JP2010282194A - 電荷ブロッキング層を形成するためのコーティング溶液及び画像形成部材 - Google Patents

電荷ブロッキング層を形成するためのコーティング溶液及び画像形成部材 Download PDF

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Abstract

【課題】環境負荷が小さく、高い安全性を有する水系の電荷ブロッキング層用コーティング溶液を提供することである。
【解決手段】本発明の電荷ブロッキング層を形成するためのコーティング溶液は、1以上の官能性有機シランと、界面活性剤と、任意の溶媒と、を含む電荷ブロッキング層を形成するためのコーティング溶液であって、コーティング溶液は、水系であることを特徴とする。また、1以上の官能性有機シランとしては、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【選択図】図1

Description

本発明は、界面層を形成するためのコーティング溶液及び画像形成部材に関し、より具体的には、デジタルを含む静電複写装置で使用される画像形成装置部材(及び部品)に好適な層に関する。
電子写真又は静電複写印刷では、典型的に感光体として知られた電荷保持表面を静電帯電させ、次に、オリジナル画像の光パターンに露光して、それに従って表面を選択的に放電させる。感光体上に得られた帯電及び放電領域のパターンは、オリジナル画像に対応する静電荷のパターン(潜像)を形成する。潜像は、微細で静電気に引き寄せられるパウダー(トナー)と接触させることによって現像される。トナーは、感光体表面上の静電荷によって画像領域上に保持される。したがって、トナー画像は、再生又は印刷されるべきオリジナルの光画像と一致したものが作成される。次に、当該トナー画像を、基材又は支持部材(例えば、紙)に直接的に又は中間転写部材を用いて転写することができ、画像をその上に定着させて、再生又は印刷されるべき画像の永久記録を形成することができる。このプロセスには、例えば、オリジナルからコピーする、又はラスタ出力スキャナ(ROS)を用いて電気的に発生させ又は記憶していたオリジナルを印刷する光レンズに有効であり、帯電した表面を各種方法で潜像放電さることができる。
上記静電複写法は公知であり、一般的に、オリジナル原稿の複写には光レンズが使用される。また、電気的に発生させ又は記憶していた画像に対応して、電荷保持表面上に電荷を与える他の静電複写印刷仕様、例えば、デジタルレーザ印刷又は粒子線写真印刷(及び再生)にも類似の処理が存在する。
積層感光体又は画像形成部材は、少なくとも2つの層を有し、柔軟性のあるベルト形態か堅いドラム構造のいずれかにおいて、基材、導電性層、任意のアンダーコート層(しばしば、「電荷ブロッキング層」又は「ホールブロッキング層」と呼ばれる)、任意の粘着性層、光発生層(しばしば、「電荷発生層」と呼ばれる)、電荷輸送層、及び任意のオーバーコート層を含む。アンダーコート層は、導電性の基材からCGL(電荷発生層)への電荷注入をブロックするように設計される。電荷発生層は、露光時にフリーの電荷を発生させる機能を有し、電荷輸送層の機能は、CGLから感光体表面へと電荷を輸送することである。これらの層を横断する電荷輸送を強化することで、より良好な感光体性能を提供することができる。柔軟な積層感光体部材は、電気的活性層の反対側であって基材の裏側にカール防止層を備え、所望の感光体の平坦性を実現してもよい。
米国特許第4921773号明細書 米国特許第3121006号明細書 米国特許第5756245号明細書
有機感光体装置における現行の電荷ブロッキング層は、何らかの有機シランの加水分解法によって、例えば、溶媒としてヘプタン及びエタノールを用いて、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(γ−APS)をコーティング処理して形成される。しかしながら、当該プロセスの有機溶媒は、環境リスクを伴い、高い安全性を保つことが求められると共に製造コスト高につながる。コーティング溶液中の成分間の混和性に限界があるので、有機溶媒を伴うコーティング処理は、容易に不均一なコーティングやコーティング欠陥を生じ、これは感光体性能の不良や層剥離の問題を引き起こす。電荷ブロッキング層は、導電性基材、例えば、チタン/ジルコニウムにより金属化されたマイラー(デュポン社製ポリエステルフィルム)上に塗布されるので、アンダーコート層と基材との間の粘着性は、感光体装置全体を維持するために重要である。したがって、粘着性を改良することは、より良好な感光体性能と長い使用寿命を確保するために不可欠である。
したがって、上記問題のない改良された画像形成層についての要求がある。
即ち、本発明の目的は、環境負荷が小さく、高い安全性を有する水系の電荷ブロッキング層用コーティング溶液を提供することである。
なお、本明細書では、「感光体」又は「光導電体」という用語は、一般的に、「画像形成部材」という用語と互換可能に使用される。また、「静電複写」という用語は、「電子写真」を包含する。また、「電荷輸送分子」という用語は、一般的に、「ホール輸送分子」という用語と互換可能に使用される。
本発明は、1以上の官能性有機シラン、界面活性剤、及び任意の溶媒を含む電荷ブロッキング層を形成するためのコーティング溶液であって、コーティング溶液は水系であるコーティング溶液を提供するものである。
即ち、本発明のコーティング溶液は、含有される溶媒の主成分が水である。
また、本発明の別の態様は、基材、基材上に配置された電荷ブロッキング層、電荷ブロッキング層上に配置された粘着性界面層を備える画像形成部材であって、粘着性界面層が電荷ブロッキング層と電荷発生層の間に配置され、さらに、電荷ブロッキング層は1以上の官能性有機シラン、界面活性剤及び任意の溶媒を含む水系のコーティング溶液から形成される画像形成部材を提供するものである。
また、本発明の別の態様は、電荷ブロッキング層を形成する方法であって、1以上の官能性有機シラン、界面活性剤及び任意の溶媒を組み合わせて混合し、水系のコーティング溶液を形成し、コーティング溶液を混合して官能性有機シランの加水分解を開始し、溶液を基材上にコーティングして電荷ブロッキング層を形成することを包含する方法を提供するものである。
本発明の実施形態は、貯蔵寿命とコーティング特性が改良された、例えば、均一性と粘着性が増加した水系のコーティング溶液、及び当該溶液から形成される改良された電荷ブロッキング層を有する静電複写画像形成部材、及びこれを製造するための方法に関する。
即ち、本発明のコーティング溶液は、貯蔵安定性が高く、欠陥のない均一なコーティングを実現できる。また、溶媒の主成分(例えば、全溶媒の50重量%〜100重量%)が水であるから、環境負荷が小さく、安全性が高い。
本発明の実施形態であるベルト構造の画像形成部材の断面図である。 本発明の実施形態である電荷ブロッキング層における加水分解された有機シランの構造を示す図である。
以下の記載では、添付の図面を参照し、図面はその一部を表し、いくつかの実施の形態を例示するものである。
ここで開示される実施の形態は、一般的に、石油又は有機溶媒を使用する必要がない、水系のコーティング溶液から電荷ブロッキング層を形成する改良された静電複写画像形成部材に関する。少量の界面活性剤をコーティング溶液に導入することで、有機溶媒を用いた従来の電荷ブロッキング層コーティング溶液よりも、長い貯蔵寿命と良好なコーティング品質の両方を備えた安定した水溶液を得ることができる。さらに、形成された電荷ブロッキング層フィルムは、金属化基材との粘着性が改良される。本発明の感光体の電気特性の試験は、放電残留電圧が低く、反復電気性能が非常に安定しており、充電暗減衰が少なくかつ充電消耗が少ないことを示した。したがって、本実施の形態は、有機感光体が改良された画像形成性能を有するとともに、電荷ブロッキング層の低コストで環境に優しい処理を提供するものである。
感光体を用いた静電複写再生又はデジタル印刷装置では、光画像を静電潜像の形態で感光性部材上に記録し、この潜像を現像剤混合物によって可視化する。その内部にトナー粒子を含有する現像剤を静電潜像と接触するようにして、電荷保持表面を有する静電複写画像形成部材上の画像を現像する。そして、現像されたトナー画像をコピー基材、例えば、紙に転写部材を介して転写することができる。
本開示の例示的実施の形態を、図面を参照して以下に記載する。特定の用語を、明確にするために以下の記載で使用し、例示のために図面で選択するが、開示範囲を限定するものではない。特に記載しない限り、同じ参照番号を異なる図面の同じ構造を識別するために使用する。図面内の構造はその相対的割合に従って描写したものではなく、図面は、大きさ、相対的大きさ又は配置について開示を限定するものと解釈されるべきではない。さらに、説明は負に帯電するシステムについて述べているが、本開示の画像形成部材を正に帯電するシステムに用いてもよい。
図1は、実施形態であるベルト構造を有する画像形成部材を示す。同図に示されるように、ベルト構造は、カール防止背面コーティング1、支持基材10、導電性接地面層12、電荷ブロッキング層14(アンダーコート層14とも称する)、粘着性層16、電荷発生層18、及び電荷輸送層20を備える。また、任意のオーバーコート層32を備えてもよい。
ここで、オーバーコート層32について説明する。
画像形成部材の他の層としては、例えば、任意のオーバーコート層32が挙げられる。必要により、任意のオーバーコート層32を電荷輸送層20の上に配置して、画像形成部材表面を保護するとともに耐磨耗性を改良してもよい。本実施態では、オーバーコート層32は、約0.1μm〜約10μm、約1μm〜約10μmの範囲、又は約3μmの厚さであってもよい。これらのオーバーコーティング層には、電気的に絶縁性又は僅かに半導電性の熱可塑性の有機ポリマー又は無機ポリマーを含むことができる。例えば、オーバーコート層32を、樹脂中に粒子添加剤を含む分散体から作成してもよい。オーバーコート層32に好適な粒子添加剤としては、金属酸化物(例えば、酸化アルミニウム)、非金属酸化物(例えば、シリカ又は低表面エネルギーのポリテトラフルオロエチレン(PTFE))、及びその組み合わせが挙げられる。好適な樹脂としては、光発生層及び/又は電荷輸送層に好適な樹脂、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルのコポリマー、カルボキシル変性塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマー、ヒドロキシル変性塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマー、カルボキシル及びヒドロキシル変性塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリスルホン、ポリアリールエーテル、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンスルフィド、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ポリイミド、アミノ樹脂、酸化フェニレン樹脂、テレフタル酸樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、フェノール性樹脂、ポリスチレン及びアクリロニトリルコポリマー、ポリ−N−ビニルピロリジノン、アクリレートコポリマー、アルキド樹脂、セルロース性フィルムフォーマ、ポリ(アミドイミド)、スチレン−ブタジエンコポリマー、塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマー、酢酸ビニル−塩化ビニリデンコポリマー、スチレン−アルキド樹脂、ポリビニルカルバゾール、及びそれらの組み合わせがある。
次に、支持基材10について説明する。
感光体の支持基材10は、必要な機械特性を有するものであれば、いずれの好適な有機又は無機材料からなるものでもよい。いくつかの感光体の設計、例えば、背面露光消去では、基材は光学的に不透性でも実質的に透過性でもよい。基材全体が導電性表面となるように同じ材料からなるものでもよく、又は導電性表面は単なる基材上のコーティングであってもよい。導電性材料としては、例えば、金属又は合金を好適に用いることができる。導電性材料には、銅、真鍮、ニッケル、亜鉛、クロム、ステンレススチール、導電性プラスチック、導電性ゴム、アルミニウム、半透過性アルミニウム、スチール、カドミウム、銀、金、ジルコニウム、ニオビウム、タンタル、バナジウム、ハフニウム、チタン、ニオビウム、タングステン、モリブデン、好適な材料を内部に含むことで導電性にした紙、湿った大気内で調節し十分な水含有量があることを確保することで導電性にした紙、インジウム、錫、金属酸化物(例えば、酸化錫及びインジウム錫オキサイド)等がある。また、導電性材料は、単一の金属化合物であってもよく、異なる金属及び/又は酸化物の2層であってもよい。
また、支持基材10は、全体が導電性材料で構成されてもよい。また、支持基板10は、導電性チタン又はチタン/ジルコニウムコーティングからなる導電性接地面層12、或いは半導電性表面層(例えば、インジウム錫オキサイド、アルミニウム、チタン等を含む有機又は無機材料層)を有する、デュポンから市販入手可能な二軸延伸ポリエチレンテレフタレートであるマイラー、又はカルデックス2000として入手可能なポリエチレンナフタレートのような、無機又は有機ポリマー状材料を含む絶縁材料であってもよく、又は導電性材料、例えば、アルミニウム、クロム、ニッケル、真鍮、他の材料等のみから形成されてもよい。支持基材10の厚さは、多くの要因、例えば、機械的性能及びコストに依存する。
また、支持基材10は、多くの異なる構造、例えば、平面、筒、ドラム、スクロール、柔軟性のある無端ベルト等をであってもよい。同図に示されるように、支持基材10がベルト形態である場合には、ベルトは継ぎ目があってもなくてもよい。実施形態において、感光体はドラム構造である。
支持基材10の厚さは、多くの要因、例えば、例えば、柔軟性、機械的性能及びコストに依存する。本実施形態では、支持基材10の厚さは、少なくとも約50μm〜約300μm以下、又は少なくとも約75μm〜約250μm以下であってもよい。
次に、電荷ブロッキング層14について説明する。
導電性表面を備えた基材上に、電荷(電子又はホール)ブロッキング層14を塗布することができる。正に帯電する感光体では、電子ブロッキング層がホールを感光体の画像形成表面から導電性層へと移動させることができる。負に帯電する感光体では、導電性基材から電荷発生層へ、さらには電荷輸送層を越えて感光体表面へのホール注入を防止するためのバリアを形成することができるものであれば、いずれの好適なホールブロッキング層を用いてもよい。
ホールブロッキング層は、連続で、約0.5μm以下の厚さを有する。ホールブロッキング層の厚さが厚すぎれば、高い残留電圧につながるからである。ゆえに、露光工程後の電荷中和を促進し最適な電気特性を達成するために、約0.005μm〜約0.3μmのホールブロッキング層を用いる。最適な電気特性を得るためには、特に、約0.03μm〜約0.06μmの厚さのホールブロッキング層を用いる。ブロッキング層は、いずれの好適な技術、例えば、スプレイング、ディップコーティング、ドローバーコーティング、グラビアコーティング、シルクスクリーニング、エアナイフコーティング、リバースロールコーティング、真空蒸着、化学処理等によって塗布されてもよい。薄層を得るために、ブロッキング層を希釈溶液の形態で塗布して、コーティングの成膜後に公知技術、例えば、真空、加熱等によって溶媒を除去する。
本実施形態では、コスト高で製造処理における安全性リスクを伴う有機溶媒を使用する必要性を排除した、電荷ブロッキング層を形成するための改良されたコーティング溶液を提供する。実施形態では、コーティング溶液は、1以上の官能性有機シラン、界面活性剤、及び溶媒を含み、コーティング溶液は水系である。実施形態では、1以上の官能性有機シラン化合物を導入しており、例えば、官能性有機シラン化合物としては、ガンマ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−ベータ−アミノエチルガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルメチルジメトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメチルメトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルメチルジエトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメチルエトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、3−[ヒドロキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]ヘプタメチルトリシロキサン、2−(カルボキシメチルチオ)エチルトリメチルシラン等が挙げられる。
特に、トリアルキルオキシシリル基を有する官能性有機シラン、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(γ−APS)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及びメタクリロキシプロピルトリエトキシシランを、有機感光体、有機発光ダイオード、及び他のオプトエレクトロニクス素子に適用すると、良好な特性を得た。加水分解処理により、有機シランをハイブリッド材料(混成材料)へと変換することができる。有機感光体装置では、加水分解されたシラン層は、電荷ブロッキングだけでなく、基材と界面層(IFL)との粘着材料としても機能する。図2に示される特定の実施形態では、加水分解された有機シランの構造は、シロキサンセグメント40が金属基材45(表面が金属化された基材)に相互作用(接続又は付着)し、官能基50は電荷ブロッキング層55の表面にあり、IFLの有機材料と相互作用するように構成される。
メソスコピックな配列のハイブリッド材料は、界面活性剤を介した有機シランの加水分解により得ることができる。界面活性剤を有する水性コーティング溶液中では、配列した無機‐有機ハイブリッド材料がナノサイズのミセル構造中で形成される。この重要な構造の特徴は、基材上の金属成分とSi−OHとの結合確率を劇的に増加させることができることである。次に、乾燥処理により、図2に示されるように、成膜され良好に構造化された電荷ブロッキング層構造を得ることができる。有機シランの有機溶媒を伴う加水分解処理では、形成されたハイブリッド材料は、厳格な処理制御を施さなければ容易に沈殿析出する。そして、不安定な沈殿物のために、従来のコーティング溶液では、一般的に、貯蔵寿命期間が短く容易にコーティング欠陥を生じる。
したがって、本実施形態では、コーティング溶液に1以上の官能性有機シランを導入し、当該官能性有機シランは、コーティング溶液中にコーティング溶液の全重量の約0.01重量%〜約30重量%の量で存在してもよい。コーティング溶液中の界面活性剤は、例えば、陰イオン性界面活性剤である。界面活性剤は、例えば、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、ナトリウムドデシルスルフェート、アンモニウムラウリルスルフェート、ナトリウムラウリルエーテルスルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルスルフェート塩、ナトリウムアルキルカルボキシレート等、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。界面活性剤は、コーティング溶液中に、コーティング溶液の全重量の約0.0001重量%〜約10重量%の量で存在してもよい。
本実施の形態では、電荷ブロッキング層は、水系のコーティング溶液から形成される。コーティング溶媒の主成分は、水であり、水は、例えば、全溶媒の50重量%〜99.99重量%の量で存在する。コーティング溶液は、任意で少量の他の水混和性溶媒、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、酢酸、及びそれらの混合物等を含有してもよい。いずれの場合でも、コーティング溶液は、有機溶媒、例えば、炭化水素系溶剤を使用する必要がない。溶媒は、例えば、コーティング溶液中に、コーティング溶液の全重量の約0.01重量%〜約50重量%の量で存在する。
本実施形態のコーティング溶液を用いて形成された電荷ブロッキング層は、改良された画像形成部材を提供し、当該画像形成部材の電荷ブロッキング層は、界面活性剤を含まないコーティング溶液を用いて形成された電荷ブロッキング層に比べて、改良された基材への粘着性を有する。例えば、この電荷ブロッキング層は、インストロン(登録商標)装置で行った粘着性試験において、基材から剥離しない。また、改良された画像形成部材が金属化基材を備える場合には、コーティング溶液は金属化基材に対して良好な粘着性とコーティング能力を提供する。実施形態において、基材は、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、及びそれら混合物からなる群から選択される金属を備える。
次に、電荷発生層18について説明する。
電荷発生層18は、アンダーコート層14に塗布されてもよい。電荷発生/光導電性材料を含むいずれかの好適な電荷発生バインダを用いてもよく、電荷発生/光導電性材料は粒子の形態であって、不活性樹脂等のフィルム形成バインダに分散されてもよい。電荷発生材料の例としては、例えば、無機光導電性材料(例えば、アモルファスセレン、三方晶系セレン、及びセレン−テルル、セレン−テルル−ヒ素、ヒ化セレン及びその混合物からなる群から選択されるセレン合金)、有機光導電性材料(例えば、各種フタロシアニン顔料、例えば、X型の金属フリーフタロシアニン、金属フタロシアニン例えば、バナジルフタロシアニン、及び銅フタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、チタニルフタロシアニン、キナクリドン、ジブロモアンタンスロン顔料、ベンズイミダゾールペリレン、置換2,4−ジアミノ−トリアジン、多核芳香族キノン、ベンズイミダゾールペリレン等)、及びそれらの混合物があり、これがフィルム形成ポリマー状バインダ中に分散される。セレン、セレン合金、ベンズイミダゾールペリレン等及びそれらの混合物を均一な連続電荷発生層として形成してもよい。光導電性材料が電荷発生層の特性を向上させ又は低下させる場合には、複数の電荷発生層組成物を用いてもよい。また、必要により、公知の他の好適な電荷発生材料を用いてもよい。選択される電荷発生材料は、電子写真画像形成法における潜像放射線露光工程時の約400〜約900nmの波長を有する活性放射線に感応して静電潜像を形成するものである。例えば、ヒドロキシガリウムフタロシアニンは、約370〜約950ナノメートルの波長の光を吸収する。
いずれの好適な不活性樹脂材料を電荷発生層18のバインダとして使用してもよい。バインダは、オーバーコート層に関する上記のものから選択されてもよい。
電荷発生材料は、樹脂状バインダ組成物中に様々な量で存在してもよい。一般的に、少なくとも約5体積%〜約90体積%以下の電荷発生材料を、少なくとも約5体積%〜約90体積%以下の樹脂状バインダ中に分散させ、より好ましくは、少なくとも約20体積%〜約60体積%以下の電荷発生材料を、少なくとも約30体積%〜約70体積%以下の樹脂状バインダ組成物中に分散させる。
電荷発生層18は、例えば、少なくとも約0.01μm〜約2μm以下、又は少なくとも約0.2μm〜約1μm以下の厚さを有してもよい。電荷発生層の厚さは、一般的に、バインダ含有量に関係する。バインダ含有量が高い組成物ほど、一般的に、電荷発生により厚い層を使用する。
次に、電荷輸送層20について説明する。
感光体では、電荷輸送層は同じ組成の単一層からなる。したがって、電荷輸送層は、特に単一層である電荷輸送層20に関して説明するが、詳細は二重に電荷輸送層を有する実施形態にも当てはまる。電荷輸送層20は、電荷発生層18上に塗付される。そして、電荷輸送層20は、電荷発生層18からの光発生したホール又は電子の注入をサポートすることができ、各ホール/電子の輸送を行い、選択的に画像形成部材表面上の表面電位を放電することができるものであれば、いずれの好適な透過性有機ポリマー又は無機ポリマー状材料からなるものでもよい。ある実施形態では、電荷輸送層20は、ホールを輸送する機能を果たすだけでなく、電荷発生層18を磨耗や化学的腐食から保護して、画像形成部材の機能寿命を伸ばすことができる。電荷輸送層20は、実質的に光導電性材料ではなく、光発生した電荷発生層18からのホールの注入をサポートするものである。
さらに、ベルト構造を用いた本実施形態では、電荷輸送層は、単一パスの電荷輸送層でも、同一又は異なる輸送分子比を有する二重パスの電荷輸送層(又は2層の電荷輸送層)からなるものであってもよい。これらの実施形態では、2層の電荷輸送層は約10μm〜約40μmの全体厚さを有する。他の実施形態では、2層の電荷輸送層の各層は、それぞれ2μm〜約20μmの厚さを有してもよい。さらに、電荷輸送層は、感光体の上層として使用され、電荷輸送層とオーバーコート層の界面での結晶化を抑制するように構成されてもよい。別の実施形態では、電荷輸送層は、第1パス電荷輸送層として使用され、第1パス層と第2パス層間の界面で起こるミクロ結晶化を抑制するように構成されてもよい。
電荷輸送層20は、通常、電子写真画像形成部材が露光を行う際に使用する波長範囲について透過性であり、下にある電荷発生層18によって、大部分の入射した放射線が確実に使用されるようにする。電荷輸送層20は、電子写真で有用な光波長、例えば、400〜900nmで露光したときに、僅かしか光吸収せずかつ電荷発生や電荷トラッピングすることのない優れた光透過性を有することが好ましい。感光体が透過性の支持基材10と透過性又は部分的透過性の導電性接地面層12を用いて調製される場合には、潜像露光又は消去は、全ての光を基材の裏側に通すことで達成される。この場合、電荷発生層18が支持基材10と電荷輸送層20との間にサンドイッチされるなら、電荷輸送層20の材料は使用する波長領域の光を透過する必要はない。電荷発生層18と連係する電荷輸送層20は、光の照射が存在しない状態では電荷輸送層20上にある静電荷を伝導させない程度の絶縁体である。電荷輸送層20は、放電処理時には電荷がそこを通るように、最小限の電荷をトラップすることが好ましい。
電荷輸送層20は、添加剤として有用な電荷輸送成分又は活性化化合物が、電気的に不活性なポリマー状材料、例えば、ポリカーボネートバインダ中に溶解又は分子レベルで分散して固溶体を形成し、材料を電気的に活性化させてなるものでもよい。「溶解」とは、例えば、小さい分子がポリマー中に溶解して均一相を形成する溶体を形成することを意味し、「分子レベルで分散」とは、例えば、電荷輸送分子がポリマー中に分散することを意味し、小さい分子がポリマー中に分子スケールで分散する。電荷輸送成分は、フィルム形成ポリマー状材料に添加されてもよい。なお、フィルム形成ポリマー状材料は、光発生した電荷発生材料からのホールの注入をサポートすることができず、かつこれらのホールの輸送ができないものである。この添加によって、電気的に不活性なポリマー状材料は、光発生した電荷発生層18からのホールの注入をサポートすることができ、かつ電荷輸送層上の表面電位を放電するために、電荷輸送層20を通じてこれらのホールの輸送を可能にする材料へと変化させる。移動度の高い電荷輸送成分は、小さい分子の有機化合物からなるものでもよく、これは共同して電荷輸送層の表面へと電荷を輸送する。例えば、電荷輸送成分は、これに限定されないが、N,N’−ジフェニル−N,N−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)、他のアリールアミン、例えば、トリフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TM−TPD)等である。
多くの電荷輸送化合物は、電荷輸送層中に含まれ、この層は、一般的に、約5μm〜約75μmの厚さ、より好ましくは約15μm〜約40μmの厚さを有する。
電荷輸送層用に選択される特定のアリールアミンの例には、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(アルキルフェニル)−1,1−ビフェニル−4,4’−ジアミン(ここでアルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル等からなる群から選択される);N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(ハロフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(ここでハロ置換基はクロロ置換基である);N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ジ−p−トリル−[p−ターフェニル]−4,4”−ジアミン、N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ジ−m−トリル−[p−ターフェニル]−4,4”−ジアミン、N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ジ−o−トリル−[p−ターフェニル]−4,4”−ジアミン、N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス−(4−イソプロピルフェニル)−[p−ターフェニル]−4,4”−ジアミン、N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス−(2−エチル−6−メチルフェニル)−[p−ターフェニル]−4,4”−ジアミン、N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス−(2,5−ジメチルフェニル)−[p−ターフェニル]−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−クロロフェニル)−[p−ターフェニル]−4,4”−ジアミン等がある。
ポリマーバインダ材料の例としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリレートポリマー、ビニルポリマー、セルロースポリマー、ポリエステル、ポリシロキサン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ(シクロオレフィン)、エポキシ、及びそれらのランダム又は交互コポリマーがある。電荷輸送層、例えば、ホール輸送層は、少なくとも約10μm〜約40μm以下の厚さであってもよい。
いずれの好適な公知技術を用いて、電荷輸送層混合物を形成し、その後支持基材層に塗布してもよい。電荷輸送層を単一のコーティング工程又は複数のコーティング工程で形成してもよい。ディップコーティング、リングコーティング、スプレイ、グラビア又はいずれの他のドラムコーティング法を用いてもよい。
成膜したコーティングの乾燥は、いずれの好適な公知技術、例えば、オーブン乾燥、赤外線乾燥、空気乾燥等によって行われてもよい。乾燥後の電荷輸送層の厚さは、最適な光電子的特性かつ機械的特性を得るために、約10μm〜約40μm、又は約12μm〜約36μmであることが好ましい。或いは、厚さを約14μm〜約36μmにすることもできる。
次に、粘着性界面層16について説明する。
任意の別個の粘着性界面層16は、特定構造、例えば、柔軟性のあるウェブ構造で提供されてもよい。図1に示される形態では、界面層16はホールブロッキング層14と電荷発生層18の間に配置される。界面層はコポリマー樹脂を含んでもよい。界面層用に使用することができる例示的なポリエステル樹脂としては、ポリアクリレートポリビニルブチラール、例えば、アルデル・ポリアクリレート (U−100;トヨタフツウ社から市販入手可能)、バイテルPE−100、バイテルPE−200、バイテルPE−200D、及びバイテルPE−222(全てボスティックから入手可能)、49,000ポリエステル(ローム・ハースから入手可能)、ポリビニルブチラールがある。粘着性の界面層は、ホールブロッキング層14に直接塗布されてもよい。したがって、粘着性の界面層は、実施形態では、下にあるホールブロッキング層14と上にある電荷発生層18の両方に直接接触し、両者の粘着的接着を促進して結合を提供する。また別の実施形態では、粘着性界面層を全体的に除いてもよい。
粘着性の界面層は、乾燥後、少なくとも約0.005μm〜約9μm以下の厚さを有してもよい。実施形態では、乾燥後の厚さは、約0.01μm〜約1μmである。
カール防止背面コーティング1は、基材2の背面である画像形成層の反対側に形成されてもよい。カール防止背面コーティング1は、フィルム形成樹脂バインダ及び粘着促進剤添加物を含んでいてもよい。樹脂バインダは、上記の電荷輸送層の樹脂バインダと同じ樹脂であってもよい。フィルム形成樹脂の例には、ポリアクリレート、ポリスチレン、ビスフェノールベースのポリカーボネート、ポリ(4,4’−イソプロピリデンジフェニルカーボネート)、4,4’−シクロヘキシリデンジフェニルポリカーボネート等がある。添加剤として使用される粘着促進剤の例には、49,000(デュポン)、バイテル(商標)PE−100、バイテルPE−200、バイテルPE−307(グッドイヤー)等がある。通常、約1〜約15重量%の粘着促進剤がフィルム形成樹脂に添加される。カール防止背面コーティングの厚さは、少なくとも約3μm〜約35μm以下、又は約14μmであり、これは感光体装置に要求される平坦性によって決定される。
ここで記載される各種例示的実施の形態は、画像形成部材上に静電潜像を発生させ、潜像を現像し、かつ現像された静電画像を好適な基材に転写することを包含する画像形成法を包含する。
上での記載は特定の実施の形態について言及しているが、その精神から逸脱することなく多くの変更を行ってもよいものと理解される。添付の請求の範囲は、ここでの実施の形態の真の範囲及び精神となるように、このような変更を網羅することを意図する。
ここで開示される実施の形態は、したがって、どの点からみても例示であって制限するものではないと考えられ、実施の形態の範囲は先の記載よりむしろ添付の請求の範囲によって規定される。請求の範囲と同等の意味及び範囲内にある全ての変化は、その中に包含されることを意図する。
以下に、ここでの実施例を記載するが、実施例は本実施の形態を実施する際に使用することができる、異なる組成及び条件の例示である。
マグネティックバーで攪拌中の99gの脱イオン水に対して、3−アミノプロピルトリメトキシシラン1.0g、陰イオン性界面活性剤のナトリウムドデシルベンゼンスルホネート0.01g、及び酢酸0.1gを添加した。18時間室温で攪拌した後、僅かに乳白状(白濁)の溶液を得た。コーティング溶液の安定性を試験するために、溶液を全く攪拌せずに1週間実験台に静置したが、沈殿物は見られなかった。
次に、コーティング及び乾燥工程を行った。コーティング溶液をチタン/ジルコニウム金属化ポリエステル基材上に、バードバー(容量0.5ミル又は長さ12.7mm(0.5インチ)の間隔を有する)を用いてコート(塗布)した。エアフローイングフード内において約22℃で乾燥した後、コートされた基材を120℃のオーブン中で、それぞれ1分間(サンプルID;#1)、3分間(サンプルID;#2)、及び5分間(サンプルID;#3)乾燥した。
次に、コートされた各サンプルを用いて感光体装置を作製した。上記のようにして準備された本発明の電荷ブロッキング層を備える基材上に、IFL層、電荷発生層、及び電荷輸送層を、それぞれの層形成に用いられる一般的な溶液を使用して、手作業でコーティングすることにより形成した。完成品の装置に、上記電荷ブロッキング層のコーティング処理に用いたサンプルIDを付けた。また、別の感光体装置を対照(サンプルID#4)として使用した。完成品装置の作製方法は、米国特許第7,344,809号公報に記載されている。
粘着性試験を作製した各感光体装置について行った。インストロンによる剥離試験を行い、電荷ブロッキング層と基材との粘着性を測定した。180度剥離力は、実施例1〜4のそれぞれから12.7mm(0.5インチ)×152.4mm(6インチ)の画像形成部材サンプル5枚を切り取る際の最小値によって決定される。各サンプルについて、感光体層をカミソリ刃で画像形成基材から一部剥離し、次いで、一方の端から約88.9mm(3.5インチ)を手で剥離して金属化基材の一部を露出させる。露出した基材の端部を、インストロン張力試験機の下挿入部に挿入する。一部剥離した感光体片のフリーな端部を、インストロン張力試験機の上挿入部に挿入する。次に、各挿入部を25.4mm(1インチ)/分のクロスヘッド速度、50.8mm(2インチ)のチャート速度、200gの荷重範囲で180度まで作動させ、サンプルを少なくとも50.8mm(2インチ)剥離する。チャートレコーダを用いてモニターした荷重を計算し、基材と感光体層の剥離に必要な平均荷重(g/0.5インチ)を、12.7mm/0.5インチで割って、10ミリメートル/センチメートルを掛けて、単位がg/cmの剥離力を得た。当該試験を各サンプルについて3回繰り返した。各サンプルの平均剥離力を表1に示す。
Figure 2010282194
表1の粘着性試験結果は、本発明のコーティング溶液を用いた感光体が、従来の感光体装置に比べて、優れた粘着性を示すことを表していた。サンプル#3は、僅かに低い粘着性を示したが、これは高温での長い乾燥時間に関係すると考えられる。120℃、5分間(サンプル#3)乾燥した後では、黄色味を帯びた電荷ブロッキング層が得られた。
完成品の感光体装置をゼロックス4000スキャナで試験した。10,000サイクル試験後の各サンプルの電気特性を表2に示す。その結果は、サンプルを手作業でコートしても、装置は非常に良好な電気特性を依然として有することを表していた。
Figure 2010282194
図2で使用した略語は、以下の通りである。
0;装置に印加した初期充電電圧
dd;露光前の損失電位
cyc-up;10,000サイクル試験後の消去電圧電位
1 カール防止背面コーティング、10 支持基材、12 導電性接地面層、14 電荷ブロッキング層(アンダーコート層)、16 界面層、18 電荷発生層、20 電荷輸送層、32 オーバーコート層。

Claims (4)

  1. 1以上の官能性有機シランと、
    界面活性剤と、
    任意の溶媒と、
    を含む電荷ブロッキング層を形成するためのコーティング溶液であって、
    コーティング溶液は、水系であることを特徴とする電荷ブロッキング層を形成するためのコーティング溶液。
  2. 請求項1に記載のコーティング溶液において、
    1以上の官能性有機シランは、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とするコーティング溶液。
  3. 請求項1に記載のコーティング溶液において、
    1以上の官能性有機シランが、コーティング溶液中に、コーティング溶液の全重量の約0.01重量%〜約30重量%の量で存在し、
    又は界面活性剤が、コーティング溶液中に、コーティング溶液の全重量の約0.0001重量%〜約10重量%の量で存在することを特徴とするコーティング溶液。
  4. 基材と、
    基材上に配置された電荷ブロッキング層と、
    電荷ブロッキング層上に配置された粘着性の界面層と、
    を備える画像形成部材であって、
    粘着性の界面層は、電荷ブロッキング層と電荷発生層との間に配置され、
    電荷ブロッキング層は、1以上の官能性有機シラン、界面活性剤、及び任意の溶媒を含む水系のコーティング溶液から形成されることを特徴とする画像形成部材。
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