JP2010284030A - モータ制御装置および電動パワーステアリング装置 - Google Patents

モータ制御装置および電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電源平滑用コンデンサを含む経路の抵抗値を検出してモータ制御を高い精度で行う。
【解決手段】オープンループ制御部22は、dq軸上の指令電流id * 、iq * とモータの角速度ωe に基づき、モータの回路方程式に従いdq軸上の指令電圧vd 、vq を求める。dq軸/3相変換部23は、指令電圧vd 、vq を3相の指令電圧Vu 、Vv 、Vw に変換する。3相電圧補正部24は、電圧センサ15で検出されたインバータ電圧値VI 、バッテリ電圧VB 、配線部のインダクタンスLに基づき、電解コンデンサ16を含む経路の抵抗値RC を求め、求めた抵抗値RC に基づき3相の指令電圧Vu 、Vv 、Vw を補正する。
【選択図】図2

Description

本発明は、モータ制御装置、および、モータ制御装置を備えた電動パワーステアリング装置に関する。
従来から、運転者がハンドル(ステアリングホイール)に加える操舵トルクに応じて電動モータを駆動することにより車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置が用いられている。電動パワーステアリング装置の電動モータには従来からブラシモータが広く使用されているが、信頼性および耐久性の向上や慣性の低減などの観点から、近年ではブラシレスモータも使用されている。
一般にモータ制御装置は、モータで発生するトルクを制御するために、モータに流れる電流を検出し、モータに供給すべき電流と検出した電流との差に基づきPI制御(比例積分制御)を行う。3相ブラシレスモータを駆動するモータ制御装置には、2相以上の電流を検出するために、2個または3個の電流センサが設けられる。この電流センサは、モータ制御装置の小型化の妨げになる。そこで、モータ制御装置を小型化するために、電流センサを可能な限り除去し、モータの回路方程式に従いオープンループ制御(フィードフォワード制御)を行う方法が知られている。
オープンループ制御では、モータ指令電流は、モータやモータ制御回路の電気特性値や周囲温度などに基づき決定される。これらの電気特性値は、製品出荷前に製造ラインで測定され、モータ制御装置の内部に電気的に記録される。モータ使用時には、電気特性値はモータ制御装置によって補正され、モータ制御は補正後の電気特性値を用いて行われる。
車両に搭載される電動パワーステアリング装置では、モータ制御装置は車載バッテリから電力の供給を受ける。車載バッテリはモータ制御装置から離れた位置に設けられるので、モータに電流を素早く供給して電源電圧を安定化させるために、モータ制御装置には平滑用コンデンサとして電解コンデンサが設けられる。平滑用コンデンサは、車載バッテリによって常に充電された状態にあり、モータ駆動回路に含まれるスイッチング素子の状態が変化したときに、電荷を充放電してモータ駆動回路に素早く電流を供給する。
なお、本願発明に関連して、特許文献1には、コンデンサの等価直列抵抗により生じるサージ電圧に基づき最大許容モータ電流値を求めること、および、コンデンサの温度に対応して初期許容モータ電流値のマップを設けることが記載されている。
特開2008−136327号公報
モータ使用時には、モータに流れる電流によって電圧降下が発生する。電圧降下の量は、配線部の抵抗に応じて変化する。配線部の抵抗には、回路導体抵抗や電子部品(MOS−FET、平滑用コンデンサなど)の抵抗などが含まれる。特に、平滑用コンデンサとして設けられる電解コンデンサは等価抵抗(内部抵抗)が大きく、等価抵抗の値は動作条件(例えば、温度など)に応じて変動する。このため、平滑用コンデンサの等価抵抗の変動を考慮せずにモータ制御を行うと、モータ駆動回路に対する印加電圧に不定量の電圧降下が発生し、モータ制御の精度が低下する。
それ故に、本発明は、電源平滑用コンデンサを含む経路の抵抗値を検出してモータ制御を高い精度で行うモータ制御装置、および、これを備えた電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、モータを駆動するモータ制御装置であって、
前記モータに供給すべき電流の量を示す指令電流値と前記モータのロータの角速度とに基づき、モータの回路方程式に従い、前記モータの駆動に用いられる指令電圧のレベルを求めるオープンループ制御手段と、
前記モータの電源に並列に接続された平滑用コンデンサと、
前記平滑用コンデンサを含む経路の抵抗値を求め、求めた抵抗値に基づき、前記オープンループ制御手段で求めた指令電圧のレベルを補正する補正手段と、
前記補正手段で補正されたレベルの電圧を用いて前記モータを駆動するモータ駆動手段とを備える。
第2の発明は、第1の発明において、
前記補正手段は、次式(A)に従い、前記平滑用コンデンサを含む経路の抵抗値を求めることを特徴とする。
C=VB・L/∫(|VB−VI|)dt …(A)
ただし、VB は前記モータの電源電圧値、VI は前記モータ駆動手段に対する印加電圧値、Lは配線部のインダクタンス、RC は求めるべき抵抗値である。
第3の発明は、第2の発明において、
前記モータ駆動手段は、PWM制御によって前記モータを駆動し、
前記補正手段は、PWM制御によって前記モータに電流が流れ始める初期における、前記モータ駆動手段に対する印加電圧値に基づき、前記平滑用コンデンサを含む経路の抵抗値を求めることを特徴とする。
第4の発明は、第2または第3の発明において、
前記補正手段は、前記平滑用コンデンサを含む経路の抵抗値の初期値を記憶し、求めた抵抗値と記憶した初期値との偏差が所定値以上のときに警告信号を出力することを特徴とする。
第5の発明は、第1〜第4のいずれかの発明に係るモータ制御装置を備えた電動パワーステアリング装置である。
上記第1の発明によれば、モータの回路方程式に従いオープンループ制御のためのモータの駆動電圧を求めるときに、モータの電源に並列に接続された平滑用コンデンサを含む経路の抵抗値を求め、求めた抵抗値を用いた補正を行う。したがって、モータ制御を高い精度で行うことができる。
上記第2の発明によれば、モータの電源電圧値、モータ駆動手段に対する印加電圧値、および、配線部のインダクタンスに基づき、モータの電源に並列に接続された平滑用コンデンサを含む経路の抵抗値を求め、求めた抵抗値を用いてモータの駆動電圧を補正することにより、モータ制御を高い精度で行うことができる。
上記第3の発明によれば、PWM制御でモータを駆動する場合に、モータに電流が流れ始める初期におけるモータ駆動手段に対する印加電圧値に基づき、平滑用コンデンサを含む経路の抵抗値を求め、求めた抵抗値を用いてモータの駆動電圧を補正することにより、モータ制御を高い精度で行うことができる。
上記第4の発明によれば、平滑用コンデンサを含む経路の抵抗値が初期値から所定値以上変化したときに警告信号を出力することにより、経路上の電子部品や接合部の劣化を利用者に認識させることができる。
上記第5の発明によれば、平滑用コンデンサを含む経路の抵抗値を求め、求めた抵抗値を用いてモータの駆動電圧を補正することにより、モータ制御を高い精度で行えるので、スムーズな操舵補助が可能となる。
本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を、それに関連する車両の構成と共に示す概略図である。 本発明の実施形態に係るモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 図2に示すモータ制御装置の電源回路を示す回路図である。 3相ブラシレスモータにおける3相交流座標とdq座標を示す図である。 図2に示すモータ制御装置における電圧の検出タイミングを示す信号波形図である。 図2に示すモータ制御装置のマイクロコンピュータの動作を示すフローチャートである。
図1は、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を、それに関連する車両の構成と共に示す概略図である。図1に示す電動パワーステアリング装置は、ブラシレスモータ1、減速機2、トルクセンサ3、車速センサ4、位置検出センサ5、および、電子制御ユニット(Electronic Control Unit :以下、ECUという)10を備えたコラムアシスト型の電動パワーステアリング装置である。
図1に示すように、ステアリングシャフト102の一端にはハンドル(ステアリングホイール)101が固着されており、ステアリングシャフト102の他端はラックピニオン機構103を介してラック軸104に連結されている。ラック軸104の両端は、タイロッドおよびナックルアームからなる連結部材105を介して車輪106に連結されている。運転者がハンドル101を回転させると、ステアリングシャフト102は回転し、これに伴いラック軸104は往復運動を行う。ラック軸104の往復運動に伴い、車輪106の向きが変わる。
電動パワーステアリング装置は、運転者の負荷を軽減するために、以下に示す操舵補助を行う。トルクセンサ3は、ハンドル101の操作によってステアリングシャフト102に加えられる操舵トルクTを検出する。車速センサ4は、車速Sを検出する。位置検出センサ5は、ブラシレスモータ1のロータの回転位置Pを検出する。位置検出センサ5は、例えばレゾルバで構成される。
ECU10は、車載バッテリ100から電力の供給を受け、操舵トルクT、車速Sおよび回転位置Pに基づきブラシレスモータ1を駆動する。ブラシレスモータ1は、ECU10によって駆動されると、操舵補助力を発生させる。減速機2は、ブラシレスモータ1とステアリングシャフト102との間に設けられる。ブラシレスモータ1で発生した操舵補助力は、減速機2を介して、ステアリングシャフト102を回転させるように作用する。
この結果、ステアリングシャフト102は、ハンドル101に加えられる操舵トルクと、ブラシレスモータ1で発生した操舵補助力の両方によって回転する。このように電動パワーステアリング装置は、ブラシレスモータ1で発生した操舵補助力を車両のステアリング機構に与えることにより操舵補助を行う。
本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置は、ブラシレスモータ1を駆動する制御装置(モータ制御装置)に特徴がある。そこで以下では、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置に含まれるモータ制御装置について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係るモータ制御装置の構成を示すブロック図である。図2に示すモータ制御装置は、ECU10を用いて構成されており、u相、v相およびw相の3相巻線(図示せず)を有するブラシレスモータ1を駆動する。ECU10は、位相補償器11、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと略称する)20、3相/PWM(Pulse Width Modulation)変調器12、モータ駆動回路13、電流センサ14、電圧センサ15、および、電解コンデンサ16を備えている。
ECU10には、トルクセンサ3から出力された操舵トルクT、車速センサ4から出力された車速S、および、位置検出センサ5から出力された回転位置Pが入力される。位相補償器11は、操舵トルクTに対して位相補償を施す。マイコン20は、ブラシレスモータ1の駆動に用いられる指令電圧のレベルを求める制御手段として機能する。マイコン20の機能の詳細については、後述する。
3相/PWM変調器12とモータ駆動回路13は、ハードウェア(回路)で構成されており、マイコン20で求めたレベルの電圧を用いてブラシレスモータ1を駆動するモータ駆動手段として機能する。3相/PWM変調器12は、モータを駆動制御するための信号として、マイコン20で求めた3相の電圧のレベルに応じたデューティ比を有する3種類のPWM信号(図2に示すU、V、W)を生成する。モータ駆動回路13は、スイッチング素子として6個のMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor )を含むPWM電圧形インバータ回路である。6個のMOS−FETは、3種類のPWM信号とその否定信号によって制御される。PWM信号を用いてMOS−FETの導通状態を制御することにより、ブラシレスモータ1に対して3相の駆動電流(u相電流、v相電流およびw相電流)が供給される。
電流センサ14は、ブラシレスモータ1に流れる電流を検出する電流検出手段として機能する。電流センサ14は、例えば抵抗体やホール素子で構成され、モータ駆動回路13と電源の間に1個だけ設けられる。図2に示す例では、電流センサ14はモータ駆動回路13と電源のマイナス側(接地)との間に設けられているが、電流センサ14をモータ駆動回路13と電源のプラス側との間に設けてもよい。電流センサ14で検出された電流値は(以下、モータ電流値IT という)、マイコン20に入力される。
電圧センサ15は、モータ駆動回路13に対する印加電圧を検出する電圧検出手段として機能する。電圧センサ15の一方の端子はモータ駆動回路13と電源のプラス側との間に接続され、他方の端子は接地される。このように接続された電圧センサ15は、モータ駆動回路13のプラス側端子の電圧を検知する。電圧センサ15で検知された電圧値(以下、インバータ電圧値VI という)は、マイコン20に入力される。
ECU10は車載バッテリ100に接続され、ECU10内の回路(マイコン20やモータ駆動回路13など)は車載バッテリ100から電力の供給を受ける。電解コンデンサ16は2個の端子を有し、一方の端子は車載バッテリ100のプラス側端子に接続され、他方の端子は車載バッテリ100のマイナス側端子に接続される。このようにブラシレスモータ1の電源に並列に接続された電解コンデンサ16は、平滑用コンデンサとして機能する。なお、図2からモータ駆動回路13の電源回路を抽出して示すと、図3のようになる。
マイコン20は、ECU10に内蔵されたメモリ(図示せず)に格納されたプログラムを実行することにより、指令電流算出部21、オープンループ制御部22、dq軸/3相変換部23、3相電圧補正部24、角度算出部25、および、角速度算出部26として機能する。マイコン20は、以下に示すように、ブラシレスモータ1に供給すべき電流の量を示す指令電流値とブラシレスモータ1のロータの角速度とに基づき、モータの回路方程式に従い、モータ駆動回路13に与えるべき電圧(以下、指令電圧という)のレベルを求める。
角度算出部25は、位置検出センサ5で検出した回転位置Pに基づき、ブラシレスモータ1のロータの回転角(以下、角度θという)を求める。角速度算出部26は、角度θに基づき、ブラシレスモータ1のロータの角速度ωe を求める。なお、図4に示すようにブラシレスモータ1に対してu軸、v軸およびw軸を設定し、ブラシレスモータ1のロータ6に対してd軸およびq軸を設定したとき、u軸とd軸のなす角が角度θとなる。
指令電流算出部21は、位相補償後の操舵トルクT(位相補償器11の出力信号)と車速Sに基づき、ブラシレスモータ1に供給すべきd軸電流とq軸電流を求める(以下、前者をd軸指令電流id *、後者をq軸指令電流iq *という)。より詳細には、指令電流算出部21は、車速Sをパラメータとして、操舵トルクTと指令電流との対応づけを記憶したテーブル(以下、アシストマップという)を内蔵しており、アシストマップを参照して指令電流を求める。アシストマップを用いることにより、ある大きさの操舵トルクが与えられたときに、その大きさに応じた適切な大きさの操舵補助力を発生させるためにブラシレスモータ1に供給すべきd軸指令電流id *とq軸指令電流iq *を求めることができる。
なお、指令電流算出部21で求めるq軸指令電流iq *は符号付きの電流値であり、その符号は操舵補助の方向を示す。例えば、符号がプラスのときには右方向へ曲がるための操舵補助が行われ、符号がマイナスのときには左方向へ曲がるための操舵補助が行われる。また、d軸指令電流id *は、典型的にはゼロに設定される。
オープンループ制御部22は、d軸指令電流id * 、q軸指令電流iq * および角速度ωe に基づき、ブラシレスモータ1に供給すべきd軸電圧とq軸電圧を求める(以下、前者をd軸指令電圧vd 、後者をq軸指令電圧vq という)。d軸指令電圧vd とq軸指令電圧vq は、次式(1)と(2)に示すモータの回路方程式を用いて算出される。
d=(R+PLd)id *−ωeqq * …(1)
q=(R+PLq)iq *+ωedd *+ωeΦ …(2)
ただし、式(1)と(2)において、vd はd軸指令電圧、vq はq軸指令電圧、id *はd軸指令電流、iq *はq軸指令電流、ωe はロータの角速度、Rは電機子巻線抵抗を含む回路抵抗、Ld はd軸の自己インダクタンス、Lq はq軸の自己インダクタンス、ΦはU、V、W相電機子巻線鎖交磁束数の最大値の√(3/2)倍、Pは微分演算子である。このうちR、Ld 、Lq およびΦは、既知のパラメータとして扱われる。なお、上記回路抵抗には、ブラシレスモータ1とECU10との間の配線抵抗やECU10内でのモータ駆動回路13の抵抗および配線抵抗などが含まれる。
dq軸/3相変換部23は、オープンループ制御部22で求めたd軸指令電圧vd とq軸指令電圧vq を3相交流座標軸上の指令電圧に変換する。より詳細には、dq軸/3相変換部23は、d軸指令電圧vd とq軸指令電圧vq に基づき、次式(3)〜(5)を用いてu相指令電圧Vu 、v相指令電圧Vv およびw相指令電圧Vw を求める。
u=√(2/3)×{vd×cosθ−vq×sinθ} …(3)
v=√(2/3)×{vd×cos(θ−2π/3)
−vq×sin(θ−2π/3)} …(4)
w=−Vu−Vv …(5)
なお、式(3)と(4)に含まれる角度θは、角度算出部25で求めたものである。
図5は、図2に示すモータ制御装置における電圧の検出タイミングを示す信号波形図である。図5には、U相PWM信号Uが各PWM周期において所定時間だけハイレベルになり、U相MOS−FETを経由してブラシレスモータ1に電流が流れるときの信号波形が記載されている。図5に示すように、モータ電流IT は、U相PWM信号Uがハイレベルのときに流れる。また、U相PWM信号Uがハイレベルに変化したときに、インバータ電圧VI は、一時的に高くなり、モータ電流IT が流れ始めると一時的に低くなり、その後に最終レベルに到達する。インバータ電圧VI は、U相PWM信号Uがハイレベルに変化し、モータ電流IT が流れ始めるタイミング(より詳細には、モータ電流IT が所定のレベルに到達したタイミング)で検知される。
3相電圧補正部24は、dq軸/3相変換部23で求めた3相の指令電圧Vu 、Vv 、Vw を補正して、補正後の指令電圧Vuc、Vvc、Vwcを求める。より詳細には、3相電圧補正部24は、まず、電圧センサ15で検出されたインバータ電圧値VI に基づき、次式(6)を用いて電解コンデンサ16を含む経路の抵抗値RC を求める。
C=VB・L/∫(|VB−VI|)dt …(6)
ただし、式(6)において、VB は車載バッテリ100から供給される電源電圧の値(以下、バッテリ電圧値という)、Lは配線部のインダクタンスである(図3を参照)。バッテリ電圧値VB とインダクタンスLは固定値であるとする。
次に、3相電圧補正部24は、電解コンデンサ16を含む経路の抵抗値RC に基づき、3相の指令電圧Vu 、Vv 、Vw を補正する。例えば、モータの回路方程式(1)、(2)において、Rに(R+RC )を代入する。
このようにマイコン20は、dq座標軸上の指令電流id * 、iq * を求める処理と、モータの回路方程式に従いdq座標軸上の指令電圧vd 、vq を求める処理と、求めた指令電圧vd 、vq を3相の指令電圧Vu 、Vv 、Vw に変換する処理と、3相の指令電圧Vu 、Vv 、Vw を補正して補正後の指令電圧Vuc、Vvc、Vwcを求める処理とを行う。3相の指令電圧Vu 、Vv 、Vw を補正するときには、式(6)を用いて電解コンデンサ16を含む経路の抵抗値RC を求め、抵抗値RC に基づく補正を行う。
3相/PWM変調器12は、マイコン20で求めた3相の指令電圧Vuc、Vvc、Vwcに基づき、3種類のPWM信号を出力する。各PWM信号の幅は、電解コンデンサ16を含む経路の抵抗値RC を考慮して補正されている。ブラシレスモータ1の3相巻線には、各相の指令電圧に応じた正弦波状の電流が流れ、ブラシレスモータ1のロータは回転する。これに伴い、ブラシレスモータ1の回転軸には、ブラシレスモータ1を流れる電流に応じたトルクが発生する。発生したトルクは、操舵補助に用いられる。
図6は、マイコン20の動作を示すフローチャートである。図6において、ステップS11〜17は3相電圧補正部24によって実行され、ステップS18は3相電圧補正部24以外の各部によって実行される。また、ステップS11、S12はモータ制御装置の製品出荷前に製造ラインで1回だけ実行され、ステップS13〜S18はモータ動作中に繰り返し実行される。
マイコン20は、まず、電圧センサ15からインバータ電圧の初期値VI _INIを取得して、内部のメモリ(図示せず)に記憶する(ステップS11)。次に、マイコン20は、ステップS11で取得したインバータ電圧の初期値VI _INIに基づき、式(6)を用いて、電解コンデンサ16を含む経路の抵抗の初期値RC _INIを求め、求めた値を記憶する(ステップS12)。
モータ動作中において、マイコン20は、検査周期か否かを判断し、検査周期のときにはステップS14へ、検査周期でないときにはステップS18へ進む(ステップS13)。前者の場合、マイコン20は、電圧センサ15からインバータ電圧の現在値VI を取得する(ステップS14)。次に、マイコン20は、ステップS14で取得したインバータ電圧の現在値VI に基づき、式(6)を用いて、電解コンデンサ16を含む経路の抵抗の現在値RC を求める(ステップS15)。
次に、マイコン20は、ステップS12で記憶した抵抗の初期値RC _INIとステップS15で求めた抵抗の現在値RC との偏差(2個の値の差の絶対値)を求め、求めた偏差が所定の閾値よりも大きいときにはステップS17へ、偏差が閾値以下のときにはステップS18へ進む。前者の場合、マイコン20は、警告信号ALを出力する(ステップS17)。警告信号ALは、例えば車両の警告灯の制御回路に供給される。警告信号ALが出力されると、警告灯が点灯する。
ステップS13で検査周期でないと判断された後、ステップS16で偏差が閾値以下と判断された後、および、ステップS17の後に、マイコン20はオープンループ制御を実行する(ステップS18)。次に、マイコン20は、ステップS13へ進む。このようにマイコン20は、ステップS11、S12を1回だけ実行し、その後はステップS13〜S18を繰り返し実行する。
以上に示すように、本実施形態に係るモータ制御装置は、モータの回路方程式に従いオープンループ制御のためのモータの駆動電圧を求めるときに、モータの電源に並列に接続された平滑用コンデンサを含む経路の抵抗値を求め、求めた抵抗値に基づく補正を行う。この補正を行うときには、PWM駆動されるモータに電流が流れ始める初期における、モータ駆動回路に対する印加電圧値を検出し、検出した電流値、モータの電源電圧値(バッテリ電圧値)、および、配線部のインダクタンスに基づき、式(6)を用いて、平滑用コンデンサを含む経路の抵抗値を求める。これにより、モータ制御を高い精度で行うことができる。
また、本実施形態に係るモータ制御装置は、所定の検査周期で平滑用コンデンサを含む経路の抵抗値を求め、求めた抵抗値と最初に記憶した初期値との偏差が所定値以上のときに、警告信号を出力する。これにより、経路上の電子部品や接合部の劣化を利用者に認識させることができる。また、このモータ制御装置を備えた電動パワーステアリング装置によれば、モータ制御を高い精度で行えるので、スムーズな操舵補助が可能となる。
なお、以上の説明では、バッテリ電圧値VB は固定値であることとしたが、電圧センサ15とは別に、バッテリ電圧値VB を検出する電圧センサを車載バッテリ100の近傍に設け、式(6)を用いて電解コンデンサ16を含む経路の抵抗値を求めるときに、電圧センサで検出されたバッテリ電圧値VB を用いてもよい。
また、本発明は、上述したコラムアシスト型の電動パワーステアリング装置だけでなく、ピニオンアシスト型やラックアシスト型の電動パワーステアリング装置にも適用できる。また、本発明は、電動パワーステアリング装置以外のモータ制御装置にも適用できる。
13…モータ駆動回路、16…電解コンデンサ、20…マイコン

Claims (5)

  1. モータを駆動するモータ制御装置であって、
    前記モータに供給すべき電流の量を示す指令電流値と前記モータのロータの角速度とに基づき、モータの回路方程式に従い、前記モータの駆動に用いられる指令電圧のレベルを求めるオープンループ制御手段と、
    前記モータの電源に並列に接続された平滑用コンデンサと、
    前記平滑用コンデンサを含む経路の抵抗値を求め、求めた抵抗値に基づき、前記オープンループ制御手段で求めた指令電圧のレベルを補正する補正手段と、
    前記補正手段で補正されたレベルの電圧を用いて前記モータを駆動するモータ駆動手段とを備えた、モータ制御装置。
  2. 前記補正手段は、次式(A)に従い、前記平滑用コンデンサを含む経路の抵抗値を求めることを特徴とする、請求項1に記載のモータ制御装置。
    C=VB・L/∫(|VB−VI|)dt …(A)
    ただし、VB は前記モータの電源電圧値、VI は前記モータ駆動手段に対する印加電圧値、Lは配線部のインダクタンス、RC は求めるべき抵抗値である。
  3. 前記モータ駆動手段は、PWM制御によって前記モータを駆動し、
    前記補正手段は、PWM制御によって前記モータに電流が流れ始める初期における、前記モータ駆動手段に対する印加電圧値に基づき、前記平滑用コンデンサを含む経路の抵抗値を求めることを特徴とする、請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記補正手段は、前記平滑用コンデンサを含む経路の抵抗値の初期値を記憶し、求めた抵抗値と記憶した初期値との偏差が所定値以上のときに警告信号を出力することを特徴とする、請求項2または3に記載のモータ制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のモータ制御装置を備えた、電動パワーステアリング装置。
JP2009136296A 2009-06-05 2009-06-05 モータ制御装置および電動パワーステアリング装置 Pending JP2010284030A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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