JP2010513472A - タキサン誘導体の製造方法及びそれに用いられる中間体 - Google Patents

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モン、ユン・ホ
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チョイ、テ・ジン
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ハンミ ファーム. シーオー., エルティーディー.
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Abstract

【課題】抗腫瘍及び抗白血病活性を有するタキサン誘導体の新規な製造方法及びそれに用いられる中間体化合物を提供すること。
【解決手段】式IIの化合物を有機溶媒中で酸触媒の存在下で、1−ジメトキシメチルナフタレンと反応させて式IIIのオキサゾリジンメチルエステル誘導体を製造し、次いで前記式IIIの化合物を塩基存在下で加水分解して式IVのオキサゾリジン酸誘導体またはその塩を製造する段階、縮合剤の存在下で前記式IVの化合物またはその塩を式Vの保護された10−デアセチルバッカチンIIIとカップリング反応させて式VIのオキサゾリジン側鎖を有するタキサンを製造する段階、有機溶媒中で酸の存在下で前記式VIの化合物を開環反応させた後、得られた化合物のt−ブトキシカルボニル基をベンゾイル基で置換する任意の段階を行うことにより式VIIの化合物を製造する段階と、前記式VIIの化合物の7及び10位の保護基の少なくとも一つを除去する段階とを含む、式Iのタキサン誘導体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明はタキサン誘導体の新しい製造方法及びそれに用いられる中間体に関する。
式Iのテルペンタキサン誘導体は、広範囲の抗腫瘍及び抗白血病活性を有する抗癌化学療法剤であって、それらのうちいくつが乳癌、卵巣癌などの治療剤としての市販が承認されている。
Figure 2010513472
前記式中、
Phはフェニル;
Acはアセチル;
Bzはベンゾイル;
はt−ブトキシカルボニルまたはベンゾイル;および
は水素またはアセチルである。
ドセタキセル(R=t−ブトキシカルボニルラジカル、R=H)とパクリタキセル(R=ベンゾイルラジカル、R=Ac)のようなタキサン誘導体の製造は、式VIIIの10−デアセチルバッカチンIIIの7位及び10位のヒドロキシ基に選択的にまたは同時に保護基を導入する段階と、(2R,3S)−4−フェニルイソセリンのヒドロキシ基及びアミン基を保護する段階とを含む。
Figure 2010513472
10−デアセチルバッカチンIIIの7位及び10位のヒドロキシ基の保護基としては、多様なアシル基、例えば2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、トリクロロアセチル、ジクロロアセチル、モノクロロアセチル、t−ブトキシカルボニル、3,5−ジニトロベンゾイルと、トリエチルシリルラジカルのようなシリル基とが提示されている。また、(2R,3S)−4−フェニルイソセリンの場合は、そのヒドロキシ基とアミン基を同時に保護できるとともに、7位および10位のヒドロキシ基が保護された10−デアセチルバッカチンIIIとのカップリング反応後に容易に除去できる保護基の開発が求められている。これに関連して、保護された(2R,3S)−4−フェニルイソセリン誘導体として有用なオキサゾリジン誘導体とβ−ラクタム誘導体が研究されている。
例えば、国際特許公開第WO93/06094号にはβ−ラクタム誘導体を用いてドセタキセルを製造する方法が開示されているが、β−ラクタム誘導体自体の合成が非常に難しく、カップリング反応を無水条件下で−45℃程度の低温で行わなければならないという問題がある。
一方、オキサゾリジン誘導体に対する研究も幅広く行われている。例えば、韓国特許公開第1993−702324号(国際特許公開第WO 91/09589号)及び国際特許公開第WO 02/12216号には、式IVaのオキサゾリジン誘導体が開示されている。しかし、タキサン誘導体を製造する際にカップリング反応後にギ酸を用いて開環反応を行うと、t−ブトキシカルボニルラジカルが前記式IVaのオキサゾリジン誘導体から除去されるため、ドセタキセル製造時にはt−ブトキシカルボニル基を再導入しなければならず、パクリタキセル製造時にはベンゾイル基を再導入しなければならない。また、ギ酸のような有機酸が残存すると、t−ブトキシカルボニル基またはベンゾイル基を導入する際に深刻な副反応が起す可能性がある。
Figure 2010513472
前記式中、
Phはフェニル;
Bocはt−ブトキシカルボニル;
及びRはそれぞれ独立にC1−4アルキル、少なくとも一つのアリール基で置換されたC1−4アルキル、またはアリールであり、R及びRはそれらが連結された炭素原子と共に随意に結合して4〜7員環を形成することができる。
韓国特許公開第1995−703546号(国際特許公開第WO 1994/07877号)に開示された下記式IVbのオキサゾリジン誘導体及び韓国特許公開第1995−703548号(国際特許公開第WO 1994/07879号)に開示された式IVcのオキサゾリジン誘導体の合成工程は非常に複雑でかつ収率が低いという短所がある。
Figure 2010513472
Figure 2010513472
前記式中、
Phはフェニル;
及びRはそれぞれ独立に水素、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、または少なくとも一つのC1−4アルコキシラジカルで随意に置換されたフェニルであり、R及びRはそれらが連結された炭素原子と共に随意に結合して4〜7員環を形成することができ、
は少なくとも一つの塩素原子で置換されたC1−4アルキルであり、
10はトリハロメチルで随意に置換されたフェニルである。
また、式IVdのオキサゾリジン誘導体の製造方法は、韓国特許公開第1995−703547号(国際特許公開第WO 1994/07878号)に開示されており、この方法は下記反応式1の通りである。
Figure 2010513472
前記式中、
Phはフェニル;
Bocはt−ブトキシカルボニル;
11は水素、または少なくとも一つのC1−4アルコキシで随意に置換されたフェニルである。
前記式IVdのR11が電子供与性置換基で置換されたフェニル基、例えば、p−メトキシフェニルラジカルである場合、他のオキサゾリジン誘導体に比べてt−ブトキシカルボニル基を損失することなく穏やかな条件下で加水分解を容易に行うことができる。しかし、前記反応式1における式IIの化合物から化合物Oを製造する段階が可逆反応であるため、R11が電子供与性置換基を有するフェニルの場合、化合物Oを製造する段階は70%未満の低い収率を示す。これはオキサゾリジン環の酸素や窒素原子に対する立体障害が不十分であって、プロトンまたは求核剤の接近が容易であるから生じる問題であると考えられている。
上記の問題を解消するために、本発明者らは、オキサゾリジン環の酸素や窒素原子にプロトンまたは求核剤が接近し難くするために、大きな立体障害効果を果たすと同時にフェニル基よりもさらに多いπ電子をオキサゾリジン誘導体内へ非局在化させ得るナフチル置換体を導入することに着目し、その結果、タキサン誘導体のドセタキセルとパクリタキセルを高収率で製造する新規な方法を見出し、本発明を完成するに至った。
国際特許公開第WO 93/06094号公報 国際特許公開第WO 91/09589号公報 国際特許公開第WO 02/12216号公報 国際特許公開第WO 1994/07877号公報 国際特許公開第WO 1994/07878号公報 国際特許公開第WO 1994/07879号公報
したがって、本発明の目的は、タキサン誘導体であるドセタキセルとパクリタキセルを製造する新規な方法、及びそれに用いられる中間体化合物を提供することである。
前記目的を達成するために本発明は、
(i−a)式IIの化合物を有機溶媒中で酸触媒の存在下で、1−ジメトキシメチルナフタレンと反応させて式IIIのオキサゾリジンメチルエステル誘導体を製造し、次いで(i−b)前記式IIIの化合物を塩基条件下で加水分解して式IVのオキサゾリジン酸誘導体またはその塩を製造する段階;
(ii)縮合剤の存在下で前記式IVの化合物またはその塩を式Vの保護された10−デアセチルバッカチンIIIとカップリング反応させて式VIのオキサゾリジン側鎖を有するタキサンを製造する段階;
(iii)有機溶媒中で酸の存在下で前記式VIの化合物を開環反応させた後、得られた化合物のt−ブトキシカルボニル基をベンゾイル基で置換する任意の段階を行うことによって式VIIの化合物を製造する段階;及び
(iv)前記式VIIの化合物の7及び10位の保護基の少なくとも一つを除去する段階を含む、
式Iのタキサン誘導体の製造方法を提供する。
Figure 2010513472
Figure 2010513472
Figure 2010513472
Figure 2010513472
Figure 2010513472
Figure 2010513472
Figure 2010513472
前記式中、
Phはフェニル;
Acはアセチル;
Bzはベンゾイル;
Bocはt−ブトキシカルボニル;
はt−ブトキシカルボニルまたはベンゾイル;
はアセチルまたは水素;
はヒドロキシ基の保護基としての3,5−ジニトロベンゾイル、トリクロロアセチル、ジクロロアセチルまたは2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル;
はRまたはアセチルである。
また、本発明は前記式Iのタキサン誘導体の製造に中間体として用いられる式IVの化合物を提供する。
Figure 2010513472
前記式中、
Ph及びBocは上記で定義した通りである。
更に、本発明は前記式(IV)の化合物の骨格を側鎖として含む式VIの化合物を提供する。
Figure 2010513472
前記式中、
Ph、Ac、Bz、Boc、R及びRは前記で定義した通りである。
本発明によるタキサン誘導体の製造方法は、大きな立体障害を惹起し得るバルキーなナフチル置換体を有するオキサゾリジン誘導体(式IV)と、前記オキサゾリジン誘導体を有するタキサン化合物(式VI)とを中間体として用いることを特徴とする。
Figure 2010513472
前記式中、
Ph、Ac、Bz、Boc、R、R、R及びRは前記で定義した通りである。
発明の詳細な説明
本発明の式Iのタキサン誘導体、特にドセタキセルまたはパクリタキセルは、上記反応式2に示す工程によって製造することができ、この工程を下記に具体的に説明する。
前記段階(i−a)では、有機溶媒中で酸触媒の存在下で、(2R,3S)−N−t−ブトキシカルボニル−4−フェニルイソセリンメチルエステル(式II)を1−ジメトキシメチルナフタレンと反応させてオキサゾリジンメチルエステル誘導体(式III)を製造し、次いで段階(i−b)で前記式IIIの化合物を塩基の条件下で加水分解して新規なオキサゾリジン酸誘導体(式IV)を高収率で製造する。
この反応において、1−ジメトキシメチルナフタレンは、(2R,3S)−N−t−ブトキシカルボニル−4−フェニルイソセリンメチルエステル(式II)に対して1〜3当量、好ましくは1〜1.5当量の量で用いることができる。この反応は0℃から溶媒の沸点までの温度範囲内で行うことができる。前記反応に用いられる溶媒はトルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、キシレンまたはこれらの混合物であってもよく、前記反応に用いられる酸触媒はp−トルエンスルホン酸ピリジニウム、3−ニトロベンゼンスルホン酸ピリジニウム、ベンゼンスルホン酸ピリジニウムまたはこれらの混合物であってもよい。加水分解時に用いられる塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基であってもよく、好ましくは水酸化リチウムである。本発明による式IVの化合物は、アミン付加塩の形態で用いることができ、このアミンは好ましくはトリエチルアミンまたはピリジンである。
段階(ii)では、溶媒中で縮合剤の存在下で、段階(i)で製造された式IVの化合物またはその塩を、保護された10−デアセチルバッカチンIII(式V)とカップリング反応させてオキサゾリジン側鎖含有タキサン誘導体(式VI)を製造する。この反応は0℃〜60℃範囲内の温度で行うことができ、式IVのオキサゾリジン酸誘導体は式Vの保護された10−デアセチルバッカチンIIIに対して1〜5当量の量で用いることができる。前記反応に用いられる溶媒は酢酸エチル、酢酸メチル、クロロホルム、ジクロロメタンまたはテトラヒドロフランであってもよく、縮合剤は例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミドを用いることができ、10−デアセチルバッカチンIIIに対して1〜5当量の量で用いることができる。
また、4−ジメチルアミノピリジン及びピリジンのような活性化剤は、10−デアセチルバッカチンIIIに対する化学量論量よりも少ない量で前記反応混合物に添加することができる。
また、10−デアセチルバッカチンIIIの保護基であるRは、3,5−ジニトロベンゾイル、トリクロロアセチル、ジクロロアセチルまたは2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルであってもよく、RはRと同一か若しくはアセチルである。
段階(iii)では、前記段階(ii)で製造されたオキサゾリジン側鎖含有タキサン誘導体(式VI)を開環反応させて7及び10ヒドロキシ基が保護されたタキサン誘導体(式VII)を製造するが、場合によってはt−ブトキシカルボニル基をベンゾイル基で置換させる。開環反応の際に用いられる酸は、塩酸、硫酸、ギ酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸一水和物またはこれらの混合物であってもよく、好ましくはp−トルエンスルホン酸一水和物であり、式VIの化合物に対して0.1〜30当量の量で用いることができる。前記反応に用いられる有機溶媒はクロロホルム、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフランまたはこれらの混合物であってもよい。
オキサゾリジン環周辺の疎水性のために酸触媒と水のみを用いると、オキサゾリジンの開環反応が円滑に進行しないため、一部の水成分の代りにアルコール添加剤を用いることにより副反応を起こさずに開環反応を促進することができる。かかる目的を達成するために使用し得るアルコールはC1−3アルコール、好ましくはメタノールである。
パクリタキセルを合成するためには、t−ブトキシカルボニル基をベンゾイル基で置換する段階を追加的に行うことが望ましい。この段階では、塩酸の存在下でt−ブトキシカルボニル基を除去し、重炭酸ナトリウムのような塩基を用いて中和した後、ベンゾイルクロリドを添加してRがアセチルである式VIIの化合物を製造することができる。
段階(iv)では、式VIIの化合物の7位及び10位の保護基から少なくとも一つを選択的に除去して本発明のタキサン誘導体を製造する。この反応では、除去される保護基の特性を考慮して選ばれた酸または塩基を用いて保護基を除去してもよい。例えば、RまたはRが3,5−ジニトロベンゾイル、トリクロロアセチルまたはジクロロアセチルの場合、モルホリン、アムモニア及び酢酸アンモニウムのような塩基を式VIIの化合物に対して1〜40当量の量を用いて本発明のタキサン誘導体を製造することができる。前記反応に用いられる溶媒はアルコール、好ましくはC1−3アルコール、さらに好ましくはメタノールである。例えば、RまたはRが2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルである場合、韓国特許公開公報第88−0001625号(EP特許公開公報第0,253,738号)に基づいて亜鉛触媒の存在下で酸を用いて保護基を除去することにより本発明のタキサン誘導体を製造することができる。
本発明の製造方法によれば、タキサン誘導体、例えばドセタキセルまたはパクリタキセルを高収率及び高純度で製造することができる。
本発明の方法によれば、中間体である式IVのナフタレンラジカルが導入されたオキサゾリジン誘導体を用いて抗腫瘍及び抗白血病の治療に有用なタキサン誘導体を高収率かつ容易に製造することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし、下記の実施例は本発明を例示するだけのものであり、本発明の範囲がそれに制限されるのではない。
(2R,4S,5R)−2−(1’−ナフチル)−3−t−ブトキシカルボニル−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン酸の製造
(1−1):(2R,4S,5R)−2−(1’−ナフチル)−3−t−ブトキシカルボニル−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン酸メチルエステルの製造
(2R,3S)−N−t−ブトキシカルボニル−4−フェニルイソセリンメチルエステル29.5g、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム0.6gと1−ジメトキシメチルナフタレン22.2gをトルエン600mLに滴加した後、得られた溶液を1時間加熱還流させてトルエン300mLを除去した。得られた溶液を室温まで冷却した後、酢酸エチル300mLで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液150mLを用いて中和した。有機層を分離して飽和塩水150mLで洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により分離してから有機溶媒を減圧下で除去して標題化合物52gを得た。
H NMR(300MHz,CDCl)δ8.36(d,J=8.4Hz,1H),7.89(m,2H,Ar),7.42(m,10H,Ar),5.60(s,1H),4.58(d,J=2.7Hz,1H),3.11(s,3H),1.06(s,9H)。
(1−2):(2R,4S,5R)−2−(1’−ナフチル)−3−t−ブトキシカルボニル−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン酸の製造
前記(1−1)から得られた化合物をメタノール500mLに溶解し、これに3N水酸化リチウム60mLを徐々に滴加しながら0℃で2時間攪拌した。得られた混合物から減圧下でメタノール25mLを除去し、これに水25mLを滴加した。得られた混合物の水層を酢酸エチル/ヘキサン(1/10(v/v))100mLで2回洗浄し、得られた混合物の温度を0℃で維持しながら3N塩酸20mLを徐々に滴加して中和した。次いで、酢酸エチル100mLを滴加した。水層を除去した後、飽和塩化ナトリウム水溶液100mLを用いて有機層を洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により分離してから有機溶媒を減圧下で除去して標題化合物41.3g(収率:98.5%)を製造した。
融点:119℃;
[a] 23=+56.9°(c=1,CHCl);
H NMR(300MHz,CDCl)δ8.32(d,J=8.3Hz,1H),7.91(m,2H,Ar),7.46(m,10H,Ar),5.60(d,J=3.1Hz,1H),4.62(d,J=3.1Hz,1H),1.04(s,9H)。
13−[(2’R,4’S,5’R)−3’−t−ブトキシカルボニル−2’−(1’’’−ナフチル)−4−フェニル−1’,3’−オキサゾリジン−5’−カルボニル]−7,10−(ジ−3’’,5’’−ジニトロベンゾイル)−10−デアセチルバッカチンIIIの製造
前記実施例1から得られた(2R,4S,5R)−2−(1’−ナフチル)−3−t−ブトキシカルボニル−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン酸9.2g、7,10−(ジ−3’,5’−ジニトロベンゾイル)−10−デアセチルバッカチンIII9.3g、及び4−(ジメチルアミノ)ピリジン61mgを酢酸エチル180mLに溶解した溶液を30℃の温度で維持しながら攪拌した。ジシクロヘキシルカルボジイミド5.2gを40℃で添加し、30分間攪拌した後、その結果得られたジシクロヘキシル尿素を濾過により分離した。濾過ケーキを酢酸エチル20mLで洗浄し、結合した有機層を1N塩酸30mL及び飽和重炭酸ナトリウム水溶液30mLで順次に洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により分離してから有機溶媒を減圧下で除去した。得られた残渣物にアセトニトリル80mLを加えて1時間攪拌した後、水80mLを徐々に滴加して2時間攪拌した。固体を濾過した後、アセトニトリル80mL及び水80mLそれぞれを添加して攪拌する前記工程を繰り返した。得られた固体を濾過して標題化合物13.4g(収率:100%)を製造した。
融点:202℃;
[a] 23=−16.1°(c=1,CHCl);
IR(KBr,cm−1)3560,3446,3102,2977,2939,2897,1740,1718,1628,1548,1547,1344,1268,1162,1069,978,919,729,718;
H NMR(300MHz,CDCl)δ9.27(m,1H),9.20(m,1H),9.04(m,2H),8.76(m,2H),8.11(d,J=7.5Hz,2H),8.02(m,2H),7.62(m,2H),7.53〜7.43(m,13H),6.30(s,1H),5.95(t,J=8.3Hz,1H),5.68〜5.58(m,3H),4.93(d,J=8.0Hz),4.68(d,J=4.3Hz),4.32(d,J=8.6Hz,1H),4.14(d,J=8.6Hz,1H),3.79(d,J=7.1Hz,1H),2.83〜2.79(m,1H),2.20〜1.98(m,6H),1.90(s,3H),1.56(s,3H),1.25(s,3H),1.19(s,3H),0.86(s,12H)。
13−[(2’R,4’S,5’R)−3’−t−ブトキシカルボニル−2’−(1’’’−ナフチル)−4’−フェニル−1’,3’−オキサゾリジン−5’−カルボニル]−7,10−(ジ−2’’,2’’,2’’−トリクロロエトキシカルボニル)−10−デアセチルバッカチンIIIの製造
式Vのタキサン誘導体として7,10−(ジ−2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニル)−10−デアセチルバッカチンIIIを用いることを除いては、前記実施例2と同一な方法を行って標題化合物14.0gを得た。
H NMR(300MHz,CDCl)δ8.36(d,J=8.4Hz,1H),8.02(d,J=8.4Hz,2H),7.86(d,J=8.2Hz,2H),7.30〜7.62(m,13H),5.95(s,1H),5.92(m,1H),5.60(m,1H),5.62(d,J=4.5Hz,1H),5.58(d,J=7.0Hz,1H),5.35(m,1H),4.87(d,J=11.8Hz,1H),4.83(d,J=8.1Hz,1H),4.76(s,2H),4.64(d,J=4.6Hz,1H),4.58(d,J=11.8Hz,1H),4.23(d,J=8.5Hz),4.06(d,J=8.4Hz,1H),3.66(d,J=6.8Hz,1H),2.55〜2.70(m,1H),2.20〜2.25(m,1H),2.00〜2.10(m,1H),1.88(s,3H),1.75(s,3H),1.61(s,1H),1.55(s,3H),1.10(s,3H),1.03(s,3H),0.96(s,9H)。
13−[(2’R,3’S)−3’−t−ブトキシカルボニルアミノ−3’−フェニル−2’−ヒドロキシプロピオニル]−10−デアセチルバッカチンIIIの製造
(4−1):13−[(2’R,3’S)−3’−t−ブトキシカルボニルアミノ−−3’−フェニル−2’−ヒドロキシプロピオニル]−7,10−(ジ−3’’,5’’−ジニトロベンゾイル)−10−デアセチルバッカチンIIIの製造
前記実施例2から得られた13−[(2’R,4’S,5’R)−3’−t−ブトキシカルボニル−2’−(1−ナフチル)−4’−フェニル−1’,3’−オキサゾリジン−5’−カルボニル]−7,10−(ジ−3’’,5’’−ジニトロベンゾイル)−10−デアセチルバッカチンIII13.4gをクロロホルム67mLとメタノール13mLの混合物に溶解した。これに、p−トルエンスルホン酸一水和物1.92gを滴加し、室温で3時間攪拌した。有機層は重炭酸ナトリウム1.3gを含有する水135mLで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により分離してから有機溶媒を減圧下で除去した。得られた固体をジエチルエーテル120mLで溶解した後、ヘキサン240mLをこれに徐々に滴加し、室温で3時間攪拌した。混合物を濾過して得られた固体をアセトニトリル33mLに溶解した後、水77mLを徐々に滴加した。得られた溶液を室温で3時間攪拌した後、減圧下で溶媒を除去して標題化合物10.9g(収率:91%)を製造した。
融点:173℃;
[a] 23=−8.9°(c=1,CHCl);
IR(KBr,cm−1)3543,3432,3101,2978,2900,1736,1628,1548,1494,1455,1368,1345,1269,1163,1095,1070,978,920,730,718;
H NMR(CDCl,300MHz)δ9.27(m,1H),9.21(m,1H),9.03(m,2H),8.87(m,2H),8.15(d,J=7.5Hz,2H),7.65(m,1H),7.54(m,2H),7.40〜7.43(m,5H),6.63(s,1H),6.27(m,1H),5.88(m,1H),5.80(d,J=6.9Hz,1H),5.38(d,J=9.4Hz,1H),5.28(m,1H),5.03(d,J=8.1Hz,1H),4.67(d,J=3.1Hz,1H),4.41(d,J=8.6Hz,1H),4.26(d,J=8.6Hz,1H),4.07(d,J=6.7Hz,1H),3.34(d,J=5.3Hz,1H),2.87(m,1H),2.46(s,3H),2.42(m,2H),2.01〜2.05(m,3H),2.01(s,3H),1.87(s,1H),1.59(s,3H),1.39(s,3H),1.36(s,9H),1.32(s,3H)。
(4−2):13−[(2’R,3’S)−3’−t−ブトキシカルボニルアミノ−3’−フェニル−2’−ヒドロキシプロピオニル]−10−デアセチルバッカチンIIIの製造
前記(4−1)から得られた13−[(2’R,3’S)−3’−t−ブトキシカルボニルアミノ−3’−フェニル−2’−ヒドロキシプロピオニル]−7,10−(ジ−3’’,5’’−ジニトロベンゾイル)−10−デアセチルバッカチンIII6.0gをメタノール30mLとモルホリン6mLの混合物に入れて室温で3時間攪拌した。これに、酢酸エチル50mLを滴加し、1N塩酸70mLを0℃で徐々に滴加した。有機層を分離した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により分離してから有機溶媒を減圧下で除去した。得られた残渣物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製して白色固体の標題化合物3.5g(収率:87%)を製造した。
融点:195℃;
[a] 23=−43.9°(c=0.74、エタノール);
IR(KBr,cm−1)3652,3487,3367,2978,2936,2903,1711,1603,1498,1367,1267,1244,1175,1093,1071,1023,976,896,709;
H NMR(300MHz,CDCl)δ8.11(d,J=7.2Hz,2H),7.61(m,1H),7.51(m,2H),7.28〜7.42(m,5H),6.23(m,1H),5.69(d,J=7.0Hz,1H),5.45(d,J=9.6Hz,1H),5.29(m,1H),5.22(s,1H),4.96(m,1H),4.64(m,1H),4.33(d,J=8.4Hz,1H),4.19〜4.24(m,3H),3.93(d,J=6.9Hz,1H),3.37(d,J=5.4Hz,1H),2.56〜2.65(m,1H),2.39(s,3H),2.27〜3.1(m,2H),1.82〜1.91(m,1H),1.86(s,3H),1.78(s,3H),1.70(s,1H),1.54(b,1H),1.36(s,9H),1.26(s,3H),1.15(s,9H)。
13−[(2’R,3’S)−3’−t−ブトキシカルボニルアミノ−3’−フェニル−2’−ヒドロキシプロピオニル]−10−デアセチルバッカチンIIIの製造
(5−1):13−[(2’R,3’S)−3’−t−ブトキシカルボニルアミノ−3’−フェニル−2’−ヒドロキシプロピオニル]−7,10−(ジ−2’’,2’’,2’’−トリクロロエトキシカルボニル基)−10−デアセチルバッカチンIIIの製造
前記実施例3から得られた13−[(2’R,4’S,5’R)−3’−t−ブトキシカルボニル−2’−(1’’’−ナフチル)−4’−フェニル−1’,3’−オキサゾリジン−5’−カルボニル]−7,10−(ジ−2’’,2’’,2’’−トリクロロエトキシカルボニル)−10−デアセチルバッカチンIII14gをクロロホルム130mLに溶解した。これに、p−トルエンスルホン酸一水和物1.92gを滴加し、室温で3時間攪拌した。有機層を重炭酸ナトリウム13gを含有する水130mLで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により分離してから有機溶媒を減圧下で除去した。得られた固体をカラムクロマトグラフィーにより精製して標題化合物10.2g(収率88%)を得た。この化合物の分析的及び分光学的データはEP特許公開公報第0,253,738号で報告された物質と同一であった。
(5−2):13−[(2’R,3’S)−3’−t−ブトキシカルボニルアミノ−−3’−フェニル−2’−ヒドロキシプロピオニル]−10−デアセチルバッカチンIIIの製造
前記(5−1)から得られた化合物を出発物質として用いることを除いては、EP特許公開公報第0,253,738号の方法と同一な方法で標題化合物としてドセタキセル6.4g(収率90%)を得た。この化合物の全ての分析的及び分光学的なデータは実施例4の化合物と同一であった。
7−トリクロロアセチルバッカチン(III)の製造
10−ジアセチルバッカチンIII10gをピリジン40mLとCHCl300mLの混合物に溶解して10分間攪拌した。CHCl50mLに溶解したトリクロロアセチルクロリド2.46mLを35℃で3時間滴加した後、1時間攪拌した。次いで、CHCl25mLに溶解した臭化アセチル3.28mLを2時間徐々に滴加し、室温で3時間攪拌した。反応が終われば、これに水100mLと濃HCl40mLを徐々に添加して反応溶液を中和してからCHClで抽出した。有機層をMgSOで処理してから濾過した。濾過された溶液から有機溶媒を減圧下で除去して標題化合物13.4g(収率100%)を得た。
融点:180℃;
[α]D23=62.3゜(c=0.74、エタノール);
H NMR(CHCl)δ8.11(2H,d,J=7.3),7.62(1H,t,J=7.4),7.49(2H,t,J=7.8),6.43(1H,s),5.74〜5.65(2H,m),5.00(1H,d,J=7.9),4.93〜4.80(1H,m),4.35(1H,d,J=8.3),4.17(1H,d,J=8.2),4.04(1H,d,J=6.7),2.80〜2.63(1H,m),2.35〜2.29(5H,m),2.16〜2.14(7H,m),2.01〜1.97(1H,m),1.87(3H,s),1.59(1H,s),1.13(3H,s),1.09(3H,s)。
13−[(2’R,4’S,5’R)−3’−t−ブトキシカルボニル−2’−(1’’−ナフチル)−4’−フェニル−1’,3’−オキサゾリジン−5’−カルボニル]−7−トリクロロアセチルバッカチンIIIの製造
実施例6から製造された7−トリクロロアセチルバッカチンIII13.4g、実施例1の(1−2)から製造された(2R,4S,5R)−2−(1’−ナフチル)−3−t−ブトキシカルボニル−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン酸9.25g及び4−(ジメチルアミノ)ピリジン100mgを酢酸エチル134mLに溶解した。これに、ジシクロヘキシルカルボジイミド5.64gを室温で添加し、1時間攪拌してから、その結果得られたジシクロヘキシル尿素を濾過により分離した。濾過ケーキを酢酸エチル20mLで洗浄し、結合した有機層を1N塩酸30mL及び飽和重炭酸ナトリウム水溶液30mLで順次に洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により分離した後、有機溶媒を減圧下で除去して標題化合物20.8g(収率100%)を得た。
H NMR(CDCl)δ8.35(1H,d,J=8.1),8.02(2H,d,J=7.4),7.90(2H,t,J=7.8),7.66〜7.44(12H,m),7.25(1H,bs),6.11(1H,s),5.92(1H,bs),5.66〜5.60(2H,m),5.43(1H,t,J=6.5),4.84(1H,d,J=8.1),4.66(1H,d,J=4.5),4.27(1H,d,J=8.4),4.09(1H,d,J=8.3),3.73(1H,d,J=6.9),2.72〜2.54(1H,m),2.14(3H,s),2.07〜1.80(7H,m),1.62〜1.58(6H,m),1.14(3H,s),1.08(3H,s),0.99(9H,s)。
13−[(2’R,3’S)−3’−t−ブトキシカルボニルアミノ−3’−フェニル−2’−ヒドロキシプロピオニル]−7−トリクロロアセチルバッカチンIIIの製造
実施例7から製造された13−[(2’R,4’S,5’R)−3’−t−ブトキシカルボニル−2’−(1’’’−ナフチル)−4’−フェニル−1’,3’−オキサゾリジン−5’−カルボニル]−7−トリクロロアセチルバッカチンIII20.8gをCHCl100mLとMeOH20mLの混合物に溶解した後、p−トルエンスルホン酸一水和物3.7gを滴加した。この溶液を5時間攪拌し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液100mLを滴加して中和した後、得られた溶液をCHClで2回に亘って抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により分離してから有機溶媒を減圧下で除去した。得られた残渣物をカラムクロマトグラフィーにより精製して標題化合物13.7g(収率75%)を得た。
H NMR(CDCl)δ8.11(2H,d,J=7.2),7.62(1H,t,J=7.4),7.51(2H,t,J=7.7),7.41〜7.35(5H,m),6.41(1H,s),6.23〜6.15(1H,t,J=7.0),5.72〜5.65(2H,m),5.40(1H,d,J=9.5),5.27〜5.30(1H,bd),4.95(1H,d,J=8.2),4.64(1H,bs),4.34(1H,d,J=8.6),4.20(1H,d,J=8.4),3.97(1H,d,J=6.6),3.39(1H,d,J=5.4),2.74〜2.65(1H,m),2.40(3H,s),2.33(2H,d,J=9.1),2.17(3H,s),2.04〜1.88(7H,m),1.75(1H,s),1.35(9H,s),1.23(3H,s),1.18(3H,s)。
13−[(2’R,3’S)−3’−ベンゾイルアミノ−3’−フェニル−2’−ヒドロキシプロピオニル]−7−トリクロロアセチルバッカチンIIIの製造
実施例8から製造された13−[(2’R,3’S)−3’−t−ブトキシカルボニルアミノ−3’−フェニル−2’−ヒドロキシプロピオニル]−7−トリクロロアセチルバッカチンIII13.7gをMeOH140mLに溶解した。これに、3N HCl5mLを滴加し、50〜55℃で4時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却した。これに、酢酸エチル30mLと飽和重炭酸ナトリウム水溶液30mLを滴加し、ベンゾイルクロリド2.0mLをさらに滴加した。得られた溶液を1時間攪拌し、酢酸エチル30mLで2回抽出した。有機層を飽和塩水50mLで洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により分離してから有機溶媒を減圧下で除去した。得られた残渣物をカラムクロマトグラフィーにより精製して標題化合物11g(収率80%)を得た。
H NMR(CDCl)δ8.11(2H,d,J=7.1),7.74(2H,d,J=7.1),7.61〜7.35(11H,m),7.13(1H,d,J=7.8),6.37(1H,s),6.22〜6.15(1H,t,J=7.3),5.87〜5.61(3H,m),4.98(1H,d,J=7.9),4.80(1H,s),4.32(1H,d,J=8.3),4.21(1H,d,J=8.4),3.95(1H,d,J=6.7),3.85(1H,bs),2.75〜2.65(1H,m),2.41(3H,s),2.35(2H,d,J=9.0),2.17(3H,s),1.99〜1.97(2H,m),1.88(6H,d,J=7.0),1.20(3H,s),1.15(3H,s)。
13−[(2’R,3’S)−3’−ベンゾイルアミノ−3’−フェニル−2’−ヒドロキシプロピオニル]−バッカチンIIIの製造
実施例9から製造された13−[(2’R,3’S)−3’−ベンゾイルアミノ−3’−フェニル−2’−ヒドロキシプロピオニル]−7−トリクロロアセチルバッカチンIII11.0gをTHF30mLとMeOH30mLの混合物に溶解した。これに、酢酸アンモニウム2.5gを添加し、4時間攪拌した。前記溶液から減圧下で溶媒を除去してから水60mLを滴加し、得られた溶液を酢酸エチル60mLで2回に亘って抽出した。有機層を飽和塩水100mLで洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により分離してから有機溶媒を減圧下で除去した。得られた残渣物をカラムクロマトグラフィーにより精製して標題化合物7.5g(収率80%)を得た。
融点:218〜222℃;
[a] 23=54.6°(c=1.0、メタノール);
IR(KBr,cm−1)3510.6,3440.2,2962.7,2944.5,1735.0,1712.8,1646.5,1580.4,1541.4,1513.7,1481.9,1451.5,1436.0,1408.9,1370.3,1346.9,1317.2,1244.2,1176.7,1146.4,1108.8,1096.6,1072.9,1025.2,985.0,966.5,945.3,709.7;
H NMR(CDCl)δ8.13(2H,d,J=7.1),7.73(2H,d,J=7.1),7.63〜7.34(11H,m),7.00(1H,d,J=8.7),6.27(1H,s),6.23(1H,t,J=9.4),5.80(1H,d,J=8.9),5.67(1H,d,J=7.1),4.90(1H,d,J=8.1),4.78(1H,d,J=5.3),4.40〜4.34(1H,m),4.30(1H,d,J=8.2),4.20(1H,d,J=8.7),3.79(1H,d,J=6.8),3.59(1H,d,J=5.2),2.65〜2.47(2H,m),2.38〜2.32(5H,m),2.23(3H,s),1.93〜1.85(2H,m),1.80(3H,s),1.60(3H,s),1.23(3H,s),1.14(3H,s)。

Claims (12)

  1. (i−a)式IIの化合物を有機溶媒中で酸触媒の存在下で、1−ジメトキシメチルナフタレンと反応させて式IIIのオキサゾリジンメチルエステル誘導体を製造し、次いで(i−b)前記式IIIの化合物を塩基条件下で加水分解して式IVのオキサゾリジン酸誘導体またはその塩を製造する段階;
    (ii)縮合剤の存在下で前記式IVの化合物またはその塩を式Vの保護された10−デアセチルバッカチンIIIとカップリング反応させて式VIのオキサゾリジン側鎖を有するタキサンを製造する段階;
    (iii)有機溶媒中で酸の存在下で前記式VIの化合物を開環反応させた後、得られた化合物のt−ブトキシカルボニル基をベンゾイル基で置換する任意の段階を行うことによって式VIIの化合物を製造する段階;及び
    (iv)前記式VIIの化合物の7及び10位の保護基の少なくとも一つを除去する段階を含む、
    式Iのタキサン誘導体の製造方法;
    Figure 2010513472
    Figure 2010513472
    Figure 2010513472
    Figure 2010513472
    Figure 2010513472
    Figure 2010513472
    Figure 2010513472
    前記式中、
    Phはフェニル;
    Acはアセチル;
    Bzはベンゾイル;
    Bocはt−ブトキシカルボニル;
    はt−ブトキシカルボニルまたはベンゾイル;
    はアセチルまたは水素;
    はヒドロキシ基の保護基としての3,5−ジニトロベンゾイル、トリクロロアセチル、ジクロロアセチルまたは2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル;
    はRまたはアセチルである。
  2. 前記段階(i−a)の1−ジメトキシメチルナフタレンが式IIの化合物に対して1〜3の当量の量で用いられることを特徴とする請求項1に記載の式Iのタキサン誘導体の製造方法。
  3. 前記段階(i−a)で用いられる酸触媒がp−トルエンスルホン酸ピリジニウム、3−ニトロベンゼンスルホン酸ピリジニウム、ベンゼンスルホン酸ピリジニウム及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の式Iのタキサン誘導体の製造方法。
  4. 前記段階(i−b)の加水分解に用いられる塩基が水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の式Iのタキサン誘導体の製造方法。
  5. 前記段階(ii)で用いられる式IVのオキサゾリジン酸誘導体が式Vの保護されたデアセチルバッカチンIIIに対して1〜5当量の量で用いられることを特徴とする請求項1に記載の式Iのタキサン誘導体の製造方法。
  6. 前記段階(ii)で用いられる縮合剤がジシクロヘキシルカルボジイミドであることを特徴とする請求項1に記載の式Iのタキサン誘導体の製造方法。
  7. 前記段階(ii)過程において4−ジメチルアミノピリジンまたはピリジンを活性化剤としてさらに添加されることを特徴とする請求項1に記載の式Iのタキサン誘導体の製造方法。
  8. 前記段階(iii)で用いられる酸が塩酸、硫酸、ギ酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸一水和物及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の式Iのタキサン誘導体の製造方法。
  9. 前記段階(iii)で用いられる酸が式VIの化合物に対して0.1〜30当量の量で用いられることを特徴とする請求項1に記載の式Iのタキサン誘導体の製造方法。
  10. 前記段階(iii)の開環反応時にC1−3アルコールをさらに添加することを特徴とする請求項1に記載の式Iのタキサン誘導体の製造方法。
  11. 式IVの化合物:
    Figure 2010513472
    前記式中、
    Boc及びPhは請求項1で定義した通りである。
  12. 式VIの化合物:
    Figure 2010513472
    前記式中、
    Ph、Ac、Bz、Boc、R及びRは請求項1で定義した通りである。
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