JP2010277383A - 救急患者受入先探索システム、救急端末、医療施設端末、受入先探索サーバ及び救急患者受入先探索方法 - Google Patents

救急患者受入先探索システム、救急端末、医療施設端末、受入先探索サーバ及び救急患者受入先探索方法 Download PDF

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Abstract

【課題】患者の受入先を速やかに決定でき、また患者の症状、緊急性に応じて適切な受入先を決定する救急患者受入先探索システム、救急端末、医療施設端末、受入先探索サーバ及び救急患者受入先探索方法を提供する。
【解決手段】医療施設は、予め救急患者に対応可能であるか否かを患者受入指標としてある程度リアルタイムに更新し続ける。また、救急患者が発生した場合に、救急隊が予め分類されたトリアージコードのいずれに患者が該当するかを判定し、救急端末1の現在位置と共に救急端末1を介して受入先探索サーバ3に送信する。受入先探索サーバ3はトリアージコード・現在位置情報を基に受入先候補を探索して救急端末1に通知する。
【選択図】図5

Description

本発明は、救急患者を受け入れ可能な医療施設を抽出する救急患者受入先探索システムと方法に関する。また、本発明は、救急患者受入先探索システムに用いる救急端末、医療施設端末及び受入先探索サーバに関する。
救急隊が患者を受入先の病院まで搬送するためには、受入先の病院が速やかに決定される必要がある。しかし、救急隊が受け入れ可能な病院を探し、実際にその病院に搬送が開始されるまでに長い時間がかかっているのが現状である。
一方、近年では救急車を利用する人のモラルが低下していると言われており、緊急を要さない程度の怪我や病気の場合でも救急車を利用する患者が増えている。このため、緊急を要さない患者が病院に搬送されてしまい、緊急を要する患者の受入先が制限される、という事態が発生している。
緊急を要する患者の場合、病院に運ばれるまでの時間で生死が左右されることもあるため、速やかに受入先の病院を決定できることが強く望まれている。
他方、緊急を要さない患者が病院に搬送されてしまうことにより、緊急を要する患者の受入先が制限される事態を防止することも強く望まれている。
本発明は、患者の受入先を速やかに決定でき、また患者の症状と緊急性に応じてふさわしい受入先を決定する救急患者受入先探索システム及び救急患者受入先探索方法を提供する。また、本発明は、救急患者受入先探索システムに用いる、救急端末、医療施設端末、受入先探索サーバを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、第1の発明の救急患者受入先探索システムは、携帯・移動可能な救急端末と、救急医療施設に設置される医療施設端末と、前記救急端末及び前記医療施設端末とネットワークを介して接続され、前記救急端末の要請に応じて救急患者の受け入れ先候補の救急医療施設を探索する受入先探索サーバと、を有し、前記医療施設端末は、救急患者を現在受け入れ可能であるか否かを示す指標である患者受入指標の更新を受け付け、前記患者受入指標を前記受入先探索サーバに対して送信し、前記救急端末は、救急患者が発生した場合に、当該救急患者が位置する場所において現在位置情報を取得し、前記ネットワークを介して前記取得した現在位置情報を前記受入先サーバに送信し、前記受入先探索サーバは、前記救急医療施設の位置情報及び前記複数の救急医療施設から送信された患者受入指標を記憶しており、前記救急端末から送信された現在位置情報を基に前記救急患者の受け入れ先となる救急医療施設の候補を抽出して前記救急端末に通知する。
第2の発明の救急端末は、救急医療施設に設置される医療施設端末と、前記医療施設端末とネットワークを介して接続され、前記救急端末の要請に応じて救急患者の受け入れ先候補の救急医療施設を探索する受入先探索サーバと、を有して構成される救急患者受入先探索システムに前記ネットワークを介して接続された、救急隊が保持する救急端末であって、救急患者が発生した場合に、当該救急患者が存在する現場において現在位置情報を取得し、前記ネットワークを介して前記現在位置情報を前記受入先サーバに送信し、前記受入先探索サーバが、前記救急医療施設の位置情報及び、救急患者を現在受け入れ可能であるか否かを示す指標であり、前記救急医療施設により随時更新される患者受入指標を基に所定数抽出した前記救急患者の受け入れ先となる救急医療施設の候補を取得して出力する。
第3の発明の医療施設端末は、携帯・移動可能な救急端末と、前記救急端末とネットワークを介して接続され、前記救急端末の要請に応じて救急患者の受け入れ先候補の救急医療施設を探索する受入先探索サーバと、を有して構成される救急患者受入先探索システムに前記ネットワークを介して接続された、救急患者を受け入れ可能な救急医療施設に配置される医療施設端末であって、救急患者を現在受け入れ可能であるか否かを示す指標である患者受入指標の更新を受け付け、前記患者受入指標を前記受入先探索サーバに対して送信する。
第4の発明の受入先探索サーバは、携帯・移動可能な救急端末と、救急患者を受け入れ可能な救急医療施設に設置される医療施設端末と、を有して構成される救急患者受入先探索システムに前記ネットワークを介して接続された、前記救急端末の要請に応じて救急患者の受け入れ先候補の救急医療施設を探索する受入先探索サーバであって、前記受入先探索サーバは、前記救急医療施設の位置情報及び前記複数の救急医療施設から更新及び送信される、救急患者を現在受け入れ可能であるか否かを示す指標である患者受入指標を記憶しており、前記救急端末から送信された前記救急患者の現在位置情報を基に前記救急患者の受け入れ先となる救急医療施設の候補を所定数抽出して前記救急端末に通知する。
第5の発明の救急患者受入先探索方法は、携帯・移動可能な救急端末と、救急患者を受け入れ可能な救急医療施設に設置される医療施設端末と、前記救急端末及び前記医療施設端末とネットワークを介して接続され、前記救急端末の要請に応じて救急患者の受け入れ先候補の救急医療施設を探索する受入先探索サーバと、を有する救急患者受入先探索システムが救急患者の受入先を探索する救急患者受入先探索方法であって、前記医療施設端末が、救急患者を現在受け入れ可能であるか否かを示す指標である患者受入指標の更新を受け付け、前記患者受入指標を前記受入先探索サーバに対して送信する第1の工程と、前記救急端末は、救急患者が発生した場合に、当該救急患者が位置する場所において現在位置情報を取得する第2の工程と、前記救急端末が、前記第2の工程において取得した前記現在位置情報を前記ネットワークを介して前記受入先サーバに送信する第3の工程と、前記受入先探索サーバが、前記救急医療施設の位置情報及び前記複数の救急医療施設から送信された患者受入指標と、前記救急端末から送信された現在位置情報とを基に前記救急患者の受け入れ先となる救急医療施設の候補を所定数抽出する第4の工程と、前記受入先探索サーバが、前記第4の工程において抽出した救急医療施設の前記候補を前記救急端末に通知する第5の工程と、を有する。
本発明によれば、患者の受入先を速やかに決定でき、また患者の緊急性に応じてふさわしい受入先を決定することができる。
図1は、受入先探索システム100の構成の一例を示した図である。 図2は、救急端末1の構成の一例を示す図である。 図3は、医療施設端末2の構成の一例を示す図である。 図4は、受入先探索サーバ3の構成の一例を示す図である。 図5は、受入先探索システム100の全体的な動作例を説明するためのシーケンス図である。 図6は、A病院、B病院、C病院及びD病院から受信した患者受入指標の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態の受入先探索システム100の構成の一例を示した図である。
図1に示すように、本実施形態の受入先探索システム100は、ネットワーク4を介して接続された救急端末1、医療施設端末2、受入先探索サーバ3を有する。
ネットワーク4は、救急端末1、医療施設端末2、受入先探索サーバ3を無線或いは有線により互いの通信を可能とする電気通信網である。
本実施形態の受入先探索システム100においては、所定の地域内での救急患者対応の医療施設(救急患者を受け入れるための設備・医師を有する医療施設を指す。本発明では救急医療施設と称する)、例えば病院が患者受入可能であるか否かを、救急隊が救急端末1を介して受入先探索サーバ3に問い合わせることにより、容易に知ることができる。すなわち、受入先探索システム100は、救急医療施設に設置された医療施設端末2から所定の時間毎に救急患者への対応可否情報が更新されて受入先探索サーバ3に蓄積されることにより、受入先探索サーバ3が救急端末1からの問い合わせに答えることができるように構成されている。
所定の地域とは、例えば所定の自治体(市、県等)であってもよいが、救急患者の受入先を探索するという本実施形態の受入先探索システム100の目的を鑑みれば、日本全国、或いは近隣諸国までを対象とすることが望ましい。
救急端末1は、例えば、救急隊員が各自所持する、或いは救急車に設けられる端末装置である。
救急端末1は、例えば、GPS(Global Positioning System)機能や地図表示機能等を有するPND(Personal Navigation Device)である。救急端末1は、救急隊が保持するという用途から、携帯可能な端末装置であることが望ましい。
救急端末1の構成の一例を図2に示す。
図2は、救急端末1の構成の一例を示す図である。
図2に示すように、救急端末1は、無線通信部11、GPS通信部12、操作部13、表示部14、制御部15を有する。
無線通信部11は、アンテナ111を有し、後述する制御部15の制御に従ってネットワーク4を介して受入先探索サーバ3等と無線通信を行う。無線通信の内容等の詳細については後述する。
GPS通信部12は、GPS衛星と通信を行い、救急端末1の現在位置を示す現在位置情報を取得する。
GPS通信部12は、GPSアンテナ121を有し、GPS衛星と無線通信を行うことができる。
操作部13は、キーやボタン等、ユーザ(救急隊員等)の操作を受け付ける操作デバイスである。
表示部14は、救急端末1の現在位置等の各種情報を表示するための表示デバイスである。
制御部15は、救急端末1の各構成について統括的な制御を行う。
医療施設端末2は、例えば病院等の医療施設に設置される端末装置である。医療施設端末2は、移動または携帯する必要がないため、PC(Personal Computer)等の据え置き型端末装置であればよい。
医療施設端末2の構成の一例を図3に示す。
図3は、医療施設端末2の構成の一例を示す図である。
通信部21は、有線または無線によりネットワーク4に接続され、受入先探索サーバ3とデータの送受信を行う。
操作部22は、キーボードやマウス等、ユーザ(病院の医師等)の操作を受け付ける操作デバイスである。
表示部23は、各種情報を表示するための表示デバイスである。
制御部24は、医療施設端末2の各構成について統括的な制御を行う。
受入先探索サーバ3は、ネットワーク4を介した救急隊からの要請に応じて、各病院の救急患者受け入れ可能・不可能の状況をリアルタイムで監視し、救急患者の最適な受入先を決定する受入先探索センタに設けられるサーバ装置である。
受入先探索サーバ3の構成の一例を図4に示す。
図4は、受入先探索サーバ3の構成の一例を示す図である。
通信部31は、有線または無線によりネットワーク4に接続され、救急端末1及び医療施設端末2との通信を行う。
記憶部32は、救急端末1及び医療施設端末2から送信される各種データを記憶するためのメモリである。
操作部33は、キーボードやマウス等、ユーザ(受入先探索センタの職員等)の操作を受け付ける操作デバイスである。
表示部34は、各種情報を表示するための表示デバイスである。
制御部35は、受入先探索サーバ3の各構成について統括的な制御を行う。すなわち、記憶部32に記憶された各種データを基に、救急端末1を有する救急隊員が扱う救急患者の受入先を決定し、ネットワーク4を介して救急端末1に伝える。
なお、図1には本実施形態の受入先探索システム100の一例として、救急端末1、医療施設端末2、受入先探索サーバ3がそれぞれ1つずつある場合を示しているが、本実施形態はこれには限定されない。例えば、複数の救急端末1及び医療施設端末2により構成されてもよい。受入先探索サーバ3については、受入先の探索に用いるデータの集積化のためには1箇所のみ存在した方がよいが、複数の受入先探索サーバ3が存在しても構わない。受入先探索サーバ3が複数ある場合は、ネットワーク4等を介してこれらが接続され、データを自由に送受信できるような環境が構築されていればよい。
以下、受入先探索システム100の全体的な動作例について説明する。
まず、本実施形態の受入先探索システム100において使用されるトリアージコードについて説明する。
トリアージコードとは、患者を容態・病状等により分類するためのコードである。
トリアージコードは、例えば、「01:心臓、02:脳、03:胸部、04:腹部…」等、患部の位置によって分類したり、「01:外傷、02:疾患…」のように病状の種類によって分類したりする。上記した例の場合、「01」や「02」のような数字がトリアージコードとなる。
トリアージコードは、予め決定され、分類されていることが好ましい。そして、救急隊員が患者の症状を見て、できるだけ容易に患者を分類できるようなコードであることが好ましい。従って、トリアージコードは、実際の救命救急における緊急度等の統計的データや救急隊員の実体験等に基づき決定されることが好ましい。
上記のことを踏まえて、本実施形態の受入先探索システム100の全体的な動作例について説明する。
図5は、受入先探索システム100の全体的な動作例を説明するためのシーケンス図である。
ステップST1:
医療施設において、当直医師、当直事務員(当直医師の管理を行う人)等の医療従事者が、医療施設端末2を介して医療施設毎に患者受入指標を更新する。医療従事者は、所定の時間(例えば30分)毎に患者受入指標を更新する。
患者受入指標は、その医療施設において、救急患者を受け入れることができるか否かを示す指標である。患者受入指標は、上述したトリアージコードの区分毎に更新される。
すなわち、医療従事者は、例えばトリアージコード「01:心臓」、「02:脳」、「03:胸部」のそれぞれについて、それぞれのトリアージコードに対応する処置を行う状況が整っているか否かを患者受入指標として更新する。
患者受入指標の具体例についてはステップST3において説明する。
ステップST2:
ステップST1において医療施設端末2に入力された患者受入指標が、受入先探索サーバ3に対して送信される。
ステップST3:
受入先探索センタの受入先探索サーバ3は、ステップST2において医療施設の医療施設端末から送信された患者受入指標を受信して記憶する。
以下患者受入指標の具体例を示す。
患者受入指標は、上述したように、医療施設毎の救急患者に対するトリアージコード毎の対応可否状況を示す指標である。
図6に、A病院、B病院、C病院及びD病院から受信した患者受入指標の一例を示す。
図6は、患者受入指標を表の形式で記入した例を示している。しかし、これは一例であり、必ずしも表の形式をとる必要はない。
図6に示すように、患者受入指標は、病院毎に当直医師の在・不在、ベッドの空きの有無、救急患者に対する対応の可否を示す。患者受入指標は、それぞれの要素について○或いは×によって対応の可否を示している。
例えば、図6に示す患者受入指標の一例は、A病院では当直の医師がおりベッドも開いていて救急患者に対応可能であること、B病院では当直医師はいるがベッドが空いておらず救急患者に対応不可であることを示している。さらに図6は、C病院ではベッドは空いているが当直医師がおらず救急患者に対応不可であること、D病院では当直医師がおりベッドも空いているが、救急患者に対応不可(当直医師が他の患者に対応中である等)であることを示している。
なお、上述したように、患者受入指標は、後述するトリアージコード毎に更新される。図6に示す例は、例えばトリアージコード「01:心臓」に対応したものである。すなわち、図6に示す患者受入指標を見れば、トリアージコード「01:心臓」について処置を行う状況が整っている病院を探し出すことができるようになっている。
なお、ステップST1において医療従事者は、上述したように、所定の時間(例えば30分)毎に患者受入指標を更新しているので、受入先探索サーバ3において、ある程度リアルタイムでの各医療施設の救急患者の受入可否状況が患者受入指標に反映されることになる。
ステップST4:
救急端末1は、救急隊員によるトリアージコードの入力を受け付ける。
本ステップST4は、救急隊員が出動した際に救急隊員が保持する救急端末1により実行されるステップである。
すなわち、救急隊員は救急患者がどのトリアージコードに適合しているかを判断し、救急端末1を介してこれを入力することになる。
また、救急端末1は、トリアージコードの入力受付を完了した場合、トリアージコードの受付を完了した時間を入力完了時刻T1として記憶しておく。
ステップST5:
救急端末1は、GPS衛星と通信を行い現在位置情報を取得する。
すなわち、救急端末1のGPS通信部12が、GPS衛星と通信を行い救急端末1の現在位置に関する位置情報を取得する。
ステップST6:
救急端末1は、ステップST4及びST5において入力された、今回の出動におけるトリアージコード、入力完了時刻T1、現在位置情報を受入先探索サーバ3に対して無線送信する。
ステップST7:
受入先探索サーバ3は、ステップST6において送信されたトリアージコードに対応する患者受入指標を参照し、患者を受け入れ可能な医療施設を探し出す。
すなわち、例えば図6に示した病院毎の患者受入指標の一例の場合、A〜D病院のうちA病院のみ対応可能となっている。この場合は、受入先探索サーバ3は病院Aを受入先に決定する。
なお、実際は受入先探索サーバ3に記憶される患者受入指標は日本全国のすべての救急医療施設が更新したものであることが望ましいので、対応可能である医療施設が複数箇所探索されることが多くなると思われる。この場合は、ステップST6において送信された救急患者の現在位置情報(すなわち救急端末1の現在位置情報)を基に、最も近い位置に存在する救急医療施設を受入先として決定すればよい。
すなわち、予め受入先探索サーバ3には日本全国の救急医療施設の位置情報(経度・緯度情報)が記憶されており、ステップST6において送信された現在位置情報を基に、最も近い位置の受入可能な医療施設を探索するようにすればよい。
なお、受入先探索サーバ3は、受入先医療施設を1箇所だけ探索するのではなく、複数箇所(例えば5箇所)の受入可能な医療施設を探索してもよい。この場合、例えば患者の現在位置から最も近い順に順位を付けて所定数の医療施設を探索することができる。
ステップST8:
受入先探索サーバ3は、救急端末1に対してステップST7において探索した受入先候補の救急医療施設を通知する。
ステップST9:
救急端末1と、ステップST8において通知された受入先候補の医療施設との間で患者の受入交渉がなされる。
本ステップにおける患者の受入交渉は、例えば、ステップST8において受入先候補似関する情報を取得した救急端末1が、ネットワーク4を介して医療施設端末2と自動的に通信を行い、患者受入の承諾をとるようにしてもよいし、或いは救急端末1に表示された受入先候補を見た救急隊員達が、例えば携帯電話等により医療施設と連絡を取り、交渉するようにしてもよい。
救急端末1が自動的に交渉を行う場合は、現在位置から最も近い病院から順に交渉を行うようにすればよい。
このようにして救急患者の受け入れ先が決定され、実際に患者が救急隊員の手により医療施設に搬送される。
ステップST10:
本ステップは、ステップST9における交渉の結果、受け入れ先となった医療施設が患者を受け入れた後に実行されるステップである。
医療施設端末2は、当直医師等、医療従事者の手による患者受入履歴の更新操作を受け付ける。
患者受入履歴は、その医療施設で救急患者の受け入れが完了した場合に、医療施設端末2を介して更新される、その医療施設における救急患者の受入履歴に関する情報である。患者受入履歴は、例えば、患者の氏名、病状、処置、患者受入時刻T2等の各種情報を含む。患者受入時刻T2は、患者の受入が完了した時点で、医療施設端末2を介して入力される時刻である。
ステップST11:
医療施設端末2は、ステップST10において更新された患者受入履歴を受入先探索サーバ3に対して送信する。
ステップST12:
受入先探索サーバ3は、ステップST11において医療施設端末2から送信された患者受入履歴を記憶する。患者受入履歴は、後述する救急患者受入評価処理において使用される。
以上説明したように、本実施形態の受入先探索システム100では、医療施設が予め救急患者に対応可能であるか否かを患者受入指標としてある程度リアルタイムに更新し続ける。また、救急患者が発生した場合に、救急隊が予め分類されたトリアージコードのいずれに患者が該当するかを判定し、救急端末1の現在位置と共に救急端末1を介して受入先探索サーバ3に送信する。受入先探索サーバ3はトリアージコード・現在位置情報を基に受入先候補を探索して救急端末1に通知する。
このようにすることで、本実施形態の受入先探索システム100では、救急患者が発生した場合に、患者の受け入れ先の医療施設を探す時間が短縮され、その労力も軽減される。また、救急隊員が判定したトリアージコードにより受入先探索サーバ3における受入先探索の手間も軽減される。何故なら、トリアージコードに対応する患者受入指標のみを参照し探索すればよいからである。
また、救急端末1は現在位置情報をGPSにより取得し、これを救急患者の現在位置として使用するので、受入先探索サーバ3が受入先候補を探索する際に、搬送に要する時間が短くて済む受入先候補を抽出することができる。
さらに、救急端末1が受入先探索サーバ3の探索した受入先候補と自動的に患者受入交渉を行うこともできこの場合には、救急隊が電話等で救急医療施設と直接患者の受け入れ交渉を行う手間を軽減することができる。
さらに、入力完了時刻T1及び患者受入時刻T2が受入先探索サーバ3に送信されるので、これらの時刻を基に、救急患者が発生した年月日、季節、1日の内の時間帯、場所等による救急患者の発生頻度等の統計的データを受入先探索サーバ3上に蓄積することができる。
これにより、救急隊の救急患者発生現場までの到達時間、到達迄の移動処理(最短距離及び道のり)等を上記統計的データから容易に算出可能となり、このデータを分析することにより、全国レベルでの救急隊等の医療資源の量や配置に関して、適正か否かを分析することが可能になる。
さて、本実施形態の受入先探索システム100では、上述したように、各医療施設の医療従事者が医療施設端末2を介して患者受入指標を所定時間毎に更新し続けることが前提となっている。
従って、本実施形態の受入先探索システム100における受入先の探索精度を向上させるためには、医療施設に対して患者受入指標の更新を促進する方法が存在することが望ましい。
このため、本実施形態の受入先探索システム100では、医療施設に対して患者受入指標の更新を促進するために、救急患者受入評価処理により各医療施設の評価を行い、この評価に従って何らかの報酬を与える方法について説明する。
まず、救急患者受入評価処理について説明する。
救急患者受入評価処理では、各医療施設に対して、以下の1)〜3)の3つの要素について評価を行う。これにより、各医療施設が救急患者の受け入れをどれだけ実践しているかを定量的に評価することが可能となる。
1)受入先探索システム100に対して、患者受入指標の更新を行っているか否か
医療施設端末2を介して患者受入指標の更新を所定のペース以上で行っていれば、所定のポイントを与える。所定のペースとは、例えば15分や30分など、ある程度リアルタイム性を有する時間間隔である。
2)患者受入指標において、救急患者に対して対応可であった累積時間
各医療施設が更新した患者受入指標において、救急患者に対して対応可であった時間の総量を受入先探索サーバ3が集計し、この総量に応じて所定のポイントを与える。
3)実際に救急患者の受け入れを行った回数
各医療施設が、上記のように受入先探索システム100において患者受入指標を更新することにより、受入先探索サーバ3により救急患者の受け入れ先候補として選定され、その結果実際に救急患者を受け入れた回数に応じて所定のポイントを与える。
上記1)〜3)において、各医療施設に与えられた所定のポイントは、受入先探索サーバ3において集計される。そして、受入先探索サーバ3は、所定期間中のポイント累積量に応じて、インセンティブとして例えば保険点数(診療報酬点数)を付与するように処理を行う。すなわち、例えば、付与された保険点数は、ネットワーク4を介して受入先探索サーバ3から公的医療保険のサーバ等に通知され、公的医療保険から各医療施設に保険点数に応じた報酬が支払われる。
なお、上述したように患者受入指標更新のインセンティブとして保険点数を与える方法においては、各自治体及び国の協力が必要となる。しかし、このような方法を採用することにより、各医療施設に対して、患者受入指標の更新を促すことができるようになり、ひいては救急患者の受入先探索精度の向上にも繋がる。
なお、上述した救急患者受入評価処理においてインセンティブとして与えられる所定のポイントについては、本実施形態では特に限定しない。与えられるポイントの量は、受入先探索システム100が実用されるときの社会状況、医療制度や救急患者の発生件数、処理件数等に応じて決定されればよい。
上記3)においては、各医療施設が患者を受け入れたことを受入先探索サーバ3に通知する必要がある。この通知は、各医療施設が医療施設端末2を介して行ってもよいが、患者を搬送し医療施設への引渡しが終了した救急隊員の手により救急端末1が行うようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態の受入先探索システム100によれば、救急患者が発生した場合に、患者の症状に応じた受け入れ先の医療施設を探す時間が短縮され、その労力も軽減される。また、救急隊員が判定したトリアージコードすればよいので、トリアージコードに対応する患者受入指標のみを探索することにより受入先探索サーバ3における受入先探索の手間も軽減される。
また、救急端末1は現在位置情報をGPSにより取得し、これを救急患者の現在位置として使用するので、受入先探索サーバ3が受入先候補を探索する際に、搬送に要する時間が短い受入先候補を抽出することができる。
さらに、救急端末1が受入先探索サーバ3が探索した受入先候補と自動的に患者受入交渉を行う場合には、救急隊の手間を軽減することができるようになる。
さらに、入力完了時刻T1及び患者受入時刻T2が受入先探索サーバ3に送信されるので、これらの時刻を基に、救急患者が発生した年月日、季節、1日の内の時間帯、場所等による救急患者の発生頻度等の統計的データを受入先探索サーバ3上に蓄積することができる。
これにより、救急隊の救急患者発生現場までの到達時間、到達迄の移動処理(直線距離及び道のり)等を上記統計的データから容易に算出可能となり、このデータを分析することにより、全国レベルでの救急隊等の医療資源の量や配置に関して、適正か否かを分析することが可能になる。
さらに、医療施設端末2を介して、受け入れ後の患者の経過情報を受入先探索サーバ3が集計するようにしてもよい。救急患者の経過情報を蓄積することにより、受入先探索サーバ3は、医療施設、救急隊及び受入先探索センタによって構成される社会的インフラとしての救急医療体制のアウトカムに対する定量評価が可能となる。
また、医療施設に患者受入指標の更新を促進させるインセンティブとして、医療施設に対して救急患者受入評価を行い、評価に応じて例えば保険点数による還元を行う。このようにすることで、医療施設において患者受入指標を更新する意欲が高まり、ひいては救急患者の受入先の決定が迅速に行われるようになる。
また、上記したように救急患者受入評価に応じてインセンティブを与えるためには、全国レベルでの対応が不可欠であるが、例えば国や大きな自治体が受入先探索システム100を支援することにより、救急医療における統計的データを大量に蓄積することができ、よりよい救急医療のために当該データを使用することができるようになる。
なお、以上の実施の形態においては、患者の症状を表すためにトリアージコードを用いた例を述べたが、患者の容態・症状等を示す方法として、トリアージコード以外の他の指標を採用することも可能である。
また、患者の容態・病状等を示す情報として、血圧、脈拍等を付加することもできる。
100…受入先探索システム、1…救急端末、11…無線通信部、111…アンテナ、12…GPS通信部、121…GPSアンテナ、13…操作部、14…表示部、15…制御部、2…医療施設端末、21…通信部、22…操作部、23…表示部、24…制御部、3…受入先探索サーバ、31…通信部、32…記憶部、33…操作部、34…表示部、35…制御部、4…ネットワーク

Claims (9)

  1. 携帯・移動可能な救急端末と、
    救急医療施設に設置される医療施設端末と、
    前記救急端末及び前記医療施設端末とネットワークを介して接続され、前記救急端末の要請に応じて救急患者の受け入れ先候補の救急医療施設を探索する受入先探索サーバと、
    を有し、
    前記医療施設端末は、救急患者を現在受け入れ可能であるか否かを示す指標である患者受入指標の更新を受け付け、前記患者受入指標を前記受入先探索サーバに対して送信し、
    前記救急端末は、救急患者が発生した場合に、当該救急患者が位置する場所において現在位置情報を取得し、前記ネットワークを介して前記取得した現在位置情報を前記受入先探索サーバに送信し、
    前記受入先探索サーバは、前記救急医療施設の位置情報及び前記複数の救急医療施設から送信された患者受入指標を記憶しており、前記救急端末から送信された現在位置情報を基に前記救急患者の受け入れ先となる救急医療施設の候補を抽出して前記救急端末に通知する
    救急患者受入先探索システム。
  2. 前記医療施設端末は、救急患者を少なくとも容態・病状に応じて分類し、当該分類ごとの前記患者受入指標の入力を受け付け、
    前記救急端末は、実際の救急患者の少なくとも容態・病状に応じた前記分類をコード化した指標の入力を受け付け、前記受入先探索サーバに送信し、
    前記受入先探索サーバは、前記救急端末から送信された前記指標を基に、当該指標の分類に応じた患者受入指標を参照して受入先の救急医療を抽出する
    請求項1に記載の救急患者受入先探索システム。
  3. 前記受入先探索サーバは、前記救急端末を有する救急隊により救急患者の分類が行われ当該救急端末が前記指標の入力受付を完了した時刻である入力完了時刻と、前記救急医療施設が当該救急患者の受け入れを完了し医療施設端末が受け入れ時刻の入力受付を完了した時刻である受入時刻とを救急患者ごとに記憶して累積する
    請求項2に記載の救急患者受入先探索システム。
  4. 前記受入先探索サーバは、前記複数の救急医療施設が救急患者の受け入れに関する作業に応じた診療報酬点数を与える
    請求項1から3のいずれか一項に記載の救急患者受入先探索システム。
  5. 前記受入先探索サーバは、
    前記救急医療施設が前記患者受入指標の更新を所定時間以上続けている場合、
    或いは、当該患者受入指標において救急患者に対して対応可能である時間の量、
    或いは、実際に救急患者を受け入れた回数
    に応じて前記救急医療施設に療報酬点数を所定量与える
    請求項4に記載の救急患者時受入先探索システム。
  6. 救急医療施設に設置される医療施設端末と、
    前記医療施設端末とネットワークを介して接続され、前記救急端末の要請に応じて救急患者の受け入れ先候補の救急医療施設を探索する受入先探索サーバと、
    を有して構成される救急患者受入先探索システムに前記ネットワークを介して接続された、救急隊が保持する救急端末であって、
    救急患者が発生した場合に、当該救急患者が存在する現場において現在位置情報を取得し、前記ネットワークを介して前記現在位置情報を前記受入先サーバに送信し、
    前記受入先探索サーバが、前記救急医療施設の位置情報及び、救急患者を現在受け入れ可能であるか否かを示す指標であり、前記救急医療施設により随時更新される患者受入指標を基に所定数抽出した前記救急患者の受け入れ先となる救急医療施設の候補を取得して出力する
    救急端末。
  7. 携帯・移動可能な救急端末と、
    前記救急端末とネットワークを介して接続され、前記救急端末の要請に応じて救急患者の受け入れ先候補の救急医療施設を探索する受入先探索サーバと、
    を有して構成される救急患者受入先探索システムに前記ネットワークを介して接続された、救急患者を受け入れ可能な救急医療施設に配置される医療施設端末であって、
    救急患者を現在受け入れ可能であるか否かを示す指標である患者受入指標の更新を受け付け、前記患者受入指標を前記受入先探索サーバに対して送信する
    医療施設端末。
  8. 携帯・移動可能な救急端末と、
    救急患者を受け入れ可能な救急医療施設に設置される医療施設端末と、
    を有して構成される救急患者受入先探索システムに前記ネットワークを介して接続された、前記救急端末の要請に応じて救急患者の受け入れ先候補の救急医療施設を探索する受入先探索サーバであって、
    前記受入先探索サーバは、前記救急医療施設の位置情報及び前記複数の救急医療施設から更新及び送信される、救急患者を現在受け入れ可能であるか否かを示す指標である患者受入指標を記憶しており、前記救急端末から送信された前記救急患者の現在位置情報を基に前記救急患者の受け入れ先となる救急医療施設の候補を所定数抽出して前記救急端末に通知する
    受入先探索サーバ。
  9. 携帯・移動可能な救急端末と、救急患者を受け入れ可能な救急医療施設に設置される医療施設端末と、前記救急端末及び前記医療施設端末とネットワークを介して接続され、前記救急端末の要請に応じて救急患者の受け入れ先候補の救急医療施設を探索する受入先探索サーバと、を有する救急患者受入先探索システムが救急患者の受入先を探索する救急患者受入先探索方法であって、
    前記医療施設端末が、救急患者を現在受け入れ可能であるか否かを示す指標である患者受入指標の更新を受け付け、前記患者受入指標を前記受入先探索サーバに対して送信する第1の工程と、
    前記救急端末は、救急患者が発生した場合に、当該救急患者が位置する場所において現在位置情報を取得する第2の工程と、
    前記救急端末が、前記第2の工程において取得した前記現在位置情報を前記ネットワークを介して前記受入先サーバに送信する第3の工程と、
    前記受入先探索サーバが、前記救急医療施設の位置情報及び前記複数の救急医療施設から送信された患者受入指標と、前記救急端末から送信された現在位置情報とを基に前記救急患者の受け入れ先となる救急医療施設の候補を所定数抽出する第4の工程と、
    前記受入先探索サーバが、前記第4の工程において抽出した救急医療施設の前記候補を前記救急端末に通知する第5の工程と、
    を有する救急患者受入先探索方法。
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