JP2010275962A - バルブタイミング調整装置用シールおよびバルブタイミング調整装置 - Google Patents

バルブタイミング調整装置用シールおよびバルブタイミング調整装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 エンジンのバルブタイミング調整装置の回転摺動部に装着される信頼性の高いシールを提供することである。
【解決手段】 バルブタイミング調整装置におけるシューハウジングのシュー26の回転摺動部と、ベーンロータ11のベーン28の回転摺動部とに装着されるシール30(40)を、低摩擦材からなるシール部材51とゴム製の弾性部材52との組み合わせにより構成し、前記弾性部材52をシール部材51のシール面54と反対側の面に凹凸嵌合構造より結合一体化した構成とした。
【選択図】図3

Description

この発明は、自動車等のエンジンの吸気弁と排気弁の開閉タイミングを運転状況に応じて変更するためのバルブタイミング調整装置、およびそのシールに関する。
この種のバルブタイミング調整装置は、エンジンのクランクシャフトと、吸気弁及び排気弁を駆動するカムシャフトとの間の駆動伝達系に設けられ、カムシャフトに結合されたベーンロータと、クランクシャフトから回転伝達されるシューハウジングとで構成される。ベーンロータは、シューハウジング内に所定回転角度内で相対回転自在に収容され、シューハウジングに対するベーンロータの位相差が、シューハウジング内に供給される液圧により制御される(特許文献1、特許文献2)。
前記のバルブタイミング調整装置において、ベーンロータのベーンを収容した液圧室の液漏れを防ぐために、シューハウジングおよびベーンの回転摺動部に樹脂製等のシールが装着される。また、このシールを押し付けてシール効果を発揮させるように、金属板ばね、エラストマ、ゴム等の弾性材が、シール溝の中にシールと共に組み込まれる(特許文献3)。
しかし、シールとその押し付け用の板ばねとをシール溝に組み込んだ構造の場合は、組み込み工程において、シールと板ばねとをセットしながら組み込まなくてはならないので自動組立が困難である。また、シールと板ばねとが別体であるため、シールと板ばねをセットした後に板ばねが外れたり、板ばねの組み込みを忘れたりする不良が発生する場合がある。また、不良が発生している場合でも、シールが組み込まれていれば、板ばねが組み込まれているか否かが目視で確認できない。そのため、最終アセンブリ過程で、機能的な評価を実施しなくては不良を発見することができず、検査に時間がかかる。さらに、エラストマ、ゴム等の弾性材をシールに接着したものでは、接着不良があっても外観上確認が困難であることから、不良品が間違って組み込まれる恐れがある。
このような問題を解決するために、シール部と、そのシール面と反対側の面に設けたばね部を樹脂で一体成形したシールも知られている(特許文献4)。
特許第3711872号公報 特開平09−324611号公報 特開2000−038909号公報 特開2000−265814号公報
シール部とばね部を樹脂で一体成形したものは、組み込み性に優れ自動組立が可能である利点がある。しかし、樹脂としてシール性に優れたものを選定するため、シール部のシール機能においては問題ないが、ばね部が使用期間の経過とともに次第に永久変形し、弾性力が低下する。このため、シール部を相手部材に押し付ける力が低下しシール性が損なわれる恐れがある。
そこで、この発明は、不良品が誤って組み込まれる恐れがなく、組み込み性に優れ自動組立が可能であり、しかも長期の使用によってもシール性能を維持できる信頼性の高いバルブタイミング調整装置用シールおよびそのシールを用いたバルブタイミング調整装置を提供することを課題とする。
前記の課題を解決するために、バルブタイミング調整装置用シールに係る発明は、前記装置のシューハウジングとベーンロータとの回転摺動部のシール溝に装着されるものであり、そのシールは、低摩擦材からなるシール部材とそのシール部材のシール面を相手部材に対し所望の圧接力で押し当てるゴム製の弾性部材とからなり、前記弾性部材は、前記シール部材に対しそのシール面と反対側の面において凹凸嵌合構造により結合一体化された構成としたものである。
また、前記の課題を解決するために、バルブタイミング調整装置に係る発明は、ベーンロータと、このベーンロータを所定角度の範囲内で相対回転可能に収容する液圧室を形成したシューハウジングと、前記液圧室に作動液を給排して前記ベーンロータの前記シューハウジングに対する位相差を調整するための液通路とを備え、エンジンのクランクシャフトと、エンジンの吸気弁および排気弁の両方またはいずれか一方を駆動するカムシャフトとの間に設けられ、前記両シャフトのいずれか一方のシャフトと共に前記シューハウジングが回転し、他方のシャフトと共に前記ベーンロータが回転するエンジンのバルブタイミング調整装置において、前記シューハウジングとベーンロータとの回転摺動部に装着されるシールが、前記のシール、即ち、低摩擦材からなるシール部材と前記シール部材のシール面を相手部材に対し所望の圧接力で押し当てるゴム製の弾性部材とからなり、前記弾性部材は、前記シール部材のシール面と反対側の面における凹凸嵌合構造により結合一体化されたものを使用したものである。
この発明に係るバルブタイミング調整装置用シールは、シール部材と、ゴム製の弾性部材が別部品によって構成されているので、シール部材と弾性部材はそれぞれの特性に応じた材料を選定することができる。この発明においては、前記弾性部材を十分耐久性を持ったゴムによって形成できるので、シール部材に対し長期にわたり安定した弾性力を付与することができる。また、弾性部材はシール部材に対して凹凸嵌合構造によって結合されているので、両部材の結合作業の自動化が可能である。また、弾性部材自身の弾性力がその嵌合部に作用することにより確実に一体化されるので、組込工程において弾性部材が欠落する不良が発生するおそれが解消される。また接着剤を使用しなくても確実に一体化されるので、接着不良の問題が生じることがない。
前記凹凸嵌合構造は、その凸部の付け根にくびれ部を形成し、凹部の開口部に前記くびれ部に係合する狭窄部を形成した構成を採用することにより強い結合力が得られる。また、凹凸嵌合させる際には弾性部材が弾性変形するので容易に嵌合させることができる。
さらに、弾性部材に複数の脚部を設けた構成を採ると、弾性変形がし易くなり、シール効果が一層増す効果がある。
は、実施形態の断面図である。 は、図1のY−Y線の断面図である。 (a)図は、シール装着部分の拡大断面図、(b)図はシールの底面図、(c)図は(a)図のc−c線の断面図、(d)図はシールの分解断面図である。 (a)図は、他のシール装着部分の拡大断面図、(b)図はシールの底面図、(c)図は(a)図のc−c線の断面図、(d)図はシールの分解断面図である。
以下、この発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。この発明に係るエンジンのバルブタイミング調整装置は、図1および図2に示したように、ベーンロータ11と、このベーンロータ11を所定角度範囲内で相対回転可能に収容するシューハウジング12と、このシューハウジング12に結合された駆動部材13と、前記ベーンロータ11と同軸状態に結合された被駆動部材14とによって構成される。
前記被駆動部材14の先端に軸方向に突き出して設けられた嵌合凸部15を、前記ベーンロータ11のセンターに設けられた嵌合凹部16に嵌合することにより、ベーンロータ11と被駆動部材14を同軸状態に連結している。ボルト17をベーンロータ11のボス部20の外端面のセンターから前記嵌合凸部15に挿入し、そのボルト17を被駆動部材14にネジ結合することにより、ベーンロータ11と被駆動部材14を一体化している。
前記被駆動部材14は、エンジンのカムシャフト18の一端部を延長して一体に設けられたものである。そのカムシャフト18の一端部から被駆動部材14の先端までの中間部に鍔部19が形成され、カムシャフト18から鍔部19までの間がエンジンブロックによって支持されるジャーナル部21となっている。鍔部19から先端までの間が支持部22となっており、その支持部22において前記の駆動部材13が鍔部19側に配置され、その駆動部材13に接してその先端側にシューハウジング12の環状の内側板23がそれぞれ相対回転可能に支持される。カムシャフト18は、エンジンの吸気弁および排気弁(図示省略)の両方またはいずれか一方の開閉駆動を行う。
シューハウジング12は、前記ベーンロータ11の外周を囲むハウジング本体24と、その内端面(カムシャフト18側の面)に当てられた前記内側板23及びその反対の外端面に当てられた環状の外側板25とによって構成される。前記ハウジング本体24の内径面には、周方向に一定間隔をおいて4個所のシュー26が径方向内向きに突き出して設けられる(図2参照)。各シュー26の内周面55は、ベーンロータ11のボス部20の外径面にシュー側シール30を介して摺接し、隣り合うシュー26と間で扇状の液圧室29が形成される。
前記4個所のシュー26の部分において、図1に示したように、シューハウジング12の外側板25、シュー26および内側板23を貫通してボルト27が差し込まれ、各ボルト27は駆動部材13にネジ結合される。これにより、駆動部材13とシューハウジング12とが一体化される。駆動部材13の外径面には歯車13aが形成され、駆動部材13はエンジンのクランクシャフトと歯車列等の伝達機構を介してクランクシャフトと連動される。
前記のハウジング本体24は、耐熱性合成樹脂製、または軽量合金等の金属製である。内側板23及び外側板25は、軽量合金等の金属製であっても良く、またハウジング本体24と同じく耐熱性合成樹脂製としてもよい。
前記のように、駆動部材13とシューハウジング12とが一体化され、また、被駆動部材14とベーンロータ11とが一体化される。これにより、前記液圧室29によって規制される一定の角度範囲内で被駆動部材14は駆動部材13に対し相対回転可能となる。
なお、駆動部材13および被駆動部材14は、図1に矢印で示したX方向から見て時計方向に回転する。以下この回転方向を進角方向と称する。
図2に示したように、ベーンロータ11のボス部20の外径面の周方向4個所に一定間隔をおいてベーン28が設けられる。各ベーン28は、シューハウジング12の前記各液圧室29に収納され、各液圧室29の内部において周方向に制限された一定範囲内でシューハウジング12に対して相対回転が可能となっている。
各ベーン28の軸方向の面は、それぞれシューハウジング12の内側板23及び外側板25の内面に密着して摺動回転する。また、各ベーン28の外周面56は、液圧室29の内径面にベーン側シール40を介して摺動回転する。これにより、各液圧室29が進角方向に見て相対的に遅れた位置となる遅角液圧室29aと、進んだ位置となる進角液圧室29bに区画される。前記ベーンロータ11の材質も、耐熱性合成樹脂製、または軽量合金等の金属製である。
前記4個所のベーン28のうち、1個所のベーン28において、ベーンロータ11とシューハウジング12の相対回転をロックする回転ロック機構31が設けられる。この回転ロック機構31は、当該ベーン28に軸方向に貫通した収納孔32にロックピン33がスライド可能に組み込まれ、また、その収納孔32に対向して内側板23に該ロックピン33の先端部が挿入されるロック穴34が設けられる。
ロック穴34は、図2に示したように、当該ベーン28が1つのシュー26に接した状態、すなわち最遅角位置にあるときに前記収納孔32と合致し、ロックピン33の先端部が嵌入される位置に設けられる。前記収納孔32の一端部とロックピン33の間に付勢ばね35が収納され(図1参照)、その付勢ばね35によってロックピン33がロック穴34の方向に付勢される。また、ロックピン33の外周鍔部36と収納孔32との間に液圧室37が設けられる。
前記被駆動部材14には2系統の液通路41、42が設けられ、ジャーナル部21に設けた開口部からそれぞれ外部の液通路(図示省略)および制御弁を経て作動液を給排するポンプまたはドレーンに通じている。一方の液通路41は、ベーンロータ11のボス部20に設けられた環状の小径液通路43に通じ、他方の液通路42は環状の大径液通路44に通じている。小径液通路43は分岐液通路45(図2参照)を経て各遅角液圧室29aに連通され、また、大径液通路44は分岐液通路46を経て各進角液圧室29bに連通される。また、前記回転ロック機構31の液圧室37およびロック穴34もそれぞれ液通路41、42に連通している。
次に、図3に基づいて、前記のシュー側シール30と、ベーン側シール40について説明する。これらのシール30、40は同一構造であるから、同じ図面を用いて、主としてシュー側シール30について説明し、ベーン側シール40に関する部分は括弧を付けて示す。なお、シュー側シール30とベーン側シール40は、各部のサイズが異なる場合がある。
図示のように、シュー側シール30(ベーン側シール40)は、低摩擦材からなるシール部材51と、ゴム製の弾性部材52からなる。シール部材51の軸方向の長さは、シュー26(ベーン28)の回転摺動部(シュー側シール30の場合はシュー26内周面55、ベーン側シール40の場合はベーン28の外周面56)に軸方向に設けられた両端開放のシール溝53の長さと一致する。また、その幅はシール溝53の溝幅と一致する。内周面55(外周面56)から若干寸法だけ立ち上がった面がシール面54であり、このシール面54が相手部材に押し当てられシールを行う。
前記シール面54を含んだ一定厚さaの部分(図3(d)参照)は、シール部57を構成する。また、そのシール部57の下面(シール面54と反対側の面)には、その4辺において、シール部57より一定幅cだけ狭くなった厚さbの連結部58が一体に設けられる。連結部58の下面の幅方向中央部に全長に渡る溝状の凹部59が設けられる。この凹部59の開口部に狭窄部60が設けられる。
前記の弾性部材52は、前記シール部57の下面に合致する上面を有し、その上面の幅方向中央部に全長に渡る突条形の凸部61が設けられ、凸部61の反対面(下面)に複数の脚部63が設けられる。
前記凸部61の付け根部に前記凹部59の狭窄部60の断面形状に一致するくびれ部62が設けられる。また、反対面には、長手方向に間隔d(図3(b)参照)のスリットをおいた2列の配置で、各列2個所、全部で4個所のフィン形状の脚部63が設けられる。各脚部63は、弾性部材52の四角形の下面の対角位置に配置される。
前記のシール部材51と弾性部材52は、弾性部材52の凸部61を弾性変形させつつ、シール部材51の凹部59に強制嵌合させた凹凸嵌合構造により一体的に連結される(図3(c)参照)。特に、凸部61のくびれ部62と、凹部59の狭窄部60との係合構造および弾性部材52の弾性力により、長期にわたり強固な連結状態を維持することができる。
図4に示したシュー側シール30(ベーン側シール40)の他の例は、シール部材51の下面に凸部64を設け、弾性部材52側に凹部66を設けた点、および脚部63を長手方向に2列、各列4個所のドット形状の脚部63を8個所に設けた点が異なっている。前記凸部64にくびれ部65が設けられるとともに凹部66に狭窄部67が設けられ、凹部66側を弾性変形させつつ凸部64に強制嵌合させた凹凸嵌合構造により一体的に連結される(図4(c)参照)。
この場合も、凸部64のくびれ部65と、凹部66の狭窄部67との係合により、長期にわたり強固な連結状態を維持することができる。
図3および図4のいずれの場合も、ゴム製の弾性部材52によって、シール部材のシール面54を相手部材(シュー側シール30の場合は、ベーンロータ11のボス部20の外径面、ベーン側シール40の場合は、ハウジング本体24の内径面)に対し所望の圧接力を付与する。また、シール溝53に装着した状態において弾性部材52とシール溝53の両内壁面との間に幅cの空間が生じ、また、脚部63相互間にも空間が存在するため、弾性部材52の自由な弾性変形を許容する。
前記の各シール部材51としては、作動油に対して膨潤等しない耐油性を有する低摩擦材であればよく、合成樹脂では、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリアミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリアセタール樹脂等のエンジニアリングプラスチックが使用できる。特にPPS、PEEKは耐熱性、低摩擦特性に優れるため好ましい。合成樹脂の他に、銅系、アルミニウム系の焼結合金が使用できる。
また、前記の各弾性部材52に使用するゴム材料は、作動油に対して膨潤等しない耐油性を有する材料であれば使用でき、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、アクリルゴムが信頼度が高く好ましい。ゴム材料のゴム硬度は50〜90°の範囲であれば、シール部材51を相手摺動面に対して適度な押し付け力でもって押し付けることができるため好ましい。ゴム硬度は50°未満では押し付け力が足らない場合があり、90°より高いと押し付け力が高くなり過ぎる場合がある。50〜90°の範囲であれば、設計的に押し付け力の計算が容易である。
シール部材51と弾性部材52とは、接着剤によって接着せず、弾性力だけで一体化させることが望ましい。接着剤を使用すると、接着不良が生じた場合、外観からの分別が困難なためである。
次に、上述したバルブタイミング調整装置の作用について説明する。エンジンが停止している場合は、ポンプも停止しているから、各液通路41、42に作動液は供給されない。ベーンロータ11は、図2に示したように、最遅角位置にあり、回転ロック機構31のロックピン33は、付勢ばね35のばね力によって押され、その先端部がロック穴34に挿入される。これによりベーンロータ11はハウジング12に対しロックされた状態にある。エンジンが始動されても、液圧が一定以上になるまではロック状態を維持し、カムシャフト18に作用する変動トルクによってベーンロータ11がシューハウジン12の液圧室29に衝突する恐れを解消している。
前記のロックが解除されるまでの間は、クランクシャフトと連動する駆動部材13、駆動部材13と一体のシューハウジング12、シューハウジング12にロックされたベーンロータ11を経てカムシャフト18がシューハウジング12に対し最遅角の位相差をもって回転する。
エンジンの運転が定常状態になると、制御弁において制御された作動液がそれぞれ各液通路41、42を経て回転ロック機構31に供給されるのでロックピン33が付勢ばね35を圧縮して後退され、ロックが解除される。また、進角液圧室29bと遅角液圧室29aに所定の割合で液圧が供給されため、ベーンロータ11およびこれと一体のカムシャフト18が進角方向に回転し、進角液圧室29bと遅角液圧室29aの液圧がバランスする点で停止し、クランクシャフトに対して一定の進角方向の位相差をカムシャフト18に付与する。この位相差の大きさは、制御弁の制御により、各液通路41、42に供給する液圧の大きさによって定めら、カムシャフト18に取付けられたカムによる吸気弁または排気弁の開閉タイミングが調整される。
なお、エンジンの停止時は、必ずベーンロータ11が最遅角位置に戻るように制御され、ベーンロータ11はロックピン33に作用する付勢ばね35のばね力によりロックされる。
以上の説明は、シューハウジング12と駆動部材13を別部材により構成したものを示したが、両者を一体の部品によって構成することができる。また、駆動部材13と被駆動部材14の機能を入れ替えて、被駆動部材14に駆動部材の機能を負担させるべくクランクシャフトと連動させ、また、駆動部材13に被駆動部材の機能を負担させるべくカムシャフト18に連動させる構成を採ることもできる。
以上のような構成及び作用を行うバルブタイミング調整装置において、シュー26に装着されたシュー側シール30およびベーン28に装着されたベーン側シール40は、前記各液圧室29a、29bにおける液漏れを防止し、安定したバルブタイミングの調整を可能とする。
前記のシール30(40)においては、シール部材51とゴム製の弾性部材52を弾性的に凹凸嵌合することで一体化した構造をとっているので、シール部材51に対して弾性部材52がそれ自身の弾性力によって確実に装着され、組み込み不良が発生しない。
図3に示した実施形態の場合は、シール部材51の凹部59に対し、弾性部材52の凸部61を嵌合しているので、シール部材51に対して弾性部材52の組み込み性が確実になる。
図4に示した実施形態の場合は、シール部材51のくびれ部65を有する凸部64を設け、弾性部材52の凹部66に狭窄部67を設け、その狭窄部67をくびれ部65に係合させているので、シール部材51に対し弾性部材52の組み込み性が確実になるとともに、組付け作業性が高くなる。
また、前記いずれの場合も、弾性部材52は、ゴム硬度50〜90のゴムからなるので、弾性部材52の組み込み後にシール部材51から外れることが無い。前記ゴムがシリコーンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、アクリルゴムであるので、作動油に対して耐油性が十分でありシールの押し付け力が低下しない。シール部材51である低摩擦材が合成樹脂であるので、摺動相手面を傷つけることが無く、軽量化に貢献でき、さらに製造が容易となる。
シール部材51である合成樹脂がPPSまたはPEEKのいずれかであるので、優れた低摩擦特性と耐熱性、耐油性を備える優れたシール部材となる。シール部材51を構成する低摩擦材として焼結合金を用いた場合は、シューハウジング12やベーンロータ11との線膨張係数が同じにできるので、温度変化によってシール性が変化せず、また製造が容易である。
また、弾性部材52に複数の脚部63が形成されているので、シール溝53に対してシール30(40)を安定よく保持することができる。脚部63が長手方向に2列に配置されているので、シール溝53に対してシール30(40)を安定よく保持することができる。前記脚部63が図4に示したようなドット形状である場合は、シール部材51の押し付け力が均一化できる。
また、脚部63が図3に示したようなフィン形状である場合は、シール部材51の押し付け力が均一化できる。特に長手方向が比較的長いシール部材51に有利である。図3に示したように、脚部63が対角位置に形成されている場合は、シール溝53に対してシール30(40)を安定保持することができ、シール性が安定する。図3の場合は、2列の脚部63間の間隔dがスリットとなっているので、弾性部材52の押し付け力を形状的に付与することができる。
以上のようなシール30(40)を装着したこの発明のバルブタイミング調整装置は、当該シール30(40)が高い性能を有するので、バルブタイミングの調整機能の信頼性が向上する。
11 ベーンロータ
12 シューハウジング
13 駆動部材
13a 歯車
14 被駆動部材
15 嵌合凸部
16 嵌合凹部
17 ボルト
18 カムシャフト
19 鍔部
20 ボス部
21 ジャーナル部
22 支持部
23 内側板
24 ハウジング本体
25 外側板
26 シュー
27 ボルト
28 ベーン
29 液圧室
29a 遅角液圧室
29b 進角液圧室
30 シュー側シール
31 回転ロック機構
32 収納孔
33 ロックピン
34 ロック穴
35 付勢ばね
36 外周鍔部
37 液圧室
40 ベーン側シール
41、42 液通路
43 小径液通路
44 大径液通路
45、46 分岐液通路
47、48 ロック解除液通路
51 シール部材
52 弾性部材
53 シール溝
54 シール面
55 内周面
56 外周面
57 シール部
58 連結部
59 凹部
60 狭窄部
61 凸部
62 くびれ部
63 脚部
64 凸部
65 くびれ部
66 凹部
67 狭窄部




Claims (14)

  1. バルブタイミング調整装置のシューハウジングとベーンロータとの回転摺動部のシール溝に装着されるバルブタイミング調整装置用シールにおいて、前記シールは、低摩擦材からなるシール部材とそのシール部材のシール面を相手部材に対し所望の圧接力で押し当てるゴム製の弾性部材とからなり、前記弾性部材は、前記シール部材に対しそのシール面と反対側の面において凹凸嵌合構造により結合一体化されたことを特徴とするバルブタイミング調整装置用シール。
  2. 前記凹凸嵌合構造は、前記シール部材のシール面と反対側の面に設けられた凹部と、前記弾性部材に設けられた凸部との嵌合によって構成され、前記凹部はその開口端に狭窄部を有し、前記凸部はその付け根に前記狭窄部に係合するくびれ部を有することを特徴とする請求項1記載のバルブタイミング調整装置用シール。
  3. 前記凹凸嵌合構造は、前記シール部材のシール面と反対側の面に設けられた凸部と、前記弾性部材に設けられた凹部との嵌合によって構成され、前記凸部はその付け根にくびれ部を有し、前記凹部はその開口端に前記くびれ部に係合する狭窄部を有することを特徴とする請求項1記載のバルブタイミング調整装置用シール。
  4. 前記弾性部材は、ゴム硬度50〜90のゴムからなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のバルブタイミング調整装置用シール。
  5. 前記ゴムは、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、アクリルゴムであることを特徴とする請求項4記載のバルブタイミング調整装置用シール。
  6. 前記低摩擦材は、合成樹脂であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のバルブタイミング調整装置用シール。
  7. 前記合成樹脂は、ポリフェニレンサルファイド樹脂またはポリエーテルエーテルケトン樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項6記載のバルブタイミング調整装置用シール。
  8. 前記低摩擦材は、焼結合金であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のバルブタイミング調整装置用シール。
  9. 前記弾性部材は、前記シール溝の溝底に対向した面に複数の脚部が形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のバルブタイミング調整装置用シール。
  10. 前記脚部は、長手方向に2列に配置されていることを特徴とする請求項9に記載のバルブタイミング調整装置用シール。
  11. 前記脚部は、ドット形状であることを特徴とする請求項9または10に記載のバルブタイミング調整装置用シール。
  12. 前記脚は、フィン形状であることを特徴とする請求項9または10に記載のバルブタイミング調整装置用シール。
  13. 前記凹凸嵌合構造の結合力には、前記弾性部材の弾性力が寄与していることを特徴とする 請求項1から12のいずれかに記載のバルブタイミング調整装置用シール。
  14. ベーンロータと、このベーンロータを所定角度の範囲内で相対回転可能に収容する液圧室を形成したシューハウジングと、前記液圧室に作動液を給排して前記ベーンロータの前記シューハウジングに対する位相差を調整するための液通路とを備え、エンジンのクランクシャフトと、エンジンの吸気弁および排気弁の両方またはいずれか一方を駆動するカムシャフトとの間に設けられ、前記両シャフトのいずれか一方のシャフトと共に前記シューハウジングが回転し、他方のシャフトと共に前記ベーンロータが回転するバルブタイミング調整装置において、前記シューハウジングとベーンロータとの回転摺動部に装着されるシールが、請求項1から13のいずれかに記載のシールであることを特徴とするバルブタイミング調整装置。


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