JP4484533B2 - 遊技機用役物飾りの製造方法 - Google Patents

Description

本発明はパチンコ、パチスロ等の遊技機用役物飾りの製造方法に関するものである。

従来におけるパチンコ、パチスロ等の遊技機用役物飾りの製造方法は、樹脂を射出成形等により所要の立体形状に成形し、次に該樹脂成型物に対して印刷物を貼る加工や塗装及びホットスタンプ等の加工又は注射器（ディスペンサー）を用いた色入れ作業を行い、各種加工によって仕上げ等を行うものである。

しかし、斯かる従来の製造方法では、次の問題点がある。
立体形状に成形した後、その表面に塗装とホットスタンプ等による色入れを行うが、これらの塗装や色入れは作業員の手作業で行うものであるから、多大な手間と時間がかかり、能率が悪い。そしてまたこれに起因してコストアップになる。また、印刷物を貼る加工や塗装とホットスタンピングでは３Ｄ形状なる成型物に対して画線構成、色再現等に乏しく、よって再現できるデザインにも制約があり、実際の事象に近い写実的なデザインにすることは困難である。したがってまた、品質の点でも限界がある。また、キャッチアイ性（視覚的効果）の点でも精度的に然程高いものを期待することができない。

本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、生産能率を大幅に向上させることができると共に製造コストを大幅にダウンさせることができ、且つまた３Ｄ形状に対して画線構成、色再現等も豊富で、再現できるデザインにも制約を受けることが少なく、加えてキャッチアイ性（視覚的効果）の点でも大幅に向上させることができるようになした遊技機用役物飾りの製造方法を提供せんとするものである。

而して、本発明に係る遊技機用役物飾りの製造方法は、次の工程からなるものである。
成形可能な樹脂フィルムに所要の図柄等を印刷すると共に熱による崩れを防ぐためにロゴ等の意匠の部分に耐熱インキを裏打ちする工程と、印刷済みのフィルムを高圧成形又は真空成形により図柄等に合わせた所要の立体形状に成形する工程と、立体形状に成形したフィルムの裏面に、キャビティー側とコア側とからなり、キャビティー側に前記立体形状に成形したフィルムを嵌め込む凹部を形成する一方、コア側に該凹部内に所要の間隙をとって嵌め込む凸部を形成し、該キャビティー側とコア側との合わせ目に樹脂注入口を形成すると共に、コア側に、基端側が該樹脂注入口に連通する、先端が次第に窄まり、キャビティー側と反対側に湾曲した樹脂注入口を設け、該樹脂注入口の先端側からコア側の凸部に設けた、出口部分の角をＲ又はＣ面となした注入孔を介してフィルムの裏面中央部に溶融した樹脂を注入するようになした金型を用いたインサート成形により所要の厚味に樹脂を裏打ちする工程とからなるものである。

そして本発明は更に、上記工程において、フィルムを立体形状に成形する際に該フィルムの周縁部を僅かに張り出させ、インサート成形によりフィルムの裏面に樹脂を裏打ちする際に、該張り出し部分を金型におけるキャビティー側とコア側との間に挟持させ、この状態において溶融樹脂を金型内に注入すると共に溶融樹脂を流動解析等によりフィルムの裏面中央部から注入するものである。こうすることにより、フィルムの周縁部を確実に固定した状態とし、且つ溶融樹脂を中央部から周囲に向けて均一に注入できるから圧力バランスが良く、もってフィルムのずれを完全に防止することができる。

本発明によれば、生産能率を大幅に向上させることができると共に製造コストを大幅にダウンさせることができ、且つまた画線構成、色再現等も豊富で、再現できるデザインにも制約を受けることが少なく、加えてキャッチアイ性（視覚的効果）の点でも大幅に向上させることができるものである。

また、フィルムを立体形状に成形する際に該フィルムの周縁部を僅かに張り出させ、インサート成形によりフィルムの裏面に樹脂を裏打ちする際に、該張り出し部分を金型におけるキャビティー側とコア側との間に挟持させ、この状態において溶融樹脂を金型内に注入すると共に溶融樹脂を流動解析等によりフィルムの裏面中央部から注入するものである。こうすることにより、フィルムの周縁部を確実に固定した状態とし、且つ溶融樹脂を中央部から周囲に向けて均一に注入できるから圧力バランスが良く、もってフィルムのずれを完全に防止することができる。また、予め耐熱インキ等を裏打ち（座布団）することにより、ロゴ等の意匠を崩すことなく高圧高速フィルム成型を可能とする。

本発明を実施するための最良の形態は、成形可能な樹脂フィルムに所要の図柄等を印刷する工程と、印刷済みのフィルムを図柄等に合わせた所要の立体形状に成形する工程と、立体形状に成形したフィルムの裏面に、インサート成形により所要の厚味に樹脂を裏打ちする工程とからなるものである。

以下、本発明の実施例について説明する。
図１は製造工程の説明図、図２は金型におけるコア側部分の斜視図、図３は全工程完了時における製品の斜視図、図４は図３に示した製品の断面図である。

先ず、成形可能な樹脂フィルム１に所要の図柄等を印刷（図示せず。）する。このように予めフィルム１に図柄等を印刷しておくことにより、従来の如き手作業で行う印刷物を貼る加工や塗装及びホットスタンピングを行う必要がなくなる。また画線構成や４色分解等による色再現も豊富になる。尚、該樹脂フィルム１としては、本実施例ではバイエル社のＰＣフィルム「マクロホール」（商品名）を使用する。しかし、本発明はなんらこれに限定されるものではない。また、印刷剤としては、本実施例では耐熱性を持ち且つ伸縮性の高い株式会社ミノグループ社の一液性蒸発乾燥型インキ「プレール・ノリファンＨＴＲ」（商品名）を使用する。しかし、本発明はなんらこれに限定されるものではない。

次に、上記印刷済みのフィルム１を図柄等に合わせた所要の立体形状に成形する。尚、これは高圧成形或いは真空成形により行う。そしてまた、このときには、成形した樹脂フィルム１の周縁部に僅かに張り出し部分１Ａを形成する。

そして最後に立体形状に成形したフィルム１の裏面に、インサート成形により所要の厚味に樹脂２を裏打ちするものである。また、この作業は、本実施例では図１及び図２に示す金型を用いたインサート成形法により行う。該金型３はキャビティー側３Ａとコア側３Ｂとからなり、キャビティー側３Ａには前記立体形状に成形したフィルム１を嵌め込む凹部３ａを形成する一方、コア側３Ｂには該凹部３ａ内に所要の間隙をとって嵌め込む凸部３ｂを形成している。そしてまた、該金型３におけるキャビティー側３Ａとコア側３Ｂとの合わせ目には樹脂注入口４を形成すると共に、コア側３Ｂには、基端側が該樹脂注入口４に連通する、先端が次第に窄まり、キャビティー側３Ａと反対側に湾曲した樹脂注入口５が設けられている。そして、該樹脂注入口５の先端側からコア側３Ｂの凸部３ｂに設けた注入孔６を介してフィルム１の裏面中央部に溶融した樹脂を注入するものである。この時、図１の注入孔６の符号９で示す出口部分の角をＲ又はＣ面とすることによりインキの保護及び流動バランスを良好にする。そしてまた、このときには金型３におけるキャビティー側３Ａとコア側３Ｂとの間にフィルム１の周縁部の張り出し部分１Ａを挟持させるものである。また、その他７、８は硬化した樹脂を突き出すエジェクタピンである。尚、インサート成形法は公知であるから、その詳細な説明は省略する。

本発明の製造工程の説明図である。 金型におけるコア側部分の斜視図である。 全工程完了時における製品の斜視図である。 図３に示した製品の断面図である。

符号の説明

１ 樹脂フィルム
１Ａ フィルム１周縁部の張り出し部分
２ 樹脂
３ 金型
３Ａ 金型におけるキャビティー側
３Ｂ 金型におけるコア側
３ａ 凹部
３ｂ 凸部
４、５ 樹脂注入口
６ 注入口

Claims (1)

1. 成形可能な樹脂フィルムに所要の図柄等を印刷すると共に熱による崩れを防ぐためにロゴ等の意匠の部分に耐熱インキを裏打ちする工程と、印刷済みのフィルムを高圧成形又は真空成形により図柄等に合わせた所要の立体形状に成形する工程と、立体形状に成形したフィルムの裏面に、キャビティー側とコア側とからなり、キャビティー側に前記立体形状に成形したフィルムを嵌め込む凹部を形成する一方、コア側に該凹部内に所要の間隙をとって嵌め込む凸部を形成し、該キャビティー側とコア側との合わせ目に樹脂注入口を形成すると共に、コア側に、基端側が該樹脂注入口に連通する、先端が次第に窄まり、キャビティー側と反対側に湾曲した樹脂注入口を設け、該樹脂注入口の先端側からコア側の凸部に設けた、出口部分の角をＲ又はＣ面となした注入孔を介してフィルムの裏面中央部に溶融した樹脂を注入するようになした金型を用いたインサート成形により所要の厚味に樹脂を裏打ちする工程とからなり、前記フィルムを立体形状に成形する際に該フィルムの周縁部を僅かに張り出させ、インサート成形によりフィルムの裏面に樹脂を裏打ちする際に、該張り出し部分を金型におけるキャビティー側とコア側との間に挟持させ、この状態において溶融樹脂を金型内に注入すると共に溶融樹脂をフィルムの裏面中央部から注入するようになしたことを特徴とする遊技機用役物飾りの製造方法。
   

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