JP2007299917A - 太陽電池用接着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、製膜時において、エチレン系共重合体をTダイ内で滞留或いは固化させてしまうことなく、安定して均一に製膜することができる太陽電池用接着シートを提供する。
【解決手段】 本発明の太陽電池用接着シートAは、エチレン系共重合体及び有機過酸化物からなるシート層が3層以上、積層一体化されてなる太陽電池用接着シートであって、上記シート層のうちの両側最外シート層に上記エチレン系共重合体100重量部に対して、有機過酸化物0.3〜3重量部及びスコーチ防止剤0.01〜2重量部が含有されていると共に、上記両側最外シート層の厚みの和がシート全体の厚みの20%以下であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、太陽電池モジュールを作製する際、太陽電池素子と保護材とを接合するのに好適に用いられる太陽電池用接着シートに関する。
シリコンやセレンの半導体ウェハーからなる太陽電池モジュールは、両面に接着シートが積層された太陽電池素子の上面に上部透明保護材を、下面に下部基板保護材を重ね合わせて得た積層体を減圧下で脱気しながら加熱し、太陽電池素子の上下面に保護材を接着シートを介して積層一体化させることによって製造されている。
このような太陽電池モジュールに用いられる太陽電池用接着シートとしては、例えば、特許文献1に、有機過酸化物を含有するエチレン共重合体からなる太陽電池モジュール用保護シートにおいて、有機過酸化物として、ジアルキルパーオキサイド(A)と、アルキルパーオキシエステル及びパーオキシケタールからなる群より選ばれる少なくとも一種の過酸化物(B)を、(A)/(B)の重量比が10/90〜90/10の割合で配合したものを用いることを特徴とする太陽電池モジュール用保護シートが提案されている。そして、この太陽電池モジュール用保護シートを製膜する方法としては、押出機でエチレン共重合体及び有機過酸化物からなる樹脂組成物を80〜130℃で溶融混練し、押出機の先端に配設されたTダイから押出製膜する方法が開示されている。
ここで、上記太陽電池モジュール用保護シートを、Tダイを用いて製膜する場合、Tダイ内の温度が80〜110℃であると、樹脂の溶融粘度が高くなって、樹脂組成物がTダイ内で滞留しやすくなる。すると、Tダイ内でシート状に展開された樹脂組成物と、温度の高いTダイ内面との接触時間が長くなるため、Tダイ内面に接触している樹脂組成物中の有機過酸化物が分解して、樹脂の架橋が進行する。従って、樹脂組成物の溶融粘度が更に高くなり、樹脂組成物がTダイ内で滞留して、均一な厚みのシートを製膜することができないという問題が生じた。又、このように樹脂が架橋して、樹脂組成物の溶融粘度が高くなることで、樹脂組成物のTダイ内での滞留時間が一段と長くなるので、樹脂の架橋が更に進行してしまい、樹脂がTダイ内で固化してシートを押出すことができなくなるといった事態も生じていた。
一方、上記太陽電池モジュール用保護シートの製膜時において、Tダイ内の温度が110〜130℃であると、Tダイ内面の温度が高温であることから、Tダイ内でシート状に展開された樹脂組成物がTダイ内面に熱せられて、有機過酸化物が分解し、樹脂の架橋が進行する。従って、上記樹脂組成物の溶融粘度が更に高くなり、樹脂組成物がTダイ内で滞留して、均一な厚みのシートを得ることができないという問題が生じた。又、Tダイ内で樹脂組成物が滞留すると、シート状に展開された樹脂組成物とTダイ内面との接触時間が長くなって、樹脂の架橋が更に進行するため、樹脂がTダイ内で固化してシートを押出すことができなくなるといった事態も生じていた。
特開平11−26791号公報
本発明は、製膜時において、エチレン系共重合体がTダイ内において滞留或いは固化することがなく、安定して均一な厚みに製膜することができる太陽電池用接着シートを提供する。
本発明の太陽電池用接着シートAは、図1に示したように、エチレン系共重合体及び有機過酸化物からなるシート層1、1・・・が3層以上、積層一体化されてなる太陽電池用接着シートであって、上記シート層1、1・・・のうちの両側最外シート層1a、1bにエチレン系共重合体100重量部に対して、有機過酸化物0.3〜3重量部及びスコーチ防止剤0.01〜2重量部が含有されていると共に、上記両側最外シート層1a、1bの厚みの和が太陽電池用接着シートA全体の厚みの20%以下であることを特徴とする。
上記シート層1に用いられるエチレン系共重合体は、エチレンと、エチレンと共重合し得る共重合性モノマーとの共重合体であり、このような共重合性モノマーとしては、特に限定されず、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸エステルなどが挙げられ、酢酸ビニルが好ましい。なお、上記共重合性モノマーは、単独でエチレンと共重合されていても、二種以上がエチレンと共重合されていてもよい。
又、上記エチレン系共重合体中に含まれる共重合性モノマーの量は、少ないと、得られる太陽電池用接着シートの透明性が不足し、太陽電池素子の発電効率が低下することがある一方、多いと、太陽電池用接着シートの製膜安定性や機械的強度が不十分になることがあるので、5〜50重量%であることが好ましい。
そして、上記エチレン系共重合体のメルトフローレイトは、小さいと、太陽電池用接着シートの製膜安定性が低下することがある一方、大きいと、太陽電池用接着シートの機械的強度が不十分となることがあるので、1〜100g/10分が好ましい。なお、本発明におけるエチレン系共重合体のメルトフローレイトは、JIS K7210に準拠して、温度190℃、荷重2.16kgf(21.18N)の条件下で測定された値をいう。
ここで、上記太陽電池用接着シートAは、太陽電池モジュールの製造時に、上部透明保護材及び下部基板保護材と、太陽電池素子との間に介在させて用いられ、減圧下での加熱圧着によって太陽電池素子と上下保護材とを接着させる。上記エチレン系共重合体は、太陽電池用接着シートに特に必要とされる透明性、接着性及び耐熱性のうち、透明性と接着性には優れているものの、耐熱性が低く、太陽電池モジュールの製造工程中の高温条件下では、変形してしまうという問題点がある。そこで、太陽電池用接着シートAを構成しているエチレン系共重合体に有機過酸化物を含有させ、太陽電池モジュールの製造時に加えられる熱でエチレン系共重合体を架橋させて、太陽電池用接着シートAの耐熱性を向上させている。
しかしながら、後述するような太陽電池用接着シートAの製膜工程において、エチレン系共重合体が架橋されてしまうと、エチレン系共重合体がTダイ内で滞留して厚みが均一な太陽電池用接着シートを得ることができない、或いは、Tダイ内でエチレン系共重合体が固化して太陽電池用接着シートを製膜することができないなどの問題が生じてしまう。
そこで、製膜時において、高温になっているTダイ内面と直接接触して架橋され易い、太陽電池用接着シートAの両側最外シート層1a、1bに、樹脂の貯蔵中や樹脂の成形中などに樹脂が架橋して成形不能になってしまう現象(スコーチ)を防止するスコーチ防止剤を含有させることで、太陽電池用接着シートAの製膜時におけるエチレン系共重合体の架橋を防止し、太陽電池用接着シートAの製膜安定性を損なわせないようにしている。
上記シート層1に用いられる有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド(136℃)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(119℃)、t−ブチルパーオキシベンゾエート(125℃)、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン(102℃)、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(106℃)、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン(107℃)、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(111℃)、2,2−ジ(4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン(114℃)、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(115℃)、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(118℃)、t−ブチルパーオキシラウレート(118℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(119℃)、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート(119℃)、t−ブチルパーオキシマレイン酸(119℃)、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート(119℃)、t−ブチルパーオキシアセテート(121℃)、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン(122℃)、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート(127℃)、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド(136℃)、t−ブチルクミルパーオキサイド(137℃)、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(138℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(138℃)、ジ−t−ブチルパーオキサイド(144℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(150℃)、p−メンタンハイドロパーオキサイド(151℃)などが挙げられ、単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。なお、上記括弧内の温度は1時間半減期温度を表す。
そして、太陽電池用接着シートAの両側最外シート層1a、1bに含有される有機過酸化物の量は、少ないと、太陽電池モジュールの製造時において、エチレン系共重合体の架橋が不十分になって、太陽電池用接着シートの耐熱性が不足し、得られる太陽電池モジュールの耐久性が低下する一方、多いと、太陽電池用接着シートの製膜時において、エチレン系共重合体が架橋してTダイ内に滞留し、均一な厚みの太陽電池用接着シートを得ることができなくなったり、或いは、エチレン系共重合体がTダイ内で固化して、太陽電池用接着シートを押出すことができなくなるので、エチレン系共重合体100重量部に対して0.3〜3重量部に限定され、0.5〜1.5重量部が好ましい。
又、太陽電池用接着シートAの両側最外シート層以外の残余のシート層(以下、「中間シート層」という)1c、1c・・・に含有される有機過酸化物の量は、少ないと、太陽電池モジュールの製造時において、エチレン系共重合体の架橋が不十分になって、太陽電池用接着シートの耐熱性が不足し、得られる太陽電池モジュールの耐久性が低下することがある一方、多いと、太陽電池モジュールの製造時の加熱圧着工程中に、有機過酸化物の分解に伴って、アセトンや二酸化炭素といった低分子量化合物が大量に発生し、太陽電池素子と保護材との対向面間に気泡膨れを生じて、太陽電池素子と保護材との接着性が低下し、太陽電池素子の保護機能が低下し、或いは、太陽電池用接着シートが変色して、太陽電池素子の発電効率が低下することがあるので、エチレン系共重合体100重量部に対して0.3〜3重量部が好ましく、0.5〜1.5重量部がより好ましい。
更に、上記両側最外シート層1a、1bには、太陽電池用接着シートAの製膜時におけるエチレン系共重合体の架橋を防止する目的で、スコーチ防止剤が含有されている。このようなスコーチ防止剤としては、特に限定されず、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、2,5−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ヒドロキノン、2−メルカプトベンゾチアゾール、オクチルメタクリレート、N−ニトロソジフェニルアミンなどが挙げられ、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
そして、上記両側最外シート層1a、1bに含有されるスコーチ防止剤の量は、少ないと、太陽電池用接着シートの製膜時において、エチレン系共重合体が架橋してTダイ内に滞留し、均一な厚みの太陽電池用接着シートを得ることができなくなったり、或いは、エチレン系共重合体がTダイ内で固化して、太陽電池用接着シートを押出すことができなくなる一方、多いと、太陽電池モジュールの製造時において、エチレン系共重合体の架橋が不十分となって、太陽電池用接着シートの耐熱性が不足し、得られる太陽電池モジュールの耐久性が低下するので、エチレン系共重合体100重量部に対して0.01〜2重量部に限定され、0.05〜1重量部が好ましい。
又、上記太陽電池用接着シートAの中間シート層1c、1c・・・にも、中間シート層1c、1c・・・を構成しているエチレン系共重合体の架橋を阻害しない範囲内においてスコーチ防止剤が添加されていてもよいが、スコーチ防止剤が含有されていないことが好ましい。
なお、上記シート層1には、太陽電池用接着シートAの物性を損なわない範囲内であれば、必要に応じて、架橋助剤、カップリング剤、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどの酸化防止剤、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどの紫外線吸収剤などの添加剤を添加してもよい。
上記架橋助剤としては、アリル基、ビニル基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を2個以上有する多官能モノマーが挙げられ、これらは、ポリマーラジカルを安定化して架橋効率を高めると共に、架橋点を集中させて、ゲルの生成を促進させる。上記多官能モノマーとしては、例えば、フタル酸ジアリル、イタコン酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルフォスフェート、ジビニルベンゼン;1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールなどの(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールの(メタ)アクリレートなどが挙げられ、単独で使用されてもよいし、二種以上が併用されてもよい。
そして、太陽電池用接着シートAの各シート層1に含有される架橋助剤の量は、多いと、Tダイ内でエチレン系共重合体が架橋されて溶融粘度が高くなり、エチレン系共重合体がTダイ内で滞留し、均一な厚みの太陽電池用接着シートを得ることができなくなったり、或いは、Tダイ内でエチレン系共重合体が架橋されて固化し、太陽電池用接着シートをTダイから押出すことができなくなったりするので、エチレン系共重合体100重量部に対して0.01〜1重量部が好ましい。
更に、上記シート層1には、太陽電池用接着シートAの物性を損なわない範囲内であれば、太陽電池用接着シートAの接着性を高める目的で、カップリング剤を添加してもよい。このようなカップリング剤としては、アミノ基、グリシジル基、メタクリロキシ基及びメルカプト基からなる群より選ばれた一種又は二種以上の官能基を有するシランカップリング剤が好適に用いられ、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
そして、本発明の太陽電池用接着シートAの両側最外シート層1a、1bの厚みの和は、厚いと、太陽電池モジュールの製造時において、エチレン系共重合体の架橋が不十分となり、太陽電池用接着シートの耐熱性が不足して、得られる太陽電池モジュールの耐久性が低下するので、太陽電池用接着シートA全体の厚みの20%以下であることが好ましいが、薄すぎると、太陽電池用接着シートの製膜時において、中間シート層1c、1c・・・中のエチレン系共重合体が架橋してTダイ内で滞留し、均一な厚みの太陽電池用接着シートを得ることができなかったり、或いは、エチレン系共重合体がTダイ内で固化して、太陽電池用接着シートを押出すことができなくなることがあるので、太陽電池用接着シートAの両側最外シート層1a、1bの厚みの和の下限は、太陽電池用接着シートA全体の厚みの5%であることが好ましい。なお、最外シート層1a、1bのそれぞれの厚みは、同じでなくてもよいが、同じ厚みであることが好ましい。
次に、本発明の太陽電池用接着シートAの製膜方法について説明する。本発明の太陽電池用接着シートAの製膜には、2機以上の押出機が一のフィードブロックを介して一のTダイに接続された多層押出装置などにより製膜することができ、例えば、製膜する太陽電池用接着シートの層数分の押出機を有する多層押出装置を用意し、この多層押出装置の2機の押出機に両側最外シート層1a、1b用のエチレン系共重合体、有機過酸化物、スコーチ防止剤、及び、必要に応じて加えられる添加剤からなる樹脂組成物を供給する一方、残余の押出機に中間シート層1c、1c・・・用のエチレン系共重合体、有機過酸化物、及び、必要に応じて加えられる添加剤からなる樹脂組成物を供給して、それぞれの押出機中で樹脂組成物を溶融混練し、フィードブロックに供給して、フィードブロックの先端に配設されたTダイより最外シート層1a、中間シート層1c、1c・・・及び最外シート層1bをこの順序に積層一体化された状態となるようにシート状に押出製膜し、押出された溶融状態のシートを冷却ロールで冷却、固化して巻き取ることにより製膜することができる。なお、同一の樹脂組成からなるシート層が複数ある場合には、一の押出機で溶融混練を行い、押出機より押出された溶融樹脂組成物を所定の層数分に分岐させた上でフィードブロックに供給して製膜してもよい。
又、上記太陽電池用接着シートAの製膜工程において、シート層1の樹脂組成物を押出機内で溶融混練させる際の温度は、高いと、樹脂組成物中の有機過酸化物が分解して、エチレン系共重合体の架橋が進行してしまうことがあるので、使用する有機過酸化物の1時間半減期温度よりも10℃以上低い温度であることが好ましく、二種以上の有機過酸化物を用いる場合においては、使用する有機過酸化物のうち、最も低い有機過酸化物の1時間半減期温度よりも10℃以上低い温度であるのが好ましい。
更に、上記太陽電池用接着シートAは、太陽電池モジュール製造時の加熱圧着工程における脱気性を向上させるために、表面にエンボス加工が施されるのが好ましい。なお、太陽電池用接着シートAの表面にエンボス加工を施す方法としては、公知の方法が用いられ、例えば、Tダイから押出された直後の溶融状態の太陽電池用接着シートAを、表面にエンボス模様が施されたエンボスロールと、このエンボスロールに対峙して配設されたゴムロールとの間に供給し、エンボスロールを溶融シートに押圧させて、太陽電池用接着シートAの表面にエンボス加工を施す方法が挙げられる。なお、一旦製造された太陽電池用接着シートAを再度、加熱して溶融状態とした上で上述の要領でエンボス加工を施してもよい。
そして、本発明の太陽電池用接着シートAを用いて太陽電池モジュールを製造する方法としては、太陽電池素子の上面に太陽電池用接着シートAを介して上部透明保護材を積層させると共に、太陽電池素子の下面に太陽電池用接着シートAを介して下部基板保護材を積層させた積層体を作製し、この積層体を減圧下で加熱圧着することにより、太陽電池素子の上下面に太陽電池用接着シートAを介して保護材が積層一体化された太陽電池モジュールを得ることができる。
本発明の太陽電池用接着シートは、エチレン系共重合体及び有機過酸化物からなるシート層が3層以上、積層一体化されてなる太陽電池用接着シートであって、上記シート層のうちの両側最外シート層に上記エチレン系共重合体100重量部に対して、有機過酸化物0.3〜3重量部及びスコーチ防止剤0.01〜2重量部が含有されていると共に、上記両側最外シート層の厚みの和がシート全体の厚みの20%以下であることを特徴とするので、太陽電池用接着シートの製膜時において、エチレン系共重合体がTダイ内で架橋して滞留し或いは固化するようなことはなく、よって、太陽電池用接着シートは均一な厚みを有しており、太陽電池素子と保護材とを太陽電池用接着シートを介して全体的に確実に圧着一体化させることができる。
又、上記太陽電池用接着シートにおける両側最外シート層を除く残余のシート層には、スコーチ防止剤を含有しない、或いは、太陽電池モジュールの製造時におけるエチレン系共重合体の架橋を阻害しない程度のスコーチ防止剤を含有させているので、太陽電池用接着シートは、太陽電池モジュールの製造時に加えられる熱によって充分に架橋構造が付与されて耐熱性が向上される。従って、本発明の太陽電池用接着シートは、温度が高くなる屋外での使用においても長期間に亘って優れた接着性を確実に維持し、得られる太陽電池モジュールは優れた耐久性を有する。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1〜3、比較例1〜4)
3機の押出機が一のフィードブロックを介して一のTダイに接続された3層共押出装置を用意し、これらの押出機のうち2機を両側最外シート層1a、1b用とし、残りの1機を中間シート層1c用として、両側最外シート層1a、1b用の2機の押出機にエチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量:28重量%、メルトフローレイト:20g/10分)100重量部、有機過酸化物として、表1に示した所定量のジクミルパーオキサイド(1時間半減期温度:136℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(1時間半減期温度:138℃)、スコーチ防止剤として、表1に示した所定量のN−ニトロソジフェニルアミン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、並びに、トリアリルイソシアヌレート0.3重量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.1重量部、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.1重量部及び2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン0.3重量部からなる樹脂組成物を供給する一方、中間シート層1c用の押出機に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量:28重量%、メルトフローレイト:20g/10分)100重量部、ジクミルパーオキサイド(1時間半減期温度:136℃)1重量部、トリアリルイソシアヌレート0.3重量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.1重量部、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.1重量部及び2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン0.3重量部からなる樹脂組成物を供給した。
次に、3機それぞれの押出機にて120℃で樹脂組成物を溶融混練し、溶融状態の樹脂組成物をフィードブロックに供給して、フィードブロックの先端に配設されたTダイより、最外シート層1a、中間シート層1c及び最外シート層1bをこの順に積層一体化させた状態に且つその厚み比が表1に示した厚み比となるように共押出して太陽電池用接着シートAを製膜した。そして、Tダイより共押出された直後の溶融状態の太陽電池用接着シートAを、エンボスロールと、このエンボスロールに対峙して配設されたゴムロールとの間に供給し、エンボスロールを溶融状態の太陽電池用接着シートAに押圧させて、太陽電池用接着シートAの表面に深さ0.2mmのエンボス加工を施した後、冷却ロールによって冷却しながら巻き取ることにより、厚みが0.5mmの3層の太陽電池用接着シートAを得た。
上述のようにして太陽電池用接着シートAを24時間以上に亘って押出製膜し続けたところ、実施例1〜3及び比較例1〜2では、製膜を開始してから24時間を経過しても、押出機内やTダイ内でエチレン−酢酸ビニル共重合体が滞留することなく、安定して均一な厚みの太陽電池用接着シートAを得ることができたが、比較例3及び4では、時間の経過と共に太陽電池用接着シートAの幅方向の両端部の厚みが薄くなって、厚みの均一な太陽電池用接着シートAを得ることができなくなった。更に、比較例3では、時間の経過と共にTダイのシート押出口の両端部から中央へ向かって固化したエチレン−酢酸ビニル共重合体が詰まっていき、ついには、太陽電池用接着シートAを押出すことができなくなった。
実施例及び比較例で得られた太陽電池用接着シートAについて、架橋前後のゲル分率及び耐温湿度サイクル試験を下記の要領で行い、その結果を表1に示した。
(太陽電池用接着シートの架橋前のゲル分率)
製膜を開始してから1時間後及び24時間後に得られた太陽電池用接着シートAを用意した。そして、これらの太陽電池用接着シートAにおける幅方向の端縁から幅方向に沿って中央側に5cmだけ離間した部分(表1では「シート端部」と表記した)と、幅方向の中央部(表1では、「シート中央部」と表記した)とから、それぞれ約0.2gの試験片を切り出した。この試験片の精秤値をS(g)とした。
次に、上記試験片を110℃のキシレン50ミリリットル中に12時間浸漬して、不溶解分を200メッシュの金網で濾過し、金網上の残渣を80℃で4時間減圧乾燥して、乾燥残渣の重量W(g)を秤量し、下記式(1)を用いてゲル分率を算出した。但し、比較例3では、製膜を開始してから24時間後の太陽電池用接着シートAを得ることができなかったため、製膜を開始してから1時間後に得られた太陽電池用接着シートAのみでゲル分率の測定を行った。
ゲル分率(重量%)=100×W/S ・・・式(1)
(太陽電池用接着シートの架橋後のゲル分率)
製膜を開始してから1時間後の太陽電池用接着シートAを150℃で10分間加熱することにより架橋させ、架橋後の太陽電池用接着シートAにおける幅方向の中央部から試験片を切り出し、上記と同様の要領でゲル分率を測定した。
(耐温湿度サイクル試験)
製膜を開始してから24時間後に得られた太陽電池用接着シートAを用意した。そして、インターコネクターを介して接続された複数個の太陽電池用シリコン半導体ウェハーを一列に配置し、これらの太陽電池用シリコン半導体ウェハーの上面に太陽電池用接着シートAを介して透明平板ガラスを積層し、太陽電池用シリコン半導体ウェハーの下面に太陽電池用接着シートAを介してポリフッ化ビニルシートを積層させて積層体を作製した。
この積層体を1.3kPaの減圧下にて150℃で10分間加熱し、太陽電池用シリコン半導体ウェハーの上面に太陽電池用接着シートAを介して透明平板ガラスが積層一体化され且つ太陽電池用シリコン半導体ウェハーの下面に太陽電池用接着シートAを介してポリフッ化ビニルシートが積層一体化された太陽電池モジュールを製造した。
このようにして得られた太陽電池モジュールを、−20℃の条件下にて6時間放置し、次に、1時間かけて温度を−20℃から85℃まで昇温すると共に湿度を85%RHにして再び6時間放置し、更に、1時間かけて温度を85℃から−20℃まで冷却する工程を1サイクルとして、このサイクルを10回繰り返し行った後の太陽電池モジュールの外観を目視観察し、太陽電池用接着シートAの変色の有無、及び、透明平板ガラス及びポリフッ化ビニルシートと、太陽電池用シリコン半導体ウェハーとの剥離の有無を評価した。但し、比較例3では、製膜開始から24時間後の太陽電池用接着シートAを得ることができず、比較例4では、製膜開始から24時間後に厚みの均一な太陽電池用接着シートAを得ることができなかったので、耐温湿度サイクル試験を行うことができなかった。
Figure 2007299917
本発明の太陽電池用接着シートを示した縦断面図である。
符号の説明
1 シート層
1a、1b 最外シート層
1c 中間シート層
A 太陽電池用接着シート

Claims (3)

  1. エチレン系共重合体及び有機過酸化物からなるシート層が3層以上、積層一体化されてなる太陽電池用接着シートであって、上記シート層のうちの両側最外シート層に上記エチレン系共重合体100重量部に対して、有機過酸化物0.3〜3重量部及びスコーチ防止剤0.01〜2重量部が含有されていると共に、上記両側最外シート層の厚みの和がシート全体の厚みの20%以下であることを特徴とする太陽電池用接着シート。
  2. シート層のうちの両側最外シート層以外の残余のシート層にエチレン系共重合体100重量部に対して、有機過酸化物が0.3〜3重量部含有されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用接着シート。
  3. シート層のうちの両側最外シート層以外の残余のシート層にスコーチ防止剤が含有されていないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の太陽電池用接着シート。
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