JP2010286089A - トリポード型等速自在継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】ローラを過大な荷重で押圧することなく組み立てることができ、しかも、トリポードキット(トリポード部材とローラと針状ころ等を含むユニット体)の脱落を防止できるトリポード型等速自在継手を提供する。
【解決手段】内周に軸線方向に延びる三本のトラック溝6を設けると共に各トラック溝6の内側壁に互いに対向するローラ案内面7a、7aを設けた外側継手部材1と、三本の脚軸9を有するトリポード部材2と、脚軸9に回転自在に支持されると共に外側継手部材1のトラック溝6に転動自在に挿入されたローラ3とを備えたトリポード型等速自在継手である。トラック溝6とローラ3との間のトラックすきまがトラック溝開放端部18において負すきまとなる。外側継手部材1の開口端に、トラック溝開放端部18のトラック溝幅の拡大を許容するためのスリット20を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械等の動力伝達装置に使用されるトリポード型等速自在継手に関する。
例えば、自動車のエンジンから車輪にトルクを伝達するドライブシャフトでは、その一端が摺動型等速自在継手を介してデファレンシャルに連結され、他端が固定型等速自在継手を介して車輪に連結される。ドライブシャフトに使用する摺動型等速自在継手としては、例えばトリポード型等速自在継手が知られている。
トリポード型等速自在継手は、図7と図8に示すように、外側継手部材51と、内側継手部材としてのトリポード部材52と、トルク伝達部材としてのローラ53を主要な構成要素としている(特許文献1参照)。
外側継手部材51は一体に形成されたマウス部54とステム部55とからなる。マウス部54は一端で開口したカップ状であり、内周の円周方向三等分位置に軸方向に延びるトラック溝56が形成してある。マウス部54は、大径部54aと小径部54bとが交互に表れる非円筒形状であり、大径部54aの径方向内側にトラック溝56が形成されている。各トラック溝56の円周方向に向き合う側壁に、ローラ案内面57,57が形成されている。
トリポード部材52はボス58と脚軸59とを有する。ボス58にはシャフト(図示省略)とトルク伝達可能に結合するスプライン又はセレーション孔61が形成してある。脚軸59はボス58の円周方向三等分位置から半径方向に突出している。トリポード部材52の各脚軸59はローラ53を回転可能に支持している。
脚軸59とローラ53との間には複数の針状ころ62が配設されている。これらの針状ころ62は、脚軸59の基端方向では、脚軸59の基端側外周面に装着されたインナーワッシャ63で位置規制される。脚軸59の先端方向では、脚軸59の先端側に設けられたアウターワッシャ64によって位置規制と抜け止めがされる。脚軸59の先端側外周面には周方向溝65が形成され、この周方向溝65に止め輪66が装着される。止め輪66の内側(脚軸基端側)の脚軸59外周面に上記アウターワッシャ64が嵌合される。
ところで、例えばドライブシャフトを車体に組み付ける工程等においては、ドライブシャフトを傾けたり垂直にせざるを得ない場合がある。そして、トリポード型等速自在継手を上にすると、重みで外側継手部材51からトリポード部材52が脱落するおそれがある。したがって、従来、トリポード部材52の抜け止め対策として、外側継手部材51の開口部内周にクリップ(図示省略)を装着している。すなわち、外側継手部材51の内周面に円形の係合溝を形成してそこにサークリップを装着し、このサークリップをローラ53に干渉させることによって、トリポード部材52の抜けを防止するのである。
また、特許文献1には、外輪の開放端において、端面がカップ内の面積を減少させる隆起した部分を形成するカシメを備えており、この隆起した部分で抜け止めをすることが提案されている。特許文献2には、外輪のローラ案内面を、開口部近傍を残して熱処理により硬化させ、上記開口部近傍の未硬化部に塑性変形によってローラと干渉可能の突出部を形成することが提案されている。
そして、特許文献3では、図9に示すように、トラックすきまが外輪開放端において負すきまとなるように設定している。すなわち、トラック溝56の幅寸法をbとし、外側継手部材51の開放端付近のトラック溝56の幅寸法をb´とし、ローラ53の外径をdとしたときに、b−d>0とし、b´−d<0とする。なお、図9において、範囲Hが負すきまとなる範囲である。
そして、トリポードキッド(トリポード部材52とローラ53と針状ころ62等を含むユニット体)を外側継手部材51に組み込む際に、図10の矢印に示すように、外側継手部材51のトラック溝56にローラ53をかち込むものである。これによって、ローラ53を負すきまの範囲を通過させるものである。
特開平11−336782号公報 特開2002−235766号公報 特開2008−115996号公報
摺動式等速自在継手の内部部品(たとえばトリポード型等速自在継手の場合はトリポードキット)が外側継手部材51から脱落しないようにするための対策として、特許文献1および特許文献2に記載された抜け止めは、抜け止め用クリップを装着する方法に比べて、部品点数が増えないためコストメリットがあるが、課題もある。すなわち、特許文献1のものは、隆起した部分は開放端であるため破れやすいブーツに近く、ブーツと干渉しないように加工する必要があり、加工が難しい。特許文献2のものは、ローラ案内面は面であるため、塑性変形による突出部の成形が難しい。
また、特許文献3に記載のものでは、図10に示すように、ローラをトラック溝に挿入する場合、ローラ53によって、負すきまの範囲を押し広げて弾性変形させる必要がある。このため、ローラ53を過大な荷重で押圧する必要があり、組立作業性に劣っていた。しかも、この弾性変形のために、ローラ53や外側継手部材51等が損傷するおそれもあった。
そこで、本発明は斯かる実情に鑑み、ローラを過大な荷重で押圧することなく組み立てることができ、しかも、トリポードキット(トリポード部材とローラと針状ころ等を含むユニット体)の脱落を防止できるトリポード型等速自在継手を提供しようとするものである。
本発明のトリポード型等速自在継手は、内周に軸線方向に延びる三本のトラック溝を設けると共に各トラック溝の内側壁に互いに対向するローラ案内面を設けた外側継手部材と、三本の脚軸を有するトリポード部材と、前記脚軸に回転自在に支持されると共に前記外側継手部材のトラック溝に転動自在に挿入されたローラとを備えたトリポード型等速自在継手であって、トラック溝とローラとの間のトラックすきまがトラック溝開放端部において負すきまとなるとともに、外側継手部材の開口端に、前記トラック溝開放端部のトラック溝幅の拡大を許容するためのスリットを設けたものである。
本発明のトリポード型等速自在継手は、トラック溝とローラとの間のトラックすきまがトラック溝開放端部において負すきまとしているので、ローラを含むトリポードキットが、外側継手部材の開口側へ移動した際に、ローラがこの負すきまの範囲において係合する。
しかも、トラック溝開放端部のトラック溝幅の拡大を許容するためのスリットを設けたので、ローラをトラック溝に挿入する際には、比較的小さな荷重でもって挿入することができる。
トラック溝開放端部よりも奥側において、前記トラックすきまが正すきまとなるのが好ましい。このように、正すきまとすることによって、ローラはトラック溝内を軸方向にそって滑らかに摺動することができる。
スリットは、各トラック溝のトラック溝に対応して少なくとも3個設けるのが好ましい。これによって、各ローラのトラック溝への挿入が安定する。また、スリットの幅寸法を1mm〜4mmとし、軸方向長さを7mm〜15mmとすることができる。
ローラのトラック溝への挿入をトラック溝開放端部側からのローラ圧入によって行うことができ、また、スリットに楔部材を挿入してトラック溝開放端部のトラック溝幅を拡大させた状態でローラのトラック溝への挿入を行うことができる。このように、楔部材を用いる場合、スリットに楔部材を挿入することによって、トラック溝開放端部のトラック溝幅が拡大した状態を維持できる。
楔部材を用いる場合、ローラの外径をcとし、自由状態におけるトラック溝開放端部のトラック溝幅の最小寸法をbとし、楔部材をスリットに挿入した状態におけるトラック溝開放端部のトラック溝幅の最小寸法をb1としたとき、(b−c)<0となるとともに、(b1−c)>0となるようにするのが好ましい。これによって、トラック溝にローラを挿入する際には、トラック溝開放端部のトラックすきまを正すきまとすることができる。
本発明のトリポード型等速自在継手では、ローラを含むトリポードキットが、外側継手部材の開口側へ移動した際に、ローラがこの負すきまの範囲において係合して、このローラ延いてはトリポードキットのこの外側継手部材からの抜け(脱落)を防止できる。しかも、ローラをトラック溝に挿入する際には、比較的小さな荷重でもって挿入することができるので、前記トリポードキットの組み込み性の向上を図ることができる。しかも、ローラや外側継手部材に過大な荷重がかからず、ローラや外側継手部材等の損傷を防止できる。
正すきまを設けることによって、ローラはトラック溝内を軸方向にそって滑らかに摺動することができ、安定した作動が可能なトリポード型等速自在継手となる。各トラック溝に対応してスリットを設けることによって、各ローラのトラック溝への挿入が安定し、トリポード型等速自在継手の組立性の向上を図ることができる。また、スリットの幅寸法を1mm〜4mmとし、軸方向長さを7mm〜15mmとすることによって、トラック溝幅の拡大機能が安定する。スリットの幅寸法が1mm未満であったり、スリットの軸方向長さが7mmであったりすれば、スリットが小さすぎて、トラック溝幅の拡大機能に劣ることになる。また、スリットの幅寸法が4mmを超えたり、スリットの軸方向長さが15mmを超えたりすれば、スリットが大きすぎて、外側継手部材の剛性が小さくなるおそれがある。
ローラのトラック溝への挿入をトラック溝開放端部側からのローラ圧入によって行うものでは、挿入時に工具や治具を用いることなく、ローラを組み付けることができ、組立作業性の向上を図ることができる。また、楔部材を用いる場合、トラック溝開放端部のトラック溝幅が拡大した状態を維持でき、ローラのトラック溝への挿入性の一層の容易化を図ることができる。特に、(b−c)<0となるとともに、(b1−c)>0とすることによって、トラック溝にローラを挿入する際には、トラック溝開放端部のトラックすきまを正すきまとすることができ、ローラを滑らかに外側継手部材に挿入することができる。
本発明の実施形態を示すトリポード型等速自在継手の縦断面図である。 前記トリポード型等速自在継手の外側継手部材の開口端面図である。 前記トリポード型等速自在継手の外側継手部材のトラック溝とローラとの関係を示す簡略図である。 前記トリポード型等速自在継手の外側継手部材のトラック溝にローラを挿入する状態を示す簡略図である。 楔部材を用いて前記トリポード型等速自在継手の外側継手部材のトラック溝にローラを挿入する状態を示す簡略図である。 楔部材を用いて前記トリポード型等速自在継手の外側継手部材のトラック溝にローラを挿入した後の状態を示す簡略図である。 従来のトリポード型等速自在継手の縦断面図である。 従来のトリポード型等速自在継手の横断面図である。 ローラ抜け防止機能を備えた従来のトリポード型等速自在継手の簡略図である。 ローラ抜け防止機能を備えた従来のトリポード型等速自在継手のローラ挿入方法を説明する簡略図である。
以下本発明の実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。
トリポード型等速自在継手は、図1に示すように、外側継手部材1と、内側継手部材としてのトリポード部材2と、トルク伝達部材としてのローラ3を主要な構成要素としている。
外側継手部材1は一体に形成されたマウス部4とステム部5とからなる。図2に示すように、マウス部4は一端で開口したカップ状であり、内周の円周方向三等分位置に軸方向に延びるトラック溝6が形成してある。マウス部4は、大径部4aと小径部4bとが交互に表れる非円筒形状であり、大径部4aの径方向内側にトラック溝6が形成されている。各トラック溝6の円周方向に向き合う側壁に、ローラ案内面7,7が形成されている。
トリポード部材2は図1に示すようにボス8と脚軸9とを有する。ボス8にはシャフト(図示省略)とトルク伝達可能に結合するスプライン又はセレーション孔11が形成してある。脚軸9はボス8の円周方向三等分位置から半径方向に突出している。トリポード部材2の各脚軸9はローラ3を回転可能に支持している。
脚軸9とローラ3との間には複数の針状ころ12が配設されている。これらの針状ころ12は、脚軸9の基端方向では、脚軸9の基端側外周面に装着されたインナーワッシャ13で位置規制される。脚軸9の先端方向では、脚軸9の先端側に設けられたアウターワッシャ14によって位置規制と抜け止めがされる。脚軸9の先端側外周面には周方向溝15が形成され、この周方向溝15に止め輪16が装着される。止め輪16の内側(脚軸基端側)の脚軸9外周面に上記アウターワッシャ14が嵌合される。
トラック溝6とローラ3との間のトラックすきまがトラック溝開放端部18(図1の仮想線のハッチングで示す範囲)において負すきまとなるように設定する。すなわち、トラック溝開放端部18において、図3に示すように、相対面するローラ案内面7,7の開口部に対向間隔が開口側において小となる負すきま形成面7a,7aを設ける。なお、この負すきま形成面7a,7aは、比較的曲率半径が大である凹曲面にて構成しているが、内部側から開口側に向かって順次対向幅が小さくなるテーパ面であってもよい。
また、マウス部4の小径部4bの開口端面周方向中央部にはスリット20が設けられている。このスリット20はトラック溝開放端部18のトラック溝幅の拡大を許容するためのものである。すなわち、スリット20は、各トラック溝6に対応して3個形成されている。
図3に示すように、ローラ3が負すきま形成部位よりも内部(奥側)に位置している自由状態において、ローラ案内面7,7間寸法をaとし、トラック溝開放端部のトラック溝幅の最小寸法をbとし、ローラ3の外径寸法をcとすれば、b−c<0となり、a−c>0となる。また、スリット20は、扁平矩形状であって、その幅寸法wが例えば1mm〜4mm程度とされ、その軸方向長さLが例えば7mm〜15mm程度とされる。
ところで、このトリポード型等速自在継手を組み立てる場合、まず、トリポード部材2とローラ3と針状ころ12等を組み付けてなるトリポードキッド21(図1)を形成する。このトリポードキッド21を外側継手部材1に嵌入することになる。この際、図3に示すように、ローラ3をトラック溝6に挿入する必要がある。このため、図4の矢印Aのように、ローラ3のトラック溝6への挿入をトラック溝開放端部18側からのローラ圧入によって行う。
このように、ローラ3をトラック溝開放端部18側からトラック溝6に押し込んで行けば、スリット20が設けられているので、このローラ3の押し込みによって、負すきま形成面7a,7aが矢印Dのように弾性的に相互に離間(図4の仮想線で示す)して、この負すきま形成面7a,7a間寸法が大となって、ローラ3のトラック溝開放端部18の通過を許容する。このように、ローラ3がトラック溝開放端部18を通過すれば、負すきま形成面7a,7aでの矢印D方向への押圧力が解除され、外側継手部材1の復元力で負すきま形成面7a,7aは図4の実線で示す状態に戻る。これによって、トリポードキッド21を外側継手部材1へ嵌入する作業が完了する。
ローラ3をトラック溝6に挿入する場合、図5と図6に示すように、楔部材22を用いてもよい。楔部材22は、その肉厚寸法tが反継手側から継手側に沿って小となる断面台形状のブロック片からなる。このため、この楔部材22をスリット20に矢印Bのように、挿入(嵌入)することによって、トラック溝開放端部18の負すきま形成面7a,7aが矢印D方向に実線で示すように離間する方向に広がる(弾性変形する)ことになる。
この場合、ローラ案内面7,7間寸法をaとし、ローラの外径をcとし、自由状態におけるトラック溝開放端部18のトラック溝幅の最小寸法をbとし、前記楔部材22をスリット20に挿入した状態におけるトラック溝開放端部18のトラック溝幅の最小寸法をb1としたとき、a−c>0となり、(b−c)<0となり、(b1−c)>0となる。この際、a=b1となる。
このため、図5に示すように、トリポードキッド21のローラ3をトラック溝6に矢印A方向に沿って滑らかに挿入して、抵抗なくトラック溝開放端部18を通過させることができる。このように、ローラ3がトラック溝開放端部18を通過すれば、スリット20から楔部材22を引き抜くことになる。楔部材22を引き抜けば、トラック溝開放端部18は元の状態に戻り、トラックすきまがトラック溝開放端部18において負すきまとなる。これによって、トリポードキッド21を外側継手部材1へ嵌入する作業が完了する。
本発明のトリポード型等速自在継手によれば、トラック溝6とローラ3との間のトラックすきまがトラック溝開放端部18において負すきまとしているので、ローラ3を含むトリポードキット21が、外側継手部材1の開口側へ移動した際に、ローラ3がこの負すきまの範囲において係合する。これによって、ローラ3延いてはトリポードキット21のこの外側継手部材1からの抜け(脱落)を防止できる。
しかも、トラック溝開放端部18のトラック溝幅の拡大を許容するためのスリット20を設けたので、ローラ3をトラック溝6に挿入する際には、比較的小さな荷重でもって挿入することができる。これによって、前記ポードキット21の組み込み性の向上を図ることができるとともに、ローラ3や外側継手部材1に過大な荷重がかからず、ローラ3や外側継手部材1等の損傷を防止できる。
トラック溝開放端部18よりも奥側において、実施形態のように、トラックすきまが正すきまとなるのが好ましい。このように、正すきまとすることによって、ローラ3はトラック溝6内を軸方向にそって滑らかに摺動することができ、安定した作動が可能なトリポード型等速自在継手となる。各トラック溝6に対応してスリット20を設けているので、各ローラ3のトラック溝6への挿入が安定し、トリポード型等速自在継手の組立性の向上を図ることができる。また、スリット20の幅寸法Wを1mm〜4mmとし、軸方向長さLを7mm〜15mmとすることによって、トラック溝幅の拡大機能が安定する。すなわち、スリット20の幅寸法Wが1mm未満であったり、スリット20の軸方向長さLが7mmであったりすれば、スリット20が小さすぎて、トラック溝幅の拡大機能に劣ることになる。また、スリット20の幅寸法Wが4mmを超えたり、スリット20の軸方向長さLが15mmを超えたりすれば、スリット20が大きすぎて、外側継手部材の剛性が小さくなるおそれがある。
ローラ3のトラック溝6への挿入をトラック溝開放端部18側からのローラ圧入によって行うものでは、挿入時に工具や治具を用いることなく、ローラ3を組み付けることができ、組立作業性の向上を図ることができる。また、楔部材22を用いる場合、トラック溝開放端部18のトラック溝幅が拡大した状態を維持でき、ローラ3のトラック溝6への挿入性の一層の容易化を図ることができる。特に、(b−c)<0となるとともに、(b1−c)>0とすることによって、トラック溝6にローラ3を挿入する際には、トラック溝開放端部18のトラックすきまを正すきまとすることができ、ローラ3を滑らかに外側継手部材1に挿入することができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、トリポード型等速自在継手として、前記実施形態では、ローラが1個のいわゆるシングルタイプのものであったが、インナローラとアウタローラとを備えたダブルローラタイプ等であってもよい。また、スリット20は、各トラック溝6に少なくとも1個ずつ設ければよいが、各トラック溝6に2個、又はそれ以上あってもよい。スリット20の形状としても、矩形状に限るものではなく、開口側から奥側に向かってその幅寸法が小さくなるものであってもよい。楔部材22を用いる場合、前記実施形態では、b1−c>0としていたが、b1−c≦0であってもよい。このような場合でも、ローラ3を僅かな荷重でもってトラック溝6に挿入することができる。
ところで、スリット20を成形する場合、切削等の機械加工で行っても、鍛造等の塑性加工で行ってもよい。すなわち、外側継手部材1の開口端に、トラック溝開放端部18のトラック溝幅の拡大を許容することができればよい。なお、楔部材22としては、各スリット20に対応して複数個を備えものであってもよいが、各スリット20に対応した楔部材22が一体に連結されたものであってもよい。
1 外側継手部材
2 トリポード部材
3 ローラ
6 トラック溝
7,7 ローラ案内面
9 脚軸
18 トラック溝開放端部
20 スリット
22 楔部材

Claims (7)

  1. 内周に軸線方向に延びる三本のトラック溝を設けると共に各トラック溝の内側壁に互いに対向するローラ案内面を設けた外側継手部材と、三本の脚軸を有するトリポード部材と、前記脚軸に回転自在に支持されると共に前記外側継手部材のトラック溝に転動自在に挿入されたローラとを備えたトリポード型等速自在継手であって、
    トラック溝とローラとの間のトラックすきまがトラック溝開放端部において負すきまとなるとともに、外側継手部材の開口端に、前記トラック溝開放端部のトラック溝幅の拡大を許容するためのスリットを設けたことを特徴とするトリポード型等速自在継手。
  2. トラック溝開放端部よりも奥側において、前記トラックすきまが正すきまとなることを特徴とする請求項1に記載のトリポード型等速自在継手。
  3. スリットは、各トラック溝に対応して少なくとも3個設けていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトリポード型等速自在継手。
  4. 前記スリットの幅寸法を1mm〜4mmとし、軸方向長さを7mm〜15mmとしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のトリポード型等速自在継手。
  5. ローラのトラック溝への挿入をトラック溝開放端部側からのローラ圧入によって行うことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のトリポード型等速自在継手。
  6. スリットに楔部材を挿入してトラック溝開放端部のトラック溝幅を拡大させた状態でローラのトラック溝への挿入を行うことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のトリポード型等速自在継手。
  7. ローラの外径をcとし、自由状態におけるトラック溝開放端部のトラック溝幅の最小寸法をbとし、前記楔部材をスリットに挿入した状態におけるトラック溝開放端部のトラック溝幅の最小寸法をb1としたとき、(b−c)<0となるとともに、(b1−c)>0となることを特徴とする請求項7に記載のトリポード型等速自在継手。
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