JP2010520926A - 繊維反応性アゾ染料混合物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、繊維反応性アゾ染料の技術分野に関する。
繊維反応性アゾ染料混合物、並びにヒドロキシル含有及びカルボキサミド含有材料をゴールデンイエロー〜オレンジの色相に染色するためのその使用については、たとえば特許文献1及び特許文献2において公知である。しかしながら、それらはある種の性能的な欠陥を有していて、たとえば、染料濃度が低いところでのカラービルドアップ性が不十分であるために、結局は染色作業の経済性が損なわれる。
したがって、たとえば、良好な堅牢性と組み合わせて、急激なカラービルドアップ性のような改良された性質を有する、新規な反応性染料又は反応性染料混合物が依然として必要とされている。それらはさらに、良好な染色イールドを提供し、高い反応性を有しているべきであり、またより好ましくは、それらが高い固着性を有する染色を可能とするべきである。
したがって本発明は、それら上記の性質を高いレベルで有している染料混合物を提供する。この新規な染料混合物は特に、固着収率(yield of fixation)が高く、また繊維の上に固着されていない部分を容易に洗い落とせる点に特徴がある。それに加えて、その染色は、一般的に良好な堅牢性、たとえば高い耐光堅牢性及び非常に良好な湿潤堅牢性を示す。
したがって、本発明は、一般式(I)の1種又は複数の染料、
R1及びR2は独立して、水素、(C1〜C4)−アルキル、(C1〜C4)−アルコキシ、ヒドロキシル、スルホ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、アミド、ウレイド又はハロゲンであり;そして
X1は、水素、スルホ、式−SO2−Z2の基(ここで、Z2は、−CH=CH2又は−CH2CH2Z3であり、そしてZ3は、ヒドロキシル又はアルカリ脱離可能な基である)、又は式(IV)の基であり;
R3及びR4は独立して、水素、(C1〜C4)−アルキル、(C1〜C4)−アルコキシ、ヒドロキシル、スルホ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、アミド、ウレイド又はハロゲンであり;そして
X2はX1が意味するものの1つであり;
又はここで、
D1、D2及びD3は独立して、一般式(VI)の基を表すか、
R5及びR6は独立して、R1が意味するものの1つであり;
R7は水素、(C1〜C4)−アルキル、非置換又は(C1〜C4)−アルキル−、(C1〜C4)−アルコキシ−、スルホ−、ハロゲン−若しくはカルボキル−置換のフェニルであり;そして、
Z4は、一般式(VII)、(VIII)又は(IX)の基であり、
Vは、フッ素又は塩素であり;
U1及びU2は独立して、フッ素、塩素又は水素であり;そして
Q1及びQ2は独立して、塩素、フッ素、シアナミド、ヒドロキシル、(C1〜C6)−アルコキシ、フェノキシ、スルホフェノキシ、メルカプト、(C1〜C6)−アルキルメルカプト、ピリジノ、カルボキシピリジノ、カルバモイルピリジノ又は一般式(X)若しくは(XI)の基であって、
R8は、水素、(C1〜C6)−アルキル、スルホ−(C1〜C6)−アルキル、フェニル、又は(C1〜C4)−アルキル−、(C1〜C4)−アルコキシ−、ヒドロキシル−、スルホ−、ハロゲン−、カルボキシル−、アセトアミド−、ウレイド−置換されたフェニルであり;
R9及びR10は独立して、R8が意味するものの1つであるか、又は結合して、式−(CH2)j−の基若しくは式−(CH2)2−E−(CH2)2−の基を形成し(ここで、jは4又は5であり、Eは酸素、硫黄、スルホニル又は−NR11であり、R11は(C1〜C6)−アルキルである);
Wは、非置換であるか若しくは(C1〜C4)−アルキル、(C1〜C4)−アルコキシ、カルボキシル、スルホ、塩素及び臭素からなる群から選択される1個又は2個の置換基によって置換されたフェニレンであるか、あるいは、酸素、硫黄、スルホニル、アミノ、カルボニル若しくはカルボキサミドによって介在されていてもよい、(C1〜C4)−アルキレンフェニレン、(C2〜C6)−アルキレンであるか、あるいは、非置換であるか若しくは(C1〜C4)−アルキル、(C1〜C4)−アルコキシ、ヒドロキシル、スルホ、カルボキシル、アミド、ウレイド及びハロゲンからなる群から選択される1個又は2個の置換基によって置換されたフェニレンCONHフェニレンであるか、あるいは、非置換であるか若しくは1個又は2個のスルホ基によって置換されたナフチレンであり;そして
Z5は、Z2が意味するものの1つであり;
又はここで、
D1、D2及びD3は独立して、一般式(XII)の基を表すか、
R12は、水素、(C1〜C4)−アルキル、アリール又は置換アリールであり;
R13及びR14は独立して、水素、(C1〜C4)−アルキル、(C1〜C4)−アルコキシ、ヒドロキシル、スルホ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、アミド、ウレイド又はハロゲンであり;そして
Aは一般式(XIII)の基であって、
R15及びR16は独立して、水素、(C1〜C4)−アルキル、(C1〜C4)−アルコキシ、ヒドロキシル、スルホ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、アミド、ウレイド又はハロゲンであるか;又は
Aは一般式(XIV)の基であって、
R17及びR18は独立して、水素、(C1〜C4)−アルキル、(C1〜C4)−アルコキシ、ヒドロキシル、スルホ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、アミド、ウレイド又はハロゲンであるか;又は
Aは一般式(XV)の基であって、
−(CR19R20)k− (XV)
式中、
kは1より大きい整数であり;
R19及びR20は独立して、水素、(C1〜C4)−アルキル、(C1〜C4)−アルコキシ、ヒドロキシル、シアノ、アミド、ハロゲン又はアリールであり;そして、
X3は、X1が意味するものの1つであり;
RAは、水素又は一般式(XVII)の基であり、
−CH2−SO3M (XVII)
RBは、アセトアミド、ウレイド、メチル、メトキシ又は一般式(XVIII)の基であり、
Q3及びQ4は独立して、Q1が意味するものの1つであり;
RCは、水素、メチル、メトキシ又はスルホであり、
Z1は、Z4が意味するものの1つであり;そして
Mは水素、アルカリ金属又は1当量のアルカリ土類金属であるが;
ここで、一般式(I)及び(II)の染料は、式−SO2Z2若しくはZ4、式(XVIII)若しくはZ1の少なくとも一つの繊維反応性基を含み、そして
ここで、式(A)の化合物
EA (0〜3)及びEB (0〜3)は同一であっても異なっていてもよいが、水素、−SO3M、−OH、−COOM、−F、−Cl、−Br、(C1〜C4)−アルキル又は(C1〜C4)−アルコキシから選択される0〜3個の基であり;
p及びqは0〜2の数であり;
ZA及びZBは、式(Da)、(Db)、(Dc)又は(Dd)の基であり、
−SO2−YA (Da)
−CONH−(CH2)r−SO2−YA (Db)
−NHCONH(Hal)CH2Hal (Dc)
−NHCOCH(Hal)=CH2 (Dd)
rは、0〜5の数であり;
Halは、ハロゲンであり;
YAは、ビニル、β−クロロエチル、β−ブロモエチル、β−アセチルエチル、β−スルファトエチル、β−フェノキシエチル、β−ホスファトエチル、又は−CH2−CH2−U基であり;
Uは、アルカリ性の条件下で脱離することが可能な脱離基であり;そして
Mは、上で定義されたものである]が、
染料の全重量を基準にして最大で1重量%の量で含まれる。
(C1〜C4)−アルキル基は、直鎖であっても分岐していてもよく、特には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、又はtert−ブチルである。メチル又はエチルが好ましい。同じ論理は(C1〜C4)−アルコキシ基にも適用され、したがってそれらがメトキシ及びエトキシであるのが好ましい。同じ論理はさらにアルキレン基にも適用され、それは、特には、エチレン、プロピレン及びブチレンである。
アリールは、特にはフェニル又はナフチル、好ましくはフェニルである。置換されたアリールは、(C1〜C4)−アルキル、(C1〜C4)−アルコキシ、ヒドロキシル、スルホ、カルボキシル、アミド及びハロゲンからなる群から選択される、相互に独立した1個、2個又は3個の置換基を有しているのが好ましい。
ハロゲンは、特には、フッ素、塩素又は臭素であり、フッ素又は塩素が好ましい。
アルカリMは、特には、リチウム、ナトリウム又はカリウムであり;アルカリ土類金属に相当するMは、特には、当量のカルシウムである。Mは水素又はナトリウムであるのが好ましい。
アルカリ脱離可能なZ3は、たとえば、ハロゲン原子(たとえば、塩素及び臭素)、有機カルボン酸及びスルホン酸(たとえばアルキルカルボン酸、置換若しくは非置換のベンゼンカルボン酸及び置換若しくは非置換のベンゼンスルホン酸、特には、2〜5個の炭素原子のアルカノイルオキシたとえばアセチルオキシ、及びさらにはベンゾイルオキシ、スルホベンゾイルオキシ、フェニルスルホニルオキシ及びトルイルスルホニルオキシ)のエステル基、さらには無機酸たとえば、リン酸、硫酸及びチオ硫酸の酸性エステル基(ホスファト、スルファト及びチオスルファト基)、同様に、それぞれ1〜4個の炭素原子のアルキル基を有するジアルキルアミノ基(たとえば、ジメチルアミノ及びジエチルアミノ)である。
Z3としてはビニル、β−クロロエチルが好ましいが、より好ましいのは、β−スルファトエチルである。
「スルホ」、「カルボキシル」、「チオスルファト」、「ホスファト」及び「スルファト」基には、それらの酸の形態だけではなく、それらの塩の形態も含む。したがって、スルホ基は一般式−SO3Mの基であり、チオスルファト基は一般式−S−SO3Mの基であり、カルボキシル基は一般式−COOMの基であり、ホスファト基は一般式−OPO3M2の基であり、そしてスルファト基は一般式−OSO3Mの基であるが、ここでそれぞれのMは先に定義されたものである。
一般式(I)及び(II)の染料が繊維反応性基−SO2Z2又は−SO2Z5である場合には、それらが、部分的にビニルスルホニル基として、そして部分的に−CH2CH2Z3として、好ましくはβ−スルファトエチルスルホニル基として存在していてもよい。ビニルスルホニル基を有するそれぞれの染料の割合は、それぞれの染料の合計を基準にして、特には、約30mol%までである。
基R1及びR2は好ましくは、水素、(C1〜C4)−アルキル、(C1〜C4)−アルコキシ、スルホ又はカルボキシルであり、より好ましくは水素、メチル、メトキシ又はスルホである。
基R3〜R6、及びR12〜R20は好ましくは水素であり;R3〜R6、R17及びR18もまた、好ましくはスルホである。
基R7〜R10は好ましくは、水素又はメチルであり、R7及びR8はさらに好ましくはフェニルであり、R9及びR10もまた、好ましくは2−スルホエチル、2−、3−若しくは4−スルホフェニルである。さらに、R9とR10とが結合して、−(CH2)2−O−(CH2)2−を形成しているのが好ましい。
基RA及びRCは、水素であるのが好ましいが、それに対してRBは、アセトアミド又はウレイドであるのが好ましい。
したがって、本発明の好適な染料混合物は、次のものである:
R1及びR2が、水素、メチル、メトキシ又はスルホであり;
R3〜R6が、水素又はスルホであり;
R7及びR8が、水素又はフェニルであり;
R9及びR10が、水素、2−スルホエチル、2−、3−若しくは4−スルホフェニルであるか、又は結合して−(CH2)2−O−(CH2)2−を形成しており;
R11が、水素又はメチルであり;
R12〜R16、R19、R20、RA、及びRCが水素であり;
R17及びR18が、水素又はスルホであり;そして
RBが、アセトアミド又はウレイドである。
R1及びR2が、水素、メチル、メトキシ又はスルホであり;
R3〜R6が、水素又はスルホであり;
R7及びR8が、水素又はフェニルであり;
R9及びR10が、水素、2−スルホエチル、2−、3−若しくは4−スルホフェニルであるか、又は結合して−(CH2)2−O−(CH2)2−を形成しており;
R11が、水素又はメチルであり;
R12〜R16、R19、R20、RA、及びRCが水素であり;
R17及びR18が、水素又はスルホであり;そして
RBが、アセトアミド又はウレイドである。
一般式(III)の基の中の、X1−SO2Z2は、ジアゾ基に対してメタ又はパラに配されているのが好ましい。
一般式(V)の基の中でジアゾ基への結合は、β位でナフタレン核に結合されているのが好ましい。
一般式(III)及び(V)の好適な基は、4−スルホフェニル、2,4−ジスルホフェニル、2,5−ジスルホフェニル、4,8−ジスルホナフト−2−イル、6,8−ジスルホナフト−2−イル、1,5−ジスルホナフト−2−イル、4,6,8−トリスルホナフト−2−イル、3,6,8−トリスルホナフト−2−イル、2−(β−スルファトエチルスルホニル)フェニル、2−スルホ−4−(4−スルホフェニルアゾ)フェニル、3−(β−スルファトエチルスルホニル)フェニル、4−(β−スルファトエチルスルホニル)フェニル、2−カルボキシ−5−(β−スルファトエチルスルホニル)フェニル、2−クロロ−4−(β−スルファトエチルスルホニル)フェニル、2−クロロ−5−(β−スルファトエチルスルホニル)フェニル、2−ブロモ−4−(β−スルファトエチルスルホニル)フェニル、2−スルホ−4−(β−スルファトエチルスルホニル)フェニル、2−スルホ−5−(β−スルファトエチルスルホニル)フェニル、2−メトキシ−5−(β−スルファトエチルスルホニル)フェニル、2−エトキシ−5−(β−スルファトエチルスルホニル)フェニル、2,5−ジメトキシ−4−(β−スルファトエチルスルホニル)フェニル、2−メトキシ−5−メチル−4−(β−スルファトエチルスルホニル)フェニル、2−メチル−4−(β−スルファトエチルスルホニル)フェニル、2−若しくは3−若しくは4−(β−チオスルファトエチルスルホニル)フェニル、2−メトキシ−5−(β−チオスルファトエチルスルホニル)フェニル、2−スルホ−4−(β−ホスファトエチルスルホニル)フェニル、2−若しくは3−若しくは4−ビニルスルホニルフェニル、2−スルホ−4−ビニルスルホニルフェニル、2−クロロ−4−(β−クロロエチルスルホニル)フェニル、2−クロロ−5−(β−クロロエチルスルホニル)フェニル、3−若しくは4−(β−アセトキシエチルスルホニル)フェニル、6−若しくは8−(β−スルファトエチルスルホニル)−ナフチ−2−イル、6−(β−スルファトエチルスルホニル)−1−スルホ−ナフチ−2−イル又は8−(β−スルファトエチルスルホニル)−6−スルホ−ナフチ−2−イルがあるが、その中でも好ましいのは、3−(β−スルファトエチルスルホニル)フェニル、4−(β−スルファトエチルスルホニル)フェニル、2−スルホ−4−(β−スルファトエチルスルホニル)フェニル、2−メトキシ−5−(β−スルファトエチルスルホニル)フェニル、2,5−ジメトキシ−4−(β−スルファトエチルスルホニル)フェニル、2−メトキシ−5−メチル−4−(β−スルファトエチルスルホニル)フェニル又は3−若しくは4−ビニルスルホニルフェニルである。
一般式(X)の基の中のWは、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、2−スルホ−1,4−フェニレン、2−メトキシ−1,5−フェニレン、2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレン、2−メトキシ−5−メチル−1,4−フェニレン、1,2−エチレン、又は1,3−プロピレンであるのが好ましい。
基Q1及びQ2並びに、それぞれQ3及びQ4の好ましい例としては、独立して、フッ素、塩素、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、フェノキシ、3−スルホフェノキシ、4−スルホフェノキシ、メチルメルカプト、シアナミド、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、モルホリノ、ピペリジノ、フェニルアミノ、メチルフェニルアミノ、2−スルホフェニルアミノ、3−スルホフェニルアミノ、4−スルホフェニルアミノ、2,4−ジスルホフェニルアミノ、2,5−ジスルホフェニルアミノ、2−スルホエチルアミノ、N−メチル−2−スルホエチルアミノ、ピリジノ、3−カルボキシピリジノ、4−カルボキシピリジノ、3−カルバモイルピリジノ、4−カルバモイルピリジノ、2−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルアミノ、3−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルアミノ、4−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルアミノ、N−エチル−3−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルアミノ、N−エチル−4−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルアミノ、2−カルボキシ−5−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルアミノ、2−クロロ−4−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルアミノ、2−クロロ−5−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルアミノ、2−ブロモ−4−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルアミノ、2−スルホ−4−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルアミノ、2−スルホ−5−(2−スルファトエチルスルホニル)フェニルアミノ、2−メトキシ−5−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルアミノ、2,5−ジメトキシ−4−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルアミノ、2−メトキシ−5−メチル−4−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルアミノ、2−メチル−4−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルアミノ、2−(ビニルスルホニル)−フェニルアミノ、3−(ビニルスルホニル)−フェニルアミノ、4−(ビニルスルホニル)−フェニルアミノ、N−エチル−3−(ビニルスルホニル)−フェニルアミノ、N−エチル−4−(ビニルスルホニル)−フェニルアミノ、6−(2−スルファトエチルスルホニル)−ナフチ−2−イルアミノ、8−(2−スルファトエチルスルホニル)−ナフチ−2−イルアミノ、8−(2−スルファトエチルスルホニル)−6−スルホ−ナフチ−2−イルアミノ、3−(2−(2−スルファトエチルスルホニル)−エチルカルバモイル)−フェニルアミノ、4−(2−(2−スルファトエチルスルホニル)−エチルカルバモイル)−フェニルアミノ、3−(2−(ビニルスルホニル)−エチルカルバモイル)−フェニルアミノ、4−(2−(2−ビニルスルホニル)−エチルカルバモイル)−フェニルアミノ、4−(N−メチル−2−(2−スルファトエチルスルホニル)−エチルカルバモイル)−フェニルアミノ、4−(N−フェニル−2−(2−スルファトエチルスルホニル)エチルカルバモイル)フェニルアミノ、4−(3−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルカルバモイル)−フェニルアミノ、4−(4−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルカルバモイル)−フェニルアミノ、3−(3−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルカルバモイル)−フェニルアミノ、3−(4−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルカルバモイル)−フェニルアミノ、3−(2−スルファトエチルスルホニル)−プロピルアミノ、N−メチル−N−(2−(2−スルファトエチルスルホニル)−エチル)−アミノ、N−フェニル−N−(2−(2−スルファトエチルスルホニル)−エチル)−アミノ、N−フェニル−N−(2−(2−スルファトエチルスルホニル)−プロピル)−アミノ、又は2−[2−(2−クロロエチルスルホニル)エトキシ]エチルアミノなどがある。Q1及びQ2がフッ素又は塩素であり、Q3及びQ4が本明細書に記載された他の意味の一つを有しているのがより好ましい。
より好ましくは、基Q1及びQ2並びにそれぞれのQ3及びQ4が独立して、フッ素、塩素、シアナミド、モルホリノ、2−スルホフェニルアミノ、3−スルホフェニルアミノ、4−スルホフェニルアミノ、N−メチル−2−スルホエチルアミノ、3−カルボキシピリジノ、4−カルボキシピリジノ、3−カルバモイルピリジノ、4−カルバモイルピリジノ、3−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルアミノ、4−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルアミノ、3−(ビニルスルホニル)−フェニルアミノ、4−(ビニルスルホニル)−フェニルアミノ、4−(3−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルカルバモイル)−フェニルアミノ、4−(4−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルカルバモイル)−フェニルアミノ、3−(3−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルカルバモイル)−フェニルアミノ、3−(4−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルカルバモイル)−フェニルアミノ、N−メチル−N−(2−(2−スルファトエチルスルホニル)−エチル)−アミノ、N−フェニル−N−(2−(2−スルファトエチルスルホニル)−エチル)−アミノ、又は2−[2−(2−クロロエチルスルホニル)−エトキシ]−エチルアミノである。Q1及びQ2がフッ素又は塩素であり、Q3及びQ4が本明細書に記載された他の意味の一つを有しているのがより好ましい。
基Q1及びQ2並びにそれぞれのQ3及びQ4が独立して、フッ素、塩素、シアナミド、モルホリノ、2−スルホフェニルアミノ、3−スルホフェニルアミノ、4−スルホフェニルアミノ、3−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルアミノ、4−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルアミノ、3−(ビニルスルホニル)−フェニルアミノ、4−(ビニルスルホニル)−フェニルアミノ、N−メチル−N−(2−(2−スルファトエチルスルホニル)−エチル)−アミノ、N−フェニル−N−(2−(2−スルファトエチルスルホニル)−エチル)−アミノ、又は2−[2−(2−クロロエチルスルホニル)−エトキシ]−エチルアミノであるのが最も好ましい。Q1及びQ2がフッ素又は塩素であり、Q3及びQ4が本明細書に記載された他の意味の一つを有しているのがより好ましい。
基Z1及びZ4が、2,4−ジフルオロ−ピリミジン−6−イル、4,6−ジフルオロ−ピリミジン−2−イル、5−クロロ−2,4−ジフルオロ−ピリミジン−6−イル、5−クロロ−4,6−ジフルオロ−ピリミジン−2−イル、4,5−ジフルオロ−ピリミジン−6−イル、5−クロロ−4−フルオロ−ピリミジン−6−イル、2,4,5−トリクロロ−ピリミジン−6−イル、4,5−ジクロロ−ピリミジン−6−イル、2,4−ジクロロ−ピリミジン−6−イル、4−フルオロ−ピリミジン−6−イル、4−クロロ−ピリミジン−6−イル、又は先に挙げたQ1及びQ2についての好ましい意味を有する一般式(VIII)の基であるのが好ましい。
基Z1及びZ4が、2,4−ジフルオロピリミジン−6−イル、4,6−ジフルオロピリミジン−2−イル、5−クロロ−2,4−ジフルオロピリミジン−6−イル若しくは5−クロロ−4,6−ジフルオロピリミジン−2−イル、又は先に挙げたQ1及びQ2についての特に好ましい意味を有する一般式(VIII)の基であれば、より好ましい。
基Z1及びZ2が、2,4−ジフルオロピリミジン−6−イル若しくは5−クロロ−2,4−ジフルオロピリミジン−6−イル、又は先に挙げたQ1及びQ2についての最も好ましい意味を有する一般式(VIII)の基であれば、最も好ましい。
一般式(XII)の基の中のカルボキサミドは、ジアゾ基に対してパラ又はメタに配されているのが好ましい。Aがフェニレンであり、X3が−SO2Z2である場合、そのSO2Z2基は、窒素原子に対してメタ位又はパラ位に配されているのが好ましい。Aがナフチレンの場合には、窒素原子への結合は、β位でナフタレン核につながっているのが好ましい。
置換基Aの好適な例は、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、2−クロロ−1,4−フェニレン、2−クロロ−1,5−フェニレン、2−ブロモ−1,4−フェニレン、2−スルホ−1,4−フェニレン、2−スルホ−1,5−フェニレン、2−メトキシ−1,5−フェニレン、2−エトキシ−1,5−フェニレン、2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレン、2−メトキシ−5−メチル−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2,6−ナフチレン、2,8−ナフチレン、1−スルホ−2,6−ナフチレン、6−スルホ−2,8−ナフチレン、1,2−エチレン又は1,3−プロピレンである。
Aとしては、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、2−スルホ−1,4−フェニレン、2−メトキシ−1,5−フェニレン、2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレン、2−メトキシ−5−メチル−1,4−フェニレン、1,2−エチレン又は1,3−プロピレンであるのがより好ましく、最後に記した2つのアルキレン基の場合には、R12がフェニル又は2−スルホフェニルであるのが好ましい。
Aが一般式(XV)の基である場合、kは好ましくは2又は3である。
D1及びD2が一般式(III)又は(VI)の基を表しているのが好ましいが、一般式(III)の基が特に好ましい。本発明の極めて特に好ましい染料混合物においては、D1及びD2が、上述の好ましい意味を有している。
D3が一般式(V)の基を表しているのが好ましく、R3、R4及びX2が水素又はスルホである一般式(V)の基を表していれば、より好ましい。
Z1は、Q1及びQ2が上述の好ましい意味を有する一般式(VIII)の基であるのが好ましい。Q1がフッ素又は塩素であり、Q2が他の好ましい意味の一つを有しているのが、よい好ましい。
したがって、より好ましくは、Z1が、一般式(VIII)の基であって、ここでQ1がフッ素又は塩素であり、そしてQ2が、シアナミド、モルホリノ、2−スルホフェニル−アミノ、3−スルホフェニルアミノ、4−スルホフェニルアミノ、N−メチル−2−スルホエチルアミノ、3−カルボキシピリジノ、4−カルボキシピリジノ、3−カルバモイルピリジノ、4−カルバモイルピリジノ、3−(2−スルファトエチルスルホニル)フェニルアミノ、4−(2−スルファトエチルスルホニル)フェニルアミノ、3−(ビニルスルホニル)フェニルアミノ、4−(ビニルスルホニル)フェニルアミノ、4−(3−(2−スルファトエチルスルホニル)フェニルカルバモイル)フェニルアミノ、4−(4−(2−スルファトエチルスルホニル)フェニルカルバモイル)フェニルアミノ、3−(3−(2−スルファトエチルスルホニル)フェニルカルバモイル)フェニルアミノ、3−(4−(2−スルファトエチルスルホニル)−フェニルカルバモイル)フェニルアミノ、N−メチル−N−(2−(2−スルファトエチルスルホニル)エチル)アミノ、N−フェニル−N−(2−(2−スルファトエチルスルホニル)エチル)アミノ、又は2−[2−(2−クロロエチルスルホニル)エトキシ]エチルアミノである。
したがって、最も好ましくは、Z1が一般式(VIII)の基であって、ここでQ1がフッ素又は塩素であり、そしてQ2が、シアナミド、モルホリノ、2−スルホフェニルアミノ、3−スルホフェニルアミノ、4−スルホフェニルアミノ、3−(2−スルファトエチルスルホニル)フェニルアミノ、4−(2−スルファトエチルスルホニル)フェニルアミノ、3−(ビニルスルホニル)フェニルアミノ、4−(ビニルスルホニル)フェニルアミノ)、N−メチル−N−(2−(2−スルファトエチルスルホニル)エチル)アミノ、N−フェニル−N−(2−(2−スルファトエチルスルホニル)エチル)アミノ、又は2−[2−(2−クロロエチルスルホニル)エトキシ]エチルアミノである。
本発明の特に好ましい染料混合物は、一般式(Ia)の1種又は複数の染料、
Z2及びZ5は独立して、ビニル又はβ−スルファトエチルであり;
そしてD3、RB、RC及びMは先に定義されたものである。
本発明の染料混合物は、すべて全染料を基準にして、1%〜99重量%、好ましくは10%〜90重量%の量の一般式(I)の1種又は複数の染料、並びに1%〜99重量%、好ましくは10%〜90重量%の量の一般式(II)の1種又は複数の染料を含む。
本発明の好ましい染料混合物は、式(A)の化合物を、染料の全量を基準にして最大で0.5重量%の量で含むが、それに対して、本発明の特に好ましい染料混合物では、式(A)の化合物をまったく含まない。
本発明の染料は、固体又は液体(溶解させた)形状の調製物として存在させることが可能である。固体の形態の場合には、それらには一般的に、水溶性特に繊維反応性の染料の場合に常用される電解質塩、たとえば塩化ナトリウム、塩化カリウム又は硫酸ナトリウムを含み、さらに、商業的な染料において常用される助剤、たとえば、水溶液におけるpHを3〜7の間に設定できるような緩衝剤物質、たとえば酢酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、三クエン酸ナトリウム又はリン酸水素二ナトリウム、及び少量の乾燥剤などが含まれるか、又は、それらが液状の水溶液(捺染糊では常用のタイプの増粘剤の含量も含めて)として存在する場合には、それらにはそのような調製物を長持ちさせるための物質、たとえば防黴剤などが含まれていてもよい。
固体の形態の場合には、本発明による染料混合物は一般に電解質塩を含む粉体又は粒状物であって、以下においてはそれらを、1種又は複数の上記の助剤を含んでいるかどうかは別にして、調製物(preparation)と呼ぶことにする。この調製物には、染料混合物が、それを含む調製物を基準にして、20〜90重量%含まれている。緩衝剤物質は一般に、調製物を基準にして、全量が5重量%までの量で含まれる。
本発明による染料混合物を水溶液中に存在させる場合には、それらの溶液中の全染料含量は、水溶液を基準にして約50重量%まで、たとえば5〜50重量%の間とし、また、その電解質塩含量は、10重量%未満とするのが好ましい。この水溶液(液状調製物)にはさらに、緩衝剤物質を一般に最高5重量%まで、好ましくは0.1〜2重量%の量で含むことができる。
本発明による染料混合物は、常法に従って、たとえば、個々の染料を、染料粉体若しくは粒状物の形態であるか又は水溶液(たとえばそれらを合成したままの溶液)の形態であるかに関係なく、機械的に混合することによって調製することが可能であり、それには慣用される助剤をさらに含んでいてもよい。
一つの代替方法としては、従来のジアゾ化及びカップリング反応によって、ジアゾ成分及びカップリング成分を所望の量比で含む適切な混合物を得ることもできる。
β−クロロエチルスルホニル又はβ−チオスルファトエチルスルホニル又はβ−スルファトエチルスルホニル基と同様に反応性基としてビニルスルホニル基を含む染料混合物は、適当に置換したビニルスルホニルアニリン又はナフチルアミンを出発物質として合成できるだけでなく、Z3がβ−クロロエチル、β−チオスルファトエチル又はβ−スルファトエチルである染料混合物を、所望の割合とするのに必要な量のアルカリと反応させて前記のβ−置換エチルスルホニル基をビニルスルホニル基に変換させることによっても合成することができる。この変換は当業者に公知の方法で実施することができる。
一般式(I)の染料は公知であって、欧州特許出願公開第0 785 237A1号明細書に記載がある。一般式(II)の染料もまた同様に公知であり、その文献に詳しく説明されている。一般式(I)の染料及び一般式(II)の染料は、当業者に公知の標準的な合成方法によって得ることができる。
本発明の染料混合物は、有用な染着性を有しており、カルボキサミド含有及び/又はヒドロキシル含有材料を染色及び捺染するために使用することができる。上述の材料は、たとえば、シート状の構造たとえば紙及び皮革の形態であっても、フィルムたとえばポリアミドフィルムの形態であっても、あるいはバルク組成物たとえばポリアミド若しくはポリウレタンの形態であってもよい。しかし、それらが上述の材料の繊維の形態で存在しているのが好ましい。
本発明の染料混合物は、各種のセルロース系繊維質材料の染色及び捺染のために使用される。それらは、好ましくは、ポリアミド繊維、又はポリアミドと綿若しくはポリアミドとポリエステル繊維からなるブレンド布を染色したり、及び捺染したりするのにも好適に使用される。織物、紙、又はその他の材料をインクジェットプロセスによって染色するために、本発明の染料混合物を使用することも可能である。
したがって、本発明はさらに、それらの材料を染色捺染するための本発明の染料混合物の使用、さらには、着色剤として本発明の染料混合物を使用することにより、常法に従ってそのような材料を染色又は捺染するためのプロセスもまた提供する。本発明の染料混合物は、それらの材料、好ましくは繊維材料の上に、極めて良好な堅牢性を有するオレンジ〜レッドの染色を与える。
有利なことには、本発明の染料混合物の合成したままの溶液も、染色のための液状調製物として直接使用することができるが、必要があれば緩衝剤物質の添加をしてから、そして、必要があれば濃縮又は希釈してからでもよい。
本明細書においては、繊維材料及び繊維は、特には、織布として、糸として、又は、かせ若しくは巻取りパッケージの形態で存在させることが可能な織物繊維である。
カルボキサミド含有材料としては、たとえば、合成及び天然のポリアミド及びポリウレタン、特に、繊維の形状のもの、たとえば羊毛その他の動物の毛、絹、皮革、ナイロン−6,6、ナイロン−6、ナイロン−11及びナイロンー4などがあげられる。
ヒドロキシル含有材料は、天然又は合成によるもので、たとえばセルロース繊維材料又はそれらの再生製品やポリビニルアルコールなどである。セルロース繊維材料として好ましいのは綿であるが、他の植物繊維、たとえばリネン、大麻、ジュート又はラミー繊維などでもよい。再生セルロース繊維としてはたとえば、ステープルビスコース又はフィラメントビスコースがある。
本発明の染料混合物は、上記の材料、特に上記の繊維材料の上に、水溶性染料、特に繊維反応性染料のための公知の染着技術を用いることによって、染着及び固着させることができる。
セルロース繊維の上では、それらは、短浴(short liquor)から、さらには長浴(long liquor)からの吸尽法によって、各種の酸結合剤、並びに適切であるならば、たとえば塩化ナトリウム又は硫酸ナトリウムのような中性の塩を使用することにより、極めて良好なカラーイールドを有する染色を与える。染色は、3〜7のpH、特には4〜6のpHでの吸尽法によって実施するのが好ましい。液比は広い範囲の中で選択することが可能であり、たとえば3:1から100:1の間、好ましくは5:1から30:1の間である。40〜105℃の間の温度で水性浴中で染め付けするのが好ましいが、適当であれば過圧下で温度を130℃まで上げてもよいし、また適当であれば、慣用の染色助剤を用いてもよい。染色された材料の湿潤堅牢性を向上させるために、後処理において未固着染料を除去することも可能である。この後処理は、特に、8〜9のpHと、75〜80℃の温度で実施する。
ここでの一つの可能な方法としては、材料を温浴に浸漬し、浴を徐々に加熱して所望の温度にまで上げ、染色操作を完了させる方法がある。染料の吸尽を加速する中性塩は、場合によっては、浴の温度が実際の染色温度に達した後でのみ添加するようにすることもできる。
同様にして、パジングプロセスもまたセルロース繊維上で、優れたカラーイールドと極めて良好なカラービルドアップ性とを与えるが、染料は、常法に従って、室温又は昇温下たとえば約60℃まででのバッチングによるか、蒸熱処理によるか、又は乾熱の手段によって固着させることができる。
同様にして、セルロース繊維に対する通常の捺染プロセスによって明瞭な輪郭及び鮮明な白地を有する強力な着色捺染が得られるが、そのような捺染プロセスは、1段法で、たとえば重炭酸ナトリウム又はある種の他の酸結合剤を含む捺染糊とともに捺染し、次いで100〜103℃で蒸熱処理するか、2段法で、たとえば、中性〜弱酸性の捺染色とともに捺染し、次いでその捺染した材料を加熱した電解質含有アルカリ浴を通すか又はアルカリ性の電解質含有パジング液を用いてオーバーパジングするかのいずれかによって固着させ、次いで、アルカリでオーバーパッドした材料をバッチングするか又は蒸熱処理するか又は乾熱処理にかける。たとえ固着条件に変動があったとしても、捺染の結果への影響は、ごくわずかである。
常法の熱固着プロセスによる乾熱の手段によって固着させる場合には、120〜200℃の加熱空気を使用する。慣用される101〜103℃の水蒸気に加えて、160℃までの温度で過熱水蒸気及び高圧水蒸気を使用することも可能である。
セルロース繊維への染料の固着に影響を与える酸結合剤は、たとえば無機若しくは有機酸のアルカリ金属、同様のアルカリ土類金属の水溶性塩基性塩、又は加熱によってアルカリを放出する化合物などである。特に好適なものとしては、アルカリ金属水酸化物、及び弱から中程度の無機又は有機酸のアルカリ金属塩が挙げられるが、アルカリ金属化合物として好ましいのは、ナトリウム又はカリウム化合物である。そのような酸結合剤は、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ギ酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、トリクロロ酢酸ナトリウム、水ガラス又はリン酸三ナトリウムなどである。
本発明の染料混合物が特徴としているのは、通常の染色及び捺染プロセスで適用したときに、セルロース繊維材料の上で、傑出した色強度(color strength)と急峻なビルドアップ曲線を有することである。セルロース繊維材料上で、本発明の染料混合物を用いて得ることが可能な染色及び捺染はさらに、良好な耐光堅牢性、特に、良好な湿潤堅牢性たとえば洗濯、縮充、水、海水、クロス染色及び酸性及びアルカリ性の発汗に対する堅牢性、さらにはプリーツ加工、加熱プレス及び摩擦に対する良好な堅牢性を有している。
未固着染料部分を除去するために通常行われる後処理のすすぎをした後に得られる染色及び捺染はさらに、優れた湿潤堅牢性を示すが、その理由は特に、染料が冷水に対しても良好な溶解性を有しているために未固着染料部分が容易に洗い流されるからである。
さらに、本発明による染料混合物は、羊毛の繊維反応性染色にも使用することが可能である。その上、非フェルト仕上げ又は低フェルト仕上げをした羊毛は非常に良好な堅牢性に染色することができる(そのような仕上げについては、たとえば、H.Rath、Lehrbuch der Textilchemie(Springer−Verlag)第3版、第295〜299頁、特にヘルコセット(Hercosett)プロセスによる仕上げ(第298頁);J.Soc.Dyers and Colourists、1972年第93〜99頁及び1975年第33〜44頁を参照されたい)。本明細書においては、羊毛に対する染色プロセスは、常法に従って、酸性媒体中で実施する。たとえば染浴に、酢酸及び/又は硫酸アンモニウム、又は酢酸及び酢酸アンモニウム若しくは酢酸ナトリウムを添加して、所望のpHとすることができる。受容可能な均染性を有する染色をするためには、通常使用される均染剤を添加することが推奨されるが、そのようなものとしてはたとえば、シアヌル酸塩化物と3倍モル量のアミノベンゼンスルホン酸及び/又はアミノナフタレンスルホン酸との反応生成物をベースにした均染剤、又はたとえばステアリルアミンとエチレンオキシドの反応生成物をベースにした均染剤などが挙げられる。たとえば、本発明による染料混合物は、吸尽プロセスで使用するのが好ましく、その場合まずpHが約3.5〜5.5となるようにpH調節した酸性の染浴から、染色時間の最後までに、pHを中性から場合によってはpH8.5までの弱アルカリ性の範囲にまで変化させて、特に非常に濃い色の染色をする場合には、本発明による染料混合物の染料と繊維との間に完全な反応による結合を作らせる。それと共に、反応による結合に与らなかった染料の部分は除去する。
本明細書に記載した方法は、他の天然ポリアミド又は合成ポリアミド及びポリウレタンからなる繊維材料を染色させる場合にも適用される。それらの材料は、文献記載で当業者公知の、慣用される染色及び捺染プロセスを用いて染色することができる(たとえば、H.−K.Rouette「Handbuch der Textilveredlung」(Deutscher Fachverlag GmbH、Frankfurt/Main)参照)。通常は、染色すべき材料を温度約40℃の浴に浸漬し、その中でしばらく撹拌し、次いで染浴を所望の弱酸性のpH、好ましくは弱酢酸酸性のpHに調節するが、実際の染色は60〜98℃の温度で実施される。しかしながら、この染色は沸騰温度又は、密閉した染色装置の中で106℃までの温度で実施することもできる。本発明による染料混合物の水への溶解性が非常に高いので、それらを通常の連続染色プロセスにおいても好都合に使用することができる。本発明による染料混合物の色強度は非常に高い。
本発明はさらに、本発明の染料混合物を含む、インクジェットプロセスによるデジタル織物捺染のためのインキも提供する。
本発明のインキには、本発明の染料混合物を、インキの全重量を基準にして、たとえば0.1%〜50重量%の量、好ましくは1%〜30重量%の量、より好ましくは1%〜15重量%の量で含む。それらのインキが、本発明の染料混合物と織物捺染において使用されるその他の染料との混合物を含んでいてよいことは、認められるであろう。
連続流動プロセスで使用するインキでは、電解質を添加することにより、0.5〜25mS/mの導電率になるようにすることも可能である。有用な電解質としてはたとえば、硝酸リチウム及び硝酸カリウムなどが挙げられる。
本発明のインキでは、全量で1〜50%、好ましくは5〜30重量%の有機溶媒を含むことができる。
好適な有機溶媒としては、たとえば以下のようなものが挙げられる:アルコール類たとえば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール、ペンチルアルコール、多価アルコール類たとえば1,2−エタンジオール、1,2,3−プロパントリオール、ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、2,3−プロパンジオール、ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、D,L−1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2−オクタンジオール、ポリアルキレングリコール類たとえば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、2〜8個のアルキレン基を有するアルキレングリコール類たとえば、モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、チオグリコール、チオジグリコール、ブチルトリグリコール、ヘキシレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、多価アルコールの低級アルキルエーテル類たとえば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールイソプロピルエーテル、ポリアルキレングリコールエーテル類たとえば、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールグリセロールエーテル、ポリエチレングリコールトリデシルエーテル、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル、アミン類たとえば、メチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−ホルミルエタノールアミン、エチレンジアミン、尿素誘導体類たとえば、尿素、チオ尿素、N−メチル尿素、N,N’−イプシロン−ジメチル尿素、エチレン尿素、1,1,3,3−テトラメチル尿素、N−アセチルエタノールアミン、アミド類たとえば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトアミド、ケトン類又はケトアルコール類たとえば、アセトン、ジアセトンアルコール、環状エーテル類たとえば、テトラヒドロフラン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2−ブトキシエタノール、ベンジルアルコール、2−ブトキシエタノール、ガンマ−ブチロラクトン、イプシロン−カプロラクタム、さらにスルホラン、ジメチルスルホラン、メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン、ジメチルスルホン、ブタジエンスルホン、ジメチルスルホキシド、ジブチルスルホキシド、N−シクロヘキシルピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチルピロリドン、2−ピロリドン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、1−(3−ヒドロキシプロピル)−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、1,3−ビスメトキシメチルイミダゾリジン、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2−プロポキシエトキシ)エタノール、ピリジン、ピペリジン、ブチロラクトン、トリメチルプロパン、1,2−ジメトキシプロパン、ジオキサン、酢酸エチル、エチレンジアミンテトラアセテート、エチルペンチルエーテル、1,2−ジメトキシプロパン及びトリメチルプロパン、など。
本発明のインキには、慣用される添加剤をさらに含んでいてもよく、たとえば粘度調整剤を用いて、温度範囲20〜50℃における粘度を1.5〜40.0mPasの範囲とする。好適なインキでの粘度は1.5〜20mPas、特に好適なインキでの粘度は1.5〜15mPasである。
有用な粘度調整剤にはレオロジー添加剤を挙げることができるが、たとえば、ポリビニルカプロラクタム、ポリビニルピロリドン及びそのコポリマー、ポリエーテルポリオール、複合増粘剤、ポリ尿素、ポリウレタン、アルギン酸ナトリウム、変性ガラクトマンナン、ポリエーテル尿素、ポリウレタン、ノニオン性セルロースエーテルなどがある。
その他の添加剤として、本発明のインキに界面活性剤を加えて界面張力を20〜65mN/mに調整することもできるが、これは使用するプロセス(サーマル又はピエゾ技術)に応じて必要な場合に採用する。
有用な界面活性剤としてはたとえば、各種界面活性剤、特にノニオン性界面活性剤、ブチルジグリコール、1,2−ヘキサンジオールなどが挙げられる。
このインキにはさらに、通常使用される添加物たとえば真菌や細菌の成長を抑制するための物質を、インキの全重量を基準にして0.01〜1重量%の量で加えることができる。
本発明のインキは、常法に従って、成分を水と混合させることによって調製してもよい。
本発明のインキは、幅広く各種の予備処理をした材料、たとえば絹、皮革、羊毛、各種のセルロース系繊維材料及びポリウレタン、特にポリアミド繊維を捺染するための、インクジェット捺染プロセスにおいて有用である。本発明の捺染インキはまた、混紡布地、たとえば綿、絹、羊毛とポリエステル繊維又はポリアミド繊維との混紡の中に存在する予備処理したヒドロキシル含有又はアミノ含有繊維を捺染するのにも有用である。
捺染インキに反応性染料のためのすべての固着薬剤及び増粘剤がすでに含まれている、従来の織物の捺染の場合とは対照的に、インクジェットプリントの場合には、別の前処理工程において助剤を織物基材に塗布しておかねばならない。
たとえばセルロース及び再生セルロース繊維、さらには絹及び羊毛のような織物基材の前処理は、捺染に先立って水性アルカリ液で行う。反応性染料を固着させるためには、アルカリたとえば炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、アルカリ供与体たとえばクロロ酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、ヒドロトロープ物質(hydrotropic substance)たとえば尿素、還元抑制剤たとえばニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム、及び染色インクを塗布したときの意匠(motives)の流れを防ぐ目的の増粘剤たとえばアルギン酸ナトリウム、変性ポリアクリレート又は高度にエーテル化されたガラクトマンナンなどが必要である。
これらの前処理用反応剤は、好適なアプリケータを使用して所定の量を均一に織物基材に塗布するが、そのためにはたとえば、2本又は3本ロールパッド、無接触スプレー技術を用いたり、発泡塗布の手段によったり、あるいは程よく適合させたインクジェット技術を用いたりし、その後に乾燥させる。
捺染後に、その織物繊維材料を120〜150℃で乾燥させてから固着させる。
反応性染料を用いて調製したインクジェットプリントの固着は、室温で、又は飽和スチーム、過熱スチーム、加熱空気、高周波、赤外線照射、レーザー若しくは電子ビーム、又はその他の適切なエネルギー転換技術を用いて実施することができる。
1相及び2相固着プロセスの間では違いがある:
1相固着においては、必要な固着用の薬剤はすでに織物基材の上に存在する。
2相固着においては、この前処理は不要である。固着で必要なのはアルカリだけで、これはインクジェットプリントに引き続いて、途中で乾燥させることなく、固着プロセスの前に塗布する。たとえば尿素又は増粘剤などの添加物をさらに加える必要はない。
固着の後には捺染後処理を行うが、これは、良好な堅牢性、高い艶及び申し分のない白地を得るための必要条件である。
特にポリアミドの上に、本発明のインキを用いて製造された染色物は、酸性領域のみならずアルカリ性の領域においても高い色強度と高い繊維−染料結合安定性を有しており、さらには良好な耐光堅牢性及び極めて良好な湿潤堅牢性、たとえば洗濯、水、海水、クロス染色及び発汗に対する堅牢性、さらにはプリーツ加工、加熱プレス、及び摩擦に対する良好な堅牢性も有している。
以下の実施例を、本発明を説明するために使用する。部及びパーセントは、特に記さない限り、重量によるものである。重量部と容積部の関係は、キログラムとリットルの関係に等しい。実施例に化学式で記載する化合物は、ナトリウム塩の形で示すが、それは、それらの化合物がその塩、好ましくはナトリウム又はカリウム塩の形で一般に調製、単離され、それらの塩の形で染色に使用されるからである。以下の実施例、特に表の中の実施例に記載される出発化合物は、遊離の酸の形、又は同様にそれらの塩、好ましくはナトリウム塩又はカリウム塩のようなアルカリ金属塩の形で合成に使用することができる。
実施例1
式(Ib)のオレンジ色の染料を75%の割合で含む電解質含有染料粉体の20部と、
式(Ib)のオレンジ色の染料を75%の割合で含む電解質含有染料粉体の20部と、
別な方法として、こうして得られた染料溶液にリン酸緩衝液を添加してpHを5.5〜6に調整し、さらに希釈又は濃縮することによって所定の強度の液状品とすることも可能である。
実施例2
式(Ib)のオレンジ色の染料を70%の割合で含む電解質含有染料粉体の20部と、式(IIc)のゴールデンイエロー色の染料を70%の割合で含む電解質含有染料粉体の80部とを
式(Ib)のオレンジ色の染料を70%の割合で含む電解質含有染料粉体の20部と、式(IIc)のゴールデンイエロー色の染料を70%の割合で含む電解質含有染料粉体の80部とを
得られた本発明による染料混合物は、反応性染料の場合に通常採用される染色条件下で、たとえば綿に対して、イエロー色の染色及び捺染を与える。
実施例3
式(I−1)のオレンジ色のジスアゾ染料を75%の割合で含む電解質含有染料粉体の20部と、式(IId)のイエロー色のアゾ染料を65%の割合で含む電解質含有染料粉体の80部とを
式(I−1)のオレンジ色のジスアゾ染料を75%の割合で含む電解質含有染料粉体の20部と、式(IId)のイエロー色のアゾ染料を65%の割合で含む電解質含有染料粉体の80部とを
別な方法として、こうして得られた染料溶液にリン酸緩衝液を添加してpH5.5〜6に調整し、さらに希釈又は濃縮することによって所定の強度の液状品とすることも可能である。
実施例4〜22
以下の実施例により本発明の染料混合物をさらに説明するが、このそれぞれにおいて、一般式(I)及び(II)の染料はそれぞれナトリウム塩の形態で挙げられており、それらは実施例1〜3に記載のプロセスによって得ることができる。記載の混合比は重量%である。これらの染料混合物は、反応性染料の場合に通常採用される染色方法で、綿に対してイエローから黄色がかったオレンジ色の染色を与える。
以下の実施例により本発明の染料混合物をさらに説明するが、このそれぞれにおいて、一般式(I)及び(II)の染料はそれぞれナトリウム塩の形態で挙げられており、それらは実施例1〜3に記載のプロセスによって得ることができる。記載の混合比は重量%である。これらの染料混合物は、反応性染料の場合に通常採用される染色方法で、綿に対してイエローから黄色がかったオレンジ色の染色を与える。
実施例23
2部の実施例1により得られた染料混合物と50部の塩化ナトリウムとを999部の水に溶解させ、さらに5部の炭酸ナトリウム、0.7部の水酸化ナトリウム(32.5%水溶液の形で)それに必要があれば1部の湿潤剤を添加する。この染浴に100gの綿織布を加える。染浴の温度は、まず10分間25℃に維持し、次いで30分かけて最終温度(40〜80℃)まで上げ、さらに60〜90分間その最終温度に維持する。その後、その染色した布を最初に水道水で2分間水洗してから、脱イオン水で5分間水洗する。その染色した布を、50%酢酸を1部含む水溶液1000部中に40℃で10分間入れて中和する。再び脱イオン水を用いて70℃で水洗してから、沸騰状態で洗濯用洗剤を用いて15分間石けん洗いをし、もう1度水洗してから乾燥させると、非常に良好な堅牢性を有するオレンジ色〜レッド色の染色が得られる。実施例2及び3により得られた染料混合物を用いて上述のプロセスを繰り返すと、同様の結果が得られる。
2部の実施例1により得られた染料混合物と50部の塩化ナトリウムとを999部の水に溶解させ、さらに5部の炭酸ナトリウム、0.7部の水酸化ナトリウム(32.5%水溶液の形で)それに必要があれば1部の湿潤剤を添加する。この染浴に100gの綿織布を加える。染浴の温度は、まず10分間25℃に維持し、次いで30分かけて最終温度(40〜80℃)まで上げ、さらに60〜90分間その最終温度に維持する。その後、その染色した布を最初に水道水で2分間水洗してから、脱イオン水で5分間水洗する。その染色した布を、50%酢酸を1部含む水溶液1000部中に40℃で10分間入れて中和する。再び脱イオン水を用いて70℃で水洗してから、沸騰状態で洗濯用洗剤を用いて15分間石けん洗いをし、もう1度水洗してから乾燥させると、非常に良好な堅牢性を有するオレンジ色〜レッド色の染色が得られる。実施例2及び3により得られた染料混合物を用いて上述のプロセスを繰り返すと、同様の結果が得られる。
実施例24
4部の実施例1により得られた染料混合物と50部の塩化ナトリウムとを998部の水に溶解させ、さらに5部の炭酸ナトリウム、2部の水酸化ナトリウム(32.5%水溶液の形で)それに必要があれば1部の湿潤剤を添加する。この染浴に100gの綿織布を加える。その他の操作は使用実施例23に記したのと同様に実施すると、高い色強度と非常に良好な堅牢性を有するオレンジ色〜レッド色の染色が得られる。
4部の実施例1により得られた染料混合物と50部の塩化ナトリウムとを998部の水に溶解させ、さらに5部の炭酸ナトリウム、2部の水酸化ナトリウム(32.5%水溶液の形で)それに必要があれば1部の湿潤剤を添加する。この染浴に100gの綿織布を加える。その他の操作は使用実施例23に記したのと同様に実施すると、高い色強度と非常に良好な堅牢性を有するオレンジ色〜レッド色の染色が得られる。
実施例2及び3により得られた染料混合物を用いて上述のプロセスを繰り返すと、同様の結果が得られる。
実施例25
シルケット綿からなる織布を、35g/Lの無水炭酸ナトリウム、100g/Lの尿素及び150g/Lの低粘度のアルギン酸ナトリウム溶液(6%)を含む液でパジングし、次いで乾燥させる。湿時ピックアップは70%である。
シルケット綿からなる織布を、35g/Lの無水炭酸ナトリウム、100g/Lの尿素及び150g/Lの低粘度のアルギン酸ナトリウム溶液(6%)を含む液でパジングし、次いで乾燥させる。湿時ピックアップは70%である。
このようにして前処理した織物を、以下のものを含む水性インキで捺染するが、
2%:実施例1記載の染料混合物
20%:スルホラン
0.01%:Mergal K9N
77.99%:水
ドロップ・オン・デマンド(バブルジェット)インクジェット印刷ヘッドを使用する。捺染物は完全に乾燥させる。飽和スチームを用い102℃で8分間の加熱により固着させる。その捺染物を次いで温水洗いをし、95℃の熱水で堅牢洗い(fastness wash)にかけ、温水洗いをし、乾燥させる。得られるのは青みがかったレッド色の捺染物で、優れた使用堅牢性を有している。
2%:実施例1記載の染料混合物
20%:スルホラン
0.01%:Mergal K9N
77.99%:水
ドロップ・オン・デマンド(バブルジェット)インクジェット印刷ヘッドを使用する。捺染物は完全に乾燥させる。飽和スチームを用い102℃で8分間の加熱により固着させる。その捺染物を次いで温水洗いをし、95℃の熱水で堅牢洗い(fastness wash)にかけ、温水洗いをし、乾燥させる。得られるのは青みがかったレッド色の捺染物で、優れた使用堅牢性を有している。
実施例26
シルケット綿からなる織布を、35g/Lの無水炭酸ナトリウム、50g/Lの尿素及び150g/Lの低粘度のアルギン酸ナトリウム溶液(6%)を含む液でパジングし、次いで乾燥させる。湿時ピックアップは70%である。このようにして前処理した織物を、以下のものを含む水性インキで捺染するが、
8%:実施例1記載の染料混合物
20%:1,2−プロパンジオール
0.01%:Mergal K9N
71.99%:水
ドロップ・オン・デマンド(バブルジェット)インクジェット印刷ヘッドを使用する。捺染物は完全に乾燥させる。飽和スチームを用い102℃で8分間の加熱により固着させる。
シルケット綿からなる織布を、35g/Lの無水炭酸ナトリウム、50g/Lの尿素及び150g/Lの低粘度のアルギン酸ナトリウム溶液(6%)を含む液でパジングし、次いで乾燥させる。湿時ピックアップは70%である。このようにして前処理した織物を、以下のものを含む水性インキで捺染するが、
8%:実施例1記載の染料混合物
20%:1,2−プロパンジオール
0.01%:Mergal K9N
71.99%:水
ドロップ・オン・デマンド(バブルジェット)インクジェット印刷ヘッドを使用する。捺染物は完全に乾燥させる。飽和スチームを用い102℃で8分間の加熱により固着させる。
その捺染物を次いで温水洗いをし、95℃の熱水で堅牢洗いにかけ、温水洗いをし、乾燥させる。得られるのは青みがかったレッド色の捺染物で、優れた使用堅牢性を有している。
実施例27
シルケット綿からなる織布を、35g/Lの無水炭酸ナトリウム、100g/Lの尿素及び150g/Lの低粘度のアルギン酸ナトリウム溶液(6%)を含む液でパジングし、次いで乾燥させる。湿時ピックアップは70%である。このようにして前処理した織物を、以下のものを含む水性インキで捺染するが、
8%:実施例1記載の染料混合物
15%:N−メチルピロリドン
0.01%:Mergal K9N
77.99%:水
ドロップ・オン・デマンド(バブルジェット)インクジェット印刷ヘッドを使用する。捺染物は完全に乾燥させる。飽和スチームを用い102℃で8分間の加熱により固着させる。その捺染物を次いで温水洗いをし、95℃の熱水で堅牢洗いにかけ、温水洗いをし、乾燥させる。得られるのは青みがかったレッド色の捺染物で、優れた使用堅牢性を有している。
シルケット綿からなる織布を、35g/Lの無水炭酸ナトリウム、100g/Lの尿素及び150g/Lの低粘度のアルギン酸ナトリウム溶液(6%)を含む液でパジングし、次いで乾燥させる。湿時ピックアップは70%である。このようにして前処理した織物を、以下のものを含む水性インキで捺染するが、
8%:実施例1記載の染料混合物
15%:N−メチルピロリドン
0.01%:Mergal K9N
77.99%:水
ドロップ・オン・デマンド(バブルジェット)インクジェット印刷ヘッドを使用する。捺染物は完全に乾燥させる。飽和スチームを用い102℃で8分間の加熱により固着させる。その捺染物を次いで温水洗いをし、95℃の熱水で堅牢洗いにかけ、温水洗いをし、乾燥させる。得られるのは青みがかったレッド色の捺染物で、優れた使用堅牢性を有している。
Claims (10)
- 一般式(I)の1種又は複数の染料、
D1、D2及びD3は独立して、一般式(III)の基を表すか、
R1及びR2は独立して、水素、(C1〜C4)−アルキル、(C1〜C4)−アルコキシ、ヒドロキシル、スルホ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、アミド、ウレイド又はハロゲンであり;そして
X1は、水素、スルホ、式−SO2−Z2の基(ここで
Z2は、−CH=CH2又は−CH2CH2Z3であり、そして
Z3は、ヒドロキシル又はアルカリ脱離な基である)、
又は式(IV)の基であり、
D1、D2及びD3は独立して、一般式(V)の基を表すか、
R3及びR4は独立して、水素、(C1〜C4)−アルキル、(C1〜C4)−アルコキシ、ヒドロキシル、スルホ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、アミド、ウレイド又はハロゲンであり;そして
X2はX1が意味するものの1つであり;
又はここで、
D1、D2及びD3は独立して、一般式(VI)の基を表すか、
R5及びR6は独立して、R1が意味するものの1つであり;
R7は水素、(C1〜C4)−アルキル、非置換又は(C1〜C4)−アルキル−、(C1〜C4)−アルコキシ−、スルホ−、ハロゲン−若しくはカルボキル−置換のフェニルであり;そして、
Z4は、一般式(VII)、(VIII)又は(IX)の基であり、
Vは、フッ素又は塩素であり;
U1及びU2は独立して、フッ素、塩素又は水素であり;そして
Q1及びQ2は独立して、塩素、フッ素、シアナミド、ヒドロキシル、(C1〜C6)−アルコキシ、フェノキシ、スルホフェノキシ、メルカプト、(C1〜C6)−アルキルメルカプト、ピリジノ、カルボキシピリジノ、カルバモイルピリジノ又は一般式(X)若しくは(XI)の基であって、
R8は、水素、(C1〜C6)−アルキル、スルホ−(C1〜C6)−アルキル、フェニル、又は(C1〜C4)−アルキル−、(C1〜C4)−アルコキシ−、ヒドロキシル−、スルホ−、ハロゲン−、カルボキシル−、アセトアミド−、ウレイド−置換されたフェニルであり;
R9及びR10は独立して、R8が意味するものの1つであるか、又は結合して、式−(CH2)j−の基若しくは式−(CH2)2−E−(CH2)2−の基を形成し(ここで、jは4又は5であり、Eは酸素、硫黄、スルホニル又は−NR11であり、R11は(C1〜C6)−アルキルである);
Wは、非置換であるか若しくは(C1〜C4)−アルキル、(C1〜C4)−アルコキシ、カルボキシル、スルホ、塩素及び臭素からなる群から選択される1個又は2個の置換基によって置換されたフェニレンであるか、あるいは、酸素、硫黄、スルホニル、アミノ、カルボニル若しくはカルボキサミドによって介在されていてもよい、(C1〜C4)−アルキレンフェニレン、(C2〜C6)−アルキレンであるか、あるいは、非置換であるか若しくは(C1〜C4)−アルキル、(C1〜C4)−アルコキシ、ヒドロキシル、スルホ、カルボキシル、アミド、ウレイド及びハロゲンからなる群から選択される1個又は2個の置換基によって置換されたフェニレンCONHフェニレンであるか、あるいは、非置換であるか若しくは1個又は2個のスルホ基によって置換されたナフチレンであり;そして
Z5は、Z2が意味するものの1つであり;
又はここで、
D1、D2及びD3は独立して、一般式(XII)の基を表すか、
R12は、水素、(C1〜C4)−アルキル、アリール又は置換アリールであり;
R13及びR14は独立して、水素、(C1〜C4)−アルキル、(C1〜C4)−アルコキシ、ヒドロキシル、スルホ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、アミド、ウレイド又はハロゲンであり;そして
Aは一般式(XIII)の基であって、
R15及びR16は独立して、水素、(C1〜C4)−アルキル、(C1〜C4)−アルコキシ、ヒドロキシル、スルホ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、アミド、ウレイド又はハロゲンであるか;又は
Aは一般式(XIV)の基であって、
R17及びR18は独立して、水素、(C1〜C4)−アルキル、(C1〜C4)−アルコキシ、ヒドロキシル、スルホ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、アミド、ウレイド又はハロゲンであるか;又は
Aは一般式(XV)の基であって、
−(CR19R20)k− (XV)
式中、
kは1より大きい整数であり;
R19及びR20は独立して、水素、(C1〜C4)−アルキル、(C1〜C4)−アルコキシ、ヒドロキシル、シアノ、アミド、ハロゲン又はアリールであり;そして、
X3は、X1が意味するものの1つであり;
RAは、水素又は一般式(XVII)の基であり、
−CH2−SO3M (XVII)
RBは、アセトアミド、ウレイド、メチル、メトキシ又は一般式(XVIII)の基であり、
Q3及びQ4は独立して、Q1が意味するものの1つであり;
RCは、水素、メチル、メトキシ又はスルホであり、
Z1は、Z4が意味するものの1つであり;そして
Mは水素、アルカリ金属又は1当量のアルカリ土類金属であるが;
ここで、一般式(I)及び(II)の染料は、式−SO2Z2若しくはZ4、式(XVIII)若しくはZ1の少なくとも一つの繊維反応性基を含み、そして
ここで、式(A)の化合物
D4は、式(B)又は(C)の基であり、
EA (0〜3)及びEB (0〜3)は同一であっても異なっていてもよいが、水素、−SO3M、−OH、−COOM、−F、−Cl、−Br、(C1〜C4)−アルキル又は(C1〜C4)−アルコキシから選択される0〜3個の基であり;
p及びqは0〜2の数であり;
ZA及びZBは、式(Da)、(Db)、(Dc)又は(Dd)の基であり、
−SO2−YA (Da)
−CONH−(CH2)r−SO2−YA (Db)
−NHCONH(Hal)CH2Hal (Dc)
−NHCOCH(Hal)=CH2 (Dd)
rは、0〜5の数であり;
Halは、ハロゲンであり;
YAは、ビニル、β−クロロエチル、β−ブロモエチル、β−アセチルエチル、β−スルファトエチル、β−フェノキシエチル、β−ホスファトエチル、又は−CH2−CH2−U基であり;
Uは、アルカリ性の条件下で脱離することが可能な脱離基であり;そして
Mは、上で定義されたものである]が、
染料の全重量を基準にして最大で1重量%の量で含まれる、染料混合物。 - R1及びR2が、水素、メチル、メトキシ又はスルホであり;
R3〜R6が、水素又はスルホであり;
R7及びR8が、水素又はフェニルであり;
R9及びR10が、水素、2−スルホエチル、2−、3−若しくは4−スルホフェニルであるか、又は合体して−(CH2)2−O−(CH2)2−を形成しており;
R11が、水素又はメチルであり;
R12〜R16、R19、R20、RA、及びRCが水素であり;
R17及びR18が、水素又はスルホであり;
RBが、アセトアミド又はウレイドであり;そして
Z2及びZ5が、ビニル、β−クロロエチル又はβ−スルファトエチルである、
請求項1に記載の染料混合物。 - D1及びD2が、一般式(III)又は(VI)の基を表す、請求項1又は2に記載の染料混合物。
- D3が一般式(V)の基を表し、R3、R4及びX2が水素又はスルホである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の染料混合物。
- Z1が一般式(VIII)の基であって、ここでQ1がフッ素又は塩素であり、そしてQ2が、シアナミド、モルホリノ、2−スルホフェニルアミノ、3−スルホフェニルアミノ、4−スルホフェニルアミノ、3−(2−スルファトエチルスルホニル)フェニルアミノ、4−(2−スルファトエチルスルホニル)フェニルアミノ、3−(ビニルスルホニル)フェニルアミノ、4−(ビニルスルホニル)フェニルアミノ)、N−メチル−N−(2−(2−スルファトエチルスルホニル)エチル)アミノ、N−フェニル−N−(2−(2−スルファトエチルスルホニル)エチル)アミノ、又は2−[2−(2−クロロエチルスルホニル)エトキシ]エチルアミノである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の染料混合物。
- すべて全染料を基準にして、一般式(I)の前記1種又は複数の染料を1%〜99重量%、好ましくは10%〜90重量%の量で、そして一般式(II)の前記1種又は複数の染料を1%〜99重量%、好ましくは10%〜90重量%の量で含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の染料混合物。
- 前記個々の染料を、それぞれ又は互いに機械的に混合することを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の染料混合物を調製するためのプロセス。
- カルボキサミド含有及び/又はヒドロキシル含有材料を染色又は捺染するための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の染料混合物の使用。
- 請求項1〜7の一項又は複数項に記載の染料混合物を含む、インクジェットプロセスによるデジタル織物捺染のためのインキ。
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