JP2010287549A - 双極型二次電池用の集電体、双極型二次電池、組電池、車両、双極型二次電池の制御装置、および双極型二次電池の制御方法 - Google Patents

双極型二次電池用の集電体、双極型二次電池、組電池、車両、双極型二次電池の制御装置、および双極型二次電池の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】双極型二次電池から取り出す電流を抑制し、電池の発熱を抑制することが双極型二次電池用の集電体を提供する。
【解決手段】第1面に第1電極13、第1面に対向する第2面に第1電極13と極性の異なる第2電極15が設けられた双極型二次電池10用の集電体11であって、集電体11は、温度が上昇して所定温度に達した時に電気抵抗が増加する第1導電樹脂部71と、所定温度まで温度が上昇しても電気抵抗の増加量が第1導電樹脂部71と比べて少ない第2導電樹脂部72と、を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、双極型二次電池用の集電体に関する。
電池の高出力密度、高容量密度化が要求されており、電池の軽量化が必要である。例えば、双極型二次電池においても、軽量化の為に導電性を有する樹脂層を含む集電体を備える技術がある(特許文献1)。
特開2006−190649号公報
しかしながら、集電体として導電性樹脂を用いると抵抗値が金属より高いため発熱しやすい。
そこで本発明の目的は、温度上昇を抑制することのできる双極型二次電池用の集電体を提供することである。
また、本発明の他の目的は、電池の温度上昇を抑制することのできる双極型二次電池を提供することである。また、そのような双極型二次電池を用いた組電池、それらを用いた車両、それらの制御装置および制御方法を提供することである。
上記目的を達成するための本発明は、第1面に第1電極、第1面に対向する第2面に第1電極と極性の異なる第2電極が設けられた双極型二次電池用の集電体である。この集電体は、温度が上昇して所定温度に達した時に電気抵抗が増加する第1導電樹脂部と、前記所定温度まで温度が上昇しても電気抵抗の増加量が前記第1導電樹脂部と比べて少ない第2導電樹脂部と、を含む。
本発明の双極型二次電池の集電体は、所定温度で抵抗値が急増する第1導電樹脂部と、当該所定温度では抵抗値が急増しない第2導電樹脂部を有しており、所定温度まで電池内の温度が上昇しても電流を第2導電樹脂部に流すことができる。よって、抵抗が高い第1導電樹脂部に電流を流さないようにできるので、集電体での発熱を抑えることができる。
双極型二次電池の構造を示す断面概略図である。 第1実施形態の集電体を模式的に表した概略図である。 第1実施形態の集電体の変形例を模式的に表した概略図である。 双極型二次電池に流れる電流の様子を示した模式図である。 第1実施形態の集電体の温度と抵抗の関係を表す図である。 第1実施形態の集電体の温度変化による樹脂と導電材と関係を表す図である。 双極型二次電池の外観を表した斜視図である。 組電池の外観図である。 組電池を搭載した車両の概念図である。 双極型二次電池の温度を検出して電流制限を実施するシステムの構成図である。 双極型二次電池の温度を検出して電流制限を実施する方法のフローチャート図である。 双極型二次電池の温度を検出して電流制限を実施した電流と電池内温度の関係図である。 双極型二次電池からの電流を検出して電流制限を実施するシステムの構成図である。 双極型二次電池からの電流を検出して電流制限を実施する方法のフローチャート図である。 双極型二次電池からの電流を検出して電流制限を実施した電流と電池内温度の関係図である。 第2実施形態の集電体を模式的に表した概略図である。 第2実施形態における電流の流れ方を模式的に表した概略図である。 第7実施形態の集電体を模式的に表した概略図である。 第8実施形態の集電体を模式的に表した概略図である。
まず、好ましい実施形態である双極型二次電池(双極型リチウムイオン二次電池)について説明するが、以下の実施形態のみには制限されない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
双極型二次電池の構造・形態で区別した場合には、積層型(扁平型)電池、巻回型(円筒型)電池など特に制限されず、従来公知のいずれの構造にも適用されうる。
同様に双極型二次電池の電解質の形態で区別した場合にも、特に制限はない。例えば、非水電解液をセパレータに含浸させた液体電解質型電池、ポリマー電池とも称される高分子ゲル電解質型電池および固体高分子電解質(全固体電解質)型電池のいずれにも適用されうる。高分子ゲル電解質および固体高分子電解質に関しては、これらを単独で使用することもできるし、これら高分子ゲル電解質や固体高分子電解質をセパレータに含浸させて使用することもできる。
また、電池の電極材料または電極間を移動する金属イオンで見た場合にも、特に制限されず、公知のいずれの電極材料等にも適用されうる。例えば、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、カリウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池、ニッケルカドミウム二次電池、ニッケル水素電池などが挙げられ、好ましくは、リチウムイオン二次電池である。これは、リチウムイオン二次電池では、セル(単電池層)の電圧が大きく、高エネルギー密度、高出力密度が達成でき、車両の駆動電源用や補助電源用として優れているためである。
(第1実施形態)
図1は、双極型二次電池10の全体構造を模式的に表した断面概略図である。図1に示すように、双極型二次電池10は実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素21が、電池外装材であるラミネートフィルム29の内部に封止された構造を有する。双極型二次電池10の発電要素21は、集電体11の一方の面(第1面)に電気的に結合した第1電極が形成され、集電体11の反対側の面(第2面)に電気的に結合した第2電極が形成された複数の双極型電極23を有する。第1電極は、たとえば正極であり正極活物質層13を含み、第2電極は、たとえば負極であり負極活物質層15を含む。
各双極型電極23は、電解質層17を介して積層されて発電要素21を形成する。なお、電解質層17は、基材としてのセパレータの面方向中央部に電解質が保持されてなる構成を有する。この際、一の双極型電極23の正極活物質層13と前記一の双極型電極23に隣接する他の双極型電極23の負極活物質層15とが電解質層17を介して向き合うように、各双極型電極23および電解質層17が交互に積層されている。すなわち、一の双極型電極23の正極活物質層13と前記一の双極型電極23に隣接する他の双極型電極23の負極活物質層15との間に電解質層17が挟まれて配置されている。
隣接する正極活物質層13、電解質層17、および負極活物質層15は、一つの単電池層19を構成する。したがって、双極型二次電池10は、単電池層19が積層されてなる構成を有するともいえる。また、電解質層17からの電解液の漏れによる液絡を防止する目的で、単電池層19の外周部にはシール部(絶縁層)31が配置されている。なお、発電要素21の最外層に位置する正極側の最外層集電体11aには、片面のみに正極活物質層13が形成されている。また、発電要素21の最外層に位置する負極側の最外層集電体11bには、片面のみに負極活物質層15が形成されている。ただし、正極側の最外層集電体11aの両面に正極活物質層13が形成されてもよい。同様に、負極側の最外層集電体11bの両面に負極活物質層15が形成されてもよい。
さらに、図1に示す双極型二次電池10では、正極側の最外層集電体11aに隣接するように正極集電板25が配置され、これが延長されて電池外装材であるラミネートフィルム29から導出している。一方、負極側の最外層集電体11bに隣接するように負極集電板27が配置され、同様にこれが延長されて電池の外装であるラミネートフィルム29から導出している。
図1に示す双極型二次電池10においては、通常、各単電池層19の周囲に絶縁部31が設けられる。この絶縁部31は、電池内で隣り合う集電体11どうしが接触したり、発電要素21における単電池層19の端部の僅かな不揃いなどに起因する短絡が起こったりするのを防止する目的で設けられる。かような絶縁部31の設置により、長期間の信頼性および安全性が確保され、高品質の双極型二次電池10が提供されうる。
なお、単電池層19の積層回数は、所望する電圧に応じて調節する。また、双極型二次電池10では、電池の厚みを極力薄くしても十分な出力が確保できれば、単電池層19の積層回数を少なくしてもよい。双極型二次電池10でも、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、発電要素21を電池外装材であるラミネートフィルム29に減圧封入し、正極集電板25および負極集電板27をラミネートフィルム29の外部に取り出した構造とするのがよい。
以下、本形態の双極型二次電池の主な構成要素について説明する。
図2は、第1実施形態における双極型二次電池10の集電体11を模式的に表した概略図である。図3は、第1実施形態における双極型二次電池10の集電体11の変形例を模式的に表した概略図である。
集電体は導電性を有する樹脂層を含む。図2に示すように、集電体11は、第1導電樹脂部71と第2導電樹脂部72を有する。図2において、第1導電樹脂部71と第2導電樹脂部72とが電極間に並べられて配置されているが、図3A、図3Bに示すように、第1導電樹脂部71と第2導電樹脂部72を満遍なく配置してもよい。第1導電樹脂部71は第1樹脂71aに第1導電材71bを混合して構成される。同様に、第2導電樹脂部72は第2樹脂72aに第2導電材72bを混合して構成される。
図4は、双極型二次電池に流れる電流の様子を示した模式図である。図4に示すように、電流は、負極型活物質層15から電解質層17、正極型活物質層13、集電体11、負極型活物質層15と繰り返し順次流れる。そして、正極集電板25から電流が取り出される。集電体11は相異なる電極に介在するように配置されているため、電流は電極が積層される方向(電極面の鉛直方向)に流れやすい。ここで、主に金属から構成される金属集電体を使用した双極型二次電池では、電池構成要素(例えばセパレータ)の面内において電気抵抗にばらつきがあっても、金属集電体の面方向に電流が流れることによって、抵抗が高い部位を回避するように電流が流れ、局部的な発熱は生じない。しかしながら、樹脂と導電材を混合して構成された第1導電樹脂部71と第2導電樹脂部72からなる集電体11を使用した双極型二次電池10は、金属集電体に比べ面内方向の電気抵抗が高い。したがって、第1、2導電樹脂部71、72を双極型二次電池の集電体に使用した場合、電池構成要素の抵抗が高い部位に電流が流れ続け、局部的な発熱が生じうる。しかし、電流が流れる樹脂集電体中に抵抗の高い部位と低い部位があれば、電流は低い部位に流れ続け、低い部位が局部的に集合していたり、低い部位が多く備えられていたりすれば局部的な発熱は避けられる。
図5は、第1実施形態における双極型二次電池10の集電体11が有する第1導電樹脂部71と第2導電樹脂部72の温度と抵抗の関係を表す図である。図5に示すように、それぞれの樹脂部の温度が上昇すると抵抗も徐々にではあるが上昇する。そして、ある所定温度まで樹脂部の温度が上昇すると第1導電樹脂部71の抵抗は急激に増加する。しかし、第1導電樹脂部71の抵抗が急激に上昇した所定温度では第2導電樹脂部72の抵抗は急激に増加しない。第2導電樹脂部72は、さらに温度が上昇した第2の所定温度において急激に抵抗が増加する。
図6は、樹脂部の温度上昇した場合の樹脂と導電材の変化を模式的に示した図である。図6に示すように、温度が上昇する前は導電材が接触するなどしていたためパーコレーションパス通じており電流を流すことができていた。しかし、温度が上昇しある所定温度になると樹脂が膨張して、導電材と導電材の間の距離が離れることによって、パーコレーションパスdが切れてしまう(分離してしまう)。その結果、いままで電流が流れていたパーコレーションパスにおいては、そのパーコレーションパスdが切れてしまったことで電流は流れなくなってしまう。
よって、樹脂部の温度が上昇し所定温度に達すると、多くのパーコレーションパスが切れてしまうことによって、電流が流れにくくなり抵抗が急増することになる。つまり、所定温度を超えると抵抗値が急激に増大する樹脂と導電材を混合した樹脂部を1つしか有していない集電体を含む双極型二次電池では、所定温度を越えると電池から電流を取り出せなくなる。しかしながら、図5に示すような抵抗値が急増するときの温度がそれぞれ異なる第1導電樹脂部71と第2導電樹脂部72を有する集電体11を備える双極型二次電池10では、第2導電樹脂部72から電流を取り出せ電池機能を保持することができる。これは、所定温度まで上昇した際に、第1導電樹脂部71の抵抗値が急増しパーコレーションパスが切れても、第2導電樹脂部72の抵抗値はそのままでパーコレーションパスも切れないため、第1導電樹脂部71では電流は流れないが、第2導電樹脂部72には電流が流れるからである。よって、抵抗値が急増するときの温度がそれぞれ異なる第1導電樹脂部71と第2導電樹脂部72を有する集電体11によって流す電流を抑制することができる。そして、電流の流れを抑制することができるので、電池の発熱が抑制される。
さらに、この集電体を構成する材料について、詳細に説明する。
(集電体)
集電体は導電性を有する樹脂層を含む。樹脂層が導電性を有するには、具体的な形態として、樹脂層が樹脂および導電材(導電性フィラー)を含む形態と、樹脂を構成する高分子材料が導電性高分子である形態が挙げられる。樹脂と導電材を選択できるという観点から樹脂層が樹脂および導電材を含む形態がより好ましい。
まず、簡単に樹脂を構成する高分子材料が導電性高分子である形態を説明する。導電性高分子は、導電性を有し、電荷移動媒体として用いられるイオンに関して伝導性を有さない材料から選択される。これらの導電性高分子は、共役したポリエン系がエネルギー帯を形成し伝導性を示すと考えられている。代表的な例としては電解コンデンサなどで実用化が進んでいるポリエン系導電性高分子を用いることができる。具体的には、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアクリロニトリル、ポリオキサジアゾール、またはこれらの混合物などが好ましい。電子伝導性および電池内で安定に使用できるという観点から、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、がより好ましい。
つぎに、好適な形態である樹脂層が樹脂および導電材を含む形態について詳細に説明する。導電材(導電性フィラー)は、導電性を有する材料から選択される。好ましくは、導電性を有する樹脂層内のイオン透過を抑制する観点から、電荷移動媒体として用いられるイオンに関して伝導性を有さない材料を用いるのが望ましい。
導電材の具体例としては、アルミニウム材、ステンレス(SUS)材、グラファイトやカーボンブラックなどのカーボン材、銀材、金材、銅材、チタン材などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。これらの導電材は1種単独で用いられてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金材が用いられてもよい。好ましくは銀材、金材、アルミニウム材、ステンレス材、カーボン材、さらに好ましくはカーボン材である。またこれらの導電材は、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料(上記導電材)をめっき等でコーティングしたものでもよい。
また、導電材の形状(形態)は、粒子形態で用いればよいが、粒子形態に限られず、カーボンナノチューブなど、いわゆるフィラー系導電性樹脂組成物として実用化されている粒子形態以外の形態であってもよい。
カーボン材としては、カーボンブラックやグラファイトの他にも、炭素繊維やc/cコンポジット(グラファイトと炭素繊維の混合物)などが挙げられる。カーボンブラックやグラファイトなどのカーボン粒子は電位窓が非常に広く、正極電位および負極電位の双方に対して幅広い範囲で安定であり、さらに導電性に優れている。また、カーボン粒子は非常に軽量なため、質量の増加が最小限になる。さらに、カーボン粒子は、電極の導電助剤として用いられることが多いため、これらの導電助剤と接触しても、同材料であるがゆえに接触抵抗が非常に低くなる。なお、カーボン粒子を導電性粒子として用いる場合には、カーボンの表面に疎水性処理を施すことにより電解質のなじみ性を下げ、集電体の空孔に電解質が染み込みにくい状況を作ることも可能である。
導電材の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、0.01〜10μm程度であることが望ましい。なお、本明細書中において、「粒子径」とは、導電材の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などの観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。後述する活物質粒子などの粒子径や平均粒子径も同様に定義することができる。
また、樹脂層が導電材を含む形態の場合、樹脂層を形成する樹脂は、上導電材に加えて、当該導電材を結着させる導電性のない高分子材料を含んでいてもよい。樹脂層の構成材料として高分子材料を用いることで、導電材の結着性を高め、電池の信頼性を高めることができる。高分子材料は、印加される正極電位および負極電位に耐えうる材料から選択される。
樹脂である高分子材料の例としては、好ましくは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エポキシ樹脂、またはこれらの混合物が挙げられる。これらの材料は電位窓が非常に広く正極電位、負極電位のいずれに対しても安定である。また軽量であるため、電池の高出力密度化が可能となる。
樹脂層における、導電材の比率は、特に限定されないが、好ましくは、高分子材料および導電材の合計に対して、1〜30質量%の導電材が存在する。十分な量の導電材を存在させることにより、樹脂層における導電性を十分に確保できる。
集電体の導電樹脂部における抵抗値は、樹脂に対する導電材の割合に依存するが、体積抵抗率が1〜10Ωcmである。
上記樹脂層には、導電材および樹脂の他、他の添加剤を含んでいてもよいが、好ましくは、導電材および樹脂からなる。
樹脂層は、従来公知の手法により製造できる。例えば、スプレー法またはコーティング法を用いることにより製造可能である。具体的には、高分子材料を含むスラリーを調製し、これを塗布し硬化させる手法が挙げられる。スラリーの調製に用いられる高分子材料の具体的な形態については上述した通りであるため、ここでは説明を省略する。前記スラリーに含まれる他の成分としては、導電材が挙げられる。導電性粒子の具体例については上述の通りであるために、ここでは説明を省略する。あるいは、高分子材料および導電性粒子、その他の添加剤を従来公知の混合方法にて混合し、得られた混合物をフィルム状に成形することで得られる。また、例えば、特開2006−190649号に記載の方法のように、インクジェット方式により樹脂層を作製してもよい。
集電体の厚さは、特に限定されるものではないが、電池の出力密度を高める上では、薄いほど好ましい。双極型二次電池においては、正極および負極の間に存在する樹脂集電体は、積層方向に水平な方向の電気抵抗が高くてもよいため、集電体の厚さを薄くすることが可能である。具体的には、集電体の厚さは、0.1〜150μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましい。
表1と表2に代表的な樹脂と導電材の線膨張係数を例示する。表1,2に示すように、上記で説明した樹脂の高分子材料と導電材の線膨張係数はそれぞれ異なった数値を有する。たとえば、表1に示すように、樹脂のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)は線膨張係数が11〜13×10−5/Kと大きいのに対して、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリ塩化ビニル(PVC)は線膨張係数が小さいことがわかる。つまり、温度が上昇すると線膨張係数の大きな樹脂を含む樹脂部ではパーコレーションパスが切れ、抵抗が急増する割合が多い。同様に、表2に示すように、ステンレスやアルミは非常に線膨張係数が大きく、チタンやグラファイトも同様に大きいのに対し、炭素繊維やc/cコンポジットは非常に線膨張係数が小さい。
よって、これらの樹脂と導電材を適宜組み合わせて抵抗値が急増するときの温度がそれぞれ異なる第1導電樹脂部71と第2導電樹脂部72を作成することができる。これらの導電樹脂部を有する集電体11は、電池機能を保持したまま電流を抑制することができ、電池の発熱を抑制することができる。
上記で説明した双極型二次電池は、第1導電樹脂部と第2導電樹脂部からなる集電体の構成に特徴を有する。以下、その他の主要な構成部材について説明する。
(活物質層)
[正極(正極活物質層)および負極(負極活物質層)]
活物質層13または15は活物質を含み、必要に応じてその他の添加剤をさらに含む。
正極活物質層13は、正極活物質を含む。正極活物質としては、例えば、LiMn、LiCoO、LiNiO、Li(Ni−Co−Mn)Oおよびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの等のリチウム−遷移金属複合酸化物、リチウム−遷移金属リン酸化合物、リチウム−遷移金属硫酸化合物などが挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、リチウム−遷移金属複合酸化物が、正極活物質として用いられる。なお、上記以外の正極活物質が用いられてもよいことは勿論である。
負極活物質層15は、負極活物質を含む。負極活物質としては、例えば、グラファイト、ソフトカーボン、ハードカーボン等の炭素材料、リチウム−遷移金属複合酸化物(例えば、LiTi12)、金属材料、リチウム合金系負極材料などが挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、炭素材料またはリチウム−遷移金属複合酸化物が、負極活物質として用いられる。なお、上記以外の負極活物質が用いられてもよいことは勿論である。
各活物質層13、15に含まれるそれぞれの活物質の平均粒子径は特に制限されないが、高出力化の観点からは、好ましくは1〜20μmである。
正極活物質層13および負極活物質層15は、バインダを含む。
活物質層に用いられるバインダとしては、特に限定されないが、例えば、以下の材料が挙げられる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物などの熱可塑性高分子、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴム、エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、スチレン・ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミドであることがより好ましい。これらの好適なバインダは、耐熱性に優れ、さらに電位窓が非常に広く正極電位、負極電位双方に安定であり活物質層に使用が可能となる。これらのバインダは、1種単独で用いてもよいし、2種併用してもよい。
活物質層中に含まれるバインダ量は、活物質を結着することができる量であれば特に限定されるものではないが、好ましくは活物質層に対して、0.5〜15質量%であり、より好ましくは1〜10質量%である。
活物質層に含まれうるその他の添加剤としては、例えば、導電助剤、電解質塩(リチウム塩)、イオン伝導性ポリマー等が挙げられる。
導電助剤とは、正極活物質層または負極活物質層の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、気相成長炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。活物質層が導電助剤を含むと、活物質層の内部における電子ネットワークが効果的に形成され、電池の出力特性の向上に寄与しうる。
電解質塩(リチウム塩)としては、Li(CSON、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等が挙げられる。
イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)系およびポリプロピレンオキシド(PPO)系のポリマーが挙げられる。
正極活物質層および負極活物質層中に含まれる成分の配合比は、特に限定されない。配合比は、非水溶媒二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。各活物質層の厚さについても特に制限はなく、電池についての従来公知の知見が適宜参照されうる。一例を挙げると、各活物質層の厚さは、2〜100μm程度である。
正極活物質層および負極活物質層における抵抗値は、それぞれ活物質の配合比に依存するが、たとえば、0.02〜0.3Ωcmであり、集電体の導電樹脂部の抵抗値よりも小さい。
(電解質層)
電解質層13を構成する電解質としては、液体電解質またはポリマー電解質が用いられうる。
液体電解質は、可塑剤である有機溶媒に支持塩であるリチウム塩が溶解した形態を有する。可塑剤として用いられうる有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート(PC)等のカーボネート類が例示される。また、支持塩(リチウム塩)としては、LiBETI等の電極の活物質層に添加されうる化合物が同様に採用されうる。
一方、ポリマー電解質は、電解液を含むゲル電解質と、電解液を含まない真性ポリマー電解質に分類される。
ゲル電解質は、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマーに、上記の液体電解質が注入されてなる構成を有する。マトリックスポリマーとして用いられるイオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、およびこれらの共重合体等が挙げられる。かようなポリアルキレンオキシド系ポリマーには、リチウム塩などの電解質塩がよく溶解しうる。
なお、電解質層が液体電解質やゲル電解質から構成される場合には、電解質層にセパレータを用いてもよい。セパレータの具体的な形態としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンからなる微多孔膜が挙げられる。
真性ポリマー電解質は、上記のマトリックスポリマーに支持塩(リチウム塩)が溶解してなる構成を有し、可塑剤である有機溶媒を含まない。したがって、電解質層が真性ポリマー電解質から構成される場合には電池からの液漏れの心配がなく、電池の信頼性が向上しうる。
ゲル電解質や真性ポリマー電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合等の重合処理を施せばよい。
(最外層集電体)
最外層集電体の材質としては、例えば、金属や導電性高分子が採用されうる。電気の取り出しやすさの観点からは、好適には金属材料が用いられる。具体的には、例えば、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、銅などの金属材料が挙げられる。これらのほか、ニッケルとアルミニウムとのクラッド材、銅とアルミニウムとのクラッド材、あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく用いられうる。また、金属表面にアルミニウムが被覆されてなる箔であってもよい。他にも、所定温度を越えると急激に抵抗が増加するPTC素子(Positive Temperature Coefficient素子)であってもよい。これらのなかでも、電子伝導性、電池作動電位という観点からは、アルミニウム、銅が好ましい。
(タブおよびリード)
電池外部に電流を取り出す目的で、タブを用いてもよい。タブは最外層集電体や集電板に電気的に接続され、電池外装材であるラミネートシートの外部に取り出される。
タブを構成する材料は、特に制限されず、リチウムイオン二次電池用のタブとして従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。タブの構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等の金属材料が好ましく、より好ましくは軽量、耐食性、高導電性の観点からアルミニウム、銅などが好ましい。なお、正極タブと負極タブとでは、同一の材質が用いられてもよいし、異なる材質が用いられてもよい。
正極端子リードおよび負極端子リードに関しても、必要に応じて使用する。正極端子リードおよび負極端子リードの材料は、公知のリチウムイオン二次電池で用いられる端子リードを用いることができる。なお、電池外装材29から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆するのが好ましい。
(電池外装材)
電池外装材29としては、公知の金属缶ケースを用いることができるほか、発電要素(電池要素)を覆うことができる、アルミニウムを含むラミネートフィルムを用いた袋状のケースが用いられうる。該ラミネートフィルムには、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるという観点から、ラミネートフィルムが望ましい。
(絶縁部)
絶縁部31は、電解質層17からの電解液の漏れによる液絡を防止する。また、絶縁部31は、電池内で隣り合う集電体どうしが接触したり、発電要素21における単電池層19の端部の僅かな不揃いなどに起因する短絡が起こったりするのを防止する目的で設けられる。
絶縁部31を構成する材料としては、絶縁性、固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性などを有するものであればよい。例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴムなどが用いられうる。なかでも、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性などの観点から、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂が、絶縁部31の構成材料として好ましく用いられる。
なお、上記の双極型二次電池は、従来公知の製造方法により製造することができる。
<双極型二次電池の外観構成>
図7は、双極型二次電池の代表的な実施形態である積層型の扁平な双極型のリチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。図7に示すように、積層型の扁平なリチウムイオン二次電池50では、長方形状の扁平な形状を有しており、その両側部からは電力を取り出すための正極タブ58、負極タブ59が引き出されている。発電要素(電池要素)57は、双極型リチウムイオン二次電池50の電池外装材52によって包まれ、その周囲は熱融着されており、発電要素(電池要素)57は、正極タブ58および負極タブ59を外部に引き出した状態で密封されている。ここで、発電要素(電池要素)57は、先に説明した図1に示す双極型のリチウムイオン二次電池10の発電要素(電池要素)21に相当するものであり、正極(正極活物質層)13、電解質層17および負極(負極活物質層)15で構成される単電池層(単セル)19が複数積層されたものである。
なお、上記双極型リチウムイオン二次電池は、積層型の扁平な形状のものに制限されるものではなく、巻回型の双極型リチウムイオン二次電池では、円筒型形状のものであってもよいし、こうした円筒型形状のものを変形させて、長方形状の扁平な形状にしたようなものであってもよいなど、特に制限されるものではない。上記円筒型の形状のものでは、その外装材に、ラミネートフィルムを用いてもよいし、従来の円筒缶(金属缶)を用いてもよいなど、特に制限されるものではない。好ましくは、発電要素(電池要素)がアルミニウムラミネートフィルムで外装される。当該形態により、軽量化が達成されうる。
また、図7に示すタブ58、59の取り出しに関しても、特に制限されるものではなく、正極タブ58と負極タブ59とを同じ辺から引き出すようにしてもよいし、正極タブ58と負極タブ59をそれぞれ複数に分けて、各辺から取り出しようにしてもよいなど、図7に示すものに制限されるものではない。また、巻回型の双極型二次電池では、タブに変えて、例えば、円筒缶(金属缶)を利用して端子を形成すればよい。
上記双極型リチウムイオン二次電池は、電気自動車やハイブリッド電気自動車や燃料電池車やハイブリッド燃料電池自動車などの大容量電源として、高体積エネルギー密度、高体積出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に好適に利用することができる。
<組電池>
組電池は、上記双極型二次電池を複数個接続して構成した物である。詳しくは少なくとも2つ以上用いて、直列化あるいは並列化あるいはその両方で構成されるものである。直列、並列化することで容量および電圧を自由に調節することが可能になる。
図8は、組電池の代表的な実施形態の外観図であって、図8Aは組電池の平面図であり、図8Bは組電池の正面図であり、図8Cは組電池の側面図である。図8に示すように、本実施形態の組電池300は、双極型二次電池が複数、直列に又は並列に接続して装脱着可能な小型の組電池250を形成し、この装脱着可能な小型の組電池250をさらに複数、直列に又は並列に接続して、高体積エネルギー密度、高体積出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に適した大容量、大出力を持つ組電池300を形成することもできる。図8Aは、組電池の平面図、図8Bは正面図、図8Cは側面図を示しているが、作成した装脱着可能な小型の組電池250は、バスバーのような電気的な接続手段を用いて相互に接続し、この組電池250は接続治具310を用いて複数段積層される。何個の双極型二次電池を接続して組電池250を作製するか、また、何段の組電池250を積層して組電池300を作製するかは、搭載される車両(電気自動車)の電池容量や出力に応じて決めればよい。
<車両>
本実施形態の車両は、上記双極型二次電池またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池を搭載したことを特徴とするものである。長期信頼性および出力特性に優れた高寿命の電池を構成できることから、こうした電池を搭載するとEV走行距離の長いプラグインハイブリッド電気自動車や、一充電走行距離の長い電気自動車を構成できる。言い換えれば、双極型二次電池またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池は、車両の駆動用電源として用いられうる。双極型二次電池またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池を、例えば、自動車ならばハイブリット車、燃料電池車、電気自動車(いずれも四輪車(乗用車、トラック、バスなどの商用車、軽自動車など)のほか、二輪車(バイク)や三輪車を含む)に用いることにより高寿命で信頼性の高い自動車となるからである。ただし、用途が自動車に限定されるわけではなく、例えば、他の車両、例えば、電車などの移動体の各種電源であっても適用は可能であるし、無停電電源装置などの載置用電源として利用することも可能である。
図9は、組電池を搭載した車両の概念図である。図9に示すように、組電池300を電気自動車400のような車両に搭載するには、電気自動車400の車体中央部の座席下に搭載する。座席下に搭載すれば、車内空間およびトランクルームを広く取ることができるからである。なお、組電池300を搭載する場所は、座席下に限らず、後部トランクルームの下部でもよいし、車両前方のエンジンルームでも良い。以上のような組電池300を用いた電気自動車400は高い耐久性を有し、長期間使用しても十分な出力を提供しうる。さらに、環境保護のための二酸化炭素排出量の低減、燃費、走行性能などに優れた電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)を提供できる。
車両に搭載される双極型二次電池の制御について詳細に説明する。
例示として車両に搭載される双極型二次電池の制御を挙げるが、他にも双極型二次電池を用いる機器にも適用することができる。また、車両に搭載される双極型二次電池の制御として2つ挙げるが、これらに特定されるものではない。
第1の制御は、双極型二次電池内部の温度を検出し、その検出した温度が所定温度を超えた時に、電池から取り出す電流を制限する制御である。この所定温度は、双極型二次電池の集電体11が含む第1導電樹脂71の抵抗が急増し、第1導電樹脂71に流れる電流を遮断する温度である。その際、第2導電樹脂部72には電流を流すことができる。第2の制御は、双極型二次電池から取り出す目標電流を設定しておき、電池から取り出せる電流が目標電流から一定値以上少なくなったときに、電池から取り出す電流を制限する制御である。取り出せる電流が目標電流から一定値以上少なった時は、双極型二次電池の集電体11が含む第1導電樹脂部71の抵抗が急増し、電流が流れにくくなった時を示す。そして、第2導電樹脂部72に流せる量の電流値に目標電流値を設定する制御をすることができる。
それぞれの制御について詳細に説明する。
まず、第1の制御について詳細に説明する。
図10は、双極型二次電池の温度を検出して電流制限を実施する制御装置の構成図である。図10に示すように、双極型二次電池10の電流制限を実施する制御装置500は、双極型二次電池10を有する車両400において、電池内部温度検出手段501と、温度判定手段502と、電池内部状態制御手段505と、車両制御手段506を含む。また、それぞれの手段は、図10に示すように、信号配線で連結されているそれぞれの手段では信号の送受信が行われ、双極型二次電池10から電気配線を通じて車両400と充放電による電流が流れる。
電池内部温度検出手段501は、双極型二次電池内の温度を測定し、温度結果を温度判定手段に502に送信する。電池内部温度検出手段501は、双極型二次電池10の内部温度が検出することができる装置であって、たとえば電池内部に設置した温度センサーからの信号を読み取り、その温度情報を送信することができる装置である。温度判定手段502は、送信された温度が所定温度以上か否かを判定し、その温度状態の結果を電池内部状態制御手段504に送信する。温度判定手段502は、一般的な計算機であって、予め入力されている所定温度との比較を行え、その比較結果を出力できるような計算機である。電池内部状態制御手段505は、送信された比較結果に基づいて双極型二次電池10から取り出す電流を調整するなどの制御を行うと共に、車両制御手段506にその制御に関する情報を送信する。車両制御手段506は、送信された制御に関する情報に基づいて双極型二次電池10から取り出した電流で車両400を制御する。
図11は、双極型二次電池の温度を検出して電流制限を実施する方法のフローチャート図である。図11に示すように、まず、車両400を起動し、双極型二次電池10から電流を取り出せる状態にする(ステップS100)。次に、双極型二次電池10の電池内温度を電池内部温度検出手段500で検出を開始し、電池内温度を検出できる状態にする(ステップS101)。ここで、双極型二次電池10の電流制限制御を開始し、電池から取り出す電流の目標電流を決定する(ステップS102)。次に、双極型二次電池10から電流の取り出しを開始する(ステップS103)。次に、電池内温度を検出し、検出した温度が所定温度以上か否かを判定する(ステップS104)。もし、所定温度には達していなければステップ104を繰り返す。電池内温度が所定温度以上であれば、双極型二次電池10から取り出す電流の目標電流を制限し、時間と共に取り出す電流を減らす(ステップS105)。そして、電池内温度を検出し、検出した温度がある特定の温度か否かを判定する(ステップ106)。もし、ある特定の温度に達していなければステップ105を繰り返す。電池内温度がある特定の温度以上になった際には、双極型二次電池10から取り出す電流の制限制御を終了する(ステップ107)。
図12は、双極型二次電池の温度を検出して電流制限を実施した際の電流と電池内温度の関係図である。図12に示すように、電池内の温度が上昇し所定温度まで達すると、電流制限がかかり目標電流を制限し、時間と共に取り出す電流を減らす。そして、電池内の温度が特定の温度以上にならないように制限する。このように、双極型二次電池10内の温度が所定温度以上に達すると集電体11に含まれる第2導電樹脂部72だけに電流が流れるようになり、第1導電樹脂部71への電流集中による温度上昇を防止することができる。また、第2導電樹脂部72だけに電流が流れているため電池機能は保持でき、車両を移動することができる。
次に、第2の制御について詳細に説明する。
図13は、双極型二次電池からの電流を検出して電流制限を実施する制御装置の構成図である。図13に示すように、双極型二次電池10の電流制限を実施する制御装置500は、たとえば双極型二次電池10を有する車両400において、電流検出手段503と、電流判定手段504と、電池内部状態制御手段504と、車両制御手段506を含む。また、それぞれの手段は、図13に示すように、信号配線で連結されているそれぞれの手段では信号の送受信が行われ、双極型二次電池10から電気配線を通じて車両400と充放電による電流が流れる。第1の制御と同じ手段については説明を省略する。
電流検出手段503は、双極電流から流れ出る電流の実電流量を検出する。電流検出手段は、たとえば、一般的な電流計測器であり、計測した電流値を電流判定手段504として送信することができればよい。電流判定手段504は、送信された実電流値と目標電流値とが所定電流値以上少ないか否かを判定し、その判定結果を電池内部状態制御手段504に送信する。電流判定手段504は、一般的な計算機を使用すればよく、所定電流値が予め入力されていればよい。電池内部状態制御手段504は、送信された結果に基づいて双極型二次電池10から取り出す電流を調整するなどの制御を行うと共に、車両制御手段506にその制御に関する情報を送信する。
図14は、双極型二次電池からの電流を検出して電流制限を実施する方法のフローチャート図である。図14に示すように、まず、車両400を起動し、双極型二次電池10から電流を取り出せる状態にする(ステップS100)。次に、双極型二次電池10から取り出す電流を電流検出手段502で検出を開始し、電流を検出できる状態にする(ステップS201)。ここで、双極型二次電池10の電流制限制御を開始し、電池から取り出す電流の目標電流を決定する(ステップS102)。次に、双極型二次電池10から電流の取り出しを開始する(ステップS103)。次に、電池から流れる実電流を検出し、検出した実電流値が目標電流値より所定の電流値以上少ないか否かを判定する(ステップS204)。ここで、所定の電流値以上少ない状態が所定時間継続したか否かで判定してもよい。そして、もし、所定の電流値以上でない状態であればステップS204を繰り返す。実電流値が目標電流値よりも所定の電流値以上少なければ、双極型二次電池10から取り出す電流の目標電流を制限し、所定の目標電流値まで徐々に目標電流値を減らしていく(ステップS205)。
図15は、双極型二次電池の電流制限を実施した際の電流と電池内温度の関係図である。図15に示すように、電池から取り出される実電流が目標電流値より所定の電流値以上少ない状態になると、電流制限をかけて目標電流を制限し、時間と共に徐々に所定の目標電流値まで取り出す電流を減らす。そして、所定の目標電流値に達するとその状態を継続させる。これにより、双極型二次電池10内の集電体11に含まれる第1導電樹脂部71の抵抗が増大して電流が取り出せない状態になると、第2導電樹脂部72の分の電流だけを取り出すように電流を制御する。電流を制御することにより、第1導電樹脂部71への電流集中による温度上昇を防止することができる。また、第2導電樹脂部72だけに電流が流れているため電池機能は保持でき、車両を移動することができる。
以上説明した第1実施形態は、以下の効果を奏する。
第1実施形態は、抵抗値が急増するときの温度がそれぞれ異なる第1導電樹脂部71と第2導電樹脂部72を有する集電体11を双極型二次電池10に備えることによって、所定温度まで電池内の温度が上昇しても電流を第2導電樹脂部に流すことができる。よって、抵抗が高い第1導電樹脂部に電流を流さないようにできるので、集電体での発熱を抑えることができ、電池の発熱を抑制することができる。つまり、所定温度まで上昇した際に、第1導電樹脂部71の抵抗値が急増し、パーコレーションパスが切れ電流が遮断されても、第2導電樹脂部72の抵抗値はそのままでパーコレーションパスも切れないため電流を流すことができる。
また、抵抗値が急増するときの温度がそれぞれ異なる第1導電樹脂部71と第2導電樹脂部72を有する集電体11を備える双極型二次電池10は、所定温度を超えても電流を抑制して取り出すことができ、かつ、電池機能を保持したまま温度上昇を抑制することができる。そのような双極型二次電池を複数個直列および/または並列に接続して組電池とすることができる。さらに、そのような双極型二次電池、または組電池をモータの電源として車両に搭載することができる。そして、双極型二次電池からの電流または電池内部の温度を検出して、第1導電樹脂部71の抵抗が急増した際に、電流制限を行い、第1導電樹脂部71への電流集中による温度上昇を防止することができる。電流制限を行った際には、第2導電樹脂部72だけに電流が流れているため電池機能は保持でき、車両を移動することができる。
(第2実施形態)
図16は、第2実施形態の集電体を模式的に表した概略図である。双極型二次電池全体の構成は第1実施形態と同じであるので、以下第1実施形態と異なる集電体についてのみ説明する。図16に示すように、第2実施形態の集電体11においては、双極型二次電池の電極が積層されている方向(厚み方向)に、正極と負極の間に連続して第1導電樹脂部71と第2導電樹脂部が形成される。図16Aは第2導電樹脂部72が円柱形状をしており、図16Bは四角柱形状をしている。図16Aでは第1導電樹脂部71が円柱形状に連続して形成されていても良い。このように、第1導電樹脂部71と第2導電樹脂部72が電極間において連続的に形成されることによって、電池における発熱を抑制することができる。
図17は、第2実施形態における電流の流れ方を模式的に表した概略図である。図17Aに示すように、正極活物質層13と負極活物質層15の間に、第1導電樹脂部71および第2導電樹脂部72が共に、連続的に形成されている。好ましくは、第1導電樹脂部71が、正極活物質層13と負極活物質層15に接し、第2導電樹脂部72の中を厚み方向に貫通するように形成されるのが好ましい。
所定温度に達すると、第1導電樹脂部71の抵抗が増大するため、図17Aに示すように、電流は正極活物質層13において迂回して第2導電樹脂部72に流れ込む。しかしながら、図17Bに示すように、第1導電樹脂部71が正極活物質層13と負極活物質層15の間に連続的に形成されていない場合、つまり正極活物質層13に第1導電樹脂部71が接していない場合、電流は第1導電樹脂部71を避けるように第2導電樹脂部72において迂回して流れる。
ここで、第2導電樹脂部72と正極活物質層13の抵抗値を比較すると、正極活物質層13の方が小さい。よって、電流が所定温度に達し抵抗が増大した第1導電樹脂部71を流れにくくなった場合、図17Bに示すような第2導電樹脂部72の面方向に流れるよりも、図17Aに示すように正極活物質層13を流れた方が発熱量は小さくなる。
本第2実施形態では、第1実施形態の効果に加え、以下のような効果を奏する。正極と負極の間に連続して第1導電樹脂部71と第2導電樹脂部が形成されるため、電池内部の温度が所定温度まで上昇し第1導電樹脂部71に電流が流れにくくなった際、第1導電樹脂部71に流れていた電流は第2導電樹脂部72に流れるため正極活物質層13において方向を変え流れる。よって、第2導電樹脂部72の面方向に電流が流れるよりも、発熱量を少なくすることができ、電池の温度上昇を抑制できる。
(第3実施形態)
第3実施形態の集電体11は、第1導電樹脂部71と第2導電樹脂部72の構成に特徴を有しており、構造についてはたとえば図2に示したような第1実施例と同様の形態をとることができる。第3実施形態の集電体11においては、第1導電樹脂部71を構成する導電材71bの混合量が第2導電樹脂部72を構成する導電材72bの混合量よりも少ない。導電材の混合量が少ない第1導電樹脂部71は、所定温度まで電池内部の温度が上昇すると電流が流れることを防止することができる。反対に、導電材の混合量が多い第2導電樹脂部72は、パーコレーションパスが切れにくく、大きな抵抗の変化はないので、電流を流すことができる。
本第3実施形態では、第1実施形態の効果に加え以下のような効果を奏する。それぞれ導電材の混合量が異なる導電樹脂部を備えることで、導電材の量によってパーコレーションパスを調整することができ、電流抑制効果を上げることができる。さらに、電池の温度上昇も制御できる。
(第4実施形態)
第4実施形態の集電体11は、第1導電樹脂部71と第2導電樹脂部72の構成に特徴を有しており、構造についてはたとえば図2に示したような第1実施例と同様の形態をとることができる。第4実施形態の集電体11においては、第1導電樹脂部71を構成する導電材71bの混合量が第2導電樹脂部72を構成する導電材72bの混合量よりも少なく、さらに、導電材71bの線膨張係数が導電材72bの線膨張係数よりも小さい。混合量が少なく、線膨張係数が小さい導電材から構成される第1導電樹脂部71は、所定温度まで電池内部の温度が上昇すると電流が流れることを防止することができる。反対に、混合量が多く、線膨張係数が大きい導電材から構成される第2導電樹脂部72は、パーコレーションパスがきれにくく、大きな抵抗の変化ははいので、電流を流すことができる。
本第4実施形態では、第3実施形態の効果に加え以下のような効果を奏する。それぞれ導電材の混合量および導電材の線膨張係数が異なる導電樹脂部を備えることで、導電材の量と膨張によってパーコレーションパスを調整することができ、電流抑制効果をさらに上げることができる。さらに、電池の温度上昇も制御できる。
(第5実施形態)
第5実施形態の集電体11は、第1導電樹脂部71と第2導電樹脂部72の構成に特徴を有しており、構造についてはたとえば図2に示したような第1実施例と同様の形態をとることができる。第5実施形態の集電体11においては、第1導電樹脂部71を構成する樹脂71aの線膨張係数が第2導電樹脂部72を構成する樹脂72aの線膨張係数よりも大きい。樹脂の線膨張係数が大きい第1導電樹脂部71は、所定温度まで電池内部の温度が上昇すると電流が流れることを防止することができる。反対に、導電材の線膨張係数が小さい第2導電樹脂部72は、パーコレーションパスが切れにくく、大きな抵抗の変化はないので、電流を流すことができる。
本第5実施形態では、第1実施形態の効果に加え以下のような効果を奏する。それぞれ樹脂の線膨張係数が異なる導電樹脂部を備えることで、樹脂の膨張によってパーコレーションパスを調整することができ、電流抑制効果を上げることができる。さらに、電池の温度上昇も制御できる。
(第6実施形態)
第6実施形態の集電体11は、第1導電樹脂部71と第2導電樹脂部72の構成に特徴を有しており、構造についてはたとえば図2に示したような第1実施例と同様の形態をとることができる。第6実施形態の集電体11においては、第1導電樹脂部71を構成する樹脂71aの線膨張係数が第2導電樹脂部72を構成する樹脂72bの線膨張係数よりも大きく、さらに、導電材71bの混合量が導電材72bの混合量よりも少ない。線膨張係数が大きい樹脂と混合量が少ない導電材とから構成される第1導電樹脂部71は、所定温度まで電池内部の温度が上昇すると電流が流れることを防止することができる。反対に、線膨張係数が小さい樹脂と混合量が多い導電材とから構成される第2導電樹脂部72は、パーコレーションパスがきれにくく、大きな抵抗の変化ははいので、電流を流すことができる。
本第6実施形態では、第5実施形態の効果に加え以下のような効果を奏する。それぞれ樹脂の線膨張係数および導電材の混合量が異なる導電樹脂部を備えることで、導電材の量と樹脂の膨張によってパーコレーションパスを調整することができ、電流抑制効果をさらに上げることができる。さらに、電池の温度上昇も制御できる。
(第7実施形態)
図18は、第7実施形態の集電体を模式的に現した概略図である。図18に示すように、第7実施形態の集電体11においては、双極型二次電池の電極(不図示)が積層されている方向に貫通し、さらに、第2導電樹脂部72が第1導電樹脂部71の外側に設置されている。図18Aは円筒形をした第1導電樹脂部の外側に第2導電樹脂部72が供えられ、図18Bは四角柱形をした第2導電樹脂部の外側に第2導電樹脂部72が備えられる。このように、第1導電樹脂部71はどのような形状をしていてもよく、第2導電樹脂部72が第1導電樹脂部71の外側、つまり集電体11の外周部に設置されていればよい。電池内部の温度が所定温度まで上昇し第1導電樹脂部71で電流が流れなくなり、第2導電樹脂部72に電流が流れるので、電流は集電体11の外周部を流れることになる。
本第7実施形態では、第1実施形態の効果に加え以下のような効果を奏する。所定温度以上に電池内部の温度が上昇した場合、集電体の外周部に備えられた第2導電樹脂部72を電流が流れるため、電流が流れることで発生する熱の放熱を促進することができる。そして、電池の温度上昇も制御できる。
(第8実施形態)
図19は、第8実施形態の集電体を模式的に現した概略図である。隣接する導電性樹脂の溶解性パラメータが2以内の場合、集電体11が有する第1導電樹脂部71と第2導電樹脂部72は安定して接続する。しかしながら、図19に示すように、2以上の場合、第1導電樹脂部71と第2導電樹脂部72は相分離し、クリアランスcが形成される。
本第8実施形態では、第1実施形態の効果に加え以下のような効果を奏する。樹脂の溶解性パラメータを2以内にした複数の導電性樹脂部を備えることによって、隣接する導電性樹脂の相分離を防止することができ、電流抑制効果をさらに上げることができ、電池の温度上昇も制御できる。
(第9実施形態)
第9実施形態の集電体11は、第1導電樹脂部71と第2導電樹脂部72の構成に特徴を有しており、構造についてはたとえば図2に示したような第1実施例と同様の形態をとることができる。第9実施形態の集電体11においては、第1導電樹脂部71を構成する樹脂71aの線膨張係数が導電材71bの線膨張係数よりも大きい。このような第1導電樹脂部71は、所定温度まで電池内部の温度が上昇すると、樹脂の方が導電材より大きく膨張し、パーコレーションパスが切れやすくなり、電流が流れることを防止することができる。
本第9実施形態では、第1実施形態の効果に加え以下のような効果を奏する。導電材より樹脂の線膨張係数が大きな導電樹脂部を備えることで、樹脂を導電材より大きく膨張させてパーコレーションパスを調整することができ、電流抑制効果をさらに上げることができる。さらに、電池の温度上昇も制御できる。
10、50 双極型二次電池(双極型リチウムイオン二次電池)、
11 集電体、
13 正極型活物質層、
15 負極型活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21 発電要素、
23 双極型電極、
25 正極集電板、
27、57 負極集電板、
29 ラミネートフィルム、
31 シール部(絶縁部)、
58 正極タブ、
59 負極タブ、
71 第1導電樹脂部、
71a 第1樹脂、
71b 第1導電材、
72 第2導電樹脂部、
72a 第2樹脂、
72b 第2導電材、
250 小型の組電池、
300 組電池、
310 接続治具、
400 電気自動車、
500 制御装置、
501 電池内部温度検出手段、
502 温度判定手段、
503 電流検出手段、
504 電流判定手段、
505 電池内部状態制御手段、
506 車両制御手段。

Claims (17)

  1. 第1面に第1電極、前記第1面に対向する第2面に前記第1電極と極性の異なる第2電極が設けられた双極型二次電池用の集電体であって、
    前記集電体は、温度が上昇して所定温度に達した時に電気抵抗が増加する第1導電樹脂部と、前記所定温度まで温度が上昇しても電気抵抗の増加量が前記第1導電樹脂部と比べて少ない第2導電樹脂部と、を含むことを特徴とする双極型二次電池用の集電体。
  2. 前記第1および第2導電樹脂部は共に、前記第1および第2電極の間に連続的に形成されることを特徴とする請求項1に記載の双極型二次電池用の集電体。
  3. 前記第1導電樹脂部は、第1樹脂に第1導電材を混合して構成され、
    前記第2導電樹脂部は、第2樹脂に第2導電材を混合して構成され、
    前記第2導電材の混合量は、前記第1導電材の混合量よりも多いことを特徴とする請求項1または2に記載の双極型二次電池用の集電体。
  4. 前記第2導電材の線膨張係数は、前記第1導電材の線膨張係数よりも大きいことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の双極型二次電池用の集電体。
  5. 前記第1導電樹脂部は、第1樹脂に第1導電材を混合して構成され、
    前記第2導電樹脂部は、第2樹脂に第2導電材を混合して構成され、
    前記第2樹脂の線膨張係数は、前記第1樹脂の線膨張係数よりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の双極型二次電池用の集電体。
  6. 前記第2導電材の混合量は、前記第1導電材の混合量よりも多いことを特徴とする請求項5に記載の双極型二次電池用の集電体。
  7. 前記第2導電樹脂部は、前記第1導電樹脂部の外側に配置されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の双極型二次電池用の集電体。
  8. 前記第1導電樹脂部の溶解性パラメータと前記第2導電樹脂部の溶解性パラメータは、2以上離れていないことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の双極型二次電池用の集電体。
  9. 前記第1樹脂の線膨張係数は、前記第1導電材の線膨張係数よりも大きいことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の双極型二次電池用の集電体。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の双極型二次電池用の集電体と、前記第1電極と、前記第2電極と、電解質層を含んだセパレータと、を複数積層して構成される双極型二次電池であって、
    前記セパレータは、前記第1電極と前記第2電極の間に介在されることを特徴とする双極型二次電池。
  11. 請求項10に記載の双極型二次電池を複数個直列および/または並列に接続することを特徴とする組電池。
  12. 請求項10に記載の双極型二次電池、または請求項11に記載の組電池をモータの電源として搭載することを特徴とする車両。
  13. 請求項10に記載の双極型二次電池を制御する双極型二次電池の制御装置であって、
    前記双極型二次電池内部の温度を測定する電池内部温度測定手段と、
    前記双極型二次電池内部の温度が前記所定温度以上であるか否かを判定する温度判定手段と、
    前記双極型二次電池内部の温度が前記所定温度以上と判定された場合に、前記双極型二次電池から取り出す電流を制限する電池内部状態制御手段と、を含むことを特徴とする双極型二次電池の制御装置。
  14. 請求項10に記載の双極型二次電池を制御する双極型二次電池の制御装置であって、
    前記双極型二次電池内部から取り出した実電流値を測定する電池内部電流測定手段と、
    前記実電流値が所定電流値以上であるか否かを判定する電流値判定手段と、
    前記実電流値が所定電流値以上と判定された場合に、前記双極型二次電池から取り出す電流を制限する電池内部状態制御手段と、を含むことを特徴とする双極型二次電池の制御装置。
  15. 請求項10に記載の双極型二次電池を制御する双極型二次電池の制御方法であって、
    前記双極型二次電池内部の温度を測定する電池内部温度測定段階と、
    前記双極型二次電池内部の温度が前記所定温度以上であるか否かを判定する温度判定段階と、
    前記双極型二次電池内部の温度が前記所定温度以上と判定された場合に、前記双極型二次電池から取り出す電流を制限する電池内部状態制御段階と、を含むことを特徴とする双極型二次電池の制御方法。
  16. 請求項10に記載の双極型二次電池を制御する双極型二次電池の制御方法であって、
    前記双極型二次電池内部から取り出した実電流値を測定する電池内部電流測定段階と、
    前記実電流値が所定電流値以上であるか否かを判定する電流値判定段階と、
    前記実電流値が所定電流値以上と判定された場合に、前記双極型二次電池から取り出す電流を制限する電池内部状態制御段階と、を含むことを特徴とする双極型二次電池の制御方法。
  17. 前記車両は、請求項13または14に記載の双極型二次電池用の制御装置をさらに搭載することを特徴とする請求項12に記載の車両。
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