本明細書に使用される場合、用語「含んでなる」、「含んでなっている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」またはそれらの他のいずれかの変形は、非排他的包含を包括するように意図される。例えば、要素のリストを含んでなる組成物、プロセス、方法、物品または装置はそれらの要素のみに必ず限定されるのではなく、明白に記載されていないか、またはかかる組成物、プロセス、方法、物品もしくは装置に固有である他の要素を含んでもよい。さらに、それとは反対の記載が明白にされない限り、「あるいは、または、もしくは」は包含的論理和を指し、そして排他的論理和を指さない。例えば、条件AまたはBは以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(または存在する)、そしてBが偽である(または存在しない)。Aが偽であり(または存在しない)、そしてBが真である(または存在する)。ならびにAおよびBの両方が真である(または存在する)。
また本発明の要素または構成成分を先行する不定冠詞「a」および「an」は、要素または構成成分の実例の数(すなわち、発生数)に関して非限定的であるように意図される。従って、「a」または「an」は1または少なくとも1を含むように読解されるべきであり、そして数が明らかに単数を意味しない限り、要素または構成成分の単数形は複数も含む。
「単一液体相組成物」という用語および「単一液体相除草剤組成物」などの派生用語は、単一の液体相から構成される組成物を指す。「単一液体相組成物」という用語は、従って、エマルジョンなどの複数の液体相を含む組成物を除外する。「単一液体相組成物」という用語は、固体粒子の懸濁液および分散体などの単一の液体相に追加して1種以上の固体相を含む組成物は除外しない。
「非スルホニル尿素除草剤」という用語は、スルホニル尿素以外の除草剤を指す。本開示および特許請求の範囲において用いられるところ、「脂肪酸」という用語は、3〜23個、より具体的には3〜21個の炭素原子を含有する炭化水素鎖を有するモノカルボン酸を指す。炭化水素鎖は、分岐であってもよく、ならびに不飽和であってもよい(例えば、1つ以上の炭素−炭素二重結合を含有する)。
本開示および特許請求の範囲においては、「脂肪酸由来部分」という表記は、概念的には、脂肪酸のエステル化による(すなわち由来する)分子に結合されることが可能である分子置換基の部分を指す。本開示および特許請求の範囲において用いられるところ、用語「由来する」は、単に概念的であり、実際の合成(例えば、脂肪酸からの)は必要としない。脂肪酸由来部分は、3〜約23個の炭素原子を含むアルキルまたはアルケニル鎖(すなわち、1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する)(ヒドロキシ脂肪酸の場合にはヒドロキシ置換基を有する鎖)に結合されたカルボニル官能基(C=O)を構成する脂肪酸のアシル部分を構成する。本開示および特許請求の範囲においては、一定の脂肪酸由来部分の重量パーセントという記載は、脂肪酸由来部分を含む化合物の脱エステル化によって形成されることとなる脂肪酸の重量基準での相対的な割合を指す(すなわち、により数値的に判定される)。本明細書において参照されるところ、「ヒドロキシ脂肪酸」とは、脂肪酸のアルキルまたはアルケニル部分に結合した少なくとも1つのヒドロキシ(−OH)置換基を含む脂肪酸(例えば、リシノール酸)を意味する。
本開示および特許請求の範囲における簡潔さのために、任意により、ポリアルコキシル化トリグリセリド中のアルキル置換オキシエチレンユニットを、より簡単に、「アルコキシルユニット」と称することとする。アルキル置換されていないオキシエチレンユニットは、単に、「エトキシルユニット」と称される。
「単峰型分布」という用語は、1つのモードを有する統計的分布を指す。「双峰型分布」という用語は、2つのモードを有する統計的分布を指す。「多峰型分布」という用語は、2つ以上のモードを有する統計的分布を指す。
本発明の実施形態は以下を含む。
実施形態A1.構成成分(a)(すなわち、1種以上のスルホニル尿素除草剤)が重量基準で組成物の少なくとも約0.5%である、発明の概要に記載の組成物。
実施形態A2.構成成分(a)が重量基準で組成物の少なくとも約2%である実施形態A1の組成物。
実施形態A3.構成成分(a)が重量基準で組成物の少なくとも約4%である実施形態A2の組成物。
実施形態A4.構成成分(a)が重量基準で組成物の約15%以下である、発明の概要に記載の組成物。
実施形態A5.構成成分(a)が重量基準で組成物の約12%以下である実施形態A4の組成物。
実施形態A6.構成成分(a)が重量基準で組成物の約10%以下である実施形態A5の組成物。
実施形態A7.構成成分(a)が重量基準で組成物の約8%以下である実施形態A6の組成物。
実施形態A8.構成成分(a)が、アミドスルフロン、アジムスルフロン、ベンスルフロン−メチル、クロリムロン−エチル、クロルスルフロン、シノスルフロン、シクロスルファムロン、エタメツルフロン−メチル、エトキシスルフロン、フルセトスルフロン、フルピルスルフロン−メチル、フラザスルフロン、ホラムスルフロン、ハロスルフロン−メチル、イマゾスルフロン、イオドスルフロン−メチル、メソスルフロン−メチル、メトスルフロン−メチル、ニコスルフロン、オキサスルフロン、プリミスルフロン−メチル、プロスルフロン、ピラゾスルフロン−エチル、リムスルフロン、スルホメツロン−メチル、スルホスルフロン、チフェンスルフロン−メチル、トリアスルフロン、トリベヌロン−メチル、トリフロキシスルフロン、トリフルスルフロン−メチルおよびトリトスルフロン、ならびにこれらの塩から選択される、発明の概要に記載の組成物。
実施形態A9.構成成分(a)が、アジムスルフロン、ベンスルフロン−メチル、クロリムロン−エチル、クロルスルフロン、エタメツルフロン−メチル、フルピルスルフロン−メチル、メトスルフロン−メチル、ニコスルフロン、リムスルフロン、スルホメツロン−メチル、チフェンスルフロン−メチル、トリベヌロン−メチル、およびトリフルスルフロン−メチル、ならびにこれらの塩から選択される実施形態A8の組成物。
実施形態A10.構成成分(a)が、フルピルスルフロン−メチル、ニコスルフロンおよびリムスルフロン、ならびにこれらの塩から選択される実施形態A9の組成物。
実施形態A11.構成成分(a)が、メトスルフロン−メチル、ニコスルフロン、リムスルフロンおよびチフェンスルフロン−メチル、ならびにこれらの塩から選択される実施形態A9の組成物。
実施形態A12.構成成分(a)が、ニコスルフロン、リムスルフロンおよびチフェンスルフロン−メチル、ならびにこれらの塩から選択される実施形態A11の組成物。
実施形態A13.構成成分(a)が、ニコスルフロンおよびリムスルフロン、ならびにこれらの塩から選択される実施形態A11の組成物。
実施形態A14.構成成分(a)が、ニコスルフロンおよびチフェンスルフロン−メチル、ならびにこれらの塩から選択される実施形態A11の組成物。
実施形態A15.構成成分(a)が、ニコスルフロンおよびこれらの塩から選択される実施形態A11の組成物。
実施形態A16.構成成分(a)が、メトスルフロン−メチル、ニコスルフロン、リムスルフロンおよびチフェンスルフロン−メチルの遊離酸形態から選択される実施形態A8の組成物。
実施形態A17.構成成分(a)が、ニコスルフロン、リムスルフロンおよびチフェンスルフロン−メチルの遊離酸形態から選択される実施形態A16の組成物。
実施形態A18.構成成分(a)が、ニコスルフロンおよびリムスルフロンの遊離酸形態から選択される実施形態A17の組成物。
実施形態A19.構成成分(a)が、ニコスルフロンおよびチフェンスルフロン−メチルの遊離酸形態から選択される実施形態A17の組成物。
実施形態A20.構成成分(a)が、ニコスルフロンの遊離酸形態である実施形態A17の組成物。
実施形態A21.ニコスルフロンの遊離酸形態が水和物である実施形態A17〜A20のいずれか1種の組成物。
実施形態A22.構成成分(a)が、リムスルフロンの遊離酸形態である実施形態A17の組成物。
実施形態A23.構成成分(a)が、チフェンスルフロン−メチルの遊離酸形態である実施形態A17の組成物。
実施形態A24.ニコスルフロンが重量基準で組成物の約2〜約8%であり、およびチフェンスルフロン−メチルが重量基準で組成物の約2%以下である実施形態A14、A19またはA21のいずれか1種の組成物。
実施形態A25.ニコスルフロンが、重量基準で組成物の約2〜約8%である実施形態A15、A20またはA21のいずれか1種の組成物。
実施形態B1.構成成分(b)(すなわち、スルホニル尿素除草剤以外の1種以上の生物学的に活性な薬剤)が、重量基準で組成物の少なくとも約0.1%である、発明の概要に記載の組成物。
実施形態B2.構成成分(b)が1種以上の非スルホニル尿素除草剤を含む実施形態B1の組成物。
実施形態B3.構成成分(b)がアトラジンを含む実施形態B2の組成物。
実施形態B4.構成成分(b)がジカンバを含む実施形態B2の組成物。
実施形態B5.構成成分(b)がフルミオキサジンを含む実施形態B2の組成物。
実施形態C1.構成成分(c)(すなわち、1種以上の除草剤毒性緩和剤)が、重量基準で少なくとも約0.1%の組成物である、発明の概要に記載の組成物。
実施形態C2.構成成分(c)がイソキサジフェン−エチルを含む実施形態C1の組成物。
実施形態C3.構成成分(c)がメフェンピル−ジエチルを含む実施形態C1の組成物。
実施形態C4.構成成分(c)がクロキントセット−メキシルを含む実施形態C1の組成物。
実施形態D1.構成成分(d)(すなわち、ポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分の約50重量%以下がヒドロキシ脂肪酸に由来する1種以上のポリアルコキシル化トリグリセリド)が、重量基準で組成物の少なくとも約15%である、発明の概要に記載の組成物。
実施形態D2.構成成分(d)が、重量基準で組成物の少なくとも約20%である実施形態D1の組成物。
実施形態D3.構成成分(d)が、重量基準で組成物の少なくとも約25%である実施形態D2の組成物。
実施形態D4.構成成分(d)が、重量基準で組成物の少なくとも約30%である実施形態D3の組成物。
実施形態D5.構成成分(d)が、重量基準で組成物の少なくとも約35%である実施形態D4の組成物。
実施形態D6.構成成分(d)が、重量基準で組成物の少なくとも約40%である実施形態D5の組成物。
実施形態D7.構成成分(d)が重量基準で組成物の約95%以下である、発明の概要に記載の組成物。
実施形態D8.構成成分(d)が重量基準で組成物の約70%以下である実施形態D7の組成物。
実施形態D9.構成成分(d)が重量基準で組成物の約60%以下である実施形態D8の組成物。
実施形態D10.構成成分(d)が重量基準で組成物の約50%以下である実施形態D9の組成物。
実施形態D11.構成成分(d)が重量基準で組成物の約45%以下である実施形態D10の組成物。
実施形態D12.構成成分(d)がポリエトキシル化トリグリセリドを含む発明の概要に記載の組成物。
実施形態D13.ポリエトキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分の約50重量%以下がヒドロキシ脂肪酸に由来する実施形態D12の組成物。
実施形態D14.ポリエトキシル化トリグリセリドが、ポリエトキシル化トリグリセリド分子中に、平均で、約3〜約100のエチレンオキシド由来のユニットを含有する実施形態D12またはD13の組成物。
実施形態D15.ポリエトキシル化トリグリセリドが、ポリエトキシル化トリグリセリド分子中に、平均で、約5〜約50のエチレンオキシド由来のユニットを含有する実施形態D14の組成物。
実施形態D16.ポリエトキシル化トリグリセリドが、ポリエトキシル化トリグリセリド分子中に、平均で、約10〜約30のエチレンオキシド由来のユニットを含有する実施形態D15の組成物。
実施形態D17.構成成分(d)がポリアルコキシル化植物油を含む発明の概要に記載の組成物。
実施形態D18.構成成分(d)が、ポリエトキシル化大豆油およびポリエトキシル化ナタネ油から選択される1種以上のポリアルコキシル化植物油を含む実施形態D17の組成物。
実施形態D19.構成成分(d)がポリエトキシル化大豆油を含む実施形態D18の組成物。
実施形態D20.構成成分(d)が、重量基準で組成物の少なくとも約50重量%の、ポリアルコキシル化ヒマシ油以外の1種以上のポリアルコキシル化トリグリセリドを含む、発明の概要に記載の組成物。
実施形態D21.構成成分(d)が、少なくとも約90重量%の、ポリアルコキシル化ヒマシ油以外の1種以上のポリアルコキシル化トリグリセリドを含む実施形態D20の組成物。
実施形態D22.構成成分(d)が、少なくとも約99重量%の、ポリアルコキシル化ヒマシ油以外の1種以上のポリアルコキシル化トリグリセリドを含む実施形態D21の組成物。
実施形態D23.構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分の約44重量%以下がヒドロキシ脂肪酸に由来する、発明の概要に記載の組成物。
実施形態D24.構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分の約10重量%以下がヒドロキシ脂肪酸に由来する実施形態D23の組成物。
実施形態D25.構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分の約9重量%以下がヒドロキシ脂肪酸に由来する実施形態D24の組成物。
実施形態D26.構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分の約5重量%以下がヒドロキシ脂肪酸に由来する実施形態D25の組成物。
実施形態D27.構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分の約2重量%以下がヒドロキシ脂肪酸に由来する実施形態D26の組成物。
実施形態D28.構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分の約1重量%以下がヒドロキシ脂肪酸に由来する実施形態D27の組成物。
実施形態D29.構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分の約0.1重量%以下がヒドロキシ脂肪酸に由来する実施形態D28の組成物。
実施形態D30.構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分がヒドロキシ脂肪酸以外に由来する、発明の概要に記載の組成物。
実施形態D31.構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドの脂肪酸由来部分の少なくとも約90重量%が、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリドン酸、アラキジン(エイコサン)酸、ガドレイン(エイコセン)酸、ティムノドン(エイコサペンタエン)酸、ベヘン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸およびネルボン酸から選択される脂肪酸化合物に由来する、発明の概要に記載の組成物。
実施形態D32.構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドの脂肪酸由来部分の少なくとも約95重量%が、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリドン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ティムノドン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸およびネルボン酸から選択される脂肪酸化合物に由来する、発明の概要に記載の組成物。
実施形態D33.構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドの脂肪酸由来部分の少なくとも約90重量%が、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸およびエルカ酸から選択される脂肪酸化合物に由来する、発明の概要に記載の組成物。
実施形態D34.構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドの脂肪酸由来部分の少なくとも約40重量%が、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸から選択される脂肪酸化合物に由来する、発明の概要に記載の組成物。
実施形態D35.構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドの脂肪酸由来部分の少なくとも約80重量%が、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸から選択される脂肪酸化合物に由来する実施形態D34の組成物。
実施形態D36.構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドの脂肪酸由来部分の少なくとも約90重量%が、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸から選択される脂肪酸化合物に由来する実施形態D35の組成物。
実施形態D37.構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドの脂肪酸由来部分の少なくとも約95重量%が、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸から選択される脂肪酸化合物に由来する実施形態D36の組成物。
実施形態D38.構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分が未分岐脂肪酸に由来する、発明の概要に記載の組成物または実施形態D1〜D37のいずれか1種の組成物。
実施形態D39.構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドの脂肪酸由来部分の約90重量%以下が、いずれか1種の脂肪酸化合物に由来する、発明の概要に記載の組成物または実施形態D1〜D38のいずれか1種の組成物。
実施形態D40.構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドの脂肪酸由来部分の約85重量%以下が、いずれか1種の脂肪酸化合物に由来する実施形態D39の組成物。
実施形態D41.構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドの脂肪酸由来部分の約80重量%以下が、いずれか1種の脂肪酸化合物に由来する実施形態D40の組成物。
実施形態D42.構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドの脂肪酸由来部分の約70重量%以下が、いずれか1種の脂肪酸化合物に由来する実施形態D41の組成物。
実施形態D43.構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドの脂肪酸由来部分の約60重量%以下が、いずれか1種の脂肪酸化合物に由来する実施形態D42の組成物。
実施形態D44.構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドの脂肪酸由来部分の約55重量%以下が、いずれか1種の脂肪酸化合物に由来する実施形態D43の組成物。
実施形態D45.構成成分(d)が、約4:1〜約1:4の重量比で、少なくとも約5アルコキシルユニットで異なる平均アルキシル化を有する2種のポリアルコキシル化トリグリセリド成分を組み合わせることにより提供される、発明の概要に記載の組成物または実施形態D1〜D44のいずれか1種の組成物。
実施形態D46.2種のポリアルコキシル化トリグリセリド成分の平均アルコキシル化が、少なくとも約10アルコキシルユニットで異なる実施形態D45の組成物。
実施形態D47.2種のポリアルコキシル化トリグリセリド成分の平均アルコキシル化が、少なくとも約15アルコキシルユニットで異なる実施形態D46の組成物。
実施形態D48.2種のポリアルコキシル化トリグリセリド成分の平均アルコキシル化が、約40アルコキシルユニット以下で異なる実施形態D45の組成物。
実施形態D49.2種のポリアルコキシル化トリグリセリド成分の平均アルコキシル化が、約30アルコキシルユニット以下で異なる実施形態D48の組成物。
実施形態D50.2種のポリアルコキシル化トリグリセリド成分の平均アルコキシル化が、約25アルコキシルユニット以下で異なる実施形態D49の組成物。
実施形態D51.2種のポリアルコキシル化トリグリセリド成分の平均アルコキシル化が、約20アルコキシルユニットで異なる実施形態D45の組成物。
実施形態D52.1種のポリアルコキシル化トリグリセリド成分の平均アルコキシル化が約10アルコキシルユニットであり、および他のポリアルコキシル化トリグリセリド成分の平均アルコキシル化が約30アルコキシルユニットである実施形態D51の組成物。
実施形態D53.2種のポリアルコキシル化トリグリセリド成分は約3:1〜約1:3の重量比である実施形態D45〜D52のいずれか1種の組成物。
実施形態D54.2種のポリアルコキシル化トリグリセリド成分は約2:1〜約1:2の重量比である実施形態D53の組成物。
実施形態D55.2種のポリアルコキシル化トリグリセリド成分は約3:2〜約2:3の重量比である実施形態D54の組成物。
実施形態D56.構成成分(d)が、ポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分の約50重量%以下がヒドロキシ脂肪酸に由来するポリアルコキシル化トリグリセリド組成物であって、モードが少なくとも約4アルコキシルユニットで異なる双峰型分布の分子当たりのアルコキシルユニット数を有するポリアルコキシル化トリグリセリド組成物である、発明の概要に記載の組成物または実施形態D1〜D44のいずれか1種の組成物。
実施形態D57.モードが少なくとも約8アルコキシルユニットで異なる実施形態D56の組成物。
実施形態D58.モードが少なくとも約16アルコキシルユニットで異なる実施形態D57の組成物。
実施形態D59.モードが約20アルコキシルユニットで異なる実施形態D58の組成物。
実施形態D60.モードが、約40アルコキシルユニット以下で異なる実施形態D56の組成物。
実施形態D61.モードが、約30アルコキシルユニット以下で異なる実施形態D60の組成物。
実施形態D62.モードが、約25アルコキシルユニット以下で異なる実施形態D61の組成物。
実施形態D63.構成成分(d)が、ポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分の約50重量%以下がヒドロキシ脂肪酸に由来するポリアルコキシル化トリグリセリド組成物であって、少なくとも2つのモードが少なくとも約4アルコキシルユニットで異なる多峰型分布の分子当たりのアルコキシルユニット数を有するポリアルコキシル化トリグリセリド組成物である、発明の概要に記載の組成物または実施形態D1〜D44のいずれか1種の組成物。
実施形態D64.少なくとも2つのモードが、少なくとも約8アルコキシルユニットで異なる実施形態D63の組成物。
実施形態D65.少なくとも2つのモードが、少なくとも約16アルコキシルユニットで異なる実施形態D64の組成物。
実施形態D66.少なくとも2つのモードが約20アルコキシルユニットで異なる実施形態D65の組成物。
実施形態D67.最高のアルコキシルユニットモードが、最低のアルコキシルユニットモードとは約40アルコキシルユニット以下で異なる実施形態D66の組成物。
実施形態D68.最高のアルコキシルユニットモードが、最低のアルコキシルユニットモードとは約30アルコキシルユニット以下で異なる実施形態D67の組成物。
実施形態D69.最高のアルコキシルユニットモードが、最低のアルコキシルユニットモードとは約25アルコキシルユニット以下で異なる実施形態D68の組成物。
実施形態D70.最低のアルコキシルユニットモードが少なくとも約4アルコキシルユニットである実施形態D56〜D69のいずれか1種の組成物。
実施形態D71.最低のアルコキシルユニットモードが少なくとも約8アルコキシルユニットである実施形態D70の組成物。
実施形態D72.最低のアルコキシルユニットモードが約10アルコキシルユニットである実施形態D71の組成物。
実施形態D73.最高のアルコキシルユニットモードが約50アルコキシルユニット以下である実施形態D56〜D69のいずれか1種の組成物。
実施形態D74.最高のアルコキシルユニットモードが約40アルコキシルユニット以下である実施形態D73の組成物。
実施形態D75.最高のアルコキシルユニットモードが約35アルコキシルユニット以下である実施形態D74の組成物。
実施形態D76.最高のアルコキシルユニットモードが約30アルコキシルユニットである実施形態D75の組成物。
実施形態D77.ポリアルコキシル化トリグリセリド成分または組成物がポリエトキシル化トリグリセリド(すなわち、アルコキシルユニットが未置換オキシエチレンユニットである)を含む実施形態D45〜D76のいずれか1種の組成物。
実施形態E1.構成成分(e)(すなわち、C1〜C4アルカノールの脂肪酸エステルの1種以上)が少なくとも約0.1%である、発明の概要に記載の組成物。
実施形態E2.構成成分(e)が重量基準で組成物の少なくとも約10%である実施形態E1の組成物。
実施形態E3.構成成分(e)が重量基準で組成物の少なくとも約20%である実施形態E2の組成物。
実施形態E4.構成成分(e)が重量基準で組成物の少なくとも約30%である実施形態E3の組成物。
実施形態E5.構成成分(e)が重量基準で組成物の少なくとも約35%である実施形態E4の組成物。
実施形態E6.構成成分(e)が重量基準で組成物の少なくとも約40%である実施形態E5の組成物。
実施形態E7.構成成分(e)が重量基準で組成物の少なくとも約50%である実施形態E6の組成物。
実施形態E8.構成成分(e)が重量基準で組成物の約75%以下である、発明の概要に記載の組成物。
実施形態E9.構成成分(e)が重量基準で組成物の約65%以下である実施形態E8の組成物。
実施形態E10.構成成分(e)が、1種以上の脂肪酸のメチルエステルを含む実施形態E1の組成物。
実施形態E11.構成成分(e)の少なくとも約80重量%が、8〜22個の炭素原子を含有する脂肪酸のエステルから構成される実施形態E1の組成物。
実施形態E12.構成成分(e)の少なくとも約90重量%が、8〜22個の炭素原子を含有する脂肪酸のエステルから構成される実施形態E11の組成物。
実施形態E13.構成成分(e)が、C1〜C4アルカノールの飽和または不飽和C10〜C22脂肪酸エステルを含む実施形態E1の組成物。
実施形態E14.構成成分(e)が、C1〜C4アルカノールの飽和または不飽和C12〜C20脂肪酸エステルを含む実施形態E13の組成物。
実施形態E15.構成成分(e)が、C1〜C4アルカノールの飽和または不飽和C16〜C18脂肪酸エステルを含む実施形態E14の組成物。
実施形態E16.構成成分(e)が、C1〜C2アルカノールの飽和または不飽和C16〜C18脂肪酸エステルを含む実施形態E15の組成物。
実施形態E17.構成成分(e)が、メタノールの飽和または不飽和C16〜C18脂肪酸エステルを含む実施形態E16の組成物。
実施形態E18.構成成分(e)が、ヒマワリ、ダイズ、綿またはアマニのメチル化種子油を含む実施形態E1の組成物。
実施形態E19.構成成分(e)が、ナタネまたはダイズのメチル化種子油を含む実施形態E1の組成物。
実施形態E20.構成成分(e)がメチル化大豆油(大豆メチル)を含む実施形態E18またはE19の組成物。
実施形態F1.構成成分(f)(すなわち、1種以上の追加の配合成分)が重量基準で組成物の約60%を超えない、発明の概要に記載の組成物。
実施形態F2.構成成分(f)が重量基準で組成物の約50%を超えない、実施形態F1の組成物。
実施形態F3.構成成分(f)が重量基準で組成物の約40%を超えない、実施形態F2の組成物。
実施形態F4.構成成分(f)が重量基準で組成物の約30%を超えない、実施形態F3の組成物。
実施形態F5.構成成分(f)が重量基準で組成物の約25%を超えない、実施形態F4の組成物。
実施形態F6.構成成分(f)が重量基準で組成物の約20%を超えない、実施形態F5の組成物。
実施形態F7.構成成分(f)が重量基準で組成物の約15%を超えない、実施形態F6の組成物。
実施形態F8.構成成分(f)が重量基準で組成物の約10%を超えない、実施形態F7の組成物。
実施形態F9.構成成分(f)が重量基準で組成物の少なくとも約0.1%である、発明の概要に記載の組成物。
実施形態F10.構成成分(f)が、界面活性剤、懸濁剤および希釈剤から選択される実施形態F9の組成物。
実施形態F11.構成成分(f)が、1種以上の分散剤を重量基準で組成物の約30%以下の量で含む実施形態F9またはF10の組成物。
実施形態F12.構成成分(f)が、1種以上の分散剤を重量基準で組成物の約20%以下の量で含む実施形態F11の組成物。
実施形態F13.構成成分(f)が、1種以上の分散剤を重量基準で組成物の約10%以下の量で含む実施形態F12の組成物。
実施形態F14.構成成分(f)が1種以上のリグノスルホン酸塩を含む実施形態F10またはF11の組成物。
実施形態F15.構成成分(f)が、1種以上のアンモニウム、アルカリ金属またはアルカリ土類金属リグノスルホン酸塩塩を含む実施形態F14の組成物。
実施形態F16.構成成分(f)がナトリウムリグノスルホン酸塩を含む実施形態F15の組成物。
実施形態F17.構成成分(f)が、30%以下の1種以上のリグノスルホン酸塩を含む実施形態F14の組成物。
実施形態F18.構成成分(f)が、1種以上のリグノスルホン酸塩を、重量基準で組成物の少なくとも約0.1%の総量で含む実施形態F14またはF17の組成物。
実施形態F19.構成成分(f)が、1種以上のリグノスルホン酸塩を、重量基準で組成物の少なくとも約0.5%の総量で含む実施形態F18の組成物。
実施形態F20.構成成分(f)が、1種以上のリグノスルホン酸塩を、重量基準で組成物の少なくとも約1%の総量で含む実施形態F19の組成物。
実施形態F21.構成成分(f)が、1種以上のリグノスルホン酸塩を、重量基準で組成物の少なくとも約2%の総量で含む実施形態F20の組成物。
実施形態F22.構成成分(f)が、1種以上のリグノスルホン酸塩を、重量基準で組成物の少なくとも約3%の総量で含む実施形態F21の組成物。
実施形態F23.構成成分(f)が、1種以上のリグノスルホン酸塩を、重量基準で組成物の約10%以下の総量で含む実施形態F14またはF17の組成物。
実施形態F24.構成成分(f)が、1種以上のリグノスルホン酸塩を、重量基準で組成物の約8%以下の総量で含む実施形態F23の組成物。
実施形態F25.構成成分(f)が、1種以上のリグノスルホン酸塩を、重量基準で組成物の約6%以下の総量で含む実施形態F24の組成物。
実施形態F26.構成成分(f)が、1種以上のリグノスルホン酸塩を、重量基準で組成物の約5%以下の総量で含む実施形態F25の組成物。
実施形態F27.構成成分(f)が、1種以上のリグノスルホン酸塩を、重量基準で組成物の約4%以下の総量で含む実施形態F26の組成物。
実施形態F28.構成成分(f)が、ポリエトキシル化ソルビタンエステル界面活性剤およびポリエトキシル化ソルビトールエステル界面活性剤からなる群から選択される1種以上の界面活性剤を含む実施形態F9またはF10の組成物。
実施形態F29.構成成分(f)がポリエトキシル化ソルビタンエステル界面活性剤を含む実施形態F28の組成物。
実施形態F30.構成成分(f)がポリエトキシル化ソルビトールエステル界面活性剤を含む実施形態F28の組成物。
実施形態F31.構成成分(f)が、ポリエトキシル化ソルビタンエステル界面活性剤およびポリエトキシル化ソルビトールエステル界面活性剤の両方を含む実施形態F28の組成物。
実施形態F32.構成成分(f)がクレイを含む実施形態F9またはF10の組成物。
実施形態F33.クレイが重量基準で組成物の少なくとも約0.1%である実施形態F32の組成物。
実施形態F34.クレイが重量基準で組成物の少なくとも約0.5%である実施形態F33の組成物。
実施形態F35.クレイが重量基準で組成物の約5%以下である実施形態F34の組成物。
実施形態F36.クレイが重量基準で組成物の約3%以下である実施形態F32の組成物。
実施形態F37.構成成分(f)が尿素を含む実施形態F9またはF10の組成物。
実施形態F38.尿素が重量基準で組成物の少なくとも約0.1%である実施形態F37の組成物。
実施形態F39.尿素が重量基準で組成物の少なくとも約0.2%である実施形態F38の組成物。
実施形態F40.尿素が重量基準で組成物の少なくとも約1%である実施形態F39の組成物。
実施形態F41.尿素が重量基準で組成物の約10%以下である実施形態F37の組成物。
実施形態F42.尿素が重量基準で組成物の約5%以下である実施形態F41の組成物。
実施形態F43.尿素が重量基準で組成物の約3%以下である実施形態F42の組成物。
実施形態F44.構成成分(f)中の界面活性剤(すなわち、構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリド以外の界面活性剤)が重量基準で組成物の約10%以下である実施形態F9またはF10の組成物。
実施形態F45.構成成分(f)中の界面活性剤が重量基準で組成物の約5%以下である実施形態F44の組成物。
実施形態F46.構成成分(f)中の界面活性剤が重量基準で組成物の約4%以下である実施形態F45の組成物。
実施形態F47.構成成分(f)中の界面活性剤が重量基準で組成物の約3%以下である実施形態F46の組成物。
実施形態F48.構成成分(f)中の界面活性剤が重量基準で組成物の約2%以下である実施形態F47の組成物。
実施形態G1.重量基準で約1%以下の水を含有する、発明の概要に記載の組成物または前記実施形態のいずれか1種の組成物。
実施形態G2.重量基準で約0.5%以下の水を含有する、実施形態G1の組成物。
実施形態G3.重量基準で約0.1%以下の水を含有する、実施形態G2の組成物。
実施形態H1.約10%以下の(未変性)トリグリセリドを含有する、発明の概要に記載の組成物または前述の実施形態のいずれか1種の組成物。
実施形態H2.重量基準で約5%以下のトリグリセリドを含有する実施形態H1の組成物。
実施形態H3.重量基準で約2%以下のトリグリセリドを含有する実施形態H2の組成物。
実施形態H4.重量基準で約1%以下のトリグリセリドを含有する実施形態H3の組成物。
実施形態H5.重量基準で約0.5%以下のトリグリセリドを含有する実施形態H4の組成物。
実施形態H6.重量基準で約0.2%以下のトリグリセリドを含有する実施形態H5の組成物。
実施形態H7.重量基準で約0.1%以下のトリグリセリドを含有する実施形態H6の組成物。
実施形態H8.重量基準で約10%以下のアルコキシル化脂肪酸を含有する、発明の概要に記載の組成物または前述の実施形態のいずれか1種の組成物。
実施形態H9.重量基準で約5%以下のアルコキシル化脂肪酸を含有する実施形態H8の組成物。
実施形態H10.重量基準で約2%以下のアルコキシル化脂肪酸を含有する実施形態H9の組成物。
実施形態H11.重量基準で約1%以下のアルコキシル化脂肪酸を含有する実施形態H10の組成物。
実施形態H12.重量基準で約0.5%以下のアルコキシル化脂肪酸を含有する実施形態H11の組成物。
実施形態H13.重量基準で約0.2%以下のアルコキシル化脂肪酸を含有する実施形態H12の組成物。
実施形態H14.重量基準で約0.1%以下のアルコキシル化脂肪酸を含有する実施形態H13の組成物。
本発明の実施形態はいずれかの様式で組み合わせることが可能である。このような組み合わせの例は、重量基準で、2〜8%のニコスルフロンおよび0〜2%のチフェンスルフロン−メチル(構成成分(a)として)、30〜50%のポリエトキシル化大豆油(構成成分(d)として)、35〜65%のメチル化大豆油(構成成分(e)として)、ならびに0.5〜5%のクレイおよび0.5〜4%の1種以上のリグノスルホン酸塩(構成成分(f)として)を含む、発明の概要に記載の組成物である。このような組み合わせの他の例は、重量基準で、2〜8%のニコスルフロンおよび0〜2%のチフェンスルフロン−メチル(構成成分(a)として)、一方のポリエトキシル化大豆油成分の平均エトキシル化が約10エトキシルユニットであると共に他方のポリエトキシル化大豆油成分の平均エトキシル化が約30エトキシルユニットである2種のポリエトキシル化大豆油成分を約2:1〜約1:2の重量比で組み合わせることにより提供されるポリエトキシル化大豆油30〜50%(構成成分(d)として)、35〜65%のメチル化大豆油(構成成分(e)として)、ならびに0.5〜5%のクレイおよび0.5〜4%の1種以上のリグノスルホン酸塩(構成成分(f)として)を含む、発明の概要に記載の組成物である。このような組み合わせのさらなる例は、重量基準で、2〜8%のニコスルフロンおよび0〜2%のチフェンスルフロン−メチル(構成成分(a)として)、モードが少なくとも約8エトキシルユニットで異なる双峰型分布の分子当たりのエトキシルユニット数を有するポリエトキシル化大豆油30〜50%(構成成分(d)として)、35〜65%のメチル化大豆油(構成成分(e)として)、ならびに0.5〜5%のクレイおよび0.5〜4%の1種以上のリグノスルホン酸塩(構成成分(f)として)を含む、発明の概要に記載の組成物である。
存在する場合には構成成分(c)の構成成分(a)の重量に対する重量の比が約10:1〜約1:10の範囲内である、発明の概要に記載の組成物に注目されたい。
重量基準で、
(1)0.1〜30%の1種以上のスルホニル尿素除草剤;および
(2)10%〜99.9%の1種以上のポリアルコキシル化トリグリセリドであって、ポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分の約50重量%以下がヒドロキシ脂肪酸に由来するもの;ならびに任意により
(3)0〜40%の、スルホニル尿素除草剤以外の1種以上の生物学的に活性な薬剤;
(4)0〜30%の1種以上の除草剤毒性緩和剤;
(5)0〜89.9%の、C1〜C4アルカノールの脂肪酸エステルの1種以上;および(6)0〜70%の1種以上の追加の配合成分
から本質的に構成される単一液体相除草剤組成物にもまた注目されたい。
上述の実施形態A1〜H14およびこれらの組み合わせもまた、表記の処方成分から「本質的に構成される」と記載したこの単一液体相除草剤組成物に関連する。実施形態A1〜H14の組み合わせを用いてより具体的に記載したこの組成物の例は、重量基準で、2〜8%のニコスルフロンおよび0〜2%のチフェンスルフロン−メチル(構成成分(1)として)、30〜50%のポリエトキシル化大豆油(構成成分(2)として)、35〜65%のメチル化大豆油(構成成分(5)として)、ならびに0.5〜5%のクレイおよび0.5〜4%の1種以上のリグノスルホン酸塩(構成成分(6)として)から本質的に構成される単一液体相組成物である。他の例は、重量基準で、2〜8%のニコスルフロンおよび0〜2%のチフェンスルフロン−メチル(構成成分(1)として)、一方のポリエトキシル化大豆油成分の平均エトキシル化が約10エトキシルユニットであると共に他方のポリエトキシル化大豆油成分の平均エトキシル化が約30エトキシルユニットである2種のポリエトキシル化大豆油成分を約2:1〜約1:2の重量比で組み合わせることにより提供されるポリエトキシル化大豆油30〜50%(構成成分(2)として)、35〜65%のメチル化大豆油(構成成分(5)として)、ならびに0.5〜5%のクレイおよび0.5〜4%の1種以上のリグノスルホン酸塩(構成成分(6)として)から本質的に構成される組成物である。さらなる例は、重量基準で、2〜8%のニコスルフロンおよび0〜2%のチフェンスルフロン−メチル(構成成分(1)として)、モードが少なくとも約8エトキシルユニットで異なる双峰型分布の分子当たりのエトキシルユニット数を有するポリエトキシル化大豆油30〜50%(構成成分(2)として)、35〜65%のメチル化大豆油(構成成分(5)として)、ならびに0.5〜5%のクレイおよび0.5〜4%の1種以上のリグノスルホン酸塩(構成成分(6)として)から本質的に構成される組成物である。
本発明は、1種以上のスルホニル尿素除草剤(すなわち構成成分(a))を、組成物の約0.1〜約30%、より典型的には約0.5〜約15%または約2%〜約10%または12%、および最も典型的には約4%〜約8重量%の量で含む単一液体相組成物を提供する。スルホニル尿素除草剤は当該技術分野において周知である。スルホニル尿素除草剤分子は、スルホニル尿素部分(−S(O)2NHC(O)NH(R)−)を含む。スルホニル尿素除草剤において、スルホニル尿素部分のスルホニル末端は、直接的に、または、酸素原子によりあるいは任意により置換アミノ基もしくは置換メチレン基により、典型的には置換環式または非環式基に結合されている。スルホニル尿素架橋の反対側の端部では、水素の代わりにメチル(RはCH3である)などの置換基を有していてもよいアミノ基が、典型的には、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノおよびハロゲンなどの1つあるいは2つの置換基を有する対称性のピリミジンまたはトリアジン環といった複素環基に結合されている。スルホニル尿素除草剤は遊離酸または塩の形態であることが可能である。遊離酸形態においては、架橋上のスルホンアミド窒素は脱プロトン化されておらず(すなわち、−S(O)2NHC(O)NH(R)−)、一方で塩形態においては、架橋上のスルホンアミド窒素原子は脱プロトン化されており(すなわち、−S(O)2N−C(O)NH(R)−)、および、典型的にはアルカリ金属またはアルカリ土類金属の、最も一般的にはナトリウムまたはカリウムのカチオンが存在する。しかも、スルホニル尿素の一定の結晶形は、水分子(すなわち、水和物を形成する)または低級(C1〜C4)アルカノール、および1,4−ジオキサンなどのエーテルなどの他の小分子を包含することが可能である。小分子は、典型的には200未満、より典型的には150未満の分子量を有する。水または他の分子を含有するこのようなスルホニル尿素結晶形は本発明において有用であり、本件において特許請求されている組成物におけるスルホニル尿素は前記結晶形を包含する。本単一液体相除草剤組成物については、ニコスルフロンの含水結晶形態であることに特に注目されたい。
本発明において有用であるスルホニル尿素の代表例は、式Iのものおよびこれらの塩である。
JはR
13SO
2N(CH
3)−であり;
RはHまたはCH
3であり;
R
1は、F、Cl、Br、NO
2、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4ハロアルキル、C
3〜C
4シクロアルキル、C
2〜C
4ハロアルケニル、C
1〜C
4アルコキシ、C
1〜C
4ハロアルコキシ、C
2〜C
4アルコキシアルコキシ、CO
2R
14、C(O)NR
15R
16、SO
2NR
17R
18、S(O)
nR
19、C(O)R
20、CH
2CNまたはLであり;
R
2は、H、F、Cl、Br、I、CN、CH
3、OCH
3、SCH
3、CF
3または
OCF
2Hであり;
R
3は、Cl、NO
2、CO
2CH
3、CO
2CH
2CH
3、C(O)CH
3、C(O)CH
2CH
3、C(O)−シクロプロピル、C(O)N(CH
3)
2、SO
2N(CH
3)
2、SO
2CH
3、SO
2CH
2CH
3、OCH
3またはOCH
2CH
3であり;
R
4は、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
2ハロアルキル、C
1〜C
2アルコキシ、C
2〜C
4ハロアルケニル、F、Cl、Br、NO
2、CO
2R
14、C(O)NR
15R
16、SO
2NR
17R
18、S(O)
nR
19、C(O)R
20またはLであり;
R
5はH、F、Cl、BrまたはCH
3であり;
R
6は、任意により0〜3F、0〜1Clおよび0〜1C
3〜C
4アルコキシアセチルオキシで置換されているC
1〜C
3アルキルであるか、またはR
6は、C
1〜C
2アルコキシ、C
2〜C
4ハロアルケニル、F、Cl、Br、CO
2R
14、C(O)NR
15R
16、SO
2NR
17R
18、S(O)
nR
19、C(O)R
20あるいはLであり;
R
7はH、F、Cl、CH
3またはCF
3であり;
R
8はH、C
1〜C
3アルキルまたはピリジニルであり;
R
9は、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
2アルコキシ、F、Cl、Br、NO
2、CO
2R
14、SO
2NR
17R
18、S(O)
nR
19、OCF
2H、C(O)R
20、C
2〜C
4ハロアルケニルまたはLであり;
R
10は、H、Cl、F、Br、C
1〜C
3アルキルまたはC
1〜C
2アルコキシであり;
R
11は、H、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
2アルコキシ、C
2〜C
4ハロアルケニル、F、Cl、Br、CO
2R
14、C(O)NR
15R
16、SO
2NR
17R
18、S(O)
nR
19、C(O)R
20またはLであり;
R
12は、ハロゲン、C
1〜C
4アルキルまたはC
1〜C
3アルキルスルホニルであり;
R
13はC
1〜C
4アルキルであり;
R
14は、ハロゲン、C
1〜C
2アルコキシおよびCNからなる群から独立して選択される1種以上の置換基により任意により置換される、アリル、プロパルギル、オキセタン−3−イルおよびC
1〜C
3アルキルからなる群から選択され;
R
15はH、C
1〜C
3アルキルまたはC
1〜C
2アルコキシであり;
R
16はC
1〜C
2アルキルであり;
R
17はH、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
2アルコキシ、アリルまたはシクロプロピルであり;
R
18はHまたはC
1〜C
3アルキルであり;
R
19はC
1〜C
3アルキル、C
1〜C
3ハロアルキル、アリルまたはプロパルギルであり;
R
20は、任意によりハロゲンにより置換されるC
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4ハロアルキルまたはC
3〜C
5シクロアルキルであり;
nは0、1または2であり;
Lは
であり;
L
1はCH
2、NHまたはOであり;
R
21は、群HおよびC
1〜C
3アルキルから選択され;
Xは、H、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4アルコキシ、C
1〜C
4ハロアルコキシ、
C
1〜C
4ハロアルキル、C
1〜C
4ハロアルキルチオ、C
1〜C
4アルキルチオ、ハロゲン、C
2〜C
5アルコキシアルキル、C
2〜C
5アルコキシアルコキシ、アミノ、C
1〜C
3アルキルアミノおよびジ(C
1〜C
3アルキル)アミノからなる群から選択され;
Yは、H、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4アルコキシ、C
1〜C
4ハロアルコキシ、C
1〜C
4アルキルチオ、C
1〜C
4ハロアルキルチオ、C
2〜C
5アルコキシアルキル、C
2〜C
5アルコキシ−アルコキシ、アミノ、C
1〜C
3アルキルアミノ、ジ(C
1〜C
3アルキル)−アミノ、C
3〜C
4アルケニルオキシ、C
3〜C
4アルキニルオキシ、C
2〜C
5アルキルチオアルキル、C
2〜C
5アルキルスルフィニルアルキル、C
2〜C
5アルキルスルホニルアルキル、C
1〜C
4ハロアルキル、C
2〜C
4アルキニル、C
3〜C
5シクロアルキル、アジドおよびシアノからなる群から選択され;ならびに
Zは、CHおよびNからなる群から選択され;
ただし、(i)XおよびYの一方または両方がC
1ハロアルコキシである場合、ZはCHであり;ならびに、(ii)Xがハロゲンである場合、ZはCHであると共にYはOCH
3、OCH
2CH
3、N(OCH
3)CH
3、NHCH
3、N(CH
3)
2またはOCF
2Hである。
上記の列挙において、単独で、または「アルキルチオ」あるいは「ハロアルキル」などの複合語で用いられる「アルキル」という用語は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、または異なるブチル異性体などの直鎖または分岐アルキルを含む。「シクロアルキル」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチルおよびシクロペンチルが挙げられる。「アルケニル」としては、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、および異なるブテニル異性体などの直鎖または分岐アルケンが挙げられる。「アルケニル」としてはまた、1,2−プロパジエニルおよび2,4−ブタジエニルなどのポリエンが挙げられる。「アルキニル」としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニルおよび異なるブチニル異性体などの直鎖または分岐アルキンが挙げられる。「アルキニル」としてはまた、2,5−ヘキサジイニルなどの複数の三重結合を含んでなる部分を挙げることが可能である。「アルコキシ」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシおよび異なるブトキシ異性体が挙げられる。「アルコキシアルキル」は、アルキル上でのアルコキシ置換を示す。「アルコキシアルキル」の例としては、CH3OCH2、CH3OCH2CH2、CH3CH2OCH2、CH3CH2CH2CH2OCH2およびCH3CH2OCH2CH2が挙げられる。「アルコキシアルコキシ」は、アルコキシ上でのアルコキシ置換を示す。「アルケニルオキシ」としては、直鎖または分岐アルケニルオキシ部分が挙げられる。「アルケニルオキシ」の例としては、H2C=CHCH2O、(CH3)CH=CHCH2OおよびCH2=CHCH2CH2Oが挙げられる。「アルキニルオキシ」としては、直鎖または分岐アルキニルオキシ部分が挙げられる。「アルキニルオキシ」の例としては、HC≡CCH2OおよびCH3C≡CCH2Oが挙げられる。「アルキルチオ」としては、メチルチオ、エチルチオ、および異なるプロピルチオ異性体などの分岐または直鎖アルキルチオ部分が挙げられる。「アルキルチオアルキル」は、アルキル上でのアルキルチオ置換を示す。「アルキルチオアルキル」の例としては、CH3SCH2、CH3SCH2CH2、CH3CH2SCH2、CH3CH2CH2CH2SCH2およびCH3CH2SCH2CH2が挙げられ;「アルキルスルフィニルアルキル」および「アルキルスルホニル−アルキル」は、対応するスルホキシドおよびスルホンをそれぞれ含む。「アルキルアミノ」、「ジアルキルアミノ」などの他の置換基が同様に定義される。「SO2」は「S(O)2」を意味し、「CN」はシアノを意味し、および「NO2」はニトロを意味する。
置換基中の炭素原子の総数は接頭部「Ci〜Cj」により示され、ここで、iおよびJは1〜5の数字である。例えば、C1〜C4アルキルは、種々の異性体を含むメチルからブチルを示す。さらなる例として、C2アルコキシアルキルは、CH3OCH2を示し;C3アルコキシアルキルは、例えば、CH3CH(OCH3)、CH3OCH2CH2ま
たはCH3CH2OCH2を示し;およびC4アルコキシアルキルは、合計で4個の炭素原子を含有するアルコキシ基で置換されたアルキル基の種々の異性体を示し、例としては、CH3CH2CH2OCH2およびCH3CH2OCH2CH2が挙げられる。
用語「ハロゲン」としては、単独または「ハロアルキル」のような組み合わせた語において、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素が挙げられる。さらに、「ハロアルキル」のような組み合わせた語において使用される場合、前記アルキルは、同一または異なってもよいハロゲン原子によって部分的または完全に置換されていてもよい。「ハロアルキル」の例としては、F3C、ClCH2、CF3CH2およびCF3CCl2が挙げられる。「ハロアルコキシ」、「ハロアルキルチオ」等という用語は、用語「ハロアルキル」と同様に定義される。「ハロアルコキシ」の例としては、CF3O、CCl3CH2O、HCF2CH2CH2OおよびCF3CH2Oが挙げられる。「ハロアルキルチオ」の例としては、CCl3S、CF3S、CCl3CH2SおよびClCH2CH2CH2Sが挙げられる。
以下のスルホニル尿素除草剤は本発明について有用なスルホニル尿素を例示する:アミドスルフロン(N−[[[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)アミノ]カルボニル]アミノ]−スルホニル]−N−メチルメタン−スルホンアミド)、アジムスルフロン(N−[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)−アミノ]−カルボニル]−1−メチル−4−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−1H−ピラゾール−5−スルホンアミド)、ベンスルフロン−メチル(メチル2−[[[[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)アミノ]カルボニル]アミノ]−スルホニル]メチル]安息香酸塩)、クロリムロン−エチル(エチル2−[[[[(4−クロロ−6−メトキシ−2−ピリミジニル)−アミノ]−カルボニル]−アミノ]スルホニル]安息香酸塩)、クロルスルフロン(2−クロロ−N−[[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−アミノ]−カルボニル]−ベンゼン−スルホンアミド)、シノスルフロン(N−[[(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]カルボニル]−2−(2−メトキシ−エトキシ)−ベンゼン−スルホンアミド)、シクロスルファムロン(N−[[[2−(シクロプロピルカルボニル)フェニル]アミノ]−スルホニル]−N1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)尿素)、エタメツルフロン−メチル(メチル2−[[[[[4−エトキシ−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]カルボニル]アミノ]−スルホニル]安息香酸塩)、エトキシスルフロン(2−エトキシフェニル[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)−アミノ]−カルボニル]スルファメート)、フルピルスルフロン−メチル(メチル2−[[[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]−6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジンカルボキシレート)、フラザスルフロン(N−[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)アミノ]カルボニル]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジンスルホンアミド)、フルセトスルフロン(1−[3−[[[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)−アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]−2−ピリジニル]−2−フルオロプロピルメトキシアセテート)、ホラムスルフロン(2−[[[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]−4−(ホルミルアミノ)−N,N−ジメチルベンズアミド)、ハロスルフロン−メチル(メチル3−クロロ−5−[[[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート)、イマゾスルフロン(2−クロロ−N−[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)−アミノ]−カルボニル]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−スルホンアミド)、イオドスルフロン−メチル(メチル4−ヨード−2−[[[[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]安息香酸塩)、メソスルフロン−メチル(メチル2−[[[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)アミノ]カルボニル]アミノ]−スルホニル]−4−[[(メチルスルホニル)アミノ]メチル]安息香酸塩)、メトスルフロン−メチル(メチル2−[[[[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]−安息香酸塩)、ニコスルフロン(2−[[[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)アミノ]カルボニル]アミノ]−スルホニル]−N,N−ジメチル−3−ピリジンカルボキサミド)、オルソスルファムロン(2−[[[[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]アミノ]−N,N−ジメチルベンズアミド)、オキサスルフロン(3−オキセタニル2−[[[[(4,6−ジメチル−2−ピリミジニル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]安息香酸塩)、プリミスルフロン−メチル(メチル2−[[[[[4,6−ビス(トリフルオロメトキシ)−2−ピリミジニル]アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]安息香酸塩)、プロスルフロン(N−[[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]カルボニル]−2−(3,3,3−トリフルオロプロピル)ベンゼンスルホンアミド)、ピラゾスルフロン−エチル(エチル5−[[[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)−アミノ]カルボニル]アミノ]−スルホニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート)、リムスルフロン(N−[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)アミノ]カルボニル]−3−(エチルスルホニル)−2−ピリジンスルホンアミド)、スルホメツロン−メチル(メチル2−[[[[(4,6−ジメチル−2−ピリミジニル)−アミノ]−カルボニル]−アミノ]−スルホニル]−安息香酸塩)、スルホスルフロン(N−[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)アミノ]カルボニル]−2−(エチルスルホニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−スルホンアミド)、チフェンスルフロン−メチル(メチル3−[[[[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]−カルボニル]−アミノ]−スルホニル]−2−チオフェンカルボキシレート)、トリアスルフロン(2−(2−クロロ−エトキシ)−N−[[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]カルボニル]ベンゼンスルホンアミド)、トリベヌロン−メチル(メチル2−[[[[N−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N−メチルアミノ]−カルボニル]アミノ]−スルホニル]安息香酸塩)、トリフロキシスルフロン(N−[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)−アミノ]カルボニル]−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジンスルホンアミド)、トリフルスルフロン−メチル(メチル2−[[[[[4−ジメチルアミノ)−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]カルボニル]アミノ]−スルホニル]−3−メチルベンゾエート)およびトリトスルフロン(N−[[[4−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]カルボニル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド)、ならびにこれらの塩。
スルホニル尿素を調製するための広く多様な方法が広範なスルホニル尿素除草剤技術分野において公知である。上記に名称を挙げたスルホニル尿素は、市販されている除草剤製品における活性処方成分であり、参照により本明細書に援用されるThe Pesticide Manual、第13版、C.D.S.Tomlin編、BCPC(Hampshire,UK)、2003年に記載されている。スルホニル尿素の塩としては、臭化水素酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、酪酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、プロピオン酸、サリチル酸、酒石酸、4−トルエンスルホン酸または吉草酸などの無機または有機酸との酸付加塩を挙げることが可能である。有機塩基(例えば、ピリジン、アンモニア、またはトリエチルアミン)または無機塩基(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムまたはバリウムの水素化物、水酸化物、または炭酸塩)と形成されるスルホニル尿素の塩がより重要である。スルホニル尿素の好ましい塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、トリエチルアンモニウム、および第4級アンモニウム塩が挙げられる。スルホニル尿素の塩は当該技術分野において公知である多数の方法によって形成せしめることが可能であり、スルホニル尿素を酸あるいは塩基と接触させるか、またはスルホニル尿素塩とのイオン交換が用いられる。
既述のとおり、スルホニル尿素の一定の結晶形は、結晶格子中に水および他の小分子を含むことが可能である。これらの結晶形は、典型的には、水あるいは他の小分子を含有する液体媒体からスルホニル尿素の結晶化することにより、または、スルホニル尿素結晶性固体と水あるいは他の小分子との接触により調製される。ニコスルフロンが遊離酸であるニコスルフロンの含水結晶形態を含む本発明の組成物に特に注目すべきである。このニコスルフロンの含水結晶形態は、米国特許第5,202,439号明細書に記載されているとおり、水と酢酸エチルとの混合物中のニコスルフロンのスラリーを加熱することにより調製せしめることが可能である。実施例の配合物の組成物において用いられるニコスルフロンは、この方法により調製した水和結晶形であった。
単独でまたはC1〜C4アルカノールの脂肪酸エステルとの混和物でポリアルコキシル化トリグリセリドを含む液体キャリアとの混合物においては、スルホニル尿素、ならびにリグノスルホン酸塩分散剤などの一定の配合成分がほとんど溶解せずに残り、それ故、本発明の単一液体相組成物は、一般に、懸濁濃縮物の形態である。
本発明の単一液体相組成物は、スルホニル尿素除草剤に追加して、約40重量%以下の1種以上の他の生物学的に活性な薬剤を含むことが可能である。他の生物学的に活性な薬剤としてはスルホニル尿素以外の除草剤を含み得、植物生長抑制物質、殺虫剤、昆虫摂食抑制物質、殺ダニ剤、抗線虫薬、殺菌剤および殺真菌剤がまた挙げられ得、化学的および生物学剤の両方を含む。除草剤毒性緩和剤は、本開示の文脈および特許請求の範囲における殺草有効成分の効果を低減させるために役立つため、除草剤毒性緩和剤は、他の生物学的に活性な薬剤とは別に分類される。最も一般的には、他の有効な生物学的に活性な薬剤は除草剤である。他の除草剤は、アセト乳酸シンターゼを阻害する化合物を含む。除草剤の例としては、アセトクロール、アシフルオルフェンおよびそのナトリウム塩、アクロニフェン、アラクロール、アロキシジム、アメトリン、アミノカルバゾン、アミノピラリド、アミトロール、アニロホス、アシュラム、アトラジン、ベフルブタミド、ベナゾリン、ベナゾリン−エチル、ベンカルバゾン、ベンフルラリン、ベンフレセート、ベンスリド、ベンタゾン、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ、ビフェノックス、ビラナホス、ビスピリバックおよびそのナトリウム塩、ブロマシル、ブロモブチド、ブロモフェノキシム、ブロモキシニル、オクタン酸ブロモキシニル、ブタクロール、ブタフェナシル、ブタミホス、ブトラリン、ブトロキシジム、ブチレート、カフェンストロール、カルベタミド、カルフェントラゾン−エチル、カテキン、クロメトキシフェン、クロラムベン、クロルブロムロン、クロルフルレノール−メチル、クロリダゾン、クロロトルロン、クロルプロファム、クロルタール−ジメチル、クロルチアミド、シニドン−エチル、シンメチリン、クレトジム、クロジナホップ−プロパルギル、クロマゾン、クロメプロップ、クロピラリド、クロピラリド−オラミン、クロランスラム−メチル、クミルロン、シアナジン、シクロエート、シクロキシジム、シハロホップ−ブチル、2,4−Dおよびそのブトチル、ブチル、イソクチルおよびイソプロピルエステルおよびそのジメチルアンモニウム、ジオラミンおよびトロールアミン塩、ダイムロン、2,4−DBおよびそのジメチルアンモニウム、カリウムおよびナトリウム塩、ダゾメット、デスメディファム、デスメトリン、ジカンバおよびそのジグリコールアンモニウム、ジメチルアンモニウム、カリウムおよびナトリウム塩、ジクロベニル、ジクロルプロップ、ジクロホップ−メチル、ジクロスラム、ジフェンゾコートメチルスルフェート、ジフルヘニカン、ジフルフェンゾピル、ジメフロン、ジメピペレート、ジメタクロール、ジメタメトリン、ジメテナミド、ジメテナミド−P、ジメチピン、ジニトロアミン、ジノテルブ、ジフェナミド、ダイコートジブロミド、ジチオピル、ジウロン、エンドタール、EPTC、エスプロカルブ、エタルフルラリン、エトフメセート、エトキシフェン、エトベンザニド、フェノキサプロップ−エチル、フェノキサプロップ−P−エチル、フェントラザミド、フェヌロン、フェヌロン−TCA、フラムプロップ−メチル、フラムプロップ−M−イソプロピル、フラムプロップ−M−メチル、フロラスラム、フルアジホップ−ブチル、フルアジホップ−P−ブチル、フルアゾレート、フルカルバゾン、フルクロラリン、フルフェナセット、フルフェンピル、フルフェンピル−エチル、フルメツラム、フルミクロラク(flumichlorac)−ペンチル、フルミオキサジン、フルオメツロン、フルオログリコフェンエチル、フルポキサム、フルレノール、フルレノール−ブチル、フルリドン、フルロクロリドン、フルロキシピル、フルルタモン、フルチアセット−メチル、フォメサフェン、グルホシネートおよびそのアンモニウム塩、グリホサートならびにアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、カリウム、ナトリウム(セスキナトリウム塩を含む)およびトリメシウム塩(あるいは、スルホサートと称される)などのその塩、ハロキシホップ−エトチル、ハロキシホップ−メチル、ヘキサジノン、イマザメタベンズ−メチル、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン、イマザキン−アンモニウム、イマゼタピル、インダノファン、アイオキシニル、オクタン酸アイオキシニル、イソキシニル(isoxynil)−ナトリウム、イソプロツロン、イソウロン、イソキサベン、イソキサフルトール、イソキサクロルトール、ラクトフェン、レナシル、リニュロン、MCPAおよびその塩(例えば、MCPA−ジメチルアンモニウム、MCPA−カリウムおよびMCPA−ナトリウム、エステル(例えば、MCPA−2−エチルヘキシル、MCPA−ブトチル)およびチオエステル(例えば、MCPA−チオエチル)、MCPBおよびその塩(例えば、MCPB−ナトリウム)およびエステル(例えば、MCPB−エチル)、メコプロップ、メコプロップ−P、メフェナセット、メフルイジド、メソトリオン、メタミホプ、メタミトロン、メタザクロール、メタベンズチアズロン、メチルダイムロン、メトベンズロン、メトブロムロン、メトラクロール、S−メトラクロール、メトスラム、メトキシウロン、メトリブジン、モリネート、モノリニュロン、ナプロアニリド、ナプロパミド、ナプタラム、ネブロン、ノルフルラゾン、オルベンカルブ、オリザリン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサジクロメフォン、オキシフルオルフェン、二塩化パラコート、ペブレート、ペンディメタリン、ペノキススラム、ペンタノクロル、ペントキサゾン、ペトキサミド、フェンメディファム、ピクロラム、ピクロラム−カリウム、ピコリナフェン、ピノキサデン、ピペロホス、プレチラクロール、プロジアミン、プロホキシジム、プロメトン、プロメトリン、プロパクロル、プロパニル、プロパキザホップ、プロパジン、プロファム、プロピソクロール、プロポキシカルバゾン、プロピザミド、プロスルホカルブ、ピラクロニル、ピラフルフェン−エチル、ピラスルホトール、ピラゾゲル、ピラゾリネート、ピラゾキシフェン、ピリベンゾキシム、ピリブチカルブ、ピリデート、ピリフタリド、ピリミノバック−メチル、ピリミスルファン、ピリチオバック、ピリチオバック−ナトリウム、ピロキサスルホン、ピロキシスラム、キンクロラック、キンメラック、キノクラミン、キザロホップ−エチル、キザロホップ−P−エチル、キザロホップ−P−テフリル、セトキシジム、シデュロン、シマジン、シメトリン、スルコトリオン、スルフェントラゾン、2,3,6−TBA、テブタム、テブチウロン、テフリルトリオン(AVH−301;2−[2−クロロ−4−(メチルスルホニル)−3−[[(テトラヒドロ−2−フラニル)メトキシ]−メチル]−ベンゾイル]−1,3−シクロヘキサンジオン)、テンボトリオン、テプラロキシジム、ターバシル、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン、テニルクロール、チアゾピル、チエンカルバゾン、チオベンカルブ、チオカルバジル、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリアレート、トリアジフラム、トリクロピル、トリクロピル−ブトチル、トリクロピル−トリエチルアンモニウム、トリジファン、トリエタジン、トリフルラリンおよびベルノレートが挙げられる。他の生物学的に活性な薬剤(すなわち構成成分(b))対スルホニル尿素除草剤(すなわち構成成分(a))の重量比が約1:100〜約100:1である組成物に注目すべきである。
本発明の単一液体相組成物はまた、約30重量%以下の1種以上の除草剤毒性緩和剤を構成成分(c)として含むことが可能である。本開示の文脈および特許請求の範囲において、除草剤毒性緩和剤は、構成成分(b)について記載したとおりほとんど生物活性を有さない化学化合物であって、代わりに、除草剤に起因する植物受傷を低減させ、これは、構成成分(a)のスルホニル尿素および構成成分(b)における殺草有効成分をも含み得る。除草剤(例えば、2,4−Dおよびジカンバなどのホルモン性除草剤)を含むいくつかの生物学的に活性な薬剤は、特定の状況下で、構成成分(a)のスルホニル尿素の殺草性を低減させることができ;これらの薬剤は安全化に伴って生物活性を有しているため、本開示の文脈および特許請求の範囲においては、これらは、構成成分(c)の代わりに構成成分(b)に包含される。除草剤毒性緩和剤は、最も典型的には、農場に散布された除草剤から作物植物を選択的に保護するために用いられる。例示的な除草剤毒性緩和剤としては、ベノキサコール、BCS(1−ブロモ−4−[(クロロ−メチル)−スルホニル]ベンゼン)、クロキントセットおよびその塩およびエステル(例えば、クロキントセット−メキシル)、シオメトリニル、ジクロルミド、2−(ジクロロメチル)−2−メチル−1,3−ジオキソラン(MG191)、フェンクロラゾールおよびその塩およびエステル(例えば、フェンクロラゾール−エチル)、フェンクロリム、フルラゾール、フルキソフェニム、フリラゾール、イソキサジフェンおよびその塩およびエステル(例えば、イソキサジフェン−エチル)、メフェンピルおよびその塩およびエステル(例えば、メフェンピル−ジエチル)、メトキシフェノン((4−メトキシ−3−メチルフェニル)(3−メチルフェニル)メタノン)、ナフタル酸無水物およびオキサベトリニルが挙げられる。1種以上の除草剤毒性緩和剤(すなわち構成成分(c))対スルホニル尿素除草剤(すなわち構成成分(a))の重量比が約1:100〜約100:1である組成物に注目すべきである。
本発明の単一液体相組成物は約10〜約99.9重量%の1種以上のポリアルコキシル化トリグリセリドを含み、ここで、ポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分の約50重量%以下はヒドロキシ脂肪酸に由来する。度々、本組成物は、少なくとも約20%、少なくとも25%、少なくとも30%または少なくとも35%、および約95%以下、70%以下、60%以下、50%以下または45重量%以下のこれらのポリアルコキシル化トリグリセリドを含む。典型的には、本組成物は、約15〜約95%、より典型的には約35〜約50%、および最も典型的には約35〜約45重量%のこれらのポリアルコキシル化トリグリセリドを含み、ポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分の約50重量%以下がヒドロキシ脂肪酸に由来する。ヒドロキシ脂肪酸由来の内容物に限定されたポリアルコキシル化トリグリセリドは、それ故、本組成物における液体キャリアの本質的な構成成分を構成する。
ポリアルコキシル化トリグリセリド(アルコキシル化トリグリセリド、アルコキシル化脂肪酸グリセリド、およびポリアルコキシル化脂肪酸グリセリドとしても知られる)は、通常は、植物油(その多くは、種子油としても称される)などの天然のグリセロール脂肪酸エステル(すなわち、グリセロールの脂肪酸エステル)のアルコキシル化(例えば、エトキシル化またはプロポキシル化)から形成されるために、度々、「半自然」界面活性剤であるとしてみなされる。アルコキシル化とは、式「−OCH2CH2−」を有し、任意によりアルキルで置換されていてもよいオキシエチレンユニット(すなわちアルコキシルユニット)のエステル分子への挿入を指す。「エトキシル化」および「プロポキシル化」というより特定の用語は、それぞれ、オキシエチレンユニットおよびオキシプロピレン(すなわち、メチル−置換オキシエチレン)ユニットの挿入を指す。ポリアルコキシル化トリグリセリドは、それ故、一般に、グリセロール主鎖と脂肪酸由来のエステル置換基との間に挿入された、任意によりアルキル置換されたオキシエチレンユニットを含むと認識される。より具体的には、ポリエトキシル化トリグリセリドは未置換オキシエチレンユニットを含む。従って、脂肪酸由来(例えば、リシノール酸)部分上のヒドロキシ官能基のみがアルコキシル化された、ヒマシ油または水素化ヒマシ油などのヒドロキシ脂肪酸トリグリセリドは、グリセロール主鎖と脂肪酸由来エステル置換基との間に挿入された任意によりアルキル置換されたオキシエチレンユニットの要求を満たさず、これらは明確に異なる化合物は、本開示の文脈および特許請求の範囲においてはポリアルコキシル化トリグリセリドとしてはみなされない。ポリアルコキシル化トリグリセリド分子においては、任意によりアルキル置換されたオキシエチレンユニットの鎖が、グリセロール主鎖と3つの脂肪酸由来エステル置換基の1種以上との間に挿入されている。ポリアルコキシル化トリグリセリドは、典型的には、約3〜約100、より典型的には約5〜約50および最も典型的には約10〜約30の、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドなどの1種以上のアルキレンオキシドに由来するユニットを含有する。典型的には、これらのユニットは、エチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはこれらの組み合わせに由来し、最も典型的には、これらのユニットはエチレンオキシドに由来する。
1つの方法においては、グリセロール脂肪酸エステル(例えば、植物油)は、典型的には、触媒量のアルカリ金属水酸化物またはアルコキシド、任意により触媒量のアルコール(例えば、グリセロール)、および所望のエトキシル化の程度に応じた量のエチレンオキシドと一緒に加熱する工程を含むプロセスにおいてポリエトキシル化される。これらの条件は、明らかに、グリセロールベースのアルコール部分をエチレンオキシドでエトキシル化して、エトキシル化種(典型的には、複数のエチレンオキシド由来のユニットを鎖中に含む)を形成せしめ、これが、エチレンオキシド由来の鎖の末端でカルボン酸部分と縮合してエステルリンケージ(例えば、塩基触媒エステル交換を介して)を形成せしめ、これにより、さらなるグリセロール−ベースのアルコール部分を遊離させ、これが、次いで、エトキシル化されると共にカルボン酸部分と縮合してエステルを形成せしめる。エトキシル化は、添加された量のエチレンオキシドが消費されるまで継続する。これらの条件下では、カルボン酸(例えば、ヒマシ油中のリシノール酸)のアルキルまたはアルケニル鎖上の水酸基もまたエトキシル化され得る。この方法によるエトキシル化脂肪酸エステル(ポリエトキシル化トリグリセリドを含む)の調製は、英国特許第1,050,497号明細書および米国特許第6,103,770号明細書に記載されている。この方法は本組成物に対するポリアルコキシル化トリグリセリド構成成分の調製に有用であるが、金属水酸化物またはアルコキシドを用いる脂肪酸エステルのアルコキシル化は、CoxおよびWerasooriya、Journal of the American Oil Chemists’ Society、1997年、74(7)、847〜859ページに報告されているとおり、かなりの分量の出発脂肪酸エステルを未アルコキシル化のままで残留させる可能性がある。しかも、反応条件に応じて、相当な量のアルコキシル化脂肪酸(脂肪酸アルコキシレートとしても知られる)不純物が形成される可能性がある。
本組成物の一実施形態においては、未変性(例えば、未アルコキシル化)トリグリセリドの量は、ポリアルコキシル化トリグリセリドおよび任意により、C1〜C4アルカノールの脂肪酸エステルなどの組成物中においてより有効である他の液体相構成成分が最大限許容されるよう、最低限とされる。本組成物中の未変性トリグリセリドを最低限とするためには、構成成分(d)を提供するために用いられるポリアルコキシル化トリグリセリド生成物中の未変性トリグリセリド不純物の量を最低限とする必要がある。従って、構成成分(d)を提供するために好ましいポリアルコキシル化トリグリセリド生成物は、残存未変性トリグリセリドを最低限とするプロセスにより調製されたものである。残存未変性トリグリセリドを最低限とするエトキシル化プロセスは、グリセロール脂肪酸エステル(すなわちトリグリセリド)を、米国特許第5,292,910号明細書および国際公開第90/13533号パンフレットに記載されているとおり、か焼されたまたは疎水化された(例えば、脂肪酸変性)ハイドロタルサイト不均一系触媒の存在下に、特に、米国特許第6,008,392号明細書に記載されているとおり、助触媒(例えば、水酸化リチウム、アルカリ土類金属塩、錫塩)の存在下にエチレンオキシドと加熱する工程を含む。か焼されたまたは疎水化されたハイドロタルサイト不均一系触媒を用いるエトキシル化はまた、アルコキシル化(例えば、エトキシル化)脂肪酸不純物の形成をも最低限とする。従って、構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドが米国特許第5,292,910号明細書および国際公開第90/13533号パンフレット、ならびに特に米国特許第6,008,392号明細書の方法によって調製される本発明の組成物に注目すべきである。CoxおよびWerasooriya、Journal of the American Oil Chemists’Society、1997年、74(7)、847〜859ページは、カルシウムおよび米国特許第4,775,653号明細書に記載のとおり調製されるアルミニウムアルコキシエトキシレート触媒を用いることによる、残存未変性トリグリセリドを最低限とする他のエトキシル化プロセスを開示する。
上述のアルコキシル化プロセスの各々において、グリセロール脂肪酸エステルは、アルコキシル化手法におけるエチレンオキシドのすべてまたは一部に対してプロピレンオキシド置換することによりプロポキシル化されることが可能である。しかも、グリセロール脂肪酸エステルは、他のアルキレンオキシド(例えば、ブチレンオキシド)を用いてアルコキシル化されることが可能である。
ポリアルコキシル化トリグリセリド分子の脂肪酸由来部分は、それ故、トリグリセリド出発材料(すなわち、植物油などのグリセロール脂肪酸エステル)の脂肪酸由来部分に由来する。トリグリセリドの脂肪酸部分は、炭化水素鎖に結合されたカルボニル部分を構成し、これは未分岐であることもまたは分岐であることも可能であるが、典型的には、天然源においては未分岐である。本発明の組成物において、脂肪酸部分が未分岐であるポリアルコキシル化トリグリセリドは良好な機能を可能とする物理的および生物学的特性を有し、それ故、これらが、天然源から経済性の観点で好ましい。炭化水素鎖は飽和であることもまたは不飽和であることも可能であり;典型的には、炭化水素鎖は飽和である(すなわちアルキル)か、または、1つまたは2つの炭素−炭素二重結合を含有する(すなわちアルケニル)。しかしながら、魚油中のトリグリセリドは、6つもの炭素−炭素二重結合を有する脂肪酸部分を含む。奇数個の炭素原子(すなわち、炭化水素鎖中に偶数個の炭素原子)を含有する脂肪酸から形成されたポリアルコキシル化トリグリセリドが、偶数個の炭素原子(すなわち、炭化水素鎖中に奇数個の炭素原子)を含有する脂肪酸から形成されたポリアルコキシル化トリグリセリドと共に本発明の組成物において有用である。しかしながら、天然源から入手される脂肪酸は、典型的には偶数個の炭素原子を含有し、従って、偶数個の炭素原子を含有する脂肪酸由来部分を含有するポリアルコキシル化グリセリドが、商業的な入手性および経済性のために好ましい。
脂肪酸は少なくとも4個の炭素原子を含有し、天然源からは約22個(まれに24個)の炭素原子に限られている。天然源から得られた脂肪酸は典型的には8〜22個の炭素原子を、より典型的には10〜22個の炭素原子を含有するため、これらの脂肪酸のエステルが、商業的な入手性および経済性のために好ましい。偶数個の炭素原子を有するC10〜C22脂肪酸エステルとしては、例えば、エルカ酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸が挙げられる。ポリアルコキシル化トリグリセリドの親水性親油性バランス(HLB)は、典型的には、脂肪酸長を短くすることにより、および/あるいは構成成分脂肪酸部分の不飽和を増やすことにより低減され、または、代替的には、脂肪酸長を長くすることにより、および/あるいは構成成分脂肪酸部分の飽和の飽和を増やすことにより増加される。
天然源(例えば、種子油)から入手されるグリセロール脂肪酸エステル組成物は、典型的には、様々な鎖長および異なる不飽和度を有する脂肪酸から構成される。このようなグリセロール脂肪酸エステル混合物に由来するポリアルコキシル化トリグリセリド組成物は、脂肪酸エステルを先ず分離する必要なく、本発明の組成物において有用である。実際には、単一の脂肪酸化合物だけではなく、鎖長および/または不飽和(または飽和)度が異なる多様な脂肪酸に由来するポリアルコキシル化トリグリセリドは優れた物理特性(例えば、ワックス状の固形分ではなく液体であるという)を有し、本組成物について好ましくされている。しかも、1種だけではなく、多様な脂肪酸に由来するポリアルコキシル化トリグリセリドは、様々な構成成分親水性親油性バランス(HLB)値に寄与する分子部分の混合物を提供し、これは組成物における構成成分(d)の全体的な親水性親油性バランスに寄与する。より低いHLB構成成分値をもたらす脂肪酸部分は消泡性を促進させると共に、より高いHLB構成成分値をもたらす脂肪酸部分は水中油型乳化を促進させ(組成物が噴霧タンク中の水に添加されるとき)、従って、ポリアルコキシル化トリグリセリド分子中に多様な脂肪酸部分を包含させることで、発泡性に対する低い感受性および優れた水中油型乳化の両方の達成を補助することが可能である。単一の構成成分HLB値(1種の脂肪酸部分のみからの)ではなく、ポリアルコキシル化トリグリセリド分子中の様々な構成成分HLB値は、多様な脂肪酸部分を含むポリアルコキシル化トリグリセリドを、本組成物における乳化剤として特に有効(例えば、水での希釈で小エマルジョン液滴を形成する)にし、スルホニル尿素活性処方成分の顕著な耐雨性および除草活性の提供を補助していると考えられている。従って、本発明の組成物においては、構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドの脂肪酸由来部分の約90重量%以下が、いずれか1種の脂肪酸化合物に由来する(すなわち、約90重量%以下が単一の脂肪酸化合物に由来し得、および少なくとも約10重量%が、必ず他の脂肪酸化合物の1種以上に由来する)ことが好ましい。より好ましくは、構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドの脂肪酸由来部分の、約85%以下、80%以下、70%以下または60重量%以下、最も好ましくは、約55%以下が、いずれか1種の脂肪酸に由来する。種子油および果実油および魚油などの天然のトリグリセリドが脂肪酸のこのような混合物をもたらし;綿、コーン(トウモロコシ)およびヒマワリの一般的な種類(すなわち、脂肪酸組成物を変化させるように遺伝的に選択されておらず、または変性されていない)の種子油は、典型的にはいずれか1種の脂肪酸の約60%超に由来せず、ならびに、ココナッツ、アマニ(亜麻)、アブラヤシ(果実および殻粒の両方)、ピーナッツ、ナタネおよびダイズの一般的な種類の種子油は、典型的にはいずれか1種の脂肪酸の約55%超に由来しない。脂肪酸組成物を変化させるよう選択または変性された種類は、典型的には、よく多くの割合ではあるが、それでも一般に約80〜85重量%以下で特定の脂肪酸部分を含有する。
ヒマワリ、ナタネ、オリーヴ、コーン(トウモロコシ)、ダイズ、綿およびアマニ(亜麻)の種子油および果実油は、これらの油はヒドロキシ脂肪酸基を顕著な量で含有しないために、本組成物のためのポリアルコキシル化グリセリドを調製するために有利であると考えられている。既述のとおり、「ヒドロキシ脂肪酸」とは、脂肪酸のアルキルまたはアルケニル部分に結合された少なくとも1つのヒドロキシ(−OH)置換基を含まない脂肪酸を意味する。ヒマシ油は、典型的には、約87%のリシノール酸、9−10位に二重結合を有する18−炭素カルボン酸および12番目の炭素に結合された水酸基を含む脂肪酸のトリグリセリドを含む。ヒマシ油または水素化ヒマシ油のグリセロール主鎖と脂肪酸由来エステル置換基との間にアルキル置換オキシエチレンユニットを挿入することで、グリセロールの脂肪酸由来置換基のヒドロキシ基が保持される。ヒドロキシ脂肪酸由来部分のヒドロキシ基もアルコキシル化される場合であっても、新たなヒドロキシ基がポリアルコキシル鎖の端部に生じる。水酸基は、構成成分(a)のスルホニル尿素分子の加水分解または他の分解を促進することができる。従って、本組成物中のポリアルコキシル化トリグリセリドは、ヒマシ油または水素化ヒマシ油などのグリセロールのヒドロキシ脂肪酸エステルから調製されないことが好ましい。実際には、本発明によれば、ポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分の約50重量%以下がヒドロキシ脂肪酸に由来する。これは、構成成分(d)が、ポリアルコキシル化ヒマシ油および/またはポリアルコキシル化水素化ヒマシ油(ここで、脂肪酸由来部分の約87%がヒドロキシ脂肪酸に由来する)のみから構成されることを防止する。本組成物におけるスルホニル尿素除草剤の良好な安定性を達成するためにはヒドロキシ脂肪酸由来部分を避けたほうがよいため、構成成分(d)は、少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約99重量%のポリアルコキシル化ヒマシ油以外の1種以上のポリアルコキシル化トリグリセリドおよびポリアルコキシル化水素化ヒマシ油から構成されることが好ましい。ヒマシ油中の脂肪酸由来部分の約87%がヒドロキシ脂肪酸に由来するため、ヒマシ油以外のポリアルコキシル化トリグリセリドの少なくとも約50%、90%または99%に対して好ましいものは、それぞれ、ヒドロキシ脂肪酸に由来する脂肪酸由来部分の重量基準で約44%以下、9%以下または1%以下に対して好ましいものに対応する。最も好ましくは、構成成分(d)は、如何なるポリアルコキシル化ヒマシ油またはポリアルコキシル化水素化ヒマシ油をも含有しない。また、構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分の好ましくは約10%以下およびより好ましくは約5%以下、2%以下、1%以下または0.1重量%以下がヒドロキシ脂肪酸に由来する。最も好ましくは、構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分はまったくヒドロキシ脂肪酸に由来しない。
ヒドロキシ脂肪酸のトリグリセリド(例えば大豆油)を含有しない種子油および果実油から調製されたポリアルコキシル化トリグリセリドを含む本発明の組成物は、著しく良好な化学的安定性をスルホニル尿素除草剤活性処方成分(例えば、ニコスルフロン)にもたらすことが発見された。本組成物におけるこれらのポリアルコキシル化トリグリセリドによってもたらされる安定性は、追加の安定化剤を組成物中に含ませなくても、暑い環境条件下での長期の保管のために十分であり得る。
ヒドロキシ脂肪酸部分は、構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドにおいては避けることが好ましいが、これは、なお、広く様々な他の脂肪酸を許容する。構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドの脂肪酸由来部分の典型的には少なくとも90%、およびより典型的には少なくとも95重量%が、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリドン酸、アラキジン(エイコサン)酸、ガドレイン(エイコセン)酸、ティムノドン(エイコサペンタエン)酸、ベヘン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸およびネルボン酸から選択される脂肪酸化合物に由来する。脂肪酸部分は、安価な、市販されている種子油および果実油に由来していることが好ましい。従って、構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドの脂肪酸部分の好ましくは少なくとも90重量%は、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸およびエルカ酸に由来する。パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸に由来する部分を含むポリアルコキシル化トリグリセリドが、本組成物において、配合安定性および著しい除草効力の両方を提供するために良好に作用することが発見された。従って、本組成物においては、構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドの脂肪酸由来部分の、好ましくは少なくとも約40%、より好ましくは少なくとも約80%または90%、および最も好ましくは少なくとも約95重量%が、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸から選択される脂肪酸化合物に由来する。多くの種子および果実からの油の脂肪酸組成物は、少なくとも約40%のパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸を含有する。これらの種子および果実としては、ダイズ、ナタネ、コーン、ピーナッツ、オリーヴ、アブラヤシ(果実)、アマニ、ヒマワリおよび綿が挙げられる。ダイズ、コーン、オリーヴ、アブラヤシ(果実)、アマニ、ヒマワリ、綿および一定の種のナタネ(例えば、Canola(商標))からの油は、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸から少なくとも95%の脂肪酸部分含有量に達している。酸化に対する感受性を抑制するために、脂肪酸部分の好ましくは約15重量%以下が多価不飽和脂肪酸(すなわち、炭素原子間に3つ以上の二重結合を有する)に由来する。
構成成分(d)においては、ヒマワリ、ナタネ、オリーヴ、コーン(トウモロコシ)、ダイズ、綿およびアマニ(亜麻)の種子油および果実油を含む、植物から得られたグリセロール脂肪酸エステル製のポリアルコキシル化トリグリセリドに注目されたい。経済性を含む理由からは、ダイズまたはナタネ油、および最も好ましくは大豆油に由来するポリアルコキシル化トリグリセリドが好ましい。既述のとおり、大豆油は、主に16〜18個の炭素原子を含有する飽和および不飽和脂肪酸基の混合物(例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸)を含有する。ダイズの一般的な種類の種子油は、典型的には、主たる脂肪酸(リノール酸)が脂肪酸由来部分の約50重量%以下である脂肪酸組成物を有する。高オレイン酸含有ダイズ種においては、油中の脂肪酸由来部分のほとんど80重量%がオレイン酸由来であり得る。典型的には、大豆油に由来するポリアルコキシル化トリグリセリドはエトキシル化されており、エチレンオキシドに由来する約3〜約100ユニット、より典型的には約5〜約50、および最も典型的には約10〜約30ユニットを含有する。大豆油に由来するポリエトキシル化トリグリセリド、および1モルのトリグリセリド当たり約10〜約30モルのエチレンオキシドが、Cognis Corp.から、POE10エトキシル化大豆油(すなわち、1モルのトリグリセリド当たり約10モルのエトキシル化を有する)として記載されている製品AGNIQUE SBO−10、ならびにPOE30エトキシル化大豆油(すなわち、1モルのトリグリセリド当たり約30モルのエトキシル化を有する)として記載されているAGNIQUE SBO−30で入手可能である。1モルのトリグリセリド当たりのエトキシル化のモル数は、(ポリ)エトキシル化トリグリセリド分子当たりのエトキシルユニットの平均数である。より一般には、1モルのトリグリセリド当たりのアルコキシル化のモル数は、(ポリ)アルコキシル化トリグリセリド分子当たりのアルコキシルユニットの平均数である。
既述のとおり、構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリド分子における、1種の脂肪酸化合物だけではなく多様な脂肪酸化合物に由来する脂肪酸部分は、これらのポリアルコキシル化トリグリセリドを本組成物における乳化剤として特に有効とさせると考えられている。しかも、構成成分(d)中に、実質的に異なる数のアルコキシルユニットを有するポリアルコキシル化トリグリセリド分子を含ませることが所望される可能性がある。異なる数のアルコキシルユニットを有するポリアルコキシル化トリグリセリド分子の相対量を変更させることのみが構成成分(d)の全体的なHLB値を最適化させるのではなく、アルコキシルユニットの数が実質的に異なるポリアルコキシル化トリグリセリドを含ませることも、水で希釈される場合に、本組成物の乳化の促進における構成成分(d)の有効性を向上させることが可能である。
従って、本組成物の一実施形態において、構成成分(d)は、約4:1〜約1:4の重量比で、少なくとも約5アルコキシルユニットで異なる平均アルコキシル化を有する2種のポリアルコキシル化トリグリセリド成分を組み合わせることにより提供される。この実施形態においては、2種のポリアルコキシル化トリグリセリド成分の平均アルコキシル化は、典型的には、少なくとも約10アルコキシルユニットで、より典型的には少なくとも約15アルコキシルユニットで、および最も一般的には約20アルコキシルユニットで異なる。典型的には、2種のポリアルコキシル化トリグリセリド成分の平均アルコキシル化は、約40アルコキシルユニット以下で、より典型的には約30アルコキシルユニット以下、および最も典型的には約25アルコキシルユニット以下で異なる。この記載において、「ポリアルコキシル化トリグリセリド成分」とは、ポリアルコキシル化トリグリセリド分子の組成を指し、ここで、組成は、ポリアルコキシル化トリグリセリド分子当たりのアルコキシルユニットの一定の平均数を有するとして記載することが可能である(1モルのトリグリセリド当たりのアルコキシル化のモル数からもたらされる)。典型的には、ポリアルコキシル化トリグリセリド成分においては、各アルコキシルユニット数を有する分子の割合は単峰型分布である(すなわち、分子当たりのアルコキシルユニット数の1つが分布において最大(統計学の分野において「モード」として公知である)を形成する最大の発生頻度を有し、より大きいまたはより小さい分子当たりのアルコキシルユニット数が連続的に割合が小さくなる)。分布における最も頻度の高い分子当たりのアルコキシルユニット数(すなわち、モード)は、ポリアルコキシル化トリグリセリド成分の平均アルコキシル化数に、常に等しくはないが、度々、類似する。異なる平均アルコキシル化を有する2種の成分はまた、典型的には、アルコキシルユニット数の単峰型分布において対応して異なるモードを有する。これらの2種の成分を組み合わせることで、分子当たりのアルコキシルユニット数において双峰型分布(すなわち、2つの最大が分布中に生じる)を有するポリアルコキシル化トリグリセリド組成物がもたらされる。本開示の文脈および特許請求の範囲において、これらの2つの最大は「モード」として称される。典型的には、2種の成分の組み合わせ(すなわち混合物)の双峰型分布における2つのモード間の算術的差異は、個別の成分の単峰型分布におけるモード間の差異類似している(しかし、わずかに小さい場合がある)。
一般に、双峰型分布の分子当たりのアルコキシルユニット数を有するポリアルコキシル化トリグリセリド組成物は、双峰型分布を形成するとみなすことが可能である単峰型分布を有する個別の成分ポリアルコキシル化トリグリセリド組成物より均一に幅広い範囲(すなわち、より平たい分布)の分子当たりのアルコキシルユニット数を有する。ポリアルコキシル化トリグリセリド分子当たりのアルコキシルユニット数の多様性が本組成物の水性乳化および除草実用性を向上させ得、関連する実施形態においては、構成成分(d)は、双峰型分布の分子当たりのアルコキシルユニット数を有するポリアルコキシル化トリグリセリド組成物(ヒドロキシ脂肪酸部分に関するなどの制約を受ける)であり、ここで、これらのモードは、少なくとも約4アルコキシルユニットで、より典型的には少なくとも約8アルコキシルユニットで、より典型的には少なくとも約16アルコキシルユニットで、および最も一般的には約20アルコキシルユニットで異なる。この実施形態において、モードは、典型的には、約40アルコキシルユニット以下で、より典型的には約30アルコキシルユニット以下で、および最も典型的には約25アルコキシルユニット以下で異なる。
本組成物の構成成分(d)はまた、各々が異なるモードで単峰型分布を有する2種を超える成分から形成されて、2つ超のモードを有する多峰型分布を提供することが可能である。従って、本組成物の他の実施形態において、構成成分(d)は、多峰型分布の分子当たりのアルコキシルユニット数を有するポリアルコキシル化トリグリセリド組成物(ヒドロキシ脂肪酸部分に関するなどの制約を受ける)であり、ここで、少なくとも2つのモードは、少なくとも約4アルコキシルユニットで、より典型的には少なくとも約8アルコキシルユニットで、より典型的には少なくとも約16アルコキシルユニットで、および最も一般的には約20アルコキシルユニットで異なる。この実施形態においては、最高のアルコキシルユニットモードは、典型的には、最低のアルコキシルユニットモードから、約40アルコキシルユニット以下で、より典型的には約30アルコキシルユニット以下で、および最も典型的には約25アルコキシルユニット以下で異なる。「最高のアルコキシルユニットモード」という表記は最大のアルコキシルユニット数を有するモードを指し;「最低のアルコキシルユニットモード」とは最低のアルコキシルユニット数を有するモードを指す(分布におけるモード中で)。
双峰型および多峰型実施形態の両方において、最低のアルコキシルユニットモードは、典型的には、少なくとも約4アルコキシルユニット、より典型的には少なくとも約6アルコキシルユニット、最も典型的には少なくとも約8アルコキシルユニット、および最も一般的には約10アルコキシルユニットである。最高のアルコキシルユニットモードは、典型的には、約50アルコキシルユニット以下、より典型的には約40アルコキシルユニット以下、最も典型的には約35アルコキシルユニット以下、および最も一般的には約30アルコキシルユニットである。
アルコキシユニット数分布において異なる平均アルコキシル化および異なるモードを達成するために、成分は、典型的には、対応する1モルのトリグリセリド当たりでの異なるアルコキシル化のモル比を用いて、他の成分とは個別に調製される。AGNIQUE SBO−10およびAGNIQUE SBO−30は、それぞれ、平均で約10または30アルコキシル(エトキシル)ユニットを有し、それ故、約20アルコキシル(エトキシル)ユニットで異なるポリアルコキシル化(より具体的には、ポリエトキシル化)トリグリセリド成分の注目に値する例である。通例、アルコキシユニット数分布において異なる平均アルコキシル化または異なるモードを有する2種のポリアルコキシル化トリグリセリド成分は、約3:1〜1:3、より一般的には約2:1〜約1:2、および最も一般的には約3:2〜約2:3(例えば、約1:1)の重量比である。
構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドに追加して、本組成物中の液体キャリアは、任意により、C1〜C4アルカノールの脂肪酸エステルの1種以上を構成成分(e)として含む。構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドは、この構成成分が存在する場合に、構成成分(e)の乳化剤として有効とするノニオン性界面活性特性を有する。しかしながら、構成成分(e)は、構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドも自己乳化特性を有するために、水での希釈でエマルジョンを形成せしめるために組成物に必要ではない。
その上、吹付けの前に本組成物を水で希釈せしめる場合にエマルジョンを形成させることにより、ポリアルコキシル化トリグリセリドはまた、1種以上のスルホニル尿素除草剤(すなわち、構成成分(a))の防除されるべき植生との有効な接触を促進させ得る。ポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分の約50重量%以下がヒドロキシ脂肪酸に由来するポリアルコキシル化トリグリセリドは、水で希釈されて雑草に噴霧されたときに一貫して高い除草活性を有する安定な単一の液体相配合物を提供することが発見された。本組成物は、スルホニル尿素活性処方成分の良好な安定性および組成物中に懸濁された処方成分の沈降に対する耐性、組成物の易注型適性(分注のための)、水での希釈時の安定なエマルジョンの形成(例えば、水中に懸濁されたエマルジョン液滴の小さいサイズ)、得られる水性エマルジョンの発泡に対する低い感受性、水−希釈エマルジョンを適用し乾燥させた後の活性処方成分の耐雨性(流失に対する耐性)、雑草を防除するための高い除草効力、ならびに作物植物に対する安全性のような有益な特性について注目に値する。
本発明の単一液体相組成物の液体キャリアはまた、C1〜C4アルカノールの脂肪酸エステルの1種以上を構成成分(e)として組成物の0〜約89.9重量%の量で含み得る。構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドは、自身を自己乳化液体キャリアとして機能することを許容する特性を有するために構成成分(e)は任意であるが、しかしながら、典型的には、耐雨性を含む最良の結果は、C1〜C4アルカノールの脂肪酸エステルの1種以上が相当量で液体キャリア中に構成成分(e)として存在する場合に達成される。しかも、C1〜C4アルカノールの脂肪酸エステルの比較的低い粘度が本組成物の注型適性を向上させ、それ故、分注を容易とする。存在する場合に、構成成分(e)の量は重量基準で組成物の0.1%の少量であることが可能であるが、顕著な効果のためには、構成成分(e)の量は、典型的には、重量基準で組成物の少なくとも約10%である。構成成分(e)は、より典型的には、重量基準で組成物の少なくとも約20%、およびさらにより典型的には少なくとも約30%、35%または40%であり、ならびに、度々、少なくとも50%である。典型的には、構成成分(e)は、約75%以下、より典型的には重量基準で組成物の約65%以下である。
脂肪酸エステルのC1〜C4アルカノール由来部分は未分岐(すなわち直鎖)であるかまたは分岐であることができるが、典型的には未分岐である。好ましい物理特性、商業的な入手性および経済性を含む理由のために、脂肪酸エステルは、C1〜C2アルカノールで、より好ましくはC1アルカノール(すなわちメタノール)でエステル化された脂肪酸であることが好ましい。本発明の組成物中の脂肪酸アルカノールエステルは、アルコール(例えば、メタノールおよびエタノール)の混合物に由来することが可能である。
アルカノールの脂肪酸エステルの脂肪酸部分は、未分岐または分岐であることができるが、天然源においては典型的には未分岐である炭化水素鎖に結合したカルボニル部分から構成される。炭化水素鎖は飽和または不飽和であることができ;典型的には、炭化水素鎖は飽和(すなわちアルキル)であるか、または1つあるいは2つ(時折それ以上)の炭素−炭素二重結合を含有する(すなわちアルケニル)。奇数個の炭素原子(すなわち、炭化水素鎖中に偶数個の炭素原子)を含有する脂肪酸から形成されたアルカノールの脂肪酸エステル、ならびに偶数個の炭素原子(すなわち、炭化水素鎖中に奇数個の炭素原子)を含有する脂肪酸から形成されたアルカノールの脂肪酸エステルは、本発明の組成物において有用である。しかしながら、天然源から入手される脂肪酸は、典型的には、偶数個の炭素原子を含有し、従って、偶数個の炭素原子を含有する脂肪酸のエステルが商業的な入手性および経済性のために好ましい。
既述のとおり、脂肪酸は少なくとも4個の炭素原子を含有し、天然源からは約22個(まれに24個)の炭素原子に限られている。低級脂肪酸(例えば、4個もの小数の炭素原子を含有する)のアルカノールエステルが本組成物について有用であるが、好ましい物理特性(例えば、低い揮発度)のために、少なくとも8個、より好ましくは少なくとも10個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールエステルが好ましい。低級脂肪酸のアルカノールエステルは、より高級の脂肪酸のアルカノールエステルと混合されて、極性、水溶性および揮発度を低減させることが可能である。天然源から得られる脂肪酸は典型的には8〜22個の炭素原子、より典型的には10〜22個の炭素原子を含有するため、これらの脂肪酸のアルカノールエステルが商業的な入手性および経済性のために好ましい。
既述のとおり、天然源(例えば、種子油)から入手される脂肪酸組成物は、典型的には、様々な鎖長および異なる不飽和度を有する脂肪酸から構成される。このような脂肪酸混合物に由来するアルカノール脂肪酸エステル組成物(すなわち、アルカノールの脂肪酸エステルを含む組成物)は、脂肪酸エステルを先ず分離する必要なく、本発明の組成物において有用であることができる。経済的な理由から、脂肪酸エステルを分離しないことが好ましい。植物由来の出発材料から入手される好適なアルカノール脂肪酸エステル組成物としては、ヒマワリ、ナタネ、オリーヴ、コーン、ダイズ、綿およびアマニの種子油および果実油が挙げられる。アルカノールの脂肪酸エステルの1種以上がヒマワリ、ダイズ、綿あるいはアマニの種子油、または、ナタネあるいはダイズの種子油に由来する脂肪酸メチルエステルを含む本発明の組成物に注目されたい。アルカノールの脂肪酸エステルの1種以上(すなわち構成成分(e))が大豆油に由来する脂肪酸メチルエステル(メチル化大豆油または大豆メチルとしても知られている)を含む本発明の組成物に特に注目されたい。
アルカノールの脂肪酸エステルおよびこれらの調製方法は当該技術分野において周知である。例えば、「バイオディーゼル」は、典型的には、エタノールまたはより一般的にはメタノールの脂肪酸エステルを含む。脂肪酸アルカノールエステルの調製に用いられる2種の主要な経路は、他の脂肪酸エステル(度々、天然のエステルとグリセロール)とのエステル交換および脂肪酸から開始する直接エステル化である。これらの経路について多様な方法が知られている。例えば、直接エステル化は、硫酸などの強酸触媒の存在下に脂肪酸をアルカノールと接触させることにより達成されることが可能である。エステル交換は、硫酸などの強酸触媒、より一般的には、水酸化ナトリウムなどの強塩基の存在下に、出発脂肪酸エステル(例えば、トリグリセリド)をアルコールと接触させることにより達成することが可能である。
アルキル化種子油は、種子油のアルカノールとのエステル交換生成物である。例えば大豆メチルとしても知られるメチル化大豆油は、大豆油のメタノールとのエステル交換により生成されるメチルエステルを含む。大豆メチルは、それ故、脂肪酸のメチルエステルを、ダイズ種子油中のグリセロールと脂肪酸がエステル化されるおおよそのモル比で含む。大豆メチルなどのアルキル化種子油を蒸留してメチル脂肪酸エステルの割合を変更させることが可能であるが、この追加的なステップは、典型的には本発明の組成物に対する利点はもたらさない。
本発明の組成物中の液体キャリアは液体キャリアとして用いられる他の物質などの追加の配合成分の1種以上をさらに含むことが可能であるが、液体キャリアは、本組成物の液体相に最適である、構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリドの1種以上、および、構成成分(e)としてのC1〜C4アルカノールの脂肪酸エステルの1種以上に加えて、液体キャリア物質を含まないことが好ましい。特に、液体キャリアは、相当量の未変性(例えば、未アルコキシル化)トリグリセリド(例えば、未アルコキシル化種子油および果実油)を含まないことが好ましい。トリグリセリドをポリアルコキシル化する製造プロセスはわずかな割合のトリグリセリド分子を未アルコキシル化で残留させる可能性があるため、構成成分(d)を形成せしめるために入手可能である市販のポリアルコキシル化トリグリセリド製品は微量の未アルコキシル化トリグリセリドを含有する可能性があり、これは不純物とみなすことが可能である。既述の米国特許第6,008,392号明細書は、ハイドロタルサイト触媒だけではなく、助触媒を用いて、未アルコキシル化脂肪酸エステルの量を検出限界未満に低減させるプロセスを教示する。ポリアルコキシル化トリグリセリド生成物中のいずれかの微量の未変性トリグリセリド不純物は、本組成物の特性に無視可能な影響を有すると当然に予期される。他の供給源(例えば、未変性種子油および果実油生成物)に由来の未アルコキシル化トリグリセリドは本組成物に含まれていないことが好ましい。
未変性(例えば、未アルコキシル化)種子油および果実油(例えば、ナタネ油、コーン油、大豆油)は、C1〜C4アルカノールの脂肪酸エステルよりもかなり高い粘度を有する。高い粘度は注型適性を低下させるが、高い粘度は、懸濁濃縮配合物中の懸濁固形分の分離および沈降の防止の補助に有益である可能性がある。しかしながら、C1〜C4アルカノールの脂肪酸エステルの1種以上に追加して1種以上のポリアルコキシル化トリグリセリドを含む本組成物は、未変性トリグリセリドを含んでいなくても分離および沈降に対して十分に安定であることが発見された。しかも、本懸濁濃縮組成物中のC1〜C4アルカノールの脂肪酸エステルは、C1〜C4アルカノールの脂肪酸エステルが未変性種子油および果実油によって置き換えられている懸濁濃縮組成物よりも著しく良好である、顕著な除草効力を提供することが発見されている。従って、種子油および果実油などの未変性トリグリセリドの量は本組成物において最低限であることが好ましい。本組成物は、重量基準で、約10%以下、5%以下、2%以下、1%以下、0.5%以下、0.2%以下または0.1%以下(好ましさが増す順番)の未変性トリグリセリドを含有することが好ましい。
トリグリセリドをポリアルコキシル化する一定の製造プロセスはまた、アルコキシル化脂肪酸(ポリアルコキシル化脂肪酸、脂肪酸アルコキシレート、エトキシル化脂肪酸、エトキシル化脂肪酸エステル等としても公知である)を不純物として形成せしめる可能性がある。アルコキシル化脂肪酸は界面活性特性を有するが、本組成物は、乳化を促進する界面活性特性については、ポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分の約50重量%以下がヒドロキシ脂肪酸に由来する1種以上のポリアルコキシル化トリグリセリド(すなわち、構成成分(d))に主に依存する。構成成分(d)を相当量のアルコキシル化脂肪酸と置き換えることはそれ故望ましくなく、アルコキシル化脂肪酸は本組成物においては最低限であることが好ましい。本組成物は、重量基準で、約10%以下、5%以下、2%以下、1%以下、0.5%以下、0.2%以下または0.1%以下(好ましさが増す順番)のアルコキシル化脂肪酸を含有することが好ましい。
本組成物においては、1種以上のスルホニル尿素除草剤(すなわち構成成分(a))は、1種以上のポリアルコキシル化トリグリセリド(すなわち構成成分(d))、および、任意により、C1〜C4アルカノールの脂肪酸エステルの1種以上(すなわち構成成分(e))を含む液体キャリア中に低い溶解度を有し、従って、本組成物は、典型的には、液体キャリア中においては構成成分(a)の固体粒子の懸濁液の形態である。しかも、他の活性処方成分または配合成分が、固体粒子として液体キャリア中に懸濁されていてもよい。しかも、吹付けのための本組成物の水での希釈は、典型的には、構成成分(a)の固体粒子、ならびに、場合によっては比較的低い水溶性を有する(すなわち、存在する水の量中に完全に溶解性ではない)他の固体活性処方成分または配合成分の水性懸濁液をもたらす。
本発明の組成物は、約70重量%以下の1種以上の追加の配合成分(すなわち構成成分(f))を含み得る。典型的には、構成成分(f)は、重量基準で、組成物の約60%以下、より典型的には約50%以下、40%以下、30%以下、25%以下、20%以下または15%および最も典型的には約10%以下である。追加の配合成分は、追加の界面活性剤を、構成成分(d)のポリアルコキシル化トリグリセリド(乳化特性を有する)と共に含み得る。しかしながら、本発明の組成物は、乳化を促進する界面活性特性については、構成成分(d)(すなわち、ポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分の約50重量%以下がヒドロキシ脂肪酸に由来する1種以上のポリアルコキシル化トリグリセリド)に主に依存し、従って、典型的には、約10%以下、5%以下、4%以下、3%以下またはさらには2重量%以下の他の界面活性剤を含有する。
界面活性剤(「表面活性剤」としても知られている)は、一般に、液体の表面張力を変化させ、ほとんどの場合に低減させる。界面活性剤分子中の親水性および親油性基の性質に応じて、界面活性剤は、湿潤剤、分散助剤(すなわち分散剤)、乳化剤または消泡剤(すなわち脱泡剤)として有用である可能性がある。界面活性剤は、それらの親水性基の化学的性質に基づいて、アニオン性、ノニオン性またはカチオン性界面活性剤と記載される。典型的な界面活性剤が、McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers Annual、Allured Publ.Corp.、(Ridgewood,New Jersey)、ならびに、SiselyおよびWood、Encyclopedia of Surface Active Agents、Chemical Publ.Co.,Inc.(New York)、1964年に記載されている。
アニオン性界面活性剤は、水性媒体中に入れられたときに、分子の親油性部分に結合した親水性基が陰イオン(すなわちアニオン)を形成する表面活性分子である。カルボキシレート、サルフェート、スルホン酸塩およびリン酸が、アニオン性界面活性剤において通例見られる親水性基である。アニオン性界面活性剤の例としては、ナトリウムアルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アルキルベンゼンスルホン酸塩、リグノスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、N,N−ジアルキルタウレート、ポリカルボン酸塩(例えば、ポリアクリレート)、リン酸エステル、エトキシル化トリスチリルフェノールリン酸塩および脂肪酸のアルカリ塩が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤は、イオン化可能な極性末端基を含有しないが、親水性および親油性部分を含有する表面活性分子である。ノニオン性界面活性剤の例としては、エトキシル化アルコール、エトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化ソルビトールエステル、エトキシル化脂肪酸エステル、ポリ−オキシ−エチレン/ポリオキシ−プロピレンブロックコポリマー、グリセロールエステル、および、重合度(D.P.)として言及されるグルコースユニットの数が1〜3の範囲であることが可能であると共にアルキルユニットがC6〜C14の範囲であることが可能であるアルキルポリグリコシドが挙げられる(Pure and Applied Chemistry、72、1255〜1264ページを参照のこと)。当該技術分野において周知であるとおり、これらの界面活性剤においては、「エトキシル化」とは、それぞれ、ソルビタン、ソルビトールまたは脂肪酸構成成分の水酸基とエチレンオキシドとの反応により形成される1種以上のオキシエチレンユニット(−OCH2CH2−)を含む鎖の存在を指す。エトキシル化ソルビタンエステルおよびエトキシル化ソルビトールエステルにおいて、エトキシル化後に存在する水酸基はエステル化される。2つ以上のオキシエチレンユニットが、一般に、各界面活性剤分子上に存在する場合、「ポリオキシエチレン」が、界面活性剤名に含まれることが可能であるか、または、代わりに、POE(ポリオキシエチレン)数が、分子当たりのオキシエチレンユニットの平均数を示すために、名称に含まれることが可能である。
カチオン性界面活性剤は、水溶液に入れられたときに、分子の親油性部分に結合した親水性基が陽イオン(すなわちカチオン)を形成する表面活性分子である。カチオン性界面活性剤の例としては、エトキシル化脂肪アミン、ベンジルアルキルアンモニウム塩、ピリジニウム塩および第4級イミダゾリウム化合物などの第4級アンモニウム塩が挙げられる。
必要ではないが、構成成分(f)は、本組成物中において、水での希釈の前または希釈後に、粒子が一緒に固着する傾向を低減させるために1種以上の分散剤を含んでいてもよい。一緒に固着する粒子は、凝集(すなわち、粒子がゆるく一緒に固着される)または凝塊(すなわち、粒子が不可逆的に塊になる)をもたらし得る。分散助剤とも呼ばれる分散剤は、近接近している粒子間の引力を低減させることが可能である。広く多様な分散剤が配合の技術分野において公知であり、McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers Annual、Allured Publ.Corp.(Ridgewood,New Jersey)、ならびに、SiselyおよびWood、Encyclopedia of Surface Active Agents、Chemical Publ.Co.,Inc.(New York)、1964年に記載されているものが含まれる。分散剤の例としては、リグノスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸塩またはアルキルナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物(例えば、MORWET D425);縮合メチルナフタレンスルホン酸塩(例えば、SUPRAGIL MNS/90);アルキルフェノール、ホルムアルデヒドおよび任意により亜硫酸ナトリウムのアニオン性縮合物;ポリカルボン酸(例えば、ポリアクリル酸)の塩;トリスチリルフェノールエトキシレートのリン酸エステル(例えば、SOPROPHOR 3D33);ポリエチレン/ポリプロピレンブロックポリマー(例えば、PLURONIC F108、ATLOX4912、ATLAS G−5000、SYNPERONIC PEシリーズコポリマー);ならびに、メチルメタクリレートグラフトコポリマーなどのエチレンオキシド−プロピレンオキシドベースのアクリル酸グラフトコポリマー(例えば、ATLOX4913)が挙げられる。構成成分(f)が1種以上の分散剤を含む場合、分散剤の総量は、一般に、重量基準で、組成物の約30%以下、典型的には約20%以下、およびより典型的には約10%以下である。
リグノスルホン酸塩が1種以上のポリアルコキシル化トリグリセリドを含む液体キャリアとの混和物中のスルホニル尿素除草剤の化学的安定性をさらに顕著に増加させることが可能であるために、リグノスルホン酸塩は本組成物において特に有用な分散剤であることが見出され、ここで、ポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分の約50重量%以下がヒドロキシ脂肪酸に由来すると共に、任意により、アルカノールの脂肪酸エステルをも含む。本発明のリグノスルホン酸塩の本質的な構成ブロックであるリグニンは、木本植物において形成されると共に、構造および均質性に関して複雑な天然ポリマーである。リグノスルホン酸塩はスルホン化植物リグニンであり、紙産業の商業的に周知である副生成物である。リグノスルホン酸塩は、ベースとなるリグニン構成ブロックを、その後のスルホン化を含む亜硫酸蒸解プロセスまたはクラフトパルピング(硫酸塩パルピングとしても知られている)プロセスを用いて化学的に変性させることにより調製されることが可能である。これらのパルピングプロセスは紙産業において周知である。亜硫酸蒸解プロセスおよびクラフトパルピングプロセスは、Lignotechにより発行された文献(例えば、「Specialty Chemicals for Pesticide Formulations」、1998年10月)およびMeadWestvaco Corpにより発行された文献(例えば、「From the Forests to the Fields」、1998年6月)に記載されている。粗リグノスルホン酸塩の調製物は、典型的には、スルホン化リグニンに追加して、糖質、糖質酸および樹脂などの他の植物由来の化学物質、ならびに無機化学物質を含有する。このような粗リグノスルホン酸塩調製物は本発明の組成物のために用いられることが可能であるが、粗調製物を先ず精製して、より高い純度のリグノスルホン酸塩をもたらすことが好ましい。本開示の文脈および特許請求の範囲内のリグノスルホン酸塩はまた、大きく化学的に変性されたリグノスルホン酸塩を含む。大きく化学的に変性されたリグノスルホン酸塩の例は、スルホン酸基およびメトキシル基の数を減少させるプロセスにおいてリグニンが酸化され、フェノール系基およびカルボン酸基の数が増加するよう再構成させるオキシリグニンである。オキシリグニンの例は、Borregaard LignoTechによって市販されているVANISPERSE Aである。
リグノスルホン酸塩は、カチオン、スルホン化度および平均分子量に基づいて変化する。本発明のリグノスルホン酸塩は、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、カリウムまたはアンモニウムカチオンまたはこれらの混合物を含有することが可能であるが、ナトリウムを含有することが好ましい。スルホン化度は、リグノスルホン酸塩の1000ユニット分子量当たりのスルホン酸塩基の数として定義され、市販されている製品においては、典型的には、約0.5〜約4.7の範囲である。本発明の組成物中のリグノスルホン酸塩は、約0.5〜約3.0の範囲のスルホン化度を含有することが好ましい。約0.5〜約3.0のスルホン化度を含有するリグノスルホン酸塩は、クラフトパルピングプロセスにおける制御されたスルホン化により調製されることが可能である。例えば、クラフトパルピングプロセスを用いるスルホン化度はREAX88Aについては2.9であり、REAX85Aについては0.8であり、およびREAX907については1.2であり、これは、以下においてさらに記載されている。市販されているリグノスルホン酸塩の平均分子量は、典型的には、約2,000〜約15,100の範囲である。本発明のリグノスルホン酸塩は、好ましくは、約2,900超の平均分子量を有する。
本発明の組成物において有用である市販されている精製されたリグノスルホン酸塩製品の例としては、これらに限定されないが、REAX88A(MeadWestvaco Corp.によって市販されている、5つのスルホン酸塩基によって可溶化された、化学的に変性された低分子量クラフトリグニンポリマーのナトリウム塩)、REAX85A(MeadWestvaco Corp.によって市販されている化学的に変性された高分子量クラフトリグニンポリマーのナトリウム塩)、REAX907(MeadWestvaco Corp.によって市販されている化学的に変性された高分子量クラフトリグニンポリマーのナトリウム塩)、REAX100M(MeadWestvaco Corp.によって市販されている化学的に変性された低分子量クラフトリグニンポリマーのナトリウム塩)、ならびにKRAFTSPEARSE DD−5(MeadWestvaco Corp.によって市販されている化学的に変性された高分子量クラフトリグニンポリマーのナトリウム塩)が挙げられる。
構成成分(f)が1種以上のリグノスルホン酸塩を含む場合、リグノスルホン酸塩の総量は、約0.1%までのより少ない量で用いることが可能であるが、典型的には、重量基準で組成物の少なくとも約0.5%である。より典型的には、1種以上のリグノスルホン酸塩は組成物の少なくとも約1%の量であり、重量基準で組成物の少なくとも約2%または少なくとも約3%といったより多量を用いることが可能であり、有利であり得る。本発明の組成物中の1種以上のリグノスルホン酸塩の総量は、約30重量%以下の範囲であることが可能であるが、経済的な理由から、この総量は、重量基準で、組成物の典型的には約10%以下、好ましくは約8%以下、より好ましくは約6%以下、より好ましくは約5%以下、および最も好ましくは約4%以下である。
ポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分の約50重量%以下がヒドロキシ脂肪酸に由来するポリアルコキシル化トリグリセリドの1種以上を含む本組成物は、リグノスルホン酸塩が不在であっても良好な安定性を示すが、リグノスルホン酸塩を含ませることで安定性をさらに増加させることが可能であり、これは、組成物がスルホニル尿素除草剤の分解を促進し易い暑い環境条件下で保存される場合には望ましい場合がある。所望の安定性の増加量をもたらすために必要とされるリグノスルホン酸塩の量は組成物中のスルホニル尿素除草剤および他の処方成分に応じ、単純な実験により判定することが可能である。暑い環境条件下での保管に好適であるために、40℃で1週間の加速老化後に計測される相対分解割合は、10%未満、および、好ましくは5%未満であるべきである。わずかに少量のリグノスルホン酸塩(例えば、重量基準で組成物の1〜2%)のみが、典型的には、本発明の組成物中のニコスルフロンなどのスルホニル尿素除草剤の加速老化条件下での分解を著しく低減させるために必要とされる。
本発明の組成物は、組成物がスプレータンク中の水に添加されたときにエマルジョンの形成が可能であるよう、構成成分(d)の1種以上のポリアルコキシル化トリグリセリドのほかに1種以上の界面活性剤を構成成分(f)中に含み得る。これらの界面活性剤はカチオン性、アニオン性またはノニオン性であることが可能であるが、より典型的には、アニオン性またはノニオン性である。この目的のために好適なアニオン性界面活性剤の例は、カルシウムドデシルベンゼンスルホン酸塩などのスルホン酸塩である。好適なノニオン性界面活性剤の例は、POE(20)ソルビタントリオレエートなどのポリオキシエチル化(POE)ソルビタンエステル、および、POE(40)ソルビトールヘキサオレエートなどのポリオキシエチル化(POE)ソルビトールエステルである。POE(20)ソルビタントリオレエートは、Uniqemaにより商品名TWEEN85で市販されている。POE(40)ソルビトールヘキサオレエートは、Uniqemaにより商品名ATLAS G1086およびCIRRASOL G1086で市販されている。
本組成物はまた、1種以上の固体希釈剤を液体キャリア中の懸濁液中に含有し得る。固体希釈剤は、水溶性または不水溶性であることが可能である。典型的な固体希釈剤が、Watkinsら、Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers、第2版、Dorland Books(Caldwell,New Jersey)に記載されている。水溶性固体希釈剤の例としては、アルカリ金属リン酸塩(例えば、リン酸二水素ナトリウム)、アルカリ土類金属リン酸塩、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよび亜鉛などの硫酸塩、塩化ナトリウムおよび塩化カリウム、ならびに安息香酸ナトリウムなどの塩;ならびに、ソルビトール、ラクトースおよびスクロースなどの糖質および糖質誘導体;ならびに尿素(H2NC(O)NH2)が挙げられる。不水溶性固体希釈剤の例としては、これらに限定されないが、クレイ、合成およびケイソウ土、ケイ酸カルシウムおよびケイ酸マグネシウム、二酸化チタン、アルミニウム、酸化カルシウムおよび酸化亜鉛、炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウムおよび硫酸バリウム、およびチャコールが挙げられる。
クレイおよび尿素などの一定の固体希釈剤は、ブリード層(すなわち、懸濁されたまたは分散された固体粒子を含有しない層)の形成をもたらすこととなる本組成物中に懸濁されたまたは分散された固体粒子の分離に対して顕著な耐性を提供することが発見された。しかも、これらの固体希釈剤は、可逆的なゲル構造を組成物に付与することが可能であることが発見された。可逆ゲルは、組成物に低いせん断力で高い粘度で提供する(例えば、組成物が容器中に保管されるとき)が、高いせん断力が適用される(例えば、組成物の容器が振盪されるとき)と分注を促進する低い粘度がもたらされる。可逆的なゲル構造の利益は、ブリード層の形成および容器の底への粒子の沈殿が著しく低減されることである。
典型的には、重量基準で少なくとも約0.1%クレイを含有する本発明の組成物は可逆ゲルを形成するであろう。10%超のクレイが有用である可能性があるが、経済的な理由から、約10%以下が好ましい。より好ましくは0.1〜5%の範囲、および最も好ましくは0.5〜3%の範囲である。本組成物において有用であるクレイの例としては、アタパルジャイトなどのマグネシウムケイ酸アルミニウム(例えば、BASF Corp.製のATTAGEL50)およびモンモリロナイトなどの他のケイ酸アルミニウム(例えば、Kentucky−Tennessee Clay Co.製のBARDENクレイおよびElementis Specialties製のBENTONEクレイ)が挙げられる。希釈剤として有用である典型的な固体クレイが、Watkinsら、Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers、第2版、Dorland Books(Caldwell,New Jersey)に記載されている。
尿素は、本組成物を増粘させるためだけではなく、ポリアルコキシル化トリグリセリド中の脂肪酸由来部分の約50重量%以下がヒドロキシ脂肪酸に由来すると共に任意によりアルカノールの脂肪酸エステルをも含む1種以上のポリアルコキシル化トリグリセリドを含む液体キャリアとの混和物における1種以上のスルホニル尿素除草剤の化学的安定性をさらに著しく高めるためにも有用であることが見出された。尿素が本組成物中に含まれる場合、これは、典型的には、重量基準で、組成物の、少なくとも約0.1%および約10%以下の量である。より典型的には、尿素は、重量基準で、組成物の約0.2〜約5%、および最も典型的には約1〜約3%の量で含まれる。
レオロジー変性剤、染料、乾燥剤等などの他の配合成分を本発明の組成物において用いてもよい。これらの処方成分は当業者に公知であり、例えば、McCutcheon’s2001、第2巻:MC Publishing Company発行のFunctional Materialsに説明を見出すことが可能である。
本発明の組成物は、農場の土壌またはたん水田における水などの、防除(例えば、抑制または死滅)されるべき不要な植生の生育培地に直接的に適用することが可能であるが、通常は、組成物は、先ず水で希釈され、次いで、不要な植生または不要な植生の環境に噴霧される。より多量の水への本組成物の追加は、典型的には、サスポエマルジョン、すなわち、1種以上のスルホニル尿素除草剤および任意によりクレイなどの他の固体構成成分の固体粒子の懸濁液を、1種以上のポリアルコキシル化トリグリセリドおよび任意によりC1〜C4アルカノールの脂肪酸エステルの1種以上を含む液滴のエマルジョンと一緒に形成する。噴霧混合物を形成せしめるために、希釈に用いられる本組成物対水の体積の体積の比は、一般に、約1:20〜約1:10000、典型的には約1:50〜約1:5000、より典型的には約1:75〜約1:2000、および最も典型的には約1:100〜約1:1000の範囲内である。
さらなる詳細がなくても、前出の説明を使用する当業者は、本発明をその最も十分な範囲まで利用することができると考えられる。従って、以下の実施例は単なる実例として解釈され、かついずれかの様式に本開示を限定するものではない。
配合物実施例
以下の実施例は、本発明の組成物の調製および安定性試験を説明する。技術グレードニコスルフロンおよびチフェンスルフロン−メチルを用いて実施例組成物を調製し;技術的材料における活性処方成分の割合は括弧中に示されており、列挙した重量は技術的材料の重量を指す。実施例において調製した組成物中のスルホニル尿素の安定性は、加熱したオーブン中でサンプルを老化させ、次いで、老化の前後のスルホニル尿素含有量を比較して相対分解割合(%)を測定することにより判定した。%相対分解は、最終重量%スルホニル尿素を初期重量%スルホニル尿素から差し引き、次いで、得られた差を初期重量%スルホニル尿素により除し、次いで、得られた商に100%を乗ずることにより算出した。スルホニル尿素含有量は、逆相カラムおよび溶離液を用いる高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)で組成物をアッセイすることにより測定した。
実施例1
オーバーヘッド攪拌機を備える250mLのガラスビーカに、エトキシル化大豆油(Cognis Corp.AGNIQUE SBO−10、91.7g)、リグノスルホン酸塩(MeadWestvaco Corp.REAX907、2.0g)、ニコスルフロン(93.5%、4.3g)およびアタパルジャイトクレイ(Engelhard ATTAGEL50、2.0g)を添加した。次いで、混合物を、0.2−L Eigerミルを用いて均質化し、本発明の組成物である得られた懸濁濃縮物をボトルに詰めた。サンプルを40℃に加熱したオーブン中で1週間老化させ、次いで、スルホニル尿素除草剤の含有物をHPLCによりアッセイした。化学的安定性結果が表1に列挙されている。
実施例2
オーバーヘッド攪拌機を備える250mLのガラスビーカに、エトキシル化大豆油(Cognis Corp.AGNIQUE SBO−30、91.7g)、リグノスルホン酸塩(MeadWestvaco Corp.REAX907、2.0g)、ニコスルフロン、(93.5%、4.3g)およびアタパルジャイトクレイ(Engelhard ATTAGEL50、2.0g)を添加した。次いで、混合物を、0.2−L Eigerミルを用いて均質化し、本発明の組成物である得られた懸濁濃縮物をボトルに詰めた。サンプルを40℃に加熱したオーブン中で1週間老化させ、次いで、スルホニル尿素除草剤の含有物をHPLCによりアッセイした。化学的安定性結果が表1に列挙されている。
実施例3〜25
組成物実施例3〜25は本発明をさらに例示する。配合成分を、表2に示される量で以下の基本手順に従って組み合わせた。オーバーヘッド攪拌機で掻き混ぜた250mLのガラスビーカに、ポリアルコキシル化トリグリセリド(AGNIQUE SBO−10および/またはAGNIQUE SBO−30)、ニコスルフロン活性処方成分(93.5%ニコスルフロンを含有する技術的材料)、ならびに、任意により、チフェンスルフロン−メチル(99%チフェンスルフロン−メチルを含有する技術的材料)、C16〜C18脂肪酸メチルエステル(AGNIQUE ME18SDU)、リグノスルホン酸塩(REAX907)、固体希釈剤アタパルジャイトクレイ(Engelhard ATTAGEL50)または尿素などの他の処方成分を添加した。次いで、混合物を、0.2−L Eigerミルを用いて均質化し、本発明の組成物である得られた懸濁濃縮物をボトルに詰めた。
実施例3〜19の組成物のサンプル(各期間について1つの10gサンプル)を、オーブン中に40℃で1、2または8週間老化させた。老化サンプルを、HPLCにより、ニコスルフロンおよびチフェンスルフロン−メチル含有量についてアッセイした。化学的安定性結果が表3、4および5に列挙されている。
表3に見ることが可能であるとおり、ニコスルフロンを含むすべての実施例組成物は優れた安定性をこのテストにおいて示した。
表4に見ることが可能であるとおり、ニコスルフロンを含むすべての実施例組成物は優れた安定性をこのテストにおいて示した。
表5に見ることが可能であるとおり、ニコスルフロンおよびチフェンスルフロン−メチルを含むすべての実施例組成物は、良好〜優れた安定性をこのテストにおいて示した。
除草剤テスト実施例
テストA
コーン(ZEAMD、デントコーン(Zea mays L.ssp.indentata)(Sturtev.)L.H.Bailey)およびメヒシバ(DIGSA、オニメヒシバ(Digitaria sanguinalis(L.)Scop.))の種子を、Redi−Earth(登録商標)鉢植培地(Scotts−Sierra Horticultural Products Company(Marysville,Ohio 43041))を含む15cmのプラスチックポットに植えた。幼苗を、人工照明を備えた温室中で、16時間光周期で、およそ28℃昼間温度および22℃夜間温度で生長させた。植物に、迅速な生長に必要な水をやり、および施肥した。コーンおよびメヒシバの幼苗を、除草剤の適用の直前に、ポット当たりの個体群が均一となるよう間引いた。配合実施例組成物のサンプルを適用したとき、コーン植物はV3生長段階であり、およびメヒシバ植物は3葉期(およそ12cmの高さ)であった。
配合物実施例において記載したとおり調製した組成物のテストサンプルを、およそ25℃で水で希釈し、および処理剤を、262kPaで、280L/haの体積の出芽後散布でコーンおよびメヒシバ植物に噴霧した。各処理は4回の反復を含んでいた。除草剤の適用時に未処理のコーンおよびメヒシバ植物のサブセットを回収し、苗条生体重を、処理剤の適用後の追加的な植物生長を計測するためのベースラインとして記録した。処理済および未処理の植物を、温室中で、さらに15日間生長させた。次いで、コーンおよびメヒシバ苗条を回収し、苗条生体重を記録した。除草効力(すなわち植物受傷)は、サンプル処理剤の適用後の、未処理対照植物と相対的な苗条生体重の生長の阻害を算出することにより判定した。反復の算術平均として算出し、新たな生長の阻害割合として表記した処理結果を表Aに列挙した。負の数字は、処理済植物の苗条が対照植物の苗条より重かったことを示す。
表Aにおけるテストについての結果は、本発明の実施例組成物がメヒシバの新たな生長の阻害に高度に効果的であり、最低の施用量であっても相当の高価をもたらしていることを示している。加えて、コーン植物応答は、実施例組成物が、メヒシバの実質的な生長阻害に必要な施用量で十分なコーン作物耐性を維持していたことを示した。
テストB
コーン(デントコーン(Zea mays ssp.indentata))、イヌホオズキ(イヌホオズキ(Solanum nigrum L.))、ソバ(ソバカズラ(Polygonum convolvulus L.))、シロザ(シロザ(Chenopodium album L.))、およびベルベットリーフ(イチビ(Abutilon theophrasti Medik.))の種子を、3%有機物と共にシルト質壌土を含有するポットに植え、メヒシバ(オニメヒシバ(Digitaria sanguinalis))の種子を、Redi−Earth(登録商標)鉢植培地(Scotts−Sierra Horticultural Products Company(Marysville,Ohio 43041))を含むポットに植えた。幼苗を、人工照明を備えた温室中で、16時間光周期で、およそ28℃昼間温度および22℃夜間温度で生長させた。植物に、迅速な生長を補助するために水をやり、および施肥した。幼苗を、除草剤の適用の直前にポット当たりの個体群が均一となるよう間引いた。除草剤適用時の植物生長段階は:コーンV3;イヌホオズキ2葉期;ソバ、シロザおよびベルベットリーフ2〜4葉期;およびメヒシバ3葉期であった。
既述のとおり調製した実施例19の組成物のサンプルをおよそ25℃で水で希釈した。除草剤処理剤を、262kPaで、280L/haの体積の出芽後散布で植物に噴霧した。各処理は4回の反復を含んでいた。未処理のコーン植物のサブセットを草高について計測し、メヒシバのサブセットを除草剤適用時の苗条生体重について計測し、処理剤の適用後の追加的な植物生長についてのベースライン計測値とした。コーンについては、除草剤応答を、未処理の植物の草高における追加の生長に対する処理済植物の草高における追加の生長の阻害を、処理剤の適用から14日後に比較することにより計測した。メヒシバについては、除草剤応答は、処理剤の適用から19日後に、未処理の植物の苗条生体重における追加の生長に対する処理済植物の苗条生体重における追加の生長の阻害を比較することにより計測した。イヌホオズキ、ソバ、シロザおよびベルベットリーフの視覚的応答を処理後19日間記録した。視覚的応答は、ゼロが応答無しであり、100が植物の死亡である0〜100スケールベースであった。新たな生長の阻害割合として表記した植物応答が表Bに示されている。
表Bにおけるテスト結果は、実施例19の組成物は、選択的な雑草防除における実用性に十分なコーン耐性を維持しながら、問題となる雑草種イヌホオズキ、ソバ、メヒシバ、シロザおよびベルベットリーフを効果的に防除することを示す。