JP2010506581A - タンパク質変異体 - Google Patents

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Abstract

細胞アッセイにおいて野生型と比較して活性が上昇し且つ安定性が増しているCTLA−4のタンパク質変異体。そのような変異体は、T細胞応答の減弱化が有益な障害の治療に有用である。
【選択図】なし

Description

本発明は、細胞アッセイにおいて野生型と比較して活性が上昇し且つ安定性が増しているCTLA−4のタンパク質変異体に関するものである。そのような変異体は、T細胞応答の減弱化が有益な障害の治療に有用である。
T細胞活性の調節は、抗原特異的且つ共刺激性のシグナルに依存している。最も重要なT細胞共刺激シグナルの1つは、CD28−CD80/86経路を介在している。CD28は大部分のT細胞上に存在し、抗原提示細胞(APC)上に存在するCD80(B7−1)及びCD86(B7−2)に結合する。CD28とB7分子との連結は、T細胞活性化シグナルを提供する。細胞障害性Tリンパ球関連抗原(CTLA)−4(CD152)は、活性型T細胞上で上方調節され、また、B7分子と相互作用してCD28活性化経路を遮断し、T細胞応答を減弱化する負のシグナルを提供する。
CTLA−4はCD28と相同性があり、その遺伝子はCD28遺伝子と同一染色体バンドにマップされる。CTLA−4は、マウス細胞障害性T細胞cDNAライブラリーのディファレンシャルスクリーニングによって同定された(非特許文献1)。ヒトCTLA−4は、Dariavachら(非特許文献2)によって最初にクローニングされた。発現は細胞外ドメインとFcドメインとの可溶性遺伝子融合体を用いて最初に報告され、この融合タンパク質はTリンパ球とBリンパ球との細胞内相互作用に依存したin vitro免疫応答の強力な阻害剤であることが示された(非特許文献3)。CTLA−4細胞外ドメインの構造は、免疫グロブリン可変ドメインに特徴的である。ヒトCTLA−4前駆体配列は、スイスプロット主要受託番号:P16410によって特定されている。
CTLA−4は、T細胞応答の負の調節に重要であると考えられる(非特許文献4)。CTLA−4の封鎖は阻害シグナルを取り除くことがわかっており、一方、CTLA−4の凝集はT細胞応答を下方調節する阻害シグナルを提供することがわかっている(非特許文献5)。B7分子はCD28よりもCTLA−4に対して高親和性があり(非特許文献3)、B7−1及びB7−2はCTLA−4分子の異なる領域に結合し、CTLA−4に対する結合動態が異なることがわかっている(非特許文献6)。
B7:CD28/CTLA−4共刺激経路の重要性は、in vitroで及びいくつかのin vivoモデル系で実証されている。この共刺激経路の封鎖により、マウス及びヒトの系において抗原特異的寛容を発生させる(非特許文献7〜非特許文献11)。反対に、B7陰性マウス腫瘍細胞によるB7の発現は、腫瘍の攻撃に対する腫瘍拒絶及び長期防御を伴うT細胞介在性特異的免疫を誘導する(非特許文献12〜非特許文献14)。したがって、共刺激経路の操作は、ヒトにおいて免疫応答を刺激又は抑制するための大きな可能性を提供する。
CTLA−4の活性化は、例えば、T細胞へ負のシグナルを伝達する。CTLA−4の連結は、IL−2産生を阻害し、細胞周期の停止を誘導することができる(非特許文献15)。更に、CTLA−4欠損マウスは、リンパ球増殖性疾患を発症する(非特許文献16;非特許文献4)。抗体によるCTLA−4の封鎖は阻害シグナルを除去することができるが、CTLA−4と抗体との凝集は阻害シグナルを伝達する。
CTLA−4−Ig(アバタセプト、オレンシア)は、IgG1のFcに融合したCTLA−4の細胞外ドメインであり、得られる可溶性タンパク質は分子量およそ92kDaの2量体である。これは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(BMS)によって関節リウマチ(RA)に対して開発されたものであり、RA、多発性硬化症(MS)、及び全身性エリテマトーデス(SLE)を含めた各種免疫障害を治療する可能性を有している。アバタセプトはそのCDR3様ドメイン中にアミノ酸のヘキサペプチドモチーフMYPPPYを含有し、このモチーフはCD28とCTLA−4とのあいだで共有されており、B7リガンドへの結合に必要である。このモチーフの最初のチロシン(Y)をアラニン(A)に突然変異させることにより、CD80への結合を廃するが、CD86への結合も低下させ、一方、フェニルアラニン(F)への置換はCD80に対する完全な親和性保持を可能にし、CD86への結合を完全に喪失する(非特許文献17)。CDR3様領域及びCDR1様領域における残基もアバタセプトとそのリガンドとの相互作用に重要である。したがって、104位のロイシン(L)の代わりにグルタミン酸(E)を、29位のアラニン(A)の代わりにチロシン(Y)を有する突然変異分子は、アバタセプトよりも、CD80(B7−1)に対しておよそ2倍大きい結合親和性を、CD86(B7−2)に対しておよそ4倍大きい結合親和性を発揮する。この化合物LEA−29Y(ベラタセプト)は、BMSによって移植のための免疫抑制剤として開発されたものである(非特許文献18)。
CTLA−4を切り離すリーダー配列は、文献にも公共のデータベースにも規定されていない。したがって、少なくとも2種の異なる番号付けシステムが可能である。CTLA−4配列は、とりわけAlaを1位から(特許文献1)又はMetを1位から開始することができる(非特許文献18)。例えば、上で参照した番号付けは、ベラタセプトに関してMetを1位に特定する。文脈が他に明確に指示しない限り、本明細書において用いる番号付けシステムは、1位がAla、2位がMetのものである。
更なるCTLA−4産物がCTLA−4免疫グロブリン融合タンパク質の形態で存在する(特許文献2;レプリゲン社)。このCTLA−4−Cγ4産物は、可溶性型CTLA−4を作製するために免疫グロブリンの一部に融合させた天然CTLA−4で構成される遺伝子操作された融合タンパク質である。ヒンジ領域並びにCH2ドメイン及びCH3ドメインを含む免疫グロブリン定常領域は、少なくとも1個のアミノ酸残基の置換、付加、又は欠失によって修飾され、補体活性化又はFc受容体相互作用を軽減させる。
米国特許第5,434,131号明細書 米国特許第6,750,334号明細書 国際公開第92/01047号パンフレット
Brunetら、1987、Nature 328:267−270 Dariavachら、Eur.J.Immunol.1988、18(12):1901−5 Linsleyら、J.Exp.Med.1991、174:561−569 Waterhouseら、1995、Science 270:985 Allison及びKrummel、1995、Science 270:932 Linsleyら、1994、Immunity 1:793 Hardingら、1992、Nature 356:607−609 Lenschowら、1992、Science 257:789−792 Turkaら、1992、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:11102−11105 Gimmiら、1993、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6586−6590 Boussiotisら、1993、J.Exp.Med.178:1753−1763 Chenら、1992、Cell 71:1093−1102 Townsend及びAllison、1993、Science 259:368−370 Baskarら、1993、Proc.Natl.Acad.Sci.90:5687−5690 Krummel及びAllison、1996、J.Exp.Med 183:2533 Tivolら、1995、Immunity 3:541 Harrisら、J.Exp.Med.1997、185:177−182 Larsenら、Am.J.Transplantation、2005、5:443−453 『分子クローニング:実験室マニュアル』:第3版、Sambrook及びRussell、2001、コールドスプリングハーバー研究所出版 『分子生物学の最新プロトコール』、Ausubelら編、John Wiley&Sons、1992 Lowe D及びJermutus L、2004、Curr.Pharm.Biotech.517−27 Hanesら、Meth.Enzymol.2000、328:404 Stamperら、2001、Nature 410:608−611 Dupratら、2004、Recent Res.Devel.Human Genet.2:111−136 Foote及びWinter、1992、J.Mol.Biol.224:487−499 Peachら、1994、J Exp Med 180:2049−2058 Martin及びThornton、1996、J.Mol.Biol 263:800−815 Jermutusら、2001
本発明は、効力及び/又は安定性が増加したCTLA−4の変異体、並びにそのような分子の作製方法を提供するものである。これらの変異体は、治療的処置及びCTLA−4由来産物の製剤に関し、有効性を増大させる。例えば、より強力なCTLA−4変異体は、有効用量を減少させるであろう。より安定なCTLA−4変異体は、静脈内注入よりもむしろ皮下投薬用の製剤を可能にし、患者の利便性を改善するであろう。
適宜設計された選択技術及び細胞アッセイを利用することによって、本発明者らは、野生型CTLA−4と比較して効力又は安定性が増加したCTLA−4タンパク質変異体を開発した。更に、B7−1分子と相互作用するCTLA−4変異体のモデリングにより、効力に影響を及ぼす主要な残基位置の同定を可能にした。
図1は、Jurkat細胞(100,000細胞/ウェル)及びRaji細胞(100,000細胞/ウェル)からのIL−2産生の、CTLA−4野生型(WT)及び変異体による阻害を示す。
図2は、B7−2を抗B7−2抗体でブロックすることにより、WT及び変異体とB7−1受容体との相互作用のみを可能にするB7−1の相互作用を測定するアッセイにおける、WT及び変異体の相対効力を示す。バー1〜3は、それぞれ2nM、1nM、及び0.5nMのWT CTLA−4を示す。バー4〜6は、それぞれ2nM、1nM、及び0.5nMの変異体A06を示す。バー7〜9は、それぞれ2nM、1nM、及び0.5nMの変異体B06を示す。バー10〜12は、それぞれ2nM、1nM、及び0.5nM変異体C06を示す。バー13〜15は、それぞれ2nM、1nM、及び0.5nMの変異体D06を示す。 図3は、B7−1を抗B7−1抗体でブロックすることにより、WT及び変異体とB7−2受容体との相互作用のみを可能にするB7−2の相互作用を測定するアッセイにおける、WT及び変異体の相対的効力を示す。バー1〜3は、それぞれ2nM、1nM、及び0.5nMのWT CTLA−4を示す。バー4〜6は、それぞれ2nM、1nM、及び0.5nMの変異体A06を示す。バー7〜9は、それぞれ2nM、1nM、及び0.5nMの変異体B06を示す。バー10〜12は、それぞれ2nM、1nM、及び0.5nMの変異体C06を示す。バー13〜15は、それぞれ2nM、1nM、及び0.5nMの変異体D06を示す。 図4は、B7−1と相互作用するCTLA−4変異体D06の相同性モデルを示す。B7−1の画像は中間色のグレーであり、残基Arg97は中間色のグレーの球体として強調されている。CTLA−4及び変異体のリボンは薄いグレーで示されている。変異体D06中の変異残基は黒い球体(Pro26、Leu71、及びGlu94)及び濃いグレーの球体(Ser17、Ser28、及びSer59)として強調され、太字で標識されている。CTLA−4の1つの残基(Lys94)は薄いグレーの球体として示されている。 図5は、CTLA−4変異体D06のアミノ酸配列及びV様ドメイン抗体バーニア残基に関するIMGT IgSF番号付けのアラインメントを示す。CTLA−4における変異は黒四角に白文字で強調されている。バーニア残基は黒四角に白文字のVで強調されている。
本発明による好ましいCTLA−4変異体は、本明細書において同定されるような突然変異セットを含む。本明細書において同定される位置の番号付けシステムは、ヒト野生型CTLA−4配列に適用すると、1位がAlaであり、2位がMetであり、配列番号8に示すようなものとなるシステムである。ヒト野生型CTLA−4配列を参照することにより、この番号付けシステムを、本発明のCTLA−4変異体及びベラタセプトなどの公知のCTLA−4変異体を含めた他のCTLA−4ポリペプチドに適用することができる。
したがって、第1の側面では、本発明は、ヒト野生型CTLA−4のアミノ酸配列(配列番号8)において2カ所以上の以下の位置:17位、26位、28位、29位、43位、46位、49位、54位、59位、61位、62位、66位、70位、71位、81位、86位、及び94位に突然変異を有するCTLA−4変異体を提供するものであり、CTLA−4変異体は、前記位置にヒト野生型CTLA−4のアミノ酸(配列番号8)を有するCTLA−4ポリペプチドと比較して改善された効力及び/又は改善された安定性を有し、改善された効力とは、B細胞によって活性化されたT細胞を用いたIL−2産生アッセイにおいてIC50が少なくとも2倍低下することであり、改善された安定性とは、10mM DTT存在下におけるB7−1又はB7−2への結合シグナルを、DTT非存在下におけるB7−1又はB7−2への結合シグナルで割り、100を掛けたものとして計算される残留結合が少なくとも10%であることである。
以下により詳細に記載するように、本発明による特定のCTLA−4変異体は、B7−1及びB7−2へ結合することが示されており、T細胞活性化を測定するアッセイにおいて高い効力を有する。CTLA−4変異体は、リガンドB7−1及びB7−2をブロックし、それにより、B7−1及びB7−2からの更なる活性化シグナルを妨げ、IL−2産生を低下させる。
薬物の効力は、効果を生ずるのに必要とされる量で表される薬物活性の大きさである。典型的には、変異体の滴定を細胞アッセイで比較し、IC50値を報告する。機能性アッセイでは、IC50は、生物学的反応を最大値の50%まで低下させる結合部の濃度である。IC50は、最大生物学的反応の%を結合部濃度のlog関数としてプロットし、Prism(GraphPad)などのソフトウェアプログラムを用いてデータにシグモイド関数を適応し、IC50値を生ずることにより計算することができる。IC50値が低いほど薬物はより強力である。
CTLA−4変異体は、前記位置にヒト野生型CTLA−4のアミノ酸(配列番号8)を有するCTLA−4ポリペプチドと比較して、IL−2産生を阻害することに多くを必要とされないほど効力が増加しているものとして記載することができる。これは、報告したIC50値にも反映されている。好ましいCTLA−4変異体は、ヒト野生型CTLA−4(配列番号8)と比較して効力が増加している。
CTLA−4のB7−1及びB7−2への結合はIL−2産生を減弱化させるため、CTLA−4変異体の結合は、例えばIL−2産生を介して測定することができる。好適なアッセイは、産生されたIL−2量を、例えばELISAによって検出することを含むことができる。
IL−2産生量の低下は、部分的でも全体的でもあり得る。特定の態様では、試験した濃度においてIL−2産生を少なくとも50%、75%、又は80%、より好ましくは少なくとも85%、90%、又は95%まで低下させるCTLA−4変異体が提供される。CTLA−4変異体の効力は、熟練した者に公知の及び/又は本明細書に記載若しくは参照するような1以上のアッセイを用いて決定又は測定することができる。
効力が改善された本発明のCTLA−4変異体は、B細胞によって活性化されたT細胞を用いるIL−2産生のアッセイにおいて、前記位置にヒト野生型CTLA−4のアミノ酸(配列番号8)を有するCTLA−4ポリペプチドと比較して、IC50が少なくとも2倍、好ましくは少なくとも5倍、より好ましくは少なくとも10倍、最も好ましくは少なくとも20倍低下し得る。好適なアッセイを本明細書に更に記載する。
安定性は、一般に、分子が折り畳まれて活性状態のままにある傾向として定義することができる。天然分子は、代謝、しばしば早い代謝が体内における内因性作用メカニズムの主要な特徴であるため、通常安定性が限られている。
通常、折り畳まれた天然構造にある安定なタンパク質は、プロテアーゼ又は他のメカニズムによって分解されることができない。通常、タンパク質が体内から排泄されるのは、安定状態からの2つの主要な離脱経路によるものである。これら2つはアンフォールディング及び凝集である。これらは通常連係している。アンフォールディングは、折り畳まれた活性分子をほとんど折り畳まれていない状態に戻す経路である。凝集は誤った折り畳みの結果であり、分子が不可逆的に非活性状態になる。アンフォールディング及び凝集はともにタンパク質分解又は他の消化に対するタンパク質の感受性を顕著に増加させる。本発明において、本発明者らは、得られる実体がより安定となるようにCTLA−4のフォールディング及びアンフォールディング経路を修飾した。
本発明の更なる側面によれば、前記位置にヒト野生型CTLA−4のアミノ酸(配列番号8)を有するCTLA−4ポリペプチドと比較して安定性が改善されたCTLA−4変異体が提供される。好ましいCTLA−4変異体は、ヒト野生型CTLA−4(配列番号8)と比較して安定性が増加している。
本発明の状況において採用する安定性の程度は、ラジオイムノアッセイ(RIA)で測定されるような、ジチオスレイトール(DTT)、例えば10mM DTT存在下におけるCTLA−4変異体のB7−1又はB7−2への結合能と、同一ラジオイムノアッセイでDTT非存在下におけるCTLA−4変異体のB7−1又はB7−2への結合能との比として表すことができる。DTT非存在下及び存在下におけるCTLA−4変異体のB7−1への相対結合の比較は、安定性の指標を提供する。結合を%値として測定する場合、%値が大きいほどCTLA−4変異体の安定性が大きい。
前記位置にヒト野生型CTLA−4のアミノ酸(配列番号8)を有するCTLA−4ポリペプチドと比較して、本発明のCTLA−4変異体は、少なくとも約10%、20%、30%、又は40%、より好ましくは少なくとも約50%、60%、70%、75%、又は80%のそのような%値を有することができる。本発明のCTLA−4変異体は、ヒト野生型CTLA−4(配列番号8)と比較してそのような%値を有することが好ましい。
安定性が改善された変異体は、以下に記載の実験において同定される。例えば、DTT存在下及び非存在下におけるB7−1結合によって決定される%値を野生型CTLA−4(0%)及び3種の変異体(11%〜75%の範囲)に関して提供する表1を参照されたい。
安定性が改善された変異体は、一般に、下流のプロセシングにおいてより高い発現及びより高い収率を提供し、商品原価を改善する。更に、安定性が改善されたCTLA−4変異体は保存期間を改善する。より長い保存期間は商品原価にも影響を及ぼすため有益である。
安定性が改善されたCTLA−4変異体は、より長い半減期から生ずる、増加した有効性を体内で有することができる。更に、安定性が改善されたCTLA−4変異体は、凝集の減少により、皮下投与などの投与経路により適しているかもしれない。これは有効性を増加させるだけでなく、中和抗体又は結合抗体が生ずる危険性を低下させる。
本発明によるCTLA−4変異体は、親CTLA−4ポリペプチドと比較して1以上の追加の変化を含有することができる。親は、野生型若しくは天然タンパク質であるか、又は1個以上の野生型とは異なるアミノ酸配列を含有する突然変異体若しくは変異体であり得る。野生型と比較して特性が修飾された、CTLA−4タンパク質の多くの異なる突然変異体及び変異体が(天然に生ずる突然変異体及び人工的に作製された変異体ともに)公知である。1以上のこれらの特性は、本発明によるCTLA−4変異体において保持されるか又は提供されることができる。本発明にしたがい更に変化させることができる好ましいCTLA−4変異体は、ベラタセプトである(非特許文献18)。例えば本発明によるCTLA−4変異体は、1カ所以上の前記位置に突然変異を有するベラタセプトの変異体を含むことできる。ベラタセプトの配列を配列番号9として以下に提示する。
本発明によって提供される好ましい変異体には、前記位置のいずれか1カ所に提供される残基が、以下の表:
に特定されるものから選択されるいずれかが含まれる。
本発明によって提供される好ましい変異体には、26位に提供される残基がY以外であり、及び/又は28位に提供される残基がL以外であり、及び/又は29位に提供される残基がF以外であるいずれかが含まれる。したがって、本発明による好ましい変異体は、突然変異S26Y、G28L、及び/又はK29F以外のものを有することができる。本発明によって提供される好ましい変異体には、17位、26位、28位、29位、43位、46位、49位、54位、59位、61位、62位、66位、70位、71位、81位、86位、及び/又は94位のいずれかに提供される残基が、CD28に由来する残基に対応する残基以外であるいずれかが含まれる。
本発明のCTLA−4変異体は、親CTLA−4ポリペプチドに対して10個以下、好ましくは5個、6個、7個、又は8個の置換を有する配列を含むことができる。親CTLA−4ポリペプチドは、配列番号8のアミノ酸配列を有するヒト野生型CTLA−4であるか、又はベラタセプトのようなその突然変異体若しくは変異体であり得る。親CTLA−4ポリペプチドは、17位、26位、28位、29位、43位、46位、49位、54位、59位、61位、62位、66位、70位、71位、81位、86位、及び94位のそれぞれにヒト野生型CTLA−4のアミノ酸(配列番号8)を有する、ヒト野生型CTLA−4の突然変異体若しくは変異体であり得る。
したがって、本発明のCTLA−4変異体は、親CTLA−4ポリペプチドに対して個々の数の置換を有することができ、それにより、ヒト野生型CTLA−4又はベラタセプトのような親CTLA−4ポリペプチドと比較して改善された効力及び/又は安定性を有する。
より好ましくは、本発明のCTLA−4変異体は、以下の突然変異セット:
から成る群より選択される置換を含む。
本発明にしたがう更に好ましいCTLA−4変異体は、配列番号1、2、3、4、5、6、及び7から選択されるアミノ酸配列を有する。
効力が改善された本発明のCTLA−4変異体は、ヒト野生型CTLA−4のアミノ酸配列(配列番号8)において1カ所以上の以下の位置:17位、26位、28位、29位、54位、59位、66位、70位、71位、86位、及び94位に突然変異を有することができる。
好ましくは、効力が改善されたCTLA−4変異体は、17位、26位、28位、29位、54位、59位、66位、70位、71位、86位、及び94位のいずれか1カ所に提供される、以下の表:
に特定されるものから選択される残基を有する。
残基26がPであり、残基59がSであり、残基71がF又はLであり、そして残基94がEであるCTLA−4変異体は、配列番号8のアミノ酸配列を有するヒト野生型CTLA−4より、B7−1及びB7−2に対して大きい効力を発揮する傾向があった。したがって、本発明のCTLA−4タンパク質変異体は、残基26がPであり、残基59がSであり、残基71がF又はLであり、そして残基94がEであるアミノ酸配列を含むことが好ましい。
本発明にしたがい改善された効力を示す更に好ましいCTLA−4変異体は、配列番号1、2、3、及び4から選択されるアミノ酸配列を有する。
安定性が改善された本発明のCTLA−4変異体は、ヒト野生型CTLA−4のアミノ酸配列(配列番号8)において1カ所以上の以下の位置:17位、26位、43位、46位、49位、59位、61位、62位、71位、81位、及び94位に突然変異を有することができる。
好ましくは、安定性が改善されたCTLA−4変異体は、17位、26位、43位、46位、49位、59位、61位、62位、71位、81位、及び94位のいずれか1カ所に提供される、以下の表:
に特定されるものから選択される残基を有する。
残基26がPであり、残基59がSであり、残基71がFであり、そして残基94がEであるCTLA−4変異体は、本明細書において更に記載するように、より大きい安定性を発揮する傾向があった。したがって、本発明のCTLA−4タンパク質変異体は、残基26がPであり、残基59がSであり、残基71がFであり、そして残基94がEであるアミノ酸配列を含むことが好ましい。
本発明にしたがい改善された安定性を示す更に好ましいCTLA−4変異体は、配列番号5、6、及び7から選択されるアミノ酸配列を有する。
好ましいCTLA−4変異体は、CTLA−4の1以上のCDRループの構造及び/又は方向に影響を及ぼす位置に1個以上の(例えば1個、2個、3個、4個、5個、10個、又はそれより多い)突然変異を有することができる。そのような突然変異には、アミノ酸置換を含めることができる。
CTLA−4の1以上のCDRループの構造及び/又は方向に影響を及ぼす位置における突然変異は、CTLA−4とB7分子とのあいだの結合相互作用を変更し、それにより、CTLA−4変異体の効力をヒト野生型CTLA−4と比較して変更、特に改善すると考えられる。特に好ましいのは、CTLA−4の1以上のCDRループの構造及び/又は方向に影響を及ぼす位置における突然変異が、B7分子との適合性を改善するためのCDR3ループの変更;エネルギー的に好ましくない側鎖の除去;及びCTLA−4とB7分子とのあいだの全体的な電荷相補性増加から選択されるメカニズムによって、少なくとも部分的に、効力を改善するものである変異体である。
1以上のCDRループの構造及び/又は方向に影響を及ぼす位置は、バーニア位置として同定される位置であり得る。CTLA−4におけるバーニア位置及びバーニア位置の同定方法を本明細書に更に記載する。
好ましいCTLA−4変異体は、野生型ヒトCTLA−4と比較して、図5に示すバーニア位置に2個以上のアミノ酸置換を有する。図5のアラインメントを参照してわかるように、バーニア残基は、CTLA−4のヒト野生型アミノ酸配列(配列番号8)の以下の位置;IMGT IgSF番号付けシステムによる対応位置番号を括弧内に示す:3(3)、17(18)、26(28)、27(29)、28(30)、29(31)、47(52)、48(53)、49(54)、67(76)、69(78)、71(80)、76(87)、94(105)、95(106)、106(118)に推定される。好ましいCTLA−4変異体は、以下の:26(28)、28(30)、71(80)、及び94(105)から選択されるバーニア位置に1個以上のアミノ酸置換を有する。以下の実施例5で更に説明するように、これら4カ所のバーニア位置は、ヒト野生型CTLA−4と比較して効力が改善されたCTLA−4変異体において突然変異した位置でもあった。特に好ましいCTLA−4変異体は、S26P、G28S、S71L、及びK94Eから成る群より選択される1個以上のアミノ酸置換を有する。
CTLA−4の1以上のCDRループの構造及び/又は方向に影響を及ぼす位置に突然変異を有する変異体は、本明細書に記載の突然変異を含めた1個以上の追加の突然変異を更に含む。
本明細書に開示の突然変異セット群のそれぞれは、特定された突然変異セット群から成る突然変異セットを有するCTLA−4変異体内に含まれることができる。これら突然変異セット群のそれぞれは、特定された突然変異セット及び1個以上の追加の突然変異、特に本明細書に開示の1個以上の突然変異を好ましい突然変異として含むCTLA−4変異体内に含まれることができる。
本発明によるポリペプチドは、例えばコードする核酸からの発現による産生後、(例えば抗体を用いて)単離し及び/又は精製することができる(これに関しては以下を参照されたい)。したがって、ポリペプチドは、汚染物質を全く含まないか実質的に含まずに提供することができる。ポリペプチドは、他のポリペプチドを含まないか実質的に全く含まずに提供することができる。単離及び/又は精製されたポリペプチドは、少なくとも1種の追加成分を含めることができる組成物、例えば医薬的に許容可能な賦形剤、ビヒクル、又は担体を含めた医薬組成物の製剤に用いることができる。本発明によるポリペプチドを含めた組成物は、以下で考察するように予防的処置及び/又は治療的処置に用いることができる。
本発明によるポリペプチドを作製する簡便な方法は、発現系における核酸の使用により、それをコードする核酸を発現させることである。したがって、本発明は、(開示のような)ポリペプチドの作製方法も包含するものであり、前記方法には、ポリペプチドをコードする核酸(一般に本発明による核酸)からの発現が含まれる。これは、ポリペプチドの発現を引き起こすか又は可能にする適切な条件下、培養物内でそのようなベクターを含有する宿主細胞を増殖させることによって簡便に達成することができる。ポリペプチドは、網状赤血球溶血液などのin vitro系で発現させることもできる。
各種の異なる宿主細胞におけるポリペプチドのクローニング系及び発現系は周知である。好適宿主細胞には、細菌、哺乳動物及び酵母などの真核細胞、及びバキュロウイルス系が含まれる。異種ポリペプチドの発現のために当該技術分野において利用可能な哺乳動物細胞株には、チャイニーズハムスター卵巣細胞、HeLa細胞、仔ハムスター腎細胞、COS細胞、及び他の多くのものが含まれる。一般的に好ましい細菌宿主は大腸菌である。プロモーター配列、ターミネーター断片、ポリアデニル化配列、エンハンサー配列、マーカー遺伝子、及び必要に応じて他の配列を含めた適切な調節配列を含有する好適なベクターを選択し、又は構築することができる。ベクターは、必要に応じてプラスミド、ウイルス、例えばファージ又はファージミドであり得る。更に詳細については、例えば非特許文献19を参照されたい。核酸操作、例えば、核酸構築体の調製、突然変異誘発、配列決定、DNAの細胞への導入、及び遺伝子発現、並びにタンパク質解析に関する多くの公知技術及びプロトコールは、非特許文献20に詳細に記載されている。
本発明のポリペプチドをコードする核酸は、本発明の更なる側面として提供される。
一般に、本発明による核酸は単離型及び/又は精製型の単離物として提供され、汚染物質を全く含まないか実質的に含まない。核酸は、全体的に又は部分的に合成物であっても、ゲノムDNA、cDNA、又はRNAを含んでいてもよい。
核酸は複製可能ベクターの一部として提供することができ、また、本発明によって提供されるのは、本発明のCTLA−4変異体をコードする核酸を含めたベクター、特にコードされたポリペプチドを適切な条件下で発現できる発現ベクター、及びそのようなベクター又は核酸を含有する宿主細胞である。このような状況における発現ベクターは、目的ポリペプチドをコードする核酸、及びin vitro発現系、例えば網状赤血球溶血液において、あるいはin vivo発現系、例えばCOS細胞若しくはCHO細胞などの真核細胞又は大腸菌などの原核細胞においてポリペプチドを発現させるための適切な調節配列を含めた核酸分子である。
本発明の更なる側面は、本明細書に開示のような核酸を含有する宿主細胞を提供するものである。本発明の核酸は、宿主細胞のゲノム(例えば染色体)に組み込むことができる。組み込みは、標準技術にしたがってゲノムとの組換えを促進する配列を含めることにより促進させることができる。核酸は、細胞内の染色体外ベクター上に存在することができる。
更なる側面は、核酸を宿主細胞へ導入することを含めた方法を提供するものである。導入は、(特にin vitro導入に関して)一般に、限定されるものではないが「形質転換」又は「トランスフェクション」と称するものであり得るが、利用可能な技術のいずれかを用いることができる。真核細胞では、好適技術には、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン法、エレクトロポレーション、リポソーム介在トランスフェクション、及びレトロウイルス又は他のウイルス、例えばワクシニアウイルス若しくは昆虫細胞であればバキュロウイルスを用いた形質導入を含めることができる。細菌細胞では、好適技術には、リン酸カルシウム形質転換法、エレクトロポレーション、及びバクテリオファージを用いたトランスフェクションを含めることができる。
当該技術分野において周知のように、目的核酸含有クローンを同定する上で、抗生物質耐性遺伝子又は感受性遺伝子などのマーカー遺伝子を用いることができる。
導入後、例えば宿主細胞(細胞は形質転換細胞の子孫である可能性が高いが、実際に形質転換された細胞を含んでいてもよい)を遺伝子発現条件下で培養することによって、核酸からの発現を引き起こすか又は可能にすることができ、それによりコードされたポリペプチドが産生される。ポリペプチドが適切なシグナルリーダーペプチドとカップリングして発現される場合、細胞から培地へ分泌され得る。発現による産生後、ポリペプチドは、宿主細胞及び/又は培地から単離し及び/又は精製することができ、場合によっては、その後、要望通り、例えば、1種以上の医薬的に許容可能な賦形剤、ビヒクル、又は担体(例えば以下を参照されたい)を含めた医薬組成物のように、1種以上の追加成分を含んでいてもよい組成物の製剤に用いることができる。
それぞれ及び全ての本明細書に開示の変異体は、コードしている核酸、そのような核酸を含むベクター、そのようなベクターを含む宿主細胞、変異体を含む組成物、ヒト又は動物の身体の治療方法に使用するための本発明の変異体、関節リウマチ、多発性硬化症、及び/又は全身性エリテマトーデスを治療するための医薬の製造における変異体の使用、変異体及び他の組成物の作製方法、本明細書に開示のような方法及び使用がそうであるように、本発明の側面を表す。
さらに、親タンパク質と比較して又は野生型若しくは天然タンパク質と比較して2個以上の追加の変化を含有する本発明によるCTLA−4変異体は、1個以上の突然変異の相乗的組み合わせに起因する増加した効力又は安定性を示すことができる。
発現によるCTLA−4変異体の産生後、その活性、例えばそのB7−1又はB7−2への結合能を日常的に試験することができる。
本発明の更なる側面によれば、親CTLA−4ポリペプチドと比較して効力及び/又は安定性が改善されたCTLA−4変異体の作製方法が提供され、前記方法は:
コードする核酸からの発現により、ヒト野生型CTLA−4のアミノ酸配列(配列番号8)における2カ所以上の以下の位置:17位、26位、28位、29位、43位、46位、49位、54位、59位、61位、62位、66位、70位、71位、81位、86位、及び94位に親CTLA−4ポリペプチドと比較して突然変異を有するCTLA−4変異体を作製し;そして
親CTLA−4ポリペプチドと比較して改善された効力及び/又は安定性に関してCTLA−4変異体を試験する、
ことを含む。
CTLA−4変異体は、本明細書に開示の突然変異セットを1個以上の追加の突然変異とともに含有することができる。そのような追加の突然変異は、保存的置換を含むことができる。「保存的置換」とは、第1のアミノ酸残基を第2の異なるアミノ酸残基に置換することを意味し、ここで、第1及び第2のアミノ酸残基は類似の生物物理学的特徴を有する側鎖を有する。類似の生物物理学的特徴には、疎水性、電荷、極性、又は水素結合を提供又は受容する能力が含まれる。保存的置換の例には、セリンをスレオニン又はトリプトファンへ、グルタミンをアスパラギンへ、リジンをアルギニンへ、アラニンをバリンへ、アスパラギン酸をグルタミン酸へ、バリンをイソロイシンへ、アスパラギンをセリンへ変化させることが含まれる。
そのような方法は、場合により、CTLA−4変異体を単離及び/又は精製することを、その産生後で試験前に含めることができる。
本方法を実施する者は、親又は出発CTLA−4ポリペプチドのアミノ酸配列を変更することによって、例えば考察されるような1個以上のアミノ酸の置換及び/又は挿入によって、CTLA−4変異体を準備する先行工程を更に実施することができる。各種の異なるCTLA−4変異体を準備し、例えば、さまざまなCTLA−4変異体から本発明にしたがって所望される特性を有する1種以上のCTLA−4変異体を同定するために、所望の活性について試験することができる。通常、CTLA−4のアミノ酸配列の変更は、CTLA−4をコードする核酸のコード配列を変更することによってなされるであろう。1個以上のヌクレオチドを変更して、1個以上のコドン及びこれによりコードされたアミノ酸を変更することができる。本明細書のいずれかに記載のように、そして当該技術分野に熟練した者に明らかなように、CTLA−4ポリペプチドのコード配列及びこれによりコードされたアミノ酸配列を変化させるために、突然変異誘発のための好適技術、特に定方向突然変異誘発又は部位特異的突然変異誘発を使用することができる。
本発明の更なる側面は、親CTLA−4ポリペプチドと比較して効力及び/又は安定性が改善されたCTLA−4変異体の同定方法又は入手方法を提供するものであり、前記方法は:
親CTLA−4ポリペプチドをコードする核酸を突然変異させて、ヒト野生型CTLA−4のアミノ酸配列(配列番号8)における2カ所以上の以下の位置:17位、26位、28位、29位、43位、46位、49位、54位、59位、61位、62位、66位、70位、71位、81位、86位、及び94位に変更されたアミノ酸配列を有する1種以上のCTLA−4変異体をコードする配列を有する1種以上の核酸を準備し;
核酸を発現させてCTLA−4変異体を産生し;
親CTLA−4ポリペプチドと比較して改善された効力及び/又は安定性に関し、産生されたCTLA−4変異体を試験する、
ことを含む。
CTLA−4変異体のライブラリー又は多様集団を作製し、所望の能力に関して試験することができる。
突然変異を受けるCTLA−4ポリペプチドは、本明細書に開示の突然変異セットを含むことができ、配列番号1、2、3、4、5、6、及び7から選択されるアミノ酸配列を有することができる。突然変異を受けるCTLA−4ポリペプチドは、配列番号8及び9から選択されるアミノ酸配列を有することができる。
ライブラリー又は多様集団からの選択は、ファージディスプレイ及び/又はリボソームディスプレイなどのディスプレイシステムを使用することができる(概説として、非特許文献21;特許文献3を参照されたい)。安定性が改善された変異体の選択は、例えば本明細書に開示のように、変異体をDTT存在下及び非存在下で作製する場合の結合又は他の活性指標の比較を含むことができる。
所望の特性を有する1種以上のCTLA−4変異体を同定し又は選択することができる。
本発明のCTLA−4変異体を同定し又は入手した後、単離型及び/又は精製型で提供することができ、要望通りに使用することができ、そして医薬的に許容可能な賦形剤又は担体などの少なくとも1種の追加成分を含む組成物に製剤化することができる。CTLA−4変異体をコードする核酸を用いて、その後の使用ための変異体を作製することができる。上述のとおり、そのような核酸は例えば最初に提供されたライブラリー又は多様集団から単離することができ、そしてそこからCTLA−4変異体を作製し、同定した。
本発明の更なる側面によれば、親CTLA−4ポリペプチドと比較して効力が改善されたCTLA−4変異体の作製方法が提供され、前記方法は:
親CTLA−4ポリペプチドの1以上のCDRループの構造及び/又は方向に影響を及ぼす2カ所以上のバーニア位置を同定し;そして
2カ所以上のバーニア位置に、親CTLA−4ポリペプチドと比較してCTLA−4変異体のB7分子への結合能を高める突然変異を提供する、
ことを含む。バーニア位置は、好ましくは、ヒト野生型CTLA−4のアミノ酸配列(配列番号8)における以下の位置:26位、28位、71位、及び94位から選択することができる。親CTLA−4ポリペプチドは、配列番号8のアミノ酸配列を有するヒト野生型CTLA−4であるか、又はその突然変異体若しくは変異体であり得る。親CTLA−4ポリペプチドは配列番号9のアミノ酸配列を有していてもよい。
本発明によるCTLA−4変異体は、対象のヒト又は動物の身体、好ましくはヒトの診断方法又は治療方法に用いることができる。
したがって、治療方法は、提供されるようなCTLA−4変異体の投与を含むことができ、医薬組成物はそのようなCTLA−4変異体を含み、そして投与用医薬の製造におけるそのようなCTLA−4変異体の使用、例えば医薬又は医薬組成物の作製方法における使用は、CTLA−4変異体を医薬的に許容可能な賦形剤とともに製剤化することを含む。
CTLA−4変異体を用いて治療的恩恵を提供し得る臨床的適応には、関節リウマチ、多発性硬化症、及び全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患、並びに移植が含まれる。
CTLA−4変異体は、好ましくは個体に恩恵を示すのに十分な「予防的有効量」又は「治療的有効量」(場合により、予防は療法と見なされ得るが)で投与することにより、個体に与えることができる。実際の投与量、並びに投与速度及び経時的投与は、処置されるものの性質及び重篤度に依存するであろう。処置の処方、例えば投薬量の決定などは、一般開業医及び他の医師の責任の範囲内である。
組成物は、単独投与しても、処置すべき状態に応じて同時に又は連続的に他の処置と組み合わせてもよい。
本発明による医薬組成物、及び本発明にしたがった使用のための医薬組成物には、活性成分に加えて、医薬的に許容可能な賦形剤、担体、緩衝剤、安定剤、又は当該技術分野に熟練した者に周知の他の物質を含めることができる。そのような物質は、非毒性で活性成分の有効性を妨げないものである必要がある。担体又は他の物質の厳密な性質は投与経路に依存するであろう。それは好適経路であり得るが、最もありそうなのは注射(針を使用するもの又は使用しないもの)、特に皮下注射である。他の好ましい投与経路には、吸入による投与又は経鼻投与が含まれる。
静脈内、皮下、又は筋肉内注射の場合、活性物質は、発熱物質を含まず、好適なpH、等張性、及び安定性を有する、非経口的に許容可能な水溶液の形態であろう。当該技術分野において関連技術を有する者は、例えば塩化ナトリウム注射液、リンゲル液、又は乳酸加リンゲル液などの等張ビヒクルを用いて好適な溶液を十分に調製可能である。必要に応じて、防腐剤、安定剤、緩衝剤、抗酸化剤、及び/又は他の添加物を含めることができる。
本発明の更なる側面及び態様は、以下の実施例の記載を含めた本明細書の開示を見れば、当該技術分野に熟練した者に明らかであろう。
本明細書のいずれかに記載の全ての文献は援用される。
CTLA−4変異体ライブラリーの構築及び改善された効力に対する選択
ライブラリーの構築
CTLA−4 cDNAはインビトロジェンから入手した。CTLA−4の二量体化を防ぐため、二量体化界面におけるシステイン121をセリンへ突然変異させた。成熟配列をリボソームディスプレイの直鎖状鋳型に再構築し、その後これをライブラリーの作製に用いた。DNAレベルでは、mRNAへの効率的転写のためにT7プロモーターを5’端に付加した。mRNAレベルでは、構築体に原核リボソーム結合部位(シャイン−ダルガーノ配列)を含有させた。3’端にgIIIの一部を付加してスペーサーとして作用させた(非特許文献22)。製造者のプロトコールにしたがい(BDバイオサイエンス)、変異性PCRを用いて変異体ライブラリーを作製したところ、エラー率は8.1ヌクレオチド突然変異/分子であった。これは、1分子あたり4個の突然変異、及びおよそ2.5×1010変異体分子のライブラリーを導入した。
改善された効力に対する選択
非特許文献22に記載のようにして、ヒトB7−1(R&Dシステムズ、140−B1)及び/又はB7−2(R&Dシステムズ、141−B2)の濃度を低下させながらリボソームディスプレイ親和性に基づいた選択を行った。簡潔に言えば、各選択ラウンドに関し、ライブラリーをB7分子とともにインキュベーションし、Fc融合B7をプロテインGコーティング常磁性ビーズ(ダイナル M280)(登録商標)へカップリングさせ、結合した三次複合体(mRNA−リボソーム−scFv)を磁気分離により回収し、一方、未結合複合体は洗浄により除去した。次に結合したCTLA−4をコードするmRNAを非特許文献22に記載のようにしてRT−PCRにより取り出し、選択のあいだに存在するヒトB7の濃度を低下させながら(5ラウンドにわたり50nM〜10pM)選択プロセスを繰り返した。
選択によるPCR産物を、HEK−293細胞で発現させるためにpEU7.1ベクターへクローニングした。簡潔に言えば、産出物をPCR増幅させて、5’端にBssHII制限部位及び3’端にNotI制限部位を導入した。産物をゲルで精製し、NotI及びBssHII(ニューイングランドバイオラブス)にて2重に消化し、ゲルで精製した。消化産物をNotI/BssHIIで消化したpEU7.1へ連結し、大腸菌DH5α細胞を形質転換した。個々のコロニーを、配列決定及び発現用の調製のために96ウェルプレートに取った。
第1相の親和性選択後、効力が2〜3倍改善された変異体を同定した。これら変異体のうち5種を、上記のようにして第2ランダム突然変異誘発ライブラリーの鋳型として用いた。第2相においてヒトB7の濃度を低下させながら(5ラウンドにわたり5nM〜70fM)ライブラリーを選択し、上記のようにクローニングした。
CTLA−4変異体の発現
単一細胞アッセイで試験するために、変異体を最初にミディアムスループット形式で発現させた。次に確認アッセイのための材料を提供するために、このうちの当たりを大規模で発現させた。
CTLA−4変異体のミディアムスループット発現及び精製
候補CTLA−4変異体を親野生型及びLEA29Y対照と平行して発現させた。トランスフェクションの2日前、HEK−EBNA293細胞を、10%FBS(インビトロジェン、10100−147)及び1%非必須アミノ酸(インビトロジェン、11140−035)含有D−MEM(インビトロジェン、41966)を用いて2.5×10/ウェルの濃度で12ウェルプレートに蒔き、加湿インキュベーター内で37℃、5%COにて増殖させた。トランスフェクションの直前に使用済み培地を吸引し、1ml/ウェルの5%FBS含有D−MEMに交換した。トランスフェクションすべき各ウェルに対し、4μgのプラスミドDNAをD−MEM中の5μgのリポフェクタミン2000(インビトロジェン、11668−019)と混合し、ウェルに加える前に室温で45分間インキュベーションした。プレートを加湿インキュベーター内で37℃、5%COにて一晩インキュベーションした。次の朝、トランスフェクション培地を吸引し、8mM L−グルタミン(インビトロジェン、25030−024)、2%HTサプリメント(インビトロジェン、41065−012)、1%Optimab A(インビトロジェン、11908−035)、及び1%Optimab B(インビトロジェン、11909−033)を含有する1.5ml/ウェルのCD−CHO培地(インビトロジェン、10743−011)に交換し、次に加湿インキュベーター内で37℃、5%COにて5日間インキュベーションし、増殖培地中でタンパク質を発現させた。発現後、タンパク質を含有する使用済み培地を1500×gにて5分間の遠心分離によって浄化し、精製するまで4℃で保存した。96ウェル形式のMiniTrak(登録商標)液体処理ロボット(パーキンエルマー)にて、PhyTip(登録商標)プロテインA親和性カラム(Phynexus、PTP−92−20−01、樹脂床容量20μl)を用いてマイクロスケールタンパク質精製を行った。浄化した粗上清をPhyTip(登録商標)カラムに通した;次にこれを200μlのD−PBS、200μlの140mM NaClで洗浄し、100μlの100mM HEPES(pH3.0)、140mM NaClで溶出させ、100μlの200mM HEPES(pH8.0)、140mM NaClで中和した。
CTLA−4変異体の大規模発現及び精製
候補CTLA−4変異体を親野生型及びLEA29Y対照と平行して発現させた。トランスフェクションの2日前、HEK−EBNA293−6E細胞(Durocherらより入手)を0.99%プルロニック(登録商標)(インビトロジェン、24040−032)及び0.05%ジェネティシン(登録商標)(インビトロジェン、10131)含有フリースタイル293培地(インビトロジェン、12338−018)中に5×10/mlの濃度で蒔き、加湿振盪インキュベーター内で120rpm、37℃、5%COにて増殖させた。トランスフェクションの直前に細胞を1500×gにて遠心分離し、次に新鮮な0.99%プルロニック(登録商標)及び0.05%ジェネティシン(登録商標)含有フリースタイル293培地に再懸濁させて1×10/mlの濃度にした。各CTLA−4変異体に関し、50ml容量のこれらの細胞を、フリースタイル293培地中にて50μgのプラスミドDNAを200μgのポリエチレンイミン(ポリサイエンス社、直鎖状25kDa、9002−98−6)と混合し、室温にて1時間インキュベーションし、50mlの細胞を含有する250mlフラスコに加えることによってトランスフェクションした。培養物を加湿振盪インキュベーター内で120rpm、37℃、5%COにて5日間増殖させ、増殖培地中でタンパク質を発現させた。発現後、タンパク質を含有する使用済み培地を1500×gにて5分間の遠心分離によって浄化し、精製するまで4℃で保存した。ASPEC XL4液体処理ロボット(ギルソン)を用いて精製した。0.5ml床容量のプロテインA樹脂(バイオセプラ、Ceramic Hyper DF、20078−28)を親和性カラムに注入し、50mM Tris・Cl(pH8.0)、250mM NaClで平衡化した。50mlの浄化した粗上清サンプルそれぞれを1本のプロテインAカラムに通し、15mlの50mM Tris・Cl(pH8.0)、250mM NaClで洗浄し、1.15mlの100mMクエン酸ナトリウム(pH3.0)で溶出させ、100μlの2M Tris・Cl(pH10.0)で中和した。中和した溶出物を、D−PBS(インビトロジェン、14190−094)で平衡化したNAP−10カラム(GEヘルスケア、17−0854−01)を用いて1.5mlのD−PBSにバッファー交換した。
変異体及び野生型CTLA−4の生物活性をJurkat(T細胞)及びRaji(B細胞)の2重細胞アッセイにて評価した
フィトヘマグルチニン(PHA)存在下におけるJurkat細胞及びRaji細胞の共培養によりIL−2を産生させる。PHAはJurkat細胞上のTCRを活性化し、CD28を介した更なる必須活性化シグナルがRaji細胞上のB7−1及びB7−2リガンドによって提供される。その後IL−2をELISAで検出する。IL−2産生は、Raji細胞上のB7−1及びB7−2へ結合しているCTLA−4によって減弱化される。Jurkat細胞はECACから、Raji細胞はECCACから入手し、供給されたプロトコールにしたがって維持した。アッセイ培地は10%v/vウシ胎仔血清含有RPMIで構成された。各アッセイの前に、300×gにて5分間の遠心分離によってJurkat及びRajiを沈殿させ、培地を吸引除去し、最終濃度2×10/mlとなるように細胞をアッセイ培地に再懸濁させた。CTLA−4変異体(2重)をアッセイ培地で所望の濃度に希釈した。このアッセイでは、変異体及び野生型をCTLA−4−Fc型で試験したため、CTLA−4変異体及びCTLA−4ヒト野生型は、121位にシステインを有していた。次に50μlの再懸濁細胞のそれぞれを、各アッセイポイントへ加え、合計アッセイ容量を250μl/ウェルとした。アッセイプレートを、5%CO下、37℃で24時間インキュベーションした。次に産生されたIL−2を、DELFIA(登録商標)ユーロピウム読み出しに変換されているDuoset ELISA(R&Dシステムズ、カタログ番号DY202)で検出した。
WTと比較して10〜20倍効力が改善された変異体を同定した(図1)。この改善された効力は、おそらくB7−1及びB7−2リガンドに対する親和性増加によるものである。4種の変異体の配列を配列番号1、2、3、及び4として記録する。
WT及び変異体の各B7受容体に対する相対活性の評価
Raji細胞はB7−1及びB7−2を発現する。各B7受容体に対するCTLA−4変異体の効果を評価するために、B7−1又はB7−2を特異的抗体によって選択的にブロックした。4種の変異体及び野生型のB7−1受容体及びB7−2受容体に対する相対活性を、Jurkat細胞(T細胞)及びRaji細胞(B細胞)アッセイにおいて、PHA存在下、それぞれ抗B7−2抗体及び抗B7−1抗体で受容体をブロックすることにより評価した。Jurkat細胞及びRaji細胞は供給されたプロトコールにしたがって維持した。アッセイ培地は10.0%v/vウシ胎仔血清含有RPMIで構成された。各アッセイの前に、300×gにて5分間の遠心分離によってJurkat及びRajiを沈殿させ、培地を吸引除去し、最終濃度2×10/mlとなるように細胞をアッセイ培地に再懸濁させた。CTLA−4変異体(3重)をアッセイ培地で所望の濃度に希釈した。このアッセイでは、変異体及び野生型をCTLA−4−Fc型で試験したため、CTLA−4変異体及びCTLA−4ヒト野生型は121位にシステインを有していた。次に50μlの再懸濁細胞のそれぞれを、5nMの抗B7−1(R&Dシステムズ、カタログ番号Mab140)又は抗B7−2(R&Dシステムズ、カタログ番号Mab141)とともに各アッセイポイントへ加え、合計アッセイ容量を250μl/ウェルとした。アッセイプレートを、5%CO下、37℃で24時間インキュベーションした。次に産生されたIL−2を、DELFIA(登録商標)ユーロピウム読み出しに変換されているDuoset ELISA(R&Dシステムズ、カタログ番号DY202)で検出した。
4種の変異体は、野生型と比較して、B7−1(図2)及びB7−2(図3)に対する改善された活性を示した。B7−1及びB7−2に対する変異体の効力を比較すると、B7−1への結合はより大きな改善を示している。
B7−1と相互作用するCTLA−4変異体のモデリング
1次アミノ酸配列から、アクセルリスソフトウェア社製DS Modeller 1.1(登録商標)を用いてCTLA−4変異体構造のモデリングを行った。簡潔に言えば、ヒトCTLA−4及びB7.1の×線結晶構造1i8L(非特許文献23)において変異体CTLA−4の配列をCTLA−4の配列と並べることによって、ソフトウェアで相同性モデリングを行った。モデルの可視化はPYMOL(DeLano、2002)を用いて行った。モデルは、CTLA−4変異体D06(配列番号1)とB7−1との相互作用を示す図4に描写する。
改善された効力に関する論理的根拠
モデリングD06(配列番号1)は、B7−1及びB7−2の結合に重要であることが知られているCDR3ループ内の残基位置にほとんど変化がないことを示している。しかしながら、構造モデルにおける突然変異の試験及び他の免疫グロブリンV様ドメインとの比較により、有益な突然変異は好適な作用メカニズムを有する証拠を提供している。
94位における陽荷電Lysから負荷電Gluへの変化は、B7−1の陽荷電Argの近位にある。理論に拘束されることを望むものではないが、この荷電の変化は、電荷斥力を除去し、D06とB7−1とのあいだに塩橋を導入することによって、静電相互作用を改善し得ると考えられる。
CTLA−4構造は、免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)のV様ドメインである。IgSF V様ドメインに対する標準番号付けスキームが提唱されている(非特許文献24)。これには、CTLA−4、及びアミノ酸配列におけるアミノ酸の相違が大きいにもかかわらず同一のIg構造の折り畳みを共有する他の抗体が含まれる。この折り畳みは、βターン又はループによって連結され、ジスルフィド結合によって2相に安定化された逆平行β鎖の約100アミノ酸から成る。抗体及びCTLA−4はともに、大部分の標的結合相互作用に関与する相補性決定領域(CDR)ループを有する。抗体に関する研究により、CDRの標的への適合を微調整可能な残基セットが同定されている。これらの残基は「バーニア」残基として公知である(非特許文献25)。抗体可変領域の3次元構造においてバーニア残基はCDRループの下に層を形成し、CDRループの構造及び方向に影響を及ぼすことができるため、それらは効果を発揮する。CTLA−4及び抗体バーニア残基をIgSF番号付けスキームで並べると(図5)、4個の突然変異がバーニア位置内に生じている。バーニア残基はPro26、Ser28、Leu71、及びGlu94である。したがって、D06における6個の突然変異のうち4個はバーニア位置内にある。この顕著な発見は予想外のものであった。理論に拘束されることを望むものではないが、これらの有益な突然変異はCDR3における本質的な側鎖接触を変更しないが、より微妙なアプローチを介して作用し得ると考えられる。これは、B7分子との適合を改善するためのCDR3ループの確認の変更、エネルギー的に好ましくない側鎖の除去、又は全体的な電荷相補性増加などの数種のメカニズムを包含し得るであろう。CDR3を変更するCDR1領域の可能性は、非特許文献26に記載されている。残基Pro26及びSer28はCDR1内にあり、バーニア残基でもあるため、CTLA−4とB7−1とのあいだの適合を変更する役割を支援する。突然変異Ser59は、バーニア残基と相同性があるとは同定されなかったが、ループ確認に関与する構造決定残基として記載された他の抗体V様ドメイン残基セットと一致する(非特許文献27)。Ser59はCDRループ2の構造を変更するであろう。
したがって、CTLA−4のCDRループの構造及び方向に影響を及ぼすことができる位置の残基、特にバーニア位置の残基は、CTLA−4変異体の効力に影響すると予想される。
安定性が改善されたCTLA−4変異体の選択
実施例1に記載の第2相ライブラリーを改善された安定性に関して選択した。CTLA−4変異体及びヒト野生型は121位にセリンを有しているため単量体型であった。DTTの存在下及び非存在下にて、非特許文献28に記載のようにしてin vitro翻訳及び選択を実施した。安定性によって選択されたライブラリーをB7−1とともにインキュベーションした後、融合タンパク質を捕捉し、磁気分離により結合複合体を回収し、一方、未結合複合体は洗浄により除去した。次に、結合したCTLA−4変異体をコードするmRNAをRT−PCRにより回収し、選択プロセスを繰り返した。DTT濃度を増加させて3ラウンドの選択を行った。
ラウンド3のPCR産物を、in vitro発現ベクターpIVEX2.3d(ロシュ)へクローニングした。簡潔に言えば、NcoI再増幅プライマー及びNotI再増幅プライマーを用いて産出物をPCR増幅し、5’端にNcoI制限部位を、3’端にストップコドンと、直後にNotI制限部位を導入した。ストップコドンは、タグのない変異体CTLA−4の発現を可能にした。産物をゲルで精製し、NotI及びNcoI(ニューイングランドバイオラブズ)で2重に消化し、ゲルで精製した。消化産物を、NotI/NcoIで消化したpIVEX2.3dへ連結し、大腸菌TG1細胞を形質転換した。スクリーニング及び配列決定のために個々のコロニーを96ウェルプレートへ取り出した。
1次安定性RIAにおける単一CTLA−4変異体のスクリーニング
1次安定性RIA(ラジオイムノアッセイ)を用い、非特許文献28に記載のようにしてCTLA−4変異体を安定性についてスクリーニングした。簡潔に言えば、各変異体に関し、直鎖状DNA鋳型を増幅させ、転写し、mRNAをG25セファデックス(登録商標)カラムで精製し、定量した。各変異体に関し、35S−標識メチオニン存在下におけるin vitro翻訳を30℃で30分間にて2重に設定し、一方は非還元条件、他方は10mM DTT(ジチオスレイトール)中とした。0.05%Tween20及び翻訳と同一濃度のDTTを含有するPBSで翻訳を停止させた。翻訳混合物を、B7−1でコーティングしたプレート上で1時間室温にてインキュベーションした。プレートを、0.05%Tween20(登録商標)含有PBSにて3回、PBSにて3回洗浄した。残留放射能を0.1Mトリエチルアミンで溶出させ、液体シンチレーションカウンターで定量した。変異体の安定性の程度を%残留結合として、即ち、DTT存在下における結合シグナルをDTT非存在下における結合シグナルで割り、100を掛けて計算した。変異体が安定であるほど、%残留結合は大きい。
4種の変異体を試験し、このうち3種のCTLA−4変異体をWTよりも安定であると同定した(表1)。
CTLA−4変異体の配列解析
ラウンド3のCTLA−4変異体を配列決定した。3種のより安定な変異体の配列を、配列番号5、6、及び7として以下に記載する。

Claims (44)

  1. ヒト野生型CTLA−4のアミノ酸配列(配列番号8)において2カ所以上の以下の位置:17位、26位、28位、29位、43位、46位、49位、54位、59位、61位、62位、66位、70位、71位、81位、86位、及び94位に突然変異を有するCTLA−4変異体であって、該CTLA−4変異体は、前記位置にヒト野生型CTLA−4のアミノ酸(配列番号8)を有するCTLA−4ポリペプチドと比較して改善された効力及び/又は改善された安定性を有し、改善された効力とは、B細胞によって活性化されたT細胞を用いたIL−2産生アッセイにおいてIC50が少なくとも2倍低下することであり、改善された安定性とは、10mM DTT存在下におけるB7−1又はB7−2への結合シグナルを、DTT非存在下におけるB7−1又はB7−2への結合シグナルで割り、100を掛けたものとして計算される残留結合が少なくとも10%であることである、前記CTLA−4変異体。
  2. 配列番号8のアミノ酸配列を有するヒト野生型CTLA−4と比較して改善された効力及び/又は改善された安定性を有する、請求項1に記載のCTLA−4変異体。
  3. ヒト野生型CTLA−4のアミノ酸配列(配列番号8)において1カ所以上の以下の位置:26位、28位、71位、及び94位に突然変異を有する、請求項1又は2に記載のCTLA−4変異体。
  4. 前記位置のいずれか1カ所に提供される残基が、以下の表:
    に特定されるものから選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のCTLA−4変異体。
  5. 親CTLA−4ポリペプチドに対して10個以下の置換を有するアミノ酸配列を含み、ここで、親CTLA−4ポリペプチドは、配列番号8のアミノ酸配列を有するヒト野生型CTLA−4であるか、又は17位、26位、28位、29位、43位、46位、49位、54位、59位、61位、62位、66位、70位、71位、81位、86位、及び94位のそれぞれにヒト野生型CTLA−4のアミノ酸(配列番号8)を有するその突然変異体若しくは変異体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のCTLA−4変異体。
  6. 親CTLA−4ポリペプチドが、配列番号8のアミノ酸配列を有するヒト野生型CTLA−4である、請求項5に記載のCTLA−4変異体。
  7. 配列番号8のアミノ酸配列を有するヒト野生型CTLA−4において、以下の突然変異セット:
    (i)I17S、S26P、G28S、L59S、S71L、K94E;
    (ii)S26P、M54V、L59S、S71F、K94E;
    (iii)I17V、S26P、K29N、L59S、I66T、S71F、M86V、K94E;
    (iv)S26P、L59S、T70I、S71F、M86T、K94E;
    (vii)S26P、C49W、L59S、L62P、S71F、Q81R、K94E;
    (v)I17T、S26P、C49Y、L59S、F61S、S71F、K94E;
    (vi)S26P、S43G、T46S、L59S、S71F、Q81R、K94E、
    から成る群より選択される突然変異セットを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のCTLA−4変異体。
  8. 配列番号1、2、3、4、7、5、及び6から選択されるアミノ酸配列を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のCTLA−4変異体。
  9. 効力が改善された、請求項1に記載のCTLA−4変異体。
  10. ヒト野生型CTLA−4のアミノ酸配列(配列番号8)において、1カ所以上の以下の位置:17位、26位、28位、29位、54位、59位、66位、70位、71位、86位、及び94位に突然変異を有する、請求項9に記載のCTLA−4変異体。
  11. 17位、26位、28位、29位、54位、59位、66位、70位、71位、86位、及び94位のいずれか1カ所に提供される残基が、以下の表:
    に特定されるものから選択される、請求項10に記載のCTLA−4変異体。
  12. 残基26はPであり、残基59はSであり、残基71はF又はLであり、そして残基94はEである、請求項11に記載のCTLA−4変異体。
  13. 親CTLA−4ポリペプチドに対して10個以下の置換を有するアミノ酸配列を含み、ここで、親CTLA−4ポリペプチドは、配列番号8のアミノ酸配列を有するヒト野生型CTLA−4であるか、又は17位、26位、28位、29位、43位、46位、49位、54位、59位、61位、62位、66位、70位、71位、81位、86位、及び94位のそれぞれにヒト野生型CTLA−4のアミノ酸(配列番号8)を有するその突然変異体若しくは変異体である、請求項9〜12のいずれか1項に記載のCTLA−4変異体。
  14. 配列番号8のアミノ酸配列を有するヒト野生型CTLA−4において、以下の突然変異セット:
    (1)I17S、S26P、G28S、L59S、S71L、K94E;
    (2)S26P、M54V、L59S、S71F、K94E;
    (3)I17V、S26P、K29N、L59S、I66T、S71F、M86V、K94E;
    (4)S26P、L59S、T70I、S71F、M86T、K94E、
    から成る群より選択される突然変異セットを含む、請求項9〜13のいずれか1項に記載のCTLA−4変異体。
  15. 配列番号1、2、3、及び4から選択されるアミノ酸配列を有する、請求項9〜14のいずれか1項に記載のCTLA−4変異体。
  16. 安定性が改善された、請求項1に記載のCTLA−4変異体。
  17. ヒト野生型CTLA−4のアミノ酸配列(配列番号8)において、1カ所以上の以下の位置:17位、26位、43位、46位、49位、59位、61位、62位、71位、81位、及び94位に突然変異を有する、請求項16に記載のCTLA−4変異体。
  18. 17位、26位、43位、46位、49位、59位、61位、62位、71位、81位、及び94位のいずれか1カ所に提供される残基が、以下の表:
    に特定されるものから選択される、請求項17に記載のCTLA−4変異体。
  19. 残基26はPであり、残基59はSであり、残基71はFであり、そして残基94はEである、請求項18に記載のCTLA−4変異体。
  20. 親CTLA−4ポリペプチドに対して10個以下の置換を有するアミノ酸配列を含み、ここで、親CTLA−4ポリペプチドは、配列番号8のアミノ酸配列を有するヒト野生型CTLA−4であるか、又は17位、26位、28位、29位、43位、46位、49位、54位、59位、61位、62位、66位、70位、71位、81位、86位、及び94位のそれぞれにヒト野生型CTLA−4のアミノ酸(配列番号8)を有するその突然変異体若しくは変異体である、請求項16〜19のいずれか1項に記載のCTLA−4変異体。
  21. 配列番号8のアミノ酸配列を有するヒト野生型CTLA−4において、以下の突然変異セット:
    (7)S26P、C49W、L59S、L62P、S71F、Q81R、K94E;
    (5)I17T、S26P、C49Y、L59S、F61S、S71F、K94E;
    (6)S26P、S43G、T46S、L59S、S71F、Q81R、K94E、
    から成る群より選択される突然変異セットを含む、請求項16〜20のいずれか1項に記載のCTLA−4変異体。
  22. 配列番号7、5、及び6から選択されるアミノ酸配列を有する、請求項16〜21のいずれか1項に記載のCTLA−4変異体。
  23. 可溶性ポリペプチドである、請求項1〜22のいずれか1項に記載のCTLA−4変異体。
  24. 更なるポリペプチドに融合した、請求項1〜23のいずれか1項に記載のCTLA−4変異体の少なくとも細胞外ドメインを含む融合タンパク質。
  25. 更なるポリペプチドが免疫グロブリン部分を含む、請求項24に記載の融合タンパク質。
  26. 請求項1〜23のいずれか1項に記載のCTLA−4変異体をコードする核酸。
  27. 請求項26に記載の核酸を含むベクター。
  28. 請求項27に記載のベクターを含む宿主細胞。
  29. 請求項1〜23のいずれか1項に記載のCTLA−4変異体を含む組成物。
  30. 医薬的に許容可能な賦形剤を含む、請求項29に記載の組成物。
  31. ヒト又は動物の身体の治療方法に用いるための、請求項1〜23のいずれか1項に記載のCTLA−4変異体。
  32. 関節リウマチ、多発性硬化症、及び/又は全身性エリテマトーデスの治療に用いるための、請求項31に記載のCTLA−4変異体。
  33. 関節リウマチ、多発性硬化症、及び/又は全身性エリテマトーデスの治療に用いるための医薬の製造における、請求項1〜23のいずれか1項に記載のCTLA−4変異体の使用。
  34. 親CTLA−4ポリペプチドと比較して効力及び/又は安定性が改善されたCTLA−4変異体の作製方法であって:
    コードする核酸からの発現により、ヒト野生型CTLA−4のアミノ酸配列(配列番号8)における2カ所以上の以下の位置:17位、26位、28位、29位、43位、46位、49位、54位、59位、61位、62位、66位、70位、71位、81位、86位、及び94位に親CTLA−4ポリペプチドと比較して突然変異を有するCTLA−4変異体を作製し;そして
    親CTLA−4ポリペプチドと比較して改善された効力及び/又は安定性に関してCTLA−4変異体を試験する、
    ことを含む、前記方法。
  35. 試験前にCTLA−4変異体を単離する工程を含む、請求項34に記載の方法。
  36. 親CTLA−4ポリペプチドと比較して効力及び/又は安定性が改善されたCTLA−4変異体の同定方法又は入手方法であって:
    親CTLA−4ポリペプチドをコードする核酸を突然変異させて、ヒト野生型CTLA−4のアミノ酸配列(配列番号8)における2カ所以上の以下の位置:17位、26位、28位、29位、43位、46位、49位、54位、59位、61位、62位、66位、70位、71位、81位、86位、及び94位に変更されたアミノ酸配列を有する1種以上のCTLA−4変異体をコードする配列を有する1種以上の核酸を準備し;
    核酸を発現させてCTLA−4変異体を産生し;
    親CTLA−4ポリペプチドと比較して改善された効力及び/又は安定性に関し、産生されたCTLA−4変異体を試験する、
    ことを含む、前記方法。
  37. 変更されたアミノ酸配列を有するCTLA−4変異体のライブラリー又は多様集団を作製し、試験する、請求項36に記載の方法。
  38. 親CTLA−4ポリペプチドと比較して効力が改善されたCTLA−4変異体の作製方法であって:
    親CTLA−4ポリペプチドの1以上のCDRループの構造及び/又は方向に影響を及ぼす2カ所以上のバーニア位置を同定し;そして
    2カ所以上のバーニア位置に、親CTLA−4ポリペプチドと比較してCTLA−4変異体のB7分子への結合能を高める突然変異を提供する、
    ことを含む、前記方法。
  39. 2カ所以上のバーニア位置が、ヒト野生型CTLA−4のアミノ酸配列(配列番号8)における以下の位置:26位、28位、71位、及び94位から選択される、請求項38に記載の方法。
  40. 親CTLA−4ポリペプチドが、配列番号8のアミノ酸配列を有するヒト野生型CTLA−4である、請求項34〜39のいずれか1項に記載の方法。
  41. 親CTLA−4ポリペプチドが、ヒト野生型CTLA−4の突然変異体又は変異体であり、親CTLA−4ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号8と異なる、請求項34〜39のいずれか1項に記載の方法。
  42. 親CTLA−4ポリペプチドが、配列番号9のアミノ酸配列を有するベラタセプトのアミノ酸配列を有する、請求項41に記載の方法。
  43. それを必要とする個体へ、請求項1〜23のいずれか1項に記載のCTLA−4変異体を投与することを含む、治療方法。
  44. 治療が、関節リウマチ、多発性硬化症、及び/又は全身性エリテマトーデスの治療である、請求項43に記載の方法。
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