JP2010283057A - 微細構造体および該微細構造体を用いた発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】より白色系の発光出力を向上させた発光素子の提供。
【解決手段】マイクロポアを有し、該マイクロポア内に蛍光体が充填された微細構造体であって、蛍光体を充填する前の該微細構造体の可視光領域における透過率が30%以上であり、合計容積V1(μm3)と、マイクロポアを除いた前記微細構造体の体積V2(μm3)と、で表されるV1/V2の値が0.18以上5.67以下であることを特徴とする微細構造体。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光素子、より具体的には、LED発光素子に関するものであり、詳しくは青色LEDと蛍光体とを用いた蛍光体混色型の白色系LED発光素子の改良に関する。
従来、白色系LED発光素子としては、RGBのカラーフイルタを用いてカラー表示を行う表示装置を照明するLED発光素子が一般的であり、多色混合型のLED発光素子が用いられている。この多色混合型のLED発光素子は、RGBの3色のLEDを同時に発光させることによって白色光を発光させ、この白色光と表示装置のカラーフイルタによってカラー表示を行うものである。
しかし、この多色混合型のLED発光素子はRGBの各LEDが発光しているため、各色純度が高く演色性にも優れているが、反面、白色光を得るためにLEDの数を多く必要とし、価格が高くなるという問題がある。
この多色混合型のLED発光素子の問題を解決する方式として、例えば、特許文献1、特許文献2等に開示されている蛍光体混色型のLED発光素子がある。図6は特許文献1,2に開示される蛍光体混色型の白色系LED発光素子の一構成例を示した模式図であり、本発明の発光素子においても構成の一部として用いられるものである。図6において100は白色系LED発光素子であり、外部接続用の電極120,130を有する基板140に、青色LED110がフェースダウンボンディングされており、該青色LED110をYAG系の蛍光粒子150を混入した透明樹脂160でモールドしている。YAG系の蛍光粒子150によって励起された光と、青色LED110の残光により、白色系LED発光素子100から白色系光が発光される。
従来より用いられている青色LED110およびYAG系の蛍光粒子150による蛍光体混色型のLED発光素子100では、白色系の発光出力を高めるには、蛍光粒子150が混入された透明樹脂160の厚みを厚くする、あるいは該透明樹脂160の蛍光粒子150含有量を増やす等の施策を施すことが好ましいと考えられている。しかしながら、これらの施策を施した場合、透明樹脂160の厚みや、該透明樹脂160の蛍光粒子150含有量によっては、該青色LED110からの青色光の透過性が弱くなり、白色系の発光出力は向上しなくなる。このため、白色系の発光出力を向上するために、蛍光体混色型の白色系LED発光素子の改良がさらに望まれている。
特許第2998696号明細書 特開平11−87784号公報
そこで、本発明は、より白色系の発光出力を向上させた発光素子を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、マイクロポアを有する可視光透過性に優れた微細構造体のマイクロポア内に、蛍光体を充填させることで、青色光透過性の向上、及び蛍光体充填量の向上、を両立する方法を見出し、該微細構造体を蛍光体混色型の白色系LED発光素子の蛍光発光ユニットとして用いることで白色系発光出力が向上することを発見した。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(6)を提供する。
(1)マイクロポアを有し、該マイクロポア内に蛍光体が充填された微細構造体であって、蛍光体を充填する前の該微細構造体の可視光領域における透過率が30%以上であり、前記マイクロポアの合計容積V1(μm3)と、マイクロポアを除いた前記微細構造体の体積V2(μm3)と、で表されるV1/V2の値が0.18以上5.67以下であることを特徴とする微細構造体。
(2)前記マイクロポアが深さ方向に対して略直管形状であることを特徴とする、上記(1)に記載の微細構造体。
(3)前記マイクロポアの平均ポア密度が、1×106〜1×1010/mm2であることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の微細構造体。
(4)前記微細構造体がアルミニウム陽極酸化皮膜であることを特徴とする、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の微細構造体。
(5)前記マイクロポアについて下記式(i)により定義される規則化度が50%以上である、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の微細構造体。
規則化度(%)=B/A×100 (i)
上記式(i)中、Aは、測定範囲におけるマイクロポアの全数を表す。Bは、一のマイクロポアの重心を中心とし、他のマイクロポアの縁に内接する最も半径が短い円を描いた場合に、その円の内部に上記一のマイクロポア以外のマイクロポアの重心を6個含むことになる上記一のマイクロポアの測定範囲における数を表す。
(6)上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の微細構造体、及び該微細構造体のマイクロポア内の蛍光体を励起しうる波長を有する光源を有する発光素子。
以下に説明するように、本発明によれば、より白色系の発光出力を向上させた、発光素子を提供することができる。
図1は、本発明の発光素子の好適な実施態様の一例を示す模式図である。 図2は、図1に示す発光素子10において、蛍光発光ユニットをなす微細構造体16の一態様を示す模式図である。 図3は、図1に示す発光素子10において、蛍光発光ユニットをなす微細構造体16の別の一態様を示す模式図である。 図4は、図1に示す発光素子10において、蛍光発光ユニットをなす微細構造体16のさらに別の一態様を示す模式図である。 図5は、マイクロポアの規則化度を算出する方法の説明図である。 図6は、従来の蛍光体混色型の白色系LED発光素子の一構成例を示した模式図である。
以下に、本発明の発光素子について詳細に説明する。
本発明の発光素子は、マイクロポアを有し、該マイクロポア内に蛍光体を充填された微細構造体を、蛍光体混色型の白色系LED発光素子の蛍光発光ユニット、すなわち、青色LEDからの青色光を吸収して緑色系蛍光を生じる部材として用いることを特徴とする。本発明の発光素子において、青色LEDは微細構造体のマイクロポア内の蛍光体を励起しうる波長を有する光源である。
以下図面により、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の発光素子の好適な実施態様の一例を示す模式図である。図1に示す発光素子10は、蛍光体混色型の白色系LED発光素子として構成されている。図1に示す発光素子10では、外部接続用の電極12,13を有する基板14に、青色LED11がフェースダウンボンディングされており、該青色LED11の上方には、マイクロポアを有し、該マイクロポア内に蛍光体を充填された微細構造体16が、蛍光発光ユニットとして配置されている。
図2は、図1に示す発光素子10において、蛍光発光ユニットをなす微細構造体16の一態様を示す模式図であり、部分拡大図として示している。図2に示す微細構造体16は、図面上側の端部が開口しており、深さ方向に対して略直管形状であるマイクロポア18を有しており、該マイクロポア18には蛍光体20が充填されている。但し、図1に示す発光素子10において蛍光発光ユニットをなす微細構造体は、マイクロポアを有し、該マイクロポア内に蛍光体を充填されたものである限り、図2に示す態様に限定されない。図3,4は、図1に示す発光素子10において蛍光発光ユニットをなす微細構造体16の別の態様を示した模式図である。図3に示す微細構造体16は、図面下側の端部が開口しており、深さ方向に対して略直管形状であるマイクロポア18を有しており、該マイクロポア18には蛍光体20が充填されている。図4に示す微細構造体16は、両端が開口したマイクロポア貫通孔19を有している。図4に示す微細構造体16は、深さ方向に対して略直管形状であるマイクロポア貫通孔19を有しており、該マイクロポア貫通孔19には蛍光体20が充填されている。
以下、本明細書において、マイクロポアと言った場合、図2,3に示すような一端が開口したマイクロポア以外に図4に示すような両端がマイクロポア貫通孔も含む。
図1に示す発光素子10において、微細構造体16のマイクロポア内に充填された蛍光体は、青色LED11からの青色光を吸収して励起光を生じるものであり、該励起光と青色LED11の残光とにより、発光素子10から白色系光が発光される。
図1に示す発光素子10において、蛍光発光ユニットをなす微細構造体16以外の構成要素については、従来の蛍光体混色型の白色系LED発光素子と同様である。
また、本発明における発光素子は、蛍光発光ユニットをなす微細構造体を有するものである限り、図1に示す構成に限定されず、公知の蛍光体混色型の白色系LED発光素子の構成から幅広く選択することができる。例えば、図1に示す発光素子10において、青色LED11を設置する基板14に光反射基板を用いることで発光素子の輝度向上を図ることもできる。
本発明の発光素子は、上述したように、微細構造体のマイクロポア内に充填された蛍光体からの励起光と青色LEDの残光とによって白色系光を発光するものであることから、蛍光発光ユニットをなす微細構造体は可視光透過性に優れることが必要となる。具体的には、蛍光体を充填する前の微細構造体の可視光領域における透過率が30%以上であることが必要である。蛍光体を充填する前の微細構造体の可視光領域における透過率は35%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましく、50%以上であることがさらに好ましい。
ここで、蛍光体を充填する前の微細構造体の可視光領域における透過率は、例えばUV−VIS(紫外−可視)透過スペクトルによる計測により求めることができる。
また、蛍光発光ユニットをなす微細構造体は、マイクロポアの合計容積V1(μm3)と、マイクロポアを除いた微細構造体の体積V2(μm3)と、で表されるV1/V2の値が0.18以上5.67以下であることが必要である。V1/V2の値が0.18以上5.67以下であれば、微細構造体のマイクロポア内に充填された蛍光体からの励起光と青色LEDの残光とによって白色系光を得ることができ、発光面の面積が同一の従来の蛍光体混色型の白色系LED発光装置(図6に示す)に比べて発光出力が向上している。
マイクロポアの合計容積V1およびマイクロポアを除いた微細構造体の体積V2は以下の方法で求めることができる。
先ずマイクロポアの容積を含めた状態の微細構造体の体積Vを、該微細構造体の底面積×高さ等から算出する。その後、微細構造体の質量、及び比重を、質量計、比重計等により測定し、質量を比重で割ることでマイクロポアを除いた微細構造体の体積V2を求める。マイクロポアの合計容積V1は、V−V2により算出することができる。
V1/V2の値が0.18未満だと、微細構造体に占めるマイクロポアの容積の割合が少なすぎることから、マイクロポア内に充填された蛍光体からの励起光が不十分となり、白色光の出力を向上させることができない。一方、V1/V2の値が5.67超だと、微細構造体に占めるマイクロポア以外の部分の容積の割合が少なすぎることから、青色LEDからの青色光の透過性が弱くなり、白色光の出力を向上させることができない。
V1/V2の値が0.25以上4.00以下であることが好ましく、0.32以上3.20以下であることがより好ましく、0.40以上2.30以下であることがさらに好ましい。
蛍光発光ユニットをなす微細構造体は、マイクロポアを有し、蛍光体を充填する前の微細構造体の可視光領域における透過率が30%以上である限り、該微細構造体が有するマイクロポアの形状、寸法等は特に限定されない。但し、微細構造体が有するマイクロポアは以下を満たすことが好ましい。
蛍光発光ユニットをなす微細構造体は、図2〜4に示す微細構造体16のように、マイクロポアが深さ方向に略直管形状であることが、蛍光体を充填する前の微細構造体が可視光領域における透過率に優れることから好ましい。
蛍光発光ユニットをなす微細構造体は、マイクロポアの平均開孔径が5〜1000nmであるのが好ましく、10〜800nmであるのが好ましく、15〜500nmであるのがより好ましい。
蛍光発光ユニットをなす微細構造体は、マイクロポアの平均ポア密度が1×106〜1×1010個/mm2であるのが好ましく、5×106〜5×109個/mm2であるのが好ましく、1×107〜1×109個/mm2であるのがより好ましい。
蛍光発光ユニットをなす微細構造体は、マイクロポアについて、下記式(i)により定義される規則化度は50%以上であることが好ましい。
規則化度(%)=B/A×100 (i)
式(i)中、Aは、測定範囲におけるマイクロポアの全数を表す。Bは、一のマイクロポアの重心を中心とし、他のマイクロポアの縁に内接する最も半径が短い円を描いた場合に、その円の内部に前記一のマイクロポア以外のマイクロポアの重心を6個含むことになる一のマイクロポアの測定範囲における数を表す。
ここで、図5は、マイクロポアの規則化度を算出する方法の説明図である。図5を用いて、上記式(i)をより具体的に説明する。
図5(A)に示されるマイクロポア201は、マイクロポア201の重心を中心とし、他のマイクロポアの縁に内接する最も半径が短い円203(マイクロポア202に内接している。)を描いた場合に、円203の内部にマイクロポア201以外のマイクロポアの重心を6個含んでいる。したがって、マイクロポア201は、Bに算入される。
図5(B)に示されるマイクロポア204は、マイクロポア204の重心を中心とし、他のマイクロポアの縁に内接する最も半径が短い円206(マイクロポア205に内接している。)を描いた場合に、円206の内部にマイクロポア204以外のマイクロポアの重心を5個含んでいる。したがって、マイクロポア204は、Bに算入されない。
また、図5(B)に示されるマイクロポア207は、マイクロポア207の重心を中心とし、他のマイクロポアの縁に内接する最も半径が短い円209(マイクロポア208に内接している。)を描いた場合に、円209の内部にマイクロポア207以外のマイクロポアの重心を7個含んでいる。したがって、マイクロポア207は、Bに算入されない。
マイクロポアの規則化度は、60%以上であるのが好ましく、70%以上であるのがより好ましい。
蛍光発光ユニットをなす微細構造体は、厚みが0.05μm〜150μmであるのが好ましく、0.10〜100μmであるのがより好ましく、0.20〜50μmであるのが特に好ましい。
図2〜4に示す微細構造体16では、全てのマイクロポア18(マイクロポア貫通孔19)に蛍光体20が充填されているが、蛍光発光ユニットをなす微細構造体に存在する全てのマイクロポアに蛍光体が充填されていることは必ずしも要求されない。蛍光発光ユニットをなす微細構造体に存在するマイクロポアに占める蛍光体が充填されているマイクロポアの割合、すなわち、蛍光体の充填率が50%以上であることが白色系光の出力を向上させる効果に優れることから好ましく、75%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
ここで蛍光体の充填率は、以下の方法で求めることができる。
すなわち、充填する蛍光体の特徴的元素について、微細構造体の表面方向よりSEM(走査型電子顕微鏡)/TEM−EDX(エネルギー分散型X線分光法)等より各マイクロポア内への充填の有無を確認し、例えば100個のランダムなマイクロポアの内、充填が確認されたマイクロポアの比率等から算出する。
本発明の発光素子は、マイクロポアに充填された蛍光体からの励起光と、青色LEDの残光と、によって、白色系光を生じることから、蛍光発光ユニットをなす微細構造体のマイクロポア内に充填される蛍光体は、青色LEDからの青色光を吸収して緑色系蛍光を発するものであることが必要となる。このような蛍光体の具体例としては、リン酸塩系、ケイ酸塩系、アルミン酸塩系、ピレン系等の緑色系蛍光体が挙げられる。また、マイクロポアに充填できるのであれば、緑色系蛍光を発する粒状無機系蛍光体やQdot等の蛍光体も用いることができる。
蛍光発光ユニットをなす微細構造体は、蛍光体を充填可能なマイクロポアをその表面に有するものである限り特に限定されないが、陽極酸化により金属表面がその金属の酸化物の皮膜で覆われる特性を有するバルブ金属起因の素材に陽極酸化処理を施すことにより得られる陽極酸化皮膜、より具体的には、該バルブ金属製またはその合金製の基板に陽極酸化処理を施すことにより得られる陽極酸化皮膜が、上述した平均開孔径、平均ポア密度および規則化度の好適範囲を満たすマイクロポアをその表面に有する微細構造体を形成することができるので好ましい。該バルブ金属の具体例としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン等が挙げられる。
これらのうち、陽極酸化皮膜の表面に形成されるマイクロポアの規則性、より具体的には、該マイクロポアのポア配列の規則性に優れること、および、陽極酸化処理を施す基板が寸法安定性がよく、かつ、比較的安価であることから、アルミニウム基板に陽極酸化処理を施すことにより得られるアルミニウム陽極酸化皮膜が好ましい。
以下、蛍光発光ユニットをなす微細構造体として好適なアルミニウム陽極酸化皮膜の作成について説明する。
〔アルミニウム基板〕
アルミニウム基板は、特に限定されず、その具体例としては、純アルミニウム板;アルミニウムを主成分とし微量の異元素を含む合金板;低純度のアルミニウム(例えば、リサイクル材料)に高純度アルミニウムを蒸着させた基板;シリコンウエハー、石英、ガラス等の表面に蒸着、スパッタ等の方法により高純度アルミニウムを被覆させた基板;アルミニウムをラミネートした樹脂基板;等が挙げられる。
本発明においては、アルミニウム基板のうち、後述する陽極酸化処理を施す表面は、アルミニウム純度が、99.5質量%以上であるのが好ましく、99.9質量%以上であるのがより好ましく、99.99質量%以上であるのが更に好ましい。アルミニウム純度が上記範囲であると、マイクロポアの独立性が十分となり、マイクロポアに蛍光体を充填した際の独立性が保持され、白色系光の強度を向上させる効果に優れることから好ましい。
また、本発明においては、アルミニウム基板のうち、後述する陽極酸化処理を施す表面は、あらかじめ脱脂処理および鏡面仕上げ処理が施されるのが好ましく、特に、マイクロポアの独立性を向上させる観点から、熱処理が施されるのが好ましい。
<熱処理>
熱処理を施す場合は、200〜350℃で30秒〜2分程度施すのが好ましい。具体的には、例えば、アルミニウム基板を加熱オーブンに入れる方法等が挙げられる。
このような熱処理を施すことにより、後述する陽極酸化処理により生成するマイクロポアの独立性が向上する。
また、熱処理後のアルミニウム基板は、急速に冷却するのが好ましい。冷却する方法としては、例えば、水等に直接投入する方法等が挙げられる。
<脱脂処理>
脱脂処理は、酸、アルカリ、有機溶剤等を用いて、アルミニウム基板表面に付着した、ほこり、脂、樹脂等の有機成分等を溶解させて除去し、有機成分を原因とする後述の各処理における欠陥の発生を防止することを目的として行われる。
脱脂処理としては、具体的には、例えば、各種アルコール(例えば、メタノール等)、各種ケトン(例えば、メチルエチルケトン等)、ベンジン、揮発油等の有機溶剤を常温でアルミニウム基板表面に接触させる方法(有機溶剤法);石けん、中性洗剤等の界面活性剤を含有する液を常温から80℃までの温度でアルミニウム基板表面に接触させ、その後、水洗する方法(界面活性剤法);濃度10〜200g/Lの硫酸水溶液を常温から70℃までの温度でアルミニウム基板表面に30〜80秒間接触させ、その後、水洗する方法;濃度5〜20g/Lの水酸化ナトリウム水溶液を常温でアルミニウム基板表面に30秒間程度接触させつつ、アルミニウム基板表面を陰極にして電流密度1〜10A/dm2の直流電流を流して電解し、その後、濃度100〜500g/Lの硝酸水溶液を接触させて中和する方法;各種公知の陽極酸化処理用電解液を常温でアルミニウム基板表面に接触させつつ、アルミニウム基板表面を陰極にして電流密度1〜10A/dm2の直流電流を流して、または、交流電流を流して電解する方法;濃度10〜200g/Lのアルカリ水溶液を40〜50℃でアルミニウム基板表面に15〜60秒間接触させ、その後、濃度100〜500g/Lの硝酸水溶液を接触させて中和する方法;軽油、灯油等に界面活性剤、水等を混合させた乳化液を常温から50℃までの温度でアルミニウム基板表面に接触させ、その後、水洗する方法(乳化脱脂法);炭酸ナトリウム、リン酸塩類、界面活性剤等の混合液を常温から50℃までの温度でアルミニウム基板表面に30〜180秒間接触させ、その後、水洗する方法(リン酸塩法);等が挙げられる。
これらのうち、アルミニウム基板表面の脂分を除去しうる一方で、アルミニウムの溶解がほとんど起こらない観点から、有機溶剤法、界面活性剤法、乳化脱脂法、リン酸塩法が好ましい。
また、脱脂処理には、従来公知の脱脂剤を用いることができる。具体的には、例えば、市販されている各種脱脂剤を所定の方法で用いることにより行うことができる。
<鏡面仕上げ処理>
鏡面仕上げ処理は、アルミニウム基板の表面の凹凸、例えば、アルミニウム基板の圧延時に発生した圧延筋等をなくすために行われる。
本発明において、鏡面仕上げ処理は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、機械研磨、化学研磨、電解研磨が挙げられる。
機械研磨としては、例えば、各種市販の研磨布で研磨する方法、市販の各種研磨剤(例えば、ダイヤ、アルミナ)とバフとを組み合わせた方法等が挙げられる。具体的には、研磨剤を用いる場合、使用する研磨剤を粗い粒子から細かい粒子へと経時的に変更して行う方法が好適に例示される。この場合、最終的に用いる研磨剤としては、#1500のものが好ましい。これにより、光沢度を50%以上(圧延アルミニウムである場合、その圧延方向および幅方向ともに50%以上)とすることができる。
化学研磨としては、例えば、「アルミニウムハンドブック」,第6版,(社)日本アルミニウム協会編,2001年,p.164−165に記載されている各種の方法等が挙げられる。
また、リン酸−硝酸法、Alupol I法、Alupol V法、Alcoa R5法、H3PO4−CH3COOH−Cu法、H3PO4−HNO3−CH3COOH法が好適に挙げられる。中でも、リン酸−硝酸法、H3PO4−CH3COOH−Cu法、H3PO4−HNO3−CH3COOH法が好ましい。
化学研磨により、光沢度を70%以上(圧延アルミニウムである場合、その圧延方向および幅方向ともに70%以上)とすることができる。
電解研磨としては、例えば、「アルミニウムハンドブック」,第6版,(社)日本アルミニウム協会編,2001年,p.164−165に記載されている各種の方法;米国特許第2708655号明細書に記載されている方法;「実務表面技術」,vol.33,No.3,1986年,p.32−38に記載されている方法;等が好適に挙げられる。
電解研磨により、光沢度を70%以上(圧延アルミニウムである場合、その圧延方向および幅方向ともに70%以上)とすることができる。
これらの方法は、適宜組み合わせて用いることができる。具体的には、例えば、研磨剤を粗い粒子から細かい粒子へと経時的に変更する機械研磨を施し、その後、電解研磨を施す方法が好適に挙げられる。
鏡面仕上げ処理により、例えば、平均表面粗さRa0.1μm以下、光沢度50%以上の表面を得ることができる。平均表面粗さRaは、0.03μm以下であるのが好ましく、0.02μm以下であるのがより好ましい。また、光沢度は70%以上であるのが好ましく、80%以上であるのがより好ましい。
なお、光沢度は、圧延方向に垂直な方向において、JIS Z8741−1997の「方法3 60度鏡面光沢」の規定に準じて求められる正反射率である。具体的には、変角光沢度計(例えば、VG−1D、日本電色工業社製)を用いて、正反射率70%以下の場合には入反射角度60度で、正反射率70%を超える場合には入反射角度20度で、測定する。
〔陽極酸化処理〕
陽極酸化処理は、アルミニウム基板を陽極酸化することにより、該アルミニウム基板表面にマイクロポアを有する陽極酸化皮膜を形成する処理である。
陽極酸化処理としては、従来公知の方法を用いることができる。公知の方法としては、例えば、特許第3,714,507号、特開2002−285382号公報、特開2006−124827号公報、特開2007−231339号公報、特開2007−231405公報、特開2007−231340号公報、特開2007−231340号公報、特開2007−238988号公報、等に記載されている、自己規則化陽極酸化処理が、上述した平均開孔径、平均ポア密度および規則化度の好適範囲を満たすマイクロポアを形成するうえで好ましい。また、特開2008−063643号公報、特開2008−156705号公報、等に記載の方法が、深さ方向に対して略直管形状をしたマイクロポアを形成するうえで好ましい。
これらの処理は、各特許および公報の処理条件にて記載されている処理が好ましい。
また、アルミニウム基板の表面にマイクロポアを形成するその他の方法としては、例えばインプリント法(突起を有する基板またはロールをアルミニウム基板に圧接し、凹部を形成する、転写法、プレスパターニング法)を用いる方法が挙げられる。具体的には、複数の突起を表面に有する基板をアルミニウム基板の表面に押し付けて窪みを形成させる方法が挙げられる。例えば、特開平10−121292号公報に記載されている方法を用いることができる。
また、アルミニウム基板の表面にポリスチレン球を稠密状態で配列させ、その上からSiO2を蒸着した後、ポリスチレン球を除去し、蒸着されたSiO2をマスクとして基板をエッチングして窪みを形成させる方法も挙げられる。
また、その他の方法として粒子線法が挙げられる。粒子線法は、アルミニウム基板の表面に粒子線を照射して窪みを形成させる方法である。粒子線法は、窪みの位置を自由に制御することができるという利点を有する。
粒子線としては、例えば、荷電粒子ビーム、集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)、電子ビームが挙げられる。
粒子線法としては、例えば、特開2001−105400号公報に記載されている方法を用いることもできる。
そのほか、ブロックコポリマー法も挙げられる。ブロックコポリマー法は、アルミニウム基板の表面にブロックコポリマー層を形成させ、熱アニールによりブロックコポリマー層に海島構造を形成させた後、島部分を除去して窪みを形成させる方法である。
ブロックコポリマー法としては、例えば、特開2003−129288号公報に記載されている方法を用いることができる。
そのほか、レジストパターン・露光・エッチング法も挙げられる。レジストパターン・露光・エッチング法は、フォトリソグラフィあるいは電子ビームリソグラフィ法によりアルミニウム基板の表面のレジストに露光および現像を施し、レジストパターンを形成した後これをエッチングする。レジストを設け、エッチングしてアルミニウム基板の表面まで貫通した窪みを形成させる方法である。
このような、インプリント法、粒子線法、ブロックコポリマー法、レジストパターン・露光・エッチング法を使用する場合には、これらの処理でアルミニウム基板の表面に電解起点を与えた後に陽極酸化処理することにより、マイクロポアを有する陽極酸化皮膜をもつアルミニウム部材を形成することができる。
このような、インプリント法、粒子線法、ブロックコポリマー法、レジストパターン・露光・エッチング法を使用する場合には、特開2008−156716号公報に記載の方法が深さ方向に対して略直管形状をしたマイクロポアを形成するうえで好ましい。
〔アルミニウム分離処理〕
上述したように、蛍光発光ユニットをなす微細構造体は可視光領域における透過率が30%以上であることが求められるため、上述した手順で得たマイクロポアを有する陽極酸化皮膜をアルミニウム基板から分離する必要がある。すなわち、上記陽極酸化処理後にアルミニウム基板を除去し、陽極酸化皮膜をアルミニウム基板から分離する処理である。
したがって、アルミニウム除去処理には、アルミナは溶解せず、アルミニウムを溶解する処理液を用いる。
処理液としては、アルミナは溶解せず、アルミニウムを溶解する液であれば特に限定されないが、例えば、塩化水銀、臭素/メタノール混合物、臭素/エタノール混合物、王水、塩酸/塩化銅混合物等の水溶液等が挙げられる。
濃度としては、0.01〜10mol/Lが好ましく、0.05〜5mol/Lがより好ましい。
処理温度としては、−10℃〜80℃が好ましく、0℃〜60℃が好ましい。
分離処理は、上述した処理液に接触させることにより行う。接触させる方法は、特に限定されず、例えば、浸せき法、スプレー法が挙げられる。中でも、浸せき法が好ましい。このときの接触時間としては、10秒〜5時間が好ましく、1分〜3時間がより好ましい。
分離処理後の陽極酸化皮膜の膜厚は、1〜1000μmであるのが好ましく、10〜500μmであるのが更に好ましい。
分離処理後、後述する貫通化処理を行う前に、陽極酸化皮膜を水洗処理するのが好ましい。水和によるマイクロポアのポア径の変化を抑制するため、水洗処理は30℃以下で実施することが好ましい。
〔貫通化処理〕
上述したように、蛍光発光ユニットをなす微細構造体はマイクロポア貫通孔を有するものであってもよい。したがって、本発明においては、上記分離処理により分離された陽極酸化皮膜のマイクロポアを貫通させる処理を施してもよい。
貫通化処理では、マイクロポアを有する陽極酸化皮膜を、酸水溶液またはアルカリ水溶液に浸せきさせることにより、陽極酸化皮膜を部分的に溶解させる。これにより、マイクロポア底部の陽極酸化皮膜が除去され、マイクロポアが貫通する(マイクロポア貫通孔が形成される)。
貫通化処理により、陽極酸化皮膜に存在するマイクロポアのうち70%以上が貫通することが好ましく、85%以上であることがより好ましく、95%以上であることが更に好ましい。
貫通化処理に酸水溶液を用いる場合は、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸等の無機酸またはこれらの混合物の水溶液を用いることが好ましい。酸水溶液の濃度は1〜10質量%であるのが好ましい。酸水溶液の温度は、25〜40℃であるのが好ましい。
貫通化処理にアルカリ水溶液を用いる場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも一つのアルカリの水溶液を用いることが好ましい。アルカリ水溶液の濃度は0.1〜5質量%であるのが好ましい。アルカリ水溶液の温度は、20〜35℃であるのが好ましい。
具体的には、例えば、50g/L、40℃のリン酸水溶液、0.5g/L、30℃の水酸化ナトリウム水溶液または0.5g/L、30℃の水酸化カリウム水溶液が好適に用いられる。
酸水溶液またはアルカリ水溶液への浸せき時間は、8〜120分であるのが好ましく、10〜90分であるのがより好ましく、15〜60分であるのが更に好ましい。
貫通化処理後の陽極酸化皮膜の膜厚は、1〜1000μmであるのが好ましく、10〜500μmであるのが更に好ましい。
貫通化処理後、陽極酸化皮膜を水洗処理する。水和によるマイクロポア貫通孔のポア径の変化を抑制するため、水洗処理は30℃以下で実施することが好ましい。
本発明においては、上述した分離処理および貫通化処理は、これらの処理を同時に施す方法であってもよい。
具体的には、陽極酸化皮膜の下方、即ち、陽極酸化皮膜におけるアルミニウム基板側の部分を、レーザー等による切削処理や種々の研磨処理等を用いて物理的に除去し、マイクロポア貫通孔を有する陽極酸化皮膜とする方法が好適に例示される。
〔マイクロポア内への蛍光体の充填〕
本発明においては、マイクロポアを有する微細構造体、好ましくは、上述した手順で作成したマイクロポアを有する陽極酸化皮膜のマイクロポア内に蛍光体を充填する。マイクロポア内に蛍光体を充填する方法は特に限定されないが、後述する実施例では、蛍光体を含む溶液に微細構造体を浸漬した。この方法の場合、蛍光体を含む溶液の粘度としては、微細なマイクロポアへの充填性を確保するため、5Pa・s以下が好ましく、1Pa・s以下がより好ましく、0.5Pa・s以下が特に好ましい。
マイクロポア内に蛍光体を充填する他の方法としては、例えば、電着方法を用いることもでき、また、スパッタリングより直接マイクロポア内に充填する方法も用いることができる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
[実施例1]
(1)金属基板の前処理工程(電解研磨処理)
高純度アルミニウム基板(住友軽金属社製、純度99.99質量%、厚さ0.4mm)を、10cm四方の面積で陽極酸化処理できるようカットした後、以下組成の電解研磨液を用いて、電圧25V、液温度65℃、液流速3.0m/minの条件で電解研磨処理を施した。
陰極はカーボン電極とし、電源は、GP0110−30R(高砂製作所社製)を用いた。また、電解液の流速は渦式フローモニターFLM22−10PCW(AS ONE製)を用いて計測した。
<電解研磨液組成>
・85質量%リン酸(和光純薬社製試薬) 660mL
・純水 160mL
・硫酸 150mL
・エチレングリコール 30mL
(2)陽極酸化皮膜形成工程(陽極酸化処理)
上記で得られた電解研磨処理後の金属基板に、0.50mol/Lシュウ酸の電解液で、電圧40V、液温度15℃、液流速3.0m/minの条件で1時間陽極酸化処理を施した。更に陽極酸化処理後のサンプルに、0.5mol/Lリン酸の混合水溶液を用いて40℃の条件で25分間浸漬して脱膜処理を施した。
これらの処理をこの順に4回繰り返した後、0.50mol/Lシュウ酸の電解液で、電圧40V、液温度15℃、液流速3.0m/minの条件で4時間再陽極酸化処理を施し、更に、0.5mol/Lリン酸の混合水溶液を用いて40℃の条件で25分間浸漬させて脱膜処理を施すことにより、アルミニウム基板表面に、深さ方向に対して略直管形状で且つハニカム状に配列されたマイクロポアを有する陽極酸化皮膜を形成させた。
なお、陽極酸化処理および再陽極酸化処理ともに、陰極はステンレス電極とし、電源は、GP0110−30R(高砂製作所社製)を用いた。また、冷却装置としては、NeoCool BD36(ヤマト科学社製)を用い、かくはん加温装置として、ペアスターラー PS−100(EYELA社製)を用いた。電解液の流速は渦式フローモニターFLM22−10PCW(AS ONE製)を用いて計測した。
(3)アルミニウム基板除去工程
上記で得られたアルミニウム陽極酸化皮膜を、微細構造膜2として用いるために、アルミニウム基板の除去処理を行った。具体的には、20質量%塩化水銀水溶液を用いて、20℃、3時間浸漬させ、アルミニウム基板を溶解して除去した。
(4)アルミニウム陽極酸化皮膜の物性評価
上記(3)の手順で得られたアルミニウム陽極酸化皮膜の表面写真(倍率20000倍)をFE−SEMにより撮影し、1μm×1μmの視野に存在するマイクロポアについて、平均開孔径およびポア径の分散を下記式により求め、分散/平均径を求めた。
平均開孔径:μx=(1/n)ΣXi
分散:σ2=(1/n)(ΣXi2)−μx 2
分散/平均径=σ/μx
ここでXiは、1μm2の範囲で測定された1個のマイクロポアのポア径である。
また、FE−SEMによる表面写真(倍率20000倍)の1μm×1μmの視野で任意のマイクロポア300個を用いて、下記式により平均ポア密度を計算した。ここで、下記式中、Ppは周期を表す。
平均ポア密度(個/μm2)=
(1/2個)/{Pp(μm)×Pp(μm)×√3×(1/2)}
結果を以下に示す。
平均開孔径:60nm
分散:2.8nm
分散/平均径:0.047
平均ポア密度:1.1×108個/mm2
更に、FE−SEMによる表面写真(倍率20000倍)の1μm×1μmの視野で任意のマイクロポア300個を用いて、下記式(i)で定義される規則化度を求めた。結果、規則化度は90%であった。
規則化度(%)=B/A×100 (i)
上記式(i)中、Aは、測定範囲におけるマイクロポアの全数を表す。Bは、一のマイクロポアの重心を中心とし、他のマイクロポアの縁に内接する最も半径が短い円を描いた場合に、その円の内部に前記一のマイクロポア以外のマイクロポアの重心を6個含むことになる前記一のマイクロポアの測定範囲における数を表す。
また、マイクロポアの合計容積V1、および、マイクロポアを除いた微細構造体の体積V2を以下の手順で求めた。
先ずマイクロポアの容積を含めた状態の微細構造体の体積Vを、該微細構造体の底面積×高さから算出した。その後、微細構造体の質量、及び比重を、質量計、及び比重計により測定し、質量を比重で割ることでマイクロポアを除いた微細構造体の体積V2を求めた。マイクロポアの合計容積V1は、V−V2により算出した。
結果を以下に示す。
V1:3.9×1011[μm3
V2:9.1×1011[μm3
V1/V2:0.43
また、蛍光体を充填する前の微細構造体の可視光領域における透過率を以下の手順で測定した。
UV−VIS(紫外−可視)透過スペクトルにて、380〜750nmの全範囲における光透過率を求めた。
その結果、可視光領域における透過率は38%以上であった。
(5)マイクロポア内への蛍光体充填
更に、マイクロポア内へ蛍光体を充填させるため、インビトロジェン株式会社製のQdot蛍光体(Q10061MP)溶液に25℃30分浸漬させた。その後マイクロポアの開口表面に付着した蛍光体溶液は拭き取りにより洗浄し、実施例1の微細構造体(蛍光発光ユニット)を得た。
[実施例2]
前記(5)において、ピレン(関東化学製)を45%含むメチルエチルケトン(MEK)溶液を用い、25℃30分浸漬し、その後100℃まで加熱しMEKを揮発させた以外は、実施例1と同様の手順を行い実施例2の微細構造体(蛍光発光ユニット)を得た。
[比較例1]
ガラスエポキシ樹脂内にインビトロジェン株式会社製のQdot蛍光体(Q10061MP)に含有させて、比較例1の(蛍光発光ユニット)を得た。尚、ガラスエポキシ樹脂の厚さは30μm、蛍光体の含有濃度は15%であった。
[比較例2]
ガラスエポキシ樹脂内にピレン(関東化学製)を含有させて、比較例2の(蛍光発光ユニット)を得た。尚、ガラスエポキシ樹脂の厚さは30μm、蛍光体の含有濃度は15%であった。
[輝度評価]
上記のようにして得られた実施例1、2の微細構造体(蛍光発光ユニット)、及び、比較例1、2の蛍光発光ユニットを用いて、蛍光体混色型の白色系LED発光素子の輝度評価は以下のように行なった。
すなわち、各蛍光発光ユニットを図1に示す発光素子10の青色LED11に接する形で設け、青色LED11を6Vで駆動させた際の輝度を比較した。なお、青色LED11を設置する基板14には光反射基板を用いた。
実施例1、実施例2の微細構造体を蛍光発光ユニットとして用いた発光素子は、比較例1、比較例2の蛍光発光ユニットを用いた発光素子と比較して、それぞれ1.22倍、1.26倍の輝度が得られた。
10 発光素子
11 青色LED
12,13 電極
14 基板
16 微細構造体
18 マイクロポア
20 蛍光体
100 発光素子
110 青色LED
120,130 電極
140 基板
150 蛍光粒子
160 透明樹脂
201、202、204、205、207、208 マイクロポア
203、206、209 円

Claims (6)

  1. マイクロポアを有し、該マイクロポア内に蛍光体が充填された微細構造体であって、蛍光体を充填する前の該微細構造体の可視光領域における透過率が30%以上であり、マイクロポアの合計容積V1(μm3)と、マイクロポアを除いた前記微細構造体の体積V2(μm3)と、で表されるV1/V2の値が0.18以上5.67以下であることを特徴とする微細構造体。
  2. 前記マイクロポアが深さ方向に対して略直管形状であることを特徴とする、請求項1に記載の微細構造体。
  3. 前記マイクロポアの平均ポア密度が、1×106〜1×1010/mm2であることを特徴とする、請求項1または2に記載の微細構造体。
  4. 前記微細構造体がアルミニウム陽極酸化皮膜であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の微細構造体。
  5. 前記マイクロポアについて下記式(i)により定義される規則化度が50%以上である、請求項1乃至4のいずれかに記載の微細構造体。
    規則化度(%)=B/A×100 (i)
    上記式(i)中、Aは、測定範囲におけるマイクロポアの全数を表す。Bは、一のマイクロポアの重心を中心とし、他のマイクロポアの縁に内接する最も半径が短い円を描いた場合に、その円の内部に上記一のマイクロポア以外のマイクロポアの重心を6個含むことになる上記一のマイクロポアの測定範囲における数を表す。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の微細構造体、及び該微細構造体のマイクロポア内の蛍光体を励起しうる波長を有する光源を有する発光素子。
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