JP2010513267A - ドセタキセルの製造方法及びそれに用いられる中間体 - Google Patents

ドセタキセルの製造方法及びそれに用いられる中間体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、抗腫瘍及び抗白血病の活性を有するドセタキセルの新規な製造方法及びそれに用いられる中間体化合物を提供することである。
【解決手段】式IIの10−デアセチルバッカチンIIIを塩基の存在下で式IIIのハロゲン式ベンゾイルと反応させて、保護された7−及び10−ヒドロキシ基を有する式IVの化合物を製造する段階と、前記式IVの化合物を縮合剤の存在下で式Vのオキサゾリジン誘導体またはその塩とカップリング反応させて、式VIのオキサゾリジン側鎖を有するタキサンを製造する段階と、前記式VIの化合物の側鎖環を有機溶媒中で酸の存在下で開環反応させて、保護された7−及び10−ヒドロキシ基を有する式VIIのドセタキセルを製造する段階と、前記式VIIの化合物の7位及び10位における保護基を溶媒中で塩基を用いて除去する段階とを含む、式Iのドセタキセルを製造する方法。
【選択図】なし

Description

本発明はドセタキセルの新しい製造方法及びそれに用いられる中間体に関する。
テルペンタキサン系誘導体である式Iのドセタキセルは、広範囲の抗腫瘍及び抗白血病活性を有する強力な抗癌化学療法剤であり、既に乳房癌、卵巣癌などに対する有効な治療剤として市販が許可されている。
Figure 2010513267
前記式中、
Phはフェニル;
Acはアセチル;
Bzはベンゾイル;及び
Bocはt−ブトキシカルボニルである。
以下、Ph、Ac、Bz及びBocは前記定義に従う。
ドセタキセルの製造のための半合成法及び合成法が多く研究されてきた。式Xの10−デアセチルバッカチンIIIからドセタキセルを製造する一般的な方法は、(a)式IIの10−デアセチルバッカチンIIIの7−及び10−ヒドロキシ基に選択的に保護基を導入する段階;(b)段階(a)で得られた化合物を縮合剤存在下でオキサゾリジン誘導体またはその塩と縮合させる段階;(c)得られた生成物のオキサゾリジン環を開環する段階;及び(d)段階(c)で得られた化合物から7−及び10−ヒドロキシ基の保護基を除去する段階の4段階からなる。
Figure 2010513267
Figure 2010513267
しかし、多くの公知の合成方法は、段階(a)の選択的保護基の導入段階で不満足な結果を示している。すなわち、反応式Aに示されている段階(a)での選択性が十分でなく、式IVaの10−デアセチルバッカチンIIIを精製し難いために最終生産物の収率が非常に低く、且つ精製工程が複雑になる。
Figure 2010513267
反応式A
前記式中、Pはヒドロキシ基の保護基である。
例えば、下記反応式Bに示しているように、ヨーロッパ特許第0253738号または文献[Gueritte,et al.,Tetrahedron,42,4451(1986)]には、化IIの10−デアセチルバッカチンIIIをピリジン溶媒中で3当量のクロロギ酸2,2,2−トリクロロエチルと80℃で反応させて、保護された7−及び10−ヒドロキシ基を有する式IVbの10−デアセチルバッカチンIIIを製造する方法が開示されている。しかし、目的物の収率は85〜87%であるが、副生成物として保護された7−、10−及び13−ヒドロキシ基を有する式aの10−デアセチルバッカチンIIIが8〜12%の量で生成する。この場合、前記生成混合物はドセタキセルの製造に用いられる前にカラムクロマトグラフィーを用いて精製しなければならない。
Figure 2010513267
反応式B
また、国際特許公開第WO2004/033442号に開示されている方法(反応式C)を用いる場合には、保護された7−及び10−ヒドロキシ基を有する式IVcの10−デアセチルバッカチンの収率が83〜86%であり、副生成物として保護された7−、10−及び13−ヒドロキシ基を有する式bの10−デアセチルバッカチンIIIと、保護された7−又は10−ヒドロキシ基を有する式c及び式dのデアセチルバッカチンIIIとが、それぞれ8〜14%及び0〜3%の収率で共に生じた。従って、この工程も前記ヨーロッパ特許第0253738号と同様な精製問題がある。
Figure 2010513267
反応式C
更に、米国特許第6500966号に開示されている方法(反応式D)を用いる場合には、トリクロロアセチル保護基で保護された7−及び10−ヒドロキシ基を有する式IVdの10−デアセチルバッカチンIIIの収率は37〜45%であり、副生成物として保護された7−、10−及び13−ヒドロキシ基を有する式eの10−デアセチルバッカチンIII及び不明の白色固体が生成する。従って、この工程も上述の方法と同様な問題を有する。
Figure 2010513267
反応式D
本発明者らは、再結晶によって容易に精製することができる選択性の高い保護された7−及び10−ヒドロキシ基を有する10−デアセチルバッカチンIIIを製造し、カップリング反応で効率的に用いられるオキサゾリジン誘導体を製造するために鋭意研究した結果、高収率でドセタキセルを製造するための新規の改善された方法を見出して本発明を完成するに至った。
ヨーロッパ特許第0253738号 国際特許公開第WO2004/033442号 米国特許第6500966号 Gueritte,et al.,Tetrahedron,42,4451(1986)
従って、本発明の目的は、ドセタキセルを製造する新規な方法、及びそれに用いられる中間体を提供することである。
前記目的を達成するために、本発明の一実施態様によると、
(i)式IIの10−デアセチルバッカチンIIIを、塩基の存在下で式IIIのハロゲン化ベンゾイルと反応させて、保護された7−及び10−ヒドロキシ基を有する式IVの化合物を製造する段階;
(ii)前記式IVの化合物を、縮合剤の存在下で、式Vのオキサゾリジン誘導体またはその塩とカップリング反応させて、式VIのオキサゾリジン側鎖を有するタキサンを製造する段階;
(iii)前記式VIの化合物の側鎖を、有機溶媒中で酸の存在下で開環反応させて、保護された7−及び10−ヒドロキシ基を有する式VIIのドセタキセルを製造する段階;及び
(iv)前記式VIIの化合物の7位及び10位における保護基を、溶媒中で塩基を用いて除去する段階
を含む、式Iのドセタキセルの製造方法を提供する。
Figure 2010513267
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Figure 2010513267
Figure 2010513267
Figure 2010513267
Figure 2010513267
前記式中、
Phはフェニル;
Acはアセチル;
Bzはベンゾイル;
Bocはt−ブトキシカルボニル;
Rは4−メトキシフェニル、イソプロピルまたはt−ブチル;
Bは
Figure 2010513267
R´及びR″はそれぞれ独立的に水素またはニトロ;及び
Xはハロゲンである。
本発明の他の実施態様によると、前記式Iのドセタキセルの製造に中間体として用いられる式IVの化合物を提供する:
Figure 2010513267
前記式中、
Ac及びBzは前記で定義したものと同一であり;
Bは4−ニトロベンゾイル、3,5−ジニトロベンゾイルまたは2,4−ジニトロベンゾイルである。
本発明のまた他の実施態様によると、前記式Iのドセタキセルの製造に中間体として用いられる式Vaの化合物を提供する。
Figure 2010513267
前記式中、
Bocはt−ブトキシカルボニル;及び
はイソプロピルまたはt−ブチルである。
本発明の更に他の実施態様によると、
(i)溶媒中で溶解された式VIIIの(2R,3S)−3−フェニルイソセリンギ酸メチルエステル塩をイソブチルアルデヒド又はトリメチルアセトアルデヒドと反応させた後、ジ−t−ブチル−ジカーボネートを添加して式IXのオキサゾリジン環化合物を製造する段階;及び
(ii)前記式IXの化合物を塩基の存在下で加水分解する段階を含む、式Vaの化合物の製造方法が提供される:
Figure 2010513267
Figure 2010513267
Figure 2010513267
前記式中、
Bocはt−ブトキシカルボニル;及び
はイソプロピルまたはt−ブチルである。
本発明によるドセタキセルの製造方法は、7−及び10−ヒドロキシ基が一つ以上の任意のニトロ置換体を有するベンゾイル基で選択的に保護された式IVの化合物とともに、式IVの化合物とカップリング反応する式Vのオキサゾリジン誘導体を用いることを特徴とする。
本発明の式Iのドセタキセルは、反応式Eに示された工程によって製造することができる。
Figure 2010513267
反応式E
前記式中、B、X及びRは前記定義と同一である。
段階(i)においては、式IIの10−デアセチルバッカチンIIIを、塩基の存在下で、式IIIのハロゲン化ベンゾイル(B−X)と反応させて、本発明において重要な中間体として用いられる選択的に保護された7−及び10−ヒドロキシ基を有する式IVの新規化合物が製造される。この反応は20〜60℃の温度範囲で行うことが好ましく、ここで用いられるハロゲン化ベンゾイルとしては、4−ニトロベンゾイルクロライド、3,5−ジニトロベンゾイルクロライド、または1,4−ジニトロベンゾイルクロライドなどが挙げられ、3,5−ジニトロベンゾイルクロライドが好ましい。得られた生成物は、特に3,5−ジニトロベンゾイルクルロライドを用いる場合、メタノールなどの溶媒を用いて再結晶させて容易に精製することができ、高収率で純粋な式IVのデアセチルバッカチンIIIが得られる。前記反応でハロゲン化ベンゾイルは、式IIの化合物に対して2〜5モル当量の量で用いることが好ましい。この反応に用いられる塩基としては、ピリジン及びトリエチルアミンなどのアミン類が好ましく、溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタンまたは酢酸エチルなどが好ましい。
段階(ii)では、段階(i)から得られた式IVの化合物を、縮合剤の存在下で式Vのオキサゾリジン誘導体またはその塩とカップリング反応させて、式VIのオキサゾリジン側鎖含有タキサン誘導体を得る。この反応は0〜80℃の温度範囲で行うことが好ましく、式Vの化合物は、式IVの化合物に対して1.5〜5モル当量の量で用いることが好ましい。ここで用いられる溶媒としては、酢酸エチル、酢酸メチル、クロロホルムまたはジクロロメタンなどが挙げられ、縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミドを、式IVの化合物に対して1〜5モル当量範囲の量で用いることができる。また、この反応には、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジンなどのアミン類活性化剤を、式IVの化合物に対して当量未満の量で反応混合物に添加しても良い。この段階から得られた式VIのタキサン誘導体を、メタノール−ヘキサン混合物またはアセトニトリル−水の混合液を用いて再結晶することによって、精製された形態の式VIの化合物が得られる。
段階(iii)では、前記段階(ii)で得られたオキサゾリジン側鎖含有式VIの化合物を有機溶媒中で酸の存在下で開環反応させて、保護された7−及び10−ヒドロキシ基を有する式VIIのドセタキセルを得ることができる。開環反応に用いられる酸は、塩酸、硫酸、ギ酸またはp−トルエンスルホン酸などが挙げられ、式VIの化合物に対して1〜100当量の量で用いることが好ましい。この反応に用いられる有機溶媒は、クロロホルム、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン及びこれらの混合物であっても良い。
Rが4−メトキシフェニルの場合、t−ブトキシカルボニル基が脱離していない式VIIの化合物が得られる。しかし、Rがイソプロピルまたはt−ブチルの場合、t−ブトキシ基を除去し得る。このような場合、反応溶液を適切な塩基で中和させて水を加えた後、ジ−t−ブチル−ジカーボネートを添加して式IIの化合物が得られる。得られた式IIの化合物は、ジエチルエーテル−ヘキサン混合液またはアセトニトリル−水の混合液を用いて再結晶することによって、容易に精製することができる。
段階(iv)では、式VIIの化合物の保護基Bを溶媒中で塩基の存在下で除去して式Iのドセタキセルを得る。この反応で用いられる塩基としては、式VIIのドセタキセルに対して1〜40当量の量でモルホリン、ジエチルアミン、アンモニア、メチルアミンまたはt−ブチルアミンであってもよく、溶媒としては、C1−3アルコールが好ましく、メタノールが最も好ましい。
一方、本発明の段階(ii)で用いられる化Vのオキサゾリジン誘導体の製造方法は下記の通りである。
Figure 2010513267
反応式F
前記式中、Rは前記の定義と同一である。
この反応においては、クロロホルム、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン及びテトラヒドロフランのような溶媒に溶解された式VIIIの(2R,3S)−3−フェニルイソセリン・ギ酸メチルエステルの酸付加塩に、イソブチルアルデヒドまたはトリメチルアセトアルデヒドのような脂肪族アルデヒド(RCHO)を添加して、式IXのN−t−ブチル−カルボニル基含有オキサゾリジン環化合物を得る。次いで、得られた化合物を適切な塩基を用いて加水分解して式Vaのオキサゾリジン誘導体を製造することができ、ここで用いられる塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどが挙げられる。
一方、前記化VにおけるRが4−メトキシフェニル基である場合、大韓民国特許公報第1995−0703547に記載の方法に基づいて製造することができる。
本発明のドセタキセルの製造方法を用いると、先行技術で達成できなかった高純度のドセタキセルを高収率で製造することができる。
本発明によれば、ドセタキセルの製造方法は、高純度のドセタキセルを高収率で製造することができる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。但し、下記実施例は本発明を例示するものであって、本発明の内容が下記実施例によって限定されることではない。
実施例1:7,10−(ジ−3´,5´−ジニトロベンゾイル)−10−デアセチルバッカチンIII(式IVの化合物)の製造
11.0gの10−デアセチルバッカチンIIIを28mLのピリジンと55mLのクロロホルムの混合液に溶解させた後、これに11.0gの3,5−ジニトロベンゾイルクロライドを徐々に滴加した。この際反応温度を38〜42℃に維持しながら滴加した。次いで、ピリジンを減圧下で除去して収率97.1%の7,10−(ジ−3´,5´−ジニトロベンゾイル)−10−デアセチルバッカチンIIIを得、副生成物として0.3%の7−または10−(3´,5´−ジニトロベンゾイル)−10−デアセチルバッカチンIII、0.9%の7,10,13−(トリ−3´,5´−ジニトロベンゾイル)−10−デアセチルバッカチンIIIを得た。残渣に110mLのメタノールと50mLの1N塩酸との混合液を滴加してから1時間激しく攪拌した後、濾過した。得られた固体を220mLのメタノールに加えてから室温で1時間攪拌した後、濾過した。得られた固体を乾燥して標題化合物16.9g(収率:93%、純度:98.5%)を得た。
融点:234℃;
23=−77.8゜(c=1,CHCl);
IR(KBr,cm−1)3458,3103,2949,1739,1717,1628,1600,1550,1453,1343,1273,1167,1109,1071,973,918,835,716;
H−NMR(CDCl,300MHz)δ9.27(m,1H),9.20(m,1H),9.04(m,2H),8.77(m,2H),8.14(d,J=7.5Hz,2H),7.50−7.68(m,3H),6.65(s,1H),5.94(dd,J=7.0Hz,J=10.0Hz,1H),5.74(d,J=7.0Hz,1H),5.07(d,J=9.0Hz,1H),4.94−4.98(m,1H),4.41(d,J=8.4Hz,1H),4.23(d,J=8.4Hz,1H),4.13(d,J=6.7Hz,1H),2.84−2.95(m,1H),2.35−2.42(m,2H),2.37(s,3H),2.21(s,3H),1.99−2.07(s,1H),2.00(s,3H),1.27(s,3H),1.23(s,3H);
元素分析:C434020
理論値:C,55.37;H,4.32;N,6.01;及び
実測値:C,55.42H,4.29N,6.13.
実施例2:(2R,4S,5R)−3−t−ブトキシカルボニル−2−イソプロピル−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン酸(化Va化合物)の製造
(2−1)(2R,4S,5R)−3−t−ブトキシカルボニル−2−イソプロピル−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボニルメチルエステルの製造
5gの(2R,3S)−3−フェニルイソセリン・ギ酸メチルエステルを1.6mLのピリジンと100mLのCHClとの混合溶媒に溶解させた。1.8mLのイソブチルアルデヒドを滴加し、50℃の反応溶液の温度を維持しながら2時間攪拌した。その後、得られた反応溶液を室温まで冷却した。前記反応溶液に3.0gのNaHCOを滴加してから1時間攪拌した。前記反応混合物から固体を濾過させて分離した後、4.4gのジ−t−ブチル−ジカーボネートを徐々に滴加した。得られた反応溶液を室温で12時間攪拌し、有機溶媒を減圧下で蒸留させて精製されない標題化合物7.24g(収率100%)を得た。
aD23=−24.0゜(c=1,CHCl);
IR(KBr,cm−1)3499,3395,3090,3064,3032,42974,2933,2876,1757,1705,1456,1367,1253,1164,1115,1092,1018,942,849,764,698,600,465;
H−NMR(CDCl3,300MHz)δ7.27−7.40(m,5H),5.32(d,J=7.1Hz,1H),5.20(b,1H),4.73(d,J=4.7Hz,1H),3.81(s,3H),2.00(m,1H),1.40(s,9H),1.06(d,J=6.8Hz3H),0.97(d,J=6.8Hz,3H);
元素分析:C1927
理論値:C,65.31;H,7.79;N,4.01;及び
実測値:C,65.43H,7.71N,4.12
(2−2)(2R,4S,5R)−3−t−ブトキシカルボニル−2−イソプロピル−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン酸の製造
前記(2−1)から得られた7.0gの化合物を35mLのメタノールに溶解させた。これに、7mLの3N水酸化リチウムを徐々に滴加してから室温で2時間攪拌した。20mLのメタノールを減圧留去した後、これに、20mLの水を添加した。30mLのヘキサンで2回にわたって水−メタノール溶液を洗浄した後、0℃で40mLの酢酸エチルを添加した。次いで、得られた反応混合物を激しく攪拌しながら7mLの3N塩酸を添加して中和させた。有機層を分離して水層を40mLの酢酸エチルで抽出した。結合した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、有機溶媒を減圧下でろ液から除去して標題化合物4.7g(収率:70%)を得た。
aD23=+0.1゜(溶媒CHClC=1);
IR(KBr,cm−1)3065,3034,2974,2934,2876,1757,1706,1673,1470,1456,1368,1255,1164,1093,1003,941,848,762,699,595,464;
H−NMR(CDCl,300MHz)δ9.65(brs,1H),7.14−7.54(m,5H),5.35(d,J=7.2Hz,1H),5.27(b,1H),4.75(d,J=4.8Hz,1H),2.00(m,1H),1.42(s,9H),1.07(d,J=6.8Hz3H),0.98(d,J=6.8Hz,3H);
元素分析:C1825
理論値:C,64.46;H,7.51;N,4.18;及び
実測値:C,64.43H,7.48N,4.19.
実施例3:(2R,4S,5R)−3−t−ブトキシカルボニル−2−t−ブチル−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン酸(化Vaの化合物)の製造
(3−1)(2R,4S,5R)−3−t−ブトキシカルボニル−2−(4−t−ブチル)−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5カルボニルメチルエステルの製造
イソブチルアルデヒドの代わりにトリメチルアセトアルデヒドを用いたことを除いて実施例2の(2−1)の工程を繰り返して標題化合物7.53g(収率100%)を得た。
aD23=+0.5゜(c=1,CHCl);
IR(KBr,cm−1)3063,2974,2934,1756,1710,1480,1451,1367,1351,1254,1163,948,879,778,697;
H−NMR(CDCl3,300MHz)δ7.27−7.44(m,5H),5.46(s,1H),5.41(d,J=4.2Hz,1H),4.73(d,J=4.2Hz,1H),3.83(s,3H),1.47(s,9H),0.83(s,3H);
元素分析:C2029
理論値:C,66.09;H,8.04;N,3.85;及び
実測値:C,66.13H,7.98N,3.88.
(3−2)(2R,4S,5R)−3−t−ブトキシカルボニル−2−t−ブチル−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン酸の製造
前記(3−1)から得られた(2R,4S,5R)−3−t−ブトキシカルボニル−2−(4−t−ブチル)−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボニルメチルエステルを用いたことを除いて、実施例2の(2−2)の工程を繰り返して標題化合物2.9g(収率:41%)を得た。
23=+20.2゜(c=1,CHCl);
IR(KBr,cm−1)31679,3064,2975,2910,1711,1497,1480,1368,1256,1163,1098,1032,948,881,758,697;
H−NMR(CDCl,300MHz)δ9.65(brs,1H),7.54−7.14(m,5H),5.35(d,J=7.2Hz,1H),5.27(s,1H),4.75(d,J=4.8Hz,1H),2.00(m,1H),1.42(s,9H),1.07(d,J=6.8Hz3H),0.98(d,J=6.8Hz,3H);
元素分析:C1927
理論値:C,65.31;H,7.79;N,4.01;及び
実測値:C,65.33H,7.68N,4.12.
実施例4:ドセタキセル(式Iの化合物)の製造
(4−1)(2R,4S,5R)−3−t−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボニル7,10−(ジ−3″,5″−ジニトロベンゾイル)−10−デアセチルバッカチンIII(化VI)の化合物)の製造
前記実施例1から得られた9.3gの7,10−(ジ−3´,5´−ジニトロベンゾイル)−10−デアセチルバッカチンIII、10.0gの(2R,4S,5R)−3−t−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン酸(国際特許公開 WO1994/07878に基づいて製造)と61mgの4−(ジメチルアミノ)ピリジンとを180mLの酢酸エチルに溶解させた後、反応容器内の温度を40℃に維持しながら攪拌した。これに、5.2gのジシクロヘキシルカルボジイミドを添加してから30分間攪拌した後、得られたジシクロヘキシル尿素を濾過により分離させた。得られた濾過ケーキを20mLの酢酸エチルで洗浄し、結合された有機層を30mLの1N塩酸及び30mLの飽和炭酸水素ナトリウムで洗った後、有機層を無水MgSOで乾燥させて濾過し、有機溶媒を減圧下でろ液から除去した。残渣に13mLのメタノールと130mLのヘキサンを添加してから3時間攪拌した後、濾過した。得られた固体に130mLのアセトニトリルと65mLの水を添加してから3時間攪拌した後、濾過して標題化合物13.1g(収率:100%)を得た。
H−NMR(CDCl,300MHz)δ9.26(m,1H),9.20(m,1H),9.01(m,2H),8.74(m,2H),8.05(d,J=7.5Hz,2H),7.66(m,1H),7.53(m,2H),7.50(m,8H),6.93(m,d=8.4Hz),6.52(s,1H),6.40(m,1H),6.16(m,1H),5.78−5.84(m,1H),5.73(d,J=7.2Hz),5.45(m,1H),4.96(d,J=8.5Hz),4.61(d,J=5.0Hz,1H),4.32(d,J=8.6Hz,1H),4.17(d,J=8.6Hz,1H),3.95(d,J=7.1Hz,1H),3.80(s,3H),2.82−2.86(m,1H),2.14−2.27(m,2H),1.95−2.04(m,2H),1.95(s,3H),1.65(s,3H),1.59(s,3H),1.34(s,3H),1.26(s,3H),1.05(s,9H);
元素分析:C656325
理論値:C,59.40;H,4.83;N,5.33;及び
実測値:C,59.35H,4.86N,5.42.
(4−2)13−[(2´R,3´S)−3−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−フェニル−2−ヒドロキシプロピオニル]7,10−(ジ−3″,5″−ジニトロベンゾイル)−10−デアセチルバッカチンIII(化VIIの化合物)の製造
前記(4−1)から得られた13.1gの(2R,4S,5R)−3−t−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボニル7,10−(ジ−3″,5″−ジニトロベンゾイル)−10−デアセチルバッカチンIIIを130mLの酢酸エチルに溶解させた後、これに、60μLの37%(W/W)塩酸水溶液を添加してから室温で3時間攪拌した。有機層を20mLの重炭酸ナトリウム飽和溶液で洗浄した後、無水MgSOで乾燥させて、濾過して有機溶媒を減圧下でろ液から除去した。得られた固体を120mLのジエチルエーテルに溶解させた後、240mLのヘキサンを徐々に滴加した。その後、反応混合物を室温で3時間攪拌してから濾過によって固体を分離し、得られた固体を33mLのアセトニトリルに溶解させた後、77mLの水を徐々に滴加した。得られた反応溶液を室温で3時間攪拌した後、濾過によって溶媒を除去して標題化合物10.8g(収率91%)を得た。
融点:173℃;
23=−8.9゜(c=1,CHCl);
IR(KBr,cm−1)3543,3432,3101,2978,2900,1736,1628,1548,1494,1455,1368,1345,1269,1163,1095,1070,978,920,730,718;
H−NMR(CDCl,300MHz)δ9.27(m,1H),9.21(m,1H),9.03(m,2H),8.87(m,2H),8.15(d,J=7.5Hz,2H),7.65(m,1H),7.54(m,2H),7.40−7.43(m,5H),6.63(s,1H),6.27(m,1H),5.88(m,1H),5.80(d,J=6.9Hz,1H),5.38(d,J=9.4Hz,1H),5.28(m,1H),5.03(d,J=8.1Hz,1H),4.67(d,J=3.1Hz,1H),4.41(d,J=8.6Hz,1H),4.26(d,J=8.6Hz,1H),4.07(d,J=6.7Hz,1H),3.34(d,J=5.3Hz,1H),2.87(m,1H),2.46(s,3H),2.42(m,2H),2.01−2.05(m,3H),2.01(s,3H),1.87(s,1H),1.59(s,3H),1.39(s,3H),1.36(s,9H),1.32(s,3H);
元素分析:C575724
理論値:C,57.24;H,4.80;N,5.86;及び
実測値:C,57.21H,4.88N,5.90.
(4−3)ドセタキセルの製造
前記(4−2)から得られた6.0gの13−[(2´R,3´S)−3−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−フェニル−2−ヒドロキシプロピオニル]7,10−(ジ−3″,5″−ジニトロベンゾイル)−10−デアセチルバッカチンIIIを30mLのメタノールと6mLのモルホリンとの混合液に添加してから室温で3時間攪拌した。反応混合物に50mLの酢酸エチルを滴加してから70mLの1N塩酸を0℃で徐々に滴加した。有機層を分離して無水MgSOで乾燥させた後、濾過して有機溶媒を減圧下でろ液から除去した。残渣をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製して白色固体の標題化合物3.6g(収率90%)を得た。
融点:195℃;
23=−43.9゜(c=0.74,エタノール);
IR(KBr,cm−1)3652,3487,3367,2978,2936,2903,1711,1603,1498,1367,1267,1244,1175,1093,1071,1023,976,896,709;及び
H−NMR(CDCl,300MHz)δ8.11(d,J=7.2Hz,2H),7.61(m,1H),7.51(m,2H),7.28−7.42(m,5H),6.23(m,1H),5.69(d,J=7.0Hz,1H),5.45(d,J=9.6Hz,1H),5.29(m,1H),5.22(s,1H),4.96(m,1H),4.64(m,1H),4.33(d,J=8.4Hz,1H),4.19−4.24(m,3H),3.93(d,J=6.9Hz,1H),3.37(d,J=5.4Hz,1H),2.562.65(m,1H),2.39(s,3H),2.27−3.1(m,2H),1.82−1.91(m,1H),1.86(s,3H),1.78(s,3H),1.70(s,1H),1.54(b,1H),1.36(s,9H),1.26(s,3H),1.15(s,9H).
実施例5:ドセタキセル(式Iの化合物)の製造
(5−1)(2R,4S,5R)−3−t−ブトキシカルボニル−2−イソプロピル−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボニル7,10−(ジ−3″,5″−ジニトロベンゾイル)−10−デアセチルバッカチンIII(化VIの化合物)の製造
オキサゾリジン誘導体として(2R,4S,5R)−3−t−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン酸の代わりに実施例2から得られた(2R,4S,5R)−3−t−ブトキシカルボニル−2−イソプロピル−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン酸を用いたことを除いて実施例4の(4−1)の工程を繰り返して標題化合物6.3g(収率100%)を得た。
融点:234℃;
23=−52.9゜(c=1,CHCl);
IR(KBr,cm−1)3446,3103,2975,2901,1738,1719,1629,1599,1548,1458,1344,1269,1163,1095,1072,1004,981,920,836,729,718;
H−NMR(CDCl,300MHz)δ9.27(m,1H),9.21(m,1H),9.03(m,2H),8.76(m,2H),8.09(d,J=7.2Hz,2H),7.68(m,1H),7.54(m,2H),7.40(m,5H),6.63(s,1H),6.33(m,1H),5.88(m,1H),5.78(d,J=7.1Hz,1H),5.31(d,J=6.9Hz,1H),5.26(d,J=5.1Hz,1H),4.98(d,J=9.4Hz,1H),4.75(d,J=5.1Hz,1H),4.36(d,J=8.5Hz,1H),4.21(d,J=8.5Hz,1H),4.05(d,J=7.2Hz,1H),2.82−2.90(m,1H),2.20−2.36(m,2H),1.95−2.04(m,2H),2.09(s,3H),2.03(s,3H),1.99(s,3H),1.83(s,1H),1.40(s,9H),1.30(s,3H),1.26(s,3H),1.12(d,J=6.9Hz,3H),1.04(d,J=6.9Hz,3H);
元素分析:C616324
理論値:C,58.60H,5.08N,5.60;及び
実測値:C,58.49H,5.07N,5.68.
(5−2)
13−[(2´R,3´S)−3−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−フェニル−2−ヒドロキシプロピオニル]7,10−(ジ−3″,5″−ジニトロベンゾイル)−10−デアセチルバッカチンIII(化VIIの化合物)の製造
前記(5−1)から得られた6.3gの(2R,4S,5R)−3−t−ブトキシカルボニル−2−イソプロピル−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボニル7,10−(ジ−3″,5″−ジニトロベンゾイル)−10−デアセチルバッカチンIIIを63mLのギ酸、6.3mLのメタノール及び32mLのクロロホルムの混合液に滴加してから室温で12時間攪拌した後、ギ酸を減圧下で蒸留させて固体を得た。残渣に63mLの酢酸エチルを滴加し、有機層を60mLの重炭酸ナトリウム飽和溶液で洗浄した後、1.3gのジ−t−ブチル−ジカーボネートを滴加した。次いで、混合物を室温で12時間攪拌してから有機溶媒を減圧下で蒸留させて固体を得た。得られた固体を60mLのジエチルエーテルに溶解させた後、120mLのヘキサンを徐々に滴加してから室温で3時間攪拌して、濾過させて固体を得た。得られた固体を16mLのアセトニトリルに溶解させた後、32mLの水を徐々に滴加した。得られた溶液を室温で3時間攪拌してから濾過によって溶媒を除去して標題化合物4.2g(収率:70%)を得た。
(5−3)ドセタキセル(式Iの化合物)の製造
出発物質として前記(5−2)の化合物を用いたことを除いては、実施例4の(4−3)の工程を繰り返して標題化合物2.4g(収率:85%)を得た。
実施例6:ドセタキセル(式Iの化合物)の製造
(6−1)(2R,4S,5R)−3−t−ブトキシカルボニル−2−t−ブチル−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボニル7,10−(ジ−3″,5″−ジニトロベンゾイル)−10−デアセチルバッカチンIII(化VIの化合物)の製造
オキサゾリジン誘導体として(2R,4S,5R)−3−t−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン酸の代わりに実施例3から得られた(2R,4S,5R)−3−t−ブトキシカルボニル−2−t−ブチル−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン酸を用いたことを除いて実施例4の(4−1)の工程を繰り返して標題化合物3.2g(収率100%)を得た。
融点:235℃;
23=−6.4゜(c=1,CHCl);
IR(KBr,cm−1)3445,3105,2975,1740,1718,1628,1549,1458,1344,1269,1163,1094,1070,978,729,718;
H−NMR(CDCl3,300MHz)δ9.28(m,1H),9.21(m,1H),9.03(m,2H),8.77(m,2H),8.11(d,J=7.3Hz,2H),7.68(m,1H),7.56(m,2H),7.37−7.47(m,5H),6.65(s,1H),6.36(m,1H),5.91(m,1H),5.80(d,J=7.0Hz,1H),5.50(d,J=5.7Hz,1H),5.46(s,1H),5.03(m,2H),4.39(d,J=8.6Hz,1H),4.23(d,J=8.6Hz,1H),4.08(d,J=7.0Hz,1H),2.86−2.89(m,1H),2.23−2.41(m,2H),2.13(s,3H),2.12(s,3H),2.09−2.04(m,1H),2.00(s,3H),1.88(s,1H),1.44(s,9H),1.41(s,3H),1.32(s,3H),0.93(s,9H));
元素分析:C626524
理論値:C,58.90;H,5.18;N,5.54;及び
実測値:C,58.86H,5.23N,5.60.
(6−2)13−[(2´R,3´S)−3−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−フェニル−2−ヒドロキシプロピオニル]7,10−(ジ−3″,5″−ジニトロベンゾイル)−10−デアセチルバッカチンIII(化VII化合物)の製造
出発物質として前記(6−1)の化合物を用いたことを除いては、実施例5の(5−2)の工程を繰り返して標題化合物2.5g(収率:83%)を得た。
(6−3)ドセタキセル(式Iの化合物)の製造
出発物質として前記(6−2)の化合物を用いたことを除いては、実施例4の(4−3)の工程を繰り返して標題化合物1.5g(収率:90%)を得た。
前記実施例5及び実施例6のドセタキセルは、実施例4の方法により得られた化合物と全ての分析的及び分光学的データが同一である。
本発明によって3,5−ジニトロベンゾイルクロライドを10−デアセチルバッカチンIIIに導入することにより高い選択性で7−及び10−ヒドロキシ基を保護することができ、得られた副産物はメタノールを用いて容易に再結晶することで98%以上の純度を有する保護された7−及び10−ヒドロキシ基を有する10−デアセチルバッカチンIIIを製造することができる。
前記結果を前記反応式2〜4に言及された従来の保護基と比較すると、下記表1の通りである。
Figure 2010513267
前記表1から分かるように、本発明のドセタキセルの製造方法は既存のドセタキセル製法に比べて顕著に高い収率を示す。
以上、本発明を前記実施例により説明したが、これらの実施例によって本発明が限定されず、本発明の技術分野における通常の知識を有する者なら多様な変形及び実施できることは自明である。なお、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物も本発明の技術的範囲に属するものというべきである。

Claims (12)

  1. (i)式IIの10−デアセチルバッカチンIIIを塩基の存在下で式IIIのハロゲン化ベンゾイルと反応させて保護された7−及び10−ヒドロキシ基を有する式IVの化合物を製造する段階;
    (ii)前記式IVの化合物を縮合剤の存在下で化Vのオキサゾリジン誘導体またはその塩とカップリング反応させて化VIのオキサゾリジン側鎖を有するタキサンを製造する段階;
    (iii)前記化VIの化合物の側鎖環を有機溶媒中で酸の存在下で開環反応させて、保護された7−及び10−ヒドロキシ基を有する化VIIのドセタキセルを製造する段階;及び
    (iv)前記化VIIの化合物の7位及び10位における保護基を溶媒中で塩基を用いて除去する段階
    を含む、式Iのドセタキセルの製造方法。
    Figure 2010513267
    Figure 2010513267
    Figure 2010513267
    Figure 2010513267
    Figure 2010513267
    Figure 2010513267
    Figure 2010513267
    前記式中、
    Phはフェニル;
    Acはアセチル;
    Bzはベンゾイル;
    Bocはt−ブトキシカルボニル;
    Rは4−メトキシフェニル、イソプロピルまたはt−ブチル;
    Bは
    Figure 2010513267
    R´及びR″はそれぞれ独立に水素またはニトロ;及び
    Xはハロゲンである。
  2. 前記段階(i)において、前記式IIIのハロゲン化ベンゾイルが4−ニトロベンゾイルクロライド、3,5−ジニトロベンゾイルクロライド、または1,4−ジニトロベンゾイルクロライドである請求項1に記載のドセタキセルの製造方法。
  3. 前記段階(i)において、前記式IIIのハロゲン化ベンゾイルが10−デアセチルバッカチンIIIに対して2〜5当量の量で用いられる請求項1に記載のドセタキセルの製造方法。
  4. 前記段階(i)において、前記塩基がピリジンまたはトリエチルアミンである請求項1に記載のドセタキセルの製造方法。
  5. 前記段階(ii)において、前記縮合剤がジシクロヘキシルカルボジイミドである請求項1に記載のドセタキセルの製造方法。
  6. 前記段階(ii)において、前記活性化剤として4−ジ−メチルアミノピリジンまたはピリジンをさらに添加する請求項1に記載のドセタキセルの製造方法。
  7. 前記段階(iii)において、前記酸が、塩酸、硫酸、ギ酸またはp−トルエンスルホン酸である請求項1に記載のドセタキセルの製造方法。
  8. 前記酸が化VIの化合物に対して1〜100当量の量で用いられる請求項1に記載のドセタキセルの製造方法。
  9. 前記段階(iv)において、前記塩基がモルホリン、ジエチルアミン、アムモニア、メチルアミンまたはt−ブチルアミンである請求項1に記載のドセタキセルの製造方法。
  10. 式IVの化合物:
    Figure 2010513267
    前記式中、
    Acはアセチル;
    Bzはベンゾイル;及び
    Bは4−ニトロベンゾイル、3,5−ジニトロベンゾイルまたは2,4−ジニトロベンゾイルである。
  11. 化Vaの化合物:
    Figure 2010513267
    前記式中、
    Bocはt−ブトキシカボルニル;及び
    はイソプロピルまたはt−ブチルである。
  12. (i)溶媒中に溶解された化VIIIの(2R,3S)−3−フェニルイソセリン・ギ酸メチルエステル塩をイソブチルアルデヒド又はトリメチルアセトアルデヒドと反応させた後、ジ−t−ブチル−ジカーボネートを添加して化IXのオキサゾリジン環化合物を製造する段階;及び
    (ii)前記化IXの化合物を塩基の存在下で加水分解する段階を含む、請求項11の化Vaの化合物の製造方法:
    Figure 2010513267
    Figure 2010513267
    Figure 2010513267
    前記式中、
    Bocはt−ブトキシカルボニル;及び
    はイソプロピルまたはt−ブチルである。
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