JP6365828B2 - 波長変換材料に用いられるガラス、波長変換材料、波長変換部材及び発光デバイス - Google Patents

波長変換材料に用いられるガラス、波長変換材料、波長変換部材及び発光デバイス Download PDF

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Description

本発明は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)やレーザーダイオード(LD:Laser Diode)等の発する光の波長を別の波長に変換する波長変換部材を作製するために用いられるガラスに関するものである。
近年、蛍光ランプや白熱灯に変わる次世代の光源として、LEDやLDを用いた光源等に対する注目が高まってきている。そのような次世代光源の一例として、例えば特許文献1には、青色光を出射するLED上に、LEDからの光の一部を吸収して黄色光に変換する波長変換部材が配置された光源が開示されている。この光源は、LEDから出射された青色光と、波長変換部材から出射された黄色光との合成光である白色光を発する。
波長変換部材としては、従来、樹脂マトリクス中に無機蛍光体を分散させたものが用いられている。しかしながら、当該波長変換部材を用いた場合、LEDからの光により樹脂が劣化し、光源の輝度が低下しやすいという問題がある。特に、LEDが発する熱や高エネルギーの短波長(青色〜紫外)光によってモールド樹脂が劣化し、変色や変形を起こすという問題がある。
そこで、樹脂に代えてガラスマトリクス中に無機蛍光体を分散固定した完全無機固体からなる波長変換部材が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。当該波長変換部材は、母材となるガラスがLEDチップの熱や照射光により劣化しにくく、変色や変形といった問題が生じにくいという特徴を有している。
特開2000−208815号公報 特開2003−258308号公報 特許第4895541号公報
上記波長変換部材は、製造時の焼成により無機蛍光体が劣化し、輝度劣化しやすいという問題がある。特に、一般照明、特殊照明等の用途においては、高い演色性が求められるため、赤色や緑色といった比較的耐熱性の低い無機蛍光体を使用する必要があり、無機蛍光体の劣化が顕著になる傾向がある。
一方、上記問題を解決するために、低温焼結が可能な低軟化点ガラスを使用すると、得られる波長変換部材の機械的強度や耐侯性に劣るため、波長変換部材としての用途が限定されるという問題がある。
したがって、本発明は、無機蛍光体を含有する波長変換材料に用いられ、製造時における焼成により無機蛍光体の特性劣化が少なく、かつ、機械的強度及び耐侯性に優れた波長変換部材を作製することが可能なガラスを提供することを目的とする。
本発明者等は、SiOを主成分とし、Al、アルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物を必須成分として含有する特定組成のガラスにより、上記課題を解消できることを見出した。
すなわち、本発明のガラスは、波長変換材料に用いられるものであって、質量%で、SiO 35〜70%、B 0〜30%、Al 0.1〜15%、LiO 0〜10%、NaO 0〜15%、KO 0〜15%、LiO+NaO+KO 0.1〜15%、MgO+CaO+SrO 0.1〜25%及びZnO 0〜15%を含有し、かつ、軟化点が700℃未満であることを特徴とする。
上記組成を有するガラスであれば、低温焼成が可能なため、無機蛍光体とともに焼成した場合に、無機蛍光体の劣化や、無機蛍光体とガラスとの反応を抑制することができる。また、本発明のガラスを用いて得られた波長変換部材は、機械的強度及び耐候性に優れているため、高信頼性の発光デバイスが作製可能である。
本発明のガラスは、BaOを含有しないことが好ましい。BaOは環境負荷物質であるため、BaOを含有しないことで、環境負荷の小さい波長変換部材を作製することが可能となる。また、BaOは他のアルカリ土類酸化物と比較して密度が大きいため、BaOを含有しないことで、波長変換部材の軽量化や、原料の輸送や貯蔵における負荷の軽減を図ることが可能となる。
本発明のガラスは、軟化点が400℃以上であることが好ましい。このようにすれば、波長変換部材の機械的強度及び耐候性を向上させることが可能となる。
本発明のガラスは、粉末状であることが好ましい。このようにすれば、粉末状の無機蛍光体と混合して焼成することで、ガラスマトリクス中に均一に無機蛍光体が分散した波長変換部材を容易に作製することが可能となる。
本発明の波長変換材料は、前記ガラスと、無機蛍光体と、を含有することを特徴とする。
本発明の波長変換材料において、無機蛍光体として、窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体、酸化物蛍光体、硫化物蛍光体、酸硫化物蛍光体、ハロゲン化物蛍光体及びアルミン酸塩蛍光体から選択される1種以上を使用することができる。
本発明の波長変換部材は、前記波長変換材料を焼成してなることを特徴とする。
本発明の波長変換部材は、ガラスマトリクス中に無機蛍光体が分散してなるものであって、ガラスマトリクスが、質量%で、SiO 35〜70%、B 0〜30%、Al 0.1〜15%、LiO 0〜10%、NaO 0〜15%、KO 0〜15%、LiO+NaO+KO 0.1〜15%、MgO+CaO+SrO 0.1〜25%及びZnO 0〜15%を含有し、かつ、軟化点が700℃未満であるガラスからなることを特徴とする。
本発明の発光デバイスは、前記波長変換部材、及び、波長変換部材に励起光を照射する光源を備えてなることを特徴とする。
本発明のガラスを用いれば、波長変換材料の焼成時における無機蛍光体の特性劣化を低減することができる。また、機械的強度及び耐侯性に優れた波長変換部材を作製することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る発光デバイスの模式的側面図である。
本発明のガラスは、波長変換材料に用いられるものであって、質量%で、SiO 35〜70%、B 0〜30%、Al 0.1〜15%、LiO 0〜10%、NaO 0〜15%、KO 0〜15%、LiO+NaO+KO 0.1〜15%、MgO+CaO+SrO 0.1〜25%及びZnO 0〜15%を含有することを特徴とする。このようにガラス組成範囲を限定した理由を以下に説明する。
SiOはガラスネットワークを形成する成分である。SiOの含有量は35〜70%であり、好ましくは45〜70%である。SiOの含有量が少なすぎると、耐候性や機械的強度が低下する傾向がある。一方、SiOの含有量が多すぎると、焼結温度が高温になり、焼成時に無機蛍光体が劣化しやすくなる。
は溶融温度を低下させて溶融性を著しく改善する成分である。Bの含有量は0〜30%であり、好ましくは0.1〜25%である。Bの含有量が多すぎると、耐候性が低下する傾向がある。
Alは耐候性や機械的強度を向上させる成分である。Alの含有量は0.1〜15%であり、好ましくは2〜10%である。Alの含有量が少なすぎると、上記効果が得られにくくなる。一方、Alの含有量が多すぎると、溶融性が低下する傾向がある。
LiO、NaO及びKOは溶融温度を低下させて溶融性を改善する成分である。また、軟化点を低下させる成分である。
LiOの含有量は0〜10%であり、好ましくは0.1〜5%である。LiOの含有量が多すぎると、耐候性が低下する傾向がある。
NaOの含有量は0〜15%であり、好ましくは0.1〜10%である。NaOの含有量が多すぎると、耐候性が低下する傾向がある。
Oの含有量は0〜15%であり、好ましくは0.1〜10%である。KOの含有量が多すぎると、耐候性が低下する傾向がある。
なお、耐候性を維持しつつ軟化点を低下させるため、LiO+NaO+KOの含有量は0.1〜15%であり、1〜14%とすることが好ましく、3〜13%とすることがより好ましい。LiO+NaO+KOの含有量が少なすぎると、軟化点が低下しにくくなる。一方、LiO+NaO+KO含有量が多すぎると、耐候性が低下しやすくなる。
本発明のガラスにおいて、耐候性を向上させるため、耐候性向上に寄与する成分であるSiO及びAlの合量と、耐候性低下の原因となるアルカリ金属酸化物(=LiO+NaO+KO)の含有量の比率(質量比)を適宜調整することが好ましい。具体的には、(LiO+NaO+KO)/(SiO+Al)が0.4以下であることが好ましく、0.2以下であることがより好ましい。当該比率が大きすぎると、耐候性が低下しやすくなる。
MgO、CaO及びSrOは溶融温度を低下させて溶融性を改善する成分である。また、軟化点を低下させる成分である。
MgOの含有量は0〜25%であり、好ましくは0.1〜15%である。MgOの含有量が多すぎると、耐候性が低下する傾向がある。
CaOの含有量は0〜25%であり、好ましくは0.1〜15%である。CaOの含有量が多すぎると、耐候性が低下する傾向がある。
SrOの含有量は0〜25%であり、好ましくは0.1〜15%である。SrOの含有量が多すぎると、耐候性が低下する傾向がある。
なお、耐候性を維持しつつ軟化点を低下させるため、MgO+CaO+SrOの含有量は0.1〜25%であり、1〜20%とすることが好ましく、3〜15%とすることがより好ましい。MgO+CaO+SrOの含有量が少なすぎると、軟化点が低下しにくくなる。一方、MgO+CaO+SrOの含有量が多すぎると、耐候性が低下しやすくなる。
ZnOは溶融温度を低下させて溶融性を改善する成分である。ZnOの含有量は0〜15%であり、好ましくは1〜13%である。ZnOの含有量が多すぎると、耐候性が低下する傾向がある。
本発明のガラスには、上記成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で種々の成分を含有させることができる。例えば、P、La、Ta、TeO、Nb、Gd、Y、CeO、Sb、SnO、BiまたはZrO等を合量で30%以下の範囲で含有させてもよい。
なお、BaOは環境負荷物質であり、また他のアルカリ土類酸化物と比較して密度が大きい。よって、環境負荷が小さく軽量の波長変換部材を作製するため、或いは原料の輸送や貯蔵における負荷の軽減を図るため、BaOを含有させないことが好ましい。
また、TiOはガラスを着色させやすく、発光効率低下の原因となるため、その含有量は、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは1%以下であり、含有させないことが特に好ましい。
本発明のガラスの軟化点は700℃未満であり、好ましくは698℃以下、より好ましくは695℃以下である。軟化点が高すぎると、波長変換材料の焼結温度が高くなるため、焼成時に無機蛍光体が劣化しやすくなる。なお、軟化点の下限は特に限定されないが、低すぎると機械的強度及び耐候性が低下しやすくなる。そのため、軟化点は400℃以上であることが好ましく、450℃以上であることがより好ましく、500℃以上であることがさらに好ましい。
なお一般に、無機蛍光体はガラスよりも屈折率が高い場合が多い。波長変換部材において、無機蛍光体とガラスマトリクスの屈折率差が大きいと、無機蛍光体とガラスマトリクスの界面で励起光が散乱されやすくなる。その結果、無機蛍光体に対する励起光の照射効率が高くなり、発光効率が向上しやすくなる。ただし、無機蛍光体とガラスマトリクスの屈折率差が大きすぎると、励起光の散乱が過剰になり、散乱損失となって逆に発光効率が低下する傾向がある。以上に鑑み、本発明のガラスの屈折率(nd)は、好ましくは1.45〜1.8、より好ましくは1.47〜1.75、さらに好ましくは1.48〜1.6である。なお、無機蛍光体とガラスマトリクスの屈折率差は0.001〜0.5程度であることが好ましい。
本発明のガラスの形状は特に限定されないが、粉末状であることが好ましい。粉末状のガラスであれば、粉末状の無機蛍光体と混合して焼成することで、ガラスマトリクス中に均一に無機蛍光体が分散した波長変換部材を容易に作製することが可能となる。
本発明のガラスが粉末状(すなわち、ガラス粉末)である場合、その粒度は特に限定されないが、例えば、最大粒子径Dmaxが200μm以下(特に150μm以下、さらには105μm以下)、かつ、平均粒子径D50が0.1μm以上(特に1μm以上、さらには2μm以上)であることが好ましい。ガラス粉末の最大粒子径Dmaxが大きすぎると、得られる波長変換部材において、励起光が散乱しにくくなり発光効率が低下しやすくなる。また、平均粒子径D50が小さすぎると、得られる波長変換部材において、励起光が過剰に散乱して発光効率が低下しやすくなる。
なお、本発明において、最大粒子径Dmax及び平均粒子径D50はレーザー回折法により測定した値を指す。
本発明のガラスは、無機蛍光体と組み合わせることにより波長変換材料として使用される。
本発明において使用可能な無機蛍光体としては特に限定されない。例えば、窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体、酸化物蛍光体(YAG蛍光体等のガーネット系蛍光体を含む)、硫化物蛍光体、酸硫化物蛍光体、ハロゲン化物蛍光体(ハロリン酸塩化物等)及びアルミン酸塩蛍光体等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。これらの無機蛍光体のうち、窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体及び酸化物蛍光体は耐熱性が高く、焼成時に比較的劣化しにくいため好ましい。なお、窒化物蛍光体及び酸窒化物蛍光体は、近紫外〜青の励起光を緑〜赤という幅広い波長領域に変換し、しかも発光強度も比較的高いという特徴を有している。そのため、窒化物蛍光体及び酸窒化物蛍光体は、特に白色LED素子用波長変換部材に用いられる無機蛍光体として有効である。
上記無機蛍光体としては、波長300〜500nmに励起帯を有し波長380〜780nmに発光ピークを有するもの、特に青色(波長440〜480nm)、緑色(波長500〜540nm)、黄色(波長540〜595nm)、赤色(波長600〜700nm)に発光するものが挙げられる。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると青色の発光を発する無機蛍光体としては、(Sr,Ba)MgAl1017:Eu2+、(Sr,Ba)MgSi:Eu2+等が挙げられる。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると緑色の蛍光を発する無機蛍光体としては、SrAl:Eu2+、SrBaSiO:Eu2+、Y(Al,Gd)12:Ce2+、SrSiON:Eu2+、BaMgAl1017:Eu2+,Mn2+、BaMgSi:Eu2+、BaSiO:Eu2+、BaLiSi:Eu2+、BaAl:Eu2+等が挙げられる。
波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると緑色の蛍光を発する無機蛍光体としては、SrAl:Eu2+、SrBaSiO:Eu2+、Y(Al,Gd)12:Ce3+、SrSiOn:Eu2+、β−SiAlON:Eu2+等が挙げられる。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると黄色の蛍光を発する無機蛍光体としては、LaSi11:Ce3+等が挙げられる。
波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると黄色の蛍光を発する無機蛍光体としては、Y(Al,Gd)12:Ce3+、SrSiO:Eu2+が挙げられる。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると赤色の蛍光を発する無機蛍光体としては、CaGa:Mn2+、MgSrSi:Eu2+,Mn2+、CaMgSi:Eu2+,Mn2+等が挙げられる。
波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると赤色の蛍光を発する無機蛍光体としては、CaAlSiN:Eu2+、CaSiN:Eu2+、(Ca,Sr)Si:Eu2+、α−SiAlON:Eu2+等が挙げられる。
なお、励起光や発光の波長域に合わせて、複数の無機蛍光体を混合して用いてもよい。例えば、紫外域の励起光を照射して白色光を得る場合は、青色、緑色、黄色、赤色の蛍光を発する無機蛍光体を混合して使用すればよい。
本発明のガラス及び無機蛍光体を含有する波長変換材料を焼成することにより、波長変換部材を得ることができる。焼成温度は、ガラスの軟化点±150℃以内、好ましくは±100℃以内の範囲で適宜調整される。焼成温度が低すぎると、ガラスが流動せず、緻密な焼結体が得られにくい。一方、焼成温度が高すぎると、無機蛍光体がガラス中に溶出して発光強度が低下したり、無機蛍光体に含まれる成分がガラス中に拡散してガラスが着色し、発光強度が低下するおそれがある。
また、焼成は減圧雰囲気中で行うことが好ましい。具体的には、焼成は、好ましくは1.013×10Pa未満、より好ましくは1000Pa以下、さらに好ましくは400Pa以下の雰囲気下で行う。それにより、波長変換部材中に残存する気泡の量を少なくすることができる。その結果、波長変換部材内の散乱因子を少なくすることができ、発光効率を向上させることができる。なお、焼成工程全体を減圧雰囲気中で行ってもよいし、例えば最高温度を保持する工程のみを減圧雰囲気中で行い、その前後の昇温工程や降温工程を、減圧雰囲気ではない雰囲気(例えば大気圧下)で行ってもよい。
波長変換部材の発光効率(lm/W)は、ガラス中に分散した無機蛍光体の種類や含有量、さらには波長変換部材の厚み等によって変化する。無機蛍光体の含有量と波長変換部材の厚みは、発光効率が最適になるように適宜調整すればよい。無機蛍光体の含有量が多くなりすぎると、焼結しにくくなったり、気孔率が大きくなって、励起光が効率良く無機蛍光体に照射されにくくなったり、波長変換部材の機械的強度が低下しやすくなる等の問題が生じる。一方、無機蛍光体の含有量が少なすぎると、所望の発光強度を得ることが困難になる。このような観点から、本発明の波長変換部材における無機蛍光体の含有量は、質量%で、好ましくは0.01〜30%、より好ましくは0.05〜25%、さらに好ましくは0.08〜20%の範囲で調整される。
なお、波長変換部材において発生した蛍光を、励起光入射側へ反射させ、主に蛍光のみを外部に取り出すことを目的とした波長変換部材においては、上記の限りではなく、発光強度が最大になるように、無機蛍光体の含有量を多くする(例えば、30%〜80%、さらには40〜75%)ことができる。
本発明の波長変換部材には、ガラス及び無機蛍光体以外にも、例えばアルミナやシリカ等の光拡散材を合量で30%まで含有していてもよい。
本発明の波長変換部材の形状は特に制限されず、例えば、板状、柱状、半球状、半球ドーム状等、それ自身が特定の形状を有する部材だけでなく、ガラス基板やセラミック基板等の基材表面に形成された被膜状の焼結体等も含まれる。
図1に、本発明の発光デバイスの実施形態を示す。図1に示すように、発光デバイス1は波長変換部材2及び光源3を備えてなる。光源3は、波長変換部材2に対して励起光を照射する。波長変換部材2に入射した励起光は、別の波長の光に変換され、光源3とは反対側から出射する。この際、波長変換後の光と、波長変換されずに透過した励起光との合成光を出射させるようにしてもよい。
以下に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)ガラスの作製
表1は実施例(試料A〜J)及び比較例(試料K〜M)に係るガラスを示している。
まず、表1〜3に示す組成となるように原料を調合した。原料を白金坩堝内において800〜1500℃の温度で1〜2時間溶融してガラス化し、溶融ガラスを一対の冷却ローラー間に流し出すことによりフィルム状に成形した。フィルム状のガラスをボールミルで粉砕した後、分級して平均粒子径D50が2.5μmのガラス粉末を得た。得られたガラス粉末につき、下記の方法により、軟化点、機械的強度及び耐候性を測定した。
軟化点は、ファイバーエロンゲーション法を用い、粘度が107.6dPa・sとなる温度を採用した。
機械的強度は次のようにして測定した。ガラス粉末を金型で加圧成型して直径1cmの円柱状予備成型体を作製し、表1〜3に示す焼成温度で焼成することにより円柱状焼結体を得た。円柱状焼結体を40×4×3mmの直方体状に加工し、評価用試料を作製した。得られた評価用試料について、島津製作所製強度試験機AG−1Sを用いて、JIS−R1601に準拠した方法で3点曲げ試験を行った。
耐候性は、平山製作所製HAST試験機PC−242HSR2を用いて、上記円柱状焼結体を121℃、95%RH、2気圧の条件下、300時間保持し、試料表面を観察することによって評価した。具体的には、試験前後で顕微鏡観察にて、試料表面に変化がないものは「○」、試料表面にガラス成分が析出していたり、光沢が失われたりしたものを「×」として評価した。
表1に示すように、実施例である試料A〜Jのガラスは、軟化点が697℃以下、機械的強度が75MPa以上であり、いずれも耐候性に優れていた。一方、比較例である試料Kのガラスは軟化点が850℃と高く、試料L及びMのガラスは、機械的強度が65MPa以下と低く、かつ、耐候性に劣っていた。
(2)波長変換部材の作製
表4〜9は実施例(試料1〜10、14〜23)及び比較例(11〜13、24〜26)に係る波長変換部材を示している。
表1〜3に記載の各ガラス粉末試料に、表4〜9に示す無機蛍光体粉末を所定の質量比で混合して混合粉末(波長変換材料)を得た。混合粉末を金型で加圧成型して直径1cmの円柱状予備成型体を作製した。この予備成型体を焼成した後、得られた焼結体に加工を施すことにより、直径8mm、厚さ0.2mmの円盤状の波長変換部材を得た。なお、焼成温度は、使用したガラスに応じて、表1〜3に記載の焼成温度を採用した。得られた波長変換部材について、発光スペクトルを測定し、発光効率を算出した。結果を表4〜9に示す。
発光効率は次のようにして求めた。まず、励起波長460nmの光源上に波長変換部材を設置し、積分球内で、試料上面から発せられる光のエネルギー分布スペクトルを測定した。次に、得られたスペクトルに標準比視感度を掛け合わせて全光束を計算し、全光束を光源の電力で除して発光効率を算出した。
表4〜6から明らかなように、無機蛍光体としてα−SiAlONを使用した場合、実施例である1〜10の試料は発光効率が6.0lm/W以上であったのに対し、比較例である11の試料は発光効率が4.0lm/W以下と低かった。
表7〜9から明らかなように、無機蛍光体としてYAGを使用した場合、実施例である14〜23の試料は発光効率が11.9lm/W以上であったのに対し、比較例である24の試料は発光効率が7.9lm/W以下と低かった。
本発明のガラスは、白色LED等の一般照明、特殊照明(例えば、プロジェクター光源、自動車のヘッドランプ光源)等に使用される波長変換部材用材料として好適である。
1 発光デバイス
2 波長変換部材
3 光源

Claims (8)

  1. 無機蛍光体を含有する波長変換材料に用いられるガラスであって、
    質量%で、SiO 35〜70%、B 0〜30%、Al 0.1〜15%、LiO 0〜10%、NaO 0〜15%、KO 0〜15%、LiO+NaO+KO 0.1〜15%、MgO+CaO+SrO 0.1〜25%ZnO 0〜15%及びTiO 0〜1%を含有し、かつ、BaOを含有せず、軟化点が700℃未満であることを特徴とするガラス。
  2. 軟化点が400℃以上であることを特徴とする請求項1に記載のガラス。
  3. 粉末状であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載のガラスと、無機蛍光体と、を含有することを特徴とする波長変換材料。
  5. 無機蛍光体が、窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体、酸化物蛍光体、硫化物蛍光体、酸硫化物蛍光体、ハロゲン化物蛍光体及びアルミン酸塩蛍光体から選択される1種以上であることを特徴とする請求項に記載の波長変換材料。
  6. 請求項またはに記載の波長変換材料を焼成してなることを特徴とする波長変換部材。
  7. ガラスマトリクス中に無機蛍光体が分散してなる波長変換部材であって、
    ガラスマトリクスが、質量%で、SiO 35〜70%、B 0〜30%、Al 0.1〜15%、LiO 0〜10%、NaO 0〜15%、KO 0〜15%、LiO+NaO+KO 0.1〜15%、MgO+CaO+SrO 0.1〜25%ZnO 0〜15%及びTiO 0〜1%を含有し、かつ、BaOを含有せず、軟化点が700℃未満であるガラスからなることを特徴とする波長変換部材。
  8. 請求項またはに記載の波長変換部材、及び、前記波長変換部材に励起光を照射する光源を備えてなることを特徴とする発光デバイス。
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