JP2010274726A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロック機構における引き摺りトルクを正確に推定可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを課題とする。
【解決手段】
電磁カムロック式クラッチ装置たるロック機構700を備えたハイブリッド車両1において、変速制御が実行される。この際、CVTモードの選択時に、ハイブリッド駆動装置10の損失トルクが算出される。ECU100は、ロック機構700の係合及び解放が一プロセス実行される毎に係る損失トルクを算出し、前回値と比較する。前回値と今回値との偏差は、MG1の回転速度フィードバック制御において回転慣性系のイナーシャトルクを補償するトルクフィードバック値に、ロック機構700における引き摺りトルクであるクラッチ摩擦負荷トルクTcが含まれる場合に変動するため、クラッチ摩擦負荷トルクTcとして扱われる。
【選択図】図8
【解決手段】
電磁カムロック式クラッチ装置たるロック機構700を備えたハイブリッド車両1において、変速制御が実行される。この際、CVTモードの選択時に、ハイブリッド駆動装置10の損失トルクが算出される。ECU100は、ロック機構700の係合及び解放が一プロセス実行される毎に係る損失トルクを算出し、前回値と比較する。前回値と今回値との偏差は、MG1の回転速度フィードバック制御において回転慣性系のイナーシャトルクを補償するトルクフィードバック値に、ロック機構700における引き摺りトルクであるクラッチ摩擦負荷トルクTcが含まれる場合に変動するため、クラッチ摩擦負荷トルクTcとして扱われる。
【選択図】図8
Description
本発明は、回転要素をロック可能なロック機構の作用により無段変速モードと固定変速モードとの間で変速モードの切り替えが可能に構成されたハイブリッド車両の制御装置の技術分野に関する。
この種のハイブリッド車両として、発電機をロック可能なものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されたハイブリッド車両によれば、ロック機構の回転数をゼロに近付けてから係合させることにより、ロック時のショックを低減可能であるとされている。
尚、特許文献2には、固定変速比モードと無段変速比モードとを有するハイブリッド車両が開示されている。
また、この種のハイブリッド車両において燃費に基づいて変速モードを切り替える装置も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
ロック機構としては、各種の係合機構を適用可能であるが、これらの中には、例えば電磁カムロック式の係合機構等のように、非ロック時(解放時)に係合要素が完全に解放されずに、引き摺りトルクと呼ばれる一種の損失トルクを生じるものがある。この種の引き摺りトルクの発生は、ロック機構における一種の故障に類するが、上記特許文献に開示されるものを含む従来の技術において、係る引き摺りトルクの存在は考慮されておらず、必然的に、係る引き摺りトルクの検出に係る技術思想に関し、その開示も示唆もない。また、回転電機を内燃機関の反力要素として機能させる所謂回転二自由度型のハイブリッド駆動装置においては、引き摺りトルクが生じていようがいまいが、回転電機を所望の目標回転速度に収束させる構成を採るから、単純に回転電機の回転速度からこの種の引き摺りトルクの存在を検知することは先ずもって不可能であると言わざるを得ない。即ち、従来の技術には、引き摺りトルクが生じていたとしても、それを正確に検出することが実践上困難であるという技術的問題点がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、ロック機構における引き摺りトルクを正確に推定可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置は、回転電機と内燃機関とを含む動力要素と、前記回転電機により回転速度を調製可能な第1回転要素、車軸に繋がる駆動軸に連結された第2回転要素及び前記内燃機関に連結された第3回転要素を含む相互に差動回転可能な複数の回転要素を備えた動力伝達機構と、前記第1回転要素の状態を回転不能なロック状態と回転可能な非ロック状態との間で切り替え可能なロック機構とを備え、前記内燃機関の回転速度と前記駆動軸の回転速度との比たる変速比が連続的に可変とされる、前記第1回転要素が前記非ロック状態にある場合に対応する無段変速モードと、前記変速比が固定される、前記第1回転要素が前記ロック状態にある場合に対応する固定変速モードとの間で変速モードを切り替え可能に構成されたハイブリッド車両を制御する装置であって、前記無段変速モードが選択された状態において、前記回転電機の回転速度が目標回転速度へ収束するように、前記回転電機の回転速度と前記目標回転速度との偏差に応じて前記回転電機のトルクを制御する制御手段と、前記偏差に応じて前記回転電機が制御されるにあたって算出される前記回転電機のトルクのフィードバック値と、前記偏差に応じて前記回転電機が制御されるにあたって前記動力要素を含む回転慣性系の慣性に起因して生じる慣性トルクの値とに基づいて、前記ロック機構における引き摺りトルクを算出する算出手段とを具備することを特徴とする。
本発明に係るハイブリッド車両は、駆動軸に対し動力供給可能な動力要素として、例えばモータジェネレータ等の電動発電機として構成され得る回転電機と、燃料種別、燃料の供給態様、燃料の燃焼態様、吸排気系の構成及び気筒配列等、その物理的、機械的又は電気的構成を問わない各種の態様を採り得る、燃料の燃焼により動力を生成可能な機関としての内燃機関を少なくとも備えた車両である。
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置は、このようなハイブリッド車両を制御する制御装置であって、例えば、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、各種プロセッサ又は各種コントローラ、或いは更にROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、バッファメモリ又はフラッシュメモリ等の各種記憶手段等を適宜に含み得る、単体の或いは複数のECU(Electronic Controlled Unit)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る。
本発明に係るハイブリッド車両は、動力伝達機構を備える。動力伝達機構は、回転電機に直接的又は間接的に連結され、回転電機による回転速度の調整が可能な第1回転要素、駆動軸に連結される第2回転要素及び内燃機関に連結される第3回転要素を含む、相互に差動作用をなし得る複数の回転要素を備えており、係る差動作用により各回転要素の状態(端的には、回転可能であるか否か及び他の回転要素又は固定要素と連結された状態にあるか否か等を含む)に応じて、上記動力要素と駆動軸との間の各種動力伝達(端的にはトルクの伝達である)を行う機構である。
動力伝達機構に備わる複数の回転要素のうち、第1、第2及び第3回転要素は、常時或いは選択的に、これらのうち二要素の回転速度が定まれば自ずと残余の一回転要素の回転速度が定まる回転二自由度の差動機構(尚、この差動機構に含まれる回転要素は必ずしもこれら三要素に限定されない)を構築する。従って、回転電機は、内燃機関のトルクに対応する反力トルクを負担する反力要素として機能し得るものであり、内燃機関の回転速度制御機構としても機能し得るものである。
本発明に係るハイブリッド車両は、第1回転要素の状態を、例えば物理的、機械的、電気的又は磁気的な各種係合力により所定の固定要素に回転不能に固定された回転不能なロック状態と、少なくともこのロック状態に係る係合力の影響を受けない状態としての回転可能な非ロック状態との間で切り替え可能な、例えば湿式多板ブレーキ装置若しくはクラッチ装置又は電磁カムロック式クラッチ装置等の各種態様を採り得るロック機構を備える。本発明に係るハイブリッド車両において、このロック状態及び非ロック状態は、夫々が、相互に異なる変速モードとしての、固定変速モード及び無段変速モードに対応する構成となっている。
無段変速モードは、上述の回転二自由度の差動機構において、回転電機を内燃機関の回転速度制御機構として機能させる(即ち、第1回転要素は、非ロック状態でなければならない)ことにより、内燃機関の回転速度と駆動軸の回転速度との比たる変速比を理論的に、実質的に或いは予め規定された物理的、機械的、機構的又は電気的な制約の範囲内で、連続的に(実践上連続的であるのと同等に段階的な態様を含む)変化させることが可能な変速モードである。この場合、好適な一形態として、内燃機関の動作点(例えば、機関回転速度とトルクとにより規定される内燃機関の一運転条件を規定する点)が、例えば、理論的に、実質的に又は何らかの制約の範囲で自由に選択され、例えば、燃料消費率が理論的に、実質的に又は何らかの制約の範囲で最小となる、或いはハイブリッド車両のシステム効率(例えば、動力伝達機構の伝達効率と内燃機関の熱効率等に基づいて算出される総合的な効率である)が理論的に、実質的に又は何らかの制約の範囲で最大となる、最適燃費動作点等に制御される。動力伝達機構は、一又は複数の遊星歯車機構等のギア機構を好適な一形態として採り得るものであって、複数の遊星歯車機構を含む場合には、各遊星歯車機構を構成する回転要素の一部が複数の遊星歯車機構相互間で適宜共有され得る。
無段変速モードが選択された状態においては制御手段により、回転電機の回転速度フィードバック制御が実行される。即ち、係る回転速度フィードバック制御においては、回転電機の回転速度が目標回転速度へ収束するように記回転電機の回転速度と目標回転速度との偏差に応じて回転電機のトルクが制御される。この際、回転電機の目標回転速度は、内燃機関の目標動作点に対応する形で設定される。回転電機の目標トルクは、動力伝達機構における回転要素の差動作用によって、回転要素間のギア比に応じて決定されるが、これは、定常状態における理想的な値となる。
一方、固定変速モードから無段変速モードへの切り替え直後を含む過渡的な期間においては、回転電機の回転速度(第1回転要素が回転電機に連結される構成においては、初期値はゼロである)が目標回転速度へ向けて上昇する過程において、動力要素のイナーシャ(回転慣性)を補償する必要が生じる。即ち、何らの対策も講じられることがなければ、回転電機のトルクの一部は、このイナーシャトルクによって相殺され、回転電機の軸トルクが減少する。回転電機の軸トルクは、即ち内燃機関のトルクの反力トルクであって、その減少は、駆動軸の出力トルクの減少を招く。従って、この種の駆動軸トルクの減少を回避しつつ回転電機を迅速且つ正確に目標回転速度へ収束させるには、動力要素のイナーシャトルクを補償する必要がある。
このため、制御手段が回転電機の回転速度フィードバック制御を行うにあたっては、上記回転速度の偏差に応じて定まるトルクフィードバック値により回転電機のトルクが補正されるこのトルクフィードバック値によって補正された回転電機のトルクは、上記内燃機関の目標トルクから定まる理想的な或いは基準となるトルクとは別系統で定まる言わば回転電機の実トルクであり、両者は、回転電機の回転速度が目標回転速度に収束した状態では、理想的には釣り合う。
固定変速モードは、同様に回転二自由度の差動機構において、第1回転要素を回転不能なロック状態に維持することによって実現される、上記変速比が一義に規定される変速モードである。即ち、第1回転要素がロック状態にある場合、この第1回転要素の回転速度(即ち、ゼロ)と、車速と一義的な回転状態を示す第2回転要素の回転速度とによって、残余の第3回転要素の回転速度は一義に規定されるのである。この際、第1回転要素が回転電機に直接連結される構成であれば、回転電機はゼロ回転となり、所謂MG1ロックと称される状態が実現され、第1回転要素が、相互に差動関係にある他の回転要素を介して回転電機に連結される構成であれば、回転電機の回転速度はこれらのギア比に応じて定まる一の値に固定される。後者においては、好適には、内燃機関の回転速度が駆動軸の回転速度未満となる、所謂O/Dロックと称される状態が実現され得る。いずれにせよ、固定変速モードは、動力循環と称される、動力要素及び動力伝達機構を含むハイブリッド駆動装置全体のシステム効率を低下させ得る非効率な電気パスの発生を回避することを目的として好適には選択される。
ここで、本発明に係るロック機構は、構造上、上記ロック状態と非ロック状態との中間状態として、第1回転要素が固定要素から完全に解放されない中間状態を採り得る。このような中間状態において、第1回転要素は、ロック状態において固定される固定要素から、程度の差はあれ一種の制動トルクとしての引き摺りトルクを受けることとなり、その回転が幾らかなり阻害された状態となる。この引き摺りトルクは、駆動軸へ伝達されるトルクを減じ得る、言うなれば損失トルクであって、ハイブリッド駆動装置のシステム効率を低下させる要因となる。このような引き摺りトルクの存在は、元々ハイブリッド駆動装置の高効率化を目的として搭載され得るロック機構の役割に鑑みれば望ましくないものである。
そこで、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置では、算出手段により、以下の如くにしてロック機構における引き摺りトルク(即ち、第1回転要素に作用する引き摺りトルクである)が推定される。即ち、算出手段は、上記偏差に応じて回転電機が制御されるにあたって算出される上述した回転電機のトルクのフィードバック値と、上記偏差に応じて前記回転電機が制御されるにあたって動力要素を含む回転慣性系の慣性に起因して生じる慣性トルク(即ち、上記イナーシャトルク)の値とに基づいてロック機構における引き摺りトルクを算出する。
上述したように、制御手段により回転電機に対し回転速度フィードバック制御が実行されるにあたっては、回転速度の偏差に応じたトルクのフィードバックがなされる。このトルクフィードバックに係るトルクフィードバック値は、基本的には、回転慣性系のイナーシャトルクを補償するものであるが、ロック機構に引き摺りトルクが生じている場合、この引き摺りトルクは、回転電機のトルクと逆向きに作用する場合には、回転電機の回転を阻害し、同方向に作用する場合には、回転電機の回転はアシストし得るが、いずれにせよ回転電機の回転状態に影響を与える。
一方、動力要素を含む回転慣性系のイナーシャトルクは、予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて回転慣性系のイナーシャが把握されていれば、回転速度さえ決まれば一義的に導かれ得る。このイナーシャトルクと、トルクフィードバック値に相当するトルクとの間に有意な差が生じている場合、それは殆どロック機構の引き摺りトルクに起因するものであるとみなし得る。このため、算出手段は、例えば一方から他方を減算した結果等として、引き摺りトルクを正確に算出することができるのである。
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置の一の態様では、前記算出された引き摺りトルクに基づいて前記ロック機構の状態を判定する判定手段を更に具備する。
算出手段により引き摺りトルクの算出が可能な構成に鑑みれば、算出された引き摺りトルクを、ロック機構の状態判定に供することが可能である。判定手段に係る判定の実践的態様は如何様にも限定されないが、如何なる判断プロセスを経るにせよ、この態様によれば、算出された引き摺りトルクを、ハイブリッド車両の好適な運用に好適に利用することができる。尚、判定手段は、例えば、算出された引き摺りトルクがゼロでなければロック機構を故障と判定してもよいし、算出された引き摺りトルクが固定又は可変な閾値以上である場合にロック機構を故障としてもよい。
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置の他の態様では、前記判定手段は、前記算出された引き摺りトルクが所定値以上である場合に前記ロック機構が故障状態にあると判定する。
この場合、比較的簡便にロック機構が故障状態にある旨の判別を行うことができ、判定手段の制御負荷の面から有利である。尚、「故障状態」とは、制御上の区分として規定される状態であり、必ずしもロック機構が動作が著しく制限された状態のみを示すものではない。例えば、単にドライバにその旨告知すべきであるといった比較的軽微な状態から、速やかに退避走行が要求されるといった比較的重篤な状態まで、所定値の設定如何により、故障状態の表す実践上意味合いを可変に制御することも可能である。
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置の他の態様では、前記算出された引き摺りトルクに応じて前記駆動軸の出力トルクを補正する補正手段を更に具備する。
動力伝達機構における、前述の回転二自由度の差動機構では、内燃機関のトルクのうち駆動軸に分割される直達トルクが、回転電機の反力トルクから算出される。このため、実際に回転電機が連結される軸に現れる軸トルクが引き摺りトルクを含むことに起因して実際に回転電機から出力されるトルクと直達トルクとの間に差が生じると、直達トルクの推定精度が低下して、駆動軸トルクが要求値に対して変動してしまう。
その点、この態様によれば、補正手段によって、算出された引き摺りトルクに応じて駆動軸の出力トルクが補正されるため、駆動軸トルクを常時要求トルクに維持することが可能となり、駆動軸のトルク変動に起因する車両振動やドライバビリティの低下が好適に抑制される。
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置の他の態様では、前記算出された引き摺りトルクに基づいて、前記無段変速モード及び前記固定変速モードのうち一方を選択する選択手段を更に具備する。
この態様によれば、算出された引き摺りトルクに基づいて無段変速モードと固定変速モードとのうち一方を選択することができるため、ハイブリッド車両が退避走行を行うにあたっての燃費或いは効率の低下を回避することが可能となる。
尚、この態様では、前記選択手段は、前記無段変速モード及び前記固定変速モードのうち、前記ハイブリッド車両のシステム効率が高い一方を選択してもよい。
このようにシステム効率を判断指標として変速モードを選択することによって、引き摺りトルクによる損失の影響を可及的に緩和して、ハイブリッド車両を効率的に退避走行させることが可能となる。
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置の他の態様では、前記ハイブリッド車両は、前記駆動軸との間で動力の入出力が可能な、前記回転電機とは異なる他の回転電機を更に備える。
この態様によれば、内燃機関のトルクのうち駆動軸に現れる一部が要求トルクに対し不足する場合であっても、係る他の動力源からのトルクのアシストにより要求トルクを維持することができる。更には、所定の許可条件が満たされる等した場合に、係る他の動力源からの動力供給のみにてハイブリッド車両を言わばEV走行させることも可能であり、実践上有益である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<発明の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の好適な各種実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照し、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両1の構成について説明する。ここに、図1は、ハイブリッド車両1の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
以下、図面を参照して、本発明の好適な各種実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照し、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両1の構成について説明する。ここに、図1は、ハイブリッド車両1の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、ハイブリッド車両1は、ECU100、PCU(Power Control Unit)11、バッテリ12、車速センサ13及びアクセル開度センサ14並びにハイブリッド駆動装置10を備えた、本発明に係る「ハイブリッド車両」の一例である。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM等を備え、ハイブリッド車両1の各部の動作を制御することが可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「ハイブリッド車両の制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述する変速制御を実行可能に構成されている。尚、ECU100は、本発明に係る「制御手段」、「算出手段」、「補正手段」及び「選択手段」の夫々一例として機能するように構成された一体の電子制御ユニットであり、これら各手段に係る動作は、全てECU100によって実行されるように構成されている。但し、本発明に係るこれら各手段の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、例えばこれら各手段は、複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
PCU11は、バッテリ12から取り出した直流電力を交流電力に変換して後述するモータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2に供給すると共に、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ12に供給することが可能に構成された不図示のインバータを含み、バッテリ12と各モータジェネレータとの間の電力の入出力を、或いは各モータジェネレータ相互間の電力の入出力(即ち、この場合、バッテリ12を介さずに各モータジェネレータ相互間で電力の授受が行われる)を制御することが可能に構成された制御ユニットである。PCU11は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によってその動作が制御される構成となっている。
バッテリ12は、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2を力行するための電力に係る電力供給源として機能することが可能に構成された充電可能な蓄電手段である。
アクセル開度センサ13は、ハイブリッド車両1の図示せぬアクセルペダルの操作量たるアクセル開度Taを検出可能に構成されたセンサである。アクセル開度センサ13は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたアクセル開度Taは、ECU100によって一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
車速センサ14は、ハイブリッド車両1の車速Vを検出可能に構成されたセンサである。車速センサ14は、ECU100と電気的に接続されており、検出された車速Vは、ECU100によって一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
ハイブリッド駆動装置10は、ハイブリッド車両1のパワートレインとして機能する動力ユニットである。ここで、図2を参照し、ハイブリッド駆動装置10の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、ハイブリッド駆動装置10の構成を概念的に表してなる概略構成図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図2において、ハイブリッド駆動装置10は、エンジン200、動力分割機構300、モータジェネレータMG1(以下、適宜「MG1」と略称する)、モータジェネレータMG2(以下、適宜「MG2」と略称する)、入力軸400、駆動軸500、減速機構600及びロック機構700を備える。
エンジン200は、本発明に係る「内燃機関」の一例たるガソリンエンジンであり、ハイブリッド車両1の主たる動力源として機能するように構成されている。ここで、図3を参照し、エンジン200の詳細な構成について説明する。ここに、図3は、エンジン200の一断面構成を例示する模式図である。尚、同図において、図1及び図2と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。尚、本発明における「内燃機関」とは、例えば2サイクル又は4サイクルレシプロエンジン等を含み、少なくとも一の気筒を有し、当該気筒内部の燃焼室において、例えばガソリン、軽油或いはアルコール等の各種燃料を含む混合気が燃焼した際に発生する力を、例えばピストン、コネクティングロッド及びクランク軸等の物理的又は機械的な伝達手段を適宜介して駆動力として取り出すことが可能に構成された機関を包括する概念である。係る概念を満たす限りにおいて、本発明に係る内燃機関の構成は、エンジン200のものに限定されず各種の態様を有してよい。尚、エンジン200は、紙面と垂直な方向に4本の気筒201が直列に配されてなる直列4気筒エンジンであるが、個々の気筒201の構成は相互に等しいため、図3においては一の気筒201についてのみ説明を行うこととする。
図3において、エンジン200は、気筒201内において燃焼室に点火プラグ(符号省略)の一部が露出してなる点火装置202による点火動作を介して混合気を燃焼せしめると共に、係る燃焼による爆発力に応じて生じるピストン203の往復運動を、コネクティングロッド204を介して、本発明に係る「機関出力軸」の一例たるクランクシャフト205の回転運動に変換することが可能に構成されている。
クランクシャフト205近傍には、クランクシャフト205の回転位置(即ち、クランク角)を検出するクランクポジションセンサ206が設置されている。このクランクポジションセンサ206は、ECU100(不図示)と電気的に接続されており、ECU100では、このクランクポジションセンサ206から出力されるクランク角信号に基づいて、エンジン200の機関回転速度NEが算出される構成となっている。
エンジン200において、外部から吸入された空気は吸気管207を通過し、吸気ポート210を介して吸気バルブ211の開弁時に気筒201内部へ導かれる。一方、吸気ポート210には、インジェクタ212の燃料噴射弁が露出しており、吸気ポート210に対し燃料を噴射することが可能な構成となっている。インジェクタ212から噴射された燃料は、吸気バルブ211の開弁時期に前後して吸入空気と混合され、上述した混合気となる。
燃料は、図示せぬ燃料タンクに貯留されており、図示せぬフィードポンプの作用により、図示せぬデリバリパイプを介してインジェクタ212に供給される構成となっている。気筒201内部で燃焼した混合気は排気となり、吸気バルブ211の開閉に連動して開閉する排気バルブ213の開弁時に排気ポート214を介して排気管215に導かれる。
一方、吸気管207における、吸気ポート210の上流側には、図示せぬクリーナを経て導かれた吸入空気に係る吸入空気量を調節可能なスロットルバルブ208が配設されている。このスロットルバルブ208は、ECU100と電気的に接続されたスロットルバルブモータ209によってその駆動状態が制御される構成となっている。尚、ECU100は、基本的には不図示のアクセルペダルの開度(即ち、上述したアクセル開度Ta)に応じたスロットル開度が得られるようにスロットルバルブモータ209を制御するが、スロットルバルブモータ209の動作制御を介してドライバの意思を介在させることなくスロットル開度を調整することも可能である。即ち、スロットルバルブ208は、一種の電子制御式スロットルバルブとして構成されている。
排気管215には、三元触媒216が設置されている。三元触媒216は、エンジン200から排出される排気中のNOx(窒素酸化物)を還元すると同時に、排気中のCO(一酸化炭素)及びHC(炭化水素)を酸化可能に構成された触媒装置である。尚、触媒装置の採り得る形態は、このような三元触媒に限定されず、例えば三元触媒に代えて或いは加えて、NSR触媒(NOx吸蔵還元触媒)或いは酸化触媒の各種触媒が設置されていてもよい。
排気管215には、エンジン200の排気空燃比を検出することが可能に構成された空燃比センサ217が設置されている。更に、気筒201を収容するシリンダブロックに設置されたウォータージャケットには、エンジン200を冷却するために循環供給される冷却水(LLC)に係る冷却水温を検出するための水温センサ218が配設されている。これら空燃比センサ217及び水温センサ218は、夫々ECU100と電気的に接続されており、検出された空燃比及び冷却水温は、夫々ECU100により一定又は不定の検出周期で把握される構成となっている。
図2に戻り、モータジェネレータMG1は、本発明に係る「回転電機」の一例たる電動発電機であり、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを備えた構成となっている。モータジェネレータMG2は、本発明に係る「他の回転電機」の一例たる電動発電機であり、モータジェネレータMG1と同様に、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを備えた構成となっている。尚、モータジェネレータMG1及びMG2は、例えば同期電動発電機として構成され、例えば外周面に複数個の永久磁石を有するロータと、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータとを備える構成を有するが、他の構成を有していてもよい。
動力分割機構300は、中心部に設けられた、本発明に係る「第1回転要素」の一例たるサンギアS1と、サンギアS1の外周に同心円状に設けられた、本発明に係る「第2回転要素」の一例たるリングギアR1と、サンギアS1とリングギアR1との間に配置されてサンギアS1の外周を自転しつつ公転する複数のピニオンギアP1と、これら各ピニオンギアの回転軸を軸支する、本発明に係る「第3回転要素」の一例たるキャリアC1とを備えた、本発明に係る「動力伝達機構」の一例たる動力伝達装置である。
ここで、サンギアS1は、サンギア軸310を介してMG1のロータRTに連結されており、その回転速度はMG1の回転速度Ng(以下、適宜「MG1回転速度Ng」と称する)と等価である。また、リングギアR1は、駆動軸500及び減速機構600を介してMG2の不図示のロータに結合されており、その回転速度はMG2の回転速度Nm(以下、適宜「MG2回転速度Nm」と称する)と等価である。更に、キャリアC1は、エンジン200の先に述べたクランクシャフト205に連結された入力軸400と連結されており、その回転速度は、エンジン200の機関回転速度NEと等価である。尚、ハイブリッド駆動装置10において、MG1回転速度Ng及びMG2回転速度Nmは、夫々レゾルバ等の回転センサにより一定の周期で検出されており、ECU100に一定又は不定の周期で送出されている。
尚、本実施形態において、MG2とリングギアR1とは、減速機構600における同一の回転要素に連結されており、MG2回転速度NmはリングギアR1の回転速度と等価であるが、MG2とリングギアR1とは、相互に異なる回転要素に連結されていてもよい。この場合、リングギアR1の回転速度とMG2回転速度Nmとは、所定のギア比に相当する分だけ異なっていてもよい。或いは、MG2と減速機構600との間には、相互にギア比の異なる複数のギア段を備えた有段変速機が介装されていてもよい。
一方、駆動軸500は、ハイブリッド車両1の駆動輪たる右前輪FR及び左前輪FLを夫々駆動するドライブシャフトSFR及びSFL(即ち、これらドライブシャフトは、本発明に係る「車軸」の一例である)と、デファレンシャル等各種減速ギアを含む減速装置としての減速機構600を介して連結されている。従って、モータジェネレータMG2から駆動軸500に供給されるモータトルクTm(即ち、本発明に係る「動力」の一例である)は、減速機構600を介して各ドライブシャフトへと伝達され、各ドライブシャフトを介して伝達される各駆動輪からの駆動力は、同様に減速機構600及び駆動軸500を介してモータジェネレータMG2に入力される。即ち、MG2回転速度Nmは、ハイブリッド車両1の車速Vと一義的な関係にある。
動力分割機構300は、係る構成の下で、エンジン200からクランクシャフト205を介して入力軸400に供給されるエンジントルクTeを、キャリアC1とピニオンギアP1とによってサンギアS1及びリングギアR1に所定の比率(各ギア相互間のギア比に応じた比率)で分配し、エンジン200の動力を2系統に分割することが可能となっている。
動力分割機構300の動作を分かり易くするため、リングギアR1の歯数に対するサンギアS1の歯数としてのギア比ρを定義すると、エンジン200からキャリアC1に対しエンジントルクTeを作用させた場合に、サンギア軸310に現れるトルクTegは下記(1)式により、また駆動軸500に現れる直達トルクTepは下記(2)式により夫々表される。
Teg=−Te×ρ/(1+ρ)・・・(1)
Tep=Te×1/(1+ρ)・・・(2)
尚、本発明に係る「動力伝達機構」に係る実施形態上の構成は、動力分割機構300のものに限定されない。例えば、本発明に係る動力伝達機構は、複数の遊星歯車機構を備え、一の遊星歯車機構に備わる複数の回転要素が、他の遊星歯車機構に備わる複数の回転要素の各々と適宜連結され、一体の差動機構を構成していてもよい。また、本実施形態に係る減速機構600は、予め設定された減速比に従って駆動軸500の回転速度を減速するに過ぎないが、ハイブリッド車両1は、この種の減速装置とは別に、例えば、複数のクラッチ機構やブレーキ機構を構成要素とする複数の変速段を備えた有段変速装置を備えていてもよい。例えばモータジェネレータMG2と減速機構600との間に、動力分割機構300と同等の遊星歯車機構を介在させ、この遊星歯車機構のサンギアにMG2のロータを、リングギアにリングギアR1を夫々連結すると共に、キャリアを回転不能に固定することによって、MG2回転速度Nmを減速させる構成であってもよい。
Tep=Te×1/(1+ρ)・・・(2)
尚、本発明に係る「動力伝達機構」に係る実施形態上の構成は、動力分割機構300のものに限定されない。例えば、本発明に係る動力伝達機構は、複数の遊星歯車機構を備え、一の遊星歯車機構に備わる複数の回転要素が、他の遊星歯車機構に備わる複数の回転要素の各々と適宜連結され、一体の差動機構を構成していてもよい。また、本実施形態に係る減速機構600は、予め設定された減速比に従って駆動軸500の回転速度を減速するに過ぎないが、ハイブリッド車両1は、この種の減速装置とは別に、例えば、複数のクラッチ機構やブレーキ機構を構成要素とする複数の変速段を備えた有段変速装置を備えていてもよい。例えばモータジェネレータMG2と減速機構600との間に、動力分割機構300と同等の遊星歯車機構を介在させ、この遊星歯車機構のサンギアにMG2のロータを、リングギアにリングギアR1を夫々連結すると共に、キャリアを回転不能に固定することによって、MG2回転速度Nmを減速させる構成であってもよい。
ロック機構700は、主たる構成要素としてカム710、クラッチ板720及びアクチュエータ730を含んでなり、サンギアS1の状態を、回転不能なロック状態と回転可能な解放状態との間で選択的に切り替え可能に構成された、本発明に係る「係合機構」の一例たるカムロック式係合装置である。即ち、サンギアS1は、本発明に係る「第1回転要素」の一例である。
ここで、図4を参照し、ロック機構700の詳細な構成について説明する。ここに、図4は、ロック機構700の一断面構成を例示する模式断面図である。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
図4において、ロック機構700は、カム710、クラッチ板720、アクチュエータ730、リターンスプリング740及びカムボール750を備える。
カム710は、サンギア軸310に連結され、サンギア軸310及びサンギアS1と一体回転可能な、クラッチ板720と一対をなす略円板状の係合部材である。尚、カム710は、必ずしもサンギア軸310と直接的に連結されている必要はなく、各種連結部材を介してサンギア軸310と間接的に連結されていてもよい。
クラッチ板720は、磁性金属材料により構成されると共にカム710と対向配置されてなる、カム710と一対をなす円板状の係合部材である。
アクチュエータ730は、吸引部731、電磁石732及び摩擦部733を含んで構成された駆動装置である。
吸引部731は、磁性金属材料により構成されると共に電磁石732を収容可能に構成された、アクチュエータ730の筐体である。吸引部731は、ハイブリッド駆動装置10の外郭部材と略一体に固定された固定要素たるケースCSに対し固定されている。
電磁石732は、バッテリ12からの電力供給を受けた不図示の駆動部から所定のクラッチ係合電流Id(所謂励磁電流である)が供給された励磁状態において磁力を発生可能に構成された磁石である。励磁状態において電磁石732から発せられる磁力は、磁性金属材料により構成された吸引部731を介して、先述したクラッチ板720を吸引する(即ち、クラッチ板720に対しクラッチ板720を電磁石側へ吸引する方向へ駆動力たる電磁力を付与する)構成となっている。尚、この駆動部は、ECU100と電気的に接続されており、電磁石732の励磁動作は、ECU100により上位に制御される構成となっている。
摩擦部733は、吸引部731におけるクラッチ板720との対向面に形成された摩擦機能体であり、形成されない場合と較べて、接触状態にある物体の移動をより大きく阻害し得るようにその摩擦係数が設定されている。
リターンスプリング740は、一方の固定端がクラッチ板720に固定され、他方の固定端が、アクチュエータ730のロック機構700の筺体部(不図示)にベアリング等の軸受部材を介して回転可能に固定されてなる弾性体であり、クラッチ板720をカム710の方向へ付勢している。このため、クラッチ板720は、通常、このリターンスプリング740の付勢を受けて、所定の対向間隔GAPを隔てて吸引部731と対向する非接触位置で停止している。
カムボール750は、カム710とクラッチ板720とに挟持された球状の動力伝達部材である。ロック機構700は、サンギアS1及びサンギア軸310を介してカム710に伝達されるモータジェネレータMG1のトルクTmg1が、このカムボール750を伝達要素としてクラッチ板720に伝達される構成となっている。
ここで、図5を参照し、ロック機構700の構成について更に具体的に説明する。ここに、図5は、図4において矢線A方向にロック機構700を見た模式的な断面図である。尚、同図において、図4と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
図5において、カム710及びクラッチ板720の各々における対向面は、夫々中心部へ向かう程、当該各々における、サンギア軸310の伸長方向への厚みが小さくなるように形成されており、上記カムボール750は、通常、両者間の対向空間が最も広い中心部付近に挟持されている。このため、クラッチ板720が上記非接触位置にある場合、カム710とクラッチ板720とは、このカムボール750をトルクの伝達要素として、モータジェネレータMG1の回転方向と等しい方向へ略一体に回転する。従って、クラッチ板720が上記非接触位置にある場合、モータジェネレータMG1の回転は、少なくとも実質的には何ら阻害されることはない。尚、図5では、図示下方がモータジェネレータMG1の正回転方向と定義されるが、モータジェネレータMG1は、係る正回転方向のみならず、係る正回転方向と真逆の負回転方向(図示省略)にも同様に回転可能である。
<実施形態の動作>
<ロック機構700のロック作用>
ハイブリッド駆動装置10において、ロック機構700は、サンギアS1を本発明に係る第1回転要素として、サンギアS1の状態をロック状態と解放状態との間で選択的に切り替えることが可能である。尚、サンギアS1は、既に述べた通りモータジェネレータMG1に連結されており、サンギアS1がロック状態にある場合、MG1もまた回転不能なロック状態となる。従って、これ以降、サンギアS1がロック状態にあることを適宜「MG1がロック状態にある」等と表現することとする。ここで、図6を参照して、ロック機構700によるサンギアS1のロック作用について説明する。ここに、図6は、ロック機構700のロック作用によりサンギアS1が解放状態からロック状態に状態遷移するロック遷移過程を説明する模式的な断面図である。尚、同図において、図4又は図5と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
<ロック機構700のロック作用>
ハイブリッド駆動装置10において、ロック機構700は、サンギアS1を本発明に係る第1回転要素として、サンギアS1の状態をロック状態と解放状態との間で選択的に切り替えることが可能である。尚、サンギアS1は、既に述べた通りモータジェネレータMG1に連結されており、サンギアS1がロック状態にある場合、MG1もまた回転不能なロック状態となる。従って、これ以降、サンギアS1がロック状態にあることを適宜「MG1がロック状態にある」等と表現することとする。ここで、図6を参照して、ロック機構700によるサンギアS1のロック作用について説明する。ここに、図6は、ロック機構700のロック作用によりサンギアS1が解放状態からロック状態に状態遷移するロック遷移過程を説明する模式的な断面図である。尚、同図において、図4又は図5と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
図6において、図6(a)は、先の図5と同様の状態を表しており、クラッチ板720と摩擦部733との間に対向空間GAPが介在しており、クラッチ板720は、摩擦部733による抑止力の影響を受けることなく回転可能である。このため、カムボール750の作用によりカム710とクラッチ板720とは略一体に回転可能である。ここで、カム710は、サンギア軸310を介してMG1のロータRTに連結されており、このロータRTは、サンギア軸310を介してサンギアS1に連結されている。従って、ハイブリッド駆動装置10において、カム710は、サンギアS1と一体に回転する回転要素として扱うことができる。即ち、図6(a)に示される状態では、サンギアS1もまたクラッチ板720の制約を受けずに回転可能である。この状態は、本発明に係る「非ロック状態」の一例に相当する。
図6(b)には、アクチュエータ730の電磁石732にクラッチ係合電流Idが供給された状態が示される。即ち、この場合、電磁石732から発せられる電磁力が吸引部731を介してクラッチ板720に及び、クラッチ板720は、リターンスプリング740の付勢に打ち勝って上記非接触位置と対極の接触位置まで移動し、吸引部731に吸着される。その結果、対向空間GAPは消滅する。また、励磁による電磁力の供給と共に、摩擦部733がクラッチ板720に対し摩擦力を発揮する形となり、クラッチ板720の正回転又は負回転方向への動作が阻害される。即ち、この状態において、クラッチ板720は、電磁石732と摩擦部733とにより、その動作が阻害され、アクチュエータ730に対し、即ちケースCSに対して静止する。
一方、このようにクラッチ板720が吸引部731に吸着された状態では、消滅した対向空間GAPの代わりに、カムボール750とクラッチ板720との間に、回転方向に沿ったガタGTが形成される。従って、カム710がMG1の回転の影響を受けて正回転方向又は負回転方向へ回転すると、カム710とカムボール750のみが、その回転方向へ移動する。尚、ここでは、これらが正回転方向へ移動するものとして説明を継続する。ここで、新たに形成されたガタGTは、先に述べたように断面視逆テーパ状となっており、カムボール750が回転方向に進行するにつれて徐々に詰められ、遂には消滅してガタ詰め完了状態となる。ガタ詰め完了状態においては、再びカム710、カムボール750及びクラッチ板720が相互に接触する。
図6(c)には、このようなガタ詰め完了状態が示される。このガタ詰め完了状態でカム710が正回転方向に回転しようとした場合、この逆テーパ形状をなす対向面の作用によって、カムボール750には、クラッチ板720を更にアクチュエータ730の方向へ押圧する押圧力が発生する。その結果、カム710は、当該押圧力と摩擦部733から与えられる摩擦力とによってロック状態となる。このロック状態では、カム710もまたクラッチ板720と同様にケースCSに対し静止、即ち固定された状態となる。その結果、カム710と一体に回転するサンギアS1もまたケースCSに対し固定された状態となる。ロック状態では、サンギアS1の回転速度、即ちMG1回転速度Ngがゼロとなる。このロック状態は、電磁石732への励磁電流の供給が停止されると、リターンスプリング740の作用によりクラッチ板720が元の非接触位置まで復帰することにより解消される。
<変速モードの詳細>
本実施形態に係るハイブリッド車両1は、サンギアS1の状態に応じて、本発明に係る「動力伝達モード」の一例たる変速モードとして固定変速モード又は無段変速モードを選択可能である。ここで、図7を参照し、ハイブリッド車両1の変速モードについて説明する。ここに、図7は、動力分割機構300の作用を説明するハイブリッド駆動装置10の動作共線図である。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
本実施形態に係るハイブリッド車両1は、サンギアS1の状態に応じて、本発明に係る「動力伝達モード」の一例たる変速モードとして固定変速モード又は無段変速モードを選択可能である。ここで、図7を参照し、ハイブリッド車両1の変速モードについて説明する。ここに、図7は、動力分割機構300の作用を説明するハイブリッド駆動装置10の動作共線図である。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図7(a)において、縦軸は回転速度を表しており、横軸には、左から順にモータジェネレータMG1(一義的にサンギアS1)、エンジン200(一義的にキャリアC1)及びモータジェネレータMG2(一義的にリングギアR1)が表されている。ここで、動力分割機構300は遊星歯車機構であり、サンギアS1、キャリアC1及びリングギアR1のうち二要素の回転速度が定まった場合に、残余の一回転要素の回転速度が必然的に定まる、回転二自由度の差動機構として構成されている。即ち、動作共線図上において、各回転要素の動作状態は、ハイブリッド駆動装置10の一動作状態に一対一に対応する一の動作共線によって表すことができる。尚、これ以降適宜、動作共線図上の点を動作点mi(iは自然数)によって表すこととする。即ち、一の動作点miには一の回転速度が対応している。
図7(a)において、MG2の動作点が動作点m1であるとする。この場合、MG1の動作点が動作点m3であれば、残余の一回転要素たるキャリアC1に連結されたエンジン200の動作点は、動作点m2となる。この際、駆動軸500の回転速度を維持したままMG1の動作点を動作点m4及び動作点m5に変化させれば、エンジン200の動作点は夫々動作点m6及び動作点m7へと変化する。
即ち、この場合、モータジェネレータMG1を回転速度制御装置とすることによって、エンジン200を所望の動作点で動作させることが可能となる。この状態に対応する変速モードが、無段変速モードである。無段変速モードでは、エンジン200の動作点(この場合の動作点とは、機関回転速度とエンジントルクTeとの組み合わせによって規定される)は、基本的にエンジン200の燃料消費率が最小となる最適燃費動作点に制御される。尚、当然ながら無段変速モードにおいて、MG1回転速度Ngは可変である必要がある。このため、無段変速モードが選択される場合、ロック機構700は、サンギアS1が解放状態となるように、その駆動状態が制御される。
ここで補足すると、動力分割機構300において、駆動軸500に先に述べたエンジントルクTeに対応するトルクTerを供給するためには、サンギア軸310にエンジントルクTeに応じて現れる先述のトルクTesと大きさが等しく且つ符合が反転した(即ち、負トルクである)反力トルクをモータジェネレータMG1からサンギア軸310に供給する必要がある。この場合、動作点m3或いは動作点m4といった正回転領域の動作点において、MG1は正回転負トルクの発電状態となる。即ち、無段変速モードにおいては、モータジェネレータMG1(一義的にサンギアS1)を反力要素として機能させることにより、駆動軸500にエンジントルクTeの一部(即ち、上記直達トルクTepである)を供給し、且つサンギア軸310に分配されるエンジントルクTeの一部(即ち、上記Teg)で発電が行われる。駆動軸500に対し要求されるトルクたる駆動軸要求トルクTnが、エンジン200からの直達トルクTepで不足する場合には、この発電電力を利用する形で、モータジェネレータMG2から駆動軸500に対し適宜モータトルクTmが供給される。
一方、例えば高速軽負荷走行時等、例えばMG2回転速度Nmが高いものの機関回転速度NEが低く済むような運転条件においては、MG1が、例えば動作点m5の如き負回転領域の動作点となる。この場合、モータジェネレータMG1は、エンジントルクTeの反力トルクとして負トルクを出力しており、負回転負トルクの状態となって力行状態となる。即ち、この場合、モータジェネレータMG1からのトルクTmg1は、ハイブリッド車両1の駆動トルクとして駆動軸500に伝達されてしまう。
他方で、モータジェネレータMG2は、駆動軸500に出力される、要求トルクに対し過剰なトルクを吸収するため、負トルク状態となる。この場合、モータジェネレータMG2は、正回転負トルクの状態となって発電状態となる。このような状態においては、MG1からの駆動力をMG2での発電に利用し、この発電電力によりMG1を力行駆動する、といった所謂動力循環と称される非効率な電気パスが生じることとなる。動力循環が生じた状態では、ハイブリッド駆動装置10の伝達効率が低下してハイブリッド駆動装置10のシステム効率が低下しかねない。
そこで、ハイブリッド車両1では、予めこのような動力循環が生じ得るものとして定められた運転領域において、ロック機構700によりサンギアS1が先に述べたロック状態に制御される。その様子が図7(b)に示される。サンギアS1がロック状態となると、必然的にモータジェネレータMG1もまたロック状態となり、MG1の動作点は、回転速度がゼロである動作点m8となる。このため、エンジン200の動作点は動作点m9となり、その機関回転速度NEは、車速Vと一義的なMG2回転速度Nmにより一義的に決定される(即ち、変速比が一定となる)。このようにMG1がロック状態にある場合に対応する変速モードが、固定変速モードである。
固定変速モードでは、本来モータジェネレータMG1が負担すべきエンジントルクTeの反力トルクをロック機構700の物理的な制動力により代替させることができる。即ち、モータジェネレータMG1を発電状態にも力行状態にも制御する必要はなくなり、モータジェネレータMG1を停止させることが可能となる。従って、基本的にモータジェネレータMG2を稼動させる必要もなくなり、MG2は言わば空転状態となる。結局、固定変速モードでは、駆動軸500に現れるトルクたる駆動軸トルクが、エンジントルクTeのうち、動力分割機構300により駆動軸500側に分割された直達成分たる直達トルクTep(上記(2)式参照)のみとなり、ハイブリッド駆動装置10は、機械的な動力伝達を行うのみとなって、その伝達効率が向上する。
<変速制御の詳細>
ここで、図8を参照し、ECU100により実行される変速制御の詳細について説明する。ここに、図8は、変速制御のフローチャートである。
ここで、図8を参照し、ECU100により実行される変速制御の詳細について説明する。ここに、図8は、変速制御のフローチャートである。
図8において、ECU100は、MG1がロック状態にあるか否かを判別する(ステップS101)。MG1がロック状態にない場合(ステップS101:NO)、即ち無段変速モードが選択されている場合、ECU100は、ステップS101を繰り返し実行する。
一方、MG1がロック状態にある場合(ステップS101:YES)、ECU100は、上述したロック機構700によるMG1のロックを終了すべき旨のクラッチ解放条件が満たされたか否かを判別する(ステップS102)。即ち、固定変速モードから無段変速モードへの変速モードの切り替えタイミングであるか否かを判別する。クラッチ解放条件が満たされない場合(ステップS102)、ECU100は、処理をステップS101へ戻し、一連の処理を繰り返す。
クラッチ解放条件が満たされると(ステップS102:YES)、ECU100は、クラッチ解放処理を実行する(ステップS103)。クラッチ解放処理とは、即ち、先に述べたように、アクチュエータ730における電磁石732への駆動電流Idの供給を停止することを意味する。駆動電流Idの供給が停止されると、クラッチ板720は、吸引部731及び摩擦部733から解放され、リターンスプリング740の作用によりクラッチ板720は非接触位置へと復帰してMG1が回転可能な非ロック状態へと復帰する。
クラッチ解放処理が実行されると、変速モードは無段変速モードへ切り替わる。変速モードが無段変速モードへ切り替わると、ECU100は、クラッチ摩擦負荷トルクTcを算出する(ステップS104)。尚、クラッチ摩擦負荷トルクTcとは、本発明に係る「引き摺りトルク」の一例であり、クラッチ板720が何らかの原因により摩擦部733から完全に解放されないことによって摩擦部733から供給される、一種の制動トルクである。
クラッチ摩擦負荷トルクTcの算出方法を説明する前に、図9を参照して、無段変速モードの制御フローについて説明する。ここに、図9は、無段変速モードにおける制御ブロック図である。
図9において、無段変速モードは、制御ブロックB10乃至B21から構成される。
先ず、ECU100は、アクセル開度Taを取得し(制御ブロックB10)、このアクセル開度Taに更に車速Vを参照してハイブリッド車両1の要求駆動力Ftを要求駆動力マップより決定する(制御ブロックB11)。要求駆動力Ftが決定されると、更にエンジン要求出力Pnが算出される(制御ブロックB12)。
エンジン要求出力Pnが算出されると、このエンジン要求出力Pnに基づいてエンジン200の目標回転速度たる目標エンジン回転速度Netgが決定され(制御ブロックB13)、予め動作点マップに規定される最適燃費動作線に従って、一義的にエンジントルクTeが決定される(制御ブロックB15)。エンジントルクTeが決定されると、動力分割機構300の回転要素間のギア比に基づいて規定される上記(1)に従って、MG1トルクTgが算出される(制御ブロックB16)。
一方、目標エンジン回転速度Netgからは、MG1回転速度Ngの目標値たる目標MG1回転速度Ngtgが決定される(制御ブロックB14)。目標MG1回転速度Ngtgは、車速Vと一義的な関係にある駆動軸500の回転速度と目標エンジン回転速Netgとにより一義的に規定される。目標MG1回転速度Ngtgが決定されると、レゾルバ等の検出手段により検出される現時点のMG1回転速度Ngが取得され(制御ブロックB18)。
ECU100は、目標MG1回転速度NgtgとMG1回転速度Ngとの偏差を計算し、この偏差に基づいてMG1トルクのフィードバック制御量たるMG1トルクフィードバック値Tg(fb)を算出する(制御ブロックB16)。算出されたMG1トルクフィードバック値Tg(fb)は、制御ブロックB16において算出されたMG1トルクTgと、このMG1トルクフィードバック値Tg(fb)との偏差が算出され、この偏差が直達トルクTepとして算出される(制御ブロックB19)。
一方、ECU100は、要求駆動力Ftから駆動軸の要求トルクたる駆動軸要求トルクTnを算出しており(制御ブロックB20)、この駆動軸要求トルクTnと直達トルクTepとの偏差を算出する。算出された偏差は、モータジェネレータMG2から供給すべきモータトルクTmとして扱われる。
ここで、制御ブロックB17において算出されるMG1トルクフィードバック値Tg(fb)とは、主として、MG1回転速度Ngをゼロ回転から目標MG1回転速度Ngtgまで上昇させる際に発生するMG1及びエンジン200のイナーシャトルクを意味するが、MG1にロック機構700からクラッチ摩擦負荷トルクTcが作用している場合、このクラッチ摩擦負荷トルクTcも含まれる。このため、MG1トルクフィードバック値Tg(fb)と当該イナーシャトルクとの差として、クラッチ摩擦負荷トルクTcを検出することが可能となる。
図8に戻り、より具体的には、ECU100は、下記(3)〜(5)式に従ってクラッチ摩擦負荷トルクTcを算出する。尚、各式において、Teはエンジントルクであり、TgはMG1トルクであり、Tg(fb)はトルクフィードバック値であり、IgはMG1の慣性モーメントであり、Ieはエンジン200の慣性モーメントであり、ρはサンギアS1とリングギアR1とのギア比であり、ωはMG1の角速度である。
Tdb=ρ/(1+ρ)×Te−(Tg−Tg(fb))−(Ig+((ρ/(1+ρ))2×Ie)×dω/dt・・・(3)
Tda=ρ/(1+ρ)×Te−(Tg−Tg(fb))−(Ig+((ρ/(1+ρ))2×Ie)×dω/dt・・・(4)
Tc=Tda−Tdb・・・(5)
ここで、TdbとTdaは、算出式自体は等しく、算出タイミングが異なっている。即ち、Tdbは、クラッチ係合前のハイブリッド駆動装置10の損失トルクであり、Tdaは、クラッチ解放後のハイブリッド駆動装置10の損失トルクである。尚、クラッチ係合前とクラッチ解放後とは、間にクラッチの係合を挟むだけで等しい状態を意味する。即ち、上記(3)乃至(5)式は、一回クラッチの係合を挟む毎に、損失トルクがどのように変化するかを常に把握する演算処理である。従って、ECU100は、常時複数サンプルの損失トルクをRAM等にストアしており、最新の損失トルクをTdaとし、一タイミング前に算出された損失トルクをTdbとして、上記(5)式を実行する構成となっている。
Tda=ρ/(1+ρ)×Te−(Tg−Tg(fb))−(Ig+((ρ/(1+ρ))2×Ie)×dω/dt・・・(4)
Tc=Tda−Tdb・・・(5)
ここで、TdbとTdaは、算出式自体は等しく、算出タイミングが異なっている。即ち、Tdbは、クラッチ係合前のハイブリッド駆動装置10の損失トルクであり、Tdaは、クラッチ解放後のハイブリッド駆動装置10の損失トルクである。尚、クラッチ係合前とクラッチ解放後とは、間にクラッチの係合を挟むだけで等しい状態を意味する。即ち、上記(3)乃至(5)式は、一回クラッチの係合を挟む毎に、損失トルクがどのように変化するかを常に把握する演算処理である。従って、ECU100は、常時複数サンプルの損失トルクをRAM等にストアしており、最新の損失トルクをTdaとし、一タイミング前に算出された損失トルクをTdbとして、上記(5)式を実行する構成となっている。
クラッチ摩擦負荷トルクTcが算出されると、ECU100は、算出されたクラッチ摩擦負荷トルクTcが閾値αよりも大きいか否かを判別する(ステップS105)。クラッチ摩擦負荷トルクTcが閾値α以下であれば(ステップS105:NO)、ECU100は、実践上問題無い範囲の引き摺りトルクであるとして、通常のCVTモード(無段変速モード)を実行して(ステップS110)、処理をステップS101に戻す。
一方、クラッチ摩擦負荷トルクTcが閾値αよりも大きい場合(ステップS105:YES)、ECU100は、ロック機構700が係合故障にある(即ち、本発明に係る「故障状態」の一例である)ものと判断して、処理を係合故障時の処理へ進める。
係合故障時の処理としては、先ず、固定変速モードとCVTモードとの間で、ハイブリッド駆動装置10のシステム効率ηsysの比較がなされ、固定変速モードにおけるシステム効率Elockが、無段変速モードにおけるシステム効率Ecvt未満であるか否かが判別される(ステップS106)。システム効率Elockがシステム効率Ecvt以上であれば(ステップS106:NO)、即ち、固定変速モードを選択した方がハイブリッド車両1を高効率に走行させることができる場合には、更に固定変速モードが選択された場合に車速Vがエンスト限界速度Vest以下となるか否かが判別される(ステップS108)。
固定変速モードが選択された場合の車速Vがエンスト限界速度Vestよりも高い場合(ステップS108:NO)、ECU100は、ロック機構700を制御してMG1をロックし、変速モードを固定変速モードに変更する(ステップS111)。一方、固定変速モードが選択された場合の車速Vがエンスト限界速度Vest以下である場合(ステップS108:YES)、又はシステム効率Ecvtがシステム効率Elockよりも高い場合(ステップS106:YES)、ECU100は、ロック機構700の温度たるクラッチ部温度Tmpcが上限値Tmpcth以下であるか否かを判別する(ステップS107)。尚、クラッチ部温度Tmpcとは、クラッチ板720の温度であり、図示せぬながらハイブリッド駆動装置10の然るべき設置部位に設置された温度センサにより適宜検出される構成となっている。また、この温度センサはECU100と電気的に接続されており、検出されたクラッチ部温度Tmpcは、ECU100により一定または不定の周期で参照される構成となっている。
クラッチ部温度Tmpcが上限値Tmpcthよりも高い場合(ステップS107:NO)、ECU100は、ハイブリッド駆動装置10をEVモードに制御し、ハイブリッド車両1をEV走行させる。即ち、エンジン200及びモータジェネレータMG1はその稼動を停止する。EVモードによる走行が開始されると、処理はステップS101に戻される。
一方、クラッチ部温度Tmpcが上限値Tmpcth以下である場合(ステップS107:YES)、ECU100はクラッチ故障CVTモードを実行する(ステップS108)。ここで、図10を参照し、クラッチ故障CVTモードの詳細について説明する。ここに、図10は、ECU100における無段変速制御の他のブロック図である。尚、同図において、図9と重複する箇所には、同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図10において、ECU100は、図9に係る無段変速モードにおける基本的な制御ブロックに対し、制御ブロックB22を追加した構成となっている。制御ブロックB22では、制御ブロックB16において算出されたMG1トルクTgから制御ブロックB17において算出されたMG1トルクフィードバック値Tg(fb)を減算してなる偏差に、クラッチ摩擦負荷トルクTcが加算される。即ち、図8におけるクラッチ故障CVTモードにおいては、クラッチ摩擦負荷トルクTcによるエンジン直達トルクTepの減少分が補償される。
より具体的に説明すると、図9に示す基本的な制御プロセスに従ってエンジン直達トルクTepを算出した場合、MG1トルクTgから、イナーシャトルクに加えてクラッチ摩擦負荷トルクTcを加えたトルクが減算されるため、算出されるエンジン直達トルクTepは、クラッチ摩擦負荷トルクTcの分だけ減少してしまう。その結果、駆動軸要求トルクTnからエンジン直達トルクTepを減じることによって算出されるMG2トルクTmは、実際に必要とされる値から乖離して、駆動軸500のトルク変動となって顕在化してしまうのである。制御ブロックB22が追加されたステップS108に係るクラッチ故障CVTモードにより、エンジン直達トルクTepに対するクラッチ摩擦負荷トルクTcの影響が排除されると、算出されるエンジン直達トルクTepは、実制御値と一致する。その結果、モータトルクTmが必要量から乖離することなく駆動軸500のトルク変動が抑制されるのである。ステップS108又はステップS111が実行されると、処理はステップS106へ移行され、システム効率に基づいた最適な変速モードの選択が繰り返される。変速制御は以上のようにして実行される。
尚、図10に示すブロック図において、追加された制御ブロックB22は、クラッチ摩擦負荷トルクTcがゼロであれば、図9に例示される通常のCVTモードのブロック図と一致する。従って、常時図10に示されたブロック図に従ってCVTモードが遂行されてもよい。
ここで、図11を参照し、ステップS106におけるシステム効率の比較、及びその比較結果に基づいた変速モードの選択について補足する。ここに、図11は、ハイブリッド駆動装置10の動作共線図である。尚、同図において、図7と重複する箇所には、同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図11において、図11(a)は、MG1が正回転領域にある場合に対応しており、左側がCVTモードを、右側が固定変速モードを夫々表している。CVTモードでは、先に述べたようにエンジン200の動作点が最適燃費動作点に制御されるため、エンジン200の熱効率ηeは良好であるが、クラッチ摩擦負荷トルクTcの影響により、発電トルクたるMG1トルクTgは減少しており、バッテリ12の電力収支は悪化する。係る電力収支の悪化を回避すべくエンジントルクTeを上昇させると、燃料消費量が増大して燃費が悪化する。
一方で、固定変速モードを選択した場合、図示破線で示すように、エンジン200の動作点は最適な燃費を与える動作点(黒丸)から変化する。そのため、CVTモードと較べてエンジン200の熱効率ηeが低下してシステム効率ηsysが低下する。ECU100は、その都度、この電力収支の悪化によるシステム効率の低下分と、熱効率の低下によるシステム効率の低下分とを比較して、よりシステム効率が高くなる一方の変速モードを選択するのである。尚、これは、図11(b)に例示する、MG1が負回転状態にある場合でも同様である。
<2:第2実施形態>
上記第1実施形態においては、ハイブリッド駆動装置10が固定変速モードを採るに際して、MG1がロックされる(正確には、サンギアS1及びカム710を介してMG1がロックされる)構成を採る。然るに、固定変速モードを得るに際してのハイブリッド駆動装置の構成は、この種のMG1ロックに限定されない。ここで、図12を参照し、他のハイブリッド駆動装置の構成について説明する。ここに、図12は、本発明の第2実施形態に係るハイブリッド駆動装置20の構成を概念的に表してなる概略構成図である。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
<2:第2実施形態>
上記第1実施形態においては、ハイブリッド駆動装置10が固定変速モードを採るに際して、MG1がロックされる(正確には、サンギアS1及びカム710を介してMG1がロックされる)構成を採る。然るに、固定変速モードを得るに際してのハイブリッド駆動装置の構成は、この種のMG1ロックに限定されない。ここで、図12を参照し、他のハイブリッド駆動装置の構成について説明する。ここに、図12は、本発明の第2実施形態に係るハイブリッド駆動装置20の構成を概念的に表してなる概略構成図である。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
図12において、ハイブリッド駆動装置20は、動力分割機構300に代えて、本発明に係る「動力伝達機構」の他の一例として動力分割機構800を備える点において、ハイブリッド駆動装置10と相違する構成となっている。動力分割機構800は、複数の回転要素により構成される差動機構として、シングルピニオンギア型の第1遊星歯車機構810及びダブルピニオン型の第2遊星歯車機構820を備えた、所謂ラビニヨ型遊星歯車機構の形態を採る。
第1遊星歯車機構810は、サンギア811、キャリア812及びリングギア813並びに軸線方向に自転し且つキャリア812の自転により公転するようにキャリア812に保持された、サンギア811及びリングギア813に噛合するピニオンギア814を備え、サンギア811にモータジェネレータMG1のロータが、キャリア812に入力軸400が、またリングギア813に駆動軸500が夫々連結された構成となっている。
第2遊星歯車機構820は、サンギア821、キャリア822及びリングギア823並びに軸線方向に自転し且つキャリア822の自転により公転するように夫々キャリア822に保持された、サンギア821に噛合するピニオンギア825及びリングギア823に噛合するピニオンギア824を備え、サンギア821にブレーキ機構700のカム710(不図示)が連結された構成となっている。即ち、本実施形態においては、サンギア821が、本発明に係る「第1回転要素」の他の一例として機能する。
このように、動力分割機構800は、全体として第1遊星歯車機構810のサンギア811、第2遊星歯車機構820のサンギア821(第1回転要素)、相互に連結された第1遊星歯車機構810のキャリア812及び第2遊星歯車機構820のリングギア823からなる第1回転要素群、並びに相互に連結された第1遊星歯車機構810のリングギア813及び第2遊星歯車機構820のキャリア822からなる第2回転要素群の、合計4個の回転要素を備えている。
ハイブリッド駆動装置20によれば、サンギア821がロック状態となり、その回転速度がゼロとなると、車速Vと一義的な回転速度を有する第2回転要素群と、このサンギア821とによって、残余の一回転要素たる第1回転要素群の回転速度が規定される。第1回転要素群を構成するキャリア812は、エンジン200(不図示)のクランクシャフト205に連結された入力軸400に連結されているため、結局エンジン200の機関回転速度NEは、車速Vと一義的な関係となって、固定変速モードが実現されるのである。このように、固定変速モードは、ハイブリッド駆動装置10以外の構成においても実現可能であり、それに合わせて、ロック機構700のロック対象も適宜変更されてよい。いずれにせよ、ロック機構700における引き摺りトルクの算出及び算出された引き摺りトルクを考慮した最適な駆動制御が第1実施形態と同様にして可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うハイブリッド車両の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
10…ハイブリッド車両、20…ハイブリッド車両、100…ECU、200…エンジン、201…気筒、203…ピストン、205…クランクシャフト、300…動力分割機構、MG1…モータジェネレータ、MG2…モータジェネレータ、400…ブレーキ機構、500…減速機構、1000…ハイブリッド駆動装置。
Claims (7)
- 回転電機と内燃機関とを含む動力要素と、
前記回転電機により回転速度を調製可能な第1回転要素、車軸に繋がる駆動軸に連結された第2回転要素及び前記内燃機関に連結された第3回転要素を含む相互に差動回転可能な複数の回転要素を備えた動力伝達機構と、
前記第1回転要素の状態を回転不能なロック状態と回転可能な非ロック状態との間で切り替え可能なロック機構と
を備え、
前記内燃機関の回転速度と前記駆動軸の回転速度との比たる変速比が連続的に可変とされる、前記第1回転要素が前記非ロック状態にある場合に対応する無段変速モードと、前記変速比が固定される、前記第1回転要素が前記ロック状態にある場合に対応する固定変速モードとの間で変速モードを切り替え可能に構成されたハイブリッド車両を制御する装置であって、
前記無段変速モードが選択された状態において、前記回転電機の回転速度が目標回転速度へ収束するように、前記回転電機の回転速度と前記目標回転速度との偏差に応じて前記回転電機のトルクを制御する制御手段と、
前記偏差に応じて前記回転電機が制御されるにあたって算出される前記回転電機のトルクのフィードバック値と、前記偏差に応じて前記回転電機が制御されるにあたって前記動力要素を含む回転慣性系の慣性に起因して生じる慣性トルクの値とに基づいて、前記ロック機構における引き摺りトルクを算出する算出手段と
を具備することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 前記算出された引き摺りトルクに基づいて前記ロック機構の状態を判定する判定手段を更に具備する
ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。 - 前記判定手段は、前記算出された引き摺りトルクが所定値以上である場合に前記ロック機構が故障状態にあると判定する
ことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置。 - 前記算出された引き摺りトルクに応じて前記駆動軸の出力トルクを補正する補正手段を更に具備する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置。 - 前記算出された引き摺りトルクに基づいて、前記無段変速モード及び前記固定変速モードのうち一方を選択する選択手段を更に具備する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置。 - 前記選択手段は、前記無段変速モード及び前記固定変速モードのうち、前記ハイブリッド車両のシステム効率が高い一方を選択する
ことを特徴とする請求項5に記載のハイブリッド車両の制御装置。 - 前記ハイブリッド車両は、前記駆動軸との間で動力の入出力が可能な、前記回転電機とは異なる他の回転電機を更に備える
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
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