JP2010279856A - 摺動部を有する装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属部材同士の摺動部を有する装置において、摺動抵抗を小さくできる装置を提供すること。
【解決手段】本発明に係る装置は、固定子体と可動子体とにより形成される摺動部を有する装置であって、前記摺動部を形成する固定子体と可動子体との間に、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子が存在することを特徴とする。前記摺動部を形成する固定子体と可動子体との間に、前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子とともに、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルがさらに存在することが好ましい。
【選択図】図18−1

Description

本発明は、摺動部を有する装置に関する。より詳しくは、固定子体と可動子体とにより形成される摺動部を有し、上記摺動部を形成する固定子体と可動子体との間に特定の処理済シリカ粒子が存在する装置に関する。
携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistants)などの携帯型電子機器では、タッチパネル方式のキー入力機構の利用が拡大している。タッチパネル方式では、通常、キーシートに設けられたLCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置にキー表示領域を表示させ、該領域に対応してキーシートに感圧反応領域が割りつけられる。この感圧反応領域に対してタッチ操作が行われると、対応するキー表示領域の表示色が反転する。さらに、キーシートに該シートを振動させるための振動発生装置を設けておき、タッチ操作が行われたときに、表示色を反転させるとともにキーシート全体を振動させることも知られている。この振動によって、キーシートの操作者に対して疑似的なキークリック感を与えることができる。
また、携帯型電子機器においては、着信を知らせるための振動発生装置として、横振動方式の振動発生装置が提案されている(たとえば特許文献1など)。上記振動発生装置では、端子付基台上に、ヨークに巻線を巻回したコイルを有する固定子ブロックと、永久磁石にオモリを一体化した可動子ブロックとが配置されている。上記可動子ブロックは、上記端子付基台に取り付けられた弾性支持部材を介して、固定子ブロックと一定の距離を保った状態で揺動可能に固定されている。
上記振動発生装置の動作機構は以下の通りである。すなわち、固定子ブロックのコイルに所定の周波数を有する駆動信号を印加すると、ヨークに交互磁極が発生する。この交互磁極と可動子ブロックの永久磁石との間に発生する磁気駆動力によって揺動可能な可動子ブロックが横振動する。そして、可動子ブロックに一体化されたオモリによって振動が発生する。
特開2002−143770号公報
タッチパネル方式において、キークリック感を与えるための振動発生装置として、上記横振動方式の振動発生装置をキーシートに採用することが考えられる。しかしながら、この場合は、上記横振動方式の振動発生装置の厚みが大きいため、キーシートの薄型化が実現できない問題がある。
これに対して、振動発生装置中で固定子ブロックと可動子ブロックとの距離を詰めて両者が接するように配置して、キーシートを薄型化することが考えられる。しかしながら、この場合は、摺動抵抗が大きくなり振動を発生できない。
なお、金属部材同士の摺動部を有する装置においても、摺動抵抗を小さくすることが求められている。
そこで、本発明の目的は、固定子ブロックと可動子ブロックとの距離を詰めて両者が接するように配置しても、振動が発生できるような振動発生装置を提供することにある。いいかえると、本発明の目的は、金属部材などの部材同士の摺動部を有する装置においても、摺動抵抗を小さくできる装置を提供することにある。
本発明者らは、特定の処理済シリカ粒子を用いることによって、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は以下の〔1〕〜〔15〕に関わる。
〔1〕固定子体と可動子体とにより形成される摺動部を有する装置であって、上記摺動部を形成する固定子体と可動子体との間に、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子が存在することを特徴とする装置。
〔2〕上記摺動部を形成する固定子体と可動子体との間に、上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子とともに、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルがさらに存在することを特徴とする上記〔1〕に記載の装置。
〔3〕上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子を含む混合物を調製し、上記混合物から上記処理済シリカ粒子を分離した後、上記処理済シリカ粒子と溶媒とを混合して処理済シリカ粒子含有組成物を得る工程[1]と、固定子体および可動子体の一方に、工程[1]で得られた処理済シリカ粒子含有組成物を塗布し、上記溶媒を蒸発させた後、他方を載せ置く工程[2]とにより、上記摺動部を形成する固定子体と可動子体との間に上記処理済シリカ粒子を存在させることを特徴とする上記〔1〕に記載の装置。
〔4〕上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子を含む処理済シリカ粒子含有組成物を得る工程[1]と、固定子体および可動子体の一方に、工程[1]で得られた処理済シリカ粒子含有組成物を塗布し、上記溶媒を蒸発させた後、他方を載せ置く工程[2]とにより、上記摺動部を形成する固定子体と可動子体との間に上記処理済シリカ粒子を存在させることを特徴とする上記〔1〕に記載の装置。
〔5〕上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子を含む混合物を調製し、上記混合物から上記処理済シリカ粒子を分離した後、上記処理済シリカ粒子と中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルと溶媒とを混合して処理済シリカ粒子含有組成物を得る工程[1’]と、固定子体および可動子体の一方に、工程[1’]で得られた処理済シリカ粒子含有組成物を塗布し、上記溶媒を蒸発させた後、他方を載せ置く工程[2’]とにより、上記摺動部を形成する固定子体と可動子体との間に上記処理済シリカ粒子とともに、上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルをさらに存在させることを特徴とする上記〔2〕に記載の装置。
〔6〕上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子と上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとを含む処理済シリカ粒子含有組成物を得る工程[1’]と、固定子体および可動子体の一方に、工程[1’]で得られた処理済シリカ粒子含有組成物を塗布し、上記溶媒を蒸発させた後、他方を載せ置く工程[2’]とにより、上記摺動部を形成する固定子体と可動子体との間に上記処理済シリカ粒子とともに、上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルを存在させることを特徴とする上記〔2〕に記載の装置。
〔7〕上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子を含む混合物を調製し、上記混合物から上記処理済シリカ粒子を分離した後、上記処理済シリカ粒子と溶媒とを混合して処理済シリカ粒子含有組成物を得る工程[1]と、固定子体および可動子体の一方に、工程[1]で得られた処理済シリカ粒子含有組成物を塗布し、上記溶媒を蒸発させた後、他方を載せ置く工程[2]とを含むことを特徴とする上記〔1〕に記載の装置の製造方法。
〔8〕上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子を含む処理済シリカ粒子含有組成物を得る工程[1]と、固定子体および可動子体の一方に、工程[1]で得られた処理済シリカ粒子含有組成物を塗布し、上記溶媒を蒸発させた後、他方を載せ置く工程[2]とを含むことを特徴とする上記〔1〕に記載の装置の製造方法。
〔9〕上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子を含む混合物を調製し、上記混合物から上記処理済シリカ粒子を分離した後、上記処理済シリカ粒子と中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルと溶媒とを混合して処理済シリカ粒子含有組成物を得る工程[1’]と、固定子体および可動子体の一方に、工程[1’]で得られた処理済シリカ粒子含有組成物を塗布し、上記溶媒を蒸発させた後、他方を載せ置く工程[2’]とを含むことを特徴とする上記〔2〕に記載の装置の製造方法。
〔10〕上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子と上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとを含む処理済シリカ粒子含有組成物を得る工程[1’]と、固定子体および可動子体の一方に、工程[1’]で得られた処理済シリカ粒子含有組成物を塗布し、上記溶媒を蒸発させた後、他方を載せ置く工程[2’]とを含むことを特徴とする上記〔2〕に記載の装置の製造方法。
〔11〕中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子を含む混合物を調製し、上記混合物から上記処理済シリカ粒子を分離した後、上記処理済シリカ粒子と溶媒とを混合して得られることを特徴とする処理済シリカ粒子含有組成物。
〔12〕中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子を含む混合物を調製し、上記混合物から上記処理済シリカ粒子を分離した後、上記処理済シリカ粒子と中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルと溶媒とを混合して得られることを特徴とする処理済シリカ粒子含有組成物。
〔13〕ヨーク体にコイルを巻き回した駆動体ユニットを構成する固定子ブロックと、永久磁石にオモリを一体化した可動子ブロックとにより形成される摺動部を有する振動発生装置であって、上記摺動部を形成する固定子ブロックと可動子ブロックとの間に、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子が存在することを特徴とする振動発生装置。
〔14〕上記摺動部を形成する固定子体ブロック可動子ブロックとの間に、上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子とともに、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルがさらに存在することを特徴とする上記〔13〕に記載の振動発生装置。
〔15〕る上記〔13〕または〔14〕に記載の振動発生装置を含むことを特徴とする携帯型電子機器。
本発明に係る振動発生装置では、固定子ブロックと可動子ブロックとの距離を詰めて両者が接するように配置されていても、振動が発生できる。このため、携帯型電子機器に設けられるタッチパネル方式のキーシートに上記振動発生装置を用いると、キーシートの薄型化が実現できる。また、本発明に係る金属部材などの部材同士の摺動部を有する装置にでは、摺動抵抗が小さい。
図1は、振動発生装置の一例を示す図である。 図2は、振動発生装置の一例の上ケースを外した状態を示す平面図である。 図3は、図2に示す振動発生装置のA−A断面図である。 図4は、図2に示す振動発生装置のB−B断面図である。 図5は、振動発生装置の一例の下ケースを示す図である。 図6は、振動発生装置の一例の上ケースを示す図である。 図7は、振動発生装置の一例における固定子ブロックを構成するコイル体の斜視図である。 図8は、振動発生装置の一例における固定子ブロックを構成するコイル体とFPCの斜視図である。 図9は、振動発生装置の一例におけるコイル体およびFPCの上面図である。 図10は、振動発生装置の一例におけるコイル体およびFPCの側面図である。 図11は、振動発生装置の一例における可動子ブロックの分解斜視図である。 図12は、振動発生装置の一例における可動子ブロックの斜視図である。 図13は、振動発生装置の一例におけるコイル体と永久磁石の位置関係を示す平面図である。 図14は、振動発生装置の一例におけるコイル体と永久磁石の他の例を示す平面図である。 図15は、振動発生装置の一例における振動発生装置の駆動動作を示す固定子ブロックと可動子ブロックの斜視図である。 図16は、振動発生装置の一例における振動発生装置の駆動動作を示す固定子ブロックと可動子ブロックの斜視図である。 図17は、振動発生装置の一例における可動子ブロックの他の例を示す斜視図である。 図18−1は、本発明の実施形態における摺動部を説明するための図である。 図18−2は、本発明の実施形態における摺動部を説明するための図である。
以下、本発明について具体的に説明する。
<振動発生装置>
本発明に係る振動発生装置は、ヨーク体にコイルを巻き回した駆動体ユニットを構成する固定子ブロック(固定子体)と、永久磁石にオモリを一体化した可動子ブロック(可動子体)とにより形成される摺動部を有する振動発生装置である。以下、振動発生装置の実施形態について、より具体的に説明する。
(実施形態1の振動発生装置)
実施形態1の振動発生装置においては、上記摺動部を形成する固定子ブロックと可動子ブロックとの間に、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子が存在する。
シリカ粒子を処理するための中性リン酸エステルとしては、下記式(1)で表されるリン酸エステルが挙げられる。
Figure 2010279856
(式(1)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、炭素数が1〜20の鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基、または炭素数が6〜20の芳香環を含む炭化水素基を表す。)
これらのうち、振動発生装置の耐久性を向上できるため、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、炭素数が12〜18の鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基、または炭素数が1〜10の鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基を置換基として有していてもよいフェニル基(ここで、置換基が複数あるときは、これら置換基の炭素数の合計は1〜14である。)であることが好ましく、ドデシル基、トリデシル基、オレイル基、ステアリル基、フェニル基、クレジル基、ジメチルフェニル基、ジ−t−ブチルフェニル基またはノニルフェニル基であることがより好ましい。
このような中性リン酸エステルとしては、具体的には、トリオレイルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、トリキシレニルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリス(ノニルフェニル)フォスフェート、トリス(トリデシル)フォスフェート、トリステアリルフォスフェート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェートが好適に用いられる。
また、上記式(1)で表される中性リン酸エステル以外の中性リン酸エステルも好適に用いられる。上記中性リン酸エステルとしては、たとえばトリメチロールプロパンフォスフェート、テトラフェニルジプロピレングリコールジフォスフェート、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラフォスフェート、テトラ(トリデシル)−4,4'−イソプロピリデンジフェニルジフォスフェート、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジフォスフェート、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスフェート、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスフェート、水添ビスフェノールA・ペンタエリスリトールフォスフェートポリマーが挙げられる。
シリカ粒子を処理するための中性亜リン酸エステルとしては、下記式(2)で表されるリン酸エステルが挙げられる。
Figure 2010279856
(式(2)中、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、炭素数が1〜20の鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基、または炭素数が6〜20の芳香環を含む炭化水素基を表す。)
これらのうち、振動発生装置の耐久性を向上できるため、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、炭素数が12〜18の鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基、または炭素数が1〜10の鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基を置換基として有していてもよいフェニル基(ここで、置換基が複数あるときは、これら置換基の炭素数の合計は1〜14である。)であることが好ましく、ドデシル基、トリデシル基、オレイル基、ステアリル基、フェニル基、クレジル基、ジメチルフェニル基、ジ−t−ブチルフェニル基またはノニルフェニル基であることがより好ましい。
このような中性亜リン酸エステルとしては、具体的には、トリオレイルフォスファイト、トリクレジルフォスファイト、トリキシレニルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、トリステアリルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトが好適に用いられる。
また、上記式(2)で表される中性リン酸エステル以外の中性亜リン酸エステルも好適に用いられる。上記中性リン酸エステルとしては、たとえばトリメチロールプロパンフォスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジフォスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラフォスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4'−イソプロピリデンジフェニルジフォスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、水添ビスフェノールA・ペンタエリスリトールフォスファイトポリマーが挙げられる。
上記中性リン酸エステルは、単独で用いても二種以上組み合わせて用いてもよい。上記中性亜リン酸エステルについても同様である。また、中性リン酸エステルの一種または二種以上と、中性亜リン酸エステルの一種または二種以上とを組み合わせて用いてもよい。
中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理されるシリカ粒子は、湿式シリカ、乾式シリカおよび溶融シリカの粒子のいずれであってもよい。
シリカ粒子は、アスペクト比は0.5以上であることが好ましい。アスペクト比がこの範囲にあると、振動発生装置の耐久性を向上できる。なお、アスペクト比は、粒子の形状指数の一つで、粒子の二次元投影像の長径と短径との比(短径/長径)であり、フロー式粒子像分析装置により測定される。また、シリカ粒子のアスペクト比は、製造されたシリカについて加温操作を行うことで調整できる。
また、シリカ粒子として、ガラスファイバーを砕いた円柱状シリカを用いてもよい。この場合は、振動発生装置の耐久性の観点から、アスペクト比は0.5以下であることが好ましい。
シリカ粒子の粒径は、固定子体および可動子体の表面の凹凸や固定子体および可動子体の隙間に応じて、適宜選択することができる。
実施形態1の振動発生装置においては、以下のようにして、上記摺動部を形成する固定子ブロックと可動子ブロックとの間に、上記処理済シリカ粒子を存在させる。
まず、工程[1](処理済シリカ粒子含有組成物を製造する工程[1])において、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子を含む混合物を調製する。なお、本明細書において、中性リン酸エステルおよび中性亜リン酸エステルを併せて単に「リン酸エステル」ともいう。
溶媒としては、炭化水素、エーテルが挙げられる。これらを用いると、摺動部での錆の発生が抑えられる。
炭化水素としては、具体的には、
ヘキサン、イソヘキサン、オクタン、ヘプタン、イソヘプタン、ノナン、デカン、ウンデカン、トリデカン等の直鎖状飽和炭化水素;
枝分かれのあるメチルブタン、イソペンタン、ネオペンタン、イソヘキサン、2.4−ジメチルヘキサン、2,3,6−トリメチルヘプタン等の分岐状飽和炭化水素;
上記直鎖状または分岐状飽和炭化水素の一部が不飽和結合で形成された不飽和炭化水素;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、1,3−シクロヘキサンジエン等の環式炭化水素;
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;
インデン、ナフタレン、フェナントレン等の縮合多環式炭化水素;
スピロ(4,4)ノナン等のスピロ炭化水素などの化合物が挙げられる。
エーテルとしては、上記炭化水素化合物の一部にエーテル結合を有する化合物が挙げられる。たとえば、ジエチルエーテル、メチルブチルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルメチルエーテル、ジオキサン、オキソラン、1,3−ジオキソラン、ピラン、2−オクチルフランなどの化合物が挙げられる。
これらのうちで、揮発性であり、かつ長鎖アルキル基を有するリン酸エステルの溶解性に優れるため、ヘキサンが好適に用いられる。
上記炭化水素は、単独で用いても二種以上組み合わせて用いてもよい。上記エーテルについても同様である。また、炭化水素の一種または二種以上と、エーテルの一種または二種以上とを組み合わせて用いてもよい。
リン酸エステルは、上記溶媒100質量部に対して、0.75質量部以上の量で配合して混合物を得ることが好ましい。リン酸エステルの量について上限は特に制限されず、溶解できる量で配合されていればよい。なお、二種以上のリン酸エステルを組み合わせて用いるときは、上記量は二種以上のリン酸エステルの合計量である。また、シリカ粒子は、上記溶媒に対して、リン酸エステルがシリカ粒子の周りを十分覆っても、混合物中にフリーのリン酸エステルが余る状態となるような量で配合して、混合物を得ることが好ましい。上記成分を上記量で配合すると、リン酸エステルで十分覆われた処理済シリカ粒子が得られる。このような処理済シリカ粒子によれば、固定子ブロックと可動子ブロックとの摺動抵抗をより小さくできる。
なお、リン酸エステルおよびシリカ粒子について、上記溶媒に対して、リン酸エステルがシリカ粒子の周りを十分覆っても、混合物中にフリーのリン酸エステルが余るような量で配合されているか否かは、後述するように処理済シリカ粒子を分離する際の上澄み液にリン酸エステルが含まれているか否かにより判断できる。
シリカ粒子を処理するためには、上記成分を配合した混合物を常温で放置するのみでよいが、混合物に対して常温で攪拌したり超音波をかけたりしてもよい。
次いで、上記混合物から上記処理済シリカ粒子を分離する。詳細には、たとえば、ろ過または遠心分離により上記混合物から処理済シリカ粒子を分離し、分離された処理済シリカ粒子を上記溶媒で洗浄する。
次いで、上記処理済シリカ粒子と溶媒とを混合して処理済シリカ粒子含有組成物を得る。溶媒としては、上述した溶媒が挙げられる。これらのうちで、工程[2]において常温で蒸発できることを考慮して、ノナン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、ベンゼン等の炭化水素およびジエチルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルメチルエーテル等のエーテルなど、沸点が130℃以下の溶媒が好適に用いられる。あるいは、工程[2]において120〜150℃の熱風で蒸発できることを考慮して、n−デカン(沸点174℃)など沸点が180℃以下の溶媒が好適に用いられる。
処理済シリカ粒子は、上記溶媒に対して適切な量で混合して処理済シリカ粒子含有組成物を得ることが好ましい。処理済シリカ粒子の量があまりにも多いと、工程[2]において、処理済シリカ粒子含有組成物が適切に塗布できない場合がある。すなわち、処理済シリカ粒子が重なりあった状態で厚く塗布される場合がある。
なお、上記処理済シリカ粒子含有組成物は、実質的に処理済シリカ粒子と溶媒とからなることが好ましい。上記手順により組成物を作製すると、通常実質的に処理済シリカ粒子と溶媒とからなる処理済シリカ粒子含有組成物が得られる。
次に、工程[2](摺動部に処理済シリカ粒子を存在させる工程[2])において、固定子体および可動子体の一方に、工程[1]で得られた処理済シリカ粒子含有組成物を塗布する。塗布は、刷毛塗りによって行っても、固定子体または可動子体を組成物に浸漬することによって行ってもよい。
次いで、上記溶媒を蒸発させた後、他方を載せ置く。溶媒の蒸発は、15〜25℃で行ってもよく、15〜25℃の風を当てながら行ってもよい。この場合は、上述したように、処理済シリカ粒子含有組成物の調製の際に、沸点が130℃以下の溶媒を用いることが好ましい。また、溶媒の蒸発は、120〜150℃の熱風を当てながら行ってもよい。この場合は、上述したように、処理済シリカ粒子含有組成物の調製の際に、沸点が180℃以下の溶媒を用いることが好ましい。このような溶媒は、120〜150℃の熱風を当てると通常30分以内で蒸発する。
このようにして、上記摺動部を形成する固定子ブロック10と可動子ブロック20との間に処理済シリカ粒子51を存在させる(図18−1参照)。詳細には、処理済シリカ粒子51では、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステル52が、シリカ粒子53の周囲を覆うように付着していると考えられる。このような処理済シリカ粒子51が摺動部に存在していると、振動発生装置を駆動したときに、固定子ブロック10と可動子ブロック20との間の摺動抵抗が抑えられ、両者が摺動できる。すなわち振動が発生できる。したがって、振動発生装置において、固定子ブロック10と可動子ブロック20との間の距離を詰めて両者が接するように配置することが可能となり、振動発生装置の薄型化が実現できる。さらに、この振動発生装置を携帯型電子機器に設けられるタッチパネル方式のキーシートに採用すると、キーシート全体の薄型化が実現できる。
また、実施形態1の振動発生装置においては、処理済シリカ粒子を含む混合物を一度調製し、上記混合物から処理済シリカ粒子を分離し、上記処理済シリカ粒子を溶媒に再分散させて処理済シリカ粒子含有組成物を得る手法(手法1)に限らず、処理済シリカ粒子を含む処理済シリカ粒子含有組成物を一度で調製する手法(手法2)を採用して、上記摺動部を形成する固定子ブロックと可動子ブロックとの間に、上記処理済シリカ粒子を存在させてもよい。以下、手法2について、工程[1]および[2]を説明する。
手法2では、まず、工程[1](処理済シリカ粒子含有組成物を製造する工程[1])において、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子を含む処理済シリカ粒子含有組成物を得る。すなわち、処理済シリカ粒子を溶媒に再分散させて処理済シリカ粒子含有組成物を得る手法1とは異なり、処理済シリカ粒子を適切な量で含む処理済シリカ粒子含有組成物を一度で調製する。
溶媒については、手法1と同様の溶媒が挙げられる。これらのうちで、工程[2]において常温で蒸発できることを考慮して、ノナン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、ベンゼン等の炭化水素およびジエチルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルメチルエーテル等のエーテルなど、沸点が130℃以下の溶媒が好適に用いられる。あるいは、工程[2]において120〜150℃の熱風で蒸発できることを考慮して、n−デカン(沸点174℃)など沸点が180℃以下の溶媒が好適に用いられる。
リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とは、リン酸エステルで十分覆われた処理済シリカ粒子を含む処理済シリカ粒子含有組成物が一度で調製できるような量で用いる。すなわち、リン酸エステルは、シリカ粒子を十分覆い、かつ、余剰がでない量で用いる。
なお、リン酸エステルおよびシリカ粒子について、上記溶媒に対して、リン酸エステルがシリカ粒子の周りを十分覆い、かつ、余剰がでない量で配合されているか否かは、上澄み液にフリーのリン酸エステルが含まれているか否かにより判断できる。
シリカ粒子を処理するためには、上記成分を配合した混合物を常温で放置するのみでよいが、混合物に対して常温で攪拌したり超音波をかけたりしてもよい。
次に、工程[2](摺動部に処理済シリカ粒子を存在させる工程[2])において、固定子体および可動子体の一方に、工程[1]で得られた処理済シリカ粒子含有組成物を塗布する。次いで、上記溶媒を蒸発させた後、他方を載せ置く。工程[2]については、手法1の工程[2]と同様である。
この場合も、上記摺動部を形成する固定子ブロック10と可動子ブロック20との間に処理済シリカ粒子51が存在する(図18−1参照)。詳細には、処理済シリカ粒子51では、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステル52が、シリカ粒子53の周囲を覆うように付着していると考えられる。このため、手法1と同様の効果が得られる。
(実施形態2の振動発生装置)
実施形態2の振動発生装置においては、上記摺動部を形成する固定子ブロックと可動子ブロックとの間に、上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子とともに、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルがさらに存在する。フリーのリン酸エステルも存在していると、振動発生装置の耐久性をより向上できる。
シリカ粒子を処理するための中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルならびにシリカ粒子については、実施形態1と同様である。
実施形態2の振動発生装置においては、以下のようにして、上記摺動部を形成する固定子ブロックと可動子ブロックとの間に、上記処理済シリカ粒子およびリン酸エステルを存在させる。
まず、工程[1’](処理済シリカ粒子含有組成物を製造する工程[1’])において、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子を含む混合物を調製する。
溶媒については、実施形態1と同様である。
リン酸エステルは、上記溶媒100質量部に対して、0.75質量部以上の量で配合して混合物を得ることが好ましい。リン酸エステルの量について上限は特に制限されず、溶解できる量で配合されていればよい。なお、二種以上のリン酸エステルを組み合わせて用いるときは、上記量は二種以上のリン酸エステルの合計量である。また、シリカ粒子は、上記溶媒に対して、リン酸エステルがシリカ粒子の周りを十分覆っても、混合物中にフリーのリン酸エステルが余る状態となるような量で配合して、混合物を得ることが好ましい。上記成分を上記量で配合すると、リン酸エステルで十分覆われた処理済シリカ粒子が得られる。このような処理済シリカ粒子によれば、固定子ブロックと可動子ブロックとの摺動抵抗をより小さくできる。
なお、リン酸エステルおよびシリカ粒子について、上記溶媒に対して、リン酸エステルがシリカ粒子の周りを十分覆っても、混合物中にフリーのリン酸エステルが余るような量で配合されているか否かは、後述するように処理済シリカ粒子を分離する際の上澄み液にリン酸エステルが含まれているか否かにより判断できる。
シリカ粒子を処理するためには、上記成分を配合した混合物を常温で放置するのみでよいが、混合物に対して常温で攪拌したり超音波をかけたりしてもよい。
次いで、上記混合物から上記処理済シリカ粒子を分離する。詳細には、たとえば、ろ過または遠心分離により上記混合物から処理済シリカ粒子を分離し、分離された処理済シリカ粒子を上記溶媒で洗浄する。
次いで、上記処理済シリカ粒子と中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルと溶媒とを混合して処理済シリカ粒子含有組成物を得る。溶媒としては、上述した溶媒が挙げられる。これらのうちで、工程[2’]において常温で蒸発できることを考慮して、ノナン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、ベンゼン等の炭化水素およびジエチルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルメチルエーテル等のエーテルなど、沸点が130℃以下の溶媒が好適に用いられる。あるいは、工程[2’]において120〜150℃の熱風で蒸発できることを考慮して、n−デカン(沸点174℃)など沸点が180℃以下の溶媒が好適に用いられる。
処理済シリカ粒子は、上記溶媒に対して適切な量で混合して処理済シリカ粒子含有組成物を得ることが好ましい。処理済シリカ粒子の量があまりにも多いと、工程[2’]において、処理済シリカ粒子含有組成物が適切に塗布できない場合がある。すなわち、処理済シリカ粒子が重なりあった状態で厚く塗布される場合がある。リン酸エステルの量については特に制限されず、溶解できる量で配合されていればよい。
なお、上記処理済シリカ粒子含有組成物は、実質的に処理済シリカ粒子とフリーのリン酸エステルと溶媒とからなることが好ましい。上記手順により組成物を作製すると、通常実質的に処理済シリカ粒子とフリーリン酸エステルと溶媒とからなる処理済シリカ粒子含有組成物が得られる。
次に、工程[2’](摺動部に処理済シリカ粒子およびリン酸エステルを存在させる工程[2’])において、固定子体および可動子体の一方に、工程[1’]で得られた処理済シリカ粒子含有組成物を塗布する。塗布は、刷毛塗りによって行っても、固定子体または可動子体を組成物に浸漬することによって行ってもよい。
次いで、上記溶媒を蒸発させた後、他方を載せ置く。溶媒の蒸発は、15〜25℃で行ってもよく、15〜25℃の風を当てながら行ってもよい。この場合は、上述したように、処理済シリカ粒子含有組成物の調製の際に、沸点が130℃以下の溶媒を用いることが好ましい。また、溶媒の蒸発は、120〜150℃の熱風を当てながら行ってもよい。この場合は、上述したように、処理済シリカ粒子含有組成物の調製の際に、沸点が180℃以下の溶媒を用いることが好ましい。このような溶媒は、120〜150℃の熱風を当てると通常30分以内で蒸発する。
このようにして、上記摺動部を形成する固定子ブロック10と可動子ブロック20との間に、処理済シリカ粒子51とフリーの中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステル54とを存在させる(図18−2参照)。詳細には、処理済シリカ粒子51では、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステル52が、シリカ粒子53の周囲を覆うように付着していると考えられる。このような処理済シリカ粒子51が摺動部に存在していると、振動発生装置を駆動したときに、固定子ブロック10と可動子ブロック20との間の摺動抵抗が抑えられ、両者が摺動できる。すなわち振動が発生できる。したがって、振動発生装置において、固定子ブロック10と可動子ブロック20との間の距離を詰めて両者が接するように配置することが可能となり、振動発生装置の薄型化が実現できる。さらに、この振動発生装置を携帯型電子機器に設けられるタッチパネル方式のキーシートに採用すると、キーシート全体の薄型化が実現できる。また、フリーの中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステル54は、処理済シリカ粒子含有組成物を調製する際に、処理済シリカ粒子とともに、フリーの中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルを配合することによって導入される。このような中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステル54は、摺動部のうちでも、固定子ブロック10および可動子ブロック20表面に多く存在すると考えられる。このため、さらに摺動抵抗が抑えられるとともに、固定子ブロック10および可動子ブロック20が摺動によって摩耗し難くなり、振動発生装置の耐久性をさらに向上できる。
また、実施形態2の振動発生装置においては、処理済シリカ粒子を含む混合物を一度調製し、上記混合物から処理済シリカ粒子を分離し、リン酸エステルとともに上記処理済シリカ粒子を溶媒に再分散させて処理済シリカ粒子含有組成物を得る手法(手法1)に限らず、リン酸エステルとともに処理済シリカ粒子を含む処理済シリカ粒子含有組成物を一度で調製する手法(手法2)を採用して、上記摺動部を形成する固定子ブロックと可動子ブロックとの間に、上記処理済シリカ粒子とフリーのリン酸エステルとを存在させてもよい。以下、手法2について、工程[1’]および[2’]を説明する。
手法2では、まず、工程[1’](処理済シリカ粒子含有組成物を製造する工程[1’])において、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子と、フリーの中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとを含む処理済シリカ粒子含有組成物を得る。すなわち、フリーのリン酸エステルとともに処理済シリカ粒子を溶媒に再分散させて処理済シリカ粒子含有組成物を得る手法1とは異なり、処理済シリカ粒子とフリーのリン酸エステルとを適切な量で含む処理済シリカ粒子含有組成物を一度で調製する。
溶媒については、手法1と同様の溶媒が挙げられる。これらのうちで、工程[2’]において常温で蒸発できることを考慮して、ノナン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、ベンゼン等の炭化水素およびジエチルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルメチルエーテル等のエーテルなど、沸点が130℃以下の溶媒が好適に用いられる。あるいは、工程[2’]において120〜150℃の熱風で蒸発できることを考慮して、n−デカン(沸点174℃)など沸点が180℃以下の溶媒が好適に用いられる。
リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とは、リン酸エステルで十分覆われた処理済シリカ粒子と、フリーのリン酸エステルとを含む処理済シリカ粒子含有組成物が一度で調製できるような量で用いる。すなわち、リン酸エステルは、シリカ粒子を十分覆い、かつ、フリーのリン酸エステルが溶解した状態で存在する量で用いる。
なお、リン酸エステルおよびシリカ粒子について、上記溶媒に対して、リン酸エステルがシリカ粒子の周りを十分覆い、かつ、フリーのリン酸エステルが存在する量で配合されているか否かは、上澄み液にフリーのリン酸エステルが含まれているか否かにより判断できる。
シリカ粒子を処理するためには、上記成分を配合した混合物を常温で放置するのみでよいが、混合物に対して常温で攪拌したり超音波をかけたりしてもよい。
次に、工程[2’](摺動部に処理済シリカ粒子およびリン酸エステルを存在させる工程[2’])において、固定子体および可動子体の一方に、工程[1’]で得られた処理済シリカ粒子含有組成物を塗布する。次いで、上記溶媒を蒸発させた後、他方を載せ置く。工程[2’]については、手法1の工程[2’]と同様である。
この場合も、上記摺動部を形成する固定子ブロック10と可動子ブロック20との間に、処理済シリカ粒子51とフリーの中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステル54とが存在する(図18−2参照)。処理済シリカ粒子51では、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステル52が、シリカ粒子53の周囲を覆うように付着していると考えられる。また、フリーの中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステル54は、摺動部のうちでも、固定子ブロック10および可動子ブロック20表面に多く存在すると考えられる。このため、手法1と同様の効果が得られる。
実施形態1および2の振動発生装置は、具体的には、横振動方式の振動発生装置であり、ヨークに巻線を巻回したコイルを有する固定子ブロックと、永久磁石にオモリを一体化した可動子ブロックとが配置されている。上記可動子ブロックは、弾性支持部材を介して、固定子ブロックと接するように摺動可能に固定されている。
上記振動発生装置の動作機構は以下の通りである。すなわち、固定子ブロックのコイルに所定の周波数を有する駆動信号を印加すると、ヨークに交互磁極が発生する。この交互磁極と可動子ブロックの永久磁石との間に発生する磁気駆動力によって摺動可能な可動子ブロックが横振動を行う。そして、可動子ブロックに一体化されたオモリによって振動が発生する。ここで、実施形態1および2の振動発生装置では、摺動部に特定の処理済シリカ粒子が存在するため、摺動抵抗が小さく、振動が発生できる。
以下、固定子ブロックおよび可動子ブロックを有する振動発生装置の一例について、詳細に説明する。
まず、図に基づいて、振動発生装置の構成を説明する。図1〜図4は振動発生装置を示す図、図5は第1のケース(以降下ケースと記す)を示す図、図6は第2のケース(以降上ケースと記す)を示す図、図7は固定子ブロックを構成するコイル体の斜視図、図8、図9、図10は、固定子ブロックを構成するコイル体およびFPC(フレキシブル・プリンテッド・サーキット)の図、図11、図12は可動子ブロックを示す図、図13はコイル体と永久磁石との位置関係の例を示す図、図14は永久磁石の他の例を示す図、図15、図16は振動発生装置の駆動動作を説明するための固定子ブロックの一部と可動子ブロックとの斜視図、図17は可動子ブロックの他の例を示す図である。
図1は振動発生装置を示す図であり、図1(a)は斜視図、図1(b)は図1(a)に示す振動発生装置の上ケースを外した状態を示す斜視図である。図1に示すように、振動発生装置1は、下ケース2、上ケース3により構成される扁平なケース体の内部に後述する振動発生装置の本体部分が収納され、その一端から外部回路との接続を行うためのFPC5(フレキシブル・プリンテッド・サーキット)が引き出されている。なお、ケース上面に設けられたピン6a、6bは後述するコイル体をケースに固定しているピンである。また、下ケース2および上ケース3には係合固定するためのスナップフィット用の窓9aおよび爪9bが設けられている。
図2は図1に示す振動発生装置1の上ケース3を取り外し振動発生装置1の本体部分が見えるようにした平面図である。ここでは、下ケース2、コイル体11およびFPC5から構成される固定子ブロック10(ヨークに巻線を巻回したコイルを有する固定子ブロック)と可動子ブロック20(永久磁石にオモリを一体化した可動子ブロック)とが見えるようになっている。詳細には、図2に示すように下ケース2の長辺部2aの方向に対して固定子ブロック10を構成するコイル体11と可動子ブロック20とが並べて配置されている。そしてコイル体11は2本のピン6a、6bによって下ケース2および上ケース3に固定されている。可動子ブロック20は下ケース2の短辺部2b近傍の側壁(実施形態では長辺部2aの側壁)に一端が固定されている2個のバネ体(弾性支持部材)4a、4bに固着される。またFPC5はコイル体11に固定された状態で下ケース2の角部から外側に延出している。
図3は図2に示す振動発生装置1のA−A断面図であり、下ケース2に対する可動子ブロック20の固定状態を示している。すなわち、下ケース2の短辺部2bの中間位置から延在した2個のバネ体4a、4bに可動子ブロック20の支持板25が固着される。これにより、可動子ブロック20は下ケース2に接した状態でバネ支持されている。この結果可動子ブロック20は下ケース2内において長辺部2aに沿った方向に振動(摺動)することができる。いいかえると、可動子ブロック20は、固定子ブロック10と摺動可能に接するように固定されている。より具体的には、可動子ブロック20の支持板25と固定子ブロックの下ケース2とが摺動可能に接するように固定されている。そして、固定子ブロック10と可動子ブロック20とで形成される摺動部(下ケース2と支持板25との間に形成される摺動部)には、処理済シリカ粒子が存在しているか、あるいは処理済シリカ粒子およびフリーのリン酸エステルが存在している。なお、1点鎖線で示したのは上ケース3である。
図4は図2に示す振動発生装置1のB−B断面図であり、下ケース2に対するコイル体11の固定状態を示している。すなわち、下ケース2の長辺部2a側にコイル体11を構成するヨーク体12がピン6aによって固定され、このヨーク体12に対向する位置に可動子ブロック20が配置されている。そしてヨーク体12にはFPC5が接着されていて、下ケース2の長辺部2aに沿って外側に引き出されている。
図5は下ケースを示す図で、図5(a)は下ケース2の金属板材を抜き加工した、成形加工前の状態を示す展開図、図5(b)は立ち曲げ形成された下ケースの斜視図である。図5(a)に示す下ケース2の展開図の点線で示す部分は、成形加工によって立ち曲げを行うことにより図5(b)に示すように底面部2c、長辺部2a、短辺部2bを形成する。また図5(a)に示すように、一方の長辺部2aから延在して形成された2本の細長い金属板はバネ体4a、4bとなる部分である。点線で示す部分で曲げ加工を行って下ケース2のケース部分の成形を行った後に、図5(b)に示す形状に曲げ加工を行ってケース内の長辺部2aの側壁から短辺部2b近傍にバネ体4a、4bを形成する。したがって2本の細長い金属板の長さはバネ体4a、4bを形成するために必要な長さである。また、図示は省略したが図2の構成において、バネ体4a、4bの長辺部2aの側壁からの曲げ出し位置の近傍を、図3に示すように下ケース2に被せた上ケース3の長辺部3aの側壁に接触させて溶接し、この溶接する位置を調整してバネ体4a、4bのバネ力を調整することができる。さらに、底面部2cに設けられた2個の穴2dは図4に示すピン6a、6bを固定する穴である。なお下ケースの長辺部2a、短編部2bの側壁には上ケース3と係合固定するためのスナップフィット用の窓9aが設けられている。
図6は上ケースを示す図で、図6(a)は上ケース3の金属板材を抜き加工した、成形加工前の状態を示す展開図、図6(b)は立ち曲げ形成された上ケースの斜視図である。図6(a)における上ケース3の点線で示す部分は、成形加工によって立ち曲げを行うことにより図6(b)に示すように上面部3c、長辺部3a、短辺部3bを形成する。また上面部3cに設けられた2個の穴3dは図4に示すピン6a、6bを固定する穴である。なお上ケース3の長辺部3a、短編部3bの側壁には、下ケース2と係合固定するためのスナップフィット用の爪9bが設けられている。
図7は固定子ブロック10を構成するコイル体11の斜視図である。ヨーク体12には2個の巻線部12a、12bを挟んで3個の磁極部12c、12d、12eが設けられ、両端の磁極部12c、12eには固定用の穴12f、12gが設けられている。そしてヨーク体12の2個の巻線部12a、12bに、2個のコイル13、14が巻き回されてコイル体11が構成されている。上記コイル13とコイル14とは巻方向が逆で、巻数が同数である。なお、2個のコイル13、14は1本のコイルワイヤーによって巻き回されており、ヨーク体12の巻線部12aに所定の巻方向と所定の巻数でコイル13を形成した後に、コイルワイヤーを磁極部12dの外面を通過させて巻線部12bに誘引し、コイル13と巻方向が逆で、巻数が同数であるコイル14を形成している。
図8は固定子ブロック10を構成するコイル体11とFPC5の斜視図である。FPC5においては、コイル体11を固定する面に、コイル端末15a、15bの引出線を導電接着するための2個の接続電極5a、5bと外部接続用の外部接続電極5c、5dが設けられている。また図示は省略したが、FPC5の裏面側に設けられた接続配線によって接続電極5a、5bと外部接続電極5c、5dとが接続されている。
図9はFPC5が固定されたコイル体11の上面図、図10は側面図である。図9、図10に示すようにFPC5にコイル体11を両面接着シート等により固定し、コイル13、14のコイル端末の引出線を2個の接続電極5a、5bに半田付けしている。この結果コイル13、14のコイル端末の引出線は外部接続電極5c、5dに電気的に接続される。そしてコイル体11とFPC5が一体化される。
図11は可動子ブロック20の分解斜視図、図12は可動子ブロック20の完成体の斜視図である。図11に示すように永久磁石21は2個の棒状永久磁石22、23を直列に固着した長方形の永久磁石であり、4つの磁極22n、22s、23n、23sを有する。そしてオモリ24は永久磁石21および磁性体26と略等しい厚さを有し、永久磁石21、磁性体26を収納する収納凹部24aを有する。また、図12に示すように、オモリ24の収納凹部24aに永久磁石21および磁性体26を収納固着して一体化したブロックを、金属板材からなる支持板25に固着して可動子ブロック20が完成する。
上記可動子ブロック20としては、駆動力を大きくするためには磁気特性に優れ、かつ振動出力を大きくするためには重量が大きいことが必要である。このためには、永久磁石21の材料として、磁気特性に優れかつ比重が7.4と比較的大きいネオジューム焼結合金を使用し、オモリ24の材料として、高比重材料である比重15〜18のタングステン合金を使用し、磁性体26の材料として、比重が7.85と比較的大きいSPCC(軟鉄材、軟綱材)を使用することが好ましい。永久磁石21および磁性体26に比較的比重の大きい材料を使用すれば、高価な高比重材料であるタングステン合金の使用量を削減しても、全体の重量はあまり減らない。したがって、可動子ブロック20の廉価が図られる。
次に、固定子ブロック10を構成するコイル体11と可動子ブロック20との位置関係について説明する。図13は固定子ブロックのコイル体11と可動子ブロック20との位置関係の例を示す図である。図13に示すようにコイル体11と可動子ブロック20とは、コイル体11の磁極部12c、12d、12eと可動子ブロック20の永久磁石21の磁極とを対向させて配置されている。さらに、可動子ブロック20が静止している静的安定状態における永久磁石21の両端部21a、21bはコイル体11の両端に位置する2個の磁極部12c、12eの内側端部16、17と略一致している。
この結果、可動子ブロック20が静止している静的安定状態において、永久磁石21と磁極部12c、12eとが重畳する領域がなくなる。すなわち、永久磁石21の磁極部12c、12eに対する磁気的吸引力を小さくして、可動子ブロック20の振幅量を大きくすることができる。これによりコイルに流す電流値を小さくでき、消費電力を低減できる。また、コイルの巻数を少なくできるため、装置の小型化を実現できる。さらに、永久磁石21の両端の外側にオモリ24を配置できるため、可動子ブロック20の重量を大きくして、駆動力を大きくすることができる。この結果、磁気特性に優れ、かつ振動出力の大きい横振動方式の振動発生装置を実現することができる。
図14は永久磁石の他の例を示す図である。図14に示すように、永久磁石41は、コイル体11の中央付近の磁極部12dに対応する位置、すなわち2個の棒状永久磁石42と棒状永久磁石43との境界付近に非着磁領域45を設けたものである。なお、永久磁石41の両端部41a、41bは、コイル体11の両端に位置する2個の磁極部12c、12eの内側端部16、17と略一致している。この非着磁領域45を設けることにより、可動子ブロックの静的安定状態において永久磁石41の磁極部12dに対する磁気的吸引力を小さくできる。したがって、この例では、図13に示す永久磁石21の例に比較して可動子ブロック20の振幅量をより大きくすることができる。
また、この非着磁領域45の大きさdを調節することによって、可動子ブロックの静的安定状態における上記磁気的吸引力を制御できる。この結果、可動子ブロックの振動の振幅量を調節することができる。なお、非着磁領域45は、着磁が小さい弱着磁領域としてもよく、この場合も同様の効果が得られる。
次に、固定子ブロック10と可動子ブロック20とを有する横振動方式の振動発生装置1の動作を説明する。図15および図16は振動発生装置1の駆動動作を示すための図であって、固定子ブロック10を構成するコイル体11と可動子ブロック20の斜視図である。図15と図16とはコイル13、14に流れる電流が逆向きになった状態を示している。図15および図16において図2に示すように、下ケース2の中に組み込まれたコイル体11と可動子ブロック20とは、所定の間隔を保って対向するように配置されている。これにより、コイル13と永久磁石22、23による第1磁気回路L1と、コイル14と永久磁石22、23による第2磁気回路L2とが構成されている。
そしてコイル13の端末15aに接続された端子T1(外部接続端子5cに接続されている)とコイル14の端末15bに接続された端子T2(外部接続端子5dに接続されている)とに駆動信号が供給されていない状態においては、コイル体11の磁極部と可動子ブロック20における永久磁石21の磁極との間には静的な保持力が働いて静止している。具体的には、永久磁石22の磁極22sとヨーク体12の磁極部12c、12dとの間、および永久磁石23の磁極23nとヨーク体12の磁極部12d、12eとの間で吸引力が働いて静止している。
図15に示すように、上記の静止状態から端子T1にプラス(+)電圧、端子T2にマイナス(−)電圧を供給すると、上述のようにコイル13とコイル14とは逆方向に巻かれているので、矢印で示すように、コイル13にはP1方向の電流が流れ、コイル14には逆向きのP2方向の電流が流れる。このコイル13の電流によって磁極部12cにはN極、磁極部12dにはS極が発生し、永久磁石22、23と磁性体26との間に第1磁気回路L1が構成される。この第1磁気回路L1の磁気駆動力によってコイル体11と可動子ブロック20との間には矢印F1方向の駆動力が発生する。したがって、図2に示すバネ体4a、4bによって保持された可動子ブロック20は矢印F1方向に駆動力を受けて移動する。
次いで、図16に示すように、端子T1とT2との供給電圧を反転させ、端子T1にマイナス(−)電圧、端子T2にプラス(+)電圧を供給すると、矢印で示すように、コイル13にはP2方向の電流が流れ、コイル14には逆向きのP1方向の電流が流れる。このコイル14の電流によって磁極部12eにはS極、磁極部12dにはN極が発生し、永久磁石22、23と磁性体26との間に第2磁気回路L2が構成される。この第2磁気回路L2の磁気駆動力によってコイル体11と可動子ブロック20との間には矢印F2方向の駆動力が発生する。したがって、図2に示すバネ体4a、4bによって保持された可動子ブロック20は矢印F2方向に駆動力を受けて移動する。
このように、端子T1と端子T2との間に、極性が反転する交互駆動電圧(正弦波または矩形波等)を一定周期で印加すると、可動子ブロック20は交互駆動電圧の周期で振動する(このとき、固定子ブロック10の下ケース2と可動子ブロック20の支持板25とは摺動している。)。そして可動子ブロック20の振動は、下ケース2と上ケース3によって構成されるケース体を介して外部に伝えられる。
図17は可動子ブロックの他の例を示す斜視図である。図17の可動子ブロックの斜視図は、図12の可動子ブロックの斜視図に対応するものであり、同一要素には同一番号を付し重複する説明を省略する。図17に示す可動子ブロック30の構成が図12に示す可動子ブロック20の構成と異なるところはオモリ34と磁性材36の構成である。すなわち可動子ブロック20のオモリ24と磁性体26とが略長方形の一体構成となっているのに対し、可動子ブロック30のオモリ34は二体構成となっている。また磁性体36は幅広の矩形形状となって二体構成のオモリ34の間に配置されている。このように可動子ブロック30の構成では、可動子ブロック20の構成に比べて、オモリ34の容積が大きい。したがって可動子ブロック30の質量が増加し、共振周波数が調整されることにより、触感の変化が得られる。なお、可動子ブロック30と固定子ブロックのコイル体11との位置関係については、図13に示した例と同様であり説明は省略する。
なお、上記振動発生装置の例においては、可動子ブロックを支持するバネ体を下ケースの抜き加工時に、下ケースの側壁に一体的に形成する例で説明したが、この例に限定されない。たとえば屈曲して形成された金属製のバネ体を下ケースの側壁部と可動子ブロックの端部に、それぞれ固着して形成してもよい。
従来の振動発生装置では、固定子体と可動子体と(たとえば下ケース2と支持板25と)は、所定の間隔を保って揺動可能なように配置する必要がある。これは摺動抵抗を抑え、振動を発生させるためであるが、上記間隔により振動発生装置の厚みは大きくなる。これに対して、上記振動発生装置の例においては、固定子体と可動子体との間に、処理済シリカ粒子を存在させることにより、固定子ブロックと可動子ブロックとを接するように配置できる(図3参照)。これは処理済シリカ粒子により摺動抵抗が抑えられ、振動が発生できるためである。このように、上記振動発生装置では、厚みが薄くなっており、小型化が実現されている。また、固定子体と可動子体とにより形成される摺動部にフリーのリン酸エステルがさらに存在していると、さらに摺動抵抗が抑えられるとともに、振動発生装置の耐久性が向上する。
上記効果に加えて、上記振動発生装置の例においては、コイル体は2個の巻線部を挟んで3個の磁極部が直列に接続された形状を有し、また可動子ブロックは永久磁石と磁性材と高比重材料とを平面的に一体化した構成を有しており、コイル体と可動子ブロックとを平面的に並べて配置している。これにより、厚みをさらに薄くでき、図1に示すような扁平型のケース体に収納することができる。いいかえると、上記振動発生装置の例で説明した構成を採用することにより、振動発生装置をより小型化できる。
また、可動子ブロックの静的安定状態において、永久磁石の両端とコイル体の両端に位置する2個の磁極部の内側端部とが略一致する構成によって、可動子ブロックの振幅量を大きくできる。さらに、永久磁石を構成する2個の棒状永久磁石の境界付近に非着磁領域または着磁が小さい弱着磁領域を設けることによって、可動子ブロックの振幅量をより大きくできる。この結果、消費電力を低減できるとともに、さらなる小型化を実現できる。
なお、非着磁領域または弱着磁領域の大きさを調節して、可動子ブロックの静的安定状態における永久磁石の磁極部に対する磁気的吸引力を制御することができる。この結果、可動子ブロックの振動量を調節できる。
さらに、可動子ブロックを摺動可能に支持するバネ体を、板金加工によるケース体の側壁部に一体的に構成することによって、別部材によるバネ体が不要となる。またバネ体の形状加工およびケース体に対する位置出しが容易となる。したがって、バネ体を一体的に構成すると、振動発生装置のコストダウンに大きく貢献する。さらに図2の構成においてバネ体4a、4bの一部を上ケース3の長辺部に溶接する位置を調整すれば、バネ体のバネ力を可変することができる。したがって、曲げ加工によって形成したバネ体のバネ力のバラツキを修正することが可能となり、品質の安定した振動発生装置を量産できる。
<その他の装置>
本発明に係るその他の装置は、固定子体と可動子体とにより形成される摺動部を有する装置である。固定子体および可動子体は、金属部材からなる。なお、固定子体および可動子体を構成する部材としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂などの樹脂上に、蒸着により金属層やITO層を設けた部材を用いてもよい。
上記その他の装置においては、上記摺動部を形成する固定子体と可動子体との間に、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子が存在する。上記摺動部を形成する固定子体と可動子体との間に処理済シリカ粒子を存在させる点について、詳細には、上述した実施形態1の振動発生装置の場合と同様である。このような構成を採用すると、振動発生装置において説明した機構により、固定子体と可動子体との間の摺動抵抗が抑えられ、両者が摺動できる。
上記その他の装置においては、上記摺動部を形成する固定子体と可動子体との間に、上記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子とともに、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルがさらに存在していてもよい。上記摺動部を形成する固定子体と可動子体との間に処理済シリカ粒子とともに、フリーの中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルを存在させる点について、詳細には、上述した実施形態2の振動発生装置の場合と同様である。このような構成を採用すると、振動発生装置において説明した機構により、固定子体と可動子体との間の摺動抵抗が抑えられ、両者が摺動できる。また、フリーの中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルが存在していると、さらに摺動抵抗が抑えられるとともに、固定子ブロックおよび可動子ブロックが摺動によって摩耗し難くなり、装置の耐久性を向上できる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1−1]
<処理済シリカ粒子含有組成物を製造する工程[1’]>
ヘキサンに対して、トリオレイルフォスファイトおよびシリカ粒子(平均粒径6μm)を配合し、常温で攪拌した。ここで、ヘキサン100質量部に対して、トリオレイルフォスファイトを0.75質量部の量で配合し、常温で攪拌した。これにより、処理済シリカ粒子と、フリーのトリオレイルフォスファイトと、溶媒とからなる処理済シリカ粒子含有組成物が得られた。
なお、リン酸エステルおよびシリカ粒子について、上記溶媒に対して、リン酸エステルがシリカ粒子の周りを十分覆い、かつ、フリーのリン酸エステルが溶解した状態で存在する量で配合されているか否かは、上澄み液にフリーのリン酸エステルが含まれているか否かにより判断した。
<摺動部に処理済シリカ粒子およびリン酸エステルを存在させる工程[2’]>
本実施例においては、工程[1’]で得られた処理済シリカ粒子含有組成物を用いて、図1に示す振動発生装置1を作製した。まず、固定子ブロック10の下ケース2(底面部2c)に、スポイトを用いて上記処理済シリカ粒子含有組成物を塗布した(図1〜3参照)。次いで、ヘキサンを蒸発させた後、可動子ブロック20を載せ置き、摺動可能なように固定した(図1〜3参照)。次に、上述したように、振動発生装置1を完成させた。
[実施例1−2〜1−4]
シリカ粒子として、平均粒径6μmのシリカ粒子の変わりに、それぞれ平均粒径15μm、30μm、40μmのシリカ粒子を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、振動発生装置1を完成させた。
[実施例1−5〜1−7]
中性リン酸エステルとして、トリオレイルフォスファイトの変わりに、それぞれトリオレイルフォスフェート、トリステアリルフォスファイト、トリステアリルフォスフェートを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、振動発生装置1を完成させた。
実施例1−1〜1−7において、上記のようにして、上記摺動部を形成する固定子ブロック10と可動子ブロック20との間に、処理済シリカ粒子とフリーの中性リン酸エステルとを存在させた(図18−2参照)。具体的には、処理済シリカ粒子では、中性リン酸エステルが、シリカ粒子の周囲を覆うように付着していたと考えられる。また、フリーの中性リン酸エステルは、摺動部のうちでも、固定子ブロック10および可動子ブロック20表面に多く存在していたと考えられる。
[実施例2−1]
<処理済シリカ粒子含有組成物を製造する工程[1]>
まず、ヘキサンに対して、トリオレイルフォスファイトおよびシリカ粒子(平均粒径30μm)を配合し、常温で攪拌した。ここで、ヘキサン100質量部に対して、トリオレイルフォスファイトを5質量部の量で配合した。これにより、トリオレイルフォスファイトにより処理された処理済シリカ粒子を含む混合物を調製した。また、リン酸エステルは、シリカ粒子の周りを十分覆っても、混合物中にフリーのリン酸エステルとして余っていた。
なお、リン酸エステルおよびシリカ粒子について、上記溶媒に対して、リン酸エステルがシリカ粒子の周りを十分覆っても、混合物中にフリーのリン酸エステルが余るような量で配合されているか否かは、後述するように処理済シリカ粒子を分離する際の上澄み液にリン酸エステルが含まれているか否かにより判断した。
次いで、遠心分離により、上記混合物から上記処理済シリカ粒子を分離した。分離された処理済シリカ粒子をヘキサンで洗浄した。
次に、上記処理済シリカ粒子とヘキサンとを混合して処理済シリカ粒子含有組成物を調製した。これにより、処理済シリカ粒子と溶媒とからなる処理済シリカ粒子含有組成物が得られた。
<摺動部に処理済シリカ粒子を存在させる工程[2]>
本実施例においては、工程[1]で得られた処理済シリカ粒子含有組成物を用いて、図1に示す振動発生装置1を作製した。まず、固定子ブロック10の下ケース2(底面部2c)に、スポイトを用いて上記処理済シリカ粒子含有組成物を塗布した(図1〜3参照)。次いで、ヘキサンを蒸発させた後、可動子ブロック20を載せ置き、摺動可能なように固定した(図1〜3参照)。次に、上述したように、振動発生装置1を完成させた。
[実施例2−2]
シリカ粒子として、平均粒径30μmのシリカ粒子の変わりに、平均粒径40μmのシリカ粒子を用いた以外は、実施例2−1と同様にして、振動発生装置1を完成させた。
[実施例2−3〜2−5]
中性リン酸エステルとして、トリオレイルフォスファイトの変わりに、それぞれトリオレイルフォスフェート、トリステアリルフォスファイト、トリステアリルフォスフェートを用いた以外は、実施例2−1と同様にして、振動発生装置1を完成させた。
実施例2−1〜2−5において、上記のようにして、上記摺動部を形成する固定子ブロック10と可動子ブロック20との間に、処理済シリカ粒子を存在させた(図18−1参照)。具体的には、処理済シリカ粒子では、中性リン酸エステルが、シリカ粒子の周囲を覆うように付着していたと考えられる。
[実施例3−1]
<処理済シリカ粒子含有組成物を製造する工程[1’]>
まず、ヘキサンに対して、トリオレイルフォスファイトおよびシリカ粒子(平均粒径30μm)を配合し、常温で攪拌した。ここで、ヘキサン100質量部に対して、トリオレイルフォスファイトを5質量部の量で配合した。これにより、トリオレイルフォスファイトにより処理された処理済シリカ粒子を含む混合物を調製した。また、リン酸エステルは、シリカ粒子の周りを十分覆っても、混合物中にフリーのリン酸エステルとして余っていた。
なお、リン酸エステルおよびシリカ粒子について、上記溶媒に対して、リン酸エステルがシリカ粒子の周りを十分覆っても、混合物中にフリーのリン酸エステルが余るような量で配合されているか否かは、後述するように処理済シリカ粒子を分離する際の上澄み液にリン酸エステルが含まれているか否かにより判断した。
次いで、遠心分離により、上記混合物から上記処理済シリカ粒子を分離した。分離された処理済シリカ粒子をヘキサンで洗浄した。
次に、上記処理済シリカ粒子とトリオレイルフォスファイトとヘキサンとを混合して処理済シリカ粒子含有組成物を調製した。これにより、処理済シリカ粒子と、フリーのトリオレイルフォスファイトと、溶媒とからなる処理済シリカ粒子含有組成物が得られた。
<摺動部に処理済シリカ粒子およびリン酸エステルを存在させる工程[2]>
本実施例においては、工程[1’]で得られた処理済シリカ粒子含有組成物を用いて、図1に示す振動発生装置1を作製した。まず、固定子ブロック10の下ケース2(底面部2c)に、スポイトを用いて上記処理済シリカ粒子含有組成物を塗布した(図1〜3参照)。次いで、ヘキサンを蒸発させた後、可動子ブロック20を載せ置き、摺動可能なように固定した(図1〜3参照)。次に、上述したように、振動発生装置1を完成させた。
[実施例3−2]
シリカ粒子として、平均粒径30μmのシリカ粒子の変わりに、平均粒径40μmのシリカ粒子を用いた以外は、実施例3−1と同様にして、振動発生装置1を完成させた。
[実施例3−3〜3−5]
中性リン酸エステルとして、トリオレイルフォスファイトの変わりに、それぞれトリオレイルフォスフェート、トリステアリルフォスファイト、トリステアリルフォスフェートを用いた以外は、実施例3−1と同様にして、振動発生装置1を完成させた。
実施例3−1〜3−5において、上記のようにして、上記摺動部を形成する固定子ブロック10と可動子ブロック20との間に、処理済シリカ粒子とフリーの中性リン酸エステルとを存在させた(図18−2参照)。具体的には、処理済シリカ粒子では、中性リン酸エステルが、シリカ粒子の周囲を覆うように付着していたと考えられる。また、フリーの中性リン酸エステルは、摺動部のうちでも、固定子ブロック10および可動子ブロック20表面に多く存在していたと考えられる。
[比較例1]
処理済シリカ粒子含有組成物を用いなかったこと以外は、実施例1−1と同様にして、振動発生装置を製造した。
[参考例1]
処理済シリカ粒子含有組成物を用いなかったこと、固定子ブロック10の下ケース2(底面部2c)と可動子ブロック20との間に所定の間隔を設けたこと以外は、実施例1−1と同様にして、振動発生装置を製造した。すなわち、従来の振動発生装置を製造した。
[摺動性の評価]
上記のようにして製造した振動発生装置について、摺動性を評価した。具体的には、振動発生装置に通電し、摺動させ振動を発生させた。次に、通電を止め、振動が停止するまでの時間を測定した。結果を表1に示す。ここで、振動が停止するまでの時間は、参考例1の該時間を1.0としたときの値である。
Figure 2010279856
*1 比較例1は、振動発生装置に通電しても摺動せず、振動が発生しなかった。
なお、上記評価において、振動が停止するまでの時間が長いほど、摺動抵抗が小さいことを表している。また、摺動抵抗が小さいほど、装置の耐久性は高まると考えられる。
1 振動発生装置
2 下ケース
2a 長辺部
2b 短辺部
2c 底面部
2d 穴
3 上ケース
3a 長辺部
3b 短辺部
3c 上面部
3d 穴
4a、4b バネ体
5 FPC
6a、6b ピン
9a スナップフィット用の窓
9b スナップフィット用の爪
10 固定子ブロック
11 コイル体
12 ヨーク体
12a、12b 巻線部
12c、12d、12e 磁極部
12f、12g 穴
13、14 コイル
15a コイルワイヤーの一端
15b コイルワイヤーの他端
16、17 磁極部の内側端部
20、30 可動子ブロック
21、41 永久磁石
21a、21b、41a、41b 永久磁石の端部
22、23、42、43 棒状永久磁石
24、34 オモリ
25 支持板
26、36 磁性体
45 非着磁領域
51 処理済シリカ粒子
52 中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステル
53 シリカ粒子
54 フリーの中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステル

Claims (15)

  1. 固定子体と可動子体とにより形成される摺動部を有する装置であって、前記摺動部を形成する固定子体と可動子体との間に、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子が存在することを特徴とする装置。
  2. 前記摺動部を形成する固定子体と可動子体との間に、前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子とともに、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルがさらに存在することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子を含む混合物を調製し、前記混合物から前記処理済シリカ粒子を分離した後、前記処理済シリカ粒子と溶媒とを混合して処理済シリカ粒子含有組成物を得る工程[1]と、
    固定子体および可動子体の一方に、工程[1]で得られた処理済シリカ粒子含有組成物を塗布し、前記溶媒を蒸発させた後、他方を載せ置く工程[2]と
    により、前記摺動部を形成する固定子体と可動子体との間に前記処理済シリカ粒子を存在させることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  4. 前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子を含む処理済シリカ粒子含有組成物を得る工程[1]と、
    固定子体および可動子体の一方に、工程[1]で得られた処理済シリカ粒子含有組成物を塗布し、前記溶媒を蒸発させた後、他方を載せ置く工程[2]と
    により、前記摺動部を形成する固定子体と可動子体との間に前記処理済シリカ粒子を存在させることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  5. 前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子を含む混合物を調製し、前記混合物から前記処理済シリカ粒子を分離した後、前記処理済シリカ粒子と中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルと溶媒とを混合して処理済シリカ粒子含有組成物を得る工程[1’]と、
    固定子体および可動子体の一方に、工程[1’]で得られた処理済シリカ粒子含有組成物を塗布し、前記溶媒を蒸発させた後、他方を載せ置く工程[2’]と
    により、前記摺動部を形成する固定子体と可動子体との間に前記処理済シリカ粒子とともに、前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルをさらに存在させることを特徴とする請求項2に記載の装置。
  6. 前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子と前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとを含む処理済シリカ粒子含有組成物を得る工程[1’]と、
    固定子体および可動子体の一方に、工程[1’]で得られた処理済シリカ粒子含有組成物を塗布し、前記溶媒を蒸発させた後、他方を載せ置く工程[2’]と
    により、前記摺動部を形成する固定子体と可動子体との間に前記処理済シリカ粒子とともに、前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルを存在させることを特徴とする請求項2に記載の装置。
  7. 前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子を含む混合物を調製し、前記混合物から前記処理済シリカ粒子を分離した後、前記処理済シリカ粒子と溶媒とを混合して処理済シリカ粒子含有組成物を得る工程[1]と、
    固定子体および可動子体の一方に、工程[1]で得られた処理済シリカ粒子含有組成物を塗布し、前記溶媒を蒸発させた後、他方を載せ置く工程[2]と
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置の製造方法。
  8. 前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子を含む処理済シリカ粒子含有組成物を得る工程[1]と、
    固定子体および可動子体の一方に、工程[1]で得られた処理済シリカ粒子含有組成物を塗布し、前記溶媒を蒸発させた後、他方を載せ置く工程[2]と
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置の製造方法。
  9. 前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子を含む混合物を調製し、前記混合物から前記処理済シリカ粒子を分離した後、前記処理済シリカ粒子と中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルと溶媒とを混合して処理済シリカ粒子含有組成物を得る工程[1’]と、
    固定子体および可動子体の一方に、工程[1’]で得られた処理済シリカ粒子含有組成物を塗布し、前記溶媒を蒸発させた後、他方を載せ置く工程[2’]と
    を含むことを特徴とする請求項2に記載の装置の製造方法。
  10. 前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子と前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとを含む処理済シリカ粒子含有組成物を得る工程[1’]と、
    固定子体および可動子体の一方に、工程[1’]で得られた処理済シリカ粒子含有組成物を塗布し、前記溶媒を蒸発させた後、他方を載せ置く工程[2’]と
    を含むことを特徴とする請求項2に記載の装置の製造方法。
  11. 中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子を含む混合物を調製し、前記混合物から前記処理済シリカ粒子を分離した後、前記処理済シリカ粒子と溶媒とを混合して得られることを特徴とする処理済シリカ粒子含有組成物。
  12. 中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルとシリカ粒子と溶媒とを混合して、前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子を含む混合物を調製し、前記混合物から前記処理済シリカ粒子を分離した後、前記処理済シリカ粒子と中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルと溶媒とを混合して得られることを特徴とする処理済シリカ粒子含有組成物。
  13. ヨーク体にコイルを巻き回した駆動体ユニットを構成する固定子ブロックと、永久磁石にオモリを一体化した可動子ブロックとにより形成される摺動部を有する振動発生装置であって、前記摺動部を形成する固定子ブロックと可動子ブロックとの間に、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子が存在することを特徴とする振動発生装置。
  14. 前記摺動部を形成する固定子体ブロック可動子ブロックとの間に、前記中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルにより処理された処理済シリカ粒子とともに、中性リン酸エステルおよび/または中性亜リン酸エステルがさらに存在することを特徴とする請求項13に記載の振動発生装置。
  15. 請求項13または14に記載の振動発生装置を含むことを特徴とする携帯型電子機器。
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