JP2008281036A - 円すいころ軸受及びその製造方法 - Google Patents

円すいころ軸受及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】引っ掛け部として機能するものを確実に成形でき、また円すいころの組込性の向上を図ることができ、しかも、ころ軸方向長さの延長が可能となって、定格荷重のアップを図ることができる円すいころ軸受及びその製造方法を提供する。
【解決手段】内輪51と、外輪52と、円すいころ53と、円すいころ53を円周所定間隔に保持する保持器54とを備え、内輪51の外径面の大径側にのみ円すいころ52を案内する鍔部56を設けた円すいころ軸受である。保持器54は、大径側環状部54aと、小径側環状部54bと、大径側環状部54aと小径側環状部54bとを連結する柱部54cとからなる樹脂製の保持器本体61と、内輪51の鍔部56に係合する引っ掛け部材62とを備える。保持器本体61の大径側環状部54aに周方向溝64を設けるとともに、周方向溝64に嵌合されるはめ込み部68を引っ掛け部材62に設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、円すいころ軸受及びその製造方法に関するものである。
自動車におけるエンジンの駆動力は、トランスミッション、プロペラシャフト、デファレンシャル、ドライブシャフトの何れか又は全てを含む動力伝達系を介して車輪に伝達される。
この動力伝達系では、シャフトを支持する軸受として、ラジアル荷重に対する負荷能力が高く、耐衝撃性にも優れる円すいころ軸受を使用する場合が多い。円すいころ軸受は、一般的には、図5に示すように、外周側に円すい状の軌道面1を有する内輪2と、内周側に円すい状の軌道面3を有する外輪4と、内輪2と外輪4との間に転動自在に配された複数の円すいころ5と、円すいころ5を円周所定間隔に保持する保持器6とを備える。
保持器6は、図6に示すように、一対の環状部6a、6bと、環状部6a、6bを相互に連結する柱部6cとを備え、周方向に沿って隣合う柱部6c間に形成されるポケット6dに前記円すいころ5が収容される。
この円すいころ軸受では、円すいころ5と内外輪2,4の軌道面1、3とが線接触しており、内・外輪軌道面1、3およびころ中心線Oの延長線が軸心P(図5参照)上の一点(図示せず)に一致するよう設計される。
このため、荷重が作用すると、円すいころ5がその大端側に押圧される。この荷重を受けるべく、内輪2の大径側には外径側へ突出する鍔部7が設けられている。また、この軸受を機械等に組込むまでの間に円すいころ5が小端側へ脱落しないようにするために、内輪2の小端側にも突出する鍔部8が設けられる。
近年、車内空間の拡大化に伴いエンジンルームの縮小化、エンジンの高出力化、燃費向上のためのトランスミッションの多段化などが進む中、そこに使用される円錐ころ軸受の使用環境は年々厳しくなってきている。このような厳しい使用環境の中では、軸受のさらなる長寿命化が求められる。
軸受の長寿命化の方策として、ころ本数を増やすかころ長さを長くすることによって、同一寸法で負荷容量を現状よりも上げることが考えられる。しかしながら、現在の軸受構造では、前記したように、内輪2の小径側に鍔部(小鍔)8を設けているので、円すいころ5の長さ寸法を大きくするのに限界がある。また、ころ本数を増加することに対しても強度上の理由から、柱部6cの本数と幅の制約がある。このため、従来の軸受構造では負荷容量を上げるのに限界があった。
一方、従来の円すいころ軸受の中には、内輪において小径側の鍔部(小鍔)を省略したものがある(特許文献1)。内輪において小径側の鍔部を省略すれば、その省略した分だけ円すいころの軸方向長さを大きくとることができ、負荷容量の増加を図ることができる。この型式の軸受では、図7や図8に示すように、円すいころの組立中に、円すいころが脱落しないように、大径側の鍔部31に係合する引っ掛け部30を保持器24に設けている。この引っ掛け部30は、扁平な矩形片からなり、円周方向等間隔に複数設けられる。なお、図7において、21は内輪、22は外輪、23は円すいころ、24は保持器、25は、大径側環状部、26は小径側環状部、27は柱部である。
引っ掛け部30と切欠部32との間には軸方向および半径方向に僅かな隙間があり、これより保持器24は軸方向および半径方向に僅かに移動可能である。すなわち、運転中においては保持器24が内輪21の鍔部31に非接触状態となり非運転中においては保持器24が鍔部31に引っ掛かる。
実開昭58−165324号公報
ところで、引っ掛け部30を設けた保持器24は、形状が複雑であり、樹脂保持器の場合では、成形しにくく、成形金型によって引っ掛け部30の大きさ、位置等が制限される。このため、引っ掛け部30として機能する保持器24の一体成形が困難であった。また、金属製保持器でも、同様に成形性に劣るとともに、引っ掛け部30の成形のための打ち抜きによる材料の無駄等が生じていた。
また、図7に示す円すいころ軸受の組立ては、次に記載する方法で行われる。まず、各保持器24のポケット28に円すいころ23を収納する。その後、この保持器24と円すいころ23の組合体に、内輪21を内嵌する。換言すると、保持器24と円すいころ23との組合体を内輪21に外嵌する。このため、図7のように引っ掛け部30を設けたものでは、保持器24に円すいころ23を並べる際、引っ掛け部30が邪魔となって、従来機での組立性が悪くなるという課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みて、引っ掛け部として機能するものを確実に成形でき、また円すいころの組込性の向上を図ることができ、しかも、ころ軸方向長さの延長が可能となって、定格荷重のアップを図ることができる円すいころ軸受及びその製造方法を提供する。
本発明の円すいころ軸受は、内輪と、外輪と、内輪と外輪との間に転動自在に配された複数の円すいころと、円すいころを円周所定間隔に保持する保持器とを備え、内輪の外径面の大径側にのみ前記円すいころを案内する鍔部を設けた円すいころ軸受であって、前記保持器は、大径側環状部と、小径側環状部と、大径側環状部と小径側環状部とを連結する柱部とからなる樹脂製の保持器本体と、前記内輪の鍔部に係合する引っ掛け部材とを備え、保持器本体の大径側環状部に周方向溝を設けるとともに、周方向溝に嵌合されるはめ込み部を引っ掛け部材に設けたものである。
本発明の円すいころ軸受によれば、従来において存在していた内輪の小径側の鍔部およびぬすみ部を省略したものである。このため、この省略する鍔部およびぬすみ部分だけ、軌道面を大きくとることができる。また、保持器に内輪の鍔部に係合する引っ掛け部材を設けたので、円すいころが小端側へ脱落するのを防止できる。
また、保持器本体と引っ掛け部材とを別に成形することができる。これによって、種々の大きさの引っ掛け部を成形することができ、引っ掛け部の位置としても周方向に任意の位置に設けることができる。
前記引っ掛け部材は、リング部と、このリング部から内径方向へ突出する突出片とからなり、前記はめ込み部がリング部の外周縁部で構成されるとともに、この外周縁部が保持器本体の大径側環状部に設けられた周方向溝に嵌合するものである。このため、周方向の位置あわせを行うことなく、リング部の外周縁部であるはめ込み部を周方向溝に嵌合させることができる。
前記引っ掛け部材はリング体からなり、前記はめ込み部がリング体の外周縁部で構成されるとともに、この外周縁部が保持器本体の大径側環状部の内径面に設けられた周方向溝に嵌合するものである。この場合も、周方向の位置合わせを行うことなく、リング体の外周縁部であるはめ込み部を周方向溝に嵌合させることができる。
前記周方向溝は、底壁と、軸方向内方側の内側周壁と、軸方向外方側の外側周壁とから構成できる。また、周方向溝としては、底壁と、軸方向内方側の内側周壁とから構成して、底壁の反内側周方向壁側の端縁部に、前記外周縁部が係合する突隆部を設けたものであってもよい。
引っ掛け部材が矩形平板体からなり、この矩形平板体が前記保持器本体に設けられた嵌合部に嵌合するものとすることができる。これにより、引っ掛け部材を構成するための材料を少なくすることができる。
前記引っ掛け部材を金属製としたり、樹脂製としたりすることができる。特に、樹脂製とした場合、用いる樹脂をPPSとすることができる。PPS(ポリフェニレンスルフィド)は、約280℃の融点を有する結晶性ポリマーで極めて高い耐熱性、強度、剛性、優れた寸法安定性が得られ、同時に熱可塑性樹脂としての優れた成形加工性を備えた耐熱エンジニアリングプラスチックである。
本発明の円すいころ軸受の製造方法では、内輪と、外輪と、内輪と外輪との間に転動自在に配された複数の円すいころと、円すいころを円周所定間隔に保持する保持器とを備え、内輪の外径面の大径側にのみ前記円すいころを案内する鍔部を設けた円すいころ軸受の製造方法であって、円すいころを収納するポケットを有し、かつ大径側に周方向溝を有する保持器本体と、内輪の鍔部の外側面に係合する引っ掛け部材とを別々に形成した後、内輪の鍔部の外側面に係合する引っ掛け部材を前記周方向溝に嵌合するものである。
内輪の鍔部の外側面に係合する引っ掛け部材を保持器本体に嵌合する前に、保持器本体のポケットに円すいころを収納することができる。
本発明の円すいころ軸受の製造方法によれば、軸受組立の際、まず、保持器本体に円すいころを収納した後、引っ掛け部材を保持器本体に大径側から嵌合させることができるため、円すいころを保持器本体に収納する際、引っ掛け部材が邪魔になることがない。しかも、引っ掛け部材を保持器本体に大径側外方から嵌合させることができるので、円すいころの収納作業後には、引っ掛け部材を保持器本体に組付けることができる。なお、引っ掛け部材のはめ込み部を保持器本体の周方向溝に嵌合した後、ころを保持器本体のポケットに収納してもよい。
本発明の円すいころ軸受は、従来において存在していた内輪の小径側の鍔部を省略したものである。このため、この省略する鍔部分の軽量化を図ることができる。さらに、省略した小径側の鍔部及びぬすみ部分だけ、軌道面が大きくなり、これによって円すいころの軸心長さを長くでき、負荷容量を向上させることができて、長寿命化を達成することができる。
特に、保持器本体と引っ掛け部材とを別に成形することができて、種々の大きさの引っ掛け部材を成形することができ、引っ掛け部材の位置としても周方向に任意の位置に設けることができる。このため、引っ掛け部材として機能する保持器を確実に成形することができる。しかも、任意の位置に引っ掛け部材を設けることができ、油の循環性向上や強度向上を図ったりすることができる。
前記はめ込み部がリング部やリング体の外周縁部で構成されるとともに、この外周縁部が保持器本体の大径側環状部に設けられた周方向溝に嵌合するものである。このため、引っ掛け部材を容易に保持器本体に接合することができて組込性の向上を図ることができ、しかも、引っ掛け部材のはめ込み部を周方向溝に嵌合させる際、位置合わせが不要となって、一層組込性の向上を図ることができる。
前記周方向溝を、底壁と、軸方向内方側の内側周壁と、軸方向外方側の外側周壁とから構成した場合、はめ込み部の嵌合状態、及び内輪の鍔部への係合状態が安定して、外輪への組立性の向上を図ることができる。また、底壁の反内側周方向壁側の端縁部に、前記外周縁部が係合する突隆部を設けたものでは、引っ掛け部材の保持器本体へのはめ込み力が小さくて済み、引っ掛け部材の組み込み性の向上を図ることができる。
引っ掛け部材が矩形平板体であれば、引っ掛け部材を構成するための材料を少なくすることができ、軽量化を図るとともに、コスト低減に寄与する。
前記引っ掛け部材を金属製とすることができる。これにより、引っ掛け部材の強度が大となる。さらに、引っ掛け部材が矩形平板体である場合に、保持器の製造工程により生じるブランク(鉄板を打抜いた屑)を引っ掛け部材に利用することができる。このため、歩留まりの向上を図ることができるとともに、製造コストの低減を図ることができる。しかも、保持器本体の形状も複雑なものではないので、成形性に優れるとともに、打ち抜きによる材料の無駄を無くすことができる。
また、前記引っ掛け部材を樹脂製とすることができる。樹脂製保持器は金属製に比べ保持器重量が軽く、自己潤滑性があり、摩擦係数が小さいという特徴があるため、軸受内に介在する潤滑油の効果と相俟って、保持器の摩耗の発生を抑えることが可能になる。また、軸受起動時のトルク損失の低減に好適である。特に、PPS製の保持器とした場合には、耐熱性、剛性等に優れたものとなる。
本発明の円すいころ軸受の製造方法によれば、円すいころを保持器本体に収納する際に、引っ掛け部材がないので、引っ掛け部材による円すいころの収納作業の妨げがなく、組込性の向上を図ることができる。また、円すいころの収納作業終了後に、引っ掛け部材を保持器本体に組み付けて保持器が内輪から外れるのを防止して、円すいころの離脱を防止できる。これによって、内輪ところと保持器との組付体の外輪への組み込み性の向上を図ることができる。
以下本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1は、本発明にかかる円すいころ軸受の実施形態を示し、この円すいころ軸受は、内輪51と、外輪52と、内輪51と外輪52との間に転動自在に配された複数の円すいころ53と、円すいころ53を円周所定間隔に保持する保持器54とを備える。
内輪51はその外径面に円すい状の軌道面55を有し、軌道面55の大径側に外径側へ突出する鍔部56が形成され、この鍔部56の外径面に切欠部63を設けている。軌道面55と鍔部56との間のコーナ部にはぬすみ部57を形成している。また、鍔部56の内面(つまり小径側の側面)56aは、軸受軸心Pと直交する平面に対して所定角度だけ傾斜している。すなわち、図1に示すように、円すいころ53を内輪51の軌道面55に嵌合させた場合、ころ53の周壁53aが軌道面55に接触(当接)するとともに、円すいころ53の大端面53bが鍔部56の内面56aに接触(当接)するように、軌道面55と鍔部56の内面56aとが成す角度を、ころ53の周壁53aが成す角度に合わせている。このため、鍔部56は、円すいころ53を通じてかかるアキシャル荷重を受けて、円すいころ53を回転案内する。
外輪52はその内径面に円すい状の軌道面58を有し、この軌道面58と内輪51の軌道面55との間を、保持器54で保持された複数の円すいころ53が転動することになる。
この円すいころ軸受では、円すいころ53と内外輪51、52の軌道面55、58とが線接触しており、内・外輪軌道面55、58およびころ中心線Oの延長線が軸心P上の一点(図示せず)に一致するよう設計される。
保持器54は、図1と図2に示すように、樹脂製の保持器本体61と、引っ掛け部材62とを備える。保持器本体61は、大径側環状部54aと、小径側環状部54bと、大径側環状部54aと小径側環状部54bとを連結する柱部54cとからなる。柱部54cの相互間に円すいころ53を保持するポケット54dが形成されている。保持器本体61の大径側環状部54aの先端部には、周方向溝64が形成されている。すなわち、この周方向溝64は、底壁65と、軸方向内方側の内側周壁66と、軸方向外方側の外側周壁67とからなる。
また、引っ掛け部材62は、図3に示すように、リング部69と、このリング部69から内径方向へ突出して周方向に沿って所定ピッチ(例えば、60°ピッチ)で配設された突出片70とからなる。そして、図2において、はめ込み部68をリング部69の外周縁部で構成するとともに、この外周縁部が保持器本体61の大径側環状部54aに設けられた周方向溝64に嵌合している。
そして、前記突出片70が、内輪51の鍔部56の切欠部63に係合している。この際、突出片70と切欠部63との間には軸方向および半径方向に僅かな隙間があり、これにより保持器54は軸方向および半径方向に僅かに移動可能である。すなわち、この引っ掛け部材62は、運転中においては内輪51の鍔部56に非接触状態となり非運転中においては内輪51の鍔部56に引っ掛かる。
また、突出片70の外端面70aを、内輪51の大径側の端面51aと同一面上に配置するか、内輪51の大径側の端面51aよりも軸方向内方に位置させる。なお、外輪52のころ53の大端面53b側の端面52aを、内輪51の端面51aよりも軸方向内方に位置させる。
ところで、引っ掛け部材62は、金属板をプレス加工して製作したものであっても、合成樹脂材を成型したものであってもよい。金属板としては、SPHC等の熱間圧延鋼、SPCC等の冷間圧延鋼、SPB2等の冷間圧延鋼や軸受用みがき帯鋼等を使用することができる。また、合成樹脂材としてはPPS製とするのが好ましい。なお、PPS(ポリフェニレンスルフィド)は、約280℃の融点を有する結晶性ポリマーで極めて高い耐熱性、強度、剛性、優れた寸法安定性が得られ、同時に熱可塑性樹脂としての優れた成形加工性を備えた耐熱エンジニアリングプラスチックである。
次に、この円すいころ軸受の組立方法を説明する。まず、保持器54の各ポケット54dに円すいころ53を収納する。各円すいころ53を保持器54のポケット54dに収納した後、図2に示すように、引っ掛け部材62のはめ込み部68を、保持器本体61の大径側環状部54aの周方向溝64へ大径側から嵌合させて係合する。
そして、この保持器54と円すいころ53との組合体に、内輪51を内嵌する。換言すると、保持器54と円すいころ53との組合体を内輪51に外嵌する。この際、突出片70を内輪51の切欠部63に嵌合させる必要がある。
その後、内輪51と円すいころ53と保持器54との組合体に外輪52を組合せることによって、内輪51と円すいころ53と保持器54と外輪52とが一体化された円すいころ軸受を組み立てることができる。
このように、本発明では、従来において存在していた内輪51の小径側の鍔部およびぬすみ部を省略したものである。このため、この省略する鍔部分、軽量化を図ることができる。また、この省略する鍔部およびぬすみ部分だけ、軌道面55を大きくとることができて、円すいころ53の軸心長さを長くでき、負荷容量を向上させることができ、長寿命化を達成することができる。さらに、保持器54に内輪51の鍔部56に係合する引っ掛け部材62を設けたので、円すいころ53が小端側へ脱落するのを防止できる。
保持器本体61と引っ掛け部材62とを別に成形することができて、種々の大きさの引っ掛け部材62を成形することができ、引っ掛け部材62の位置としても周方向に任意の位置に設けることができる。このため、引っ掛け部材62として機能する保持器54を確実に成形することができる。しかも、任意の位置に引っ掛け部材62を設けることができ、油の循環性向上や強度向上を図ったりすることができる。また、保持器本体61の形状も複雑なものではないので、保持器本体61が樹脂製であれば、成形金型の形状は比較的簡単な形状でよく、低コストで製造することができる。
軸受組立の際、まず、保持器本体61に円すいころ53を収納した後、引っ掛け部材62を保持器本体61に大径側から嵌合させることができ、円すいころ53を保持器本体61に収納する際、引っ掛け部材62が邪魔になることがない。すなわち、円すいころ53を保持器本体61に収納する際に、引っ掛け部材62がないので、引っ掛け部材62による円すいころ53の収納作業の妨げがなく、組込性の向上を図ることができる。また、円すいころ53の収納作業終了後に、引っ掛け部材62を保持器本体61に大径側外方から嵌合させるので、保持器54が内輪51から外れるのを防止して、ころ53の離脱を確実に防止できる。これによって、内輪51ところ53と保持器54との組付体の外輪52への組込性の向上を図ることができる。
前記引っ掛け部材62は、リング部69と、このリング部69から内径方向へ突出する突出片70とからなり、前記はめ込み部68がリング部69の外周縁部で構成されるとともに、この外周縁部が保持器本体61の大径側環状部に設けられた周方向溝64に嵌合するものである。このため、周方向の位置あわせを行うことなく、リング部69の外周縁部であるはめ込み部68を周方向溝64に嵌合させることができる。これにより、引っ掛け部材62を容易に保持器本体61に接合することができて組込性の向上を図ることができ、しかも、引っ掛け部材62のはめ込み部68を周方向溝64に嵌合させる際、位置合わせが不要となって、一層組込性の向上を図ることができる。
前記周方向溝64は、底壁65と、軸方向内方側の内側周壁66と、軸方向外方側の外側周壁67とから構成できる。この場合、はめ込み部68の嵌合状態、及び内輪51の鍔部56への係合状態が安定して、外輪52への組立性の向上を図ることができる。
引っ掛け部材62が矩形平板体からなり、この矩形平板体が前記保持器本体61に設けられた嵌合部に嵌合するものとすることができる。これにより、引っ掛け部材62を構成するための材料を少なくすることができ、軽量化を図るとともに、コスト低減に寄与する。
前記引っ掛け部材62を金属製とすることができる。これにより、引っ掛け部材62の強度が大となる。さらに、引っ掛け部材62が矩形平板体である場合に、保持器54の製造工程により生じるブランク(鉄板を打抜いた屑)を引っ掛け部材に利用することができる。このため、歩留まりの向上を図ることができるとともに、製造コストの低減を図ることができる。しかも、保持器本体61の形状も複雑なものではないので、成形性に優れるとともに、打ち抜きによる材料の無駄を無くすことができる。
前記引っ掛け部材62を樹脂製とすることができる。樹脂製保持器は金属製に比べ保持器重量が軽く、自己潤滑性があり、摩擦係数が小さいという特徴があるため、軸受内に介在する潤滑油の効果と相俟って、保持器の摩耗の発生を抑えることが可能になる。また、軸受起動時のトルク損失の低減に好適である。特に、PPS製の保持器とした場合には、引っ掛け部材62は耐熱性、剛性等に優れたものとなる。
なお、前記引っ掛け部材62はリング体からなり、前記はめ込み部68をリング体の外周縁部で構成することができる。この場合、外周縁部が保持器本体61の大径側環状部54aの内径面に設けられた周方向溝64に嵌合するものである。この場合も、周方向の位置合わせを行うことなく、リング体の外周縁部であるはめ込み部68を周方向溝64に嵌合させることができる。このため、引っ掛け部材62を容易に保持器本体61に接合することができて組込性の向上を図ることができ、しかも、引っ掛け部材62のはめ込み部68を周方向溝64に嵌合させる際、位置合わせが不要となるため、一層組込性の向上を図ることができる。
また、周方向溝68としては、図2と図4に示すように、底壁65と、軸方向内方側の内側周壁66とから構成して、底壁65の反内側壁側の端縁部に、前記外周縁部が係合する突隆部80を設けたものであってもよい。この場合、引っ掛け部材62の保持器本体61へのはめ込み力が小さくて済み、引っ掛け部材62の組み込み性の向上を図ることができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、突出片70の数としては、1箇所以上有していれば、6箇所に限られるものではない。引っ掛け部材62の形状としては、長方形、正方形、三角形、扇形、半円形等種々の形状を採用することができる。また、引っ掛け部材62の位置として、油の流動性を考慮するとポケット54dの位置と一致しているものが望ましいが、ポケット54dの位置とずれているものであってもよく、複数の柱部54cに跨った大きさのものであってもよい。切欠部63として、実施形態では、内輪51の大径側の端面に開口しているが、この端面に開口させずに、鍔部56の外径面に形成される環状の凹溝にて構成してもよい。
また、保持器本体61に円すいころ53を収納して、内輪51に組み込んだ後、引っ掛け部材62を組み込んでもよい。また、保持器64のポケット54dの数は、保持される円すいころ53の数に応じて種々変更できる。また、柱部54cの長さや肉厚寸法等も、円すいころ53を保持することが可能な限り種々変更できる。
この円すいころ軸受は、自動車のデファレンシャルやトランスミッションに用いることができる他、従来から円すいころ軸受を用いることができる種々の部位に用いることができる。なお、この円すいころ軸受として、単列のものであっても複列のものであってもよい。
本発明の実施形態を示す円すいころ軸受の要部断面図である。 前記図1の円すいころ軸受の要部拡大断面図である。 前記図1の円すいころ軸受の要部側面図である。 本発明の他の実施形態を示す円すいころ軸受の要部側面図である。 従来の円すいころ軸受の断面図である。 前記図5の円すいころ軸受の保持器の斜視図である。 従来の他の円すいころ軸受の要部断面図である。 従来の他の円すいころ軸受の要部側面図である。
符号の説明
51 内輪
52 外輪
53 円すいころ
54 保持器
54a 大径側環状部
54b 小径側環状部
54c 柱部
56 鍔部
61 保持器本体
62 引っ掛け部材
69 リング部
73 切欠部
71 係止片部
72 嵌合片部
75 係合構造
79 凹部
80 薄肉部

Claims (11)

  1. 内輪と、外輪と、内輪と外輪との間に転動自在に配された複数の円すいころと、円すいころを円周所定間隔に保持する保持器とを備え、内輪の外径面の大径側にのみ前記円すいころを案内する鍔部を設けた円すいころ軸受であって、
    前記保持器は、大径側環状部と、小径側環状部と、大径側環状部と小径側環状部とを連結する柱部とからなる樹脂製の保持器本体と、前記内輪の鍔部に係合する引っ掛け部材とを備え、
    保持器本体の大径側環状部に周方向溝を設けるとともに、前記周方向溝に嵌合されるはめ込み部を引っ掛け部材に設けたことを特徴とする円すいころ軸受。
  2. 前記引っ掛け部材は、リング部と、このリング部から内径方向へ突出する突出片とからなり、前記はめ込み部がリング部の外周縁部で構成されるとともに、この外周縁部が保持器本体の大径側環状部に設けられた周方向溝に嵌合することを特徴とする請求項1の円すいころ軸受。
  3. 前記引っ掛け部材はリング体からなり、前記はめ込み部がリング体の外周縁部で構成されるとともに、この外周縁部が保持器本体の大径側環状部の内径面に設けられた周方向溝に嵌合することを特徴とする請求項1の円すいころ軸受。
  4. 前記周方向溝は、底壁と、軸方向内方側の内側周壁と、軸方向外方側の外側周壁とからなることを特徴とする請求項2又は請求項3の円すいころ軸受。
  5. 前記周方向溝は、底壁と、軸方向内方側の内側周壁とから構成され、底壁の反内側周方向壁側の端縁部に、前記外周縁部が係合する少なくとも1個の突隆部を設けたことを特徴とする請求項2又は請求項3の円すいころ軸受。
  6. 引っ掛け部材が矩形平板体からなり、この矩形平板体が前記保持器本体に設けられた嵌合部に嵌合することを特徴とする請求項1の円すいころ軸受。
  7. 前記引っ掛け部材は金属製であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項の円すいころ軸受。
  8. 前記引っ掛け部材は樹脂製であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項の円すいころ軸受。
  9. 前記保持器に用いる樹脂をPPSとしたことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項の円すいころ軸受。
  10. 内輪と、外輪と、内輪と外輪との間に転動自在に配された複数の円すいころと、円すいころを円周所定間隔に保持する保持器とを備え、内輪の外径面の大径側にのみ前記円すいころを案内する鍔部を設けた円すいころ軸受の製造方法であって、
    円すいころを収納するポケットを有し、かつ大径側に周方向溝を有する保持器本体と、内輪の鍔部の外側面に係合する引っ掛け部材とを別々に形成した後、前記引っ掛け部材を前記周方向溝に嵌合することを特徴とする円すいころ軸受の製造方法。
  11. 内輪の鍔部の外側面に係合する引っ掛け部材を保持器本体に嵌合する前に、保持器本体のポケットに円すいころを収納することを特徴とする請求項10の円すいころ軸受の製造方法。
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