JP2010284771A - 深孔加工機の長尺ドリル支持構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数のブシュ取付体の進退にシリンダ装置を用いない、小型で簡単な構造であり、衝突による破損を防止できる深孔加工機のガンドリル支持構造を提供する。
【解決手段】 主軸6の進退により複数のブシュ取付体14、15を進退するので、主軸6を駆動する駆動源1つだけで済むので構造が簡単で安価になると共に小型にできる。また、1つの駆動源でも、ブシュ取付体14、15の後退時に解除部材36、37に係合部材17、19が当接することで、ブシュ取付体14、15と係合部材17、19との係合が解除され、加工開始時の元の位置に夫々のブシュ取付体14、15を戻すことができる。また、係合部材17、19に移動可能に備えたシャフト21、27を付勢部材26、34により軸線方向へ付勢したことにより、干渉による機械の破損を防止することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、長尺ドリルの振れ止めのための中間ブシュを備えたブシュ取付体を主軸の軸線方向に移動可能に設けた深孔加工機の長尺ドリル支持構造に関する。
従来の長尺ドリルにより深孔加工を行う際に、長尺ドリルが撓んで振れるのを防止するために、長尺ドリルの振れ止めのための中間ブシュ(振れ止めブッシュ)を備えたブシュ取付体を備えた深孔加工機(ガンドリルマシン)の長尺ドリル支持構造が知られている。特許文献1に記載された構造のものでは、切粉を排出するチップボックスの上部開口部から挿通された1つの振れ止めアーム(ブシュ取付体)の先端部に嵌入された中間ブシュによってドリル中間位置が支持されている。振れ止めアームは、バーを介して主軸台に一体に接続されており、主軸台の動きに合わせて位置を変える構造となっている。
また、より深い深孔加工を行う場合には、その加工に合わせて長尺の長尺ドリルを使うことになるが、その場合、特許文献1のように1つの中間ブシュだけで長尺ドリルを支持するだけでは十分に振れるのを防止することができない。そのため、複数の中間ブシュを設ける必要がある。そのような複数の中間ブシュを夫々備えた複数のブシュ取付体を備えた深孔加工機として、特許文献2に記載された構造のものが知られている。各中間ブシュは、下方の支持台(ブシュ取付体)に夫々設けられ、各支持台は夫々に設けたシリンダ装置の作動により主軸台軸線方向に往復動する。ドリルを回転させながら主軸台を前進させると、主軸台の当接部が1つ目の支持台の当接板に当接し、この支持台は主軸台と共に前進する。そして前述と同様に、1つ目の支持台が2つ目の支持台に当接すると2つ目の支持台が前進し、2つ目の支持台が3つ目の支持台に当接すると3つ目の支持台が前進し、ワークをドリル加工する。加工が終了したら、主軸台を後退させ、支持台は各々のシリンダ装置をストロークエンドまで収縮させて後退させる構造となっている。
特開2005−125450号公報 特許第2995305号公報
特許文献2に記載のものでは、ブシュ取付体を元の位置に後退する時に夫々に備えられたシリンダ装置により後退しているので、駆動源が複数必要となる問題がある。また、複数のシリンダ装置を備えていることで配管等により構造が複雑になるため高価となる。また、シリンダ装置を備えていることで場所をとり、深孔加工機を大きくする問題がある。さらには、複数のシリンダ装置を備えていることにより、ワークの長さに対応してドリル長を変更したとき、ドリル長によってブシュによるドリルの支持位置を調整するため各シリンダ装置のシリンダストロークを調整しなければならないため、ブシュによる支持位置の調整の段取りに時間がかかる問題がある。また、そのシリンダストロークやドリル長の変更による主軸台の移動距離の調整忘れや誤りによって、治具とブシュ取付体主軸台との干渉による機械の破損の恐れがある。
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、複数のブシュ取付体の進退にシリンダ装置を用いない、小型で簡単な構造でドリルが撓んで振れるのを防止でき、複数のブシュの位置決め段取り時間を短くでき、衝突による破損を防止できる深孔加工機のガンドリル支持構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1の課題解決手段は、長尺ドリルが装着された主軸を支承する主軸台と主軸の前方に配設したワークを保持する治具との間に、長尺ドリルの振れ止めのための中間ブシュを備えた複数のブシュ取付体を主軸の軸線方向に移動可能に設け、主軸と治具との間で主軸台の前進により隣り合うブシュ取付体同士を当接して順次ワークに向けて前進させ、加工終了後にブシュ取付体と主軸台を加工開始時の元の位置に後退するように構成した深孔加工機の長尺ドリル支持構造において、主軸台の前進により主軸台と前方のブシュ取付体とを係合し、更に主軸台が前進することにより順次前方のブシュ取付体を係合して複数のブシュ取付体を一体に前進し、主軸台の後退により前方のブシュ取付体が加工開始時の元の位置に位置したとき、順次後方のブシュ取付体との係合を解除して前方のブシュ取付体を元の位置に位置させ、更に主軸台の後退により主軸台とブシュ取付体との係合を解除するように構成したことである。
また、第2の課題解決手段は、前記主軸台と前記ブシュ取付体とに、隣り合う前側のブシュ取付体と係合して前側のブシュ取付体を進退する係合部材を夫々設け、各ブシュ取付体の加工開始時の元の位置にブシュ取付体と係合部材との係合を解除する解除部材を夫々設け、主軸台の前進により係合部材とブシュ取付体を係合してワークに向けて前進し、主軸台の後退により係合部材と係合したブシュ取付体をブシュ取付体が加工開始時の元の位置に位置したとき、解除部材によりブシュ取付体と係合部材との係合を解除するように構成したことである。
また、第3の課題解決手段は、前記係合部材は、主軸台及びブシュ取付体に主軸の軸線方向に移動可能に設けられたシャフトと、シャフトを主軸の軸線方向前方に付勢する付勢部材とを備えていることである。
また、第4の課題解決手段は、前記各解除部材を主軸の軸線方向に移動可能に設け、前記治具を主軸台側から配置した右ワーク保持台と左ワーク保持台から構成し、主軸台側の右ワーク保持台を主軸の軸線方向に移動可能に設け、ワーク長に合わせて左、右ワーク保持台間距離を調整可能とし、右ワーク保持台に各解除部材を連結部材により連結し、右ワーク保持台の移動と共に各解除部材が移動するように構成したことである。
本願の請求項1の発明では、主軸台の前進により主軸台と前方のブシュ取付体とを係合し、更に主軸台が前進することにより順次前方のブシュ取付体を係合して複数のブシュ取付体を一体に前進し、主軸台の後退により前方のブシュ取付体が加工開始時の元の位置に位置したとき、順次後方のブシュ取付体との係合を解除して前方のブシュ取付体を元の位置に位置させ、更に主軸台の後退により主軸台とブシュ取付体との係合を解除するように構成した。これらによれば、主軸の進退により複数のブシュ取付体を進退するので、従来のような、複数のブシュ取付体に夫々に備えられたシリンダ装置が不要となり、ブシュ取付体を進退する駆動源が主軸を駆動する駆動源1つだけで済み、配管等も不要となって構造が簡単で安価になると共に小型にできる。また、本願の請求項2の発明では、前記主軸台と前記ブシュ取付体とに、隣り合う前側のブシュ取付体と係合して前側のブシュ取付体を進退する係合部材を夫々設け、各ブシュ取付体の加工開始時の元の位置にブシュ取付体と係合部材との係合を解除する解除部材を夫々設け、主軸台の前進により係合部材とブシュ取付体を係合してワークに向けて前進し、主軸台の後退により係合部材と係合したブシュ取付体をブシュ取付体が加工開始時の元の位置に位置したとき、解除部材によりブシュ取付体と係合部材との係合を解除するように構成した。これらによれば、1つの駆動源でも、ブシュ取付体の後退時に解除部材に係合部材が当接することで、ブシュ取付体と係合部材との係合が解除され、加工開始時の元の位置に夫々のブシュ取付体を戻すことができる。また、本願の請求項3の発明では、前記係合部材は、主軸台及びブシュ取付体に主軸の軸線方向に移動可能に設けられたシャフトと、シャフトを主軸の軸線方向前方に付勢する付勢部材とを備えているようにした。これらによれば、係合部材に移動可能に備えたシャフトを付勢部材により軸線方向へ付勢したことにより、ワーク長の変更に対応して主軸台の移動距離を調整し忘れて衝突したとしても付勢部材に抗してシャフトが後退するので、干渉による機械の破損を防止することができる。また、本願の請求項4の発明では、前記各解除部材を主軸の軸線方向に移動可能に設け、前記治具を主軸台側から配置した右ワーク保持台と左ワーク保持台から構成し、主軸台側の右ワーク保持台を主軸の軸線方向に移動可能に設け、ワーク長に合わせて左、右ワーク保持台間距離を調整可能とし、右ワーク保持台に各解除部材を連結部材により連結し、右ワーク保持台の移動と共に各解除部材が移動するように構成した。これらによれば、右ワーク保持台に各解除部材を連結し、右ワーク保持台の移動と共に各解除部材が一体に移動するようにしたことにより、解除部材のワーク長毎に合わせた位置決め調整が右ワーク保持台と連動して行われる。これにより、ワーク長が変更されたとき、ブシュ取付体を適宜解除部材の近傍に位置させ、ワーク加工後主軸台の後退により、ブシュ取付体の位置決めが行われるので、ブシュの位置決めの段取り時間が極めて短くなる。
本発明の深孔加工機を示す全体図である。 図1のII視図である。 第1係合部材の拡大図である。 第2係合部材の拡大図である。 (a)は加工開始時の元の位置にある状態を示し、(b)は第1係合部材が第1ブシュ取付体に係合した状態を示す図である。 (c)は第2係合部材が第2ブシュ取付体に係合した状態を示し、(d)は加工終了時の位置にある状態を示す図である。
本願発明の実施の形態について、図1〜図6により説明する。図1および図2に示す本実施形態の深孔加工機1は、長尺ドリルによりワークWを左右方向(スピンドル軸線方向)に深孔加工する工作機械であり、ガンドリルマシンとも称されるものである。深孔加工機1のベッド2上には、ガイドレール3が左右方向に設けられ、ガイドレール3上を主軸台4が左右方向に摺動可能にガイドされている。ガイドレール3の右端にはサーボモータ5が配置され、このサーボモータ5に直結されたボールねじ(図示せず)によって、主軸台4は摺動可能に往復動する。主軸台4には、スピンドル(主軸)6がプーリ7、7とベルト8を介して主軸台4上部の主軸用モータ9によって回転可能に設けられている。ベッド2上には、ワークを保持する治具である左右ワーク保持台10、11が配置され、左右クランプ部10a、11aにて左右両側からワークWをクランプする。左ワーク保持台10はベッド2に固定され、右ワーク保持台11はワークWのワーク長に合わせてベッド2上を左右方向に移動可能に設けられている。主軸台4のスピンドル6の先端には、長尺ドリル12が装着されている。この長尺ドリル12の先端側は右ワーク保持台11に設けられたガイドブシュ13で支持され、長尺ドリル12は右ワーク保持台11内を挿通してワークWを深孔加工可能となっている。
スピンドル6とガイドブシュ13との間には、第1ブシュ取付体14、第2ブシュ取付体15がガイドレール3上を左右方向に摺動可能に設けられている。第1、第2ブシュ取付体14、15の上部には、長尺ドリル12の振れ止めのための中間ブシュ16が夫々設けられ、長尺ドリル12の中間部を摺動可能に支持している。
主軸台4の側面4aには、第1係合部材17が設けられている。第1ブシュ取付体14の側面14aには、第1係合ピン18および第2係合部材19が設けられている。第2ブシュ取付体15の側面15aには、第2係合ピン20が設けられている。
第1係合部材17は、図3に示すように、シャフト21が主軸台4に固定されたシャフトホルダ22にて左右方向に摺動可能に支持され、シャフト21の左側先端にはリンク23が設けられている。リンク23には、図3に二点鎖線で示すように、フック部材24が上下方向に揺動可能に、ピン25で支持されている。フック部材24は、先端側から右下がりの傾斜面24aと、凹形状のフック部24dと、右下がりの傾斜面24bと、右上がりの傾斜面24cとが形成されている。シャフト21のリンク23とシャフトホルダ22との間にはコイルばね26が設けられ、コイルばね26により、シャフト21が図3において左方向(軸線方向前方)へ付勢されている。シャフト21の図3において右側にはストッパ21aが設けられ、シャフト21の左方向への抜け防止および回り止めとなっている。
第2係合部材19は、シャフト27が第1ブシュ取付体14に固定されたシャフトホルダ28にて左右方向に摺動可能に支持され、シャフト27の左側先端にはリンク29が設けられている。リンク29には、図4に二点鎖線で示すように、フック部材30が上下方向に揺動可能に、ピン31で支持されている。フック部材30は、先端側から右下がりの傾斜面30aと、凹形状のフック部30dと、右下がりの傾斜面30bと、右上がりの傾斜面30cとが形成されている。また、ロッド32がシャフトホルダ28にて左右方向に摺動可能に支持され、ロッド32の図4において左側の先端にはブロック33が設けられ、ブロック33はリンク29に固定されている。このロッド32のブロック33とシャフトホルダ28との間にはコイルばね34が設けられ、コイルばね34により、シャフト27が図4において左方向へ付勢されている。シャフト27の図4において右端にはストッパ27aが設けられ、シャフト27の左方向への抜け防止となっている。また、シャフトホルダ28とロッド32によりシャフト27の回り止めとなっている。
深孔加工機1のベッド2上には、図1において紙面に対して垂直方向手前側に、ガイドレール35が左右方向に設けられ、ガイドレール35上を第1位置決めローラー36、第2位置決めローラー37、および後進端検知スイッチ38が左右方向に摺動可能にガイドされている。また、第1位置決めローラー36、第2位置決めローラー37、および後進端検知スイッチ38は、右ワーク保持台11から伸びる連結部材39に連結され、右ワーク保持台11と連動して左右に移動する。第1位置決めローラー36、第2位置決めローラー37は夫々上端にローラー36a、37aを回転可能に備えている。また、第1位置決めローラー36は、フック部材24の移動軌跡の下側に位置し、第2位置決めローラー37は、フック部材30の移動軌跡の下側に位置している。第1、第2位置決めローラー36、37は後述のように第1、第2ブシュ取付体14、15と第1、第2係合部材17、19との係合を解除する解除部材となっている。尚、主軸台4の側面4aには、後進端検知用ブロック40が設けられている。後進端検知スイッチ38が後進端検知用ブロック40を検知したところがスピンドル6の後進端となる。
次に、前記深孔加工機1の動作について図3〜図6で説明する。図5(a)に示すように、予めワークWが左右ワーク保持台10、11の左右クランプ部10a、11aにクランプされ、長尺ドリル12がスピンドル6に装着されている。主軸台4が左方向に前進すると、主軸台4の側面4aに設けられた第1係合部材17も同時に前進する。第1係合部材17が前進すると、フック部材24の傾斜面24aが第1係合ピン18に当たり、フック部材24が上方に持ち上がる。そして、フック部材24の傾斜面24aが第1係合ピン18を乗り越えて、図5(b)に示すように、フック部24dに第1係合ピン18が入り込んで、第1係合部材17と第1ブシュ取付体14が係合され、主軸台4と第1ブシュ取付体14とが当接した状態となる。さらに、主軸台4が左方向に前進すると、第1係合部材17と一体に第1ブシュ取付体14が前進し、第2係合部材19のフック部材30の傾斜面30aが第2係合ピン20に当たり、フック部材30が上方に持ち上がる。そして、フック部材30の傾斜面30aが第2係合ピン20を乗り越えて、図6(c)に示すように、フック部30dに第2係合ピン20が入り込んで、第2係合部材19と第2ブシュ取付体15が係合され、第1ブシュ取付体14と第2ブシュ取付体15とが当接した状態となる。第1、第2ブシュ取付体14、15と係合して一体となった主軸台4を左方向にさらに前進させてワークWを深孔加工していくと、図6(d)に示すように、第1、第2ブシュ取付体14、15は右ワーク保持台11に当接して前進しきったブシュ前進位置となる。このとき、シャフト21、27は、コイルばね26、34により主軸台4に対して移動できるので、当接しても破損することがない。尚、図6(d)に示すように、第1、第2ブシュ取付体14、15が前進しきったブシュ前進位置において、コイルばね26および34の付勢に抗して主軸台4はさらに前進して深孔加工できる。
深孔加工後、主軸台4を右方向に後退させると、係合して一体となっている第1、第2ブシュ取付体14、15も一緒に後退する。図6(c)の第2ブシュ取付体15の加工開始時の元の位置であるブシュ後退位置まで後退すると、フック部材30の傾斜面30cが第2位置決めローラー37先端のローラー37aに当たってフック部材30が上方に持ち上がり、フック部30dから第2係合ピン20が外れる。つまり、第1ブシュ取付体14の第2係合部材19と第2ブシュ取付体15との係合が解除され、第2ブシュ取付体15は後退する主軸台4および第1ブシュ取付体14から切り離される。よって、第2ブシュ取付体15は加工開始時の元の位置に停止する。さらに、主軸台4を右方向に後退させると、図5(b)の第1ブシュ取付体14の加工開始時の元の位置であるブシュ後退位置で、フック部材24の傾斜面24cが第1位置決めローラー36先端のローラー36aに当たってフック部材24が上方に持ち上がり、フック部24dから第1係合ピン18が外れる。つまり、主軸台4の第1係合部材17と第1ブシュ取付体14との係合が解除され、第1ブシュ取付体14は後退する主軸台4から切り離される。よって、第1ブシュ取付体14は加工開始時の元の位置に停止する。主軸台4をさらに右方向に後退させると、図5(a)に示すように、後進端検知スイッチ38が後進端検知用ブロック40を検知した位置で主軸台4が停止する。
以上のように、主軸台4の進退により、第1、第2ブシュ取付体14、15がブシュ前進位置まで前進し、第1、第2位置決めローラー36、37により第1、第2ブシュ取付体14、15と第1、第2係合部材17、19との係合が解除されて第1、第2ブシュ取付体14、15が夫々加工開始時の元の位置で停止するようにしたことで、第1、第2ブシュ取付体14、15を駆動させる専用の駆動源が不要となり、安価で簡単な構造となると共に、深孔加工機を小型化することができる。また、第1、第2係合部材17、19において各コイルばね26、34を備え、各シャフト21、27が左右方向に夫々摺動可能な構造にしたことによって、ワーク長が変わっても各コイルばね26、34の付勢と各シャフト21、27が摺動することで、ブシュ16を夫々備えた第1、第2ブシュ取付体のワーク長毎に合わせた位置決め調整が不要となり、干渉による機械の破損防止の効果もある。さらに、第1、第2位置決めローラー36、37および後進端検知スイッチ38を右ワーク保持台11に連結させたことにより、右ワーク保持台11と連動して左右に移動するので、ワークWのワーク長が変わっても第1、第2位置決めローラー36、37および後進端検知スイッチ38の位置を個別に調整することが不要である。よって、ワークWのワーク長が一定の範囲内であれば、段取の調整時間を極めて短くできる。
1 深孔加工機
4 主軸台
6 スピンドル(主軸)
10 左ワーク保持台(治具)
11 右ワーク保持台(治具)
12 長尺ドリル
14 第1ブシュ取付体
15 第2ブシュ取付体
16 中間ブシュ
17 第1係合部材
18 第1係合ピン
19 第2係合部材
20 第2係合ピン
21 シャフト
26 コイルばね(付勢部材)
27 シャフト
34 コイルばね(付勢部材)
36 第1位置決めローラー(解除部材)
37 第2位置決めローラー(解除部材)
39 連結部材
W ワーク

Claims (4)

  1. 長尺ドリルが装着された主軸を支承する主軸台と主軸の前方に配設したワークを保持する治具との間に、長尺ドリルの振れ止めのための中間ブシュを備えた複数のブシュ取付体を主軸の軸線方向に移動可能に設け、主軸と治具との間で主軸台の前進により隣り合うブシュ取付体同士を当接して順次ワークに向けて前進させ、加工終了後にブシュ取付体と主軸台を加工開始時の元の位置に後退するように構成した深孔加工機の長尺ドリル支持構造において、主軸台の前進により主軸台と前方のブシュ取付体とを係合し、更に主軸台が前進することにより順次前方のブシュ取付体を係合して複数のブシュ取付体を一体に前進し、主軸台の後退により前方のブシュ取付体が加工開始時の元の位置に位置したとき、順次後方のブシュ取付体との係合を解除して前方のブシュ取付体を元の位置に位置させ、更に主軸台の後退により主軸台とブシュ取付体との係合を解除するように構成したことを特徴とする深孔加工機の長尺ドリル支持構造。
  2. 前記主軸台と前記ブシュ取付体とに、隣り合う前側のブシュ取付体と係合して前側のブシュ取付体を進退する係合部材を夫々設け、各ブシュ取付体の加工開始時の元の位置にブシュ取付体と係合部材との係合を解除する解除部材を夫々設け、主軸台の前進により係合部材とブシュ取付体を係合してワークに向けて前進し、主軸台の後退により係合部材と係合したブシュ取付体をブシュ取付体が加工開始時の元の位置に位置したとき、解除部材によりブシュ取付体と係合部材との係合を解除するように構成したことを特徴とする請求項1記載の深孔加工機の長尺ドリル支持構造。
  3. 前記係合部材は、主軸台及びブシュ取付体に主軸の軸線方向に移動可能に設けられたシャフトと、シャフトを主軸の軸線方向前方に付勢する付勢部材とを備えていることを特徴とする請求項2記載の深孔加工機の長尺ドリル支持構造。
  4. 前記各解除部材を主軸の軸線方向に移動可能に設け、前記治具を主軸台側から配置した右ワーク保持台と左ワーク保持台から構成し、主軸台側の右ワーク保持台を主軸の軸線方向に移動可能に設け、ワーク長に合わせて左、右ワーク保持台間距離を調整可能とし、右ワーク保持台に各解除部材を連結部材により連結し、右ワーク保持台の移動と共に各解除部材が移動するように構成したことを特徴とする請求項2または3記載の深孔加工機の長尺ドリル支持構造。
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