JP2021089361A - ステージ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】計測される振動特性の変化を考慮して制御パラメータを変更することによってステージの駆動精度を向上させることができるステージ駆動装置を提供する。【解決手段】本発明に係るステージ駆動装置は、第1の方向に垂直であると共に、第1の方向に直交する第2の方向に延在する第1の計測面であって、第2の方向に沿って配列された複数の計測領域を有する第1の計測面が設けられたステージと、ステージを第1の方向及び第2の方向に移動させる駆動部と、第1の計測面の所定の計測領域に光を出射する光源を有し、第1の計測面から反射された光を受光することでステージの第1の方向における位置を計測する第1の計測部と、第1の計測部によって光が照射される計測領域の変更に伴って、第1の方向におけるステージの移動に関する駆動部の制御パラメータを変更するように駆動部を制御する制御部とを備える。【選択図】 図3

Description

本発明は、ステージ駆動装置に関する。
近年、露光装置においては、転写するパターンの微細化に伴って、ウェハ上における露光位置の高精度化、すなわちウェハが載置されるステージの駆動精度の向上が求められている。
特許文献1は、ステージの駆動精度を向上させるために、第1の位置計測手段及び第2の位置計測手段の間で切り替えを行う切り替え手段と、該切り替えに応じてステージ駆動の制御パラメータを変更する変更手段とを備えたステージ駆動装置を開示している。
特開2015−106606号公報
露光装置において用いられるステージは構造に依存した固有の振動特性を有しているため、ステージの移動に伴って位置計測手段によるステージ上の計測ポイントが変わると、計測される振動特性も変わってくる。
特許文献1では、投影系による光路の遮蔽を回避するために、ステージの移動に伴って位置計測手段を切り替えると共に制御パラメータの設定値を変更しているが、そのような計測される振動特性の変化については検討していない。
そこで本発明は、ステージの移動に伴って計測ポイントが変わる際に、計測される振動特性の変化を考慮して制御パラメータを変更することによってステージの駆動精度を向上させることができるステージ駆動装置を提供することを目的とする。
本発明に係るステージ駆動装置は、第1の方向に垂直であると共に、第1の方向に直交する第2の方向に延在する第1の計測面であって、第2の方向に沿って配列された複数の計測領域を有する第1の計測面が設けられたステージと、ステージを第1の方向及び第2の方向に移動させる駆動部と、第1の計測面の所定の計測領域に光を出射する光源を有し、第1の計測面から反射された光を受光することでステージの第1の方向における位置を計測する第1の計測部と、第1の計測部によって光が照射される計測領域の変更に伴って、第1の方向におけるステージの移動に関する駆動部の制御パラメータを変更するように駆動部を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ステージの移動に伴って計測ポイントが変わる際に、計測される振動特性の変化を考慮して制御パラメータを変更することによってステージの駆動精度を向上させることができるステージ駆動装置を提供することができる。
第一実施形態に係るステージ駆動装置の模式的斜視図。 第一実施形態に係るステージ駆動装置において計測される振動の変化を説明した図。 第一実施形態に係るステージ駆動装置によるステージのフィードバック制御を示した図。 第一実施形態に係るステージ駆動装置においてステージに設けられた各ミラー面における計測ポイントの配置を示した図。 第一実施形態に係るステージ駆動装置においてステージに設けられたミラー面の各計測ポイントにおいて計測される振動特性のゲイン線図及び位相線図。 第一実施形態に係るステージ駆動装置において算出したノッチフィルタを適用した際の計測される振動特性の変化を示したゲイン線図及び位相線図。 第一実施形態に係るステージ駆動装置において算出したノッチフィルタを適用した際の計測される振動特性の変化を示したゲイン線図及び位相線図。 第一実施形態に係るステージ駆動装置において算出した逆フィルタを適用した際の計測される振動特性の変化を示したゲイン線図及び位相線図。 第一実施形態に係るステージ駆動装置において算出した逆フィルタを適用した際の計測される振動特性の変化を示したゲイン線図及び位相線図。 第二実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置において用いられるウェハの模式的上面図。 第二実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置において各露光画角を露光する際のウェハステージの駆動の様子を示した図。 第二実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置においてパラメータの切り替えの様子を示した図。 第三実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置においてパラメータの切り替えの様子を示した図。 本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置を用いて半導体デバイスを製造する際のフローチャート。 本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置の要部模式図。
以下に、本実施形態に係るステージ駆動装置を添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に示す図面は、本実施形態を容易に理解できるようにするために、実際とは異なる縮尺で描かれている。
ICやLSI等を含む半導体デバイス、液晶デバイス、CCD等を含む撮像デバイス及び磁気ヘッド等は、フォトリソグラフィー技術を利用した露光装置を用いて製造される。
露光装置では、エキシマレーザや水銀ランプを含む露光光源から出射した露光光が、レチクル(原版)に描画されたマスクパターンに照射される。そして、マスクパターンを通過した露光光が基板(以降、ウェハと称する。)に所定の割合で縮小投影されることによって、ウェハ上に塗布されたレジストにパターンが転写される。
そして、精密駆動が可能なウェハステージ上にウェハが搭載されることによって、ステップアンドスキャンもしくはステップアンドリピート方式によってウェハ上の各露光画角に対して露光が行われる。
本実施形態は、上記のように各露光画角に対して露光を行う露光装置において、ウェハステージ(基板ステージ)をフィードバック制御するためのサーボシステムを構成するステージ駆動装置に関する。
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態に係るステージ駆動装置50の模式的斜視図を示している。
なお、以下では、ステージのウェハ載置面上の中心位置を原点とし、ステージに垂直な方向をZ方向、ステージに平行な面内においてウェハを走査する方向をY方向(第2の方向)、Z方向及びY方向に直交する方向をX方向(第1の方向)としている。
図1に示されているように、本実施形態に係るステージ駆動装置50は、粗動部1及び微動部2から構成されるステージと、干渉計3、4、5及び6と、反射面11、12、13、14、15及び16とを備えている。
本実施形態に係るステージ駆動装置50に設けられているステージは、X方向、Y方向及びZ方向それぞれにおいて移動可能である。そしてステージは、高推力のリニアモータ(駆動部)を備える粗動部1と、ボイルコイルモータ等の微小駆動に適したモータ(駆動部)を備える微動部2とから構成されている。
本実施形態に係るステージ駆動装置50に設けられているステージは、この構成により、高速かつ高精度な駆動を行うことができる。
また、ステージにおいてnmオーダの精度で複数軸の位置制御を行うために、ステージの各軸方向の位置を検出するための計測機構としての干渉計3、4、5及び6が設けられている。なお、干渉計3、4、5及び6はそれぞれ、単一の光源を備えている。
具体的には、図1に示されているように、ステージの微動部2に干渉計3(第1の計測部)及び干渉計4(第2の計測部)それぞれからの検出光を反射させるためのミラー面7(第1の計測面)及びミラー面8(第2の計測面)を設けている。
そして、ミラー面7及び8におけるステージの移動による反射光の干渉縞の変化を干渉計3及び4内の受光部によって観測する。これにより、ステージのX方向及びY方向における位置を計測することができる。
また、ステージの中心位置近傍のZ軸上には不図示の投影系レンズが設けられているため、ステージのZ方向における位置を計測するために、X方向の正側及び負側それぞれの領域にZ方向の位置を計測するための計測機構を設けている。なお、以降においては、X方向の正側及び負側をそれぞれX+側及びX−側と称し、Y方向の正側及び負側をそれぞれY+側及びY−側と称する。
具体的には、図1に示されているように、ステージの微動部2のX+側には、干渉計5(第1の計測部)からの検出光を反射させるためのミラー面9(第1の計測面)を設けられている。そして、干渉計5からの検出光をミラー面9に入射させるための反射面11、12及び13が設けられている。
また、ステージの微動部2のX−側には、干渉計6(第1の計測部)からの検出光を反射させるためのミラー面10(第1の計測面)を設けると共に、干渉計6からの検出光をミラー面10に入射させるための反射面14、15及び16が設けられている。
そして、反射面11及び14をステージのX方向における駆動に同期する不図示のリニアガイドに固定することにより、ステージのX方向における全ての駆動領域においてZ方向の位置を計測することができる。
図1に示されているように、ミラー面7はY方向に連続して延在する長尺な面であり、ミラー面8はX方向に連続して延在する長尺な面であり、ミラー面9及び10はそれぞれY方向に連続して延在する長尺な面である。
図2(a)及び(b)はそれぞれ、本実施形態に係るステージ駆動装置50のステージがY方向の中心位置及びY+側端部にあるときの干渉計5によるX+側のミラー面9上の計測ポイント17及び18を示している。
また、図2(c)は、計測ポイント17及び18それぞれにおけるステージの振動の様子を示しており、図2(d)は、計測ポイント17及び18それぞれにおけるZ方向のサーボ制御のゲイン線図を示している。
図2(a)及び(b)に示されているように、ミラー面9には、計測ポイント(計測領域)、すなわち計測ポイント17及び18を含む複数の計測ポイントがY方向に沿って配列されている。
また同様に、ミラー面7には複数の計測ポイントがY方向に沿って配列されており、ミラー面8には複数の計測ポイントがX方向に沿って配列されており、ミラー面10には複数の計測ポイントがY方向に沿って配列されている。この複数の計測ポイントの配置については図4も参照されたい。
なお、各計測ポイントの間隔(各計測領域の大きさ、互いに隣接する計測領域の中心間の距離)は、ステージの固有振動の振幅及び位相それぞれの変化量の少なくとも一方に応じて決定される。
そして、本実施形態に係るステージ駆動装置50においてステージがY方向の中心位置からY+側端部に駆動されると、干渉計5によるミラー面9上の計測ポイントが中心に設けられた計測ポイント17からY−側端部に設けられた計測ポイント18に移動する。
また、ステージは構造に応じた固有の振動特性(固有振動)を有しており、具体的には、例えば図2(c)に示されているような振動が観測される。
このとき、計測ポイント17は、特定の周波数をもつ振動が制振して計測される節の箇所に対応し、一方で計測ポイント18は、振動が増幅して計測される腹の部分に対応する。
このため、図2(d)に示されているように、計測ポイント17及び18それぞれで互いに異なるゲイン特性が現れ、具体的には、計測ポイント18では計測ポイント17よりもゲインが増大する共振特性が現れる。
このような特性の変動はステージの位置決め精度を低下させることに加えて、フィードバック制御の安定余裕を超えることによる発振現象を引き起こす原因にもなる。
従って、ステージにおける上記に示した共振特性を考慮することによって、より高い位置決め性能、ひいてはより高い応答性、制振性及び安定性を達成することができる。
なお、上記ではX+側のミラー面9を用いて説明したが、干渉計6に対応するX−側のミラー面10や、干渉計3及び4それぞれに対応するミラー面7及び8においても、同様の共振特性が現れる。
図15は、本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置100の要部模式図を示している。
なお、露光装置100ではステップアンドスキャン方式を用いているが、本実施形態に係るステージ駆動装置はステップアンドリピート方式の露光装置にも適用可能である。
図15に示されているように、露光装置100は、露光光源部21、露光制御コントローラ22、ステージ制御コントローラ23、ビーム成形光学系24を備えている。また、露光装置100は、ブレード25、粗動部27及び微動部28から構成されるレチクルステージ、干渉計30、投影系レンズ32、ウェハステージ35を備えている。
露光光源部21は、ArFエキシマレーザやKrFエキシマレーザ等のパルスレーザ光源を有している。
また、露光光源部21では、光源の光量とパルスの発振周期とを変更することが可能であり、これらは露光制御コントローラ22による露光量制御や、ステージ制御コントローラ23によるステージ制御に応じて調整される。
露光光源部21から照射された露光光は、ビーム成形光学系24を通過し、照度ムラの補正や所定の角度分布をもつ露光光に成形され、成形された露光光は、ブレード25を通過することによって露光領域以外の光が遮光される。
そして、遮光された露光光は、半導体デバイスを製造する際に必要な回路パターンが描写されたレチクル26に入射する。
レチクル26を保持するレチクルステージにおいて、粗動部27には、リニアガイド31と高推力が可能なアクチュエータ(不図示)とが設けられており、すなわち高推力なリニアモータが構成されている。
また、微動部28には、精密駆動が可能なアクチュエータ(不図示)が設けられており、リニアモータやボイスコイルモータが構成されている。
そして、微動部28にはミラー面29が設けられており、干渉計30からの光を反射することによってレチクル26のスキャン方向(Y方向)の位置が計測される。
そして、レチクル26を通過した露光光は、投影系レンズ32によって一定倍率に縮小され、縮小された露光光は、ウェハステージ35のチャック34によって吸着保持されているウェハ33に入射し、レチクル26のパターンがウェハ33に結像される。
図15に示されているように、ウェハステージ35には、図1に示されている構成に加えて、X方向及びY方向それぞれの駆動において用いられるリニアガイド36及び37と、各方向において高推力のアクチュエータ(不図示)とが設けられている。
ウェハステージ35及びリニアガイド36乃至37には、耐久性、低発塵及び制振性が求められるため、エアベアリング等の非接触構造が採用されている。
そして、ウェハステージ35及びリニアガイド36乃至37は、定盤38によって保持されており、ウェハステージ35の駆動によって発生する振動を吸収するために、定盤38と床39との間にはダンパ構造40が設けられている。
また、図15に示されているように、レチクルステージと、干渉計30が固定された支柱44と、投影系レンズ32と、ミラー12、13、15及び16とを保持するための構造体42が設けられている。
また、構造体42は、干渉計4が固定された支柱43と、干渉計5及び6が固定された不図示の支柱とを保持している。
そして、構造体42の振動を吸収するために、構造体42と床39との間にもダンパ構造41が設けられている。
レチクルステージ及びウェハステージ35は、ステージ制御コントローラ23によって制御される。
具体的には、ステージ制御コントローラ23にはCPUやDSP等の演算回路が設けられており、各ステージの位置を一定周期でサンプリングすると共に、フィードバック制御による指令信号を生成する。
そして、生成された指令信号はドライバ45に送信され、ドライバ45は受信した指令信号に基づいて各ステージの駆動に必要な電力を供給する。
次に、ステージ制御コントローラ23によるフィードバック制御について説明する。
図3は、露光装置100に設けられた不図示の制御部によって行われるウェハステージ35の微動部でのフィードバック制御を示している。
図3に示されているように、まずウェハステージ35のX、Y及びZ軸の目標位置(target x、target y及びtarget z)と、干渉計によって計測されるX、Y及びZ軸の現在位置(x、y及びz)との差分をPID制御の入力として与える。
なお、PID制御の連続時間系の表現は、ラプラス演算子sを用いて、以下の式(1)のように与えることができる。
Figure 2021089361
式(1)に示されているように、PID制御は、比例項である第1項、積分項である第2項、及び微分項である第3項から構成され、各項のゲインパラメータがK、K及びKで表されている。
ここで、ゲインパラメータK、K及びKは、ウェハステージ35のフィードバック制御における目標値に対する追従時間やオーバーシュート量などの動特性や、制御特性の変動下においてもサーボ制御が可能な安定性等を考慮して決定される。
また、連続時間系を離散時間系に変換するために一般的に用いられる双一次変換式は、以下の式(2)のように表される。
Figure 2021089361
ここで、Tはサンプリング時間であり、zはZ変換を示している。PID制御を含め、以降では全て連続時間系で説明を行うが、デジタル制御によるコントローラ上でパラメータを使用するためには、式(2)を用いて離散時間系への変換が行われる。
そして、図3に示されているように、各軸においてPID制御からの出力は補償フィルタを介してドライバ、そしてモータに入力され、モータからの出力がウェハステージ35の微動部に伝達される。
次に、露光装置100におけるウェハステージ35でのフィードバック制御における補償フィルタ(補償器)について説明する。
図4は、ウェハステージ35に設けられたミラー面7、8及び9それぞれにおける計測ポイントの配置を示している。
具体的には、Y方向に延在しているミラー面7上においては干渉計3による計測ポイントY(0)、Y(1)、・・・、Y(n)が配置されているとする。また、X方向に延在しているミラー面8上においては干渉計4による計測ポイントX(0)、X(1)、・・・、X(n)が配置されているとする。また、Y方向に延在しているミラー面9上においては干渉計5による計測ポイントY(0)、Y(1)、・・・、Y(n)が配置されているとする。
そして、上記に示したミラー面7、8及び9それぞれの計測ポイントにおいてX方向、Y方向及びZ方向におけるステージの特性を計測し、これらの特性を補正するための制御パラメータを決定する。
なお、干渉計6によるミラー面10上の計測ポイントにおける計測については、上記のミラー面9と同様であるため、説明を省略する。
そして、以下の式(3a)、(3b)及び(3c)はそれぞれ、ウェハステージ35のX軸、Y軸及びZ軸における振動特性を連続時間系で表現した式を示している。
Figure 2021089361
Figure 2021089361
Figure 2021089361
式(3a)乃至(3c)に示されているように、ウェハステージ35の振動特性は複数の共振特性及び反共振特性を有しており、これらは分子及び分母それぞれにおいて2次伝達関数を直列接続することによって表現することができる。
具体的には、式(3a)乃至(3c)それぞれにおける分母のパラメータは振動が増幅する共振特性を周波数fx,d、fy,d及びfz,d並びに減衰比φx,d、φy,d及びφz,dを用いて示している。
また、式(3a)乃至(3c)それぞれにおける分子のパラメータは振動が制振する反共振特性を周波数fx,n、fy,n及びfz,n並びに減衰比φx,n、φy,n及びφz,nを用いて示している。
ここで、例えば上記に示したように、ウェハステージ35がY方向に移動することに伴って、干渉計5によるミラー面9上の計測ポイントの位置が変化することにより、計測されるステージの振動は変化する。
そのため、ウェハステージ35のZ軸の振動特性を表す式(3c)における分子及び分母の各パラメータは、Y軸の位置に依存して決定されるパラメータとなる。
同様に、ウェハステージ35がY方向に移動することに伴って、干渉計3によるミラー面7上の計測ポイントの位置が変化することにより、計測されるステージの振動は変化する。
そのため、ウェハステージ35のX軸の振動特性を表す式(3a)における分子及び分母の各パラメータは、Y軸の位置に依存して決定されるパラメータとなる。
また、ウェハステージ35がX方向に移動することに伴って、干渉計4によるミラー面8上の計測ポイントの位置が変化することにより、計測されるステージの振動は変化する。
そのため、ウェハステージ35のY軸の振動特性を表す式(3b)における分子及び分母の各パラメータは、X軸の位置に依存して決定されるパラメータとなる。
また、式(3a)乃至(3c)におけるN、N及びNはそれぞれ、ウェハステージ35のX軸、Y軸及びZ軸における振動特性の次数を示している。
ここで、次数N、N及びNの値については、高次になるにつれてパラメータの数が増加すると共に演算誤差が大きくなることによって、パラメータの調整が複雑になるため、制御に必要な特性を得るのに十分とされる最小の次数を設定する。
上記に示したようなウェハステージ35の振動特性、具体的には共振特性や反共振特性のゲインを減少させるためには、以下に示すようなノッチフィルタや逆フィルタを用いることが考えられる。
以下の式(4a)、(4b)及び(4c)はそれぞれ、ウェハステージ35のX軸、Y軸及びZ軸における振動特性に対するノッチフィルタを連続時間系で表現した式を示している。
Figure 2021089361
Figure 2021089361
Figure 2021089361
ここで、δ、δ及びδはフィルタ減衰量であり、共振に伴う急峻なゲインの変化を抑制すると同時にフィルタの位相遅れによるサーボ特性の悪化を最小限とするように値が決定される。
また、以下の式(5a)、(5b)及び(5c)はそれぞれ、ウェハステージ35のX軸、Y軸及びZ軸における振動特性に対する逆フィルタを連続時間系で表現した式を示している。
Figure 2021089361
Figure 2021089361
Figure 2021089361
すなわち、式(5a)乃至(5c)に示されている逆フィルタを用いることで、ウェハステージ35の振動特性に含まれる共振特性及び反共振特性を相殺し、共振特性による急峻なゲインピークと反共振特性による位相遅れとによる影響を改善することができる。
ウェハステージ35の振動特性においてステージの制御帯域に近い低次の共振特性及び反共振特性が含まれている場合には、逆フィルタを用いることによる効果は大きい。
なお、逆フィルタを用いる場合には、フィードバック制御を安定に行うために、フィルタの極及び零点それぞれについて、実数が負の値である安定極及び安定零点を有することが条件となる。
以下の式(6a)、(6b)及び(6c)はそれぞれ、ウェハステージ35のX軸、Y軸及びZ軸における振動特性に対する補償フィルタを示している。
Figure 2021089361
Figure 2021089361
Figure 2021089361
ここで、パラメータkx,1、・・・、kx,Nx、ky,1、・・・、ky,Ny、kz,1、・・・、kz,Nzは以下の条件を満たす。
Figure 2021089361
Figure 2021089361
Figure 2021089361
式(6a)乃至(6c)に示されているように、補償フィルタでは、ウェハステージ35の各々の次数の特性に対応したノッチフィルタ及び逆フィルタが直列接続される。
次に、計測されるステージの振動特性の計測ポイントに応じた変化、及びそれに対する補償フィルタによる効果について説明する。
図5は、露光装置100におけるウェハステージ35に設けられたミラー面9の計測ポイントY(0)及びY(1)それぞれにおいて計測されるZ軸における振動特性のゲイン線図及び位相線図を示している。
図5に示されているように、ゲイン線図における縦軸はゲイン、横軸は周波数であり、位相線図における縦軸は位相、横軸は周波数である。
そして、計測ポイントY(0)及びY(1)それぞれにおいて計測される振動特性がP1及びP2で示されている。
なお、ここではZ軸の振動特性の次数を2としており、計測ポイントY(0)及びY(1)それぞれにおける各次数の共振特性及び反共振特性はそれぞれ、固有の周波数f及び減衰比φを有する。
すなわち、計測ポイントY(0)において計測されるZ軸における振動特性P1のうち、1次の共振特性a(1)は周波数f(y,1)及び減衰比φ(y,1)を有する。また、1次の反共振特性c(1)は周波数f(y,1)及び減衰比φ(y,1)を有する。
そして、計測ポイントY(0)において計測されるZ軸における振動特性P1のうち、2次の共振特性a(2)は周波数f(y,2)及び減衰比φ(y,2)を有する。また、2次の反共振特性c(2)は周波数f(y,2)及び減衰比φ(y,2)を有する。
また、計測ポイントY(1)において計測されるZ軸における振動特性P2のうち、1次の共振特性b(1)は周波数f(y,1)及び減衰比φ(y,1)を有する。また、1次の反共振特性d(1)は周波数f(y,1)及び減衰比φ(y,1)を有する。
そして、計測ポイントY(1)において計測されるZ軸における振動特性P2のうち、2次の共振特性b(2)は周波数f(y,2)及び減衰比φ(y,2)を有する。また、2次の反共振特性d(2)は周波数f(y,2)及び減衰比φ(y,2)を有する。
図6(a)は、振動特性P1における1次の共振特性a(1)及び2次の共振特性a(2)のパラメータを用いて算出したノッチフィルタのゲイン線図及び位相線図を示している。
また、図6(b)は、図6(a)に示されているノッチフィルタを図5に示されている振動特性P1に適用した場合に得られるゲイン線図及び位相線図を示している。
また、図6(c)は、図6(a)に示されているノッチフィルタを図5に示されている振動特性P2に適用した場合に得られるゲイン線図及び位相線図を示している。
図6(b)に示されているように、振動特性P1におけるパラメータから算出されたノッチフィルタを振動特性P1に適用するとP1’に変化し、すなわち、1次の共振特性a(1)はa’(1)に変化し、2次の共振特性a(2)はa’(2)に変化する。
これにより、振動特性P1における1次の共振特性a(1)及び2次の共振特性a(2)それぞれのピーク構造が抑制されていることがわかる。
一方、図6(c)に示されているように、振動特性P1におけるパラメータから算出されたノッチフィルタを振動特性P2に適用するとP2’に変化し、すなわち、1次の共振特性b(1)はb’(1)に変化し、2次の共振特性b(2)はb’(2)に変化する。
この場合、振動特性P2においては図6(a)に示されているノッチフィルタを適用しても1次の共振特性b(1)及び2次の共振特性b(2)それぞれのピーク構造は残存しており、フィードバック制御を不安定にする原因となる。
次に、図7(a)は、振動特性P2における1次の共振特性b(1)及び2次の共振特性b(2)のパラメータを用いて算出したノッチフィルタのゲイン線図及び位相線図を示している。
また、図7(b)は、図7(a)に示されているノッチフィルタを図5に示されている振動特性P2に適用した場合に得られるゲイン線図及び位相線図を示している。
図7(b)に示されているように、振動特性P2におけるパラメータから算出されたノッチフィルタを振動特性P2に適用するとP2’’に変化し、すなわち、1次の共振特性b(1)はb’’(1)に変化し、2次の共振特性b(2)はb’’(2)に変化する。
これにより、振動特性P2における1次の共振特性b(1)及び2次の共振特性b(2)それぞれのピーク構造が抑制されていることがわかる。
図8(a)は、振動特性P1における1次の共振特性a(1)、1次の反共振特性c(1)、2次の共振特性a(2)及び2次の反共振特性c(2)のパラメータを用いて算出した逆フィルタのゲイン線図及び位相線図を示している。
また、図8(b)は、図8(a)に示されている逆フィルタを図5に示されている振動特性P1に適用した場合に得られるゲイン線図及び位相線図を示している。
図8(b)に示されているように、振動特性P1におけるパラメータから算出された逆フィルタを振動特性P1に適用するとPN1に変化する。すなわち、1次の共振特性a(1)はa’(1)に変化し、1次の反共振特性c(1)はc’(1)に変化し、2次の共振特性a(2)はa’(2)に変化し、2次の反共振特性c(2)はc’(2)に変化する。
これにより、振動特性P1における1次の共振特性a(1)、1次の反共振特性c(1)、2次の共振特性a(2)及び2次の反共振特性c(2)それぞれのピーク構造は、相殺されていることがわかる。
図9(a)は、振動特性P2における1次の共振特性b(1)、1次の反共振特性d(1)、2次の共振特性b(2)及び2次の反共振特性d(2)のパラメータを用いて算出した逆フィルタのゲイン線図及び位相線図を示している。
また、図9(b)は、図9(a)に示されている逆フィルタを図5に示されている振動特性P2に適用した場合に得られるゲイン線図及び位相線図を示している。
図9(b)に示されているように、振動特性P2におけるパラメータから算出された逆フィルタを振動特性P2に適用するとPN2に変化する。すなわち、1次の共振特性b(1)はb’(1)に変化し、1次の反共振特性d(1)はd’(1)に変化し、2次の共振特性b(2)はb’(2)に変化し、2次の反共振特性d(2)はd’(2)に変化する。
これにより、振動特性P2における1次の共振特性b(1)、1次の反共振特性d(1)、2次の共振特性b(2)及び2次の反共振特性d(2)それぞれのピーク構造は、相殺されていることがわかる。
上記したように、ノッチフィルタを用いることによって共振特性におけるピーク構造を抑制することができる一方で、逆フィルタを用いた場合には共振特性及び反共振特性それぞれにおけるピーク構造を相殺することができる。
従って、補償フィルタとして逆フィルタを用いて全ての共振特性及び反共振特性を相殺することが理想的である。
しかしながら、実際には全ての共振特性及び反共振特性を相殺するように逆フィルタを導出することは困難であるため、相殺しきれない部分を補うためにノッチフィルタを用いることとなる。
以上に示したように、本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置100では、ウェハステージ35に設けられた各ミラー面において計測される振動特性が計測ポイントに応じて変化する。
そのため、計測された振動特性に対応したパラメータを有するノッチフィルタや逆フィルタからなる補償フィルタを算出してフィードバック制御に適用する。
それにより、高い応答性、制振性及び安定性を有するステージ駆動装置を提供することができ、ひいては本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置100ではスループット、解像度及びオーバーレイ精度を向上させることができる。
[第二実施形態]
図10は、第二実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置において用いられるウェハ33の模式的上面図を示している。
なお、本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置は、第一実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置100と同一の構成であるため、同一の部材には同一の符番を付して、説明を省略する。
図10に示されているように、ウェハ33上には複数の露光画角46(ショット領域)が配置されており、露光画角46の各々にレチクル26に形成されているパターンが転写される。
本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置では、各露光画角46を露光する際に、以下に示すようなタイミングで補償フィルタのパラメータを変更しながら、ウェハステージ35を駆動する。
図11(a)は、本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置においてウェハ33上の各露光画角を露光する際のウェハステージ35の駆動パターンを示している。
また、図11(b)は、図11(a)に示されているようにウェハステージ35を駆動させる際のY方向の速度及び制御偏差の時間変化を示している。
図11(a)に示されているように、本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置では、ステップアンドスキャン方式によってウェハステージ35を駆動させながらウェハ33上の各露光画角を露光する。
具体的には、最初に、露光画角D1を露光するために、X方向に沿ったステップ動作(1)を行った後、Y方向に沿ったスキャン動作(2)を行う。
次に、露光画角D2を露光するために、X方向に沿ったステップ動作(3)を行った後、Y方向に沿ったスキャン動作(4)を行う。
そして、露光画角D3を露光するために、X方向に沿ったステップ動作(5)を行った後、Y方向に沿ったスキャン動作(6)を行う。
次に、露光画角D4を露光するために、X方向に沿ったステップ動作(7)を行った後、Y方向に沿ったスキャン動作(8)を行う。このようなステップアンドスキャンを以降の露光画角を露光する際にも行っていく。
すなわち、本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置では、ウェハステージ35がX方向に沿った第1の移動(ステップ動作)及びY方向に沿った第2の移動(スキャン動作)を行う。その後、ウェハステージ35は、第1の移動と同じ向きの第3の移動(ステップ動作)及び第2の移動とは反対の向きの第4の移動(スキャン動作)を行う。
本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置は、このような第1乃至第4の移動からなるジグザグ移動を繰り返し行うステップアンドスキャン方式によって各露光画角を露光する。
なおここで、本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置では、各ステップ動作によって各露光画角のX方向における中央位置に移動し、各スキャン動作によって各露光画角のX方向における中央位置においてY方向に露光走査を行う。
以上に示したステップアンドスキャン動作(1)乃至(8)におけるウェハステージ35のY方向の速度及び制御偏差(目標位置と現在位置との差分)の時間変化が図11(b)に示されている。
図11(b)に示されているように、ステップ動作の際にウェハステージ35は加速駆動若しくは減速駆動を行っているため、制御偏差は大きくなる。
一方、スキャン動作の際には露光が行われるため、露光精度を維持するようにウェハステージ35は静定状態になる、すなわち加減速は行われない。
図12(a)は、補償フィルタのパラメータが設定されているウェハステージ35の各位置と各露光画角との間の位置関係を示している。
図12(a)に示されているように、ウェハステージ35のX方向及びY方向それぞれの位置に応じて補償フィルタのパラメータが設定されている。すなわち、補償フィルタのパラメータは、(X(0),X(1),X(2),・・・)×(Y(0),Y(1),Y(2),・・・)の格子状に設定される。換言すると、補償フィルタのパラメータは、X方向及びY方向それぞれに以下に示すような間隔px及びpyで配置される格子点にそれぞれ設定される。
そして、上記の位置を中心としてX方向については−px/2以上且つ+px/2未満、Y方向については−py/2以上且つ+py/2未満の面積を有するパラメータ使用領域においてその位置の補償フィルタのパラメータを用いることとする。
ここで、px及びpyはそれぞれ、図12(a)に示されている補償フィルタのパラメータが設定されている格子におけるX方向及びY方向の単位長さ(格子点の間隔)である。
すなわち、例えば図12(a)に示されているパラメータ使用領域60は、格子点(X(0),Y(2))を中心としたX方向については−px/2以上且つ+px/2未満、Y方向については−py/2以上且つ+py/2未満の領域である。
そして、ウェハステージ35のウェハ載置面上の中心位置(露光中心)がステップ動作もしくはスキャン動作においてこのパラメータ使用領域60内を移動する際には、格子点(X(0),Y(2))のパラメータが用いられる。
本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置では、図11(a)に示されているようにウェハステージ35を駆動させる際に、以下のようにウェハステージ35の各位置に対応するパラメータ使用領域におけるパラメータを用いる。
図12(b)は、本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置において図11(a)に示されているようにウェハステージ35を駆動させる際のY方向の速度及びパラメータの切り替えの時間変化を示している。
具体的には、まず、ステップ動作(1)では、位置(X(0),Y(2))のパラメータが用いられた後、位置(X(1),Y(2))のパラメータに切り替わる。
次に、スキャン動作(2)では、位置(X(1),Y(2))のパラメータが用いられた後、位置(X(1),Y(1))のパラメータに切り替わる。
次に、ステップ動作(3)では、最初に位置(X(1),Y(1))のパラメータが用いられる。その後、位置(X(2),Y(1))のパラメータ、位置(X(2),Y(0))のパラメータ、位置(X(3),Y(0))のパラメータ、位置(X(3),Y(1))のパラメータと切り替わる。
そして、スキャン動作(4)では、位置(X(3),Y(1))のパラメータが用いられた後、位置(X(3),Y(2))のパラメータに切り替わる。
次に、ステップ動作(5)では、位置(X(3),Y(2))のパラメータが用いられた後、位置(X(4),Y(2))のパラメータに切り替わる。
そして、スキャン動作(6)では、位置(X(4),Y(2))のパラメータが用いられた後、位置(X(4),Y(1))のパラメータに切り替わる。
次に、ステップ動作(7)では、最初に位置(X(4),Y(1))のパラメータが用いられる。その後、位置(X(5),Y(1))のパラメータ、位置(X(5),Y(0))のパラメータ、位置(X(6),Y(0))のパラメータ、位置(X(6),Y(1))のパラメータと切り替わる。
そして、スキャン動作(8)では、位置(X(6),Y(1))のパラメータが用いられた後、位置(X(6),Y(2))のパラメータに切り替わる。
本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置では、ウェハ33上の各露光画角を露光する際に、上記に示したように補償フィルタのパラメータを変化させる。
それにより、計測ポイントに応じて変化する振動特性の計測結果に対応するようにウェハステージ35を駆動させることができるため、ステージの振動特性を考慮してフィードバック制御を行うことができる。
そのため、高い応答性、制振性及び安定性を有するステージ駆動装置を提供することができ、ひいては本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置ではスループット、解像度及びオーバーレイ精度を向上させることができる。
[第三実施形態]
図13は、第三実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置での図11(a)に示されているようにウェハステージ35を駆動させる際のY方向の速度及びパラメータの切り替えの時間変化を示している。
なお、本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置は、第一実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置100と同一の構成であるため、同一の部材には同一の符番を付して、説明を省略する。
第二実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置でのパラメータの切り替えは、ウェハステージ35の位置のみに応じて決定している。そのため、パラメータの切り替えがスキャン動作の途中や開始直前に発生し、パラメータの切り替えに伴う制御偏差が露光精度に影響を与える可能性がある。
そこで、本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置では、ウェハステージ35の位置に加えて、以下に示すように各露光画角を露光する際のステップアンドスキャン動作も考慮して、補償フィルタのパラメータの切り替えを行う。
図13に示されているように、本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置では、各ステップ動作を開始するときに、続くスキャン動作において露光される露光画角の中心位置に最も近い位置のパラメータに切り替えている。
換言すると、本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置では、ステップ動作を開始する際に、ウェハステージ35における続くスキャン動作の開始位置と終了位置との中点に最も近い格子点の制御パラメータを用いる。
すなわち、まず、ステップ動作(1)の開始時に位置(X(1),Y(1))のパラメータに切り替えた後、スキャン動作(2)が行われる。
次に、ステップ動作(3)の開始時に位置(X(3),Y(1))のパラメータに切り替えた後、スキャン動作(4)が行われる。
次に、ステップ動作(5)の開始時に位置(X(4),Y(1))のパラメータに切り替えた後、スキャン動作(6)が行われる。
そして、ステップ動作(7)の開始時に位置(X(6),Y(1))のパラメータに切り替えた後、スキャン動作(8)が行われる。
以上に示したように、本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置では、ステップ動作の開始時に補償フィルタのパラメータを切り替えることで、パラメータの切り替えに伴う制御偏差をステップ動作の駆動中に収束させることができる。
それにより、パラメータの切り替えに伴う制御偏差がスキャン動作中における露光精度に影響しないようにステージの振動特性を考慮してフィードバック制御を行うことができる。
そのため、高い応答性、制振性及び安定性を有するステージ駆動装置を提供することができ、ひいては本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置ではスループット、解像度及びオーバーレイ精度を向上させることができる。
[物品の製造方法]
次に、本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置を利用した物品の製造方法について説明する。
ここで物品とは、半導体デバイス、液晶表示デバイス、これらのデバイスを製造する際に用いられるレチクル及びマスク、微細構造体等、露光装置を用いて製造することができるものを意味する。
図14は、本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置を用いて半導体デバイスを製造する際のフローチャートを示している。
物品としての半導体デバイスは、ウェハに集積回路を作る前工程と、前工程で作られたウェハ上の集積回路チップを加工して製品として完成させる後工程とを経ることによって製造される。
前工程は、ウェハに感光剤を塗布する工程(ステップS1)と、本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置を用いて感光剤が塗布されたウェハを露光する工程(ステップS2)とを含む。また、前工程は、露光されたウェハを現像する工程(ステップS3)と、現像されたウェハをエッチングする工程(ステップS4)とを含む。
なお、ステップS4ではエッチング工程の代わりにドーピング工程を行う場合もあり、ウェハを現像した後には、いくつかの処理形態がある。
また、後工程は、エッチングされたウェハに対してダイシングやボンディングを行うアッセンブリ工程(ステップS5)、及び封入するパッケージング工程(ステップS6)を含む。
また、物品としての液晶表示デバイスは、透明電極を形成する工程を経ることによって製造される。
ここで、透明電極を形成する工程は、透明導電膜が蒸着されたガラス基板に感光剤を塗布する工程と、本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置を用いて感光剤が塗布されたガラス基板を露光する工程と、露光されたガラス基板を現像する工程とを含む。
本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置を用いることによって、露光工程における露光精度を向上させることができ、それにより、高品質な物品を製造することが可能となる。
以上、好ましい実施形態について説明したが、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
例えば図15に示されているように、本実施形態に係るステージ駆動装置を備える露光装置100では、ウェハステージ35上にミラー面が設けられており、外部の構造体に干渉計が固定されている。
しかしながら、これに限らず、ウェハステージ35上に干渉計が設けられている一方で、外部の構造体にミラー面が固定されている構成を有する露光装置にも本実施形態を適用することができる。
この場合、ミラー面が固定された外部の構造体の振動特性に応じて補償フィルタのパラメータを決定することになる。
また、本実施形態は、上記で説明した三軸のステージ駆動装置に限らず、三軸以上の多軸制御のステージ駆動装置においても適用することができる。また、本実施形態は、露光装置に限らず他の装置にも適用することができる。
1 粗動部(ステージ)
2 微動部(ステージ)
3、4、5、6 干渉計(第1の計測部)
7、8、9、10 ミラー面(第1の計測面)
50 ステージ駆動装置

Claims (15)

  1. 第1の方向に垂直であると共に、前記第1の方向に直交する第2の方向に延在する第1の計測面であって、前記第2の方向に沿って配列された複数の計測領域を有する第1の計測面が設けられたステージと、
    前記ステージを前記第1の方向及び前記第2の方向に移動させる駆動部と、
    前記第1の計測面の所定の前記計測領域に光を出射する光源を有し、前記第1の計測面から反射された光を受光することで前記ステージの前記第1の方向における位置を計測する第1の計測部と、
    前記第1の計測部によって光が照射される前記計測領域の変更に伴って、前記第1の方向における前記ステージの移動に関する前記駆動部の制御パラメータを変更するように前記駆動部を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とするステージ駆動装置。
  2. 前記第1の計測部によって光が照射される前記計測領域は、前記第2の方向における前記ステージの移動に応じて変更されることを特徴とする請求項1に記載のステージ駆動装置。
  3. 前記複数の計測領域の各々の大きさは、前記ステージの固有振動の振幅及び位相それぞれの前記第2の方向における変化量の少なくとも一方に応じて決定されることを特徴とする請求項1または2に記載のステージ駆動装置。
  4. 前記制御は、PID制御であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のステージ駆動装置。
  5. 前記制御部は、補償器を有しており、
    前記制御パラメータは、前記補償器が有するノッチフィルタ及び逆フィルタの少なくとも一方のパラメータであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のステージ駆動装置。
  6. 前記ステージには、前記第2の方向に垂直であると共に、前記第1の方向に延在する第2の計測面であって、前記第1の方向に沿って配列された複数の計測領域を有する第2の計測面が設けられており、
    前記ステージ駆動装置は、前記第2の計測面の所定の前記計測領域に光を出射する光源を有し、該所定の計測領域から反射された光を受光することで前記ステージの前記第2の方向における位置を計測する第2の計測部を備え、
    前記制御部は、前記第1の方向における前記ステージの移動に応じた前記第2の計測部が光を出射する前記計測領域の変更に伴って、前記第2の方向における前記ステージの移動に関する前記制御パラメータを変更することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のステージ駆動装置。
  7. 前記第1の計測面の互いに隣接する前記計測領域の中心間の前記第2の方向における距離をpy、前記第2の計測面の互いに隣接する前記計測領域の中心間の前記第1の方向における距離をpxとしたとき、前記制御パラメータは、前記第1の方向及び前記第2の方向それぞれに間隔px及びpyで配置される格子点それぞれに設定されることを特徴とする請求項6に記載のステージ駆動装置。
  8. 前記制御部は、前記第1の方向及び前記第2の方向に平行な面内において、所定の前記格子点を中心として前記第1の方向に−px/2以上且つ+px/2未満、及び前記第2の方向に−py/2以上且つ+py/2未満の面積を有する領域内に前記ステージの所定の位置が配置されているときに、前記所定の格子点の前記制御パラメータに変更することを特徴とする請求項7に記載のステージ駆動装置。
  9. 前記制御部は、前記ステージが前記第1の方向に沿った第1の移動、前記第2の方向に沿った第2の移動、前記第1の移動と同じ向きの第3の移動、前記第2の移動とは反対の向きの第4の移動からなるジグザグ移動を行うように前記駆動部を制御し、
    前記制御部は、前記第1の移動を開始する際に、前記第2の移動における前記ステージの開始位置と終了位置との中点に最も近い前記格子点の前記制御パラメータに変更することを特徴とする請求項7に記載のステージ駆動装置。
  10. 前記制御部は、前記第3の移動を開始する際に、前記第4の移動における前記ステージの開始位置と終了位置との中点に最も近い前記格子点の前記制御パラメータに変更すると共に、前記第2の移動及び前記第4の移動の際には前記制御パラメータを変更しないことを特徴とする請求項9に記載のステージ駆動装置。
  11. 前記第1の計測面は、前記第2の方向に長尺であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のステージ駆動装置。
  12. 前記第1の計測部は、単一の光源を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載のステージ駆動装置。
  13. 原版に描画されたパターンを基板に転写するように前記基板を露光する露光装置であって、
    前記基板が載置される基板ステージの位置決めを行う請求項1乃至12のいずれか一項に記載のステージ駆動装置を備えることを特徴とする露光装置。
  14. 前記制御部は、露光画角の配置を考慮して前記制御パラメータを変更することを特徴とする請求項13に記載の露光装置。
  15. 請求項13または14に記載の露光装置を用いて前記基板を露光する工程と、
    露光された前記基板を現像する工程と、
    現像された前記基板を加工して物品を得る工程と、
    を有することを特徴とする物品の製造方法。
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