JP2010282901A - リチウムイオン二次電池用負極材、および、その製造方法、ならびに、リチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極材、および、その製造方法、ならびに、リチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高い充放電容量、良好なサイクル特性、および速い充放電速度を併せ持つリチウムイオン二次電池用負極材、および、その製造方法、ならびに、リチウムイオン二次電池用負極材を用いたリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】リチウムイオン二次電池に用いられるリチウムイオン二次電池用負極材10において、リチウムイオン二次電池用負極材10は、SnとAgが非晶質炭素中に分散した負極活物質2を負極集電体1上に形成したもので、負極活物質2は、非晶質炭素の含有量が50at%以上、Snの含有量とAg含有量との比(Sn/Ag)が0.5〜4であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に用いられるリチウムイオン二次電池用負極材、その製造方法、このリチウムイオン二次電池用負極材を用いたリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、主に、負極材、正極材、これらの電極材を絶縁するセパレータ材、電極材間の電荷移動を補助する電解液、これらを収容する電池ケースから構成される。そして、リチウムイオン二次電池用負極材は、銅箔または銅合金箔からなる集電材上に負極活物質がコーティングされたものである。負極活物質としては、黒鉛系炭素材料を使用したものが一般的である。
近年、携帯機器の小型化や高性能化により、搭載される二次電池のエネルギー密度への要求は益々高まっている。その中で、リチウムイオン二次電池は、ニッケル−カドミウム二次電池やニッケル−水素二次電池に比べて、高い電圧、高いエネルギー密度(充放電容量)を示すため、前記携帯機器の電源として広く使用され始めている。
また、環境意識の高まりとともに、現在の化石燃料を用いる自動車から、CO排出量の少ない電気自動車、ハイブリッド自動車への移行が望まれており、これらに搭載される電池としてリチウムイオン二次電池への期待が高まっている。
電気自動車およびハイブリッド自動車に搭載される電池として求められる特性は、エネルギー密度が高いこと(1充電当たりの航続距離が増大し、充電必要回数が減少する)、サイクル特性が良好であること(電池寿命の延長)の他に、充放電速度が高速であることが挙げられる。ここで、サイクル特性とは、充放電のサイクルを繰り返しても、負極活物質が劣化(剥離、脱落等)せず、充放電容量が低下しない性質をいう。
この中でも充放電速度は、自動車に搭載される電池に特に求められる性能で、充電速度が速ければ、電池に蓄えられたエネルギーを使いきった場合にも、短い充電時間で満充電の状態に戻すことができる。また、充電速度が速い場合、回生ブレーキを使用する際に熱として失われるエネルギーも少ないため、効率的にエネルギーを再利用でき、航続距離の増大にも繋がる。一方で、速い放電速度は、良好な加速性能に関係する。
一般に、電気自動車に搭載される電池では、最低でも10Cレート(10Cレートは6分で満充放電が可能な電流)程度の電流での充放電が可能であることが、目標とされている。
そこで、高い充放電容量を示す負極活物質として、Si、Ge、Ag、In、Sn、およびPb等の、リチウムと合金化が可能な金属についての検討がされている。例えば、特許文献1には、黒鉛系炭素材料のおよそ2.5倍の993mAh/gという理論充放電容量を示すSnを集電体上に蒸着した負極材が提案されている。しかし、Snはリチウムイオンの充放電時(リチウムとの合金化、リチウムの放出)に、体積膨張と収縮を繰り返すことで、Snが集電体から剥離して抵抗が増加したり、Sn自身が割れてSn同士の接触抵抗が増加したりしてしまうため、結果として充放電容量が大きく低下するという問題があった。
この問題を解決する方策として、負極活物質の体積変化を緩和するために、特許文献2には、Snなどの金属ナノ結晶の表面を炭素コーティングした金属ナノ結晶複合体または金属ナノ結晶複合体を炭素コーティング層で連結した金属ナノ結晶複合体をポリビニルジフロライド(PVDF)などの結合材とカーボンブラックを混合して銅集電体上に塗布後真空焼成した負極材が提案されている。
特開2002−110151号公報 特開2007−305569号公報
しかしながら、特許文献2の負極材では、リチウムを吸蔵する金属結晶をナノサイズにしているため、リチウム吸蔵による体積変化が小さく、充放電容量を高く維持できるが、金属ナノ結晶複合体同士の結合を結合材を使って行っているために、カーボンブラックを添加したとしても負極電極材としては導電性が劣る。そのため、例えば自動車のように高速充放電を行う必要がある用途では、大電流が流せず、充放電容量が低下するという問題がある。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであって、高い充放電容量、良好なサイクル特性、および速い充放電速度を併せ持つリチウムイオン二次電池用負極材、および、その製造方法、ならびに、リチウムイオン二次電池用負極材を用いたリチウムイオン二次電池を提供するものである。
前記課題を解決するための手段として、本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材は、リチウムイオン二次電池に用いられるリチウムイオン二次電池用負極材において、前記リチウムイオン二次電池用負極材は、SnとAgが非晶質炭素中に分散した負極活物質を負極集電体上に形成したもので、前記負極活物質は、非晶質炭素の含有量が50at%以上、Snの含有量とAg含有量との比(Sn/Ag)が0.5〜4であることを特徴とする。
このような構成によれば、SnおよびAgは炭素と合金化せずに非晶質炭素中にナノ粒子サイズで分散する。そして、SnはLiを吸蔵し大きな体積変化を起こすが、非晶質炭素膜中に分散しているため、非晶質炭素の結晶構造中のsp結合により体積変化が緩和される。また、非晶質炭素の含有量が所定範囲であるため、Snの体積変化がさらに緩和される。このため、充放電容量(比質量容量または比体積容量)が高くなるとともに、集電体からの負極活物質の剥離、割れ、微粉化が抑制される(サイクル特性が良好となる)。そして、非晶質炭素中に分散したAgはLiとの間に金属間化合物を作らないが、Liを多量に固溶する相をもつため、負極活物質中におけるLiイオンの拡散速度を高める働きを持つと同時に、金属元素であるため、負極活物質の電子伝導性を高める働きを持つ。また、Snの含有量との比で規定されたAgの含有量が所定範囲であるため、Liイオンの拡散速度および電子伝導性がさらに高まる。このため、高い充放電容量、良好なサイクル特性を持つとともに、その充放電速度が向上する。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材の製造方法は、前記のリチウムイオン二次電池用負極材の製造方法であって、前記負極活物質を、気相成長法により負極集電体上に形成したものであることを特徴とする。
このような製造方法によれば、気相成長法を用いることで、SnおよびAgが非晶質炭素中に効率的に分散する。また非晶質炭素、SnおよびAgの組成の制御や、負極活物質による皮膜厚さの制御が容易となる。
また、本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材の製造方法は、前記負極活物質の非晶質炭素の形成を、グラファイトターゲットを用いてアークイオンプレーティング法により行うことを特徴とする。
このような製造方法によれば、成膜速度が速いため、厚膜化を図ることができ、また、グラファイト構造が多い膜が形成されることで、リチウムを吸蔵しやすくなる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池は、前記のリチウムイオン二次電池用負極材を用いたことを特徴とする。
このような構成によれば、本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材を用いることで、高い充放電容量と良好なサイクル特性、および高速充放電特性に優れたリチウムイオン二次電池となる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材によれば、高い充放電容量と良好なサイクル特性を有する負極活物質における、負極活物質中のLiイオンの拡散速度と、負極活物質の電子伝導性を高めることにより、充放電速度にも優れたリチウムイオン二次電池用負極材となる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材の製造方法によれば、高い充放電容量、良好なサイクル特性、および速い充放電速度を併せ持つリチウムイオン二次電池用負極材を製造できる。また、気相成長法を用いることで、負極集電体上に負極活物質を容易、かつ簡便に形成することができる。さらに、グラファイトターゲットを用いたアークイオンプレーティング法を用いることで、充放電容量をさらに高めることができる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池は、高い充放電容量、良好なサイクル特性のみならず、高速充放電時にも高い容量を発揮することができる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材の構成を模式的に示す断面図である。 本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材を製造するためのスパッタリング装置の模式図である。 本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材を製造するためのAIP−スパッタリング複合装置の模式図である。 実施例で用いた評価用セルの構造を示す模式図である。 実施例において、負極活物質中の非晶質炭素の含有率と10Cレートで100サイクルを行った後の容量維持率の関係を示すグラフである。 実施例において、負極活物質中のSn/Agと10C初期容量の1C初期容量に対する割合(10C/1C)との関係、および、Sn/Agと1C初期容量との関係を示すグラフである。
次に、図面を参照して本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材、および、その製造方法、ならびに、リチウムイオン二次電池について詳細に説明する。
≪リチウムイオン二次電池用負極材≫
図1に示すように、本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材(以下、適宜、負極材ともいう)10は、負極集電体1と、負極集電体1上に形成された負極活物質2とを有する。以下、各構成について説明する。
<負極集電体>
負極集電体1の材質は、負極活物質2が膨張しようとする応力に耐える機械的特性を有している必要がある。伸びが大きい(塑性変形が容易、耐力が小さい)材質では、負極活物質2の膨張に伴い、一緒に伸び(塑性変形)を生じてしまい、しわや折れ等が発生してしまう。このような理由から、負極集電体1の材質としては、一般に銅、銅合金、ニッケル、ステンレス等の金属が使用され、中でも薄膜に加工しやすいという点とコストの点から、耐力が大きく、破断伸びが2%程度以下であるような銅箔または銅合金箔が好ましい。また、引張強さは高ければ高いほど良く、少なくとも700N/mm以上の引張強さであることが好ましい。この点で、電解銅箔より圧延銅合金箔であることが好ましい。このような高強度の銅合金箔としては、例えば、NiやSiを含有する、いわゆるコルソン系銅合金を用いた箔が挙げられる。
負極集電体1の厚さは、1〜50μmが好ましい。厚さが1μm未満では、負極集電体1表面に負極活物質2を形成する際の応力に負極集電体1が耐えきれず、負極集電体1に切断や亀裂が生じる恐れがある。一方、厚さが50μmを超えると、製造コストが増大し、また、電池が大型化する恐れがある。なお、より好ましくは、1〜30μmである。
<負極活物質>
負極活物質2は、非晶質炭素中にSnとAgが分散し、非晶質炭素の含有量が50at%以上、Snの含有量とAgの含有量との比(Sn/Ag)が、0.5〜4であるものである。そして、負極活物質2中には、成膜時に不可避的に混入する負極集電体由来の不純物(銅および酸素等)が存在するが、本発明においては、この不純物を除いてC、Ag、Sn含有量を算出する。したがって、負極活物質2は、C、SnおよびAgからなり、Cの含有量が50at%以上、Snの含有量とAgの含有量の合計が50at%未満である。
[非晶質炭素]
非晶質炭素は、炭素のspとsp結合をもつものであり、例えば、ダイヤモンドライクカーボンのような結晶構造を示す。前記構造中の炭素のsp結合(カーボンマトリックス)が、充放電時における、非晶質炭素中に分散したSnの体積変化を抑制する働きをする。また、充放電容量増大の点から、非晶質炭素は、グラファイト構造等のリチウムを吸蔵する構造を有している方が好ましい。
負極活物質2中の非晶質炭素の含有量は、50at%以上とする。非晶質炭素中にSnおよびAgを分散させることで、充放電容量、サイクル特性および高速充放電特性の向上を図ることができるが、特に非晶質炭素の含有量を前記範囲とすることにより、繰り返し充放電を行った後でも、Snの体積変化をカーボンマトリックスで緩和することができるため、良好なサイクル特性を得ることができる。非晶質炭素の含有量が50at%未満では、Snの体積変化をカーボンマトリックスで緩和することができず、サイクル特性が悪化する。好ましくは、55at%以上、より好ましくは60at%以上とする。
[SnおよびAg]
SnおよびAgは、リチウムと合金化が可能であると共に融点が低い金属であるため、融点が高い炭素と合金化せずに非晶質炭素中に分散する。そして、Snの含有量とAgの含有量の合計は50at%未満であり、その比(Sn/Ag)は0.5〜4とする。
SnとAgを、負極活物質2の50at%以上を占める非晶質炭素中に分散(ナノクラスター状に分散)させ、かつSn/Agを0.5〜4とすることにより、従来の負極材よりも、充放電容量およびサイクル特性に優れ、かつ高速充放電が可能な負極材10とすることができる。
負極活物質2の非晶質炭素中にSnおよびAgを分散させることで、充放電容量と高速充放電特性の向上を図ることができるが、特にSn/Agを0.5〜4とすることにより、充放電容量と高速充放電特性をさらに向上させることができる。ここで、Snは、Liを吸蔵することによって、充放電容量を向上させる。そして、Agは、Liイオンの拡散速度および負極活物質2の電子伝導性を高めることによって、高速充放電特性を向上させる。
負極活物質2中のSn/Agが4を超えると、Li吸蔵を担うSnに対し、Liイオンの拡散および電子の伝導を担うAgの量が少ないため、充放電速度を向上させる効果が少ない。また、Sn/Agが0.5未満では、負極活物質2中のLi吸蔵を担うSnの割合が減少するため、充放電容量が減少してしまう。
ここで、非晶質炭素中に分散させるSnとAgの粒子径は、0.5〜100nmが好ましい。SnとAgを、粒子径が0.5〜100nmのナノクラスター状に分散させることにより、充放電時におけるSnとAgの体積変化をさらに緩和することができ、充放電容量と高速充放電特性の向上を図ることができる。
SnとAgの粒子径の制御は、負極活物質2中の非晶質炭素と金属(SnおよびAg)の組成を制御することにより行う。なお、組成の制御は、負極集電体1上に負極活物質2を形成する際の成膜条件により制御することができる。また、SnとAgの粒子径の測定は、FIB−TEM観察や薄膜X(エックス)線回折により観察される金属の回折線強度の半値幅を基に行うことができる。そして、負極活物質2の組成の分析は、オージェ電子分光分析(AES分析)により行うことができる。
≪リチウムイオン二次電池用負極材の製造方法≫
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材10の製造方法は、50at%以上を占める非晶質炭素中に、SnとAgが分散し、かつSn/Agの比が、0.5〜4であることを特徴とする負極活物質2を、気相成長法により負極集電体1上に形成させるものである。
負極材10の製造方法は、負極集電体形成工程と、負極活物質形成工程とを含み、負極集電体形成工程により負極集電体1を形成した後、負極活物質形成工程により、この負極集電体1上に、50at%以上を占める非晶質炭素中にSnとAgが分散し、かつSn/Agの比が0.5〜4であることを特徴とする負極活物質2を、気相成長法により形成させる。以下、各工程について説明する。
<負極集電体形成工程>
負極集電体形成工程は、負極集電体1を形成する工程である。すなわち、負極活物質2を形成させるために、負極集電体1を準備するものである。負極集電体1としては、前記したように、公知の負極集電体1を使用すればよい。なお、負極集電体形成工程により、負極集電体1の歪みの矯正や、研磨等を施してもよい。
<負極活物質形成工程>
負極活物質形成工程は、50at%以上を占める非晶質炭素中に、SnとAgを気相成長法により分散させると共に、前記非晶質炭素中へのSnとAgの分散により形成される負極活物質2として、負極集電体1上に形成させる工程である。
気相成長法を用いることにより、50at%以上を占める非晶質炭素中に、SnとAgをナノクラスター状に分散させながら、負極集電体1上に負極活物質2を形成させることができる。また、非晶質炭素および金属(SnおよびAg)の組成を、広い範囲で自由に制御することができると共に、皮膜(負極活物質2)厚さも容易に制御することができ、負極集電体1に、負極活物質2を容易、かつ簡便に形成することができる。皮膜の厚さは、0.1〜100μmが好ましい。
また、本発明に係る製造方法では、気相成長法を用いるため、負極材10は、SnおよびAgを非晶質炭素中に分散させた膜(負極活物質2)を、負極集電体1上に、蒸着により形成させることで得られる。そのため、従来の製造方法における、黒鉛質炭素粉末を負極集電体上に塗布する工程、塗布した粉末を乾燥させる工程、および、塗布して乾燥させた粉末を、負極集電体に押し付けて密度を向上させる工程を省略することができる。
気相成長法としては、化学気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposition法)や、物理気相成長法(PVD:Physical Vapor Deposition法)等を用いることができ、CVD法としては、プラズマCVD法があり、PVD法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、アークイオンプレーティング(AIP)法、レーザアブレーション法等がある。特に、厚膜化が必要なときは、成膜速度が速い手法を用いることが必要であり、それには、AIP法が有効である。例えば、ターゲットをグラファイトとしてアーク放電すれば、グラファイトがアーク放電の熱によりカーボン原子またはイオンとして蒸発し、負極集電体表面に非晶質炭素を堆積させることができる。さらに、グラファイトターゲットを用いたAIP法では、アーク放電が生じたターゲット表面からカーボン原子やイオン以外に、数μmから数十μmのグラファイトの微粒子(マクロパーティクル)も飛び出して負極集電体上に堆積するため、スパッタリング法やイオンプレーティング法に比べ、グラファイト構造が多い膜を形成することができる。このため、よりリチウムを吸蔵する膜を形成することができる。このAIP法による非晶質炭素膜形成と同時に同一チャンバー内で、SnおよびAgを真空蒸着法またはスパッタリング法により蒸発させれば、SnおよびAgを含有する非晶質炭素膜(負極活物質2)を形成することができる。また、AIP法で放電を行うときに、メタンやエチレン等の炭化水素ガスを導入しながら実施すると、アーク放電により、これらの炭化水素ガスが分解し非晶質炭素膜として負極集電体表面に堆積するため、成膜速度をさらに向上させることができる。
次に、図2、3を参照して、スパッタリング法を用いた場合、および、AIP法を用いた場合のリチウムイオン二次電池用負極材10の製造方法の一例について説明するが、気相成長法を用いるものであれば、これらに限定されるものではない。また、スパッタリング装置20およびAIP−スパッタリング複合装置30は、その構成を図2、3で示すものに限るものではなく、公知の装置が使用できる。
スパッタリング法を用いた場合については、図2に示すように、まず、スパッタリング装置20のチャンバー21内に、φ100mm×厚さ5mmの炭素ターゲット23およびスズターゲット22、および銀ターゲット24をセットし、縦50×横50×厚さ0.02mmの基板(銅箔)25を、炭素ターゲット23、スズターゲット22および銀ターゲット24に対向するようにセットする。次に、チャンバー21内の圧力が1×10-3Pa以下となるように真空に引き、チャンバー21内を真空状態にする。その後、チャンバー21内にArガスを導入し、チャンバー21内の圧力を0.26Paとなるようにして、各ターゲットにDC(直流)を印加してプラズマを発生させ、炭素ターゲット23およびスズターゲット22および銀ターゲット24をスパッタする。これにより、負極集電体である基板(銅箔)25上に、非晶質炭素中にスズおよび銀が分散した膜(負極活物質)を成膜する。このようにして、リチウムイオン二次電池用負極材を製造することができる。
AIP法を用いた場合については、図3に示すように、まず、AIP−スパッタリング複合装置30のチャンバー31内に、φ100mm×厚さ16mmのグラファイトターゲット32、φ6インチ×厚さ6mmの銀ターゲット33およびスズターゲット34をセットし、縦50×横50×厚さ0.02mmの銅箔35を公転する円筒状の基板台36表面にセットする。次に、チャンバー31内の圧力が1×10−3Pa以下となるように真空に引き、チャンバー31内を真空状態にする。その後、チャンバー31内にArガスを導入し、チャンバー31内の圧力を0.26Paとなるようにして、グラファイトターゲット32およびスズターゲット34および銀ターゲット33にDC(直流)を印加して、グラファイトターゲット32にアーク放電、銀ターゲット33およびスズターゲット34にグロー放電を発生させて、グラファイトをアーク放電の熱により蒸発させると共に、スズおよび銀をアルゴンのスパッタにより蒸発させる。これにより、負極集電体である銅箔35上に、非晶質炭素中にスズおよび銀が分散した膜(負極活物質)を成膜する。このようにして、リチウムイオン二次電池用負極材を製造することができる。
なお、本発明を行うにあたり、前記各工程に悪影響を与えない範囲において、前記各工程の間あるいは前後に、例えば、負極集電体洗浄工程、温度調整工程等、さらに、他の工程を含めてもよい。
≪リチウムイオン二次電池≫
本発明に係るリチウムイオン二次電池は、前記記載のリチウムイオン二次電池用負極材を用いたものである。本発明に係る負極材を用いることにより、高い充放電容量、良好なサイクル特性に加え、高速充放電特性に優れたリチウムイオン二次電池を製造することができる。
<リチウムイオン二次電池の形態>
リチウムイオン二次電池の形態としては、例えば、円筒型、コイン型、基板搭載薄膜型、角型、シール型等が挙げられるが、本発明に係る負極材を用いることができるものであれば、どのような形態であってもよい。
リチウムイオン二次電池は、主に、負極材、正極材、これらの電極材を絶縁するセパレータ材、電極材間の電荷移動を補助する電解液、これらを収容する電池ケースから構成される。以下、各構成について説明する。
<負極材>
負極材は、前記した本発明に係る負極材を使用し、また、この負極材は、前記した本発明に係る製造方法により製造する。
<正極材>
正極材は、特に限定されるものではなく、公知の材料、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMn等のリチウム含有酸化物を使用することができる。正極材の製造方法も特に限定されるものではなく、公知の方法、例えば、粉末状のこれらの正極材料に、バインダーの他、必要であれば導電材、溶剤等を添加して十分混練した後、アルミニウム箔等の集電体に塗布し、乾燥、プレスして製造することができる。
<セパレータ材>
セパレータ材についても特に限定されるものではなく、公知の材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを原料とする多孔質体のシートまたは不繊布等のセパレータ材を使用することができる。
<電解液>
電解液は、電池ケース内に注入されて密閉される。かかる電解液は、充放電時に、負極材および正極材で電気化学的反応によって生成されるリチウムイオンの移動を可能にする。
電解液の電解質用溶媒としては、リチウム塩を溶解できる公知の非プロトン性、低誘電率の溶媒を使用することができる。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチル・エチルカーボネート、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、γ―ブチロラクトン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒を単独、あるいは複数混合して使用することができる。
電解液の電解質として用いるリチウム塩としては、例えば、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiB(C、LiCl、CHSOLi、CFSOLi等があり、これらの塩を単独で、あるいは複数混合して使用することができる。
<電池ケース>
電池ケースは、前記した負極材、正極材、セパレータ材、電解液等を収容する。
なお、リチウム固体二次電池、ポリマーリチウム二次電池を製造する場合においては、公知の正極材、ポリマー電解質、固体電解質と共に、本発明のリチウムイオン二次電池用負極材を用いることにより、安全性が高く、高容量の二次電池を製造することができる。
次に、本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材、および、その製造方法、ならびに、リチウムイオン二次電池について、本発明の要件を満たす実施例と本発明の要件を満たさない比較例とを比較して具体的に説明する。
[第1実施例]
図2に示すようなスパッタリング装置のチャンバー内に、φ100mm×厚さ5mmの炭素ターゲット、スズターゲットおよび銀ターゲット(フルウチ化学株式会社)をセットした。また、縦50×横50×厚さ0.02mmの銅箔(フルウチ化学株式会社)を、炭素ターゲット、スズターゲットおよび銀ターゲットに対向するようにセットし、チャンバー内を1×10-3Pa以下となるように真空に引き、チャンバー内を真空状態とした。その後、チャンバー内にArガスを導入し、チャンバー内の圧力を0.26Paとなるようにして、各ターゲットにDC(直流)を印加してプラズマを発生させ、炭素ターゲット、スズターゲットおよび銀ターゲットをスパッタした。各ターゲットに印加する電流を調整することにより、非晶質炭素中にスズおよび銀が分散した膜(負極活物質)を銅箔(負極集電体)上に成膜して、リチウムイオン二次電池用負極材を作製した。
膜(負極活物質)のAg、SnおよびC含有量は、オージェ電子分光分析(AES分析)により算出した。ここで、AES分析には、パーキン・エルマー社製PHI650走査型オージェ電子分光装置を使用し、直径10μmの領域について分析を行った。膜(負極活物質)中には、成膜時に不可避的に混入する銅箔由来の銅および酸素等の不純物が10at%以下存在していたが、これを除いたもので、膜(負極活物質)中のAg、Sn、C含有量を算出した。
このようにして作製した負極材(試料No.1〜8)について、以下の方法により、充放電特性評価を行った。
[充放電特性評価]
得られた負極材と、対極に正極材として金属リチウムとを配置し、両電極材間にポリプロピレン製の多孔質体のセパレータ材を挟んだ。電解液として、1mol/lの6フッ化りん酸リチウム塩を、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合有機溶媒に体積比1対1で溶かした溶液を使用し、2極式セルの評価用セルを作製した。なお、用いた評価用セルの構造を示す模式図を図4に示す。
この評価用セルについて、室温下で、カットオフ電圧を充電時0.1V、放電時1.0Vとして1サイクルとする充放電試験を行った。充放電試験は定電流にて行った。
充放電時電流を1Cレート、および10Cレートとしたときの初期放電容量を測定した。また、10Cレートにおいて100サイクルの充放電試験を行い、そのときの容量維持率を測定した。ここで、容量維持率は(100サイクル後の放電容量÷初期放電容量×100)により算出した。
1Cレートにおける初期放電容量(初期容量)が、560mAh/g(従来の黒鉛負極材理論容量の約1.5倍)を超える場合、充放電容量が良好であるとした。
また、10Cレートにおける初期放電容量(初期容量)が、1Cレートにおける初期放電容量の80%を超える場合、高速充放電特性が良好である(すなわち、充放電速度が速い)とした。
さらに、10Cレートにおける100サイクルの充放電試験後の容量維持率が80%以上のものを、サイクル特性が良好であるとした。
これらの結果を表1に示す。また、図5に、膜中の非晶質炭素の含有量と、10Cレートで100サイクルの充放電試験後の容量維持率の関係を示す。さらに、図6に、膜中のSn/Agと10C初期容量の1C初期容量に対する割合(10C/1C)との関係、および、Sn/Agと1C初期容量との関係を示す。
Figure 2010282901
表1に示すように、実施例である試料No.1〜4は、本発明の要件を満たしているため、十分な充放電特性(充放電容量、高速充放電特性およびサイクル特性)を発揮することができた。
一方、膜中のCの含有量が本発明の要件を満たしていない比較例(試料No.5)は、十分なサイクル特性を発揮できなかった。また、膜中のSn/Agが本発明の要件を満たしていない比較例(試料No.6)、膜中にAgを含まない比較例(試料No.7)は、十分な高速充放電特性を発揮できなかった。さらに、膜中にSnを含まない比較例(試料No.8)は、十分な充放電容量を発揮することができなかった。
なお、実施例である試料No.1〜4において、膜(負極活物質)の非晶質炭素中に分散するSnおよびAgの粒子径はFIB−TEM観察で2〜5nm、膜の厚さはSEM観察で0.45〜0.55μmであった。
[第2実施例]
第2実施例では、成膜方法として、AIP法で非晶質炭素を、スパッタリング法でSnおよびAgを同時成膜することによってリチウムイオン二次電池用負極材を作製した。
図3に示すようなAIP−スパッタリング複合装置のチャンバー内に、φ100mm×厚さ16mmのグラファイトターゲット、φ6インチ×厚さ6mmのスズターゲットおよび銀ターゲット(フルウチ化学株式会社)をセットし、縦50×横50×厚さ0.02mmの銅箔(フルウチ化学株式会社)を公転する円筒状の基板台表面にセットし、チャンバー内を1×10−3Pa以下となるように真空に引き、チャンバー内を真空状態とした。その後、チャンバー内にArガスを導入し、チャンバー内の圧力を0.26Paとなるようにして、グラファイトターゲット、スズターゲットおよび銀ターゲットにDC(直流)を印加して、グラファイトターゲットにアーク放電、スズターゲットおよび銀ターゲットにグロー放電を発生させて、グラファイトをアーク放電の熱により蒸発させるとともに、スズおよび銀をアルゴンのスパッタにより蒸発させた。これにより、銅箔(負極集電体)上に、非晶質炭素膜中にスズおよび銀が分散した膜(負極活物質)を成膜して、リチウムイオン二次電池用負極材を作製した。このときのアーク放電電流は60A、スパッタリングパワーは500W、銅箔(基板)に印加するバイアスは0Vとして、1時間の成膜を行った。
この負極材における非晶質炭素中のスズおよび銀の分散状態について、FIB−TEM観察により調べたところ、炭素は、非晶質構造の中に乱層構造のグラファイトが含有された構造をしており、炭素相中に粒径5〜10nmのスズ粒子および銀粒子が分散している構造が観察された。また、断面をSEMで観察したところ、膜(負極活物質)の膜厚は5μmであった。C、SnおよびAg組成の分析は、第1実施例と同様に、オージェ電子分光分析(AES分析)を実施し、C:88at%、Sn:4at%、Ag:8at%を得た。
このようにして作製した試料について、第1実施例と同様の方法で、充放電特性評価を行った。その結果、1Cレートでの初期放電容量は580mAh/g、10Cレートで充放電した場合の初期放電容量は530mAh/g、10Cレートで100サイクル後の容量維持率は96%であった。このように、AIP法で非晶質炭素を、スパッタリング法でSnおよびAgを同時成膜することによって得られた負極材についても、優れた充放電特性(充放電容量、高速充放電特性およびサイクル特性)を示した。
以上の結果から、本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材によれば、十分な充放電容量、優れたサイクル特性と高速充放電特性とを兼ね備えたリチウムイオン二次電池を得ることができるといえる。
以上、本発明の好適な実施形態、実施例について説明してきたが、本発明は前記実施形態、実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲において広く変更、改変して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1 負極集電体
2 負極活物質
10 リチウムイオン二次電池用負極材(負極材)

Claims (4)

  1. リチウムイオン二次電池に用いられるリチウムイオン二次電池用負極材において、
    前記リチウムイオン二次電池用負極材は、SnとAgが非晶質炭素中に分散した負極活物質を負極集電体上に形成したもので、
    前記負極活物質は、非晶質炭素の含有量が50at%以上、Snの含有量とAg含有量との比(Sn/Ag)が0.5〜4であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材。
  2. 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材の製造方法であって、
    前記負極活物質を、気相成長法により負極集電体上に形成させることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材の製造方法。
  3. 前記負極活物質の非晶質炭素の形成を、グラファイトターゲットを用いてアークイオンプレーティング法により行うことを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用負極材の製造方法。
  4. 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材を用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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