JPH06145157A - 金属アルコキシド及びオキサジノンを用いたタキサン誘導体の半合成 - Google Patents

金属アルコキシド及びオキサジノンを用いたタキサン誘導体の半合成

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JPH06145157A
JPH06145157A JP5100060A JP10006093A JPH06145157A JP H06145157 A JPH06145157 A JP H06145157A JP 5100060 A JP5100060 A JP 5100060A JP 10006093 A JP10006093 A JP 10006093A JP H06145157 A JPH06145157 A JP H06145157A
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D305/00Heterocyclic compounds containing four-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atoms
    • C07D305/14Heterocyclic compounds containing four-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atoms condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D265/00Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one nitrogen atom and one oxygen atom as the only ring hetero atoms
    • C07D265/041,3-Oxazines; Hydrogenated 1,3-oxazines
    • C07D265/061,3-Oxazines; Hydrogenated 1,3-oxazines not condensed with other rings

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属アルコキシド及びオキサジノンを用いる
ことを伴うタキソール、タキソテレ及びその他の生物学
的に活性な誘導体のようなタキサン誘導体の半合成製法
を指向する。 【構成】 ビサイクリック、トリサイクリック或はテト
ラサイクリックタキサン核を有する金属アルコキシドを
供し、その金属アルコキシドとオキサジノンとを反応さ
せて中間体を形成し、中間体をタキサン誘導体に転化さ
せることによるタキサン誘導体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属アルコキシド及び
オキサジノンを用いることを伴うタキソール、タキソテ
レ(taxotere)及びその他の生物学的に活性な
誘導体のようなタキサン誘導体の半合成製法を指向す
る。
【0002】
【従来技術】タキソールを構成要素とするテルペン類の
タキサン系統は、生物学的及び化学的の両方の分野にお
いて、相当の関心を引き付けてきた。タキソールは広い
範囲の抗白血及び腫瘍抑制活性を有する有望な癌化学療
法剤である。タキソールは下記の構造式(化4)を有す
る:
【化4】 式中、Acはアセチルである。タキソールは、この有望
な活性の故に、現在、フランス及びアメリカ合衆国の両
方において臨床試験を受けている。
【0003】これらの臨床試験のためのタキソールの供
給は、現在Taxus brevifollia(西洋
イチイ)からの樹皮により提供されている。しかし、タ
キソールはこれらの成長の遅い常緑樹の樹皮中に微量で
しか認められず、限られたタキソールの供給は需要を満
足しないという相当の懸念を引き起こしている。それゆ
え、近年の化学者は、タキソールを製造するための実施
可能な合成ルートを見出そうとすることに彼らのエネル
ギーを費やしてきた。これまでは、その結果は完全には
満足すべきものでは無かった。
【0004】提案された一合成ルートは日用化学物質か
らテトラサイクリックタキサン核を合成することを指向
する。タキソールと同種のタクサシン(taxusi
n)の合成が、Holton等によりJACS 110
巻、6558頁(1988)に報告された。このアプロ
ーチにおいて進歩がなされたにもかかわらず、タキソー
ルの最終の全合成は、それでも多工程の、冗長なかつ費
用の掛かるプロセスになりそうである。
【0005】タキソールの製造に係る半合成アプローチ
が、Greene等によりJACS110巻、5917
頁(1988)に記載された。このアプローチは、タキ
ソールと同種のものである下記に示すII式(化5)の
構造を有する10−デアセチルバッカチンIIIを使用
することを伴う:
【化5】 10−デアセチルバッカチンIIIは、Taxus b
accataの針状葉から得ることができるので、タキ
ソールに比べて入手が容易である。Greene等の方
法に従えば、10−デアセチルバッカチンIIIは、C
−10アセチル基を結合させかつC−13アルコールと
β−アミドカルボン酸単位とをエステル化させることに
よりC−13 β−アミドエステル側鎖を結合させるこ
とによって、タキソールに転化させる。このアプローチ
は要する工程が比較的少ないが、β−アミドカルボン酸
単位の合成は、低い収率で進行する多工程プロセスであ
り、並びにカップリング反応は冗長でありかつまた低い
収率で進行する。しかし、Wani等がJACS 93
巻、2325頁(1971)においてC13にβ−アミ
ドエステル側鎖が存在することが抗腫瘍活性のために必
要であることを示したので、このカップリング反応は、
タキソール或はタキソールの生物学的に活性な誘導体の
意図するあらゆる合成において必要なキーとなる工程で
ある。
【0006】一層最近になり、Colin等の米国特許
4,814,470号において、下記のIII式(化
6)のタキソール誘導体がタキソール(I)に比べて相
当に大きい活性を有することが報告された。
【化6】 化6の式中、R' は水素或はアセチルを表わし、R''及
びR''' の内の一方はヒドロキシを表わしかつ他方はt
−ブトキシカルボニルアミノ及びそれらの立体異性形
態、及びそれらの混合物を表わす。
【0007】Colin等の米国特許4,814,47
0号に従えば、一般式(III)の生成物は、t−ブチ
ルN−クロロカルバメートのナトリウム塩を下記の一般
式(化7)の生成物に作用させた後に、2,2,2−ト
リクロロエトキシカルボニル基を水素で置換することに
よって得られる。
【化7】 化7の式中、R' はアセチル或は2,2,2−トリクロ
ロエトキシカルボニルラジカルを表わす。しかし、De
nis等は、米国特許第4,924,011号におい
て、このプロセスは異性体の混合物に至り、これを分離
しなければならず、その結果、一般式(IV)の生成物
を製造するために用いるバッカチンIII或は10−デ
アセチルバッカチンIIIすべてを一般式(III)の
生成物に転化させることができないと報告している。
【0008】Denis等は、Colin等のプロセス
を改良しようとして、下記の一般式(化8)のバッカチ
ンIII或は10−デアセチルバッカチンIIIの誘導
体を製造する異なるプロセスを開示している:
【化8】 化8の式中、R' は水素或はアセチルを表わす。そのプ
ロセスでは、下記の一般式(化9)の酸:
【化9】 (化9の式中、R1 はヒドロキシ保護基である)と、下
記の一般式(化10)のタキサン誘導体:
【化10】 (化10の式中、R2 はアセチルヒドロキシ保護基であ
り、R3 はヒドロキシ保護基である)とを縮合させ、次
いで保護基R1 、R3 及び適する場合はR2 を水素で置
換する。しかし、この方法は比較的過酷な条件を使用
し、転化率不良で進行し、かつ最適より低い収率をもた
らす。
【0009】タキソール及びその他の可能な抗腫瘍剤を
合成する際に残る主要な困難は、β−アミドエステル側
鎖となる化学単位をC−13酸素に容易に結合させる利
用容易な方法が存在しないことである。それを高い収率
で結合させるかかるプロセスを開発すれば、タキソール
並びに改質された一連の核置換基或は改質されたC−1
3側鎖を有する関連した抗腫瘍剤の合成を容易にする。
この要求は、β−アミドエステル側鎖となる化学単位を
C−13酸素に結合させる新規な、効率的な方法を見出
すことによって、満足された。
【0010】従って、本発明の目的の中に、タキサン誘
導体を合成するための側鎖プリカーサーを提供するこ
と、及び容易に転化されて所望のタキサン誘導体になる
中間体をもたらすための側鎖プリカーサーを比較的高い
収率で結合させる方法を提供することがある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、下記の
構造式(化11)を有するタキソール、タキソテレ及び
その他の生物学的に活性なタキサン誘導体を製造する方
法を提供する:
【化11】 式中、R1 は−OR6 であり;R2 は水素、アルキル、
アルケニル、アルキニル、アリール、或はヘテロアリー
ルであり;R3 及びR4 は独立に水素、アルキル、アル
ケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、或は
アシルであり、但し、R3 及びR4 は共にアシルにはな
らない;R5 はアルキル、アルケニル、アルキニル、ア
リール、アルコキシ、アリールオキシ或はヘテロアリー
ルオキシであり;R6 は水素、アルキル、アルケニル、
アルキニル、アリール、ヘテロアリール、或はヒドロキ
シ保護基であり;R15及びR16は独立に水素、ヒドロキ
シ、低級アルカノイルオキシ、アルケノイルオキシ、ア
ルキノイルオキシ、或はアリールオイルオキシであり、
もしくはR15及びR16は一緒になってオキソを形成し;
17及びR18は独立に水素或は低級アルカノイルオキ
シ、アルケノイルオキシ、アルキノイルオキシ、或はア
リールオイルオキシであり、もしくはR17及びR18は一
緒になってオキソを形成し;R19及びR20は独立に水素
或はヒドロキシ或は低級アルカノイルオキシ、アルケノ
イルオキシ、アルキノイルオキシ、或はアリールオイル
オキシであり;R21及びR22は独立に水素或は低級アル
カノイルオキシ、アルケノイルオキシ、アルキノイルオ
キシ、或はアリールオイルオキシであり、もしくはR21
及びR22は一緒になってオキソを形成し;R24は水素或
はヒドロキシ或は低級アルカノイルオキシ、アルケノイ
ルオキシ、アルキノイルオキシ、或はアリールオイルオ
キシであり;もしくはR23及びR24は一緒になってオキ
ソ或はメチレンを形成し、もしくはR23及びR24は一緒
になってオキシラン環を形成し、もしくはR23及びR22
は一緒になってオキセタン環を形成し;R25は水素、ヒ
ドロキシ、或は低級アルカノイルオキシ、アルケノイル
オキシ、アルキノイルオキシ、或はアリールオイルオキ
シであり;もしくはR26は水素、ヒドロキシ、或は低級
アルカノイルオキシ、アルケノイルオキシ、アルキノイ
ルオキシ、或はアリールオイルオキシであり;もしくは
26及びR25は一緒になってオキソを形成し;及びR27
は水素、ヒドロキシ或は低級アルコキシ、アルカノイル
オキシ、アルケノイルオキシ、アルキノイルオキシ、或
はアリールオイルオキシである。
【0012】従って、本発明は、簡潔に言うと、オキサ
ジノン(2)と、ビサイクリック、トリサイクリック或
はテトラサイクリックタキサン核を有する金属アルコキ
シドとを反応させるタキサン誘導体の製造方法を指向す
る。次いで、中間体をタキサン誘導体に転化させる。オ
キサジノン(2)は下記の一般式(化12)を有する:
【化12】 (式中、R1 〜R5 は前に規定した通りである)。金属
アルコキシドは下記の一般式(化13)に一致するトリ
サイクリックタキサン核を有するのが好ましい:
【化13】 (式中、Mは金属であり、R15〜R27は前に規定した通
りである)。金属アルコキシドは金属アルコキシド
(3)(式中、R22及びR23は一緒になってオキセタン
環を形成する)に一致するテトラサイクリックタキサン
核を有するのが最も好ましい。本発明のその他の目的及
び特徴は、一部明らかでありかつ一部本明細書中以降に
指摘されるものと思う。
【0013】詳細な説明 本発明は、オキサジノン(2)を用いる生物学的に活性
なタキソール、タキソテレ及びその他のタキサン誘導体
の製造方法を指向する。オキサジノン(2)の構造は、
下記(化14)に表わされる:
【化14】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 及びR5 は前に規定し
た通りである)。
【0014】本発明に従えば、オキサジノン(2)のR
5 はアリール、p−置換されたフェニル、或は低級アル
コキシであるのが好ましく、フェニル、メトキシ、エト
キシ、t−ブトキシ(「tBuO」;(CH33 CO
−)、或は下記式(化15)であるのが最も好ましい:
【化15】 (式中、XはCl、Br、F、CH3 O−、或はNO2
−である)。R2 及びR4 は水素或は低級アルキルであ
るのが好ましい。R3 はアリールであるのが好ましく、
ナフチル、フェニル、化16、化17、化18、化1
9、化20、或は化21であるのが最も好ましい。
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】 (上記式中、Xは前に規定した通りであり、Meはメチ
ルであり、Phはフェニルである)。R1 は−OR6
(R6 は1−エトキシエチル(「EE」)メトキシメチ
ル或は2,2,2−トリクロロエトキシメチルである)
であるのが好ましい。
【0015】オキサジノンアルキル基は、単独でか或は
本明細書中前に規定した種々の置換基と共にのいずれか
で、主鎖中に炭素原子1〜6及び炭素原子15までを含
有する低級アルキルであるのが好ましい。それらは直鎖
であっても或は枝分れ鎖であってもよく、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t
−ブチル、アリール、ヘキシル、等を含むことができ
る。
【0016】オキサジノンアルケニル基は、単独でか或
は本明細書中前に規定した種々の置換基と共にのいずれ
かで、主鎖中に炭素原子2〜6及び炭素原子15までを
含有する低級アルケニルであるのが好ましい。それらは
直鎖であっても或は枝分れ鎖であってもよく、エテニ
ル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテ
ニル、アリール、ヘキセニル、等を含むことができる。
【0017】オキサジノンアルキニル基は、単独でか或
は本明細書中前に規定した種々の置換基と共にのいずれ
かで、主鎖中に炭素原子2〜6及び炭素原子15までを
含有する低級アルキニルであるのが好ましい。それらは
直鎖であっても或は枝分れ鎖であってもよく、エチニ
ル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、アリール、
ヘキシニル、等を含むことができる。上記したオキサジ
ノンアリール部分は、単独でか或は種々の置換基と共に
のいずれかで、炭素原子6〜15を含有し、フェニル、
α−ナフチル、β−ナフチル、等を含む。置換基はアル
カンオキシ、保護されたヒドロキシ、ハロゲン、アルキ
ル、アリール、アルケニル、アシル、アシルオキシ、ニ
トロ、アミノ、アミド、等を含む。フェニルは一層好ま
しいアリールである。
【0018】上述した通りに、オキサジノン(2)のR
1 は−OR6 であり、R6 は下記である:アルキル、ア
シル、1−エトキシエチル(「EE」)、2,2,2−
トリクロロエトキシメチル、或はその他のヒドロキシル
保護基、例えばアセタール、エーテル、すなわちメトキ
シメチル(「MOM」)、ベンジルオキシメチル;及び
エステル、例えばアセテート;カーボネート、例えばメ
チルカーボネート。ヒドロキシル基についての種々の保
護基及びそれらの合成は、John Wiley &
Sons、1981、T.W.Greene著「Pro
tectivegroups in Organic
Synthesis」に見出すことができる。選定する
ヒドロキシル保護基は、エステル結合或はタキソール中
間体のその他の置換基を妨げないように十分に温和な条
件下、例えば48%HF、アセトニトリル、ピリジン、
或は0.5%HCl/水/エタノール、及び/又は亜
鉛、酢酸中で容易に取り除かれるべきである。しかし、
6 は1−エトキシエチル或は2,2,2−トリクロロ
エトキシメチルであるのが好ましく、1−エトキシエチ
ルであるのが最も好ましい。
【0019】オキサジノン(2)は非対称炭素をいくつ
か有するので、当業者ならば、非対称炭素原子を有する
本発明の化合物はジアステレオマー、ラセミ、或は光学
的に活性な形態で存在し得ることを知っている。これら
の形態は、すべて本発明の範囲内に入ることを意図す
る。一層詳細に言うと、本発明は鏡像体、ジアステレオ
マー、ラセミ性混合物、及びその他これらの混合物を含
む。
【0020】オキサジノン(2)は、容易に入手し得る
物質から下記の反応スキーム(化22)に従って製造す
ることができる:
【化22】 カルボン酸5は、別途にGreene等のJACS 1
10:5917頁(1988)に記載される方法に従っ
て製造してもよい。β−ラクタム4は、容易に入手し得
る物質から下記の反応スキーム(化23)(R3 及びR
5 はフェニルであり、R2 及びR4 は水素、及びR2
OR6 (R6 はエトキシエチルである)である)に例示
する通りにして製造することができる:
【化23】 試薬:(a)トリエチルアミン、CH2 Cl2 、25
℃、18時間;(b)第二セリウムアンモニウムニトレ
ート4当量、CH3 CN、−10℃、10分;(c)K
OH、THF、H2 O、0℃、30分;(d)エチルビ
ニルエーテル、THF、トルエンスルホン酸(触媒)、
0℃、1.5時間;(e)CH3 Li、エーテル、−7
8℃、10分;塩化ベンゾイル、−78℃、1時間。
【0021】出発原料は容易に入手し得る。α−アシル
オキシアセチルクロリドをグリコール酸から作り、それ
は、第三級アミンの存在において、アルデヒド及びp−
メトキシアニリンから作ったイミンとシクロ縮合して1
−p−メトキシフェニル−3−アシルオキシ−4−アリ
ールアゼチジンー2ーオンとなる。p−メトキシフェニ
ル基は、第二セリウムアンモニウムニトレートによる酸
化によって容易に取り除くことができ、かつアシルオキ
シ基は、当業者に知られている標準の条件下で加水分解
されて3−ヒドロキシ−4−アリールアゼチジンー2ー
オンとなることができる。
【0022】3−ヒドロキシル基は、1−エトキシエチ
ル基のような種々の標準の保護基によって保護してよ
い。ラセミ性3−ヒドロキシ−4−アリールアゼチジン
ー2ーオンを純鏡像体に再溶解した後に、対応する2−
メトキシ−2−(トリフルオロメチル)フェニル錯酸エ
ステルを再晶出させて保護し、右旋性鏡像体だけをタキ
ソールの製造に用いるのが好ましい。何にしても、3−
(1−エトキシエトキシ)−4−フェニルアゼチジンー
2ーオンは、塩基、好ましくはn−ブチルリチウム及び
塩化アロイルを用いて−78℃又はそれ以下で処理する
ことにより、β−ラクタム4に転化させることができ
る。
【0023】上述した通りに、本発明の方法において用
いる金属アルコキシドはビサイクリック、トリサイクリ
ック或はテトラサイクリックタキサン核を有する。本発
明で用いる通りのビサイクリックタキサン核を有する金
属アルコキシドは、金属アルコキシド(3)(化24)
の環A及びBを含有する化合物に一致する:
【化24】 (式中、M及びR15〜R27は前に規定した通りであ
る)。トリサイクリックタキサン核を有する金属アルコ
キシドは、金属アルコキシド(3)の環A、B及びCを
含有する化合物に一致する。テトラサイクリックタキサ
ン核を有する金属アルコキシドは、金属アルコキシド
(3)の環A、B及びCを含有しかつR22及びR23が一
緒になってオキセタン環を形成する化合物に一致する。
【0024】本発明の方法において用いる金属アルコキ
シドは、金属アルコキシド(3)が好ましい。最も好ま
しくは、R15は−OT2 或は−OCOCH3 であり;R
16は水素であり;R17及びR18は一緒になってオキソを
形成し;R19は−OT1 であり;R20及びR21は水素で
あり;R22及びR23は一緒になってオキセタン環を形成
し;R24はCH3 COO−であり;R25はPhCOO−
であり;R26は水素であり;R27はヒドロキシであり;
1 及びT2 は独立に水素或はヒドロキシ保護基であ
る。金属アルコキシドヒドロキシ保護基は、前にオキサ
ジノンのR6 について身元を明らかにしたのと同じもの
にしてよく、トリアルキル或はトリアリールシリルが好
ましく、トリエチルシリル(「TES」)が最も好まし
い。
【0025】金属アルコキシド(3)の金属置換基Mは
IA族、IIA族、IIIA族、ランタニド或はアクチ
ニド元素もしくは遷移、IIIA族、IVA族、VA族
或はVIA族金属である。それはIA族、IIA族或は
遷移金属が好ましく、リチウム、マグネシウム、ナトリ
ウム、カリウム或はチタンが最も好ましい。
【0026】金属アルコキシドアルキル基は、単独でか
或は本明細書中前に規定した種々の置換基と共にのいず
れかで、主鎖中に炭素原子1〜6及び炭素原子10まで
を含有する低級アルキルであるのが好ましい。それらは
直鎖であっても或は枝分れ鎖であってもよく、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、t−ブチル、アリール、ヘキシル、等を含むことが
できる。
【0027】金属アルコキシドアルケニル基は、単独で
か或は本明細書中前に規定した種々の置換基と共にのい
ずれかで、主鎖中に炭素原子2〜6及び炭素原子10ま
でを含有する低級アルケニルであるのが好ましい。それ
らは直鎖であっても或は枝分れ鎖であってもよく、エテ
ニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブ
テニル、アリール、ヘキセニル、等を含むことができ
る。
【0028】金属アルコキシドアルキニル基は、単独で
か或は本明細書中前に規定した種々の置換基と共にのい
ずれかで、主鎖中に炭素原子2〜6及び炭素原子10ま
でを含有する低級アルキニルであるのが好ましい。それ
らは直鎖であっても或は枝分れ鎖であってもよく、エチ
ニル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、アリー
ル、ヘキシニル、等を含むことができる。アルカノイル
オキシの例はアセテート、プロピオネート、ブチレー
ト、バラレート、イソブチレート、等を含む。一層好ま
しいアルカノイルオキシはアセテートである。
【0029】金属アルコキシドアリール部分は、単独で
か或は種々の置換基と共にのいずれかで、炭素原子6〜
10を含有し、フェニル、α−ナフチル或はβ−ナフチ
ル、等を含む。置換基はアルカンオキシ、ヒドロキシ、
ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル、アシル、
アシルオキシ、ニトロ、アミノ、アミド、等を含む。フ
ェニルが一層好ましいアリールである。
【0030】金属アルコキシド(3)は、タキサン核の
2〜4環及びC−13ヒドロキシル基を有するアルコー
ルと、オルガノ金属化合物とを適した溶剤中で反応させ
て製造する。アルコールは下記の構造(化25)を有す
るバッカチンIII或は10−デアセチルバッカチンI
IIの誘導体が好ましい:
【化25】 (式中、T1 はヒドロキシ保護基であり、Zは−OT2
(T2 はアシル、好ましくはアセチル、或はヒドロキシ
保護基である)である)。アルコールは保護されたバッ
カチンIII、特に7−O−トリエチルシリルバッカチ
ンIII(Greene、等がJACS 110:59
17頁(1988)に記載する通りにして或はその他の
ルートにより得ることができる)或は7、10−ビス−
O−トリエチルシリルバッカチンIIIであるのが最も
好ましい。
【0031】Greene、等に報告されている通り
に、10−デアセチルバッカチンIIIを、下記の反応
スキーム(化26)に従って、7−O−トリエチルシリ
ル−10−デアセチルバッカチンIIIに転化させる:
【化26】 注意深く最適化された条件と報告されるものの下で、1
0−デアセチルバッカチンIIIに20当量の(C2
53 SiClを、ピリジン50ml/1mモルの10
−デアセチルバッカチンIIIの存在においてアルゴン
雰囲気下23℃で20時間反応させて7−トリエチルシ
リル−10−デアセチルバッカチンIII(8a)を反
応生成物として精製後の収率84〜86%で生じる。反
応生成物を、次いで必要に応じて、5当量のCH3 CO
Cl及びピリジン25ml/1mモルの(8a)でアル
ゴン雰囲気下0℃において48時間アセチル化して7−
O−トリエチルシリルバッカチンIII(8b)を収率
86%で生じる。Greene、等、JACS 11
0、5917〜5918頁(1988)。
【0032】別法として、7−トリエチルシリル−10
−デアセチルバッカチンIII(8a)のC−10酸素
位を酸不安定なヒドロキシ保護基で保護することができ
る。例えば、(8a)を0℃においてTHFに溶解した
n−ブチルリチウムで処理した後に、トリエチルシリル
クロリド(1.1モル当量)で処理すると7,10−ビ
ス−O−トリエチルシリルバッカチンIII(8c)を
収率95%で生じる。また、(8a)は、過剰のエチル
ビニルエーテル及び触媒量のメタンスルホン酸で処理す
ることにより7−O−トリエチルシリル−10−(1−
エトキシエチル)バッカチンIII(8d)に収率90
%で転化させることができる。これらの製法は下記の反
応スキーム(化27)で示される:
【化27】
【0033】7−O−トリエチルシリルバッカチンII
I(8b)、7,10−ビス−O−トリエチルシリルバ
ッカチンIII(8c)、或は7−O−トリエチルシリ
ル−10−(1−エトキシエチル)バッカチンIII
(8d)をn−ブチルリチウムのようなオルガノ金属化
合物と、テトラヒドロフラン(THF)のような溶媒中
で、下記の反応スキーム(化28)に示す通りに反応さ
せて金属アルコキシド13−O−リチウム−7−O−ト
リエチルシリルバッカチンIII(9b)、13−O−
リチウム−7,10−ビス−O−トリエチルシリルバッ
カチンIII(9b)、或は13−O−リチウム−7−
O−トリエチルシリル−10−(1−エトキシエチル)
バッカチンIII(9d)を形成する:
【化28】
【0034】下記の反応スキーム(化29)に例示する
通りに、13−O−リチウム−7−O−トリエチルシリ
ルバッカチンIII誘導体(9b、9c、或は9d)の
ような本発明の適した金属アルコキシドは本発明のオキ
サジノンと反応してC−7ヒドロキシル基がトリエチル
シリル或は1−エトキシエチル基で保護された中間体
(10b、10c、或は10d)を生じる。
【化29】
【0035】中間化合物(10b)は、R1 が−OR6
であり、R2 及びR3 は水素であり、R4 がフェニルで
あり、R5 がベンゾイルであり、R6 が1−エトキシエ
チルのようなヒドロキシ保護基である場合に、容易にタ
キソールに転化する。中間化合物(10c)は、R1
−OR6 であり、R2 及びR3 は水素であり、R4 がフ
ェニルであり、R5 がt−ブトキシカルボニルであり、
6 が1−エトキシエチルのようなヒドロキシ保護基で
ある場合に、容易にタキソテレに転化する。中間化合物
(10d)は、R1 が−OR6 であり、R2 及びR3
水素であり、R4 がフェニルであり、R5 がベンゾイル
であり、R6 が1−エトキシエチルのようなヒドロキシ
保護基である場合に、容易に10−デアセチルタキソー
ルに転化する。中間化合物(10b、10c及び10
d)は、トリエチルシリル及び1−エトキシエチル基
を、エステル結合或はタキサン誘導体置換基を妨げない
ような温和な条件下で加水分解させることによって示し
た化合物(化30)に転化してもよい。
【化30】
【0036】その他のタキサン誘導体は、オキサジノン
(2)の適当な置換基R1 〜R5 或は金属アルコキシド
(3)のR15〜R27を選択することによって容易に製造
することができる。このような他の化合物の調製は、下
記の例において例示する。アルコールの金属アルコキシ
ドへの転化及びタキソールの終局的な合成は、共に同じ
反応容器で行うことができる。オキサジノンは反応容器
に、金属アルコキシドを中で生成した後に、加えるのが
好ましい。
【0037】オルガノ金属化合物n−ブチルリチウムを
用いてアルコールを対応する金属アルコキシドに転化さ
せるのが好ましいが、その他の金属置換基源、例えばリ
チウムジイソプロピルアミド、その他のリチウム或はマ
グネシウムアミド、エチルマグネシウムブロミド、メチ
ルマグネシウムブロミド、その他のオルガノリチウム化
合物、その他のオルガノマグネシウム化合物、オルガノ
ナトリウム、オルガノチタン或はオルガノカリウムもま
た用いてよい。オルガノ金属化合物は容易に入手するこ
とができ、或は有機ハライドを金属で還元することを含
む利用可能な方法によって製造してもよい。例えば、下
記の方法(化31)で、臭化ブチルとリチウム金属とを
ジエチルエーテル中で反応させてn−ブチルリチウムの
溶液をもたらすことができる:
【化31】
【0038】THFが反応混合物についての好適な溶媒
であるが、その他のエーテル系溶媒、例えばジメトキエ
タン、或は芳香族溶媒もまた適し得る。反応体があまり
に溶解不良な幾種類かのハロゲン化溶媒及び幾種類かの
直鎖炭化水素を含む所定の溶媒は適していない。その他
の溶媒はその他の理由で適当でない。例えば、エステル
は、n−ブチルリチウムのようなある種のオルガノ金属
化合物と共に用いる場合、それらが不相容性であること
により、適当でない。
【0039】本明細書中に開示する反応スキームはいく
つかのタキサン誘導体の合成を指向するものであるが、
反応スキームは、変更してオキサジノン或はテトラサイ
クリック金属アルコキシドのいずれかにおいて用いるこ
とができる。従って、13−O−リチウム−7−O−ト
リエチルシリルバッカチンIIIと異なる金属アルコキ
シドを用いて本発明の方法に従う中間体を形成してよ
い。オキサジノン及びテトラサイクリック金属アルコキ
シドを天然或は人為の源から得て、本発明の範囲内と意
図するその他の合成タキソール、タキソール誘導体、1
0−デアセチルタキソール、並びにこれらの鏡像体及び
ジアステレオマーを製造することができる。
【0040】(1)式の化合物の水への溶解度は、R1
が−OR6 でありかつR19が−OT1 であり、R6 及び
/又はT1 が溶解度を増大させる官能基、例えば下記で
あるならば、改良され得る: −COGCOR1 (式中、G はエチレン、プロピレン、−CHCH−、
1、2−シクロヘキサン、或は1、2−フェニレンであ
り、 R1 =OH塩基、NR23 、OR3 、SR3 、OCH
2 CONR45 、OH R2 =水素、メチル 99=(CH2n NR67 ;化32
【化32】 n=1〜3 R4 =水素、炭素1〜4を含有する低級アルキル R5 =水素、炭素1〜4を含有する低級アルキル、ベン
ジル、ヒドロキシエチル、CH2 CO2 H、ジメチルア
ミノエチル R67 =炭素1或は2を含有する低級アルキル、ベン
ジル或はR67 はNR67 の窒素原子と一緒になって下記の環
(化33)を形成する:
【化33】 8 =炭素1或は2を含有する低級アルキル、ベンジル
化34
【化34】 塩基=NH3 、(HOC243 N、N(CH3
3 、CH3 N(C24 OH)2 、NH2 (CH26
NH2 、N−メチルグルカミン、NaOH、KOH)
【0041】R6 或はT1 が−COGCOR1 である化
合物の製法は、Hangwitzの米国特許4,94
2,184号に記載されており、同米国特許を本明細書
中に援用する。下記の例は発明を例示する。
【0042】
【実施例】例1 タキソールの調製 7−トリエチルシリルバッカチンIII(100mg、
0.143mモル)をTHF1mlに溶解した−45℃
の溶液に、nBuLiをヘキサンに溶解した1.63M
溶液0.087mlを滴下した。−45℃で1時間した
後に、(−)−シス−2,4−ジフェニル−5−(1−
エトキシエトキシ)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキ
サジン−6−オン92mg(0.286mモル)をTH
F1mlに溶解した溶液を混合物に滴下した。溶液を暖
めて0℃にし、その温度に2時間保った後に、AcOH
をTHFに溶解した10%溶液1mlを加えた。その混
合物を、飽和水性NaHCO3 と酢酸エチル/ヘキサン
60/40との間で分配させた。有機層を蒸発させて残
分を生じ、これをフラッシュクロマトグラフィーによっ
て精製した後に再晶出させて(2' R、3' S)−2'
−エトキシエチル−7−トリエチルシリルタキソール1
20mg(80%)を生じた。
【0043】(2' R、3' S)−2' −エトキシエチ
ル−7−トリエチルシリルタキソールのサンプル5mg
をエタノール2mLに溶解し、0.5%HCl水溶液
0.5mLを加えた。混合物を0℃で30時間攪拌し、
錯酸エチル50mLで希釈した。溶液を飽和重炭酸ナト
リウム水溶液20mLで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥
させ、濃縮した。残分をフラッシュクロマトグラフィー
で精製してタキソール4.5mg(およそ90%)を生
じた。これはすべての点で真正なサンプルと同じであっ
た。
【0044】例2 N−デベンゾイル−N−t−ブトキシカルボニル−10
−デアセチルタキソール(タキソテレ)の調製 2−t−ブトキシ−4−フェニル−5−(1−エトキシ
エトキシ)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサジン−
6−オン。N−t−ブトキシカルボニル−O−(1−エ
トキシエトキシ)−3−フェニルイソセリン(3)40
9mg(1.16mモル)をTHF20mlに溶解した
溶液に、固体のカリウムt−ブトキシド261mg
(2.33mモル)を加え、混合物を25℃で30分攪
拌した。メタンスルホニルクロリド134mg(1.1
6mモル)をTHF3.2mlに溶解した溶液を加え、
混合物を25℃で1.5時間攪拌した。混合物をヘキサ
ン及び錯酸エチル80mLで希釈し、この溶液を飽和重
炭酸ナトリウム水溶液20mL及び塩水10mlで抽出
した.有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させかつ濃縮して
2−t−ブトキシ−4−フェニル−5−(1−エトキシ
エトキシ)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサジン−
6−オン235mg(70%)を無色油として生じた。
【0045】N−デベンゾイル−N−t−ブトキシカル
ボニル−10−デアセチルタキソール(タキソテレ)。
7,10−ビス−トリエチルシリルバッカチンIII
(100mg、0.124mモル)をTHF1mlに溶
解した−45℃の溶液に、nBuLiをヘキサンに溶解
した1.63M溶液0.087mlを滴下した。−45
℃で1時間した後に、(−)−シス−2−t−ブトキシ
−4−フェニル−5−(1−エトキシエトキシ)−4,
5−ジヒドロ−1,3−オキサジン−6−オン88mg
(0.286mモル)をTHF1mlに溶解した溶液を
混合物に滴下した。溶液を暖めて0℃にし、その温度に
2時間保った後に、AcOHをTHFに溶解した10%
溶液1mlを加えた。その混合物を、飽和水性NaHC
3 と酢酸エチル/ヘキサン60/40との間で分配さ
せた。有機層を蒸発させて残分を生じ、これをフラッシ
ュクロマトグラフィーによって精製した後に再晶出させ
て(2' R、3' S)−N−デベンゾイル−N−t−ブ
トキシカルボニル−2' −エトキシエチル−7,10−
ビス−トリエチルシリルタキソール120mg(80
%)を生じた。
【0046】(2' R、3' S)−N−デベンゾイル−
N−t−ブトキシカルボニル−2'−エトキシエチル−
7,10−ビス−トリエチルシリルタキソールのサンプ
ル5mgをエタノール2mLに溶解し、0.5%HCl
水溶液0.5mLを加えた。混合物を0℃で30時間攪
拌し、錯酸エチル50mLで希釈した。溶液を飽和重炭
酸ナトリウム水溶液20mLで抽出し、硫酸ナトリウム
で乾燥させ、濃縮した。残分をカラムクロマトグラフィ
ーによりエチル/ヘキサンで溶離するシリカゲルで精製
してN−デベンゾイル−N−t−ブトキシカルボニル−
10−デアセチルタキソール(タキソテレ)3.8mg
(およそ90%)を生じた。すべての分析及びスペクト
ルデータは、米国特許第4,814,470号において
タキソテレについて報告されているものと同じであっ
た。以上を鑑みれば、発明のいくつかの目的が達成され
ることが分かるものと思う。上記の組成物及び方法にお
いて、種々の変更を発明の範囲から逸脱しないで為し得
るから、上記の記載に含まれるあらゆるものは、例示と
解釈すべきであって、制限する意味で解釈すべきでない
ことを意図する。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビサイクリック、トリサイクリック或は
    テトラサイクリック核を有する酸化金属置換されたタキ
    サンとオキサジノンとを反応させるタキサン誘導体の製
    造方法であって、オキサジノンが下記式(化1)を有す
    ることを特徴とするタキサン誘導体の製造方法: 【化1】 式中、R1 は−OR6 であり;R2 は水素、アルキル、
    アルケニル、アルキニル、アリール、或はヘテロアリー
    ルであり;R3 及びR4 は独立に水素、アルキル、アル
    ケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、或は
    アシルであり、但し、R3 及びR4 は共にアシルにはな
    らない;R5 はアルキル、アルケニル、アルキニル、ア
    リール、アルコキシ、アリールオキシ或はヘテロアリー
    ルオキシであり;及びR6 はヒドロキシ保護基である。
  2. 【請求項2】 R2 及びR4 が水素或は低級アルキルで
    あり、R3 がアリールである請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 金属アルコキシドがテトラサイクリック
    タキサン核を有する請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 金属アルコキシドが下記式(化2)を有
    するアルコールから誘導される請求項1の方法: 【化2】 式中、T1 はヒドロキシ保護基であり、Zは−OT2
    あり、T2 はアセチル或はヒドロキシ保護基である。
  5. 【請求項5】 金属アルコキシドが下記式(化3)を有
    する請求項1の方法: 【化3】 式中、R15及びR16は独立に水素、ヒドロキシ、低級ア
    ルカノイルオキシ、アルケノイルオキシ、アルキノイル
    オキシ、或はアリールオイルオキシであり、もしくはR
    15及びR16は一緒になってオキソを形成し;R17及びR
    18は独立に水素或は低級アルカノイルオキシ、アルケノ
    イルオキシ、アルキノイルオキシ、或はアリールオイル
    オキシであり、もしくはR17及びR18は一緒になってオ
    キソを形成し;R19及びR20は独立に水素或はヒドロキ
    シ或は低級アルカノイルオキシ、アルケノイルオキシ、
    アルキノイルオキシ、或はアリールオイルオキシであ
    り;R21及びR22は独立に水素或は低級アルカノイルオ
    キシ、アルケノイルオキシ、アルキノイルオキシ、或は
    アリールオイルオキシであり、もしくはR21及びR22
    一緒になってオキソを形成し;R24は水素或はヒドロキ
    シ或は低級アルカノイルオキシ、アルケノイルオキシ、
    アルキノイルオキシ、或はアリールオイルオキシであ
    り;もしくはR23及びR24は一緒になってオキソ或はメ
    チレンを形成し、もしくはR23及びR24は一緒になって
    オキシラン環を形成し、もしくはR23及びR22は一緒に
    なってオキセタン環を形成し;R25は水素、ヒドロキ
    シ、或は低級アルカノイルオキシ、アルケノイルオキ
    シ、アルキノイルオキシ、或はアリールオイルオキシで
    あり;もしくはR26は水素、ヒドロキシ、或は低級アル
    カノイルオキシ、アルケノイルオキシ、アルキノイルオ
    キシ、或はアリールオイルオキシであり;もしくはR26
    及びR25は一緒になってオキソを形成し;及びR27は水
    素、ヒドロキシ或は低級アルコキシ、アルカノイルオキ
    シ、アルケノイルオキシ、アルキノイルオキシ、或はア
    リールオイルオキシである。
  6. 【請求項6】 R16が水素であり、R15が−OT2 或は
    −OCOCH3 であり、T2 がヒドロキシ保護基であ
    り、MをLi、Mg、Na、K及びTiからなる群より
    選ぶ請求項5の方法。
  7. 【請求項7】 R2 及びR4 が水素或は低級アルキルで
    あり、R3 がアリールである請求項5の方法。
  8. 【請求項8】 酸化金属置換基をLiO−、MgO−、
    NaO−、KO−、及びTiO−からなる群より選ぶ請
    求項1の方法。
  9. 【請求項9】 金属アルコキシドが7−保護されたバッ
    カチンIIIの金属アルコキシドである請求項1の方
    法。
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