JP2010277031A - 感光性フィルム - Google Patents

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武志 大橋
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Abstract

【課題】 硬化膜の光沢が少なくAOI検査機の誤認のない、高感度、且つ、めっき性、折り曲げ性、耐熱性、タック性に優れた感光性フィルムを提供する。
【解決手段】 半透明の支持体フィルム上に、(A)エチレン性不飽和基及び2つ以上の水酸基を有するエポキシアクリレート化合物と、ジイソシアネート化合物と、カルボキシル基を有するジオール化合物を反応させて得られた化合物、(B)カルボキシル基を有するバインダーポリマー、(C)黒色顔料、(D)ウレタン・不飽和オリゴマー、(E)光重合性化合物、(F)光重合開始剤、及び(G)熱硬化剤を含有する感光性樹脂組成物の層を形成した感光性フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、感光性フィルムに関する。
本発明は、フォトリソグラフィー法によってパターン形成可能なアルカリ現像型の着色感光性フィルムに関し、さらに詳しくは主にフレキシブルプリント配線板(FPC)用のソルダーレジスト、カバーレイに関するものである。また、プラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、液晶表示装置(LCD)、蛍光表示装置、画像伝達装置、混成集積回路等における構造支持体(スペーサー、リブあるいは隔壁など)、ブラックマトリックスパターン等にも応用可能である。
プリント配線板には、カメラ等の小型機器に折り曲げて組み込める事が可能なフィルム状のものが有り、これはFPCと呼ばれている。このFPCにも、はんだ付け位置の限定及び配線の保護の為にレジストが必要であり、それはカバーレイまたはカバーコートと呼ばれている。カバーレイは、接着層を有するポリイミドや、ポリエステルフィルムを所定の型に打ち抜いた後、FPC上に熱圧着等で形成され、また、カバーコートは、熱硬化や光硬化性のインクを印刷、硬化させて形成される。
FPCのはんだ付け位置の限定及び配線保護の目的に用いられるこれらのレジストには、可とう性が特に重要な特性となり、そのため、可とう性に優れるポリイミドカバーレイが多く用いられている。しかしこのカバーレイは、型抜きの為に高価な金型が必要であり、また、型抜きしたフィルムの人手による張り合わせ、接着剤のはみ出し等のため、歩留まりが悪く、製造コストが高くなり、FPC市場拡大の障害となっており、更に、近年の高密度化に対応する事が困難となっている。
そこで、写真現像法(イメージ露光に続く現像により画像を形成する方法)で、寸法精度、解像性に優れた高精度、高信頼性のカバーレイを形成する感光性樹脂組成物、特に感光性フィルムの出現が望まれてきた。この目的の為に、ソルダマスク形成用感光性樹脂組成物を用いる事が試みられた。例えば、アクリル系ポリマ及び光重合性モノマを主成分とする感光性樹脂組成物(特開昭53−56018号公報、特開昭54−1018号公報等)、耐熱性の良好な感光性樹脂組成物として、主鎖にカルコン基を有する感光性エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤を主成分とする組成物(特開昭54−82073号公報、特開昭58−62636号公報等)、エポキシ基を有するノボラック型エポキシアクリレート及び光重合性開始剤を主成分とする組成物(特開昭61−272号公報等)、安全性及び経済性に優れたアルカリ水溶液で現像可能なソルダマスク形成用感光性樹脂組成物として、カルボキシル基含有ポリマ、単量体、光重合性開始剤及び熱硬化性樹脂を主成分とする組成物(特開昭48−73148号公報、特開昭57−178237昭号公報、特開昭58−42040号公報、特開昭59−151152号公報等)などが挙げられるが、いずれも可とう性が不十分であった。
また、樹脂組成物中で顔料を使用する場合に、顔料の凝集や沈降といった問題や、写真現像法によって厚膜の着色パターンを形成する場合に、底部のレジスト硬化性を上げるため紫外線照射量を上げるとレジスト解像性が悪化するという問題が発生する。また一部のカメラモジュール基板用途に用いられるソルダマスクは、基板製造時の搬送系での衝撃等で傷を目立たなくするためや、基板出荷前の外観検査の際、AOI検査機(Automated Optical Inspection:光学式自動外観検査)の誤認を防ぐための手法として、硬化膜の光沢を少さくマット状にする事が求められている。
特開昭53−56018号公報 特開昭54−1018号公報 特開昭54−82073号公報 特開昭58−62636号公報 特開昭61−272号公報 特開昭48−73148号公報 特開昭57−178237号公報 特開昭58−42040号公報 特開昭59−151152号公報
本発明は、前述した従来の技術の欠点を解消し、硬化膜の光沢が少なく(マット状)高感度且つ、めっき性・折り曲げ性及び耐熱性・タック性に優れた感光性フィルムを提供するものである。
本発明は、〔1〕半透明の支持体フィルム上に、(A)エチレン性不飽和基及び2つ以上の水酸基を有するエポキシアクリレート化合物と、ジイソシアネート化合物と、カルボキシル基を有するジオール化合物を反応させて得られた化合物、(B)カルボキシル基を有するバインダーポリマー、(C)黒色顔料、(D)ウレタン・不飽和オリゴマー、(E)光重合性化合物、(F)光重合開始剤、及び(G)熱硬化剤を含有する感光性樹脂組成物の層を形成した感光性フィルムに関する。
また、本発明は、〔2〕前記(B)成分のカルボキシル基を有するバインダーポリマーが、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合ビニルモノマ−との共重合体ある、上記〔1〕に記載の感光性フィルムに関する。
また、本発明は、〔3〕前記(D)成分のウレタン・不飽和オリゴマーが、下記式(1)及び下記式(2)で表される繰り返し単位を有し、下記式(1)で表される繰り返し単位と下記式(2)で表される繰り返し単位とのモル比{式(1)/式(2)}が9/1〜1/9であるウレタン・不飽和オルガノオリゴマーであって、末端にヒドロキシル基を有する数平均分子量600〜1000のコポリカーボネートと有機イソシアネートとが鎖状に連結してなる数平均分子量1000〜10000のウレタンオリゴマーの末端に、更に不飽和オルガノオキシカルボニルイミド基が結合してなるウレタン・不飽和オルガノオリゴマーを含む、上記〔1〕又は〔2〕に記載の感光性フィルムに関する。
Figure 2010277031
Figure 2010277031
本発明の感光性フィルムは、硬化膜の光沢が少なく、高感度で、めっき性、折り曲げ性及び耐熱性に優れており、FPC向カバーレイ、レジスト用途、構造支持体、ブラックマトリックスパターン等に適用可能な感光性フィルムを提供でき、AOI検査機などによる検査にも対応できる。
本発明の(A)成分であるエチレン性不飽和基及び2つ以上の水酸基を有するエポキシアクリレート化合物と、ジイソシアネート化合物と、カルボキシル基を有するジオール化合物を反応させて得られた化合物としては、分子内に2つ以上の水酸基及びエチレン性不飽和基を有するエポキシアクリレート化合物と、ジイソシアネート化合物と、カルボキシル基を有するジオール化合物と、を反応させて得られるポリウレタン化合物を用いる。
ポリウレタン化合物は、上記のように、2つ以上の水酸基及びエチレン性不飽和基を有するエポキシアクリレート化合物(以下、「原料エポキシアクリレート」という)、ジイソシアネート化合物(以下、「原料ジイソシアネート」という)、並びにカルボキシル基を有するジオール化合物(以下、「原料ジオール」という)を原料成分として得られる化合物である。まず、これらの原料成分について説明する。
原料エポキシアクリレートとしては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、及びフルオレン骨格を有するエポキシ化合物等に(メタ)アクリル酸を反応させて得られる化合物等が挙げられる。
本発明における(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味する。また、エポキシアクリレートは、エポキシメタアクリレートを含むものである。
原料ジイソシアネートとしては、イソシアナト基を2つ有する化合物であれば特に制限なく適用できる。例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリデンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、アリレンスルホンエーテルジイソシアネート、アリルシアンジイソシアネート、N−アシルジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、及びノルボルナン−ジイソシアネートメチル等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
原料ジオールは、分子内に、アルコール性水酸基及び/又はフェノール性水酸基等の水酸基を2つ有するとともに、カルボキシル基を有する化合物である。水酸基としては、感光性樹脂組成物のアルカリ水溶液による現像性を良好にする観点から、アルコール性水酸基を有していることが好ましい。このようなジオール化合物としては、ジメチロールプロピオン酸及びジメチロールブタン酸等が例示できる。
次に、上述した原料成分を用いてポリウレタン化合物を製造する工程の例について説明する。
ポリウレタン化合物の製造工程では、まず、原料エポキシアクリレート及び原料ジオールを、原料ジイソシアネートと反応させる。かかる反応においては、主に、原料エポキシアクリレートにおける水酸基と原料ジイソシアネートにおけるイソシアナト基との間、及び、原料ジオールにおける水酸基と原料ジイソシアネートにおけるイソシアナト基との間で、いわゆるウレタン化反応が生じる。この反応により、例えば、原料エポキシアクリレートに由来する構造単位と、原料ジオールに由来する構造単位とが、原料ジイソシアネートに由来する構造単位を介して交互に又はブロック的に重合されたポリウレタン化合物が生じる。
このようなポリウレタン化合物としては、下記一般式(3)で表される化合物が例示できる。
Figure 2010277031

ここで、一般式(3)中、Rはエポキシアクリレートの残基、Rはジイソシアネートの残基、Rは炭素数1〜5のアルキル基、Rは水素原子又はメチル基を示す。なお、残基とは、原料成分から結合に供された官能基を除いた部分の構造をいう。また、式中に複数ある基は、それぞれ同一でも異なってもいてもよい。また、上記ポリウレタン化合物が有する末端の水酸基は、飽和若しくは不飽和多塩基酸無水物で処理されていてもよい。
上述したポリウレタン化合物の製造工程では、原料エポキシアクリレート、原料ジオール及び原料ジイソシアネート以外に、これらとは異なるジオール化合物を更に添加してもよい。これにより、得られるポリウレタン化合物の主鎖構造を変えることが可能となり、後述する酸価等の特性を所望の範囲に調整できる。また、上述した各工程では、適宜、触媒等を用いてもよい。
また、上述したポリウレタン化合物と原料エポキシとを更に反応させてもよい。この反応では、主に上記ポリウレタン化合物におけるジオール化合物に由来するカルボキシル基と、原料エポキシの有するエポキシ基との間でいわゆるエポキシカルボキシレート化反応が生じる。このようにして得られる化合物は、例えば、上述したポリウレタン化合物から形成される主鎖と、原料エポキシアクリレートや原料エポキシに由来するエチレン性不飽和基を含む側鎖とを備えるものとなる。
本実施形態のポリウレタン化合物としては、一般式(3)で表される化合物の中でも、ポリウレタンの主骨格の一つとなる原料エポキシアクリレートのハードセグメント部、すなわちRがビスフェノールA型構造のものが好ましい。このようなポリウレタン化合物は、UXE−3011、UXE−3012、UXE−3024(日本化薬株式会社製)等として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
本発明では、(B)カルボキシル基を有するバインダーポリマーを必須成分として含有する。
(B)カルボキシル基を有するバインダーポリマー(熱可塑性重合体)としては、ビニル共重合体が好ましく、ビニル共重合体に用いられる共重合性単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、スチレン/マレイン酸共重合体のハーフエステル等が挙げられる。
これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
(B)成分の重量平均分子量は、20,000〜300,000とすることが好ましい。
この重量平均分子量が、20,000未満では、フィルム性が低下する傾向があり、300,000を超えると、現像性が低下する傾向がある。
また、(B)成分のカルボキシル基含有率は、10〜50モル%であることが好ましい。
このカルボキシル基含有率が、10モル%未満では、現像性が低下する傾向があり、50モル%を超えると、パターン形成が困難となる傾向がある。
また、この(B)成分は、アルカリ水溶液に可溶又は膨潤可能であることが好ましい。
本発明で用いる(C)成分の黒色顔料としては、カーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、銅クロム系ブラック、銅鉄マンガン系ブラック、コバルト鉄クロム系ブラック、酸化ルテニウムなどが上げられる。
本発明で用いる(D)成分のウレタン・不飽和オリゴマーは、分子内にウレタン結合及びエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物である。この(D)成分は、ポリカーボネート化合物及び/又はポリエステル化合物の末端のヒドロキシル基とジイソシアネート化合物のイソシアネート基との反応に由来するウレタン結合を有し、且つ、複数の末端にイソシアネート基を有するウレタン化合物と、ヒドロキシル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物と、を反応させて得られる化合物を含むことが好ましい。なお、(D)成分を得るためには、硬化膜の外観を良好にする観点から、ポリカーボネート化合物とジイソシアネートとを反応させて得られるウレタン化合物を用いることが好ましい。
上記反応に用いられるポリカーボネート化合物としては、アルキレン基がカーボネート結合を介して主鎖に並んだ構造を有するものが挙げられる。このようなポリカーボネート化合物は公知の方法により得ることができる。例えば、ホスゲン法によりポリカーボネート化合物を得る場合は、ジオール化合物とホスゲンとを反応させる。
ジオール化合物としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチルペンタンジオール、3−メチルペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、3,3,5−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、2,3,5−トリメチル−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、ヘプタントリオール、ペンタエリスリトール等のポリオール化合物が含まれてもよい。
上記ポリカーボネート化合物のなかでも、1,6−ヘキサンジオール及び1,5−ペンタンジオールに由来する下記式(1)で表されるヘキサメチレンカーボネート及び下記式(2)で表されるペンタメチレンカーボネートを含むものが好ましい。
Figure 2010277031
Figure 2010277031
また、ポリカーボネート化合物が含有する、ヘキサメチレンカーボネート及びペンタメチレンカーボネートのモル比率は、ヘキサメチレンカーボネート(式(1))/ペンタメチレンカーボネート(式(2))=9/1〜1/9であるものが好ましい。この含有比率が上記範囲外であると、硬化膜の伸び及び強度が低下する傾向がある。
上記反応に用いられるポリエステル化合物は、多塩基酸と多価アルコールとの重縮合による公知の方法により得ることができる。多塩基酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸などの芳香族や脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールのようなグリコール類が挙げられる。
上記ポリカーボネート化合物及びポリエステル化合物の重量平均分子量(例えば、GPC測定し、ポリスチレン換算したもの)は600〜1000であるものが好ましい。この重量平均分子量が上記範囲外であると、硬化膜の伸び及び強度が低下する傾向がある。
上記反応に用いられるジイソシアネート化合物としては、例えば、アルキレン基等の2価の脂肪族基を有する脂肪族ジイソシアネート化合物、シクロアルキレン等の2価の脂環式基を有する脂環式ジイソシアネート化合物、及び芳香族ジイソシアネート化合物、並びに、これらのイソシアヌレート化変性物、カルボジイミド化変性物、及びビウレット化変性物が挙げられる。
脂肪族ジイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。脂環式ジイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシル)ジイソシアネート、1,3−又は1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンが挙げられる。芳香族ジイソシアネート化合物としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トリエンジイソシアネート又は2,6−トリエンジイソシアネートの2量化重合体、(o,p又はm)−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェイト等の2以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物が含まれていてもよい。これらのなかでも硬化膜の可とう性及び強靭性をより高水準に達成する観点から脂環式ジイソシアネート化合物が好ましく、イソホロンジイソシアネートがより好ましい。
上述のポリカーボネート化合物及び/又はポリエステル化合物とジイソシアネート化合物とを反応させることによって、ウレタン結合を有し、且つ、複数の末端にイソシアネート基を有するウレタン化合物を得ることができる。ウレタン化合物は、両末端にイソシアナート基を有しており、上記の反応においてポリカーボネート化合物及びポリエステル化合物の総量1モルに対してジイソシアネート化合物の配合量を1.01〜2.0モルとすることが好ましく、1.1〜2.0とすることがより好ましい。ジイソシアネート化合物の配合量が1.01モル未満又は2.0モルを超えると、両末端にイソシアネート基を有するウレタン化合物を安定的に得られない傾向がある。なお、ウレタン化合物を合成する反応では、触媒として、ジブチルチンジラウレートを加えることが好ましい。反応温度は60〜120℃とすることが好ましい。60℃未満であると、反応が充分に進まない傾向があり、120℃を超えると、急激な発熱により、操作が危険となる傾向がある。
上記ウレタン化合物と分子中にヒドロキシル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物とを反応させることにより、(D)成分を得ることができる。分子中にヒドロキシル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物としては、例えば、分子中にヒドロキシル基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物を挙げることできる。かかる化合物としては、例えば、ヒドロキシ(メタ)アクリレート、これのカプロラクトン付加物又は酸化アルキレン付加物、グリセリン等の多価のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物、及びグリシジル(メタ)アリレートアクリル酸付加物が挙げられる。
また、(D)成分は、上記式(1)で表される繰り返し単位と、上記式(2)で表される繰り返し単位とのモル比が{式(1)/式(2)}が9/1〜1/9であるウレタン・不飽和オルガノオリゴマーであって、末端にヒドロキシル基を有するコポリカーボネ−ト(数平均分子量:600〜1,000)と有機イソシアネ−トとが鎖状に連結してなるウレタンオリゴマー(数平均分子量:1,000〜10,000)の末端に、更に不飽和オルガノオキシカルボニルイミド基が結合してなるウレタン・不飽和オルガノオリゴマーを含有することがより好ましい。
不飽和オルガノオキシカルボニルイミド基としては、下記一般式(6)で表される基を挙げることができる。
Figure 2010277031
[一般式(6)中、R=R−基は、二重結合を1つ以上含む不飽和オルガノ基を示す。]
上記一般式(6)中のR=R−基は、二重結合を1つ以上含む不飽和オルガノ基である。二重結合を挟む2つのR及びRの基本骨格はそれぞれ互いに同一でもよく、異なっていてもよい。
このような不飽和オルガノ基(R=R−基)としては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレートに由来するジメチレンアクリレート基(−COCOCH=CH)、ヒドロキシプロピレンアクリレートに由来するトリメチレンアクリレート基、ヒドロキシブチルアクリレートに由来するテトラメチレンアクリレート基、ヒドロキシエチレンアクリレート・カプロラクトン付加物に由来するペンタメチレンカルボニルオキシジメチレン−アクリレート基{−(CHCOOCOCOCH=CH}、ヒドロキシプロピルアクリレート・カプロラクトン付加物に由来するペンタメチレンカルボニルオキシトリメチレン−アクリレート基、ヒドロキシブチルアクリレート・カプロラクトン付加物に由来するペンタメチレンカルボニルオキシテトラメチレン−アクリレート基、カプロラクトン付加物または酸化アルキレン付加物に由来する基、ヒドロキシエチレンアクリレート・酸化エチレン付加物に由来するジメチレンオキシジメチレン−アクリレート基(−COCOCOCH=CH)、ヒドロキシエチレンアクリレート・酸化プロピレン付加物に由来するメチルジメチレンオキシジメチレン−アクリレート基{−C(CH)OCOCOCH=CH}、ヒドロキシエチルアクリレート・酸化ブチレン付加物に由来するエチルジメチレンオキシジメチレン−アクリレート基{−C(C)OCOCOCH=CH)}などが挙げられる。
ウレタンオリゴマーの両末端に、上記一般式(6)で表される不飽和オルガノオキシカルボニルイミド基が結合したウレタン・不飽和オルガノオリゴマーとして、下記一般式(7)の化合物を例示することができる。
Figure 2010277031

[式中、R=R−基は二重結合を1つ以上含む不飽和オルガノ基を示し、Rはコポリカーボネ−トの両末端からヒドロキシル基が脱離した2価の残基を示し、Rは有機イソシアネ−トからイソシアネ−ト基が脱離した2価の脂肪族基又は芳香族基を示し、uは1〜200の整数を示す。なお、式中、複数存在するR、R、R及びRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
上記一般式(7)中のuはウレタン・不飽和オルガノオリゴマー中の繰り返し単位の数であるが、当該uは、1〜100であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。また、上記一般式(7)中のR=R−基は、二重結合を1つ以上含む不飽和オルガノ基であり、R及びR等からなるウレタンオリゴマーの両末端に、オキシカルボニルイミド基(−OCONH−)を介して結合している。
ウレタンオリゴマーの数平均分子量は、1,000〜10,000であることが好ましい。ウレタンオリゴマーの数平均分子量が、1,000未満の場合、硬化膜の可とう性が低下する傾向があり、10,000を超える場合、感光性樹脂組成物の現像性が低下する傾向がある。
上記一般式(7)のRは、コポリカーボネ−トの両末端から水酸基が脱離した2価の残基である。当該コポリカーボネ−トの数平均分子量は、600〜1,000であることが好ましい。コポリカーボネ−トの数平均分子量が600未満の場合、熱硬化性樹脂組成物の可塑性が低下する傾向があり、1,000を超える場合、現像性、感度等が低下する傾向がある。
また、上記一般式(7)のRは、上記式(1)で表されるヘキサメチレンカーボネ−トに由来する繰り返し単位と上記式(2)で表されるペンタメチレンカーボネ−トに由来する繰り返し単位とを含む共重合基であることが好ましい。また、隣接する繰り返し単位は互いに同一でもよく、異なっていてもよい。また、繰り返し単位の配列は規則的でもよく、不規則でも良い。Rとしては、下記式(8)で表される2価の残基を例示することができる。
Figure 2010277031
[式(8)中、r、sは、各々独立に1以上の整数を示す。]
上記一般式(7)のRにおける上記式(1)で表される繰り返し単位と上記式(2)で表される繰り返し単位とのモル比{式(1)/式(2)}、すなわち、上記式(2)で表される繰り返し単位のモル数に対する上記式(1)で表される繰り返し単位のモル数の比率は、9/1〜1/9であることが好ましく、7.5/2.5〜1.5/8.5であることがより好ましい。特に、Rが上記式(8)で表されるような、上記式(1)で表される繰り返し単位及び上記式(2)で表される繰り返し単位のみからなる共重合体である場合、当該モル比{式(1)/式(2)}、すなわちrとsとの比(r/s)を7.5/2.5〜1.5/8.5の範囲にすれば、ウレタン・不飽和オルガノオリゴマーは効果的に非晶質化され、ウレタン・不飽和オルガノオリゴマーのゲル化を有効に防止することができる。
上記一般式(7)のRは、上記式(1)で表される繰り返し単位及び上記式(2)で表される繰り返し単位のみで構成される共重合体であってもよいが、共重合体中の繰り返し単位として、ポリオールの両末端のヒドロキシル基が脱離した残基(ポリオール残基)を含むことが好ましい。ポリオール残基が含まれていれば、上記式(1)で表される繰り返し単位と上記式(2)で表される繰り返し単位とのモル比{式(1)/式(2)}が、7.5/2.5〜1.5/8.5の範囲外であっても、9/1〜1/9の範囲内であれば、ウレタン・不飽和オルガノオリゴマーのゲル化を有効に防止することができる。
当該ポリオール残基としては、例えば、1,4−ブタンジオールの残基{−(CH−}、トリメチロールプロパン残基{−CHC(CHOH)(C)CH−}、トリメチロールエタン残基{−CHC(CHOH)(CH)CH−}、ヘキサントリオール残基[例えば、{−(CHCH(OH)CH−}等]、ヘプタントリオール残基[例えば、{(−CHCH(OH)CH−}等]、ペンタエリスリトール残基{−CHC(CHOH)CH−}などの多官能ポリオール残基が挙げられる。
上記一般式(7)のRに含まれるポリオール残基の割合は、ポリオール残基が1,4−ブタンジオール残基の場合、上記式(1)で表される繰り返し単位と上記式(2)で表される繰り返し単位との総モル数を基準として、1〜20モル%であることが好ましく、5〜15モル%であることがより好ましい。また、1,4−ブタンジオール残基以外のポリオール残基の場合、Rに含まれるポリオール残基の割合は、上記式(1)で表される繰り返し単位と上記式(2)で表される繰り返し単位との総モル数を基準として、1〜10モル%であることが好ましい。
上記一般式(7)のRで表される2価の脂肪族基又は芳香族基の具体例としては、トルエン−2,4−ジイル基、トルエン−2,6−ジイル基、イソホロンジイソシアネ−トに由来する1−メチレン−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン−5−イル基、(o、mまたはp)−キシレンジイル基{−(CH−}、メチレンビス(シクロヘキシニル)基(−C10CH10−)、トリメチルヘキサメチレン基{−(CH−}、シクロヘキサン−1,4−ジメチレン基、ナフタレン−1,5−ジイル基、トリス(イソシアネ−トフェニル)チオフォスフェートに由来するトリフェニレンチオフォスフェート基{(−CP=S}などが挙げられる。
上記一般式(7)のRとRは、ウレタン結合してウレタンオリゴマーを形成している。なお、RとRを含む主鎖中に、本発明の効果が損なわれない範囲で、水、低分子ポリオール、ポリアミンなどの残基がエーテル結合又はイミノ結合によって含まれていると、主鎖の長さが適宜長くなって好ましい。このような主鎖の延長に用いられる残基としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネ−トポリオール、ポリオレフィンポリオール等のそれぞれの化合物のヒドロキシル基中の水素が脱離した残基が挙げられる。
ウレタン・不飽和オルガノオリゴマーの市販品としては、例えば、UF−8001、UF−8002、UF−8003、UF−8003M、UF−8001G−20M(いずれも共栄社化学株式会社製、商品名)等が挙げられる。
本発明に用いる(E)成分の光重合性化合物は、分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物であり、例えば、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物に特に制限はないが、例えば、一般式(9)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2010277031
前記一般式(9)中、R及びR10は、各々独立に水素原子又はメチル基を示す。前記一般式(9)中、X及びYは各々独立に炭素数2〜6のアルキレン基を示し、エチレン基又はプロピレン基であることが好ましく、エチレン基であることがより好ましい。前記一般式(9)中、p及びqは、p+q=4〜40となるように選ばれる正の整数であり、6〜34であることが好ましく、8〜30であることがより好ましく、8〜28であることが特に好ましく、8〜20であることが非常に好ましく、8〜16であることが非常に特に好ましく、8〜12であることが極めて好ましい。p+qが4未満では、(A)成分との相溶性が低下する傾向があり、p+qが40を超えると親水性が増加し硬化膜の吸水率が高くなる傾向がある。
前記炭素数2〜6のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基等が挙げられる。
また、前記一般式(9)中の芳香環は置換基を有していてもよく、それら置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、フェナシル基、アミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、メルカプト基、炭素数1〜10のアルキルメルカプト基、アリル基、水酸基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、アルキル基の炭素数が1〜10のカルボキシアルキル基、アルキル基の炭素数が1〜10のアシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のN−アルキルカルバモイル基又は複素環を含む基、これらの置換基で置換されたアリール基等が挙げられる。上記置換基は、縮合環を形成していてもよい。また、これらの置換基中の水素原子がハロゲン原子等の上記置換基などに置換されていてもよい。また、置換基の数がそれぞれ2以上の場合、2以上の置換基は各々同一でも相違していてもよい。
前記一般式(9)で表される化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等のビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられ、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業株式会社製、製品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(新中村化学工業株式会社製、製品名)として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
前記ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物以外の光重合性化合物としては、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートやネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレートや例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、ノニルフェニルジオキシレン(メタ)アクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、EO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明に用いる(F)成分の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4'−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−モルホリノフェノン)−ブタノン−1,2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン、アルキルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9'−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
例えば、感光性樹脂組成物を405nm付近に波長域をもつ活性光線の露光によって硬化させる場合には、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−モルホリノフェノン)−ブタノン−1と1,7−ビス(9,9'−アクリジニル)ヘプタンを組み合わせて用いると、より少ない露光量で硬化させることができるため好ましく、また9−フェニルアクリジンを1,7−ビス(9,9'−アクリジニル)ヘプタンの代わりに用いても同様に好ましい。
本発明に用いる(G)成分である熱硬化剤としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ブロックイソシアネート樹脂等の熱硬化性の化合物が挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラックグリシジルエーテル等のノボラックタイプエポキシ樹脂や、ヒドロキノングリシジルエーテルなどが挙げられる。この他、軟化点を40℃〜90℃に持つ化合物であれば、構造を限定せず、発明の効果が得られる。これらは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明における、(A)成分の配合量としては、(A)〜(G)成分の合計量の、5〜20質量%とすることが好ましい。この配合量が、5質量%未満では、感度が低下する傾向にあり、また20質量%を超えると、耐折性、耐めっき性およびフィルム性が悪化する傾向がある。
本発明における、(B)成分の配合量としては、(A)〜(G)成分の合計量の、30〜50質量%とすることが好ましい。この配合量が、30質量%未満では、アルカリ現像性の低下や感光性フィルムとした場合、感光性樹脂組成物層が柔らかくなり、フィルム端面からのしみ出しが起きる傾向があり、50質量%を超えると、耐折性が悪化する傾向にある。
本発明における、(C)成分の配合量としては、(A)〜(G)成分の合計量の、0.01〜5.0質量%とすることが好ましい。0.01質量%未満では、必要な色相が得られず、5.0質量%を超えると、パターン形成性が悪化する傾向がある。
本発明における、(D)成分の配合量としては、(A)〜(G)成分の合計量の、10〜30質量%とすることが好ましい。この配合量が、10質量%未満では、感度が低下する傾向にあり、30質量%を超えると、感光性樹脂組成物層が柔らかくなり、フィルム端面からのしみ出しが起きる傾向がある。
本発明における、(E)成分の配合量としては、(A)〜(G)成分の合計量の、10〜30質量%とすることが好ましい。この配合量が、10質量%未満では、感度が低下する傾向があり、感光性樹脂組成物層が柔らかくなり、フィルム端面からのしみ出しが起きる傾向がある。
本発明における、(F)成分の配合量としては、光感度の観点から、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましい。
本発明における、(G)成分の配合量としては、ラミネート性、リペア性、感度、アルカリ現像性の観点から、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として10〜40質量%であることが好ましく、20〜30質量%であることがより好ましい。(G)成分の含有量を10質量%以上とすることで、感光性樹脂組成物のラミネート性、リペア性がより良好となる傾向があり、40質量%以下にすることで感度、アルカリ現像性がより良好となる傾向がある。
本発明の感光性樹脂組成物は、前記(A)〜(G)成分を必須成分として含有し、アルカリ水溶液で現像可能である必要がある。
本発明の感光性フィルムは、半透明の支持体フィルム上に、前記の感光性樹脂組成物の層を積層することにより製造することができる。
半透明の支持体フィルムとしては、重合体フィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等からなるフィルムが挙げられ、中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
これらの重合体フィルムは、後に感光層から除去しなくてはならないため、除去不可能となるような表面処理が施されたものであったり、材質であってはならない。
また、これらの重合体フィルムの厚さは、5〜100μmとすることが好ましく、10〜50μmとすることがより好ましい。この厚さが、5μm未満では、現像前に重合体フィルムを剥離する際に当該支持体が破れやすくなる傾向があり、また、100μmを超えると解像度が低下する傾向がある。
これらの重合体フィルムは、一つは感光層の支持フィルムとして、他の一つは感光層の保護フィルムとして感光層の両面に積層することができる。
このうち支持体フィルムとして用いる材料としては、半透明の支持体を用いる事が重要である。この材料は、無機フィラ等をポリエチレンテレフタレートに練り込み処理したものが好ましい。このような材料を用いた場合、露光処理した際、感光層表面で光の散乱が起こり、膜表面の微細なムラが生じ、膜表面は光沢が低下しマット状を示すことが出来る。
感光性フィルムと半透明の支持体フィルムの剥離を良好にするには、半透明の支持体フィルムの感光性フィルムと接する側の表面粗さ(Ra)が、大きいと剥離しにくくなる。通常の透明PETフィルムの表面粗さ(Ra)は、通常、多くても0.05程度であり、Ra値が0.2〜0.5となるようマット加工、あるいは、PETフィルム中にシリカ、チタニアなどの無機粒子を含有させRaを小さくする方法が挙げられる。実際には、PET及び無機粒子の混合物をシート状に成形して、無機粒子を含有するPETフィルムを製造する。この方法では、無機粒子の含有量や粒子径を適宜調整することにより、所望のRa値が得られる。また、シリカ、チタニアなどの無機粒子を表面に付着させて形成させることも出来る。このフィルムは、単独で用いることも、重合体フィルムを積層した多層構造とすることも出来る。
これら支持体フィルムの光透過性は、像形成可能とするため、ある程度の光透過率が必要であるが、光沢低減の為には、ある程度光透過性が低い事が必要である。
これらバランスをとるためには、光透過率は40〜90%の範囲内にあることが好ましく、60〜85%である事がより好ましい。
光透過率が高い(90%超)場合、像形成性は良好であるが表面光沢が高くなる傾向があり、光透過率が低い(40%未満)場合、表面光沢は小さいが像形成性、感度が悪化する。
本発明の感光性フィルムの製造法としては、(A)〜(G)成分を含む感光性樹脂組成物を、溶剤に均一に溶解する。
この時に使用する溶剤としては、感光性樹脂組成物を溶解する溶剤であればよく、例えば、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エーテル系溶剤(メチルソロソルブ、エチルセロソルブ等)、塩素化炭化水素系溶剤(ジクロルメタン、クロロホルム等)、アルコール系溶剤(メチルアルコール、エチルアルコール等)などが用いられる。これらの溶剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。これらの溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解し、固形分30〜70質量%程度の溶液として塗布することができる。
また、本発明の感光性フィルムには、必要に応じて、マラカイトグリーン等の染料、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤若しくはp−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、フタロシアニンブルー等のフタロシアニン系、アゾ系等の有機顔料若しくは二酸化チタン等の無機顔料、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム若しくは硫酸バリウム等の無機顔料からなる充填剤、および、上述した充填剤や有機顔料、無機顔料等の湿潤分散剤、消泡剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、酸化防止剤、香料或いはイメージング剤などを含有させることができる。これらの成分は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、各々0.01〜70質量%程度含有させることが好ましい。また上記の成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ついで、溶液状の感光性樹脂組成物を、前記半透明の支持体フィルムの重合体フィルム上に、均一に塗布した後、加熱及び/又は熱風吹き付けにより溶剤を除去し、乾燥皮膜とすることができる。
乾燥皮膜の厚さは、特に制限はなく、10〜100μmとすることが好ましく、20〜60μmとすることがより好ましい。
このようにして得られた感光性樹脂組成物層と重合体フィルムとの2層からなる本発明の感光性フィルムは、そのままで又は感光層の他の面に保護フィルムをさらに積層してロール状に巻き取って貯蔵することができる。
本発明の感光性フィルムを用いて、フォトレジスト画像を製造する方法としては、前記保護フィルムが存在している場合には、保護フィルムを除去後、感光層を加熱しながら基板に圧着させることにより積層することができる。この時、減圧下で積層することが好ましい。
積層される表面としては、特に制限はなく、エッチング等により配線の形成されるFPCであることが好ましい。
感光層の加熱温度としては、特に制限はなく、90〜130℃とすることが好ましい。また、圧着圧力としては、特に制限はなく、2.94×105Pa(3kgf/cm2)とすることが好ましく、4000Pa(30mmHg)以下の減圧下で行われることが好ましい。
本発明の感光性フィルムを使用する場合には、感光層を前記のように加熱するため、予め基板を予熱処理することは必要でないが、積層性を更に向上させるために、基板の予熱処理を行うこともできる。
このようにして積層が完了した感光層は、ネガフィルム又はポジフィルムを用いて活性光に画像的に露光される。
活性光としては、公知の活性光源が使用でき、例えば、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、キセノンアーク、その他から発生する光等が挙げられる。
感光層に含まれる光重合開始剤の感受性は、通常、紫外線領域において最大であるため、その場合の活性光源は、紫外線を有効に放射するものが好ましい。
次いで、露光後、感光層上に重合体フィルムが存在している場合には、これを除去した後、アルカリ水溶液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知方法により未露光部を除去して現像することができる。
アルカリ性水溶液の塩基としては、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ、リチウム、ナトリウム又はカリウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩などが挙げられ、中でも、炭酸ナトリウムの水溶液が好ましい。
現像に用いるアルカリ水溶液のpHとしては、9〜11とすることが好ましい。
また、現像温度としては、感光層の現像性に合わせて調整することができる。
また、前記アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させることができる。
さらに、現像後、FPCのカバーレイとしてのはんだ耐熱性、耐薬品性等を向上させる目的で、高圧水銀ランプによる紫外線照射や加熱を行うことができる。
紫外線の照射量としては、0.2〜10J/cmとすることが好ましく、この照射の時に、60〜150℃の熱を伴うことが好ましい。
また、加熱時の加熱温度としては、100〜170℃とすることが好ましく、加熱時間としては、15〜90分間とすることが好ましい。
これら紫外線の照射と加熱は、どちらを先に行ってもよい。
このようにしてカバーレイの特性を付与された後、LSI等の部品の実装(はんだ付け)、カメラ等機器へ装着される。
以下、実施例により本発明を説明する。
なお、下記例中の「%」は、特に断わらない限り「質量%」を意味する。
(実施例1〜3、比較例1〜4)
表1に示した材料を配合した溶液を、表2に示した厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、100℃の熱風循環式乾燥器で、5分間乾燥して溶剤を除去した。
感光性樹脂組成物の層の乾燥後の厚さは、40μmであった。
次いで、感光層の上に、ポリエチレンフィルムを保護フィルムとして貼り合わせ、感光性フィルム積層体を得た。
別に、35μm厚銅箔をポリイミド基材に積層したFPC用基板(ニッカン工業株式会社製、商品名、F30VC125RC11)の銅表面を砥粒ブラシで研磨、水洗し、乾燥した。
次いで真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製型式MVLP−500)を用いて、上記基板に、前記感光性フィルム積層体の保護フィルムをはく離した後、感光性フィルム面をFPC用基板に向けてラミネートし、評価用試料を得た。
この際のラミネータの成形温度は60℃、成形圧力は0.4MPa(4kgf/cm)、真空時間及び加圧時間をそれぞれ20秒とした。
[感度の評価]
得られた評価用試料にストーファーの21段ステップタブレットを使用して、株式会社オーク製作所製、HMW−201GX型露光機で9段のステップが残るように露光した後、常温(25℃)で30分間放置した。
次いで、支持体フィルムを剥離し、1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、30℃で100秒間スプレー現像した。
そして、160℃で60分間の加熱処理を行い、ネガフィルムに相当するカバーレイを得た。この数値が小さいほど、少ない露光量でステップ段数が残るため、高感度なフィルムとなる。
[密着性評価]
上記と同様にして、ガラス基板に、ラミネート終了後、23℃まで冷却し、1時間以上放置した後、高圧水銀灯ランプを有する散乱光露光機(株式会社オーク製作所製)HMW−201GXを用いて、密着性評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が、30/400〜200/400(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールを密着させ所定の露光量で露光した。露光後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、1質量%炭酸ナトリウム水溶液を30℃で100秒間スプレーすることにより、未露光部分を除去して密着性の評価をした。密着性は現像液に剥離せずに残ったラインの幅(μm)で表され、この密着性の数値が小さい程、細いラインでもガラス基板から剥離せずにガラス基板に密着していることから密着性が高い事を示す。結果は表3に示した。
[耐折性の評価]
感度の評価と同様にして得られた評価用試料にストーファーの21段ステップタブレットを使用して、株式会社オーク製作所製、HMW−201GX型露光機で、所定の露光量で露光した後、常温で30分間放置した。
次いで、1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、30℃で100秒間スプレー現像した。
次いで、160℃で60分間の加熱処理を行い、ネガフィルムに相当するカバーレイを得た。
評価用試料を260℃のはんだ浴中に10秒間浸漬してはんだ処理を行った後、ハゼ折りで180°折り曲げ、折り曲げた際の感光性樹脂組成物層のクラックの発生状況を目視で観察した。評価は下記の基準で行った。
良好:クラックの発生無し、不良:クラックが発生したもの。
結果を表3に示した。
[耐薬品性評価]
上記と同様の操作でカバーレイを形成したフレキシブルプリント板を常温で、2N塩酸と2N水酸化ナトリウム水溶液中に、それぞれ15分間浸漬した後、基板からのカバーレイの浮き及び剥がれの状況を目視で下記の基準で評価した。
良好:浮き及び剥がれのないもの
不良:浮き又は剥がれのあるもの
[耐めっき性の評価]
耐めっき性として、無電解ニッケル/金めっきを評価した。まず前述のように形成したカバーレイを用い、脱脂(5分浸漬)、水洗、ソフトエッチング(2分浸漬)、水洗、酸洗(3分浸漬)、水洗、プレディップ(90秒浸漬)、無電解ニッケルめっき(23分処理)、水洗、無電解金めっき(15分処理)、水洗、乾燥した。尚、上記において各工程に用いた材料は以下の通りである。
脱脂:PC−455(メルテックス社製)25質量%の水溶液
ソフトエッチング:過硫酸アンモニウム150g/Lの水溶液
酸洗:5体積%硫酸水溶液
無電解ニッケルめっき:ニムデンNPR−4(上村工業株式会社製)
無電解金めっき:ゴブライトTAM−55(上村工業株式会社製)
乾燥後、耐金めっき性を評価する為に、直ちにセロテープ(登録商標)を貼り、これを垂直方向に引き剥がして(90°ピールオフ試験)、レジストの剥れの有無を観察した。また、金めっきのもぐりの有無を観察した。金めっきのもぐりを生じた場合、透明なレジストを介して、その下にめっきにより析出した金が観察される。以上の評価を纏めて結果を表4に示した。
[膜表面の光沢有無の評価]
得られた評価用試料の光沢を目視観察し、光沢の有無を下記基準で評価した。
○:光沢少 ×:光沢多
Figure 2010277031
*1:FA-321M;日立化成工業株式会社製ビスフェノールA骨格エチレンオキサイド変性ジメタクリレート
*2:UF−8001G−20M;共栄社化学株式会社製ウレタンオリゴマー
Figure 2010277031
Figure 2010277031
本発明で用いる(A)成分にウレタン変性エポキシアクリレート樹脂を用いた実施例1〜3に対して、エポキシアクリレート樹脂を用いた比較例2〜4は、感度が低い。そして、半透明の支持体フィルムを用い、さらに(C)黒色顔料を配合した実施例1〜3は、透明支持体フィルムを用いた比較例1、2に対し、膜光沢が小さく、AOI検査機での誤認がなく検査精度が向上する。また、半透明の支持体フィルムを用いても、感光性樹脂組成物層との剥離性は良好であった。そして、(A)〜(G)成分が相互に作用し、感度、密着性、解像性、耐薬品性、耐金メッキ性は、良好であった。

Claims (3)

  1. 半透明の支持体フィルム上に、(A)エチレン性不飽和基及び2つ以上の水酸基を有するエポキシアクリレート化合物と、ジイソシアネート化合物と、カルボキシル基を有するジオール化合物を反応させて得られた化合物、(B)カルボキシル基を有するバインダーポリマー、(C)黒色顔料、(D)ウレタン・不飽和オリゴマー、(E)光重合性化合物、(F)光重合開始剤、及び(G)熱硬化剤を含有する感光性樹脂組成物の層を形成した感光性フィルム。
  2. 前記(B)成分のカルボキシル基を有するバインダーポリマーが、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合ビニルモノマ−との共重合体ある、請求項1に記載の感光性フィルム。
  3. 前記(D)成分のウレタン・不飽和オリゴマーが、下記式(1)及び下記式(2)で表される繰り返し単位を有し、下記式(1)で表される繰り返し単位と下記式(2)で表される繰り返し単位とのモル比{式(1)/式(2)}が9/1〜1/9であるウレタン・不飽和オルガノオリゴマーであって、末端にヒドロキシル基を有する数平均分子量600〜1000のコポリカーボネートと有機イソシアネートとが鎖状に連結してなる数平均分子量1000〜10000のウレタンオリゴマーの末端に、更に不飽和オルガノオキシカルボニルイミド基が結合してなるウレタン・不飽和オルガノオリゴマーを含む、請求項1又は2に記載の感光性フィルム。
    Figure 2010277031
    Figure 2010277031
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