JP2004034450A - 深孔用の孔明工具および孔明機 - Google Patents

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Abstract

【課題】長尺の丸太材および構造材の中心部に約1cm以下の貫通孔を明けることを可能にする孔明工具および孔明機を提供する。
【解決手段】深孔用の孔明工具は、前端の材木用切刃18と、その後方の直進性保持用の円柱部17とを有する刃具部の、上記円柱部の外周面にリード溝1を設け、前端の材木用切刃に圧縮空気を送り、リード溝から切屑を後方へ排出するようにしたことを特徴としている。深孔用孔明機は、長尺材木の取付部と、深孔ドリル付き孔明装置部とを1直線上に備え、上記孔明装置部には深孔ドリル駆動部搭載のスライドテーブルと、前端のドリルガイドブッシュと、深孔ドリル用中間軸受搭載の中間軸受スライドテーブルとを備え、ドリル駆動部が前進する時に中間軸受が深孔ドリルの振止めをするようにしていることを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として木材の乾燥を促進するために木材の中心部に貫通孔を明ける、深孔用の孔明工具および孔明機に関する。
【0002】
【従来の技術】
木材の乾燥方法および乾燥機は種々あるが、乾燥品質(含水率)、乾燥コスト(乾燥時間、設備費など)の点で、現在満足(採算、償却など)できる決定的なものはない。
【0003】
木材(丸太材、構造材など)の中心部に貫通孔を明けて乾燥させると材芯部の脱水が早くなり、良好な(D15以下、即ち含水率が15%以下の)乾燥が早くできるが、貫通孔は小径であることが必要で、大きくなれば強度上の問題が起こり、構造材としては使用できなくなる。
【0004】
一般に丸太材、構造材の長さは約4mで、これに直径3〜4cmの孔を貫通させており、更に長尺(例えば6m)の場合は孔径を大きくしたり、反転して反対側より孔明けして貫通させる方法が採られている。
【0005】
柱材(通し柱)、横架材などとしては、中心部に3cmまたはそれ以上の貫通孔が明いているものは強度上の問題で適用されないが、この貫通孔径が約1cmにできれば、強度上の問題も無くなり、良好な乾燥した木材を提供できることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
長尺の丸太材および構造材の中心部に約1cm以下の貫通孔を明けることを可能にする孔明工具および孔明機を提供しようとするものである。
孔明長さと孔径(d)の比で言えば、従来のものは約100dであるが、本発明は、約350dで、長尺の場合(約400d)でもワンパスで一方からの孔明けを可能にし、しかも、d=約1cmの孔明けをクリヤし、かつ孔明け速度も非常に速くし得るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、前端の材木用切刃と、その後方の直進性保持用の円柱部とを有する刃具部の、上記円柱部の外周面にリード溝を設け、前端の材木用切刃に圧縮空気を送り、リード溝から切屑を後方へ排出するようにしたことを特徴とする深孔用の孔明工具である。
【0008】
請求項2の発明は、円柱部の後端に刃具部より小径で内部が圧縮空気通路となるパイプ状シャンク部を、また上記パイブ状シャンク部の後端にドライバ部を設け、上記パイプ状シャンク部の外周に切屑排出用のスパイラル突条を設けた、請求項1に記載の孔明工具である。
【0009】
請求項3の発明は、切刃を半径位置の異なる複数の仕切刃と、半径方向に延びて上記仕切刃より低い少なくとも1個の切取刃とを設けて切屑を細断するようにした、請求項1に記載の孔明工具である。
【0010】
請求項4の発明は、切刃の中心に上記切刃の中で最も高いセンタードリルを設けた、請求項1に記載の孔明工具である。
【0011】
請求項5の発明は、長尺材木の取付部と、深孔ドリル付き孔明装置部とを1直線上に備え、上記孔明装置部には深孔ドリル駆動部搭載のスライドテーブルと、前端のドリルガイドブッシュと、深孔ドリル用中間軸受搭載の中間軸受スライドテーブルとを備え、ドリル駆動部が前進する時に中間軸受が深孔ドリルの振止めをするようにしていることを特徴とする深孔用孔明機である。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による深孔用孔明工具の1例としての深孔ドリル10の構造を示しており、図1−0は深孔ドリル10の側面図、図1−1は部分拡大図、図1−2は前端面図、図1−3は縦断面図である。深孔ドリル10は図1−0で明らかなように、前端(図の左端)から順次、刃具部11(長さLh、外径d)、ジョイント12(外径d)、パイプ状シャンク部13(外径d’、これは溶着した振止めおよび切屑排出用のスパイラル突条の1例としてのスパイラルワイヤー14を含む外径で、dよりc、例えば1mmだけ小さい)、およびドライバ部15を一体に備え、図5により後述する深孔ドリル駆動部16により矢印X1方向に駆動され、スパイラルワイヤー14の切屑排出勝手のリード角αは、図1−1で明らかなように、刃具部11とジョイント12の直進性保持用の円柱部17に設けたリード溝1、2、3のリード角と、例えば等しくされている。
【0013】
刃具部前面に設けた材木用切刃18は中央にセンタードリルKを備え、このセンタードリルKは図1−3のように刃具部11の中央の穴20に嵌合しかつ止めねじ21により固定され、例えば同じリード角のリード溝22と前端切刃23を備え、後述する仕切刃C1〜C3、切取刃Gより前方に多く突出して孔明切削時のパイロットを形成している。刃具部11はジョイント12の小径部24に嵌合して止めねじ25によりねじ止めされており、前端の切刃18およびスパイラルリード溝1、2、3などの製作上と切刃18の再研磨のために取外しできるようにしてある。リード溝3の後端は跡絶えており、そこから半径方向孔26を経て、後開きの穴27、ジョイント12の中央の孔28、シャンク部13の中央の圧縮空気通路29に連通している。
【0014】
深孔ドリル10は高速回転(例えば1500〜1800rpm)で前進切削送りされるが、同時に後部より圧縮空気がドライバ部15、シャンク部13、ジョイント12、刃具部11のリード溝3を通り前端部に圧送され、切削屑(切屑)は刃具部11のリード溝1、2を通り、シャンク部13のパイプ外形と孔明けされた孔との隙間を通り、後方へ排出される。刃具部11のリード溝1、2、3およびスパイラルワイヤー14のリード角は、図示の実施例では同じであり、深孔ドリル10の回転前進とリード角と圧縮空気圧とによって、切屑の後方排出効率が高められている。d=d’−c(cは直径上の隙間)としてあるので、スパイラルワイヤー14と切削孔(直径d)との回転抵抗が減り、しかも振止め効果は確保される。図示の方形断面のスパイラルワイヤー14の代わりに円形断面のワイヤーを採用し、点付け溶接、ろう付けなどの手段で固定することもできる。図1−1の30は長さLoの直線部で、これにより刃具部11前端の強度低下を阻止し得る。また、図1−0の19はOリングである。
【0015】
次に、刃具部前端の材木用切刃18の詳細を図2〜図4により説明する。図2の図2−0は刃具部前端の前面図、図2−1〜図2−4は夫々図2−0方向に見た側面図である。切削孔径(d)を決定する仕切刃C1と、それより半径位置が内側の仕切刃C2、C3が先端角P(図3−0)の半円状の切刃として先端高さC(図2−1)を同一にして図のように配置されている。また切取刃Gは先端をCより低く、H(図2−4)の高さにしてあり、半径方向に延びている。切取刃Gの前2番面にはtの位置にチップブレーカー部B(2番角:β)が設けてある。センタードリルKはCより適当量(例えば2〜3倍)突出し、高さfに止ねじ21(図1−3)でねじ止めしてある。切削孔径dによっては仕切刃はC2、C3の他に更に増数(Cn)して配置することもあり、特にdが大きい場合に有効である。切削孔径を決める最外側の仕切刃C1は、好ましくは直径上に2個対向配置(または3個を均等配置)すると回転バランスが良くなり、直進性の確保が一層容易になる。切取刃Gに付いても同様である。また、仕切刃(C1〜Cn)の先端高さCは同一にする必要はなく、例えば、切削速度の速い外周側の高さを低くして負荷の軽減を図ると長い寿命を期待できる。但し、f>C(1〜n)>Hは不可欠である。切取刃Gの前2番角βは8〜60°が好ましい。
【0016】
図3は仕切刃C1、C2、C3およびセンタードリルKの関係を示しており、今この部分のみの切削開始状況(図3−2、図3−3のC’の切込み状態)を説明すると、図3−1のように、Kで示されているセンタードリル孔と仕切刃C1、C2、C3による仕切切込線Zが同心円状に木材Wの上にできる(仕切刃C1、C2、C3の切刃先端がC’切込んだ状態)。これは断面で見ると図3−2のようになる。Sは仕切刃C1、C2、C3の半径方向の間隔で、この実施例においては、Sをほぼd/8に、またセンタードリル径は2Sにしてある。
【0017】
図4は切削開始から刃具が前進して切取刃Gが木材Wに接した状況を示しており、仕切刃C1、C2、C3の先端角Pによって切取刃GはSよりやや小さい幅Rを切り取って前進することになる。
【0018】
以上のような切刃構成で切削すると、センタードリルKからは木材の性質上S幅の小さい切屑が排出され、切取刃Gからは約幅Rで長さtの切屑が砕断して排出されてくる。しかし最終的には切屑の大きさは刃具の回転当たり送り量によって変わり、決定されるものである(実際には、切屑と言うよりも切削粉に近い・・・胡麻粒より小さいもの・・・である)。
【0019】
リード溝1、2(図2−0)の幅および深さJ、および切削孔とパイプ外形の隙間はRおよびtよりも大きく設定してあるので、切屑を圧縮空気によって堆積することなく、容易にリード溝1、2およびパイプ外周部を通って排出することができるのである。
【0020】
刃具部11(図1−0)の長さLhは外径dの4〜5倍とし、仕切刃C1の外径部は刃具部外径と同一であるのでセルフガイドし、曲ることなく、直進性を保ちながら切削前進することができる。なお、リード溝1、2、3を通る圧縮空気によって冷却効果が生じ、切屑の堆積もないので発熱による刃具部円柱部17、ジョイント12、シャンク部13と木材の切削孔との間の焼付きが起こることもない。また、一般には必要としないが、木材種によってはフォグ状の適度のウエットエアーを圧送して、冷却効果と刃具円柱部と木材間の潤滑性を与えることも効果的である。
【0021】
図5は、本発明による深孔用孔明機の側面図で、この孔明機は長尺材木取付部31(図の下側)と、それと同芯の孔明装置部32(上側)により構成されている。長尺材木取付部31は、丸太材35を下側から支持する前後のモーターローラ36、37と、丸太材35を左右(紙面の表側と裏側)から挟持する前後各1対のクランパ38、39を備え、各モーターローラ36、37は夫々昇降スライド40に支持され、昇降スライド40は上下のナット41を介してボールスクリュウ42に螺合し、ボールスクリュウ42はチェーン43を介して昇降ギヤードモータ44に連結し、ボールスクリュウ42を回すことによりモーターローラ36、37の昇降が可能となっている。34はガイドバー、45は後述するクランプハンドルである。
【0022】
孔明装置部32は、ベッド50上のスライドテーブル51に深孔ドリル10用の前記駆動部16を備え、駆動部16は深孔ドリル10の後端のドライバ部15(図1−0)のチャックとして機能するドリルアダプタ52と、ドリルアダプタ52を支承しているスピンドルユニット53と、深孔ドリル10に回転力を与えるためのサーボモータ54と、深孔ドリル10に圧縮空気を供給するためのロータリージョイント55、ホース56と、スライドテーブル前後進用のサーボモータ57(図6)と、サーボモータ57の回転力をボールスクリュウ58に伝えるチェーン59を備えており、ボールスクリュウ58はスライドテーブル51の下側のナット60に螺合し、前後不動に支持されている。図6の61はスライドテーブル51の下側に固定されているスライドガイドレール、62は固定レールである。
【0023】
再び図5において、65は深孔ドリル10の前端部を支持するためのドリルガイドブッシュ、66は後方へ排出されてくる切屑(切削屑)を受け入れるための切屑ボックス、67は集塵ダクトで、この集塵ダクト67は図示されていない排風ファンの吸引口に接続し、排風ファンはサイクロンを経て集塵タンクに接続している。
【0024】
図5の深孔ドリル10は長さの丁度中間位置、即ち振止め効果最大位置において中間軸受70により支持されており、この中間軸受70のスライドテーブル71は中間軸受駆動チェーン72に接続されて、深孔ドリル駆動部16の前進(後退)速度の1/2の速度で前進(後退)するように構成されている。即ち、ナット60に支持されているピニオン73は図6のように下歯付きのラック74に噛合し、ピニオン73には直径が2倍の減速ギヤー75が噛合し、この減速ギヤー75の軸76に固定されているチェーンドライブホイール77にチェーン72が下側から、または上下から噛合している。図5の78、79は前後端部のフリーホイールであり、テンショナーを兼ねている。従って、図5のナット60が前進すると、ピニオン73が右回転し、同時に減速ギヤー75とチェーンドライブホイール77が左回転し、これによりチェーン72は矢印で示すように1/2の速度で前進駆動される。チェーン72の上片には図7のように中間軸受スライドテーブル71より下方へ突出したブラケット80が固定されている。
【0025】
図8において、クランプハンドル45に固定されているクランプスクリュウ83はクランパ39と一体のクランパスライド46上のクランプナット84に螺合すると共に、先端の差動ギヤー85が他方のクランパ39の差動ギヤー85と噛合している。従って、クランプハンドル45を回すことにより1対のクランパ39を丸太材35に対して緊締または解放可能である。図9は、図8のIX矢視図であり、丸太材35の両側には夫々1本のガイドバー34が起立しており、上端が丸太材35より低い位置となるように回転自在、昇降不能に支持されたボールスクリュウ42をチェーン43により駆動するように構成している。
【0026】
次に、丸太材の取付けに付いて説明する。図5の丸太材35は全長に亘って断面は真円ではないので、材歩留り(材料取り)を考慮して元口面100のどの点から末口面101のどの点に向けて孔を明けるかはオペレータが決定する。
クランパ39、38を元口側および末口側の材径より夫々広げておき、丸太材35を前後のモーターローラ36、37の上に載せる。
図5の左右のモーターローラ36、37を右回転させ、丸太材35の元口面100をドリルガイドブッシュ65の前端に接触させる。
クランプハンドル45を回して前後のクランパ38、39を少しの隙間を残して丸太材外径に近付ける。クランパ38、39の調芯差動により、丸太材35は平面的には深孔ドリル10の中心線上に置かれる。
前後別々にモーターローラ昇降ギヤードモータ44を寸動昇降させながら、元口側は孔明け開始点にドリルガイドブッシュ65が、また末口側は上記ドリル中心線上の位置を示すゲージ(図示せず)が孔貫通点に位置するように、夫々(元口面100および末口面101)の高さを決めて停止させる。
以上で丸太材35の取付け位置決めが終了したら、前後のクランプハンドル45で丸太材35を本クランプする。
【0027】
次に孔明け作動に付いて説明する。図5の孔明装置部32、特に深孔ドリル駆動部16を起動させると、スピンドルユニット53を搭載しているスライドテーブル51はサーボモータ54で深孔ドリル10が回転しながら、サーボモータ57(図6)により前進する。深孔ドリル10(図5)を装着したドリルアダプタ52の前端と切屑ボックス66(切屑受ガイドブッシュ68)の後端とのほぼ中央の、ドリル回転時の振れを止める中間軸受70は、スライドテーブル51を支持しているのと同じレール62(図7)上で前進する。
この時、スライドテーブル51の前進速度Vに対し、中間軸受70のスライドテーブル71の前進速度はV×1/2にしているので、前進中常に前述のドリルアダプタ52前端と切屑ボックス66後端とのほぼ中央の位置関係を保ちながら中間軸受70は深孔ドリル10の振れを止めながら前進する。また、孔明けが進行して丸太材35中に進入した深孔ドリル10のシャンク(パイプ)部13(図1−0)は切削された孔の内面により振止めされる。
スライドテーブル51が所定の前進端に達し、孔が貫通したら、深孔ドリル10は低速で回転しながら、図5に示されているスタート位置まで後退して停止する(後退中、圧縮空気の供給は止めずに孔内部の残り切屑を放出清掃して後退端で停止する)。
前後のクランパ38、39を緩めて丸太材35を取り出す。
【0028】
次に、中間軸受の中間維持前進装置に付いて、前項における作動を図10で更に説明する。図10において、
LW=丸太材全長
L=深孔ドリル(スライドテーブル)の孔明け所要ストローク
L1=ドリルアダプタ前端より切屑ボックス後端までの距離
(深孔ドリルの回転振れが生ずる恐れのあるスパン)
L2=ドリルアダプタ前端より中間軸受の中心までの距離・・・とすると
スピンドルユニット53(深孔ドリル10)は前進速度VでLストロークし、中間軸受70はスピンドルユニット53、ドリルアダプタ52に干渉することなく前進速度V’=V×1/2でL×1/2ストロークして中間軸受前進端位置(孔明け完了点)に至り停止する。このようにして、中間軸受70は常にL1のほぼ中央に位置しながら前進する。
【0029】
図6で明らかなように、スライド用のレール62の近くに、スライドテーブル51の全ストロークに対して余裕のある長さの下歯のラック74が取り付けてあり、これに下側から噛合するピニオン73が孔明けの前後ストローク中に正逆回転するようにスライドテーブル51(ナット60)の下部に取り付けてあって、このピニオン73に1/2減速用の減速ギヤー75が噛合し、減速ギヤー75のPCD(ピッチ円径)と近似のPCDを持つチェーンドライブホイール77(スプロケット)が軸76を介して等速同方向回転するように設置してある。
スライドユニット(図5の孔明装置部32)の前部と後部にフリーホイール78、79(スプロケット)が取り付けてあって、これらに噛合する中間軸受駆動チェーン72(ローラチェーン)の一端が、図7のように中間軸受70の下部ブラケット80の前端に、また他の一端が下部ブラケット80の後端に、ループ状に接続している。チェーン72の下側に、図6のチェーンドライブホイール77(スプロケット)が上側から噛合している。
スライドテーブル51が前進すると、固定してあるラック74に噛合したピニオン73は図5で右回転し、減速ギヤー75、チェーンドライブホイール77は左回転してチェーン72の下部側は後方に、上部側は前方に移動し、これによって中間軸受70は前進する。スプロケットホイール77は1/2減速ギヤー75とほぼ等速であるから、チェーン72の移動速度と中間軸受70の前進速度は同速のV×1/2となる。
【0030】
長尺の丸太材に対応して、図11のように、中間軸受を追加し、例えば2個の中間軸受70a、70bを設置することが設計スペース的に可能である。この時、中間軸受70a、70bは、L2’ ×1/3およびL2’ ×2/3の位置関係で夫々前進速度V1およびV2はV×1/3およびV×2/3にするものである。なお、図5に関連して説明した中間軸受70の前進(後退)速度および上記の中間軸受70a、70bの前進速度は、実際には殆どの場合近似的である。即ち、減速ギヤーのPCDとチェーンドライブホイールのPCD(インチサイズ)は同一にはならず、今までの設計例では1〜2%以下の差が出たが、これは実用上問題にならないことが実証されている。
【0031】
図11に示す実施例において、96はスライドテーブル前後進用の歯付ベルトで、上片がスライドテーブル51に固着されており、図12のサーボモータ97出力軸上の歯付プーリ98に噛合している。図11の詳細に付いては、図13ないし図17に記載した通りである。歯付ベルト96を採用すると、図6、図7のボールスクリュウ58方式に比べてより長尺ストロークにも安価に対応できる利点がある。
【0032】
次に切屑の排出に付いて説明する。孔明切削が進むと圧縮空気と共に切屑が丸太材35内にできた孔を通り後部元口側を出て切屑ボックス66に放出される。切屑ボックス66(図5)の後壁に装着された2分割形の切屑受ガイドブッシュ68は別体の前面板69を備えており、この前面板69が放出されてきた切屑を受け止めるので、切屑は切屑ボックス66の下部に落下する。落下した切屑はボックスの側壁に開口した集塵ダクト67から排風ファン(図示せず)により吸引排風され、同じく図示されていないサイクロンを通り集塵タンクに落下貯蔵される。
2分割形の切屑受ガイドブッシュ68の前面板69は2分割形(ガイドブッシュ68とは分割されている)で、耐摩耗性のある、例えば樹脂製で、中央にスパイラルワイヤー14(図1−0)付きのシャンク部13の直径より少しガタのある孔が設けてある。この前面板69は深孔ドリル10の回転に追従回転して切屑が後方へ散出することなく、その殆どを切屑ボックス66内に落下させることができる。
【0033】
工具交換: 図5において、深孔ドリル10の刃具部11(図1−3)再研磨などのために取外しまたは装着する時は、図示されていないセレクトスイッチを〔工具交換〕にしてスライドテーブル51を所定位置(深孔ドリル10の先端が切屑ボックス66の中央付近)まで後退させる。
工具交換の前後において、ドリルガイドブッシュ65、切屑受ガイドブッシュ68および前面板69を取り外し(装着して)、その後にスライドテーブル51を所定の切削開始位置に前進移動させる。
【0034】
作動制御: 孔明切削中、切刃の切削性劣化や切屑の堆積でドリルの回転トルクが上昇したら、ドリルを回転のまま直ちに少し後退させ、再度切削前進を始めさせる。この作動が例えば2回続いたら切刃の切削性劣化とみなし、〔工具交換〕として異常を表示しまたは/および警報を発し、オペレータに知らせる。
【0035】
ここでは丸太材用として記述しているが、柱、梁などの構造材用にも適用できることは当然で、その時は図5の長尺材木取付部31を角材取付部用に設計して設置する。また、一度に多列多段に密着取付けして、各角材の小口側(元口側)孔明位置のX、Y座標を制御CPU側に入力して孔明けをすれば、連続して多数の角材の孔明けが一度の取付け、取外しで出来るので、孔明け時間の大幅な短縮が出来る。
図示の実施例において、刃具部11のリード溝1〜3は直線状であってもよく、圧縮空気供給通路となるリード溝3は可及的に短いほうが、孔明作業開示直後から前端の材木用切刃18に圧縮空気を供給でき、孔明作業および切屑の排出が円滑になる利点が生ずる。なお、図1−3の半径方向孔26を廃止し、穴20、27を2点鎖線部分20aで繋ぎ、圧縮空気をセンタードリルKのリード溝22(断面をやや大きくすることが好ましい)を利用して前端切刃へ直接供給するようにすることもでき、その場合は、図1−3のリード溝3を短くした上記の場合と同様な効果が期待できる。但し、図示の実施例のように、リード溝3を圧縮空気通路とすると、リード溝3が切削孔により塞がれた後の潤滑性を高く保ち得る利点がある。
また、中間軸受70を図5の位置に前進後退自在に支持し、スライドテーブル71の後退を阻止するストッパー(図示せず)を設けると共にスライドテーブル71の後端に連結したワイヤー(図示せず)を横向き固定軸に支承した滑車上を通し下方へ延ばしてその下端に重りを取り付け、この重りにより図示の後端位置側へ常時付勢することにより、最も振れの生じ易い孔明作業開始直後(図5の位置)の振れ止め効果を確保することも可能である。その構造によると、ドリル駆動部16が前進し、ドリルアダプタ52が中間軸受70に衝合した後は、中間軸受70はドリル駆動部16と共に前進し、孔明後にドリル駆動部16が後退する際には、中間軸受70は上記重りの作用により図5のスタート位置へ復帰する。図11のように2個の中間軸受70a、70bがある場合にも、これらの中間軸受を夫々のための重りにより後方(図11の位置)へ付勢することが可能である。重りを採用すると中間軸受の駆動機構が簡素化する。重りの代わりに長い戻しばねの採用も可能である。
【0036】
【発明の効果】
請求項1の発明によると、刃具部11に円柱部17(図1−1)を設けたので直進性が向上し、しかも例えば円柱部17の外周面の一部のリード溝3から前端の切刃18に圧縮空気を送り、残りのリード溝2、3から切屑を後方へ強制的に排出するようにしたので、圧縮空気の潤滑効果と発熱を抑える冷却効果により刃具部11の回転抵抗が減り、かつ刃具部11の小径化が可能となる。これにより、従来にない小径で長尺(例えば孔径10〜12mmで長さ4000〜6000mm)の孔明けを良好な直進性を保持して達成することが可能になる。孔径が小さいので、小径材(柱材105×105mm、間伐材末口直径100mm)にも適用できる。直進性が良いため、小径の長尺材木でも片側からの1パスで孔明けが出来、作業能率が大幅に向上する。
【0037】
請求項2の発明によると、パイプ状シャンク部13(図1−0)の外周に切屑排出用のスパイラル突条、例えばスパイラルワイヤー14を設けたので、シャンク部13の振れを防止しながら切屑の強制的な排出が可能となり、切削速度(孔明加工)の高速化が図れる利点が生ずる。切屑を圧送排出する圧縮空気はシャンク部13と孔内面との摩擦による発熱を防止し、シャンク部13の高速回転を容易にする。
【0038】
請求項3の発明によると、切刃18(図1−1、図2〜図4)が複数の半径位置の異なる仕切刃C1〜C3とそれらより低い半径方向に延びる切取刃Gを備えているので、切屑を細断することができ、切屑の排出が円滑化し、これにより高速送り、高速回転が可能となり、作業能率が向上する。
【0039】
請求項4の発明によると、センタードリルKにより直進性が効果的に向上し、刃具部11の長さを外径dの数倍とすることと相俟って、直進性は更に向上する。
【0040】
請求項5の発明によると、孔明工具、即ち深孔ドリル10の中間軸受(図5の70、図11の70a、70b)を例えば1/2−1箇所または1/3−2箇所に配し、これを切削前進中常に例えば2または3分割位置を維持して駆動(特に前進)出来るので、高速回転時の振止め効果が高くなり、特に細くかつ長い孔の孔明けが容易になる。本発明により孔明けした木材を、先に出願した「木材の乾燥方法および乾燥装置」(特願2000−72410、特開2001−260105)で乾燥すれば、著しい乾燥時間の短縮と乾燥品質の向上を期待することができ、乾燥コストの大幅な低減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】深孔ドリルの構造説明図である。
【図2】刃具部前端の材木用切刃の詳細を示す図面である。
【図3】仕切刃とセンタードリルとの関係を示す図面である。
【図4】切取刃の作動状態を示す図面である。
【図5】深孔用孔明機の側面図である。
【図6】図5のVI矢視図である。
【図7】図5のVII矢視図である。
【図8】図5のVIII矢視図である。
【図9】図8のIX矢視図である。
【図10】中間軸受が1個の図5の略図である。
【図11】中間軸受が2個の孔明機の部分側面図である。
【図12】図11のXII矢視図である。
【図13】図11のXIII矢視図である。
【図14】図11のXIV矢視図である。
【図15】図14のXV矢視図である。
【図16】図11のXVI矢視図である。
【図17】図11のXVII矢視図である。
【符号の説明】
1、2、3     リード溝
10        深孔ドリル
11        刃具部
13        シャンク部
14        スパイラルワイヤー
15        ドライバ部
16        ドリル駆動部
17        円柱部
18        材木用切刃
29        圧縮空気通路
31        取付部
32        孔明装置部
51        スライドテーブル
65        ガイドブッシュ
70        中間軸受
C1〜C3       仕切刃
G          切取刃
K          センタードリル

Claims (5)

  1. 前端の材木用切刃と、その後方の直進性保持用の円柱部とを有する刃具部の、上記円柱部の外周面にリード溝を設け、前端の材木用切刃に圧縮空気を送り、リード溝から切屑を後方へ排出するようにしたことを特徴とする深孔用の孔明工具。
  2. 円柱部の後端に刃具部より小径で内部が圧縮空気通路となるパイプ状シャンク部を、また上記パイブ状シャンク部の後端にドライバ部を設け、上記パイプ状シャンク部の外周に切屑排出用のスパイラル突条を設けた、請求項1に記載の孔明工具。
  3. 切刃を半径位置の異なる複数の仕切刃と、半径方向に延びて上記仕切刃より低い少なくとも1個の切取刃とを設けて切屑を細断するようにした、請求項1に記載の孔明工具。
  4. 切刃の中心に上記切刃の中で最も高いセンタードリルを設けた、請求項1に記載の孔明工具。
  5. 長尺材木の取付部と、深孔ドリル付き孔明装置部とを1直線上に備え、上記孔明装置部には深孔ドリル駆動部搭載のスライドテーブルと、前端のドリルガイドブッシュと、深孔ドリル用中間軸受搭載の中間軸受スライドテーブルとを備え、ドリル駆動部が前進する時に中間軸受が深孔ドリルの振止めをするようにしていることを特徴とする深孔用孔明機。
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