JP2010280625A - 固形粉末化粧料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】化粧料基材と溶剤とを混合し、容器に充填した後、表面が立体的に成型されるように加圧成型し、該溶剤を除去することにより得られる固形粉末化粧料の製造方法であって、化粧料基材中に金属石ケンを、化粧料基材に対して0.1〜5質量%含有し、且つ成型時に、周波数10〜40kHz、振幅10〜100μmの振動を付与して、加圧成型する固形粉末化粧料の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明で用いられる金属石ケンの配合量は、化粧料基材に対して0.1〜5質量%であり、特に1〜3質量%が好ましい。当該範囲内であると、十分な落下強度が得られ、且つ使用感も良好となる。
振動の付与時間は、0.1〜2秒、特に0.5〜1.5秒が好ましく、振動の付与後、加圧された状態で0.1秒以上、好ましくは0.1〜5秒、特に0.5〜2秒保持されることが、耐衝撃性に優れるので好ましい。
また、加圧成型時に加えられる圧力は10kg/cm2以下、特に1〜5kg/cm2であるのが、使用時の塗布具へのとれや、肌へのつき、塗布時のしっとり感の点で好ましい。また従来の加圧成型方法と比して、加える圧力を低く設定することができるため、PET樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、又はポリカーボネート樹脂等の樹脂製の皿状容器を用いた場合でも、容器の破損等の問題が発生しにくい。
これらの粉体は、本来表面が疎水性であるものや、表面を疎水化処理したものを使用でき、これらの疎水性若しくは疎水化処理粉体は、使用感がより優れるので好ましい。該疎水化処理は、例えばシリコーン油、金属石ケン、アルキルリン酸、アルキルリン酸のアルカリ金属塩又はアミン塩、N−モノ長鎖(炭素数8〜22)脂肪族アシル塩基性アミノ酸、パーフルオロアルキル基を有するフッ素化合物等の疎水化処理剤を用いて行う。粉体を疎水化処理する方法は特に制限はない。
女性パネラー20名に試験品を肌に塗布してもらい、使用性(やわらかさ)について、評価してもらった。評価基準は以下の通りである。
(評価基準)
良いと答えた人数が17人以上 ;◎
良いと答えた人数が12〜16人;○
良いと答えた人数が8〜11人 ;△
良いと答えた人数が7人以下 ;×
試験品(金皿充填品)を正立方向で高さ50cmから厚み25mmのベニヤ板上に繰り返し落下させ、欠け、割れ、ひび等の異常が生じるまでの回数により評価した。評価基準は以下の通りである。
(評価基準)
◎:11回以上
○:7〜10回
△:5〜6回
×:4回以下
下記表1に示す組成で固形粉末化粧料を調製し、前記試験を行った。結果を表1に併せて示す。
A:成分1〜3を混合、70℃まで加熱し溶解する。
B:成分4〜28を均一混合する。
C:BにAを加えて均一分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
D:C100質量部と軽質イソパラフィン[IPソルベント1620MU(出光興産社製)]40質量部を混合し、金皿に充填した後、成型品表面の最頂部と最深部の高低差が5mmの立体形状となるように表1に示す条件で振動を付与して加圧成型し、軽質イソパラフィンを70℃で加熱乾燥により除去することによって固形粉末化粧料を得た。
なお、比較例3は振動を付与せずに加圧成型を行った。
(成分) (質量%)
1.メチルフェニルポリシロキサン*1 1.0
2.白色ワセリン 1.5
3.トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン 2.5
4.マイカ 残 部
5.合成金雲母*2 20.0
6.ステアリン酸アルミニウム 3.0
7.ポリアクリル酸アルキル*4 5.0
8.無水ケイ酸 5.0
9.酸化チタン 1.0
10.ステアロイルグルタミン酸アルミニウム(4%)被覆
赤色226号 0.1
11.黄色4号アルミニウムレーキ 0.1
12.ベンガラ 0.1
13.雲母チタン 20.0
14.酸化鉄被覆ガラス末*9 10.0
15.酸化チタン被覆ガラス末*8 20.0
16.トコフェロール 0.1
17.メチルパラベン 0.2
18.デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1
*9:メタシャインMC1080KR(日本板硝子社製)
A:成分1〜3を混合、70℃まで加熱し溶解する。
B:成分4〜18を均一混合する。
C:BにAを加えて均一分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
D:C100質量部と軽質イソパラフィン[IPソルベント1620MU(出光興産社製)]40質量部を混合し、PET樹脂製の中皿に充填した後、成型品表面の最頂部と最深部の高低差が5mmのドーム状となるように実施例1と同じ条件で振動を付与して加圧成型し、軽質イソパラフィンを70℃で加熱乾燥により除去することによってドーム状固形粉末フェースカラーを得た。
(成分) (質量%)
1.メチルフェニルポリシロキサン*1 1.0
2.白色ワセリン 1.5
3.トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン 2.5
4.マイカ 残 部
5.合成金雲母*2 40.0
6.ステアリン酸アルミニウム 3.0
7.タルク 5.0
8.硫酸バリウム 5.0
9.黄色4号アルミニウムレーキ 0.1
10.ベンガラ 0.5
11.雲母チタン 20.0
12.酸化鉄被覆ガラス末*9 10.0
13.トコフェロール 0.1
14.メチルパラベン 0.2
15.デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1
A:成分1〜3を混合、70℃まで加熱し溶解する。
B:成分4〜15を均一混合する。
C:BにAを加えて均一分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
D:C100質量部と軽質イソパラフィン[IPソルベント1620MU(出光興産社製)]40質量部を混合し、金皿に充填した後、成型品表面の最頂部と最深部の高低差が8mmのドーム状となるように実施例1と同じ条件で振動を付与して加圧成型し、軽質イソパラフィンを80℃で加熱乾燥により除去することによってドーム状固形粉末チークカラーを得た。
(成分) (質量%)
1.流動パラフィン 5.0
2.リンゴ酸ジイソステアリル 2.0
3.ジメチルポリシロキサン*10 5.0
4.マイカ 残 部
5.合成金雲母*2 10.0
6.ステアリン酸アルミニウム 3.0
7.ナイロン末*3 5.0
8.無水ケイ酸 5.0
9.酸化チタン 20.0
10.黄酸化鉄 2.0
11.黒酸化鉄 0.2
12.ベンガラ 0.5
13.雲母チタン 20.0
14.タルク 10.0
15.架橋型メチルシロキサン末*11 3.0
16.トコフェロール 0.1
17.メチルパラベン 0.2
18.デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1
*10:KF−96A(信越化学工業社製)
*11:トレフィルE−506S(東レ・ダウコーニング社製)
A:成分1〜3を混合、70℃まで加熱し溶解する。
B:成分4〜18を均一混合する。
C:BにAを加えて均一分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
D:C100質量部と軽質イソパラフィン[IPソルベント1620MU(出光興産社製)]40質量部を混合し、金皿に充填した後、成型品表面の最頂部と最深部の高低差が5mmのドーム状となるように実施例1と同じ条件で振動を付与して加圧成型し、軽質イソパラフィンを80℃で加熱乾燥により除去することによってドーム状固形粉末ファンデーションを得た。
(成分) (質量%)
1.流動パラフィン 5.0
2.リンゴ酸ジイソステアリル 2.0
3.ジメチルポリシロキサン*10 5.0
4.マイカ 残 部
5.合成金雲母*2 10.0
6.ステアリン酸アルミニウム 3.0
7.ナイロン末*3 5.0
8.無水ケイ酸 5.0
9.酸化チタン 20.0
10.黄酸化鉄 2.0
11.黒酸化鉄 0.2
12.ベンガラ 0.5
13.雲母チタン 20.0
14.タルク 10.0
15.麻セルロース末*12 3.0
16.トコフェロール 0.1
17.メチルパラベン 0.2
18.デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1
*12:麻セルロースパウダー(トスコ社製)
A:成分1〜3を混合、70℃まで加熱し溶解する。
B:成分4〜18を均一混合する。
C:BにAを加えて均一分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
D:C100質量部と軽質イソパラフィン[IPソルベント1620MU(出光興産社製)]40質量部を混合し、金皿に充填した後、成型品表面の最頂部と最深部の高低差が5mmのドーム状となるように実施例1と同じ条件で振動を付与して加圧成型し、軽質イソパラフィンを80℃で加熱乾燥により除去することによってドーム状固形粉末ファンデーションを得た。
(成分) (質量%)
1.白色ワセリン 3.0
2.メチルフェニルポリシロキサン*1 5.0
3.リンゴ酸ジイソステアリル 6.0
4.オクチルドデカノール 3.0
5.モノイソステアリン酸ソルビタン 0.5
6.タルク 残 部
7.合成金雲母*13 5.0
8.窒化ホウ素*14 30.0
9.ステアリン酸アルミニウム 3.0
10.酸化チタン被覆ガラス末*5 5.0
11.酸化チタン被覆合成金雲母*15 5.0
12.酸化チタン・無水ケイ酸複合被覆雲母チタン*16 5.0
13.ベンガラ 0.1
14.トコフェロール 0.1
15.メチルパラベン 0.2
16.デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1
17.銀被覆ガラス末(平均粒径25μm)*17 噴 霧
*13:PDM−40L(トピー工業社製)
*14:SHP−5(水島合金鉄社製)
*15:プロミネンスRH(トピー工業社製)
*16:チミロンスプレンディッドゴールド(メルク社製)
*17:メタシャインME2025PS(日本板硝子社製)
A:成分1〜5を混合、70℃まで加熱し溶解する。
B:成分6〜16を均一混合する。
C:BにAを加えて均一分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
D:C100質量部と軽質イソパラフィン[IPソルベント1620MU(出光興産社製)]40質量部を混合し、金皿に充填した後、成型品表面の最頂部と最深部の高低差が5mmのドーム状となるように実施例1と同じ条件で振動を付与して加圧成型し、軽質イソパラフィンを80℃で加熱乾燥により除去した。
E:その後、成分17 50質量部をイソプロピルアルコール50質量部と均一に混合し、Dの表面にスプレーを用いて噴霧し、付着させたのち、目的のドーム状固形粉末アイシャドウを得た。
Claims (6)
- 化粧料基材と溶剤とを混合し、容器に充填した後、表面が立体的に成型されるように加圧成型し、該溶剤を除去する固形粉末化粧料の製造方法であって、化粧料基材中に金属石ケンを、化粧料基材に対して0.1〜5質量%含有し、且つ成型時に、周波数10〜40kHz、振幅10〜100μmの振動を付与して、加圧成型する固形粉末化粧料の製造方法。
- 成型時に加えられる圧力が、10kg/cm2以下である請求項1記載の固形粉末化粧料の製造方法。
- 金属石ケンが脂肪酸アルミニウムである請求項1又は2記載の固形粉末化粧料の製造方法。
- 成型品表面の最頂部と最深部の高低差が3mm以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の固形粉末化粧料の製造方法。
- さらに平均粒径20〜60μmのフレーク状ガラスが付着されてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の固形粉末化粧料の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の製造方法により得られる固形粉末化粧料。
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