JP4180287B2 - 射出成形用金型と射出成形品の製造方法 - Google Patents

射出成形用金型と射出成形品の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、携帯通話機器の上蓋や下蓋、電子応用玩具の表面部品や外装部品、炊飯器入力部パネルや自動車内外装パネル、パチンコ台の外枠などを加飾するための射出成形用金型と射出成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、携帯電話の上蓋に文字や図形を形成する場合に、射出成形法が用いられている。
この成形法において用いられる射出成形用金型は、次のような構成をしている。凹部を有する可動型と凹部を有する固定型との間に基体シート上に転写層を備えた転写材を配置し、可動型と固定型との型閉めにより形成した成形用空間内に成形樹脂を注入して射出成形品を形成すると同時に射出成形品の表面に転写層を一体化接着させるための射出成形用金型であって、可動型と固定型とを型閉めしたときに、可動型の凹部に形成された断面曲線部の終端部と固定型の凹部の端部とによって段差を形成することができるものである(いわゆる中間パートを形成するタイプの金型とも言われる。)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来の技術は、次のような課題があった。
前記したように、従来の射出成形用金型では、エンドユーザーのデザイン指定が変るごとに、可動型の凹部の断面曲線部の深さD(mm)と、曲率半径R(mm)、可動型抜き勾配A(°)の各要素のバランスを調節しなければならず、調節に失敗した場合には、次のような問題が発生していた。
(1)エンドユーザーのデザイン指定が、可動型の凹部の深さDが大で、曲率半径Rと可動型抜き勾配Aとが小の傾向にあるとき(図5参照)は、可動型の凹部から射出成形品を脱型しにくく、しかも、急角度のコーナー部に成形樹脂を押し込むことになるため、転写層のインキクラック、転写材の破れが発生していた。なお、脱型とは、可動型の凹部から射出成形品を抜き出すことをいう。
(2)エンドユーザーのデザイン指定が、可動型の凹部の深さDが小で、曲率半径Rと可動型抜き勾配Aが大の傾向にあるとき(図6参照)は、可動型の凹部に形成された断面曲線部の終端部と固定型の凹部の端部との接点近傍(以下「パーティング部コーナー部」という。)において、成形樹脂の圧力が不十分となりやすく、転写層と成形樹脂との密着不良などにより、転写層と成形樹脂との剥がれが発生していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記課題を解決するためにつぎのようにした。つまり、請求項1に記載したように、凹部を有する可動型と凹部を有する固定型との間に基体シート上に転写層を備えた転写材を配置し、可動型と固定型との型閉めにより形成した成形用空間内に成形樹脂を注入して射出成形品を形成すると同時に射出成形品の表面に転写層を一体化接着させるための射出成形用金型であって、可動型と固定型とを型閉めしたときに、可動型の凹部に形成された断面曲線部の終端部と固定型の凹部の端部とによって段差を形成することができる射出成形用金型において、断面曲線部の深さをD(mm)、曲率半径をR(mm)、可動型抜き勾配をA(°)としたとき、5≦R×A/D≦20の条件を満たすことを特徴とする射出成形用金型である。また、請求項2に記載したように、深さDが0.15〜4.0mmであり、曲率半径RとDとの関係がD/2≦R≦Dであり、可動型抜き勾配Aが45°以下である射出成形用金型である。また、請求項3に記載したように、凹部を有する可動型と凹部を有する固定型との間に基体シート上に転写層を備えた転写材を配置し、可動型と固定型との型閉めにより形成した成形用空間内に成形樹脂を注入して射出成形品を形成すると同時に射出成形品の表面に転写層を一体化接着させるための射出成形用金型であって、可動型と固定型とを型閉めしたときに、可動型の凹部に形成された断面曲線部の終端部と固定型の凹部の端部とによって段差を形成することができる射出成形用金型において、断面曲線部の深さをD(mm)、曲率半径をR(mm)、可動型抜き勾配をA(°)としたとき、R=D、A=0の条件を満たすことを特徴とする射出成形用金型である。また、請求項4に記載したように、前記射出成形用金型を用いる製造方法であって、まず、可動型と固定型との間に基体シート上に転写層を備えた転写材を配置し、次に、可動型と固定型との型閉めにより形成した成形用空間内に成形樹脂を注入して射出成形品を形成すると同時に射出成形品の表面に転写材の転写層側を一体化接着させ、次に、可動型と固定型とを型開きし、射出成形品を可動型および固定型から脱型する際または脱型した後に転写材から基体シートを剥離することを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
この発明の射出成形用金型の説明をする。
【0006】
この発明の射出成形用金型は、凹部を有する可動型と凹部を有する固定型との間に基体シート上に転写層を備えた転写材を配置し、可動型と固定型との型閉めにより形成した成形用空間内に成形樹脂を注入して射出成形品を形成すると同時に射出成形品の表面に転写層を一体化接着させるための射出成形用金型であって、可動型と固定型とを型閉めしたときに、可動型の凹部に形成された断面曲線部の終端部と固定型の凹部の端部とによって段差を形成することができる射出成形用金型において、断面曲線部の深さをD(mm)、曲率半径をR(mm)、可動型抜き勾配をA(°)としたとき、5≦R×A/D≦20の条件を満たすものである。なお、深さとは、型底11から終端部5までの高さのことをいう(図1参照)。また、曲率半径とは、断面曲線部における曲率半径のことをいう(図1参照)。可動型抜き勾配とは、可動型と固定型との開閉方向に対する断面曲線部の終端部5近傍におけるストレート部の傾きのことをいう(図1参照)。なお、ストレート部が存在しない場合は、終端部5における接線の勾配のことをいう。断面曲線が円周を1/4に切り取った形状である円弧形状であるときは、可動型抜き勾配は0となる。
【0007】
この発明の射出成形用金型は、凹部aを有する可動型1と凹部bを有する固定型2とを備えたものであり、前記凹部aと凹部bとを向かい合わせにして可動型1と固定型2とを型閉めして成形用空間3を形成する金型、つまり、いわゆる中間パートを形成するタイプの金型である。
【0008】
可動型1の凹部aは、少なくとも断面曲線部4とその断面曲線部4の終端部5を有する。可動型1と固定型2とを型閉めしたときに、パーティングコーナー部において、可動型1の凹部aに形成された断面曲線部4の終端部5と後述する固定型2の凹部bの端部6とによって段差7を形成することができる。この段差7は、射出成形品8の外周9に形成されるものでもよいし(図2、図7参照)、射出成形品8の孔部10の内周15に形成されるものでもよい(図2、図3、図4、図8参照)。
なお、段差7を形成するとつぎのような作用効果がある。射出成形品8の側面を完全に面一にするためには可動型1と固定型2とを完全に一致させればよいが、金型精度を上げても誤差が生じる場合がある。そこで、可動型1の終端部5が固定型2の凹部bの端部6より外側に位置するように構成することにより、射出成形品8を表面から見た場合に体裁が落ちないようにするために段差7を形成することができるようにしているのである(図9参照)。
【0009】
(1)射出成形品8の外周9に形成される場合(図2参照)の段差7の距離(いわゆる「ミスマッチ」)は0.05〜0.1mmである。0.05mm以上である理由は、可動型1と固定型2とを型閉めしたときに発生する可動型1と固定型2との位置ずれを吸収できる限界が0.05mmであり、これより小さくすると、型閉め時のわずかな位置ずれにより、前記はみ出しが発生しやすくなり(図9参照)、射出成形品8の外径寸法に影響を与えるなどの不都合があるからである。0.1mm以下である理由は、これより大きくすると、パーティングコーナー部が先細りの形状となるため(図6参照)、成形樹脂の圧力が不十分となりやすく、転写層14と成形樹脂との密着不良などにより、転写層14と成形樹脂との剥がれが発生しやすくなるからである。
【0010】
(2)射出成形品8の孔部10の内周15に形成される場合(図3、図4、図8参照)の段差7の距離の数値範囲とその理由も(1)と同様である。
【0011】
固定型2は、凹部bを有する。凹部bの端部6は、前記したように段差7を形成する部分である。固定型2の凹部bの内径は、可動型1の凹部aの内径より小さく形成されている。こうすることによって、外周9に段差7を有する形状の射出成形品8、あるいは、射出成形品8の孔部10の内周15に段差7を有する形状の射出成形品8が得られる(図1〜4参照)。固定型2の凹部bは固定型抜き勾配Bを有するのが好ましい(図1、図3参照)。固定型2の凹部bの固定型抜き勾配Bは、1〜10°である。1°以上である理由は、これより小さくすると、射出成形品8を固定型2から脱型する時に射出成形品8と凹部bの壁面との間で摩擦抵抗が増し、射出成形品8に擦り傷が発生し、更に悪化すると射出成形品8にクラックが発生するからである。10°以下である理由は、これより大きくすると、パーティングコーナー部において成形樹脂の圧力が不十分となりやすく、転写層14と成形樹脂との密着不良などにより、転写層14と成形樹脂との剥がれが発生しやすくなるからである。固定型2は転写材13が密着する金型ではないが、固定型2の固定型抜き勾配Bはパーティングコーナー部における成形樹脂の圧力に影響を及ぼすのである。
【0012】
固定型2は、凹部bの型底11あるいは凹部bの側面に射出口12を有する。射出口12は、可動型1と固定型2とを型閉めすることにより形成された成形用空間3内に、溶融された成形樹脂を注入する口である。成形樹脂の射出により、両金型間に配置された転写材13に圧力をかけて可動型1の凹部aの隅々にまで確実に転写材13を密着させるようにする。
【0013】
この発明の射出成形用金型においては、断面曲線部4の深さをD(mm)、曲率半径をR(mm)、可動型抜き勾配をA(°)としたとき、5≦R×A/D≦20の条件を満たすことを特徴とする。
射出成形品8を可動型1から脱型しにくいか、脱型しやすいかの観点で考えると次のようになる。
可動型1の凹部aの断面曲線部4の深さDが大きいほど、射出成形品8が深く嵌り込んでいるため、射出成形品8を可動型1から脱型しにくくなり、反対に、可動型1の凹部aの断面曲線部4の深さDが小さいほど、射出成形品8を可動型1から脱型しやすくなる。しかし、可動型1の凹部aの断面曲線部4の深さDが小さくても、曲率半径Rが小さいほど、急角度のコーナー部を有することになるため、射出成形品8を可動型1から脱型しにくくなり、反対に、可動型1の凹部aの断面曲線部4の深さDが大きくても、曲率半径が大きいと、急角度のコーナー部を有さないことになるため、射出成形品8を可動型1から脱型しやすくなる。また、可動型1の凹部aの断面曲線部4の深さDが小さかったり、曲率半径が大きかったりしても、可動型抜き勾配Aが小さければ、射出成形品8は可動型1の終端部5で締めつけられることになるため、射出成形品8を可動型1から脱型しにくくなり、反対に、可動型1の凹部aの断面曲線部4の深さDが大きかったり、曲率半径が小さかったりしても、可動型抜き勾配Aが大きければ、射出成形品8は可動型1の終端部5で締めつけられることがないため、射出成形品8を可動型1から脱型しやすくなる。
これらの観点と、転写材13の転写層14のインキクラックや転写材13の破れの発生、転写材13と成形樹脂との密着不良などによる転写材13と成形樹脂との剥がれの発生をなくすためにはどのような条件が好ましいかという観点とを総合的に考え合わせて、曲率半径R(mm)と可動型抜き勾配A(°)と断面曲線部の深さD(mm)とをバランスをとり、可動型抜き勾配A(°)と断面曲線部の深さD(mm)で除した値に曲率半径R(mm)を乗じた値を所定の幅に設定すれば、所望の結果が得られるのではないかとの着想を得、この着想に基づき実測を行ったところ、前記5≦R×A/D≦20の条件を見出した(射出成形品8の外周9に関しては表1参照、射出成形品8の孔部10に関しては表2参照)。
特に、曲率半径RとDとの関係は、D/2≦R≦Dmmである。D/2mmより小さいと、断面曲線部4において、成形樹脂の樹脂圧によりフィルムが伸ばされ過ぎて、転写層14のインキクラックが発生し、さらには転写材13が破れてしまいやすくなるからである。Dmmより大きいと、ストレート部が小さくなり、転写層14のインキクラックや転写材13の破れが発生しやすくなるからである。また、パーティングコーナー部において成形樹脂の圧力が不十分とならないようにする必要があるからである。
また、可動型抜き勾配Aは、45°以下である。45°より大きいと、特にパーティングコーナー部において、成形樹脂の流量が減少しすぎるために転写に必要な圧力を十分に伝達することができず、転写層14と成形樹脂との密着不良が発生するからである。45°以下の中でも転写に必要な圧力を十分に伝達することができ、かつ、転写層14のインキクラックや転写材13の破れが発生しないように確実を期するためには、7〜20°が特に好ましい。なお、可動型抜き勾配Aが0となってもよい。この場合は、断面曲線部の深さをD(mm)、曲率半径をR(mm)としたとき、R=Dとなり、断面曲線が円周を1/4に切り取った形状である円弧形状となるが、転写層14のインキクラックや転写材13のしわや破れは発生しない。
【0014】
【表1】
Figure 0004180287
【0015】
【表2】
Figure 0004180287
【0016】
(1)射出成形品8の外周9に段差7を形成する場合における凹部aの断面曲線部4の深さDの説明をする。
深さDは、0.15〜5.0mmである。0.15mmより小さくすると、曲率半径Rや可動型抜き勾配Aを形成すること自体が困難となるからである。5.0mmより大きくすると、射出成形品8を可動型1から脱型し易くするために可動型抜き勾配A、曲率半径Rともに大きくとる必要に迫られる結果、転写材が延伸しきれずに破れてしまうからである。深さDは、0.3〜2.0mmが特に好ましい。2.0mmより大きな深さがあると転写層14のインキクラックや転写材13の破れの発生を抑えにくくなりやすく、成形時にその対処法を試行錯誤する必要が出てくるからである。また、0.3mmより小さいと転写材13の伸縮量が小さくなり、転写層14の切れが悪くなることから、射出成形品8に余分な転写層14が付着する、いわゆる箔バリの量が多くなる。箔バリの量が多くなるとそれが金型内に飛散する傾向にあり、後続の射出成形品8に付着することがあるからである。
【0017】
(2)射出成形品8の孔部10の内周15に段差7を形成する場合における凹部aの断面曲線部4の深さDの説明をする。
深さDは、0.2〜0.4mmである。0.2mmより小さいと、成形樹脂の流量が減少しすぎるために、特にパーティングコーナー部において、転写に必要な圧力を十分に伝達することができず、転写層14と成形樹脂との密着不良が発生するからである。0.4mmより大きいと、転写材13にしわが発生し、また転写層14にインキクラックが入りやすくなる。携帯電話のボタン孔やスピーカーホール等の孔部10の内周15の曲率は外周9に比べて小さいので、転写材13のしわや転写層14のインキクラックが発生しやすい。このことから、特に、0.2〜0.3mmが好ましい。
【0018】
つぎに、この発明の射出成形用金型を用いた射出成形品の製造方法を説明する。
【0019】
まず、凹部aを有する可動型1と凹部bを有する固定型2との間に基体シート上に転写層14を備えた転写材13を配置する。
転写材13は、可動型1の凹部aと固定型2の凹部bとで適切な位置で挟み込まれるように配置する。枚葉の転写材13を1枚づつ送り込んで配置してもよいし、長尺の転写材13のまま切り取らずに必要部分のみを間欠的に連続して送り込んで配置してもよい。長尺の転写材13を切り取らずに使用する場合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、転写材13と射出成形用金型との見当が一致するようにするとよい。また、転写材13を間欠的に送り込む際に、転写材13の位置をセンサーで検出した後に転写材13を可動型1と固定型2とで固定するようにすれば、常に同じ位置で転写材13を固定することができ、転写材13の位置ずれが生じないので有利である。位置決めが完了した転写材13は、真空吸引されて、可動型1の凹部aの内面に沿って変形する。枚葉の転写材13を1枚づつ送り込む場合は、射出成形用金型内に送り込まれる前に可動型1の凹部aに嵌まり込む形状に変形させてから、射出成形用金型内に送り込み、可動型1の凹部aに嵌め込んで配置することもできる。予備成形は、転写材13を真空成形、プレス成形などにより立体形状に変形させることにより行なうとよい。
【0020】
次に、型閉めにより成形用空間3を形成し、成形用空間3内に成形樹脂を注入して射出成形品8を形成すると同時に射出成形品8の表面に転写材13の転写層14を一体化接着させる。
この発明の射出成形用金型は、凹部aの断面曲線部4の深さD、曲率半径R、可動型抜き勾配Aが、5≦R×A/D≦20の条件を満たすので、注入された成形樹脂は、転写層14のインキクラックや転写材13の破れなどが発生しない。また、パーティングコーナー部においても成形樹脂の圧力が十分確保でき、転写層14と成形樹脂との密着不良は発生せず、転写層14と成形樹脂との剥がれが発生しない。
【0021】
次に、可動型1と固定型2とを型開きして、射出成形品8を可動型1および固定型2から脱型する際または脱型した後に、転写材13から基体シートを剥離する。この発明の射出成形用金型は、凹部aの断面曲線部4の深さD、曲率半径R、可動型抜き勾配Aが、5≦R×A/D≦20の条件を満たすので、射出成形品8が可動型1の凹部aの内面に引っ掛からずに容易に脱型できる。なお、射出成形品8の外周9に段差7が形成された射出成形品8としては、図1、図2、図7に示すようなものがある。射出成形品8の孔部10の内周15に段差7が形成された射出成形品8としては、図2、図4、図8に示すようなものがある。
【0022】
成形樹脂としては、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂とABS樹脂とのポリマーアロイなどがある。成形樹脂は透光性を有していてもよい。
【0023】
なお、この発明において用いる転写材13の基本的な層構成の具体例としては、基体シート、離型層、剥離層、図柄層、接着層が順次積層されたものがあり、剥離層、図柄層、接着層の積層物が転写層14となる。基体シートの材質としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などの樹脂シートがある。
【0024】
【発明の効果】
この発明の射出成形用金型は、凹部を有する可動型と凹部を有する固定型との間に基体シート上に転写層を備えた転写材を配置し、可動型と固定型との型閉めにより形成した成形用空間内に成形樹脂を注入して射出成形品を形成すると同時に射出成形品の表面に転写層を一体化接着させるための射出成形用金型であって、可動型と固定型とを型閉めしたときに、可動型の凹部に形成された断面曲線部の終端部と固定型の凹部の端部とによって段差を形成することができる射出成形用金型において、断面曲線部の深さをD(mm)、曲率半径をR(mm)、可動型抜き勾配をA(°)としたとき、5≦R×A/D≦20の条件を満たすことを特徴とする。
また、この発明の射出成形用金型は、凹部を有する可動型と凹部を有する固定型との間に基体シート上に転写層を備えた転写材を配置し、可動型と固定型との型閉めにより形成した成形用空間内に成形樹脂を注入して射出成形品を形成すると同時に射出成形品の表面に転写層を一体化接着させるための射出成形用金型であって、可動型と固定型とを型閉めしたときに、可動型の凹部に形成された断面曲線部の終端部と固定型の凹部の端部とによって段差を形成することができる射出成形用金型において、断面曲線部の深さをD(mm)、曲率半径をR(mm)としたとき、R=Dの条件を満たすことを特徴とする。
さらに、この発明の射出成形品の製造方法は、前記射出成形用金型を用いる製造方法であって、まず、可動型と固定型との間に基体シート上に転写層を備えた転写材を配置し、次に、可動型と固定型との型閉めにより形成した成形用空間内に成形樹脂を注入して射出成形品を形成すると同時に射出成形品の表面に転写材の転写層側を一体化接着させ、次に、可動型と固定型とを型開きし、射出成形品を可動型および固定型から脱型する際または脱型した後に転写材から基体シートを剥離することを特徴とする。
【0025】
したがって、断面曲線部の深さをD(mm)、曲率半径をR(mm)、可動型抜き勾配をA(°)のバランスをとっているため、エンドユーザーのデザイン指定が可動型の凹部の深さDが大で、曲率半径Rと可動型抜き勾配Aとが小の傾向にあるときでも、可動型の凹部から射出成形品を脱型しやすいだけでなく、転写層のインキクラックや転写材の破れが発生しない。また、エンドユーザーのデザイン指定が可動型の凹部の深さDが小で、曲率半径Rと可動型抜き勾配Aが大の傾向にあるときでも、パーティングコーナー部において、成形樹脂の圧力を十分確保できるので、転写層と成形樹脂との密着が良好となり、転写層と成形樹脂との剥がれが発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の射出成形用金型の一例を示す一部切欠要部断面図である。
【図2】この発明の射出成形品の製造方法によって得られる射出成形品の一例を示す斜視図である。
【図3】この発明の射出成形用金型の一例を示す一部切欠要部断面図である。
【図4】図2の射出成形品のY−Y断面拡大図である。
【図5】従来の射出成形用金型を示す一部切欠要部断面図である。
【図6】従来の射出成形用金型を示す一部切欠要部断面図である。
【図7】図2の射出成形品のX−X断面拡大概略説明図である。
【図8】図2の射出成形品のY−Y断面拡大概略説明図である。
【図9】この発明の射出成形用金型の「段差」を説明するための断面説明図である。
【符号の説明】
a 凹部
b 凹部
1 可動型
2 固定型
3 成形用空間
4 断面曲線部
5 終端部
6 端部
7 段差
8 射出成形品
9 外周
10 孔部
11 型底
12 射出口
13 転写材
14 転写層
15 内周

Claims (4)

  1. 凹部を有する可動型と凹部を有する固定型との間に基体シート上に転写層を備えた転写材を配置し、可動型と固定型との型閉めにより形成した成形用空間内に成形樹脂を注入して射出成形品を形成すると同時に射出成形品の表面に転写層を一体化接着させるための射出成形用金型であって、可動型と固定型とを型閉めしたときに、可動型の凹部に形成された断面曲線部の終端部と固定型の凹部の端部とによって段差を形成することができる射出成形用金型において、断面曲線部の深さをD(mm)、曲率半径をR(mm)、可動型抜き勾配をA(°)としたとき、5≦R×A/D≦20の条件を満たすことを特徴とする射出成形用金型。
  2. 深さDが0.15〜4.0mmであり、曲率半径RとDとの関係がD/2≦R≦Dであり、可動型抜き勾配Aが45°以下である請求項1に記載の射出成形用金型。
  3. 凹部を有する可動型と凹部を有する固定型との間に基体シート上に転写層を備えた転写材を配置し、可動型と固定型との型閉めにより形成した成形用空間内に成形樹脂を注入して射出成形品を形成すると同時に射出成形品の表面に転写層を一体化接着させるための射出成形用金型であって、可動型と固定型とを型閉めしたときに、可動型の凹部に形成された断面曲線部の終端部と固定型の凹部の端部とによって段差を形成することができる射出成形用金型において、断面曲線部の深さをD(mm)、曲率半径をR(mm)、可動型抜き勾配をA(°)としたとき、R=D、A=0の条件を満たすことを特徴とする射出成形用金型。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の射出成形用金型を用いる製造方法であって、まず、可動型と固定型との間に基体シート上に転写層を備えた転写材を配置し、次に、可動型と固定型との型閉めにより形成した成形用空間内に成形樹脂を注入して射出成形品を形成すると同時に射出成形品の表面に転写材の転写層側を一体化接着させ、次に、可動型と固定型とを型開きし、射出成形品を可動型および固定型から脱型する際または脱型した後に転写材から基体シートを剥離することを特徴とする射出成形品の製造方法。
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