JP2010283089A - 露光装置およびデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】線幅を制御しつつ重ね合わせ精度の変化を少なくおさえる露光装置を提供する。
【解決手段】原版25を基板28に投影露光する投影光学系21と、前記投影光学系を構成する光学素子と、露光装置の各部の振動を計測する振動計測手段37、38、39、40と、からなる露光装置において、前記光学素子に振動を発生させる振動発生機構を有し、前記振動計測手段による計測結果に基づいて、前記光学素子を振動させることを特徴とする露光装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、原版のパターンを基板に露光する露光装置に関する。
半導体露光装置は、数多くの異なる種類のパターンを有するレチクル(原版あるいはマスク)をウェハ(基板)に転写する装置である。高集積度の回路を作成するためには、重ね合せ精度を維持したまま、線幅均一性を向上することが不可欠である。
半導体露光装置において、線幅が変化する原因としては露光量の変化、振動振幅の変化、光学素子やウェハ、レチクルの位置変動等が挙げられる。これに対して、『露光量を調整する』、『振動量を調整する』、『フォーカスを調整する』ことで線幅を制御することが可能である。露光量は照明ユニット内もしくは前後に可変絞りを構成するなどの方法で調整される。振動量についてはウェハや光学素子の振動振幅を変化させることで調整される。フォーカスはウェハやレチクル、光学素子を光軸方向に移動させることで調整可能である。
従来、半導体露光装置用の機構としては、以下のような技術が開示されている。
例えば特許文献1には、アクチュエータを備え投影光学系内の光学素子を移動させる機構が開示されている。これは、主に振動により生じたウェハに対する像の位置誤差を検出し、検出された位置誤差量を打ち消すように投影光学系内の光学素子を駆動する方法である。理想的に実施された場合、像の位置誤差を補正することで重ね合わせ精度を向上させることが可能である。また、機械的振動等を含んだ計測結果が、制御装置に送られる信号を比較すると、高周波の成分を取り除いた低周波の成分を対象とし、位置誤差量を低減することで重ね合わせ精度の向上が図られている。
また、特許文献2には、ウェハステージに追加の振動を加える機構が開示されている。ウェハの振動計測結果に基づいて、ウェハ各部分での振動が実質的に一様になるようにウェハステージに追加の振動を加えることで、線幅の変化を抑え、線幅均一性の向上が図られている。ウェハの縁部と中心部で振動振幅が変化するため、ウェハ各部で目標値を変化させている。
特開2006−148119号公報 特開2006−100830号公報
しかし、特許文献1においては、位置誤差を補正するようにレンズを駆動するため、重ね合わせ精度の向上は見込めるが、線幅が変化した場合に、線幅のみを効果的に補正することは困難である。
また、重ね合わせ精度の向上に主眼を置いた特許文献1と異なり、光学素子の駆動により、重ね合わせ精度を維持したまま線幅の最適化を図ったとしても、フォーカスを変動させることで線幅が均一になるように光学素子を移動させることが望ましい。但しこの場合は、光学素子の傾き誤差により生じるディストーションや像振動が重ね合わせ精度の悪化に直結する。
また、特許文献2においては、ウェハステージが高速で駆動している場合、追加の振動を加えることで位置精度が悪化し、線幅均一性が向上しても重ね合わせ精度の悪化が生じる懸念がある。また、ウェハの振動を計測しているため、ウェハが振動することで発生する線幅の変化は補正対象となるが、レチクルや投影光学系、鏡筒定盤等の振動による線幅の変化を効果的に補正することが困難である。
以上のように、線幅の変化量を低減するために、線幅を制御しつつ重ね合わせ精度の変化を少なくおさえる機構及び方法が求められていた。
そこで、本発明は、線幅を制御しつつ重ね合わせ精度の変化を少なくおさえる露光装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための露光装置は、原版を基板に投影露光する投影光学系と、前記投影光学系を構成する光学素子と、露光装置の各部の振動を計測する振動計測手段と、
からなる露光装置において、前記光学素子に振動を発生させる振動発生機構を有し、前記振動計測手段による計測結果に基づいて、前記光学素子を振動させることを特徴とする。
本発明によれば、線幅を制御しつつ重ね合わせ精度の変化を少なくおさえる。
本発明の実施形態1における光学素子振動機構の模式図である。 本発明を使用した露光装置における振動振幅許容値のグラフである。 本発明の実施形態1における振動計測手段の配置図である。 本発明の実施形態2における光学素子振動機構の模式図である。 本発明の実施形態3における光学素子振動機構の模式図である。 本発明の実施形態4における光学素子振動機構の配置図である。 本発明の実施形態4における光学素子振動機構の配置図である。 本発明の実施形態4における光学素子振動機構の配置図である。 本発明の実施形態3の変形例を示す模式図である。 本発明の実施形態4における光学素子振動機構の配置図である。 本発明の実施形態5における光学素子振動機構の配置図である。 本発明の実施形態6における光学素子振動機構の配置図である。 本発明で使用する計算フローの概略図である。
本発明の実施形態1の振動計測手段を図3に示す。この装置は、スリット照明下でレチクル(原版)をスキャン駆動し、これに同期して半導体ウェハ(基板)をスキャン駆動しながら投影露光を行なう、スキャナ式露光装置である。本発明の駆動機構を搭載した投影光学系21は、所定の光学パワーを有したレンズ(光学素子)、レンズの駆動機構、及びこれらを収納する固定鏡筒で構成されたものを個々のレンズユニットとし、複数のレンズユニットが積層されて構成されている。
露光装置の各部の振動を計測する振動計測手段は必要に応じ、干渉計、速度センサ、加速度センサ、などの適切な種類が選択され、適切な場所に設置される。
ウェハの(いずれか1つ以上の)加速度を計測する為の第1の加速度計37(振動計測手段)は、配置スペースに応じて、概ねウェハ28と同じ動きをする近傍に配置すればよい。第1の加速度計37の計測データ(計測結果)は演算処理部41に転送され、ウェハの変形量から類推される像振動量が計算される。さらに、計算された像振動量を打ち消すのに至適な光学素子の振動の振幅、周波数および位相に換算した結果が、レンズ制御手段30を介して、後述の光学素子振動機構の目標値として入力される。
本発明の実施形態1の光学素子振動機構を図1に示す。光学素子振動機構310は振動対象となる光学素子300、振動を発生させる振動子302(振動発生機構)および、質量301(固定部とは異なる質量)で構成される。質量301は、振動子302で発生させた力を反力として光学素子側に伝えるため、振動子302の一端に配置される。振動子302は図3に示したレンズ制御手段30により、振動の振幅もしくは周波数もしくは位相が制御される。(光学素子振動機構310については後に詳述する。)
演算処理部41で行われる光学素子振動機構の、目標値計算の大まかなフローを図13に示す。ここで記載する像振動量とは、像の振動の振幅、周波数および位相である。
本計算フローに示すように
(3)組立時の像振動量
− (4)外乱振動による像振動量 = (5)追加すべき像振動量
となる目標値を光学素子振動機構に与えることで、
(4)外乱振動による像振動量 + (5)追加すべき像振動量 ≒ 実際の像振動量
として、組立時の像振動量とほぼ同じ像振動量を維持することが可能となる。
ここで、(5)が負になることを回避する為、予め、『(2)レンズ組立時に振動機構で追加した振動による像振動量』を設けている。これにより、
(4)外乱振動による像振動量>(1)レンズ組立時の外乱振動による像振動量
の状態であっても、(2)の追加分だけ、(5)が負になることを回避できる。このように、外乱振動による像振動が組立時よりも増加した場合でも、本発明による光学素子振動機構により像振動量を一定に保つことが可能となる。
最後に、像振動量の一定化、像振動周波数および位相の最適化、重ねあわせ精度の向上、反力の最小化等を加味した最適化計算が行われ、至適な光学素子振動量が計算される。
以上のように、本発明の実施形態1においては、図3に示した振動計測手段37、38、39、40と図1に示した光学素子振動機構310、図13に示した計算フローを組み合わせて用いることで、像振動量を一定に保つことが可能となる。
以下に、像振動量の周波数および位相の最適化について述べる。
図13の最適化計算により計算される光学素子振動機構の目標値は、スキャンスピードとスリット幅に応じて好適な周波数もしくは位相を選択することで、より効果的に線幅を制御して、重ね合わせ精度の悪化量を低減することが可能である。
特に、
「1回のスキャンにかかる時間」÷「振動の1周期」= 整数 式[1]
となる場合、重ね合わせ精度の悪化は緩和される。概容を以下に示す。
1回のスキャンに要する時間は、式[2]で模式的に表現される。
「1回のスキャンにかかる時間」= 「スリット幅」/「スキャンスピード」 式[2]
従って、露光パターンによって決定されるスキャンスピードとスリット幅により、
「追加で振動を加える周波数」= 「スキャンスピード」/「スリット幅」×整数 式[3]
式[3]に従って振動させる周波数を変更することで、重ね合わせ精度の悪化を抑えつつ、線幅をより効果的に制御することができる。
また、定性的に、像性能としては、追加で加えられる振動が高周波数になると、平均化効果により重ね合わせ精度の悪化量は低減し、線幅の変化のみ生じる傾向がある。
一例として、スキャンスピード500ミリ/秒、スリットサイズ9ミリを想定した場合について、重ね合わせ精度の悪化量と線幅変化量の許容値が一定である場合、各周波数で許容される振動振幅を模式的に表現したものを図2に示す。重ね合わせ精度から決定される許容振幅は、低周波においては小さく、高周波になればなるほど許容振幅が増える傾向にあることがわかる。また、前述の条件下においては、55Hz、110Hz(以降55Hzの整数倍刻み)周辺が重ね合わせ精度の悪化を招きにくいため、振動を加える際に適した周波数であることがわかる。
次に振動計測手段について詳述する。図3の第2の加速度計39は、レチクルの加速度を計測し、計測データは演算処理部41に転送され、レチクルの変形量から類推される像振動量が計算された後、光学素子の振動の振幅、周波数および位相が決定される。
また、第3の加速度計38は投影光学系21の加速度を計測し、計測結果は演算処理部41に転送され、投影光学系21の剛性に基づいて投影光学系全体の弾性変形を計算する。さらに、計算された像振動量を打ち消す(変化)のに至適な光学素子の振動の振幅、周波数および位相に換算した結果が、レンズ制御手段30を介して、後述の光学素子振動機構の目標値として入力される。
また。不図示の投影光学系内部の剛性に基づいて、光学素子の位置変化を計算し、至適な光学素子振動振幅を決定しても有効である。
さらに、第4の加速度計40は鏡筒定盤22の加速度を計測する。計算結果は、鏡筒定盤22の振動が投影光学系21に伝わる振動伝達率に基づいて、投影光学系21の外乱振動に換算された後、光学素子の振動の振幅、周波数および位相が決定される。
以上、第1の加速度計37、第2の加速度計39、第3の加速度計38、第4の加速度計40を用いた像振動量の予測を行う場合、1箇所(いずれか一つ以上)の加速度のみを用いても良いし、複数を同時に用いても良い。また、図示以外の箇所の加速度を計測し、像振動量の予想に用いても良い。
次に、本発明の実施形態1の光学素子振動機構310について、図1に基づき詳述する。この光学素子振動機構310は光学素子300、光学素子保持部材303、振動子302、質量301、自重保持機構304および固定部305から構成される。自重保持機構304は光学素子300、光学素子保持部材303(光学素子保持機構)、振動子302、質量301の総重量を保持する部材であり、必要に応じて、振動子302と光学素子300との間に配置される。ここで、光学素子保持部材303は複数の部材に分かれていても良い。また、光学素子保持部材303を廃し、振動子302、自重保持機構304が直接光学素子300に結合されていても良い。
固定部305は、図3における投影光学系21の一部分を構成する。ここで,光学素子保持部材303は自重保持機構304によって、固定部305に接続されている。
振動子302の伸縮等により発生した振動は、質量301と光学素子保持部材303に互いの反力として入力され、固定部305と光学素子300を相対的に振動させることができる。
振動子302は水晶振動子やピエゾアクチュエータ、サーボバルブ、回転型モータ等、振動を発生する機構であれば限定はされない。例えば、図1は模式的に振動子302が直動側アクチュエータとして示され、質量301との組み合わせで振動を発生させている。ここで、振動子302を回転型モータとし、質量301を回転型モータの回転軸に対して重心が偏った質量とした振動子であっても良い。
振動子302をピエゾアクチュエータとした場合を例にして図1で説明する。レンズ制御手段30により、振動子302に加える電圧振幅を変動させることで、光学素子300に発生させる振動振幅を制御することが可能となる。
また、振動子302に加える電圧に上限または下限が存在し、所望の振動振幅を光学素子300に発生させることが困難な場合がある。この場合、質量301の重量を重くすれば反力が増加し、光学素子300の振動振幅を増加させることができる。また、反力の大きさが同じ場合でも、自重保持機構304のバネ定数を小さくすることで、光学素子300と固定部305の相対的な振動振幅を大きくすることができる。これにより、振動子302で発生する振動が同一でも、光学素子300に発生する振動振幅をオフセットさせることが可能である。好適には、光学素子300が振動する固有振動数と、追加した振動の周波数を一致させることで、共振現象を利用して、振動子に加える電圧振幅を小さく抑えることができる。ここで、光学素子300が振動する固有振動数とは、模式的に光学素子300、質量301、振動子302、光学素子保持部材303の重量の総和と自重保持機構304のバネ定数より決定されるものである。
また、『自重保持機構304のバネ定数』とは、光学素子保持部材303等の剛性も含め、自重を保持する部材全体の剛性を模式的にバネ定数として表したものである。
図1で模式的に示した実施形態1の光学素子振動機構310は、質量301の代替として、光学素子300もしくは光学素子300と光学素子保持部材303をあわせたものとした場合、後述する実施形態2の光学素子振動機構の変形例となる。
本発明の露光装置によれば、複数の光学素子の中から、振動を発生させる光学素子を選択することが可能である。このため、『ウェハステージと比較して低速度で駆動する光学素子』もしくは『駆動を行わない光学素子』に振動を加えることができるため、位置精度の向上が図れ、重ね合わせ精度の向上も図ることが可能である。
また、振動を追加する対象を光学素子とすることで、露光装置に複数搭載される光学素子の中から『質量』、『剛性』、『振動に対する像性能変化量』等が最適な光学素子を選択することが可能である。
つぎに、本発明の実施形態2の光学素子振動機構を図4にしめす。この光学素子振動機構320は、2組の、光学素子300、312、光学素子保持部材303、313および自重保持機構304,314を有する。この機構では振動子302の両端に光学素子保持部材303、313が配置(二つ以上配置)されている。このため、振動子302の振動により、第1の光学素子300
及び第2の光学素子312の両方を固定部305に対して相対的に振動させることが可能である。
本実施形態においては、振動に伴う第1の自重保持機構304の変形に伴う反力が、第1の光学素子保持部材303〜振動子302〜第2の光学素子保持部材313〜第2の自重保持機構314と伝わり、固定部305に戻る構造となっている。このため、反力が固定部305より外側の不図示部分に伝わりにくいため、第1の光学素子300、第2の光学素子312に振動を追加した場合に、所望の光学素子以外の部分に有害な振動を発生しにくいという利点がある。
光学素子振動機構320は、第2の光学素子312及び第2の光学素子保持部材313をあわせたものを質量301に変更した場合、実施形態1の変形例となる。この場合でも、所望の光学素子以外の部分に有害な振動を発生しにくいという利点は変更されない。
また、振動子を直動アクチュエータとした場合を考える。直動アクチュエータの全長の平均値を変化させることで、第1の自重保持機構304及び第2の自重保持機構314のバネ定数比に応じて、第1の光学素子300及び第2の光学素子312の位置を変更することも可能である。
つぎに、本発明の実施形態3の光学素子振動機構330を図5に示す。不図示の部分(離れた部分)を振動源とし、光学素子300の近傍に振動波311を伝播することで、光学素子300に振動を発生させることが可能である。
振動波311を発生させる方法の一例としては、音波に代表されるような、気体もしくは液体中の振動を伝播させる方法が挙げられる。例えば、投影光学系21や鏡筒定盤22上に設置された音源から所望の周波数で音波を発生させる機構等が挙げられる。また、笛に見られるように、気体、流体の流れにより共振現象を発生させる方法も挙げられる。
振動波311を発生させる方法の別の一例として、振動または衝撃波を金属や金属線等を介して伝播させる方法が挙げられる。例えば、投影光学系21や鏡筒定盤22上に振動子や回転型モータを設置し、振動子や回転型モータの駆動により振動を発生させ、金属中を伝播させる機構等が挙げられる。
『振動波311の周波数』もしくは、『光学素子300及び光学素子保持部材303の重量及び自重保持機構304のバネ定数から模式的に決定される固有値』もしくはその両方を、追加したい振動の周波数と一致させる。このことで、共振現象を利用して、所望の周波数での振動振幅を増加させ、所望の周波数以外での振動振幅を比較的小さくおさえることができる。
この実施形態3の光学素子振動機構の変形例を図9に示す。光学素子振動機構340は質量315と質量保持機構316を付加することで、『質量315の重量と質量保持機構316のバネ定数から決定される固有値』でも共振現象を起こすことが可能になっている。前述の式[1]、[2]、[3]より模式的に決定される周波数に応じて、質量315と質量保持機構316を1組以上用意することで、複数の周波数で共振現象を利用して効果的に光学素子300を振動させることが可能である。これにより、振動波311の周波数制御に制約がある場合においても、スキャンスピードやスリット幅の違いに対応し、適合する周波数で振動を追加することが可能である。
つぎに、本発明の実施形態4の光学素子振動機構を図6、図7、図8および図10に示す。図6、図7、図8は図1における振動子302と自重保持機構304を光軸方向から投影して、模式的に示したものである。振動子302は発生させる振動に応じて、1箇所以上配置されていれば良い。例えば、図1の光学素子振動機構310を図6、図7の位相に配置した場合、X軸周りの回転振動を発生させることができる。好適には図8に示すように、等ピッチ、等円周上に配置することで、X軸周りの回転、Y軸周りの回転、Z軸方向の並進の振動を追加することが可能である。
また実施形態1の光学素子振動機構310の変形例を図10に示す。光学素子振動機構350は図1の振動子302及び質量301の一方の配置方向を変更した例である。ここでは、X方向に振動する第2の振動子318、X方向に配置された第2の質量317により、Y軸周りの回転振動に加え、X方向に並進振動を追加することが可能となっている。
このように、振動子が振動する方向を変更して取り付けることで、複数の任意の方向に振動を追加することが可能となる。
この例と同様に、実施形態2,3においても、質量、振動子、自重保持機構の配置を変更することで、X,Y,Z方向の並進振動および各軸周りの回転振動を任意に追加することが可能である。
また、実施例1〜4を複合し、より効果的に単一もしくは複数の振動を、光学素子300に追加することも可能である。
光学素子300の振動方向については、好適には像全体のズレを生じ、ディストーション等を生じない振動方向を選択することで、振動による重ね合わせ精度の悪化量を更に低減することが可能である。
また、複数の光学素子に対して本発明に記載の光学素子振動機構を搭載して、さらに線幅変化の低減効果を向上することも可能である。例えば、各光学素子が振動可能な周波数に相違を持たせることで、露光装置としてより広範な周波数で本発明の効果を得ることが可能である。また、同一周波数である場合も、単一の光学素子のみを振動させる場合と比較して、制御できる線幅の量を増やすことが可能となる。
さらに、実施形態3で示した共振現象を利用して、光学素子300に追加される振動数をより好適な周波数に限定する方法は、他の実施形態1,2、4でも有効である。
つぎに、振動計測手段についての、本発明の実施形態5を図11に示す。振動計測手段として干渉計を使用し、振動計測手段をウェハ28と、投影光学系21とに設置して2者間(二つ以上の物体間)の相対変位を計測する例である。干渉計光路33を通り、干渉計ターゲット31,32に注がれた光は不図示の干渉計により計測され、計測結果は、不図示の演算処理部で至適な光学素子の振動の振幅、周波数および位相に換算され、光学素子振動機構の目標値となる。
計測位置は、像の振動量が計算により類推できる箇所であれば、限定されない。
つぎに、振動計測手段についての、本発明の実施形態6を図12に示す。実施形態6では振動計測手段として速度センサであるレーザードップラー振動計を用い、レクチルステージ26と投影光学系21とをレーザ光のターゲット34、34としている。これらターゲットからの反射レーザ光を計測することにより、レクチル25と投影光学系21との間(二つ以上の物体間)の相対速度を計測する。計測結果は、不図示の演算処理部で至適な光学素子の振動の振幅、周波数および位相に換算され、光学素子振動機構の目標値となる。
[デバイス製造方法の実施形態]
次に、本発明の一実施形態のデバイス(半導体デバイス、液晶表示デバイス等)の製造方法について説明する。当該方法において、本発明を適用した露光装置を使用し得る。
半導体デバイスは、ウェハ(半導体基板)に集積回路を作る前工程と、前工程で作られたウェハ上の集積回路チップを製品として完成させる後工程とを経ることにより製造される。前工程は、前述の露光装置を用いて、感光剤が塗布されたウェハを露光する工程と、その工程で露光されたウェハを現像する工程とを含み得る。後工程は、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)と、パッケージング工程(封入)とを含み得る。また、液晶表示デバイスは、透明電極を形成する工程を経ることにより製造される。透明電極を形成する工程は、透明導電膜が蒸着されたガラス基板に感光剤を塗布する工程と、前述の露光装置を用いて、感光剤が塗布されたガラス基板を露光する工程と、その工程で露光されたガラス基板を現像する工程とを含み得る。
本実施形態のデバイス製造方法は、デバイスの生産性、品質および生産コスト、ならびに安全性の少なくとも一つにおいて従来よりも有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
21 :投影光学系
25 :レチクル(原版)
28 :ウェハ(基板)
37 :第1の加速度計
300 :光学素子
302 :振動子

Claims (11)

  1. 原版を基板に投影露光する投影光学系と、
    前記投影光学系を構成する光学素子と、
    露光装置の各部の振動を計測する振動計測手段と、
    からなる露光装置において、
    前記光学素子に振動を発生させる振動発生機構を有し、前記振動計測手段による計測結果に基づいて、前記光学素子を振動させることを特徴とする露光装置。
  2. 前記振動発生機構が前記光学素子の振動の振幅を変化させることを特徴とする、請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記振動発生機構が前記光学素子の振動の周波数を変化させることを特徴とする、請求項1に記載の露光装置。
  4. 前記振動発生機構が前記光学素子の振動の位相を変化させることを特徴とする、請求項1に記載の露光装置。
  5. 前記振動計測手段が前記光学素子、前記原版(レチクル)、前記基板(ウェハ)および前記光学素子を除く前記投影光学系のうち、いずれか一つ以上の加速度を計測することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の露光装置。
  6. 前記振動計測手段が前記光学素子、前記原版(レチクル)、前記基板(ウェハ)および前記光学素子を除く前記投影光学系のうち、二つ以上の物体間の相対変位を計測することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の露光装置。
  7. 前記振動計測手段が前記光学素子、前記原版(レチクル)、前記基板(ウェハ)および前記光学素子を除く前記投影光学系のうち、二つ以上の物体間の相対速度を計測することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の露光装置。
  8. 前記振動発生機構が、振動子の一端に固定部とは異なる質量が配置されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の露光装置。
  9. 前記振動発生機構が、前記振動子に対して両端に前記光学素子もしくは光学素子保持部材が二つ以上配置されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の露光装置。
  10. 前記振動発生機構が、前記光学素子もしくは前記光学素子保持機構から離れた部分に配置された振動源から伝播される振動波により振動を発生することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の露光装置。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、
    前記工程で露光された基板を現像する工程と、
    を有することを特徴とするデバイス製造方法。
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