれを含む組成物の使用においてこのような方法を提供する。
別の実施形態において、本発明は、対象の腹部の脂肪蓄積の治療、身体構成の向上、体脂肪含量の低減、脂肪量の低下、血中脂質プロファイルの向上、筋肉量/筋力/筋肉機能の増加、骨量/BMD/強度/機能の増加、体脂肪の低下、先天性高インスリン血症、クッシング病(高コルチゾール血症)、代謝症候群に関連する肥満または糖尿病を治療するために、本明細書に説明するSARM化合物、もしくはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、水和物、N酸化物、またはそれらの任意の組み合わせの使用を提供する。
別の実施形態において、該対象は、ホルモン不均衡、障害、または疾患を有する。別の実施形態において、該対象は、閉経である。
一実施形態において、本発明は、対象の除脂肪量を増加するために、本明細書に説明するSARM化合物の使用を提供する。別の実施形態において、このような使用は、本明細書に説明するSARM化合物、もしくはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝物、誘導体、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、N酸化物、水和物、またはそれらの任意の組み合わせの投与を含む。
一実施形態において、該対象は、ホルモン不均衡、障害または疾患を有する。別の実施形態において、該対象は閉経である。
実施例1は、式IIIの化合物はタンパク同化性であるが、最小のアンドロゲン性を有し、よって、このような化合物は、アンドロゲンが過去に禁忌であった対象群の治療に有用であり得ることを示す。式IIIの化合物は、前立腺に抗増殖効果を及ぼす一方、テストステロンの存在または不在にかかわらず、筋肉成長を刺激することを示し、よって、一実施形態において、本発明の方法は、筋肉減少症または悪液質の患者の筋肉量の損失を回復するために提供する。
一実施形態において、本明細書に説明するSARM化合物は、対象のレプチンレベルを変化させる。別の実施形態において、本明細書に説明するSARM化合物は、レプチンのレベルを低下する。別の実施形態において、本明細書に説明するSARM化合物は、対象のレプチンのレベルを上昇する。レプチンは、肥満マウスの体重損失の食欲に効果があることが知られており、よって、肥満に関係付けられている。
本明細書に説明するSARM化合物は、一実施形態において、循環に影響し、別の実施形態において、レプチンの組織レベルに影響する。一実施形態において、「レプチンのレベル」という用語は、レプチンの血清レベルを意味する。本明細書で意図する通り、SARM化合物は、生体外および生体内で、レプチンへの効果を有する。レプチンのレベルは、当該分野の当事者に周知の方法、例えば、市販しているELISAキットにより測定可能である。さらに、レプチンのレベルは、当該分野の当事者に周知の任意の方法で、生体外アッセイまたは生体内アッセイにより測定され得る。
レプチンは、食欲、体重損失、食物摂取およびエネルギー消費に関係付けられているため、レプチンのレベルを調節および/制御することは、肥満に罹患する対象の肥満を治療する、予防する、阻害する、またはその発症率を低減する有用な治療アプローチである。レプチンのレベルの調節は、該対象の食欲の減退、食物摂取の低減、およびエネルギー消費の増加をもたらすことが可能であり、よって、肥満の制御および治療一因となり得る。
「肥満」という用語は、一実施形態において、身体の脂肪の過剰蓄積の結果として、骨格および物理的要求の制限を超えた体重の増加として定義される。
「肥満に関連する代謝障害」という用語は、一実施形態において、肥満の結果、肥満により悪化した、または肥満に続発する障害を意味する。このような障害の例は、変形性関節症、II型真性糖尿病、血圧の上昇、脳卒中および心疾患であるが、これに限定されない。
コレステロール、トリアシルグリセロールおよび他の脂質は、例えば、非常に低密度リポタンパク質(VLDL)、中間密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)、および高密度リポタンパク質(HDL)等の、その密度により分類され得るリポタンパク質により体液内で輸送される。
血中の高レベルのLDL−コレステロールは、一つには動脈、特に冠動脈の内壁での脂質の堆積により特徴付けされる進行性疾患である粥状動脈硬化と相関関係がある。LDLコレステロールの高血中レベルは、冠動脈心疾患と相関関係があることも知られている。また、負の相関関係がHDLコレステロールの血中レベルと冠動脈心疾患との間で存在する。
HDLコレステロール、LDLコレステロール、VLDLコレステロールおよびカイロミクロン・コレステロールの合計である、血中の総コレステロールのレベルは、必ずしも冠動脈心疾患および粥状動脈硬化のリスクの予測とはならない。
しかしながら、粥状動脈硬化とLDLコレステロールレベルとの間の相関関係は、粥状動脈硬化と総血清コレステロールレベル間の類似した間相関関係より非常に高い。
一実施形態において、本発明は、該対象の脂質プロファイルの向上および/または循環脂質レベル低減のために、本明細書に説明するSARM化合物の使用方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明の態様に従うと、対象は、粥状動脈硬化およびその関連疾患、早期老化、アルツハイマー病、脳卒中、中毒性肝炎、ウイルス性肝炎、末梢血管機能不全、腎疾患および/または高血糖症を含む1つ以上の状態を患い、本発明は、いくつかの実施形態において、該対象の脂質プロファイルへの影響を高める、本明細書に説明するSARM化合物またはそれを含む組成物の投与を提供するが、これは本方法が、記述する疾患、障害および状態の治療に有用である手段である。
一実施形態において、本発明は、粥状動脈硬化、および例えば、心血管障害、脳血管障害、末梢血管障害またはその組み合わせ等、その関連疾患の治療を提供する。
一実施形態において、心血管障害は、高血圧(HTN)、冠動脈疾患(CAD)または心筋血流からなる。別の実施形態において、本発明は、大動脈平滑筋細胞増殖を促進するために、本明細書に説明される組成物の使用方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、粥状動脈硬化を治療するために、本明細書に説明する組成物の使用方法を提供する。別の実施形態において、本発明は血圧を低下するために、本明細書に説明する組成物の使用方法を提供する。別の実施形態において、心筋症、心筋梗塞、心肥大および認知性心不全等の心機能不全を含む、心疾患および障害を治療するために、本明細書に説明する組成物の使用方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、インスリン耐性における心保護を含む心保護、IおよびII型糖尿病、代謝症候群、症候群Xおよび/または高血圧を治療するために、本明細書に説明する組成物の使用方法を提供する。
一実施形態において、本発明は、式(IからXX)の化合物またはそのそのプロドラッグ、エステル、類似体、異性体、代謝物、誘導体、医薬的に許容される塩、医薬生成物、多形、結晶、不純物、N酸化物、水和物、またはそれらの任意の組み合わせ、もしくはそれを含む医薬組成物を投与するステップを含む、対象の心血管および/または脳血管疾患を治療する、予防する、これによる死亡率のリスクを低減する方法を提供する。一実施形態において、SARM化合物は、式IIIの構造により特徴付けられる。
一実施形態において、式IからXXの化合物は、LDLおよび総コレステロールレベルを低減し、一実施形態においては、式IIIのSARM化合物は、対象のLDLおよび総コレステロールレベルを低減する。
別の実施形態において、式IからXXの化合物は、HDL上昇剤と同時投与される。別の実施形態において、式IIIの化合物は、HDL上昇剤と同時投与される。別の実施形態において、HDL上昇剤は、ナイアシンを含む。別の実施形態において、HDL上昇剤は、ゲムフィブロジル(ロピッド)、チオ尿素ベースのゲムフィブロジル類似体およびフェノフィブラード(トライコア)を含むフィブラート系薬剤を含む。別の実施形態において、HDL上昇剤は、スタチンを含む。別の実施形態において、HDL上昇剤は、1−ヒドロキシアルキル−3−フェニルチオ尿素およびその類似体を含む。
一実施形態において、本発明は、対象の循環脂質レベルを低減する方法を提供し、該方法は、式IからXXの選択的アンドロゲン受容体モジュレータ(SARM)化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物、N酸化物またはそのあらゆる組み合わせ、もしくはそのそれを含む組成物を投与するステップを含む。一実施形態において、該対象は、粥状動脈硬化およびその関連疾患、早期老化、アルツハイマー病、脳卒中、中毒性肝炎、ウイルス性肝炎、末梢血管機能不全、腎疾患、高血糖症、もしくはその組み合わせに罹患する。
一実施形態において、本発明は、対象の、例えば、心血管障害、脳血管障害、末梢血管障害または腸血管障害等の粥状動脈硬化およびその関連疾患を治療する方法を提供し、本方法は、式IからXXの選択的アンドロゲン受容体モジュレータ(SARM)化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物、N酸化物またはそのあらゆる組み合わせ、もしくはそれを含む組成物を投与するステップを含む。本方法は、心血管障害、脳血管障害、末梢血管障害、または腸血管障害の治療に有意であると知られている(一つ又は複数の)薬剤等と同時投与、後続投与または前投与をさらに含み得る。
一実施形態において、本発明は、対象の、例えば該対象の関節炎を治療することにより、機敏さおよび動作を向上する方法を提供する。
「関節炎」という用語は、別の実施形態において、主に、高齢者に生じる非炎症性変形関節疾患を意味し、関節軟骨の変性、骨および周縁部の肥大、滑膜の変化等により特徴付けされる。他の実施形態において、特に長時間の活動後に痛みおよび凝りを伴う。
「糖尿病」という用語は、一実施形態において、制御不可の炭化水素代謝をもたらすインスリンの相対的または絶対的不足を意味する。多くの患者は、臨床的に、インスリン依存性真性糖尿病(IDDMまたはI型糖尿病)または非インスリン依存性糖尿病(NIDDMまたはII型糖尿病)のいずれかに分類することが可能である。
「高血圧」または「高血圧症」という用語は、別の実施形態において、繰り返して140/90mmHgより高い高血圧を意味する。慢性的な高血圧は、眼底での血管の変化、心筋の厚化、腎不全、および脳傷害を引き起こし得る。
「脳卒中」という用語は、別の実施形態において、しばしば、血管の破裂または凝血により生じる不十分な血液供給により脳の神経細胞に傷害を与えることを意味する。「心疾患」という用語は、別の実施形態において、心不全を含む心臓の正常な機能および活動の機能不全を意味する。
さらに、近年、アンドロゲンは、間葉系多能性細胞の筋原性系譜への拘束、および脂肪生成系譜への分化の阻害に関与することが示されている(Singh et al.,endocrinology,2003,jul 24)。従って、SARM化合物は、本明細書の説明に従い、脂肪生成を阻害する、および/また幹細胞分化を変化させる方法において有用である可能性がある。
別の実施形態において、本発明は、対象の体重減少を促進する、増大するまたは容易する方法に関連し、該対象の体重の減少を促進する、増大するまたは容易にするのに有効な量の、本明細書に説明するSARMおよび/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、水和物、N酸化物、プロドラッグ、多形、結晶、もしくはそれらの任意の組み合わせを該対象に投与するステップを含む。
別の実施形態において、本発明は、対象の食欲を低下させる、抑制する、阻害するまたは減少させる方法に関連し、該対象の食欲を低下させる、抑制する、阻害するまたは減少させるのに有効な量の、本明細書に説明するSARMおよび/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、水和物、N酸化物、プロドラッグ、多形、結晶、もしくはそれらの任意の組み合わせを該対象に投与するステップを含む。
別の実施形態において、本発明は、対象の身体構成を変化させる方法に関連し、該対象の身体構成を変化させるのに有効な量の、本明細書に説明するSARMおよび/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、水和物、N酸化物、プロドラッグ、多形、結晶、またはそれらの任意の組み合わせを該対象に投与するステップを含む。一実施形態において、身体構成の変更は、該対象の除脂肪体重、無脂肪体重、もしくはそれらの組み合わせの変更を含む。
別の実施形態において、本発明は、対象の除脂肪体重または脂肪なし体重を変化させる方法に関連し、該対象の除脂肪体重または脂肪なし体重を変化させるのに有効な量の、本明細書に説明するSARMおよび/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、水和物、N酸化物、プロドラッグ、多形、結晶、もしくはそれらの任意の組み合わせを該対象に投与するステップを含む。
別の実施形態において、本発明は、対象の脂肪を除脂肪筋肉に変換する方法に関連し、該対象の脂肪を除脂肪筋肉に変換するのに有効な量の、本明細書に説明するSARMおよび/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、水和物、N酸化物、プロドラッグ、多形、結晶、もしくはそれらの任意の組み合わせを該対象に投与するステップを含む。
別の実施形態において、本発明は、対象の肥満に関連する代謝障害を治療する方法に関連し、該対象の肥満に関連する代謝障害を治療するのに有効な量の、本明細書に説明するSARMおよび/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、水和物、N酸化物、プロドラッグ、多形、結晶、もしくはそれらの任意の組み合わせを該対象に投与するステップを含む。
別の実施形態において、本発明は、対象の肥満に関連する代謝障害を予防する、抑制する阻害する、または低減する方法に関連し、該対象の肥満に関連する代謝障害を予防する、抑制する阻害する、または低減するのに有効な量の、本明細書に説明するSARMおよび/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、水和物、N酸化物、プロドラッグ、多形、結晶、もしくはそれらの任意の組み合わせを該対象に投与するステップを含む。
一実施形態において、肥満に関連する代謝障害は、高血圧症である。別の実施形態において、本障害は、変形性関節症である。別の実施形態において、本障害は、II型真性糖尿病である。別の実施形態において、本障害は、高血圧である。別の実施形態において、本障害は、脳卒中である。別の実施形態において、本障害は、心疾患である。
別の実施形態において、本発明は、対象の脂肪生成を減少する、抑制する、阻害するまたは低減する方法に関連し、本明細書に説明するSARMおよび/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、水和物、N酸化物、プロドラッグ、多形、結晶、もしくはそれらの任意の組み合わせを該対象に投与するステップを含む。
別の実施形態において、本発明は、対象の幹細胞分化を変化させる方法に関連し、該対象の幹細胞分化を変化させるのに有効な量の、本明細書に説明するSARMおよび/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、水和物、N酸化物、プロドラッグ、多形、結晶、もしくはそれらの任意の組み合わせを該対象に投与するステップを含む。
一実施形態において、本明細書に説明するSARMは、a)肥満を治療する、予防する、抑制する、阻害する、または低減する、b)体重の減少を促進する、増大する、または容易にする、c)食欲を減少させる、抑制する、阻害する、または低減する、d)身体構成を変化させる、e)除脂肪体重または脂肪なし体重を変化させる、f)脂肪を除脂肪筋肉に変換する、g)肥満に関連する代謝障害、例えば高血圧症、変形性関節症、真性糖尿病、MODY、高血圧、脳卒中または心疾患を治療する、予防する、抑制する、阻害する、または低減する、h)脂肪生成を減少させる、抑制する、阻害する、または低減する、i)幹細胞分化を変化させる、および/またはj)レプチンのレベルを変化させるのに有意である。
一実施形態において、本明細書に説明するSARMは、糖尿病の進行を治療するまたは停止する、もしくはその症状を治療する用途が認められる。別の実施形態において、本明細書に説明されるSARMは、糖尿病に関連する併存症の治療に有用である。これらの状態は、高血圧症、脳血管疾患、粥状硬化性冠動脈疾患、黄斑変性症、糖尿病性網膜症(眼疾患)および盲目、白内障−全身性炎症(赤血球沈降速度またはC−反応性タンパク質等の炎症性マーカーの上昇により特徴付けされる)、先天性欠損、妊娠に関連する糖尿病、子癇前症および妊娠高血圧症、腎疾患(腎臓機能不全、腎不全等)、神経疾患(糖尿病性神経症)、表層および全身性真菌感染、うっ血性心不全、痛風/高尿酸血症、肥満、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、脂肪肝疾患(非アルコール性脂肪性肝炎またはNASH)、および糖尿病性脂肪類壊死症(NLD)、糖尿病の疱疹(糖尿病性水疱)、噴出性黄色腫症、デジタル硬化症、散在性環状肉芽腫および黒色表皮腫等を含む糖尿病に関連する疾患を含む。
一実施形態において、本発明は、ヒト対象の(a)I型糖尿病、(b)II型糖尿病、(c)耐糖能障害、(d)高インスリン血症、(e)インスリン耐性、(f)腎症、(g)糖尿病性神経症、(h)糖尿病性網膜症、(i)脂肪肝状態、(j)MODY、および(k)心血管疾患を治療する、抑制する、阻害する、またはその発症率を低減する方法を提供し、式IからXXの選択的アンドロゲン受容体モジュレータ化合物を該対象に投与するステップを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に説明されるSARMおよび/またはその同等物を含む組成物は、糖尿病を有する対象に関連する疾患または状態に適用される、またはそれらを治療するために使用され得る。一実施形態において、本発明の方法を介する治療が求められる該対象は、I型糖尿病を有する者である。I型糖尿病は、膵β細胞の自己免疫破壊により特徴付けされる。β細胞の自己免疫破壊のマーカーは、90%の個人において、診断時に存在し、島細胞(ICA)、グルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)およびインスリン(IAA)への抗体を含む。この形の糖尿病は、通常、小児および青年に起こるが、全ての年齢で起こり得る。成人は、しばしば、長年ケトアシドーシスを防ぐために十分なインスリン分泌を維持するが、より若い患者は、一般的に、β細胞の急速な破壊を有し、ケトアシドーシスを伴って存在する。最終的には、全てのI型糖尿病患者は、正常血糖を維持するため、インスリン治療を必要とする。
一実施形態において、本発明は、II型糖尿病を治療する方法を提供する。II型糖尿病は、インスリン耐性、および疾患発生のある段階でのインスリン分泌の相対的欠乏により特徴付けされる。絶対的には、血漿インスリン濃度(空腹時および食事により刺激される)は、通常、増加するが、インスリン耐性の重症度対して「相対的」には、血漿インスリン濃度は、正常なグルコースの恒常性を維持するのには不十分である。しかしながら、時間と共に、β細胞の障害が進行し、絶対的なインスリン欠乏が後に続く。ほとんどのII型糖尿病者は、インスリン耐性と密接に関係する、腹腔内(内臓)肥満、脂肪肝を示す。該患者の肝臓は、インスリン耐性になり、グルコーゲンの分解が制御されず、結果として上昇した非生理的なグルコースが血流に送られる。肝臓生成のコレステロールおよびVLDL粒子も、制御されない。さらに、高血圧症、脂質異常症(高トリグリセリドおよび低いHDLコレステロールレベル、食後の高脂血症)、およびPAI−1レベルの上昇は、しばしば、これらの個人に存在する。この異常の集積は、「インスリン耐性症候群」または「代謝症候群」または肥満に関連する障害と呼ばれる。これらの異常のため、II型糖尿病の患者は、心筋梗塞および脳卒中等の大血管性の合併症にかかるリスクが増大する。
一実施形態において、本発明は、糖尿病性腎症を治療する方法を提供する。糖尿病性腎症は、一般的に臨床診断が行われる前の早期に発達する糖尿病の合併症である。最も早期の臨床的証拠は、尿中(微量アルブミン)の低いが異常なレベル(>30mg/日または20μg/分)のアルブミンの現れであり、その後10から15年の期間に渡り発症するアルブミン尿(>300mg/24時間または200μg/分)が続く。I型糖尿病の患者において、糖尿病性高血圧症は、一般的に、患者が微量アルブミン症を発症する時までの早い時期に明らかになる。一度明白な腎症が生じると、糸球体濾過率(GFR)は、数年かかり得る時間の経過中に低下し、糖尿病者に末期腎症(ESRD)を引き起こす。
一実施形態において、本発明は、糖尿病性神経症を治療する方法を提供する。糖尿病性神経症は、糖尿病により生じる神経障害の系統群である。糖尿病性神経症は、しびれ、そしてときどき痛み、および手、足および脚の脱力感を生じる。糖尿病における神経性障害は、消化管、心臓および生殖器を含むあらゆる臓器に生じ得る。糖尿病性神経症は、末梢、自律神経、近位端および局所的に分類される。末梢神経症は、つま先、足、脚、手および腕の痛みまたは感覚の喪失を引き起こす。自律神経症は、消化、腸および膀胱機能、性反応ならびに発汗の変化を引き起こし、心臓を動かし、血圧を制御する神経にも影響する。近位端神経症は、大腿、腰または臀部に痛みを引き起こし、脚の脱力感をもたらす。局所的神経症は、一つの神経、または神経群の突然の衰弱を引き起こし、筋肉に衰弱または痛みをもたらす。体のいかなる神経も罹患し得る。
一実施形態において、本発明は、糖尿病性網膜症を治療する方法を提供する。眼における糖尿病の影響は、糖尿病性網膜症と呼ばれる。糖尿病に罹患する患者は、白内障および緑内障等の眼障害を発症する傾向がある。視覚における糖尿病性網膜症の影響は、疾患の段階により幅広く異なる。糖尿病性網膜症の一般的な症状のいくつかは、霧視(これは、しばしば、血糖値と関連する)、浮遊物および閃光、ならびに突然の視覚の喪失である。
一実施形態において、本発明の方法を介する治療が求められる対象は、耐糖能障害を有する者である。耐糖能障害とは、血中グルコースが正常より高いが糖尿病の診断を保障するには十分でない、糖尿病前症である。
一実施形態において、本発明の方法を介する治療が求められる対象は、高インスリン血症を有する者である。高インスリン血症とは、膵臓に過剰な量のインスリンを分泌させる根本的な原因となる障害の兆候である。高インスリン血症の最も一般的な原因は、体がインスリンの作用に耐性があり、膵臓がより多くのインスリンを生成することにより補おうとする状態である、インスリン耐性である。高インスリン血症は、II型糖尿病と関連がある。
一実施形態において、本発明の方法を介する治療が求められる対象は、インスリン耐性である。インスリン耐性とは、正常な量のインスリンが脂肪、筋肉および肝細胞からの正常なインスリン反応を生成するのに不十分な状態である。脂肪細胞におけるインスリン耐性は、貯蔵されたトリグリセリドの加水分解を引き起こすが、これは血漿中の遊離脂肪酸を上昇させる。筋肉におけるインスリン耐性は、グルコースの取り込みを減少するが、肝臓におけるインスリン耐性は、グルコースの貯蔵を低減し、両方の作用は、血中グルコースの上昇に貢献する。インスリン耐性によるインスリンおよびグルコースの高血漿レベルは、しばしば、代謝症候群およびII型糖尿病をもたらす。
糖尿病および肝肥満は、一般的に、標的組織における脂質蓄積およびインスリン耐性を促進する、つまり、主に骨格筋および肝臓のインスリンの作用を減少する、遊離脂肪酸(FFA)レベルの上昇に関連する。インスリンの顕著な役割は、肝臓からのグルコース生成を低減することである。FFAは、「肝自己調節」と呼ばれる補正過程である、肝グリコーゲン分解の減少と並行される限り、それ自体は肝グルコース生成の上昇をもたらさない肝糖新生を刺激する。FFAは、インスリンの分泌を刺激し、インスリンは、部分的に、グリコーゲン分解の誘導因子であるグルカゴンの分泌を阻害することによりグリコーゲン分解を阻害する。しかしながら、長期間のFFAのレベルの上昇は、肝インスリン耐性、よって、肝自己調節の故障をもたらし、肝グルコースの生成を増加し、II型糖尿病を引き起こす。高血糖およびII型糖尿病は、主に脂肪肝および肝インスリン耐性により生じる。
一実施形態において、本発明は、脂肪肝を阻害(向上)する方法を提供することにより、肝臓のインスリン耐性が阻害(向上)され、したがって、II型糖尿病の基本的な問題が解決する。
一実施形態において、本発明は、糖尿病を有するヒト対象を治療する方法を提供し、式III
の選択的アンドロゲン受容体モジュレータ(SARM)化合物、
またはその異性体、医薬的に許容される塩、医薬組成物、水和物、N酸化物、もしくはそれらの任意の組み合わせを該対象に投与するステップを含む。
別の実施形態において、糖尿病は、I型糖尿病である。別の実施形態において、糖尿病は、II型糖尿病である。
一実施形態において、本発明は、ヒト対象の糖尿病を治療する、抑制する、阻害する、または低減する方法を提供し、式III:
の選択的アンドロゲン受容体モジュレータ(SARM)化合物、
またはその異性体、医薬的に許容される塩、医薬組成物、水和物、N酸化物、もしくはそれらの任意の組み合わせを該対象に投与するステップを含む。
別の実施形態において、糖尿病は、I型糖尿病である。別の実施形態において、糖尿病は、II型糖尿病である。
一実施形態において、本発明は、耐糖能障害を有するヒト対象を治療する方法を提供し、式III
の選択的アンドロゲン受容体モジュレータ(SARM)化合物、
またはその異性体、医薬的に許容される塩、医薬組成物、水和物、N酸化物、もしくはそれらの任意の組み合わせを該対象に投与するステップを含む。
一実施形態において、本発明は、ヒト対象の高インスリン血症を治療する方法を提供し、式III
の選択的アンドロゲン受容体モジュレータ化合物、
またはその異性体、医薬的に許容される塩、医薬組成物、水和物、N酸化物、もしくはそれらの任意の組み合わせを該対象に投与するステップを含む。
一実施形態において、本発明は、ヒト対象のインスリン耐性を治療する方法を提供し、式III
の選択的アンドロゲン受容体モジュレータ化合物、
またはその異性体、医薬的に許容される塩、医薬組成物、水和物、N酸化物、もしくはそれらの任意の組み合わせを該対象に投与するステップを含む。別の実施形態において、インスリン耐性の治療は、実施形態5に例示する。
一実施形態において、本発明は、ヒト対象の糖尿病性腎症を治療する方法を提供し、式III
の選択的アンドロゲン受容体モジュレータ化合物、
またはその異性体、医薬的に許容される塩、医薬組成物、水和物、N酸化物、もしくはそれらの任意の組み合わせを該対象に投与するステップを含む。
一実施形態において、本発明は、ヒト対象の糖尿病性神経症を治療する方法を提供し、式III
の選択的アンドロゲン受容体モジュレータ化合物、
またはその異性体、医薬的に許容される塩、医薬組成物、水和物、N酸化物、もしくはそれらの任意の組み合わせを該対象に投与するステップを含む。
一実施形態において、本発明は、ヒト対象の糖尿病性網膜症を治療する方法を提供し、式III
の選択的アンドロゲン受容体モジュレータ化合物、
またはその異性体、医薬的に許容される塩、医薬組成物、水和物、N酸化物、もしくはそれらの任意の組み合わせを該対象に投与するステップを含む。
一実施形態において、本発明は、ヒト対象の脂肪肝状態を治療する方法を提供し、式III
の選択的アンドロゲン受容体モジュレータ化合物、
またはその異性体、医薬的に許容される塩、医薬組成物、水和物、N酸化物、もしくはそれらの任意の組み合わせを該対象に投与するステップを含む。
一実施形態において、本発明は、ヒト対象の心血管疾患を治療する方法を提供し、式III
の選択的アンドロゲン受容体モジュレータ化合物、
またはその異性体、医薬的に許容される塩、医薬組成物、水和物、N酸化物、もしくはそれらの任意の組み合わせを該対象に投与するステップを含む。
一実施形態において、本発明は、a)粥状動脈硬化を治療する、予防する、抑制する、阻害する、b)脂肪堆積による肝障害を治療する、予防する、抑制する、阻害する方法を提供し、粥状動脈硬化および脂肪堆積による肝障害を治療、予防、または阻害するのに有効な量の、本明細書に説明するSARMおよび/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容される塩、医薬生成物、水和物、N酸化物、プロドラッグ、多形、結晶、もしくはそれらの任意の組み合わせ、もしくはそれを含む組成物を該対象に投与するステップを含む。
一実施形態において、本明細書に説明するSARMは、a)粥状動脈硬化を治療する、予防する、抑制する、阻害する、または低減するb)脂肪堆積による肝障害を治療する、予防する、抑制する、阻害するのに有用である。
一実施形態において、粥状動脈硬化は、動脈の最内層への損傷で始まり得る遅発で複雑な疾患を意味する。別の実施形態において、動脈壁への損傷の原因は、a)血中のコレステロールレベルの上昇、b)高血圧、c)たばこの煙、d)糖尿病を含み得る。別の実施形態において、たばこの煙は、粥状動脈硬化を非常に悪化させ、冠動脈、脚の大動脈および動脈におけるその成長を速めるという事実にもかかわらず、状態は、喫煙者において治療可能である。同様に、別の実施形態において、本発明の方法は、高い粥状動脈硬化のリスクを有する早発性心血管疾患家族歴をもつ対象の治療に有用であり得る。
一実施形態において、脂肪蓄積による肝障害は、肝臓の炎症に関連する、またはそれをもたらし得る脂肪肝を形成する肝細胞での脂肪の堆積を意味する。これは、肝臓に瘢痕および硬化を引き起こす。瘢痕が広範になると、硬変と呼ばれる。
別の実施形態において、脂肪は、肥満として肝臓に蓄積する。別の実施形態において、脂肪肝は、また、真性糖尿病、高血液トリグリセリド、および大量のアルコールの摂取に関連する。別の実施形態において、脂肪肝は、結核および栄養不良糖の特定の病気、肥満に対する腸バイパス手術、身体における過剰なビタミンA、またはバルプロ酸(商品名:デパケン/デパコート)および副腎皮質ステロイド(コルチゾン、プレドニソン)等の特定の薬剤の使用において起こり得る。脂肪肝は、ときどき、妊娠の合併症として起こる。
一実施形態において、腎疾患を伴う対象、特に、末期腎疾患(ESRD)を伴う男性対象は、性腺機能低下に罹患するが、随伴的な中程度から重度のタンパク質−エネルギー栄養不足(PEM)を伴う者もおり、これは、より高用量のEPOの必要性、低QOLスコア、および高死亡率をもたらす。多くは、疲労、食欲減退、筋力低下等を含む性腺機能低下に関連する他の症状を有する。いくつかの実施形態において、本発明の治療方法は、腎疾患または障害によって対象にもたらされる性腺機能低下に関連する症状の治療に有用である。
一実施形態において、糖尿病性腎症は、早期、特に、糖尿病の臨床診断が行われる前に発達する糖尿病の合併症である。最も早い腎症の臨床的証拠は、尿中(微量アルブミン)の低いが異常なレベル(>30mg/日または20μg/分)のアルブミンの現れであり、その後10から15年の期間に渡り発症するアルブミン尿(>300mg/24時間または200μg/分)が続く。1型糖尿病の患者において、糖尿病性高血圧症は、一般的に、患者が微量アルブミン症を発症する時までの早い時期に明らかになる。一度明白な腎症が生じると、糸球体濾過率(GFR)は、数年かかり得る時間の経過中に低下し、糖尿病群に末期腎症(ESRD)を引き起こす。
高血圧症は、腎疾患の別の併存因子である。いくつかの実施形態において、本発明による腎症治療は、SARMおよび高血圧症を治療する薬剤との併用治療を含み得る。
一実施形態において、化合物および/または組成物および/またはそれらの使用方法は、ヒト対象を治療するためであり、一実施形態において、該対象は、男性であるが、別の実施形態において、該対象は女性である。
本発明の方法を含む、本明細書に説明する化合物および/または組成物で治療され得るアンドロゲン依存状態は、加齢に関連する状態を含む。一実施形態において、本明細書に説明するSARMは、a)加齢に関連する機能低下(ARFD)、b)ARFDの回復または予防、c)高齢者におけるARFDの回復または予防、d)ARFD誘発の筋肉減少症または骨減少症、e)男性更年期、男性更年期血管運動症状、f)男性更年期女性化乳房、筋肉の力および/または機能、g)骨の強度および/または機能、h)憤怒、i)無力症、j)慢性疲労症候群、k)認知障害、および/または認識障害の発達に有意である。
一実施形態において、本明細書に説明するSARMは、a)関節炎の予防、治療または回復、b)ベーチェット病(自己免疫性血管炎)、滑液包炎、カルシウムピロリン酸エステル二水和物結晶(CPPD)、堆積疾患(deposition disease)(または偽痛風)、手根管症候群、結合組織障害、クローン病、エーラスダンロス症候群(EDS)、線維筋痛症、痛風、感染性関節炎、炎症性腸疾患(IBD)、若年性関節炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、ライム病、マルファン症候群、筋炎、変形性関節症、結節性多発動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、乾癬、乾癬性関節炎、レイノー現象、反射性交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、関節リウマチ、強皮症、シェーグレン症候群、腱炎または潰瘍性大腸炎等の関節炎状態の予防、治療、または回復、c)自己免疫疾患の予防、治療、または回復等の炎症および関連する障害の治療に有意である。
一実施形態において、本明細書に説明する組成物は、筋肉の減少、筋力の低下、虚弱、性腺機能低下、骨粗しょう症、骨減少症、BMDの減少および/または骨量の減少等の急性疲労症候群(術後)またはアンドロゲン抑制療法(ADT)誘発の副作用を含む医原性作用の予防に有意である。
一実施形態において、本発明の方法は、単独活性成分としてSARM化合物を投与するステップを含む。しかしながら、1つ以上の治療薬と併用してSARM化合物を投与することを含む、糖尿病および関連する障害、ホルモン療法、ドライアイ、肥満、前立腺癌の治療、前立腺癌の進行の遅延、および前立腺癌の再発の予防および/または治療、男性避妊法、骨粗しょう症の治療、ADIFに関連する状態の治療、および慢性筋肉消耗の治療および/または予防の方法は、本発明の範囲内に包含される。このような薬剤には、LHRH類似体、可逆性抗アンドロゲン、抗エストロゲン、抗ガン剤、5αレラクターゼ阻害剤、アロマターゼ阻害剤、プロゲスチン剤、他の核ホルモン受容体を通して作用する薬剤、選択的エストロゲン受容体モジュレータ(SERM)、プロゲステロン、エストロゲン、PDE5阻害剤、アポモルヒネ、ビスホスホネート、および1つ以上のさらなるSARMSが含まれるが、これに限定されない。
従って、一実施形態において、本発明の方法は、SARM化合物を投与するステップを含み、トログリタゾン、ロシグリタゾン、およびピオグリタゾン糖の糖尿病薬と併用してSARM化合物を投与するステップを含む。別の実施形態において、本発明の方法は、LHRH類似体と併用してSARM化合物を投与するステップを含む。別の実施形態において、本発明の方法は、可逆性抗アンドロゲンと併用してSARM化合物を投与するステップを含む。別の実施形態において、本発明の方法は、抗エストロゲンと併用してSARM化合物を投与するステップを含む。別の実施形態において、本発明の方法は、抗ガン剤と併用してSARM化合物を投与するステップを含む。別の実施形態において、本発明の方法は、5αレラクターゼ阻害剤と併用してSARM化合物を投与するステップを含む。別の実施形態において、本発明の方法は、アロマターゼ阻害剤と併用してSARM化合物を投与するステップを含む。別の実施形態において、本発明の方法は、プロゲスチンと併用してSARM化合物を投与するステップを含む。別の実施形態において、本発明の方法は、他の核ホルモン受容体を通して作用する薬剤と併用してSARM化合物を投与するステップを含む。別の実施形態において、本発明の方法は、選択的エストロゲン受容体モジュレータ(SERM)と併用してSARM化合物を投与するステップを含む。別の実施形態において、本発明の方法は、プロゲステロンと併用してSARM化合物を投与するステップを含む。別の実施形態において、本発明の方法は、エストロゲンと併用してSARM化合物を投与するステップを含む。別の実施形態において、本発明の方法は、PDE5阻害剤と併用してSARM化合物を投与するステップを含む。別の実施形態において、本発明の方法は、アポモルヒネと併用してSARM化合物を投与するステップを含む。別の実施形態において、本発明の方法は、ビホスホネートと併用してSARM化合物を投与するステップを含む。別の実施形態において、本発明の方法は、1つ以上のさらなるSARMと併用してSARM化合物を投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、上に記載するSARM化合物および薬剤を含む混合調製物を含む。いくつかの実施形態において、該混合調製物は、当該分野の当事者により容易に判断できるように、例えば、治療される患者亜集団の必要、または異なる必要が、特定の疾患、疾患の重症度、年齢、性別または体重によるものであり得る一人の患者の必要に対処するために変更することができる。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、一人の患者の必要を治療する個人化医療方法を含む。一実施形態において、異なる必要は、特定の疾患、疾患の重症度、患者の全体的な医療状態、または該患者の年齢による可能性がある。いくつかの実施形態において、個人化医療は、より良い医療行為の実施を標的にするためのゲノムデータの適用である。個人化医療の方法は、いくつかの実施形態において、本発明の新たな生成物の発見、および臨床試験におけるツールとしての機能を果たす。一実施形態において、個人化医療は、患者の特定の疾患または状態の素因の判断を助け得る臨床的に有用な診断ツールの適用を含む。いくつかの実施形態において、個人化医療は、医薬品および診断の発見および開発の全段階を通して決定を導くために患者と健康な個人の両方の分子分析を利用する、および予防、診断、治療および監視方法を通して正確かつ医療の質のより効率的な実施のための臨床実践において本知識を適用する包括的アプローチである。
本明細書に説明するいかなるSARMのいかなる使用も、本明細書に説明するいかなる疾患、障害または状態の治療にも使用され得、本発明の実施形態を表すことを理解するものとする。
以下の実施形態は、本発明の好適な実施形態をより完全に例示するために提示される。しかしながら、これらは、本発明の広範な範囲を制限すると解釈されるものではない。
実施例1
無処理およびORX対象における化合物IIIのアストロゲンおよびタンパク同化活性
材料および方法
体重が約200gのオスのスプラーグ−ドーレイラットをHarlan Bioproducts for Science(Indianapolis, IN)から入手した。食餌(7012C LM−485マウス/ラットの減菌可能な餌、Harlan Teklad,Madison,WI)および自由に摂取できる水と共に、動物を12時間の照光/遮光サイクルで維持した。動物プロトコルは、テネシー大学動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committee of the University of Tennessee)より審査され、承認を得た。無処理動物における化合物IIIのタンパク同化およびアンドロゲン活性を検証し、かつオキサンドロロンとも比較し、急性的に睾丸摘出した(ORX)動物における用量反応も検証した。慢性的(9日)ORXラットにおける化合物IIIの再生作用も評価した。
適切な用量濃度の調製のために、化合物を計量し、PEG300(Acros Organics,NJ)で希釈した10%のDMSO(Fisher)に溶解した。各ケージに2〜3匹の群で動物を飼育した。1群4〜5匹の動物からなる7つの群のうちの1つに、無処理およびORX動物をランダムに割り当てた。対照群(無処理およびORX)に毎日、ビヒクルを投与した。化合物IIIを0.01、0.03、0.1、0.3、0.75および1mg/日の用量で、無処理およびORX群の両方に経口強制給飼により投与した。
用量反応の検証のため、去勢した動物(試験の1日目)を0.01、0.03、0.1、0.3、0.75および1mg/日の用量群(4〜5匹の動物/群)にランダムに割り当てた。ORX後9日目に投薬を開始し、14日間、毎日、経口強制給飼により投与した。14日間の投薬療法後、動物に麻酔(ケタミン/キシラジン、87:13mg/kg)をかけて致死させ、体重を記録した。さらに、腹側前立腺、精嚢および肛門挙筋を除去し、個別に量り、体重に対して正規化し、無処理対照のパーセンテージとして表した。個々の用量群を無処理対照群と比較するために、StudentのT検定を使用した。有意性を事前に0.005未満のP値として定義した。アンドロゲン活性の測定として腹側前立腺および精嚢の重量を検証し、一方、肛門挙筋の重量をタンパク同化活性の測定として検証した。血液を腹大動脈から採取して遠心分離し、血清ホルモンレベルを判定する前に血清を−80oCで凍結した。血清黄体ホルモン(LH)および卵胞刺激ホルモン(FSH)濃度を判定した。
結果
化合物III処理後の前立腺の重量は、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75および1mg/日の用量後、それぞれ無処理対照の111%±21%、88%±15%、77%±17%、71%±16%、71%±10%および87%±13%であった(図1)。同様に、精嚢の重量は、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75および1mg/日の用量後、それぞれ無処理対照の94%±9%、77%±11%、80%±9%、73%±12%、77%±10%および88%±14%に減少した(図1)。しかしながら、有意な増加が、無処理対照と比較して、全用量群の偽動物の肛門挙筋の重量に見られた。肛門挙筋の重量は、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75および1.0mg/日用量群に対して、それぞれ、無処理対照の120%±12%、116%±7%、128%±7%、134%±7%、125%±9%および146%±17%であった。(図1)。
化合物IIIは、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75および1mg/日の用量後、それぞれ去勢ラットにおいて、7.56、4.28、2.21、2.19、1.57および1.75のタンパク同化筋肉/前立腺比率を示した。
化合物IIIは、睾丸摘出後、前立腺の重量を部分的に維持した。ビヒクルで処理されたORX対照の前立腺の重量は、無処理対照の5%±1%に減少した。0.01、0.03、0.1、0.3、0.75および1.0mg/日の用量で、化合物IIIは、それぞれ、無処理対照の8%±2%、20%±5%、51%±19%、56%±9%、80%±28%、および74±12.5%で、前立腺の重量を維持した(図2)。
化合物IIIは、ORX動物でも精嚢の重量を部分的に維持した。去勢対照において、精嚢の重量は、無処理対照の13%±2%に減少したが、化合物IIIで処理された動物の重量は、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1.0mg/日の用量の後、それぞれ、無処理対照の12%±4%、17%±5%、35%±10%、61%±15%、70%±14%および80%±6%であった(図2)。
ORX対照において、肛門挙筋の重量は、無処理対照の55%±7%に減少したが、化合物IIIで処理された動物は、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75および1.0mg/日用量群において、それぞれ、無処理対照の重量の59%±6%、85%±9%、112%±10%、122%±16%、127±12%および130±2%の筋肉の重量で、0.1mg/日より多い用量で肛門挙筋の重量を完全に維持し、増加したことが観察された(図2)。
化合物IIIの処理後の無処理ラットの肛門挙筋の重量は、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75および1.0mg/日用量において、それぞれ、無処理対照の120%±10%、118%±5%、130%±5%、135%±5%、122%±10%および145%±20%であった。
化合物IIIの処理後の無処理ラットの前立腺の重量は、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1.0mg/日用量において、それぞれ、無処理対照の110±10%、90%±15%、80%±15%、70%±15%、70%±15%および90%±15%であった。
1mg/日の化合物III後の薬理結果は、前立腺の重量が無処理対照の87%±13%で、肛門挙筋の重量が無処理対照の146%±17%であったことを示した。化合物IIIは、無処理対照の74±12.5%で、睾丸摘出後、前立腺の重量を、そして無処理対照の130±2%で肛門挙筋の重量を維持した。0.1mg/日の化合物IIIは、100%の肛門挙筋を回復し、51±20%の前立腺の重量を回復した。
ORX動物のオキサンドロロン処理は、無処理対照の50%の肛門挙筋で、タンパク同化が化合物IIIより低く、0.1−1mg/日で投与される時、用量依存性はなかった(図3)。
WinNonlin(登録商標)の非線形回帰分析で各組織のEmaxおよびED50を判定し、それを図4に示す。ED50は、Emaxである、50%の最大反応を生じる化合物IIIの用量を示す。Emax値は、前立腺、精嚢および肛門挙筋において、それぞれ、83%±25%、85%±11%および131%±2%であった。前立腺、精嚢および肛門挙筋のED50は、それぞれ、0.09±0.07、0.17±0.05、および0.02±0.01mg/日であった。
血清ホルモン分析
動物の血清LHおよびFSH濃度を表2に表す。化合物を用いた処理に応じて、LHは、無処理および去勢された動物の両方において、用量に依存して減少した。0.1mg/日より多い用量後、LHレベルは定量限界(0.07ng/mL)未満であった。ORX動物における0.1mg/日の用量では、LHレベルが無処理対照に見られるLHレベルに戻った。類似した作用がFSHで観察された。無処理動物において、FSHレベルでの著しい減少が0.75および1mg/日用量で観察された。ORX動物において、FSHレベルの用量に依存した減少が観察された。ORXにおいて、0.1mg/日より多い化合物IIIの用量では、FSHレベルが無処理対照のFSHレベルに戻った。
表2:Arm1およびArm2の動物の血清LHおよびFSHレベル
a無処理対照に対してP<0.05対。bORX対照に対してP<0.05。
遅延された投薬後のアンドロゲンおよびタンパク同化活性
化合物IIIは、部分的に、ORX動物の前立腺および精嚢の両方を回復させた。前立腺の重量は9%±3%、11%±3%、23%±5%、50%±13%、62%±12%および71%±5%に回復され、一方、精嚢の重量は、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1.0mg/日の用量で、それぞれ、無処理対照の7%±1%、9%±1%、23%±8%、49%±5%、67%±12%および67%±11%であった。化合物IIIは、0.1mg/日より多い用量で、肛門挙筋の重量を完全に回復させた。肛門挙筋の重量は、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75および1.0mg/日の用量に対して、それぞれ、56%±7%、82%±9%、103%±11%、113%±11%、121%±7%および120%±7%に回復された。結果を図5の図表に表す。EmaxおよびED50値をWinNonlin(登録商標)の非線形回帰分析により各組織に対して決定し、図6に示す。Emax値は、前立腺、精嚢および肛門挙筋に対して、それぞれ75%±8%、73%±3%および126%±4%であった。前立腺、精嚢および肛門挙筋のED50は、それぞれ、0.22±0.05、0.21±0.02および0.013±0.01mg/日であった。
実施例2
SARMのコレステロールレベルの低下
材料および方法
100匹のスプラーグ−ドーレイラット(オス50匹、メス50匹)をビヒクルのみ(PEG300:40%カバソール(登録商標)[75/25(v/v)])と4つの化合物III用量群の5つの群(n=10/性別/群)に分けた。0、3、10、30または100mg/kgのいずれかの用量で、最新の体重に従い、経口強制給飼により1日1回、化合物IIIを動物に投与した。試験期間中、ラットは、自由に水と標準的な実験室飼料であるHarlan Taklad Rodent Chowを摂取することができた。28日の連続投与後、動物を一晩絶食させ、血液試料を採取し、血清を得た。血清中の全コレステロールレベルは自動実験検定法を使用して測定された。
結果
ビヒクルのみの群(0mg/kg)オスおよびメスのラットは、血清中の全コレステロール値が、それぞれ、92±13.5および102±13mg/dLであった。これらの値は、試験室における正常な履歴範囲内と考えられる。3mg/kgの、または以上の化合物IIIの毎日の経口用量は、オスおよびメスのラットの両方において全コレステロールレベルの著しい低下を生じた。3mg/kgで対照動物と比較すると、オスおよびメスがそれぞれ63±17.4および74±14.2mg/dLという全コレステロールの約30%の低下が見られた。わずかに大きな効果が高用量群(1日100mg/kg)で見られたが、概して、用量−反応相関は、スプラーグ−ドーレイラットの全コレステロールレベルの低下では認められなかった。結果を図7に図表で表す。
実施例3
ヒト臨床試験におけるSARMの除脂肪量の促進と脂肪量の減少
60人の高齢男性(年齢>60)および60人の閉経後の女性(性機能低下でなく、骨粗しょう症でなく、運動プログラムをしていなく、食事制限をしていない)を1群に24人の対象(男12人、女12人)に分けた5つの群が、それぞれ、無作為二重盲検法で投与された。各対象は、90日の治療の間に、溶液または実験カプセルで0.1mg、0.3mg、1mgおよび3mgの化合物III(または等用量のプラセボ)を摂取した。総除脂肪体重(DEXA=二重エネルギーx線吸光光度分析法)、脂肪量および動作機能を分析した。
結果
総除脂肪量(DEXA)に対する効果
全対象(平均年齢=64)(n=114)が、0.1mg、0.3mg、1mgおよび3mgの化合物IIIで治療後、除脂肪量(LBM)の用量依存性増加を示した(図8)。
3mgの化合物IIIでの治療は、ベースラインと比較して、p<0.0001(ANOVA)で、約3.1±3.4%のLBM増加を示した。1mg用量の化合物IIIは、ベースラインと比較して、p=0.020(ANOVA)で、1.3±2.7%の増加を示した。
女性(平均年齢63歳)(n=56)は、3mg用量の化合物IIIを投与した時、ベースラインと比較して1.7kgの増加、プラセボと比較して1.4kgの増加で、LBMでの用量依存性増加を示し、p=0.02(ANOVA)であった。1mg用量の化合物IIIを投与された女性は、ベースラインと比較して0.4kgの増加、プラセボと比較して変化がないことを示し、p=0.884(ANOVA)であった。
男性(平均年齢66歳)(n=58)は、1mg用量の化合物IIIを投与した時、ベースラインと比較して0.7kgの増加、プラセボと比較して1.2kgの増加で、LBMの用量依存性増加を示し、p=0.03(ANOVA)であった。3mg用量の化合物IIIを投与された男性は、ベースラインと比較して1kgの増加、プラセボと比較して1.4kgの増加を示し、p=0.005(ANOVA)であった。
脂肪量(DEXA)に対する効果
0.3mg、1mgおよび3mg用量の化合物IIIにおいて、全対象が、総脂肪で用量依存性の減少を示し、それぞれ、p=0.242、0.085および0.049であった。全対象が、0.1mgにおいて脂肪量の増加を示した(図9)。3mgで、減少は、プラセボと比較して0.6kg、ベースラインから0.3kg(0.4%)であり、p=0.049であった。
脂肪減少の部位は、男性と女性で異なった。男性は、3mg用量で、プラセボと比較して約1.4kg(ベースラインから0.5kg)(p=0.237)、そして1mg用量で、プラセボと比較して1.7kg(ベースラインから0.8kg)(p=0.810)、体幹部/腹部から減少する傾向にあった。女性は、プラセボと比較して、1mg(p=0.038)および3mg(p=0.212)で、約1kg(ベースラインから0.5kg)、股と脚から減少する傾向にあった。
除筋量に対する総組織パーセント脂肪は、全対象において用量依存的に減少し、1mg用量でp=0.02(ANOVA)を達成し、3mgでp=0.006(ANOVA)を達成した。1mgの化合物IIIの投与と比較して、および同量を投与された男性と比較して、3mgを投与した女性の組織パーセント脂肪の減少が最も高かった。
動作機能に対する効果
身体的動作機能(LBM性質の増加を反映する)を分析するために、階段上り(時間および力)を実施した。対象は12階段上り、時間(速さ)および力の関数としてデータを収集した。
速さ:12階段を上るのに必要な時間において、用量依存性減少が3mgの化合物IIIの用量で認められ、時間で15.5%の減少を示した(p=0.006、ANOVA)。
使用された力:力における用量依存性増加が認められた。3mgの化合物IIIの用量の対象において、プラセボ群(p=0.005、ANOVA)より25.5%増の力が認められた。62ワットの増加は、運動選手でない中高年において臨床的に有意であると考えられる値の約8倍である。
よって、化合物IIIは、男性および女性の両方で除脂肪体重を増加させ、体脂肪率を低下させた。この除脂肪体重の向上が、階段上りの動作および力の向上に結びつき、特に、化合物IIIは、高齢者および癌または慢性腎疾患が筋肉消耗を生じる個人において、体力を向上させ、臨床効果を提供する。
骨量に対する効果
骨ミネラル密度(BMD)(DEXA):治療された患者のBMD測定結果は、ベースラインまたはプラセボと差異がなかった。90日の投与と測定は、BMDの重要な変化を認めるのに十分な時間ではないため、これは予想外のことではない。
骨吸収および骨代謝回転マーカー:試験をした骨粗しょう症の生体外および生体内の前臨床モデルにおいて、化合物IIIは、骨芽細胞および破骨細胞の両方に影響を及ぼすタンパク同化および吸収抑制活性の両方を示した。
安全性
有害事象(AE)および重度の有害事象(SAE)−化合物IIIは、安全かつ忍容性に優れることを示した。AEの傾向はなく、90日の試験期間中にSAEは報告されなかった。
肝機能に対する効果
自然のタンパク同化ステロイドおよび合成タンパク同化ステロイドは、肝トランスアミナーゼ、特に、ALTおよびASTの上昇を誘発することがよく知られる。化合物IIIは、対照的に、ALTおよびASTレベルへの影響は最小限のように思われた。検証した120人の患者のうちの1人の女性患者が、アルカリホスフォターゼ、GTTおよびビリルビンレベルに変化がないなど、他に臨床的に重要な変化を伴わない独立したALT上昇を示した。試験を完了した114人の患者で、試験開始3ヶ月後、ALT、AST、アルカリホスフォターゼ、GGTまたはビリルビンレベルで臨床的に重要な変化はなかった。
脂質プロファイルに対する効果
循環コレステロール、LDL、VLDL、トリグリセリドおよびHDLレベルを分析した。高用量のテストステロンおよび他のタンパク同化ステロイドは、コレステロールを低下し、著しくHDL(60−80%)を低下する能力を有する。化合物IIIは、用量依存的に総コレステロール、LDL、VLDLおよびトリグリセリドを低下させた。HDLの用量依存性減少も見られたが、他の経口的に投与されたタンパク同化剤ほどの規模ではなかった。循環器リスクを同定するための既知の方法であるLDL/HDL比率は、化合物IIIで治療された対象およびプラセボ群が、全用量において、低い循環器リスク分類またはそれ以下であることを明らかにした。
体重に対する効果
化合物IIIの投与後に全対象の総体重を測定した。0.1mg、0.3mg、1mgおよび3mgの化合物IIIの用量を与えられた、全対象の総体重における用量依存性変化が確認された。0.3mgまたは3mgの化合物IIIでの治療は、プラセボと比較して1kg(およびベースラインから0.9kg)の増加を示し、それぞれ、p=0.196および0.178(ANOVA)であった。
3mgの化合物IIIの用量を与えられた女性の総体重における用量依存性変化は、プラセボと比較して、p=0.279(ANOVA)で、0.8kg(およびベースラインから1.63kg)の増加、そして1mgの用量では、プラセボと比較して、p=0.215(ANOVA)で、0.9kgの減少が確認された。
3mgの化合物IIIの用量を与えられた男性の総体重における用量依存性変化は、プラセボと比較して、p=0.277(ANOVA)で、0.7kgの増加、そして1mgの用量では、プラセボと比較して、p=0.193(ANOVA)で、1kgの増加が確認された。
ホルモンに対する効果
テストステロンおよび他のタンパク同化ステロイド剤は、下垂体のフィードバック阻害によりLH分泌を抑制する。LHの低下は、内因的に生成されるテストステロンの低減につながる。LHレベル(U/L)は、化合物IIIでの治療に応じて、プラセボ群に対して変化した。
女性への0.1mgの投与は、LHにおいて、1.2±1.14U/Lの増加(p=0.01)、男性では、0.8±1.14U/Lの低下(p=0.466)をもたらした。
女性への0.3mgの投与は、LHにおいて、1.8±1.09U/Lの低下(p=0.403)、男性では、0.1±1.19U/Lの増加(p=0.834)をもたらした。
女性への1mgの投与は、LHにおいて、2.6±1.19U/Lの低下(p=0.780)、男性では、0.7±1.14U/Lの低下(p=0.476)をもたらした。
女性への3mgの投与は、LHにおいて、6.4±1.14U/Lの低下(p=0.039)、男性では、0.5±1.09U/Lの低下(p=0.543)をもたらした。
SHBGは、タンパク同化活性の感受性マーカーである。タンパク同化剤は、SHBGレベルを低下させる。本試験において、同化活性と一致して、化合物IIIは、用量依存の、SHBGレベルの著しい低下を示した。0.1mg、0.3mg、1mgまたは3mgの化合物IIIの投与は、男性および女性において、SHBGレベルの低下を生じた。
内因性遊離テストステロンレベルは、女性への0.1mg、0.3mgまたは1mgの投与後、プラセボ群に対して減少し、3mgの化合物IIIの投与後、プラセボに対して変化はなかった。
男性における遊離テストステロンレベルは、0.1mg、0.3または3mgの化合物IIIの投与後、プラセボ群に対して増加し、1mgの化合物IIIの投与後、プラセボ群に対してほとんど変化はなかった。
テストステロンおよび他のアンドロゲン同化ステロイドの副作用の可能性は、前立腺の刺激である。血清PSAの測定は、前立腺の刺激の感受性の高い測定である。化合物IIIは、試験をしたどの用量でも血清PSAレベルにおいて作用はなかった。
アンドロゲンステロイドは、脂腺を刺激し、これは、皮脂および毛の生成に影響を与える。化合物IIIは、女性において、毛の発育の著しい変化を示さなかった。皮脂生成の増加は、ニキビおよび脂性肌、望ましくない副作用をもたらす可能性がある。皮脂生成は、女性および男性の両方で測定された。化合物IIIは、プラセボと比較して、男性または女性において皮脂生成に影響をおよぼさず、男性化の効果がなく、そして男性および女性においてニキビを引き起こさなかった。
化合物IIIは、a)男性および女性の両方において除脂肪体重を増加させ、体脂肪率を低下させた、b)階段上りで動作および力を向上し、よって、高齢者および癌または慢性腎疾患が筋肉消耗を生じる個人において、体力を向上し、臨床効果を提供する、c)アンドロゲン性が最小で、よって、現在非特異的アンドロゲン剤に付随する多毛症および前立腺癌のリスクを低減する、およびd)重大な有害事象が報告されず、忍容性に優れていた。
さらに、総コレステロール、LDLおよびHDLレベルが低下した。本試験での測定では(血圧、インスリン感受性等)、AEまたは他の循環器リスク因子における有害変化はなかった。データは、HDLにおいては20%の低下であった一方、LDL、トリグリセリドおよび総コレステロールは、筋肉の増加および体脂肪の減少の存在下で低下することを示した。
除脂肪体重における1.5kg(3.3lb)の改善は、臨床的に有意であり、他のタンパク同化剤に見られることと一致する。男性は1年に1/2ポンド筋肉を失うので、これは、3ヶ月で7年分の筋肉損失回復を表すこととなる。除脂肪体重の改善は、機能および筋力における改善に結びつく。改善は、筋量を改善した同一の用量で男性および女性の両方に見られた。これは、式IIIのSARM化合物が、高齢者および筋肉消耗を加速する状態に罹患する人において、同じ除脂肪体重を与えるならば、機能的利点および生活の質の改善をも提供するだろうことを示唆する。
実施例4
化合物III介在のグルコースおよびインスリンレベルの低下
60人の高齢男性(年齢>60)および60人の閉経後の女性(性機能低下でなく、骨粗しょう症でなく、運動プログラムをしていなく、食事制限をしていない)を1群に24人の対象(男12人、女12人)に分けた5つの群は、それぞれ、無作為二重盲検法で投与された。90日の治療の間に、溶液または実験カプセルで0.1mg、0.3mg、1mgおよび3mgの化合物III(または等用量のプラセボ)を摂取した。グルコースおよびインスリンレベルを分析した。
結果
対象は、全対象(断食対象全て)において、0.3mg、1mgまたは3mgの化合物III投与後の総循環インスリンレベルで、用量依存性低下を示した。3mgの化合物IIIでの治療は、ベースラインと比較して、p=0.043(ANOVA)で、約17.6±43.5pmol/Lのインスリンレベルの低下を示した。1mgの化合物IIIの用量は、ベースラインと比較して、p=0.143(ANOVA)で、5.43±16.7pmol/Lの低下を示した。
全対象(全員断食)は、0.3mg、1mgまたは3mgの化合物III投与後の総グルコースレベルで、用量依存性低下を示した。3mgの化合物IIIでの治療は、ベースラインと比較して11.1±7.4%のグルコースレベルの低下を示した。1mgの化合物IIIの用量は、ベースラインと比較して、p=0.764(ANOVA)で、3.5±6.3%の低下を示した。
女性は、1mgまたは3mgの化合物IIIの用量投与後、総グルコースレベルで用量依存性低下を示し、1mgの用量は、p=0.343(ANOVA)を達成し、3mgの用量は、p=0.012(ANOVA)を達成した。男性は、1mgまたは3mgの化合物III投与後、総グルコースレベルで用量依存性低下を示し、1mgの用量は、p=0.998(ANOVA)を達成し、3mgの用量は、p=0.247(ANOVA)を達成した。
女性における化合物III投与後のグルコース濃度の低下は、男性の低下より2倍高かった。
実施例5
化合物III−介在のインスリン耐性の低下(HOMA−IR)
60人の高齢男性(年齢>60)および60人の閉経後の女性(性機能低下でなく、骨粗しょう症でなく、運動プログラムをしていなく、食事制限をしていない)を1群に24人の対象(男12人、女12人)に分けた5つの群は、それぞれ、無作為二重盲検法で投与された。90日の治療の間に、溶液または実験カプセルで0.1mg、0.3mg、1mgおよび3mgの化合物III(または等用量のプラセボ)を摂取した。平均空腹時グルコースおよびインスリンレベルからインスリン耐性を分析し、計算した。
結果
全対象(断食対象全て)は、86日後、全対象において、0.3mg、1mgまたは3mgの化合物III投与後のインスリン耐性レベルで、用量依存性低下を示した。3mgの化合物IIIでの処理は、ベースラインと比較して約27%のインスリン耐性レベルの低下を示した。
アバンディア、グリピジド(gipizide)および化合物III投与後の空腹時血漿グルコース(FPG)、インスリン、および恒常性インスリン耐性(HOMA−IR)のレベルは、化合物IIIでベースラインから最も高い平均変化%を示した。化合物IIIは、図10に表す通り、HOMA−IRのベースラインから−40%の平均変化、インスリンのベースラインから−30%の平均変化、そしてFPGのベースラインから−17%の平均変化を示した。
実施例6
化合物IIIは、ラットにおいてヒラメ筋力を向上させる
材料および方法
メスのスプラーグ−ドーレイラットを偽(ビヒクル)処理、卵巣切除(OVX)処理と偽処理、およびOVX処理と3mg/日の化合物IIIを摂取する動物の3つの群に分けた。化合物IIIおよびビヒクルを経口強制給飼により1日1回投与した。42日の連続投薬後、動物を致死させ、左後肢のヒラメ筋を解剖し、力分析のために試験した。P0ピークチタン力(N)とCSA断面積(cm2)との間の比率を求めた。
結果
メスのラットは、ヒラメ筋の向上を示した。偽処理、および卵巣切除(OVX)と偽処理動物は、約30N/cm2の力を示し、一方、OVXと化合物III処理の動物は、約40N/cm2の力を示した。結果を図11に図表で表す。
実施例7
SARM単独、および抗吸収剤であるアレンドロネートとの併用での骨の効果
材料および方法
60匹のメスの未使用で無処理スプラーグ−ドーレイラットをCharles River Laboratories(Wilmington、MA)から入手し、23週間加齢した。各ケージに2〜3匹で動物を飼育し、動物を12時間の照光/遮光サイクルに馴化した。食餌(7012C LM−485マウス/ラットの減菌可能な餌、Harlan Teklad、Madison、WI)および水が自由に与えられた。テネシー大学動物実験委員会は、本試験のために動物プロトコルを審査し、承認した。
偽手術または卵巣切除を0日目に実施した。試験は、次の8つの処理群から成った。(1)無処理+ビヒクル、(2)無処理+化合物III、(3)OVX+ビヒクル(4)OVX+化合物III、(5)OVX+DHT、(6)OVX+E2、(7)OVX+アレンドロネート、(8)OVX+アレンドロネート+化合物III。第1日目から、毎日、DMSO:PEG300(10:90)のビヒクルの経口強制給飼により用量を投与した。試験から45日目に動物を致死させた。大腿骨を除去して、軟組織を取り除き、分析まで−20℃で、生理食塩水で湿らせたガーゼに保管した。9匹の動物が試験の途中に死亡した。これらの死亡は、卵巣切除から生じた手術の合併症および経口投与中の技術的ミス(つまり、肺に送達された投与液)によるものであった。用量群は、以下の表に列記する。
生化学的な強さ(3点曲げ)およびpQCT分析のため、左大腿骨をSkeleTech Inc.(Bothell, WA)に送った。pQCT分析には、Stratec XCT RMおよび付属のソフトウエア(Stratec Medizintechnik GmbH、Pforzheim、Germany. Software version 5.40C)を使用した。中骨幹および遠位部両方で大腿骨を分析した。大腿骨の長さの50%の部分で中骨幹の分析を実施した。遠位端からの大腿骨の長さの20%の部分で遠位部の分析を実施した。大腿骨の長軸に対して垂直に0.5mmスライスした1つを分析に使用した。大腿骨の中骨幹で、全骨ミネラル含有量、全骨面積、全骨ミネラル密度、皮質骨ミネラル含有量、皮質骨面積、皮質骨ミネラル密度、皮質厚、骨膜の周囲(外周)長および骨内膜の周囲長を求めた。遠位大腿骨で、全骨ミネラル含有量、全骨面積、全骨ミネラル密度、骨梁骨ミネラル含有量、骨梁骨面積および骨梁骨ミネラル密度を求めた。pQCT分析後、大腿骨の強度を3点曲げ試験で求めた。大腿骨幹の中間点で、電気式キャリパを使用して前後径(APD)(単位:mm)を測定した。大腿骨は、大腿骨の後側がインストロン機械式試験機(5500に改造されたInstron 4465)(Canton、MA)の下方に面して、3点曲げ具の下部支持部上に設置された。下部支持部間の長さ(L)を14mmに設定した。上方の充填機器を大腿骨幹の中央に合わせた。大腿骨が壊れるまで、6mm/分の一定の変位速度で負荷を加えた。機械式試験機は、最大負荷(Fu)(単位:N)、固さ(S)(単位:N/mm)および吸収されたエネルギー(W)(単位:mJ)を直ちに測定した。大腿骨の中央骨幹のpQCT分析中に、軸断面慣性能率(I)(単位:mm4)をソフトウエアで算出した。負荷(σ)(単位:N/mm2)、弾性係数(E)(単位:Mpa)および靭性(T)(単位s:mJ/m3)を以下の式により算出した。負荷:σ=(Fu*L*(a/2))/(4*I)、弾性係数:E=S*L3/(48*I)、および靭性:T=3*W*(APD/2)2/(L*I)。
StudentのT検定により統計分析を実施した。0.05未満のP値が、統計的な有意差であるとした。
オスのラットは、睾丸摘出(ORX)を受け、第1日目から第119日目に、経口強制給飼により、ビヒクル、アレンドロネート(1mg/d)と併用または併用せず、異なる化合物III(0.1、1、および3mg/d)の用量、およびアレンドロネート単独を経口的に投与された。示された時間に致死させた後、大腿骨(fermus)を除去し、pQCT分析および3点曲げ試験を行った。脊椎も採取し、L5の圧砕試験を実施した。けい骨は、静的および動的組織形態計測(カルセイン)が行われた。
結果
骨梁骨ミネラル密度をpQCTにより大腿骨遠位部で分析した。結果を図12Aに示す。著しい骨梁骨損失がOVX後に認められた。骨梁骨密度は、無処理およびOVXビヒクル対照群で、それぞれ、379から215mg/mm3に減少した。化合物IIIで処理された無処理動物において、398mg/mm3への骨梁骨密度の僅かな増加が認められた。化合物IIIで処理されたOVX動物において、OVXビヒクル対照群と比較して、406mg/mm3への著しい増加が認められた。DHTは、OVXビヒクル対照群と比較して、360mg/mm3に骨梁骨密度を増加し、エストラジオール(E2)は、415mg/mm3に骨梁骨密度を増加した。アレンドロネートは、480mg/mm3に骨梁骨密度を増加した。アレンドロネートおよび化合物IIIの併用治療は、骨梁骨密度を552mg/mm3に増加する加算効果を示した。
ラットの大腿骨遠位部の代表的な再構成を標準的な手法で作成した。図12Bに示す通り、OVX動物は、正常な構造(パネルB)の明らかな損失を示す一方、OVXと化合物IIIで処理された動物は、無処理対照(パネルD)と類似の構造を示す。
卵巣摘出された動物は、ADIFに罹患するメス/女性のモデルとなり得、したがって、本発明の一実施形態は、例えば、本明細書で例示される通り、化合物IIIの投与を介したその治療である。
図12C(BV/TV)および12D(骨梁数)から判る通り、化合物IIIは、オスにおける、去勢により誘発された骨梁の損失も防止した。
実施例8
化合物IIIの薬物動態学
化合物IIIの薬物動態学を決定するために、ビーグル犬に化合物IIIを経口的に投与し、循環血漿レベルである、Cmax、tmax、t1/2、AUCおよびF%(それぞれ、図13および以下の表)を判定した。化合物IIIは、迅速かつ完全に吸収された。
実施例9
AR結合部位のマッピング
材料および方法
試薬
ARおよびSHC−1抗体をUpstate Biotechnology(Lake Placid, NY)から入手し、SRC−1抗体をSantacruz Biotechnology(Santa Cruz, CA)から入手した。タンパク質AセファロースをAmersham Pharmacia(Piscataway, NJ)から入手した。WTS試薬をRoche(Nutley, NJ)から購入した。全ての細胞培養をInvitrogen(Carlsbad, CA)から入手し、細胞培養の血清をAtlanta Biologicals(Atlanta, GA)から入手した。使用された他の全ての試薬は、分析用等級であった。
細胞培養
前立腺癌細胞であるLNCaPをATCC(Manassas, VA)から入手した。10%の胎仔ウシ(FBS)血清を補充したRPMI1640(2mMのL−グルタミン、10mMのHEPES、1mMピルビン酸ナトリウム、ペニシリンおよびストレプトマイシン)で細胞を培養した。ChIP分析のために、1%の炭剥離FBSで補充したRPMI1640で、皿あたり1000万細胞で、150mm皿に細胞を平板培養した。基底のプロモータ占有を低減するために、第6日目の処理前の第1および第3日目に培地を変え、1%のcsFBSで6日間、細胞を維持した。
クロマチン免疫沈降検定(ChIP)
ChIP検定を以前に説明されているとおり実施した(Narayanan、R.et al., 2005)。37℃で10分間、インキュベートによりタンパク質を1%のホルムアルデヒド(最終濃度)で架橋した。細胞を1×PBSで2回洗浄し、プロテアーゼを含有する1mlのPBS(〔それぞれ、1mgのアプロチニン、ロイペプチン、アンチパイン、ベンズアミジンHClおよびペプスタチン/m〕、0.2mMのフッ化フェニルメチルスルホニルおよび1mMのバナジウム酸ナトリウム)中で削り落とし、ペレット成形して、SDS溶解緩衝液(1%SDS、10mMのEDTA、50mMのトリス−HCl[pH8.1])中で再懸濁した。10分間、氷上で溶解後、低温室で、それぞれ、3のアウトプットで、各音波処理後に氷上でインキュベートする一定の動作サイクルで、10秒間、8回、細胞抽出物を音波処理(Branson sonifier250)した。破砕物を4℃で10分間、13,000rpmでペレット成形し、上澄みをChIP希釈緩衝液(0.01%SDS、1.1%トリトンX−100、1.2mMのEDTA、16.7mMのトリスHCl[pH8.1]、167mMのNaCl)で10倍に希釈した。タンパク質をTE中の50μlの1:1タンパク質Aセファロースビーズで事前清澄し、300μlをインプットとして取っておき、残りを5μgのARまたはSRC−1抗体またはIgG(負の対照)および2μgのせん断したサケの精子DNA(Stratagene, La Jolla、CA)と共に4℃で一晩回転させながらインキュベートした。タンパク質−DNA−抗体複合体を100μの1:1タンパク質Aセファロースビーズおよび2μgのサケ精子DNAと共に2時間、4℃でインキュベートして沈殿させた。ビーズをペレット成形し、低塩洗浄緩衝液(0.1%のドデシル硫酸ナトリウム[SDS、1%のトリトンX−100、2mMのEDTA、20mMのトリスHCl[pH8.1、0.15MのNaCl]で3回、1×TE(10mMのトリスHCl、1mMのEDTA;pH8.0)で2回、洗浄した。DNA−タンパク質複合体を新たに調製した50μlの抽出緩衝液(1%のSDS、0.1MのNaHCO3)でビーズを3回抽出することにより得た。タンパク質複合体の架橋を6時間、65℃でインキュベートすることにより逆転させた。25μlのTEの最終容量中で、QIAquick PCR精製キット(QIAGEN、Valencia、Calif.)を用いてDNAを抽出した。
リアルタイムPCR
普遍の条件でTaqMan PCRマスターミックスを使用して、ABI7300(Applied Biosystems)でリアルタイムPCRを実施した。ChIP検定結果のy軸の値は、各試料に対して得られた任意の定量的PCR数を各インプットで割って得た。全てのプロモータアレイ結果は、以下の表の通り、プライマーおよびtaqmanプローブ(Biocource、CO)を使用して確認した。
ChIP検定のリアルタイムPCRプライマー
プロモータアレイ
AVIVA systems biology(San Diego、CA)のH20Kプロモータアレイをこれらの実験に使用した。アレイは、約19,600のユニークな近位のプロモータ領域に割り当てられた20,000のプローブ対から成る。−1.0KBから+300bpとの間の近位のプロモータ領域を、本アレイで見分けた。混成前に、定量PCRを使用して、ChIP検定の有効性をPSAエンハンサーにおいて試験した。免疫沈降試料にはCy5標識、総インプットDNAにはCy3標識を使用して、製造業者の混成のプロトコルに従った。混成したスライドをGene Pix4走査装置を使用して走査した。正規化したlog2(Cy5/Cy3)または統計的な言語用に開発されたlimmaGUI42パッケージのM値を算出するために、Cy3およびCy5チャネルの両方の得られた背景を除去した中間強度を使用した。limmaGUIにおいて、背景除去は、最小に設定され、交絡負数およびゼロ強度を、非常に小さい正数に置き換えた。デフォルトの設定をスポット品質重み付けに使用し、全てのアレイは、global−loess関数を使用して、アレイ内正規化、および必要に応じ、分位法を使用してアレイ間正規化した。複製の正規化されたM値の平均が、対照より治療で大きい治療混成対ビヒクル対照の有意性(P<.05)を判定するために、片側スチューデントt検定を使用した。
遺伝子存在学機能分析
各実験群から統計的に大きな比率を占めるGO項目を探し出すためにソフトウエアパッケージErmineJ43を使用し、正常に80%のアレイ標的をGO注釈に割り当てた。受信操作特性(ROC)方法の実施を、動員を示す全ての遺伝子の?log(p−値)(NLP)をランク付けするために使用し、全ての遺伝子間でランダムに分布された場合に期待されるであろう数より多い高ランクの遺伝子を有するGO項に関連する遺伝子セット(最小サイズ20)の有意性を検査するためにWilcoxon順位和検定を実施した。各アレイ内の最も有意な複製のNLPのみを考慮した。p<05(多数比較においては未補正)が報告された。遺伝子生成:使用したGo項目関連をSOUCEおよびGOデータベース(Ashburner, M. et al.2000)を使用して得た。
オルソロガスプロモータの判定および回収
NCBIのHomologene44を使用して全ヒト−マウスオルソロガスを判定した。オルソロガス基準配列(RefSeq)のみを使用して、転写開始部位(TSS)の5000塩基対上流および2000塩基対下流をUCSC's Genome Browser(H. Sapiens and M. musculus NCBI Build35)を使用して、回収した。当該遺伝子の50から60%(712遺伝子)が、完全な説明される注釈を含み、検索された。
動物実験
Harlan Bioproducts for Science(Indianapolis,IN)から入手した1群あたり5匹のオスのスプラーグ−ドーレイラット(300g)をケージごとに3匹ずつ飼育し、水道水と市販のラット餌(Harlan Teklad 22/5ゲッ歯食餌−8640)を自由に摂取させた。試験中、動物を12時間の明暗サイクルで維持した。本試験は、テネシー大学動物実験委員会により審査され、承認を得た。3mg/日のSARMまたはDHTもしくはビヒクル(ポリエチレングリコール)を15日間、毎日動物に投与した。投与溶液を、ジメチルスルホキシド(DMSO)に薬物を溶解し、ポリエチレングリコール300(PEG300)ないで希釈して毎日調製した。15日目の終了時に、動物を致死させ、前立腺および肛門挙筋の重量を測定した。
骨髄培養
Invitrogen(Carlsbad, CA)から細胞培養材料を入手した。最初に70%のエタノールで大腿骨をすすぎ、それから、5mlのペニシリンおよびストレプトマイシンでそれぞれ3回洗浄した。大腿骨の両端を折り、骨髄細胞をペニシリン、ストレプトマイシンおよびファンギゾンと共に15mlのMEMで、50mlの三角管に流し入れ、氷上で保存した。骨髄細胞を貯蔵し、臨床用遠心機で、5分間、1000rpmで遠心分離した。細胞を10%の炭でそぎ取った血清、ペニシリン、ストレプトマイシンおよびファンギゾンで補足したフェノールレッドフリーMEMで再懸濁した。細胞を22gの針を通して粉砕し、顕微鏡下で計数し、繊維芽細胞/骨芽細胞系列に分化するために、15%の炭でそぎ取った血清、ペニシリン、ストレプトマイシン、300ng/mlのファンギゾン、0.28mMのアスコルビン酸、および10mMのβグリセロリン酸エステルで補足したフェノールレッドフリーMEM中で、ウェルあたり150万個の細胞の6ウェルプレートで平板培養した。別のウェルで、骨芽細胞系列に分化するために、ウェルあたり250万個の細胞を10%の炭でそぎ取った血清、ペニシリン、ストレプトマイシン、および300ng/mlのファンギゾンで補足したフェノールレッドフリーMEM中の24ウェルプレートで平板培養した。培地を2日目に交換し、細胞を当該化合物で処理した。破骨細胞生成を誘発するために、破骨細胞培養をRANKリガンド(50ng)およびGM−CSF(10ng)の存在下で実施した。破骨細胞培養のために、培地を3日ごとに完全に交換した。繊維芽細胞培養のため、細胞50により分泌された成長因子を残すように培地の半分を3日ごとに交換した。
細胞の染色
12日目の終わりに、細胞を線維芽細胞培養のために10%の緩衝化ホルマリン中に、破骨細胞培養のためにPBSの4%のホルムアルデヒド中に固定した。線維芽細胞をアルカリホスファターゼ活性のために染色し、405nmでの光学密度を前述の通り分光光度計を使用して測定した。破骨細胞を酒石酸耐性酸性ホスファターゼ活性(TRAP)のために染色し、2つ以上の核を有する細胞を顕微鏡下で数えた。
RNA分析および逆転写ポリメラーゼ連鎖反応
1%のcsFBSまたは完全血清で補充したRPMI中で皿あたり700,000細胞の6ウェルプレートでLNCaP細胞を平版培養した。細胞を3日間維持し、ビヒクル、DHTまたはSARMで処理した。RNAをトリゾール(Invitrogen)を使用して分離し、ABI7300リアルタイムPCR機上で一工程rtPCRマスターミックスを使用した、Applied BiosystemsのTaqManプライマプローブミックスを使用して様々な遺伝子の発現を測定した。個々の遺伝子の発現を18S rRNAレベルに正規化した。
成長アッセイ
1%のcsFBSで補充したRPMI中で皿あたり10,000細胞の96ウェルプレートでLNCaP細胞を平板培養した。細胞を記載するDHTまたはSARMの濃度で72時間、処理した。72時間後の細胞の生存能力をWTSアッセイ試薬を使用して測定した。
免疫共沈降法
1%のcsFBSで補充したRPMI中で皿あたり4百万個の細胞の10cm皿でLNCaP細胞を平板培養した。培地を含む1%csFBSで細胞を2日間維持した。培地を交換し、ビヒクル、100nMのDHTまたはSARMで1時間処理した。ドライアイスエタノール浴中での3回の凍結融解サイクルで、均質化緩衝液(0.05Mのリン酸カリウム、10mMのモリブデン酸ナトリウム、50mMのフッ化ナトリウム、2mMのEDTA、2mMのEGTAおよび0.4MのNaClおよび上述のプロテアーゼ阻害剤を含む0.05%モノチオグリセロール[pH7.4])中で、タンパク質を抽出した。同量のタンパク質(100μg)をSHC−1抗体またはIgGで、一晩、4℃で免疫沈降した。タンパク質Aセファロースの追加によりタンパク質抗体複合体を2時間、沈降させた。ビーズをペレット化し、低塩洗浄緩衝液で3回、TEで2回、洗浄した。タンパク質を2xLaemmli緩衝液で10分間、沸騰させてビーズから抽出した。タンパク質抽出物を6.5% SDS−PAGE上で分画し、ニトロセルロースに移し、SRC−1抗体を用いてウエスタンブロットを行った。
結果
DHTおよびSARMに反応するAR結合部のマッピング
様々な近位プロモータ領域へのARの全ゲノム結合を判定するために、クロマチン免疫沈降アッセイ(ChIP)をDNAマイクロアッセイと併用した。LNCaP細胞をDHTまたはSARMで処理し、等量のDNAを転写因子プロモータアレイに混成した。ARは、DHTまたはSARM(図14A)の存在下、既知のタンパク質コードする遺伝子において、有意に1303のプロモータ領域と関連した。ARは、アレイ上に確認された6.5%近くのプロモータに結合した。DHTおよびSARMは、同等数の遺伝子プロモータへのARの動員を刺激したが、共有されたのは、1303プロモータのうちの118のみであった。SARMに応答して、559のプロモータが、ARにより独自に占められた一方で、DHTに応答して、626のプロモータが独自に占められた。遺伝子の機能分析は、これらの遺伝子の機能活性における根本的な違いを明らかにした(図14B)。DHTは、それぞれ、細胞成長および細胞外マトリックスに関連する遺伝子の71%および63%にARの動員を促進したが、これらのプロモータの29%および31%のみが、SARMに応答するARにより占められた。反対に、SARMは、外部刺激(例えば、細胞内シグナル伝達経路)と関連する遺伝子の63%にARの動員を刺激した。細胞骨格、生殖、発達、転写および代謝に関連する遺伝子は、DHTおよびSARM処理に、ほぼ同等に関連した。1303の遺伝子プロモータにおけるAREの存在を同定するために、比較ゲノム検索を使用した。本検索において、ヒトおよびマウスデータベースに1303遺伝プロモータのうちの合計712が、十分に注釈された。DHTに応答してARを動員する、350の検索されたプロモータのうちの78がAREを含んだ一方、277のSARM応答プロモータのうちの69がARE陽性として分類された(図14C)。
DHTおよびSARMに反応するSRC−1結合部のマッピング
SRC−1は、DHTおよびSARMの存在下で効率的に動員された(図15A)。プロモータアレイ、およびARに使用したのと同様の条件を使用して、285のプロモータに結合するSRC−1をマッピングした(図15B)。DHTは、498のプロモータにSRC−1を動員し、SARMは、640のプロモータにSRC−1を動員し、DHTまたはSARMは、共通に147のプロモータにSRC−1を動員した。遺伝子の機能分析は、これらの遺伝子の機能活性において、いくつかの著しい違いを明らかにした(図15C)。DHTは、それぞれ、生殖および細胞骨格に関連する遺伝子の67%および28%にSRC−1の動員を促進し、一方、それぞれ33%および55%のプロモータが、SARM応答するSRC−1により占められた。他のクラスに関連する遺伝子は、同等に、DHTおよびSARMと関連した。ARで実施されたものと同様の比較ゲノム検索を、AREの存在を確認するために、SRC−1により占められたプロモータのリストを用いて実施した。図15Dは、DHTに応答してSRC−1を動員する269の検索されたプロモータのうちの77が、AREを含んだ一方、317のSARM応答プロモータのうちの66が、ARE陽性として分類された。アレイ結果は、SRC−1抗体を使用したLNCaP細胞において、ChIP実験から入手したDNAプール上でリアルタイムPCRを実施することにより確認された。
本発明の該化合物の組織選択反応は、組織発現に依存する、もしくは、いくつかの実施形態において、特定の化合物の組織内分布に依存する、もしくはその代謝物の組織内分布、もしくは該化合物の5αレダクターゼとの相互作用に依存する、もしくはあらゆる他のメカニズムによる、特定のアンドロゲン受容体サブタイプとの相互作用の結果であり得る。
いくつかの実施形態において、組織選択性は、リガンドの親和性に依存し、もしくはいくつかの実施形態において、例えば、リガンド誘発の受容体構造変化に関して、該化合物の内因活性に依存する。いくつかの実施形態において、該組織選択性は、遺伝子発現、調節剤動員、転写機構の要素との相互作用等に関する反応を誘発する該化合物の効果に依存する。
これに関して、化合物IIIは、本明細書において、アンドロゲン受容体(Ki=10.5nM)ならびに、セロトニン輸送体(Ki=2.55μM)に結合することを示す。
当該分野の当事者は、本発明が、上述に特に示されるもの、また説明されるものにより制限されないことを理解する。むしろ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲により定義される。