JP2010275415A - ポリオレフィン樹脂組成物フィルム、及びこれを用いた太陽電池用封止フィルム、これを用いた太陽電池 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂組成物フィルム、及びこれを用いた太陽電池用封止フィルム、これを用いた太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 フィッシュアイが少なく、加熱架橋時の寸法収縮率が小さいポリオレフィン樹脂組成物フィルム、及びこれを用いた太陽電池用封止フィルム、これを用いた太陽電池を提供する。
【解決手段】 ポリオレフィン樹脂100重量部、及び架橋剤0.1〜5重量部を含んでなり、50μm以上のフィッシュアイが10個/m以下であるポリオレフィン樹脂組成物フィルム、並びにこれを用いた太陽電池用封止フィルム、これを用いた太陽電池。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリオレフィン樹脂組成物フィルム、及びこれを用いた太陽電池用封止フィルム、これを用いた太陽電池に関するものである。
近年、石化資源の枯渇、環境破壊の進行等の問題を解決する手段として太陽電池が急速に普及しつつある。一般に太陽電池は、結晶シリコンなどの太陽電池セルを使用し、表側表面保護材、封止フィルム、太陽電池用セル、封止フィルム、及び裏側表面保護材等を積層し、真空吸引加熱ラミネ−ション法等を利用して製造されている。
表側表面保護材は、太陽電池用セルを保護するのに必要な強度を備えたガラス基板、またはポリエステルフィルム等の樹脂フィルム、裏側表面保護材は、軽量で耐久性に優れたポリエステルフィルム、フッ素樹脂フィルム等の樹脂フィルムが一般に用いられている。
一方、封止フィルムは透明性、柔軟性、電気絶縁性、耐久性等の性能が求められ、一般にエチレン−酢酸ビニル共重合体を主体とするフィルムが使用されており、太陽電池セルや周辺配線を表側表面保護部材と裏側表面保護部材ではさむ際の接着剤としての役割も担っている。
太陽電池を製造する際、封止フィルムは加熱架橋されながら表面保護材と接着されるが、加熱架橋した際の封止フィルムの寸法収縮率が大きいと、太陽電池セルが破損したり、表面保護材と封止フィルムとの間に気泡が発生し接着性が低下したりする。
一方、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン樹脂は、その性質上フィルムにフィッシュアイが発生し易い。ここでフィッシュアイとは、フィルム中に異物やゲルがあるとその周辺部分が肉眼、偏光板、または顕微鏡で見ると魚の目のようにみえることからきた樹脂フィルムの欠点の一つである。
ポリオレフィン樹脂フィルムの場合、フィッシュアイの原因の一つであるゲルには未溶融ゲルと架橋ゲルがあることが知られている。
架橋ゲルはポリオレフィン樹脂が3次元的に架橋し、加熱溶融、及び溶剤への溶解が難しいゲルである。一方、未溶融ゲルは加熱により溶融又は溶解可能なゲルであり、押出機により溶融混練し、ダイス等から押出した場合には未溶融ゲルとしての状態を保持している比率が高い。
特にベッセル型反応器又はチューブラー型反応器を用いて高圧ラジカル重合で得られるポリオレフィン樹脂、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、低密度ポリエチレン等では上記の未溶融ゲル、架橋ゲルが多いことが知られている。高温の反応器内では生成したポリマーからラジカル的に水素が引き抜かれ、分岐が生成する。この分岐ポリマーは反応器に接続された高圧分離器、及びペレット化の過程で高温に晒されて、凝集体としての未溶融ゲル、又は架橋反応を起こして架橋ゲルを生成することが、この理由である。
架橋ゲルにより生じるフィッシュアイの部分は、フィルム中の他の部分よりも硬かったり、凸になっているため、太陽電池セルを破損したり、表側表面保護材や裏側表面保護材と封止フィルムとの間に気泡が発生し接着性が低下する課題があった。
そこで、寸法収縮率を改良する方法として、例えば、架橋剤を含むエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂組成物をカレンダー加工する際、特定の製造条件で製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、樹脂フィルムの温度が該樹脂の軟化点以下に低下する前に、該フィルムをアニール処理する製造方法が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
また、フィッシュアイを低減する方法として例えば、ラジカル重合開始剤の存在下、特定の重合条件でエチレンを重合するに際し、反応系内にラジカル重合禁止剤を共存させることが提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
また、樹脂に含まれる架橋ゲル、及び未溶融ゲルを成形時に除去する方法が提案されている。例えば、押出機に高粘度樹脂溶融体輸送用ギヤーポンプ、及び濾過装置として焼結フィルターを設置し、溶融ポリエチレン系樹脂を押出してフィルムを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献4を参照)。
さらには、溶融した膜状のポリオレフィン樹脂をキャストロールと該ロールに沿って円弧状に形成された無端ベルトとの間で挟圧して得られるフィルムが提案されている(例えば、特許文献5を参照)。
特開2000−84967号公報 特開2000−84996号公報 特開2003−342307号公報 特開平8−103952号公報 特開平8−25460号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、寸法収縮率をある程度改善しているものの充分なレベルではない。また、特許文献2に記載の方法はアニール処理前後でフィルムの厚さが異なり、所望の膜厚のフィルムを得るのが困難である。
また、特許文献3に提案の方法はフィッシュアイを低減する一定の効果はあるもののそのレベルは不充分であり、特許文献4、5に記載の方法は、ポリオレフィン樹脂が高温にさらされるため架橋ゲルが生成する課題を解決し切れていない。
そこで、本発明は、フィッシュアイが少なく、加熱架橋時の寸法収縮率が小さいポリオレフィン樹脂組成物フィルム、及びこれを用いた太陽電池用封止フィルム、これを用いた太陽電池を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、フィッシュアイが少なく、加熱架橋時の寸法収縮率が小さいポリオレフィン樹脂組成物フィルムを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、ポリオレフィン樹脂100重量部、及び架橋剤0.1〜5重量部を含んでなり、50μm以上のフィッシュアイが10個/m以下であるポリオレフィン樹脂組成物フィルム、並びにこれを用いた太陽電池用封止フィルム、これを用いた太陽電池である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物フィルムは、ポリオレフィン樹脂100重量部、及び架橋剤0.1〜5重量部を含んでなり、50μm以上のフィッシュアイが10個/m以下のフィルムである。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物フィルムは長さ、幅、厚さに特に制限はなく、平面状成形物であり、テープ類、リボン類も含む。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物フィルムの厚みは、フィルムの扱いやすさの観点から1〜600μmが好ましく、1〜300μmがさらに好ましく、1〜100μmが特に好ましい。
また、本発明のポリオレフィン樹脂組成物フィルム中の50μm以上のフィッシュアイは10個/m以下であり、さらに好ましくは50μm以上のフィッシュアイが5個/m以下であり、特に好ましくは3個/m以下であり、最も好ましくは1個/m以下である。50μm以上のフィッシュアイが10個/mを超えると、得られるポリオレフィン樹脂組成物フィルムの外観が悪く、また、太陽電池用封止フィルムとして用いた場合、太陽電池セルを破損したり、表面保護材とポリオレフィン樹脂組成物フィルムとの間に気泡が発生し接着性が低下したりすることがある。ここでいうフィッシュアイとは、ポリオレフィン樹脂組成物フィルム中で光学的に不均一な状態を示している領域と定義される。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物フィルムにおけるポリオレフィン樹脂としては、何ら制限はなく、例えば、ポリエチレン、エチレン系共重合体、ポリプロピレン、ポリプロピレン系共重合体、さらにこれらポリオレフィン樹脂の塩素化物等を挙げることができる。さらに詳しくは、ポリエチレンとしては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等が挙げられる。エチレン系共重合体としては、例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体等が挙げられ、具体的には、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物、エチレン−ビニルアルコール樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体等が挙げられる。ポリプロピレン系共重合体としては、例えば、ポリプロピレンブロックコポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー等が挙げられる。また、これらポリオレフィン樹脂は単独で、又は複数選択して用いることができる。
中でも得られるポリオレフィン樹脂組成物フィルムが柔軟であることから、ポリオレフィン樹脂組成物フィルムにおけるポリオレフィン樹脂は、ポリエチレン、及び/又はエチレン−酢酸ビニル共重合体であることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂組成物フィルムにおけるポリオレフィン樹脂がポリエチレンの場合には、得られるフィルムが柔軟で取り扱い易い点から、ポリエチレンの密度は870〜965kg/mであることが好ましい。ポリオレフィン樹脂組成物フィルムにおけるポリオレフィン樹脂がエチレン−酢酸ビニル共重合体の場合には、得られるフィルムが柔軟で取り扱い易い点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体の密度は923〜970kg/mであることが好ましい。
これらのポリオレフィン樹脂を合成するための重合方法に特に限定はなく、通常知られている方法を用いることができ、例えば、高圧ラジカル重合法、中低圧重合法、溶液重合法、スラリー重合法等を挙げることができる。
また、重合に使用する触媒に特に制限はなく、例えば、過酸化物系触媒、チーグラー−ナッタ触媒、メタロセン触媒等が挙げられる。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物フィルムにおけるポリオレフィン樹脂の分子量は、ポリオレフィン樹脂が溶剤に溶解する限り何ら制限は無いが、フィルムの強度を維持し、かつ、ポリオレフィン樹脂の流動性を維持して薄いフィルムを得るため、直鎖状ポリエチレン換算の重量平均分子量(M)が、10,000〜1,000,000が好ましく、20,000〜700,000がさらに好ましく、25,000〜300,000が特に好ましい。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物フィルムに含まれる架橋剤としては、例えば、熱分解法など簡易な方法により架橋できる有機過酸化物等が好ましく用いられ、具体的には、2,5−ジメチルヘキサン、2,5−ジハイドロパーオキサイド、3−ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(tert−ブチルパーオキシソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド等が例示される。
中でも、効率的にポリオレフィン樹脂を架橋できることから、10時間半減期温度が50℃以上であるものが好ましく用いられる。ここで、架橋剤を分解させた際に残存量が初期値の半分に減少するまでの時間を半減期といい、10時間半減期温度とは半減期が10時間となる温度を意味する。
これらのうち、効率的にポリオレフィン樹脂を架橋できることから、1,1−ジ(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましい。
架橋剤の量は、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部であり、好ましくは0.3〜3重量部である。0.1重量部未満では太陽電池用封止フィルムとして使用する際の耐熱性が不足する。5重量部を超えると加熱架橋時のガス発生量が多くなり、太陽電池用封止フィルムとして使用する際、表面保護材との接着性が悪化する。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物フィルムは、得られるポリオレフィン樹脂組成物フィルムの耐久性が向上することから架橋剤と共に架橋助剤をさらに含むことが好ましい。架橋助剤としては、例えば、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の3官能の架橋助剤の他、(メタ)アクリルエステル(例、NKエステル等)の単官能又は2官能の架橋助剤等を挙げることができる。なかでも、効率的にポリオレフィン樹脂を架橋できるため、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートが好ましく、特にトリアリルイソシアヌレートが好ましい。
架橋助剤の量は、架橋工程におけるガスの発生を抑制できることからポリオレフィン樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部が好ましく、0.1〜2重量部がより好ましく、0.1〜0.5重量部が特に好ましい。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物フィルムは、得られるポリオレフィン樹脂組成物フィルムを太陽電池用封止フィルムとして使用した場合に、ガラス基板との接着性が向上することからシランカップリング剤をさらに含むことが好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらシランカップリング剤は、単独で使用しても、又は2種以上組み合わせて使用しても良い。中でも、架橋工程におけるガスの発生を高く抑制することができることから、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
シランカップリング剤の量は、架橋工程におけるガスの発生を抑制できることからポリオレフィン樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましく、0.1〜1重量部であることがより好ましい。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物フィルムは、得られるポリオレフィン樹脂組成物フィルムの着色を抑制できることから酸化防止剤をさらに含むことが好ましい。
酸化防止剤としては、何ら制限はなく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、ビタミンE系酸化防止剤等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、より大きな効果を発現するために2種以上を併用して用いることができる。
これらの酸化防止剤の中でも、着色を抑制する効果が大きいことから、フェノール系酸化防止剤である2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノールが好ましい。
本発明で含むことが好ましい酸化防止剤の量は、得られるポリオレフィン樹脂組成物フィルムの着色が抑制できることから、0.1〜1000ppmであることが好ましく、0.1〜500ppmがさらに好ましく、0.1〜10ppmが特に好ましい。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物フィルムには、本発明の効果を損なわない範囲で各種添加剤を含有していても良い。添加剤としては、例えば、染料、有機顔料、無機顔料、無機補強剤、可塑剤、アクリル加工助剤等の加工助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、発泡剤、滑剤、ワックス、結晶核剤、可塑剤、離型剤、加水分解防止剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、防徽剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤、無機充填材、有機充填材等を挙げることができる。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物フィルムを得る方法は、例えば、ポリオレフィン樹脂、架橋剤、必要に応じて架橋助剤,シランカップリング剤を混合したものを加熱して溶融させた後にフィルム化する溶融法、ポリオレフィン樹脂、架橋剤、必要に応じて架橋助剤,シランカップリング剤を溶剤に溶解させた後にフィルム化する溶液法等が挙げられる。
溶融法としては、例えば、インフレーション法(空冷法、水冷法)、Tダイ法、カレンダー法等が挙げられる。
溶液法としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、架橋剤、必要に応じて架橋助剤,シランカップリング剤を溶剤に溶解してポリオレフィン溶液を調製する工程、引き続き、ポリオレフィン溶液を基材上に流延した後、加熱して溶剤を蒸散させる工程からなる溶液流延法が挙げられる。
中でも、得られるポリオレフィン樹脂組成物フィルムのフィッシュアイが少なく、得られたポリオレフィン樹脂組成物フィルムを加熱架橋した際の寸法収縮率が小さくなることから、ポリオレフィン樹脂、架橋剤、必要に応じて架橋助剤,シランカップリング剤を溶剤に溶解してポリオレフィン溶液を調製する工程、引き続き、ポリオレフィン溶液を基材上に連続的に流延した後、加熱して溶剤を蒸散させる工程からなる溶液流延法が好ましい。
好ましい製造法である溶液流延法の各工程について以下に説明する。
1)ポリオレフィン溶液を調製する工程
ポリオレフィン溶液を調製する工程で用いられる溶剤は、ポリオレフィン樹脂を溶解する溶剤であれば特に制限は無く、例えば、ハロゲン系溶剤、沸点が70〜140℃、溶解度指数が13〜20MPa1/2である脂肪族炭化水素系化合物、芳香族炭化水素系化合物、エーテル系化合物及びアセタール系化合物から選ばれる少なくとも1種類の非ハロゲン系溶剤等を挙げることができる。これらの溶剤は2種以上を混合して使用することもでき、その割合は特に限定するものではない。
ハロゲン系溶剤としては、例えば、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、塩化メチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレン等の塩素系溶剤、臭化エタン等の臭素系溶剤、モノフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン、パーフルオロヘプタン、パーフルオロオクタン、ジクロロペンタフルオロプロパン等のフッ素系溶剤、ブロモクロロメタン、1,2−ジブロモ−1,1−ジフルオロエタン等の臭素とフッ素を含有する溶剤等が挙げられる。
沸点が70〜140℃、溶解度指数が13〜20MPa1/2である脂肪族炭化水素系化合物、芳香族炭化水素系化合物、エーテル系化合物、アセタール系化合物の非ハロゲン系溶剤としては、例えば、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、n−オクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、イソオクタン、2,2,5−トリメチルヘキサン、1−ヘプテン、1−オクテン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘキセン等の脂肪族炭化水素系化合物、ベンゼン、トルエン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系化合物、シクロペンチルメチルエーテル、エチルアミノエーテル、ジオキサン、ジプロピルエーテル等のエーテル系化合物、ジエチルアセタ−ル等のアセタール系化合物等が例示される。
これらの溶剤の中で、ポリオレフィン樹脂の溶解性の観点からはポリオレフィン樹脂を例えば、80〜120℃で溶解できる溶剤が好ましく、また、溶剤の蒸散の観点からは沸点の低い溶剤が好ましい。これらの観点から、1,1,2−トリクロロエタン、n−ヘプタン、メチルシクロヘキサン、トルエン、シクロペンチルメチルエーテルが好ましく、1,1,2−トリクロロエタン、メチルシクロヘキサンがさらに好ましい。
ポリオレフィン樹脂の溶解温度は用いる溶剤とポリオレフィン樹脂により適宜決定される。使用する溶剤の沸点以下でポリオレフィン樹脂が溶解しない場合には、必要に応じて耐圧容器を用いて溶剤の沸点以上の温度で溶解することも可能であるが、使用する溶剤の常圧での沸点以下で溶解させるのが経済的側面から好ましい。溶解温度に特に制限は無いが、60〜200℃が好ましく、70〜150℃がさらに好ましい。
溶解時間は使用するポリオレフィン樹脂の形状、及び溶解温度に依存し、例えば20分〜8時間が好ましく、30分〜2時間がさらに好ましい。また、ポリオレフィン樹脂の溶解は完全に行う必要があり、一定の溶液粘度に到達するまで溶解を行うことが好ましい。
また、溶解する装置に特に制限はなく、例えば、ベッセル、チューブ、横型反応器、押出機等を用いることができる。また、溶解は撹拌しながら行うのが好ましい。
ポリオレフィン樹脂、架橋剤、必要に応じて架橋助剤,シランカップリング剤を溶剤へ溶解して得られたポリオレフィン溶液は、異物を除くために濾過することが好ましく、濾過はポリオレフィン樹脂が溶解した状態で行うことが好ましい。濾過方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができ、例えば、自然濾過、遠心濾過、加圧濾過、減圧濾過、デカンテーション等が挙げられる。濾材としては、例えば、金属網、積層金網焼結体、金属不織布焼結体、樹脂織布、樹脂不織布、樹脂メンブラン、濾布、紙等が挙げられる。これらの濾材は単独、又は複数組み合わせて使用することができ、また濾過精度を上げるため、濾過は多段階に分けて行うこともできる。濾材の目開きは100μm以下が好ましく、50μm以下がさらに好ましく、30μm以下が特に好ましい。
該ポリオレフィン溶液を濾過する際の温度に特に制限は無く、例えば、使用する溶剤の沸点以下で、ポリオレフィン樹脂が溶解した状態等で行うことができる。
該ポリオレフィン溶液の濃度には特に制限がなく、選択した溶剤により適宜設定することが可能であり、ポリオレフィン樹脂の濃度としては0.1〜50重量%が好ましく、1〜30重量%がさらに好ましく、5〜25重量%が特に好ましい。
2)溶剤を蒸散させる工程
溶剤を蒸散させる方法としては、例えば、該ポリオレフィン溶液を基材上に流延し薄膜化した後、加熱する方法等が挙げられる。
基材としてはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル製のフィルムに代表される各種樹脂フィルム、これら樹脂フィルムの表面にシリコン処理、アクリル樹脂等のハードコートによる表面処理を施した各種樹脂フィルム、これら樹脂フィルムに金属蒸着処理を行った各種樹脂フィルムが挙げられる。さらには、アルミニウム、銅、ステンレス等の金属箔、金属フィルム、金属シート等の各種フィルム、必要に応じてこれら金属素材上にポリマーコーティングを施したもの、無機コーティングを施したものを例示することができる。また、必要に応じて加熱した回転金属ドラム上に流延することも可能であり、エンドレスのポリマーベルト、金属ベルト上に流延することができる。
ポリオレフィン溶液を基材に流延する方法としては公知の方法であるグラビアコーター、コンマコーター、ダイコーター、ダブルメイヤーバーコーター等が例示される。ポリオレフィン樹脂を溶解させるために加熱が必要な場合であり、かつ溶剤の沸点が低い場合には、流延過程における溶剤の急速な揮発による該ポリオレフィン溶液の粘度上昇を抑制するため、ダイコーターを用いるのが好ましい。流延により形成された直後の基材上の該ポリオレフィン溶液の厚みは3〜500μmが好ましく、流延速度は0.5〜50m/分が好ましい。
基材上に形成された該ポリオレフィン溶液層の乾燥は1段階から多段階に分けて行うことができ、その温度範囲は50〜150℃が好ましく、多段階で乾燥する場合には50〜100℃で1次乾燥し、100〜130℃の範囲で2次乾燥する等の方法をとることが好ましい。また、必要に応じて乾燥を3段階以上に分けて行うことも可能である。この乾燥は工業的にはダイコーターに隣接した乾燥炉を用いて効率的に行うことができる。十分乾燥した後に基材から剥離して本発明のポリオレフィン樹脂組成物フィルムを得ることができる。
本発明の太陽電池用封止フィルムは上記ポリオレフィン樹脂組成物フィルムを用いたものである。
また、本発明の太陽電池は、ポリオレフィン樹脂100重量部、及び架橋剤0.1〜5重量部からなり、50μm以上のフィッシュアイが10個/m以下であるポリオレフィン樹脂組成物フィルムを用いてなり、ポリオレフィン樹脂組成物フィルムが太陽電池セルと接着して内層を形成し、ガラス基板、又は表面保護シートがその外層を形成する。
本発明の太陽電池の構成は、本発明の太陽電池用封止フィルムを含んでいれば特に制限はなく、例えば受光面側からガラス基板/本発明の太陽電池封止フィルム/太陽電池セル/本発明の太陽電池封止フィルム/表面保護シート、表面保護シート/本発明の太陽電池封止フィルム/太陽電池セル/本発明の太陽電池封止フィルム/表面保護シート等が挙げられる。
本発明により産業上極めて応用範囲の広い、フィッシュアイが少なく、加熱架橋時の寸法収縮率が小さいポリオレフィン樹脂組成物フィルム、及びこれを用いた太陽電池用封止フィルム、これを用いた太陽電池を提供することができる。
以下に実施例にもとづき本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明の理解を助けるための例であって本発明はこれらの実施例により何等の制限を受けるものではない。尚、用いた試薬等は断りのない限り市販品を用いた。
<ポリオレフィン樹脂>
(1)エチレン−酢酸ビニル共重合体
EVA−1;ウルトラセン(登録商標)751(酢酸ビニル含量28重量%、MFR=5.7g/10分、密度=952kg/m)、東ソー株式会社製
(2)ポリエチレン
VLDPE:超低密度ポリエチレン、LUMITAC(登録商標)22−1(MFR=2.0g/10分、密度=900kg/m)、東ソー株式会社製
<架橋剤>
V−1;1,1−ジ(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、10時間半減期温度=87℃
<架橋助剤>
VA−1;トリアリルイソシアヌレート
<シランカップリング剤>
SC−1;γ−メタクリロプロピルトリメトキシシラン
<基材(PETフィルム)>
PET−1;ピューレックス(登録商標)A31、片面シリコーン系剥離処理、厚み:75μm,帝人デュポンフィルム株式会社製
PET−2;テトロン(登録商標)HLEW(厚み:100μm)、易接着処理、東レ株式会社製
<流延>
加熱可能な幅300mmのダイを設置した塗工機を用いて行った。オートクレーブで溶解したポリマー溶液はユニコントロールズ(株)製の加熱ジャケット、窒素導入バルブを備えた5Lスケールの加圧可能なタンクに移液した。タンク内のポリマー溶液は、タンクを加圧することによりダイスへ移液した。タンクとダイスは、タンク下部の抜出しバルブに(株)マイセック製のホースヒーターを施工したテフロン(登録商標)チューブで連結し、一定温度に保持した状態とした。
ダイスの温調は日本金型産業(株)製の金型温調機TSW−75Sを用いて行い、ホースヒーター、及び、加熱タンクは(株)マイセック製のHST−120CTを用いて温度調節した。
<フィッシュアイの測定>
得られたフィルムの下から蛍光灯を照射し、目視やルーペを用いフィルム中のフィッシュアイの個数と大きさを測定し、個数は1m当たりの個数として算出した。
<寸法収縮率>
太陽電池を製造する際の加熱架橋温度である150℃で、ポリオレフィン樹脂組成物フィルムの寸法収縮率を測定した。寸法収縮率は、200mmの正方形に切り出したポリオレフィン樹脂組成物フィルムを温度150℃に設定したオーブン中で20分間放置し、その前後の寸法を測定して求めた。
実施例1
EVA−1を100重量部、架橋剤としてV−1を2重量部の比率で合計量2.5kg、及びメチルシクロヘキサン15.4kgを30Lのオートクレーブに仕込み、加熱下90℃で30分間攪拌してEVA−1を溶解してポリオレフィン溶液を得た。この溶液を500メッシュの金属網でろ過しながら、90℃に加温した5Lのタンクに溶液3Lを移液した。タンクを窒素で加圧して、90℃に保温した加温ジャケット付のテフロン(登録商標)チューブを通して90℃に加温した300mm幅のコーティングダイへ送液し、ダイからポリオレフィン溶液を基材であるPET−1上に流延し、120℃で乾燥した。PETフィルムの速度は1m/分に設定した。冷却後、PETフィルムを剥離してポリオレフィン樹脂組成物フィルムを得た。得られたポリオレフィン樹脂組成物フィルムの厚み、フィッシュアイ、寸法収縮率を測定した。
得られたポリオレフィン樹脂組成物フィルムの膜厚は40μm、50μm以上のフィッシュアイは0.7個/m、寸法収縮率は0.6%であり、フィッシュアイが少なく、寸法収縮率の小さなフィルムであった。
実施例2
EVA−1を100重量部、架橋剤としてV−1を2重量部、架橋助剤としてVA−1を2重量部の比率で合計量2.5kg、及びメチルシクロヘキサン15.4kgを30Lのオートクレーブに仕込み、加熱下90℃で30分間攪拌してEVA−1を溶解してポリオレフィン溶液を得た。この溶液を500メッシュの金属網でろ過しながら、90℃に加温した5Lのタンクに溶液3Lを移液した。タンクを窒素で加圧して、90℃に保温した加温ジャケット付のテフロン(登録商標)チューブを通して90℃に加温した300mm幅のコーティングダイへ送液し、ダイからポリオレフィン溶液を基材であるPET−1上に流延し、120℃で乾燥した。PETフィルムの速度は1m/分に設定した。冷却後、PETフィルムを剥離してポリオレフィン樹脂組成物フィルムを得た。得られたポリオレフィン樹脂組成物フィルムの厚み、フィッシュアイ、寸法収縮率を測定した。
得られたポリオレフィン樹脂組成物フィルムの膜厚は60μm、50μm以上のフィッシュアイは0.9個/m、寸法収縮率は0.6%であり、フィッシュアイが少なく、寸法収縮率の小さなフィルムであった。
実施例3
EVA−1を100重量部、架橋剤としてV−1を2重量部、架橋助剤としてVA−1を2重量部、シランカップリング剤としてSC−1を0.5重量部の比率で合計量2.5kg、及びメチルシクロヘキサン15.4kgを30Lのオートクレーブに仕込み、加熱下90℃で30分間攪拌してEVA−1を溶解してポリオレフィン溶液を得た。この溶液を500メッシュの金属網でろ過しながら、90℃に加温した5Lのタンクに溶液3Lを移液した。タンクを窒素で加圧して、90℃に保温した加温ジャケット付のテフロン(登録商標)チューブを通して90℃に加温した300mm幅のコーティングダイへ送液し、ダイからポリオレフィン溶液を基材であるPET−1上に流延し、120℃で乾燥した。PETフィルムの速度は1m/分に設定した。冷却後、PETフィルムを剥離してポリオレフィン樹脂組成物フィルムを得た。得られたポリオレフィン樹脂組成物フィルムの厚み、フィッシュアイ、寸法収縮率を測定した。
得られたポリオレフィン樹脂組成物フィルムの膜厚は60μm、50μm以上のフィッシュアイは0.8個/m、寸法収縮率は0.5%であり、フィッシュアイが少なく、寸法収縮率の小さなフィルムであった。
上記で得られたポリオレフィン樹脂組成物フィルムを太陽電池用封止フィルムとして用いた。下から順に、ガラス基板(北陸板硝子製)/実施例3で得られたポリオレフィン樹脂組成物フィルム/シリコンウェハー/実施例3で得られたポリオレフィン樹脂組成物フィルム/PET−2(易接着面が下)になるように重ねて、遠赤外加熱炉(テーピ熱学株式会社製)を用い、温度100℃で5分間仮接着した後、温度150℃に設定したオーブン中で20分間熱接着し、太陽電池相当の積層体を作製した。得られた太陽電池相当の積層体は各層の接着性が良いものであった。
実施例4
VLDPEを100重量部、架橋剤としてV−1を1.5重量部、架橋助剤としてVA−1を1重量部、シランカップリング剤としてSC−1を0.2重量部の合計量3.6kg、及び1,1,2−トリクロロエタン28.8kgを30Lのオートクレーブに仕込み、加熱下100℃で30分間攪拌してVLDPEを溶解してポリオレフィン溶液を得た。この溶液を500メッシュの金属網でろ過しながら、100℃に加温した5Lのタンクに溶液3Lを移液した。タンクを窒素で加圧して、100℃に保温した加温ジャケット付のテフロン(登録商標)チューブを通して100℃に加温した300mm幅のコーティングダイへ送液し、ダイからポリオレフィン溶液を基材であるPET−1上に流延し、120℃で乾燥した。PETフィルムの速度は1m/分に設定した。冷却後、PETフィルムを剥離してポリオレフィン樹脂組成物フィルムを得た。得られたポリオレフィン樹脂組成物フィルムの厚み、フィッシュアイ、寸法収縮率を測定した。
得られたポリオレフィン樹脂組成物フィルムの膜厚は50μm、50μm以上のフィッシュアイは0.8個/m、寸法収縮率は0.7%であり、フィッシュアイが少なく、寸法収縮率の小さなフィルムであった。
上記で得られたポリオレフィン樹脂組成物フィルムを太陽電池用封止フィルムとして用いた。下から順に、ガラス基板(北陸板硝子製)/実施例4で得られたポリオレフィン樹脂組成物フィルム/シリコンウェハー/実施例4で得られたポリオレフィン樹脂組成物フィルム/PET−2(易接着面が下)になるように重ねて、遠赤外加熱炉(テーピ熱学株式会社製)を用い、温度100℃で5分間仮接着した後、温度150℃に設定したオーブン中で20分間熱接着し、太陽電池相当の積層体を作製した。得られた太陽電池相当の積層体は各層の接着性が良いものであった。
比較例1
架橋剤としてV−1を用いなかったこと以外は実施例1と同様にポリオレフィン樹脂組成物フィルムを作成した。
得られたポリオレフィン樹脂組成物フィルムの膜厚は40μm、50μm以上のフィッシュアイは0.7個/mであったが、寸法収縮率を測定したところ流動して原形を留めなかった。
比較例2
架橋剤としてV−1を用いなかったこと以外は実施例3と同様にポリオレフィン樹脂組成物フィルムを作成した。
得られたポリオレフィン樹脂組成物フィルムの膜厚は60μm、50μm以上のフィッシュアイは0.6個/mであったが、寸法収縮率を測定したところ流動して原形を留めなかった。
比較例3
架橋剤としてV−1を2重量部用いる代わりに7重量部用いたこと以外は実施例3と同様にポリオレフィン樹脂組成物フィルムを作成した。
得られたポリオレフィン樹脂組成物フィルムの膜厚は50μm、50μm以上のフィッシュアイは1.0個/mであったが、寸法収縮率は1.2%であった。
実施例3で得られたポリオレフィン樹脂組成物フィルムの代わりに比較例3で得られたポリオレフィン樹脂組成物フィルムを用いた以外は実施例3と同様に、太陽電池相当の積層体を作製した。得られた太陽電池相当の積層体はガラス板とポリオレフィン樹脂組成物フィルムの間に気泡が見られ、接着性の悪いものであった。
比較例4
EVA−1を100重量部、架橋剤としてV−1を6重量部、架橋助剤としてVA−1を2重量部、SC−1としてγ−メタクリロプロピルトリメトキシシランを0.5重量部を配合し、温度110℃に設定した20mmφの単軸押出機にて溶融混練しペレットを得た。
得られたペレットを25mmφのスクリューを有するTダイ型の押出機へ供給し、ポリオレフィン樹脂組成物フィルムを作製した。押出機、Tダイの温度は、130℃であった。得られたポリオレフィン樹脂組成物フィルムの膜厚は80μm、50μm以上のフィッシュアイは35個/mで、寸法収縮率は8.0%であった。
実施例3で得られたポリオレフィン樹脂組成物フィルムの代わりに比較例4で得られたポリオレフィン樹脂組成物フィルムを用いた以外は実施例3と同様に、太陽電池相当の積層体を作製した。得られた太陽電池相当の積層体はガラス板とポリオレフィン樹脂組成物フィルムの間に気泡が見られ、接着性の悪いものであった。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物フィルムは、フィッシュアイが少なく、加熱架橋時の寸法収縮率が小さいため、例えば太陽電池用封止フィルム、太陽電池として有用である。

Claims (7)

  1. ポリオレフィン樹脂100重量部、及び架橋剤0.1〜5重量部を含んでなり、50μm以上のフィッシュアイが10個/m以下であることを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物フィルム。
  2. ポリオレフィン樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部の架橋助剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン樹脂組成物フィルム。
  3. ポリオレフィン樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部のシランカップリング剤をさらに含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリオレフィン樹脂組成物フィルム。
  4. ポリオレフィン樹脂、架橋剤、必要に応じて架橋助剤,シランカップリング剤を溶剤に溶解してポリオレフィン溶液を調製する工程、引き続き、ポリオレフィン溶液を基材上に流延した後、加熱して溶剤を蒸散させる工程から製造されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載のポリオレフィン樹脂組成物フィルム。
  5. ポリオレフィン樹脂がポリエチレン、及び/又はエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかの項に記載のポリオレフィン樹脂組成物フィルム。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかの項に記載のポリオレフィン樹脂組成物フィルムを用いたことを特徴とする太陽電池用封止フィルム。
  7. 請求項1〜請求項5のいずれかの項に記載のポリオレフィン樹脂組成物フィルムを用いたことを特徴とする太陽電池。
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