JP2010280797A - 蛍光体分散ガラスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂バインダーを用いずに、ガラス粉末と蛍光体粉末を混合し焼結すると共に、LED発光素子からの光と蛍光体からの光を重ね合わせた混色光を一様な色調で発光可能とする蛍光体分散ガラスの製造方法を提供する。
【解決手段】所定の粒子径のガラス粉末と所定量の蛍光体粉末とを混合する混合工程S1と、当該混合物を加熱後、加圧して所定形状に成型する加熱加圧成型工程S2とを備えた蛍光体分散ガラスの製造方法とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、蛍光体分散ガラスの製造方法に関する。
従来、所定の色で発光するLED発光素子と、LED発光素子から発光される色を所望の色合いの光に変換する蛍光体を分散したガラスを備えた発光ダイオード光源が知られている。
例えば、青色で発光するLED発光素子と、この青色を黄色に変換する蛍光体を用いて、この青色と黄色を混色して白色の光で発光する発光ダイオード光源を作成することができる。
この際に、色調が一様な白色発光を得るためには、透明樹脂(ガラス)中に蛍光体を均一に分散した蛍光体分散ガラスを用いて、このガラス体中でLED発光素子から発光される青色と蛍光体が発する黄色とを均一に混色してガラス体の外に混色光である白色光を一様に放出することが肝要である。
また、所定の粒子径のガラス粉末と蛍光体粉末とを混合し焼結して、青色光源が発光する青色と蛍光体が変換する黄色とを合成して白色光を得ると共に、エネルギーが強い青色光に対して変色せず温度上昇も少ない安定したガラスを用いて信頼性を向上させるとした発光色変換部材が既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された発光色変換部材や従来の蛍光体分散ガラスは、例えば、図2に示す製造方法により製造されている。
先ず、混合工程にてガラス粉末1と蛍光体粉末2を混合し、これに樹脂バインダー3を添加して、ガラス粉末1と蛍光体粉末2とが一様に混合した混合材料10Aを生成する。次に、所定形状の型を利用して加圧成型して予備成形体15を生成する。それから、焼結工程にて所定温度で焼成して、均質な散乱体である蛍光体分散ガラス20を製造している。また、この焼結工程で、混合材料10Aを生成する際に添加した樹脂バインダー3を除去している。
特許第4158012号公報
上記した樹脂バインダーを用いた製造方法は、ガラス粉末と蛍光体粉末を均一に混合した状態を樹脂バインダーを用いて維持して所望の任意の形状に成型可能であるので、発光ダイオード光源に用いる蛍光体分散ガラスの製造方法として好ましい。しかし、この製造方法は、樹脂バインダーを添加して予備成形体を成型する工程と、樹脂バインダーを除去するまで焼成して焼結する工程を備えていて、作成工程が煩雑で手間が掛かる。
また、焼結工程で樹脂バインダーを除去するので、環境に与える悪影響が心配される場合には、除去した樹脂バインダーの後処理が必要となって、樹脂バインダーを使用せずに蛍光体分散ガラスを製造することが望まれる。
そこで本発明は、樹脂バインダーを用いずに、ガラス粉末と蛍光体粉末を混合し焼結すると共に、LED発光素子からの光と蛍光体からの光を重ね合わせた混色光で均一に発光可能とする蛍光体分散ガラスの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、所定の蛍光体を分散し、LED発光素子が発光する一次光を前記蛍光体が他色の二次光に変換し、前記一次光と前記二次光とを混色した第三光を生成する蛍光体分散ガラスの製造方法であって、最大粒子径が160μm以上、且つ、メジアン径d50が5μm以上の所定の粒子径のガラス粉末と所定量の蛍光体粉末とを混合する混合工程と、当該混合物を加熱後、加圧して所定形状に成型する加熱加圧成型工程とを備えたことを特徴としている。
上記の構成であれば、樹脂バインダーを用いずに、良好な散乱体を形成可能な程度に蛍光体を所定の密度で分散することができ、LED発光素子が発光する一次光を良好に散乱し、該一次光と蛍光体が発する二次光とを良好に混色して発光色調を一様とし、色ずれが生じず、所望の色合いの発光が可能となる蛍光体分散ガラスの製造方法を得ることができる。
また本発明は上記構成の蛍光体分散ガラスの製造方法において、前記蛍光体粉末の量が、体積比で、0.02〜12%であることを特徴としている。この構成によると、変換される二次光の量が低過ぎず、また、透光を阻害しない程度の量とすることで、所望の第三光で発光可能な蛍光体分散ガラスを製造することができる。
また本発明は上記構成の蛍光体分散ガラスの製造方法において、前記蛍光体粉末の量が、体積比で、0.05〜5%であることを特徴としている。この構成によると、さらに良好な第三光で発光可能な蛍光体分散ガラスを製造することができる。
また本発明は上記構成の蛍光体分散ガラスの製造方法において、前記蛍光体が、前記ガラスを加熱加圧成型する加熱温度で安定している酸化物蛍光体であることを特徴としている。この構成によると、加熱加圧成型してガラスを焼結しても、蛍光体が安定した状態を保つので、所定の蛍光機能を発揮して均一な二次光を発して一様な色調で発光可能な蛍光体分散ガラスを製造することができる。
また本発明は上記構成の蛍光体分散ガラスの製造方法において、前記LED発光素子が青色発光素子で、前記蛍光体が黄色蛍光体であって、前記第三光が白色であることを特徴としている。この構成によると、一様な色調の白色光で発光する蛍光体分散ガラスを製造することができる。
また本発明は上記構成の蛍光体分散ガラスの製造方法において、前記加熱加圧成型工程が、前記一次光を散乱する所定の大きさの気泡を所定の密度で含有させた状態に成型することを特徴としている。この構成によると、所定大きさと所定密度の気泡を残存させることで、光の透過を妨害するガラスの白乳化を抑制して、LED発光素子が発光する一次光と蛍光体が発する二次光を散乱させることができ、一様な色調の混色光を得ることが可能な蛍光体分散ガラスを製造することができる。
本発明によれば、所定の粒子径のガラス粉末と所定量の蛍光体粉末とを混合する混合工程と、当該混合物を加熱後、加圧して所定形状に成型する加熱加圧成型工程とを備えた蛍光体分散ガラスの製造方法としたので、樹脂バインダーを用いずに、良好な散乱体を形成可能な程度に蛍光体を所定の密度で分散することができ、LED発光素子が発光する一次光を良好に散乱し、該一次光と蛍光体が発する二次光とを良好に混色して発光色調を一様とし、色ずれが生じず、所望の色合いの発光が可能となる蛍光体分散ガラスを製造することができる。
本発明に係る蛍光体分散ガラスの製造方法の概略説明図である。 従来の蛍光体分散ガラスの製造方法の概略説明図である。 本発明に係る蛍光体分散ガラスの製造方法により得られる蛍光体分散ガラスの一例の概略説明図である。 蛍光体分散ガラスの形状例を示す断面図であり、(a)は板状の例、(b)は凸レンズ状の例、(c)は凸板状の例である。
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。また、同一構成部材については同一の符号を用い、詳細な説明は適宜省略する。
まず、本実施形態に係る蛍光体分散ガラスの製造方法について図1を用いて説明する。
本実施形態に係る蛍光体分散ガラスの製造方法は、所定の粒子径のガラス粉末1と所定量の蛍光体粉末2とを混合する混合工程S1と、該混合工程で作成した混合粉末10を加熱加圧成型して蛍光体分散ガラスを得る加熱加圧成型工程S2とを備えている。
混合工程S1は、従来用いている樹脂バインダーを用いずに、ただ所定の粒子径のガラス粉末1と所定量の蛍光体粉末2とを均一に混合するものである。このように、所定の粒子径のガラス粉末1に所定量の蛍光体粉末2を均一に混合することで、樹脂バインダーを用いずに、良好な散乱体を形成可能な程度に蛍光体粉末2を所定の密度で分散することができる。
蛍光体としては市中で入手できるものであれば使用できる。例えば、硫化物蛍光体、酸硫化物蛍光体、ハロゲン化物蛍光体、酸化物蛍光体、窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体、アルミン酸塩蛍光体、αサイアロン系蛍光体、βサイアロン系蛍光体などを用いることができる。ただ、加熱加圧成型工程において安定な蛍光体が好ましいので、ガラスを加熱加圧成型する加熱温度で安定している酸化物蛍光体を用いることが好適である。
例えば、Y、Gd、Ce、Sm、Al、La及びGaの原料として酸化物、又は高温で容易に酸化物になる化合物を使用し、それらを化学量論比で十分に混合して原料を得る。又は、Y、Gd、Ce、Smの希土類元素を化学量論比で酸に溶解した溶解液を蓚酸で共沈したものを焼成して得られる共沈酸化物と、酸化アルミニウム、酸化ガリウムとを混合して混合原料を得る。これにフラックスとしてフッ化アンモニウム等のフッ化物を適量混合して坩堝に詰め、空気中1350〜1450℃の温度範囲で2〜5時間焼成して焼成品を得る。次に、この焼成品を水中でボールミルして、洗浄、分離、乾燥して、最後に篩を通すことで所望の蛍光体を得ることができる。
さらに、青色の光に励起されて黄色の発光を示すセリウム添加YAG蛍光体を得る際には、原料として、Y23、Gd23、CeO2、Al23をそれぞれ適量用意して、これらを十分に混合した原料混合物をアルミ坩堝に充填し、これにフラックスとしてフッ化アンモニウム等のフッ化物を適量混合して、水素含有窒素ガスを通気しながら還元雰囲気中において、1350〜1450℃の温度範囲で2〜5時間焼成して焼成品を得る。得られた焼成品を粉砕、洗浄、分離、乾燥することで所望の蛍光体を得る。また、得られた蛍光体の組成を調べ、所望の蛍光体であることを確認し、465nmの励起光における発光波長を調べたところ、おおよそ570nmにピーク波長を有していることを確認した。つまり、青色の光を照射すると黄色の発光を示す蛍光体を得ることができた。
また、この蛍光体の含有量は体積比で、0.02〜12%程度が好ましく、0.05〜5%程度がさらに好ましい。蛍光体の含有量が0.02%未満では、蛍光される光が少なくなりすぎ、12%を超えると蛍光体自身が光を遮蔽してしまう。このように、蛍光体の含有量が、0.02〜12%程度であれば、変換される光の量が低過ぎず、また、透光を阻害しない程度の量とすることができ、所望の混色光を発光可能な蛍光体分散ガラスを製造することができる。
また、さらに好ましい0.05〜5%程度の含有量であれば、変換される光の量をさらに良好な量とし、さらに透光を良好にするので、さらに良好な混色光を発光可能な蛍光体分散ガラスを製造することができる。
ガラス粉末1の大きさは、最大粒子径が160μm以上、且つ、メジアン径d50が5μm以上であることが好ましい。このメジアン径d50とは、粒子体の一つの集団の全体積を100%として累積曲線を求めた時、累積曲線が50%となる点の粒子径(累積平均径)であり、最大粒子径は累積曲線が100%となる点の粒子径である。これらのパラメータは、粒度分布を評価するパラメータの一つとして、一般的に利用されている。なお、メジアン径d50、最大粒子径は、一般的なレーザー回折・散乱式粒径測定装置を用いて測定可能であり、具体的には、HELOS(JEOL社製)、Microtrac HRA(日機装社製)、SALDシリーズ(島津製作所社製)などが挙げられる。特に好ましくは、SALDシリーズ(島津製作所社製)である。
上記のように、メジアン径d50とは、紛体をある粒子径から2つに分けたとき、大きい側と小さい側が等量となる径を意味する。加熱加圧成型時に、最大粒子径が160μm以上であるほうが気泡が抜けやすい。最大粒子径が160μm未満では気泡が抜けにくくなる。また、メジアン径d50(平均粒子径)が5μm未満であると、型に紛体を投入する際、粉塵の舞い上がりが多くなり、取り扱いが困難となる。さらに、作業環境を害する恐れも生じる。また、最大粒子径の上限は、良好な散乱光が得られる範囲であればよく、LED発光素子や蛍光体の組み合わせに応じて適宜決めることができる。
上記したように、ガラス粉末1の粒子径を所定大きさとすることで、良好な散乱体を形成可能な程度に蛍光体を所定の密度で分散することが可能とる。そのために、LED発光素子が発光する一次光を良好に散乱し、ガラスを白乳化させる気泡の発生を抑制することができ、この一次光と蛍光体が発する二次光とを良好に混色して一様な混色光(第三光)で発光可能な蛍光体分散ガラスを製造することができる。
また、ガラス粉末1は、加熱加圧成型工程S2の加熱時において結晶の析出がないか、もしくは、わずかに析出しても大量に析出しないものが好ましい。そのために、結晶析出温度が加熱温度よりも高いガラスが好ましく、加熱温度をガラス屈伏点より150℃〜200℃高い温度としたときに、結晶の析出温度がガラス屈伏点よりも200℃以上のものが好ましい。例えば、P2O5−BaO系ガラス、P2O5−ZnO系ガラス、P2O5−Nb2O5系、P2O5−B2O3系ガラス、SiO2−系ガラス、B2O3−ZnO−La2O3系ガラス、SiO2−B2O3−ZnO系ガラスなどを用いることができる。
次に、図3を用いて本実施形態に係る蛍光体分散ガラスの製造方法により製造される蛍光体分散ガラスの一例について説明する。蛍光体分散ガラス20は、透明なガラス体1Aに所定の蛍光体2Aを添加して成型した板状のガラスである。
また、後述するように、本実施形態の加熱加圧成型工程において、ガラスの内部に気泡4が少量であれば残存していてもよい。
蛍光体分散ガラス20は、LED発光素子5が発光する一次光R1を、その内部に添加した蛍光体2Aが二次光R2に変換し、この一次光R1と二次光R2とが混色した第三光R3で発光する機能を有する。
また、内部に残存している気泡4は、適度な大きさで適度な密度であれば、光の散乱を促進する機能を発揮するので、製品によっては全て消滅させる必要はなく、適度に残存させてもよい。例えば、前記一次光R1および前記二次光R2を散乱させる機能を発揮する程度の気泡4を残存させて、一次光R1と二次光R2を一様に混色して広範囲に一様な色調の混色光を発することが可能となる。
しかし、気泡4が多すぎると、透過する光が減少してガラスが白乳化してしまう虞が生じるので、気泡4の大きさとその密度を所定の望ましい範囲に制限することが肝要である。また、気泡の直径と面密度を掛け合わせた数字は所定の範囲であることが好ましい。気泡の大きさと密度は、例えば、電界放出形走査電子顕微鏡(SU8000:日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて計測することができる。
次に、実際に蛍光体分散ガラス20を製造した実施例について説明する。ここで採用した蛍光体分散ガラスの製造方法は、前述した通り、所定の粒子径のガラス粉末1と所定量の蛍光体粉末2とを混合する混合工程S1と、該混合工程で作成した混合材料10を加熱加圧成型して蛍光体分散ガラスを得る加熱加圧成型工程S2とを備える。
先ず、燐酸塩原料、酸化物原料、炭酸塩、硝酸塩などの一般的なガラス原料を粉末で十分混合して調合し、表1に示すガラス組成の調合原料を準備し、本実施で使用するガラス試料A、B、Cとした。
(表1)
Figure 2010280797
表1に示す組成の調合原料を1100〜1300℃に加熱された溶融炉で溶融しガラス化した後、水中に投入し、ザラメ雪状のカレットを得た。このカレットを標準ふるい1680μmを通過させ分級して、最大粒子径600μm、メジアン径460μmのガラス粉末試料を用意した。また、これを粉体Iとした。
さらに、試料Aについては最大粒子径350μm、メジアン径240μmのガラス粉末試料を用意し、これを紛体IIとし、さらに最大粒子径250μm、メジアン径150μm
のガラス粉末試料を用意し、これを紛体IIIとした。さらに、試料A、Bについては最大粒子径170μm、メジアン径30μmのガラス粉末試料を用意し、これを紛体IVとした。
次に、これらの紛体I〜IVに、所定割合(0.8%〜3.2%)で蛍光体粉末(セリウ
ム添加YAG蛍光体を用いた)を添加し混合して混合粉末とした。
この混合粉末を所定形状の金型に入れ、各ガラスの屈伏点+100℃〜200℃の範囲内の温度で加熱後、加圧して23mm角、厚さ1.0〜2.0mmの均質な散乱体(蛍光体分散ガラス)を製造した。
上記の実施例で得た蛍光体分散ガラスの散乱特性を評価したテスト結果を表2、表3に示す。この評価テストは、得られた蛍光体分散ガラスの背後からLED発光素子の青色光を照射して透過光の色調を目視にて評価したものである。
(表2)
Figure 2010280797
(表3)
Figure 2010280797
表2、表3に示すように、最大粒子径600μmでメジアン径460μmのガラス粉末(ガラス紛体I)、および、最大粒子径350μmでメジアン径240μmのガラス粉末
(ガラス紛体II)、および、最大粒子径250μmでメジアン径150μmのガラス粉末
(ガラス紛体III)、および、最大粒子径170μmでメジアン径30μmのガラス粉末(ガラス紛体IV)に、それぞれ体積%0.8〜3.2%の蛍光体(セリウム添加YAG蛍光体)を添加した混合粉末を、それぞれ型に入れ、各ガラスの屈伏点+100℃〜200℃の範囲内の温度で加熱し加圧成型した。本実施例では、混合粉末を入れた型を、目標とする加熱温度を環境温度とする高温の空間に入れ、加圧を行った。型に入れられた混合粉末は常温から加熱してもよく、また、予め加熱されている型に混合粉末を投入してもよい。混合粉末の加圧は、混合粉末に付着している微量の水分が蒸発し、約150℃を超えた時点から可能である。本実施例では、一回の加圧により蛍光体分散ガラスを作製したが、複数回に分けて加圧してもよく、あるいは、徐々に加圧してもよい。得られた蛍光体分散ガラスに背後からLED発光素子の青色光を照射し透過光を観察したところ、共に一様な白の色調が得られた。
また、ガラスAはガラスの屈伏点が497℃で加熱温度が650℃であるので、加熱温度はガラスの屈伏点より153℃高い温度となる。そのために、ガラス結晶の析出温度がガラス屈伏点よりも200℃以上のガラスを用いることで加熱時に結晶の析出が生じず、光の透過率は低下しない。
また、ガラスBはガラスの屈伏点が556℃で加熱温度が700℃であるので、加熱温度はガラスの屈伏点より144℃高い温度となる。そのために、ガラス結晶の析出温度がガラス屈伏点よりも200℃以上のガラスを用いることで加熱時に結晶の析出が生じず、光の透過率は低下しない。
また、ガラスCはガラスの屈伏点が613℃で加熱温度が800℃であるので、加熱温度はガラスの屈伏点より187℃高い温度となる。そのために、ガラス結晶の析出温度がガラス屈伏点よりも200℃以上のガラスを用いることで加熱時に結晶の析出が生じず、光の透過率は低下しない。
屈伏点は、熱機械的分析装置(TMA/SS6000:セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、毎分10℃の昇温条件で測定した。
加熱加圧成型工程時に気泡が残存する場合がある。一般に、この加熱加圧成型は気泡が消滅するまで行うことが好ましい。しかし、特に、粒子径の小さなガラス粒子を用いると、発生する気泡が増加し、一部の気泡が残存する場合が生じる。しかし、残存した気泡が少量であれば、LED発光素子が発光する一次光を散乱させる機能と蛍光体が発する二次光を散乱させる機能を有して、これらの一次光と二次光が重なり合った混色光を良好に発することが判った。
また、残存させる気泡の大きさと個数を所定の径で所定範囲の密度に制限することで、光の透過を妨害するガラスの白乳化を抑制可能であることが判った。
このように、加熱加圧成型工程時に気泡が残存していても、この気泡が所定の大きさと密度であれば、ガラス内部で、LED発光素子が発光する一次光と蛍光体が発する二次光を散乱して、良好に混色することができる。そのために、気泡が適度に残存している場合は、混色光の発光色調が一様となって、色ずれが生じず、所望の色合いの発光が可能となる発光ダイオード光源を得ることができる。
また、加熱加圧成型工程において使用する型は、従来から使用される通常の金型や、セラミックやその他の耐火物からなる型を用いることができる。このように所定形状の型を用いて所望される形状の蛍光体分散ガラス20を製造することができる。例えば、所定形状の金型を用いて、図4(a)に示す平板状あるいは円板状の蛍光体分散ガラス20Aや、図4(b)に示す凸レンズ状の蛍光体分散ガラス20Bや、図4(c)に示す板状のものを凸状にした凸板状の蛍光体分散ガラス20Cなどを製造することができる。
このようにして製造された蛍光体分散ガラス20(20A〜20C)は、LED発光素子が発光する一次光を二次光に変換して、この一次光と二次光が混色された一様な色調の第三光を放出する。例えば、LED発光素子を青色発光素子とし、蛍光体を黄色蛍光体とすることで、色ずれが生じず一様な色調の白色光を発光する蛍光体分散ガラスを得ることができる。
上記したように、本発明に係る蛍光体分散ガラスの製造方法によれば、所定の粒子径のガラス粉末と所定量の蛍光体粉末とを混合する混合工程と、当該混合物を加熱後、加圧して所定形状に成型する加熱加圧成型工程とを備えた蛍光体分散ガラスの製造方法としたので、樹脂バインダーを用いずに、良好な散乱体を形成可能な程度に蛍光体粉末を所定の密度で分散することができ、LED発光素子が発光する一次光を良好に散乱し、該一次光と蛍光体が発する二次光とを良好に混色して発光色調を一様とし、色ずれが生じず、所望の色合いの発光が可能となる蛍光体分散ガラスを製造することができる。
また、加熱加圧成型工程で、所定大きさと所定密度の気泡を残存させることで、光の透過を妨害するガラスの白乳化を抑制して、LED発光素子が発光する一次光と蛍光体が発する二次光を散乱させることができ、さらに一様な色調の混色光を得ることができる蛍光体分散ガラスを製造可能となる。
本発明に係る蛍光体分散ガラスの製造方法は、LED発光素子が発光する一次光と蛍光体が発する二次光を混色して所望の色合いの第三光で発光する発光ダイオード光源に好適に適用可能な蛍光体分散ガラスの製造方法となる。
1 ガラス粉末
2 蛍光体粉末
4 気泡
5 LED発光素子
10 混合粉末
15 予備成形体
20 蛍光体分散ガラス
S1 混合工程
S2 加熱加圧成型工程

Claims (6)

  1. 所定の蛍光体を分散し、LED発光素子が発光する一次光を前記蛍光体が他色の二次光に変換し、前記一次光と前記二次光とを混色した第三光を生成する蛍光体分散ガラスの製造方法であって、
    最大粒子径が160μm以上、且つ、メジアン径d50が5μm以上の所定の粒子径のガラス粉末と所定量の蛍光体粉末とを混合する混合工程と、当該混合物を加熱後、加圧して所定形状に成型する加熱加圧成型工程とを備えたことを特徴とする蛍光体分散ガラスの製造方法。
  2. 前記蛍光体粉末の量が、体積比で、0.02〜12%であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体分散ガラスの製造方法。
  3. 前記蛍光体粉末の量が、体積比で、0.05〜5%であることを特徴とする請求項2に記載の蛍光体分散ガラスの製造方法。
  4. 前記蛍光体が、前記ガラスを加熱加圧成型する加熱温度で安定している酸化物蛍光体であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の蛍光体分散ガラスの製造方法。
  5. 前記LED発光素子が青色発光素子で、前記蛍光体が黄色蛍光体であって、前記第三光が白色であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の蛍光体分散ガラスの製造方法。
  6. 前記加熱加圧成型工程が、前記一次光を散乱する所定の大きさの気泡を所定の密度で含有させた状態に成型することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の蛍光体分散ガラスの製造方法。
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