本発明は、送信器からの印刷データを受信器によって受信するための方法及び装置、特に印刷ジョブのミラーリングのための方法及び装置に関している。
本発明は電子フォトグラフィック高性能プリンターを備えた印刷環境に対して設けられるものである。
この場合の受信器は通常はプリントサーバーである。この種のプリントサーバーは、例えば2005年2月発行の、oce 印刷システムの印刷技術及びデジタル印刷技術ブックの第9版、第15章に記載されている(ISBN3・00・001019・X)。このプリントサーバーは"oce PRISMAproduction サーバー"とも称される。このプリントサーバーは、とりわけ大型コンピュータ(メインフレーム)とプリント機器との間の通信を形成している。そのようなプリントサーバーは、複数の異なる大型コンピュータから異なるフォーマットの印刷データ流を受取り、それらをさらなる複数の印刷機器に転送している。このようなデータの伝送は種々異なるネットワークを介して種々のプロトコルで行われている。
この種の電子フォトグラフィック高性能印刷システムの多くのユーザーは、その大型コンピュータを1箇所若しくは数カ所に集約させている。この種の大型コンピュータの操作者は複数の印刷ジョブを自身で実施するのではなく、その印刷すべきデータをいわゆる印刷センターに頻繁に送信している。この印刷センターは1つ若しくは複数の電子フォトグラフィック高性能プリンターを有しており、それらのプリンターはローカルネットワークを介して相互に接続されている。このローカルネットワーク内にはプリントサーバーが配設されており、このプリントサーバーはさらなる別のネットワーク、例えばインターネットを介して印刷データを大型コンピュータから受信する。
大型コンピュータからプリントサーバーへのデータの伝送に対してはIBM社のプロトコル"ダウンロード(Dwunload)"が頻繁に用いられる。このプロトコルは、大型コンピュータに使用されるオペレーションシステムOS/390用のIBM Print Services Facility(PSF)の別個に伝達可能な特徴である。このプロトコル"ダウンロード"はTCP/IPネットワークを介して印刷データを自動的に伝送する。このダウンロードプロトコルを用いることによって自動的なエラー除去が実施される。印刷データの伝送が適正に実施されなかった場合には、その印刷データが新たに伝送される。これに対しては、大型コンピュータにおけるオペレータの介入とデータ伝送の新たな実施は必ずしも必要ではない。複数の印刷データは、それらが完全にかつ適正に伝送されるまでは大型コンピュータにおいて維持される。大型コンピュータによって生成された印刷データ流には"チェックポイント"と称する複数のマークが挿入され得る。印刷データの伝送の際にエラーが発生した可能性がある場合には、それらのデータが最後のチェックポイントから再度新たに伝送される。これにより、常に全ての印刷データを新たに伝送しなければならないようなことが不要となる。
印刷センターの従事者がコンピュータの故障に基づいて複数の印刷データを失うか、あるいは複数の印刷データがもはや使用不能なくらいに損なわれてしまうと、印刷センターの従事者にとってはゆゆしき問題となる。正しい受信が送信側に受領確認されると、それに続いて印刷データが消去され、もはや新たな伝送がされなくなる。このような問題を回避するために、プロトコル"ダウンロード"には複数の印刷データを複数の受信側に同時に伝送できる機能が備えられる。このことは複数の印刷データを印刷サーバーとミラーコンピュータシステムに伝送することに用いられる。そこでは印刷データの処理の際にミラーコンピュータシステムによる複数の印刷データの実行によって事後的に発生したエラーが解消できるようにするために、複数の印刷データが所定の時間維持される。しかしながらミラーコンピュータシステムに対する印刷データのミラーリングは大型コンピュータの操作者の責任範囲にあって印刷センターの従事者のではない。たとえ大型コンピュータの操作者がこの種のミラーリング処理を目論んだとしても、複数の印刷データは受信完了の受領確認の後で消去され、もはや印刷データを新たに読出す手段はない。一方、印刷センターの従事者にとっては、依頼者から既に適正に伝送された印刷データを新たに呼出さなければならないことは事務的にみて非常に煩わしいこととなる。
このような問題を回避するためには、大型コンピュータないしはミラーコンピュータシステムに対して印刷が完全に終了するまでは印刷データを維持させなければならない。しかしながらこれに対しては一連の製造工程全般に亘って印刷完了後の大型コンピュータへの応答通知が必要とされ、それによって複数の印刷データが再び消去可能となる。但しこの種の応答通知は著しい通信コストを意味するものでもある。大型コンピュータはその複数の印刷データを様々なプリントサーバーに送信し、これらのプリントサーバーも種々異なるプリンターを駆動制御している。つまりこれらの種々のプリントサーバーとプリンター全てがこの種の応答通知のために構成されていなければならない。公知のプロトコルは大型コンピュータとプリントサーバーの間の印刷データの伝送を想定していないため、このようなことは実際にはほとんど不可能である。
コンピュータシステム全体のミラーリングのためのソフトウエアは公知であり、基本的には印刷データを受信するようなプリントサーバーに対しても用いることが可能である。しかしながらこれによってプリントサーバー自体もミラーリングされ、このことは結果としてプリントサーバー内に誤って記憶されているデータがミラーコンピュータシステムに対しても誤って記憶されてしまうことにつながる。従ってプリントサーバーに起因するエラーによって生じた問題は回避のしようがない。ユーザーがプリントサーバーにおいて意図的に印刷データを消去すると、それはミラーコンピュータシステムにおいても自動的に消去される。なぜならこのミラーコンピュータシステムはプリントサーバーの正確なコピーとなるべきものだからである。
コンピュータシステム全体のミラーリングのためのこのような公知のソフトウエアにおいては、コンピュータシステムのハードディスクへの個々の各記憶過程が直ちにミラーコンピュータシステムに伝送され、そこにコピーされる。
印刷データの伝送の際には、さらに印刷データがまれに誤ったプリントサーバーに伝送されるさらなる問題も生じる。個々のプリントサーバーは時折類似した名前を有しているため、タイプエラーの際、若しくはメニューリストからの誤った選択の際に間違ったプリントサーバーが宛先として入力されることもある。そのような誤ったアドレス指定はそれほど頻繁には生じないが、しかしながらそれが一度発生してしまうと、高機能印刷においては著しい損傷を引き起こす。なぜなら誤った印刷機において印刷された印刷物は大抵は使い物にならないからである。印刷データが間違った印刷機に伝送された場合、この間違った印刷機には適正なリソースとフォーマット規定が存在していないことが多く、そのため印刷データも間違って印刷され得る。高機能印刷においては間違って印刷された印刷ジョブは著しい経済的損失を意味する。これまではこの種の印刷データの誤った伝送は、ファイアーウォールプログラムを用いて検出することが試みられていた。このプログラムは使用されているネットワークプロトコルのヘッダに含まれるパラメータに基づいて当該印刷データが適正に送達されたものか否かを区別している。しかしながらネットワークプロトコル、例えばTCP/IPのヘッダには送信者と受信者のアドレスなどの基本的なパラメータしか含まれていない。所定の送信者が所定の受信者にアクセス許可すると、ファイアーウォールプログラムは受信者に当該送信者からの全てのデータの受信を許可する。
しかしながら頻繁に送信側と受信側の間では実質的に特定の割当てとなる(例えば送信側が所定の形式の印刷ジョブを所定の受信者に伝送し、別の形式の印刷ジョブを別の受信側に伝送するなど)。
リナックスシステム若しくはその他のユニックスデリバティブベースのプリントサーバーにおいては、到来する印刷ジョブをプロトコルLPを用いてlpdデーモンにより送信側と受信側に対する特定の複数のパラメータを検査することが公知である。これに対しては印刷ジョブにそれぞれ1つの別個のファイルが添付され、このファイルは送信側コンピュータと受信側コンピュータのアドレスデータのみでなく、ユーザーに対する多数のパラメータも含んでいる。それに関しては印刷機に対するパラメータが実行されてもよい。
このシステムでの欠点は、監視すべきパラメータが別個のファイルに記憶されていることである。仮にハッカーによってこのファイルが盗まれた場合には、プリントサーバーにおいていつでも印刷ジョブがトリガされてしまう。またハッカーはプリントサーバー内にセキュリティを脅かすファイルを忍び込ませることもできる。
デジタル印刷の文献"Technology and Printing Techniques of Oce Digital Printing Presse(a.a.a.O)"からは、"Oce PRISMAproduction"の商品名で呼ばれるサーバーシステムが開示されており、このサーバーシステムではデータ流のワイドパレットが処理ないし変換され、それがIPDSプリンターで印刷される。このOce PRISMAproduction サーバーシステムは、プリントジョブマネージャ"PrintJobmanager PJM"(第15.2.4章及び第18.2章参照)を含んでおり、それと共にプリントジョブが任意の顧客クライアントに対して生成され、当該サーバーシステム内で処理されて管理される。このプリントジョブマネージャは印刷ジョブマネージャとも称される。
ここでは2007年2月28日付けで提出されたDE102007009737号明細書の内容が全般に亘って参照されるべく本願においても受入れられる。
そこに記載されている方法では、印刷ジョブのジョブ随伴データが処理されており、それらのデータには印刷ジョブを制御するための制御パラメータが含まれている。この方法は印刷ジョブマネージャを備えた印刷システムと、印刷ジョブが生成される1つまたは複数のクライアントと、印刷ジョブを印刷機に供給するためのプリントサーバーにおいて実行され、以下に述べるようなステップを含んでいる。すなわち、
−印刷ジョブマネージャによってクライアントの1つからのジョブ随伴データを伴う印刷ジョブを受信するステップと、
−予め定められたチケットコントロールに従ってジョブ随伴データを検査し、印刷システム特有のジョブチケットを出力するステップと、
−ジョブチケットを伴う印刷ジョブをプリントサーバーに対して転送するステップとを含んでいる。
この方法は、ジョブ随伴データの検査が予め定められたチケットコントロールに従って中央のプリントジョブマネージャにおいて実施できる点で優れている。
ジョブ随伴データは中央でそして有利には専ら印刷ジョブマネージャにおいて検査若しくはコントロールされるので、所定の印刷ジョブに使用されるチケット制御が容易に復元可能である。というのもこのチケット制御は唯一の箇所、詳細には印刷ジョブマネージャにおいてのみ実施され、これまでのように異種のクライアントに存在しそこでそのつど確かめるようなものではないからである。さらに印刷ジョブマネージャにおけるジョブ随伴データの検査の中央での実施によって、到来する全ての寿部随伴データが同じチケット制御に従って検査ないしコントロールされることが保証され、さらに場合によっては相応に変更ないし修正も可能である。
さらにジョブ随伴データの検査の中央での実施によってチケット制御は集中的に管理することができ、それによってチケット制御は集中的に監視が可能となり、類似したジョブ随伴データないしは類似したジョブ随伴データ中のエラーが様々に修正されてしまうことが避けられる。
印刷ジョブマネージャにおけるジョブ随伴データの集中的な検査によって得られるさらなる利点は、一連のプロセス連鎖の中でジョブ随伴データの検査が個々の印刷機において非常に近似的に行われることである。そのためこの検査は各印刷機毎に特定された実施ができるようになる。これにより検査の品質は著しく向上される。クライアントにおいてジョブ随伴データの検査が実施される場合には、複数のクライアントが異なる印刷ジョブマネージャと通信できる問題が生じる。そのためそれに基づいて実施されるジョブ随伴データの検査は、種々の印刷ジョブマネージャと連絡できる多数の印刷機に適応化させる必要が生じ、このことも実施を非常に困難にさせる。
チケット制御の集中管理により、操作者にチケット制御の作成と管理を容易にさせるツールを使用させることも可能となる。特に有利には、チケット制御の作成と管理が可能なグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)が設けられ、さらに編集されるチケット制御の構文において自動的に適正な構文を検査するソフトウエアモジュールが設けられる。
本発明の課題は、受信側において印刷データの確実な操作管理を簡単な形式で可能にさせる、送信側からの印刷データを受信側によって受信するための方法及び装置を提供することである。
前記課題は、請求項1の特徴を有する方法および請求項21の特徴を有する方法並びに請求項27の特徴を有する装置によって解決される。本発明の有利な実施形態は各従属請求項に記載されている。
請求項1に記載の送信側からの印刷データの受信側による受信のための方法によれば、送信側からの印刷データが予め定められたプロトコルを介して受信側に伝送される。印刷データにおける予め定められたデータ単位の適正な受信が送信側によってそのつど肯定応答される。この印刷データの自動伝送のための方法は、受信側が所定のデータ単位に対するそのつどの肯定応答の実施前に印刷データをコピーできる点で優れている。
送信側に対して肯定応答する前の印刷データの直接のコピーによって次のことが保証される。すなわち受信側における肯定応答の後で出現したエラーが、コピーされた印刷データに対して何等影響を与えないことが保証される。それに対して印刷データの肯定応答前に受信側にてエラーが発生した場合には、適正な肯定応答は行われず、それによって送信側は印刷データが適正に受信されなかったことを仮定しなければならない。それ故に送信側は印刷データを消去せず、このデータはさらなる伝送に対して使用できる。それに対して肯定応答後にエラーが受信側にて発生した場合には、それ自体適正に受信されていた印刷データが損なわれる可能性がある。これらの印刷データのコピーは作成されていたので、そのコピーを使用することができ、印刷データの処理が阻害なく続けられる。
この印刷データの自動伝送方法では多くのオプションが可能となり、例えばコピーされた印刷データないしミラーリングされた印刷データがエラー時に利用される。また印刷データは多重にコピーすることも可能である。
これらの印刷データはしばしば圧縮された形態で送信側から受信側に伝送される。本発明の有利な実施形態によれば、圧縮された印刷データがコピーされる。これによりコピーデータを保持するための所要記憶容量が僅かに維持される。それらのデータは大抵は1つのコンピュータシステム内でコピーされるのではなく、1つのコンピュータシステムからミラーコンピュータシステムにコピーされている。これによりデータはデータ線路を介して伝送されなければならない。しかしながらデータ線路での伝送はコピー過程に遅延を生じさせる。しかしながら圧縮された状態での印刷データのコピーによってこの遅延も僅かに抑えられる。
本発明によるさらに別の有利な実施形態によれば、印刷データのコピーが受信側の入力側にできるだけ近い所、例えばインターフェースモジュールや、インターフェースモジュール直後に配置されるコピーモジュールか又はインターフェースモジュール直後に配設されるバッファモジュールにおいて行われる。
請求項23に記載の手段によれば、送信側からの印刷データの受信側による印刷データ受信方法において、複数の印刷データが予め定められたプロトコルを介して受信側に伝送される。受信側は、印刷データが適正な送信側から到来したものか否かを検査する。その場合受信側は、複数の印刷データを受信し記憶するためのモジュールを用いて、それらの印刷データがモジュールによって記憶される前に所定のプロトコルに従ってヘッダ内に含まれている複数のパラメータに基づいて、送信側の適正度を検査する。
複数のパラメータが検査されるため、送信側は非常に特定的に検査される。その場合には多数のパラメータを用いてプロファイルが問合せされる。それらのパラメータは伝送プロトコルのヘッダから引き出されるものなので、第三者はどのパラメータが受信側へのアクセスに関係しているのかを識別することはできない。たとえ第三者がインターネットでそのようなメッセージをキャッチしたとしても、この第三者は一方ではヘッダ内に含まれているパラメータがアクセスに係わるデーであるということを識別することができず、また仮にこの第三者がそれに関する知識を有していたとしても、どのパラメータが受信側に対するアクセスに係わっているのかを知ることはできない。
送信側の伝送のために用いられるパラメータが印刷ジョブの内容の決定に関わっている場合には、第三者はたとえ自身が全てのパラメータをアクセス要素として識別する余地があったとしても任意の印刷ジョブを受信側に送信することはできない。というのも1つ若しくは複数のパラメータが印刷ジョブの内容に関わるならば、その種の印刷ジョブしか当該のパラメータセットでもって受信側に伝送することができないからである。別のタイプの印刷ジョブは自動的に拒否される。
有利には複数のヘッダのパラメータが送信側の伝送に用いられる。複数の印刷データが例えばダウンロードプロトコルを用いてインターネットを介して送信側から受信側へ伝送されるならば、これらの印刷データはダウンロードプロトコルのヘッダだけでなくインターネットプロトコルのヘッダも有し得る。これらの2つのヘッダから複数のパラメータが送信側の伝送に用いられる。パラメータの構成と選択はただ受信側に課せられるだけである。そのため受信側は、どのような基準に従って送信側からの印刷データを許可するかを個別に確定することができる。
さらに本発明の課題は、印刷ジョブを受信するプリントサーバーからさらに別の印刷システムのプリントサーバーへ、ジョブ随伴データを備えた印刷ジョブをミラーリングするための方法、印刷システム及びコンピュータプログラムにおいて、プリントサーバーのうちの1つが故障した際にも、印刷データの出力が迅速かつ適正に、そして確実に行うことができるように改善を行うことである。
前記課題は、請求項29の特徴部分に記載の方法、請求項43の特徴部分に記載のコンピュータプログラム、および請求項45の特徴部分に記載の印刷システムによって解決される。本発明の有利な実施形態は各従属請求項に記載されている。
本発明によれば、第1の印刷システムのプリントサーバーによる第2の印刷システムのプリントサーバーへのジョブ随伴データを含んだ印刷ジョブのミラーリングのための方法において、以下の方法ステップが実施される、すなわち受信した複数の印刷ジョブをミラーサーバーへミラーリングするステップと、ジョブ随伴データに基づいて少なくとも1つのミラージョブチケットを作成するステップと、前記ミラージョブチケットをミラーサーバーへコピーするステップとが実施される。
ジョブ随伴データからは印刷ジョブのミラーリングのための方法を用いてミラージョブチケットが作成され、それがミラーサーバーへコピーされるので、問題が生じても、ミラーリングされた印刷ジョブとミラーリングされたミラージョブチケットに基づいて印刷ジョブの出力が、確実に、迅速かつ適正に継続され得る。
有利には2つのミラージョブチケットが作成され、それらが2つの印刷システムの各々1つに特定されてミラーサーバーへコピーされる。ミラーリングされた印刷ジョブ及び/又はミラージョブチケットは、予め定められた持続時間の間遮断され、及び/又はこの遮断は、ミラーリングされた印刷システム間のデータ接続が中断されている場合のみ中止される。この遮断は正規操作者によってマニュアルで中止することもできる。
本発明の別の実施例によれば、2つ若しくはそれ以上の印刷システムが互いに対称的に印刷ジョブをミラーリングする。そのため全ての印刷システムは同じ権限で並んで配置される。
ミラージョブチケットの生成は、チケット制御モジュールにおいて集中的に保持されているチケット制御を用いて印刷ジョブマネージャにおいて有利に行われる。この場合は複数の設定ジョブチケットが利用される。それらは複数の印刷システムに対して及び/又は到来する複数の印刷ジョブに対して特定されており、つまりそれらの中にはそれぞれの印刷システムに対して特定された制御パラメータが含まれている。
以下では本発明の説明のためにいくつかの概念を定義する。
全体ジョブは少なくとも1つのドキュメント処理ジョブ、特に印刷ジョブを含んでいる。
印刷ジョブ(Job)は少なくとも1つの印刷すべき印刷ファイルを含んでいる。
全体ジョブチケット(orderticket)は全体ジョブに関する情報、例えば引渡しアドレス、ジョブデータ、所望の供給データなどを含んでいる。
ジョブチケットは印刷ジョブの処理に必要な全てのデータを含んでいる。これらのデータには印刷ジョブに対する処理経過(job・workflow)に関わってくる制御パラメータが含まれている。このジョブチケットは相応のチケットフォーマットにてコード化されている。
設定ジョブチケットは、さらなる処理情報を何も含んでいない印刷ジョブを現下の印刷システムないしは印刷環境の中で出力するのに適した標準データを含んでいる。そのようなデータは制御パラメータであり、例えばそれぞれのプリントサーバーに接続されている印刷機の名前若しくはアドレスであってもよい。
データチケットとは複数の次のような情報と理解されたい。すなわち印刷ジョブを生成するシステム、例えばMFSメインフレームコンピュータシステムによって生成された印刷ジョブが印刷データと一緒に生成されるための情報である。この種のデータの規模はシステムに起因して非常に制限され、そのフォーマットは標準化されていないため、上記の意味ではジョブチケットとはみなされない。
ジョブ随伴データは全体ジョブチケット、ジョブチケット及び/又はデータチケットを含んでいるか、あるいは他のフォームで印刷ジョブに添付されている制御パラメータを含み得る。それらの制御パラメータは大抵は印刷ジョブのデータ名に添付されている。
印刷ジョブにジョブチケットが何も添付されていないときには、印刷ジョブマネージャにおいて設定ジョブチケットを用いて、そして場合によってはさらなる制御パラメータとチケット制御を用いて、印刷システム特有のジョブチケットが作成される。それに対して印刷ジョブにジョブチケットが添付されている場合には、チケット制御に基づいてこのジョブチケットが印刷システム特有のジョブチケットとして適しているのかどうかが検査され、そして場合によっては、(これは制御であるが)変更され、特に設定チケットから印刷システム特有のパラメータによって補足される。
以下では本発明を図面に基づき詳細に説明する。
大型コンピュータ、プリントサーバー及び複数のプリンターからなる印刷データ伝送のための印刷システムの構成を概略的に表した図
印刷データの受取りと処理のためのモジュールを備えた図1によるプリントサーバーを示した図
印刷ジョブの印刷データの伝送と修正における時間経過を表した線図
複数のミラーコンピュータシステムの各構成を表した図
複数のミラーコンピュータシステムの各構成を表した図
パラメータリストを備えたテーブルを表した図
印刷データに対するアクセスプロファイルの構成を表した図
印刷データに対するアクセスプロファイルの構成を表した図
複数のパラメータを有するさらなるテーブルを表した図
印刷ジョブのミラーリング方法を実施するための2つの印刷システムの主要な構成部材を概略的に表したブロック回路図
印刷データを自動手的に伝送するための方法(図1〜図7)は、送信側1から受信側2へ印刷データを伝送するために用いられている。送信側1は通常はメインフレームコンピュータであり、ここでは大量の印刷データが生成される。これらの印刷データは大抵は複数の受信側2に分散されて送信される。図1では図を分かり易くするために、唯1つの送信側1と唯1つの受信側2しか描写していない。
送信側1と受信側2の間のデータ通信は、様々なプロトコルを用いて制御され得る。例えばIBM(登録商標)のメインフレームコンピュータではTCP/IPプロトコルに載ったダウンロードプロトコルが慣用的に使われている。ユニックスシステムの場合は印刷データはLPプロトコル(Lineprinter)で伝送される。さらに適したプロトコルは、FTP(File Transfer Protocol)、NFS(Network File System)であり、これらはプログラムモジュールによって送信側1において印刷データの自動伝送のために用いられる。出願人は次のようなプログラムモジュールHotDir、すなわち到来する印刷データを受信側にて自動的にキャッチして転送するリストを提供するモジュールを推奨する。
本願実施例においては送信側1がIBM(登録商標)の大型コンピュータないしメインフレームコンピュータであり、これはオペレーティングシステムOS/390で動作し印刷データ伝送のためのダウンロードプロトコルで動作する。送信側1では2つのプリンタードライバ3"プリンター1""プリンター2"がインストールされており、これらはプリンターへ伝送するための印刷データを処理して転送している。プリントサーバーは大型コンピュータに対してそのようなプリンターをシミュレートでき、そのためプリントサーバーは大型コンピュータからの印刷データを受信できる。プリントサーバーないし受信側2は、受信した印刷データを、受信側2に接続されている複数のプリンター4のうちの任意の1つに分配できる。
"プリンタードライバ"の概念はここではいわゆるパーソナルコンピュータによって公知のプリンタードライバ、すなわち印刷データがそれぞれのプリンターで直接処理できるように印刷データを準備するプリンタードライバの意味で使用されているのではない。この種の印刷データの処理は電子グラフィック高性能印刷システムのもとではプリントサーバー及び/又は各プリンターの制御装置内で行われる。むしろ送信側1のプリンタードライバ3は到来する印刷データに関してそれが印刷されるべきプリンターに適しているか否かを検査し、ネットワーク5を介して受信側2に伝送するための印刷データを準備する。この場合プリンタードライバ3は印刷データを送信側1への伝送のために準備し、その場合には所定のファイルが印刷ジョブに編成されて、このファイルが圧縮され、場合によっては暗号化される。
このように処理された印刷データが受信側2によって受信される。当該実施例の受信側2はプリントサーバー、特にPRISMAproductionプリントサーバーである。このプリントサーバー2は、異なるプロトコルを用いて印刷データを受信する3つの異なるインターフェースモジュール6を有している。インターフェースモジュール6の1つはデータ受信のためにダウンロードプロトコルを用いて構成されており、また別のインターフェースモジュール6はデータ受信のためにHotDirリストとして構成されており、第3のインターフェースモジュール6はデータ受信のためにLPプロトコルを用いて構成されている。ダウンロードプロトコルを用いたデータ受信のためのインターフェースモジュール6は、以下ではダウンロードインターフェース6とも称する。このインターフェースモジュール6にはTCPプロトコルに準拠した2つのポートナンバーが設けられており、これらのポートによって送信側1と受信側2の間でデータストリームが識別される。これらのポートナンバーは、固定的に設定される(assigned numbers)。これらのインターフェースに入力された印刷データは、プリントサーバー2においてスプールモジュール7に転送される。スプールモジュール7は印刷データを緩衝記憶し、その後で個々のプリンター4に伝送する。ダウンロードインターフェースは、バックグラウンドで実行される通常は直接的なユーザインタラクションを行われないプログラムとして構成されている。このようなプログラムは、Unixおよびその派生物ではDaemon(Disc and Execution Monitor)と称される。これに相応するプログラムは、マイクロソフトウィンドウズ(登録商標)では「サービスプログラム」とも称される。Daemonは、ユーザーがコンピュータにログインしていない場合にも実行することができる。
図2には、ダウンロードインターフェースを用いた受信と転送に関わるプリントサーバー2のプログラムモジュールがブロック回路図で詳細に表されている。プリントサーバー2では、ダウンロードインターフェース6に続いてバッファモジュール8が配設されており、このバッファモジュール8では到来した印刷データが緩衝記憶される。このバッファモジュール8には復号化/解凍モジュール9が接続されており、このモジュールは復号化され解凍されたデータをさらなるバッファモジュール10に書込む。バッファモジュール10からは印刷データ処理ユニット11によって記憶されている印刷データが読出され、必要な処理ステップが実行される。
印刷データ処理ユニット11は処理された印刷データをさらなるバッファ12に書込み、このバッファ12からは処理された印刷データがスプールモジュール7に書込まれる。前記バッファモジュール8,10,12は全て同じクラスを受け継ぎ、DE19957594A1ないしUS2003/0041086A1に記載されているバッファクラスに相当している。これらの明細書は参考として本願明細書に取り込まれる。
図2に示されている実施例では、バッファモジュール8が次のように構成されている。すなわち到来する印刷データをコピーし、データ線路13を介してミラーコンピュータシステム14に転送するように構成されている。このミラーコンピュータシステム14は最も簡単なケースではプリントサーバー2内の付加的なハードディスクからなっている。また有利にはこのミラーコンピュータシステム14は、プリントサーバー2から独立して構成されたコンピュータシステムであってもよい。特にこのミラーコンピュータシステム14は離れたところ、とりわけ別の建物にプリントサーバー2として設けられるべきでもある。なぜならそれによって一方のプリントサーバー2に火災などによって支障が生じた場合でも、ミラーコンピュータシステム14に被害が及ぶことがなく、そこに記憶されている印刷データが引き続き使用できることが保証されるからである。到来する印刷データのコピー機能を備えているバッファモジュール8は、復号化/解凍モジュール9の前に配設されているため、印刷データは圧縮され暗号化された状態でミラーコンピュータシステム14に転送される。これにより、データ線路13を介して伝送され得るデータ量は僅かに保たれ、ミラーコンピュータシステム14への印刷データの迅速なコピーが可能となる。
バッファモジュール8は、入力された印刷データのコピーが終了した後でこのことをダウンロードインターフェース6に確認通知するように構成されている。ダウンロードインターフェース6は、バッファモジュール8からの相応の確認通知があった場合に初めて、送信側1に対して印刷データが正しく受信されたことを確認応答する。これにより、プリントサーバー2での何らかのエラー、例えば落下が次のような事態に至らないことが保証される。すなわち到来する印刷データが送信側1に対して適正に確認応答されることである。但しプリントサーバー2にではなく、ミラーコンピュータシステム14にはコピーされ得る。到来する印刷データの適正受信の肯定応答のこのような僅かな遅れによって次のことが保証される。すなわち少なくともプリントサーバー2またはミラーコンピュータシステム14において、あるいは2つのコンピュータのうちの一方に問題が生じた場合でさえ、送信側1に対して適正な肯定応答がなされている場合には印刷データが得られる。
印刷データの適正な入力の肯定応答の遅延は、とりわけデータ線路13を介したコピー印刷データの伝送によって引き起こされる。それ故に特に有利には印刷データが圧縮された状態でミラーコンピュータシステム14に転送される。このことは迅速なデータ接続に寄与する。図2において波線のデータ線路13で示されているように、本発明の代替的な実施形態では、到来する印刷データがダウンロードインターフェース6にもコピーされ、そこからミラーコンピュータシステム14に転送される。そのような実施形態が有する利点は、ミラーリングと肯定応答が唯一のモジュール(ダウンロードインターフェース6)によってコントロールされることである。これにより印刷データのミラーリングと同期した肯定応答が簡単に実現できる。
また代替的に、付加的なコピーモジュールをダウンロードインターフェース6とバッファモジュール18の間に設けてもよい。この付加的なコピーモジュールの唯一の目的は印刷データをコピーしてミラーコンピュータシステム14に転送することである。
本発明の別の構成例によれば、所定の処理過程の後で、特に受信側2の出力側から印刷データをミラーコンピュータシステム14に対してコピーさせることも可能である。図2には例示的に波線で示されたデータ接続線路15がバッファモジュール12からミラーコンピュータシステム14に向けて描写されている。このバッファモジュール12は次のように構成されている。すなわちバッファモジュール12によって記憶されている全ての印刷データが、スプールモジュール7に転送される前に、データ接続線路15を介してミラーコンピュータシステム14にコピーされるように構成されている。データ接続線路15は論理的にデータ線路13に依存しないデータ線路である。これらの2つのデータ接続線路はもちろん物理的に同じデータ線路を使用する。そのような印刷データの付加的なミラーリングは特に印刷データの複雑な処理が受信側2において行われる場合には合目的となる。例えば受信側2において印刷データが網目化され、これ自体が今日可能な計算能力のもとで多大な印刷ジョブとなる場合には数時間を要する可能性がある。それ故この網目化された印刷データはミラーコンピュータシステム14にコピーされる。本発明の枠内では受信側2における複数の箇所、特に全てのバッファモジュール8,10,12の箇所にこの種のコピー機能が設けられる。
印刷データをミラーコンピュータシステム14にコピーする、印刷データの自動伝送のためのシステムは次の点で従来のミラーリング手法とは基本的に異なっている。すなわち受信側2の記憶媒体、特にハードディスクへの任意の全ての書込み過程がミラーコンピュータシステム14にコピーされるのではなく、一方では予め定められたデータ、すなわち印刷データのみがコピーされ、他方ではこれらのデータが所定のプロセスステーションにのみコピーされる点である。これにより従来のミラーリング手法とは異なって受信側2とミラーコンピュータシステム14の間で重要なデータ転送だけが僅かに維持されるだけである。
コピーないし保護すべきデータの選択/確定、及び/又はミラーコンピュータシステム14の選択/確定は、特にユーザーによってメニュー案内で行われる。受信側2のプロセス経過における所定のプロセスステーションでの予め定められたデータの所期のコピーは、従来のミラーリング手法に比べてさらなる利点を提供する。そのため受信側2とミラーコンピュータシステム14では、印刷データの処理に対してユーザー毎に異なった権利が定められる。例えばこの権利を有するユーザーは受信側2にて印刷データを消去することができる。但しこの権利はミラーコンピュータシステム14にまで自動的に適用される必要はない。ユーザーが受信側2において印刷データを誤って消した場合でも、印刷データはミラーコンピュータシステム14において保持される。さらに受信側2における消去機能を、自動的に時間をずらせてミラーコンピュータシステム14で実施するように構成することも可能である。この時間のずれは数時間から数日の間であってもよい。これにより、誤って消去された後でもミラーコンピュータシステム14において少なくとも数時間はデータが利用できることが保証される。
以下では印刷データの自動伝送のための方法の経過を図3に示されている線図に基づいて説明する。
この実施例では2つの印刷ファイル(データファイル1,データファイル2)を含んだ印刷ジョブが送信側1から受信側2に伝送されている。図3では送信側1からネットワーク5までのインターフェースがMF(メインフレーム)で表され、ネットワーク5と受信側の間のインターフェースがI−PS(インプットプリントサーバー)で表され、ミラーコンピュータシステム14(M)に接続されるデータ線路13と受信側のインターフェースがO−PS(アウトプットプリントサーバー)で表されている。
第1の印刷ファイル(ファイル1)はステップS1でもって(図3中の矢印参照)送信側から受信側へ伝送される。受信側では第1の印刷ファイルがコピーされ、ステップS2でもってミラーシステムに伝送される。このミラーコンピュータシステムは印刷ファイル1の適正な受信をステップS3において肯定応答する。これに対して受信側から送信側に印刷ファイルの適正な受信が肯定応答される(ステップS4)。
さらに類似のステップS1〜S4が第2の印刷ファイル(データファイル2)の伝送に対しても実施される。印刷ジョブが3以上の印刷ファイルを含んでいる場合には、ステップS1〜S4がそれぞれの印刷ファイルの伝送に対して相応の頻度で繰り返される。
全ての印刷ファイルが適正に伝送されたならば、受信側においてステップS5でもって印刷ジョブの実施がスタートされる。その場合複数の印刷ファイルが相応の印刷機へ伝送される。受信側は印刷機による印刷ジョブ実行の後で相応の確認通知を受取る(ステップS6)。
この印刷データの自動伝送のための方法は上述したように実施例に基づいて説明してきたが、そこではデータが送信側から受信側にダウンロードプロトコルを用いて伝送され、その場合受信側はそれぞれの印刷ファイルに肯定応答している。チェックポイントの利用のもとでは肯定応答は印刷データのデータ単位の適正な受信の後と適正なコピーないしミラーリングの後で行われており、それらはチェックポイント又は印刷ファイルの終端によって区切られる。それにより、伝送及びコピーすべきデータ単位は必ずしも常に完全な印刷ファイルというわけではなく、切り取られた複数の印刷ファイル断片からなっていてもよい。
受信側ないしはプリントサーバーにおける印刷データの記憶の際には問題が生じる可能性があるので、プリントサーバーとミラーコンピュータシステムからなるシステムは次のように構成されていてもよい。すなわち当該のミラーコンピュータシステムが自動的にプリントサーバーとして利用されるように構成されてもよい。これに対してミラーコンピュータシステムは、プリントサーバーの全ての機能モジュールないしプログラムモジュールを備え得る。それらは印刷データの転送と処理に必要なものである。
基本的には印刷データの適正な受信は、ミラーコンピュータシステムへの印刷データのコピーの後で初めて肯定応答される。印刷データのコピーが適正に実施できなかった場合には、印刷データの全ての伝送が中断される。しかしながら別の代替的実施形態において、たとえ印刷データが適正にミラーコンピュータシステムへコピーされなかったとしても、印刷データが適正に受信され受信側に適正に記憶されている限り、受信側が送信側に印刷データの適正な受信を肯定応答するように構成することも可能である。適正にコピーがなされなかったことに起因するエラーが取り除かれた後では、コピーされなかった印刷データを事後的にミラーコンピュータシステムにコピーさせることも可能である。
またこの印刷データの自動伝送システムは多数のミラーコンピュータシステムを備えていてもよい。その場合には印刷データが同時に複数のミラーコンピュータシステムにコピーされる。しかしながら印刷データを唯一のミラーコンピュータシステムだけにコピーさせることも可能である。その場合は問題が生じても他のミラーコンピュータシステムに印刷データがコピーされ、印刷データの適正な記憶が保証される。
複数のミラーコンピュータシステムが存在している場合において所定のミラーコンピュータシステムにエラーが発生した場合には、記憶すべきデータの予め定められた数nのコピーが複数のミラーコンピュータシステムにおいて適正に作成できた場合にしかコピーは継続されない。
エラーに対する応答(エラーリアクション)は、以下に述べるルールに従って行われ得る。このエラーケースに対するルールは受信側2において形成される。所定のルールの形成ないし構成はそのつど所定のミラーコンピュータシステム14毎に行われる。これらのルールは以下のとおりである。
(1)構成されたミラーコンピュータシステムにおけるコピー時のエラー発生の際の送信側から受信側へのデータ伝送の中止。
(2)構成されたミラーコンピュータシステムにおけるエラー発生にも関わらない送信側から受信側へのデータ伝送の継続。
(3)確保すべきデータのn個のコピーが正常に作成された場合だけの送信側から受信側へのデータ伝送の継続。
(4)構成されたミラーコンピュータシステムにおけるエラー発生の際の予め決められた別のミラーコンピュータシステムへのコピー過程の切替え。
(5)予備ミラーコンピュータシステム(スタンバイミラーサーバー)としての利用、このシステムは受信側においてミラーが発生した場合若しくは他のミラーコンピュータシステムにおいてエラーが発生した場合にのみ利用される。
エラーが発生した場合に、エラーをミラーコンピュータシステムにおいて解消させ得る2つの手段(エラーリカバリ)が存在する。その1つでは、エラー発生時以降受信側にて受信された全ての印刷データないしデータ単位をミラーコンピュータシステムにコピーさせることが試みられる。別の1つでは、ミラーコンピュータシステムが次のように形成される。すなわちエラー発生時以降受信された印刷データがもはや当該ミラーコンピュータシステムでコピーされないように形成される。
図4aには3つのミラーコンピュータシステムを用いた構成例が示されており、これらはそれぞれプライマリミラーサーバー、セカンダリミラーサーバー1、セカンダリミラーサーバー2と称される。プライマリミラーサーバーへのコピーの際にエラーが発生した場合には送信側から受信側へのデータ伝送が中止される。印刷データないしデータ単位は再度伝送されなければならない。セカンダリミラーサーバー1においてエラーが発生した場合には、データ伝送はそのまま継続される。エラーの除去後は、受信側に受信されその間にそこに記憶された全ての印刷データがセカンダリミラーサーバー1にコピーされる。
セカンダリミラーサーバー2においてエラーが生じた場合には送信側から受信側へのデータの伝送は継続される。しかしながらセカンダリミラーサーバー2においてエラーが除去された後でも、その間に受信されたデータはもはやそこにはコピーされない。
図4bには第2の構成が示されている。この構成は4つのミラーコンピュータシステムが含まれており、これらはそれぞれミラーサーバー1、ミラーサーバー2、ミラーサーバー3、ミラーサーバー4と称する。ミラーサーバー4は、ミラーサーバー3に対する予備ミラーコンピュータシステムを形成している。ミラーサーバー1は次のように構成されている。すなわち当該ミラーコンピュータシステムにおいてエラーが発生した場合であっても、送信側から受信側へのデータ伝送を継続するように構成されている。ミラーサーバー2は次のように構成されている。すなわち当該ミラーコンピュータシステムにおいてエラーが発生し、少なくとも2回のコピーが正常に作成できなかった場合に、送信側から受信側へのデータ伝送を中止するように構成されている。このことは、ミラーサーバー2においてエラーが発生し、かつミラーサーバー1が脱落するか若しくはミラーサーバー3とその予備ミラーコンピュータシステム(ミラーサーバー4)が脱落した場合に、データ伝送が中止されることを意味する。さらにミラーサーバー4が脱落した場合にはデータ伝送が中止される。
各ミラーコンピュータシステム毎のルールは個別に構成されるので、基本的には任意の数のミラーコンピュータシステムを設けることができ、さらに種々の方式で協働させることが可能である。
受信側の別の有利な構成によれば、そのインターフェースモジュールが次のように構成される。すなわちまず最初に、到来する印刷データが適正な送信側からきたものかどうかを検査するように構成される。その際インターフェースモジュールはそれらの印刷データを、プロトコルに従って送信側から受信側へ伝送される印刷データのヘッダ内に含まれている複数のパラメータに基づいて検査する。印刷データの適正さの検査は、それがインターフェースモジュールによって受信側に記憶される前に行われる。本発明によるこのような観点は、独立した発明思想を表している。
本発明の実施例では印刷データがTCP/IPプロトコルによる接続のもとでダウンロードプロトコルを用いて伝送される。図5には適正な印刷データ伝送のための典型的なパラメータを伴ったテーブルが示されている。パラメータ"remote hosts"はTCP/IPプロトコルのヘッダ内に表示される。図5のテーブルにおけるその他のパラメータの全ては、ダウンロードプロトコルのヘッダ内に表示される。パラメータ"local ports""remote hosts"は一般的なアドレスデータを表す。この種のアドレスデータはファイアーウォールプログラムにおいて相応するデータの適正度の監視のために用いられる。さらなるパラメータ"remote users"、"remote printers"、"remote class"、"remote forms"は、印刷ジョブないしここで使用されるプリンターに対する特定のパラメータである。この種の特定のパラメータは、ファイアーウォールプログラムにおいては到来するデータの検査には用いられない。印刷データの監視に対してパラメータ"remote class"と"remote forms"は特別に定められる。というのもこれらの2つのパラメータは印刷データないし印刷ジョブの内容の決定に関わるからである。そのためパラメータ"remote forms"はどの書式が用いられるかを表している。パラメータ"remote class"は例えば所定の受信側における所定のプリンター列を記述している。このプリンター列は所定のプリンターへ若しくは所定のプリンターグループへの印刷データの伝送のために設けられている。
図6aには構成例が示されており、この場合はワイルドカードとして"*"マークが用いられている。これは任意の値毎にパラメータに用いられる。図5aによる構成は、全てのユーザーがその印刷データをそれがIPAアドレス"10.54"で開始される限り任意のポートでもって任意のプリンターに伝送できることを意味している。
図6bによる構成のもとでは、送信側にてプリンター"P910"のユーザー"Natia"がデータ"Testserver.nowhere.com"をポート5055に伝送する。図6bによる構成のもとでは、送信側にてプリンター"P910"のユーザー"Natia"がデータ"Testserver.nowhere.com"をポート5055に伝送する。
ユーザー"Admin"はそれぞれ任意のプリンターを利用し得る。それらは符号"P"で開始され、その印刷データは送信側"Domain Server"から任意のポートに伝送される。
本発明にとって重要なのは、受信側がヘッダーからのパラメータに基づいて自由にルールを(このルールに従って印刷データが受信側に許可される)規定できる点である。前述の実施例において明示されたパラメータは有利に利用される。しかしながら基本的にはヘッダ内に明示されている他のパラメータも利用できる。図7にはこの種のJCL(Job Control Language)パラメータのリストが示されている。このテーブルは、IBMのハンドブック"Print Services Facility for OS/390 & z/OS, Download for OS/390, Version 3, Release 3.0 (S544-5624-02) , 2002"から取出されたものである。
前述した本発明の実施例においてはプリントサーバーとして構成された印刷データを受信するための装置(受信側2)が用いられている。そのようなプリントサーバーはプロセッサユニットと、メモリユニットと、印刷データの受信/処理/転送に用いられるコンピュータプログラムとを備えたコンピュータである。このコンピュータプログラムは印刷データの自動伝送方法の実施のために構成されている。
本発明自体は、データ担体上に記憶されているコンピュータプログラム製品として実現されてもよい。
印刷ジョブのミラーリングのための方法(図8)を用いて第1の印刷システムIのプリントサーバー101に到来する印刷ジョブが自動的に第2の印刷システムIIのプリントサーバー101に記憶される。
プリントサーバー101はそれぞれ1つの印刷ジョブマネージャ102(DAM)、複数のクライアント103、バッファモジュール104(PM)、解凍モジュール105(DE)、メモリユニット106(SP)、スプールモジュール107(SM)を有している(図7)。
本発明の実施例では3つの異なるタイプのクライアント(CL)、詳細にはインプットモジュール103/1、印刷ジョブクライアント103/2、及びチケットルールクライアント103/3が設けられている。
通常は複数のインプットモジュール103/1が設けられており、これらのインプットモジュールはそれぞれ印刷ジョブ生成のために1つ又は複数の計算機108(RE)とデータ線路109を介して接続されている。インプットモジュール103/1はプロトコルを用いた印刷データの受信のために用いられる。そのようなインプットモジュール103/1は例えばダウンロードプロトコル若しくはLPプロトコルを用いた印刷データの受信のために構成されていてもよい。そのようなインプットモジュール103/1はHotDirリストであってもよい。ダウンロードインターフェースは、バックグラウンドで実行される通常は直接的なユーザインタラクションを行わないプログラムとして構成されている。このようなプログラムは、Unixおよびその派生物ではDaemon(Disc and Execution Monitor)と称される。これに相応するプログラムは、マイクロソフトウィンドウズ(登録商標)では「サービスプログラム」とも称される。Daemonは、ユーザーがコンピュータにログインしていない場合にも実行することができる。
典型的には印刷ジョブマネージャ102とインプットモジュール103/1が印刷センタの従事者のもとに配設され、印刷ジョブ生成のための計算機108は印刷システム従事者の顧客のもとにおかれ、ネットワーク(例えばインターネット)を介してその印刷ジョブをインプットモジュールに伝送する。
クライアント103と印刷ジョブマネージャ102はそれぞれコンピュータプログラムユニットである。それらは1つの共通のコンピュータにインストールされて実行される。しかしながら、少なくとも印刷ジョブマネージャ102とインプットモジュール103を少なくとも2つの別個のコンピュータに設け、そこで実施させることもまた可能である。
印刷ジョブマネージャはPJMサーバー(Printjob-Manager-Server)とも称される。印刷ジョブマネージャ102に対応する印刷ジョブクライアント103/2は印刷ジョブマネージャとインターフェース110を介して接続されており、印刷システムのオペレータが既に存在する印刷ジョブを実行できるように用いられる。この種の印刷ジョブは例えば印刷されていないかあるいは正しく印刷できなかった印刷ジョブである。オペレータは印刷ジョブクライアント103/2を用いて印刷ジョブと特にそのような印刷ジョブのジョブチケットを変更し、その都度の印刷ジョブをプリンター111において印刷するために印刷ジョブマネージャ102に伝送する。
インプットモジュール103/1では到来した印刷ジョブがインターフェース116を介してバッファモジュール104に転送され、そこに緩衝記憶される。この緩衝記憶された印刷ジョブは解凍モジュール105に読出され、そしてデータが解凍される。有利にはこの解凍モジュール105は復号化機能を伴って構成され、それによってデータの復号化も可能となる。解凍されて復号化された印刷データはメモリユニット106に記憶される。
メモリユニット106内に記憶されている印刷ジョブは、スプールモジュール107へ転送するために印刷ジョブマネージャ102によって読出される。
印刷ジョブマネージャはとりわけ印刷ジョブ内に含まれているジョブ随伴データの検査のために、そしてそのつどの印刷システムに対する特定のジョブチケットの生成のために用いられる。
この印刷ジョブマネージャ102は、到来する印刷ジョブのジョブ随伴データを特に設定ジョブチケットからなる制御パラメータでもって補足する。特にジョブ随伴データには、欠落した、但し既存の印刷環境においては必要となる制御パラメータが添付される。全体のジョブチケットが存在すべき場合には、次のようなデータ、特に全体のジョブチケットの制御パラメータが印刷システム固有のジョブチケットに添付される。
印刷ジョブマネージャ102はチケット制御モジュール112(TRM)を有しており、該モジュールにはチケット制御(ルール)が記憶されている。このチケット制御(ルール)はチケット制御モジュールを用いて管理されており、印刷ジョブマネージャにおいて実施される。
このチケット制御モジュール112はチケット制御クライアント103/3に対するインターフェース113を有しており、該インターフェース113を介して双方向の通信が可能である。チケット制御クライアント103/3は制御エディタモジュールを含んでおり、該制御エディタモジュールを用いてチケット制御モジュール内に記憶されているチケット制御(ルール)が編集される。この制御エディタモジュールはグラフィックユーザーインターフェース(GUI)を備えている。
チケット制御モジュール112は複数のチケット制御クライアント103/3に接続されていてもよい。しかしながら全てのチケット制御(ルール)は専ら印刷ジョブマネージャ102のチケット制御モジュール112に記憶されている。チケット制御クライアント103/3を用いることにより、チケット制御モジュール内に記憶されているチケットルールだけがアクセスされ、これがそこで変更される。
ジョブチケットはそのつどの印刷ジョブの制御のための制御パラメータのリストを含んでいる。
これらのチケットルールは一連のアクションを含んでいる。受信した印刷ジョブの詳細なジョブ随伴データを利用する。
第1の印刷システムIに到来する印刷ジョブはバッファモジュール104によってコピーされ、このコピーはデータ線路114を介して第2の印刷システムIIのインプットモジュール103/1に伝送される。このコピーは圧縮され暗号化された状態の印刷ジョブを含んでいる。このことは印刷システムIから印刷システムIIへの伝送にとって有利である。というのもこの2つの印刷システムは通常は互いに離れては位置されており、圧縮されたデータが実質的には圧縮されていないデータよりも早く伝送できるからである。
その他に印刷システムIから印刷システムIIへの印刷データのミラーリングの方法に関しては、例えばDE102006044870.7明細書にも関連性があり、その内容は本願明細書にも取り込まれる。
記憶されている印刷データは、第2の印刷システムIIにおいてインプットモジュール103/1、バッファモジュール104、解凍モジュール105を介してメモリユニット106に書込まれる。
第1の印刷システムIにおいては到来する印刷データが解凍モジュール105によって解凍されて復号化され、その後でメモリユニット106に記憶される。そのつどの印刷ジョブ毎に第1の印刷システムIの印刷ジョブマネージャ102によって印刷システム固有のジョブチケットがジョブ随伴データに基づいて作成される。このことは基本的には2007年2月28日付けで提出されたドイツ連邦共和国特許出願"印刷ジョブのジョブ随伴データの自動処理のための方法、印刷システム及びコンピュータプログラム"に記載があり、それ故これに関しても当該出願明細書が参照される。
本発明の第1実施形態においては第1の印刷システムIに対して特定のジョブチケットが第2の印刷システムIIのプリントサーバーに記憶される。このジョブチケットはミラージョブチケットとも称される。このことはとりわけ、第2の印刷システムIIが第1の印刷システムIと同じリソースとプリンターを有している場合には合目的である。それにより印刷ジョブは直接第2の印刷システムにおいて実行できる。
ミラージョブチケットのミラーリングのためには2つの印刷システムI及びIIの印刷ジョブマネージャ102がデータ接続線路115によって互いに接続される。このデータ接続線路は2つの印刷ジョブマネージャ102に対するインターフェースを有している。しかしながらこのデータ接続線路115は物理的には、到来する印刷データのミラーリングのためのデータ線路114と同じ線路に基づいている。第2の印刷システムIIにおいては印刷データが第1の印刷システムに対して特定のミラージョブチケットと一緒に維持されているので、第1の印刷システムIの先行する脱落のもとでは(この場合は第1の印刷システムIに記憶されている印刷データが損なわれる)、これが第2の印刷システムIIのプリントサーバー101のミラージョブチケットと一緒に第1の印刷システムIのプリントサーバー101に戻されてコピーされ、第1の印刷システムIにおいて遅延無く実行される。
印刷ジョブのミラーリングのための方法の第2の実施形態によれば、第1の印刷システムIのプリントサーバー101において第1の印刷システムI特有のジョブチケットの他に、第2の印刷システムII特有の第2のジョブチケットが作成される。この第2のジョブチケットは第2の印刷システムIIのプリントサーバー101にミラーリングされ、それによってミラージョブチケットが表される。これに対しては第1の印刷システムIのプリントサーバー101において第2の印刷システムII特有の設定ジョブチケットが維持され、その制御パラメータが第2の印刷システムII特有のジョブチケットの作成のためのジョブ随伴データの補足に用いられる。ジョブ随伴データの検査と第2の印刷システムII特有のジョブチケットの作成は、チケット制御モジュール112内に記憶されているチケット制御(チケットルール)を用いて実施される。このチケットルールはそのつどの印刷システム特有の制御パラメータを含んでおり、それらは特有のジョブチケットにエントリされている。
第1の印刷システムIにおいて問題が発生した場合には、第2の印刷システムIにおいて第2の印刷システムIIに特定されたミラージョブチケットを用いた印刷ジョブの出力が遅延無く行われる。
印刷ジョブのミラーリングのための方法の第3の実施形態によれば、第1の印刷システムIにおいて第1の印刷システムI用に特定されたジョブチケットも、第2の印刷システムII用に特定されたジョブチケットも第1の印刷システムIにおいて形成され、それら2つが第2の印刷システムIIのプリントサーバー101にミラーリングされる。第1の印刷システムIのプリントサーバー101において問題が生じた場合には、印刷データを相応のジョブチケットと共に第1の印刷システムIに戻してコピーさせることも可能であるし、あるいは印刷データを直接第2の印刷システムIIに出力することも可能である。この実施形態においてはさらに有利には、第1の印刷システムIのプリントサーバーにおいて2つのミラージョブチケットを記憶させてもよい。なぜならそれによって2つの印刷システムにおいて全てのデータが2つの印刷システムI及びIIのうちの任意の1つに出力させるべく保持されるからである。
印刷ジョブのミラーリングのための方法の第4の実施形態によれば、第1の印刷システムIのプリントサーバー101において印刷データからジョブ随伴データが抽出され、直接第2の印刷システムIIのプリントサーバー101に伝送されるか若しくは処理の後で第2の印刷システムIIのプリントサーバー101に伝送される。第2の印刷システムIIのプリントサーバー101においてはこれらのジョブ随伴データから第2の印刷システムIIに特定されたジョブチケットが形成される。ジョブ随伴データの抽出は、データチケットの形態でファイルとして存在するジョブ随伴データのコピーによって容易に行える。しかしながらこの抽出には、異なるソースからのジョブ随伴データの収集、特に印刷ジョブのファイル名、及び1つ又は複数のジョブ随伴データを含むファイルからのジョブ随伴データの収集も含まれる。このジョブ随伴データの事前処理には例えば異なるソースからのデータの共通のファイルへの統合も含まれる。しかしながらこの事前処理は第1の印刷システムIに特定されたジョブチケットの形成であってもよい。このジョブチケットは第2の印刷システムIIのプリントサーバー101に転送され、そこで第2の印刷システムIIに特定されたジョブチケットに変換される。第2の印刷システムIIにおいて形成され第2の印刷システムIIに対して特定されたジョブチケットは第1の印刷システムIのプリントサーバー101に対してもミラーリングされ得る。同じように有利には、第1の印刷システムIに特定されたジョブチケットを第2の印刷システムIIに対してコピーさせてもよい。
前述した全ての実施形態において共通していることは、ミラーリングされた印刷ジョブと、対応するジョブチケットが第2の印刷システムIIにおいて、ミラーリングされた印刷システム間のデータ接続が中断されるまで差止めされること、若しくはこの差止めが手動で解除されるまで継続することである。そしてこのような期間の経過後に初めて第2の印刷システムIIのオペレータはそのつどの印刷ジョブの出力を開始でき、あるいは相応の印刷データを相応のジョブチケットと共に第1の印刷システムIに伝送できる。このことは誤って印刷ジョブが2つの異なる印刷システムで同時に実施されるようなことがないようにするためにも手動で開始されなければならず、これは著しい出費につながる。オペレータは記憶されている印刷ジョブの開始前にそれぞれの印刷システムの状態に関する情報提供を行うことができる。
記憶されている印刷データは従来の方式ではインプットモジュール103/1を介して第2の印刷システムIIに供給され、さらに印刷データの差止めに関する情報は既に第1の印刷システムIのバッファモジュール104において印刷データに添付されるので、第2の印刷システムIIのプリントサーバー101はミラーサーバーとしての利用に特定して構成される必要はない。第2の印刷システムIIのプリントサーバーは第1の印刷システムIのプリントサーバー101から供給され記憶された印刷データをその他の到来した印刷データと同じように処理する。第2のプリントサーバーにおけるミラーリング方法の実施のためには、印刷ジョブマネージャ102においてデータ接続線路115のためのインターフェースを構成するだけでよい。但しこのインターフェースは第1のプリントサーバー101の印刷ジョブマネージャ102にも同様に配置される。また2つの印刷システムのプリントサーバー101を用いてそれぞれの印刷ジョブを対抗的にミラーリングさせることも可能である。その場合にはこれらが同時に行われてもよい。しかしながら差し止められた印刷ジョブはミラーリングされない。なぜならさもないと2つのプリントサーバーが唯一の印刷ジョブを用いて永久的に印刷ジョブのやり取りをするミラーリングにより相互にブロックされかねないからである。
またアウトプットプリントサーバーから、印刷データと相応の特定ジョブチケットないし非特定ジョブチケットのそれぞれのコピーがファイルされている複数のプリントサーバーへのミラーリングを実施させることも可能である。
第1の印刷システムIにおいては印刷ジョブ内に含まれている印刷データが処理される。この処理には種々異なる処理過程、例えば印刷ジョブ内に含まれている印刷データのパターン化、印刷システムに接続された後処理装置に応じた印刷側装置の適応化などが含まれる。
印刷データのパターン化は非常に煩雑な過程であり、長い時間がかかる。それ故に有利には、処理ステップに依存して新たなジョブチケットが作成される。このジョブチケットは処理すべき残りの処理ステップに対して特定される情報、あるいは既に処理された部分を識別できる情報を含んでいる。例えばそのようなジョブチケットには、プリントサーバー内のパターン化プロセス(RIP)を必要とする印刷ジョブの部分、例えばポストスクリプトデータを既に処理した情報がファイルされていてもよい。このような処理ステップをミラーリングするジョブチケットは有利にはミラージョブチケットとして第2の印刷システムIIのプリントサーバー101に対してミラーリングされる。有利には既に処理した印刷データが第2の印刷システムIIのプリントサーバー101に対してコピーされる。これにより、第1の印刷システムIにおいて問題が発生した際に既に得られた処理ステップを伴うそのつどの印刷ジョブの処理が第2の印刷システムIIにおいて継続される。
基本的に当該の実施状態においては印刷ジョブは第1の印刷システムIのプリントサーバー101にあり、それに対してミラー印刷システムIIのプリントサーバー101にミラーリングされた印刷ジョブはブロックされた差し止め状態で存在する。これらの2つのプリントサーバー101は、当該実施状態において存在する印刷ジョブがオペレータによって消去された場合に、対応するミラーリングされた印刷ジョブも自動的に消去されるように相互に同期されており、この同期は2つの印刷システムI、II間のデータ線路114ないしデータ接続線路115が中断された場合には解除される。そのような中断はミラー印刷システムIIにおいて、ミラーリングされた印刷ジョブのブロッキングの解除を引き起こす。
さらにまたバッファモジュール104において実施されるミラーリング方法を異なって構成することも可能である。この構成はミラーリングすべきプリントサーバー101のバッファモジュール104において行われる。この構成によれば、ミラーリングされたデータの伝送の際、若しくはミラーリングされたデータのミラー印刷システムIIによる受信の際に問題が発生した場合にバッファモジュール104がミラーリングを継続するように設定される。この場合には以下に述べるようなルールが設定されてもよい。
(1)ミラーコンピュータシステムのプリントサーバーに対するコピー時のエラー発生の際の送信側プリントサーバーから受信側プリントサーバーへのデータ伝送の中止。
(2)受信側プリントサーバーにおけるエラー発生にも関わらない送信側プリントサーバーから受信側プリントサーバーへのデータ伝送の継続。
(3)確保すべきデータのn個のコピーが正常に他のプリントサーバーに対して作成された場合だけの送信側プリントサーバーから受信側プリントサーバーへのデータ伝送の継続。
(4)ミラー印刷システムの本来受信すべきプリントサーバーにおけるエラー発生の際の予め決められた別のミラー印刷システムに対するコピー過程の切替え。
エラーが発生した場合には、エラーをミラー印刷システムにおいて解消させ得る2つの手段(エラーリカバリ)が存在する。その1つでは、エラー発生時以降受信側にて受信された全ての印刷データないしデータ単位をミラー印刷システムにコピーさせることが試みられる。別の1つでは、ミラー印刷システムが次のように形成される。すなわちエラー発生時以降に受信された印刷データがもはや当該ミラー印刷システムでコピーされないように形成される。
印刷ジョブのミラーリングのための方法においてはまず到来する印刷データが直接ミラーリングされる。このことはバッファモジュール104において行われる。しかしながらこのことはインプットモジュール103/1の1つにおいて実施されてもよい。その場合には全ての印刷データ、すなわち印刷すべき印刷データのみならずジョブ随伴データもミラーリングされる。本発明にとって重要なことは、付加的にジョブ随伴データから印刷システムに対して特定されるジョブチケットが形成されることである。それらは遅滞なくミラーリングされる。ジョブチケットの生成は、到来するジョブ随伴データへのチケット制御(ルール)の適用によって行われる。このチケット制御(ルール)は、ジョブ随伴データを設定ジョブチケットに結合させる。設定ジョブチケットはそのつどの印刷システムに特定されている。この設定ジョブチケットは異なるインプットモジュール103/1に対しても特定されており、そのため例えば3つの異なるインプットモジュールと2つの異なる印刷システムのもとでは全部で6つの異なる設定ジョブチケットが設けられる。
このチケット制御(ルール)は以下のように異なる形式で呼出される。
(1)チケット制御(ルール)は印刷ジョブの転送の際にインプットモジュールから呼出される。その際インプットモジュールは呼出しによってパラメータを転送する。このパラメータはどのチケット制御(ルール)がそれぞれの印刷ジョブないしそのジョブ随伴データに対して適用されるのかを示している。
(2)印刷ジョブを受信するインプットモジュールに依存して、所定のチケット制御が自動的に実施される。
(3)バッファモジュール104におけるミラーリング方法に依存して所定のチケット制御(ルール)が1つ又はそれ以上のミラージョブチケットの作成のために呼出される。
これにより複数のチケット制御が相互に依存することなくそれぞれの特定ジョブチケットの作成のために呼出される。
本発明による印刷ジョブのミラーリングのための方法を用いれば、従来の公知のミラーリング方法が次のような処理ステップによって拡張される。すなわちジョブ随伴データがそれぞれの印刷システムに対して特定されるジョブチケットに対して引き続き処理された後でミラーリングされるステップである。
1 送信側
2 受信側
3 プリンタードライバ
4 プリンター
5 ネットワーク
6 インターフェースモジュール
7 スプールモジュール
8 バッファモジュール
9 復号化/解凍モジュール
10 バッファモジュール
11 印刷データ処理ユニット
12 バッファモジュール
13 データ線路
14 ミラーコンピュータシステム
15 データ線路
101 プリントサーバー
102 印刷ジョブマネージャ
103 クライアント
103/1 インプットモジュール
103/2 印刷ジョブクライアント
103/3 チケット制御クライアント
104 バッファモジュール
105 解凍モジュール
106 メモリユニット
107 スプールモジュール
108 計算機
109 データ線路
110 インターフェース
111 プリンター
112 チケット制御モジュール
113 インターフェース
114 データ線路
115 データ接続線路
116 インターフェース
本発明は、送信器からの印刷データを受信器によって受信するための方法及び装置、特に印刷ジョブのミラーリングのための方法及び装置に関している。
本発明は電子フォトグラフィック高性能プリンターを備えた印刷環境に対して設けられるものである。
この場合の受信器は通常はプリントサーバーである。この種のプリントサーバーは、例えば2005年2月発行の、oce 印刷システムの印刷技術及びデジタル印刷技術ブックの第9版、第15章に記載されている(ISBN3・00・001019・X)。このプリントサーバーは"oce PRISMAproduction サーバー"とも称される。このプリントサーバーは、とりわけ大型コンピュータ(メインフレーム)とプリント機器との間の通信を形成している。そのようなプリントサーバーは、複数の異なる大型コンピュータから異なるフォーマットの印刷データ流を受取り、それらをさらなる複数の印刷機器に転送している。このようなデータの伝送は種々異なるネットワークを介して種々のプロトコルで行われている。
この種の電子フォトグラフィック高性能印刷システムの多くのユーザーは、その大型コンピュータを1箇所若しくは数カ所に集約させている。この種の大型コンピュータの操作者は複数の印刷ジョブを自身で実施するのではなく、その印刷すべきデータをいわゆる印刷センターに頻繁に送信している。この印刷センターは1つ若しくは複数の電子フォトグラフィック高性能プリンターを有しており、それらのプリンターはローカルネットワークを介して相互に接続されている。このローカルネットワーク内にはプリントサーバーが配設されており、このプリントサーバーはさらなる別のネットワーク、例えばインターネットを介して印刷データを大型コンピュータから受信する。
大型コンピュータからプリントサーバーへのデータの伝送に対してはIBM社のプロトコル"ダウンロード(Dwunload)"が頻繁に用いられる。このプロトコルは、大型コンピュータに使用されるオペレーションシステムOS/390用のIBM Print Services Facility(PSF)の別個に伝達可能な特徴である。このプロトコル"ダウンロード"はTCP/IPネットワークを介して印刷データを自動的に伝送する。このダウンロードプロトコルを用いることによって自動的なエラー除去が実施される。印刷データの伝送が適正に実施されなかった場合には、その印刷データが新たに伝送される。これに対しては、大型コンピュータにおけるオペレータの介入とデータ伝送の新たな実施は必ずしも必要ではない。複数の印刷データは、それらが完全にかつ適正に伝送されるまでは大型コンピュータにおいて維持される。大型コンピュータによって生成された印刷データ流には"チェックポイント"と称する複数のマークが挿入され得る。印刷データの伝送の際にエラーが発生した可能性がある場合には、それらのデータが最後のチェックポイントから再度新たに伝送される。これにより、常に全ての印刷データを新たに伝送しなければならないようなことが不要となる。
印刷センターの従事者がコンピュータの故障に基づいて複数の印刷データを失うか、あるいは複数の印刷データがもはや使用不能なくらいに損なわれてしまうと、印刷センターの従事者にとってはゆゆしき問題となる。正しい受信が送信側に受領確認されると、それに続いて印刷データが消去され、もはや新たな伝送がされなくなる。このような問題を回避するために、プロトコル"ダウンロード"には複数の印刷データを複数の受信側に同時に伝送できる機能が備えられる。このことは複数の印刷データを印刷サーバーとミラーコンピュータシステムに伝送することに用いられる。そこでは印刷データの処理の際にミラーコンピュータシステムによる複数の印刷データの実行によって事後的に発生したエラーが解消できるようにするために、複数の印刷データが所定の時間維持される。しかしながらミラーコンピュータシステムに対する印刷データのミラーリングは大型コンピュータの操作者の責任範囲にあって印刷センターの従事者のではない。たとえ大型コンピュータの操作者がこの種のミラーリング処理を目論んだとしても、複数の印刷データは受信完了の受領確認の後で消去され、もはや印刷データを新たに読出す手段はない。一方、印刷センターの従事者にとっては、依頼者から既に適正に伝送された印刷データを新たに呼出さなければならないことは事務的にみて非常に煩わしいこととなる。
このような問題を回避するためには、大型コンピュータないしはミラーコンピュータシステムに対して印刷が完全に終了するまでは印刷データを維持させなければならない。しかしながらこれに対しては一連の製造工程全般に亘って印刷完了後の大型コンピュータへの応答通知が必要とされ、それによって複数の印刷データが再び消去可能となる。但しこの種の応答通知は著しい通信コストを意味するものでもある。大型コンピュータはその複数の印刷データを様々なプリントサーバーに送信し、これらのプリントサーバーも種々異なるプリンターを駆動制御している。つまりこれらの種々のプリントサーバーとプリンター全てがこの種の応答通知のために構成されていなければならない。公知のプロトコルは大型コンピュータとプリントサーバーの間の印刷データの伝送を想定していないため、このようなことは実際にはほとんど不可能である。
コンピュータシステム全体のミラーリングのためのソフトウエアは公知であり、基本的には印刷データを受信するようなプリントサーバーに対しても用いることが可能である。しかしながらこれによってプリントサーバー自体もミラーリングされ、このことは結果としてプリントサーバー内に誤って記憶されているデータがミラーコンピュータシステムに対しても誤って記憶されてしまうことにつながる。従ってプリントサーバーに起因するエラーによって生じた問題は回避のしようがない。ユーザーがプリントサーバーにおいて意図的に印刷データを消去すると、それはミラーコンピュータシステムにおいても自動的に消去される。なぜならこのミラーコンピュータシステムはプリントサーバーの正確なコピーとなるべきものだからである。
コンピュータシステム全体のミラーリングのためのこのような公知のソフトウエアにおいては、コンピュータシステムのハードディスクへの個々の各記憶過程が直ちにミラーコンピュータシステムに伝送され、そこにコピーされる。
印刷データの伝送の際には、さらに印刷データがまれに誤ったプリントサーバーに伝送されるさらなる問題も生じる。個々のプリントサーバーは時折類似した名前を有しているため、タイプエラーの際、若しくはメニューリストからの誤った選択の際に間違ったプリントサーバーが宛先として入力されることもある。そのような誤ったアドレス指定はそれほど頻繁には生じないが、しかしながらそれが一度発生してしまうと、高機能印刷においては著しい損傷を引き起こす。なぜなら誤った印刷機において印刷された印刷物は大抵は使い物にならないからである。印刷データが間違った印刷機に伝送された場合、この間違った印刷機には適正なリソースとフォーマット規定が存在していないことが多く、そのため印刷データも間違って印刷され得る。高機能印刷においては間違って印刷された印刷ジョブは著しい経済的損失を意味する。これまではこの種の印刷データの誤った伝送は、ファイアーウォールプログラムを用いて検出することが試みられていた。このプログラムは使用されているネットワークプロトコルのヘッダに含まれるパラメータに基づいて当該印刷データが適正に送達されたものか否かを区別している。しかしながらネットワークプロトコル、例えばTCP/IPのヘッダには送信者と受信者のアドレスなどの基本的なパラメータしか含まれていない。所定の送信者が所定の受信者にアクセス許可すると、ファイアーウォールプログラムは受信者に当該送信者からの全てのデータの受信を許可する。
しかしながら頻繁に送信側と受信側の間では実質的に特定の割当てとなる(例えば送信側が所定の形式の印刷ジョブを所定の受信者に伝送し、別の形式の印刷ジョブを別の受信側に伝送するなど)。
リナックスシステム若しくはその他のユニックスデリバティブベースのプリントサーバーにおいては、到来する印刷ジョブをプロトコルLPを用いてlpdデーモンにより送信側と受信側に対する特定の複数のパラメータを検査することが公知である。これに対しては印刷ジョブにそれぞれ1つの別個のファイルが添付され、このファイルは送信側コンピュータと受信側コンピュータのアドレスデータのみでなく、ユーザーに対する多数のパラメータも含んでいる。それに関しては印刷機に対するパラメータが実行されてもよい。
このシステムでの欠点は、監視すべきパラメータが別個のファイルに記憶されていることである。仮にハッカーによってこのファイルが盗まれた場合には、プリントサーバーにおいていつでも印刷ジョブがトリガされてしまう。またハッカーはプリントサーバー内にセキュリティを脅かすファイルを忍び込ませることもできる。
デジタル印刷の文献"Technology and Printing Techniques of Oce Digital Printing Presse(a.a.a.O)"からは、"Oce PRISMAproduction"の商品名で呼ばれるサーバーシステムが開示されており、このサーバーシステムではデータ流のワイドパレットが処理ないし変換され、それがIPDSプリンターで印刷される。このOce PRISMAproduction サーバーシステムは、プリントジョブマネージャ"PrintJobmanager PJM"(第15.2.4章及び第18.2章参照)を含んでおり、それと共にプリントジョブが任意の顧客クライアントに対して生成され、当該サーバーシステム内で処理されて管理される。このプリントジョブマネージャは印刷ジョブマネージャとも称される。
ここでは2007年2月28日付けで提出されたDE102007009737号明細書の内容が全般に亘って参照されるべく本願においても受入れられる。
そこに記載されている方法では、印刷ジョブのジョブ随伴データが処理されており、それらのデータには印刷ジョブを制御するための制御パラメータが含まれている。この方法は印刷ジョブマネージャを備えた印刷システムと、印刷ジョブが生成される1つまたは複数のクライアントと、印刷ジョブを印刷機に供給するためのプリントサーバーにおいて実行され、以下に述べるようなステップを含んでいる。すなわち、
−印刷ジョブマネージャによってクライアントの1つからのジョブ随伴データを伴う印刷ジョブを受信するステップと、
−予め定められたチケットコントロールに従ってジョブ随伴データを検査し、印刷システム特有のジョブチケットを出力するステップと、
−ジョブチケットを伴う印刷ジョブをプリントサーバーに対して転送するステップとを含んでいる。
この方法は、ジョブ随伴データの検査が予め定められたチケットコントロールに従って中央のプリントジョブマネージャにおいて実施できる点で優れている。
ジョブ随伴データは中央でそして有利には専ら印刷ジョブマネージャにおいて検査若しくはコントロールされるので、所定の印刷ジョブに使用されるチケット制御が容易に復元可能である。というのもこのチケット制御は唯一の箇所、詳細には印刷ジョブマネージャにおいてのみ実施され、これまでのように異種のクライアントに存在しそこでそのつど確かめるようなものではないからである。さらに印刷ジョブマネージャにおけるジョブ随伴データの検査の中央での実施によって、到来する全ての寿部随伴データが同じチケット制御に従って検査ないしコントロールされることが保証され、さらに場合によっては相応に変更ないし修正も可能である。
さらにジョブ随伴データの検査の中央での実施によってチケット制御は集中的に管理することができ、それによってチケット制御は集中的に監視が可能となり、類似したジョブ随伴データないしは類似したジョブ随伴データ中のエラーが様々に修正されてしまうことが避けられる。
印刷ジョブマネージャにおけるジョブ随伴データの集中的な検査によって得られるさらなる利点は、一連のプロセス連鎖の中でジョブ随伴データの検査が個々の印刷機において非常に近似的に行われることである。そのためこの検査は各印刷機毎に特定された実施ができるようになる。これにより検査の品質は著しく向上される。クライアントにおいてジョブ随伴データの検査が実施される場合には、複数のクライアントが異なる印刷ジョブマネージャと通信できる問題が生じる。そのためそれに基づいて実施されるジョブ随伴データの検査は、種々の印刷ジョブマネージャと連絡できる多数の印刷機に適応化させる必要が生じ、このことも実施を非常に困難にさせる。
チケット制御の集中管理により、操作者にチケット制御の作成と管理を容易にさせるツールを使用させることも可能となる。特に有利には、チケット制御の作成と管理が可能なグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)が設けられ、さらに編集されるチケット制御の構文において自動的に適正な構文を検査するソフトウエアモジュールが設けられる。
本発明の課題は、受信側において印刷データの確実な操作管理を簡単な形式で可能にさせる、送信側からの印刷データを受信側によって受信するための方法及び装置を提供することである。
前記課題は、独立請求項に記載されている本発明によって解決される。本発明の有利な実施形態は各従属請求項に記載されている。
請求項1に記載の送信側からの印刷データの受信側による受信のための方法によれば、送信側からの印刷データが予め定められたプロトコルを介して受信側に伝送される。印刷データにおける予め定められたデータ単位の適正な受信が送信側によってそのつど肯定応答される。この印刷データの自動伝送のための方法は、受信側が所定のデータ単位に対するそのつどの肯定応答の実施前に印刷データをコピーできる点で優れている。
送信側に対して肯定応答する前の印刷データの直接のコピーによって次のことが保証される。すなわち受信側における肯定応答の後で出現したエラーが、コピーされた印刷データに対して何等影響を与えないことが保証される。それに対して印刷データの肯定応答前に受信側にてエラーが発生した場合には、適正な肯定応答は行われず、それによって送信側は印刷データが適正に受信されなかったことを仮定しなければならない。それ故に送信側は印刷データを消去せず、このデータはさらなる伝送に対して使用できる。それに対して肯定応答後にエラーが受信側にて発生した場合には、それ自体適正に受信されていた印刷データが損なわれる可能性がある。これらの印刷データのコピーは作成されていたので、そのコピーを使用することができ、印刷データの処理が阻害なく続けられる。
この印刷データの自動伝送方法では多くのオプションが可能となり、例えばコピーされた印刷データないしミラーリングされた印刷データがエラー時に利用される。また印刷データは多重にコピーすることも可能である。
これらの印刷データはしばしば圧縮された形態で送信側から受信側に伝送される。本発明の有利な実施形態によれば、圧縮された印刷データがコピーされる。これによりコピーデータを保持するための所要記憶容量が僅かに維持される。それらのデータは大抵は1つのコンピュータシステム内でコピーされるのではなく、1つのコンピュータシステムからミラーコンピュータシステムにコピーされている。これによりデータはデータ線路を介して伝送されなければならない。しかしながらデータ線路での伝送はコピー過程に遅延を生じさせる。しかしながら圧縮された状態での印刷データのコピーによってこの遅延も僅かに抑えられる。
本発明によるさらに別の有利な実施形態によれば、印刷データのコピーが受信側の入力側にできるだけ近い所、例えばインターフェースモジュールや、インターフェースモジュール直後に配置されるコピーモジュールか又はインターフェースモジュール直後に配設されるバッファモジュールにおいて行われる。
請求項11に記載の手段によれば、送信側からの印刷データの受信側による印刷データ受信方法において、複数の印刷データが予め定められたプロトコルを介して受信側に伝送される。受信側は、印刷データが適正な送信側から到来したものか否かを検査する。その場合受信側は、複数の印刷データを受信し記憶するためのモジュールを用いて、それらの印刷データがモジュールによって記憶される前に所定のプロトコルに従ってヘッダ内に含まれている複数のパラメータに基づいて、送信側の適正度を検査する。
複数のパラメータが検査されるため、送信側は非常に特定的に検査される。その場合には多数のパラメータを用いてプロファイルが問合せされる。それらのパラメータは伝送プロトコルのヘッダから引き出されるものなので、第三者はどのパラメータが受信側へのアクセスに関係しているのかを識別することはできない。たとえ第三者がインターネットでそのようなメッセージをキャッチしたとしても、この第三者は一方ではヘッダ内に含まれているパラメータがアクセスに係わるデーであるということを識別することができず、また仮にこの第三者がそれに関する知識を有していたとしても、どのパラメータが受信側に対するアクセスに係わっているのかを知ることはできない。
送信側の伝送のために用いられるパラメータが印刷ジョブの内容の決定に関わっている場合には、第三者はたとえ自身が全てのパラメータをアクセス要素として識別する余地があったとしても任意の印刷ジョブを受信側に送信することはできない。というのも1つ若しくは複数のパラメータが印刷ジョブの内容に関わるならば、その種の印刷ジョブしか当該のパラメータセットでもって受信側に伝送することができないからである。別のタイプの印刷ジョブは自動的に拒否される。
有利には複数のヘッダのパラメータが送信側の伝送に用いられる。複数の印刷データが例えばダウンロードプロトコルを用いてインターネットを介して送信側から受信側へ伝送されるならば、これらの印刷データはダウンロードプロトコルのヘッダだけでなくインターネットプロトコルのヘッダも有し得る。これらの2つのヘッダから複数のパラメータが送信側の伝送に用いられる。パラメータの構成と選択はただ受信側に課せられるだけである。そのため受信側は、どのような基準に従って送信側からの印刷データを許可するかを個別に確定することができる。
さらに本発明の課題は、印刷ジョブを受信するプリントサーバーからさらに別の印刷システムのプリントサーバーへ、ジョブ随伴データを備えた印刷ジョブをミラーリングするための方法、印刷システム及びコンピュータプログラムにおいて、プリントサーバーのうちの1つが故障した際にも、印刷データの出力が迅速かつ適正に、そして確実に行うことができるように改善を行うことである。
前記課題は、請求項14の特徴部分に記載の方法によって解決される。本発明の有利な実施形態は各従属請求項に記載されている。
本発明によれば、第1の印刷システムのプリントサーバーによる第2の印刷システムのプリントサーバーへのジョブ随伴データを含んだ印刷ジョブのミラーリングのための方法において、以下の方法ステップが実施される、すなわち受信した複数の印刷ジョブをミラーサーバーへミラーリングするステップと、ジョブ随伴データに基づいて少なくとも1つのミラージョブチケットを作成するステップと、前記ミラージョブチケットをミラーサーバーへコピーするステップとが実施される。
ジョブ随伴データからは印刷ジョブのミラーリングのための方法を用いてミラージョブチケットが作成され、それがミラーサーバーへコピーされるので、問題が生じても、ミラーリングされた印刷ジョブとミラーリングされたミラージョブチケットに基づいて印刷ジョブの出力が、確実に、迅速かつ適正に継続され得る。
有利には2つのミラージョブチケットが作成され、それらが2つの印刷システムの各々1つに特定されてミラーサーバーへコピーされる。ミラーリングされた印刷ジョブ及び/又はミラージョブチケットは、予め定められた持続時間の間遮断され、及び/又はこの遮断は、ミラーリングされた印刷システム間のデータ接続が中断されている場合のみ中止される。この遮断は正規操作者によってマニュアルで中止することもできる。
本発明の別の実施例によれば、2つ若しくはそれ以上の印刷システムが互いに対称的に印刷ジョブをミラーリングする。そのため全ての印刷システムは同じ権限で並んで配置される。
ミラージョブチケットの生成は、チケット制御モジュールにおいて集中的に保持されているチケット制御を用いて印刷ジョブマネージャにおいて有利に行われる。この場合は複数の設定ジョブチケットが利用される。それらは複数の印刷システムに対して及び/又は到来する複数の印刷ジョブに対して特定されており、つまりそれらの中にはそれぞれの印刷システムに対して特定された制御パラメータが含まれている。
以下では本発明の説明のためにいくつかの概念を定義する。
全体ジョブは少なくとも1つのドキュメント処理ジョブ、特に印刷ジョブを含んでいる。
印刷ジョブ(Job)は少なくとも1つの印刷すべき印刷ファイルを含んでいる。
全体ジョブチケット(orderticket)は全体ジョブに関する情報、例えば引渡しアドレス、ジョブデータ、所望の供給データなどを含んでいる。
ジョブチケットは印刷ジョブの処理に必要な全てのデータを含んでいる。これらのデータには印刷ジョブに対する処理経過(job・workflow)に関わってくる制御パラメータが含まれている。このジョブチケットは相応のチケットフォーマットにてコード化されている。
設定ジョブチケットは、さらなる処理情報を何も含んでいない印刷ジョブを現下の印刷システムないしは印刷環境の中で出力するのに適した標準データを含んでいる。そのようなデータは制御パラメータであり、例えばそれぞれのプリントサーバーに接続されている印刷機の名前若しくはアドレスであってもよい。
データチケットとは複数の次のような情報と理解されたい。すなわち印刷ジョブを生成するシステム、例えばMFSメインフレームコンピュータシステムによって生成された印刷ジョブが印刷データと一緒に生成されるための情報である。この種のデータの規模はシステムに起因して非常に制限され、そのフォーマットは標準化されていないため、上記の意味ではジョブチケットとはみなされない。
ジョブ随伴データは全体ジョブチケット、ジョブチケット及び/又はデータチケットを含んでいるか、あるいは他のフォームで印刷ジョブに添付されている制御パラメータを含み得る。それらの制御パラメータは大抵は印刷ジョブのデータ名に添付されている。
印刷ジョブにジョブチケットが何も添付されていないときには、印刷ジョブマネージャにおいて設定ジョブチケットを用いて、そして場合によってはさらなる制御パラメータとチケット制御を用いて、印刷システム特有のジョブチケットが作成される。それに対して印刷ジョブにジョブチケットが添付されている場合には、チケット制御に基づいてこのジョブチケットが印刷システム特有のジョブチケットとして適しているのかどうかが検査され、そして場合によっては、(これは制御であるが)変更され、特に設定チケットから印刷システム特有のパラメータによって補足される。
以下では本発明を図面に基づき詳細に説明する。
大型コンピュータ、プリントサーバー及び複数のプリンターからなる印刷データ伝送のための印刷システムの構成を概略的に表した図
印刷データの受取りと処理のためのモジュールを備えた図1によるプリントサーバーを示した図
印刷ジョブの印刷データの伝送と修正における時間経過を表した線図
複数のミラーコンピュータシステムの各構成を表した図
複数のミラーコンピュータシステムの各構成を表した図
パラメータリストを備えたテーブルを表した図
印刷データに対するアクセスプロファイルの構成を表した図
印刷データに対するアクセスプロファイルの構成を表した図
複数のパラメータを有するさらなるテーブルを表した図
印刷ジョブのミラーリング方法を実施するための2つの印刷システムの主要な構成部材を概略的に表したブロック回路図
印刷データを自動手的に伝送するための方法(図1〜図7)は、送信側1から受信側2へ印刷データを伝送するために用いられている。送信側1は通常はメインフレームコンピュータであり、ここでは大量の印刷データが生成される。これらの印刷データは大抵は複数の受信側2に分散されて送信される。図1では図を分かり易くするために、唯1つの送信側1と唯1つの受信側2しか描写していない。
送信側1と受信側2の間のデータ通信は、様々なプロトコルを用いて制御され得る。例えばIBM(登録商標)のメインフレームコンピュータではTCP/IPプロトコルに載ったダウンロードプロトコルが慣用的に使われている。ユニックスシステムの場合は印刷データはLPプロトコル(Lineprinter)で伝送される。さらに適したプロトコルは、FTP(File Transfer Protocol)、NFS(Network File System)であり、これらはプログラムモジュールによって送信側1において印刷データの自動伝送のために用いられる。出願人は次のようなプログラムモジュールHotDir、すなわち到来する印刷データを受信側にて自動的にキャッチして転送するリストを提供するモジュールを推奨する。
本願実施例においては送信側1がIBM(登録商標)の大型コンピュータないしメインフレームコンピュータであり、これはオペレーティングシステムOS/390で動作し印刷データ伝送のためのダウンロードプロトコルで動作する。送信側1では2つのプリンタードライバ3"プリンター1""プリンター2"がインストールされており、これらはプリンターへ伝送するための印刷データを処理して転送している。プリントサーバーは大型コンピュータに対してそのようなプリンターをシミュレートでき、そのためプリントサーバーは大型コンピュータからの印刷データを受信できる。プリントサーバーないし受信側2は、受信した印刷データを、受信側2に接続されている複数のプリンター4のうちの任意の1つに分配できる。
"プリンタードライバ"の概念はここではいわゆるパーソナルコンピュータによって公知のプリンタードライバ、すなわち印刷データがそれぞれのプリンターで直接処理できるように印刷データを準備するプリンタードライバの意味で使用されているのではない。この種の印刷データの処理は電子グラフィック高性能印刷システムのもとではプリントサーバー及び/又は各プリンターの制御装置内で行われる。むしろ送信側1のプリンタードライバ3は到来する印刷データに関してそれが印刷されるべきプリンターに適しているか否かを検査し、ネットワーク5を介して受信側2に伝送するための印刷データを準備する。この場合プリンタードライバ3は印刷データを送信側1への伝送のために準備し、その場合には所定のファイルが印刷ジョブに編成されて、このファイルが圧縮され、場合によっては暗号化される。
このように処理された印刷データが受信側2によって受信される。当該実施例の受信側2はプリントサーバー、特にPRISMAproductionプリントサーバーである。このプリントサーバー2は、異なるプロトコルを用いて印刷データを受信する3つの異なるインターフェースモジュール6を有している。インターフェースモジュール6の1つはデータ受信のためにダウンロードプロトコルを用いて構成されており、また別のインターフェースモジュール6はデータ受信のためにHotDirリストとして構成されており、第3のインターフェースモジュール6はデータ受信のためにLPプロトコルを用いて構成されている。ダウンロードプロトコルを用いたデータ受信のためのインターフェースモジュール6は、以下ではダウンロードインターフェース6とも称する。このインターフェースモジュール6にはTCPプロトコルに準拠した2つのポートナンバーが設けられており、これらのポートによって送信側1と受信側2の間でデータストリームが識別される。これらのポートナンバーは、固定的に設定される(assigned numbers)。これらのインターフェースに入力された印刷データは、プリントサーバー2においてスプールモジュール7に転送される。スプールモジュール7は印刷データを緩衝記憶し、その後で個々のプリンター4に伝送する。ダウンロードインターフェースは、バックグラウンドで実行される通常は直接的なユーザインタラクションを行われないプログラムとして構成されている。このようなプログラムは、Unixおよびその派生物ではDaemon(Disc and Execution Monitor)と称される。これに相応するプログラムは、マイクロソフトウィンドウズ(登録商標)では「サービスプログラム」とも称される。Daemonは、ユーザーがコンピュータにログインしていない場合にも実行することができる。
図2には、ダウンロードインターフェースを用いた受信と転送に関わるプリントサーバー2のプログラムモジュールがブロック回路図で詳細に表されている。プリントサーバー2では、ダウンロードインターフェース6に続いてバッファモジュール8が配設されており、このバッファモジュール8では到来した印刷データが緩衝記憶される。このバッファモジュール8には復号化/解凍モジュール9が接続されており、このモジュールは復号化され解凍されたデータをさらなるバッファモジュール10に書込む。バッファモジュール10からは印刷データ処理ユニット11によって記憶されている印刷データが読出され、必要な処理ステップが実行される。
印刷データ処理ユニット11は処理された印刷データをさらなるバッファ12に書込み、このバッファ12からは処理された印刷データがスプールモジュール7に書込まれる。前記バッファモジュール8,10,12は全て同じクラスを受け継ぎ、DE19957594A1ないしUS2003/0041086A1に記載されているバッファクラスに相当している。これらの明細書は参考として本願明細書に取り込まれる。
図2に示されている実施例では、バッファモジュール8が次のように構成されている。すなわち到来する印刷データをコピーし、データ線路13を介してミラーコンピュータシステム14に転送するように構成されている。このミラーコンピュータシステム14は最も簡単なケースではプリントサーバー2内の付加的なハードディスクからなっている。また有利にはこのミラーコンピュータシステム14は、プリントサーバー2から独立して構成されたコンピュータシステムであってもよい。特にこのミラーコンピュータシステム14は離れたところ、とりわけ別の建物にプリントサーバー2として設けられるべきでもある。なぜならそれによって一方のプリントサーバー2に火災などによって支障が生じた場合でも、ミラーコンピュータシステム14に被害が及ぶことがなく、そこに記憶されている印刷データが引き続き使用できることが保証されるからである。到来する印刷データのコピー機能を備えているバッファモジュール8は、復号化/解凍モジュール9の前に配設されているため、印刷データは圧縮され暗号化された状態でミラーコンピュータシステム14に転送される。これにより、データ線路13を介して伝送され得るデータ量は僅かに保たれ、ミラーコンピュータシステム14への印刷データの迅速なコピーが可能となる。
バッファモジュール8は、入力された印刷データのコピーが終了した後でこのことをダウンロードインターフェース6に確認通知するように構成されている。ダウンロードインターフェース6は、バッファモジュール8からの相応の確認通知があった場合に初めて、送信側1に対して印刷データが正しく受信されたことを確認応答する。これにより、プリントサーバー2での何らかのエラー、例えば落下が次のような事態に至らないことが保証される。すなわち到来する印刷データが送信側1に対して適正に確認応答されることである。但しプリントサーバー2にではなく、ミラーコンピュータシステム14にはコピーされ得る。到来する印刷データの適正受信の肯定応答のこのような僅かな遅れによって次のことが保証される。すなわち少なくともプリントサーバー2またはミラーコンピュータシステム14において、あるいは2つのコンピュータのうちの一方に問題が生じた場合でさえ、送信側1に対して適正な肯定応答がなされている場合には印刷データが得られる。
印刷データの適正な入力の肯定応答の遅延は、とりわけデータ線路13を介したコピー印刷データの伝送によって引き起こされる。それ故に特に有利には印刷データが圧縮された状態でミラーコンピュータシステム14に転送される。このことは迅速なデータ接続に寄与する。図2において波線のデータ線路13で示されているように、本発明の代替的な実施形態では、到来する印刷データがダウンロードインターフェース6にもコピーされ、そこからミラーコンピュータシステム14に転送される。そのような実施形態が有する利点は、ミラーリングと肯定応答が唯一のモジュール(ダウンロードインターフェース6)によってコントロールされることである。これにより印刷データのミラーリングと同期した肯定応答が簡単に実現できる。
また代替的に、付加的なコピーモジュールをダウンロードインターフェース6とバッファモジュール18の間に設けてもよい。この付加的なコピーモジュールの唯一の目的は印刷データをコピーしてミラーコンピュータシステム14に転送することである。
本発明の別の構成例によれば、所定の処理過程の後で、特に受信側2の出力側から印刷データをミラーコンピュータシステム14に対してコピーさせることも可能である。図2には例示的に波線で示されたデータ接続線路15がバッファモジュール12からミラーコンピュータシステム14に向けて描写されている。このバッファモジュール12は次のように構成されている。すなわちバッファモジュール12によって記憶されている全ての印刷データが、スプールモジュール7に転送される前に、データ接続線路15を介してミラーコンピュータシステム14にコピーされるように構成されている。データ接続線路15は論理的にデータ線路13に依存しないデータ線路である。これらの2つのデータ接続線路はもちろん物理的に同じデータ線路を使用する。そのような印刷データの付加的なミラーリングは特に印刷データの複雑な処理が受信側2において行われる場合には合目的となる。例えば受信側2において印刷データが網目化され、これ自体が今日可能な計算能力のもとで多大な印刷ジョブとなる場合には数時間を要する可能性がある。それ故この網目化された印刷データはミラーコンピュータシステム14にコピーされる。本発明の枠内では受信側2における複数の箇所、特に全てのバッファモジュール8,10,12の箇所にこの種のコピー機能が設けられる。
印刷データをミラーコンピュータシステム14にコピーする、印刷データの自動伝送のためのシステムは次の点で従来のミラーリング手法とは基本的に異なっている。すなわち受信側2の記憶媒体、特にハードディスクへの任意の全ての書込み過程がミラーコンピュータシステム14にコピーされるのではなく、一方では予め定められたデータ、すなわち印刷データのみがコピーされ、他方ではこれらのデータが所定のプロセスステーションにのみコピーされる点である。これにより従来のミラーリング手法とは異なって受信側2とミラーコンピュータシステム14の間で重要なデータ転送だけが僅かに維持されるだけである。
コピーないし保護すべきデータの選択/確定、及び/又はミラーコンピュータシステム14の選択/確定は、特にユーザーによってメニュー案内で行われる。受信側2のプロセス経過における所定のプロセスステーションでの予め定められたデータの所期のコピーは、従来のミラーリング手法に比べてさらなる利点を提供する。そのため受信側2とミラーコンピュータシステム14では、印刷データの処理に対してユーザー毎に異なった権利が定められる。例えばこの権利を有するユーザーは受信側2にて印刷データを消去することができる。但しこの権利はミラーコンピュータシステム14にまで自動的に適用される必要はない。ユーザーが受信側2において印刷データを誤って消した場合でも、印刷データはミラーコンピュータシステム14において保持される。さらに受信側2における消去機能を、自動的に時間をずらせてミラーコンピュータシステム14で実施するように構成することも可能である。この時間のずれは数時間から数日の間であってもよい。これにより、誤って消去された後でもミラーコンピュータシステム14において少なくとも数時間はデータが利用できることが保証される。
以下では印刷データの自動伝送のための方法の経過を図3に示されている線図に基づいて説明する。
この実施例では2つの印刷ファイル(データファイル1,データファイル2)を含んだ印刷ジョブが送信側1から受信側2に伝送されている。図3では送信側1からネットワーク5までのインターフェースがMF(メインフレーム)で表され、ネットワーク5と受信側の間のインターフェースがI−PS(インプットプリントサーバー)で表され、ミラーコンピュータシステム14(M)に接続されるデータ線路13と受信側のインターフェースがO−PS(アウトプットプリントサーバー)で表されている。
第1の印刷ファイル(ファイル1)はステップS1でもって(図3中の矢印参照)送信側から受信側へ伝送される。受信側では第1の印刷ファイルがコピーされ、ステップS2でもってミラーシステムに伝送される。このミラーコンピュータシステムは印刷ファイル1の適正な受信をステップS3において肯定応答する。これに対して受信側から送信側に印刷ファイルの適正な受信が肯定応答される(ステップS4)。
さらに類似のステップS1〜S4が第2の印刷ファイル(データファイル2)の伝送に対しても実施される。印刷ジョブが3以上の印刷ファイルを含んでいる場合には、ステップS1〜S4がそれぞれの印刷ファイルの伝送に対して相応の頻度で繰り返される。
全ての印刷ファイルが適正に伝送されたならば、受信側においてステップS5でもって印刷ジョブの実施がスタートされる。その場合複数の印刷ファイルが相応の印刷機へ伝送される。受信側は印刷機による印刷ジョブ実行の後で相応の確認通知を受取る(ステップS6)。
この印刷データの自動伝送のための方法は上述したように実施例に基づいて説明してきたが、そこではデータが送信側から受信側にダウンロードプロトコルを用いて伝送され、その場合受信側はそれぞれの印刷ファイルに肯定応答している。チェックポイントの利用のもとでは肯定応答は印刷データのデータ単位の適正な受信の後と適正なコピーないしミラーリングの後で行われており、それらはチェックポイント又は印刷ファイルの終端によって区切られる。それにより、伝送及びコピーすべきデータ単位は必ずしも常に完全な印刷ファイルというわけではなく、切り取られた複数の印刷ファイル断片からなっていてもよい。
受信側ないしはプリントサーバーにおける印刷データの記憶の際には問題が生じる可能性があるので、プリントサーバーとミラーコンピュータシステムからなるシステムは次のように構成されていてもよい。すなわち当該のミラーコンピュータシステムが自動的にプリントサーバーとして利用されるように構成されてもよい。これに対してミラーコンピュータシステムは、プリントサーバーの全ての機能モジュールないしプログラムモジュールを備え得る。それらは印刷データの転送と処理に必要なものである。
基本的には印刷データの適正な受信は、ミラーコンピュータシステムへの印刷データのコピーの後で初めて肯定応答される。印刷データのコピーが適正に実施できなかった場合には、印刷データの全ての伝送が中断される。しかしながら別の代替的実施形態において、たとえ印刷データが適正にミラーコンピュータシステムへコピーされなかったとしても、印刷データが適正に受信され受信側に適正に記憶されている限り、受信側が送信側に印刷データの適正な受信を肯定応答するように構成することも可能である。適正にコピーがなされなかったことに起因するエラーが取り除かれた後では、コピーされなかった印刷データを事後的にミラーコンピュータシステムにコピーさせることも可能である。
またこの印刷データの自動伝送システムは多数のミラーコンピュータシステムを備えていてもよい。その場合には印刷データが同時に複数のミラーコンピュータシステムにコピーされる。しかしながら印刷データを唯一のミラーコンピュータシステムだけにコピーさせることも可能である。その場合は問題が生じても他のミラーコンピュータシステムに印刷データがコピーされ、印刷データの適正な記憶が保証される。
複数のミラーコンピュータシステムが存在している場合において所定のミラーコンピュータシステムにエラーが発生した場合には、記憶すべきデータの予め定められた数nのコピーが複数のミラーコンピュータシステムにおいて適正に作成できた場合にしかコピーは継続されない。
エラーに対する応答(エラーリアクション)は、以下に述べるルールに従って行われ得る。このエラーケースに対するルールは受信側2において形成される。所定のルールの形成ないし構成はそのつど所定のミラーコンピュータシステム14毎に行われる。これらのルールは以下のとおりである。
(1)構成されたミラーコンピュータシステムにおけるコピー時のエラー発生の際の送信側から受信側へのデータ伝送の中止。
(2)構成されたミラーコンピュータシステムにおけるエラー発生にも関わらない送信側から受信側へのデータ伝送の継続。
(3)確保すべきデータのn個のコピーが正常に作成された場合だけの送信側から受信側へのデータ伝送の継続。
(4)構成されたミラーコンピュータシステムにおけるエラー発生の際の予め決められた別のミラーコンピュータシステムへのコピー過程の切替え。
(5)予備ミラーコンピュータシステム(スタンバイミラーサーバー)としての利用、このシステムは受信側においてミラーが発生した場合若しくは他のミラーコンピュータシステムにおいてエラーが発生した場合にのみ利用される。
エラーが発生した場合に、エラーをミラーコンピュータシステムにおいて解消させ得る2つの手段(エラーリカバリ)が存在する。その1つでは、エラー発生時以降受信側にて受信された全ての印刷データないしデータ単位をミラーコンピュータシステムにコピーさせることが試みられる。別の1つでは、ミラーコンピュータシステムが次のように形成される。すなわちエラー発生時以降受信された印刷データがもはや当該ミラーコンピュータシステムでコピーされないように形成される。
図4aには3つのミラーコンピュータシステムを用いた構成例が示されており、これらはそれぞれプライマリミラーサーバー、セカンダリミラーサーバー1、セカンダリミラーサーバー2と称される。プライマリミラーサーバーへのコピーの際にエラーが発生した場合には送信側から受信側へのデータ伝送が中止される。印刷データないしデータ単位は再度伝送されなければならない。セカンダリミラーサーバー1においてエラーが発生した場合には、データ伝送はそのまま継続される。エラーの除去後は、受信側に受信されその間にそこに記憶された全ての印刷データがセカンダリミラーサーバー1にコピーされる。
セカンダリミラーサーバー2においてエラーが生じた場合には送信側から受信側へのデータの伝送は継続される。しかしながらセカンダリミラーサーバー2においてエラーが除去された後でも、その間に受信されたデータはもはやそこにはコピーされない。
図4bには第2の構成が示されている。この構成は4つのミラーコンピュータシステムが含まれており、これらはそれぞれミラーサーバー1、ミラーサーバー2、ミラーサーバー3、ミラーサーバー4と称する。ミラーサーバー4は、ミラーサーバー3に対する予備ミラーコンピュータシステムを形成している。ミラーサーバー1は次のように構成されている。すなわち当該ミラーコンピュータシステムにおいてエラーが発生した場合であっても、送信側から受信側へのデータ伝送を継続するように構成されている。ミラーサーバー2は次のように構成されている。すなわち当該ミラーコンピュータシステムにおいてエラーが発生し、少なくとも2回のコピーが正常に作成できなかった場合に、送信側から受信側へのデータ伝送を中止するように構成されている。このことは、ミラーサーバー2においてエラーが発生し、かつミラーサーバー1が脱落するか若しくはミラーサーバー3とその予備ミラーコンピュータシステム(ミラーサーバー4)が脱落した場合に、データ伝送が中止されることを意味する。さらにミラーサーバー4が脱落した場合にはデータ伝送が中止される。
各ミラーコンピュータシステム毎のルールは個別に構成されるので、基本的には任意の数のミラーコンピュータシステムを設けることができ、さらに種々の方式で協働させることが可能である。
受信側の別の有利な構成によれば、そのインターフェースモジュールが次のように構成される。すなわちまず最初に、到来する印刷データが適正な送信側からきたものかどうかを検査するように構成される。その際インターフェースモジュールはそれらの印刷データを、プロトコルに従って送信側から受信側へ伝送される印刷データのヘッダ内に含まれている複数のパラメータに基づいて検査する。印刷データの適正さの検査は、それがインターフェースモジュールによって受信側に記憶される前に行われる。本発明によるこのような観点は、独立した発明思想を表している。
本発明の実施例では印刷データがTCP/IPプロトコルによる接続のもとでダウンロードプロトコルを用いて伝送される。図5には適正な印刷データ伝送のための典型的なパラメータを伴ったテーブルが示されている。パラメータ"remote hosts"はTCP/IPプロトコルのヘッダ内に表示される。図5のテーブルにおけるその他のパラメータの全ては、ダウンロードプロトコルのヘッダ内に表示される。パラメータ"local ports""remote hosts"は一般的なアドレスデータを表す。この種のアドレスデータはファイアーウォールプログラムにおいて相応するデータの適正度の監視のために用いられる。さらなるパラメータ"remote users"、"remote printers"、"remote class"、"remote forms"は、印刷ジョブないしここで使用されるプリンターに対する特定のパラメータである。この種の特定のパラメータは、ファイアーウォールプログラムにおいては到来するデータの検査には用いられない。印刷データの監視に対してパラメータ"remote class"と"remote forms"は特別に定められる。というのもこれらの2つのパラメータは印刷データないし印刷ジョブの内容の決定に関わるからである。そのためパラメータ"remote forms"はどの書式が用いられるかを表している。パラメータ"remote class"は例えば所定の受信側における所定のプリンター列を記述している。このプリンター列は所定のプリンターへ若しくは所定のプリンターグループへの印刷データの伝送のために設けられている。
図6aには構成例が示されており、この場合はワイルドカードとして"*"マークが用いられている。これは任意の値毎にパラメータに用いられる。図5aによる構成は、全てのユーザーがその印刷データをそれがIPAアドレス"10.54"で開始される限り任意のポートでもって任意のプリンターに伝送できることを意味している。
図6bによる構成のもとでは、送信側にてプリンター"P910"のユーザー"Natia"がデータ"Testserver.nowhere.com"をポート5055に伝送する。図6bによる構成のもとでは、送信側にてプリンター"P910"のユーザー"Natia"がデータ"Testserver.nowhere.com"をポート5055に伝送する。
ユーザー"Admin"はそれぞれ任意のプリンターを利用し得る。それらは符号"P"で開始され、その印刷データは送信側"Domain Server"から任意のポートに伝送される。
本発明にとって重要なのは、受信側がヘッダーからのパラメータに基づいて自由にルールを(このルールに従って印刷データが受信側に許可される)規定できる点である。前述の実施例において明示されたパラメータは有利に利用される。しかしながら基本的にはヘッダ内に明示されている他のパラメータも利用できる。図7にはこの種のJCL(Job Control Language)パラメータのリストが示されている。このテーブルは、IBMのハンドブック"Print Services Facility for OS/390 & z/OS, Download for OS/390, Version 3, Release 3.0 (S544-5624-02) , 2002"から取出されたものである。
前述した本発明の実施例においてはプリントサーバーとして構成された印刷データを受信するための装置(受信側2)が用いられている。そのようなプリントサーバーはプロセッサユニットと、メモリユニットと、印刷データの受信/処理/転送に用いられるコンピュータプログラムとを備えたコンピュータである。このコンピュータプログラムは印刷データの自動伝送方法の実施のために構成されている。
本発明自体は、データ担体上に記憶されているコンピュータプログラム製品として実現されてもよい。
印刷ジョブのミラーリングのための方法(図8)を用いて第1の印刷システムIのプリントサーバー101に到来する印刷ジョブが自動的に第2の印刷システムIIのプリントサーバー101に記憶される。
プリントサーバー101はそれぞれ1つの印刷ジョブマネージャ102(DAM)、複数のクライアント103、バッファモジュール104(PM)、解凍モジュール105(DE)、メモリユニット106(SP)、スプールモジュール107(SM)を有している(図7)。
本発明の実施例では3つの異なるタイプのクライアント(CL)、詳細にはインプットモジュール103/1、印刷ジョブクライアント103/2、及びチケットルールクライアント103/3が設けられている。
通常は複数のインプットモジュール103/1が設けられており、これらのインプットモジュールはそれぞれ印刷ジョブ生成のために1つ又は複数の計算機108(RE)とデータ線路109を介して接続されている。インプットモジュール103/1はプロトコルを用いた印刷データの受信のために用いられる。そのようなインプットモジュール103/1は例えばダウンロードプロトコル若しくはLPプロトコルを用いた印刷データの受信のために構成されていてもよい。そのようなインプットモジュール103/1はHotDirリストであってもよい。ダウンロードインターフェースは、バックグラウンドで実行される通常は直接的なユーザインタラクションを行わないプログラムとして構成されている。このようなプログラムは、Unixおよびその派生物ではDaemon(Disc and Execution Monitor)と称される。これに相応するプログラムは、マイクロソフトウィンドウズ(登録商標)では「サービスプログラム」とも称される。Daemonは、ユーザーがコンピュータにログインしていない場合にも実行することができる。
典型的には印刷ジョブマネージャ102とインプットモジュール103/1が印刷センタの従事者のもとに配設され、印刷ジョブ生成のための計算機108は印刷システム従事者の顧客のもとにおかれ、ネットワーク(例えばインターネット)を介してその印刷ジョブをインプットモジュールに伝送する。
クライアント103と印刷ジョブマネージャ102はそれぞれコンピュータプログラムユニットである。それらは1つの共通のコンピュータにインストールされて実行される。しかしながら、少なくとも印刷ジョブマネージャ102とインプットモジュール103を少なくとも2つの別個のコンピュータに設け、そこで実施させることもまた可能である。
印刷ジョブマネージャはPJMサーバー(Printjob-Manager-Server)とも称される。印刷ジョブマネージャ102に対応する印刷ジョブクライアント103/2は印刷ジョブマネージャとインターフェース110を介して接続されており、印刷システムのオペレータが既に存在する印刷ジョブを実行できるように用いられる。この種の印刷ジョブは例えば印刷されていないかあるいは正しく印刷できなかった印刷ジョブである。オペレータは印刷ジョブクライアント103/2を用いて印刷ジョブと特にそのような印刷ジョブのジョブチケットを変更し、その都度の印刷ジョブをプリンター111において印刷するために印刷ジョブマネージャ102に伝送する。
インプットモジュール103/1では到来した印刷ジョブがインターフェース116を介してバッファモジュール104に転送され、そこに緩衝記憶される。この緩衝記憶された印刷ジョブは解凍モジュール105に読出され、そしてデータが解凍される。有利にはこの解凍モジュール105は復号化機能を伴って構成され、それによってデータの復号化も可能となる。解凍されて復号化された印刷データはメモリユニット106に記憶される。
メモリユニット106内に記憶されている印刷ジョブは、スプールモジュール107へ転送するために印刷ジョブマネージャ102によって読出される。
印刷ジョブマネージャはとりわけ印刷ジョブ内に含まれているジョブ随伴データの検査のために、そしてそのつどの印刷システムに対する特定のジョブチケットの生成のために用いられる。
この印刷ジョブマネージャ102は、到来する印刷ジョブのジョブ随伴データを特に設定ジョブチケットからなる制御パラメータでもって補足する。特にジョブ随伴データには、欠落した、但し既存の印刷環境においては必要となる制御パラメータが添付される。全体のジョブチケットが存在すべき場合には、次のようなデータ、特に全体のジョブチケットの制御パラメータが印刷システム固有のジョブチケットに添付される。
印刷ジョブマネージャ102はチケット制御モジュール112(TRM)を有しており、該モジュールにはチケット制御(ルール)が記憶されている。このチケット制御(ルール)はチケット制御モジュールを用いて管理されており、印刷ジョブマネージャにおいて実施される。
このチケット制御モジュール112はチケット制御クライアント103/3に対するインターフェース113を有しており、該インターフェース113を介して双方向の通信が可能である。チケット制御クライアント103/3は制御エディタモジュールを含んでおり、該制御エディタモジュールを用いてチケット制御モジュール内に記憶されているチケット制御(ルール)が編集される。この制御エディタモジュールはグラフィックユーザーインターフェース(GUI)を備えている。
チケット制御モジュール112は複数のチケット制御クライアント103/3に接続されていてもよい。しかしながら全てのチケット制御(ルール)は専ら印刷ジョブマネージャ102のチケット制御モジュール112に記憶されている。チケット制御クライアント103/3を用いることにより、チケット制御モジュール内に記憶されているチケットルールだけがアクセスされ、これがそこで変更される。
ジョブチケットはそのつどの印刷ジョブの制御のための制御パラメータのリストを含んでいる。
これらのチケットルールは一連のアクションを含んでいる。受信した印刷ジョブの詳細なジョブ随伴データを利用する。
第1の印刷システムIに到来する印刷ジョブはバッファモジュール104によってコピーされ、このコピーはデータ線路114を介して第2の印刷システムIIのインプットモジュール103/1に伝送される。このコピーは圧縮され暗号化された状態の印刷ジョブを含んでいる。このことは印刷システムIから印刷システムIIへの伝送にとって有利である。というのもこの2つの印刷システムは通常は互いに離れては位置されており、圧縮されたデータが実質的には圧縮されていないデータよりも早く伝送できるからである。
その他に印刷システムIから印刷システムIIへの印刷データのミラーリングの方法に関しては、例えばDE102006044870.7明細書にも関連性があり、その内容は本願明細書にも取り込まれる。
記憶されている印刷データは、第2の印刷システムIIにおいてインプットモジュール103/1、バッファモジュール104、解凍モジュール105を介してメモリユニット106に書込まれる。
第1の印刷システムIにおいては到来する印刷データが解凍モジュール105によって解凍されて復号化され、その後でメモリユニット106に記憶される。そのつどの印刷ジョブ毎に第1の印刷システムIの印刷ジョブマネージャ102によって印刷システム固有のジョブチケットがジョブ随伴データに基づいて作成される。このことは基本的には2007年2月28日付けで提出されたドイツ連邦共和国特許出願"印刷ジョブのジョブ随伴データの自動処理のための方法、印刷システム及びコンピュータプログラム"に記載があり、それ故これに関しても当該出願明細書が参照される。
本発明の第1実施形態においては第1の印刷システムIに対して特定のジョブチケットが第2の印刷システムIIのプリントサーバーに記憶される。このジョブチケットはミラージョブチケットとも称される。このことはとりわけ、第2の印刷システムIIが第1の印刷システムIと同じリソースとプリンターを有している場合には合目的である。それにより印刷ジョブは直接第2の印刷システムにおいて実行できる。
ミラージョブチケットのミラーリングのためには2つの印刷システムI及びIIの印刷ジョブマネージャ102がデータ接続線路115によって互いに接続される。このデータ接続線路は2つの印刷ジョブマネージャ102に対するインターフェースを有している。しかしながらこのデータ接続線路115は物理的には、到来する印刷データのミラーリングのためのデータ線路114と同じ線路に基づいている。第2の印刷システムIIにおいては印刷データが第1の印刷システムに対して特定のミラージョブチケットと一緒に維持されているので、第1の印刷システムIの先行する脱落のもとでは(この場合は第1の印刷システムIに記憶されている印刷データが損なわれる)、これが第2の印刷システムIIのプリントサーバー101のミラージョブチケットと一緒に第1の印刷システムIのプリントサーバー101に戻されてコピーされ、第1の印刷システムIにおいて遅延無く実行される。
印刷ジョブのミラーリングのための方法の第2の実施形態によれば、第1の印刷システムIのプリントサーバー101において第1の印刷システムI特有のジョブチケットの他に、第2の印刷システムII特有の第2のジョブチケットが作成される。この第2のジョブチケットは第2の印刷システムIIのプリントサーバー101にミラーリングされ、それによってミラージョブチケットが表される。これに対しては第1の印刷システムIのプリントサーバー101において第2の印刷システムII特有の設定ジョブチケットが維持され、その制御パラメータが第2の印刷システムII特有のジョブチケットの作成のためのジョブ随伴データの補足に用いられる。ジョブ随伴データの検査と第2の印刷システムII特有のジョブチケットの作成は、チケット制御モジュール112内に記憶されているチケット制御(チケットルール)を用いて実施される。このチケットルールはそのつどの印刷システム特有の制御パラメータを含んでおり、それらは特有のジョブチケットにエントリされている。
第1の印刷システムIにおいて問題が発生した場合には、第2の印刷システムIにおいて第2の印刷システムIIに特定されたミラージョブチケットを用いた印刷ジョブの出力が遅延無く行われる。
印刷ジョブのミラーリングのための方法の第3の実施形態によれば、第1の印刷システムIにおいて第1の印刷システムI用に特定されたジョブチケットも、第2の印刷システムII用に特定されたジョブチケットも第1の印刷システムIにおいて形成され、それら2つが第2の印刷システムIIのプリントサーバー101にミラーリングされる。第1の印刷システムIのプリントサーバー101において問題が生じた場合には、印刷データを相応のジョブチケットと共に第1の印刷システムIに戻してコピーさせることも可能であるし、あるいは印刷データを直接第2の印刷システムIIに出力することも可能である。この実施形態においてはさらに有利には、第1の印刷システムIのプリントサーバーにおいて2つのミラージョブチケットを記憶させてもよい。なぜならそれによって2つの印刷システムにおいて全てのデータが2つの印刷システムI及びIIのうちの任意の1つに出力させるべく保持されるからである。
印刷ジョブのミラーリングのための方法の第4の実施形態によれば、第1の印刷システムIのプリントサーバー101において印刷データからジョブ随伴データが抽出され、直接第2の印刷システムIIのプリントサーバー101に伝送されるか若しくは処理の後で第2の印刷システムIIのプリントサーバー101に伝送される。第2の印刷システムIIのプリントサーバー101においてはこれらのジョブ随伴データから第2の印刷システムIIに特定されたジョブチケットが形成される。ジョブ随伴データの抽出は、データチケットの形態でファイルとして存在するジョブ随伴データのコピーによって容易に行える。しかしながらこの抽出には、異なるソースからのジョブ随伴データの収集、特に印刷ジョブのファイル名、及び1つ又は複数のジョブ随伴データを含むファイルからのジョブ随伴データの収集も含まれる。このジョブ随伴データの事前処理には例えば異なるソースからのデータの共通のファイルへの統合も含まれる。しかしながらこの事前処理は第1の印刷システムIに特定されたジョブチケットの形成であってもよい。このジョブチケットは第2の印刷システムIIのプリントサーバー101に転送され、そこで第2の印刷システムIIに特定されたジョブチケットに変換される。第2の印刷システムIIにおいて形成され第2の印刷システムIIに対して特定されたジョブチケットは第1の印刷システムIのプリントサーバー101に対してもミラーリングされ得る。同じように有利には、第1の印刷システムIに特定されたジョブチケットを第2の印刷システムIIに対してコピーさせてもよい。
前述した全ての実施形態において共通していることは、ミラーリングされた印刷ジョブと、対応するジョブチケットが第2の印刷システムIIにおいて、ミラーリングされた印刷システム間のデータ接続が中断されるまで差止めされること、若しくはこの差止めが手動で解除されるまで継続することである。そしてこのような期間の経過後に初めて第2の印刷システムIIのオペレータはそのつどの印刷ジョブの出力を開始でき、あるいは相応の印刷データを相応のジョブチケットと共に第1の印刷システムIに伝送できる。このことは誤って印刷ジョブが2つの異なる印刷システムで同時に実施されるようなことがないようにするためにも手動で開始されなければならず、これは著しい出費につながる。オペレータは記憶されている印刷ジョブの開始前にそれぞれの印刷システムの状態に関する情報提供を行うことができる。
記憶されている印刷データは従来の方式ではインプットモジュール103/1を介して第2の印刷システムIIに供給され、さらに印刷データの差止めに関する情報は既に第1の印刷システムIのバッファモジュール104において印刷データに添付されるので、第2の印刷システムIIのプリントサーバー101はミラーサーバーとしての利用に特定して構成される必要はない。第2の印刷システムIIのプリントサーバーは第1の印刷システムIのプリントサーバー101から供給され記憶された印刷データをその他の到来した印刷データと同じように処理する。第2のプリントサーバーにおけるミラーリング方法の実施のためには、印刷ジョブマネージャ102においてデータ接続線路115のためのインターフェースを構成するだけでよい。但しこのインターフェースは第1のプリントサーバー101の印刷ジョブマネージャ102にも同様に配置される。また2つの印刷システムのプリントサーバー101を用いてそれぞれの印刷ジョブを対抗的にミラーリングさせることも可能である。その場合にはこれらが同時に行われてもよい。しかしながら差し止められた印刷ジョブはミラーリングされない。なぜならさもないと2つのプリントサーバーが唯一の印刷ジョブを用いて永久的に印刷ジョブのやり取りをするミラーリングにより相互にブロックされかねないからである。
またアウトプットプリントサーバーから、印刷データと相応の特定ジョブチケットないし非特定ジョブチケットのそれぞれのコピーがファイルされている複数のプリントサーバーへのミラーリングを実施させることも可能である。
第1の印刷システムIにおいては印刷ジョブ内に含まれている印刷データが処理される。この処理には種々異なる処理過程、例えば印刷ジョブ内に含まれている印刷データのパターン化、印刷システムに接続された後処理装置に応じた印刷側装置の適応化などが含まれる。
印刷データのパターン化は非常に煩雑な過程であり、長い時間がかかる。それ故に有利には、処理ステップに依存して新たなジョブチケットが作成される。このジョブチケットは処理すべき残りの処理ステップに対して特定される情報、あるいは既に処理された部分を識別できる情報を含んでいる。例えばそのようなジョブチケットには、プリントサーバー内のパターン化プロセス(RIP)を必要とする印刷ジョブの部分、例えばポストスクリプトデータを既に処理した情報がファイルされていてもよい。このような処理ステップをミラーリングするジョブチケットは有利にはミラージョブチケットとして第2の印刷システムIIのプリントサーバー101に対してミラーリングされる。有利には既に処理した印刷データが第2の印刷システムIIのプリントサーバー101に対してコピーされる。これにより、第1の印刷システムIにおいて問題が発生した際に既に得られた処理ステップを伴うそのつどの印刷ジョブの処理が第2の印刷システムIIにおいて継続される。
基本的に当該の実施状態においては印刷ジョブは第1の印刷システムIのプリントサーバー101にあり、それに対してミラー印刷システムIIのプリントサーバー101にミラーリングされた印刷ジョブはブロックされた差し止め状態で存在する。これらの2つのプリントサーバー101は、当該実施状態において存在する印刷ジョブがオペレータによって消去された場合に、対応するミラーリングされた印刷ジョブも自動的に消去されるように相互に同期されており、この同期は2つの印刷システムI、II間のデータ線路114ないしデータ接続線路115が中断された場合には解除される。そのような中断はミラー印刷システムIIにおいて、ミラーリングされた印刷ジョブのブロッキングの解除を引き起こす。
さらにまたバッファモジュール104において実施されるミラーリング方法を異なって構成することも可能である。この構成はミラーリングすべきプリントサーバー101のバッファモジュール104において行われる。この構成によれば、ミラーリングされたデータの伝送の際、若しくはミラーリングされたデータのミラー印刷システムIIによる受信の際に問題が発生した場合にバッファモジュール104がミラーリングを継続するように設定される。この場合には以下に述べるようなルールが設定されてもよい。
(1)ミラーコンピュータシステムのプリントサーバーに対するコピー時のエラー発生の際の送信側プリントサーバーから受信側プリントサーバーへのデータ伝送の中止。
(2)受信側プリントサーバーにおけるエラー発生にも関わらない送信側プリントサーバーから受信側プリントサーバーへのデータ伝送の継続。
(3)確保すべきデータのn個のコピーが正常に他のプリントサーバーに対して作成された場合だけの送信側プリントサーバーから受信側プリントサーバーへのデータ伝送の継続。
(4)ミラー印刷システムの本来受信すべきプリントサーバーにおけるエラー発生の際の予め決められた別のミラー印刷システムに対するコピー過程の切替え。
エラーが発生した場合には、エラーをミラー印刷システムにおいて解消させ得る2つの手段(エラーリカバリ)が存在する。その1つでは、エラー発生時以降受信側にて受信された全ての印刷データないしデータ単位をミラー印刷システムにコピーさせることが試みられる。別の1つでは、ミラー印刷システムが次のように形成される。すなわちエラー発生時以降に受信された印刷データがもはや当該ミラー印刷システムでコピーされないように形成される。
印刷ジョブのミラーリングのための方法においてはまず到来する印刷データが直接ミラーリングされる。このことはバッファモジュール104において行われる。しかしながらこのことはインプットモジュール103/1の1つにおいて実施されてもよい。その場合には全ての印刷データ、すなわち印刷すべき印刷データのみならずジョブ随伴データもミラーリングされる。本発明にとって重要なことは、付加的にジョブ随伴データから印刷システムに対して特定されるジョブチケットが形成されることである。それらは遅滞なくミラーリングされる。ジョブチケットの生成は、到来するジョブ随伴データへのチケット制御(ルール)の適用によって行われる。このチケット制御(ルール)は、ジョブ随伴データを設定ジョブチケットに結合させる。設定ジョブチケットはそのつどの印刷システムに特定されている。この設定ジョブチケットは異なるインプットモジュール103/1に対しても特定されており、そのため例えば3つの異なるインプットモジュールと2つの異なる印刷システムのもとでは全部で6つの異なる設定ジョブチケットが設けられる。
このチケット制御(ルール)は以下のように異なる形式で呼出される。
(1)チケット制御(ルール)は印刷ジョブの転送の際にインプットモジュールから呼出される。その際インプットモジュールは呼出しによってパラメータを転送する。このパラメータはどのチケット制御(ルール)がそれぞれの印刷ジョブないしそのジョブ随伴データに対して適用されるのかを示している。
(2)印刷ジョブを受信するインプットモジュールに依存して、所定のチケット制御が自動的に実施される。
(3)バッファモジュール104におけるミラーリング方法に依存して所定のチケット制御(ルール)が1つ又はそれ以上のミラージョブチケットの作成のために呼出される。
これにより複数のチケット制御が相互に依存することなくそれぞれの特定ジョブチケットの作成のために呼出される。
本発明による印刷ジョブのミラーリングのための方法を用いれば、従来の公知のミラーリング方法が次のような処理ステップによって拡張される。すなわちジョブ随伴データがそれぞれの印刷システムに対して特定されるジョブチケットに対して引き続き処理された後でミラーリングされるステップである。
1 送信側
2 受信側
3 プリンタードライバ
4 プリンター
5 ネットワーク
6 インターフェースモジュール
7 スプールモジュール
8 バッファモジュール
9 復号化/解凍モジュール
10 バッファモジュール
11 印刷データ処理ユニット
12 バッファモジュール
13 データ線路
14 ミラーコンピュータシステム
15 データ線路
101 プリントサーバー
102 印刷ジョブマネージャ
103 クライアント
103/1 インプットモジュール
103/2 印刷ジョブクライアント
103/3 チケット制御クライアント
104 バッファモジュール
105 解凍モジュール
106 メモリユニット
107 スプールモジュール
108 計算機
109 データ線路
110 インターフェース
111 プリンター
112 チケット制御モジュール
113 インターフェース
114 データ線路
115 データ接続線路
116 インターフェース