JP2012153230A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】動力伝達機構における引き摺り損失を効果的に低減する。
【解決手段】ハイブリッド車両の制御装置(100)は、内燃機関(200)及び電動機(MG2)を含む動力要素と、動力要素からの動力を車軸に伝達する駆動軸(500)と、内燃機関及び駆動軸間の連結を切り離し及び結合可能なクラッチ(710)を含む動力伝達機構(300)とを備えたハイブリッド車両(1)を制御する装置であって、動力伝達機構内部の油温を検出する油温検出手段(110)と、クラッチが切り離されているか否かを検出するクラッチ解放検出手段(120)と、検出された油温が第1閾値以下であり且つクラッチが切り離されている場合に、クラッチの係合力を調整して摩擦による発熱制御を行うクラッチ調整手段(130,140)とを備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関と出力軸との間に動力伝達を切り離すクラッチを備えるハイブリッド車両を制御するハイブリッド車両の制御装置の技術分野に関する。
この種のハイブリッド車両では、例えば複数のギヤやクラッチを含んでなる動力伝達機構が制御されることで、運転状況に応じた様々な動力伝達モードが実現される。具体的には、例えば発進直後の低トルク時において、内燃機関からの動力伝達をやめ、モータからの動力のみを出力軸に伝達するEVモードが実現される。このEVモードでは、内燃機関と出力軸との間に設けられたクラッチを切り離すことで、引き摺り損失を低減できるとされている(例えば、特許文献1参照)。
他方、同様にクラッチを制御する技術として、2WDと4WDとをクラッチによって切替える車両においてクラッチの回転数差を大きくし、摩擦熱を利用して潤滑油の温度を上昇させるという技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、クラッチの回転数差を小さくすることで、クラッチにおける発熱量を低減させるという技術が提案されている(特許文献3参照)。
特開2000−109706号公報 特開2005−328648号公報 特開2010−144851号公報
特許文献1に係る発明では、上述したように、EVモードにおいて内燃機関と出力軸との間に設けられたクラッチが切り離される。しかしながら、動力伝達機構内部の油の温度が低い場合、油の粘度が高くなっていることに起因して引き摺り損失が増大してしまうおそれがある。この結果、クラッチを切り離すことで引き摺り損失を低減しようとしても、油の粘度によって引き摺り損失が増大してしまうため、全体としては引き摺り損失を十分に低減することができないおそれがある。このように、特許文献1に係る発明には、油の粘度が高くなる低温時の効率が考慮されていないため、様々な状況下において適切な運転効率が得られないという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、動力伝達機構における引き摺り損失を効果的に低減することが可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを課題とする。
本発明のハイブリッド車両の制御装置は上記課題を解決するために、内燃機関及び電動機を含む動力要素と、前記動力要素からの動力を車軸に伝達する駆動軸と、前記内燃機関及び前記駆動軸間の連結を切り離し及び結合可能なクラッチを含む動力伝達機構とを備えたハイブリッド車両を制御する装置であって、前記動力伝達機構内部の油温を検出する油温検出手段と、前記クラッチが切り離されているか否かを検出するクラッチ解放検出手段と、前記検出された油温が第1閾値以下であり且つ前記クラッチが切り離されている場合に、前記クラッチの係合力を調整して摩擦による発熱制御を行うクラッチ調整手段とを備える。
本発明に係るハイブリッド車両は、駆動軸に対し動力を供給可能な動力要素として、例えば燃料種別、燃料の供給態様、燃料の燃焼態様、吸排気系の構成及び気筒配列等を問わない各種の態様を採り得る内燃機関、並びにモータジェネレータ等の電動発電機として構成され得る電動機を少なくとも備えた車両である。動力要素である内燃機関と駆動軸との間には、動力を伝達するための動力伝達機構が備えられている。動力伝達機構は、内燃機関及び駆動軸間の連結を切り離し及び結合可能なクラッチを含んでおり、例えば複数の回転要素(好適には、ギヤである)を有するものとして構成される。尚、電動機と駆動軸との間には、他の動力伝達機構が備えられていてもよい。
動力伝達機構に含まれるクラッチは、例えばドグクラッチ等として構成され、回転可能とされた2つの係合部が互いに係合することによって内燃機関から駆動軸への動力伝達を実現し、切り離されることによって内燃機関から駆動軸への動力伝達を遮断する。尚、本発明に係るハイブリッド車両には、ここで述べたクラッチ以外のクラッチやブレーキ(即ち、各部位の回転動作を固定する部材)等が備えられてもよい。
尚、動力伝達機構を構成する回転要素は、好適な一形態として、電動機に連結された第1回転要素と、駆動軸に連結された第2回転要素と、内燃機関に連結された第3回転要素とを含み、且つ相互に差動作用をなし得る構成とされてもよい。この場合、係る差動作用により、各回転要素の状態(端的には、回転可能であるか否か及び他の回転要素又は固定要素と連結された状態にあるか否か等を含む)に応じた、上記動力要素と駆動軸との間のトルク伝達が可能となり得る。また、この場合、動力伝達機構は、遊星歯車機構等の各種差動ギヤ機構を一又は複数備え得る。複数の遊星歯車機構を含む場合には、各遊星歯車機構を構成する回転要素の一部が複数の遊星歯車機構相互間で適宜共有され得る。
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置は、このようなハイブリッド車両を制御する制御装置であって、例えば、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、各種プロセッサ又は各種コントローラ、或いは更にROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、バッファメモリ又はフラッシュメモリ等の各種記憶手段等を適宜に含み得る、単体の或いは複数のECU(Electronic Controlled Unit)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る。
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置の動作時には、先ず油温検出手段によって、動力伝達機構内部の油温が検出される。尚、油温は、動力伝達機構内部の油から直接検出されてもよいし、油温が影響する他の部材の温度から間接的に検出されてもよい。検出された油温は、クラッチ調整手段によって第1閾値以下であるか否かが判定される。尚、ここでの「第1閾値」とは、動力伝達機構内部の油の粘度が高くなることで、動力伝達機構における引き摺り損失が、不都合が発生する程度にまで高くなってしまうような値として設定されている。油の粘度は、油の温度に対応している(具体的には、油温が低いほど粘度は高くなる)ため、上述したように油温を用いて引き摺り損失の程度を推定することができる。
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置の動作時には更に、クラッチ解放検出手段によって、動力伝達機構におけるクラッチが切り離されているか否かが検出される。クラッチが切り離されている場合、内燃機関からの動力は駆動軸へは伝達されない。この場合、ハイブリッド車両は、他の動力要素である電動機からの動力によって走行する。即ち、ハイブリッド車両は、電動機からの動力のみで走行するモード(所謂、EVモード)とされる。従って、クラッチ解放検出手段は、ハイブリッド車両がEVモードであるか否かを判定しているとも言える。
ここで本発明では特に、検出された油温が第1閾値以下であり且つクラッチが切り離されている場合には、クラッチ調整手段によってクラッチの係合力が調整され、係合部の摩擦により熱が発生する状態とされる。即ち、EVモードでの走行中であり、且つ油の粘度に起因する引き摺り損失が大きいと推定される場合には、発熱するようにクラッチの係合力が調整される。クラッチ調整手段は、例えばクラッチを半係合(言い換えれば、滑り係合)するように係合力を制御する。本発明では、上述したクラッチ調整手段による制御を「発熱制御」とよぶものとする。
上述した発熱制御によれば、クラッチにおいて発生した熱が動力伝達機構内部の油へと伝達され、油温が上昇する。その結果、油の粘度が低くなり、動力伝達機構における引き摺り損失を低減することができる。ここで仮に、クラッチ調整手段による発熱制御が行われないとすると、油温の上昇が遅れ、ハイブリッド車両は、引き摺り損失が大きい状態で長時間走行を続けることになる。しかるに本発明に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、クラッチの発熱により、動力伝達機構内部の油温を早期に上昇させることが可能となる。従って、効果的に引き摺り損失を低減させ、ハイブリッド車両の運転効率を高めることができる。
尚、発熱制御が実施されることになるEVモードは、例えば発進直後の低トルク時において使用されることが多く、発進直後は動力伝達機構内部の油温も低い場合が多い。従って、EVモード走行中において動力伝達機構の引き摺り損失を低減できるという本発明の効果は、極めて有益なものである。
本発明のハイブリッド車両の制御装置の一態様では、前記クラッチにおける前記内燃機関側及び前記駆動軸側の回転数差を検出する回転数差検出手段と、前記検出された回転数差が第2閾値以上である場合に、前記発熱制御を行わないように前記クラッチ調整手段を制御する発熱制御禁止手段とを備える。
この態様によれば、上述した油温の検出及びクラッチの解放検出に加えて、回転数差検出手段によってクラッチにおける内燃機関側及び駆動軸側の回転数差が検出される。即ち、クラッチにおける内燃機関側の係合部の回転数と、駆動軸側の係合部の回転数とが検出され、2つの係合部の相対的な回転数差が検出される。
本態様では、回転数差検出手段において検出された回転数差が第2閾値以上である場合には、発熱制御禁止手段によって、発熱制御を行わないようにクラッチ調整手段が制御される。即ち、クラッチにおける回転数差次第では、クラッチ調整手段による発熱制御が禁止される。
クラッチにおける回転数差が大きくなると、摩擦による引き摺り損失も大きくなる。また、発生する熱量が大きくなるため、摩擦する部分の焼き付きや寿命低下等の問題が発生する。本態様に係る「第2閾値」は、上述した回転数差に起因する不都合が発生してしまう程度に、クラッチの回転数差が大きくなっているか否かを判定するために設定される。よって、本態様に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、不適切な発熱制御に起因して、新たな不都合が発生してしまうことを防止することができる。
上述した回転数差検出手段及び発熱制御禁止手段を備える態様では、前記検出された回転数差が前記第2閾値以上である場合に、前記クラッチにおける前記内燃機関側及び前記駆動軸側の回転数差が前記第2閾値未満になるよう、前記内燃機関側の回転数を調整する回転数調整手段を備え、前記クラッチ調整手段は、前記回転数調整手段による調整が行われた後に前記発熱制御を行うように構成してもよい。
この態様によれば、回転数差検出手段において検出された回転数差が第2閾値以上である場合には、クラッチにおける内燃機関側及び駆動軸側の回転数差が第2閾値未満になるよう、回転数調整手段によってクラッチにおける内燃機関側の回転数が調整される。回転数調整手段は、例えばクラッチから見て内燃機関側に接続された他の電動機等を含むものとして構成することができる。
本態様では、回転数調整手段によって、クラッチにおける回転数差を第2閾値未満(即ち、発熱制御による不都合が全く或いは殆ど発生しない状態)とすることができるため、クラッチにおける回転数差が大きく発熱制御を行うことが好ましくない状態であったとしても、回転数差を調整した後に適切な状態で発熱制御を行うことができる。よって、極めて好適に引き摺り損失を低減させることができる。
尚、回転数調整手段を、上述したように他の電動機を含むものとして構成する場合、回転数調整時には、回転数調整手段自体からも熱が発生する。具体的には、回転数調整手段の回転動作によって熱が発生すると考えられる。このように発生する熱は、発熱制御においてクラッチで発生する熱と同様に、動力伝達機構内部の油温を上昇させる効果を有している。従って、回転数調整数手段の構成次第では、より効果的に油温を上昇させることもできる。
上述した回転数調整手段を備える態様では、前記回転数調整手段は、前記内燃機関側の回転数が前記駆動軸側の回転数より大きくなるように、前記内燃機関側の回転数を調整するよう構成してもよい。
この態様によれば、回転数調整手段によってクラッチにおける回転数が調整される際には、内燃機関側の回転数が駆動軸側の回転数より大きくなるように調整される。このように回転数を調整するには、内燃機関側の回転数を、より大きく増加させることが求められる。具体的には、例えば他の電動機等として構成される回転数調整手段の回転数は、単にクラッチにおける回転数差を小さくする場合に比べて大きくされる。
上述した制御によれば、回転数調整手段における発熱(即ち、回転数調整手段自体の回転数が増加することによる発熱)が大きくなるため、クラッチにおける発熱量には変化がないものの、クラッチ以外での発熱量を増加させることができる。よって、発熱制御おいて生じる全体的な発熱量を増加させることができる。従って、動力伝達機構内部の油温の上昇を効率的に行うことが可能となる。
本発明のハイブリッド車両の制御装置の他の態様では、前記電動機に電力を供給する蓄電可能な電力供給手段と、前記電力供給手段の蓄電量を検出する蓄電量検出手段と、前記検出された蓄電量が第3閾値未満である場合に、前記発熱制御を行わないように前記クラッチ調整手段を制御する第2の発熱制御禁止手段とを備える。
この態様によれば、動力要素である電動機には、例えばバッテリ等の蓄電可能な電力供給手段から電力が供給される。この電力供給手段の蓄電量は、蓄電量検出手段によって検出される。尚、蓄電量の検出は、常時行われていてもよいし、所定周期或いは所定のタイミングで行われてもよい。また、発熱制御の要否に応じて、適宜行われてもよい。
ここで本態様では特に、蓄電量検出手段によって検出された蓄電量が第3閾値未満である場合には、第2の発熱制御禁止手段によって、発熱制御を行わないようにクラッチ調整手段が制御される。即ち、電力供給手段の蓄電量次第では、クラッチ調整手段による発熱制御が禁止される。
発熱性御時には、クラッチにおいて摩擦が起こる分、電動機に求められる出力も大きくなる。よって、蓄電量が比較的少ない場合に発熱制御を実施しようとすると、蓄電量不足を補うために、内燃機関が頻繁に始動と停止を繰り返すような事態を招くおそれがある。更には、電力供給手段への蓄電及び放電が頻繁に行われるため、電力供給手段の寿命低下を招くおそれがある。
本態様に係る「第3閾値」は、上述した蓄電量不足に起因する不都合が発生してしまう程度に、電力供給手段の蓄電量が低くなっているか否かを判定するために設定される。よって、本態様に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、不適切な発熱制御に起因して、新たな不都合が発生してしまうことを防止することができる。
本発明のハイブリッド車両の制御装置の他の態様では、前記発熱制御に起因する前記電動機の運転効率の悪化度を推定する効率悪化度推定手段と、前記推定された運転効率の悪化度が第4閾値以上である場合に、前記発熱制御を行わないように前記クラッチ調整手段を制御する第3の発熱制御禁止手段とを備える。
この態様によれば、クラッチ調整手段による発熱制御が行われる前に、効率悪化度推定手段によって、発熱制御に起因する電動機の運転効率の悪化度が推定される。即ち、仮に発熱制御を行ったとすると、電動機の運転効率がどの程度悪化するのかが推定される。尚、運転効率の悪化度は、電動機の動作点の変化等から推定することができる。
電動機の運転効率の悪化度が推定されると、推定された悪化度が第4閾値以上である場合に、第3の発熱制御禁止手段によって、発熱制御を行わないようにクラッチ調整手段が制御される。即ち、電力電動機の運転効率の悪化度次第では、クラッチ調整手段による発熱制御が禁止される。
発熱制御によれば、上述したように油温の上昇を促進させ、引き摺り損失の低減を図ることができる。しかしながら、電動機の運転効率が、引き摺り損失の低減以上に悪化してしまうような場合(具体的には、登坂走行中等の電動機に求められるトルクが大きい場合)には、発熱制御を行うことは好ましくない。
本態様に係る「第4閾値」は、上述したように電動機の運転効率の悪化が、発熱制御による引き摺り損失の低減効果を超えてしまうような状態であるか否かを判定するために設定される。よって、本態様に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、不適切な発熱制御に起因して、新たな不都合が発生してしまうことを防止することができる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
ハイブリッド車両の構成を概念的に表してなる概略構成図である。 ハイブリッド駆動装置の構成を概念的に表してなる概略構成図である。 エンジンの一断面構成を例示する模式図である。 第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の一連の動作を示すフローチャートである。 第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置による発熱制御時の動作を示す共線図である。 第2実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の一連の動作を示すフローチャートである。 クラッチにおける回転数差が発熱制御に適さない程に大きい状態の一例を示す共線図である。 第3実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の構成を示すブロック図である。 第3実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の一連の動作を示すフローチャートである。 第3実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置によるクラッチの回転数制御を共線図(その1)である。 第3実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置によるクラッチの回転数制御を共線図(その2)である。 第4実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の構成を示すブロック図である。 第4実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の一連の動作を示すフローチャートである。 第5実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の構成を示すブロック図である。 第5実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の一連の動作を示すフローチャートである。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
先ず、本実施形態に係るハイブリッド車両の全体構成について、図1を参照して説明する。ここに図1は、ハイブリッド車両の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、本実施形態に係るハイブリッド車両1は、ハイブリッド駆動装置10、PCU(Power Control Unit)11、バッテリ12、アクセル開度センサ13、車速センサ14及びECU100を備えて構成されている。
ECU100は、CPU、ROM及びRAM等を備え、ハイブリッド車両1の各部の動作を制御可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「ハイブリッド車両の制御装置」の一例である。ECU100は、例えばROM等に格納された制御プログラムに従って、ハイブリッド車両1における各種制を実行可能に構成されている。
PCU11は、バッテリ12から取り出した直流電力を交流電力に変換して後述するモータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2に供給する。また、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ12に供給することが可能な不図示のインバータを含んでいる。即ち、PCU11は、バッテリ12と各モータジェネレータとの間の電力の入出力、或いは各モータジェネレータ相互間の電力の入出力(即ち、この場合、バッテリ12を介さずに各モータジェネレータ相互間で電力の授受が行われる)を制御可能に構成された電力制御ユニットである。PCU11は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によってその動作が制御される構成となっている。
バッテリ12は、本発明の「電力供給手段」の一例であり、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2を力行するための電力に係る電力供給源として機能する充電可能な蓄電手段である。バッテリ12の蓄電量は、ECU100等において検出可能とされている。
アクセル開度センサ13は、ハイブリッド車両1の図示せぬアクセルペダルの操作量たるアクセル開度Taを検出可能に構成されたセンサである。アクセル開度センサ13は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたアクセル開度Taは、ECU100によって一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
車速センサ14は、ハイブリッド車両1の車速Vを検出可能に構成されたセンサである。車速センサ14は、ECU100と電気的に接続されており、検出された車速Vは、ECU100によって一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
ハイブリッド駆動装置10は、ハイブリッド車両1のパワートレインとして機能する動力ユニットである。ここで、図2を参照し、ハイブリッド駆動装置10の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、ハイブリッド駆動装置の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図2において、ハイブリッド駆動装置10は、主にエンジン200、動力分割機構300、モータジェネレータMG1(以下、適宜「MG1」と略称する)、モータジェネレータMG2(以下、適宜「MG2」と略称する)、入力軸400、駆動軸500、減速機構600、クラッチ710を備えて構成されている。
エンジン200は、本発明に係る「内燃機関」の一例たるガソリンエンジンであり、ハイブリッド車両1の主たる動力源として機能するように構成されている。ここで、図3を参照し、エンジン200の詳細な構成について説明する。ここに、図3は、エンジンの一断面構成を例示する模式図である。
尚、本発明における「内燃機関」とは、例えば2サイクル又は4サイクルレシプロエンジン等を含み、少なくとも一の気筒を有し、当該気筒内部の燃焼室において、例えばガソリン、軽油或いはアルコール等の各種燃料を含む混合気が燃焼した際に発生する力を、例えばピストン、コネクティングロッド及びクランク軸等の物理的又は機械的な伝達手段を適宜介して駆動力として取り出すことが可能に構成された機関を包括する概念である。係る概念を満たす限りにおいて、本発明に係る内燃機関の構成は、エンジン200のものに限定されず各種の態様を有してよい。また、エンジン200は、紙面と垂直な方向に4本の気筒201が直列に配されてなる直列4気筒エンジンであるが、個々の気筒201の構成は相互に等しいため、図3においては一の気筒201についてのみ説明を行うこととする。
図3において、エンジン200は、気筒201内において燃焼室に点火プラグ(符号省略)の一部が露出してなる点火装置202による点火動作を介して混合気を燃焼せしめると共に、係る燃焼による爆発力に応じて生じるピストン203の往復運動を、コネクティングロッド204を介して、クランクシャフト205の回転運動に変換することが可能に構成されている。
クランクシャフト205近傍には、クランクシャフト205の回転位置(即ち、クランク角)を検出するクランクポジションセンサ206が設置されている。このクランクポジションセンサ206は、ECU100(不図示)と電気的に接続されており、ECU100では、このクランクポジションセンサ206から出力されるクランク角信号に基づいて、エンジン200の機関回転数NEが算出される構成となっている。
エンジン200において、外部から吸入された空気は吸気管207を通過し、吸気ポート210を介して吸気バルブ211の開弁時に気筒201内部へ導かれる。一方、吸気ポート210には、インジェクタ212の燃料噴射弁が露出しており、吸気ポート210に対し燃料を噴射することが可能な構成となっている。インジェクタ212から噴射された燃料は、吸気バルブ211の開弁時期に前後して吸入空気と混合され、上述した混合気となる。
燃料は、図示せぬ燃料タンクに貯留されており、図示せぬフィードポンプの作用により、図示せぬデリバリパイプを介してインジェクタ212に供給される構成となっている。気筒201内部で燃焼した混合気は排気となり、吸気バルブ211の開閉に連動して開閉する排気バルブ213の開弁時に排気ポート214を介して排気管215に導かれる。
一方、吸気管207における、吸気ポート210の上流側には、図示せぬクリーナを経て導かれた吸入空気に係る吸入空気量を調節可能なスロットルバルブ208が配設されている。このスロットルバルブ208は、ECU100と電気的に接続されたスロットルバルブモータ209によってその駆動状態が制御される構成となっている。尚、ECU100は、基本的には不図示のアクセルペダルの開度(即ち、上述したアクセル開度Ta)に応じたスロットル開度が得られるようにスロットルバルブモータ209を制御するが、スロットルバルブモータ209の動作制御を介してドライバの意思を介在させることなくスロットル開度を調整することも可能である。即ち、スロットルバルブ208は、一種の電子制御式スロットルバルブとして構成されている。
排気管215には、三元触媒216が設置されている。三元触媒216は、エンジン200から排出される排気中のNOx(窒素酸化物)を還元すると同時に、排気中のCO(一酸化炭素)及びHC(炭化水素)を酸化可能に構成された触媒装置である。尚、触媒装置の採り得る形態は、このような三元触媒に限定されず、例えば三元触媒に代えて或いは加えて、NSR触媒(NOx吸蔵還元触媒)或いは酸化触媒の各種触媒が設置されていてもよい。
排気管215には、エンジン200の排気空燃比を検出することが可能に構成された空燃比センサ217が設置されている。更に、気筒201を収容するシリンダブロックに設置されたウォータージャケットには、エンジン200を冷却するために循環供給される冷却水(LLC)に係る冷却水温を検出するための水温センサ218が配設されている。これら空燃比センサ217及び水温センサ218は、夫々ECU100と電気的に接続されており、検出された空燃比及び冷却水温は、夫々ECU100により一定又は不定の検出周期で把握される構成となっている。
図2に戻り、モータジェネレータMG1は、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを備えた電動発電機である。モータジェネレータMG2は、モータジェネレータMG1と同様に、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを備えた電動発電機である。尚、モータジェネレータMG1及びMG2は、例えば同期電動発電機として構成され、例えば外周面に複数個の永久磁石を有するロータと、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータとを備える構成を有するが、他の構成を有していてもよい。モータジェネレータMG2は、本発明に係る「電動機」の一例である。
動力分割機構300は、本発明の「動力伝達機構」の一例であり、中心部に設けられたサンギヤS1と、サンギヤS1の外周に同心円状に設けられた、リングギヤR1と、サンギヤS1とリングギヤR1との間に配置されてサンギヤS1の外周を自転しつつ公転する複数のピニオンギヤP1と、これら各ピニオンギヤの回転軸を軸支するキャリアC1とを備えている。
ここで、サンギヤS1は、サンギヤ軸310を介してMG1のロータRT1に連結されており、その回転数はMG1の回転数Nmg1(以下、適宜「MG1回転数Nmg1」と称する)と等価である。また、リングギヤR1は、クラッチ710、駆動軸500及び減速機構600を介してMG2のロータRT2に結合されており、その回転数はMG2の回転数Nmg2(以下、適宜「MG2回転数Nmg2」と称する)と一義的な関係にある。更に、キャリアC1は、エンジン200の先に述べたクランクシャフト205に連結された入力軸400と連結されており、その回転数は、エンジン200の機関回転数NEと等価である。尚、ハイブリッド駆動装置10において、MG1回転数Nmg1及びMG2回転数Nmg2は、夫々レゾルバ等の回転センサにより一定の周期で検出されており、ECU100に一定又は不定の周期で送出されている。
一方、駆動軸500は、ハイブリッド車両1の駆動輪たる右前輪FR及び左前輪FLを夫々駆動するドライブシャフトSFR及びSFL(即ち、これらドライブシャフトは、本発明に係る「車軸」の一例である)と、各種減速ギヤ及び差動ギヤを含む減速装置としての減速機構600を介して連結されている。従って、モータジェネレータMG2から駆動軸500に供給されるモータトルクTmg2は、減速機構600を介して各ドライブシャフトへと伝達され、各ドライブシャフトを介して伝達される各駆動輪からの駆動力は、同様に減速機構600及び駆動軸500を介してモータジェネレータMG2に入力される。従って、MG2回転数Nmg2は、ハイブリッド車両1の車速Vと一義的な関係にある。
動力分割機構300は、係る構成の下で、エンジン200からクランクシャフト205を介して入力軸400に供給されるエンジントルクTeを、キャリアC1とピニオンギヤP1とによってサンギヤS1及びリングギヤR1に所定の比率(各ギヤ相互間のギヤ比に応じた比率)で分配し、エンジン200の動力を2系統に分割することが可能となっている。
動力分割機構300の動作を分かり易くするため、リングギヤR1の歯数に対するサンギヤS1の歯数としてのギヤ比ρを定義すると、エンジン200からキャリアC1に対しエンジントルクTeを作用させた場合に、サンギヤ軸310に現れるトルクTesは下記(1)式により、また駆動軸500に現れるトルクTer(即ち、エンジン200からの直達トルク)は下記(2)式により夫々表される。
Tes=−Te×ρ/(1+ρ)・・・(1)
Ter=Te×1/(1+ρ)・・・(2)
本実施形態に係る動力分割機構300は更に、リングギヤR1及び駆動軸500間に、クラッチ710を備えており、その係合状態によって、リングギヤR1と駆動軸500及びMG2との連結を切り離し及び結合可能である。具体的には、クラッチ710が切り離された状態においては、エンジン200やMG1からリングギヤR1を介して出力される動力は、駆動軸500及びMG2には伝達されない。一方、クラッチ710が係合された状態においては、リングギヤR1を介して出力される動力が、駆動軸500及びMG2に伝達される。クラッチ720は、例えば回転可能な噛合い式のドグクラッチとして構成されている。
次に、本実施形態に係る「ハイブリッド車両の制御装置」の一例であるECU100の具体的な構成及び動作について、図4から図17を参照して説明する。以下では、ハイブリッド車両の制御装置について、5つの実施形態を挙げて説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置について、図4から図6を参照して説明する。
先ず、第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の構成について、図4を参照して説明する。ここに図4は、第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の構成を示すブロック図である。
図4において、第1実施形態に係るECU100は、油温検出部110、クラッチ状態検出部120、発熱制御判定部130、及びクラッチ制御部140を備えて構成されている。
油温検出部110は、本発明の「油温検出手段」の一例であり、動力分割機構300内部の油の温度を検出可能に構成されている。油温検出部110は、動力分割機構300内部の油から直接油温を検出するように構成されてもよいし、油温が影響する他の部材の温度等から間接的に油温を検出するように構成されてもよい。
クラッチ状態検出部120は、本発明の「クラッチ解放検出手段」の一例であり、動力分割機構300におけるクラッチ710の係合状態を検出可能に構成されている。クラッチ710が切り離されている場合、エンジン200から出力される動力は駆動軸500へは伝達されない。この場合、ハイブリッド車両1は、他の動力要素であるMG2からの動力によって走行する。即ち、ハイブリッド車両は、エンジン200の動力を用いず、MG2からの動力のみで走行するEVモードとされる。従って、クラッチ状態検出部120は、ハイブリッド車両1がEVモードで走行しているか否かを判定するためのものであるとも言える。
発熱制御判定部130は、油温検出部110において検出された油温、及びクラッチ状態検出部120において検出されたクラッチ710の係合状態に基づいて、後述する発熱制御を行うか否かを判定する。発熱制御判定部130における判定制御については、後に詳述する。
クラッチ制御部140は、発熱制御判定部130において発熱制御を行うと判定された場合に、クラッチ710の係合力を調整して、クラッチ710において熱を発生させる。具体的には、クラッチ710が半係合するような係合力を与えることで、係合部の摩擦による発熱を実現する。クラッチ制御部140は、上述した発熱制御判定部130と共に、本発明に係る「クラッチ調整手段」の一例を構成している。
尚、ECU100は、上述した各手段を含んで構成された一体の電子制御ユニットであり、上記各部位に係る動作は、全てECU100によって実行されるように構成されている。但し、本発明に係る上記手段の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、例えばこれら各手段は、複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
次に、第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の動作及び効果について、図5及び図6を参照して説明する。ここに図5は、第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の一連の動作を示すフローチャートである。また図6は、第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置による発熱制御時の動作を示す共線図である。
図5において、第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の動作時には、先ず油温検出部110において動力分割機構300内部の油温が検出される。検出された油温は、発熱制御判定部130において、第1閾値以下であるか否かが判定される(ステップS11)。尚、第1閾値は、動力分割機構300内部の油の粘度が高くなることで、動力分割機構300における引き摺り損失が、不都合が発生する程度にまで高くなってしまうような値として、予め実験的、理論的、或いは経験的に設定され、発熱制御判定部130が有するメモリ等に記憶されている。
検出された油温が第1閾値を超えている場合(ステップS11:NO)、ハイブリッド車両の制御装置による処理は終了する。一方で、検出された油温が第1閾値以下である場合(ステップS11:YES)、発熱制御判定部130において発熱制御の要求があるか否かが判定される(ステップS12)。発熱制御判定部130は、例えばハイブリッド車両1における各種パラメータ、或いはユーザの入力等に基づいて、発熱制御の要求があるか否かを判定する。
発熱制御の要求がない場合(ステップS12:NO)、ハイブリッド車両の制御装置による処理は終了する。一方で、発熱制御の要求がある場合(ステップS12:YES)、クラッチ状態検出部120において、クラッチ710の係合状態が検出される。そして、発熱制御判定部130は、クラッチ710が解放されているか否かを判定する(ステップS13)。
クラッチ710が解放されていない(即ち、係合されている)場合(ステップS13:NO)、ハイブリッド車両の制御装置による処理は終了する。一方で、クラッチ710が解放されている場合(ステップS13:YES)、発熱制御判定部130は、クラッチ制御部140に対して発熱制御を行うように指示を出す。
図6において、発熱制御を行うように指示されたクラッチ制御部140は、クラッチ710の係合力を半係合する値へと調整する。これにより、クラッチ710の係合部が摩擦により発熱し、発熱制御が開始される(ステップS14)。
図5に戻り、発熱制御が開始されると、発熱制御判定部130では、エンジン200に対する始動要求があるか否かが判定される(ステップS15)。具体的には、ハイブリッド車両1の走行状況の変化等により、エンジン200を用いないEVモードから、エンジン200からも動力を出力する他のモードへと走行モードを変化させるよう要求があるか否かが判定される。
エンジンに対する始動要求がない場合(ステップS15:NO)、油温検出部110において再度油温が検出され、発熱制御判定部130において油温が第1閾値を超えているか否かが判定される(ステップS16)。ここで、油温が第1閾値を超えていない場合(ステップS16:NO)、発熱制御が継続され、再びステップS15から処理が繰り返される。一方で、エンジンに対する始動要求があった場合(ステップS15:YES)、或いは油温が第1閾値を超えている場合(ステップS16:YES)、発熱制御が終了される(ステップS17)。具体的には、クラッチ制御部140によって、クラッチ710の半係合状態が解除される。
上述した発熱制御によれば、クラッチ710において発生した熱が動力分割機構300内部の油へと伝達され、油温が上昇する。その結果、油の粘度が低くなり、動力分割機構300における引き摺り損失を低減することができる。
ここで仮に、発熱制御が行われないとすると、油温の上昇が遅れ、ハイブリッド車両1は、引き摺り損失が大きい状態で長時間走行を続けることになる。しかるに第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、クラッチ710の発熱により、動力分割機構300内部の油温を早期に上昇させることが可能となる。従って、効果的に引き摺り損失を低減させ、ハイブリッド車両1の運転効率を高めることができる。
<第2実施形態>
第2実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置について、図7から図9を参照して説明する。尚、第2実施形態は、上述した第1実施形態と比べて一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については概ね同様である。このため、以下では第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については、適宜説明を省略するものとする。
先ず、第2実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の構成について、図7を参照して説明する。ここに図7は、第2実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の構成を示すブロック図である。
図7において、第2実施形態に係るECU100は、上述した第1実施形態の構成に加えて、回転数差検出部150を備えて構成されている。
回転数差検出部150は、本発明の「回転数差検出手段」の一例であり、クラッチ710のエンジン200側(言い換えれば、MG1側)の係合部の回転数と、MG2側の係合部の回転数との差を検出可能に構成されている。検出された回転数差は、発熱制御判定部130へと伝達可能とされている。
次に、第2実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の動作及び効果について、図8及び図9を参照して説明する。ここに図8は、第2実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の一連の動作を示すフローチャートである。また図9は、クラッチにおける回転数差が発熱制御に適さない程に大きい状態の一例を示す共線図である。
図8において、第2実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の動作時には、先ず油温検出部110において油温が検出され、発熱制御判定部130において検出された油温が第1閾値以下であるか否かが判定される(ステップS21)。検出された油温が第1閾値以下である場合(ステップS21:YES)、発熱制御判定部130において発熱制御の要求があるか否かが判定される(ステップS22)。発熱制御の要求がある場合(ステップS22:YES)、クラッチ状態検出部120においてクラッチの係合状態が検出され、発熱制御判定部130においてクラッチ710が解放されているか否かが判定される(ステップS23)。即ち、第2実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置では、第1実施形態におけるステップS11からステップS13(図5参照)の処理と同様の処理が行われる。
第2実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置では特に、クラッチ710が解放されていると判定された場合(ステップS23:YES)、回転数差検出部150においてクラッチ710の回転数差が検出される。そして、発熱制御判定部130において検出された回転数差が第2閾値以上であるか否かが判定される(ステップS24)。
図9に示すように、クラッチ710における回転数差が大きくなると、係合部の摩擦による引き摺り損失も大きくなる。また、発生する熱量が大きくなるため、摩擦する部分の焼き付きや寿命低下等の問題が発生する。第2閾値は、上述した回転数差に起因する不都合が発生してしまう程度に、クラッチ710の回転数差が大きくなっているか否かを判定するために設定される。
図8に戻り、回転数差が第2閾値以上でないと判定された場合(ステップS24:NO)、発熱制御判定部130からクラッチ制御部140へと指示が出され、発熱制御が開始される(ステップS25)。一方で、回転数差が第2閾値以上であると判定された場合(ステップS24:YES)、ハイブリッド車両の制御装置による一連の処理は終了する。即ち、油温及びクラッチ710解放の条件が満たされているにもかかわらず、クラッチ710による発熱制御が行われない。
発熱制御が開始された場合、発熱制御判定部130では、エンジン200に対する始動要求があるか否かが判定される(ステップS26)。そして、エンジンに対する始動要求がない場合(ステップS26:NO)、油温検出部110において再度油温が検出され、発熱制御判定部130において油温が第1閾値を超えているか否かが判定される(ステップS27)。
ここで特に、油温が第1閾値を超えていない場合(ステップS27:NO)、回転数差検出部150において再度クラッチ710の回転数差が検出され、発熱制御判定部130によって検出された回転数差が第2閾値以上であるか否かが判定される(ステップS28)。検出された回転数差が第2閾値以上でない場合(ステップS28:NO)、発熱制御が継続され、再びステップS26から処理が繰り返される。一方で、検出された回転数差が第2閾値以上である場合(ステップS28:YES)は、エンジン200の始動要求があった場合(ステップS26:YES)や、油温が第1閾値を超えた場合(ステップS27:YES)と同様に、発熱制御が終了される(ステップS29)。
上述したように、クラッチ710における回転数差が第2閾値以上である状態では発熱制御が行われないようにすれば、回転数差が大きくなり過ぎることに起因する不具合の発生を防止することができる。従って、第2実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、より適切に発熱制御を行い、好適に引き摺り損失を低減させることが可能となる。
<第3実施形態>
第3実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置について、図10から図13を参照して説明する。尚、第3実施形態は、上述した第2実施形態と比べて一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については概ね同様である。このため、以下では第2実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については、適宜説明を省略するものとする。
先ず、第3実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の構成について、図10を参照して説明する。ここに図10は、第3実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の構成を示すブロック図である。
図10において、第3実施形態に係るECU100は、上述した第2実施形態の構成に加えて、回転数調整部160を備えて構成されている。
回転数調整部160は、本発明の「回転数調整手段」の一例であり、MG1の回転数を変化させることで、クラッチ710のエンジン200側(言い換えれば、MG1側)の係合部の回転数と、MG2側の係合部の回転数との差を調整可能に構成されている。尚、回転数調整部160は、発熱制御判定部130に対して回転数の調整を実施したことを伝達可能に構成されている。
次に、第3実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の動作及び効果について、図11から図13を参照して説明する。ここに図11は、第3実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の一連の動作を示すフローチャートである。また図12及び13は夫々、第3実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置によるクラッチの回転数制御を共線図である。
図11において、第3実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の動作時には、先ず油温検出部110において油温が検出され、発熱制御判定部130において検出された油温が第1閾値以下であるか否かが判定される(ステップS31)。検出された油温が第1閾値以下である場合(ステップS31:YES)、発熱制御判定部130において発熱制御の要求があるか否かが判定される(ステップS32)。発熱制御の要求がある場合(ステップS32:YES)、クラッチ状態検出部120においてクラッチの係合状態が検出され、発熱制御判定部130においてクラッチ710が解放されているか否かが判定される(ステップS33)。クラッチ710が解放されている場合(ステップS33:YES)、回転数差検出部150においてクラッチ710の回転数差が検出され、回転数調整部160によって検出された回転数差が第2閾値以上であるか否かが判定される(ステップS34)。即ち、第3実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置では、第2実施形態におけるステップS21からステップS24(図8参照)の処理と同様の処理が行われる。
第3実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置では特に、クラッチ710の回転数差が第2閾値以上であると判定された場合(ステップS34:YES)、回転数調整部160からMG1の回転数を大きくするように指示が出される。この結果、クラッチ710におけるMG1側の係合部の回転数も大きくされる。尚、クラッチ710の回転数差が第2閾値以上でないと判定された場合(ステップS34:NO)には、ステップS35の処理は省略される。
図12において、MG1によるモータリングが行われると、動力分割機構300におけるサンギヤS1の回転数が増加すると共に、リングギヤR1の回転数も増加する。よって、クラッチ710におけるエンジン200側の回転数が、図9に示すようなモータリングを行わない場合と比べて大きくなる。これにより、クラッチ710の回転数差は、第2閾値未満とされる。
図13に示すように、MG1のモータリングでは、回転数を更に大きくし、クラッチ710におけるエンジン200側の回転数が、MG2側の回転数より大きくなるようにしてもよい。この場合、MG1の回転に起因する発熱量が、図12に示す場合と比べて大きくなる。従って、油温の上昇を促進させることが可能である。
図11に戻り、クラッチ710における回転数の制御により、回転数差が第2閾値未満とされると、発熱制御判定部130からクラッチ制御部140へと指示が出され、発熱制御が開始される(ステップS36)。発熱制御が開始されると、発熱制御判定部130では、エンジン200に対する始動要求があるか否かが判定される(ステップS37)。そして、エンジンに対する始動要求がない場合(ステップS37:NO)、油温検出部110において再度油温が検出され、発熱制御判定部130において油温が第1閾値を超えているか否かが判定される(ステップS38)。油温が第1閾値を超えていない場合(ステップS38)、回転数調整部160によってクラッチ710における回転数差が第2閾値以上であるか否かが判定される(ステップS34a)。
ここで特に、クラッチ710における回転数差が第2閾値以上である場合(ステップS34a:YES)、回転数調整部160によって再度クラッチ710の回転数が調整され、回転数差が第2閾値未満とされる(ステップS35a)。そして、回転数差第2閾値未満となった状態で発熱制御が継続され、再びステップS37から処理が繰り返される。尚、発熱制御は、エンジン200の始動要求があった場合(ステップS37:YES)や、油温が第1閾値を超えた場合(ステップS38:YES)に終了される(ステップS39)。
上述したように、第3実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、回転数調整部160を備えているため、仮にクラッチ710における回転数差が第2閾値以上となっている場合であっても、回転数差を調整して小さくした後に発熱制御を実施できる。即ち、発熱制御を行うのに適さない状態であっても、発熱制御を行うのに適した状態へと遷移させた後に、適切な発熱制御を行える。従って、より適切に発熱制御を行い、好適に引き摺り損失を低減させることが可能となる。
<第4実施形態>
第4実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置について、図14及び図15を参照して説明する。尚、第4実施形態は、上述した第1実施形態と比べて一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については概ね同様である。このため、以下では第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については、適宜説明を省略するものとする。
先ず、第4実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の構成について、図14を参照して説明する。ここに図14は、第4実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の構成を示すブロック図である。
図14において、第4実施形態に係るECU100は、上述した第1実施形態の構成に加えて、蓄電量検出部170を備えて構成されている。
蓄電量検出部170は、本発明の「蓄電量検出手段」の一例であり、バッテリ12(図1参照)の蓄電量を検出可能に構成されている。検出された蓄電量は、発熱制御判定部130へと伝達される。
次に、第4実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の動作及び効果について、図15を参照して説明する。ここに図15は、第4実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の一連の動作を示すフローチャートである。
図15において、第4実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の動作時には、先ず油温検出部110において油温が検出され、発熱制御判定部130において検出された油温が第1閾値以下であるか否かが判定される(ステップS41)。検出された油温が第1閾値以下である場合(ステップS41:YES)、発熱制御判定部130において発熱制御の要求があるか否かが判定される(ステップS42)。発熱制御の要求がある場合(ステップS42:YES)、クラッチ状態検出部120においてクラッチの係合状態が検出され、発熱制御判定部130においてクラッチ710が解放されているか否かが判定される(ステップS43)。即ち、第4実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置では、第1実施形態におけるステップS11からステップS13(図5参照)の処理と同様の処理が行われる。
第4実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置では特に、クラッチ710が解放されていると判定された場合(ステップS43:YES)、蓄電量検出部170によってバッテリ12の蓄電量が検出される。そして、発熱制御判定部130によって検出された蓄電量が第3閾値以上であるか否かが判定される(ステップS44)。
発熱制御時には、クラッチ710において摩擦が起こる分、MG2に求められる出力も通常走行時より大きくなる。よって、蓄電量が比較的少ない場合に発熱制御を実施しようとすると、蓄電量不足を補うために、エンジン200が頻繁に始動と停止を繰り返すような事態を招くおそれがある。更には、バッテリ12への蓄電及び放電が頻繁に行われるため、バッテリ12の寿命低下を招くおそれがある。第3閾値は、上述した蓄電量不足に起因する不都合が発生してしまう程度に、バッテリ12の蓄電量が低くなっているか否かを判定するために設定される。
バッテリ12の蓄電量が第3閾値以上であると判定された場合(ステップS44:YES)、発熱制御判定部130からクラッチ制御部140へと指示が出され、発熱制御が開始される(ステップS45)。一方で、バッテリ12の蓄電量が第3閾値以上でないと判定された場合(ステップS44:NO)、ハイブリッド車両の制御装置による一連の処理は終了する。即ち、油温及びクラッチ710解放の条件が満たされているにもかかわらず、クラッチ710による発熱制御が行われない。
発熱制御が開始された場合、発熱制御判定部130では、エンジン200に対する始動要求があるか否かが判定される(ステップS46)。そして、エンジンに対する始動要求がない場合(ステップS46:NO)、油温検出部110において再度油温が検出され、発熱制御判定部130において油温が第1閾値を超えているか否かが判定される(ステップS47)。
ここで特に、油温が第1閾値を超えていない場合(ステップS47:NO)、蓄電量検出部170において再度バッテリ12の蓄電量が検出され、発熱制御判定部130によって検出された蓄電量が第3閾値以上であるか否かが判定される(ステップS48)。検出された蓄電量が第3閾値以上である場合(ステップS48:YES)、発熱制御が継続され、再びステップS46から処理が繰り返される。一方で、検出された蓄電量が第3閾値以上でない場合(ステップS48:NO)は、エンジン200の始動要求があった場合(ステップS46:YES)や、油温が第1閾値を超えた場合(ステップS47:YES)と同様に、発熱制御が終了される(ステップS49)。
上述したように、蓄電量が第3閾値以上でない状態では発熱制御が行われないようにすれば、蓄電量が不足することに起因する不具合の発生を防止することができる。従って、第4実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、より適切に発熱制御を行い、好適に引き摺り損失を低減させることが可能となる。
<第5実施形態>
第5実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置について、図16及び図17を参照して説明する。尚、第5実施形態は、上述した第1実施形態と比べて一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については概ね同様である。このため、以下では第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については、適宜説明を省略するものとする。
先ず、第5実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の構成について、図16を参照して説明する。ここに図16は、第5実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の構成を示すブロック図である。
図16において、第5実施形態に係るECU100は、上述した第1実施形態の構成に加えて、効率悪化度推定部180を備えて構成されている。
効率悪化度推定部180は、本発明の「効率悪化度推定手段」の一例であり、発熱制御を行った場合のMG2の運転効率の悪化度を推定可能に構成されている。推定された効率悪化度は、発熱制御判定部130へと伝達される。
次に、第5実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の動作及び効果について、図17を参照して説明する。ここに図17は、第5実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の一連の動作を示すフローチャートである。
図17において、第5実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の動作時には、先ず油温検出部110において油温が検出され、発熱制御判定部130において検出された油温が第1閾値以下であるか否かが判定される(ステップS51)。検出された油温が第1閾値以下である場合(ステップS51:YES)、発熱制御判定部130において発熱制御の要求があるか否かが判定される(ステップS52)。発熱制御の要求がある場合(ステップS52:YES)、クラッチ状態検出部120においてクラッチの係合状態が検出され、発熱制御判定部130においてクラッチ710が解放されているか否かが判定される(ステップS53)。即ち、第5実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置では、第1実施形態におけるステップS11からステップS13(図5参照)の処理と同様の処理が行われる。
第5実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置では特に、クラッチ710が解放されていると判定された場合(ステップS53:YES)、効率悪化度推定部180によって、発熱制御を行った場合のMG2の運転効率の悪化度が推定される。そして、発熱制御判定部130によって、推定された悪化度が第4閾値以上であるか否かが判定される(ステップS54)。
発熱制御時には、クラッチ710において摩擦が起こる分、MG2の運転効率が悪化してしまうと考えられる。そしてMG2の運転効率が、発熱制御による引き摺り損失の低減効果以上に悪化してしまうような場合(具体的には、登坂走行中等のMG2に求められるトルクが大きい場合)には、発熱制御を行うことは好ましくない。第4閾値は、上述したようにMG2の運転効率の悪化が、発熱制御による引き摺り損失の低減効果を超えてしまうような状態であるか否かを判定するために設定される。
MG2の効率悪化度が第4閾値以上でないと判定された場合(ステップS54:NO)、発熱制御判定部130からクラッチ制御部140へと指示が出され、発熱制御が開始される(ステップS55)。一方で、MG2の効率悪化度が第4閾値以上であると判定された場合(ステップS54:YES)、ハイブリッド車両の制御装置による一連の処理は終了する。即ち、油温及びクラッチ710解放の条件が満たされているにもかかわらず、クラッチ710による発熱制御が行われない。
発熱制御が開始された場合、発熱制御判定部130では、エンジン200に対する始動要求があるか否かが判定される(ステップS56)。そして、エンジンに対する始動要求がない場合(ステップS56:NO)、油温検出部110において再度油温が検出され、発熱制御判定部130において油温が第1閾値を超えているか否かが判定される(ステップS57)。
ここで特に、油温が第1閾値を超えていない場合(ステップS57:NO)、効率悪化度推定部180において再度MG2の運転効率の悪化度が推定され、発熱制御判定部130によって推定された悪化度が第4閾値以上であるか否かが判定される(ステップS58)。推定された悪化度が第4閾値以上でない場合(ステップS58:NO)、発熱制御が継続され、再びステップS56から処理が繰り返される。一方で、推定された悪化度が第4閾値以上である場合(ステップS58:YES)は、エンジン200の始動要求があった場合(ステップS56:YES)や、油温が第1閾値を超えた場合(ステップS57:YES)と同様に、発熱制御が終了される(ステップS59)。
上述したように、MG2の運転効率の悪化度が第4閾値以上である状態では発熱制御が行われないようにすれば、MG2の運転効率が大きく悪化してしまうことに起因する不具合の発生を防止することができる。従って、第5実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、より適切に発熱制御を行い、好適に引き摺り損失を低減させることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、発熱制御によって動力分割機構300内部の油温を早期に上昇させることで、好適に引き摺り損失を低減させることができる。従って、ハイブリッド車両1の運転効率を効果的に高めることができる。
尚、上述したハイブリッド車両1は、発熱制御の開始条件であるEVモード以外にも、動力分割機構300の状態を変化させることで様々な走行モード(例えば、シリーズモードやパラレルモード等)を実現可能である。但し、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置は、複数の走行モードを実現するようなハイブリッド車両1だけに限定して適用されるものではなく、エンジン200及び駆動軸500間にクラッチ710を備えるものであれば、どのようなハイブリッド車両にも適用可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うハイブリッド車両の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1…ハイブリッド車両、10…ハイブリッド駆動装置、11…PCU、12…バッテリ、13…アクセル開度センサ、14…車速センサ、100…ECU、110…油温検出部、120…クラッチ状態検出部、130…発熱制御判定部、140…クラッチ制御部、150…回転数差検出部、160…回転数調整部、170…蓄電量検出部、180…効率悪化度推定部、200…エンジン、205…クランクシャフト、300…動力分割機構、S1…サンギヤ、C1…キャリア、R1…リングギヤ、MG1…モータジェネレータ、MG2…モータジェネレータ、400…入力軸、500…駆動軸、600…減速機構、710…クラッチ。

Claims (6)

  1. 内燃機関及び電動機を含む動力要素と、
    前記動力要素からの動力を車軸に伝達する駆動軸と、
    前記内燃機関及び前記駆動軸間の連結を切り離し及び結合可能なクラッチを含む動力伝達機構と
    を備えたハイブリッド車両を制御する装置であって、
    前記動力伝達機構内部の油温を検出する油温検出手段と、
    前記クラッチが切り離されているか否かを検出するクラッチ解放検出手段と、
    前記検出された油温が第1閾値以下であり且つ前記クラッチが切り離されている場合に、前記クラッチの係合力を調整して摩擦による発熱制御を行うクラッチ調整手段と
    を備えることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記クラッチにおける前記内燃機関側及び前記駆動軸側の回転数差を検出する回転数差検出手段と、
    前記検出された回転数差が第2閾値以上である場合に、前記発熱制御を行わないように前記クラッチ調整手段を制御する発熱制御禁止手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  3. 前記検出された回転数差が前記第2閾値以上である場合に、前記クラッチにおける前記内燃機関側及び前記駆動軸側の回転数差が前記第2閾値未満になるよう、前記内燃機関側の回転数を調整する回転数調整手段を備え、
    前記クラッチ調整手段は、前記回転数調整手段による調整が行われた後に前記発熱制御を行う
    ことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  4. 前記回転数調整手段は、前記内燃機関側の回転数が前記駆動軸側の回転数より大きくなるように、前記内燃機関側の回転数を調整することを特徴とする請求項3に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  5. 前記電動機に電力を供給する蓄電可能な電力供給手段と、
    前記電力供給手段の蓄電量を検出する蓄電量検出手段と、
    前記検出された蓄電量が第3閾値未満である場合に、前記発熱制御を行わないように前記クラッチ調整手段を制御する第2の発熱制御禁止手段と
    を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  6. 前記発熱制御に起因する前記電動機の運転効率の悪化度を推定する効率悪化度推定手段と、
    前記推定された運転効率の悪化度が第4閾値以上である場合に、前記発熱制御を行わないように前記クラッチ調整手段を制御する第3の発熱制御禁止手段と
    を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
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