JP2009096653A - 色変換部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蛍光体粒子の発光効率の低下が少なく且つ気泡の残留や着色のない色変換部材を製造することができる色変換部材の製造方法を提供する。
【解決手段】ガラスの基礎となるガラス粉末51と蛍光体粒子の基礎となる蛍光体粉末52とを混合した混合粉末53を所望形状の成形体54に成形する成形工程S3と、成形工程S3にて成形した成形体54を焼成して焼結体55を形成する焼成工程S4と、焼成工程S4にて形成された焼結体55を熱間等方圧プレス処理するHIP工程S5と、HIP工程S5の後で焼結体55を加工して色変換部材50を得る加工工程S6とを備える。焼成工程S4における焼成温度は、蛍光体粒子の発光効率の低下、蛍光体粒子とガラス粒子との反応、ガラスの着色などが起こらない温度に設定する。HIP工程S5では、ガラスのガラス転移温度以上且つ上記焼成温度以下の温度で熱間等方圧プレス処理を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、LEDチップ(発光ダイオードチップ)から放射される光によって励起されてLEDチップよりも長波長の可視光を放射する蛍光体粒子の基礎となる蛍光体粉末とガラス粉末との混合粉末を用いて形成する色変換部材の製造方法に関するものである。
従来から、LEDチップを用いたLEDランプは、信号灯、携帯電話機、各種電飾、車載用表示器、各種の表示装置など、多くの分野に利用されている。また、LEDチップとLEDチップから放射された光によって励起されてLEDチップとは異なる発光色の光を放射する蛍光体とを組み合わせてLEDチップの発光色とは異なる色合いの光を出す発光装置の研究開発が各所で行われている。この種の発光装置としては、例えば、LEDチップと蛍光体とを組み合わせて白色の光(白色光の発光スペクトル)を得る白色発光装置(一般的に白色LEDと呼ばれている)の商品化がなされており、液晶表示器のバックライト、小型ストロボなどへの応用が盛んになってきている。
また、最近の白色LEDの高出力化に伴い、白色LEDを照明用途に展開する研究開発が盛んになってきており、長寿命・水銀フリーといった長所を活かすことにより、環境負荷の小さい蛍光灯代替光源として期待されている。
上述の白色LEDとしては、例えば、青色LEDチップと、黄色蛍光体を透光性樹脂に分散させた色変換部とを組み合わせた発光装置がある(例えば、特許文献1参照)。ここにおいて、上記特許文献1に開示された発光装置では、青色LEDチップから放射された青色光と黄色蛍光体から放射された黄色光とが混色され白色光が得られるが、高い演色性が要求される照明用途に用いる場合には、黄色蛍光体を透光性樹脂に分散させた色変換部の代わりに、緑色蛍光体と赤色蛍光体とを透光性樹脂に分散させた色変換部を用いることもある。
ところで、発光装置を例えば照明用途に用いる場合(例えば、照明器具の光源として用いる場合)、高い輝度を得るために発光装置に流す電流を大きくすると、色変換部の透光性樹脂がLEDチップおよび蛍光体それぞれからの光や熱によって経時的に劣化して透過率が低下するので、発光装置から出力される光量が低下するという問題や、LEDチップから放射される光と蛍光体から放射される光とのバランスが崩れ、色度がずれてしまうという問題や、色変換部の熱劣化に起因して寿命が短くなってしまうという問題などがあった。
これらの問題を解決する目的で、発光装置に用いる色変換部材として、透光性無機材料であるガラス中に蛍光体粒子を分散させてなる色変換部材が提案されている(例えば、特許文献2参照)。ここにおいて、ガラスは上述の透光性樹脂に比べて、耐熱性、耐光性、および耐湿性に優れているので、ガラス中に蛍光体粒子を分散させてなる色変換部材を用いた発光装置は、耐久性、信頼性などの品質に優れると期待される。
ところで、上記特許文献2は、上述の色変換部材の製造方法として、ガラスの基礎となるガラス粉末と蛍光体粒子の基礎となる蛍光体粉末との混合粉末を所望形状の成形体に成形し、その後、成形体を焼成する方法が記載されている。
特開2003−321675号公報 特開2003−258308号公報
上記特許文献2に開示された色変換部材の製造方法では、成形体を焼成する焼成温度が高いと気泡の少ない緻密な色変換部材(蛍光体分散ガラス)が得られるが、蛍光体粒子のの酸化やガラスとの反応などによって蛍光体粒子の発光効率の低下やガラスの着色が起こりやすくなる。また、焼成温度が低いと、蛍光体粒子の発光効率の低下は抑制されるものの、色変換部材中に気泡が残留しやすくなってガラスの透過率が低下しやすくなる。
ここにおいて、上述のような蛍光体粒子の発光効率の低下や、気泡の残留や着色によるガラスの透過率低下は、発光装置の光取り出し効率を低下させる要因になるので、蛍光体粒子の発光効率の低下が少なく且つ気泡の残留や着色のない色変換部材の開発が望まれている。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、蛍光体粒子の発光効率の低下が少なく且つ気泡の残留や着色のない色変換部材を製造することができる色変換部材の製造方法を提供することにある。
請求項1の発明は、LEDチップから放射される光によって励起されてLEDチップよりも長波長の可視光を放射する蛍光体粒子がガラス中に分散されてなる色変換部材の製造方法であって、ガラスの基礎となるガラス粉末と蛍光体粒子の基礎となる蛍光体粉末とを混合した混合粉末を所望形状の成形体に成形する成形工程と、成形工程にて成形した成形体を焼成して焼結体を形成する焼成工程と、焼成工程にて形成された焼結体を熱間等方圧プレス処理するHIP工程とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、焼成工程にて形成された焼結体を熱間等方圧プレス処理するHIP工程を備えていることにより、焼成工程にて形成された焼結体中に残留している気泡をHIP工程の熱間等方圧プレス処理により除去できるので、焼成工程の後にHIP工程を行わない場合に比べて、焼成工程において成形体を焼成する焼成温度を低くしながらも、色変換部材のガラス中に気泡が残留するのを防止でき、結果的に、蛍光体粒子の発光効率の低下が少なく且つ気泡の残留や着色のない色変換部材を製造することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記HIP工程では、前記熱間等方圧プレス処理を、前記ガラスのガラス転移温度以上且つ前記焼成工程における焼成温度以下の温度で行うことを特徴とする。
この発明によれば、前記HIP工程において、前記蛍光体粒子の発光効率の低下を招くことなく前記焼結体中の気泡を除去することができ、前記ガラスの透過率を高めることができる。
請求項1の発明では、蛍光体粒子の発光効率の低下が少なく且つ気泡の残留や着色のない色変換部材を製造することができるという効果がある。
本実施形態では、LEDチップと色変換部材とを備えた発光装置について図2に基づいて説明した後で、色変換部材の製造方法について図1に基づいて説明する。
図2に示した発光装置1は、LEDチップ10と、LEDチップ10が実装された実装基板20と、LEDチップ10に重ねて配置された凸レンズ状の光学部材30と、LEDチップ10から放射される光によって励起されてLEDチップ10よりも長波長の可視光を放射する蛍光体粒子がガラス中に分散されてなる色変換部材50とを備えている。ここにおいて、色変換部材50は、光学部材30の光出射面30bとの間に空気層40が介在する形で光学部材30を覆うように実装基板20に気密的に封着されており、実装基板20と色変換部材50とでパッケージを構成している。
LEDチップ10は、青色光を放射する青色LEDチップであり、サファイア基板からなる結晶成長用基板の一表面側にGaN系化合物半導体材料により形成されて例えばダブルへテロ構造を有する積層構造部からなる発光部がエピタキシャル成長法(例えば、MOVPE法など)により成長されている。要するに、LEDチップ10は、発光部が当該発光部にて発光する光に対して透明な結晶成長用基板の一表面側に形成されている。
実装基板20は、LEDチップ10を収納する収納凹所21が一表面に設けられ且つLEDチップ10のアノード側およびカソード側それぞれのパッド(図示せず)がバンプ16,16を介して電気的に接続される配線(図示せず)が収納凹所21の内底面に設けられたセラミック基板により構成してある。要するに、LEDチップ10は、上記発光部を収納凹所21の内底面に対向させた形でフリップチップ実装されており、上記発光部にて発光した光が結晶成長用基板を通して図2の上面側へ取り出される。なお、実装基板20における収納凹所21は、円形状に開口され且つ内底面から離れるにつれて開口面積が徐々に大きくなっている。
各バンプ16,16は、金などの金属材料により形成されている。また、上記各配線はそれぞれ、実装基板20における収納凹所21の内底面と実装基板20の他表面(図2における下面)との間の部分に貫設された貫通配線(図示せず)を介して、実装基板20の上記他表面に設けられた外部接続電極(図示せず)と電気的に接続されている。
上述の光学部材30は、LEDチップ10側の光入射面30aが平面状に形成されるとともにLEDチップ10とは反対側の光出射面30bが凸曲面状に形成されている。ここにおいて、光学部材30は、屈折率が1.8のガラスにより形成されているが、光学部材30は、ガラスに限らず、例えば、シリコーン樹脂などにより形成してもよい。
ところで、光学部材30は、光出射面30bが、光入射面30aから入射した光を光出射面30bと上述の空気層40との境界で全反射させない凸曲面状に形成されている。ここで、光学部材30とLEDチップ10とが互いの光軸が一致するように配置されている。また、実装基板20の収納凹所21内には、LEDチップ10を封止した封止材料(例えば、シリコーン樹脂など)からなる封止部25が設けられており、光学部材30は、上記封止材料により実装基板20に接着されている。
色変換部材50は、LEDチップ10から放射された光の吸収によって励起されてLEDチップ10の発光ピーク波長とは異なる発光ピーク波長の光を放射する蛍光体粒子が、ガラスからなる母体中に分散されており、シート状に形成されている。
一方、実装基板20は、収納凹所21の開口面付近に段部23が形成されており、色変換部材50の周部を段部23に対して接着剤を用いて封着することによって、実装基板20の収納凹所21がシート状の色変換部材50により閉塞されている。実装基板20は、平面視における外周形状が矩形状であり、色変換部材50の平面視における外周形状も矩形状に形成されている。また、上述の発光装置1では、色変換部材50の光取り出し面と実装基板20の上記一表面とが略面一となるように色変換部材50の厚み寸法を設定してある。なお、本実施形態では、色変換部材50の厚み寸法を1mmに設定してるが、この値は一例であって、特に限定するものではない。
上述の発光装置1では、LEDチップ10として青色光を放射する青色LEDチップを用いており、色変換部材50における蛍光体粒子として、1種類の黄色蛍光体を採用することで、混色光として白色光を得るようにしているが、蛍光体粒子の発光色は所望の混色光に応じて適宜選択すればよく、1種類の黄色蛍光体に限らず、例えば、発光ピーク波長の異なる2種類の黄色蛍光体を採用してもよいし、赤色蛍光体と緑色蛍光体とを採用してもよい。また、LEDチップ10の発光色も青色光に限定するものではない。
ところで、色変換部材50は、後述の製造方法で説明するように、ガラスの基礎となるガラス粉末51(図1参照)と蛍光体粒子の基礎となる蛍光体粉末52(図1参照)とを混合した混合粉末53(図1参照)を用いて形成されている。
ここで、色変換部材50におけるガラスの基礎となるガラス粉末51のガラス粒子としては、可視光域での内部透過率が高いこと、焼成時にガラスの着色や発泡が生じないこと、焼成時に蛍光体粒子と反応しないこと、化学的に安定であること、などが望まれ、更に、発光装置1の光取り出し効率を向上させるために屈折率が高い方が好ましい。また、ガラス転移温度(ガラス転移点)は、蛍光体粒子との反応性や製造コストの点から低い方が好ましい。これらの観点から、ガラス粒子の組成としては、例えば、SiO−B−Al系、SiO−B−ZnO系、SiO−RO−Al(Rはアルカリ土類金属)系などが挙げられるが、これらに限定するものではない。なお、ガラス粒子としては、平均粒径d50が0.2μm〜10μm程度のものを用いるが、これらの数値は特に限定するものではない。
また、色変換部材50における蛍光体粒子に関し、黄色蛍光体粒子の組成としては、例えば、YAl12:Ce3+、(Ca、Sr、Ba、Zn)SiO:Eu2+などが挙げられ、緑色蛍光体粒子の組成としては、例えば、CaSc:Ce3+、CaScSi12:Ce3+、(Ca、Sr、Ba)Al:Eu2+、SrGa:Eu2+などが挙げられ、赤色蛍光体粒子の組成としては、例えば、(Ca、Sr)AlSiN:Eu2+、CaS:Eu2+、(Ca、Sr)Si:Eu2+などが挙げられるが、この限りではない。なお、蛍光体粒子は、平均粒径d50が大きい方が欠陥密度が小さくエネルギ損失が少なくて発光効率が高くなるので、発光効率の観点から平均粒径d50が5μm以上のものを採用することが好ましい。
以下、色変換部材50の製造方法について図1に基づいて説明する。
まず、第1の所定量のガラス粉末51を秤量して準備するガラス粉末準備工程S1a、第2の所定量の蛍光体粉末52を秤量して準備する蛍光体粉末準備工程S1b、それぞれを行う。ここにおいて、第1の所定量および第2の所定量は、後述の混合工程S2においてガラス粉末51と蛍光体粉末52とを混合したときに混合粉末53における蛍光体粒子の濃度が所望の濃度になり、規定個数(1個あるいは複数個)の色変換部材50が得られるように設定すればよい。なお、ガラス粉末準備工S1aと蛍光体粉末準備工程S1bとは並列的に行ってもよいし、順次行ってもよい。
ガラス粉末準備工程S1aおよび蛍光体粉末準備工程S1bを行った後、ガラス粉末51と蛍光体粉末52とを混合した混合粉末53を形成する混合工程S2を行う。混合工程S2では、例えば、ガラス粉末51と蛍光体粉末52とを、乳鉢(および乳棒)やボールミルなどを用いて混合する。なお、混合工程S2では、後の成形工程S3での成形性を向上させるために必要に応じてバインダなどを添加してもよい。
混合工程S2の後、混合工程S2にて混合した混合粉末53を所望形状の成形体54に成形する成形工程S3を行う。ここにおいて、成形工程S3では、例えば、一軸プレス成形技術やテープ成形技術などを利用して混合粉末53を所望形状の成形体54に成形する。所望形状の成形体54は、1個の色変換部材50に対応した形状でもよいし、複数個の色変換部材50を切り出し可能なブロックに対応した形状でもよく、後者の場合には、例えば、円板状や矩形板状に形成すればよい。なお、成形工程S3では、成形後に、必要に応じて冷間等方圧プレス(CIP:Cold Isostatic Pressing)処理(冷間静水圧プレス処理)を施してもよい。
成形工程S3の後、成形体54を焼成して焼結体(以下、1次焼結体という)55を形成する焼成工程S4を行う。焼成工程S4では、第1のチャンバ(加熱炉)CH1内で、成形体54を大気中、真空中、あるいは不活性ガス(例えば、窒素ガス)雰囲気中においてヒータ61により規定の焼成温度に加熱して焼成する。この焼成工程S4では、1次焼結体55の相対密度が90%以上、好ましくは95%以上となるような条件で焼成を行うことが重要であり、相対密度が90%未満であると、1次焼結体55に開気孔が存在し、後述の熱間等方圧プレス(HIP:Hot Isostatic Pressing)処理(熱間静水圧プレス処理)時に1次焼結体55に圧力が効率良くかからないため好ましくない。ただし、上述の規定の焼成温度は、ガラス粒子のガラス転移温度(ガラス転移点)以上の温度において、蛍光体粒子の劣化による発光効率の低下、蛍光体粒子とガラス粒子との反応、ガラスの着色などが起こらない温度に設定する。
焼成工程S4の後、1次焼結体55を熱間等方圧プレス処理するHIP工程S5を行うことにより、気泡を除去する。ここにおいて、熱間等方圧プレス処理では、第2のチャンバ(高圧容器)CH2内で、1次焼結体55を、不活性ガス(例えば、アルゴンガス、窒素ガスなど)を圧力媒体としてヒータ62により規定の加熱温度(処理温度)に加熱することで、圧力と温度との相乗効果を利用した加圧加熱により気泡を除去する。ここで、上述の規定の加熱温度は、ガラスのガラス転移温度以上且つ焼成工程S4における焼成温度以下の温度に設定することが好ましく、ガラス転移温度よりも低い温度に設定した場合には、ガラスの物質移動が起こりにくくなり、気泡を十分に除去できない。また、上述の規定の加熱温度を上記焼成温度よりも高く設定した場合には、蛍光体粒子の発光効率の低下やガラスの着色による透過率の低下を招くので好ましくない。また、第2のチャンバCH2内の圧力は、上述の規定の加熱温度において、50MPa〜200MPaになるように設定する。なお、圧力が50MPaより低いと気泡を完全に除去することができない。また、圧力の上限は200MPaで十分であり、これより高くしても気泡除去の効果は同じである。
その後、1次焼結体55に上述の熱間等方圧プレス処理を行うことにより形成された焼結体(以下、2次焼結体という)を所望の色変換部材50の形状に加工する加工工程S6を行う。ここにおいて、加工工程S6では、切断加工、研磨加工、プレス加工などを適宜行えばよい。なお、上述の規定個数が1個の場合には、加工工程は必ずしも必要ではなく、2次焼結体をそのまま色変換部材50として用いてもよい。
以上説明した本実施形態の色変換部材50の製造方法によれば、焼成工程S4にて形成された焼結体55を熱間等方圧プレス処理するHIP工程S5を備えていることにより、焼成工程S4にて形成された焼結体55中に残留している気泡をHIP工程S5の熱間等方圧プレス処理により除去できるので、焼成工程S4の後にHIP工程S5を行わない場合に比べて、焼成工程S4において成形体54を焼成する焼成温度を低くしながらも、色変換部材50のガラス中に気泡が残留するのを防止でき、結果的に、蛍光体粒子の発光効率の低下が少なく且つ気泡の残留や着色のない色変換部材50を製造することができる。
また、HIP工程S5では、熱間等方圧プレス処理を、ガラスのガラス転移温度以上且つ焼成工程S4における焼成温度以下の温度で行うようにしているので、HIP工程S5において、蛍光体粒子の発光効率の低下を招くことなく焼結体55中の気泡を除去することができ、ガラスの透過率を高めることができる。
ここで、一実施例として、組成がSiO−B−ZnOのガラス粒子からなるガラス粉末51と組成がYAl12:Ce3+の蛍光体粒子(YAG蛍光体粒子)からなる蛍光体粉末52とを混合粉末53中の蛍光体粒子の濃度が3vol%となるように秤量した後、混合して混合粉末53を形成し、混合粉末53を一軸プレス成形技術により円板状の成形体54に成形して150MPaでCIP処理を行い、その後、成形体54を大気中において700℃の焼成温度で焼成することにより相対密度が95%の焼結体55を形成し、続いて、アルゴンガス雰囲気中において加熱温度:650℃、圧力:196MPaの条件で熱間等方圧プレス処理(HIP処理)を行い、その後、シート状に加工した色変換部材50を製造し、図2の構成の発光装置1に適用して全光束を積分球により測定した結果を下記表1に示す。ここで、表1には、焼成温度が実施例と同じ700℃でHIP処理を行っていない比較例1、焼成温度が実施例よりも高い750℃でHIP処理を行っていない比較例2それぞれを図2の構成の発光装置1に適用して同様の評価を行った結果も併せて示してある。
Figure 2009096653
表1から分かるように、実施例の色変換部材50を適用した発光装置1では、比較例1,2の色変換部材を適用したものに比べて、全光束が高くなっている。
また、ガラス粉末51のみを用いて実施例1と同様の条件で製造した参考例1、ガラス粉末51のみを用いて比較例1と同様の条件で製造した参考例2、ガラス粉末51のみを用いて比較例2と同様の条件で製造した参考例3、それぞれについて、波長が460nmの光の透過率を評価した結果を下記表2に示す。なお、参考例1〜3の厚さ寸法は1mmとしてある。
Figure 2009096653
表2から分かるように、参考例1では参考例2,3に比べて透過率が高くなっている。なお、参考例1は透明で気泡が残留していなかったが、参考例2は気泡が残留しており、参考例3は黒っぽく着色されていた。
ところで、色変換部材50の形状はシート状に限らず、例えば、ドーム状でもよい。また、色変換部材50を適用する発光装置1の構造も図2の構造に限定するものではない。
実施形態における色変換部材の製造方法の説明図である。 同上における発光装置の概略断面図である。
符号の説明
50 色変換部材
51 ガラス粉末
52 蛍光体粉末
53 混合粉末
54 成形体
55 焼結体

Claims (2)

  1. LEDチップから放射される光によって励起されてLEDチップよりも長波長の可視光を放射する蛍光体粒子がガラス中に分散されてなる色変換部材の製造方法であって、ガラスの基礎となるガラス粉末と蛍光体粒子の基礎となる蛍光体粉末とを混合した混合粉末を所望形状の成形体に成形する成形工程と、成形工程にて成形した成形体を焼成して焼結体を形成する焼成工程と、焼成工程にて形成された焼結体を熱間等方圧プレス処理するHIP工程とを備えることを特徴とする色変換部材の製造方法。
  2. 前記HIP工程では、前記熱間等方圧プレス処理を、前記ガラスのガラス転移温度以上且つ前記焼成工程における焼成温度以下の温度で行うことを特徴とする請求項1記載の色変換部材の製造方法。
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