JP2010274605A - 樹脂成形品及び樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

樹脂成形品及び樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インサート材の露出面に文字や模様用の樹脂部を形成して、意匠性に優れた樹脂成形品を得ることを目的とする。
【解決手段】インサート材4を、その一部が露出した状態で樹脂部5に埋設してある樹脂成形品100であって、インサート材4の露出した表面のうち、内方部の少なくとも一部の領域に樹脂部5を形成する樹脂が充填された樹脂充填部4Aを備え、当該樹脂充填部4Aとインサート材4の周囲の樹脂部5とを連通する連通部4B、4Cを、樹脂充填部4Aに対してインサート材4の平面方向に沿って少なくとも二つ設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、一部が樹脂部から露出した状態で樹脂部に埋設されたインサート材を備える樹脂成形品、および、その製造方法に関する。
従来から、金属製等のインサート材の表面を露出させた状態で、インサート材を樹脂部に埋設した樹脂成形品が存在する。そのような樹脂成形品は、金型内のキャビティにインサート材を配設し、当該キャビティに樹脂を射出成形して形成される。樹脂成形品の表面にインサート材を露出させるには、樹脂成形品を射出成形する際、キャビティ内のインサート材は一方の金型に押し付けられる。従来の技術では、特許文献1(図13参照)に記載されているように、インサート材の表面側の部位を、金型に設けた位置決めピン等で所定位置に固定し、この状態で樹脂の射出成形を行っていた。
特開2000−127198号公報
近年、樹脂成形品が多様になり、これまでになかった意匠態様を有する樹脂成形品が望まれるようになった。例えば、表面に露出するインサート材を備え、さらに、インサート材の露出する部分の形状を変える製品等である。
しかし、従来技術では、インサート材の形状を変えることはできても、インサート材の露出面に樹脂部を配置するといった自由な模様を形成することができず、樹脂成形品の意匠性を大幅に変えるまでには至っていなかった。
そこで、本発明は、インサート材の露出面に文字や模様用の樹脂部を形成して、意匠性に優れた樹脂成形品を得ることを目的とする。
本発明に係る樹脂成形品の第1の特徴構成は、インサート材を、その一部が露出した状態で樹脂部に埋設してある樹脂成形品であって、
前記インサート材の露出した表面のうち、内方部の少なくとも一部の領域に前記樹脂部を形成する樹脂が充填された樹脂充填部を備え、
当該樹脂充填部と前記インサート材の周囲の樹脂部とを連通する連通部を、前記樹脂充填部に対して前記インサート材の平面方向に沿って少なくとも二つ設けた点にある。
この構成により、樹脂充填部とインサート材の周囲の樹脂部とを連通する連通部が設けてあるので、樹脂射出成形の際にインサート材の周囲の樹脂充填と、インサート材の樹脂充填部内の樹脂充填とを同時に行なうことができる。
また、連通部が少なくとも二つ設けてあるので、一方の連通部から樹脂充填部に流入したときに、他方の連通部から樹脂充填部の余剰の樹脂を流出させることができる。したがって、樹脂充填部におけるエア溜りや樹脂の充填不良等の問題も解消できる。
さらに、連通部を樹脂充填部に対してインサート材の平面方向に沿って設けたので、射出成形の際の、インサート材の周囲の樹脂部と樹脂充填部との間の樹脂の流れがスムーズとなって、樹脂充填部における樹脂の充填不良等の問題も起こりにくい。
このように、表面の一部にインサート材が露出した状態で埋設された樹脂成形品にあって、インサート材の形状を変えるのみならず、インサート材の内方部にも自由な模様を有する樹脂部を備えることができ、意匠性に優れ、バリエーションに富む樹脂成形品を得ることが可能になる。
本発明に係る樹脂成形品の第2の特徴構成は、前記連通部の少なくとも一つが前記インサート材の表面を除く部位に形成された点にある。
このように、インサート材の表面を除く部位、つまり、裏側または側面に連通部を形成し、インサート材の露出する表面側に連通部が形成されないようにする。そうすると、インサート材の表側周縁部を完全に露出させることができ、樹脂に埋設されたインサート材の意匠性が高まる。また、意匠性インサート材の内方部の樹脂充填部からなる文字や模様の表示が、インサート材の周囲の樹脂部から際立つ印象を与えるようにもなるので、樹脂成形品全体の意匠性も高まる。
本発明に係る樹脂成形品の第3の特徴構成は、表面側の前記樹脂充填部の一部が前記インサート材の外縁端部まで切り欠かれることにより、前記連通部の少なくとも一つが前記インサート材の側面の開口部となるように形成されており、当該連通部とこれに連続する前記樹脂充填部おける前記インサート材の厚みを、前記インサート材の外縁に向けて徐々に薄くなるように形成した点にある。
インサート材の外縁の樹脂充填部や連通部における樹脂の厚みと、インサート材の周囲の樹脂の厚みの差が大きい場合、樹脂成形後に樹脂部が収縮した際に、インサート材4の外縁の樹脂部5とインサート材4の周囲の樹脂部5との境目で樹脂厚の差による段差が発生し、樹脂成形品の外観上好ましくない。そこで、前記構成のように、連通部とこれに連続する樹脂充填部におけるインサート材の厚みをインサート材の外縁に向けて徐々に薄くなるようにした。こうすると、連通部または連通部とこれに連続する樹脂充填部における樹脂の厚みが徐々に厚くなるので、樹脂部の収縮によるインサート材の周囲の樹脂部とインサート材の外縁の連通部との間の段差の発生を極力抑えることができる。よって、樹脂成形品の表面において、インサート材の連通部とこれに連続する樹脂充填部の樹脂部と、インサート材の周囲の樹脂部とが滑らかに連続することとなり、樹脂成形品の意匠性が向上する。
本発明に係る樹脂成形品の製造方法の第1の特徴手段は、インサート材の少なくとも一部が樹脂部に埋設し、埋設されたインサート材の露出する表面側の内方部に樹脂充填部を備えた樹脂成形品の製造方法であって、
表面側の内方部に樹脂充填部を形成し、当該樹脂充填部と前記インサート材の周囲の樹脂部とを連通する連通部を、前記樹脂充填部に対して前記インサート材の平面方向に沿って少なくとも二つ設けたインサート材を用い、
第1金型に前記インサート材を位置決めして配置するインサート材配置工程と、
前記第1金型と第2金型とを型締めして、第1金型と第2金型と前記インサート材との間に樹脂注入用のキャビティを形成するキャビティ形成工程と、
前記インサート材に形成された前記連通部の一方から樹脂を注入し、前記連通部の他方から樹脂を流出させて、前記樹脂充填部と前記樹脂注入用のキャビティの両方に樹脂を充填する樹脂注入工程と、の各工程を備えた点にある。
この構成により、インサート材の少なくとも一部が樹脂部に埋設し、埋設されたインサート材の露出する表面側の内方部に樹脂充填部を備えた樹脂成形品が容易に製造できる。
つまり、樹脂充填部を形成し、当該樹脂充填部とインサート材の周囲の樹脂部とを連通する連通部を、前記樹脂充填部に対して前記インサート材の表面に沿って少なくとも二つ設けたインサート材を用いることで、当該インサート材を金型内に配置し、金型で型締めしてキャビティを形成した後、キャビティに樹脂を注入するだけの工程により、樹脂充填部とキャビティの両方に樹脂が充填された樹脂成形品を製造することができる。
本発明に係る樹脂成形品の製造方法の第2の特徴手段は、前記インサート材の前記連通部の少なくとも一つが前記インサート材の表面を除く部位に形成されてなる点にある。
この構成により、インサート材の表面を除く部位に連通部が形成されることで、注入される樹脂はインサート材の裏側もしくは側面から樹脂充填部に流入または樹脂充填部から流出することとなり、インサート材の表面に連通部による不要な樹脂部が形成されない樹脂成形品を製造することができる。
また、連通部を全てインサート材の表面を除く部位に形成すると、インサート材の表面に連通部による不要な樹脂部が全く形成されない樹脂成形品を製造することもできる。
本発明に係る樹脂成形品の製造方法の第3の特徴手段は、前記樹脂注入工程において、前記第1金型に備えた樹脂注入用のゲートから前記インサート材の裏面に向けて樹脂を注入するようにした点にある。
この構成により、キャビティの内部に樹脂を注入する際に、樹脂注入用のゲートからインサート材の裏側に樹脂を作用させることができる。この結果、樹脂注入工程の開始段階でインサート材が第2金型の側に押圧される。よって、その後に注入される樹脂がインサート材と第2金型との間に侵入することがなく、良好な表面を有する樹脂成形品を得ることができる。
実施形態1に係る樹脂成形品を示す図である。 実施形態1に係るインサート材の斜視図であって、(a)はインサート材が露出する表面側を示し、(b)はインサート材の裏面側を示す。 実施形態1に係る樹脂成形品の成形過程において、第1金型にインサート材が配置された状態を示す図である。 実施形態1に係る樹脂成形品の成形過程を示す図であって、(a)は〔図3〕のIVa−IVa断面図であり、(b)は〔図3〕のIVb−IVb断面図であり、(c)は〔図3〕のIVc−IVc断面図である。 実施形態2に係る樹脂成形品を示す図である。 実施形態2に係るインサート材の斜視図であって、(a)はインサート材が露出する表面側を示し、(b)はインサート材の裏面側を示す。 実施形態2に係る樹脂成形品の成形過程において、第1金型にインサート材が配置された状態を示す図である。 実施形態2に係る樹脂成形品の成形過程を示す図であって、〔図7〕のVIII−VIII断面図である。 実施形態3に係る樹脂成形品を示す図である。 実施形態3に係るインサート材の斜視図であって、(a)はインサート材が露出する表面側を示し、(b)はインサート材の裏面側を示す。 実施形態3に係る樹脂成形品の成形過程において、第1金型にインサート材が配置された状態を示す図である。 実施形態3に係る樹脂成形品の成形過程を示す図であって、(a)は〔図11〕のXIIa−XIIa断面図であり、(b)は〔図11〕のXIIb−XIIb断面図である。 従来のインサート成形方法を示す断面図
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
以下に示す各実施形態は、インサート材4の一部が露出した状態で樹脂部5に埋設されていると共に、インサート材4の内方部に樹脂充填部4Aを備えた樹脂成形品100、及び、その製造に係る第1金型1及び第2金型2を示すものである。
〔実施形態1〕
本願の実施形態1に係る樹脂成形品100を、図1に示す。この樹脂成形品100は、インサート材4として、インサート材4の表面側の内方部に樹脂充填部4Aを備え、その内方にさらに独立したインサート材4の独立露出部4Dを備えた樹脂成形品100である。
樹脂成形品100は、インサート材4の表面側の内方部に樹脂充填部4Aを備えており、その内方にさらに独立したインサート材4の独立露出部4Dを備えている。インサート材4は、図2(a)に示すように、表面側に樹脂が充填される樹脂充填部4Aが「A」の形状で凹状に切り抜かれて形成されている。また、図2(b)に示すように、インサート材4の一端側(文字「A」の上方の側)の裏側に樹脂充填部4Aとインサート材4の外縁とを連通する連通部4Bがインサート材4の平面方向に沿って形成されており、射出成形の際に連通部4Bから樹脂充填部4Aに樹脂が流入する。また、インサート材4の他方側(文字「A」の下方の側)の裏側には、樹脂充填部4Aとインサート材4の外縁とを連通する連通部4Cがインサート材4の平面方向に沿って2つ形成されており、連通部4Cから樹脂充填部4Aの過剰な樹脂が流出するようになっている。また、樹脂充填部4Aが凹状に形成されているので、樹脂部5がインサート材4と係止することとなり、樹脂成形品100からのインサート材4の抜け止め効果が発揮される。
連通部4Bまたは連通部4Cは、少なくともいずれか一方がインサート材4の表面を除く部位に形成されている方が好ましい。インサート材4の表面を除く部位、つまり、裏面側もしく側面に連通部が形成されていると、インサート材4の表側の周縁部を完全に樹脂成形品100から露出させることができる。よって、樹脂に埋設されたインサート材4の意匠性が高まる。また、射出成形の際に用いられる樹脂注入用のゲート6の位置によって、連通部4Cから樹脂が樹脂充填部4Aに流入し、連通部4Bから樹脂が樹脂充填部4Aから流出するというように、樹脂が流入する連通部と樹脂が流出する連通部とが逆になってもよい。
インサート材4の樹脂充填部4Aの内方には、さらにインサート材4の一部である独立露出部4Dを形成してもよい。独立露出部4Dは樹脂充填部4Aの底面部4aを介してインサート材4の外枠4bと一体に形成してある。
図1に示す樹脂成形品100は、図3及び図4に示すように、第1金型1と第2金型2とを用いて製造される。図3は第1金型1にインサート材4が配置された状態を示す図であり、図4(a)は図3のIVa−IVa断面図であり、図4(b)は図3のIVb−IVb断面図であり、図4(c)は図3のIVc−IVc断面図である。
第1金型1及び第2金型2は左右に配置され、それぞれが左右に移動することで金型全体が開閉するようになっている。第1金型1及び第2金型2には、製造される樹脂成形品100の樹脂部5を加飾する加飾フィルム20が挿入されている。加飾フィルム20を用いる場合、製造された樹脂成形品100を排出した際に金型内に残存するほこりや樹脂かす等が、次に製造される樹脂成形品100に混入するのを防止する必要がある。このため、金型内のほこり・樹脂カス等の除去・清掃を容易にすべく、金型が左右方向に開閉するように配置している。
加飾フィルム20は模様が印刷されたフィルムである。樹脂成形品100の成形と同時に樹脂表面に加飾フィルム20に印刷された模様が転写され、樹脂成形品100の樹脂部5の表面に加飾層が形成される。
第1金型1には、インサート材4の保持部である位置決めピン10が備えられている。この位置決めピン10が、インサート材4の露出側と反対の部位に設けられた凹部4cに係合してインサート部材4の位置決めが行われる。インサート材4に位置決めピン10を設け、第1金型1に凹部4cを設けて、両者の係合によりインサート材4の位置決めをしてもよい。
第1金型1及び第2金型2が開いた状態で、第2金型2に沿って加飾フィルム20を配置する。続けて、前述のようにインサート材4を位置決めすると共に、吸引機構(第1金型に設けられた通路11)を用いてインサート材4を吸引して保持し、第1金型1及び第2金型2を閉じる。
第1金型1には樹脂注入用のゲート6が備えられており、当該ゲート6をインサート材4の裏面の連通部4Bに向けて直接樹脂が注入されるように配置するとよい。このようにゲート6を配置すると、ゲート6から連通部4Bに向けて直接注入された樹脂の圧力がインサート材4に作用してインサート材4を第2金型2の側に押圧しつつ保持し、その結果、第2金型2とインサート材4との間の樹脂の侵入が防止されて、樹脂バリの発生を回避できる。
ここで、インサート材4の加工精度が高く、インサート材4の厚みと第1金型1及び第2金型2によって形成されるキャビティ3の厚みが同じであれば、キャビティ3に加飾フィルム20とインサート材4とを配置した後、第1金型1及び第2金型2を型締めすることにより、インサート材4は第2金型2の側に押圧され所定位置が保持される。この場合には、第1金型1に備えられるゲート6をインサート材4の裏面に向けて直接樹脂が注入されるように配置しなくてもよい。
図4(a)に示すように、金型内に注入された樹脂はインサート材4の周囲から連通部4Bを通って樹脂充填部4Aに流入される。また、図4(b)に示すように、樹脂充填部4Aには連通部4Cが連通されているので、樹脂充填部4A内の過剰な樹脂は連通部4Cを通ってインサート材4の外部のキャビティ3に流出される。
また、インサート材4の外周には樹脂成形品100の表裏方向に対して直角な方向に樹脂部5と係合する鍔状の係止部4Fが設けられている。係止部4Fは、外周縁に向けて徐々に厚みを薄くした形状とすれば、樹脂部5に対して十分な係止効果が得られると共に、インサート材4のボリュームが低減されてインサート材4を歩留まりよく構成できる。ただし、インサート材4の樹脂充填部4Aと連通部4B及び連通部4Cによって、インサート材4が樹脂部5に確実に係止される場合には、インサート材4の外周にまで係止部4Fを設ける必要はない。
インサート材4の材質は例えば各種の金属であり、樹脂充填部4A等を備えたインサート材4は、MIM成形やCNC加工を施すことで製造される。ただし、インサート材4の材質は金属に限定されるものではなく、セラミック等金属以外の材料であってもよい。
こうして、インサート材4が所定の位置に露出し、インサート材4の内方部に樹脂充填部4Aが形成され、さらに樹脂充填部4Aの内部にインサート材4の一部が露出し、樹脂部5の表面に加飾層を備えた樹脂成形品100が成形される。
成形された樹脂成形品100は、表面の一部にインサート材4が露出しており、インサート材4の内方部にも模様を有する樹脂部5が配置されて、意匠性に優れたものとなる。インサート材4の外周部の係止部4Fが樹脂部5に確実に係合しており、密着性も高く、インサート材4が金属製である場合等は、樹脂成形品100の耐久性も向上する。
〔実施形態2〕
本願の実施形態2に係る樹脂成形品を、図5に示す。この樹脂成形品100は、インサート材4の表面側の内方部に文字「F」形状の樹脂充填部4Aを備え、樹脂充填部4Aとインサート材4の周囲の樹脂部5とがインサート材4の表面側で連通する構成である。
インサート材4は、図6(a)に示すように、表面側に樹脂が充填される樹脂充填部4Aが「F」の形状で凹状に切り抜かれて形成されている。また、図6(b)に示すように、インサート材4の一端側(文字「F」の上方の側)の裏側に樹脂充填部4Aとインサート材4の外縁とを連通する連通部4Bが形成されており、射出成形の際に連通部4Bから樹脂充填部4Aに樹脂が流入する。また、インサート材4の他方側(文字「F」の下方の側)の裏側には、樹脂充填部4Aとインサート材4の外縁とを連通する連通部4Caが1つ形成されており、連通部4Cから樹脂充填部4Aの過剰な樹脂が流出するようになっている。さらに、表面側の樹脂充填部4Aの一部が外縁端部まで切り欠かれており、インサート材4が樹脂部5に埋設された樹脂成形品100において、樹脂充填部4Aとインサート材4の周囲の樹脂部5とが連通している。この場合の連通部4Cbは、樹脂充填部4Aに連続するインサート材4の側面の開口部である。
図7は第1金型1にインサート材4が配置された状態を示す図である。図8は図7のVIII−VIII断面図である。樹脂成形品100は、前述の樹脂成形品と同様に第1金型及び第2金型を用いて製造する。ゲート6から金型内に注入された樹脂はインサート材4の周囲からインサート材4の裏側の連通部4Bを通って樹脂充填部4Aに流入される。樹脂充填部4Aにはインサート材4の裏側の連通部4Caが連通している。さらに、図8に示すように、樹脂充填部4Aの一部がインサート材4の周囲の樹脂部5との連通部4Cbとして構成されているので、樹脂充填部4A内の過剰な樹脂はインサート材の裏側の連通部4Caと樹脂充填部4Aに連続するインサート材4の側面の連通部4Cbを通ってインサート材4の外部のキャビティ3に流出される。
ここで、樹脂成形品100において、樹脂充填部4Aの樹脂部5の厚みが均一であると、連通部4Cbで樹脂の厚みが急激に変化することになる。そうなると、樹脂成形後に樹脂部が収縮した際に、連通部4Cbで樹脂厚の差による段差が発生し、樹脂成形品の外観上好ましくない。
そこで、図8に示すように、連通部4Cbとこれに連続する樹脂充填部4Aおけるインサート材4の厚みを、インサート材4の外縁に向けて徐々に薄くなるように形成している。こうすることで、樹脂の厚みが徐々に厚くなって連通部4Cb付近でインサート材4の外縁の樹脂部5と樹脂充填部4Aの樹脂部5の樹脂の厚みの変化が小さくなり、樹脂部の収縮に伴う段差の発生を防ぐことができる。
こうして、インサート部4が所定の位置に露出し、インサート材4の内方部に樹脂部5が形成され、インサート材4の周囲の樹脂部5と内方部の樹脂部5とがインサート材の表面側で連通し、樹脂部5の表面に加飾層を備えた樹脂成形品100が成形される。
〔実施形態3〕
本願の実施形態3に係る樹脂成形品は、図9に示すように、インサート材4の一部が表面に露出するように樹脂部5に埋設され、インサート材4の表面側の内方部に樹脂充填部4Aを備えた樹脂成形品100である。樹脂充填部4Aによって、インサート材4の表面に模様が形成されており、図9では、模様として、樹脂充填部4Aがアルファベット「L」を表示している。
インサート材4は、例えば全体が矩形状であって、図10(a)に示すように、表面側に樹脂が充填される樹脂充填部4Aが「L」の形状で貫通されて形成されている。また、図10(b)に示すように、射出成形時に樹脂充填部4Aに樹脂を流入できるようにインサート材4の裏面側に樹脂充填部4Aとインサート材4の外縁とを連通する連通部4Bと連通4Cが形成されている。このように連通部4Bと連通部4Cを形成することで、樹脂による射出成形時にインサート材4の連通部4Bから樹脂充填部4Aに樹脂が流入し、連通部4Cから樹脂充填部4Aの過剰な樹脂が流出するようになる。
インサート材4の樹脂充填部4Aは貫通しており、インサート材4の内側面部4Eから形成されている。また、インサート材4の外周には樹脂成形品の表裏方向に対して直角な方向に樹脂部5と係合する鍔状の係止部4Fが設けられている。係止部4Fは、外周縁に向けて徐々に厚みを薄くした形状とすれば、樹脂部5に対して十分な係止効果が得られると共に、インサート材4のボリュームが低減されてインサート材4を歩留まりよく構成できる。係止部4Fはインサート材4の外周または樹脂充填部4Aの内側面部4Eの全部に設けてもよいし、一部に設けてもよい。
図9に示す樹脂成形品100は、図11及び図12に示すように、第1金型1と第2金型2とを用いて製造される。図11は第1金型1にインサート材4が配置された状態を示す図であり、図12(a)は図11のXIIa−XIIa断面図であり、図12(b)は図11のXIIb−XIIb断面図である。
インサート材4を第2金型2の側に押圧しつつ保持した状態で、第1金型1に設けられたゲート6から樹脂を注入する。金型内に注入された樹脂はインサート材4の周囲から連通部4Bを通って樹脂充填部4Aにも流入される。また、樹脂充填部4Aには、連通部4Cも連通されているので、樹脂充填部4A内の過剰な樹脂は連通部4Cを通ってインサート材4の外部のキャビティ3に流出される。こうして、インサート部4は、一部が樹脂部5から露出した状態で樹脂部5に埋設され、内方部の樹脂充填部4Aにも樹脂が充填された、図9の樹脂成形品100が成形される。
成形された樹脂成形品100は、表面の一部にインサート材4が露出しており、インサート材4の内方部にも模様を有する樹脂部5が配置されて、意匠性に優れたものとなる。インサート材4の外周部の係止部4Aが樹脂部5に確実に係合しており、密着性も高く、インサート材4が金属製である場合等は、樹脂成形品の耐久性も向上する。
〔別実施形態〕
(1)実施形態1〜3では、インサート材の連通部4B及び連通部4Cを、インサート材の外縁の対向位置にそれぞれ1つまたは2つ設けたが、連通部はそれぞれ複数設けるようにしてもよい。
(2)実施形態1〜3では、加飾層を有する樹脂成形品を用いて説明したが、本発明に係る樹脂成形品は加飾層を有しないものであってもよい。また、実施形態1〜3の加飾フィルム20は印刷された模様のみが樹脂表面に転写され、フィルムそのものは樹脂表面に残存しない。
本発明に係る樹脂成形品は、インサート材の露出面に文字や模様等の樹脂部を備えた意匠性の優れた各種の外装品等に利用することができる。
1 第1金型
2 第2金型
4 インサート材
4A 樹脂充填部
4B,4C,4Ca,4Cb 連通部
4D 独立露出部
5 樹脂部
6 ゲート
100 樹脂成形品

Claims (6)

  1. インサート材を、その一部が露出した状態で樹脂部に埋設してある樹脂成形品であって、
    前記インサート材の露出した表面のうち、内方部の少なくとも一部の領域に前記樹脂部を形成する樹脂が充填された樹脂充填部を備え、
    当該樹脂充填部と前記インサート材の周囲の樹脂部とを連通する連通部を、前記樹脂充填部に対して前記インサート材の平面方向に沿って少なくとも二つ設けてある樹脂成形品。
  2. 前記連通部の少なくとも一つが前記インサート材の表面を除く部位に形成されてなる請求項1に記載の樹脂成形品。
  3. 表面側の前記樹脂充填部の一部が前記インサート材の外縁端部まで切り欠かれることにより、前記連通部の少なくとも一つが前記インサート材の側面の開口部となるように形成されており、当該連通部とこれに連続する前記樹脂充填部おける前記インサート材の厚みを、前記インサート材の外縁に向けて徐々に薄くなるように形成してある請求項1または2に記載の樹脂成形品。
  4. インサート材の少なくとも一部が樹脂部に埋設し、埋設されたインサート材の露出する表面側の内方部に樹脂充填部を備えた樹脂成形品の製造方法であって、
    表面側の内方部に樹脂充填部を形成し、当該樹脂充填部と前記インサート材の周囲の樹脂部とを連通する連通部を、前記樹脂充填部に対して前記インサート材の表面に沿って少なくとも二つ設けたインサート材を用い、
    第1金型に前記インサート材を位置決めして配置するインサート材配置工程と、
    前記第1金型と第2金型とを型締めして、第1金型と第2金型と前記インサート材との間に樹脂注入用のキャビティを形成するキャビティ形成工程と、
    前記インサート材に形成された前記連通部の一方から樹脂を注入し、前記連通部の他方から樹脂を流出させて、前記樹脂充填部と前記樹脂注入用のキャビティの両方に樹脂を充填する樹脂注入工程と、の各工程を備えた樹脂成形品の製造方法。
  5. 前記インサート材の前記連通部の少なくとも一つが前記インサート材の表面を除く部位に形成されてなる請求項4に記載の樹脂成形品の製造方法。
  6. 前記樹脂注入工程において、前記第1金型に備えた樹脂注入用のゲートから前記インサート材の裏面に向けて樹脂を注入するようにした請求項5に記載の樹脂成形品の製造方法。
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