JP3394284B2 - 金属アルコキシド及びオキサジノンを用いたタキサン誘導体の半合成 - Google Patents

金属アルコキシド及びオキサジノンを用いたタキサン誘導体の半合成

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JP3394284B2 JP10006093A JP10006093A JP3394284B2 JP 3394284 B2 JP3394284 B2 JP 3394284B2 JP 10006093 A JP10006093 A JP 10006093A JP 10006093 A JP10006093 A JP 10006093A JP 3394284 B2 JP3394284 B2 JP 3394284B2
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    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
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    • C07D305/14Heterocyclic compounds containing four-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atoms condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D265/00Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one nitrogen atom and one oxygen atom as the only ring hetero atoms
    • C07D265/041,3-Oxazines; Hydrogenated 1,3-oxazines
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属アルコキシド及び
オキサジノンを用いることを伴うパクリタクセル、タキ
ソティール(taxotere)及びその他の生物学的
に活性な誘導体のようなタキサン誘導体の半合成製法を
指向する。
【0002】
【従来技術】パクリタクセルを構成要素とするテルペン
類のタキサン系統は、生物学的及び化学的の両方の分野
において、相当の関心を引き付けてきた。パクリタクセ
ルは広い範囲の抗白血病及び腫瘍抑制活性を有する有望
な癌化学療法剤である。パクリタクセルは下記の構造式
(化4)を有する:
【化4】 式中、Acはアセチルである。パクリタクセルは、この
有望な活性の故に、現在、フランス及びアメリカ合衆国
の両方において臨床試験を受けている。
【0003】これらの臨床試験のためのパクリタクセル
の供給は、現在Taxus brevifollia
(西洋イチイ)からの樹皮により提供されている。しか
し、パクリタクセルはこれらの成長の遅い常緑樹の樹皮
中に微量でしか認められず、限られたパクリタクセルの
供給は需要を満足しないという相当の懸念を引き起こし
ている。それゆえ、近年の化学者は、パクリタクセルを
製造するための実施可能な合成ルートを見出そうとする
ことに彼らのエネルギーを費やしてきた。これまでは、
その結果は完全には満足すべきものでは無かった。
【0004】提案された一合成ルートは日用化学物質か
らテトラサイクリックタキサン核を合成することを指向
する。パクリタクセルと同種のタクサシン(taxus
in)の合成が、Holton等によりJACS 11
0巻、6558頁(1988)に報告された。このアプ
ローチにおいて進歩がなされたにもかかわらず、パクリ
タクセルの最終の全合成は、それでも多工程の、冗長な
かつ費用の掛かるプロセスになりそうである。
【0005】パクリタクセルの製造に係る半合成アプロ
ーチが、Greene等によりJACS 110巻、5
917頁(1988)に記載された。このアプローチ
は、パクリタクセルと同種のものである下記に示すII
式(化5)の構造を有する10−デアセチルバッカチン
IIIを使用することを伴う:
【化5】 10−デアセチルバッカチンIIIは、Taxus b
accataの針状葉から得ることができるので、パク
リタクセルに比べて入手が容易である。Greene等
の方法に従えば、10−デアセチルバッカチンIII
は、C−10アセチル基を結合させかつC−13アルコ
ールとβ−アミドカルボン酸単位とをエステル化させる
ことによりC−13 β−アミドエステル側鎖を結合さ
せることによって、パクリタクセルに転化させる。この
アプローチは要する工程が比較的少ないが、β−アミド
カルボン酸単位の合成は、低い収率で進行する多工程プ
ロセスであり、並びにカップリング反応は冗長でありか
つまた低い収率で進行する。しかし、Wani等がJA
CS 93巻、2325頁(1971)においてC13
にβ−アミドエステル側鎖が存在することが抗腫瘍活性
のために必要であることを示したので、このカップリン
グ反応は、パクリタクセル或はパクリタクセルの生物学
的に活性な誘導体の意図するあらゆる合成において必要
なキーとなる工程である。
【0006】一層最近になり、Colin等の米国特許
4,814,470号において、下記のIII式(化
6)のパクリタクセル誘導体がパクリタクセル(I)に
比べて相当に大きい活性を有することが報告された。
【化6】 化6の式中、R'は水素或はアセチルを表わし、R''及
びR'''の内の一方はヒドロキシを表わしかつ他方はt
−ブトキシカルボニルアミノ及びそれらの立体異性形
態、及びそれらの混合物を表わす。
【0007】Colin等の米国特許4,814,47
0号に従えば、一般式(III)の生成物は、t−ブチ
ルN−クロロカルバメートのナトリウム塩を下記の一般
式(化7)の生成物に作用させた後に、2,2,2−ト
リクロロエトキシカルボニル基を水素で置換することに
よって得られる。
【化7】 化7の式中、R'はアセチル或は2,2,2−トリクロ
ロエトキシカルボニルラジカルを表わす。しかし、De
nis等は、米国特許第4,924,011号におい
て、このプロセスは異性体の混合物に至り、これを分離
しなければならず、その結果、一般式(IV)の生成物
を製造するために用いるバッカチンIII或は10−デ
アセチルバッカチンIIIすべてを一般式(III)の
生成物に転化させることができないと報告している。
【0008】Denis等は、Colin等のプロセス
を改良しようとして、下記の一般式(化8)のバッカチ
ンIII或は10−デアセチルバッカチンIIIの誘導
体を製造する異なるプロセスを開示している:
【化8】 化8の式中、R'は水素或はアセチルを表わす。そのプ
ロセスでは、下記の一般式(化9)の酸:
【化9】 (化9の式中、R1はヒドロキシ保護基である)と、下
記の一般式(化10)のタキサン誘導体:
【化10】 (化10の式中、R2はアセチルヒドロキシ保護基であ
り、R3はヒドロキシ保護基である)とを縮合させ、次
いで保護基R1、R3及び適する場合はR2を水素で置換
する。しかし、この方法は比較的過酷な条件を使用し、
転化率不良で進行し、かつ最適より低い収率をもたら
す。
【0009】パクリタクセル及びその他の可能な抗腫瘍
剤を合成する際に残る主要な困難は、β−アミドエステ
ル側鎖となる化学単位をC−13酸素に容易に結合させ
る利用容易な方法が存在しないことである。それを高い
収率で結合させるかかるプロセスを開発すれば、パクリ
タクセル並びに改質された一連の核置換基或は改質され
たC−13側鎖を有する関連した抗腫瘍剤の合成を容易
にする。この要求は、β−アミドエステル側鎖となる化
学単位をC−13酸素に結合させる新規な、効率的な方
法を見出すことによって、満足された。
【0010】従って、本発明の目的の中に、タキサン誘
導体を合成するための側鎖プリカーサーを提供するこ
と、及び容易に転化されて所望のタキサン誘導体になる
中間体をもたらすための側鎖プリカーサーを比較的高い
収率で結合させる方法を提供することがある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、下記の
構造式(化11)を有するパクリタクセル、タキソティ
ール及びその他の生物学的に活性なタキサン誘導体を製
造する方法を提供する:
【化11】 式中、R1は−OR6であり;R2は水素、アルキル、ア
ルケニル、アルキニル、アリール、或はヘテロアリール
であり;R3及びR4は独立に水素、アルキル、アルケニ
ル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、或はアシ
ルであり、但し、R3及びR4は共にアシルにはならな
い;R5はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリー
ル、アルコキシ、アリールオキシ或はヘテロアリールオ
キシであり;R6は水素、アルキル、アルケニル、アル
キニル、アリール、ヘテロアリール、或はヒドロキシ保
護基であり;R15及びR16は独立に水素、ヒドロキシ、
低級アルカノイルオキシ、アルケノイルオキシ、アルキ
ノイルオキシ、或はアリールオイルオキシであり、もし
くはR15及びR16は一緒になってオキソを形成し;R17
及びR18は独立に水素或は低級アルカノイルオキシ、ア
ルケノイルオキシ、アルキノイルオキシ、或はアリール
オイルオキシであり、もしくはR17及びR18は一緒にな
ってオキソを形成し;R19及びR20は独立に水素或はヒ
ドロキシ或は低級アルカノイルオキシ、アルケノイルオ
キシ、アルキノイルオキシ、或はアリールオイルオキシ
であり;R21及びR22は独立に水素或は低級アルカノイ
ルオキシ、アルケノイルオキシ、アルキノイルオキシ、
或はアリールオイルオキシであり、もしくはR21及びR
22は一緒になってオキソを形成し;R24は水素或はヒド
ロキシ或は低級アルカノイルオキシ、アルケノイルオキ
シ、アルキノイルオキシ、或はアリールオイルオキシで
あり;もしくはR23及びR24は一緒になってオキソ或は
メチレンを形成し、もしくはR23及びR24は一緒になっ
てオキシラン環を形成し、もしくはR23及びR22は一緒
になってオキセタン環を形成し;R25は水素、ヒドロキ
シ、或は低級アルカノイルオキシ、アルケノイルオキ
シ、アルキノイルオキシ、或はアリールオイルオキシで
あり;もしくはR26は水素、ヒドロキシ、或は低級アル
カノイルオキシ、アルケノイルオキシ、アルキノイルオ
キシ、或はアリールオイルオキシであり;もしくはR26
及びR25は一緒になってオキソを形成し;及びR27は水
素、ヒドロキシ或は低級アルコキシ、アルカノイルオキ
シ、アルケノイルオキシ、アルキノイルオキシ、或はア
リールオイルオキシである。
【0012】従って、本発明は、簡潔に言うと、オキサ
ジノン(2)と、ビサイクリック、トリサイクリック或
はテトラサイクリックタキサン核を有する金属アルコキ
シドとを反応させるタキサン誘導体の製造方法を指向す
る。次いで、中間体をタキサン誘導体に転化させる。オ
キサジノン(2)は下記の一般式(化12)を有する:
【化12】 (式中、R1〜R5は前に規定した通りである)。金属ア
ルコキシドは下記の一般式(化13)に一致するトリサ
イクリックタキサン核を有するのが好ましい:
【化13】 (式中、Mは金属であり、R15〜R27は前に規定した通
りである)。金属アルコキシドは金属アルコキシド
(3)(式中、R22及びR23は一緒になってオキセタン
環を形成する)に一致するテトラサイクリックタキサン
核を有するのが最も好ましい。本発明のその他の目的及
び特徴は、一部明らかでありかつ一部本明細書中以降に
指摘されるものと思う。
【0013】詳細な説明 本発明は、オキサジノン(2)を用いる生物学的に活性
なパクリタクセル、タキソティール及びその他のタキサ
ン誘導体の製造方法を指向する。オキサジノン(2)の
構造は、下記(化14)に表わされる:
【化14】 (式中、R1、R2、R3、R4及びR5は前に規定した通
りである)。
【0014】本発明に従えば、オキサジノン(2)のR
5はアリール、p−置換されたフェニル、或は低級アル
コキシであるのが好ましく、フェニル、メトキシ、エト
キシ、t−ブトキシ(「tBuO」;(CH33CO
−)、或は下記式(化15)であるのが最も好ましい:
【化15】 (式中、XはCl、Br、F、CH3O−、或はNO2
である)。R2及びR4は水素或は低級アルキルであるの
が好ましい。R3はアリールであるのが好ましく、ナフ
チル、フェニル、化16、化17、化18、化19、化
20、或は化21であるのが最も好ましい。
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】 (上記式中、Xは前に規定した通りであり、Meはメチ
ルであり、Phはフェニルである)。R1は−OR6(R
6は1−エトキシエチル(「EE」)メトキシメチル或
は2,2,2−トリクロロエトキシメチルである)であ
るのが好ましい。
【0015】オキサジノンアルキル基は、単独でか或は
本明細書中前に規定した種々の置換基と共にのいずれか
で、主鎖中に炭素原子1〜6及び炭素原子15までを含
有する低級アルキルであるのが好ましい。それらは直鎖
であっても或は枝分れ鎖であってもよく、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t
−ブチル、アミル、ヘキシル、等を含むことができる。
【0016】オキサジノンアルケニル基は、単独でか或
は本明細書中前に規定した種々の置換基と共にのいずれ
かで、主鎖中に炭素原子2〜6及び炭素原子15までを
含有する低級アルケニルであるのが好ましい。それらは
直鎖であっても或は枝分れ鎖であってもよく、エテニ
ル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテ
ニル、ペンテニル、ヘキセニル、等を含むことができ
る。
【0017】オキサジノンアルキニル基は、単独でか或
は本明細書中前に規定した種々の置換基と共にのいずれ
かで、主鎖中に炭素原子2〜6及び炭素原子15までを
含有する低級アルキニルであるのが好ましい。それらは
直鎖であっても或は枝分れ鎖であってもよく、エチニ
ル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、ペンチニ
ル、ヘキシニル、等を含むことができる。上記したオキ
サジノンアリール部分は、単独でか或は種々の置換基と
共にのいずれかで、炭素原子6〜15を含有し、フェニ
ル、α−ナフチル、β−ナフチル、等を含む。置換基は
アルカンオキシ、保護されたヒドロキシ、ハロゲン、ア
ルキル、アリール、アルケニル、アシル、アシルオキ
シ、ニトロ、アミノ、アミド、等を含む。フェニルは一
層好ましいアリールである。
【0018】上述した通りに、オキサジノン(2)のR
1は−OR6であり、R6は下記である:アルキル、アシ
ル、1−エトキシエチル(「EE」)、2,2,2−ト
リクロロエトキシメチル、或はその他のヒドロキシル保
護基、例えばアセタール、エーテル、すなわちメトキシ
メチル(「MOM」)、ベンジルオキシメチル;及びエ
ステル、例えばアセテート;カーボネート、例えばメチ
ルカーボネート。ヒドロキシル基についての種々の保護
基及びそれらの合成は、John Wiley& So
ns、1981、T.W.Greene著「Prote
ctivegroups in Organic Sy
nthesis」に見出すことができる。選定するヒド
ロキシル保護基は、エステル結合或はパクリタクセル中
間体のその他の置換基を妨げないように十分に温和な条
件下、例えば48%HF、アセトニトリル、ピリジン、
或は0.5%HCl/水/エタノール、及び/又は亜鉛
/酢酸中で容易に取り除かれるべきである。しかし、R
6は1−エトキシエチル或は2,2,2−トリクロロエ
トキシメチルであるのが好ましく、1−エトキシエチル
であるのが最も好ましい。
【0019】オキサジノン(2)は非対称炭素をいくつ
か有するので、当業者ならば、非対称炭素原子を有する
本発明の化合物はジアステレオマー、ラセミ、或は光学
的に活性な形態で存在し得ることを知っている。これら
の形態は、すべて本発明の範囲内に入ることを意図す
る。一層詳細に言うと、本発明は鏡像体、ジアステレオ
マー、ラセミ性混合物、及びその他これらの混合物を含
む。
【0020】オキサジノン(2)は、容易に入手し得る
物質から下記の反応スキーム(化22)に従って製造す
ることができる:
【化22】 カルボン酸5は、別途にGreene等のJACS 1
10:5917頁(1988)に記載される方法に従っ
て製造してもよい。β−ラクタム4は、容易に入手し得
る物質から下記の反応スキーム(化23)(R3及びR5
はフェニルであり、R2及びR4は水素であり、及びR2
は−OR6(R6はエトキシエチルである)である)に例示
する通りにして製造することができる:
【化23】 試薬:(a)トリエチルアミン、CH2Cl2、25℃、
18時間;(b)第二セリウムアンモニウムニトレート
4当量、CH3CN、−10℃、10分;(c)KO
H、THF、H2O、0℃、30分;(d)エチルビニ
ルエーテル、THF、トルエンスルホン酸(触媒)、0
℃、1.5時間;(e)CH3Li、エーテル、−78
℃、10分;塩化ベンゾイル、−78℃、1時間。
【0021】出発原料は容易に入手し得る。α−アシル
オキシアセチルクロリドをグリコール酸から作り、それ
は、第三級アミンの存在において、アルデヒド及びp−
メトキシアニリンから作ったイミンとシクロ縮合して1
−p−メトキシフェニル−3−アシルオキシ−4−アリ
ールアゼチジン−2−オンとなる。p−メトキシフェニ
ル基は、第二セリウムアンモニウムニトレートによる酸
化によって容易に取り除くことができ、かつアシルオキ
シ基は、当業者に知られている標準の条件下で加水分解
されて3−ヒドロキシ−4−アリールアゼチジン−2−
オンとなることができる。
【0022】3−ヒドロキシル基は、1−エトキシエチ
ル基のような種々の標準の保護基によって保護してよ
い。ラセミ性3−ヒドロキシ−4−アリールアゼチジン
−2−オンを純鏡像体に再溶解した後に、対応する2−
メトキシ−2−(トリフルオロメチル)フェニル錯酸エ
ステルを再晶出させて保護し、右旋性鏡像体だけをパク
リタクセルの製造に用いるのが好ましい。何にしても、
3−(1−エトキシエトキシ)−4−フェニルアゼチジ
ン−2−オンは、塩基、好ましくはn−ブチルリチウム
及び塩化アロイルを用いて−78℃又はそれ以下で処理
することにより、β−ラクタム4に転化させることがで
きる。
【0023】上述した通りに、本発明の方法において用
いる金属アルコキシドはビサイクリック、トリサイクリ
ック或はテトラサイクリックタキサン核を有する。本発
明で用いる通りのビサイクリックタキサン核を有する金
属アルコキシドは、金属アルコキシド(3)(化24)
の環A及びBを含有する化合物に一致する:
【化24】 (式中、M及びR15〜R27は前に規定した通りであ
る)。トリサイクリックタキサン核を有する金属アルコ
キシドは、金属アルコキシド(3)の環A、B及びCを
含有する化合物に一致する。テトラサイクリックタキサ
ン核を有する金属アルコキシドは、金属アルコキシド
(3)の環A、B及びCを含有しかつR22及びR23が一
緒になってオキセタン環を形成する化合物に一致する。
【0024】本発明の方法において用いる金属アルコキ
シドは、金属アルコキシド(3)が好ましい。最も好ま
しくは、R15は−OT2或は−OCOCH3であり;R16
は水素であり;R17及びR18は一緒になってオキソを形
成し;R19は−OT1であり;R20及びR21は水素であ
り;R22及びR23は一緒になってオキセタン環を形成
し;R24はCH3COO−であり;R25はPhCOO−
であり;R26は水素であり;R27はヒドロキシであり;
1及びT2は独立に水素或はヒドロキシ保護基である。
金属アルコキシドヒドロキシ保護基は、前にオキサジノ
ンのR6について身元を明らかにしたのと同じものにし
てよく、トリアルキル或はトリアリールシリルが好まし
く、トリエチルシリル(「TES」)が最も好ましい。
【0025】金属アルコキシド(3)の金属置換基Mは
IA族、IIA族、IIIA族、ランタニド若しくはア
クチニド元素或は遷移金属元素、IIIA族、IVA
族、VA族或はVIA族金属である。それはIA族、I
IA族或は遷移金属が好ましく、リチウム、マグネシウ
ム、ナトリウム、カリウム或はチタンが最も好ましい。
【0026】金属アルコキシドアルキル基は、単独でか
或は本明細書中前に規定した種々の置換基と共にのいず
れかで、主鎖中に炭素原子1〜6及び炭素原子10まで
を含有する低級アルキルであるのが好ましい。それらは
直鎖であっても或は枝分れ鎖であってもよく、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、t−ブチル、アミル、ヘキシル、等を含むことがで
きる。
【0027】金属アルコキシドアルケニル基は、単独で
か或は本明細書中前に規定した種々の置換基と共にのい
ずれかで、主鎖中に炭素原子2〜6及び炭素原子10ま
でを含有する低級アルケニルであるのが好ましい。それ
らは直鎖であっても或は枝分れ鎖であってもよく、エテ
ニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブ
テニル、ペンテニル、ヘキセニル、等を含むことができ
る。
【0028】金属アルコキシドアルキニル基は、単独で
か或は本明細書中前に規定した種々の置換基と共にのい
ずれかで、主鎖中に炭素原子2〜6及び炭素原子10ま
でを含有する低級アルキニルであるのが好ましい。それ
らは直鎖であっても或は枝分れ鎖であってもよく、エチ
ニル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、ペンチニ
ル、ヘキシニル、等を含むことができる。アルカノイル
オキシの例はアセテート、プロピオネート、ブチレー
ト、バレレート、イソブチレート、等を含む。一層好ま
しいアルカノイルオキシはアセテートである。
【0029】金属アルコキシドアリール部分は、単独で
か或は種々の置換基と共にのいずれかで、炭素原子6〜
10を含有し、フェニル、α−ナフチル或はβ−ナフチ
ル、等を含む。置換基はアルカンオキシ、ヒドロキシ、
ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル、アシル、
アシルオキシ、ニトロ、アミノ、アミド、等を含む。フ
ェニルが一層好ましいアリールである。
【0030】金属アルコキシド(3)は、タキサン核の
2〜4環及びC−13ヒドロキシル基を有するアルコー
ルと、オルガノ金属化合物とを適した溶剤中で反応させ
て製造する。アルコールは下記の構造(化25)を有す
るバッカチンIII或は10−デアセチルバッカチンI
IIの誘導体が好ましい:
【化25】 (式中、T1はヒドロキシ保護基であり、Zは−OT
2(T2はアシル、好ましくはアセチル、或はヒドロキシ
保護基である)である)。アルコールは保護されたバッ
カチンIII、特に7−O−トリエチルシリルバッカチ
ンIII(Greene、等がJACS 110:59
17頁(1988)に記載する通りにして或はその他の
ルートにより得ることができる)或は7、10−ビス−
O−トリエチルシリルバッカチンIIIであるのが最も
好ましい。
【0031】Greene、等に報告されている通り
に、10−デアセチルバッカチンIIIを、下記の反応
スキーム(化26)に従って、7−O−トリエチルシリ
ル−10−デアセチルバッカチンIIIに転化させる:
【化26】 注意深く最適化された条件と報告されるものの下で、1
0−デアセチルバッカチンIIIに20当量の(C
253SiClを、ピリジン50ml/1mモルの1
0−デアセチルバッカチンIIIの存在においてアルゴ
ン雰囲気下23℃で20時間反応させて7−トリエチル
シリル−10−デアセチルバッカチンIII(8a)を
反応生成物として精製後の収率84〜86%で生じる。
反応生成物を、次いで必要に応じて、5当量のCH3
OCl及びピリジン25ml/1mモルの(8a)でア
ルゴン雰囲気下0℃において48時間アセチル化して7
−O−トリエチルシリルバッカチンIII(8b)を収
率86%で生じる。Greene、等、JACS 11
0、5917〜5918頁(1988)。
【0032】別法として、7−トリエチルシリル−10
−デアセチルバッカチンIII(8a)のC−10酸素
位を酸不安定なヒドロキシ保護基で保護することができ
る。例えば、(8a)を0℃においてTHFに溶解した
n−ブチルリチウムで処理した後に、トリエチルシリル
クロリド(1.1モル当量)で処理すると7,10−ビ
ス−O−トリエチルシリルバッカチンIII(8c)を
収率95%で生じる。また、(8a)は、過剰のエチル
ビニルエーテル及び触媒量のメタンスルホン酸で処理す
ることにより7−O−トリエチルシリル−10−(1−
エトキシエチル)バッカチンIII(8d)に収率90
%で転化させることができる。これらの製法は下記の反
応スキーム(化27)で示される:
【化27】
【0033】7−O−トリエチルシリルバッカチンII
I(8b)、7,10−ビス−O−トリエチルシリルバ
ッカチンIII(8c)、或は7−O−トリエチルシリ
ル−10−(1−エトキシエチル)バッカチンIII
(8d)をn−ブチルリチウムのようなオルガノ金属化
合物と、テトラヒドロフラン(THF)のような溶媒中
で、下記の反応スキーム(化28)に示す通りに反応さ
せて金属アルコキシド13−O−リチウム−7−O−ト
リエチルシリルバッカチンIII(9b)、13−O−
リチウム−7,10−ビス−O−トリエチルシリルバッ
カチンIII(9b)、或は13−O−リチウム−7−
O−トリエチルシリル−10−(1−エトキシエチル)
バッカチンIII(9d)を形成する:
【化28】
【0034】下記の反応スキーム(化29)に例示する
通りに、13−O−リチウム−7−O−トリエチルシリ
ルバッカチンIII誘導体(9b、9c、或は9d)の
ような本発明の適した金属アルコキシドは本発明のオキ
サジノンと反応してC−7ヒドロキシル基がトリエチル
シリル或は1−エトキシエチル基で保護された中間体
(10b、10c、或は10d)を生じる。
【化29】
【0035】中間化合物(10b)は、R1が−OR6
あり、R2及びR3は水素であり、R4がフェニルであ
り、R5がベンゾイルであり、R6が1−エトキシエチル
のようなヒドロキシ保護基である場合に、容易にパクリ
タクセルに転化する。中間化合物(10c)は、R1
−OR6であり、R2及びR3は水素であり、R4がフェニ
ルであり、R5がt−ブトキシカルボニルであり、R6
1−エトキシエチルのようなヒドロキシ保護基である場
合に、容易にタキソティールに転化する。中間化合物
(10d)は、R1が−OR6であり、R2及びR3は水素
であり、R4がフェニルであり、R5がベンゾイルであ
り、R6が1−エトキシエチルのようなヒドロキシ保護
基である場合に、容易に10−デアセチルパクリタクセ
ルに転化する。中間化合物(10b、10c及び10
d)は、トリエチルシリル及び1−エトキシエチル基
を、エステル結合或はタキサン誘導体置換基を妨げない
ような温和な条件下で加水分解させることによって示し
た化合物(化30)に転化してもよい。
【化30】
【0036】その他のタキサン誘導体は、オキサジノン
(2)の適当な置換基R1〜R5或は金属アルコキシド
(3)のR15〜R27を選択することによって容易に製造
することができる。このような他の化合物の調製は、下
記の例において例示する。アルコールの金属アルコキシ
ドへの転化及びパクリタクセルの終局的な合成は、共に
同じ反応容器で行うことができる。オキサジノンは反応
容器に、金属アルコキシドを中で生成した後に、加える
のが好ましい。
【0037】オルガノ金属化合物n−ブチルリチウムを
用いてアルコールを対応する金属アルコキシドに転化さ
せるのが好ましいが、その他の金属置換基源、例えばリ
チウムジイソプロピルアミド、その他のリチウム或はマ
グネシウムアミド、エチルマグネシウムブロミド、メチ
ルマグネシウムブロミド、その他のオルガノリチウム化
合物、その他のオルガノマグネシウム化合物、オルガノ
ナトリウム、オルガノチタン或はオルガノカリウムもま
た用いてよい。オルガノ金属化合物は容易に入手するこ
とができ、或は有機ハライドを金属で還元することを含
む利用可能な方法によって製造してもよい。例えば、下
記の方法(化31)で、臭化ブチルとリチウム金属とを
ジエチルエーテル中で反応させてn−ブチルリチウムの
溶液をもたらすことができる:
【化31】
【0038】THFが反応混合物についての好適な溶媒
であるが、その他のエーテル系溶媒、例えばジメトキエ
タン、或は芳香族溶媒もまた適し得る。反応体があまり
に溶解不良な幾種類かのハロゲン化溶媒及び幾種類かの
直鎖炭化水素を含む所定の溶媒は適していない。その他
の溶媒はその他の理由で適当でない。例えば、エステル
は、n−ブチルリチウムのようなある種のオルガノ金属
化合物と共に用いる場合、それらが不相容性であること
により、適当でない。
【0039】本明細書中に開示する反応スキームはいく
つかのタキサン誘導体の合成を指向するものであるが、
反応スキームは、変更してオキサジノン或はテトラサイ
クリック金属アルコキシドのいずれかにおいて用いるこ
とができる。従って、13−O−リチウム−7−O−ト
リエチルシリルバッカチンIIIと異なる金属アルコキ
シドを用いて本発明の方法に従う中間体を形成してよ
い。オキサジノン及びテトラサイクリック金属アルコキ
シドを天然或は人為の源から得て、本発明の範囲内と意
図するその他の合成パクリタクセル、パクリタクセル誘
導体、10−デアセチルパクリタクセル、並びにこれら
の鏡像体及びジアステレオマーを製造することができ
る。
【0040】(1)式の化合物の水への溶解度は、R1
が−OR6でありかつR19が−OT1であり、R6及び/
又はT1が溶解度を増大させる官能基、例えば下記であ
るならば、改良され得る: −COGCOR1 (式中、G はエチレン、プロピレン、−CHCH−、
1、2−シクロヘキシレン、或は1、2−フェニレンで
あり;R1=OH塩基、NR23、OR3、SR3、OC
2CONR45又はOH; R2=水素又はメチル; R3=(CH2nNR67又は化32
【化32】 n=1〜3; R4=水素又は炭素1〜4を含有する低級アルキル; R5=水素、炭素1〜4を含有する低級アルキル、ベン
ジル、ヒドロキシエチル、CH2CO2H又はジメチルア
ミノエチル; R6及びR7=炭素1或は2を含有する低級アルキル又は
ベンジルから独立に選択し、或はR6及びR7はNR67
の窒素原子と一緒になって下記の環(化33)の一つを
形成する:
【化33】 8=炭素1或は2を含有する低級アルキル又はベンジ
ル; 化34
【化34】 塩基=NH3、(HOC243N、N(CH33、CH
3N(C24OH)2、NH2(CH26NH2、N−メチ
ルグルカミン、NaOH又はKOH)
【0041】R6或はT1が−COGCOR1である化合
物の製法は、Hangwitzの米国特許4,942,
184号に記載されており、同米国特許を本明細書中に
援用する。下記の例は発明を例示する。
【0042】
【実施例】例1 パクリタクセルの調製 7−トリエチルシリルバッカチンIII(100mg、
0.143mモル)をTHF1mlに溶解した−45℃
の溶液に、nBuLiをヘキサンに溶解した1.63M
溶液0.087mlを滴下した。−45℃で1時間した
後に、(−)−シス−2,4−ジフェニル−5−(1−
エトキシエトキシ)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキ
サジン−6−オン92mg(0.286mモル)をTH
F1mlに溶解した溶液を混合物に滴下した。溶液を暖
めて0℃にし、その温度に2時間保った後に、AcOH
をTHFに溶解した10%溶液1mlを加えた。その混
合物を、飽和水性NaHCO3と酢酸エチル/ヘキサン
60/40との間で分配させた。有機層を蒸発させて残
分を生じ、これをフラッシュクロマトグラフィーによっ
て精製した後に再晶出させて(2'R、3'S)−2'−
エトキシエチル−7−トリエチルシリルパクリタクセル
120mg(80%)を生じた。
【0043】(2'R、3'S)−2'−エトキシエチル
−7−トリエチルシリルパクリタクセルのサンプル5m
gをエタノール2mLに溶解し、0.5%HCl水溶液
0.5mLを加えた。混合物を0℃で30時間攪拌し、
錯酸エチル50mLで希釈した。溶液を飽和重炭酸ナト
リウム水溶液20mLで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥
させ、濃縮した。残分をフラッシュクロマトグラフィー
で精製してパクリタクセル4.5mg(およそ90%)
を生じた。これはすべての点で真正なサンプルと同じで
あった。
【0044】例2 N−デベンゾイル−N−t−ブトキシカルボニル−10
−デアセチルパクリタクセル(タキソティール)の調製 2−t−ブトキシ−4−フェニル−5−(1−エトキシ
エトキシ)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサジン−
6−オン。N−t−ブトキシカルボニル−O−(1−エ
トキシエトキシ)−3−フェニルイソセリン(3)40
9mg(1.16mモル)をTHF20mlに溶解した
溶液に、固体のカリウムt−ブトキシド261mg
(2.33mモル)を加え、混合物を25℃で30分攪
拌した。メタンスルホニルクロリド134mg(1.1
6mモル)をTHF3.2mlに溶解した溶液を加え、
混合物を25℃で1.5時間攪拌した。混合物をヘキサ
ン及び錯酸エチル80mLで希釈し、この溶液を飽和重
炭酸ナトリウム水溶液20mL及び塩水10mlで抽出
した.有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させかつ濃縮して
2−t−ブトキシ−4−フェニル−5−(1−エトキシ
エトキシ)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサジン−
6−オン235mg(70%)を無色油として生じた。
【0045】N−デベンゾイル−N−t−ブトキシカル
ボニル−10−デアセチルパクリタクセル(タキソティ
ール)。7,10−ビス−トリエチルシリルバッカチン
III(100mg、0.124mモル)をTHF1m
lに溶解した−45℃の溶液に、nBuLiをヘキサン
に溶解した1.63M溶液0.087mlを滴下した。
−45℃で1時間した後に、(−)−シス−2−t−ブ
トキシ−4−フェニル−5−(1−エトキシエトキシ)
−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサジン−6−オン8
8mg(0.286mモル)をTHF1mlに溶解した
溶液を混合物に滴下した。溶液を暖めて0℃にし、その
温度に2時間保った後に、AcOHをTHFに溶解した
10%溶液1mlを加えた。その混合物を、飽和水性N
aHCO3と酢酸エチル/ヘキサン60/40との間で
分配させた。有機層を蒸発させて残分を生じ、これをフ
ラッシュクロマトグラフィーによって精製した後に再晶
出させて(2'R、3'S)−N−デベンゾイル−N−t
−ブトキシカルボニル−2'−エトキシエチル−7,1
0−ビス−トリエチルシリルパクリタクセル120mg
(80%)を生じた。
【0046】(2'R、3'S)−N−デベンゾイル−N
−t−ブトキシカルボニル−2'−エトキシエチル−
7,10−ビス−トリエチルシリルパクリタクセルのサ
ンプル5mgをエタノール2mLに溶解し、0.5%H
Cl水溶液0.5mLを加えた。混合物を0℃で30時
間攪拌し、錯酸エチル50mLで希釈した。溶液を飽和
重炭酸ナトリウム水溶液20mLで抽出し、硫酸ナトリ
ウムで乾燥させ、濃縮した。残分をカラムクロマトグラ
フィーによりエチル/ヘキサンで溶離するシリカゲルで
精製してN−デベンゾイル−N−t−ブトキシカルボニ
ル−10−デアセチルパクリタクセル(タキソティー
ル)3.8mg(およそ90%)を生じた。すべての分
析及びスペクトルデータは、米国特許第4,814,4
70号においてタキソティールについて報告されている
ものと同じであった。以上を鑑みれば、発明のいくつか
の目的が達成されることが分かるものと思う。上記の組
成物及び方法において、種々の変更を発明の範囲から逸
脱しないで為し得るから、上記の記載に含まれるあらゆ
るものは、例示と解釈すべきであって、制限する意味で
解釈すべきでないことを意図する。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラサイクリックタキサン核を有する
    金属アルコキシドとオキサジノンとを反応させるタキサ
    ン誘導体の製造方法であって、該金属アルコキシドが下
    記式(1)を有するアルコールから誘導され且つオキサ
    ジノンが下記式(2)を有することを特徴とするタキサ
    ン誘導体の製造方法: 【化1】 (式中、T1はヒドロキシ保護基であり、Zは−OT2
    あり、T2はアセチル或はヒドロキシ保護基である) 【化2】 (式中、R1は−OR6であり; R2は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリ
    ール、或はヘテロアリールであり; R3及びR4は独立に水素、アルキル、アルケニル、アル
    キニル、アリール、ヘテロアリール、或はアシルであ
    り、但し、R3及びR4は共にアシルにはならない;R5
    はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アル
    コキシ、アリールオキシ或はヘテロアリールオキシであ
    り;及びR6は水素、アルキル、アルケニル、アルキニ
    ル、アリール、ヘテロアリール、或はヒドロキシ保護基
    である)。
  2. 【請求項2】 R2及びR4が水素或は低級アルキルであ
    り、R3がアリールである請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 酸化金属置換基をLiO−、MgO−、
    NaO−、KO−、及びTiO−からなる群より選ぶ請
    求項1の方法。
  4. 【請求項4】 金属アルコキシドが7−保護されたバッ
    カチンIIIの金属アルコキシドである請求項1の方
    法。
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