JP2010502420A - 流体のco2濃度を減少させる方法および装置 - Google Patents

流体のco2濃度を減少させる方法および装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、CO濃度を減少させることを対象とする。本発明は、流体のCO濃度を減少させるための流体および装置を利用する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、CO濃度を減少させることに関する。本発明は、流体のCO濃度を減少させるための流体および装置を利用する。
気候変動は、地圏に有意な影響を与える。気候変動に対する主な影響の1つは、大気への様々な温室効果ガスの放出であり、それにより地球温暖化が増強する。放出された温室効果ガスの多くは人間の活動に由来するものであり、例えば、主として化石燃料(例えば、石炭、油、ガソリン、天然ガス)を燃焼させることによる副産物として放出されるものであり、このようにして放出される気体の多くはCOである。代替エネルギー源が利用可能になるまで、または、その他の廉価でクリーンな、且つ豊富な技術が利用可能になるまで、CO放出を低減させることが必要である。
何の制限もなく化石燃料エネルギーに大々的に取って代わる用意ができている代替エネルギーの供給がないことから、化石燃料は今世紀において最も有力なエネルギー源のようである。その上、世界各地における生活レベルの世界標準の向上に伴い、地球規模のエネルギー消費が顕著に増加しつつある。甚だしい地球の気候変動を防ぐ、または、少なくとも軽減するためには、大気のCO濃度を減少させる、または、安定化する有効な方法を開発することが重要なのであって、エネルギー生産および利用の効率を改善することや再生可能なエネルギー源を開発することは、現在の(および将来の)温室効果ガス放出によって引き起こされる問題を十分に処理することはできない。
大気のCOの増加は、惑星の水圏に影響を与えると予想される。水中で、COは、炭酸水素塩(HCO )および炭酸(HCO)と化学平衡の状態である(方程式1)。従って、この平衡の構成要素のいずれかの濃度を変化させることによって、pHが変化すると予想される。
Figure 2010502420
また、pHおよびCO濃度も、水中での化学工程および無機物質の形成に影響を与える。例えば、塩基性条件が優勢である場合、平衡の方向は、炭酸水素塩の沈殿および炭酸塩(無機物質)としての炭酸基のほうに偏る。一方で、酸性条件は、炭酸塩の溶解および解離によってCOを放出する。
生物圏に有害な可能性がある変化を回避するためには、CO放出の減少が必要であることは明らかである。大気へのCO放出を減少させる既知の方法としては、COの隔離がある。例えば、圧縮COを保存するために、北海に設置されているスライプナーの油およびガス田が用いられており、ここでは、圧縮COは海底から約1000メートル下の厚さ200メートルの砂岩層にポンプ輸送される。スライプナーでは、毎年、約100万メートルトンのCO(ノルウェイの年間の全CO放出量の約3%にあたる)が封鎖されている。
このような封鎖の長期にわたる効率が、精力的な研究および討論の課題であり続けている。具体的には、貯蔵寿命の不確かさ(漏れによる)、地震による不安定さ、圧力、および/または、保存されたCOとの化学反応、および/または、保存されたCOから開始する化学反応、および/または、保存されたCOによって触媒された化学反応による層構造の変化、ならびに、浮力のあるCOが移動する可能性のために、このようなシステムの長期にわたる完全性に関して重大な不信が生じている。
無機物質の封鎖は、地質学的に安定な炭酸塩を形成するCOの反応、すなわち無機物質の炭酸塩化を伴う。炭酸塩化を達成するための数々の方法が示されており、その多くはCOと様々な種類のケイ酸塩との酸塩基反応に基づいている。地下注入スキームは、105℃および90気圧の圧力で行われており、COの無機物質捕獲の有効性を試験するためにCOが用いられた。この注入スキームは、反応速度が遅すぎるために失敗している。しかしながら、帯水層の物質に注入されたCO、および、地質学的な時間規模にわたる相互作用によって、望ましい結果が達成される可能性があると考えられている。
COの捕獲および貯蔵は難しい仕事であり、多くの難題が残っている。無機物質の炭酸塩化によってCO濃度を減少させることは多数の利点があるため、無機物質の炭酸塩化は有望な方法である。1つの利点は、形成された炭酸塩の長期にわたる安定性であり、炭酸塩は、地質学的な時間枠にわたり環境面で安全で安定な材料である。その他の利点は、COを隔離するための原材料の大きな利用可能性である。無機物質の炭酸塩化のその他の利点は、全てのプロセスが発熱性であるため、それらが経済的に実行可能な見込みがあることである。加えて、炭酸塩化工程中にそれらから付加価値のある副産物が生産される見込みも、そのコストをさらに相殺する可能性がある。また、無機物質の炭酸塩化工程のその他の利点としては、封鎖を実施することができる場所の広範な取得可能性も挙げられる。
かくして、現在のところ、実質的に有用な時間尺度で雰囲気中および水中のCO濃度を十分に減少させるためのCO封鎖の実行可能な手段は存在しない。
一態様において、本発明は、流体のCO濃度を減少させる方法を提供し、該方法は、微量のCOを含む、または、COを含まない第一の気体のフローを適用すること:および、
塩;および、
液体;
を含む流体に、空気と水との平衡状態で見出される濃度よりも高い濃度でCOを含む第二の気体を適用すること、
を含み、それによって、前記流体中で固体炭酸塩が形成され、前記流体中のCO濃度が減少する。
一態様において、本発明は、微量のCOを含む、または、COを含まない加圧された第一の気体、少なくとも空気と水との平衡状態で見出される濃度よりも高い濃度でCOを含む第二の気体、および、塩を含む流体を提供する。
一態様において、本発明は、流体のCO濃度を減少させる方法を提供し、本方法は、
塩を含む液体にCOのフローを適用して、溶解させた炭酸を形成する工程;および、
前記(i)の炭酸溶液を塩基と混合する工程、
を含み、それによって、前記(ii)の混合物のpHが9〜12になり;および、
固体炭酸塩が形成され、前記流体サンプル中のCO濃度が減少する。
一態様において、本発明は、流体のCO濃度を減少させる装置を提供し、該装置は:
微量のCOを含む、または、COを含まない第一の気体を導入するための第一のコンベヤー;
少なくとも空気と水との平衡状態で見出される濃度よりも高い濃度でCOを含む第二の気体を導入するための第二のコンベヤー;および、
反応チャンバー;
を含み、これらによって、前記反応チャンバーに塩を含む溶液を添加する際に、前記第一のコンベヤーを介して前記第一の気体を前記反応チャンバーに導入し、および、前記第二のコンベヤーを介して前記第二の気体を前記反応チャンバーに導入すると、前記反応チャンバー中での固体炭酸塩形成、および、減少した濃度のCOを含む未反応の気体の放出が起こる。
その他の実施態様において、本発明は、流体のCO濃度を減少させる方法を提供し、ここで前記方法は、本発明の装置に前記流体を適用することを含む。
一態様において、本発明は、流体サンプル中のCO濃度を減少させる装置を提供し、本装置は:
塩基を導入するための第一のコンベヤー;
COを含む流体サンプルを導入するための第二のコンベヤー;
反応チャンバー;
を含み、これらによって、前記反応チャンバーに塩を含む溶液を添加する際に、前記第一のコンベヤーを介して前記反応チャンバーに前記塩基を導入し、および、前記第二のコンベヤーを介して前記反応チャンバーに前記流体サンプルを導入すると、前記反応チャンバー中での固体炭酸塩が形成され、未反応の気体の放出が起こる。
その他の実施態様において、本発明は、流体サンプルのCO濃度を減少させる方法を提供し、前記方法は、流体のCO濃度を減少させるために、本発明の装置に流体サンプルを適用することを含む。
本明細書の文末で、本発明となされる対象を具体的に指摘し、明確に特許請求する。しかしながら、本発明は、操作の構成および方法の両方に関して、それらの目的、特徴および利点と共に、以下の詳細な説明を添付の図面と共に読んで参照すれば最もよく理解されると思われる:
図1は、本発明の方法の一態様を実施するための装置の構成要素を模式的に示す。コンベヤー(1−10)は、水を外来の供給源から反応チャンバーへを適用するものであり、この実施態様においては貯水場(1−20)である。圧力またはポンプは、チャンバー(1−30)から水を運搬して、場合によってはそれを再循環できるように適用される。濃縮したCOを導く気体が注入される(1−40)。空気または空気(1−90)は、チャンバーおよび固体炭酸塩(1−20A)内の気相または塩基性溶液中のpHまたは塩基をさらに高める/制御するための1種またはそれより多くの添加剤を含む。本装置は、空気またはCOを放出させるための出口(1−100)を含んでもよく、これはまた、それぞれ注入ポート(1−40)および(1−90)を介してチャンバーへ再利用させることも可能である。望ましい場所に気体を循環させるために、ダクトやその他の類似のタイプの器具を用いてもよい。任意のポートによって、水中で懸濁した無機物質の粒子(または、コロイド)、および/または、その他のあらゆる固体マトリックス材料(これは、炭酸塩の沈殿を促進するための核形成の材料として作用する)(1−50)および(1−70);および/または、カルシウム塩またはマグネシウム塩のような塩の源(1−60)および(1−80)の導入(または、追加の導入)が可能である。 図2は、実験用のフローセルの模式図である。セルは、3つのセクション:貯水場(2−110)、どちらかの末端に位置する流入源(2−50)および流出フロー(2−60)に分けられる。絶えず稼働する蠕動ポンプ(peristaltic pump)(2−70および2−80)は、水が循環されるように位置する。空気注入用コンベヤー(2−100)およびCO注入用コンベヤー(2−90)は、セル内に位置する。セルには砂が充填されており、任意に、粘土製のふたのような要素で部分的に覆われていてもよい。コンベヤーは、空気(2−100A)およびCO(2−90A)のフローおよび圧力を制御するためのバルブに連結される。セル(2−10、2−20、2−30、2−40)内に、4つのサンプラーが位置しており、それにより、様々な領域で、異なる高さで(A、BまたはCで示される)サンプリングすることができる。 図3は、図2のフローセルの模式図であり、それらがコンベヤー(3−100;3−110)に近接している部分に関してサンプリングされた領域を強調表示した。 図4は、地下に埋められた2本の注入井で構成されるシステムの概略図である。二酸化炭素(高濃度化され、濃縮された気体の形態、純粋なCO、または、その他の気体と混合されたCO)、および、空気(または、その他の気体、もしくは気体混合物)は、それぞれ注入口(4−100)および(4−50)からそれぞれ注入井(4−80)および(4−30)を通って運搬され、さらにスクリーンにかけられ(それぞれ4−90、および、4−40)、COおよび空気を、注入井から例えば帯水層(4−10)に通過させることができる。地下水のフローは、ポンプ輸送、または、注入井から、または、天然の勾配による帯水層によって形成されているものでもよい。任意に、水中で懸濁された塩(例えば、カルシウムまたはマグネシウム塩)、および/または、無機物質の粒子(または、コロイド)、および/または、その他のあらゆる固体マトリックス材料を添加するために、その他の注入口(4−110)および(4−60)が、各注入井(それぞれ4−80および4−30)に導入される。任意の出口(4−70)を介して過量のCOおよび/または空気が放出され、それぞれ注入口(4−100)および(4−50)へ戻して再利用が可能である。帯水層にCOおよび空気が導入されると同時に、固体炭酸塩が形成される(4−20)。
当然のことながら、説明を簡単にして明確にするために、図に示される構成要素は必ずしも一定の縮尺で描かれていない。例えば、いくつかの構成要素の寸法は、明確にするために、その他の構成要素に対して誇張されている場合がある。さらに、適切とみなされる場合、一つの参照番号が、それに相当する、または、類似した構成要素を示すために図中で繰り返し用いられる場合がある。
以下の詳細な説明で、本発明をよく理解するために、多数の特定の詳細について述べる。しかしながら当業者であれば理解可能と思われるが、本発明は、これらの特定の詳細がなくても実施することが可能である。その他、本発明が不明確にならないように、周知の方法、手法および要素は詳細には説明していない。
いくつかの実施態様において、本発明は、方法、流体、および大気のCO濃度を減少させる装置を提供する。いくつかの実施態様において、このような流体、方法および装置は、あらゆる環境を取り囲む空気を処理することにおいて有用である。その他の実施態様において、このような流体、方法および装置は、周囲の環境に放出される前に、工業的なプロセスの副産物としての空気を処理することにおいて有用である。そのようなものとして、本発明に従って使用するための方法、流体および装置は、環境に優しい。いくつかの実施態様において、大気のCOは、高レベルのCOで汚染されたあらゆる領域からの空気である。いくつかの実施態様において、COのフローは、追加の空気のフローと共に金属イオンの水溶液を含む貯水場に注入され、そこで前記金属イオンがCOと共に沈殿して、固体炭酸塩を形成し、従って、沈殿、固体炭酸塩を形成すること、および、COの大気への逸散を予防することによって大気のCO濃度が減少する。いくつかの実施態様において、COのフローは、金属イオンを含む水溶液に注入され、前記水溶液に塩基が添加され、前記金属イオンがCOと共に沈殿して、固体炭酸塩を形成し、従って、沈殿、固体炭酸塩を形成すること、および、COの大気への逸散を予防することによって大気のCO濃度が減少する。
いくつかの実施態様において、本発明は、流体のCO濃度を減少させる方法、流体および装置を提供する。いくつかの実施態様において、上記流体は、水溶液である。いくつかの実施態様において、本発明は、水溶液中のCO濃度を減少させるための方法、流体および装置を提供する。いくつかの実施態様において、COのフローは、空気のフローと共に、金属イオンを含む水溶液に注入され、この水溶液中で高CO濃度が形成され、ここでCOは金属イオンと共に沈殿を形成し、それによって水溶液中のCO濃度が減少する。いくつかの実施態様において、COのフローは、金属イオンを含む水溶液に注入され、前記水溶液に塩基が添加され、ここで前記金属イオンがCOと共に沈殿して、固体炭酸塩を形成し、従って、沈殿、固体炭酸塩を形成すること、および、COの大気への逸散を予防することによって大気のCO濃度が減少する。
いくつかの実施態様において、上記水溶液は、天然資源由来である。その他の実施態様において、本発明は、CO濃度を減少させるために天然資源を利用する。その他の実施態様において、天然資源は、Caイオンが豊富な海洋、湖、河川、海、貯水場、地下水、または、汽水である。
その他の実施態様において、上記水溶液は、脱塩プラントからの排水である。
一態様において、このような方法、流体および装置は、高レベルのCOを含む空気の処理において用途が見出されると予想される。その他の実施態様において、COは、廃棄物、プラスチック、炭化水素、木材、化石燃料、石炭、褐炭、ナフサ、油、ガソリン、ディーゼル燃料、ケロシン、石油、液化石油ガス(LPG);天然ガス、ボトルドガス、メタン、ブタン、プロパン、ガソリン添加剤、エタノール、メタノール、バイオディーゼル、モノアルキルエステル、および/または、それらのあらゆる組み合わせを燃焼させることから誘導されたものでもよい。
その他の実施態様において、このような方法、流体および装置は、人為的なプロセスの副産物として生産されたCOの処理において用途が見出されると予想される。その他の実施態様において、このような方法、流体および装置は、温室効果を減少させることにおいて用途が見出されると予想される。その他の実施態様において、このような方法、流体および装置は、地球温暖化を軽減させることにおいて用途が見出されると予想される。その他の実施態様において、このような方法、流体および装置は、例えば塩水またはその他の汚染物質の侵入を防ぐために、透水係数を減少させることにおいて用途が見出されると予想される。
一態様において、本発明は、気体または液体汚染物質を地中の層に結合させるか、または、蓄積させ、より低い毒性の生成物を形成することによって、あらゆる気体または液体汚染物質の濃度を減少させる方法を提供する。一態様において、このような層は、イオン性物質および/または多孔質物質を含む。
一態様において、本発明の方法、流体および装置によりその処理が影響を受け得る気体は、温室効果ガスを含んでもよく、例えばCO、CO、NO、SOおよび/またはメタン(ここでxは、1〜2の整数である)を含む温室効果ガスである。その他の実施態様において、大気のSOまたは水に溶解させたSOの濃度は、固体硫酸塩、例えば硫酸カルシウムまたは硫酸マグネシウムを形成することによって減少させることができる。
一態様において、本発明は、流体のCO濃度を減少させる方法を提供し、該方法は、少なくとも空気と水との平衡状態で見出される濃度よりも高い濃度でCOを含む第二の気体;
塩;および、
液体;
を含む流体に、微量のCOを含む、または、COを含まない第一の気体のフローを適用すること、
を含み、それによって、前記流体中で固体炭酸塩が形成され、前記流体中のCO濃度が減少する。
いくつかの実施態様において、本方法および装置は、第一の気体を含む流体を利用するものであり、ここで前記第一の気体は、空気、窒素、アルゴン、酸素、CO、NO、SO、メタン、または、それらのあらゆる組み合わせである。その他の実施態様において、前記第一の気体中の微量のCOは、前記第一の気体中のCOが0〜0.04%v/vの範囲であることを意味する。その他の実施態様において、第一の気体は、化学プラントから誘導される。その他の実施態様において、第一の気体は、商業的供給源から誘導される。その他の実施態様において、第一の気体は、大気から誘導される。
いくつかの実施態様において、本方法および装置は、少なくとも空気と水との平衡状態で見出される濃度よりも高い濃度でCOを含む第二の気体を含む流体を利用するものであり、ここで、空気と水との平衡に影響を及ぼす大気のCO濃度は、現在のところ、約350ppm(0.035%v/v)である。その他の実施態様において、空気−水濃度中で見出されるCO濃度は、pH、塩分、温度および圧力のような周囲環境の条件に応じて200〜1000ppmの範囲である。
一態様において、本方法および装置は、少なくとも0.1%v/vの濃度でCOを含む第二の気体を含む流体を利用する。その他の実施態様において、第二の気体は、COを、少なくとも0.5%v/vの濃度で含む。その他の実施態様において、第二の気体は、COを、少なくとも1%v/vの濃度で含む。その他の実施態様において、第二の気体は、COを、少なくとも10%v/vの濃度で含む。その他の実施態様において、第二の気体は、COを、少なくとも20%v/vの濃度で含む。その他の実施態様において、第二の気体は、COを、少なくとも30%v/vの濃度で含む。その他の実施態様において、第二の気体は、COを、少なくとも50%v/vの濃度で含む。その他の実施態様において、第二の気体は、純粋なCOである。
一態様において、用語「純粋な」は、90〜100%v/vの範囲のCO濃度を有する、CO、気体および/または液体の混合物としての第二の気体を意味する。その他の実施態様において、CO濃度の範囲は、約95〜100%v/vである。その他の実施態様において、CO濃度の範囲は、約99〜100%v/vである。その他の実施態様において、CO濃度の範囲は、約70〜100%v/vである。その他の実施態様において、「純粋な」という用語は、その他の気体を含まないCOを意味する。一態様において、本方法で用いられる第二の気体、装置および流体は、水溶液内に含まれている。
その他の実施態様において、上記水溶液は、COが過飽和した溶液である。
一態様において、本発明の方法、装置および流体で用いられる第一の気体および第二の気体は、流体に注入される。この形態によれば、および、一態様において、第一の気体は、流体中のCO濃度を減少させるのに効率的なフローの比率で注入される。その他の実施態様において、第一の気体は、第二の気体の第一の気体に対する比率が、約20:1〜1:500の範囲のフローの比率を有する。その他の実施態様において、第一の気体は、第二の気体の第一の気体に対する比率が、約2:1〜1:200の範囲のフローの比率で注入される。その他の実施態様において、第一の気体は、第二の気体の第一の気体に対する比率が、約10:1〜1:10,000の範囲のフローの比率で注入される。
その他の実施態様において、本方法、流体および装置は、第二の気体を利用するものであり、ここで前記第二の気体は、流体または溶液中でCO濃度を増加させるのに効率的な体積流量で流体または溶液に適用または導入される。その他の実施態様において、体積流量は、処理されたゾーンのサイズに依存する。
一態様において、本方法、流体および装置は、第一の気体を利用するものであり、ここで、第二の気体を可溶化、導入または注入する前に、第二の気体を流体または溶液に適用、注入または導入する。その他の実施態様において、本方法、装置および流体は、第一の気体を含むか、または、使用するものであり、ここで第一の気体を流体または溶液に適用、注入または導入し、それに続いて、第二の気体を可溶化、導入または注入してもよい。その他の実施態様において、本方法、装置および流体は、第一の気体を含むか、または、使用するものであり、ここで第一の気体は、流体または溶液に適用、第二の気体の可溶化、導入または注入と同時に注入または導入される可能性がある。
一態様において、本方法、流体および装置は、水溶液中のCOを除去するか、または減少させ、同時に溶液のpHを高める第一の気体を利用する。その他の実施態様において、前記水溶液中のpHは、第一の気体の導入の1〜100mの領域において9〜12である。その他の実施態様において、前記水溶液中のpHは、第一の気体の導入の0.1〜100mの領域において9〜12である。その他の実施態様において、前記水溶液中のpHは、第一の気体の導入の50〜100mの領域において9〜12である。その他の実施態様において、前記水溶液中のpHは、第一の気体の導入の1〜10mの領域において9〜12である。その他の実施態様において、前記水溶液中のpHは、第一の気体の導入の0.1〜1mの領域において9〜12である。その他の実施態様において、前記水溶液中のpHは、9〜12であり、ここで有効値の領域は、第一の気体の流速に依存する。その他の実施態様において、このプロセスは、固体炭酸塩の沈殿を容易にし、それによって、前記第二の気体のCOが炭酸塩として結合する。一態様において、固体炭酸塩の沈殿は、流体中で維持される。その他の実施態様において、固体炭酸塩の沈殿は、さらに分離される。その他の実施態様において、沈殿の分離は、ろ過もしくは/または遠心分離、またはそれらの組み合わせを介して行われる。その他の実施態様において、沈殿が回収されるか、または、その他の実施態様において、再利用されるか、または、その他の実施態様において、再生または再使用される。
その他の実施態様において、本方法、流体および装置は、第二の気体を利用するものであり、ここで第二の気体は、人為的なプロセスの結果、天然のプロセスの結果であるか、または、人為的なプロセスの副産物として生じた気体である。その他の実施態様において、本方法、流体および装置は、第二の気体を利用するものであり、ここで第二の気体は、大気に放出され、ダクトによって流体に運搬される。その他の実施態様において、本方法、流体および装置は、第二の気体を利用するものであり、ここで第二の気体は、工場の排気システムから運搬され、COはダクトによって流体に排出されるため、大気へのCO放出を防ぐことができる。
いくつかの実施態様において、本方法および装置は、少なくとも空気と水との平衡状態で見出される濃度よりも高い濃度でCOを含む第二の気体を含む流体を利用するものであり、ここで第二の気体は、人為的なプロセスの副産物として生じた気体であり、それらが大気中の空気に放出されるとCOで汚染された空気が形成される。
一態様において、本方法、流体および装置は、COを利用する。その他の実施態様において、COは、固体炭酸塩の形成のために、少なくとも空気と水との平衡状態で見出される濃度よりも高い濃度でCOを含む第二の気体から誘導される。その他の実施態様において、COは、固体炭酸塩を形成するための微量のCOを含む第一の気体から誘導される。その他の実施態様において、COは、固体炭酸塩を形成するための水から誘導される。
一態様において、本方法、流体および装置は、流体または水溶液を利用するものであり、ここで第二の気体の前に、または、それに続いて第一の気体を適用または導入する際に、pHの上昇が起こる。その他の実施態様において、pHは、第一の気体が導入される際には塩基性pHである。その他の実施態様において、第一の気体を導入することによって形成された塩基性pHは、7〜9の範囲である。その他の実施態様において、第一の気体を導入することによって形成された塩基性pHは、7〜8の範囲である。その他の実施態様において、第一の気体を導入することによって形成された塩基性pHは、7〜10の範囲である。一態様において、本方法、装置および流体は、塩基性pHで流体および/または水溶液を含むか、または、使用する。
一態様において、塩溶液の存在下で第二の気体を第一の気体に曝露する際、固体炭酸塩が形成される。
一態様において、本発明は、流体のCO濃度を減少させる方法を提供し、本方法は:
塩を含む液体にCOのフローを適用して、溶解させた炭酸を形成する工程;および、
前記(i)の炭酸溶液を塩基と混合する工程、
を含み、それによって、前記(ii)の混合物のpHが9〜12になり;および、
固体炭酸塩が形成され、前記流体中のCO濃度が減少する。
一態様において、工程(i)の炭酸溶液は塩基に添加され、それによって、前記炭酸溶液のpHを上昇させ、固体炭酸塩が形成される。その他の実施態様において、炭酸溶液は、炭酸、炭酸水素塩、塩、および、COを含む。その他の実施態様において、塩基は、炭酸溶液に添加される。
いくつかの実施態様において、本方法、装置および流体で用いられるCOは、前記液体中のCO濃度を高めるのに効率的な流速で、塩を含む液体に注入される。その他の実施態様において、用いられるCOは、COを含む気体の混合物である。その他の実施態様において、気体混合物は、COが高濃度化された空気である。その他の実施態様において、流速は、処理されたゾーンのサイズに依存する。その他の実施態様において、実施例35によれば、流速が速ければ速いほど、固体炭酸塩形成の収率が減少する。その他の実施態様において、COは、周囲圧力で注入される。その他の実施態様において、12%CO/空気が用いられ、従ってCO分圧は0.12気圧と予想される。その他の実施態様において、実施例31〜37に従って12%CO/空気が用いられる。その他の実施態様において、用語「周囲圧力」は、大気圧を意味する。その他の実施態様において、放出されたCOが高濃度化された空気は、周囲/大気圧である。その他の実施態様において、100%COは、大気圧で用いられる。
いくつかの実施態様において、本発明の方法、装置および流体は、塩を含む液体を利用するものであり、ここで塩を含む液体にCOが適用および/または注入される。一態様において、前記液体中のCO中の濃度は、固体炭酸塩を形成するのに効率的な濃度である。その他の実施態様において、前記液体はCOで飽和している。
いくつかの実施態様において、本発明の方法、装置および流体は、炭酸を利用する。一態様において、前記炭酸は、金属塩を含む水溶液中にCOを適用および/または注入した際に、その水溶液中で形成される。その他の実施態様において、前記炭酸は、3〜6の範囲のpHで前記水溶液中で形成される。その他の実施態様において、前記炭酸は、3.5〜5.5の範囲のpHで形成される。その他の実施態様において、前記炭酸は、4〜5の範囲のpHで形成される。
いくつかの実施態様において、本方法、装置および流体で用いられるCOは、液体に適用または注入される。その他の実施態様において、COは、COガスおよび/または液体の混合物である。その他の実施態様において、上記混合物は、COおよび空気を含む。その他の実施態様において、上記混合物は、大気中の空気である。その他の実施態様において、上記混合物は、少なくとも0.1%v/vのCOを含む。その他の実施態様において、上記混合物は、少なくとも0.5%v/vのCOを含む。その他の実施態様において、上記混合物は、少なくとも1%v/vのCOを含む。その他の実施態様において、上記混合物は、少なくとも10%v/vのCOを含む。その他の実施態様において、上記混合物は、少なくとも20%v/vのCOを含む。その他の実施態様において、上記混合物は、少なくとも30%v/vのCOを含む。その他の実施態様において、上記混合物は、少なくとも50%v/vのCOを含む。一態様において、COは、純粋な気体である。
いくつかの実施態様において、本発明の方法、装置および流体は、塩基を利用する。一態様において、塩基は、NH(気体)、NH(水溶液)、NaOH、石灰水、Ca(OH)、石炭灰、または、それらのあらゆる組み合わせを含む。その他の実施態様において、石灰水は、塩化カルシウム、および、水酸化ナトリウムから新たに製造されたものである。その他の実施態様において、石灰水は、実施例4〜8および16に従って、塩化カルシウム、および、水酸化ナトリウムから新たに製造されたものである。その他の実施態様において、市販の石灰水が用いられる。その他の実施態様において、市販のCa(OH)固体が用いられる。その他の実施態様において、NaOH水溶液が用いられる。その他の実施態様において、NaOHペレットが用いられる。一態様において、NH(気体)またはNH(水溶液)は、人工の合成アンモニア源由来である。その他の実施態様において、NH(気体)またはNH(水溶液)は、家禽もしくは野生の鳥糞石源、家禽場、または鉱床に由来するものである。その他の実施態様において、NH(気体)またはNH(水溶液)は、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマの尿および/または便に由来するものである。その他の実施態様において、NH(気体)またはNH(水溶液)は、養魚場からの廃水または海洋哺乳動物に由来するものである。その他の実施態様において、NH(気体)またはNH(水溶液)は、尿に由来するものである。一態様において、前記塩基源として、動物性肥料が用いられる。その他の実施態様において、動物性肥料は、ブタまたはニワトリ由来のものである。
一態様において、塩基に炭酸溶液が添加され、それによって、pHが、8.5〜12.5のpHに上昇する。その他の実施態様において、pHは、pH9〜12に上昇する。その他の実施態様において、pHは、pH9〜11に上昇する。その他の実施態様において、pHは、pH10〜11に上昇する。
その他の実施態様において、炭酸溶液は、不活性雰囲気下で塩基に添加される。その他の実施態様において、炭酸溶液は、アルゴン雰囲気下で添加される。
一態様において、塩基に、CO、炭酸および炭酸水素塩の溶液が添加され、それによって、前記炭酸/CO/炭酸水素塩と塩基との比率は、1:100〜1:1のモル比の範囲になる。一態様において、前記炭酸/CO/炭酸水素塩と塩基との比率は、1:100〜1:80のモル比の範囲である。一態様において、前記炭酸/CO/炭酸水素塩と塩基との比率は、1:80〜1:60のモル比の範囲である。一態様において、前記炭酸/CO/炭酸水素塩と塩基との比率は、1:60〜1:40のモル比の範囲である。一態様において、前記炭酸/CO/炭酸水素塩と塩基との比率は、1:40〜1:20のモル比の範囲である。一態様において、前記炭酸/CO/炭酸水素塩と塩基との比率は、1:20〜1:10のモル比の範囲である。
その他の実施態様において、炭酸溶液を塩基に添加する際に、固体炭酸塩が形成される。その他の実施態様において、少なくともpH9で固体炭酸塩を沈殿させると、収率が高められる。その他の実施態様において、pH9〜12の範囲で固体炭酸塩を沈殿させると、収率が高められる。その他の実施態様において、少なくともpH10で固体炭酸塩を沈殿させると、収率が高められる。その他の実施態様において、pH12.5よりも高くpHを上昇させると、固体炭酸塩の収率が減少し、および、水酸化物固体の収率が高められる。
その他の実施態様において、金属塩および/または塩基をさらに添加すると、それに続いて固体炭酸塩の形成が起こり、それによって固体炭酸塩の収率が高められる。
いくつかの実施態様において、本発明の方法、本発明の装置および流体の使用は、固体炭酸塩を提供する。一態様において、固体炭酸塩の沈殿は、さらに分離される。その他の実施態様において、このような沈殿の分離は、ろ過および/または遠心分離、または、それらの組み合わせによってなされる。その他の実施態様において、沈殿は、回収されるか、または、その他の実施態様において、再利用されるか、または、その他の実施態様において、再生または再使用される。その他の実施態様において、ろ液は、回収されるか、または、その他の実施態様において、再利用されるか、または、その他の実施態様において、再生または再使用される。その他の実施態様において、ろ液は再利用されて塩基に添加されるか、および/または、金属イオンをろ液に添加することによって、さらなる固体炭酸塩の沈殿を提供することができる。その他の実施態様において、ろ液は、再利用されて塩基に添加されるか、および/または、ろ液に金属イオン、COまたはそれらのあらゆる組み合わせを添加することによって、さらなる固体炭酸塩の沈殿を提供することができる。
その他の実施態様において、本発明の方法、流体および装置は、COガスを利用するものであり、ここでCOガスは、人為的なプロセスによって放出される気体、天然のプロセスの結果放出される気体、または、人為的なプロセスの副産物として生じた気体である。その他の実施態様において、本方法、流体および装置は、COガスを利用するものであり、ここでCOガスは、大気に放出され、ダクトによって流体に運搬される、その他の実施態様において、本方法、流体および装置は、COガスを利用するものであり、ここでCOガスは、工場の排気システムから運搬され、ここでCOはダクトによって流体に排出される。
一態様において、用語「流体」は、流動する、または、移動するあらゆる材料または物質を意味する。一態様において、用語「流体」は、半固体で存在するあらゆる材料または物質を意味し、または、その他の実施態様において、液体で存在するあらゆる材料または物質を意味し、または、その他の実施態様において、スラッジで存在するあらゆる材料または物質を意味し、または、その他の実施態様において、蒸気で存在するあらゆる材料または物質を意味し、または、その他の実施態様において、気体で存在するあらゆる材料または物質を意味し、または、その他の実施態様において、流動するその他のあらゆる形態または状態で存在するあらゆる材料または物質、または、その他の実施態様において、移動するその他のあらゆる形態または状態で存在するあらゆる材料または物質を意味する。
本発明の、または、本発明の方法および/または装置で使用するための流体は、特に、水溶液を含む。その他の実施態様において、本発明の流体、または、本発明の方法および/または装置で使用するための流体は、特に、食塩水を含む。その他の実施態様において、本発明の流体、または、本発明の方法および/または装置で使用するための流体は、特に、地下水の貯水場を含む。その他の実施態様において、本発明の流体、または、本発明の方法および/または装置で使用するための流体は、特に、天然体の水を含む。その他の実施態様において、本発明の流体、または、本発明の方法および/または装置で使用するための流体は、特に、脱塩プラントからの排水を含む。
一態様において、用語「天然体の水」は、海、脱塩プラントからの汚水、Caイオンが豊富な汽水、湖、海洋、河川または地下水を含んでもよい。
その他の実施態様において、本発明の流体、または、本発明の方法および/または装置で使用するための流体は、特に、気体を含む。一態様において、本発明の流体、または、本発明の方法および/または装置で使用するための流体は、特に、気体が注入された水溶液を含む。その他の実施態様において、本発明の流体、または、本発明の方法および/または装置で使用するための流体は、特に、水溶液中に溶解させた気体を含む。その他の実施態様において、本発明の流体、または、本発明の方法および/または装置で使用するための流体は、特に、液体を含む。その他の実施態様において、本発明の流体、または、本発明の方法および/または装置で使用するための流体は、特に、帯水層を含む。
一態様において、用語「〜を減少させること(decreasing)」は、減少させることを意味する。その他の実施態様において、用語「〜を減少させること(decreasing)」は、衰退させること(declining)、減少させること(diminishing)、または、妨げること(abrogating)を意味する。本発明の一態様において、「CO濃度を減少させること」は、COを固体炭酸塩として封鎖することを意味する。その他の実施態様において、用語「CO濃度を減少させること」は、大気のCO濃度の上昇を遅延させることを意味する。
いくつかの実施態様において、本発明の方法、流体および装置によって流体のCO濃度を減少させることは、特に、固体炭酸塩の形成を利用しており、それによってCOを減少させることができる。
一態様において、用語「大気中の空気」は、気体を意味する。その他の実施態様において、用語「大気中の空気」は、空気を意味する。その他の実施態様において、用語「大気中の空気」は、大気の一部を意味する。その他の実施態様において、用語「大気中の空気」は、境界が定められたあらゆる環境を意味し、例えば、副産物としてCOを生産する工場の外部、または、副産物としてCOを生産する工場の半径10km以内、または、農村の施設、または、工業地帯などである。
一態様において、大気中の空気は、人為的なプロセスの結果として高いCOレベルを含む。この形態によれば、および、一態様において、上記プロセスは、特にCOの放出を含み、例えば、廃棄物、プラスチック、ポリマー、炭化水素、炭質材料、木質燃料、化石燃料、石炭、褐炭、ナフサ、油、ガソリン、ディーゼル燃料、ケロシン、石油、液化石油ガス(LPG)、天然ガス、ボトルドガス(bottled gas)、メタン、ブタン、プロパン、ガソリン添加剤、エタノール、メタノール、バイオディーゼル、モノアルキルエステル、または、それらのあらゆる組み合わせを燃焼させることによるCOの放出を含む。
その他の実施態様において、本発明の方法、流体および装置によって少なくとも部分的に加工され、処理される高いCOレベルを含む空気は、自然の生物学的なプロセスに起因するものである。一態様において、このようなプロセスは、例えば、有機物質の分解、または、農場の生産物(例えば、家畜、農産物の残留物の野焼き(field burning))であり、それによりCOが直接的な方式または間接的な方式(例えば、メタンの放出)で生成し、周囲の空気源に汚染物質を放出する。例えば、メタンは、家畜の消化プロセスで生産される。その他の実施態様において、農場の動物によるメタン放出は、未処理の家畜の排泄物を保存するために用いられる大きな「汚水処理用の貯水池」から放出される。その他の実施態様において、COおよび炭化水素(例えばメタン)は、大気中でCOに酸化される。様々なメタン源があり、例えば、細菌によって、森林中で、家畜から、または、油およびガス産業で行われたプロセスによって生産または放出されたメタンが挙げられる。その他の実施態様において、高いレベルのCOは、森林伐採に起因する。糖類およびデンプンの発酵(酵母が触媒することによる)は、エタノールと気体状のCOを生産する。その他の実施態様において、大規模な工業的なプロセスが、COを生成する。その他の実施態様において、大規模な工業的なプロセスは、エチレンオキシド、および、二酸化炭素を生産する制御されたエチレンの酸化を含み、工業的加工からの廃棄物のストリームに存在する酸の中和は、炭酸カルシウム(これは、一般的に石灰石として知られている)を用いることによってなされる。酸塩基反応の結果としてCOが上昇する。水素またはアンモニア製造のために設立されたプラントによって、多量の副産物の二酸化炭素が生産される。これらのプラントは、天然ガス、液化石油ガス(LPG)またはナフサの合成ガス(すなわち、水素、一酸化炭素および二酸化炭素)の混合物への水蒸気改質によって稼働しており、続いて一酸化炭素は、水性ガスシフト反応で追加の二酸化炭素を形成することによって触媒的に除去される。加えて、アセチレンのような炭化水素を用いた工業的なプロセスは、既知のCO源である。その他の工業的な源としては、以下が挙げられる:(i)リン鉱石の加工(それにより二酸化炭素を放出する可能性がある);(ii)炭化水素と酸素との反応によりエネルギーを生成する発生器で用いられる燃焼プロセス。
当然のことながら、あらゆる手段によりCOで汚染された流体を生じるあらゆるプロセスを、本発明の方法、流体および装置によって処理することができる。
一態様において、本方法、流体および装置は、塩を利用するものであり、ここで塩は、金属塩である。その他の実施態様において、このような塩としては、特に、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、バリウムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、ストロンチウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、アンモニウムイオン、カチオン、または、固体炭酸塩を形成するその他のあらゆるカチオン、または、それらのあらゆる組み合わせが挙げられる。その他の実施態様において、前記塩は、Ca2+イオンである。その他の実施態様において、本発明の塩および本発明で使用するための塩としては、特に、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、レッドシーソルト(Red Sea Salt)、CaSO、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、汽水、脱塩廃水、または、それらのあらゆる組み合わせが挙げられる。その他の実施態様において、このような塩は、無機物質である。その他の実施態様において、無機物質は、方解石、アラゴナイト、バテライト、石膏、マグネサイト、カンラン石、蛇紋石、または、それらのあらゆる組み合わせである。その他の実施態様において、このような塩は、無機塩である。その他の実施態様において、このような塩は、有機塩である。
その他の実施態様において、本発明の前記流体中における前記金属イオンの濃度は、0.05M〜5Mの範囲であり、このような場合、金属塩/イオン濃度の増加によって沈殿が促進される。その他の実施態様において、前記流体中における前記金属イオンの濃度は、0.1M〜3Mの範囲である。その他の実施態様において、前記流体中における前記金属イオンの濃度は、0.1M〜1Mの範囲である。その他の実施態様において、前記流体中における前記金属イオンの濃度は、0.1M〜2Mの範囲である。その他の実施態様において、金属塩の飽和溶液は、固体炭酸塩の収率を減少させる。
一態様において、本発明の流体中の本発明の塩の濃度は、0.01%w/w未満である。その他の実施態様において、上記流体中の塩の濃度は、約0.01〜20%w/wである。その他の実施態様において、上記流体中の塩の濃度は、約0.01〜0.1%w/wである。その他の実施態様において、上記流体中の塩の濃度は、約0.1〜1%w/wである。その他の実施態様において、上記流体中の塩の濃度は、約0.01〜1%w/wである。その他の実施態様において、上記流体中の塩の濃度は、約1〜3%w/wである。その他の実施態様において、上記流体中の塩の濃度は、約3〜10%w/wである。その他の実施態様において、上記流体中の塩の濃度は、約10〜20%w/wである。
一態様において、塩の選択は、前記塩と二酸化炭素とを反応させることによって形成された固体炭酸塩の溶解度積(Ksp)に依存すると予想される。その他の実施態様において、好ましい塩は、二酸化炭素と共に生じる塩であり、水溶液中で低い溶解度積(Ksp)を有する固体炭酸塩である。例えば、好ましい塩は、カルシウムベースの塩(塩化カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム)であり、これらは、二酸化炭素と共に、低い溶解度積を有する水溶液中の沈殿として炭酸カルシウムを形成する。
一態様において、本発明の方法は、固体炭酸塩の沈殿の層の形成を含し、さらに固体炭酸塩の小さい粒子および/または固体炭酸塩が、孔の充填物を形成する可能性がある。その他の実施態様において、固体炭酸塩の沈殿の層、小さい粒子および/または孔の充填物が分離層となり、一態様において、その下にCOをさらに注入することができ、および/または、COは、前記固体炭酸塩の沈殿の層、小さい粒子、および/または、孔の充填物の下にさらに再保存することもできる。
その他の実施態様において、用語「過飽和した」は、COをその溶解性よりも高い濃度で含む水溶液を意味する。その他の実施態様において、室温でのCOの水への溶解性は、約33mMである。水中で平衡のCO濃度は、温度、圧力、pHおよび塩濃度の関数である。一態様において、溶液中でのCOの溶解性は、溶液と平衡状態でのCOの圧力に依存しており、この場合、圧力が増加するに伴って溶解性は増加する。その他の実施態様において、COの溶解性は、温度に依存しており、この場合、温度が増加するに従って溶解性は減少する。その他の実施態様において、COの溶解性は、塩濃度が増加するに従って減少する。その他の実施態様において、COの溶解性は、pHに依存しており、この場合、pHが増加するに従ってCOの溶解性は増加する。
一態様において、用語「約」は、指定された数値または数値範囲からの0.0001〜5%の偏差を意味する。一態様において、用語「約」は、指定された数値または数値範囲からの1〜10%の偏差を意味する。一態様において、用語「約」は、指定された数値または数値範囲からの25%までの偏差を意味する。
一態様において、本明細書で用いられる用語「a」または「an」は、当業者には明白と思われるが、指定された構成要素が具体的な用途に応じて少なくとも1つであるか、または、複数であることを意味しており、このような構成要素は、望ましければどのような桁数で存在していてもよい。一態様において、用語「気体」は、2種またはそれより多くの気体を意味し、これら気体はそれらの組成に関して異なる。いくつかの実施態様において、本発明の流体、キットおよび方法は、複数種のCO濃度を減少させるための気体を含んでもよいし、および/または、それらを利用してもよい。
一態様において、本発明において適用、導入または注入された気体の圧力の選択は、一態様において、地上の貯水場のサイズに依存すると予想され、または、その他の実施態様において、気体が地下系(例えば帯水層)に適用されるかどうかに依存すると予想される。
COのストリッピングは、当業界で認められた用語であり、いくつかの実施態様において、大気への流体のCOを除去すること、CO含量を減少または低下させることを意味する。いくつかの実施態様において、ストリッピングされたCOは、COを本発明の流体および/または反応チャンバーに中継するフィードバックシステムで再使用することができる。
いくつかの実施態様において、本方法、流体および装置は、固体炭酸塩の沈殿速度を強化するために、導入される流体の圧力または流速を増加させることを含んでいてもよい。いくつかの実施態様において、本方法、流体および装置は、固体炭酸塩の沈殿速度を強化するために、流体を変動させることを含んでいてもよい。いくつかの実施態様において、本方法、流体および装置は、固体炭酸塩の沈殿速度を強化するために、反応チャンバーのサイズを変動させることを含んでいてもよい。いくつかの実施態様において、本方法、流体および装置は、固体炭酸塩の速度を強化するために、pHを変動させることを含んでいてもよい。いくつかの実施態様において、本方法、流体および装置は、固体炭酸塩の沈殿速度を強化するために、気体の注入時間および/または流体を変動させることを含んでいてもよい。いくつかの実施態様において、本方法、流体および装置は、固体炭酸塩の速度を強化するために、導入される気体および/または流体の相対的な流速を変動させることを含んでいてもよい。一態様において、導入される気体および/または流体は、COを含む気体、空気、気相中の塩基、塩基性溶液、または、本発明のあらゆる気体である。
いくつかの実施態様において、固体炭酸塩の沈殿の量は、本発明において導入される気体のフローの関数であり得る。その他の実施態様において、固体炭酸塩の沈殿の量は、第二の気体のフロー、COガスまたは塩基の関数である。その他の実施態様において、固体炭酸塩の沈殿の量は、第二の気体のフローに対する第一の気体のフローの比率の関数である。その他の実施態様において、固体炭酸塩の沈殿の量は、塩濃度の関数である。その他の実施態様において、固体炭酸塩の沈殿の量は、塩と核形成の材料との濃度の比率の関数である。その他の実施態様において、固体炭酸塩の沈殿の量は、温度の関数である。その他の実施態様において、固体炭酸塩の沈殿の量は、pHの関数である。その他の実施態様において、固体炭酸塩の沈殿の量は、時間の関数である。その他の実施態様において、固体炭酸塩の沈殿の量は、流体中のその他の化合物の濃度の関数である
当然のことながら、COおよび固体炭酸塩の形成を封鎖すること、それに続くあらゆる適用におけるあらゆる濃縮、分離、回収および再使用は、本発明の一部とみなされる。このような回収および再使用は、当業者であれば容易に理解できるものと思われ、例えば、遠心分離によるろ過、または、水のフローの出口における半透性のバリアの設置の適用を含んでいてもよく、このような場合、水は運搬されるが、運搬されなかった固体炭酸塩は、それによって濃縮されるか、または、分離される。
一態様において、前記炭酸塩におけるCOの発生は、同位体測定によって解析することができ、ここで、2種の安定な原子質量数が12および13の炭素の同位体、ならびに、原子質量数が14の放射性同位体が用いられる。同じ元素のいずれか2種の同位体の相対量は、自然界で生物地球化学的な化合物における同位体の組成に差があるために様々である。同位体の分別のために、生物地球化学の研究者は、多種多様のプロセスを研究するために様々な大地、海洋および大気系で見出された化合物中の同位体比の測定を活用することができる。その他の実施態様において、COは、ガスクロマトグラフマススペクトル(GCMS)、マススペクトル(MS)、および/または、分光光度法、例えば赤外線(IR)によって解析することができる。
この形態によれば、および、いくつかの実施態様において、COの発生を検出して、それをCO濃度の減少を推測するのに適用する。その他の実施態様において、このような検出は、第一の気体の導入の前に溶液中のCO濃度を推測するのに適用される。その他の実施態様において、このような検出は、固体炭酸塩中のCOの量を推測するのに適用される。
いくつかの実施態様において、固体炭酸塩形成の収率は、本発明の流体に注入されるCOの量に基づいて計算される。その他の実施態様において、固体炭酸塩形成の収率は、液体中の金属イオンの量に基づいて計算される。その他の実施態様において、液体中の金属イオンの量に基づく固体炭酸塩形成の収率は、実施例30および33に従って計算される。その他の実施態様において、注入されるCOの量に基づく固体炭酸塩形成の収率は、実施例32に従って計算される。
一態様において、本発明は、流体のCO濃度を減少させる方法を提供し、本方法は:
微量のCOを含む、または、COを含まない第一の気体のフローを適用すること、および、
塩;および、
液体;
を含む流体に、少なくとも空気と水との平衡状態で見出される濃度よりも高い濃度でCOを含む第二の気体のフローを適用すること、
を含み、それによって、前記流体中で固体炭酸塩が形成され、前記流体中のCO濃度が減少する。この形態によれば、および、一態様において、前記流体は帯水層であり、塩水で充填された、または充填されていない孔を含む岩石をさらに有する。その他の実施態様において、COは、前記孔中に保存されるか、および/または、前記孔中の塩水の塩と固体炭酸塩を形成する。
一態様において、本発明は、流体サンプルのCO濃度を減少させる方法を提供し、本方法は:
塩を含む液体にCOのフローを適用して、溶解させた炭酸を形成する工程;および、
前記(i)の炭酸溶液を塩基と混合する工程、
を含み、それによって、前記(ii)の混合物のpHが9〜12になり;および、
固体炭酸塩が形成され、前記流体サンプル中のCO濃度が減少する。この形態によれば、および、一態様において、前記流体は帯水層であり、塩水で充填された、または充填されていない孔を含む岩石をさらに有する。その他の実施態様において、COは、前記孔中に保存されるか、および/または、前記孔中の塩水の塩と固体炭酸塩を形成する。
この形態によれば、および、一態様において、本方法によって、最終産物として、固体炭酸塩、炭酸水素塩、炭酸、または、それらのあらゆる組み合わせの生産が起こる。一態様において、固体炭酸塩または炭酸水素塩は、カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、バリウム、マンガン、鉄、ストロンチウム、亜鉛、アンモニウムもしくはアルミニウムイオン、または、固体炭酸塩を形成するその他のあらゆるカチオン、または、それらのあらゆる組み合わせを含んでもよい。
この形態によれば、および、一態様において、流体のCO濃度を減少させる方法によって、沈殿としての固体炭酸塩の生産が起こり、または、その他の実施態様において、懸濁液としての炭酸塩の生産が起こり、または、その他の実施態様において、可溶性の炭酸塩の生産が起こり、または、その他の実施態様において、炭酸の生産が起こり、または、その他の実施態様において、炭酸水素塩、または、それらのあらゆる組み合わせの生産が起こる。この形態によれば、および、一態様において、上記流体は、帯水層であり、COはさらに、帯水層の多孔質の岩石中に保存される。
いくつかの実施態様において、本方法、流体および装置は、周囲条件下で行われる。一態様において、用語「周囲条件」は、自然の状態を意味する。その他の実施態様において、このような条件は、温度を意味しており、例えば、望ましい流体が最も典型的に室温で見出されている場合、本発明の方法、流体および装置を使用するために示される周囲条件は、室温で行われることと予想される。その他の実施態様において、用語「周囲条件」は、流体が自然状態で見出される条件を意味しており、例えば、流体が、海、貯水場、海洋、湖、河川、地面、土壌、雲、北極圏、砂漠、海底などで生じる条件である。いくつかの実施態様において、周囲条件は、第一の気体および/または第二の気体を適用または導入することが望ましい流体に関して見出された条件に類似した条件であり、例えば、海水、淡水の供給源などで見出される流体は、海水と類似した例えば塩濃度、温度、圧力などの条件下で、本発明に係る方法、流体および装置を利用すると予想される。この形態によれば、および、一態様において、本発明の方法、流体および装置は、温度、圧力、塩濃度およびpHに関して海、貯水場、海洋、湖または河川で見出される条件に類似した周囲条件で行われる。
一態様において、本方法、流体および装置は、室温で行われる。その他の実施態様において、本方法、流体および装置は、本方法が行われている環境で見出される温度に依存した温度で行われる。
一態様において、本方法、流体および装置は、流体中で炭酸塩形成のための核形成部位として役立つ材料を利用する。一態様において、上記材料は、無機性の、または、コロイド状の粒子である。その他の実施態様において、核形成の材料は、水中で懸濁されるか、および/または、固体マトリックス材料中に埋め込まれる。
以下に示す実施例2は、本発明の流体のCO濃度を減少させ、炭酸塩の沈殿としてCOを封鎖するための方法のいくつかの実施態様を示す。一態様において、空気注入領域で炭酸カルシウムが形成されたため、炭酸塩の沈殿によってCOを隔離するための実施例2のシステムの使用が認められる。
以下に示す実施例3は、同位体解析によって固体炭酸塩を測定し、解析することを含む本発明の方法のいくつかの実施態様を示す。
一態様において、本発明は、流体のCO濃度を減少させる装置を提供し、該装置は:
微量のCOを含む、または、COを含まない第一の気体を導入するための第一のコンベヤー;
少なくとも空気と水との平衡状態で見出される濃度よりも高い濃度でCOを含む第二の気体を導入するための第二のコンベヤー;および、
反応チャンバー;
を含み、これらによって、前記反応チャンバーに塩を含む溶液を添加し、前記第一のコンベヤーを介して前記第一の気体を前記反応チャンバーに導入し、および、前記第二のコンベヤーを介して前記第二の気体を前記反応チャンバーに導入すると、前記反応チャンバー中での固体炭酸塩形成、および、減少したCO濃度を含む未反応の気体の放出が起こる。
一態様において、本発明は、流体サンプル中のCO濃度を減少させる装置を提供し、本装置は:
塩基を導入するための第一のコンベヤー;
COを含む流体サンプルを導入するための第二のコンベヤー;
反応チャンバー;
を含み、これらによって、前記反応チャンバーに塩を含む溶液を添加し、前記第一のコンベヤーを介して前記反応チャンバーに前記塩基を導入し、および、前記第二のコンベヤーを介して前記反応チャンバーに前記流体サンプルを導入すると、前記反応チャンバー中での固体炭酸塩が形成され、未反応の気体の放出が起こる。
当然のことながら、本明細書において、例えば、流体、第一の気体、第二の気体、COガス、塩基、炭酸塩、核形成の材料などに関して説明されている全ての実施態様は、方法、装置または流体などの本発明のあらゆる形態に適用可能であると予想され、それらの実施態様を示す。
一態様において、本発明の装置は、塩、水、第一の気体および/または第二の気体を導入するための複数の注入口を含む。その他の実施態様において、本発明の装置は、任意に、水、第一の気体および/または第二の気体のための出口を含んでいてもよい。いくつかの実施態様において、本装置は、塩、水、第一の気体および/または第二の気体それぞれを反応チャンバーに運搬するための一連のチャンネルを含む。いくつかの実施態様において、本装置は、水、第一の気体および/または第二の気体それぞれを本装置から放出させるように運搬するための一連のチャンネルを含む。その他の実施態様において、本装置は、反応チャンバーから気体を放出させるためのコンベヤーをさらに含む。いくつかの実施態様において、このようなチャンネルは、導入される材料同士の接触が促進されるように構築される。いくつかの実施態様において、本装置は、反応チャンバーに材料を運搬および/または接触させることを容易にするためのポンプを含む。いくつかの実施態様において、出口は、例えばCO封鎖の別の施行のために、気体を運搬するためのダクトを介して注入口につながれるだろう。
一態様において、本発明の装置は、塩、水、COガスおよび/または塩基を導入するための複数の注入口を含む。その他の実施態様において、本発明の装置は、任意に、水、COガス、または、その他のあらゆる未反応の気体のための出口を含んでいてもよい。いくつかの実施態様において、本装置は、塩、水、COガスおよび/または塩基それぞれを反応チャンバーに運搬するための一連のチャンネルを含む。いくつかの実施態様において、本装置は、塩、水、COガスおよび/または塩基それぞれを本装置から放出させるように運搬するための一連のチャンネルを含む。その他の実施態様において、本装置は、反応チャンバーから気体を放出させるためのコンベヤーをさらに含む。いくつかの実施態様において、このようなチャンネルは、導入される材料同士の接触が促進されるように構築される。いくつかの実施態様において、本装置は、反応チャンバーに材料を運搬および/または接触させることを容易にするためのポンプを含む。いくつかの実施態様において、出口は、例えばCO封鎖の別の施行のために、気体を運搬するためのダクトを介して注入口につながれるだろう。
いくつかの実施態様において、本発明の装置は、水源をさらに含む。一態様において、水は、水道水、地下水、海水、脱塩プラント、Ca豊富な汽水、海洋水、河川および/または湖から誘導される。
一態様において、本発明の装置は、水源から反応チャンバーへのコンベヤーをさらに含む。その他の実施態様において、本装置は、反応チャンバーから前記水源へのコンベヤーをさらに含む。その他の実施態様において、本装置は、装置中で水を循環させるためのポンプをさらに含む。その他の実施態様において、本装置は、反応チャンバーから水源へ(および、逆もまた同様)水を循環させるためのポンプをさらに含む。その他の実施態様において、反応チャンバーは、水源を含む。その他の実施態様において、本装置は、反応チャンバー中で水を循環させるためのポンプをさらに含む。
一態様において、本装置は、塩の源をさらに含む。その他の実施態様において、本装置は、前記塩の源から前記水源へのコンベヤーをさらに含む。
一態様において、第一のコンベヤー、第二のコンベヤーまたはそれらの組み合わせは、地下水の供給源に、第一の気体、第二の気体、または、それらの組み合わせを運搬する。
一態様において、第一のコンベヤー、第二のコンベヤーまたはそれらの組み合わせは、地下水の供給源に、塩基、COガス、または、それらの組み合わせを運搬する。
一態様において、本発明の装置は、塩を含む水溶液が本装置を通過して流動することができるような流動システムを含み、一態様において、このような流動システムは、長期間にわたり反応を進行させることができるものであり;それによって、上記プロセスは、封鎖されたCOのパーセント、または、いくつかの実施態様において沈殿の量に関してより効率的になる。いくつかの実施態様において、時間枠は、数週間から数ヶ月である。いくつかの実施態様において、数ヶ月から数年である。その他の実施態様において、本発明の装置は、塩およびCOを含む水溶液が本装置を通過して流動することができるような流動システムを含み、一態様において、このような流動システムは、塩基との反応を可能にし、それによって分レベルの時間枠で固体炭酸塩が形成される。その他の実施態様において、時間枠は、秒である。その他の実施態様において、時間枠は、時間である。その他の実施態様において、塩基は、NaOH、石灰水、または、アンモニアである。
その他の実施態様において、本発明の装置は、撹拌器を含んでもよい。いくつかの実施態様において、このような撹拌器は、反応チャンバー中に位置する。一態様において、本装置は、超音波破砕システムをさらに含んでいてもよい。一態様において、本装置は、本装置に磁場をかけるための手段を含み、いくつかの実施態様において、該手段は、このような磁場を複数の方向にかけることができるような位置に設置され、いくつかの実施態様において、該手段は、反応チャンバー中で移動してもよいし、または、磁気粒子と混合されてもよい。当業者であれば理解可能であると思われるが、本発明の装置は、いくつかの実施態様において、様々な混合装置または用具を設置するためにモジュールを用いて設計され、これらは本発明の一部としてみなされる。
一態様において、第一の気体は、第二の気体の侵入の前に反応チャンバーに運搬される。一態様において、第一の気体は、第二の気体の可溶化の前に反応チャンバーに運搬される。その他の実施態様において、第一の気体は、反応チャンバーに注入される。
一態様において、第一の気体は、第二の気体の侵入の後に反応チャンバーに運搬される。一態様において、第一の気体は、流体中への第二の気体の可溶化の後に反応チャンバーに運搬される。一態様において、第二の気体は、反応チャンバー中で流体の上に注入される。
一態様において、第一の気体は、第二の気体と同時に反応チャンバーに運搬される。
一態様において、COガスは、塩基の侵入の前に反応チャンバーに運搬される。一態様において、塩基は、流体中へのCOガスの可溶化の前に反応チャンバーに運搬される。
いくつかの実施態様において、本発明の装置は、それを介して圧力をかけることができる、または、その他の実施態様において、特定の圧力下で流体を適用することができるポートまたはバルブを含む。一態様において、本装置に導入される流体は、1気圧の圧力がかけられる。一態様において、本装置に導入される流体は、1〜10気圧の圧力がかけられる。一態様において、本装置に導入される流体は、10〜20気圧の圧力がかけられる。一態様において、本装置に導入される流体は、20〜30気圧の圧力がかけられる。一態様において、本装置に導入される流体は、30〜40気圧の圧力がかけられる。一態様において、本装置に導入される流体は、40〜50気圧の圧力がかけられる。一態様において、本装置に導入される流体は、50〜100気圧の圧力がかけられる。
その他の実施態様において、塩を含む流体は、反応チャンバーに導入される。その他の実施態様において、流体が最初に反応チャンバーに導入され、続いて塩が反応チャンバーに導入される。その他の実施態様において、塩を含む流体および核形成の材料が、反応チャンバーに導入される。その他の実施態様において、塩を含む流体が最初に反応チャンバーに導入され、続いて核形成の材料が反応チャンバーに導入される。その他の実施態様において、核形成の材料を含む流体が最初に反応チャンバーに導入され、塩がさらに反応チャンバーに導入される。その他の実施態様において、上記流体が最初に反応チャンバーに導入され、その後、または、同時に、塩および核形成の材料が反応チャンバーに導入される。
一態様において、このような運搬は、装置内に、個々の材料をチャンバーに運搬する複数の別個のチャンバーまたはチャンネルが存在することによってなされる。その他の実施態様において、このようなチャンバー/チャンネルは、望ましい時間で、および、望ましい特定の条件下で成分の混合が可能になるように構築される。
一態様において、本発明の装置はさらに、温度、圧力、pHまたはそれらのあらゆる組み合わせを順に制御する環境制御要素を含んでいてもよい。その他の実施態様において、本装置は、少なくとも1つの周囲環境の制御装置をさらに含む。その他の実施態様において、本装置は、制御された圧力下で、反応チャンバーに流体を導入するためのポンプをさらに含む。一態様において、本発明の装置は、本装置に適用される材料の流動化を磁場によって制御できるように磁場源およびミキサーを含んでいてもよい。その他の実施態様において、本装置は、機械式撹拌器、モニター、注入制御装置、加熱装置、光源、紫外線、または、超音波源、または、それらのあらゆる組み合わせを含んでいてもよい。
一態様において、反応チャンバーは、人工の材料で構成される。その他の実施態様において、反応チャンバーは、反応チャンバーとみなされる境界または区画を形成する自然の構成要素から形成される。その他の実施態様において、反応チャンバーは、貯水場である。その他の実施態様において、反応チャンバーは、帯水層である。
一態様において、ダクト、コンベヤー、パイプ、バルブおよびポートは、人工の材料で構成される。その他の実施態様において、人工の材料としては、ステンレス鋼、金属合金、ファイバー、ゴム、ポリ塩化ビニル(PVC)、プラスチック、銅、テフロン(登録商標)(Teflon)、ガラス、コンクリート、アルミニウム、ケブラー(Kevlar)、または、それらのあらゆる組み合わせが挙げられる。
その他の実施態様において、反応チャンバーは帯水層であり、このような場合、図4で示されたように、第一の気体および第二の気体は、2つの別個の注入井を介してそこに注入され、それに続いて固体炭酸塩が形成される。任意に出口を介して過量の気体を除去してもよい。
一態様において、本発明の装置は、大気中の空気を反応チャンバーに中継するための導管として役立つコンベヤーを含む。その他の実施態様において、大気中の空気は、汚染物質としてCOを有する気体を含み、これは、人為的なプロセスの結果として、または、天然のプロセスの結果として空気に放出されるか、または、このような気体は、人為的なプロセスの副産物として形成され、大気に放出される。
その他の実施態様において、本発明の装置は、気体を反応チャンバーに中継する導管として役立つコンベヤーを含む。その他の実施態様において、気体は、汚染物質として、人為的なプロセスの結果として、または、人為的なプロセスの副産物として形成されたCOを含み、工場の排気システムまたは化学プラントの排気から閉鎖系を経由して本発明の装置に運搬される。
一態様において、本装置は、CO源からの、例えば工場の排気システム、煙突、化学プラント、発電所、または、それらのあらゆる組み合わせからの、本装置のポートへのダクト、パイプまたはコンベヤーをさらに含む。その他の実施態様において、ダクト、パイプまたはコンベヤーは、シャッター、バルブ、圧力調節装置、ポンプ、または、それらのあらゆる組み合わせをさらに含む。
この形態によれば、および、一態様において、本発明の装置は、COを含む気体を化学プラントの出口から反応チャンバーに中継するためのコンベヤーを含み、それによってCOによる大気中の空気汚染を防ぐことができる。その他の実施態様において、コンベヤーは、ポンプ、ダクト、チャンネル、パイプ、ウェル、管またはトンネルを含む閉鎖系中の気体を導く。その他の実施態様において、コンベヤーはさらに、反応チャンバーに導入される気体の圧力を制御する圧力制御装置を含んでいてもよい。
その他の実施態様において、本発明の装置は、反応チャンバーへの気体注入の別の施行のために、反応チャンバーからコンベヤーへの過量の第一の気体および/または第二の気体のための出口として用いられるダクトを含む。その他の実施態様において、流体に第一の気体または第二の気体を導入するのに用いられるコンベヤーは、同一のコンベヤーであるか、または、異なるコンベヤーである。
一態様において、本発明の装置は、気体を反応チャンバーに送達するために、または、反応チャンバーから環境に送達するために、または、気体系のフローを再循環させるために、ダクト、導管、コンベヤー、パイプ、ポンプ、ウェル、バルブまたはそれらのあらゆる組み合わせをさらに含む。その他の実施態様において、ダクト、導管、コンベヤー、パイプ、ポンプ、ウェル、バルブまたはそれらのあらゆる組み合わせは、圧力、タイミング、気体のフローの速度に影響を与える可能性がある。
その他の実施態様において、第二の気体またはCOガスを反応チャンバーに送達するコンベヤーはさらに、コンベヤーの注入口と出口との間に設置されたフィルターを含む。その他の実施態様において、このようなフィルターは、例えばほこり、塩、砂、または、それらのあらゆる組み合わせなどの小さい粒子をろ過して、反応チャンバーへそれらが侵入することを防ぐことが可能である。
いくつかの実施態様において、本発明の装置は、発電プラントやコンクリート工場のような主要なCOを放出する施設に近接した位置に設置される。一態様において、前記施設は多量のCOを放出し、本発明の装置は、そのCOを水中に溶解させ、炭酸塩を沈殿させるのにふさわしい能力を有する。
一態様において、本発明の装置は、異なる場所に(ex−situ)(地上に)存在し、このような場合、図1で示したように、空気およびCO注入のための一対の注入口を有するシステムは、別々の注入口に存在する。その他の実施態様において、本発明の装置は、異なる場所に(地上に)存在し、このような場合、図1で示したように、CO注入および塩基性溶液のための一対の注入口を有するシステムは、別個の注入口に存在する。その他の実施態様において、貯水場は、海水、脱塩、流出または淡水を含み、任意にカルシウム源が追加されていてもよい。その他の実施態様において、本装置は、海岸に沿って、または、湖または河川の傍に建設される。その他の実施態様において、貯水場からの水は、隣接する貯水場に流すことができ、このような場合、塩基性条件は維持される(pH9〜12)。2つの貯水場の2種の溶液の混合物により、炭酸カルシウムの沈殿が生じる。
一態様において、本発明の装置は、その場で(地下に埋められて)存在し、このような場合、図4で示されるように、空気およびCOの注入口を含む2本の注入井で構成されるシステムは、別個の注入口に存在する。その他の実施態様において、本発明の装置は、その場で(地下に埋められて)存在し、このような場合、図4で示されるように、CO注入口および塩基性溶液を含む2本の注入井で構成されるシステムは、別個の注入口に存在する。その他の実施態様において、貯水場は、海水、脱塩、流出または淡水を含み、任意にカルシウム源が追加されていてもよい。その他の実施態様において、貯水場は、沖合いに、または、海岸に沿って、または、湖または河川の傍に建設され、ここで、場合によっては煙道ガスから直接導かれたCOまたはCOを含む空気をバブリングすることによって、COを溶解させることができる。その他の実施態様において、貯水場からの水は、隣接する貯水場に流すことができ、このような場合、塩基性条件は維持される(pH9〜12)。2つの貯水場の2種の溶液の混合物により、炭酸カルシウムの沈殿が生じる。
一態様において、本発明は、流体のCO濃度を減少させる方法を提供し、ここで前記方法は、前記流体を、流体のCO濃度を減少させる装置に適用することを含み、該装置は:
微量のCOを含む、または、COを含まない第一の気体を導入するための第一のコンベヤー;
少なくとも空気と水との平衡状態で見出される濃度よりも高い濃度でCOを含む第二の気体を導入するための第二のコンベヤー;および、
反応チャンバー;
を含み、これらによって、前記反応チャンバーに塩を含む溶液を添加する際、前記第一のコンベヤーを介して前記第一の気体を前記反応チャンバーに導入する際、および、前記第二のコンベヤーを介して前記第二の気体を前記反応チャンバーに導入する際に、前記反応チャンバー中での固体炭酸塩形成、および、減少したCO濃度を含む未反応の気体の放出が起こる。
一態様において、本発明は、流体のCO濃度を減少させる方法を提供し、ここで前記方法は、前記流体を、流体サンプル中のCO濃度を減少させる装置に適用することを含み、本装置は:
塩基を導入するための第一のコンベヤー;
COを含む流体サンプルを導入するための第二のコンベヤー;
反応チャンバー;
を含み、これらによって、前記反応チャンバーに塩を含む溶液を添加する際、前記第一のコンベヤーを介して前記反応チャンバーに前記塩基を導入する際、および、前記第二のコンベヤーを介して前記反応チャンバーに前記流体サンプルを導入する際に、前記反応チャンバー中での固体炭酸塩形成を可能にする、および、未反応の気体の放出が起こる。
本明細書において、本発明に包含されるCOおよび流体に影響を与えるための、CO濃度を減少させる方法および装置および流体のいくつかの実施態様を、実施例1で示すが、この実施例において、空気およびCOを注入してから2週間後に、推定で111gの炭酸カルシウムが形成された。
本発明に包含されるCOおよび流体に影響を与えるためのCO濃度を減少させる方法および装置および流体のいくつかの実施態様を実施例33で示すが、この実施例において、溶解している全Ca2+から推定で72.5%が炭酸カルシウムとして沈殿し、注入された全COから推定で68.6%が炭酸塩として沈殿した。一態様において、実施例30によれば、推定の収率は、溶解している全Ca2+の97.8%であった。
一態様において、本発明は、微量のCOを含む、または、COを含まない加圧された第一の気体、少なくとも空気と水との平衡状態で見出される濃度よりも高い濃度でCOを含む第二の気体、および、塩を含む流体を提供する。
一態様において、本発明は、塩基、少なくとも空気と水との平衡状態で見出される濃度よりも高い濃度のCO、および、塩を含む流体を提供する。
当然のことながら、本発明の流体、および、本明細書において流体に関して説明されている全ての実施態様は、方法、装置などの本発明のあらゆる形態に適用可能であると予想され、それらの実施態様を示す。
本発明の方法、流体および装置の想定される用途の一態様を図1に示す。一態様において、このような配置は、本方法および/または装置を地上で用いてCO濃度を減少させることに関して望ましい可能性があり、ここで、水溶液のフロー(任意に、ある程度の溶解したCOを含んでいてもよい)(1−10)は、任意に溶解したカルシウム、マグネシウムおよび/またはその他のカチオンを含んでいてもよく、このようなフローは貯水場(1−20)を介して運搬され、この貯水場には、ポートを介して貯水場に運搬され、炭酸塩の沈殿を促進するために核形成部位として作用する(任意の)無機材料が含まれる。このようなフローによって貯水場から水が導かれ、そこで水(1−30)が貯水場(1−20)に戻り再利用が可能になる。流体に、純粋なCOを含む気体、または、COを高濃度で含む気体、または、その他の気体と混合されたCOを含む気体が注入される(1−40)。空気、あるいは、pHをさらに上昇させる/制御するための1種またはそれより多くの添加剤または気相中の塩基もしくは塩基性溶液を含む空気(1−90)が注入され、固体炭酸塩が形成される(1−20A)。
その他の実施態様において、本装置は、過量の気体またはCOを放出させるための出口(1−100)を含み、放出された気体は、注入ポート(1−40)または(1−90)を介してチャンバーに戻されて再利用することができる。いくつかの実施態様において、このような配置は、水中で懸濁した無機物質の粒子(または、コロイド)、および/または、その他のあらゆる固体マトリックス材料(これは、炭酸塩の沈殿を促進するための核形成の材料として作用する)の導入(または、追加の導入)を可能にする追加のポート(1−50)および(1−70)をさらに含んでいてもよい。いくつかの実施態様において、カルシウムまたはマグネシウム塩のような塩の源は、ポート(1−60)および(1−80)を介して導入される。その他の実施態様において、このような配置は、長期にわたる貯水場内の炭酸塩の蓄積を可能にする。その他の実施態様において、このような配置は、形成された固体炭酸塩を分離し、それらを再使用することを可能にする。
本発明の方法の、流体および/または装置の想定される用途の一態様を図4に示す。一態様において、このような配置は、本方法および/または装置を地面より下で用いてCO濃度を減少させることに関して望ましい可能性があり、ここで、CO(高濃度化された濃縮ガスの形態、純粋なCO、または、その他の気体と混合されたCO)、および、空気(または、その他の気体、もしくは気体混合物)は、それぞれ注入口(4−100)および(4−50)からそれぞれ注入井(4−80)および(4−30)を通って運搬され、さらにそれぞれ注入井セクション(4−90)および(4−40)を介してスクリーンにかけられ、COおよび空気が注入井から帯水層(4−10)に入れるようにする。帯水層には、天然の手段、ポンプ輸送、または注入井による水が含まれ、それにより地下水のフローが提供される。その他の実施態様において、任意に、水中で懸濁された塩(例えば、カルシウムまたはマグネシウム塩)、および/または、無機物質の粒子(または、コロイド)、および/または、その他のあらゆる固体マトリックス材料を添加するために、その他の注入口(4−110)および(4−60)は、各注入井(4−80)および(4−30)それぞれに導入される。一態様において、任意の出口(4−70)を介して過量のCOおよび/または空気が放出され、それぞれ注入口(4−100)および(4−50)へ戻して再利用が可能である。その他の実施態様において、帯水層にCOおよび空気が導入されると同時に、固体炭酸塩が形成される(4−20)。
その他の実施態様において、このような配置は、COの固体炭酸塩としての封鎖のために望ましい可能性があり、ここで固体炭酸塩は帯水層に留まる。
以下の実施例は、本発明の好ましい実施態様をより十分に説明するために示されたものである。しかしながら、これらは、本発明の広範な範囲を制限するものとして解釈されないこととする。
材料および方法
装置
図2で示されているように設計されたフローセルを構築した。このフローセルは、厚さ20mmのアクリルシートを含む。このフローセルの内部寸法は、長さ86.5cm×幅10cm×高さ48cmであった。長辺に沿ってフローが生じるようにセルを設計した。セルを3つのセクションに分けた:メインのフローユニットは、砂、ならびに、両末端のそれぞれに存在する流入用の水の貯水場および流出用の水の貯水場を含む。流入水の貯水場および流出水の貯水場はいずれも、長さ3.5cmであり、これらは、格子状の支持体、および、砂の透水係数よりも大きい透水係数を有する微細なメッシュスクリーンによってメインのセル区画と隔てられている。調節可能なオーバーフローフラスコ(overflow flask)を用いて、末端の貯水場中に異なるコンスタントヘッド(constant head)を維持させた。所定のインターバルで流出した水の体積を測定することによって、流出貯水場への放出を決定した。各末端の貯水場において蠕動ポンプを絶えず操作して、完全な混合を確認した。セル中に、0.5cm(内径)の空気注入管、および、0.5cm(内径)のCOの注入管を設置した。これらの管を40cmの距離で離し、その後、セルをパッキングした際に砂で覆った。これらの管を、それぞれ500L/時間の体積流量で空気を供給し、1.5L/時間の体積流量でCOを供給するバルブに連結させた。空気およびCOのフローを、フローおよび圧力計で調節した。
材料
以下に示すものを本装置に適用した:アキューサンド(Accusand)、これは、30/40のメッシュサイズを有し、粒子の直径が0.532mmであり、0.35の多孔率を有する;ベントナイト粘土[フィッシャー・サイエンス社(Fisher Sci.Co.)];4.12mMのCl、1.17mMのNO 、3.89mMのCa2+、1.2mMのMg2+、0.06mMのK、0.01mMのF、0.89mMのSO 2−、2.46mMのNa、3.69mMのHCO 、0.76mMのCO 2+の水溶液(水道水);COは、ゴードンガス(Gordon Gas)[イスラエル]によって提供された。
CO の封鎖
本装置を、アキューサンド30/40で、合計の高さが36cmになるまで充填し、部分的に(図2で示したように)ベントナイト粘土で覆い、これを用いて、所定のフロー経路に追いやることによって、滞留時間を長くし、十分にCOを拡散させた。この実施態様における粘土の寸法は、長さ43cm×幅4cm×高さ28〜32cmの寸法であった。このフローセルをpH7.5の水道水で充填した。大型の水道水を供給する貯水場を用いることによって、注入口チャンバーに供給された水道水のイオンの組成を一定に維持した。水のフローを空気流と共に一晩安定化させ、それに続いてCaCl(328g/120L)を添加し、CO注入を開始した。空気およびCOを2週間注入し、7時間後、1週間後、および、2週間後にpH測定を行った。
代表的な水サンプルを、それらのpHを炭酸カルシウム形成の関数として決定することによって解析した。酸性pH(5〜6.5)を有するサンプルは、溶解したCOの濃度が比較的高いことを示し、一方で、塩基性pH(7.5〜8)を有するサンプルは、炭酸カルシウムが生産されていることを示す。
沈殿した炭酸塩サンプルの解析を同位体解析によって行った。COは、特定の同位体の特徴を有する。住宅用水中に存在するCOは、無機物質源に由来するものであり、−1‰〜−2‰に近いδ13C(しかしながらこれは、+2‰〜−4‰の範囲内でもよい)を有するが、注入される空気に含まれるCOは、−7‰〜−8‰に近いδ13Cを有する。有機物質源から注入されたCOに関する同位体の特徴は、−25‰〜−35‰に近いδ13Cを有する。
実施例1
フローセル装置によるCO 依存性のpH変化の促進
フローセル中の異なる高さおよび位置から得られたサンプル(図2で示した通り)を解析し、それらのpHを測定した。pH測定は、CO含量の指標として役立つ。低いpHは、高いCO濃度を示す。短時間で炭酸塩沈殿の進行が促進され(このフローセルにおいて、分単位から時間単位へ)、明らかにpHが上昇した(表1)。
Figure 2010502420
表1は、サンプルのpHに関する傾向を示しており、ここで、CO注入領域から採取されたサンプルは、比較的酸性pHで存在し、一方で、空気注入領域で採取されたサンプルは、比較的塩基性pHで存在していた。
また流速のわずかな変化も、時間経過に伴う一部のpHのシフトに影響を与えた。
実施例2
フローセル装置によるCO 封鎖の促進
5種の代表的なサンプル(砂、および、沈殿した炭酸塩)を解析し、酸溶液中に堆積した炭酸塩を溶解させ、放出された気体の含量を解析することによって、炭酸塩の沈殿を砂サンプルの重量パーセントとして測定した(ここで1gの沈降炭酸カルシウムは0.44gのCOと同等とした)。解析したサンプルは、2つの注入井の間の領域のものであった。図3に、サンプルの位置を示す。
サンプル3−20からは、砂サンプル中に約0.2〜約0.3%w/wまでの炭酸カルシウムが生じ;
サンプル3−30からは、砂サンプル中に約0.2%w/wまでの炭酸カルシウムが生じ;
サンプル3−40からは、砂サンプル中に約0.4%w/wまでの炭酸カルシウムが生じ;
サンプル3−50からは、砂サンプル中に約1.2〜約1.3%w/wまでの炭酸カルシウムが生じ;
サンプル3−60からは、砂サンプル中に約0.4%w/wまでの炭酸カルシウムが生じた。
従って、空気注入に近いサンプル(例えば、サンプル3−50)はより高い濃度の炭酸カルシウムを有しており、すなわちこれは、炭酸カルシウムが形成されたことを示していることから、この炭酸塩の沈殿によってCOを隔離するためのシステムの使用が実証され、この場合、空気およびCOを注入してから2週間後に111gの炭酸カルシウムが形成された。
実施例3
注入されたCO からの炭酸塩の沈殿の形成
CO同位体のシグニチャーバリュー(signature value)は、気体が形成される環境に応じて様々である。図3に示されたサンプル領域の同位体解析を行った:
サンプル3−20:−19.4‰、
サンプル3−30:−17.6‰、
サンプル3−40:−10.5‰、
サンプル3−50:−5.5‰、
サンプル3−60:−9.6‰、
サンプル3−10:−18.2‰、
サンプル3−70:−21.1‰、
サンプル3−80:−21.6‰、
サンプル3−90:−4.8‰。
同位体解析の結果によれば、CO同位体シグニチャーは、注入された空気に含まれるCOと、有機物質源から注入されたCOの両方の影響を受け、注入されたCOに応じて明らかに炭酸塩形成が増加した。
実施例4
遠心分離によって回収した、塩化カルシウムおよび石灰水からの炭酸塩の沈殿(10g/L)
塩化カルシウム(500mL,10g/L)の溶液を、周囲圧力で30分間、COでバブリングした。pHは4.0であった。この段階で、この溶液を、水酸化ナトリウム溶液(0.1M)と塩化カルシウム溶液(0.09M)とを反応させることによって予め製造した水酸化カルシウムの飽和溶液(pH12.2)に添加した。即座に沈殿が形成された。この溶液をデカントし、生成物を遠心分離によって回収した。デカントした溶液はpH7.8であったが、COを空気から溶液に分配することによって6.4に低下させた。固体を室温で真空乾燥させ、0.71グラムを分離した。
結論として、石灰水を用いて炭酸カルシウムを沈殿させることができた。
実施例5
ろ過によって回収した、塩化カルシウム(10g/L)およびCO 洗浄機からの石灰水から炭酸塩の沈殿
塩化カルシウム溶液(500mL,10g/L)を、周囲圧力で30分間、COでバブリングした。pHは3.8であった。この段階で、この溶液を、水酸化ナトリウム溶液(0.1M)と塩化カルシウム溶液(0.09M)とを反応させることによって予め製造した、空気洗浄機として用いられていた水酸化カルシウムの飽和溶液(pH12.1)に添加した。即座に沈殿が形成された。この溶液をろ過し、1.11グラムを分離した。ろ液は、pH8.7であった。
すなわち、洗浄機からの石灰水は、新たに製造された石灰水と同様に効果的に用いることができた。
実施例6
ろ過によって回収した、塩化カルシウム(10g/L)、石灰水およびNaOHからの炭酸塩の沈殿
塩化カルシウム溶液(500mL,10g/L)を、周囲圧力で30分間、COでバブリングした。pHは3.8であった。この段階で、この溶液を、水酸化ナトリウム溶液(0.1M)と塩化カルシウム溶液(0.09M)とを反応させることによって予め製造した水酸化カルシウムの飽和溶液(pH12.2)に添加した。即座に沈殿が形成された。この溶液をデカントし、生成物を、0.2ミクロンのフィルター膜を介したろ過によって回収した(0.24グラムが分離された)。ろ液はpH7.8であった。NaOH固体を添加して、pHを11に高めると、より多くの沈殿が生じた。追加の1.24グラムをろ過によって分離した。回収された全生成物は、1.48グラムであった。
結論:ろ液へのNaOHの添加は、炭酸塩の沈殿の収率を高めた。
実施例7
アルゴン雰囲気下でろ過した、塩化カルシウム(10g/L)、石灰水およびNaOHからの炭酸塩の沈殿
塩化カルシウム溶液(500mL,10g/L)を、周囲圧力で30分間、COでバブリングした。pHは3.7であった。この溶液を、NaOHの溶液(0.1M)とCaClの溶液(0.09M)とを反応させることによって予め製造した水酸化カルシウムの飽和溶液(pH12.2)に添加した。即座に沈殿が形成された。この溶液を、0.2ミクロンのフィルター膜を通過させてろ過した(1.08グラムが分離された)。pH7のろ液をNaOH固体を用いてアルカリ性(pH10.7)にした。追加の1.30グラムのCaCOを、アルゴンガスのブランケット下でろ過によって分離した。ろ液のpHは11.0であり、安定であった。回収された全生成物は、2.38グラムであった。
結論:空気からのCOに晒したところpHは低下した。アルゴンブランケットは、ろ過中のpH低下を防ぎ、分離されるCaCOの量を増加させる。ここで示唆されるように、アルゴンブランケットの追加により、収率が劇的に改善された;1.48gに対して2.38g(61%)。
実施例8
アルゴン下、20℃での塩化カルシウム(10g/L)、石灰水およびNaOHからの炭酸塩の沈殿
塩化カルシウム溶液(500mL,10g/L)を製造したところ、20℃でpH5.7を有していた。、上記混合物に二酸化炭素を通過させ45分間バブリングしたところ、pHが5.3に低下した。この溶液に、新たに製造した石灰水(飽和水酸化カルシウム、0.2MのNaOH、および、0.09MのCaCl500mL,pH12.4)を添加した。沈殿が形成され、これをろ過によって回収した(1.16gが分離された)。ろ液のpHは7.4であったが、これを水酸化ナトリウムを用いて10.4に高めた。固体の2回目の回収をろ過で行った(追加の0.51gを回収した)。ろ液のpHは10.3であった。分離された固体の総量は、1.67gであった。
結論:炭酸塩の沈殿の収率は、20℃において、それより低い温度(1℃)での収率よりも高く、さらに、より高い塩化カルシウム濃度(10g/L)を用いたところ、より低い濃度(1g/L)を用いる場合よりも高い収率が得られた。
実施例9
アルゴンブランケット下、20℃での、塩化カルシウム(20g/L)、石灰水(ペレットから)およびNaOHからの炭酸塩の沈殿
塩化カルシウム溶液(500mL,20g/L)を製造したところ、20℃でpH8.5を有していた。二酸化炭素を混合物に通して35分間バブリングしたところ、pHが3.8に低下した。この二酸化炭素飽和溶液に、固体の水酸化カルシウムから製造された石灰水の溶液(500mL)を添加した。沈殿が形成され、これをアルゴンブランケット下でろ過によって回収した(1.19gが分離された)。ろ液のpHは7.0であったが、これを水酸化ナトリウムを添加することによって10.4に高めた。固体の2回目の回収をろ過で行った(追加の0.33gを回収した)。ろ液のpHは、10.3であった。分離された固体の総量は、1.52gであった。
結論:室温で20g/Lの塩化カルシウムを用いた場合、室温で10g/Lの塩化カルシウムを用いた場合とほぼ同じ収率の炭酸塩の沈殿が得られた。ペレットから製造された、または、新たに製造された水酸化カルシウム溶液では、同様にほぼ同じ収率の炭酸塩の沈殿が得られた(それぞれ1.52gと1.67g)。
実施例10
アルゴン下、20℃での塩化カルシウム(10g/L)、石灰水(ペレットから)およびNaOHからの炭酸塩の沈殿
塩化カルシウム溶液(500mL,10g/L)を製造したところ、20℃でpH5.8を有していた。二酸化炭素を上記混合物に通して100分間バブリングしたところ、pHが3.9に低下した。この溶液を、固体の水酸化カルシウムから製造された石灰水に添加した。沈殿が形成され、これをろ過によって回収した(1.00gが分離された)。ろ液のpHは6.8であった。水酸化ナトリウムを用いてpHを11.1に高め、より多くの水酸化カルシウムを沈殿させた。固体の2回目の回収をろ過で行った(追加の0.44gを回収した)。ろ液pHは、11.1であった。分離された固体の総量は、1.44gであった。
結論:Ca(OH)のペレットを用いた場合、室温で10g/Lの塩化カルシウムを用いると、室温で20g/L塩化カルシウムを用いた場合とほぼ同じ収率の炭酸塩の沈殿が得られた(それぞれ1.44gと1.52g)。
実施例11
アルゴン下、20℃での、ろ過の前に添加された塩化カルシウム(10g/L)、石灰水(ペレットから)およびNaOHからの炭酸塩の沈殿
塩化カルシウム溶液(500mL,10g/L)を製造したところ、20℃でpH6.8を有していた。二酸化炭素を上記混合物に通して100分間バブリングしたところ、pHが4.2に低下した。2mLの約20%のNaOH(6M)を添加し、それに続いて固体の水酸化カルシウムから製造した500mLの石灰水溶液(pH12)を添加した。沈殿が形成され、これをろ過によって回収した(1.05gが分離された)。ろ液のpHは6.7であった。ろ液のpHを水酸化ナトリウムを用いて11.1に高めて、より多くの炭酸カルシウムを沈殿させた。固体の2回目の回収をろ過で行った(追加の0.91gを回収した)。ろ液pHは、11.0であった。分離された固体の総量は、1.96gであった。
結論:ろ過の前に追加の塩基を添加することによって、CaCOの収率が増加した。
実施例12
Ar下での、塩基として石灰水を用いたレッドシーソルト(RSS)および塩化カルシウム(10g/L)からの炭酸塩の沈殿
海水中の大量のNaClが、ソルベー法:2NaCl+CaCO→NaCO+CaClに従って、CaCO沈殿を妨げるかどうかを決定するために、レッドシーソルト(RSS)を、塩化カルシウム溶液に添加した。
レッドシーソルトは、以下のイオンを含む(1L水中の30gのRSSに基づく)。
Na:10692ppm、
Ca2+:380ppm、
Mg2+:1200ppm、
Cl:16,811ppm、
2−:785.5ppm、
アルカリ度は、2.3ミリ当量/l[HCO ]+[CO 2+]である。
レッドシーソルト(15g)を、CaCl溶液(500mL,10g/L)に添加し、pH7.8で溶液を得た。固体の塩は完全には溶解しなかった。COを上記混合物に通して10分間バブリングしたところ、pHが4.6に低下した。固体のほとんどが溶解し、追加の時間後にそれ以上の溶解はみられなかった。この溶液をデカントした。これに、石灰水(飽和Ca(OH),500mL,pH12.3)を添加したところ、沈殿が形成され、アルゴンのブランケット下で0.2ミクロンのフィルター膜を通過させてろ過した。ろ液はpH8.7であった。固体をオーブンで乾燥させ、1.26gを分離した。ろ液のpHは上昇しなかったため、2回目のCaCOの回収はできなかった。
結論:レッドシーソルトは、炭酸塩の沈殿に有害ではなかった。
実施例13
Ar下、22℃での、レッドシーソルト(RSS)および塩化カルシウム(1g/L)からの炭酸塩の沈殿
レッドシーソルト(30g/L)および塩化カルシウム(1.0g/L)の溶液(500mL)を製造したところ、pH8.1を有していた。二酸化炭素を周囲圧力で上記混合物に通して30分間バブリングしたところ、pHが4.7に低下した。この溶液に、新たに製造した石灰水溶液(飽和水酸化カルシウム、0.2MのNaOHに加えて0.09MのCaCl500mL,pH12.4)を添加した。沈殿が形成された。この混合物をアルゴンのブランケット下で維持し、これを0.2ミクロンのフィルター膜を通過させてろ過した。またろ過もアルゴンのブランケット下で行った。ろ液はpH9.5であった。固体をオーブンで乾燥させ、0.92gのCaCOを分離した。
結論:カルシウムイオン含量が低いと、炭酸カルシウムの収率が低下する。
実施例14
Ar下、20℃での、塩基として石灰水およびNaOHを用いた石炭灰の水溶液および塩化カルシウム(10g/L)からの炭酸塩の沈殿
乾燥していない篩い分けしていない南アフリカのボトムアッシュ(500g)を500mLの脱イオン水に懸濁し、そのスラリーを回転式振盪機で15時間置いた。水相をろ過によって除去し、そのアッシュのケークを水で洗浄した。得られたろ液はpH12.7であった。塩化カルシウム500mL(10gのCaCl/1.0LのHO)を、2000mLのメスシリンダーに入れた。この溶液に二酸化炭素を通してバブリングしたところ、pHが3.83に低下した。バブリングを1時間続けた。石炭灰の水溶液(coal ash water)(590mL)をCOで飽和した塩化カルシウム溶液に添加した。この組み合わされた溶液のpHは、5.5であった。この時点で沈殿は形成されなかった。次に、500mLの石灰水溶液(飽和Ca(OH))を添加すると、沈殿が形成され、pHが8.5に上昇した。20mLの50%NaOH(pH12.7)を添加することによってアルカリ度をさらに高めた。沈殿をろ過し、乾燥させ、2.39gを得た。
結論:石炭灰そのものは炭酸カルシウムを沈殿させるほど十分にpHを高めないが、塩基(Ca(OH)およびNaOH)量を増加させるため、得られた生成物の量が増加した。
実施例15
Ar下、20℃での、石灰水およびNaOHを用いた石炭灰の水溶液および塩化カルシウム(10g/L)からの炭酸塩の沈殿
塩化カルシウム溶液500mL(10gのCaCl/1.0LのHO)を、2000mLのメスシリンダーに入れた。最初のpHは、4.7であった。この溶液に二酸化炭素を通してバブリングしたところ、pHがpH3.9に低下した。バブリングを40分間続けた。次に、石灰水500mL、飽和Ca(OH)(pH12.2)を添加すると、沈殿が形成され、pHが8.6に上昇した。この混合物に、実施例14で製造した石炭灰の水溶液(650mL,pH12.9)を添加し、あわせた溶液のpHはpH9に増加した。11mLの50%NaOH(pH12.2)を添加することによってアルカリ度をさらに高めた。沈殿をろ過し、乾燥させ、2.46gの生成物を得た。
結論:石炭灰の水溶液の添加の順番は、分離された生成物の量に影響を与えなかった(実施例14では2.39gであったのに対して、2.46g)。
実施例16
Ar下、1℃での、レッドシーソルト(30g/L)および塩化カルシウム(1g/L)からの炭酸塩の沈殿
レッドシーソルト(30g/L)、および、塩化カルシウム(1.0g/L)の溶液(500mL)を製造したところ、pH8.1を有していた。この溶液を氷/水浴で1℃に冷却した。二酸化炭素を周囲圧力で上記混合物に通して30分間バブリングしたところ、pHが4.7に低下した。この溶液を氷槽中で1℃で維持した。この溶液に、20℃で新たに製造した石灰水溶液(飽和水酸化カルシウム、0.2MのNaOHに加えて0.09MのCaCl500mL,pH12.4)を添加した。沈殿が形成された。この混合物をアルゴンのブランケット下で維持し、これを0.2ミクロンのフィルター膜を通過させてろ過した。またろ過もアルゴンのブランケット下で行った。ろ液はpH7.8であった。固体をオーブンで乾燥させ、0.09gのCaCOを分離した。
結論:より低い温度は、炭酸カルシウムの収率を減少させた(実施例13において0.92gであるのに対して、0.09g)。
実施例17
Ar下、1℃で、塩基として石灰水およびNaOHを用いた塩化カルシウム(10g/L)からの炭酸塩の沈殿
塩化カルシウム溶液(500mL,10g/LのHO; 9.09%、d=1.005g/mL)を製造したところ、20℃でpH5.7を有していた。この溶液を5℃に冷却すると、pHが5.9に上昇した。この溶液を1.0Lメスシリンダー中に入れて、二酸化炭素を通してバブリングした。30分でpHが4.1に低下し、温度は1℃であった。この塩化カルシウム/二酸化炭素溶液に、石灰水の溶液(500mL)を添加した。沈殿が形成され、pHが8.7に上昇した。pHが低下し始めたため、水酸化ナトリウム溶液(20mL,d1.2g/mL)を添加した。この混合物をろ過した。ろ液はpH12.7を有していた。オーブン中でろ過ケークを乾燥させ、4.06gを分離した。
結論:温度を低くすると、得られたCaCOの収率が減少したが、NaOHでpHを調節することによって、炭酸塩の沈殿の収率が増加した。
実施例18
Ar下、1℃で、塩基として石灰水およびNaOHを用いた塩化カルシウム(20g/L)からの炭酸塩の沈殿
塩化カルシウム溶液、(500mL、20g/L)を、氷/水浴中の1Lメスシリンダーに入れた。最初のうち、pHは7.8であった。溶液に二酸化炭素を通して1時間バブリングした後、pHは3.8であり、温度は1℃未満であった。石灰水の溶液(500mL)を添加したところ、沈殿が形成された。次に、50%NaOH溶液(6mL,d=1.50g/mL)を添加し、この溶液をろ過した。ろ液のpHは約13であった。固体を分離し、オーブンで乾燥させ、5.28gを分離した。
結論:より高いカルシウムイオン濃度は、炭酸塩の沈殿の収率を高めた。
実施例19
Ar下で、塩基として石灰水およびNaOH(50%)を用いたセミフローシステムによる塩化カルシウム(20g/L)からの炭酸塩の沈殿
塩化カルシウム溶液(2.0LのHO中の40g)を製造したところ、初期のpHは7.5であった。この溶液を、底部にストップコックを備えたエルレンマイヤーフラスコに入れた。そこにCOを1時間バブリングし、pH3.8を有する飽和溶液を形成した。このCOで飽和したCaCl溶液を重力流によって、pH12.9の石灰水500mLが仕込まれた反応フラスコに添加した。流速は15分の間2.7mL/分であり、15mL/分に高めた。石灰水および沈降炭酸カルシウムを含む反応フラスコのpHをpH電極でモニターした。50%w/wのNaOHを一滴ずつ添加してpHを10〜11の間に調節した。反応の経過中に合計で6.0mLのNaOHを添加した。この混合物をアルゴンのブランケット下でワットマン(Whatman)50ろ紙でろ過した。ろ液はpH10.8であった。CaCO固体を分離し、オーブンで乾燥させ、6.40gを分離した。
結論:二酸化炭素で飽和した溶液の重力流を用いたセミフローシステムは有効であった。分離された炭酸カルシウムの量(6.40g/2L)は、実施例9の炭酸カルシウムの量(1.52g/0.5L)に匹敵する。
実施例20
Ar下での、セミフローシステムによる、塩基として石灰水を用いた塩化カルシウム(20g/L)からの炭酸塩の沈殿
塩化カルシウム溶液(2.0LのHO中の40g)を製造した。実施例19と同じ装置を用いた。この溶液に二酸化炭素を通して2時間バブリングすると(最初のpHは8.2)、pHが3.8に低下した。このCOで飽和したCaCl溶液を重力流によって、pH12.9の石灰水500mLが仕込まれた反応フラスコに添加した。34分にわたり流速は8.8mL/分であり、その間のpHは10.4であった。この反応フラスコに、石灰水を、蠕動ポンプを用いて9mL/分でポンプ注入した。10〜11のpHが維持されるように石灰水の添加速度を調節した。石灰水および沈降炭酸カルシウムの混合物をアルゴンのブランケット下でろ過した。ろ液はpH10.5であり、5299gの総質量を有していた。19.1gのサンプルを採取し乾燥させたところ、0.16g(0.835%)の固体を含んでおり、これは44.2グラムの溶解した固体(塩化カルシウム、および、水酸化カルシウム)に相当する。合計6.31gのCaCO(オーブンで乾燥させた)を分離した。
結論:NaOHよりも石灰水の使用がより簡単であり、同様の量の炭酸カルシウムが得られた。
実施例21
Ar下での、セミフローシステムによる、塩基として石灰水を用いた水道水からの炭酸塩の沈殿
pH7.2を有するレホヴォト市(イスラエル)の標準的な水道水(2.0L)をフラスコに入れ、COでバブリングした。1時間後にpHが5.1に低下した。この溶液を500mLの石灰水(pH12.5)に添加した。反応混合物中にpH電極を浸したままにすることによって反応溶液のpHを連続的にモニターした。この反応混合物に、石灰水を添加し、10を超えるpHを維持した。COで飽和した水道水の全てを添加し、この混合物をろ過した。ろ液の体積は4910mLであり、pHは11.1であり、5.68gのCaCOを分離した。
結論:石灰水がCaCOの主要なカルシウム源であった。
実施例22
塩基として石灰水を用いた、セミフローシステムによる、実施例21の再利用された最終ろ液からの炭酸塩の沈殿
実施例21からのろ液(2.0L,pH10.9)をCOで飽和させた。pHがpH5.0に低下した。これを一般的な重力流によって500mLの石灰水(pH12.3)に添加した。元の追加の石灰水を添加して10を超えるpHを維持したところ、2.0Lのうち1150mLだけが使用できた。合計5.1Lの石灰水を用いた。最終的なpHは11.2であり、4.02gのCaCOを分離した。
結論:再利用されたろ液の水を用いてより多くのCOを封鎖したが、より大量の石灰水が必要であった。
実施例23
セミフローシステムによる、塩基としてNaOHを用いたレッドシーソルト(30g/L)からの炭酸塩の沈殿
5.0Lのフラスコに60.0gのレッドシーソルト、および、2.0Lの蒸留水を入れた。この溶液(pH8.7)をCOで飽和させると、pHが4.5に低下した。反応容器にNaOH(500mL,0.01M,pH12.1)を入れ、そこにレッドシーソルト/CO溶液を重力送入したところ、pHが9に低下した。この反応液に追加の0.25MのNaOHをポンプ注入したが、少なくとも500mLのレッドシーソルト溶液が添加されるまで沈殿は起こらなかった。pHを約11.5に維持した。沈殿した固体をゆっくりろ過した。これを真空ろ過によって分離し、オーブンで乾燥させ、5.98gの生成物を得た。生成物のX線回折から、それらが部分的に結晶質であり、部分的に無定形であることが示された。これは、方解石、アラゴナイト、バテライトでもないし、方解石の一水和物でもなかった。
結論:塩基として石灰水の代わりにNaOHが用いられた。カルシウム源はRSS由来のものだけであり、炭酸塩の沈殿が得られた。
実施例24
セミフローシステムによる、塩基としてNaOHを用いた石膏からの炭酸塩の沈殿
5.0Lのフラスコに、CaSO・2HOを含む蒸留水(2.0g/L)2.0Lを入れた。pHは7.7であった。COをこの溶液に通してバブリングしたところ、pHが3.8に低下した。反応フラスコに500mLの2.0g/LのCaSO・2HOを入れ、NaOH(0.350mL,0.25M)を用いてpHを10.1に高めた。COで飽和した溶液を、この反応フラスコに重力送入し、NaOH(0.25M)を用いてpHを10〜10.5に維持した。COで飽和した溶液500mLを添加した後に沈殿が起こった。最終的なpHは、10.3であった。この反応混合物をろ過したところ、生成物の収率は極めて低かった。従って、ろ液のpHをNaOHを用いて11.7に調節したところ、より多くの固体の沈殿が起こった。この固体を真空ろ過によって分離し、オーブンで乾燥させ、1.49グラムの生成物を得た。これをX線回折によって試験したところ、バテライトおよび方解石の結晶であることがわかった。
結論:石膏を用いてCOを炭酸カルシウムの形態で沈殿させることができる。
実施例25
塩基としてNaOHを用いた、セミフローシステムによる石膏(2.0g/L)およびレッドシーソルト水からの炭酸塩の沈殿
CaSO・2HOを含む(2.0g/L)レッドシーソルト(RSS)(60g,2.0LのHO)の溶液を製造した。この溶液をCOで飽和させた。COでバブリングして2時間後にpHは8.6から4.6に低下した。フラスコに含まれるCaSO・2HO(2.0g/L)および30g/LのRSS(30g/L)を含む水500mLをNaOH(0.1M)を用いてpH10.4に調節した。COで飽和した溶液を重力流によって添加し、最終的なpHを約10.4に維持した。生成物を真空ろ過によって分離し、オーブンで乾燥させた(3.43gが分離された)。
結論:レッドシーソルトと石膏とを組み合わせることにより、より高い炭酸塩の収率を得ることができる(実施例24の1.49gに対して、3.43g)。
実施例26
セミフローシステムによる、塩基としてNaOHを用いた、実施例25の再利用されたろ液およびレッドシーソルト水からの炭酸塩の沈殿
実施例25からのろ液2.8Lに、5.46gのCaSO・2HOを入れた。フラスコに800mLを入れ、pHを0.2MNaOHで10.3に調節した。この溶液の別の2.0LをCOで飽和させた(pH5.9)。次にこれを、重力流によって上記のアルカリ性溶液に添加した。pHを0.2MのNaOHで10.0〜10.6に維持した。固体の物質をろ過によって回収し、オーブンで乾燥させ、5.64gを得た。
結論:再利用された水との反応から、その他のイオン濃度がそれ比較的高いにもかかわらず炭酸塩を得ることができる。
実施例27
セミフローシステムによる、塩基としてNaOHを用いた、実施例26の再利用されたろ液およびレッドシーソルト水からの炭酸塩の沈殿
実施例26からのろ液(3.6L)を3回再利用し、あらゆる蓄積された塩が、COおよび炭酸塩の沈殿にどのような作用を与えるのかを確認した。CaSO・2HO(3.2g)を含むフラスコに、1.6Lを入れた。この溶液をろ過して溶解していない材料を除去し、得られた溶液には1.3gのCaSO・2HOが含まれていた。2.0Lの再利用されたろ液を含む別のフラスコに、CaSO・2HO(4.0g)を添加した。この溶液をCOで飽和させた。この溶液のpHは10.3から6.0に低下し、次にこれを上記のアルカリ性溶液に重力送入した。NaOH(0.2M)を用いてpHを10.5に維持した。生成物をろ過によって分離し、オーブンで乾燥させ、2.65gを得た。
結論:再利用された水から、炭酸塩をより高いイオン濃度で得ることができる。しかしながら炭酸塩の収率はより低い。
実施例28
塩基としてNaOHを用いた石膏およびレッドシーソルト水からの炭酸塩の沈殿
レッドシーソルト(75g,2.5LのHO)およびCaSO・2HO(2.0g/L)の溶液を製造した。2リットルのこの溶液(pH8.8)をCOで飽和させた(最終的なpHは4.6)。その他の500mLのCaSO・2HO溶液をpH10.3に調節し、NaOH(1M)を用い、COで飽和した溶液を添加してこのpHを維持した。CaCOはXRDによって方解石と同定され、これを沈殿させた。2.73gを分離した。
ろ液2.6Lを再利用して、この実験を繰り返した。CaSO・2HO(4.2g)を、2.1Lの再利用されたろ液(pH9.8)に添加し、これをCOで飽和させた(最終的なpHは5.8)。この溶液を、0.2gのCaSO・2HOを含む液500mLを含むフラスコに重力送入し、これをまずpH10に調節した。pHを、1MのNaOHを用いて10.0〜10.6に維持した。固体の物質をろ過によって回収し、オーブンで乾燥させ、5.68gを得た。
再び第二の工程からのろ液(2.6L)を再利用した。2.1Lのろ液およびCaSO・2HO(7.9g,pH9.9)を含むフラスコをCOで飽和させた(pH6.0)。別のフラスコに0.5Lのろ液、および、0.15gのCaSO・2HOを入れた(pH9.9)。このCOで飽和した溶液を、上記のアルカリ性溶液に重力送入し、pHを10.3〜10.4に維持した。固体の物質はXRDによってによって炭酸カルシウム一水和物と同定され、これをろ過によって回収し、オーブンで乾燥させ、6.10gを得た。
結論:方解石の形態の炭酸塩、および、炭酸カルシウム一水和物は、その他のイオンがより高濃度であっても、再利用水を用いる反応によって得ることができる。
実施例29
塩基として水酸化アンモニウムを用いた、工程1での空気ストリッピングによる石膏およびレッドシーソルト水からの炭酸塩の沈殿
工程1:最初の溶液溶液A:5.0Lのフラスコに60.0gのレッドシーソルト、8.00gのCaSO・2HO、および、2.0Lの脱イオン水を入れた。COをこの溶液に通してバブリングしたところ、pHが8.5から4.7に低下した。この溶液に空気を通してバブリングしたところ、pHが8.1に増加した。これを、溶液Aとした。
溶液B:別のフラスコに、15gのレッドシーソルト、および、1.0gのCaSO・2HO5を含む溶液500mL(pH8.7)を入れた。これを、溶液Bとした。溶液Aを撹拌しながら溶液Bに重力送入した。さらにNHOH(25%,13.4M,d0.91,約5mL)も溶液Bに添加し、pHを10〜11に維持した。沈殿した固体を真空ろ過によって分離し、オーブンで乾燥させた(1.04g)。生成物は、実施例23の生成物と同じXRDスペクトルを有していた。これはあまり結晶質ではなかった。これはアルゴナイトおよび方解石の弱いX線回折ラインを示し、ブルーサイト、Mg(OH)のX線吸収に相当する広範な吸収を有していた。
工程2.ろ液の第一の再利用溶液A’:5.0Lのフラスコに、3.2gのCaSO・2HO、および、工程1からのろ液2.0Lを入れた。COをこの溶液に通してバブリングしたところ、pHが10.4から6.0に低下した。これを、溶液A’とした。溶液B’:別のフラスコに、工程1からのろ液500mL、および、0.2gのCaSO・2HOを入れた。pHは10.3であった。溶液A’を一定に撹拌しながら溶液B’に重力送入した。pH10.2〜10.4を維持するために、この反応混合物にNHOH(25%,13.4M,d=0.91,65mL)を添加した。沈殿した固体をろ過によって回収し、オーブンで乾燥させた(6.23g)。ろ液はpH10.3であった。X線回折によって、生成物を方解石およびアラゴナイトの混合物と同定した。
工程3.ろ液の第二の再利用溶液A”:5.0Lのフラスコに工程2からのろ液2.0Lを入れた。最初のpHは、10.4であった。この混合物を一晩撹拌したが、極めてわずかな固体しか溶解しないようであった。この混合物に二酸化炭素を通してバブリングしたところ、pHは10.4から7.1に低下した。これを、溶液A”とした。溶液B”:別のフラスコに工程2からのろ液500mLを入れた。pHは10.4であった。溶液A”を一定に撹拌しながら溶液B”に重力送入した。pH10.2〜10.4を維持するために、この反応混合物にNHOH(25%,d=0.91,13.4M,265mL)を添加した。これらの条件下で、沈殿は生じなかった。この混合物に120gの固体のレッドシーソルトを添加した。不溶性の固体をろ過によって分離し、これを1.0Lの脱イオン水に再懸濁し、ろ過によって回収した。ろ過ケークを再懸濁し、オーブンで乾燥させる前に2回回収した。11.65gの不溶性の固体を分離した。
結論:a)過量の二酸化炭素を除去した場合、石膏で飽和させた人工海水から分離された生成物は、石膏を含まない人工海水から分離されたものと同じであった。b)水酸化アンモニウムは、より多くの二酸化炭素の捕獲を可能にする。
実施例30
塩基として水酸化アンモニウムを用いた石膏およびレッドシーソルト水からの炭酸塩の沈殿
工程1.最初の溶液溶液A:5.0Lのフラスコに60.0gのレッドシーソルト、8.00gのCaSO・2HO、および、2.0Lの脱イオン水を入れた。COをこの溶液に通してバブリングすると、pHが8.6から4.7に低下した。これを、溶液Aとした。溶液B:別のフラスコに、15gのレッドシーソルト、および、1.0gのCaSO・2HOを含む溶液500mLを入れた、および、pHをNHOH(13.4M)を用いて10.5に調節した。これを、溶液Bとした。溶液Aを重力流によって溶液Bに直接添加した。フィード管の先端を溶液Bの表面より下にした。反応混合物のpHを10.3に維持させたが、時おり10.2〜10.4の範囲内で変動した。この溶液に25%NHOH(13.4M)をポンプ注入し、pHを維持した。この反応液に約500mLの溶液Aが添加されるまで実質的な沈殿は生じなかった。pHは10.3で非常に安定していた。40mLのNHOHを用い、合計で2.82gを分離した。生成物は、XRDによって方解石であると同定され、これから少量の共結晶化したモノハイドロカルサイトも存在すると推測される。
工程2.ろ液の第一の再利用溶液A’:フラスコに工程1からの全ろ液(2540mL)、および、追加の2.5gのCaSO・2HOを入れた。COをこの溶液に通してバブリングしたところ、pHが10.3から6.6に低下した。これを、溶液A’とした。溶液B’:500mLのCaSO・2HOのストック溶液(2.0g/L)に、15gのレッドシーソルトを入れた。NHOHを用いてpHを10.4に高めた。溶液A’を上述のように重力送入によって溶液B’に添加した。初期のpHが10.1〜10.5の間である程度変動したことを除き、pHを追加の370mLの25%NHOHを用いて10.3に極めて近い値に維持した。沈殿した固体をろ過によって回収し、脱イオン水に再懸濁し、再度ろ過し、オーブンで乾燥させる前に200mLのHOで洗浄した。7.16gを分離した。生成物をXRDによって方解石一水和物(カルサイトモノハイドレート)と同定した。
工程3.ろ液の第二の再利用:過量の水酸化アンモニウムは、二酸化炭素と共に炭酸アンモニウムまたは炭酸水素塩から生じたものであると推測され、沈殿における制限要因はカルシウムイオンの量であると推測された。ろ液の100mLのアリコート(総体積3370mL)を、400mLのCaSO・2HO溶液(2.0g/L)と混合した。沈殿が形成された。これをろ過し、オーブンで乾燥させた。0.274グラムを分離した。このろ液のアリコートから、追加のCaSO・2HO溶液によってそれ以上の沈殿を生じさせることはなかった。この測定に基づき、合計9.23gの炭酸カルシウムがろ液から沈殿する可能性があると計算される。分離された生成物は、XRDによって方解石であると同定した。
結論:CaSO・2HOおよびNHOHを使用することによって、試験されたその他のシステムよりもより多くのCOが捕獲される。工程1および2のみにおいて、石膏およびレッドシーソルトの両方からの存在するカルシウム量に基づく収率は、98%である。
炭酸塩沈殿の収率の計算は、例えば、以下の工程に従って計算することができる:
工程1:8.0gCaSO・2HO(23.3%のCa)=1.86gCa2+イオン
2LのHOにおけるRSS、380ppmCa=0.76gCa2+イオン
ゆえに、工程1の溶液A中のCa2+は、2.62g
1.0gCaSO・2HO(23.3%のCa)=0.233gCa2+イオン
0.5LのRSS HO、380ppmCa=0.190gCa2+イオン
ゆえに、工程1の溶液B中のCa2+は、0.423g
工程1におけるCaイオンの合計グラム数は、3.04g(2.62+0.423)のCa2+
工程1で利用可能なCa2+の総モル数は、3.04g/40g/モル=0.0760モルのCa2+
1モルのCaCOは、1モルのCa2+を形成することができ;CaCOの分子量は100g/モルであり、従って、0.0760モルのCa2+は、7.60gのCaCOである。従って、工程1では7.60gのCaCOを形成することができる。
従って、工程1の収率は、(分離された2.82g/7.60×100)=37.1%である。
工程2:工程1からのろ液を再利用した。7.60−2.82=4.78gのCaCOが回収されなかった。CaCOの100g/モルの分子量を考慮すると、0.0478モルのCa2+がろ液中に存在し、Caの原子量(40g/モル)を考慮すると、ろ液中において1.91g(0.0478×40)のCa2+が利用可能である。
溶液A’に2.5gのCaSO・2HO(23.3%のCa)を添加したので、追加の0.583gのCaイオンが添加された。
工程2の溶液B’は1.0gのCaSO・2HO(23.3%のCa)を含み、従って、0.233gのCa2+が利用可能であり、水中で0.5LのRSS(すなわち380ppmのCa2+,0.190g)が利用可能であった。
工程2で利用可能なCa2+の合計は、(1.91+0.583+0.233+0.190)=2.92gのCa2+である。
従って、工程2において、(2.92/40)=0.0730モルのCa2+が利用可能であり、多くて7.30gのCaCOが形成される。
工程2において7.16gが分離されたため、収率は、(回収された7.16gのCaCO/見込みの7.30g)×100=98.1%である。
実施例30の合計収率は、添加されたカルシウム化合物から計算される:
工程1
9.0gのCaSO・2HO(23.3%のCa)=2.10gのCaイオン
2.5LのRSS・HO(380ppm)=0.95gのCaイオン
工程2
3.5gのCaSO・2HO(23.3%のCa)=0.82gのCa2+イオン
0.5LのRSS・HO(380ppm)=0.19gのCa2+イオン
反応に利用可能なCa2+イオンは、工程1および工程2の合計=4.06gであり、ここで、10.2gのCaCO(MW=100g/モル)を得るのに0.102モルのCa2+(MW=40g/モル)が利用可能である。
両工程において、2.82+7.16=9.98gの炭酸塩が分離されたため、全体の収率は、(2.82+7.16)/10.2×100=97.8%である。
実施例31
塩基として水酸化アンモニウムおよび12%CO を用いた石膏およびレッドシーソルト水からの炭酸塩の沈殿
工程1.最初の溶液:レッドシーソルト(30g/L,2L)、およびCaSO・2HO(2g/L)の溶液を150分間、12%CO/空気のガス流でパージした。その平均流速は52mL/分であった。この溶液(pH6.9)を、30g/Lのレッドシーソルトおよび2g/LのCaSO・2HOを含む500mLの溶液(pH10.3)に重力送入した(4L/時間;67mL/分)。実験中、pHを濃NHOHで10.3に維持した。沈殿した固体(方解石およびアラゴナイトの混合物)をろ過によって回収し、オーブンで乾燥し、1.00gを分離した。海水および石膏の両方から添加したカルシウムの量によれば、CaCOの収率は、19%である。ガスシリンダーから送達されたCOの量によれば、CaCOの収率は、26%である。
工程2.ろ液の第一の再利用:工程1からのろ液(2.5L,pH10.3)を145分間、12%CO/空気でパージした。その平均流速は、47.0mL/分であった。この溶液(pH9.8)を、レッドシーソルト(30g/L)およびCaSO・2HO(2g/L)の溶液(pH10.3)500mLに重力送入した。実験中、濃NHOHでpHを10.3に維持した。沈殿した固体(方解石およびアラゴナイトの混合物)をろ過によって回収し、オーブンで乾燥し、2.29gを分離した。この溶液に添加されたカルシウム量、および、工程1からのろ液中に残った量によれば、CaCOの収率は、43%である。ガスシリンダーから送達されたCOの量によれば、CaCOの収率は、67%である。
工程3.ろ液の第二の再利用:工程2からのろ液(3.0L,pH10.3)を、CaSO・2HO(3.0g)で17.3時間平衡化させ、それを12%CO/空気でパージした。その平均流速は、45.6mL/分であった。CaSO・2HOの多くが溶解しなかった。この溶液(pH9.1)を、レッドシーソルト(30g/L)およびCaSO・2HO(2g/L)を含む溶液(pH10.3)500mLに重力送入した。実験中、pHを濃NHOHで10.3に維持した。沈殿した固体をろ過によって回収し、オーブンで乾燥し、1.25gを分離した。ろ液(全部で3.5L,pH10.3)の一部の500mLを、1.0LのCaCl溶液(10g/L)に添加し、追加の0.874gを分離した。この固体において、方解石の含量は99%より多かった。したがって、全体の3.5Lに基づいて、追加の6.12gのCaCOをろ液から分離することができたはずである。この実験の最後の工程で分離することができたはずであるCaCOの合計の計算量は、7.37gである。これは工程3で用いられるCOの31%を占める。
結論:送達されたCOに基づく工程1および2の合計収率は、45%である。工程3を含む全体の収率は、34%である。
この収率は、工程1において、塩基性溶液をCOでバブリングしたところ、増加させることができた。
工程2において、Ca2+の濃度または総量を高めると、収率がより高くなると予想される。これは、ろ液を等容量の「石膏水」と混合によって達成することができた。
工程3において、バブリングの最適な持続時間がわかっていると、より高い収率が得られると予想される。
炭酸塩沈殿の収率の計算は、例えば、以下の工程に従って計算することができる:
石膏および海の塩の形態で添加されたカルシウム
工程1
2LのRSS×0.380=RSSの上部からの0.760gのカルシウム
2Lの石膏×2.0g/L×0.233=石膏の上部からの0.932gのCa
0.5LのRSS×0.380=RSSの底部からの0.190gのCa
0.5Lの石膏×2.0g/L×0.233=石膏の底部からの0.233gのCa
工程1で添加されたカルシウムの合計=2.115gのカルシウム
工程1でのカルシウムの総モル数:2.115g/40.08g/モル=0.05277モルのカルシウム
工程2
0.5LのRSS×0.380=RSSの底部からの0.190gのCa
0.5Lの石膏×2.0g/L×0.233=石膏の底部からの0.233gのCa
工程2で添加されたカルシウムの合計=0.423gのカルシウム
工程2でのカルシウムの総モル数=0.423/40.08g/モル=0.01055モルのカルシウム
工程3
3.0gの石膏×0.233=上部からの0.699gのカルシウム
0.5LのRSS×0.380=RSSの底部からの0.190gのCa
0.5Lの石膏×2.0g/L×0.233=石膏の底部からの0.233gのCa
工程3で添加されたカルシウムの合計:1.122g
工程3でのカルシウムの総モル数:1.122/40.08g/モル=0.02799
工程1、2および3で添加されたカルシウムの総モル数は、0.09131モルのカルシウム
CaCO の収率は、添加されたCa 2+ に基づく
(1.00g+2.29g+1.25g)/100)/09131×100=49.7%
添加されたCO(空気中12%の市販の混合物として添加)
工程1
(52mL/分)(150分)(0.12)(273K/292K)(1モル/22.4L)(1L/1000mL)=0.03907モルのCO
工程2
(47.0mL/分)(145分)(0.12)(273K/292K)(1モル/22.4L)(1L/1000mL)=0.03413モルのCO
工程3
(45.6mL/分)(60分/時間)(17.3時間)(0.12)(273K/292K)(1モル/22.4L)(1L/1000mL)=0.2371モルのCO
COの総モル数:0.03917+0.03413+0.2371=合計で0.3104モルのCO
工程1および2のみについてのCO に基づく収率:45%
実施例32
塩基として水酸化アンモニウムを用い、12%CO を塩基性溶液にバブリングした、石膏およびレッドシーソルト水からの炭酸塩の沈殿
工程1.レッドシーソルト(30g/L,2L)、および、CaSO・2HO(2g/L)を含む溶液を濃(25%)NHOHを用いてpH10.5に調節した。このpHにおいて、30分より長い時間をかけてもこの溶液から沈殿は生じなかったが、その後、周囲のCOの吸収によりわずかな曇りが生じた。この溶液を92分間、12%CO/空気のガス流でパージした。その平均流速は66.5mL/分であった。即座に炭酸塩が沈殿し始めた。この間、濃NHOHを用いてpHを10.2〜10.4に維持した。沈殿した固体(1.62g)をろ過によって分離し、オーブンで乾燥させた。
工程2.工程1からの透明なろ液(pH10.3)を、150分間、12%CO/空気のガス流でパージした。平均流速は68.8mL/分であった。工程1とは異なり、最初の2〜3分間後に炭酸塩の沈殿が始まった。pHを濃NHOHを用いて10.2〜10.4に維持した。沈殿した固体(1.60g)をろ過によって分離し、オーブンで乾燥させた。
工程3.工程2からの透明なろ液(pH10.3)を、60分間、12%CO/空気のガス流でパージした。その平均流速は70.3mL/分であった。この実験の前段階とは異なり、45分たっても沈殿は起こらなかった。pHを濃(25%)NHOHを用いて10.7に高めたところ、沈殿が生じた。固体をろ過によって回収した。ろ過ケークにひびが入っており、これは、より低いpHで形成された材料にはない特性であった。このような挙動は実施例22で認められた。ろ過ケークをHO(100mL)に再懸濁し、再度ろ過し、過量のNHOHを除去した。洗浄したろ過ケークをオーブンで乾燥させ、1.89gの固体を得た。これはあまり結晶質ではなく、ブルーサイト(Mg(OH))のXRD特徴をある程度有していた。
結論:本明細書の以下で説明されている計算によれば、この溶液に通過させたCOの量に基づく炭酸塩の合計収率は39%であった。
工程1および2で回収した材料は、工程3で回収した材料とは異なっていた。最初の二段階での材料がCaCOである場合、収率は、COに基づいて39%であり、カルシウムの除去が起こった。
炭酸塩沈殿の収率の計算は、例えば、以下の工程に従って行うことができる:
石膏および海の塩の形態でのカルシウムの添加は、1回のみである
RSSからのカルシウムは、2LのRSS×0.380=0.760g
石膏からのCaは、2Lの石膏×2.0g/L×0.233=0.932g
工程1で添加されたカルシウムの合計=1.692gのカルシウム
工程1におけるカルシウムの総モル数:1.692g/40.08g/モル=0.04222モルのカルシウム
工程1および2において、1.62+1.60=3.22gのCaCOが回収された。これは、0.0322モルのCaCOである。
添加されたCa 2+ に基づくCaCO の収率:((1.60g+1.62g)/100)/0.0422×100=76.3%
添加されたCOは、12%CO/88%空気である市販の気体
工程1
66.5mL/分×92分間×0.12(273K/292K)(1モル/22.4L)(1L/1000mL)=0.03064モルのCO
工程2
68.8mL/分×150分間×0.12(273K/292K)(1モル/22.4L)(1L/1000mL)=0.05169モルのCO
COの総モル:0.03064+0.05169=0.08233モルのCO
COに基づく収率=(0.0322モル炭酸塩/0.08233モルのCO)×100=39.1%。
実施例33
塩基として水酸化アンモニウムを用い、12%CO を塩基性溶液にバブリングした石膏からの炭酸塩の沈殿
工程1:CaSO・2HOの溶液(2g/L,2L,0.023モル,0.0115MのCa2+)を濃(25%)NHOHを用いてpH10.3に調節した。この溶液を80分間、12%CO/空気のガス流でパージした。その平均流速は58.9mL/分であった。15分後にこの溶液は曇り始めた。実験の経過中、pHを濃NHOHを用いて10.2〜10.4に維持した。沈殿した固体(0.8g)をろ過によって分離し、オーブンで乾燥させた。
工程2:工程1からの透明なろ液(pH10.3)を再度90分間、12%CO/空気のガス流でパージした。その平均流速は57.1mL/分であった。pHを濃NHOHを用いて10.2〜10.4に維持した。沈殿した固体(1.13g)をろ過によって分離し、オーブンで乾燥させた。ろ液のpHを11.0に高めたが、実質的な沈殿は形成されなかった。15時間後、ろ液を20ミクロンのフィルターを通過させてろ過し、追加の0.17gの炭酸カルシウムを得た。
工程3:2g/LのCaSO・2HO(0.023モル、0.0115MのCa2+)を含む溶液2.0Lを、ろ液に添加した。5分間後にこの溶液が濁り始め、45分間後にろ過し、追加の1.28gのCaCOを得た。ろ液はpH10.7であった。
結論:合計で3.38gのCaCOが分離された。
石膏およびアンモニアの溶液を用いると、上記システムに導入されたCOの少なくとも69%が封鎖された。この数値は、CO供給をより早く停止することによってより高くすることができる。
最初にCaSO水溶液として添加したCa2+の90%よりも多くがCaCOとして沈殿した。
実施例31で示したように、より高いCa2+濃度は、海水に溶解させた石膏を用いて得ることができ、それによりより多くのCaCOの分離が起こり、この場合、ほぼ2倍もの量の溶解したカルシウムによって、2倍もの量のCaCOが得られる。
炭酸塩沈殿の収率の計算は、例えば、以下の工程に従って計算することができる:
最初の溶液
(2.00Lの溶液)(2.00g/L)=4.00gのCaSO・2HO(MW172g/mol)
4.00g/172g/mol=0.0233molのCaSO・2HO、すなわち、0.0233molのCa2+
工程3において、追加の0.0233molのCa2+を添加した。添加されたCa 2+ の総モル数は、0.0466である
システムに導入される二酸化炭素の量
工程1
a.平均気体流速は、58.9mL/分であった:
バルーンからの12%COは、(58.9mL/mm)(80分)=4710mL
19℃でのCOは、(4710mL)(0.12)=565mL
b.理想温度273Kへの修正(より低い体積で生じる)
(273K/292K)(565mL)=529mL
c.COのモル数
1.0モルの理想気体/22.4L=xモルのCO/0.529L
x=0.0236molのCO
d.工程1で捕捉されたCOのパーセンテージ
0.796のCaCO/100g/モル=0.00796モルのCaCO
0.0078/0.0236=33.7%
工程2
a.平均気体流速は、57.1mL/分であった:
バルーンからの12%COは、(57.1mL/分)(90分)=5140mL
19℃でのCOは、(5140mL)(0.12)=617mL
b.理想温度273Kへの修正(より低い体積で生じる)
(273K/292K)(617mL)=577mL
c.COのモル数
1.0モルの理想気体/22.4L=xモルのCO/0.577L
x=0.0257モルのCO
d.工程1で捕捉されたCOのパーセンテージ
1.130のCaCO/100g/モル=0.0113モルのCaCO
0.0113/0.0257=44.0%
全体収率:pH11で一晩で追加の0.171gを回収した。
従って、工程1および2の合計収率は以下の通り:
(0.796+1.130+0.171)=2.10gのCaCO
2.10g/100g/モル=0.0210モルのCaCO
0.0210モル/(0.0493)=42.6%
工程3において、追加の1.282gのCaCOを分離した。
CaCOの総モル数は、0.0210+0.0128=0.0338となる
石膏に基づく収率は、0.0338/0.0466=0.725=72.5%
従って、COに基づく収率は、0.0338/0.0493=0.686=68.6%。
実施例34
塩基として水酸化アンモニウムを用い、12%CO を塩基性溶液にバブリングし、および、沈殿後に追加の石膏を用いた、石膏およびレッドシーソルト水からの炭酸塩の沈殿
工程1.レッドシーソルト(30.00g/L52.0L)およびCaSO・2HO(2.00g/L)を含む溶液を濃(25%)NHOHを用いてpH10.5に調節した。この溶液から沈殿は生じなかった。この溶液を12%CO/空気のガス流で60分間パージし、その平均流速は、54.2mL/分であった。pHを濃NHOHを用いて10.2〜10.4に維持した。沈殿した固体(1.07g)をろ過によって分離し、オーブンで乾燥させた。XRDにより99%より多くがアラゴナイトであることが示された。
工程2.工程1からの透明なろ液(pH10.3)を90分間、12%CO/空気のガス流でパージし、その平均流速は63.7mL/分であった。炭酸塩の沈殿は即座には始まらず、最初の数分後に始まった。pHを濃NHOHを用いて10.2〜10.4に維持した。沈殿した固体(1.50g)をろ過によって分離し、オーブンで乾燥させた。XRDにより99%より多くがアラゴナイトであることが示された。
工程3.工程2からの透明なろ液(pH10.3)を90分間、12%CO/空気のガス流でパージし、その平均流速は65.1mL/分であった。pHを濃NHOHを用いて10.2〜10.4に維持した。合計50mLの25%NHOHを用いた。沈殿した固体(0.54g)をろ過によって分離し、オーブンで乾燥させた。XRDにより99%より多くがアラゴナイトであることが示された。
工程4.4.00gのCaSO・HOを、工程3からのろ液に添加した。これを回転式の振盪機で20時間徹底的に混合し、次にろ過し、オーブンで乾燥させた。固体(1.77g)は、XRDによりアラゴナイトおよび方解石の混合物であることが示された。
結論:3.11gの炭酸カルシウムが沈殿した。3工程で除去されたカルシウムのパーセンテージは、73%である。工程1は、用いられたCOに基づいて66%の収率でCaCOを生産した。
炭酸塩沈殿の収率の計算は、例えば、以下の工程に従って計算することができる:
溶液中のカルシウムの量
石膏由来:
(2.00Lの溶液)(2.00g/L)=4.00gのCaSO・2HO、MW172g/モル
4.00g/172g/モル=0.0233モルのCaSO・2HO、従って、0.0233モルのCa 2+
海水由来:
(2.00L)(380mgのCa2+/L)(1g/10mg)(1モルのCa2+/40g)=0.0190モルのCa 2+
この溶液中の総Ca 2+ :0.0423モルのCa 2+
用いられるCOのモル数:
工程1:
(54.2mL/分)(60分)(0.12)(273K/292K)(1モル/22.4L)(1L/1000mL)=0.0163モルのCO
工程2:
(63.7mL/分)(90mm)(0.12)(273K/292K)(STPにおける1モルの気体/22.4L)(1L/1000mL)=0.0287モルのCO
工程3:
(65.1mL/分)(90分)(0.12)(273K/292K)(STPにおける1モルの気体/22.4L)(1L/1000mL)=0.0294モルのCO
Ca 2+ に基づく収率
(1.073g+1.498g+0.535g)/100gのCaCO/モル)/0.0423モルのCO×100=73.4%
CO に基づく収率
工程1:1.073g=0.01073モルのCaCO=0.01073モルの捕捉されたCO
0.01073/0.0163×100=65.8%
工程2:1.498g=0.01498モルのCaCO=0.01498モルの捕捉されたCO
0.01498/0.0287×100=52.2%
工程3:0.535g=0.00535モルのCaCO=0.00535モルの捕捉されたCO
0.00535/0.0294×100=18.2%
CO に基づく全体の収率
(0.03106モルのCaCO)/(用いられた0.0744モルのCO)=41.7%。
実施例35
塩基として水酸化アンモニウムを用い、30分間のインターバルでの12%CO を塩基性溶液にバブリングした、石膏およびレッドシーソルト水からの炭酸塩の沈殿
工程1.レッドシーソルト(30.00g/L,2.0L)およびCaSO・2HO(2.00g/L)を含む溶液を濃(25%)NHOHを用いてpH10.3に調節した。この溶液を30分間、12%CO/空気のガス流でパージし、その平均流速は73.8mL/分であった。20分後に初めて炭酸塩の沈殿は始まった。pHを7mLの濃NHOHを用いて10.2〜10.4に維持した。ろ過で沈殿した固体(0.414g)を分離し、オーブンで乾燥させた。XRDにより53%のアラゴナイトおよび47%の方解石の混合物であることが示された。
工程2.工程1からの透明なろ液(pH10.3)を30分間、12%CO/空気のガス流でパージし、その平均流速は76.5mL/分であった。約9分後に炭酸塩の沈殿が始まった。pHを6mLの濃NHOHを用いて10.2〜10.4に維持した。沈殿した固体(0.535g)をろ過によって分離し、オーブンで乾燥させた。XRDによりほぼ純粋なアラゴナイトであることが示された。
工程3.工程2からの透明なろ液(pH10.3)を30分間、12%CO/空気のガス流でパージし、その平均流速は77.9mL/分であった。pHを7mLの濃NHOHを用いて10.2〜10.4に維持した。沈殿した固体(0.436g)をろ過によって分離し、オーブンで乾燥させた。XRDによりほぼ純粋なアラゴナイトであることが示された。
工程4.工程3からの透明なろ液(pH10.3)を30分間、12%CO/空気のガス流でパージし、その平均流速は79.5mL/分であった。pHを6mLの濃NHOHを用いて10.2〜10.4に維持した。沈殿した固体(0.313g)をろ過によって分離し、オーブンで乾燥させた。XRDにより多少の方解石を含むアラゴナイトであることが示された。
工程5.一連の反応が完了した後、追加の物質(0.409g)を反応フラスコの壁面から得た。XRDにより70%のアラゴナイト、および、30%の方解石であることが示された。
結論:
工程1は、CaCOを、37.3%の収率で生産した。用いられたNH/COのモル比は、8.4であった。
工程2は、CaCOを、46.5%の収率で生産した。用いられたNH/COのモル比は、7.0であった。
工程3は、CaCOを、37.0%の収率で生産した。用いられたNH/COのモル比は、7.9であった。
工程4は、CaCOを、26.2%の収率で生産した。用いられたNH/COのモル比は、6.7であった。
COに基づくCaCOの合計収率は、45.5%である。
NH/COの全体のモル比は、7.4である。
49.8%のCa2+が沈殿した。
気体流速が速ければ速いほどより低い収率が得られた。
実施例36
塩基として水酸化アンモニウムを用い、30分間のインターバルで12%CO を塩基性溶液にバブリングした石膏からの炭酸塩の沈殿
工程1.CaSO・2HO(2.0L,2.0g/L)の溶液を0.5mLの濃(25%)NHOHでpH10.3に調節した。この溶液を30分間、12%CO/空気のガス流でパージし、その平均流速は80.1mL/分であった。20分後に炭酸塩の沈殿が始まった。pHを8mLの濃NHOHを用いて10.2〜10.4に維持した。沈殿した固体(0.319g)をろ過によって分離し、オーブンで乾燥させた。XRDにより48%のアラゴナイト、および、52%の方解石であることが示された。
工程2.工程1からの透明なろ液(pH10.3)を30分間、12%CO/空気のガス流でパージし、その平均流速は80.4mL/分であった。pHを11mLの濃NHOHを用いて10.2〜10.4に維持した。沈殿した固体(0.502g)をろ過によって分離し、オーブンで乾燥させた。XRDにより86%のアラゴナイト、および、14%の方解石であることが示された。
工程3.工程2からの透明なろ液(pH10.3)を30分間、12%CO/空気のガス流でパージし、その平均流速は80.8mL/分であった。pHを12mLの濃NHOHを用いて10.2〜10.4に維持した。沈殿した固体(0.526g)をろ過によって分離し、オーブンで乾燥させた。XRDによりほぼ純粋なアラゴナイトであることが示された。
工程4.工程3からの透明なろ液(pH10.3)を30分間、12%CO/空気のガス流でパージし、その平均流速は81.1mL/分であった。pHを16mLの濃NHOHを用いて10.2〜10.4に維持した。沈殿した固体(0.521g)をろ過によって分離し、オーブンで乾燥させた。XRDによりほぼ純粋なアラゴナイトであることが示された。
工程5.一連の反応が完了した後、追加の物質(0.091g)を、反応フラスコの壁面から得た。これは、XRDによりアラゴナイトおよび方解石の混合物であることが示された。
結論:
工程1は、CaCOを、26.5%の収率で生産した。用いられたNH/COのモル比は、8.9であった。
工程2は、CaCOを、41.5%の収率で生産した。用いられたNH/COのモル比は、12.2であった。
工程3は、CaCOを、43.3%の収率で生産した。用いられたNH/COのモル比は、13.2であった。
工程4は、CaCOを、42.7%の収率で生産した。用いられたNH/COのモル比は、17.5であった。
用いられたCOに基づくCaCOの合計収率は、40.4%であった。
合計のNH/COのモル比は、13.1であった。
添加されたCa2+の84.1%が沈殿した。
溶解した石膏を含む淡水は、匹敵する量の溶解した石膏を含む海水ほどにはガス流からCOを除去しなかった。
溶解した石膏を含む淡水は、pH10.3を維持するのに、匹敵する量の溶解した石膏を含む海水よりも多くのNHOHを必要とする。
実施例37
塩基として水酸化アンモニウムを用い、12%CO を塩基性溶液(pH9.3)にバブリングした石膏からの炭酸塩の沈殿
工程1.CaSO・2HO(2.0L,2.0g/L)の溶液を濃(25%)NHOHを用いてpH9.3に調節した。この溶液を60分間、12%CO/空気のガス流でパージし、その平均流速は79.5mL/分であった。20分後に初めて炭酸塩の沈殿が起こった。pHを2.9mLの濃NHOHを用いて9.2〜9.4に維持した。沈殿した固体(0.864g)をろ過によって分離し、オーブンで乾燥させた。XRDによりアラゴナイト、方解石およびバテライト(vaterite)の混合物であることが示された。
結論:
この実験で回収したCaCOの量(0.864g)は、実験誤差範囲内で、実施例36の工程1および2で得られた炭酸塩(0.821g)と類似していた。
CaCOの収率は、COに基づいて36%である。(実施例36の工程1および2の平均収率は、34%であった)。
NH/COの比は2.9であった(上記の工程1および2に関する比率は、10.6である)。
COは、pH9.3でうまく捕捉することができる。
実施例38
塩基として水酸化アンモニウムを用い、12%CO を塩基性溶液にバブリングしたレッドシーソルトの溶液からの炭酸塩の沈殿
レッドシーソルト溶液(4.5L,135.0gのRSS,30.0g/L,380ppmのCa2+,pH8.8)を濃(25%,d=0.91)NHOHを用いてpH9.6にした。COをこの溶液に通して、85.3mL/分の平均速度で120分間バブリングした。50分にわたりpHを9.3に維持したが、この間、CaCOの沈殿は生じなかった。この段階で、追加の135.0gの固体のレッドシーソルトを添加した。全ての塩が溶解した後、110分後に初めて沈殿が最小になった。pHをNHOHを用いて10.3に高めたところ、この反応混合物が曇った。これを、COで合計120分間バブリングした後に、0.2ミクロンのフィルターに通過させてろ過した。分離された固体をオーブンで乾燥させ(0.739g)た。XRDによりアラゴナイトであることが示された。
結論:
CaCOの収率は、COに基づいて14%である。これは先の実験の約3分の1であり、実験条件の新しさの結果によるのかもしれない。
CaCOの収率は、この溶液中に存在する総Ca2+に基づいて8.6%である。
NH/CO比は、5.5である。
実施例37において石膏とともに成功裡に用いられる条件下において、海水中のCa2+の濃度は、CaCOの沈殿を引き起こすほど十分に高くはない。なぜなら、その用いられた条件下では、炭酸カルシウムの溶解生成物は多くないためであり、すなわち、海水中のカルシウム濃度は、カルシウム補給がないために低く、従って、炭酸塩濃度も低いからである。
海水中の全ての塩(例えばCa2+)の濃度を、固体のレッドシーソルトを添加すること(例えば本ケース)によって、あるいは、水を除去すること(例えば逆浸透脱塩)によって増加させることにより、COの捕獲を伴うCaCOの沈殿を引き起こすことができる。
実施例39
塩基として水酸化アンモニウムを用い、12%CO を塩基性溶液にバブリングしたレッドシーソルト水からの炭酸塩の沈殿
レッドシーソルト溶液(4.50L,135.0g530.0g/L5380ppmのCa2+,pH8.8)を濃(25%,d=0.91)NHOHを用いてpH10.0にした。COをこの溶液に通して、83.6mL/分の平均速度で180分間バブリングした。180分にわたり、濃水酸化アンモニウムを用いてpHを10.0に維持した。約60分後にCaCOの沈殿が始まり、実験期間中続いた。固体をワットマン1ろ紙でのろ過によって分離し、これをオーブンで乾燥させた(2.236g)。XRDによりアラゴナイトであることが示された。
結論:
用いられたCOの量に基づくCaCOの収率は、30%である。
利用可能なCa2+に基づくCaCOの収率は、52%である。
NH/CO比は、3.2である。
海水中のCa2+の濃度は、CO 2+濃度が高められる可能性がある場合、CaCO沈殿させるのに十分な濃度である。
NH(水溶液)の存在下でのCOでのバブリング時間を延長すると、CaCOの形成に利用可能なCO 2+のレベルが増加すると予想される。

Claims (117)

  1. 流体のCO濃度を減少させる方法であって、該方法は、
    微量のCOを含む、または、COを含まない第一の気体のフローを適用すること;ならびに、
    塩;および、
    液体;
    を含む流体に、少なくとも空気と水との平衡状態で見出される濃度よりも高い濃度でCOを含む第二の気体を適用すること、
    を含み、それによって、前記流体中で固体炭酸塩が形成され、前記流体中のCO濃度が減少する、上記方法。
  2. 前記液体が、水溶液である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記液体が、地下水貯水場である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記液体が、天然体の水である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記天然体の水が、海、汽水、または、海洋である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記液体が、脱塩プラントからの排水を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記第二の気体が、大気中の空気である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記大気中の空気が、人為的なプロセスの結果として汚染されている、請求項7に記載の方法。
  9. 前記人為的なプロセスが、廃棄物、プラスチック、ポリマー、炭化水素、炭質材料、木材、化石燃料、石炭、褐炭、ナフサ、油、ガソリン、ディーゼル燃料、ケロシン、石油、液化石油ガス(LPG)、天然ガス、ボトルドガス、メタン、ブタン、プロパン、ガソリン添加剤、エタノール、メタノール、バイオディーゼル、モノアルキルエステル、または、それらの組み合わせを燃焼させることを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記大気中の空気が、天然のプロセスの結果として汚染されている、請求項7に記載の方法。
  11. 前記第二の気体が、人為的なプロセスの副産物である、請求項1に記載の方法。
  12. 前記人為的なプロセスが、廃棄物、プラスチック、ポリマー、炭化水素、炭質材料、木材、化石燃料、石炭、褐炭、ナフサ、油、ガソリン、ディーゼル燃料、ケロシン、石油、液化石油ガス(LPG)、天然ガス、ボトルドガス、メタン、ブタン、プロパン、ガソリン添加剤、エタノール、メタノール、バイオディーゼル、モノアルキルエステル、または、それらの組み合わせを燃焼させることを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記塩が、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、バリウムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、ストロンチウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、または、それらのあらゆる組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
  14. 前記塩が、カルシウムイオンを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記塩が、無機物質である、請求項1に記載の方法。
  16. 前記無機物質が、方解石、アラゴナイト、バテライト、マグネサイト、石膏、カンラン石、蛇紋石、または、それらのあらゆる組み合わせである、請求項15に記載の方法。
  17. 前記第二の気体が、純粋なCOからなる、請求項1に記載の方法。
  18. 前記流体が、前記COが過飽和した水溶液である、請求項1に記載の方法。
  19. 前記第二の気体のフローが、前記流体中のCO濃度を高めるのに有効な体積流量にある、請求項1に記載の方法。
  20. 前記第一の気体が、前記第二の気体の可溶化の前に適用される、請求項1に記載の方法
  21. 前記第一の気体が、前記第二の気体の可溶化に続いて適用される、請求項1に記載の方法。
  22. 前記第一の気体のフローが、COのストリッピングを引き起こすのに有効な体積流量にある、請求項1に記載の方法。
  23. 前記流体が、塩基性pHを有する、請求項1に記載の方法。
  24. 前記第一の気体の導入の0.1〜100mの領域におけるpHが、9〜12である、請求項23に記載の方法。
  25. 前記第一の気体が、空気である、請求項1に記載の方法。
  26. 前記方法が、周囲温度の条件下で行われる、請求項1に記載の方法。
  27. 前記流体に、前記固体炭酸塩のための核形成部位として機能する材料をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  28. 前記材料が、無機性の、または、コロイド状の粒子である、請求項27に記載の方法。
  29. 流体のCO濃度を減少させる装置であって、該装置は:
    微量のCOを含む、または、COを含まない第一の気体を導入するための第一のコンベヤー;
    少なくとも空気と水との平衡状態で見出される濃度よりも高い濃度でCOを含む第二の気体を導入するための第二のコンベヤー;および、
    反応チャンバー;
    を含み、これらによって、前記反応チャンバーに塩を含む溶液を添加する際に、前記第一の気体を前記第一のコンベヤーを介して前記反応チャンバーに導入し、および、前記第二の気体を前記第二のコンベヤーを介して前記反応チャンバーに導入し、前記反応チャンバー中で固体炭酸塩を形成させ、かつ、減少したCO濃度を含む未反応の気体を放出させる、上記装置。
  30. 水源をさらに含む、請求項29に記載の装置。
  31. 前記水源から前記反応チャンバーへのコンベヤーをさらに含む、請求項30に記載の装置。
  32. 前記装置中で水源を循環させるためのポンプをさらに含む、請求項30に記載の装置。
  33. 前記反応チャンバーから気体を放出させるためのコンベヤーをさらに含む、請求項29に記載の装置。
  34. 塩の源をさらに含む、請求項30に記載の装置。
  35. 前記塩の源から前記水源へのコンベヤーをさらに含む、請求項34に記載の装置。
  36. 前記反応チャンバーが、人工の材料を含む、請求項29に記載の装置。
  37. 前記反応チャンバーが、自然の構成要素で形成され、該自然の構成要素によって、反応チャンバーとみなされる境界または区画が形成される、請求項29に記載の装置。
  38. 前記第二のコンベヤーが、大気の空気を運搬する、請求項29に記載の装置。
  39. 前記第二のコンベヤーが、前記第二の気体の源と前記反応チャンバーとの間に設置されたフィルターをさらに含む、請求項29に記載の装置。
  40. 少なくとも1つの周囲環境の制御装置をさらに含む、請求項29に記載の装置。
  41. 前記周囲環境の制御装置が、温度、圧力、pH、または、それらの組み合わせを制御する、請求項40に記載の装置。
  42. 前記反応チャンバー中に撹拌器をさらに含む、請求項29に記載の装置。
  43. 流体を制御された圧力下で前記反応チャンバーに導入するためのポンプをさらに含む、請求項29に記載の装置。
  44. 前記塩を含む溶液が、水溶液である、請求項29に記載の装置。
  45. 前記第一のコンベヤー、第二のコンベヤーまたはそれらの組み合わせが、地下水の供給源に、前記第一の気体または第二の気体、または、それらの組み合わせを運搬する、請求項29に記載の装置。
  46. 前記流体が、天然体の水である、請求項29に記載の装置。
  47. 前記天然体の水が、海、汽水、または、海洋である、請求項46に記載の装置。
  48. 前記液体が、脱塩プラントからの排水を含む、請求項29に記載の方法。
  49. 前記第一の気体が、空気である、請求項29に記載の装置。
  50. 前記反応チャンバーが、前記固体炭酸塩のための核形成部位として機能する材料をさらに含む、請求項29に記載の装置。
  51. 前記材料が、無機性の、または、コロイド状の粒子である、請求項50に記載の装置。
  52. 流体中のCO濃度を減少させる方法であって、前記方法は、請求項29に記載の装置に前記流体を適用することを含む、上記方法。
  53. 前記固体炭酸塩が、分離が可能な沈殿である、請求項52に記載の方法。
  54. 微量のCOを含む、または、COを含まない加圧された第一の気体、空気と水との平衡状態で見出される濃度よりも高い濃度でCOを含む第二の気体、および、塩を含む流体。
  55. 前記流体が、水溶液である、請求項54に記載の流体。
  56. 前記第二の気体が、大気中の空気である、請求項54に記載の流体。
  57. 前記大気中の空気が、人為的なプロセスの結果として汚染されている、請求項56に記載の流体。
  58. 前記プロセスが、廃棄物、プラスチック、ポリマー、炭化水素、炭質材料、木材、化石燃料、石炭、褐炭、ナフサ、油、ガソリン、ディーゼル燃料、ケロシン、石油、液化石油ガス(LPG)、天然ガス、ボトルドガス、メタン、ブタン、プロパン、ガソリン添加剤、エタノール、メタノール、バイオディーゼル、モノアルキルエステル、または、それらの組み合わせを燃焼させることを含む、請求項57に記載の流体。
  59. 前記大気中の空気が、天然のプロセスの結果として汚染されている、請求項56に記載の流体。
  60. 前記第二の気体が、人為的なプロセスの副産物である、請求項54に記載の流体。
  61. 前記プロセスが、廃棄物、プラスチック、ポリマー、炭化水素、炭質材料、木材、化石燃料、石炭、褐炭、ナフサ、油、ガソリン、ディーゼル燃料、ケロシン、石油、液化石油ガス(LPG)、天然ガス、ボトルドガス、メタン、ブタン、プロパン、ガソリン添加剤、エタノール、メタノール、バイオディーゼル、モノアルキルエステル、または、それらの組み合わせを燃焼させることを含む、請求項60に記載の流体。
  62. 前記塩が、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、バリウムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、ストロンチウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、または、それらのあらゆる組み合わせを含む、請求項54に記載の流体。
  63. 前記塩が、カルシウムイオンを含む、請求項62に記載の流体。
  64. 前記塩が、無機物質である、請求項54に記載の流体。
  65. 前記無機物質が、方解石、アラゴナイト、バテライト、石膏、マグネサイト、カンラン石、蛇紋石、または、それらのあらゆる組み合わせである、請求項64に記載の流体。
  66. 前記第二の気体が、純粋なCOからなる、請求項54に記載の流体。
  67. 前記流体が、前記COが過飽和した水溶液である、請求項54に記載の流体。
  68. 前記第一の気体が、空気である、請求項54に記載の流体。
  69. 前記固体炭酸塩のための核形成部位として機能する材料をさらに含む、請求項54に記載の流体。
  70. 前記材料が、無機性の、または、コロイド状の粒子である、請求項69に記載の流体。
  71. 流体サンプルのCO濃度を減少させる方法であって、該方法は:
    (i)塩を含む液体にCOのフローを適用して、溶解させた炭酸を形成する工程;および、
    (ii)前記(i)の炭酸溶液を塩基と混合する工程、
    を含み、それによって、
    前記(ii)における混合物のpHが9〜12になり;および、
    固体炭酸塩が形成され、前記流体サンプル中のCO濃度が減少する、上記方法。
  72. 前記液体が、水溶液である、請求項71に記載の方法。
  73. 前記液体が、地下水貯水場である、請求項71に記載の方法。
  74. 前記液体が、天然体の水である、請求項71に記載の方法。
  75. 前記天然体の水が、海、汽水、または、海洋である、請求項74に記載の方法。
  76. 前記液体が、脱塩プラントからの排水を含む、請求項71に記載の方法。
  77. 前記流体サンプルが、人為的なプロセスの結果として汚染された空気を含む、請求項71に記載の方法。
  78. 前記人為的なプロセスが、廃棄物、プラスチック、ポリマー、炭化水素、炭質材料、木材、化石燃料、石炭、褐炭、ナフサ、油、ガソリン、ディーゼル燃料、ケロシン、石油、液化石油ガス(LPG)、天然ガス、ボトルドガス、メタン、ブタン、プロパン、ガソリン添加剤、エタノール、メタノール、バイオディーゼル、モノアルキルエステル、または、それらの組み合わせを燃焼させることを含む、請求項77に記載の方法。
  79. 前記流体サンプルが、天然のプロセスの結果として汚染された空気を含む、請求項71に記載の方法。
  80. 前記流体サンプルが、人為的なプロセスの副産物としてCOを含む、請求項71に記載の方法。
  81. 前記人為的なプロセスが、廃棄物、プラスチック、ポリマー、炭化水素、炭質材料、木材、化石燃料、石炭、褐炭、ナフサ、油、ガソリン、ディーゼル燃料、ケロシン、石油、液化石油ガス(LPG)、天然ガス、ボトルドガス、メタン、ブタン、プロパン、ガソリン添加剤、エタノール、メタノール、バイオディーゼル、モノアルキルエステル、または、それらの組み合わせを燃焼させることを含む、請求項80に記載の方法。
  82. 前記塩が、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、バリウムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、ストロンチウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、または、それらのあらゆる組み合わせを含む、請求項71に記載の方法。
  83. 前記塩が、カルシウムイオンを含む、請求項82に記載の方法。
  84. 前記カルシウムイオンが、CaCl、Ca(OH)またはCaSO由来のイオンである、請求項83に記載の方法。
  85. 前記塩が、無機物質である、請求項71に記載の方法。
  86. 前記無機物質が、方解石、アラゴナイト、バテライト、石膏、マグネサイト、カンラン石、蛇紋石、または、それらのあらゆる組み合わせである、請求項85に記載の方法。
  87. 前記炭酸溶液が、前記COが過飽和した水溶液である、請求項71に記載の方法。
  88. 前記COのフローが、周囲圧力下にある、請求項71に記載の方法。
  89. 前記塩基が、NH、NHOH、NaOH、または、石灰水、または、それらのあらゆる組み合わせを含む、請求項71に記載の方法。
  90. 前記NHまたはNHOHが、人工の合成アンモニア源、家禽もしくは野生の鳥糞石源、家禽場、鉱床、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマの尿もしくは便、養魚場、海洋哺乳動物、動物の尿、または、動物性肥料、あるいは、それらのあらゆる組み合わせに由来するものである、請求項89に記載の方法。
  91. 前記工程(ii)の混合物に、追加の塩が添加される、請求項71に記載の方法。
  92. 前記塩が、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、バリウムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、ストロンチウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、または、それらのあらゆる組み合わせを含む、請求項91に記載の方法。
  93. 前記塩が、カルシウムイオンを含む、請求項92に記載の方法。
  94. 前記方法が、周囲温度の条件下で行われる、請求項71に記載の方法。
  95. 流体サンプル中のCO濃度を減少させる装置であって、該装置は:
    塩基を導入するための第一のコンベヤー;
    COを含む流体サンプルを導入するための第二のコンベヤー;
    反応チャンバー;
    を含み、これらによって、前記反応チャンバーに塩を含む溶液を添加する際に、前記塩基を前記第一のコンベヤーを介して前記反応チャンバーに導入し、および、前記流体サンプルを前記第二のコンベヤーを介して前記反応チャンバーに導入し、それによって前記反応チャンバー中で固体炭酸塩が形成され、未反応の気体の放出が起こる、上記装置。
  96. 塩を含む水源をさらに含む、請求項95に記載の装置。
  97. 前記水源から前記反応チャンバーへのコンベヤーをさらに含む、請求項96に記載の装置。
  98. 前記装置中で水源を循環させるためのポンプをさらに含む、請求項96に記載の装置。
  99. 前記塩を含む溶液を前記反応チャンバー中で再循環させるポンプをさらに含む、請求項98に記載の装置。
  100. 前記反応チャンバーから未反応の気体を放出させるためのコンベヤーをさらに含む、請求項95に記載の装置。
  101. 塩の源をさらに含む、請求項96に記載の装置。
  102. 前記塩の源から前記水源へのコンベヤーをさらに含む、請求項101に記載の装置。
  103. 前記塩の源から前記反応チャンバーへのコンベヤーをさらに含む、請求項101に記載の装置。
  104. 前記第二のコンベヤーが、大気の空気を運搬する、請求項95に記載の装置。
  105. 前記第二のコンベヤーが、前記第二の気体の源と前記反応チャンバーとの間に設置されたフィルターをさらに含む、請求項95に記載の装置。
  106. 少なくとも1つの周囲環境の制御装置をさらに含む、請求項95に記載の装置。
  107. 前記周囲環境の制御装置が、温度、圧力、pH、または、それらの組み合わせを制御する、請求項106に記載の装置。
  108. 前記周囲環境の制御装置が、前記反応チャンバー中において前記流体サンプルのpHを制御する、請求項107に記載の装置。
  109. 前記反応チャンバー中に撹拌器をさらに含む、請求項95に記載の装置。
  110. 前記塩基、流体サンプル、または、それらの組み合わせを前記反応チャンバーに制御された圧力下で導入するためのポンプをさらに含む、請求項95に記載の装置。
  111. 前記塩を含む溶液が、水溶液である、請求項95に記載の装置。
  112. 前記第一のコンベヤー、第二のコンベヤーまたはそれらの組み合わせが、前記塩基、または、流体サンプル、または、それらの組み合わせを地下水の供給源に運搬する、請求項95に記載の装置。
  113. 前記塩を含む溶液が、天然体の水の一部で形成される、請求項95に記載の装置。
  114. 前記天然体の水が、海、汽水、または、海洋である、請求項113に記載の装置。
  115. 流体サンプルのCO濃度を減少させる方法であって、該方法は、請求項95に記載の装置に、前記流体サンプルを適用することを含む、上記方法。
  116. 前記固体炭酸塩が、分離が可能な沈殿である、請求項115に記載の方法。
  117. 前記固体炭酸塩はろ過され、そのろ液が前記装置で再利用される、請求項115に記載の方法。
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